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WALL ART
ピカソ『浜辺を走る二人の女』
ピカソ『浜辺を走る二人の女』
走ることそのものの喜びを描いた絵は、これ以外に見当たりませんね

9月1日(日)
ベッドのなかで『草枕』読み続ける。那美さんとの会話。いいですねえ。こういう利発でウイットのある女性は素敵ですね。しかし旅先で出逢うのはイイけど毎日はシンドイかな(^0^;)那美さんが若返ると『三四郎』の美禰子になるのかな?続く章では明治版『浮世床』で落語好きだった漱石流の江戸弁会話が続く。俗物から見ると「気狂い」にしか見えない那美さんの魅力が俗物の会話から増す。しかし東京育ちの床屋の主人も画になる一人と認める漱石はやはり席亭が好きだったのですね。しかし改めて確信したけど『草枕』ほど素敵な小説はないですね。無人島に持って行く一冊はこれで決まりですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。雨は降ったり止んだり。Where have all the typhoons gone?まぁ神奈川東部は被害がなくて良かったです。デスクワークはパリ・パラリンピックの開会式を再度チェックしたり…ピカソの画集から「走る女」の絵をチェックしたり…そう言えば小学生の頃は「廊下は走るな!」と先生によく叱られましたね。子供にとっては走ることが日常で歩くことは非日常だったのかな?途中昼飯時に『のど自慢』の特集を見たけどコレは本当にオモシロいですね。井筒和幸監督の映画『のど自慢』よりも素人のほうがアナーキーに面白いですね。晩メシはパラリンピック「ブラインドサッカー」を見ながら。日本は惜しくもコロンビアに負けましたけどパラリンピックのほうがオリンピックよりも各段に見る価値がありますね。九州へ行って大分で颱風に遭遇したお隣さんが熊本から飛行機でご帰還。博多で仕事をされたあと阿蘇観光は諦めて大分のホテルに足止め。颱風の本当の怖さを初めて知ったと話しながら球磨焼酎を下さった。NHK特集の「地震と軟弱地盤」を見てベッドへ。辺野古の飛行場の軟弱地盤はキチンと工事できるのかな?

Blu-ray
『エドガー』
『エドガー』
FBIを創設して長年莫大な権力を握った男の生涯。C・イーストウッドとデカプリオの力のこもった作品だがオリヴァー・ストーンに作り直してほしい?

9月2日(月)
『草枕』第6章は少々難しい。《所謂(いわゆる)楽(たのしみ)は物に着するより起るが故にあらゆる苦しみを生む(略)但(ただ)詩人と画客の楽は物に着するのではない。同化してその物になるのである(略)有体に云えば詩境と云い画界と云うも皆人々具足の道である。春秋に指を折り尽して白頭に呻吟するの徒と雖も一生を回顧して閲歴の波動を順次に点検し来るとき嘗ては微光の臭骸に洩れて吾を忘れし拍手の興を呼び起す事が出来よう。出来ぬと云わば生き甲斐のない男である》次章に進めば那美さんの入浴シーンだからと頑張って註釈を参考に読書百遍意自ずから納得。多分荘子の「知魚楽」の心境も同じですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。大谷の愛犬デコピンのように可愛くも利発でもないけれどMy Dogが一番ですね。ワン。散歩のあとビデオに収録したパリ・パラリンピックの開会式のエスタンゲ組織委会長とパーソンズIPC会長の素晴らしい挨拶をノートを取りながら再確認。2人がパラリンピック革命とインクルージョン革命という言葉を使ったならバッハIOC会長もオリンピック平和革命くらいの言葉を使うべきでしたね。戦争は政治の延長(クラウセヴィッツ)ならば政治には戦争を始めることと停戦をすることは出来ても恒久平和を創ることは無理なのですから。9条&五輪頑張れ!午後からBSフジ『プライムニュース』のディレクターと電話打ち合わせ。パラリンピックの問題をスポーツの問題オリンピックの問題として取り上げることを訴える。アメリカの黒人問題は実は白人問題なのですからね(アーレント)。明後日(水曜)の番組が再度ブッ飛ばないことを祈りたいですね。自民党の総裁選なんて「オリンピックと平和」の問題と較べたらドーデモいいですからね。NHK-BSの映画『エドガー』をR・ケネディ司法長官が出てくるところまで見る。FBIの創設者で独裁者だったエドガー・フーバー長官の物語でイーストウッドがプロデュース&監督したカプリオ主演の映画。映画に対する評価はいろいろだったらしいけど良くも悪くもアメリカとハリウッドの奥深さですね。日本映画も児玉誉士夫や赤尾敏の映画を作ってほしいですね。ウワッ。パラリンピックの車椅子ラグビーで日本チームが大熱戦延長の末にオーストラリアに勝ったあとアメリカも撃破して金メダル!素晴らしい!

