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Blu-ray
『ゴッドファーザーpartU』
『ゴッドファーザーpartU』
シチリア人がアメリカに船で渡ってきた場面を某在日朝鮮人の方は「わしらと一緒や」と言って何度も見直したそうです
BOOK
鬼丸正明『映像文化論の教科書 運動としての映画、映像としてのスポーツ』(青弓社)
鬼丸正明『映像文化論の教科書 運動としての映画、映像としてのスポーツ』(青弓社)
あらゆるスポーツ関係者&メディア関係者に読んでほしい名著です

2月1日(土)
ベッドの読書は『津綾重三郎』著者(田中優子氏)のコメントが冴えてる。《春画とは何かを私見で表現すればそれは「笑い絵」でありパロディである。(略)春画とは言わば浮世絵における洒落本であり次々と展開するパロディの連鎖なのだ。(略)春画を複数で共視するとそこには必ず「笑い」が起こる。組み合わせからストーリーが浮かびそれを語り合うことで新たな物語が出現するのだ。おそらく春画は一人で見るものではなかった》ナルホド。春画は《男性の一方的なまなざしによって描かれたものではなく男女(もしくは男性同士女性同士)の共有する世界》だったのですね。NHKの『べらぼう』には蔦屋の春画がどのように登場するのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとコツコツ書き下ろしをしていると夕方になって長女が来宅。鹿や猪のジビエ料理の出前を取ってワインを飲みTBSの報道特集を見ながら晩メシ。テレビ局の女性の人権軽視の話。小生が20代の頃にはテレビ局に行けば女性の尻を卑猥に触る男性職員に出逢うことも珍しくなかったですからね。ニュースのあとNHK『新プロジェクトX』は『ゴジラ-1.0』の特殊CGの話題。若いCG制作者の活躍は驚異深かったけど『ゴジラ-1.0』が戦前の特攻精神を否定する戦後民主主義の映画であるということに全く触れないのはどうかと思う。命より国家を重視した戦前を否定し命を大切にする戦後といメッセージのほうが特殊撮影でアカデミー賞を受賞したことよりもよほど重要なことなのに…。続けて長女が『ゴッドファーザーpartU』を見ようと言い出したので久し振りに見ると…改めてこの映画の素晴らしさ&凄さに感激。partT&partVに繋がる台詞の重厚さカメラワークの美しさ…すべての役者の演技力の確かさ…等々コレはヤッパリ凄い映画ですね。

Blu-ray
『ゴッドファーザーpartV』
『ゴッドファーザーpartV』
ゴッドファーザー(アル・パチーノ)が死ぬときにオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲が流れます。素晴らし演出です

2月2日(日)
田中優子『蔦屋重三郎 江戸を編集した男』(文春新書)読了。勉強になりました。著者は蔦屋重三郎の能力を認めながらも鋭い批判も忘れない。彼には見落とせない《欠けていた視点》があった。それは《作品を担うのは「生身の人間である」という観点である》確かに。その観点が行き渡っていれば《現代社会において人権問題は起きそうにないが今でも年中起きている。それだけ「生身の人間」への想像力を持つことは難しい。もし重三郎がその想像力を持っていたら写楽はもっと長く活躍し家作を残したかもしれない。もし社会全体がその想像力を持っていたら吉原遊郭は遊女を借金のかたとして売春させるのではなくまた女性だけが担うのでもなく現代で言えば芸能人や芸術家やクリエーターや詩人としてごく当たり前に雇用し日本文化をさらに幾重にもサブカルチャー化して共に創造し文化の発信地として名を馳せていたかもしれない》少々織田信長の民主主義精神の欠如を嘆いているようでもあるがこういう視点は忘れてはならないだろう。さらに蔦重がNHK大河ドラマの主人公になることを知った著者は書く。《ドラマでは遊郭の有り様を十分に表現することは不可能だろう。遊女たちと伝統文化との関係がわかるようにするのはなおさら難しいだろう。江戸が移民都市であることを表現するのも困難だろうし狂歌連の様子や狂詩狂文といった「正」に対する「狂」つまりサブカルや笑いの活気をドラマにすることは至難の業だろう。もっと難しいのはアバターだ。江戸文化はアバターが飛び回っている世界だ》ナルホド。人間の個体から離れたアバターの存在を著者はこの一冊に書いたわけですね。ワン。面白本を読んだあとの充実感でベッドを出て長女やヨメハンと黒兵衛と散歩。小雨のなか長女が黒兵衛のために用意した赤いレインコートを着せると何やら災害救助犬のように見えてカッコ良かった。犬もが意見が大切?ワン。終日『ニューズ・オプエド』に代わる「スポーツ文化・スポーツジャーナリズム」の配信方法・配信手段について考えたり…友人と連絡を取ったり…考える問いことは疲れますね。晩メシは昨日の『ゴッドファーザーpartU』に続いて『partV』を見る。気軽に見始めたつもりが『べらぼう』は録画して熱心に見てしまった。ヤッパリこのシリーズは呆れるほど凄い映画です。

2月3日(月)
一橋大名誉教授で『ニューズ・オプエド』のゲストにも何度も出ていただいた坂上康博さんから3日前に届いた青弓社の新刊本を読み始める。著者は鬼丸正明氏。3年前の11月に逝去された一橋大学の元非常勤講師でスポーツ映像論の研究に尽力された先生の講義録を坂上さんが纏められた一冊。タイトルは『映像文化論の教科書 運動としての映画・映像としてのスポーツ』。これがメッチャ勉強になる。映画の創作技術についてはこれまでトリュフォー著『定本ヒッチコック映画術』(晶文社)くらいしか読んだことのない小生だが鬼丸氏の13回にわたる(映画とスポーツ映像に関する)講義は「クローズアップとは何か」「移動撮影論」「編集論」「特殊効果論」など映画を創る(見る)基礎の基礎が多くの映画(映像)の例と共に細かく紹介(講義)されていて素晴らしい。まだ3分の1ほどしか読んでないがこんな素晴らしい講義があったら小生は大学を中退しなかったでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。史上最強の寒波の到来らしいが湘南ではチョイ気持ちの良い寒さ程度ですね。豪雪に悩む地方の皆さんに申し訳ない。ワン。デスクワークは書き下ろし原稿の整理…等々。チョイと飽きてくると鬼丸正明先生の講義本を開いて読む。スローモーションやファーストモーションの技術はジョン・フォード→黒澤明→サム・ペキンパーと受け継がれたのですね。「絵コンテ」という言葉の「コンテ」は「Continuityコンティニュイティ(継続性)」の略なんですね。英和辞典によると「台本(シナリオ)」の意味もあるのか。70年生きて知らなかったことに気付くのは少々恥ずかしいですね。晩メシは吉本新喜劇を見ながら。響の舞台はContinuityに富んでいて面白かったですね。

BOOK
眞田芳憲『〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗』(佼成出版社)
眞田芳憲『〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗』(佼成出版社)
勉強になった一冊でした。明治の大逆事件で絞首刑の愚童の名誉回復が平成に為されたのは素晴らしい

