2月1日(木) 朝ベッドでの読書は森達也『虐殺のスイッチ』(ちくま文庫)を読み始める。帯に《世界は虐殺に満ちている。善良な隣人が大量殺人の歯車になったナチスのホロコースト・クメールルージュの大量殺戮・関東大震災の朝鮮人虐殺…》とあり《一人すら殺せない人がなぜ多くの人を殺せるのか?》という疑問の答えを見つけるためドキュメンタリー映像作家が取材を始める。クメールルージュ政権下のカンボジアでは150万人(国民の7分の1)もの市民が殺され関東大震災でも《未曾有の災害と流言飛語にパニックになりながら多くの市民が朝鮮人狩りに狂奔した。殺された人の数は6千人前後でも間違いなくもっと多い》という。ロシアによるウクライナ軍事侵攻時の悲惨な事件やジェノサイドとの声もあるイスラエルのガザ地区地区への武力侵攻が起きている今こそ読まなきゃと思って朝の寝起きにはハードな活字が並んでるけど読み始めました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあといろいろ雑務。BGMは音楽評論家の平林尚也さんが送ってくれたリヒャルト・シュトラウスの『アルプス交響曲』やドビュッシーの『海』を聴きながら。演奏はムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル。ある意味ソ連のイイ時代の迫力満点の演奏ですね。今ゲルギエフやレーピンはどうしてるんでしょう?明日の『ニューズ・オプエド』はゲストに相撲の専門家二人=荒井太郎さんと佐々木一郎さんを迎えて「大相撲新時代」を語り尽くすことにしました大関琴ノ若誕生&大の里や尊富士や安治川(安美錦)部屋の若手力士など…新鮮な話題が満載ですからね…と思っていたらサッカー・アジア杯の現地カタールにいる大住良之さんから日本vsバーレーン戦の評価とイラン戦の展望のメールが届く。明日の『オプエド』で使わせていただきます。全然関係ないことですけど『アルプス交響曲』のテーマをパクった音楽が『ウルトラセブン』ですね(笑)。
2月2日(金) 朝ベッドで『虐殺のスイッチ』読み続ける。本書は非常に素朴な疑問から出発して単純な論理を精緻に組み上げている見事な一冊です。「なぜ人を殺してはいけないか?」という疑問をキチンと真正面から考えている本です。まだ読書半ばですが…動物を殺す話・鯨を殺す(捕鯨がナショナリズムのアイコンになっていた)話・組織の一員(歯車)になる話・宗教の話・オウムの話・人間は人間を(精神が壊れないと)殺せないという話・旧日本陸軍の敵=人間を殺す訓練を実際に捕虜を使ってさせた話・米軍の第二次大戦で敵兵を狙って銃を撃った兵士は10〜15%だったのが朝鮮戦争では55%ヴェトナム戦争では90〜95%まで引き上げられた話・ローレンツなどの狩りをしてきた人間(動物)には攻撃本能があるというのは嘘だったという話…というところまで今読んでます。多くの人に読んでほしいと思う一冊です。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩しながら帝国陸軍軍曹だった父親が「戦争の勝敗は前線ではなく砲兵が決めた」と言っていたことを思い出す。今はミサイルやドローンの発射ボタンを想像力の欠如したヒトが押す時代になったのですね。ワン。終日イロイロ仕事をしたあと『ニューズ・オプエド』リモートMC出演。相撲ジャーナリストの荒井太郎さんと日刊スポーツデジタル編集長の佐々木一郎さんをゲストに迎えて「大相撲新時代の幕開け」の話。ご両人とも改めて照ノ富士の強さを認めながらも琴ノ若・霧島・大の里・熱海富士・若元治・若隆景が新時代を引っ張り…さらに尊富士や安治川部屋の(安美錦)安青錦・安響などに期待…とメッチャ夢のある話がイッパイ飛び出す。日本の政治も若手に任せるべきですね。あ。大住良之さんのカタールからの報告もあって日本の調子は上向いてきたとのこと。イラン戦期待ですね。晩飯は『チコちゃん』を見ながら。その後のBSフジ『プライムニュース』でやってたOSINT(Open Source Intelligence)の話題も面白かった。今の時代 Open Source をキチンと読み解く力を持つことが大事ですね。
2月3日(土) 『虐殺のスイッチ』読み続ける。ノルウェーで起こった一人の男が69人(うち55人は10代の少年少女)を殺害した事件の現場で《被害者の親たちは血みどろの我が子を抱きしめて泣き叫んでいる》そこに慰霊のための花束を手にしたを加害者(殺人犯)の母親が現れた。《被害者の母親たちが集まってきた。そこで何が起こったのか》ノルウェーの法務大臣が語ったことを著者が書いている。《「被害者の母親たちは加害者の母親と抱き合って泣いていました」と教えてくれた。「あなたが一番つらいわね」と加害者の母親に泣きながら声をかけた被害者の母親もいたという》この殺害現場にいて生き残った少女は《CNNからコメントを求められてこう答えたという。「一人の男がこれほどの憎悪を見せるなら私たちはそれを上回るほどの愛情を示しましょう》さらに本書には次のような記述もあった。《オーストラリアから日本に留学したばかりの女子大生は日本に死刑制度があることを知ったとき本当に信じられないというような表情で僕に言った。「人を殺してはいけないというのに何故この国は人を殺すのですか」イタリアでもドイツでもフランスでもノルウェーでも日本に死刑があるということについて同様の反応をされることは多かった》引用したい文章はさらに山ほどある。皆さんに是非とも読んでほしい一冊だ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。日本の刑法は「報復主義」なんですね。日本の社会もそういう考えなのかな?自分たちの過ちは忘れて…ワン。いろいろ雑務処理の仕事のなかで井沢元彦さんからメール。先の「エンジン01」の市原でチラッと会って挨拶したときに話せなかったこととして彼が現在も『週刊ポスト』で連載中の『逆説の日本誌』に小生と小林信也氏の『夏の甲子園大会批判』の引用をしたので事後連絡となったけど読んでほしいとの内容だった。雑誌『ZAITEN』での朝日新聞が「野球害毒論」から手のひらを返して「野球教育論」に変更した部分の引用だったのでネットでチェックしたうえで「ご紹介を感謝」の返事を書き単行本化のときには岩波書店の『岩波ブックレット真夏の甲子園はいらない』からの引用にしてほしい旨を加えておきました。そのほうが岩波ブックレットの売り上げ向上につながりますからね(笑)とメールに書くと「了解しました」との返事。晩ご飯の前にヨメハンと二人で節分の豆まき。福は内鬼も内。みんな仲良くしましょう。「鬼は敵」という考え方は止めましょう。鬼(敵)を作るのは独裁者(的人間)で戦争の元ですからね。あ。井沢さんが我々の「高校野球(朝日新聞)批判」を引用してくれた『逆説の日本史』は次のURLで読めます。https://news.infoseek.co.jp/article/postseven_1937872/
2月3日(土)つづき NHK『ブラ・タモリ』のあとに見たアジア・カップ日本対イラン戦は何も書きたくないほど酷い後半でしたね。選手交代の出来ない監督…リーダー不在の選手…嗚呼。