9月3日(火)
『草枕』第7章は那美さんが温泉に浸かってる主人公(画家)の目の前に大胆に入浴してくるシーン&裸婦画論。湯煙でぼやけるなか那美さんの女体から漂う見事に美しいエロチシズムを映した漱石の見事な筆致をココに引用する気はありませんので皆さん是非お読みください。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋の空気が漂うなかツクツク法師の鳴き声が待ってましたとばかりに響く。異常気象の猛暑はぶり返すらしいけどソノ時ツクツク法師はどうするのだろう?もう一度土に潜って出直すわけにも行かないし…ただでさえ短い地上の命がさらに短くなるのかな?ワン。終日原稿書きは『スポーツゴジラ』の連載『走』の第10回。ピカソの傑作『浜辺を走る二人の女』について書く。ただ意味なく喜びに溢れて走ってる姿を描いた絵というのは他にないらしい。名画を残す画家は大人だから子供時代に「遊び心で走りまくった記憶」を忘れてしまうのだろう。その点ピカソは子供の心を持ち続けた天才だったのでしょうね。晩メシは昨日途中まで見た映画『エドガー』の続きを見ながら。アメリカで絶大な権力を40年間も握り続けたFBI長官のホモセクシュアルな私生活と歪んだ愛国心が描かれていた。オリヴァー・ストーンが監督したらもっと激しく批判的に描いたのかな?クリント・クリントイーストウッド監督は確か共和党の支持者だったけどトランプを支持するはずはないですよね。寝る前にamazonで調べてみると『草枕』の映画がある。どんな入浴シーンなのか…見なければ。

9月4日(水)
ベッドで読む『草枕』は那美さんの温泉入浴シーンの第7章に続く第8章は老人の骨董談義とそれについて行けない若者の話。若者は近々日露戦争で出征する。非人情の世界にどうしようもない俗世間が割り込んでくる。続いて第9章は寝転んで小説を読む主人公とその部屋を訪ねた那美さんが非人情的小説論を楽しく交わしているところに軽く地震が襲う。《「地震!」と小声で叫んだ女は膝を崩して余の机に寄り掛かる。御互いの身軆がすれすれ動く。キキーと鋭い羽ばたきを残して一羽の雉子が藪の中から飛び出す。「雉子が」と余は窓の外を見て云う。「どこに」と女は崩した身軆を擦寄せる。余の顔と女の顔が触れぬばかりに近づく。細い鼻の穴から出る女の呼吸(いき)が余の髭に触った。「非人情ですよ」と女は忽ち坐住居(いずまい)を正しながら屹と云う。「無論」と言下に余は答えた》いやはや面白いですね。これぞ小説の妙ですね。いや非人情小説の妙と言うべきか。このあと9章の終了までの那美さんとの会話は何度読んでも絶品ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。?(ツクツクボウシ)は鳴いたけど蜩(ヒグラシ)はまだのようですね。ワン。小説で地震を絶妙に使ったのは他に織田作之助の『夫婦善哉』があったかな。それも読み直したくなったな。散歩のあとは昨日描いた『スポーツゴジラ』の原稿をチェックして編集長の長田渚左さんに送ったりパリ五輪でのIOCバッハ会長やIPCパーソンズ会長やエスタンゲ組織委会長などの発言を整理して夜のテレビに備えたり…で夕方フジテレビの迎えのクルマに乗ってお台場へ。久し振りにBSフジの『プライムニュース』に生出演。前半約40分を自民党茂木幹事長の総裁選出馬の本人出演で「オリンピックと戦争と平和」の話題は後半約80分。一緒に出演した大和大学の佐々木正明教授が産経新聞時代に佐野慎輔さんの後輩として薫陶を受けたとのことでスポーツや五輪に対する知識も取材も十分の人材。小生も気持ちよくスポーツが民主主義から生まれたことやパラリンピック革命やインクルージョン革命について存分に話させていただきました。五輪やパラをメダルばかりで語るメディア批判も高校野球批判もちらりと口に出来たうえ五輪がレノンの『イマジン』を使うことになった「歌の力」についても東独出身のメルケル独首相やベルリンの壁崩壊に働いた「歌の力」を例にあげて話せたのでまずまずかな。佐々木正明さんには佐野慎輔さんと一緒に是非とも『オプエド』に出てもらいましょう。

