2020東京五輪のゴルフ会場になっている霞ヶ関カンツリー倶楽部(CC)が、女性が正会員になれないことで問題になっている。
私はJGC(日本ゴルフ改革会議・大宅映子議長)の一員として、一昨年から霞ヶ関CCは「五輪に不適格」と主張していたので、何を今更とも思う。
しかも不適格な理由は女性問題だけではない。遠い(選手村から往復3時間)、暑い(熱中症の危険大)等の問題もある。そしてバリアフリーが不完全なことも大問題だ。
JGCとして組織委の森喜朗会長に面会したときにも、この問題を指摘した。が、組織委のスタッフは、「ゴルフはパラリンピックの正式競技に入っていませんから……」と回答。これにはガッカリした。
パラリンピックの会場でなければバリアフリーでなくても良いのか? 障害者の観客はゴルフを見られなくても良いのか?
おそらく組織委のスタッフは、深く考えないままに、「バリアフリー→障害者→パラリンピック→ゴルフ競技はナシ→問題ナシ」と連想してしまったのだろう。
しかし現在、視覚や聴覚の障害者、手足に障害を持つ人々などによる「障害者ゴルフ」は年々盛んになり、東京大会では正式競技採用に向けての運動も起こっていると聞く。
ならば、たとえ正式競技はダメでも、公開競技(エキジビション)として行われるよう努力してもらえないものか? そういう動きをするのが、より良い大会を実現するための組織委員会の仕事と言えるのではないか。
五輪やパラリンピックの正式競技を決めるのは国際競技団体(IF/ゴルフの場合はIGF=国際ゴルフ連盟)で、組織委に決定権はない(と森喜朗会長は繰り返す)。が、2020年を一人でも多くの人々が参加し、喜びを分かち合う素晴らしい大会にするために、組織委には大いに尽力してほしいものである。
そのためには、まずゴルフ会場を、誰もが使うことのできる東京都所有のパブリックコース・若洲ゴルフリンクスに変更することが急務のはずだが…。
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追記:猪瀬元東京都知事は、森喜朗組織委会長を「東京の敵」と批判し、その理由を「不作為の罪」と断言した(ナンヤラカンヤラ2/18参照)。「不作為」とは、法律用語で「当然やることが期待されている行為をやらないこと」だ。それでいてご本人は、「無給でご奉仕のつもりで仕事をしている」と言うのだから……こまったものだ。嗚呼。 |