2024年 令和6年 正月元旦(月)
あけましておめでとうございます。元旦はナントカカントカへの一里塚めでたくもありめでたくもなし。今年は中庸の精神でいきますか(笑)
1月1日(月)つづき
朝ゆっくり起きて家族みんなで黒兵衛と散歩。静かな正月。午後イチで『鮨処もり山』さんが家族3人でお節料理を届けてくれる。孫2人はお年玉ももらってありがとうございます。サッカー日本vsタイ戦の前半戦が0−0の不完全燃焼で終わったところで年末に帰国した隣家の在フランスご夫妻が百一歳の御母堂と一緒にご挨拶に。お土産のシャンパンと孫にお菓子のお城をありがとうございます。我が家族7人+3人の全10人みんなで記念撮影。サッカー後半は堂安が入ってチームが引き締まったのか大量得点で正月のパーティを始めたとたん緊急地震速報で全員唖然。新年がコレでは日本の行く先にはも暗雲?日本の今年はどーなる?まいったなぁ…と思いながら孫どもが寝たあと大人は北陸地方の様子をテレビで見ながら深夜まで酒盛り&音楽談義。しかし震度7の一夜明けたあとが気になった元日でした。
1月2日(火)
夜寝るのが遅いと朝の目覚めも遅い。その結果朝の読書はパス。まぁ正月だし仕方ないか。朝ゆっくり起きて子供たち孫たちと一緒に黒兵衛と散歩。テレビのニュースで能登半島の地震の様子を見る。やはり津波も相当の被害があったようですね。正月のお笑い番組を放送している民放の姿勢が腹立たしく感じられる。チラチラ見た箱根駅伝は駒沢一強を覆して青学健闘。大会直前に青学原監督が週刊現代で展開した箱根駅伝大批判をマスメディアがもっと取りあげるようになるためにも頑張ってほしいですね。北陸地震に対して駅伝のやれる幸せとコメントした原監督の言葉の意味をメディアも考え直すべきですね…と思っていたら羽田空港で大惨事。満員の乗客を乗せたエアバスと衝突した海保の航空機が能登半島の震災へ物資を届けるために飛び立とうとしたところだったと聞いて改めて悲劇が痛々しく思われたが満員の乗客乗員が燃え上がるエアバスから全員無事待避したと聞いて救われる。夜は子供たちと酒飲みながらnetflixでレディー・ガガやジュリー・アンドリュースやロッド・スチュアートやブライアン・アダムスや20代の若きパヴァロッティなどの見事な歌声を次々と聴いたが何と言っても凄かったのはアレサ・フランクリンの『誰も寝てはならぬ』(プッチーニのオペラ『トゥーランドット』のアリア)でしたね。グラミ−賞の記念コンサートで歌ったらしいけどソウル・ジャズ・タッチ歌い上げたコレはパヴァロッティより凄いかも。
1月3日(水)
ベッドでの読書は稲垣足穂は脳ミソがぐにゃぐにゃになりすぎるので昨年世界思想社から送ってもらった『世界思想2016年春43号』。特集は「人口問題」。日本は人口減少が問題とされ岸田政府は「異次元の少子化対策」などと叫んでいるがどうやら的外れのようで《将来目指すべき社会はどのようなものなのか。そのビジョン(のないこと)に問題があるのだ》その通りですね。《本来の目標は新しい文明社会への見通しである。出生率も人口安定もそれがあって初めて実現できるのではないか》岸田などの政治家ども全員に読ませたい一文ですね。所詮「異次元」の「対策」など「次元が違う」のだから現在の日本社会とは無関係なんでしょうけど…日本の近い将来が「万博」と「IR」ではどーしょーもない悲劇ですね。いやもう喜劇と言うべきか。万博のアンバサダーは松本人志ですからね。ワン。ベッドから出て子供たちや孫たちと朝食のあと黒兵衛と散歩。娘や孫たちが買い物の間にゴッホの生涯を描いた映画『永遠の門』を見る。ゴッホの絵の色に合わせた風景の映像も彼の精神の奥深いところで蠢いている心の底から溢れた台詞回しも物語も見応えのあるイイ映画でした。仕事で帰った長男以外の家族全員で夕方から大船のジビエ料理店『アジト』へ。鹿肉のステーキやユッケや猪のボタン鍋やらをみんなで楽しむ。美味しい店で今年の正月休みもオシマイ。能登半島と北陸の皆さんや羽田の事故に見舞われた皆さんには大変な正月になったようでお見舞い申し上げるほかないですがヤハリ今年は為政者に厳しい目を向ける一年にしないとダメですね。
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『愛のお荷物』 川島雄三監督の傑作コメディ。戦後の日本で人口増加に困る姿は,人口減少に悩む今こそ見直すべきでしょう。人間って勝手なものです
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1月4日(木)
朝のベッドで『世界思想/人口問題』読み進む。面白い!目から鱗の連続。つい最近の小生が高校生から大学生になり物書きの仕事を始めた頃の1970年代までは《人口増加が問題視され「子供は二人まで」を推奨する人口抑制策まで打ち出された。こうした努力によって1990年代には人口増加率がかなり鈍化し2000年代からは念願だったはずの人口減少に転じた》それが今では「念願だった人口減少」を「少子化の危機」と見做しているのだから日本人って勝手なモンですね。川島雄三監督の映画『愛のお荷物』(人口増加が大問題となった戦後に厚生大臣が子沢山となって悩む喜劇)を見直すべきですね。日本の国土では《4000万人くらいが適正だという説がある。海外から農作物を輸入せず化学肥料を使わず土壌の回復力だけで食糧を自給した場合もまた4000万人が適正だといわれている》しかし《人口減少を喜ばない》のは《人口が減ると成立しなくなる仕組みが多いからだろう。税財源の問題や雇用の問題や国の活力の問題など》しかし《それは現状の構造を変えないまま人口が減った場合に生まれる問題である。社会構造や産業構造を変えたくないから人口減少が問題視され人口を増加させなければ大変なことになると警鐘を鳴らす》が《少ない人口でやっていく術はいくらでもある》のだ。イギリスの人口は約6400万人。フランスは約6600万人。イタリアは約6000万人。《戦前や明治期や江戸期》は日本も人口が《1億人以下だった》のですからね。そしてこの論を書いている山崎亮氏(株)studio-L代表は現在のハイテク技術を利用し《地域活動をする人口を高めることによって主体的な地域運営を実現させること》ができれば「少子化」は克服できると説く。《今の社会構造や産業構造のまま人口減少することは避けたほうがいいしそれをもって「人口減少は問題だ」と断定してしまうことはもっと避けたほうがいい。日本が理想的な人口規模に向かっていると考えるところから自分たちの生き方を考え始めたい。(略)「人口が増えなければ国際競争に勝てない」という悪しき悪しき神話から抜け出す》べきなのですね。ワン。ベッドを出て次女や孫2人とヨメハンと一緒に黒兵衛と散歩。長男は昨夜のジビエ・パーティの前に長女はパーティ後にそれぞれ東京の自分の住まいに帰宅。次女と孫も散歩と昼飯後に帰宅。ワイワイガヤガヤと五月蠅かった正月も幕。久し振りにパソコンの整理を少ししたあとヨメハンと二人で静かにビール飲んで晩飯食ってベッドへ。あ。「少子化対策」は「異次元の…」なんて言う前にまず国会議員を減らしましょうね。
1月5日(金)