9月5日(木)
W杯予選は中国に7-0。日本のサッカーは強くなったなあ。やっぱり個人の能力が増すとチームが強くなるのですね。

9月5日(木)元に戻って……
『草枕』10章は主人公(画家)が「鏡が池」を見物する。「椿」の描写が面白い。《椿の葉は緑が深すぎて昼見ても日向で見ても軽快な感じはない》その花は《鮮やかである。唯鮮やかと云うばかりで一向陽気な感じがしない。ぱっと燃え立つようで思わず気を奪(とら)れた。あれ程人を欺(だま)す花はない》だから黒澤明は『椿三十郎』という名前を選んだのだろうか?椿の花は《眼を醒すほどの派手やかさの奥に言うに言われぬ沈んだ調子を持っている。(略)黒ずんだ毒気のある怖ろしい味を帯びた調子である》そんな花が《ぱっと咲きぽたりと落ちる》そんなところへ《美しい女の浮いている姿を描いたら》と思った画家は那美さんの顔を浮かべる。が彼女の顔には何かが足りない「嫉妬」か「憎悪」か「怒り」か「恨み」か…と考えるなかで「憐れ」という言葉が浮かぶ。ナルホドこの言葉が最終章の最後の場面で日露戦争に出征する甥っ子を見送る那美さんの顔に浮かび上がるわけですね。しかし一足飛びにソコへは飛ばず「鏡が池」に姿を現した那美さんは池に飛び込んで入水するかと焦った画家を裏切って反対側の土の上に《ひらりと飛び降りる》。温泉での全裸の出逢いなどとともに《又驚かされた》。画家の一人芝居とは言え魅力的な女ですねぇ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。また熱波がぶり返してきたかな。風のある木陰は涼しくても太陽の直射の日向は真夏に逆戻り。黒兵衛も坂道では長く赤い舌を黒い口から横にはみ出させてハアハア苦しそうに歩く。老犬と老人の老老散歩ですなぁ。ワン。終日部屋の整理。原稿を書くために1階のリビングの本棚から引っ張り出したピカソの画集はしばらく仕事部屋に広げておくことにする。やっぱり力のある絵を見ると元気が出ますからね。そう言えば昔大金持ちの某氏がテレビ番組を買って色んな有名人と対談する番組を作ったことがあった。その一人に選ばれた赤塚不二夫さんを相手にソノ大金持ちは台本のカタカナを読み間違えて「君は画家のピカリをどう思う?」と訊いた。赤塚さんはもちろん「ピカリは世界一。ピカリこそ世界最高の画家!」と見事に応じた。大金持ちも「ピカリは凄いよね」と話を合わせれば赤塚氏は「ピカリ!画家といえばピカリ!ピカリのモナリザは最高!」と益々調子に乗ったが…番組は没になったとか。大金持ちはその後テレビを利用した効果があって国会議員になった。赤塚さんとの没になった「ピカリの対談番組」を見てみたいなあ。晩メシはサッカーを見ながら。7-0は出来すぎ?それとも実力?

9月6日(金)
《世の中はしつこい毒々しいコセコセしたその上図々(ずうずう)しい嫌な奴で埋まっている。元来何しに世の中へ面を曝しているんだか解しかねる奴さえいる。しかもそんな面に限って大きいものだ。浮世の風に当たる面積の多いのを以てさも名誉の如く心得ている》という『草枕』第11章の画家(漱石)の俗界文明論も面白い。頭に自民党の総裁選に立候補した面々の顔が浮かぶ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。風は秋風。陽射しは真夏。気候変動には慣れるということがないようだ。ワン。散歩のあとのシャワーの水が以前より冷たく感じられるようになった。今年の冬はどーなるのか?冬はまた夏がマシじゃと言いにけり…などという暢気な一句は浮かばない残暑の暑さだが…。イロイロ準備をして夕方から『ニューズ・オプエド』。ゲストはパリでパラリンピックの取材を続ける星野恭子さんとパリのオリンピック取材から帰国した日比真記子さん。『パリ五輪特集第10弾!』として『パラリンピックからオリンピックのあり方を考える』というテーマでいろいろ話し合う。アメリカの黒人問題は実は白人の問題であるという視点からパラリンピックを「差別」しているのは実はオリンピックではないかと考えていろいろ意見を求める。さすがにパラ取材の長い星野さんは長期的視野に立ったパラリンピック(障碍者スポーツ)の将来について単純にオリンピックと融合すれば良いという問題ではないことを解説。パラリンピックに出場しているトップアスリートだけでなくソレをきっかけに裾野がどのように広がるか?…障害のレベルで分けるのではなく健常者も含めた自己記録で分ける競技会(All陸上など)による裾野の広がりという指摘は勉強になりました。日比さんもパラ大会でのウクライナの選手とロシア(個人参加)の対立等で現実社会の政治と競技会のギャップを鋭く指摘。いろいろ勉強になる1時間でした。オプエドのあとはチコちゃん見ながら晩メシ。チコちゃんは最近番宣番組に化したかな?