2月4日(火)
ベッドでの読書は昨日に続いて鬼丸正明『映像文化論の教科書 運動としての映画・映像としてのスポーツ』(青弓社)読み進む。映画はまずアクション(運動)として始まり(19世紀の始まったリュミエール兄弟の映画では汽車が向かってくる映像に観客は避けたのですね)お化け屋敷やビックリハウスを楽しむようなアトラクションとして人気が出たあと物語に取って代わられたけどアクションとして残った映画が「スラップスティック」と「ミュージカル」と「活劇(西部劇・戦争映画・チャンバラ映画・カンフー映画など)だったんですね。面白い。そして「スポーツ映像」も映画の原点(アクション)を引き継ぐモノとして人気を集めてるわけですね。ナルホド。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。先月町内の「オペラを楽しむ会」に参加してくださったおば様が能と歌舞伎の違いなどをもっと知りたいとおっしゃって小生とヨメハンと黒兵衛の散歩に参加される。能は室町将軍の庇護以来武士中心の文化。歌舞伎は町人の文化…ほかオペラとの関係など話ながら散歩。これもまた一興。ワン。デスクワークは近々始めようと思っているYuTubeの打ち合わせや書き下ろしや明日締め切りの『スポーツゴジラ』のためにアラン・シリトーの『長距離ランナーの孤独』を読み直したりしていたら文藝春秋から著者謹呈で清武英利さんの『サラリーマン球団社長』が送られてくる。週刊文春連載中にも読んだけどナベツネと衝突する話などオモシロイ野球界の実話です。それに朝の散歩にご一緒させていただいたおば様のご主人が書かれた2冊の著書をいただいた。これが凄い!!眞田芳憲・著『〈大逆事件〉と禅僧内山愚道の抵抗』(佼成出版社)世界宗教者平和会議日本委員会『平和のための宗教』第11号『対話と協力』どちらの本もイスラム研究をされていたご主人=中央大元法学部長等を勤められた著書著書で少し読んだだけでも深い平和思考(志向)が読み取れる。キチンと読まねば。晩メシはニュースや2週間前のNHKの録画『映像の世紀バタフライエフェクト・ヴェトナム戦争』を見ながら。今日本に来て悪さをしているヴェトナム人は戦争を知らない子供たちなのかな…?

BOOK
村上春樹『走ることについて語ることについて僕の語ること』文春文庫
村上春樹『走ることについて語ることについて僕の語ること』文春文庫
何でこんな長々しい下手なタイトルをつけたのかわからないけどイイ読みです

2月5日(水)
ベッドでの読書『映像文化論の教科書』は「ドキュメンタリー映画論」「オリンピア-スポーツ映像の起源」「映画『東京オリンピック』の可能性」へと読み進む。《プロパガンダ映画とは物語化されたドキュメンタリー映画》と言えるのですね。《「映像は現実を映す」という信憑は映画最大の魔術です。ドキュメンタリーは最も巧妙に物語を語ると言えます》ナルホド。《私たちはスポーツドキュメンタリーだけでなくスポーツニュースやスポーツ中継の客観性公共性のなかにある物語の手法に自覚的になるべきです》ハイ!その通りだと思います。大谷の自主トレ「報道」がどんな「物語」を語っているのかを考えましょうね。ワン。黒兵衛の散歩は後回し。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマはプロ野球キャンプ。今まで20年間以上各地のキャンプを取材した人間としては静岡県の草薙キャンプ(大洋ホエールズ)が最も気候温暖で素晴らしかったですね。ただし東京が近くキャンプインの気持ちになれないのが難でした。メジャーのキャンプでは昔のドジャータウンと呼ばれたフロリダ・ベロビーチのキャンプ地に「壁」がわざわざ造ってあったのが素晴らしかったですね。選手が壁にボールをぶっつけて遊ぶ(練習する)姿はみんな少年でしたね…といった話をしたあと黒兵衛と散歩。富士山が綺麗ですね。関東南部は富士山の雪以外は雪と無縁ですね。今のところは…ワン。終日原稿書きは『スポーツゴジラ』の連載『走』第13回目。シリトーの『長距離ランナーの孤独』と村上春樹さんの『走ることについて語ることについて僕の語ること』を取りあげて「走ること」と「文学」が無縁(?)であることを考える。晩メシはトム・クルーズ&デミ・ムーア&ジャック・ニコルソンの映画『ア・ヒュー・グッドメン』を見ながら。以前NHKの放送でニコルソン演じるジェセップ大佐の最後の長台詞の部分だけを見てスゴイ!と思った映画を全編見られて良かった。キューバにあるアメリカのグァンタナモ基地で起きた軍隊内部の「殺人事件」を巡る軍事法廷で活躍する軍人弁護士を扱った見応えのある映画。「善い人も少しはいる」というタイトルの意味は深いですね。部下に拷問を命じた大佐もある意味では「グッドマン=善い人」ですからね。演劇の映画化らしいけどイイ映画でした。

2月6日(木)
鬼丸正明『映像文化論の教科書 運動としての映画・映像としてのスポーツ』(青弓社)読了。本書はすべてのスポーツ関係者とりわけメディアでスポーツに関わっている人に読んでほしい名著です。いや必ず読んでほしい必読本と言えます。本書を読まずして現代のスポーツを語るなかれ!スポーツ報道・スポーツ中継を語るなかれ!と言いたいですね。それくらいスポーツとメディア(映像)の基本的関係がキチンと纏められています。編著者の坂上康博氏が最後に書かれているとおり《本書を読めばメディアの映像を客観的に分析して考察するための基礎が身に付きます。またスポーツ映像を歴史的な視野からとらえその現状と未来や人々を引きつけるスポーツを考えるための手がかりをつかむことができるはずです。私自身がそうだったように映画の面白さを再発見してハマってしまう人もきっといることでしょう》ハイ。Me tooでした。ただ小生にとっては日本独特の事業体としてのメディアがスポーツを所有支配している現状に対する考察の欠けていることが残念でしたが19世紀末に誕生した映画(映像)とスポーツがスペクタクル(アトラクション)から物語へと「発達・発展」した歴史はメッチャ勉強になりました。さてポストモダン(ポスト物語)のスポーツはゲーム(eスポーツ)と合体してゆくのか?それともスペクタクルの要素を19世紀末とは異なるカタチで復活させるのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。日本海側の大寒波の結果か富士山が最高に輝いている。富士山は動かない(運動しない)けどスペクタクル的ですね。なぜかな?いや。動いて(運動して)いるのかな?ワン。昨日送稿した『スポーツゴジラ』の原稿について編集長がシリトーの『長距離ランナーの孤独』の部分が少々わかりにくいと指摘の連絡。電話で話し合って納得して少し書き直す。良い編集者(文句を言う編集者・笑)の存在はありがたいですね。晩メシは映画『ゴッドファーザー』のメイキングを見ながら。鬼丸正明氏の本を読んだせいでカメラアングルや音響効果の話がよくわかった。世の中に無駄な乱読や雑学など存在せずすべて有意義なんですね。そのことをAIはわかってるのかな?

BOOK
『現代スポーツ評論1』
『現代スポーツ評論1』
1999年中村敏雄先生編集の創刊号。小生もアメリカメジャーに呑み込まれるプロ野球の危機を四半世紀前に既に書いています

2月7日(金)
ベッドに週刊誌2冊・新潮・文春を持ち込む。新潮の相撲記事「翔猿の陰湿イジメ」には驚いたが文春の能町みね子さんの連載コラム「言葉尻とらえ隊」は痛快鋭利でした。横綱審議会の都倉俊一氏の「モンゴル横綱は全員が全員横綱の品格ではなかった」というトンデモ発言の「言葉尻」を捉えて「こんな純度の高い差別発言は「最悪」としかコメントできない」とまず斬って捨て彼が鶴竜のことを「完全に失念していて失礼」と指摘。横審に対する「審議委員はいないので横審は無法地帯」と鋭く指摘。最後に豊昇龍がダウン症の子供との約束を守って優勝パレードのオープンカーに乗せた逸話を書き横審と都倉氏はこのニュースを知ってるか?と問う。文化庁長官がコノ程度の文化意識しか持っていないのは大問題ですね。文春の清武英利氏の記事「プロ野球は終わる。高校生"直メジャー"の破壊力」の指摘も鋭かった。NPBはもうオシマイ。メジャーの下部組織に堕した理由がキチンと書かれている。ただし日本のプロ野球のプロとは名ばかりの企業野球でとりわけメジャーでは禁止され続けてきたメディアの球団所有が許されそのメディアに支配されていることの弊害が指摘されていないのは残念。プロ野球が未来も発展するためにはソコの変革こそが一番のキモですからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。今日も富士山が綺麗です。ワン。昨日読了した鬼丸正明氏の『映像文化論の教科書』との関係で『現代スポーツ評論』の創刊号(1999年11月発行)を本棚の奥から引っ張り出して彼の論文「スポーツ公共圏とスポーツ批評」を読む。四半世紀前に《スポーツのテレビゲーム化が進む》との指摘は鋭いですね…と感心していたら小生も同じ創刊号に「メディアの無知がスポーツ文化を殺す」と題したエッセイを寄せていた。《やがてこの国のスポーツ文化はマスメディアによって圧殺されてしまうだろう。そのときマスメディアは(略)「若者たちがプロ野球を無視して大リーグを楽しむ理由は…」といった記事を書いて新聞の売上げを伸ばそうとするのだろうか?》とメディアを皮肉った結論を書いている。この結論は間違っていましたね。四半世紀後になってマスメディアはプロ野球がメジャーに押し潰されることを何とも思わず喜んでいるのですからね。イロイロ仕事して晩メシは「チコちゃん」を見ながら。日本はすべてエンタメが支配するのか…?