2月4日(日) 森達也『虐殺のスイッチ』(ちくま文庫)読了。あらゆる人に読むことを薦めたい一冊です。《集団は意識化で忖度を重んじる》だからヒトラーが直接命じたわけでもないのにユダヤ人の大量虐殺は起こり自民党の裏金作りは蔓延したのですね。お化け屋敷は《お化けが怖いのではない。通路が怖いのだ。通路は暗い。人は闇が怖い。見えないから怖い。わからないから不安になる。だから不安や恐怖が高揚しかけているとき人は見たくなる。確かめたくなる。自分に危害を加えようとしている敵の正体を。その存在を。それが仮想敵だ》《しかし自国の守りを固めるということは(核開発が典型だが)仮想敵国の戦闘能力を高めることと同義なのだ。これでは安心できない。ならばどうするか。敵を叩くしかない。だってこれは正当防衛だ》ナルホド。だから「敵基地攻撃能力が必要」と言い出すのですね。《集団は論理を嫌う。論理の基盤となる知識を嫌悪する。知識の基盤となる歴史的体験を軽視する。》著者(森達也氏)の監督した映画オウムを扱った『A』も『A2』も関東大震災寺に起きた朝鮮人虐殺をテーマにした『福田村事件』も見なければ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとデスクワークは雑務。パソコンの整理。これが平和な日常ですね。午後カーリング日本選手権の女子決勝後半を見る。面白かった。軽井沢が北海道銀行に勝って初優勝。好ゲームでした。ニュースを見ながら晩飯のあとNHK-Eテレの『日曜美術館』で河井寛次郎記念館の紹介を見る。素晴らしい「家」ですね。今度京都に帰ったら見に行かねば。晩飯のあと焼酎飲みながら続けて見聴きした『クラシック音楽館』ペッカ・クーシストの独奏によるストラヴィンスキーのヴァイオリン協奏曲とユッカ・ペッカ・サラステ指揮のシベリウス交響曲1番は素晴らしかったですね。ベッドへと思ったのに最後まで見聴きしてしまいました。
2月4日(日)つづき 書き忘れましたけど昨日(2/3)の東京新聞『再読あの言葉』に掲載された三木睦子さん(三木武夫元首相夫人)のインタヴュー(04年6月=87歳)再録は素晴らしかったですね。《戦後生まれた人たちが憲法をやり直そうって言ってるけど(略)本当の戦争の苦しみを知ってたらそんなこと言えるはずないじゃないかと思っています》《「うちは鉄砲を担ぎません」っていえばいい。「鉄砲の代わりにシャベルを持って災害の応援に行きます」とすればいい》さすがは「九条の会」をつくった方ですね。
2月5日(月) 朝のベッドでの読書は気軽に絵の話。木村泰司『名画はウソをつく』(ビジュアルだいわ文庫)。要するに「名画の嘘」とは「創作」のことでこの本のタイトルは『つくりものの魅力』と言えますね。《われわれに欠けているのはつくりものを尊ぶ気風である》《尊いのは本物でつくったものはまやかしだという信仰をこっぱみじんに砕かねばならない》という文章は映画『東京オリンピック』の台本の冒頭に谷川俊太郎が書いたもので《われわれはこの映画を創作する》と宣言している。本の内容はオモシロいし『名画はウソをつく』というタイトルも読者を驚かす点ではオモシロいけど少々現代の「似而非本物志向」に阿(おもね)てますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。あ。先に書いた映画『東京オリンピック』とはもちろん1964年の五輪ですよ。ワン。終日デスクワークは『スポーツゴジラ』の連載『走』第8回の執筆。『世界ことわざ大辞典』(大修館書店)や『故事・俗信ことわざ大辞典』(小学館)や『いろはカルタ辞典』(岩波書店』をひっくり返して「走」に関することわざを調べまくる。「悪に走る」「悪事千里を走る」「走る者は躓く」「走ることは着くことではない」…などなど「走る」にはあまり良い諺はないのですね。Walk don't Run!(歩け走るな=急がばなわれ)なんて言葉はケーリー・グラント主演の東京五輪(もちろん1964年))を舞台にした映画もあるしベンチャーズの『ダイヤモンドヘッド』と並ぶヒット曲もありますね(古いなぁ)。原稿書きあげて編集長の長田渚左さんにメール送稿のあと窓の外を見ると一面銀世界。真っ黒の黒兵衛を庭に出すと美しい。犬は喜び庭駆け回り猫は炬燵っで丸くなる。確かに。炬燵はないけど虎太郎は静かに丸くなって佇んでる。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。辻本と寛平ちゃんの掛け合いが面白い。急坂にある我が家は明日は陸の孤島かな。
2月6日(火) 朝のベッドでの読書は木村毅『日本スポーツ文化史』(ベースボール・マガジン社)を読み直す。1978年に出版された本で81年に著者の木村毅は明治36年生まれの文芸評論家で軍部の検閲に反対した気骨漢。日本のスポーツ全般の発達史に対する研究も面白くR・ホワイティングが『You Got have WA(和をもって日本となす)』の執筆時に貸してあげた一冊。小生も同じ時期(1987年頃)読破したが改めて引っ張り出して読み始める止まらなくなるほどオモシロい!野球以外にもチコちゃんのネタ満載!(笑)「陸上競技」なんて言葉が「不思議な表現」だと改めて気付かされた。野球やサッカーなども「陸上の競技」なのに「Field and Truck」を「陸上競技」と訳したのはナルホド不思議ですよね。その命名者(翻訳者)は正岡子規で彼の著書『松蘿玉液』に書いてあるというのでベッドを出て仕事部屋にある岩波文庫を見てみるとナルホド「端艇競漕」に相対するものとして「陸上運動会」「陸上競技会」と書かれていた。水上の「競争(競走)」に対して「陸上」なんですね。以前読んだ本だけどココまでは読み込めなかったですね。ワン。ベッドから出るとなかなかの積雪。長女や次女から「外を歩いちゃ危険だからダメ」とメールが入ったので「老いては子に従え」。黒兵衛は庭に離すだけで雲古をしてくれた。雪景色に黒犬の雲古。なかなかに色彩ですね。ワン。デスクワークは昨日書いた『スポーツゴジラ』の校正をしたり『日本スポーツ文化史』を読み進んだり。晩飯は久し振りにオペラをいながら。ハイティング指揮コヴェントガーデン歌劇場のヴェルディ『ファルスタッフ』演出の色使いが見事ですね。デッカイ裸の太鼓腹の着ぐるみは腹のたるみまでリアルでヤバいと思えるほどだが主役のブリン・ターフェルはこの役柄が一番似合ってますね。
2月7日(水) 木村毅『日本スポーツ文化史』読み進む。メッチャ面白い。30年以上前に読んだときは明治から昭和の日本の野球にばかり注目して書き込んだりしていたのが今回はマラソンや水泳にも注目。古式泳法の小抜手を見たオーストラリア人がクロールを発明したとかホンマカイナと思いながらも日本人の速さを競わない泳法が速さを競うようになって一気に世界のトップクラスに躍り出るなんて記述は注目に値する。これから登山やスキーや漕艇などに関する記述もあるので楽しみ。ワン。黒兵衛の散歩は後回しでRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演…と思ったら何故かZOOMがつながらないアタフタとパソコンをいじってるとRKB毎日の担当者から電話。そのまま電話出演で先週に続いて野球のキャンプの話。アメリカのキャンプ地には選手が一人で練習する「壁」があるとか全体練習では試合(オープン戦)が中心とか話したあと大谷選手が背番号を譲ってもらった選手にポルシェをプレゼントした話から背番号の話。1888年にシンシナティ・レッズがユニフォームの袖に番号を入れたときは俺たちには名前があるのに番号など入れるな!という選手の猛抗議で1年で廃止。1924年にヤンキースがユニフォームの背中に大きく打順を表示したところがファンに大好評で背番号が定着したという話。だからベーブ・ルースが4番ルー・ゲーリッグが4番なんですね。ラジオのあと朝食摂って黒兵衛と散歩。まだ雪が残っている。都会の名残雪は汚いですね。ワン。