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『オッペンハイマー』
『オッペンハイマー』
見ました3時間。アメリカ映画の真面目で真剣な姿勢は日本映画も大いに見習うべきですね

9月7日(土)
ベッドのなかで夏目漱石『草枕』読了。何十回読んでも第12章の那美さんが別れた旦那と出逢ってカネを手渡すシーンを目撃してしまう場面から小舟に揺られて日露戦争に出征する若者を見送る最終章(13章)は圧巻ですね。「死んで御出で」と若者(甥っ子)に言い放った那美さんは同じ汽車に乗り込んだ別れた旦那と目を合わす。《那美さんは茫然として行く汽車を見送る。その茫然のうちには不思議にも今までかつて見たことのない「憐れ」が一面に浮いている。「それだ!それだ!それが出れば画になりますよ」と余は那美さんの肩を叩きながら小声に云った。余の胸中の画面はこの咄嗟の際に成就したのである》ピアニストのグレン・グールドが自宅の寝室で亡くなったときは大量の錠剤の隣に英訳の『草枕』が置いてあったらしい。彼も二度目のバッハの『ゴルトベルク変奏曲』の録音で人生という作品を非人情と俗界の間に「成就」したのでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。俗界にどっぷりと浸かった散歩は暑くて汗をかいても気楽でイイですなぁ。ワン。しかし『草枕』の強烈な感動に揺す振られたあとはどうすれば良いのかな。『三四郎』『門』『それから』と続けて読み直そうかな…と思っていたら長女が来宅。サッカーW杯の欧州予選フランスvsイタリアを楽しんだあとヨメハンと長女と3人で大船駅前の祭り「大船夜市」に繰り出す。衆院議員の浅尾慶一郎氏に出逢ったので先日高校の同級生の反町氏が司会する『プライムニュース』に出たことを伝えたり孫の通っていた幼稚園の園長先生に挨拶したり昔よく通った飲み屋の常連客と出逢ったり…道路いっぱいに溢れた人と屋台のなかでビールやジビエの口刺しや秋刀魚のコロッケを楽しんだり…散々祭りを楽しんだあと帰宅してNetflixで『オッペンハイマー』を見る。現代のプロメテウスの物語。なかなか骨太の映画で地球を破壊する究極兵器を手にしてしまった科学者と冷戦時代に共産主義国家との争いのなかでそれを独占し世界を支配しようとする政治家の争い。闘争状態のなかで理想論は通らないのですね。こーゆー骨太の映画を作るアメリカ(ハリウッド)の奥行きの深さには敬意を表したいですね。

BOOK
『日本語のために 池澤夏樹=個人編集日本文学全集30』河出書房新社
『日本語のために 池澤夏樹=個人編集日本文学全集30』河出書房新社
この一冊は全ての内容が勉強になります

