現代の地球上で最も多くの人々の注目を集める巨大イベント「オリンピック」。
東京での2度目の開催が決定したことを受けて、その意義と意味を考え直してみたい。
各回、15〜20分程度のオリンピック記録映像を観賞。市川崑監督の名作『東京オリンピック』、レニ・リーフェンシュタール監督のベルリン五輪記録映画の名作『民族の祭典』『美の祭典』、IOCに残る記録映像などをダイジェストで見ていただく。
第1回 4月26日 ソチ冬季五輪の総括と東京五輪招致の舞台裏
福島の原発事故、巨大地震の危険性……は、なぜマイナス要因にならなかったのか? それはイスタンブール(トルコ)の反政府デモ、隣国シリアの内戦、マドリッド(スペイン)の経済危機よりも、「小さなマイナス」と判断されたのか? 森(喜朗・元首相)プーチン(ロシア大統領)会談で何が話し合われ、東京の招致活動が、レスリングの五輪競技復活運動、バッハIOC副会長の会長選挙戦などとどのようにシンクロしたのか……などなど、東京の五輪招致活動の裏舞台を解説する。
第2回 5月24日 1964年東京オリンピックとは、いったい「何」だったのか?
1959年のIOCミュンヘン会議で、東京は、戦後最大の発展を遂げている世界一のモータリゼーション都市デトロイトを破って、64年のオリンピック招致に成功。昭和6(1931)年に東京市会が五輪招致を公式表明して以来、1940年の開催決定、その前年の開催返上などを経て、約30年ぶりにアジアで初の開催が決まったのだった。戦後復興と高度経済成長のシンボルとなったイベントを、市川昆監督の名作映画『東京オリンピック』とともに振り返る。
第3回 6月28日 2020年東京オリンピック・パラリンピックで、日本の「何」が「どのように」変わるのか?
戦後復興と高度成長を柱に、新しく生まれ変わった東京と日本。その中心に位置したのが1964年の東京オリンピックだった。では、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで、日本はどう変わるのか? キイワードは「体育からスポーツへの大転換」。
前回の東京オリンピックからは、先生や先輩から命令されてスポーツを行う体育会系の世界が生まれ、モーレツ・サラリーマンが社会を牽引し、日本の高度成長社会を支えた。その結果、あらゆる仕組が自己中心的閉鎖社会となり、体罰も横行。社会の変革が叫ばれるなかで、2020年の東京大会では「アスリート・ファースト」というスポーツの大原則が広く理解される社会になるはず。
命令されて動く体育会系的社会から、自分で状況を判断するSI(スポーツ・インテリジェンス)を要求されるスポーツマン社会。さらに、誰もが他人を尊重するスポーツマンシップに基づく成熟社会。そんな社会が訪れるきっかけとなれば……。
また、各回講座の中に、「近代オリンピックはどのように生まれ、どのような発展したか?」「1936年ベルリン五輪:ヒットラーはオリンピックをどのように利用したか?」「パラリンピックの発展とオリンピックの未来」といった内容も組み込む予定です。請御期待! |