2月7日(水)つづき 昨晩見たオペラ:ヴェルディの『ファルスタッフ』がイマイチ音楽的に満足がいかなかったので仕事のBGMにバーンスタイン指揮フィッシャー=ディースカウ主演のCDをかけるとやはり音楽の切れも歌手の力量(歌の演技)も全然違いますね。オペラ界やクラシック音楽界は世界的にレベルが下がったかな?と思っていたら某新聞記者から五輪汚職について被告の高橋治之氏が明日発売の週刊文春に背景を全部ぶちまけたから読んで…と電話。安倍&森に裏切られたことへの批判と抗議と恨み辛みらしい。やっと出たか…早く送ってこないかな…。晩飯はやはりヴェルディのオペラ『ファルスタッフ』を見ながら。ムーティ指揮のスカラ座オケの演奏で舞台はブッセートのヴェルディ劇場。キャパ500人くらいの小さな劇場での小さな舞台での素晴らし演奏。マエストリのタイトルロールも品があって良いですね。やぱり助平でも騎士ですからね。しかし『ファルスタッフ』というオペラは『オテッロ(オセロー)』と並んでシェイクスピアとヴェルディによる最高のコラボですね。しかし自民党の「裏金事件」とその処理の酷さに呆れ果てていたら文科大臣や官房長官の旧統一教会との関係が今頃表沙汰になった。日本の政治は今や最低最悪の状態ですね。総理大臣は泥棒に縄を綯わせるだけですからね。信頼できる野党もなくメディアはそれを視聴率稼ぎのワイドショウが報じるばかり。最近NHKの7時のニュースのアナウンサーが番組の終わりに「今日もご覧いただきありがとうございました」と挨拶したので思わずテレビに向かって阿呆か!!と怒鳴った。みんな商売。金儲けでやってるんですね。日本はいったいどーなってしまうんでしょう?ファルスタッフの最後の台詞はTutti Gabbatiでしたね。みんな詐欺師。みんな道化師。みんな冗談。現実社会の政治では笑ってられないのが困りものですね。
2月8日(木) 『日本スポーツ文化史』読み進む。山伏と修験道と山岳信仰から登山への変化を江戸末期から西洋人が担い「日本アルプス the Japanese Alps」という命名も西洋人(造幣局の技師ガウランド)だったのですね。日本で最初のアルピニストとして《登山のための登山》を推奨した小島烏水という人物は『日本アルプス登山探検記』という著書に《日本アルプスの出現は新しい美の出現でもあった》と書いているという。便利で使いやすい弥生式土器より美しい縄文式土器のほうが素晴らしいと初めて言ったのは岡本太郎らしいけど近くにあるものの素晴らしさに気付くのも一種の才能のようですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあといろいろデスクワークをしていると三枝成彰さんの事務所から去年の大晦日に行われた『ベートーヴェンは凄い/全交響曲演奏会2023』のプログラムが届く。本HP「蔵出し音楽」にも掲載している小生の原稿「ベートーヴェンは凄い!〜あらゆる音楽の礎をつくったベートーヴェンの音楽は素人の指揮まで認めてくれる!」が載っているからですが小生の原稿があらゆる執筆者のなかで最初に載せられていたのには驚いた。池辺晋一郎/仲道郁代/千住明/篠崎史紀/島田雅彦/茂木健一郎/片山杜秀/平野昭/加藤浩子/池田弘/岡本稔/井戸田善之…と作曲家・演奏家・作家・脳科学者・音楽評論家…の各氏を差し置いて小生の原稿がトップ!偶然かもしれませんがアイウエオ順でもないので(笑)単純人間の小生はこの程度のことに喜んでしまって自慢したくなるのです。エッヘン。晩飯は調子に乗って小生が指揮したこともあるベートーヴェンの交響曲7番をDVDで見聴きながら。カルロス・クライバー指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団。あ。これは盤飯を食べながら聴く音楽じゃないですね。慌ててテレビ画面をニュースに戻すと文科大臣が国会で認知症としか思えない答弁を繰り返していた。そんな文科大臣を総理大臣は辞めさせないという。嗚呼。Tutti Gabbati!阿呆か!阿呆か!風呂のあとワイン飲みながら改めてクライバーのベートーヴェン。4番が凄いですね。
2月9日(金) 朝ベッドのなかの読書は『日本スポーツ文化史』。面白すぎて傍線引きまくり。江戸期に漂流してアメリカに渡った日本人はジョン万次郎が有名だがジョセフ彦(浜田彦蔵)という人物もいてペリー来航の3年前に13歳で漂流。アメリカ船に助けられアメリカで汽車に乗り電信を見て大統領(ピアースとブキャナン)に会った初の日本人となったという。その彼が渡米9年後の文久3年に『漂流記』という本で《アメリカには角力あり。又日本にこれなきは喧嘩渡世のものなり》と書いたという。《角力はレスリング》だが《喧嘩渡世のもの》とはボクシングらし。ジョセフ彦は相当面白い人物で桜田門外の変のときに攘夷党による身辺の危険を感じて再渡米。南北戦争の南軍のスパイと疑われて軍事裁判にかけられてが無罪となりリンカーン大統領にも面会。再度日本に帰って『海外新聞』という日本人の手による初の新聞を出したという。チョット調べてみたい人物ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。『日本スポーツ文化史』には昭和7年に政治家の鳩山一郎元文部大臣が『スポーツを語る』という著作を三省堂から上梓してスポーツのフェアプレーが《政治に及ぼす浄化作用に言及している》という。それが今では五輪利権を利用する政治家がスポーツで「浄化」されるどころか「汚化」されているのですからね。最悪ですね。ワン。イロイロ仕事したあと夕方から『ニューズ・オプエド』。ゲストは大住良之さんと後藤健生さんの2人のサッカー・ジャーナリストで「アジアNo.1」のはずだった日本がアジア・カップで敗戦したことをいろいろ話してもらう。ナルホド「世界ランク1位の国がW杯に優勝するわけではない」(後藤氏)ので「森保監督もいろいろ勉強したはず」(大住氏)で監督を変える必要はなくW杯に期待…とのこと。アジア杯決勝は連覇するほどの力はないカタールよりも新鮮な魅力のヨルダンを応援したい(後藤氏)とのこと。https://op-ed.jp/ 『オプエド』のあとチコちゃんやニュースを見ながら晩飯。記憶喪失認知症の文科大臣を更迭しない総理大臣にも呆れますけど契約書をキチンと読まないで署名するような人物でも大臣が務まる日本の政治は堕ちるところまで堕ちましたね。それに「激怒」しないで「解説」している「ジャーナリスト」や「政治ジャーナリスト」も最低ですね。
2月10日(土) 『日本スポーツ文化史』はスキーの日本での発展史。《スポーツは武器武術から発生し転化していたものが多いのだが逆にスポーツが軍事に影響を及ぼしたものがスキーである》という指摘は面白い。日本にスキーを伝え広めたのもレルヒ少佐というオーストリアの軍人でしたからね。スケートは明治29年ヴェルヌの小説『十五少年(漂流記)』によって広く知られるようになったらしい。《氷靴》を履いて《各種の曲線巻線を描きつつ縦横に滑り走る円転自在の働き》をする《氷走》と紹介されたのが《スケーティング》でその表現から《フィギュアのことだろう》と引用した著者の木村毅は書いている。この明治時代の『十五少年』の翻訳(珍訳)は結構面白く「Good morning,sir」が「好朝,君よ」と訳されたらしい。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。陽射しは暖かいけど空気は冷たい。やっぱり冬ですね。世界思想社から今年の機関誌『世界思想』の特集『スポーツ』に書いた原稿の校正がメールで送られてきたのでダウンロードして2部印刷。読み直していろいろ書き込む。さて…どのように完成(清書)するか…締め切りはまだだな…と思っていると長女が遊びに来たのでビールを飲み出す。ジビエ料理の『アジト』から配達サービスを通して鹿肉や猪肉料理が届いたので『報道特集』見ながら晩飯開始。そのままワイン・パーティ。テレ朝『タモリ・ステーション』の「スポーツ昔話」を見てしまったけどその後のテレ東の伊藤美誠へのインタヴューのほうが面白かったですね。パリ五輪には気持ちの整理がつかずモチベーションが定まらず力を発揮できないまま選考から落ちてしまったけどそれをバネにして世界ランク1位を目指すそうです。その意気込みや良しですね。しかし…メディア(テレビも新聞も)「戦時パリ五輪」の「危機」を報じないのは何故?無事開催してほしい(中継放送で儲けたい?)との願望が強いのかな?