9月8日(日)
ベッドの横に積んである本のなかか『池澤夏樹=個人編集日本文学全集第30巻(最終刊)「日本語のために」』を取り出してパラパラ楽しんでいたらマダ読んでないエッセイ(?)として永川玲二氏の『意味とひびき』という文章を見つけ出した。筆者は翻訳家でジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』の翻訳が有名らしいが読み出すと面白くて止まらなくなった。日本語には「漢字とひらがなとカタカナ」があってそれぞれ「漢語(漢文脈)と大和言葉(和文脈)と近代ヨーロッパ語」に対応し《漢文脈なら哲学的な壮大な観念を音吐朗々たる名調子に乗せることが出来るし和文脈なら時には優雅そのものを…また時には平俗そのものの口調でしっとり語ることができる》そこで明治37年の平民新聞に載せられたマルクスの日本語版『共産党宣言』は(堺利彦・幸徳秋水共訳)では英語版最後の一文=Working men of all countries,unite!を「万国の労働者団結せよ!」と翻訳した。これを「世界中のはたらく人々よひとつになれ!」と訳したのでは《間延びしてリズムが弱いしくいささか可憐にすぎる》というわけで日本語は実にさまざまな表現ができるわけですね。ワン。ベッドから出て長女とヨメハンと一緒に黒兵衛と散歩。猛暑復活で?(ツクツクボウシ)の声が消え百日紅(サルスベリ)が3度目の狂い咲き。9月中旬でも秋の気配どころか小さい秋も見つからない。ワン。長女が仕事のプレゼンテーションを英語でしなければならず原稿をチェックしろと言ってきたがソンナ難しいことを俺ができるわけもなく俺が仕事で英語を使わなければならないときに常に世話になった友人のSに電話するとちょうど在宅であっという間に見事に手直ししてくれた。持つべきものは友ですなぁ。そういえばカナダで俺が演説する原稿を彼が描いてくれて俺をナカナカの英語の使い手と誤解したCNNの記者からいろいろインタヴューされてしどろもどろになった昔話を思い出す。まぁ若いときはいろいろやりましたなぁ(^0^;)晩メシは久し振りに隣人のフランス人夫妻と旦那の誕生日祝いを兼ねて『鮨処もり山』へ。美味しい肴と楽しい話しで常日頃の疲れをとって足洗い( ^o^)ノ。

9月9日(月)
ベッドのなかで『日本語のために/意味とひびき』読了。なるほど我々日本人は《ひらがなで生活し漢字で思考する》言語活動を実践しているわけですね。小生の自伝的小説『京都祇園遁走曲』がひらがなだらけで埋まったのもそこに「生活」が存在していたからでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。暑さはまだまだ夏だけど風に少しは秋の気配が。ワン。終日デスクワーク。『スポーツゴジラ』の連載の校正の他にようやく新しい書き下ろしに手を付け始める。しかし昨日から始まった大相撲秋場所が面白い。どの取り組みも見所があって満足。パリ・パラリンピックの閉会式は録画したけれどナカナカ見るチャンスに恵まれない。晩メシは吉本新喜劇を見ながら。ベテラン茂爺の周囲に新しい役者を配してヨシモトはそんなふうに新人を育てているんですね。『映像の世紀』は録画してベッドへ。『日本語のために』に含まれていた中井久夫氏の『私の日本語雑感』をチョイと読んだら面白くて続きを読みたくなったので早々とベッドへ。ナルホド「あっぱれ」という言葉も「あはれ(あわれ・憐れ)」から生まれたのですね。『草枕』で那美さんの顔に最後に浮かんだ表情ですね。オモシロイ!

DVD
『恐怖のメロディ』
『恐怖のメロディ』
C・イーストウッドが初メガホンで自分の好きなジャズとヒッチコックを組み合わせたのですね

9月10日(火)
ベッドのなかで『日本語のために/私の日本語雑記』読了。筆者の中井久夫氏は精神科医らしいが日本語の「あのー」とか「もしもし」といった言葉の有効性の分析は面白かった。「立て板に水」のように喋る人の話は「聞く」以外になく《雄弁には拘束衣を着せられている感じがある》わけですね。《実際コミュニケーションは3割が語意で7割が音調によるといわれている》らしく外国の精神科医も話し言葉には《"voice of desire"(心の思いの声)と"voice of training"(躾けの声)があるが出来るだけ"ヴォイス・オヴ・デザイア"で語りたまえと勧めていた》らしい。《これは端的に「本音の声」と「建前の声」と言ってよい》ということらしい。この翻訳は極めて面白い。テネシー・ウィリアムズの『A Streetcar Named Desire』は『欲望という名の電車』と訳すより『本音の電車』のほうが筋書きや会話を思い出すとナルホドと思えますからね。ワン。ベッドを出てぶり返した猛暑のなか黒兵衛と散歩。風が吹くとほんの少しは秋を感じるが暑すぎますね。ワン。イロイロ仕事したあと大船へ出て笹川スポーツ財団のスタッフ2名と今年のSPJ(スポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン)の打ち合わせ。今年も審査員を引き受けることになったが今年は80近くの学生ゼミのグループから応募があったとか。どんな「破天荒」な(笑)アイデアが飛び出すか楽しみ。打ち合わせのあとヨメハンと待ち合わせてスーパーでの買い物に付き合って帰宅。ビデオに録っておいた大相撲を見ながら晩メシ。貴景勝は持ち直すのかな?大の里と琴櫻と霧島は順調ですね。晩メシ後クリント・イーストウッド監督初メガホンの映画『恐怖のメロディ Misty for me』を見る。自分の大好きなジャズをモチーフにヒッチコックをやりたかったわけですね。不必要なシーンもいくつかあってヒットコックには及ばないけど若いときの習作としてマァいいんじゃないですか。深夜長女から電話。サッカー日本代表はアウェーでバーレーンに5-0で勝利は見事ですね。強いですね。