2月8日(土)
ベッドで眞田芳憲『〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗』(佼成出版社)読み始める。現在の右傾化状況を考えるうえでいろいろ勉強になる。戦前の大逆事件は幸徳秋水等の関与した事件の他に3件あったのですね。それに明治憲法で規定された大逆罪は《天皇・太皇太后・皇太后・皇后・皇太子又ハ皇太孫ニ対シテ気概ヲ加ヘ又ハ加ヘントシタル者ハ死刑ニ処ス》とあって裁判では無罪か死刑かの選択しかなかったのですね。そんな大逆罪に問われた仏教者(禅僧)が《自由と平等と平和を希求し続けた生涯》は読まねば!ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。石橋湛山と田中角栄を尊敬しているハト派のはずの石破首相でもトランプに擦り寄らなければならないのが日本の政治状況のようですね。ワン。終日デスクワークは書き下ろし&新YuTube企画を考えたり。新YuTubeは「スポーツジャーナリズム」を前面に押し出したいですね。スポーツジャーナリストを名乗ってる人々とは無関係の本物のスポーツジャーナリズムです。晩メシは久し振りに市川崑の映画『東京オリンピック』を見ながら。鬼丸先生の快著『映像文化論の教科書』の影響で見直したくなったのですが市川崑さんのコノ映画はやっぱり大傑作ですね。ついでに小生がシビックホールで東京フィルハーモニーを指揮して古関裕二作曲『東京オリンピック行進曲』を演奏したときのDVDも久し振りに見直し聴き直してみる。ウン。コレも大名演ですね(^0^;)20年以上前の小生はかなり太めでした(笑)

2月9日(日)
眞田芳憲『大逆事件と禅僧内山愚童の抵抗』(佼成出版社)読み進む。いろいろ勉強になる。「自由」「平等」という言葉は元々仏教用語だったんですね。「博愛」も「慈愛」と言葉を換えればほぼ同じ意味の仏教用語で東洋には紀元前からフランス革命の精神が芽生えてたのですね。それが政治的革命に繋がらなかったのは残念で明治時代に社会主義革命をめざした禅僧・愚童は大逆事件で絞首刑になったのですね。しかし当時逮捕された愚童に対する読売・朝日の報道は体制側の意見を丸写しした嘘っぱち報道だったんですね。嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。内山愚童の存在については幸徳秋水・伊藤野枝と並んでもっと知れ渡ってほしいですね。相変わらず富士山は怖いくらいに綺麗。ワン。終日スポーツライターの小崎仁久クンが進めてくれている新しいYuTube企画について考えたりメールで話し合ったりスマイルジャパンの女子アイスホッケー中国戦を見たりカーリング日本選手権の面白い女子決勝戦を見たり。YuTubeのタイトルが難しいなぁ…スッキリと「ザ・スポーツジャーナリズム」にしようかな?晩メシは昨日録画したTBS「報道特集」を見ながら。SNSに蔓延るニュースとも言えないフェイクの拡散は困ったモノですね。戦時中の海底炭鉱事故での朝鮮人労働者など労働者の遺骨収集の話題は貴重でした。続けて『べらぼう』を見るが話のテンポが怠くて面白くないですね。台詞も聞き取り難いし…困ったモノです。NHKスペシャル中国の中古品転売屋のドキュメンタリーは面白かったですね。しかしカネで動く人々の気落ちはよくワカランですね。カネ以外に楽しみはないのかな?

2月10日(月)
『大逆事件と禅僧内山愚童の抵抗』読み進む。禅僧の愚童が儒教道教の学習はもとより浄土宗を学んだりキリスト教の旧約新約聖書を勉強したり平民新聞から社会主義に出逢い無政府主義を身に付けトルストイの平和主義やガンディーの無抵抗主義に共感するというのは庶民(平民)に苛烈な明治政府の苛斂誅徴兵や徴兵に反発するところから生じたのでしょうが元々の性格と資質が素晴らしかったからでしょうね。すぐに体制側に擦り寄る男も悪い性格のせいでしょうね。佳人薄命。大逆罪による絞首刑とは言え愚童の38歳の死は惜しい。早すぎます。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。愚童の本のなかにセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』から素晴らしいたった。《事実は真実の敵》。この言葉がどーゆーコンテキストで書かれているのかを知るために『ドン・キホーテ』を読みたくなった。ワン。スポーツライターの小崎仁久クンがイロイロ骨を折ってくれて小生のYuTubeデビューを準備してくれたので小生もイロイロ準備。タイトルはイロイロ考えた末にダサいのを承知で『タマキのスポーツジャーナリズム』とする。この国には残念ながらスポーツジャーナリズムが存在しませんからね。というわけで夕方から15分間の予告編を作ってもらうためにパソコンの前で小崎君の質問に答えるかカタチで喋りまくる。編集して完成すれば本ホームページからも視聴できるようになるそうですので御期待下さい。晩メシはTVKで吉本新喜劇を見ながら。アキさんのナンセンストークとワケのわからないデッカいイカの無意味な登場に大笑い…と書いても何人の人に通じるかな?

TV
『魔改造の夜/脚立25メートル走』
『魔改造の夜/脚立25メートル走』
NHKの「解体キングダム」「探検ファクトリー」と並んで好きな番組です

2月11日(火)
建国記念日に大逆事件で絞首刑になった禅僧内山愚童の本を読むというのも乙なモノです。こういう場合に「甲」ではなく「乙」という言葉を使うのはイイですね。しかし愚童という人物はスゴイですね。明治憲法と教育勅語の支配する社会で個人の自立と女性の解放と私有財産を否定して社会主義を主張したのですからね。右傾化の進む現代でもっと注目されて再評価されるべき偉人ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。休日だけあって多くの犬の散歩と出逢う。休日でも日の丸を出してる家は皆無ですね。旗日という言葉ももう死語かな?午前中仕事したあと午後からNHK-BSで映画『マイ・インターン』を見る。ちょっと見ただけでロバート・デ・ニーロの老人(70歳)インターンの演技に魅せられてグイグイ見てしまう。通販アパレル社長の上司アン・ハサウェイも好演。イイ映画でした。続けて第20回(1969年)紅白歌合戦も見てしまう。昭和の歌手は皆さん口を大きく開けて歌詞をキチンと歌ってますね。昭和の唄はメロディラインがシッカリしてますね。令和の歌はリズムばっかりですね。都はるみは出ないのかな?と思ったらトリの美空ひばりの前に「はるみの三度笠」を熱唱。まだ10代だったのかな?力強い歌いっぷりに感激。ちょっと仕事したあと晩メシはNHK『魔改造の夜』を見ながら。この前のビニール傘の飛行よりも今回の高さ2メートルの脚立を走らす25メートル走のほうが抜群に面白かった。NHKは面白い番組が多いですね。ただし俺の好きな番組は視聴率が低いのかな?