2月11日(日) 『日本スポーツ文化史』でフットボール&ゴルフ&バドミントンの発展史を読む。豊富な雑学にホンマカイナと思いながらも面白い。朝鮮戦争の最中にトルーマン大統領が総司令官のマッカーサーに会いに来たウェイク島会談は歴史的に有名だが《こんな会談など眼中になかったと思われるマッカーサー元帥は会談中にもかかわらず副官にサンフランシスコの海軍放送部に何度も電話をかけさせしきりに何か聞いている。新聞記者たちは「何か重大事だ!」と色めき立ったが後で聞いてみるとそれは元帥の母校のウェストポイント士官学校とミシガン大学との蹴球戦(むろんアメリカン・フットボール)の経過を尋ねさせたものだとわかった》会談を政治利用しようとしたトルーマンも馬鹿にされたものだが中国軍が攻めてこないと判断していたマッカーサーもたるんでたのですね。バドミントンは1754(宝暦4)年に書かれた本『紅毛雑話』にラケットとシャトルの絵入りで紹介されていてインドで行われていたプーナという遊びがイギリスに伝わってバドミントンとなる(1873年)より早く日本で行われていたという。ホンマカイナ?でも面白いですね。ワン。ベッドを出て長女とヨメハンと一緒に黒兵衛と散歩。黒兵衛のリードを本物の飼い主(長女)が持つと坂道を登るのに引っ張ってくれる黒兵衛がいなくて疲れましたなぁ。イロイロ仕事の後Netflixでスピルバーグの映画『レディ・プレイヤー1』を見る。中野珠実さんの『顔に取り憑かれた脳』(ナンデモカンデモ参照)に紹介されていたので見たいと思ったけど見なくても良い程度の駄作だった。ヴァーチャル空間で子供たちが出会って『スタンド・バイ・ミイ』をやったりキューブリックの『シャイニング』が出てきたり『ゴジラ』も『ガンダム』もヴァーチャルではやり放題。最後のはハッピー・ハリウッド・アメリカン映画。チョイとアイデア倒れですね。晩飯は今日も『アジト』のジビエの鹿や猪を楽しむ。尾籠な話ですがジビエを食べると何故か雲古がたっぷり出ますね。
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『スノーデン』 国家という怪物の内部で戦った人間の良心の記録。オリバー・ストーンは本物の映画監督ですね |
2月12日(月) 朝のベッドでの『日本スポーツ文化史』の勉強は一休みして『週刊文春』を読む。《安倍晋三に裏切られ森喜朗に嵌められて…五輪の闇初告白》《五輪汚職高橋治之被告が独占7時間》のインタヴューに答えたという。10ページに及ぶ大特集。《「五輪は後で事件になるから」と招致の手伝いを固持した僕に安倍さんは「迷惑はかけない。絶対に保証する」と約束した。なのに事実に反した森さんの供述で僕は逮捕されてしまった。実は業者から「森さんにいくら渡せばよいかと聞かれ僕はこう告げていましたー》と書かれたリード文の「こう」の部分は(保険適用外の癌の治療薬の)《「オプシーボは一回三百万円ですよ」とは言いました(略)森さんがたびたび「一回三百万円」と言っていたのを聞いていたので》ということでAOKIやKADOKAWAやADKは森氏に数百万円を渡したという。《高橋氏の代理人弁護士は二時間近い冒頭陳述の最後に(略)「裁判長!元会長(森氏)の証人尋問が必要です」高橋氏に職務権限があった(マーティング=スポンサー集めの責任者だった)とする検察側の最大の根拠は森氏の供述。だが現時点で検察側の証人リストに森氏の名前はない》ふ〜ん。裁判での「森vs高橋」の直接対決は絶対に実現してほしいですよね。ワン。ベッドを出て長女とヨメハンと一緒に黒兵衛と散歩。富士山が綺麗。噴火の兆しナシ?まだかな?しかし「文春砲」の「松本問題」を少しは取り上げてるテレビのワイドショウもこの重大な高橋発言は無視のようですね。ナンデヤネン!?ワン。いろいろデスクワーク。午後からNHK-BSでオリバー・ストーン監督の映画『スノーデン』をやっていたので注目。しかし前半だけ見たところで原稿の校正などが気になって中断。晩飯のときは今日は月曜なのでTVK吉本劇場を見ながら。マキバオー大活躍。弁護士の弘中惇一郎氏は『特捜検察の正体』(講談社現代新書)のなかで五輪汚職にたいする特捜検察の捜査が中途半端だったこと(森組織委会長などに及んでないこと)を痛烈に批判していたけど日本の裁判所はどうするのかな?森vs高橋対決を実現させるのか!?
2月13日(火) 朝のベッドでの学習は弁護士の弘中惇一郎氏の『特捜検察の正体』と内田樹&白井聡両氏の対談『新しい戦前』の再読(どちらも講談社現代新書)。今日締め切りの『ZAITEN』連載『今月のスポーツ時評』を書くために読み直しチェック。どちらも「五輪汚職」についての記述や発言がありますからね。ボールペンで傍線引いたりドッグイヤー(本の角のページを「犬の耳」のように折り曲げた目印)をつけたりして朝の5時頃から7時過ぎまで熟読。ワン。ベッドを出て朝食のあと黒兵衛と散歩。終日デスクワークは『ZAITEN』の連載執筆。『週刊文春』の高橋治之氏の五輪汚職に関する独占インタヴューの「重要さ」について書く。何しろ「高橋治之vs森喜朗」のバトルが始まるかもしれないのですからね。しかし何故メディアはこれを取り上げなのかなあ…「松本人志SEX上納システム」よりよほど重要に思えるのに…ワン。原稿が早く書けたの録画しておいたNHKの『解体キングダム』を見る。鎌倉にある光明寺を10年かけて解体し再建する作業。まだ解体が始まったばかりですけど鎌倉時代の木材や江戸時代に修理された木材を解体して再利用するこの作業は感激もののレポートでした。晩飯の後は昨日途中まで見た『スノーデン』後半を見る。もう一度最初からキチンと見直す必要があるけど素晴らしい映画でした。やはりメディア(イギリスの『ガーディアン』紙)の協力がなければスノーデンの重大な政府の個人監視という犯罪的行為の暴露と告発も意味を持たなかった(社会の改善に役立たなかった)のですね。日本のメディアならどーしたのかな?映画の最後には本物のスノーデンも登場。オリバー・ストーンは凄い!