『世界思想2016年春43号/特集:人口問題』読了。どの文章も「目ウロコ」の面白さだったけどフランス文学・映画史・マンガ論が専門の中条省平学習院大学教授の書かれた『反=人間主義としての人口問題−よしながふみ「大奥」を読む』が面白かった。という以上にマンガ『大奥』を読みたくなった。徳川時代に流行した男だけが罹る『赤面疱瘡』という「死に至る病」で男の人口が「4分の1」に激減。三代将軍家光の時代から将軍も女に替わり全て男と女が入れ替わる世の中になる。言わば『とりかへばやものがたり』の「江戸時代版男の大奥物語」。《女が全ての労働力の担い手にならざるを得なく》なり《婚姻制度は崩壊する。貧しい女たちに夫を持つ事などは到底無理な事で彼女たちは花街で男を買い種を付けてもらって子供を産む。婿を取る事は武士や裕福な商人庄屋などにのみ許された特権になってゆく》《官僚化していた武家社会では男女の役割の交代は比較的容易であった》そうして《女性将軍と男性大奥》のシステムを築き上げた春日局に側室(男)が疑問を呈する。《そうまでして守らねばならぬ徳川家とはあなたにとって一体何なのですか!!》春日局が答える。《それは戦(いくさ)のない平和な世の中です》2010年封切りの映画の宣伝はテレビで見たことがあったがコレほど過激で面白そうな物語だとは思わなかった。マンガも映画も見なければ。あ。学習院大の中条教授は最後に春日局の台詞に対して《美しく説得力のある言葉に響く》がしかし《「血」の特権化もロマン主義的イデオロギーにすぎない》としてミシェル・フーコーを引用。《実際には人間には如何なる目的もありません》と書く。《フーコーの反=人間主義》としてはそういう言い方になるのかもしれないけれど人間が生きていくにはマァ何かを信じたいという気持ちがどうしてもあるから小生は春日局の「美しく説得力があるように響く」言葉に絶賛を贈って信じたいと思いますけどね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと仕事始め。『世界思想』の「特集:スポーツ」の原稿を読み直して書き直しに手を付ける。「世界思想」という言葉に負けずに(笑)肩の力を抜いてゆっくりやりまひょ。
1月6日(土)
朝のベッドでの読書はよしながふみの『大奥』に刺激を受けて池上英洋&川口清香『美少年美術史 禁じられた欲望の歴史』(ちくま学芸文庫)を読み始める。最近芸能界で大事件が表面化したため取りあげるのは少々躊躇われる面があるが古代ギリシアのプラトンが描いた『饗宴(シンポジオン)』やオリンピア大祭(古代オリンピック)やローマ皇帝の歴史を知るうえでは欠かせない「パイデラスティア(少年愛)」について知るために読み始めたが面白い。というか極めて興味深い解説の連続で『ギルガメッシュ叙事詩』や『イーリアス』のアキレスの英雄譚からソクラテスやジュリアス・シーザーなどを考えるうえで「Greek Love(ギリシア的愛=男性の同性愛)」は避けて通れないテーマと言えるのですね。いや日本の武家社会を考えても世界中の「男性社会」に共通する問題と言えそうですね。だから「男性社会」に対するアンチテーゼとしての『とりかへばやものがたり』などの「男女入れ替わり劇」が生まれるのでしょうね。歌舞伎の女形(おやま)や吉本新喜劇のすち子さんはどういう位置づけになるのかな?考えてみよう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと『世界思想』のスポーツ特集の原稿を書き直す。タイトルも新たに『スポーツとは何か?−−「スポーツそのもの」の魅力を求めて』とする。朝から夕方まで集中してほぼ完成。あと1カ所を上手く訂正すれば明日には完成するかな…で晩飯はウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを録画で見ながら。今年の正月は能登半島地震で放送されなかったのが今日の夕方放送されたのですよね。指揮はクリスティアン・ティーレマン。ナチス的とは言わないが堅物ドイツ的統制の取れた自由度の少ない冗談のないティーレマンの指揮を小生はあまり好きじゃないけど『美しき青きドナウ』はの演奏は良かったですね。指揮者に対する作曲者の勝利かな?ブルックナーの舞踏曲が演奏されたけどレナード・バーンスタインの指揮が決まっていたときはラヴェルの『ラ・ヴァルス』を演奏したいというレニーとそれはウィンナ・ワルツじゃないからダメというウィーン・フィルの間で大揉めに揉めたとか。レニーが新年の前に死去して問題は消えた(代役の指揮はC・クライバー)けどニューイヤー・コンサートでのラヴェルの『ラ・ヴァルス(ザ・ワルツ)』を聴いてみたかったですね。あ。レニーもGreek Loveに関係ありですね。
1月7日(日)
朝ベッドで『美少年美術史』読み進む。面白い。男色が西洋美術に大きな影響を与えていたことがよくわかる。否。男色が男性社会で社会全体に影響を及ぼしていた結果が美術にも反映されたということだろう。アポロンに愛された「美少年」ヒュアキュントスがアポロンの投げた円盤に当たって亡くなりヒアシンスという植物に転生したことは知っていたがそれがルネサンス期になってテニスのボールに当たって亡くなることに変わることは知らなかった。当時のテニスボールは堅い木を丸く削って周りを皮で包んだ相当に硬いものだったとか。同じくアポロンに愛されたキュバリッソスという「美少年」は可愛がっていた金色に輝く角の鹿を誤って投げ槍で殺してしまい悲しみのあまり亡くなってしまい糸杉になったという。その神話も知らなかった。だから糸杉は《西洋世界ではたいてい墓地に植えられた》。ゴッホが好んで描いた糸杉を見る眼が変わりますね。またアポロンに愛された「美少年」クリムノンが死んでキンセンカ(金盞花)に転生したことも初めて知った。ヴィーナスに愛された「美少年」アドニスが狩りで猪に襲われて亡くなってアネモネに転生したことは知っていたが死んだアドニスの元に駆けつけようとしたヴィーナスが白薔薇の棘を踏んで血を流して赤い薔薇が生まれたという神話も知らなかった。それがキリスト教文化になるとアダムとイヴが《人類の原罪を負った瞬間》にそれまで薔薇になかった棘が生え白い色も赤く変わったことになったという。『不思議の国のアリス』で女王様が白い薔薇を赤く塗り替えろと命令するのもこの神話と何か関係があるのかな?いやぁ「男色の世界」からは多くの知らない世界が広がります。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと『世界思想』の書き換えに集中。ナカナカ上手く纏められないと悩んでいたら夕方になって長女が来たのでマダ締め切り日ではない原稿は中止してnetflixで映画『大奥』を見る。ツマラナイ映画。男女の「とりかへばや物語」を「男の大奥」を中心に描いた前半の1時間は10分に縮めて女将軍吉宗の「大奥の廃止」など「女の社会改革」のほうを多く描くべきですよね。残念。映画と晩飯後は酒飲みながらN響の『くるみわり人形』。チャイコフスキーの音楽は聴く者が恥ずかしくなるほど豪奢で美しいですね。
1月8日(月)
『美少年美術史』読み進む。グイド・レーニが描いた聖セバスティアヌスのマゾヒスティックな殉教の絵は三島由紀夫が《最初の射精を行ったことを告白して自ら同じポーズをとったところを篠山紀信に撮影させ》ましたね。その写真見たことありますけどナカナカのナルシスティックな迫力でしたね。あ。篠山紀信さん亡くなりましたね。合掌。小生が中学生のときだったかミケランジェロのダビデ像のレプリカが日本に来て京都市美術館に見に行きました。レプリカだったので入場者は少なくガラガラだったけど高さ4メートルの迫力に圧倒されたことは(キリストを抱いたマリアのピエタ像の美しい大きさとともに)今も憶えてます。以来小生はレプリカ(偽物)を馬鹿にしなくなったのかな。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。近所のお宅で成人式を迎えたお嬢さんが振り袖の和服を綺麗に着飾って家の前に。おめでとうございます。いいものですね。しかし成人の日が移動して小正月の風習は完全に消えましたね。こんな馬鹿な祭日の移動(文化の無視)を平気で行う政府に愛国心などを語らせたくないですね。ワン。昨日から来ていた長女の幼馴染みが一級建築士になっていて我が家の外構の傷みを調査に来てくれた。いつまでも子供だと思っていた子供たちもみんな成長してますね。終日『世界思想:スポーツ特集』の原稿の書き直し。ふううう。やっと満足のゆく原稿に整ってきたかな。晩飯はTVKで吉本新喜劇を見ながら。トミーズもすち子さんもマキバオーも大活躍。初笑いは満足。それにしても能登半島地震の被災者の皆さんのことを思えば笑ってなんかいられないですね。なんとか頑張ってほしいものです。