DVD
『15時17分,パリ行き』
『15時17分,パリ行き』
機銃と手榴弾を持ったアラブ・ゲリラを列車内で取り押さえた若い米兵たちの実話映画。イーストウッド監督でなかったら見なかったかな

2月12日(水)
『禅僧内山愚童の反逆』読み進む。愚童は小作人に対して地主に小作料を支払うな!政府に対して税金を支払うな!徴兵に応じるな!と呼びかける。そしてアジル。《諸君の母国は諸君に対して何を為したか。誠にこの母国家は鬼婆のごとき継母たる也。奴隷たちよ鉄鎖を破れ。而して人類同胞を愛する人となれ。若し諸君の血を流すの要あらば諸君の幸福と自由のためにせよ(略)来たるべき革命は無政府共産。即ち政治的にも経済的にも最も自由な社会を造るにある》そして軍隊に入れられた者に対して《脱営(営舎から逃げ出すこと)》を薦める。これらの主張を『道徳否認論』『帝国軍人座右之銘(新兵諸君に与ふ)』という秘密出版2冊に纏めて配布いたことが発覚して官憲に逮捕される。凄いですね。主張の現実性はさて措き極貧と苛斂誅求と人身売買の最低生活にあった農村の小作人に対して禅僧愚童は宗教組織を捨てて非暴力主義の抵抗を訴えたのですね。こんな思想家が明治時代にはいたのですね。もう一つの『坂の上の雲』!ワン。黒兵衛の散歩は後回し。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマは鬼丸正明さんの快著『映像文化論の教科書』(青弓社)の紹介。この本を読めば映画もスポーツも見る面白さが倍増し明日からね。映画もスポーツも19世紀に生まれてアトラクションとスペクタクルから始まって物語へと進み未来はゲームとの融合へ(?)という話をしました。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。そしてデスクワークいろいろ。晩メシは映画『15時17分パリ行き』を見ながら。列車のなかで起きたテロリストの無差別大虐殺事件を偶然乗り合わせた3人の米兵が未然に防いだ実話の映画化。クリント・イーストウッド監督だから見ました。事件を大怪我の末に防いだ米兵の祈りの言葉がよかったですね。憎しみに対しては憎しみではなく許しを…アーメン。RKB毎日放送での『映像文化論の教科書』の鍾愛の放送は次のURLで聞くことができます。https://radiko.jp/podcast/episodes/25eb4f08-eda0-4eab-bc46-80eda531daed

2月13日(木)
眞田芳憲『〈大逆事件〉と禅僧内山愚童の抵抗』(佼成出版社)読了。明治政府の圧政の下で弱者の側に立って懸命に生きた若者の生涯に胸を打たれました。思想的に社会主義・無政府主義者となったもののガンディーの無抵抗主義やトルストイの人道主義に共感し弱者(小作人)を何とか救おうとした結果冤罪というほかないデッチアゲ大逆罪で絞首刑となった禅僧が1993年に曹洞宗から擯斥(破門)取り消しの名誉回復が行われたのは右傾化の進む現今社会で貴重な救いと言うべきですね。小生がテーマにしている明治時代の野球の隆盛の裏で(表で?)このような出来事があったことを忘れてはならないですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。今日は先代の雑種の名犬(笑)佐吉の命日。我が家(玉木家)では何故か13日の命日が多い。キリスト教でなく臨済宗なのに…は関係ないか。ワン。デスクワークは『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」を書く。トランプ大統領がアメリカのスポーツ界からトランスジェンダーのアスリートを締め出す大統領令に署名した話。これは明らかに反スポーツ的反民主主義的な弱者への暴力です。スポーツは民主主義社会からしか生まれない文化で少数派弱者の排除は身障者や同性愛者を排除したファシズム(ナチス)につながる暴挙…という原稿を書いて送稿。晩メシは大好きなソプラノ歌手ボンファデッリがタイトルロールを歌ったドニゼッティのオペラ『ランメルモールのルチア』を見ながら。ボンファデッリは歌も素晴らしいけど狂乱の場も可愛いですね。しかしトランプ&マスクのネオファシズム狂乱コンビは怖ろしいですね。社会の多様性の否定!それも民主主義の否定ですからね。笑って済ませられることではないです。ロス五輪&パラリンピックは無事に開催できるのかな?

2月14日(金)
ベッドに持ち込んだのは週刊文春。先週号に続いて石丸伸二氏都知事選&斎藤元彦兵庫県知事の公選法違反疑惑記事等興味深い記事が並んでいたが佐々木朗希投手のインタヴュー記事が良かった。NHK「クローズアップ現代」でも理解できたがこの若者はキチンと考えることのできる人物です。最近の若いアスリートを見ていると年寄りは早く引退して後進に座を譲るべきだとつくづく思います。小生も老人の一人として自分のやるべきことを精選したいですね。それに町山智浩氏は連載『言霊USA』で痛烈にトランプ批判。当然ですね。トランプの《DEI(多様性・公平性・包括性)や気候変動対策に反対する》姿勢は時代に逆行も甚だしいうえ前者は完全にファシズム(ナチズム)の再現ですからね。池上彰氏も連載でトランプとマスクの政策(USAID=アメリカ国際開発局の縮小やイスラエル右翼過激派の喜ぶガザ政策)に対する批判を書いているけど「反DEI」の酷さも取りあげてテレビでも喋って下さい。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。そう言えばトランプは犬も猫も飼ってないのかな?(好戦的な)スーパーボウルは見て(覗いて)も(平和的な)ベースボールには興味ないのかな?ワン。終日デスクワークは書き下ろしをコツコツ。晩メシは『チコちゃん』を見ながら。ナルホド。遊園地などにある観覧車はパリ万博のエッフェル塔に対抗してシカゴ万博で生まれたのですね。大阪関西万博では何が生まれるのかな?1970年の大阪万博へ3度通った私はパビリオンの展示よりもフェスティバル・ホールでのバーンスタインと小澤征爾の指揮するNYフィルのコンサートと二期会のワーグナー『ラインの黄金』に感激しました。

Kindle
竹村牧男『はじめての大乗仏教』講談社現代新書
竹村牧男『はじめての大乗仏教』講談社現代新書
すべての大乗仏教は禅も含めて「他力」なんですね。自力で何かができると思うオは傲慢なんですね
DVD
プッチーニ:オペラ『つばめ』
プッチーニ:オペラ『つばめ』
作曲者が最も愛したオペラ。私も大好きなオペラです。タイトルロールが美人なら尚更です

2月15日(土)
ベッドで竹村牧男『はじめての大乗仏教』(講談社現代新書)読み始める。面白い。第1章「宗教とは何か」で宗教は自然宗教・民俗宗教・原始宗教・近代宗教・有神宗教・無神宗教に分けられたり救い型・悟り型・つながり型に分けられたり文化宗教・制度宗教・組織宗教・個人宗教などに分けられるという「分類」は非常にわかりやすかった。「分けること」は「分かる(と思える)こと」ですからね。宗教と道徳の違いも納得。「自己とは何かを(自己否定も含めて)究明する」のが宗教で道徳は「自己の存在を前提に生まれる社会問題」なのですね。西田幾多郎の主張が初めて腹に落ちました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。シコシコと書き下ろし。昼飯はNHK『探検ファクトリー』を見ながら。梯子や脚立の工場を中川家とすっちーがルポ。昼寝したあとヴィッセル神戸と浦和レッズのJ開幕戦を見る。0−0に終わっても面白い攻防を楽しむ。Jのレベルは確実に上がってますね。J1に昇格したファジアーノ岡山が京都サンガを2−0で破ったとか。昨シーズンの町田の新劇の再現期待。チョイ仕事のあとTBS『報道特集』自民党東京都連裏金問題のレポートを見る。衆参&地方議会も含めて議員数を減らさなければ日本は確実に亡びますね。晩メシはプッチーニのオペラ『つばめ』を見ながら。ワシントン歌劇場で主役を歌うエマニュエル・ヴィーヨムはメッチャ美人ですね。歌も演奏も素晴らしい舞台です。1〜2幕の名場面だけを見て9時からは酒呑みながらNHK『解体キングダム』を楽しむ。日本橋にある大正時代に建設された軍艦ビルの文化財の外壁を残しての解体作業。『チコちゃん』や『魔改造の夜』も含めてTBSの『報道特集』以外はNHKばっかり見てますね。