2月14日(水) 朝のベッドで『週刊文春』五輪汚職の高橋治之氏独占インタヴュー以外の記事を読む。《二階俊博に直撃 長男が疑惑団体の会計責任者「消えた50億円」》も《松本人志「SEX上納システムはある」女性たちが猛反論!》もそれなりに興味深かったけどいろんな連載のなかに清水克行氏の『室町ワンダーランド』があるのに今まで気付かなかった(>_<)。メッチャ面白かった『室町は今日もハードボイルド』(新潮文庫)の著者の連載は今回の「世阿弥のコスモロジ−」で既に第89回にもなっている。週刊誌は隅々まで読む必要はないけど隅々までチェックしないとダメですね。ワン。黒兵衛の散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。ケニアの陸上競技選手のキプタム選手が交通事故で死亡したことを取り上げ彼の残した2時間0分35秒という世界最高記録が如何に凄い記録かを離したあと英語でAthleticsとかTrack and Fieldと呼ばれている競技が日本では何故「陸上競技」と呼ばれるようになったのかという話をする。その理由を知りたい方は2月6日(火)の本欄を参照するかRKB毎日放送のホームページから『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』の録音放送を聞いて下さい。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩してデスクワークは『世界思想』に書いた『スポーツとは何か?−−「スポーツそのもの」の魅力を求めて』の校正を再チェックして世界思想社にメール送稿。いろいろ「赤入れ」をしたので再校を送ってくれるとのこと。時間をかけた仕事が出来るのは嬉しいですね。晩飯はNHK『解体キングダム』を見ながら。昨日録画で見た光明寺の解体作業もメッチャ面白かったけど今日の赤坂のビルの解体も長さ40メートルのクレーンをまず組み立てることから作業が開始されメッチャ凄かったです。政(まつりごと=政治)やスポーツなどの非日常の行為もこういう労働(日常)に負けない(匹敵する)価値を産む真面目な努力が必要ですよね。自民党の裏金疑惑は最悪ですけどソレをウォッシングするようなスポーツ報道はダメですよね。
2月15日(木) 昨日本棚の整理を少ししたら奥の方から筒井康隆『ダンヌンツィオに夢中』(中央公論社)が出てきた。三島由紀夫関係の評論本を20冊ほど押し込んだなかにあった一冊でもちろん表題の文芸批評は三島由紀夫が若いときからイタリアの作家ダンヌンツィオに夢中だったことを『花ざかりの森』や『仮面の告白』から筒井先生が読み解いた試み。それも面白いのだが時代が昭和から平成に移る頃の面白い名文エッセイ集を読むのは近過去にタイムトラベルしているようで楽しい。リクルート事件か…今も変わらないな。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。面白い本を楽しんだ後は足取りも軽くなる。しかもそれが古書なのだ。ナンデヤ?自分が歳を取ったからか?ワン。『世界思想』のスポーツ特集の原稿に校正段階で加筆。ヨメハンに「まだその仕事をやってはりまんのかいな」と言われるがそう言えばこの仕事は昨年12月半ばから続けている。もちろん中断はしてるものの依頼原稿にこれだけ時間をかけるのは初めてですね。『世界思想』という冊子のタイトルに背中を押されたかな?タイムトラベルを楽しみたいので晩飯の後そそくさとベッドへ。
2月16日(金) 昨日『週刊文春』と『週刊新潮』が送られてきたのでベッドで読む。旧統一教会との密接な関係が取り沙汰される岸田某も盛山某も派閥にしがみつく麻生某もその他の某某某も…政治屋という職業で食うことに汲々としているだけで野党の非力も情けなさも加えて日本の政治は死にましたね。嗚呼。かつて宮崎学さんに政治家とヤクザの共通点を伺ったことがありました。それは働かずに大金を手に入れることを目指すこと。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。庭の梅の花が咲いている。一輪以上。梅八輪八輪ほどの暖かさ。ホント。春爛漫並みの暖かさですね。ワン。散歩のあと掛かり付けのお医者さんへ。先月の血液検査の結果を聞く。血糖値が少し高い以外は正常。肝臓もコレステロールもOK。ヨメハンにホンマカイナと呆れられるが血液検査の結果だけはいつも見事なのだ。帰りに本屋に寄って直木賞受賞作の河崎秋子『ともぐい』(新潮社)を購入。最近ジビエにハマってますからね(笑)。帰宅後イロイロ雑務。確定申告の季節ですから。いや。確定申告を雑務と言ってはダメなのかな。でもカネなんか無視して原稿を書いていたいですね。何がインボイスじゃ!!政治家から税金を取らんけえ!!と叫びたいですね。今日の『ニューズ・オプエド』はMCがタケ小山さんで小生は大宅映子さんやゴルフ・ジャーナリスト協会会長の小川朗さんとともにゲスト出演。人口減少問題にゴルフ界も取り組んでるらしい話は興味深く聞かせてもらったが小生は創価大学のアフリカ出身駅伝選手のドーピング問題から花巻東高校の佐々木麟太郎選手がスタンフォードニスすうことを取り上げて日本の大学もスポーツ入学の学生に勉強させないとダメという話をする。加えて高橋治之氏の森批判から法廷での直接対決を希望する話も。MCよりもゲストの砲がいろいろ自由に話せてイイかも。オプエドの後はチコちゃん見ながら晩飯。早めにベッドへ。
2月17日(土) ベッドのなかで河崎秋子『ともぐい』(新潮社)読み始める。明治時代の北海道で一人で山に籠もって猟師を続ける男の物語。最初は獲物の鹿を解体するシーンが詳しく書かれていたことに圧倒されてどーゆーモチベーションでこんな物語を女流作家が書こうとするのか疑問も湧いたがあっという間に物語に引き込まれてしまった。面白い。山で自然の生物と対峙する一匹狼の物語。《獣は笑わない。だから彼は人間の笑顔を直感的に恐れる》サテそんな男がどんな人生を送るのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。本欄の愛読者と思しき方から小澤征爾氏が亡くなったことに何故触れないのか?というメールをいただいた。別に他意はない。世の中的には騒がれた人物でも小生の印象に残った演奏が最晩年のベートーヴェンとベルリオーズのCDくらいしかないから…と思っていたら片山杜秀氏が週刊新潮の連載コラム『夏裘冬扇』に「世界のオザワ」がどのように誕生したかを書いておられた。ナルホド。満洲生まれの彼が世界中の《相異なりすぎるはずの指揮者たちの最上の音楽性を長嶋茂雄も驚く理屈を超えたまさに超人的な勘に操られ(略)五族協和の王道楽土》を築き上げた…というわけか。凄い解説ですね。しかしこのコラムをどれくらいの人が理解するのかな?合掌。庭の白梅がかなり花を開いたのはやはり暖かさのせいかな??梅は咲いたか桜はまだかいな…ワン。確定申告の書類整理のやる気が出ないのは自民党の裏金疑惑のせいかな?午後からヴィッセル神戸vs川崎フロンターレのスーパーカップを見る。神戸は去年のまま。川崎は新装開店。川崎の勝利に鬼木監督の日本代表監督待望論も出そうな気配かな?晩飯は久し振りにワーグナー『ワルキューレ』を見ながら。レヴァイン指揮シェンク演出1989年の舞台。ジェシー・ノーマンのジークリンデ&べーレンスのブリュンヒルデ&ゲイリー・レイクスのジークムント&ジェームズ・モリスのヴォータン&クルト・モルのフンディンク&クリスタ・ルードヴィヒのフリッカ…イイですね。昔は良かったなぁと年寄り染みたことを言う気はないけど歌手のレベルが高かったのは事実ですね。