BOOK
夏目漱石『門』集英社文庫
夏目漱石『門』集英社文庫
所詮世の中男と女…ですね

9月11日(水)
ベッドでの読書。漱石の『門』から『それから』→『三四郎』と三部作を逆に読み直すことにする。『門』は何故か最も印象の薄い一編。註釈を先に読んでみるとタイトルは朝日新聞の編集者が催促しても漱石が回答を寄越さず弟子に適当に答えさせたという。そんなことアリなの?とチョイと仰天。タイトルが『門』で良いのかどうかを考えながら読むことにする。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマは秋の運動会について。明治時代に寺や神社の境内で始まった小学校の運動会は住民(氏子や檀家)参加の「パン食い競争」や「杓文字競走(スプーンレース)」や「大玉転がし」などを生み夏祭りや秋祭りの盆踊りや豊年満作踊りと合体してフォークダンスを生み集会を禁じられた自由民権運動の壮士たちの始めた壮士運動会が「圧政棒倒し」や「自由の旗奪い合い」や「政権争奪騎馬戦」を生み民選議会の設立を求めるデモが仮装行列に発展したという話。運動会は日本人の遊び心が結集した素晴らしいスポーツ文化ですね…というお話をする。ワン。ラジオのあと酷暑のなか黒兵衛と散歩。雲古を済ませるとソソクサと帰宅。イロイロ仕事のあと夕方から大相撲。尊富士は強いですね。美の海も強くなりましたね。優勝争いは琴櫻と大の里?晩メシは月曜日に録画した『映像の世紀9・11その後』を見ながら。対立は許し合うことでしか平和は生まれないようですね…。ネタニアフやプーチンにはわからないでしょうね。

9月12日(木)
ベッドのなかで漱石『門』読み続ける。明治の勤め人の平凡な心境と東京の描写が面白い。漱石は何でも小説にしてしまうのですね。レストランのメニューを読んでも悲劇の台詞にしたモーリス・シュヴァリエの小説版かな?ワン。ベッドを出てどこまで続くかわかぬ猛暑のなか黒兵衛と散歩。今朝家を出る前に郵便受けを覗くと「箱根駅伝応援キャンペーン」のチラシが入っていた。「キャンペーンに参加してオリジナルグッズをGETしよう!」まだ3ヶ月以上先のイベントに「読売ファミリーサークル」は熱心ですなぁ。しかし関東の大学中心の差別的イベントをジャーナリズムを担うべきメディアの関連企業が金儲けに利用してイイのかな?日本のメディアの堕落ですよね。ワン。仕事部屋で1週間分の新聞を整理していると昨日の東京新聞の一面に「東大授業料 年10万円値上げ」の見出し。授業料が年間64万2960円になるらしい。俺が入学したときは月1000円。入学金が4千円で半年分6千円とで合計1万円で入学。半年後から授業料が3倍の月3千円になって無期ストがあったけど値上げ反対の声は小さかったですね。当時早稲田大政経学部の入学時の費用が確か27万円ほど。一浪したとは言え国立に合格したことは親孝行でしたね。中退したことはあまり喜ばれなかったけど…(>_<)。大相撲オモシロイ。王鵬に負けた琴櫻は余裕持ちすぎかな。湘南乃海は身体がどこか悪いのかな?あ。先週水曜に出演したBSフジの『プライムニュース』の特集「オリンピックと戦争と平和」はYuTubeで見ることができます。見逃した方はどうぞ。https://www.youtube.com/watch?v=VE7airiZluo