2月16日(日)
『はじめての大乗仏教』読み進む。四諦・八正道・十二因縁(縁起)・五蘊無我…すべてがアタマに入るわけではないが仏教(仏陀)の基本的教えがキチンと分類されているのは面白い。その根本にあるのは慈愛なんですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。庭の枝垂れ梅が咲き始めた。白梅は可愛く品が良い。梅七論七輪ほどの暖かさ。コレは洒落川柳ですね。ワン。文藝春秋社が読売巨人軍とコラボして創立90周年記念本を出すなかに小生の長嶋茂雄氏へのインタヴューが選ばれた(3月24日刊行)。自分で読み直してもコレほどオモシロい長嶋茂雄氏へのインタヴューはないと自負しているので嬉しいことではあるけどマスメディアはスポーツ(野球)の所有から手を引け!と主張している小生に親会社が横槍を入れないかどうか少々気がかりではありますね(汗)。スポーツライターの小崎仁久さんなどが尽力してくれたYouTube『TAMAKIのスポーツジャーナリズム第0号予告編』の15分ヴァージョンが完成。明日から一般公開です。よろしく!晩メシはNHKニュース&『ダーウィンが来た!』&『べらぼう』を見ながら。『べらぼう』はタルイですね。9時からのNHKスペシャル「難民輸送ビジネス」のレポートは興味深かったです。一人の命を救えるか否かに現代文明(政治)はまったく無力ですね。嗚呼。あ。『TAMAKIのスポーツジャーナリズム』のURLです!https://youtu.be/pQSR_zmdhE8

2月17日(月)臨時報告!
本コーナーの蔵出し原稿の最下段に、今日から新しく始めたスモールメディアYouTubeの『TAMAKIのスポーツジャーナリズム』をペーストしてもらいました。ふるってご視聴ください。そのうえ「イイネ」と「登録」もよろしくお願いします!!

2月17日(月)
『はじめての大乗仏教』読み進む。様々な歴史的に宗派が次々と現れてちょっとウンザリ(笑)。しかし小乗と大乗の違いがよくわかった。《小乗仏教では我(主体)の空のみを説き我執のみを断って生死輪廻を脱し涅槃に入ることを目標にしますが大乗仏教では我(主体)法(世界の構成要素)ともに空であると説き我執と法執の双方ともに断って涅槃のみならず菩提すなわち覚りの智慧をも実現し仏となることを目指します》なるほど。かつて「涅槃で待ってる」と言った人がいたけど彼は仏になることまでは目指さなかったのですね。ワン。今日完成した『TAMAKIのスポーツジャーナリズム』の宣伝のためにいろんな人にメールを送る。そのため原稿執筆は一旦停止。ふううう。晩メシはTVKで吉本新喜劇を見ながら。ウチバさんとツジモトさんのアドリブ掛け合い口喧嘩に爆笑。寝る前にメールをチェックしたら多くの人からYouTube頑張れ!の返信をいただく。頑張らねば!(^^)!最下段にあるYouTubeも御覧下さい。

DVD
『用心棒』
『用心棒』
アメリカのボディガードが60回以上見た映画です(笑)。あんまり参考になるとは思えないけど映画が面白かったんでしょうねえ

2月18日(火)
『はじめての大乗仏教』面白い。《近代科学は基本的に主客二元論に立ち客観世界を要素に還元してその諸要素を実体現する立場に立っていました》それに対して仏教の《関係主義的世界観》による《縁起の思想》《因果の思想》は《近代合理主義の諸問題を克服してゆく重要な通路となる》というわけですね。《最近欧米でも環境問題が自覚されるにつれて生態学(エコロジー)において関係主義的・全体主義的世界観が高調されるようになってきましたが仏教はもとより関係主義的世界観に立っていた》わけで《その思想は今や深く顧みられるべきです》仏教思想ブラヴォ-ですね。昨日講談社から送られてきた今月新刊の現代新書のなかに植原亮『科学思想入門』があった。目次をつらつら眺めてみると《相関は因果を意味しない》とある。こっちのほうも読まねば。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。デスクワークは『スラッガー』の連載「ベースボール今昔物語第6回」を書く。メジャーの取材はキャンプ地でも試合でも凄く自由度が高かった…という経験譚を書く。昨日連載の校正をした『ZAITEN』の編集者からメールがあってYouTube『TAMAKIのスポーツジャーナリズム』のURLを雑誌でも宣伝してくれるという。嬉しいですね。どうせやるからには多くの人に見てもらいたいですから。皆さん!よろしく!!晩メシはNHK-BSで放送した映画『ボディガード』の録画を見ながら。典型的ハリウッド映画。こういう典型は今後AIが創るのかな?ボディガードがテレビで黒澤の『用心棒』を見ながら60回以上見たと言うるシーンには笑ったけどケヴィン・コスナーとホイットニー・ヒューストンが出てなければ見なかった映画ですね。あ。AIもこーゆー過去の映画の引用やスターのキャスティングをするのでしょうね。

BOOK
五木寛之『他力』講談社文庫
五木寛之『他力』講談社文庫
他力とは仏になった人達の発揮する力のことです

2月19日(水)
『はじめての大乗仏教』は面白いのだけど仏教の理論がこんなに複雑に数多いとはマイッタ。何種類もの唯識思想・十二縁起・阿頼耶識・涅槃だけでも四種類…ゲップが出るほど満腹で南無阿弥陀仏か南無妙法蓮華経だけで結構という考え方に行き着くのもわかります。ワン。黒兵衛の散歩は後回し。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマはトランプ大統領の間違った大統領令と暴言について。彼が国内のスポーツ大会でトランスジェンダーの選手を締め出して「人間は男と女だけ」と宣言したのは大間違いで民主主義(反暴力&少数意見の尊重)の社会から生まれたスポーツの大原則に反するものですね。困ったことです。かつて同性愛者を追い出し精神障害者を追い出し身体障害者を追い出しユダヤ人を追い出しゲルマン民族の肉体の持ち主だけを認めた政権の方針のユダヤ人をパレスチナ人に変えるだけでナチスといったその政権と何処か酷似してますね。ロス五輪はどうなるのかな?ワン。ラジオを終えて黒兵衛と散歩。そう言えばドイツでも右傾化が進んでいてイーロン・マスクが右翼政党AfD(ドイツのための選択肢)を支持したらしいけど怖ろしい世の中になってきましたね。ベルリンに行ったときはナチスのユダヤ人虐殺を大反省する黒い墓標のようなモニュメントが数多く存在しているなかを歩いたし同性愛者排除を反省するモニュメントも見たけどマサカそれがなくなるようなことはないでしょうね。ワン。小生のYouTube『TAMAKIのスポーツジャーナリズム』の宣伝のためと思って電話で小崎仁久さんにX(旧ツイッター)とFacebookの使い方を教えてもらって登録したけど…これはあんまり好きなメディアではないですね(>_<)本欄にナンヤラカンヤラ書いてる方が好きですね。晩メシはいろいろニュースを見ながら。ウクライナとEU諸国抜きのトランプとプーチンによるウクライナ戦争の終結はロシアのウクライナ国内の占領を認めてゼレンスキーを選挙で追い出して終わるのでしょうか?嗚呼。民主党が強いカリフォルニアでのロス五輪をキッカケに何かできないものでしょうかねえ?