2月18日(日) 『ともぐい』読み続ける。最高のエンターテインメントと言えるのは明治時代を山に生きた自然児の主人公が現代ではあり得ない存在に思えるからでしょうね。サテ最後にどんな生き様で現代人を驚かせてくれるのか…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。オマエは熊とは戦えないね。別に戦わなくてもイイけど先に飼っていた佐吉なら熊にも向かっていたかな…ワン。終日電卓と格闘。確定申告の書類整理。そう言えば今朝の東京新聞朝刊の佐藤正明さんの連載政治風刺漫画は面白かった。確定申告で税務署を訪れた人と税務署員との会話。「この領収書は?」「不明です」「これで間違いないですか」「はい。国税がお決めになることです」「この計算違いますよ」「はい。真摯に対応します」「これは?」「書籍代です。説明責任は果たしたじゃないですか」ハハハハと笑ってられないですね。嗚呼。夕方までかかってとにかく昨年の月別収入表と領収書整理を終える。あとはヨメハンの作業を待ってドッキングですね。晩飯はNHK日曜美術館でメイクアップアーティストの小林照子さんがダンサーの森山開次さんの身体に絵を描く作業を見ながら。素晴らしいアートですね。小林さんは88歳。それも凄いですね。そのあとは小澤征爾さん指揮ウィーン・フィルのニューイヤーコンサート。2002年か…日韓共催W杯のあった年ですね…観客席には日本人がイッパイ…日本が最後の元気を発揮していたときの記録と言えるのかな…1935(昭和10)年生まれの小澤征爾という音楽家は最後の高度成長世代と言えるかも…イイ時代だったですね。合掌。
2月19日(月) 『ともぐい』おもしろい。読みながらどーしてもヘミングウェイの『老人と海』を頭に思い浮かべてしまう。小生が中学生のときに初めて読んだ『老人と海』を本当に凄い小説だと納得できたのは50歳に近づいた頃だった。これは完璧にスポーツ(人生)そのものの意味の無さ(虚しさ)と豊かさ(素晴らしさ)の全てを最も簡潔に描いた見事な作品ですね。北海道の熊と人間の争いはどんな展開になるのか楽しみです。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。もう12歳を超えた大型犬のくせに元気過ぎて困る。引っ張られてこっちが倒れそう。まるで「老人と犬」の闘いですな。ワン。デスクワークをゴチャゴチャしてると講談社から現代新書の今月の新刊3冊が送られてくる。どれも読んで見たい本ばかり。田口善弘『学び直し高校物理 挫折者のための超入門』は何とオールカラーページで高校で習う物輪の全てを解説。趣味としての理科系大好き人間としては力学・電磁気学・熱力学・波動・原子分子と並んだ章は全て楽しそうです。川原繁人『日本語の秘密』は言語学者の歌人やラッパーや声優や同業者たちとの対談。「日本語ラップは万葉集に通ず」あたりから読みましょう。「AIのことばは信じられるのか」もオモシロそう。宮嵜麻子『ローマ帝国の誕生』は目次によると狼の乳で育った双子のロムルスとレムスの神話からカエサル&アウグストゥスの帝政の誕生まで一気に駆け抜けるようで興味津々。『ともぐい』を早く読み切りましょう。東京新聞の夕刊に黒澤明の映画『生きものの記録』が紹介されてたので晩飯のときにDVDで見る(但し吉本新喜劇を挟んで・笑)。原水爆の恐怖に気を狂わせた老人を35歳の三船敏郎が見事に演じた反核映画。心配しすぎる「老人」と心配しすぎない「一般人」のどっちが正常かを問い掛けた黒澤の見事な反核映画。見終わるとNHKの『映像の記録バタフライエフェクト』でオッペンハイマーをやっていた。前半を見逃したのは残念だが黒澤映画と奇妙な因縁。オッペンハイマーの良心を世界で見つめ直すべきですね。彼は日来日してもヒロシマナガサキには足を向けられなかったのですね。興味のある方は右下の能面をクリックして能の『オッペンハイマー』も見てください。オッペンハイマーの良心が凄い迫力で鬼気迫ります。
2月20日(火) 『ともぐい』おもしろい。読みながらどーしてもヘミングウェイの『老人と海』を頭に思い浮かべてしまう。小生が中学生のときに初めて読んだ『老人と海』を本当に凄い小説だと納得できたのは50歳に近づいた頃だった。これは完璧にスポーツ(人生)そのものの意味の無さ(虚しさ)と豊かさ(素晴らしさ)の全てを最も簡潔に描いた見事な作品ですね。北海道の熊と人間の争いはどんな展開になるのか楽しみです。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。もう12歳を超えた大型犬のくせに元気過ぎて困る。引っ張られてこっちが倒れそう。まるで「老人と犬」の闘いですな。ワン。デスクワークをゴチャゴチャしてると講談社から現代新書の今月の新刊3冊が送られてくる。どれも読んで見たい本ばかり。田口善弘『学び直し高校物理 挫折者のための超入門』は何とオールカラーページで高校で習う物輪の全てを解説。趣味としての理科系大好き人間としては力学・電磁気学・熱力学・波動・原子分子と並んだ章は全て楽しそうです。川原繁人『日本語の秘密』は言語学者の歌人やラッパーや声優や同業者たちとの対談。「日本語ラップは万葉集に通ず」あたりから読みましょう。「AIのことばは信じられるのか」もオモシロそう。宮嵜麻子『ローマ帝国の誕生』は目次によると狼の乳で育った双子のロムルスとレムスの神話からカエサル&アウグストゥスの帝政の誕生まで一気に駆け抜けるようで興味津々。『ともぐい』を早く読み切りましょう。東京新聞の夕刊に黒澤明の映画『生きものの記録』が紹介されてたので晩飯のときにDVDで見る(但し吉本新喜劇を挟んで・笑)。原水爆の恐怖に気を狂わせた老人を35歳の三船敏郎が見事に演じた反核映画。心配しすぎる「老人」と心配しすぎない「一般人」のどっちが正常かを問い掛けた黒澤の見事な反核映画。見終わるとNHKの『映像の記録バタフライエフェクト』でオッペンハイマーをやっていた。前半を見逃したのは残念だが黒澤映画と奇妙な因縁。オッペンハイマーの良心を世界で見つめ直すべきですね。彼は日来日してもヒロシマナガサキには足を向けられなかったのですね。興味のある方は右下の能面をクリックして能の『オッペンハイマー』も見てください。オッペンハイマーの良心が凄い迫力で鬼気迫ります。
2月20日(火)つづき 晩飯は昨日今夜は1948年の今夜は1948年の『酔いどれ天使』を見ながら。朝の連ドラ『ブギウギ』を見ていたヨメハンが「ジャングル・ブギ」を知らなかったというので黒澤明が作詞して笠置シズ子を歌わせた映画を見せる。志村喬主演三船敏郎の黒澤映画デビュー作で終戦直後の日本社会を描いた名作だが1990年(ロバート・ホワイティングの『和をもって日本となす』を小生が訳して出版した年)に元ジャイアンツの野球評論家だった青田昇氏とテレビ東京の番組に出たときに青田氏から「『酔いどれ天使』で三船がやったヤクザの役はホンマはオレがやることになってて黒澤監督が頼みに来よったけど巨人の社長がアカン言うて三船になったんや」という話を聞いた。ホンマカイナとも思ったが若いときの青田氏ならありそうな話。しかし三船の名演でその後の三船&黒澤のコンビが生まれて良かったですね。『酔いどれ天使』で三船が最後のヤクザの親分とペンキにまみれて殺し合うのは『女殺油地獄』からのパクリかな。三島由紀夫主演の『からっ風野郎』(増村保造監督)で最後に三島がエスカレーターの上で足を滑らせながら死ぬのも近松と関係ありかな?『ともぐい』のラストを想像するのは楽し。