9月13日(金)
『門』読み続ける。愛すべき妻と平凡な暮らしを送る優柔不断な庶民が直面する家族(一族)内での金銭問題。漱石の見事な筆力で読み進めるが結末はどうなるのか…そう思わせられてしまうところが新聞連載小説の妙なのでしょうね。感想は結末まで読んでからですね。ワン。ベッドを出て相変わらずの熱暑のなかを黒兵衛と散歩。黒兵衛の四つ足も影へ影へと向かう。古賀メロディの?影を慕いて…という楽曲が思い浮かぶ。全然関係ないが?影を慕いて…は?天然の美…のパクリですね。いやここまで名曲となるとパクリなどと言っちゃイケナイのかな?ワン。終日イロイロ仕事したあと夕方から『ニューズ・オプエド』。五輪アナリストの春日良一さんとスポーツライターの小崎仁久さんをゲストに迎えて『パリ五輪特集第11回(最終回)オリンピックの未来』について語り合う。JOC(を初めとする各国NOC)が「メダル数の目標」ばかりを掲げるのでなくて「五輪の目的=平和運動」について発信すべきだということで全員意見が一致。マスコミにもその責任はあるが先ず当事者(オリンピックの運営者)が「平和運動」を主張しなければ…ということですね。春日良一さんのブログ「スポーツ思考」でもそのことを主張されてます。https://genkina-atelier.com/sp/index.php?QBlog-20240804-1 『オプエド』のあとは録画していた大相撲を見ながら晩メシ。王鵬が昨日の琴櫻に続いて豊昇龍を撃破。大器がようやく目覚め始めたかな?

9月14日(土)
ベッドで『門』読み続ける。漱石の小説は文句なしにオモシロイ。フィクションならではの無さそうな話でなく有りそうで無さそうな話でもなく全く有りそうな話をフィクションとして構築する。カネに困りながらも何とか日常を平穏にこなしていた好夫婦の女房が病気で倒れる。さぁどうなる?小説の面白さ楽しさ素晴らしさは漱石の作品にすべて含まれてますね。まるで富士山のような小説。完璧な姿形の通俗性が読者を得も言われぬ高味に導くわけですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。帰宅してデスクワークは雑誌『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』執筆。昔はテレビ放送のなかで分離していた「ニュース(社会的情報=インテリジェンス)とスポーツ・ニュース(エンターテインメントのインフォメーション)」の区別が曖昧になりテレビのニュースがジャーナリズムではなくなってしまったことを書く。それにしてもNHKの『7時のニュース』に現れる「今日も明日もあなたと一緒」という文字(メッセージ)はどーゆー意味なんでしょうね?その番組終了時に「今週もご覧いただいてありがとうございました」とアナウンサーが頭を下げたのと同様にどこかコレは報道番組ではないですよと断っているような気持ち悪さを感じるのは小生だけでしょうか?夕方から長女が来宅。川崎で一緒に仕事をすることの多いフロンターレの日本酒や和菓子を持参。なかなか美味しかった。晩メシは大相撲の録画を見ながら。若元春が琴櫻にも勝ったのは立派だけど琴櫻が少々情けない。コレで優勝は大の里で決まりか?

BOOK
ブルンヒルデ・ポムゼル&トーレ・D.ハンゼン『ゲッベルスと私─ナチ宣伝相秘書の独白』紀伊國屋書店
ブルンヒルデ・ポムゼル&トーレ・D.ハンゼン『ゲッベルスと私─ナチ宣伝相秘書の独白』紀伊國屋書店
映画は紹介できませんが、収容所のシーンだけでも見てほしい

9月15日(日)
『門』読み続ける。漱石の小説は見事にリズミカルな文章と展開の妙味でオモシロイのだが小生が小説と言えば筒井康隆大先生の作品のようにブッ飛んだSFor反小説orメタ小説andメタメタ小説しか好まない理由を思い出した。日常生活に根差した描写はわざわざ小説を読まなくても自分の日常で十分なのですよね。『門』は主人公と愛妻との間の子供に関する繰り返された不幸な出来事に突入。漱石はこの結末をどうつけるのか?マァ最後まで読んでみまひょ。ワン。ベッドを出て長女とヨメハンと一緒に黒兵衛と散歩。黒兵衛のリードを持っていると素直に歩ける足がリードを持たないと(長女が持つと)歩くのが辛くなる。人間何事にも一人では生きていけないという証拠かな?ワン。久し振りに仕事場の整理。なかなか整理できないなあ…と思いながら夕方から長女と一緒に庭の雑草取りや草木の剪定。これまたなかなか区切りがつかないなあ…と思いながらアッと今に晩メシの時間。C'est La Vie?大相撲の録画を見ながら晩メシ。大の里強いですね。高安頑張れ。晩メシ後の映画で『ゲッペルスと私』を見る。ナチス大幹部のゲッベルスの元ではたらき103歳になった人物の独白は既に本で読んだとは言え彼女の顔の皺の深さと多さと彼女の話しぶりに触れる価値がある映画でした。しかも彼女の独白の間に挟まれた強制収容所の記録映画はやはり強烈ですね。ただあんな悲惨な目に遭ったユダヤ人(イスラエル人)たちが今ガザでやってることを思うと複雑です。ネタニヤフもこの映画を見るべきですね。

