タレントに罪はない−−とは、「ジャニーズ事件」に関するジャニーズ事務所の記者会見のあと、どこからともなく聞こえてきた言葉である。
本当に、そうだろうか? 確かにローティーンのうちに故ジャニー喜多川氏から性被害を受けた方々に罪などあろうはずがないのは確かだ。
しかし、その噂を耳にしたり、話を聞いたりしながら口を噤んでいたタレントたちに「罪はない」とは言えないだろう。
沈黙は肯定と同じ。共犯者とは言えなくても、何らかの発言や質問や抗議があっても良かったはずだ。
何故そんなことを書くのかと言うと、スポーツ界にも似た事情があるからだ。
性犯罪ではないが、スポーツ組織やイベントのあり方について、誰もがオカシイと思いながらも、誰も口に出さない(出せない)ことがあるのだ。
たとえば日本の野球組織。 プロと社会人と大学と高校、さらに中学以下、学童やボーイズリーグ、リトルリーグの組織が、すべてバラバラ。
プロは読売、社会人は毎日、高校は朝日と毎日の各マスメディアに支配され、女子野球も別組織。
これはスポーツ組織として明らかに異常で、日本の野球も、サッカーや他のスポーツ組織のように、一つの組織に纏まるべきだ。
そのような「正論」は2004年プロ野球の「1リーグ化再編騒動」に反対するプロ野球選手会のストライキが起きたとき、選手会会長だった古田敦也氏も主張していた。
が、野球選手たちによるそういった声は、やがて消えてしまった。
このような日本の野球組織の異状(異常な状態)は、本来ジャーナリズムを担うメディアが指摘するべき問題だが、メディアがその異常な現状を推進しているのだから最悪の状態と言える。
この状態は、「ジャニーズ事件」の構図と酷似している。
来年からプロ野球の二軍は新球団が2球団増える。 ならば未来のプロ野球は…… どうなるのか? どうなるべきか? どうあるべきなのか? メディアが発言しないなら選手たちが声をあげるべきだろう。
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