2月20日(木)
竹村牧男『はじめての大乗仏教』(講談社現代新書)ちょっとズルしながら読了。広大な仏教の言葉の森の洪水に襲われてアップアップしながら満腹感でゲップ状態。アタマに残ったのは「大乗仏教は(禅も浄土宗も)すべて他力である」ということだけかな。《大乗仏教は三世十方多仏説が唱えられており既に過去に仏になったものも多数いると考えられています。そうした仏らは我々衆生を救済すべく常に我々に対して働きかけているものと考えられます。従って大乗仏教における修行は終始諸仏あるいはそのなかの一仏に導かれて完成することになるでしょう。とすれば大乗仏教は根本的に他力の仏教であると言うべき側面が多分にあるということになります》ナルホド。かつて五木寛之さんが『他力』(講談社文庫)というベストセラーを書かれたけど読んでみようかな。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。雪をかぶったが富士山が青空を背景に怖いほどメッチャ綺麗。枝垂れ梅も20以上開花したかな。京都の高校生時代バスに乗る駅が南座前。降りる駅が白梅町で料金は30円。一つ手前の北野神社前で降りれば20円。梅には縁がありました。良い時代でしたね。ワン。終日確定申告の準備。カネの計算はオモシロくないですね。晩メシはビデオに録っておいたNHK手塚治虫のアニメ版『火の鳥』第9回を見ながら。天智天皇の死と壬申の乱の直前まで。2004年に放送されたものを今年1月から再放送しているらしいけどもっと早く付くべきでした。糞ッ。新幹線はディズニーのアニメ列車を走らせスポーツの話題はメジャーだらけ。この国はいつからアメリカの51番目の州になったのでしょうか。そう言えば昔『ゲバゲバ90分』で♪波をちゃっぷちゃぷかきわけて…ひょうたん島は何処へ行く…という歌とともに日本列島が太平洋を横切ってアメリカ大陸に向かって近づいてゆくシーンがあったのを今も憶えている。昔はテレビのお笑い番組にも真っ当なギャグ批判精神がありましたね。今は…?トランプ・マスク批判をする芸人はおらんのか?ザ・ニュースペーパー頑張れ!

2月21日(金)
ベッドに週刊文春持ち込んで『斎藤元彦「冷血の知事」PR女性社長を発見撮!』その他の記事を読む。石が流れて木の葉が沈むのが当然となった現社会の構造はトランプ&マスク&プーチン&ネタニヤフから斎藤&折田&石丸&日枝まで全世界的に同じような空気が流れているようです。日本のほうが小粒ですけどね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。富士山に雲がかかって見えない朝はやはり寂しい。けど見えたら見えたで噴火の心配。哲学者の木田元氏が名著『技術の正体』(デコ出版)で3・11に遭遇したときの最初の感想を「長く生きすぎたか」と書かれていたけどそう思えてしまう昨今の社会はチョットへんですね。ワン。今日は終日確定申告の資料作りにウンザリ。途中気分転換に来月下旬に文藝春秋社が読売巨人軍とタイアップして90周年記念号を出すなかに掲載される小生の長嶋茂雄氏に対するインタヴュー記事を読み直す。確かにこのインタヴュー記事は面白く小生の傑作と自負してるけどナベツネ氏が死去したときの記事(蔵出しスポーツ参照)も載せてほしかったなあ(笑)。まぁ百%無理でしょうが(爆)。晩メシは『チコちゃん』を見ながら。番組のなかでの番宣は止めてほしいと思うのは小生だけでしょうか?あ。昨日書き忘れましたけどBS-TBSの『報道1930』でドイツの極右政党AfDを取りあげていたのは説明がわかりやすく良かったですね。多様性の否定が民主主義社会から生まれてくるところが怖ろしいですね。

BOOK
永竹由幸『ヴェルディのオペラ』音楽之友社
永竹由幸『ヴェルディのオペラ』音楽之友社
これはホンマに素晴らしい一冊です。ヴェルディのオペラのことがすべてわかります

2月22日(土)
ベッドに持ち込んだのは久し振りに我が師匠永竹由幸氏の大傑作『ヴェルディのオペラ 全作品の魅力を探る』(音楽之友社)。ヴィクトル・ユゴー原作の『エルナーニ』がイマイチよくわからなかったので読み直す。永竹さんの解説は本当に見事ですね。途中に『伽羅先代萩』の政岡が登場したりして歌舞伎に疎遠の人はわかりにくいかもしれないがソコさえクリヤーできればヴェルディのオペラを女にわかりやすく解説した本は他にないでしょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。途中で1月に急逝されたテノール歌手佐野成宏さんの奥さんに逢う。イタリアのモデナとパルマではメッチャお世話になったご夫妻。ご挨拶は嫁さんが済ませてくれているが言葉に詰まる。5月にお別れ会がサントリーホールであるらしいので必ず生かせてもらうと挨拶。愛別離苦としか言い様がない。しかし俺は若いときから多くの人を失った。残った俺は憎まれっ子か?ワン。終日確定申告の書類整理。ふううう。面白くない仕事にウンザリだがやらねばならぬ。仕方ない。ふうう。夕方完成させてテレビでTBS『報道特集』を見る。兵庫県知事問題。これまたウンザリ…だけどSNSの偽情報拡散の世界には関わりたくないですね。ということは…世の中から遅れるってこと?まぁかまへんやん。晩メシはメトロポリタン歌劇場『エルナーニ』1983年を見ながら。パヴァロッティもミルンズもライモンディもレオーナ・ミッチェルもみんな若いですね。オペラが輝いていた時代!大名演の過去の舞台を楽しんでる俺は時代遅れか?

2月23日(日)
ベッドで永竹由幸氏の『ヴェルディのオペラ』から師匠の最も好きだった(小生も大好きな)「ドン・カルロ」を読む。北方のワーグナーに対して《ヴェルディは腹ん中でイタリア国家の名誉にかけてもあいつには負けたくないと思っている》ナルホド。そのときにパリ・オペラ座から《シラーの「ドン・カルロス」の提案がされてきた。ヴェルディはシラーならやってみるかという気になった》パリには好印象を抱いていなかったヴェルディも《運命の力》ではワーグナーに勝てないと思ってシラーと組んでワグナーに勝とうと決意したわけですね。オモシロイ。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩を早々と済ませて大船へ。中高時代の同級生で元T社研究所長のU君と待ち合わせの大船駅ホームへ。一緒に東海道線で横浜の某ビルのスターバックスへ。そこでK大理学部研究所でノーベル賞を取り損ねたYクンやアメリカH大卒の経営コンサルタントSクンやフィールズ賞以外の賞は全てもらったという数学者のMクンやS銀行幹部だったNくんらと待ち合わせ。かつて文藝春秋誌の同窓生交歓に登場したメンバーの久し振りの再会で中華料理店へ行って昼間から各種小籠包をつつきながらビールと紹興酒で乾杯。ワイワイガヤガヤいろんな話で盛り上がったあと2件目のバーに移動。ウイスキーなどを散々飲み干しながらトランプとマスクのバカ政治や日本の政治や小生のYouTubeの話題やMクンの数学理論やUクンの釣りの極意などを酒の肴に夕方までワイワイガヤガヤ。タマにはこういう一日があってもイイでしょうと思いながら千鳥足で帰宅。テレビでテレサ・テンのドキュメンタリーを見ながらヨメハンの出してくれた蜆のスープを食べてベッドへ。イヤァ久し振りに通院の…いや痛飲の一日でした。