2月21日(水) 『ともぐい』はいよいよクライマックス。ところが小生の予想とはまったく別の展開。ハードボイルドの主体が「女」になってきた。女のハードボイルド。主人公の猟師が赤ん坊を一人で産み落とした女に手玉に取られる。凄い。けれどこんなの読んでいたら朝のラジオをマトモに話せなくなるので一端中止。ベッドを出てスポーツの資料を整理したあとRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。テーマは「スポーツのマナー違反」について。世界卓球で日本の木原美悠と平野美宇の両選手が南アの選手に対して11対0と完封勝ちしたことを「マナー違反」と指摘する声があったコトを取り上げる。卓球では弱い相手に1ポイントも与えず勝つことを「マナー違反」とする伝統があるとか。スタジオでも「そんな馬鹿な!」という声が上がったが善し悪しは別にしてテニスには昔から服装のコードとかいろいろマナーがあったのでテーブルテニス(卓球)もマナーにウルサイ(ウルサかった)のかな?野球でも点差の大きく開いた試合での盗塁とかバントは「マナー違反」と言われた(言われてる?しバスケットボールでのゲーム終了前の時間帯(ガベッジ・タイム)でのダンクシュートなど派手なプレイも「マナー違反」と言われる。バレーボールやラグビーでもかつては得点(トライ)して大喜びするのは昔は「マナー違反」と言われましたね。スポーツのマナーは時代の変化とともに変わるのかな?…という話。ラジオを終えて黒兵衛と散歩のあと『ともぐい』読了。凄い作品でした。作者の河崎秋子氏の描いた「女のハードボイルド」はまるで『老人と海』を書いたヘミングウェイに対して「おじいちゃん頑張りましたね」と慰めているような「女の強さ」を感じました。凄い。晩飯はNHKの『解体キングダム』で山手線渋谷駅の線路持ち上げ作業を見ながら。4千人以上の人海作戦も凄いけど渋谷駅の構造というのは無茶苦茶に込み入ってることがわかりました。去年久し振りに言って道に迷ったのも当然だったのですな。。
2月22日(木) ベッドの読書に月刊『文藝春秋』を持ち込む。ウクライナ戦争はロシアの勝利に終わる可能性が高いのか?まぁよーわからん。それより小川哲氏の書いていた『AIは脅威か恩恵か?小説家vsAI』という記事が見事に面白かった。《自動車が発明されても百メートル走の価値が落ちなかったように人間が苦闘して聡諾する行為自体に価値が残るのではないか》という指摘は納得できるが《百メートル走の価値》がソロソロどうなるか?速さ以外に価値を見いだすのか?百メートル走以外の身体行為に目が向くのか?それを考えるとさらに面白い展開になりそうですよね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。小雨のなか短いコースで。黒兵衛も納得。早く雲古して速歩で帰宅。速さには速いこと以外の価値のほうが重要かな?ワン。それにしても河崎秋子氏の小説『ともぐい』の衝撃はまだ残ってる。単行本の帯には《新たな熊文学の誕生》なんて書いてあるけどそんな生やさしいものじゃない。何しろ巨大熊の喧嘩に巻き込まれて深い傷を負った猟師が痛む腰を引きずりながら雪山を探しまくって銃で射止めた巨大熊の腹を掻血塗れの血塗れの熊の内臓に猛り立った男根を突き刺して射精してその男と一緒に暮らすようになった他の男の子供を宿していた盲目を装った女が一人で赤子の臍の緒を小刀で切って産み落としたあと男と目合(まぐあ)って新たな子を腹に宿して男に馬乗りになって小刀で男の喉笛を掻き切って殺したところで近代明治日本は露西亜との戦争に…というような小説ですからね(こんな書き方で申し興奮する小説です)興奮する小説です)。ヘミングウェイもペキンパーも真っ青ですよ。とりわけ男性の皆さん!是非ともこの物凄い小説を御一読!晩飯は大人しくウィーンフィルのニューイヤーコンサートのDVDを見ながら。それも1960〜70年代のコンサートマスターだったボスコフスキーが指揮したもの。ウィーン・フィルはウィンナワルツをやるときは指揮者なんていらないですね。
2月23日(金) 天皇誕生日 『ともぐい』で盲目を装った女(陽子)が山小屋で同棲を始めたハードボイルド猟師の喉笛を小刀で掻き切って殺すシーンから旧約聖書の女傑ユダヤ人のユディトがアッシリアの将軍ホロフェルエスの首を切って殺すことを思い出し池上英洋『残虐美術史 西洋世界の裏面をよみとく』(ちくま学芸文庫)をベッドに持ち込んで読む。カラヴァッジョが描いた惨殺シーンはユディトが眉間に皺を寄せて《「いやいや」敵将の首を斬っているように見えるのに対し》女流画家の《アルテミジアの描くユディトは渾身の力を込めて男の首を「積極的に」斬っているようにも見える。まるで男という全存在を憎んでいるかのように》確かに。一緒に工房で絵を描いていた男にレイプされて裁判でも裁判後も二次被害三次被害としか言いようのない被害を受けた女流画家が「渾身の力」を込めて男の首を切る絵を描いたのかもしれない。カラヴァッジョを上回る凄い絵ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と冷たい雨のなかを散歩。飼い主の心を読んだのか黒兵衛も速く雲古を出してサッサと帰宅。午前中は仕事部屋の机の整理。午後はJリーグ開幕。広島vs浦和。広島の新しいスタジアムは素晴らしいですね。Jの試合も面白いですね。晩飯は朝NHK-BSを録画した『新日本紀行 山辺の道』を見ながら。山辺の道…イイですね。。香具山は畝傍恋しと耳成と相争いき…でしたっけ?京都人は奈良に勝てないですね。別に争う必要はないけど(笑)
2月24日(土) 『残酷美術史』はユディット以外の逸話も興味深い。殺人・大量虐殺・親殺し・子殺し・拷問・処刑・魔女裁判・カニバリズム・メメントモリ…。美術は西洋史を語ってますね。最近テレビのCMにメメントモリと囁く漫画の少女が出てきてびっくりしたけどゲームを創った人はmemento moriの意味がわかってるのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと御近所さんと雑務の打ち合わせなどイロイロ。長く生活しているとイロイロな問題も出てくるものですね。午後はNHK-BSで2年を終えたウクライナ戦争のドキュメンタリーを見る。政治的(国家的)名誉と個人の命を天秤にかけて語ることの難しさ。停戦させない米英やNATO諸国もウクライナの苦しみは所詮他人事?TBS『報道特集』でもウクライナ問題を取り上げていたけど…世界で最も気楽な政治家は日本の為政者と国会議員かもしれませんね。マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや(寺山修司)。晩飯後は世界卓球女子決勝を見ながら。昨日の本欄に書き忘れたけど香港のナンバーワン選手に対して張本美和選手が0-2から逆転勝利したのは凄かったですね。ホント早田ひな選手が言ってたみたいに「人間じゃない」ような大活躍。中国相手の決勝ではそうは上手くいかなかったけど2勝1敗と逆転した大健闘から2勝3敗の敗戦は将来の勝利を予感させる素晴らしさでしたね。しかも試合途中に選手たち全員が見せた笑顔が素晴らしかったですね。女子サッカーはイマイチかったるい試合運びのようだったけど次回東京で勝てばいいですよね。しかしパリ五輪は問題なく開催できるのかな?ウクライナ問題イスラエル問題はどうするのかな?