1月9日(火)
池上英洋&川口清香『美少年美術史 禁じられた欲望の歴史』(ちくま学芸文庫)読了。池上英洋氏の洋画に関する本は中野京子・宮下規久朗両氏の本とともに愛読してきたが『官能美術史 ヌードが語る名画の謎』や『残酷美術史 西洋世界の裏面をよみとく』とともにメッチャ面白かった。《現代において生み出されるいかなる美少年像もアニメーションやその二次創作物も含め2500年以上前に登場した美少年なる概念の残像だとも言えるのである》なるほど。「美少年」なるものの「賞味期限」は「美女」よりも「短期間」で「美少年の死」が絵画に残されることによってのみ「永遠のもの」になったことを思えばその「儚さ」に対する賞賛と愛情から美しいモノが数多く生み出されたことも納得できますね。とは言え小生は美女のほうを好みますが…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。体力の衰えを自覚する昨今。老犬に引かれての坂登りも頑張らねば。ワン。ベッケンバウアーが亡くなったなぁ…と思っていたら八代亜紀さんも昨年末に亡くなっていたというニュース。以前文化放送で『東京すてきクルーズ』という週1の2時間番組のDJを1年間やらせてもらったときゲストに招いて歌や絵の話を聞かせてもらったことがあった。すてきな人でした…と思い出していたらクラシック音楽の某音楽プロダクションの社長から小生が長く仲良くお付き合いさせていただいていた前社長のS氏が昨年末に亡くなられたとの知らせが入る。同い年の気の合う関西人だっただけにショック。先に美人で愛情の深かった夫人を亡くされて意気消沈されていたとはいえ…マイッタなぁ。合掌。気合いを入れ直して『世界思想:スポーツ特集』の原稿『スポーツとは何か?−「スポーツそのもの」の魅力を求めて』の原稿書き直しに集中してようやく完成。S氏が背中を押してくれたようです。ありがとうございます。再び合掌。
1月10日(水)
一冊本を読み終わると上手い具合に新しい本が送られてくるもので昨晩は昨日届いた伊藤守・編著『東京オリンピックはどう観られたか マスメディアの報道とソーシャルメディアの声』(ミネルヴァ書房)を持ってベッドへ。早速送り主である『オプエド』でも世話になっている山本敦久成城大教授の論考『オリンピック・リアリズムとアスリートの政治−「ソーシャルなアスリート」がつくる新しいメディア生態系」を読ませていただく。お見事!《オリンピックは一般の国際的なスポーツ競技大会とは異なり資本の投資を回収して利潤を得るという経済ルールに則って運営されてはいない(略)IOCは自前の競技会場や関連施設を所有せず開催国・開催都市の公的資源に依存して大会を運営している(略)この略奪的な経済の仕組みは祝賀資本主義というよりも植民地経済に近いものと言える》そういえばIOCを「ボッタクリ男爵」と表現したメディアもありましたね。しかしそうした意見に対してIOCは《「オリンピック以外に道はない」という現実主義的な発想》を押し付け《それ以外の代替物を想像することが不可能だと思わせる意識を世界に蔓延させている》確かに!しかし新しい「ソーシャルなアスリートたち」はこの《オリンピック・リアリズム(五輪現実主義)》を新しいメディアのSNSなどとともにぶち壊す兆しを見せているわけですね。残念ながら日本の「関係者」はIOCの五輪現実主義の陰に隠れて(利用して)金儲けに走っただけでしたけど…嗚呼。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』に今年最初のZOOM音声出演。箱根駅伝で優勝した青学大の原晋教授が昨年末に『週刊現代』や『日刊ゲンダイ』で展開した痛烈な「箱根駅伝批判」を紹介する。そもそも記念大会以外に関東の大学しか出場できないという不平等なルールが反スポーツ的であって学生が中止の組織のように装って大人が支配している「関東学連」という組織が責任の所在が不確か。そんな組織に日テレが放送権料約3億円を支払ってるのも放送時間と視聴率から考えれば安価なうえ各大学には300万円しか支給されないのもオカシイ…と原先生は正論を展開されましたがそれをまったく取りあげないテレビは報道機関(ジャーナリズム)失格ですね。ワン。朝食摂って黒兵衛と散歩のあと『世界思想:スポーツ特集』の原稿を読み直して編集部に送稿。やっと一段落。本ホームページの更新もしなければならないのだけど次の仕事もあるのでチョイと後回し…と思いながらマァ言い抜きも大事だからと植木等の『日本一の男の中の男』を観てしまう。ミュージカル『雨に唄えば』のパクリや突然鳴り出す軍艦マーチなど古沢憲吾監督はやりたい放題で面白いけどちょっと物語としてのレベルは低かったかな。ただ高度経済成長時代が第二次大戦軍国主義の延長だとはよくわかりました。
1月11日(木)
朝ベッドのなかで勉強。『東京オリンピックはどう観られたか』読み続ける。九州大学田中瑛助教の書かれた『テレビ的「神話」に飲み込まれるニュース番組−開会式前後の争点連関に着目して』が勉強になった。昨今のテレビの「報道の娯楽化」と「娯楽番組の情報化」から《情報infomationと娯楽entertainmentを合わせた造語である「インフォテインメントinfotainment」》も生まれているそうな。そして東京五輪開幕時には《新型コロナウイルス拡大など社会で起きている出来事を意味解釈を抜きにして淡々と伝えるストレート・ニュースに対してエンタメ・スポーツニュースは競技選手個人に関する物語を積極的に生産し五輪は清いという「神話」を維持していく。報道と娯楽の明確な区分は放送局の部局編成(報道局とスポーツ局)を通じて構成されておりこれは「東京オリンピック」という象徴的記号に付与された両義性−政治的争点としての「東京オリンピック」と非政治的出来事としての「東京オリンピック」−について前者を後者が追いやるという仕方で覆い隠しているのである》アカデミズムの立場からこのような分析と指摘がなされているのだからマスメディアの立場からも東京五輪の「インフォテイメント」に対する自己批判と自己反省をやってほしいと思うのは小生がつい最近『世界思想』に《アカデミズムとジャーナリズムは通底しているはず》という原稿を書いたからでもあるのですが「インフォテインメント」にはジャーナリズム(批判精神)は存在しないのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと今年も「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」の一次書類審査に集中。何日か前からちょくちょく暇を見つけては書類を読んでいたのだが今年も応援したくなる面白い企画がいろいろありますね。それだけに審査は少々シンドイですね。ふうううう。晩飯は数日前の録画したNHK『解体キングダム』を見ながら。自動車の解体(再利用率99%!)も重機の扱い方も面白かったけど原発の解体はいつ取りあげられるのかな?