BOOK
筒井康隆『ジャックポット』
筒井康隆『ジャックポット』
久し振りに読み返して大爆笑です。筒井大先生の爆発力はヤッパリ凄いです

2月24日(月)
昨夜はベッドで本を読む余裕もなくバタングーで熟睡(-_-)zzz早朝6時頃目覚めると頭スッキリ。トイレに行ったあとベッドの横に積み上げてある本に手を伸ばすと何故か筒井康隆『ジャックポット』(新潮社)を掴んでしまう。ハッハッハッハのハ。「南蛮狭隘族」を読み始めると文字を読むのでなく文字を見て連想ゲームが頭を巡る。隣の税関に関税かけかけたのはカンゼー提督観世音かんぜいかんかん関西学院トランプ・ドナルドマクドナルドマッダーナルズマクドーひっぱまくどー。ワケワカラン。まだ酔っ払ってるのかと思うと昨日の宴会で大切なことを忘れていたことを思い出した。朋友たちに自慢しようと思ってゴッドファーザーの映画のマーロン・ブランドの顔を織り込んだソックスを履いていったのにみんなの話がオモシロすぎてソックスを見せびらかすのを忘れてしまった。糞ッと思った瞬間アタマが一段とスッキリ。ベッドから出て黒兵衛と散歩。富士山が綺麗。少し仕事をして昨日友人たちからYouTubeについてアドバイスを受けたことを小崎君に伝えたり…ウン。たしかに1時間放送を流すのは視聴者にとって長いかも。昼間NHK-BSでやっていた映画『ライトスタッフ』を久し振りに見て満足。ソビエトに宇宙開発で先を越されたとは言えアメリカの良い時代の話ですね。出所は米ソともにV2ロケットを開発したドイツ人でしたね。ドイツはキリスト教民主同盟が選挙に勝ってAfDは第2党。トランプは南アからの移民のマスクを移民者として否定しないのかな?(笑)イロイロ仕事したあと晩メシは吉本新喜劇を見ながら。吉本新喜劇だけは「動物と子役は使わない」という原則を絶対に曲げないでほしいですね。テレビは今や動物と子供を利用して藝も知性も失いましたからね。

DVD
『サブウェイ123激突』
『サブウェイ123激突』
マンハッタンのど真ん中のカーチェイスは凄いけど結末はハリウッド的すぎてチョイと鼻白みました
BOOK
白井聡『永続敗戦論』講談社+α文庫
白井聡『永続敗戦論』講談社+α文庫
NPBが何故MLBの下部組織になってしまったのか?その根源を探るために再読です
Blu-ray
『暴走機関車』
『暴走機関車』
原案は黒澤明。ジョン・フォード的ハリウッド映画ですが五月蠅い善悪の理屈がなく悪の闘いだけに面白い

2月25日(火)
ベッドに持ち込んだのは白井聡『永続敗戦論 戦後日本の核心』(太田出版)。何故また12年前に出版されて読んだ本を読み直そうと思ったのかというと今年の4月にメジャーリーグが東京ドームで開幕戦を行うから。アメリカに「永続敗戦」し続けている一つの証左としての「日本プロ野球のメジャーの二軍化」を考え直そうと思ったから。《我々が「恥知らず」であることによる精神的堕落腐敗のみならずそれがもたらしつつあるより現実的な帰結すなわち我々が対内的にも対外的にも無能で「恥ずかしい」政府しか持つことができずそのことが我々の物質的な日常生活をも直接的に破壊するに至る(福島原発事故について言えば既に破壊している)ことになるという事実にほかならない》なるほど。「恥ずかしい政府」を「恥ずかしい野球組織」に「日常生活」を「NPBや高校野球」に置き換えて考え直してみましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。しかしテレビのニュースショー番組がメジャーを何の疑問もなく報じるのを誰も気持ち悪いと思わないのかな?俺は右翼か(笑)ワン。デスクワークはフォーラムエイトの機関誌「Up and Coming」の連載「スポーツは教えてくれる」の第30回。メジャーリーグという言葉はアメリカで通じない。メイジャリーグと言わねば…という内容。アメリカ大リーグはmeasureではなくmajorですからね。バスターなんて言葉も野球用語ではないですよね…というJanglishをイロイロ書く。ナベツネさんのお別れ会があったらしく野球界から多くの人が参加したようだけどサッカー界からはゼロだったの?まぁ当然でしょうがアノ人は野球界にも何もしなかったですよね。晩メシは有識者のウクライナ問題の解説を聞いても仕方ないので昼間NHK-BSでやっていた映画『サブウェイ123激突』を見ながら。めっちゃハリウッド映画でした。ニューヨーク・マンハッタンど真ん中のカーチェイスはオモシロかったけど最後はアホかと言いたくなるハリウッド映画でした。乗り物の「暴走映画」の原点は黒澤明の『暴走機関車』かな?

2月26日(水)
日本のプロ野球NPB&メディアのアメリカ・メジャー(MLB)へのあまりの媚(こ)び諂(へつら)った従属ぶりのヒントを求めて再読を始めた白井聡氏の『永続敗戦論』だったがその狙いとは別に興味深いあまりに的確な一文に出逢った。《結局のところ国家の領土を決する最終審級は暴力である。すなわち歴史上の直近の暴力(=戦争)の帰趨が領土的支配の境界線を原則的に規定する》なるほど世界は国際的に民主主義の原則(反暴力・反戦)で動いてるわけではないですからね。フィンランドの大作曲家シベリウスが創った『カレリア組曲』という名曲の題名になってるカレリア地方もソ連に奪われて今はロシア領というわけですね。ウクライナ戦争の結果としての領土はどうなるのかな?第二次大戦の結果奪った沖縄を日本に返還して基地を残したアメリカは巧妙ですね。基地問題は領土問題より反対の声は低くなりますからね。WBCで日本を喜ばせて有力選手を奪うMLBも似たやり方かな?ワン。黒兵衛の散歩は後回し。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマは大阪マラソンで折り返し点を間違えて記録が10秒ほど悪くなったことを取りあげて歴代マラソン珍事件を列挙。第3回セントルイス五輪のマラソンでの途中自動車に乗ったキセル事件やペルシア帝国の末裔を自認していたイランのパーレビ王が古代ギリシアに敗れた戦争の名前のついた競技をアジア大会でやらせなかったことや女性の参加が禁止されていたマラソンに男性の名前で初めて出場した女性が現れたボストンマラソンなどなど楽しく話す。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。綺麗な(まだ噴火していない)富士山を確認したあとデスクワークは連合通信の連載「スポーツ博覧会」第130回を書く。MLBといくら交流してもNPBは企業支配(企業野球)から抜けきれない…という話を書く。まさかアメリカの陰謀?晩メシは黒澤明原案の『爆走機関車』を見ながら。同じハリウッド的な(黒澤のライバル・ジョン・フォード的な)映画でも「悪と悪の対決」はオモロイうえに人間の深味が出ますね。昨日見たゼンデル・ワシントンの「禅」よりジョン・ヴォイトの「悪」が優ってましたね。

2月27日(木)
『永続敗戦論』読み続ける。タイトルの「永続敗戦」は要するに日本が第二次大戦の敗戦のすべて(領土問題も含めて)を認めていないことから諸問題を引きずってるわけですね。尖閣諸島は歴史的に諸問題があるが《実効支配》国後択捉の返還要求は《無理筋》というなかで竹島は《李承晩ラインが一方的に宣言されたという歴史的経緯に照らせば日本に有利な判決が見込めるかもしれない。だが三つの問題のうち竹島問題については日本側の主張に優位性が予想されるが故にこの問題のみを国際司法裁判所の場に持ち込もうという姿勢が広範な国際的理解を得られるはずがない》なるほど。本書の帯に内田樹氏が今の日本政治の《外交に関わる欺瞞性を若い世代もちゃんと感じ取ってくれていると知ってホッとしました》と書いている理由がよくわかります。しかし文化スポーツまで戦勝国(アメリカ)の言いなりになることはないですよね。WBCの生まれる前には山本英一郎氏の尽力で日米の「リアル・ワールドシリーズ」が生まれかかったのにメジャーのマーケットに呑み込まれる形でWBCになってしまった。それに誰も反発せず…嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと校正作業やナンヤラカンヤラ仕事したあと夕方から『TAMAKIのスポーツジャーナリズム』の打ち合わせ。当面は生配信をやめて20分程度の収録を3本録って月水金の3回午後8時から配信することに決定。第1回収録のゲストはスポーツライターの小林信也さん。テーマは1)日本でアメリカ・メジャーの開幕戦が行われる"本当の意味"2)メディアが高校生を弄ぶ高校野球大批判3)日本のスポーツの未来は、明るいか?暗いか?に決定!皆さんご視聴下さい。あ。京都のロームシアターの関係者から小生のラシッド・ウランダン『Corps extremes??身体の極限で』の公演評がアップされたと連絡。《超未来社会の「人間の美しい心」を可視化したパフォーマンス》というタイトルです。https://rohmtheatrekyoto.jp/archives/corps-extremes_review2/皆さん是非ご一読を!舞台写真入りでメッチャ面白いですよ。

