今シーズンのプロ野球の観客数が減少している。
昨季1試合平均2万4千965人だったのが、今季は交流戦前(5月16日)までで2万3千547人。約1千5百人減っているのだ。
そこで某球団の本拠地にある地方TV局が人気回復法を考える番組を企画した。が、その番組に出演して、改めて現在のプロ野球の問題点に気付いた。
番組では、どんなファンサービスを期待するか? どんな野球を見たいか? といった「ファンの声」を集めていた。が、それが球場の前で野球を見に来た人へのインタビューなのだ。
つまり彼らは既に球場に足を運んでいる人たちだ。
野球ファンを増やすには、ナマで野球を見たことのない人、球場へ足を運んだことのない人を、球場へ来させる工夫をしなければならない。野球の面白さを知らない人に、その魅力を伝えることこそ必要なはずで、そのような努力をしないと、ファンは増えないはずだ。
セ・リーグは今季から先発投手の前日発表を始め、それがファン獲得や観客の増加につながる、という意見を口にした人物もいた。した。だが、投手名を聞いて球場へ…と思う人は既に野球ファンで、新たなファンの開拓にはつながらないだろう。
各球団はファンクラブの設立や様々なファンサービスと取り組んでいるのだろうが、高校野球や大学野球の人気を引き継ぐことが基本で、独自に新たな野球ファンを開拓したのは「ライバルはディズニーランド」と宣言した時期の千葉ロッテくらいではないか。
そういえば最近は大相撲も空席が目立つ。
先場所は2年ぶりの大阪場所で、吉本新喜劇の舞台から宣伝に努めた貴乃花親方も、今場所はいつもの東京国技館で、特に新たな宣伝活動は聞かなかった。
また、2020年の東京五輪招致活動も、時々宣伝ポスターは目にする。EXILEのメンバーが厳つい顔つきで睨みつけるポスターによって、東京の五輪招致に賛成する人、心を動かす人がどれほどいるのか……という疑問はさておくとしても、東京都や招致委員会、招致賛成の団体が、招致に反対する人たちやその団体に向かって、積極的な説得活動を行い、賛成派を増やした…などという話は聞いたことがない。
どうもスポーツを好きな人たちは、好きな人たちだけで集まって満足する傾向が強いようだが、それではスポーツの新たな発展につながらないのでは…? |