1月12日(金)
ベッドのなかでの学習は『東京オリンピックはどう観られたか』を読む。様々な「メディアの五輪報道報告」はあらゆるメディア関係者が読むべき一冊と言えるが成城大学研究員の高原太一氏の『しょぼいよね 東京五輪2020+1の現地生態系観察記/フィールドノート』と題した「コラム」も非常に面白かった(良かった)。「しょぼいよね」というのは無観客で行われたTOKYO2020開会式のときに打ち上げられた花火を外から見た某人物の放った感想らしいがコノ一言が東京五輪の「すべてを」最も短いひとことで端的に表した言葉といえるだろう。その開会式をテレビで観た映画監督のビートたけしさんも「恥ずかしくて外国へ行けない」と言ったらしいがスポーツ競技以外のイベントは確かに最低でしたね(五輪の文化プログラムはやったのかな?)。その花火のしょぼさと虚しさは初沢亜利さんの写真集『東京二〇二〇&二〇二一』(徳間書店)の見開きページに見事に捉えられていますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」の一次審査に専念。ふうううっと気分を入れ替えて夕方からは小生にとって今年初の『ニューズ・オプエド』。ゲストは五輪アナリストの春日良一さんと尚美学園大学教授の佐野慎輔さん。春日さんは正月らしく大島紬(和服)で登場。サスガです。「パリ五輪のオリンピック・イヤーに五輪の危機と可能性を語る」と題してウクライナ戦争やイスラエルのガザ侵攻で「五輪の原点=平和運動」に戻れるか?ということをた3人で話し合った討論は私自身も勉強になったけど最初のニューズで取りあげた青学原晋教授の箱絵駅伝批判を応援する話し合いも良かったと思います。こういう討論は是非テレビ等のマスメディアでもやって(やらせて)ほしいですね。無理ですかねえ?
1月13日(土)
朝のベッドのなかの学習『東京オリンピックはどう観られたか マスメディアの報道とソーシャルメディアの声』(伊藤守・編著/ミネルヴァ書房)を一応読了。一応というのはこの本は何度も読み返して現在の日本のメディア/スポーツ・メディア/ジャーナリズム…等を考えるうえで何度も読み返さなければならないと思うから。TOKYO2020とはいったい「何」だったのか?を考えるうえでも資料的にも役立ちますからね。しかし昨日の『オプエド』で春日良一&佐野慎輔の両氏とも話し合いましたけど日本のスポーツ関係者&JOCはIOCからまったく無視されて相手にされない存在に堕してしまいましたね。プロ野球もメジャーのファーム(二軍=選手供給所)になってしまったし経済(一人あたりのGDP)は世界30位くらい。そして政治は自民は裏金&野党は腰砕け。サテ日本の復活は南海トラフの激動&首都直下地震&富士山大噴火のあと…さらにそのドン底から復興&復活したあとになるのかな…孫たちに期待するほかないのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと今日も「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」の一次審査に専念。ずっと座りっぱなしで企画書を次々と読み続けるのは結構バテますね。今年は面白い企画が少なく感じられるかな。大学ラグビーは録画して遅い晩飯時に観る。東京は初雪か。レベルがかなり低く思えたのはW-CUPやリーグワンの試合と較べてしまうからかな?しかし大学ラグビーとか高校野球とか…日本人はレベルの高さよりも未熟な頑張りを応援するほうが好きなのかな?
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夏目漱石『草枕』岩波文庫 読む本がなくなったときに開けると常に新たな発見のある見事な小説。どこから読んでもイイと礎石自身が書いてます
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1月14日(日)
朝のベッドで読む本が途切れたときは漱石の『草枕』と決めている。既に新たに傍線を引く箇所がなくなってしまったほど何度も読んだがいつ読んでも何処を読んでも新しい面白さがある。《茶と聞いて少し辟易した。世間に茶人程勿体振った風流人はない。広い詩界をわざとらしく窮屈に縄張りをして極めて自尊的に極めて殊更に極めてせせこましく必要もないのに鞠躬如としてあぶくを飲んで結構がるものは所謂茶人である。あんな煩瑣な規則のうちに雅味があるなら麻布の聯隊のなかは雅味で鼻がつかえる廻れ右前への連中は大茶人でなくてはならぬ》ベッドのなかで改めて吹出し笑いをしてしまう。そこで《那美さん》が茶を嗜む父親の話を持ち出す。「褒めなくちゃいけませんか」と訊く主人公の画家に「年寄りだから褒めてやれば嬉しがりますよ」那美さんという女性の台詞はどこを読んでも魅力的ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩をさっさと済ませて今日も机の虫。「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」の一次審査に今日も専念。なんとか夕方までに全応募企画の審査を済ませたので初場所初日交換から大相撲を楽しむ。上位陣安泰。大の里の進撃に期待ですね。あ。昨日の夜のNHK『ぶらタモリ』について書き忘れたけど黒部峡谷のレポートは面白かったですね。行ってみたくなりました。あ。『草枕』に出てきた「鞠躬如(きっきゅうじょ)」という言葉は三省堂の『新明解国語辞典』によれば《(貴人に対するときのように必要以上に)身をかがめ言葉を慎んで最大の敬意を払う様子》だそうです。最近の総理大臣に対する新聞記者の記者会見での質問の仕方も不必要なまでに「鞠躬如」としてますね。何を畏れているのかな?イヤ胡麻を擦ってるのかな?
1月15日(月)
朝ベッドで読む本がなくなると何処かから湧いて出てくるもののようで昨夕講談社から現代新書の今月の新刊4冊が送られてきた。岩尾俊兵『世界は経営でできている』は経済と経営関係の本が苦手と思ってる小生には無縁と思ったが帯の文章を読んで笑ってしまった。《上司は何故無能なのか?》ハハハハハ。この本は会うたびに上司の無能ぶりをぼやいてばっかりいる某嬢にまず読ませてあげることにしよう。佐藤光展『心の病気はどう治す?』この本は依存症・発達障害・統合失調症・鬱病・不安症・ひきこもり・自殺・入院医療…等について医療ジャーナリストが専門医にインタヴューして纏めた本。元神戸新聞社会部の記者で神戸の震災も取材。過去に同じ現代新書から『精神医療ダークサイド』という興味深い一冊を上梓された。読んで見ましょう。藤田正勝『日本哲学入門』。帯に《日本の哲学者は何を考えてきたか/知らずにすませちゃもったいない!》とあり目次に《「日本の哲学とは/哲学の受容/経験/言葉/自己と他者/身体/社会・国家・歴史/自然/美/生と死》と並んでる。「寺田寅彦の自然理解」あたりから読んでみようかな。森村進『正義とは何か』目次にプラトン・アリストテレス・ホッブス・ロック・カント…と並んでるのも良かったけど初っ端に小生の大嫌いなマイケル・サンデル批判が書かれていたのでこの本から読むことにしよう。サンデルって屁理屈ばっかり並べてエーカッコしてる売れっ子タレント似而非学者としか小生には思えないのですよね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。最近は黒兵衛の引っ張る力に足がよろけるようになった。スクワットは毎日欠かしてないのにスクワットの脚力と歩く脚力は別物なのかな?ワン。土日で仕上げた「SDGsジャパンスカラシップ岩佐賞」一次審査の採点表を読み直してメール送稿。われながら新年からイロイロ仕事に追われてることを自覚。嬉しいことです。夕方から大相撲見ながらビール。大相撲はオモシロイですね。若元治スバラシイ!晩飯は吉本新喜劇見ですち子さんを楽しみながら。