2月28日(金)
『永続敗戦論』には野球のことなど何も書かれていない。が第二次大戦後のアメリカの日本への関わり(支配)の強さとそれを無条件に取り入れたる親米右翼の政治家と無意識のうちに取り入れた親米左翼のメディアの動向を考えると日本の野球界もアメリカの支配のなかで成長(?)しアメリカの利益のなかに絡め取られたと思えますね。いま日本のメディアは戦前さんざん戦争を煽ったのと同じように日本の野球選手がアメリカ・メジャーに渡ることを絶賛し日本の野球界は小さいマーケットで成長を止められたままプロ野球も高校野球もメディアの利益に利用され続けているというわけですね。これでいいのか日本野球ということを来週からYouTube『TAMAKIのスポーツジャーナリズム』で小林信也さんらとともに喋りまくります。乞御期待!ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。14歳の黒兵衛は少々老けた感じがしてきましたね。俺も一緒か(笑)。ワン。終日デスクワークは本HPの更新原稿作り。近々「ゴッドファーザー・マーロン・ブランドの靴下」も公開します。乞御期待(笑)。晩メシは『チコちゃん』を見ながら。これは再放送ではないか!と気付いてチョットげんなりもし腹も立てながら見てしまう。回答をきちんと憶えてませんからね。ゴロゴロ…ドキドキ…など言葉を繰り返すのが日本語の4文字リズムに合うのは理解できたけど京都人がやたらと言葉を繰り返す理由も教えてほしかったですね。何を飲む?と訊かれてビールビールと繰り返したりソレソレ…やるやる…アカンアカンアカンと繰り返すのは京都人の特徴ですからね…と小生の小説『京都祇園遁走曲』に書きました(笑)。何故だかワカリマヘンのやけど(爆)。日本最古の大都市はいろんな人が各地から大勢集まったから同じ言葉でも言葉を繰り替えさんと通じにくかったんでしゃろかな?

1月29日(水)
田中優子『蔦屋重三郎』読み続ける。オモシロイ。吉原を中心に生まれた洒落本のパロディのエネルギーというのは凄いですね。釈迦・孔子・老子・天照大神・空海・李白・陶淵明…等をリスペクトしながら俎上に載せる教養の深さも凄い。そして最後は吉原の「遊女の世界」に雪崩れ込む。《吉原言葉は吉原で人工的造られた言葉》で《遊郭言葉は店ごとにいくらか違う使い方》だったんですね。「わっちゃいつそ侍になりたふ(とう)ありんす」など。『助六由縁江戸桜』を見直して揚巻の台詞を聞き直さねば。ワン。黒兵衛の散歩は後回し。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマは先週土曜に早稲田大学大隈講堂で行われた王貞治氏への日本スポーツ学会大賞の授与について話す。王さん自身が「これまでにいろんな賞をいただきましたが今日の賞が一番嬉しい」と言われたのは授与する側の人間(日本スポーツ学会の会員)としてメッチャ嬉しかったですね。自らの本塁打記録を讃えられた国民栄誉賞よりも世界で少年野球を長年推進してきたことを評価されて嬉しいというのは王さんらしい素晴らし言葉でしたね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩してデスクワークは『スラッガーSlugger』のネット連載『ベースボール今昔物語第五回』を書く。テーマはキャンプ。プロ野球のキャンプ取材で昔感激したことを書く。長嶋監督の地獄の伊東キャンプやロッテ村田兆治投手の遠投100mのキャッチボールや落合博満選手の三塁ベンチ裏のスタンドへファウルばかり1時間に渡って打った打撃練習やドジャースのキャンプ地に独りで練習用の「壁」があったことなどを書く。晩メシは昨日に続いてネトレプコの『ルチア』の狂乱の場を見ながら。新婚初夜の白いドレスを真っ赤な血に染めながらの狂乱のネトレプコの歌は見事ですね。そのあとニュースで埼玉の道路陥没事件を見る。経済成長の止まった日本社会にとって辛い事件ですね。「フジ中居事件」は「楽しくなければテレビじゃない」という企業風土を構築した大ボスの引責&退任まで進むのかな?

1月30日(木)
ベッドで『蔦屋重三郎 W度を編集した男』読み続ける。面白い。洒落本に書かれた吉原花魁の「いっそ侍になりたい」という言葉に「なぜ?」と訊くとこんな答え。「アイサ侍はネ。在りもせぬ軍(いくさ)を請合うて知行(領地)とやらを取て居なんすからさ」そこで著者(田中優子氏)が書く。《遊郭言葉での会話をそのまま記録している。それがずばり幕藩体制の矛盾を突いている。江戸時代は約250年間戦争がなかった。しかし徳川将軍を含めて大名たちは領地を持ち家臣の武士たちはその領民の年貢で生きていた。(略・それは)戦時には参戦するためだった。しかしそれは絶対にないとは言えないまでもほぼゼロに近かった。今で言えば「有事」という言葉で国民から税金で軍事費を徴収し使いもしない武器を発注して軍事企業を儲けさせその企業から入ってくる金を裏金として配分しつつ同時に選挙費用に使って議員の給与をもらい続けるという構図である》嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。富士山が綺麗。富士が爆発しなくても日本は高度成長期に造ったインフラが爆発して亡びるかもしれませんね。それにフジテレビも爆発するのかな?…と思ったら日本のマスメディアは報道事業ではなく不動産などの他の事業で潤ってるから大丈夫のようですね。ならばジャーナリスティックに真面目にメディアの運営をしなくても楽しくやってれば良いのでしょうかねえ?ワン。終日ホームページの更新原稿の準備を整えて(株)bitさんのスタッフに送稿。晩メシはネゼ=サガン指揮メトロポリタン歌劇場のオペラ『カルメン』を見ながら。がランチャのタイトルロールは素晴らしいけどデッカいメトの舞台を狭く小さく使ってる演出は残念ですね。『カルメン』はヤッパリC・クライバー指揮のゼッフィレッリ演出ウィーン国立歌劇場の舞台とフランミゲネス主演の映画が最高ですねミゲネス主演の映画が最高ですね

1月31日(金)
ベッドに『週刊文春』『週刊新潮』最新号を持ち込み「フジ中居事件」の続報を読む。がテレビで知り得た以上の目新しい情報はなし。テレビが週刊誌の後追いをしてるからかな。代わって田中優子さんの『蔦重』読み進む。狂歌の説明がメッチャ面白かった。単なる面白いパロディ程度に思っていた狂歌ですが《狂歌は和歌の俳諧化》であり《江戸時代は何のジャンルであれこの「俳諧化」の意識でなされた》のですね。《江戸文化は(美術・芸能・歌舞伎等々)どれをとっても挑戦的で新しいがそのような創造ができる秘訣は(平安以来の過去の文化の)膨大な「面影」を使いこなしているからである》ナルホド。江戸文化は凄いですね。《雪ふれば炬燵櫓に盾こもり撃って出ずべき勢いはなし》この四方赤良の狂歌は凄いですね。「櫓」「盾」「撃つ」「勢い」という戦争用語をすべて否定し炬燵に立て籠もる江戸男の可笑しさを肯定する過激さはナカナカのものです。吉原の女性文化につながる過激な平和主義ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。富士山の美しさも結構過激ですね。ワン。いろいろなヒトと新しいYuTubeメディアについて電話で打ち合わせの一日。晩メシは昨日に続いてメトのガランチャ&アラーニャの『カルメン』を見ながら。う〜ん…悪くないけど…やっぱりクライバー&オブラスツォワ&ドミンゴ&ゼッフィレッリのウィーンの舞台のほうが圧倒的に良いですね。

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