2月25日(日) 『残酷美術史』読み進む。感想の言葉としては相応しくないのだろうけどオモシロイ!例えば《拷問の三要素。まず見た目からして恐ろしい手段であること。次に苦痛が激しいこと。そして出血多量などですぐに死なないこと》そして追加の一文。《権力者はいつでも直接には手を下さない》こと。ナルホドと納得。さらに絞首刑は《窒息して死ぬのではない。頸動脈を圧迫することで脳への血流が止まり死に至るとか》知らなんだ。《長い間処刑は公開で行われた。ひとつは見せしめとすることによる抑止効果である。そして同時に娯楽の少ない時代におけるハレ的なイヴェントとしての機能である》それは知っていた。ヴォルテールの『カンディード』をミュージカル化したバーンスタイン作曲のオペレッタ『キャンディード』に素晴らしい火刑(火炙り処刑)のシーンの音楽がある。♪今日は素敵な火炙り日和(びより)…なんて歌詞で他の音楽も全て美事でこのオペレッタは『ウェストサイド・ストーリー』以上に素晴らしいですよ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。しかし『残酷美術史』の解説で最も酷いのは戦争ですね。英雄視されるナポレオンも皇帝就任後に166万人の兵士(国民)を動員して78万3千人の戦没者を出したというフランス人口問題研究所の統計があるそうです。《ナポレオンの欠点のひとつは他人の生死へのあまりな無頓着さにある》と言えますね。ワン。終日デスクワークは連合通信の連載『スポーツ博物館』の原稿書き。合間に長女がDAZNで放送されていたJリーグ東京ヴェルディvs横浜マリノスの映像を送ってきたのを見る。そうか。川淵元チェアマンは泣いたか。1993年のJ開幕戦の再現ですからね。しかも読売ヴェルディは消え去って…当時Jリーグの仕事を手伝っていた小生は家族全員で開幕戦を見に行きましたね。光陰矢の如し。Jは大きく育ちましたね。晩飯は久し振りにオペラ『椿姫』を見ながら。メータ指揮のイタリアのテレビ映画。素晴らしい映像でパネライのジェルモンがイイですね。食事のあとNHKスペシャルの『戦場のジーニャ/ウクライナ兵士が見た地獄』を見る。強烈なドキュメンタリーでした。オヤジが一度だけ語ってくれた塹壕戦を思い出しました。目の前で八路軍の手榴弾が爆発して顔面から血が噴き出して目の前が真っ赤になったとき「これで帰れる!」と思ったそうです。コンピュータやドローンが登場しても戦争は何も変わってないのですね。ナポレオン戦争のときから最前線は同じあのかな。
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『ミラクル・ニール』 ははははは。面白い。宇宙人に全能の力を与えられた人間はどーする?モンティ・パイソン的毒満載のスマートなスラップスティック・コメディです |
2月26日(月) 池上英洋『残酷美術史 西洋世界の裏面をよみとく』(ちくま学芸文庫)読了。けっこう深い内容で最後の二つの章は《殺人と戦争》《病・貧困・ヴァニタス》がテーマ。絵画の紹介はルネサンスから19世紀のモノが多くても今日のテーマですね。しかし《メメントモリ(死を想え)》という言葉がコンピュータ・ゲームと化した今日の「現代アート(芸術)」は「メメントモリ」や「ヴァニタス(虚しさ・儚さ)」や「トランジ(移ろい)」をどのように描いてるのか知りたく思いましたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。そー言えば最近は仕事のBGMにワーグナーの『ニーベルンクの指環』(ベーム指揮バイロイト)を延々と流してるけどライン川の川底の黄金の奪い合いに始まり最後はライン川の氾濫で全ての世界が滅ぶ14時間に及ぶこの壮大なオペラも表現しているメッセージはただひとつ。「ヴァニティ」だけですね。ワン。ジークフリートが大活躍する壮大なオペラの音楽をBGMに『世界思想』に寄稿した「スポーツとは何か?-「スポーツそのもの」の魅力を求めて』の最終校正&『連合通信』連載をメール送稿。晩飯は昼間NHK-BSが放送していて途中まで見た映画『ミラクル・ニール!』の続きをいながら。はっはっはっは。楽しく面白い映画でしたね。地球人が素晴らしい人種かどうかを試して地球を滅ぼすかどうかを決めようとする宇宙人に何でも実現したいこと全ての望みが叶う全能の力を与えられたしがない高校教師が主人公のスラップスティック・コメディ。さすがはモンティ・パイソンのスタッフが監督したイギリス映画だけあって毒のある笑いも含むセンスの良いドタバタ劇で続けてTVKで見た吉本新喜劇の笑いの邪魔もしないスマートな喜劇映画でした人間の言葉を話すようになった犬の声はロビン・ウィリアムスだったんですね。
2月27日(火) 朝ベッドでの読書は筑摩書房のPR誌『ちくま3月号』。磯崎純一氏の『種村季弘没後二十年』を読んで種村季弘氏の本を本棚の奥から引っ張り出したくなった。と同時に澁澤龍彦氏には弟子が一人もいないのに種村季弘氏には《グルを仰ぎ見る弟子が数多かった》のは《タネムラが「詐欺師」だったからかもしれない》と書かれていたのには思わず吹き出してしまった。魔術や錬金術について詳しかった種村氏には最高の褒め言葉ですね。斎藤美奈子さんの連載『世の中ラボ166』は今回も面白かった。『松本人志の性加害疑惑に見る芸能界の表と裏』というテーマを3冊の本で検証。松本人志『「松本」の「遺書」』(朝日文庫)では《第一義的》に《性的な存在》としか捉えていない松本の《女性観》を批判。斎藤梓・大竹裕子『性暴力被害の実像-被害はどのように起き、どう回復するか』(金剛出版)を引き合いに出して《松本人志が裁判に勝つのは難しいだろう》《女を見下す者はいずれ女に復讐される》と鮮やかに結論付ける。他に元吉本興業取締役の竹中功氏の書いた『吉本興業史』(角川新書)も紹介。《暴力団とのただならぬ関係》など《負の側面にも言及する》著者に《松本事件への感想を聞いてみたいと思わせる》と書く。竹中功氏は『わらわしたい:竹中版正調よしもと林正之助伝』(河出書房新社)という名著もあり小生が書評を毎日新聞に書いたこともある人物。《吉本は一介の芸能プロではなく国政や大阪府市政とも関係の深い言わば「政商」だ》と斎藤氏も書く吉本についてどう考えているのか小生も訊いてみたい。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとデスクワークは北國新聞の連載『スポーツを考える』。スポーツのルールにはないマナーについて書く。そう言えばミスター・ラグビー故・平尾誠二さんはトライした選手は喜びすぎるな!と言われていた時代にソレはオカシイ。喜びを爆発させようと言ってましたね。今は彼の言った取りになりましたね。晩飯はワーグナー『ニーベルンクの指環』の『神々の黄昏』(レヴァイン指揮メト歌劇場)の最後のシーンを見ながら。最高に美しい「愛の復活」のメロディで全てが消滅して終わる結末はヴァニティですね。
2月28日(水) 朝ベッドの読書では塩田純『9条誕生 平和国家はこうして生まれた』(岩波書店)を読み始める。著者はNHKのディレクターで以前「NHKスペシャル」の番組で放送された『9条誕生』の』書籍版。その番組が素晴らしかったので買った2018年4月初刷発行の一冊。買った当時は番組が頭にあったので斜め読み状態だったが今こそキチンと読み直すべきときだと思ってベッドイン。日本国憲法をアメリカに押し付けられた「みっともない憲法」と阿呆な意見を口にした元首相もいたようですが憲法の平和条項は日本人憲法学者と当時の政治家が昭和天皇とともに創ったものなんですよね。ワン。黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。テーマは「サッカー三題噺」。今夜のなでしこガンバレ&スーパーカップ(前年リーグ戦優勝チームvsカップ戦優勝チームの試合)は世界100か国以上が行ってる祭典&ヴェルディvsマリノス戦試合前の挨拶で川淵初代チェアマン号泣。この3つを話しました。興味のある方はRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』のホームページの『Catch Up』の録音放送を聞いて下さい。ワン。黒兵衛と散歩の後デスクワークは北國新聞の校正や『世界思想』の最終校正チェックや明日締め切りのフォーラムエイト『Up and Coming』の連載の下書きなど。晩飯はもちろん女子サッカーなでしこジャパンvs北朝鮮の試合を見ながら。キーパー「山下の1ミリ」のゴールの防御mなでしこの2点も見事でしたが北朝鮮のフェアプレイと強さも光ってましたね。試合後に喜ぶのは仕方ないけど相手選手とキチンと挨拶してほしかったですね。
2月29日(木) 閏年の閏の日。確かロッシーニの誕生日がこの日。なんだか納得しますね(笑)。ベートーヴェンならきっと誕生日を変えたでしょうね。ベッドのなかの読書は『9条誕生』を読み進む。昭和20年9月4日戦後最初に開かれた帝国議会で天皇が勅語のなかに「平和国家ヲ確立シ」と言われた時から日本の戦後の「平和国家建設」が始まったのですね。憲法に「戦争放棄」を明記することをマッカーサー元帥に主張した幣原喜重郎首相は戦前軍部からロンドン軍縮会議での交渉結果を「軟弱外交」を非難されて政界を追われた人物だったのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。黒兵衛の真っ黒の顔の周りの髭が白く目立つようになったなぁ。ワン。終日デスクワークはフォーラムエイトのPR誌『Up and Coming』の連載「スポーツは教えてくれる」の第26回。スポーツにおける「ルールとマナーと伝統」の話を少々詳しく書く。ふうううう。晩飯はNHK『魔改造の夜』を見ながら。キックボードを改造して25メートルの綱渡りを競った結果は横浜の町工場のエンジニアたちが「魔改造」したマシンがT工大やPナソニックのエンジニア対のマシンを抑えて優勝。100分の5秒差のなかに3チームが入る大接戦も素晴らしかったけど3チームともジャイロを駆使してバランスを取っての綱渡りマシンの製作は見事でした。これはいつも面白い番組ですね。
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