1月16日(火)
朝ベッドには少々調べたいことがあって水木しげるの『コミック昭和史』全8巻を持ち込みパラパラと読み直す。水木しげる氏の見事な「反戦昭和史」だが戦争のなかの海戦や空中戦の描写=戦艦や零戦の戦いの描写は小松崎茂の有名な戦争絵画に勝るとも劣らない見事な画力。戦争の実態を詳しく身体で知っておられる漫画家の残した戦争は「反戦」も「戦争の事態」も素晴らしい描写ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。自宅の近くにある雑木林越しに見える富士山は冬の澄んだ空気のなかでは一段と素晴らしく輝いて見える。が狭い雑木林がいつの間にかジャングルのように生長してしまって雑木林がかなり邪魔するようになってしまった。一部は鎌倉市の土地らしいが一部は某土地開発会社の土地らしく鎌倉市は伐採してくれない。山の斜面を覆っている雑木林の密林化は大丈夫かな?富士山の噴火と密林の倒木。どっちも怖いけど倒木は防げるはずだけど…我が家には被害は及ばない距離だけど少々心配ですね。ワン。終日原稿書きは財界展望新社の月刊誌『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』。テレビを中心とするマスメディアが箱根駅伝での青学の優勝を一騒ぎしたけど原晋監督の「箱根駅伝批判」を何処も取りあげなかったことを指摘。情報(報道)=infomationと娯楽=entertainmentの合体したインフォテインメントinfotainment番組にはジャーナリズム精神(批判精神)は期待できないようですね。晩飯は録画して置いた大相撲幕内の取組を見ながら。若元治が照ノ富士を倒した一番は見事でしたね。
1月17日(水)
朝ベッドでの読書は昨日に続いて水木しげるの戦争物。『劇画ヒットラー』(ちくま文庫)何度も読んだけど小心者で誇大妄想家のヒットラーの「生き様」が見事に描かれている。イキザマという言葉は「ザマァみろ!(様を見ろ)」という啖呵でもわかるようにけっして良い意味で使われる言葉ではないのですよね。この文庫の初刷りは1990年7月末で小生の持ってる1冊は子供が持って行ったので買い直したのが2023年4月発行。50刷とは凄いですね。ワン。ベッドを出て犬の散歩は後回しでRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。テーマはサッカー・アジアカップについて。欧州選手権やコパアメリカは6月なのに今回のカタール開催は昨年6月に中国で予定されていたものだがカタールは暑すぎるから1月開催になった。ヨーロッパ・リーグの試合を抜けて参加する選手は少々可哀想ですねという話からサッカーはウィンター・スポーツなのか?という話へ。ウィンター・スポーツというのは本来雪と氷に関係するものでサッカーはウィンター・スポーツではないのですね…とかいろいろ話してラジオのあと朝食摂って黒兵衛と散歩。そのあと久し振りに主治医の先生の病院へ。看護師をしている次女から定期的に医者に通わなきゃダメといわれたので血液検査とかしてもらったあと大船でヨメハンの買い物にいろいろ付き合ってこれまた久し振りに本屋によると面白そうな文庫本が2冊あったので購入。清水克行『室町は今日もハードボイルド 日本中世にアナーキーな世界』新潮文庫&森達也『虐殺のスイッチ 一人すら殺せない人がなぜ多くの人を殺せるのか?』ちくま文庫。帰宅してチョイと昼寝の後メールの処理その他のデスクワークをして晩飯は録画した大相撲を見ながら。霧島を負かした碧富士は見事でしたね。琴ノ若は既に大関相撲ですね。小生は子供の頃から身体が大きかったので小さい力士との相撲がやりにくいことは小学生の頃の草相撲で体感しています(笑)。自民党の政治刷新本部の会議ははっきり言って茶番ですね。嗤うほかないですね。
1月18日(木)
朝ベッドで水木しげる『劇画ヒットラー』(ちくま文庫)何度目かの読了。ヒットラーを題材にした創作物は山ほどあるがコレはそのなかでも一級品と言える出来映えですね。コレでヒットらのことがわかったとは言いませんが水木しげるさんの優しい反戦平和指向のパワーは読み取れます。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと昨日掛かり付けのお医者さんに「筋トレもいいですがラジオ体操もいいですよ」と言われたので音楽と振り付けを思い出しながら動いてみると…ナルホド結構ハードな動きで伸ばしたり屈んだりリーズナブルでもありますね。ラジオ体操で息を切らすとは歳ですね。トホホ。ワン。一日かかって請求書やパソコンの競りや雑務をこなしたあと晩飯は久し振りに『鮨処もり山』へ。カメラマンの初沢亜利さんと奥さんの中江有里さんと徳間書房の編集者と楽しく会食。関西の話題や阪神タイガースの話題や写真のことや近々エンジン01でご一緒する中江さんとの野球の話題等々…いろんな話題で久々に飲みまくる。チョイと遅くまで良いお酒でした。
1月19日(金)
朝ベッドで清水克行『室町は今日もハードボイルド 日本中世にアナーキーな世界』(新潮文庫)読み始める。まぁ日本のカブキモノたちが昔からブッ飛んでいたことはわかってましたけどオモロイもんですね。ナルホド室町時代には「文部省推薦的尊敬できる日本人」は生まれてないわけですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。毎日富士山が綺麗。綺麗なものは何処か危ういですよね。三陸も能登半島も…。神戸も美しい街でした。ワン。『ZAITEN』連載の校正などをやって『ニューズ・オプエド』に今日はゲスト出演。MCはタケ小山さんでゴルフ・ジャーナリスト協会会長の小川朗さんとともにいろいろゴルフのことを教えてもらったりスポーツについて喋ったり。ゴルフ界も日本のスポーツ界も問題だらけですね。女子ゴルファーのレベルは上がってるらしいけどメジャーで活躍する選手が増えた野球界と組織と構造の「不備」は同じかな?晩飯はサッカー日本vsイラク戦を見ながら。ハハハハ…と笑っちゃいけないけどイラクに負けちゃいましたね。まぁアルゼンチンもW杯グループリーグでサウジに負けながら最後は優勝しましたからね…と期待できる程最近の日本のサッカーは強いですよね。ただアルゼンチンがW杯に優勝してもアルゼンチンの政治と社会の混乱は続いてるようですね。スポーツの「力」という言葉が最近よくメディアで使われますが…どんな「力」なのか…どんな「力」があるのか…ないのか…キチンと検証してみなければいけないですね。
1月20日(土)
朝少々早く起きてヨメハンと一緒に大船駅へ。黒兵衛の散歩は昨晩来てくれた長女と孫に任せて新幹線でコロナ以来足を運んでいなかった京都へ久し振りの故郷帰行。車中の読書は『室町は今日もハードボイルド』。オモシロイ。おかげで新幹線では常に寝癖が付いてるはずが眠れなかった。まぁヨシとして京都駅から上賀茂のヨメハンの実家へ。ヨメハンの姉夫妻と夫妻の長女と一緒に西賀茂にある浄土真宗のお寺へ。そこで墓仕舞の儀式。ヨメハンの実家は姉妹だけですからそういうことになりました。そういう家族は多いようで寺も墓仕舞後の受け入れ集団墓地供養塔を用意してくれレているのですね。儀式を終えて定宿にしているホテルの中華料理店で足洗い。我々もこーゆーことを行う歳になったのですね。京都泊。夜ビール飲みながらテレビでピアニストの辻井伸行クンのアイスランド公演を見る。指揮者のアシュケナージのプロデュースのようでショパンのP協2番は素晴らしかった。アイスランドのミュージシャンたちとの交流もアイスランドの自然も素晴らしかったですね。火山の噴火の前で良かったのかな?
