一年の計を語るには遅くなったかもしれないが、まだ一月。今年の正月、テレビで箱根駅伝や高校のサッカーやラグビーを見ながら思いついたことを書きたい。
箱根駅伝は今や人気は全国的だが、東日本の大学駅伝大会で、全国的なイベントではない。ということは、この大会の人気が出れば出るほど、他の地方大学との人気格差が生じ、不公平な歪みが生まれるのではないか。
そもそも教育研究機関である大学が、スポーツでプロのような人気を得てもいいものか。
高校のスポーツ・イベントも似たところがある。サッカーはJリーグ各クラブのユースを交えた高円宮杯があるのに、学校体育の延長である課外活動の対抗戦を、メディアが盛りあげる必要があるだろうか?
そういえば一昨年、日本で開かれた20歳以下のラグビー世界選手権では、諸外国がすべて地域のクラブに所属するプロ選手やプロ予備軍だったのに、日本の選手は大学生中心で歯が立たなかった。
どうもこの国では、体育とスポーツの違いがまだはっきりと認識されていない……と思いながらハタと気付いたのは、この国の体育教育には「スポーツの教科書」が存在しない、ということだった。
体育の授業で(雨の降ったときに)使われるのは保健体育の教科書で、その主な内容は、身体の成長、男女の性差、病気の予防と衛生などなど…。
野球やサッカー、柔道や剣道などのルールや技術解説にも少しは触れられているが、それらの競技がどのようにして生まれ発展したか、という歴史や、スポーツの存在理由や文化的側面に関する記述は、皆無だ。
ないなら自分で作ってみよう。目次は、「遊びとスポーツの違い」「体育とスポーツの違い」「プロスポーツとアマチュアの違い」「スポーツの世界史」「スポーツの日本史」「オリンピックの歴史」「スポーツとビジネス」…といったところか。
私自身スポーツライターとして、スポーツの勉強はすべて独学だった。が、今日の社会に占めるスポーツの重要性を考えるなら、「スポーツとは何か」を学校教育でしっかり教える必要があるはずだ。
採用されるか否かはさておき、どんな小中学生用の「スポーツの教科書」ができあがるか? 乞御期待!
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