テレビのあるニュース番組のキャスター(註・番組名と名前を明かしても、別に失礼にも無礼にもならないので、明かしますが、NHK『ニュースウォッチ9』のキャスター、元六大学野球東京大学の大エース=これは冷やかしで書いているんではありません!事実です!=の大越健介氏です)の口にした言葉で、面白いことに気付いた。
「日本のお家芸、バレーボール男子の代表チームに外国人の監督が就任しました……」
日系4世のアメリカ人ゲーリー・サトウ氏の就任を指しての言葉だった。が、バレーボールは「日本のお家芸」なのか……?
バレーボールは19世紀末にアメリカで創作された中高年向けの球技だ。が、競技としては発展せず、なぜか海を渡り20世紀の東欧共産圏の国々で発展。
日本へは明治末期に伝わり、第二次大戦後9人制ルールが6人制に統一され、初めてオリンピック競技となった1964年東京大会で女子代表が金メダル。72年ミュンヘン大会では男子、76年モントリオール大会で再び女子が優勝。
その頃から中南米など世界各国に何人もの日本人が指導者として渡るようにまでなった。
にもかかわらず、今は指導される立場に……。しかし日本のバレー界では初でも、外国人代表監督など珍しいことではない。
スポーツの大原則は実力主義。実力ある適任者は国境を超える。いや、スポーツの世界以外でも会社のCEOや大学教授はもちろん、国や都市を代表するオーケストラの指揮者からオペラ座の主役まで、現代の世界ではあらゆるジャンルの指導者や主役が、国籍を問われることなく国境を超えている。
そんな現代の国際社会で国籍や国境が厳然と存在するのが能・狂言・歌舞伎・浄瑠璃……など「宗家・家元」が伝統を継承している日本の「お家芸」だけだ。
だから……日本のバレーボールは弱くなったのだ!
日本独特の文化である伝統芸能ならともかく、実力主義で国際的なスポーツが「家元制度」では、強くなるわけがない!
外国人監督は「スポーツ家元制度」の打破には最適だろうが、同時に、なぜバレーボールが「お家芸」に堕してしまったのか、その検証も行ってほしい。 |