1月21日(日)
京都のホテルで目覚めて朝食後ヨメハンと一緒に六道珍皇寺へ。コロナで中断後久し振りに墓参り。和尚さんは法事で不在だったので奥さんに挨拶してこれまた久し振りに六波羅蜜寺の前と建仁寺を抜けて小生の実家へ。姉の次男がギターショップに改装した店を始めて見学。なかなかオモシロイ。姉と久しぶりに会って少し話をしたあとホテルで預けていた荷物を受け取って京都駅へ。まったく仕事抜きで私的の旅行をしたのは40年以上前にヨメハンと一緒に軽井沢へ遊びに行って以来かな…などと感慨に耽りながら新幹線で帰鎌。そーいえば家族がらみの旅行も新婚旅行も俺にとっての旅行というのは全て仕事がらみでしかやったことがないなぁ…などと思いながら大船駅まで迎えに来てくれた次女のクルマに乗って帰宅。3人の孫と次女が自分たちの家に帰ったあと仕事抜きの2日間に奇妙な疲れを体感をしながら長女と少々酒盛り。そのあとベッドへ。
1月22日(月)
3日ぶりの朝ベッドでの読書。やはりルーティンが戻るとホッとする。しかも清水克行『室町は今日もハードボイルド』メッチャ面白い。朝鮮との交易使節に化けた日本の《国際"なりすまし"詐欺集団》にも笑ったし北条政子を初め中世人妻たちの《うわなり(後妻)打ち》にも感心した。旦那(頼朝)が浮気をすると《前妻(こなみ)》は仲間(女たち)を募って《うわなり(後妻)》を襲撃(打ち)するのですね。日本の中世では北条政子ひとりが強い女性ではなく大勢の強い女性がいたのですね。そんな逸話の紹介の他に人身売買から能の『隅田川』の話まで。面白すぎて睡眠不足。しかし能は解説を読むと面白いけど現実に見ると退屈ですよね。小生はNGです。『隅田川』をオペラ化したブリテンの『カーリュー・リヴァー』もイマイチ好きになれないですね。旦那の能/丁稚の将棋&旦那の囲碁/丁稚の将棋で俺は丁稚ですね。ワン。ベッドを出て久し振りに黒兵衛と散歩。相変わらず元気でこの犬は強く引っ張りますなぁ。ワン。終日メルその他の雑務。大相撲は休場力士が多すぎますね。それだけガチンコ勝負をしてるということ?それとも力士の稽古不足?晩飯はTVKで吉本新喜劇を見ながら。アキさんのナンセンスな笑いはケッサクですね。自民党の茶番劇は何処まで続く泥濘ぞ…ですね。
1月23日(火)
朝ベッドで『室町は今日もハードボイルド』読み続ける。オモシロイ。本のタイトルもオモシロイけどだいたいタイトルのオモシロイものは中味もオモシロイですね。なかには「羊頭狗肉」もあるけれどこの本はタイトルの面白さが中味の全てを表してます。「びわ湖無差別殺傷事件」「無敵の桶屋」「ゲス不倫の対処法」「アンダー・ザ・レインボー(これはオーヴァー・ザ・レインボーの洒落ですね」「リアル・デス・ノート」「神々のたそがれ(著者はワグネリアンか?)」以前週刊誌で仕事をしていたときは企画会議で「タイトル・マッチ」に参加した。A4の紙にタイトルを(必要な場合はサブタイトルも)書いて提出するだけ。タイトルだけで「オモシロイ内容だ!読んでみよう!」と思わせなきゃダメで内容を説明しようと口を開けば「ウルサイ!喋るな!」と注意された。今もやってるのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。冬の澄んだ空気を通して富士山が綺麗。この山が噴火して歪なカタチになったときは日本滅亡のときでしょうね。ワン。北國新聞の連載『スポーツを考える』の原稿書き。パリ五輪の開会式がセーヌ川のオープン・スペースで行われることからテロの危険性を指摘する声も高いが「オリンピックは平和運動」であるということをもっと強調せよ!という内容を書く。『週刊エコノミスト』にも書いた内容をさらに過激に仕上げる。「平和」も「平和運動」も金メダルよりも大事なことですからね。マスメディアもオリンピックは平和運動の一環であることをメダル争いよりも大きく報道すべきでしょうね。晩飯は録画しておいた大相撲を見ながら。十両で注目していた尊富士は狼雅に敗れたか。大の里は立会い失敗したとはいえ琴乃若強いですね。若い力士が次々と出てきてオモシロイですね。熱海富士もガンバレ。湘南乃海は体いつ復帰するのかな?いつ復帰するのかな?自民党の裏金騒動は政局ばかりに熱心な政治屋の馬鹿さ加減の象徴ですね。富士山の噴火も近いか?
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『月の輝く夜に』 イタリア人のオペラ好きがわかります。「ラ・ボエーム」を観て涙を流すシーンが音楽もシェールも美しい。ジェイソン監督のベストです
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1月24日(水)
『室町は今日もハードボイルド』読み進む。メッチャ面白い。「呪いの話(リアル・デス・ノート」も「所有の話(アンダー・ザ・レインボー」もサイコーでした。中世では虹が立つと市が出たのですね。「盗人晩」も「お月見泥棒」も都会育ちの小生は無縁だったけど盗みを最高の罪悪と見做していた中世で子供たちの盗みを許す一日があるというのは経済活動として素晴らしいですね。《とりあえず「お月見泥棒」あたりから地域に復活させてみてはどうだろうか?コンビニ業界の宣伝に踊らされた「惠方巻」やら今や本義が忘れ去られてオトナの仮装大会に堕してしまった「ハロウィン」に興じるよりはよほど健全でファンタジックだと思うのだが…》この意見大賛成ですね。「切腹の話」で小林正樹監督の名作映画『切腹』に触れられていたのも嬉しかったけど「落書きの話」で戦後の京都の寺の話が出てこなかったのは少々残念でした。小生の遊び場だった建仁寺や知恩院の壁は塗り壁に釘で掘った落書きだらけでしたからね。ワン。ベッドを出て犬の散歩は後回しでRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。テーマはパリ五輪の「テロ対策」について。昨日北國新聞に書いた「オリンピック=平和運動」という話をする。「平和は金メダルよりも重要」ですからね。ラジオのあと黒兵衛と散歩。富士山が綺麗。思わず手を合わせて拝みたくなる。平穏でいてくださいと。ワン。連合通信の連載コラム『スポーツ玉手箱』を書いて夕方は大相撲。大の里は惜しかったですね。晩飯はNHKニュースのあと『解体キングダム』を楽しむ。潮の満ち引きを利用して重さ100トンの高速道路を取り外す作業は凄かった。NHK-BSで発光動物の特集をやっていたのを録画してベッドへ。あ。今朝の朝刊で映画監督のノーマン・ジェイソン氏が亡くなったと意気地がありましたね。小生は『夜の大捜査線』や『屋根の上のバイオリン弾き』よりも『月の輝く夜に』が好きです。享年97。合掌。
1月25日(木)
