Q1 昭和57年8月12日。対近鉄戦、阪急1回表の攻撃は、早くも1死満塁の絶好の先制チャンス。ところが、続く5番打者は、なぜかピッチャーの山沖。おまけに阪急の上田監督は彼にピンチヒッターも送らず、そのまま打席に立たせて、結果は三振。せっかくのチャンスを潰してしまった。どうして上田監督は代打を送らなかったのか?
Q2 たとえば、右翼手の投げたボールが、二塁手に中継されて、走者をホームでアウトにした場合、右翼手と二塁手には補殺(アシスト・アウト)が記録され、捕手には刺殺(プット・アウト)が記録される。では、どうして次のような記録が残っているのか? 昭和54年4月14日、対巨人戦での大洋(現・横浜)山下(現・楽天コーチ)の第1打席は三振。ところがスコアには、捕手、一塁手、二塁手、遊撃手に捕殺、一塁手に刺殺が記録されている。三振した打者をアウトにするのに、なぜこれほど多くの野手がアシスト(協力)したの?
Q3 昭和39年6月7日。中日対大洋戦。この試合のスコアブックには、一見信じられない記録が残されている。それは、1イニング2併殺打! 2回裏、中日の攻撃のとき、葛城とアスプロモンテの2人が、いずれも走者を一塁に置いてセカンドゴロを打ち、両者に“6-4-3”の併殺打が記録されているのだ。だったら、合計4アウト?いや、結果は、きちんと3アウト。では、どうして、こんな結果が残っているのか?
Q4 昭和45年9月8日。巨人対中日戦は5対5の同点で延長戦へ。その10回裏、1死一、三塁とサヨナラのチャンスを迎えた巨人。そこでバッター国松の打った当たりはライト・オーバーのサヨナラ安打。ところが、この試合のスコアブックには、国松に“アウト”が記録されている。もちろん、この試合は、彼のサヨナラ安打で巨人が勝った。が、国松は“サヨナラ安打を打ちながらアウト”になっているのだ。いったい彼は、どんなプレイをしてしまったのか?
Q5 昭和38年8月14日。対近鉄戦で、阪急打線は“5打者連続安打無得点”という超珍記録をつくった。先頭打者のバルボンが右前安打。しかし二盗失敗。続く岡島は中前安打。さらに次打者戸口が左中間安打を打ったが、一塁走者の岡島が三塁をよくばってアウト。続く中田の中前安打で走者一、二塁。そして5人目の打者早瀬が中前安打を打ったが、二塁走者の戸口がホームに突入してアウト。これで3アウト、チェンジ。では、“6打者連続安打無得点”という記録は起こりうるだろうか? じつは、これが可能なのだ。前記の二塁走者戸口がホームに突っ込まずに三塁でストップし、走者満塁となり、次のバッターが6打者連続となるヒットを打つ・・・が、得点にならないケースがあるのだ。それは、いったい、どんなケース?
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こういう原稿を見なおしていると、野球って、ほんとうに面白いと思う。だから、わたしは野球が大好きなのだが、最近、ジャイアンツの前田投手が“1イニング4奪三振”という珍記録を作ったにもかかわらず、(スポーツニュースで)あまり騒がれなかった。このあたりが、野球人気の低迷の真の原因かもしれない。さあ、みなさんは、上記のクイズの答えがわかりましたか? 野球って、ほんとうに面白いでしょう! |