朝のベッドで『室町は今日もハードボイルド』読み進む。「荘園の話 ケガレ・クラスター」も「合理主義の話 神々のたそがれ」も面白く勉強になりました。犯罪を起こすこともケガレを有無ため(犯罪穢)犯罪者には死刑も牢屋もなく犯罪者は追放されて荘園は「聖なる空間」として守られたのですね。しかしケガレの問題よりも《生活者の視点から実利的な問題を優先する動向が徐々に広がって(略)聖なる空間を維持しようという意識》は薄まり《諸罪障を滅する功徳》のあって中世の人々が畏れた《法螺を吹く》行為もやがて《「大言壮語する」「ウソをつく」という語義に意味合いを変えて》いき《霊験あらかただった「護摩の灰」》も《霊感商法でご利益を偽る「詐欺師」と同義に変貌して》いったわけですね。そして神も仏も信用しなくなった中世のアナーキーな人々は新宗教(キリスト教)に走ったり合理主義の考えを身に付けたり…で世阿弥の「夢幻能」も《神や霊すらも芸能や娯楽として引き下ろしてきてしまった室町人の精神の所産》と断じる著者の意見こそアナーキーでラジカルですね。これから能を見るときはハードボイルドだと思って見ることにしましょう。ワン。そんなことを考えながらベッドを出て黒兵衛と散歩して今日も富士山に手を合わせて帰ってくると友人の大数学者であるMさんから能のビデオのURLが送られてきてその能のタイトルが何と『Oppenheimer』というもの。原子爆弾を創りヒロシマ・ナガサキを地獄と化したことを後悔するオッペンハイマーが四国の遍路に出るというもの。イタリアのピサ大学で教授をしている友人に教えられたそうだがこんな能があったのですね。見なければ!午前中に大船へ出て土曜日に『エンジン01』の講座で千葉まで行くチケットを買ったり…いろいろ買い物。帰宅して連合通信の原稿を仕上げて送稿。大相撲は横綱大関vs琴乃若の勝負になりましたね。あ。能楽『オッペンハイマー』は次のURLで見ることができます。https://www.youtube.com/watch?v=lqfdoPAxiVk
1月25日(木)つづき
『オッペンハイマー』は今ハリウッド映画も評判らしいですね。日本公開は3月だとか。明日金曜の『ニューズ・オプエド』はスポーツライターの小林信也さんとサッカー・アジア杯カタールの現地から大住良之さんの登場です。
1月26日(金)
清水克行『室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界』(新潮文庫)読了。大変面白く勉強になりました。最後のヤマザキマリさんとの対談もケッサク。中世の日本は《「今日は自習です」という時間が長く続いたってこと(ヤマザキ)》《いろんなキャラが飛び出てくる。それが百年ぐらい続くとできあがる(笑・清水)》《統括する人が消えて誰にもすがれなくなったとき人は自分の知恵に頼るようになる。それが面白い(ヤマザキ)》ナルホド。終戦直後の混乱の世の中もそんなアナーキーでハードボイルドな中世と同じだったわけですね。そのうちアメリカに縋る自民党が支配者として出てきて「キックバックの為体(ていたらく)」まで堕ちてしまったわけでね。ワン。綺麗な富士山を見るたびに爆発(日本の再生)はいつかと思ってしまいますね。ワン。イロイロ準備して夕方からの『ニューズ・オプエド』。ゲストの小林信也さん&カタールから生出演の大住良一さんと一緒にサッカー・アジア杯を語る。ナルホド森保監督はキーパーの鈴木彩艶をW杯本番でも使うつもりで勉強させているのですね。日本代表の次の相手は韓国ではなく(韓国が逃げた?)バーレーン。それに勝てば実質決勝戦となる(?!)イラン戦。いろいろメッチャ面白いことを喋ってますから『オプエド』のバックナンバーがアップされたら見てみてください。https://op-ed.jp/うわっ。琴ノ若が照ノ富士に負けたか…優勝争いは縺れる?
1月27日(土)
朝チョイと早く起きて黒兵衛との散歩はヨメハンに任せて大船駅へ。総武横須賀線で千葉へ(千葉は遠いなあ)。内房線に乗り換えて五井へ(内房線は初めてです)。駅に着くと『エンジン01in市原』のスタッフの人たちが待ち構えてくれていてタクシー乗り場に案内されてタクシーに乗って約20分で会場の帝京平成大学キャンパスへ。『エンジン01in市原 イチハラハピネス』の講座に二時限から参加。まずは『日米スポーツ文化の違い〜メジャーMLBと日本プロ野球NPB』と題して50人くらいで満員の教室の受講者相手にアルビレックス新潟オーナーの池田弘さん&女優で写真家初沢亜利さん夫人の中江有里さん&写真家のHASHI(橋村奉臣)さんと一緒に日米の野球(スポーツ)事情の違いを1時間15分に渡って話しまくる。小生がモデレーターというかナヴィゲーター役ですから当然朝毎読のマスメディアの野球(スポーツ)支配批判をぶちかます(笑)。他のゲストもバッチリ付き合ってくださって大盛りあがり(笑)。会場からの質問にも答えて小生にとっての一つ目の講座は無事終了。池田さんは今季からサッカー&バスケ&ウィンタースポーツ等に次いでプロ野球の二軍にも参入でいろいろ問題点を語ってくださいましたが問題を生じるといけないので書くのは控えますね(苦笑)。そして次の講座は……
1月27日(土)つづき 『エンジン01in市原』小生の次の講座の前に作曲家三枝成彰さんやピアニストの熊本マリさんや建築家の竹山聖さんや歴史家の磯田道??さんや政治評論家の高野孟さんや狂言師の野村万蔵さんなど久しぶりに会った人たちと短く次々と歓談のあと次の講座『20世紀の音楽記憶と記録〜800万円のオーディオで聴こう!』という2コマ連続講座へ。モデレーターは舞台プロデューサーの立川直樹さん。ゲストは小生の他に音楽ジャーナリストの池田卓夫さんと音楽評論家の平山雄一さん。ジョン・レノンとオノ・ヨーコで始まったこのオーディオ・コンサートがクイーン&マイルス・デイヴィスと続いたところで『800万円のオーディオ』がテクニクスと聞いていた小生が持参した昭和30年代のナショナルのステレオにオマケで付いていた試聴盤のEPドーナツ盤をかけてもらう。これは昨年11月29日の本欄にも書いたものだが800万円のテクニクスで聴くと凄いダイナミックでクリヤーな音に大感激。フィードラー指揮ボストン・ポップスの『ジェラシー』もライナー指揮シカゴ響の『運命』も素晴らしい音で響きました。司会の立川さんがハリー・ベラフォンテも聴きましょうと言って下さってコレまた目の前にベラフォンテが現れたような素晴らしさ。ベラフォンテを聴いたならシナトラも…と続いてココで池田さん持参のクーべリック指揮バイエルン放送管弦楽団のドヴォルザーク『スラヴ舞曲』を3曲。さらにジャニス・ジョップリン(懐かしい!)のあと平山さん持参の松任谷由実『飛行機雲』そしてピンク・フロイドで締め。いやぁオーディオの音だけを楽しむのではなく素晴らしいジャンルを超えた音楽の連続に大満足。しかも京都のナショナル・ショップの電器屋に生まれ育った小生がテクニクスの8PW1という名器のスピーカーなどでステレオを自作していたという話にパナソニックのテクニクス担当として800万円のオーディア装置をセッティングしてくれた技師の方が気持ちよく反応してくれて素晴らしいオーディオ・コンサートでした。ということで今年の『エンジン01』は日帰りするため夜楽の講座は休ませてもらってタクシーで五井へ。内房線&総武横須賀線を乗り継いで大船の我が家へ帰宅。晩飯食いながら大相撲を録画で…うわっ琴ノ若が霧島に勝ったぁ。明日の千穐楽最後の勝負は照ノ富士と決定戦かな。長い一日を終えてベッドへ。
1月28日(日)
昨夜は爆睡。それは昨日千葉往復の仕事で疲れたからとも言えるけど往復の総武横須賀線で読み始めた中野珠実『顔に取り憑かれた脳』(講談社現代新書)が面白かったので車中昼寝ができなかったため。人間の脳は見慣れた顔なら識別できるが見慣れない顔は識別できないらしい。本書のなかに40枚のイギリス人の顔写真があり何人の顔があるか?との問いに10人くらいかと思ったら実は2人だった。日本人は西洋人の顔を同一人物か別人物かの判断が難しいのですね。イギリス人がオランダ人の顔を見ても同様のことが起きるらしい。また日本人の赤ん坊はLとRの発音の違いを認識できるけど歳を取るに従ってLとRの発音の判別が怪しくなるのは「知覚狭窄」という現象で不要な能力(日本人の会話にとってのLとRの発音の違いなど)は切り捨ててしまうらしい。なるほど。脳とはOh No!と言いたくなるほど面白いですね。ワン。黒兵衛と散歩のあとチョイと筋トレして仕事場の整理等。午後の大阪女子マラソンで最後を見る。日本最高記録でパリ五輪出場…は嬉しいだろうけどはたしてパリ五輪を無事に開催できるのかな?ウクライナとガザを無視して五輪を騒ぐ気にはチョットなれないのですが…。夕方からは大相撲千穐楽。琴ノ若も頑張ったけど照ノ富士の技術と強さと気迫は素晴らしかったですね。晩飯はニュースや『ダーウィンが来た!』を見ながら。日曜美術館の『戦後新宿渋谷をつくった建築家坂倉準三』は面白かったですね。東京は都市計画のない街だと思っていたけど素晴らしい設計もあったのですね。今それを破壊してるのかな?風呂入ったあと歌舞伎役者たちによる『俳優祭』を見る。達者な俳優(わざおぎ)たちによる遊興藝もまた楽しいですね。
1月29日(月)
早朝ベッドで読む本が面白過ぎるのも考え物だ。早くから目も脳もパッチリ冴えてしまって寝直しができなくなる。昨日の千葉往復から読み始めた『顔に取り憑かれた脳』はメッチャ面白い。テーマが脳だけに余計に脳が冴えて困るけど読み続けてしまう。鏡に映った顔を自分だと認識できる(鏡像自己認知)は赤ん坊が2歳くらいになってからで人間以外にはオランウータン・ボノボの霊長類の他にゾウ・イルカの哺乳類&鳥類ではカササ&&魚類ではホンソメワケベラが鏡像自墾地をできるらしい。チンパンジーもニホンザルもイヌも鏡に映った像を自分(の虚像)だと認識できないのに鳥や魚に出来るヤツがいるのがオモシロイ。それはフォン・エコモノ・ニューロンという細長くて情報処理の早い神経細胞が脳にあるかないかの違いらしいがアルツハイマーが強度に進むと鏡像自己認知が出来なくなるらしい。新生児に戻るのかな?また喜怒哀楽プラス嫌悪・恐怖・驚愕といった一次的感情の他に人間には羞恥・罪悪・嫉妬といった《他者や社会との関係から生じる二次的感情》は《社会の規範やモラルを理解することや他者と比較して自己を評価する必要がある》わけですね。一次的感情は一歳児くらいから徐々に身に付けますが二次的感情を身に付けるにはさらに時間が必要なわけですね。そして政治家はそれを身に付けられない人々というわけですかね?イヤ政治家ではなく政治屋と言うべきですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは本ホームページの更新原稿つくり。年末にサボってしまったために結構大変です。晩飯はテレビ神奈川で吉本新喜劇を見ながら。藍ちゃん中心に面白かった。千葉ちゃん初め脇役もイイ味出してますね。吉本はテレビの芸人を見るよりこっちを観るべきですね。
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『マーラー:交響曲第4番』 佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団の美しい演奏。マーラーは人間の死と死後の世界も音楽にしたけど天国も音楽にしましたね
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1月30日(火)
『顔に取り憑かれた脳』読み進む。メッチャ面白い。オモシロイ記述の連続で引用する場所がわからなくなる。皆さんも読んでください(笑)。『他人の顔』という小説を書いた安部公房の想像力の凄さを再認識しました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと昨日に続いて本HPの原稿作り。2か月分の更新に…ふううう。幸いAvexから佐渡裕指揮ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団のマーラー『交響曲第4番』が送られてきたのでBGMに天国にような美しい響きが流れてイライラを和らげることが出来ました。マーラーは死の寸前と死の音楽(9番)も死後の世界の音楽(10番)も作ったけど天国の音楽(4番)も作ったのですね。天国音楽は若いときに作ったけど死に纏わる音楽は死の直前の作品。死はリアルで天国はフェイクと言うことかな?フェイク(作り物)のほうが人間の心(脳)には優しく響くのですね。HPの更新原稿をようやく完成させてメール送稿。今週末にはナンデモカンデモの写真や蔵出し原稿が一新されますから皆さん!少々お待ちを。
1月31日(水)
中野珠実『顔に取り憑かれた脳』(講談社現代新書)読了。メッチャ面白かった。人間は自分の外面(顔)と外面に対する他人(社会)の反応から内面(心)までも影響を受けて形作られているのですね。昨日安部公房の大傑作『他人の顔』について書いたけど本書にも最後に出てきた。ヤッパリ…ですね。でもスピルバーグの映画『レディ・プレイヤー1』は知らなかった。アバター同士の恋から男が「本人」に会いたくなる話らしい。ヴァーチャル空間での「君が好きだ。君は特別だ」とアバターの女に向かって言うアバターの男に対してアバターの女は「知らないくせに。会ったこともない」と言う。男は「君を知ってるよ。好きなんだ。君に恋してる」と言う。想像が現実化する男とあくまでリアリズムに生きる女。そういうものですね。映画を観なければ。「蔵出し音楽」のコーナーにもアップしてますが『カラヤンの仮面(マスク)とバーンスタインの素顔(マスク)』という原稿を書いた小生としては音楽が男の世界中心になりがちだということがわかりますね。仮面も素顔もマスクですから音楽表現は一見(一聴)アバターみたいなもの…ですけど「仮面」と「素顔」の違いが滲み出るのが音楽ですよね。AIによって「生成」される「擬似的データの集成」が信じられるような「ディープ・フェイク」の時代に信じられるのは音楽だけかな?しかし「仮面の音楽」と「素顔の音楽」を聴き分ける能力も必要のようで…いや「仮面の音楽」を喜ぶ人も多いようで…未来社会は意外とツマラナイもののようですね。それを多くの人々は「進化」と呼ぶのかもしれませんが…「進化」とは鮨屋が回転寿司チェーン店に変わるようにツマラナイものかもしれませんね。ワン。
1月31日(水)つづき
黒兵衛との散歩は後回しにしてベッドを出て朝食のあとRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。今日のテーマはベースボールのキャンプイン。それは1886年のシカゴ・ホワイトストッキングの監督で現役時代にメジャー初の通算3000本安打を記録したキャップ・アンソンが選手たちの猛反対(オフはアルバイト=副業にあげ無線酒が多かったので)を押し切ってペナントレース前の春に練習させたのが最初だったのですね…とかいろいろオモシロイ話をする。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。『顔に取り憑かれた脳』によると約3万3千年前に狼から家畜化された犬は眼の周囲の表情筋を発達させて「気持ち」を顔に出すようになったらしい。そう言えば黒兵衛も叱る(リードを強く引く)と「困ったような顔」を見せて大人しくなる。猫はそんなふうに人間に媚びないのが猫らしいところですね。ワン。終日イロイロ仕事してニュース見ながら晩飯のあとはアジア杯日本vsバーレーン戦を速報の文章で楽しむ(DAZNは見られませんので(>_<)。しかし文章だけでも結構面白くヴェルディのオペラ『オテッロ』を見ながら楽しめた。DAZNを見た長女は「5-0くらいにしなければいけない試合」だったという。まぁそうかな。テレ朝『報道ステーション』でダイジェストを見て寝る。次の試合は中2日でタイヘン…って相手のイランも条件は同じでしょ。サッカー報道はマダマゾヒスティックな癖が消えないのかな?
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