DVD
『羅生門』
『羅生門』
この映画の凄さはわかるけど日本語は聞き取れませんね。海外での評価が高いのは字幕だから?

9月16日(月)
ベッドで『門』読み続ける。あと少しで読了。とうとう主人公は鎌倉の禅寺へ。若い頃に友人の妻を奪った経緯がイマイチ詳しく描かれていなければ年を経てその友人が満州から帰ってきた後の経緯(修羅場?愁嘆場?)も書かれていない。誰かこのテーマでポルノ小説に書き換えてくれないかなあ?ワン。ベッドを出て長女&ヨメハンと一緒に黒兵衛と散歩。猛暑が急に消えたので散歩の距離を伸ばす。さらに帰宅後3人で庭の草木を剪定。敬老の日とは言え庭仕事は老人の休日の嗜みと言えるのか?枝や草を切りながらティム・バートン監督の映画『シザーハンズ』を思い出す。が腕が巨大な鋏と化した男(ジョニー・デップ)の最後がどうなったか思い出せない。漱石の『門』も30代と40代で2度ばかり読んだけど最後がどうなったか忘れてる。とは言え『門』は有耶無耶に終わったなあ…という印象が残ってるが『シザーハンズ』は完全に忘れてる。まぁいいか。文芸評論家でもなければ映画評論家でもないのだからと思いながら庭の序の枝や葉を大量に処分。チョイと仕事部屋を片付けて昼飯食べてルーティンの昼寝。朝の肉体労働が響いたのか夜の読書が長すぎたのか3時頃まで爆睡。大相撲を見てしまう。全勝の大の里vs1敗の霧島は明日か。それで優勝の行方が決まりそうですね。晩メシは吉本新喜劇を見ながら。小生はテレビドラマには全く興味を持てない性格でこれまでに見たのは小中学時代に見た大河ドラマと小生の『京都祇園遁走曲』が原作の『京都発ぼくの旅立ち』と今再放送が始まった『坂の上の雲』くらいなものだけど『SHOGUN』は見てみたいですね。テレビのワイドショーなんかで日本語の字幕ドラマがアメリカでヒットしたことが騒がれてるけど黒澤明の『羅生門』や『七人の侍』の時代劇は英語字幕で海外で高評価されましたよね。あ。映画とTVドラマでは見る人が違うのかな?そう言えば小生の持ってる英語字幕版『七人の侍』では「おぬし」という台詞が「Hey,You!」と訳されてました。『SHOGUN』はどんなんかな?

BOOK
山本謙三『異次元緩和の罪と罰』講談社現代新書
山本謙三『異次元緩和の罪と罰』講談社現代新書
アホノミクスのアホさ加減を見直しましょう

9月17日(火)
漱石の『門』を読了するはずが昨日に朝だけでなく夕方にも散歩をすることに決めて…オマケに黒兵衛抜きで一人で運動不足解消に挑んだため疲れが出たのかベッドで爆睡。ナルホド歳を取ると精神的学習と身体的訓練が両立しないことを実感。トホホ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と朝の散歩。精神的学習を本能的に必要としない黒兵衛が少々羨ましくもなる。ワン。そうかと言って昼間の仕事合間に小説を読むわけにはいかないですよね。そんなことをしたら漱石流の別乾坤(別世界)に脳味噌がぶっ飛んで仕事ができなくなりますからね…と思いながら『ZAITEN』連載の校正などをしていると講談社現代新書編集部から今月の新刊が3冊送られてきた。布施祐人『従属の代償 日米軍事一体化の真実』は絶対に読まねば!!帯に《日本はいつの間に米国のミサイル基地になったのか?》とあり『永続敗戦論』の白井聡氏が《戦争屋のお先棒を担ぐか平和の架け橋となるか。決断の時はいまである》と書いている。さらに『知ってはいけない』の著者の矢部宏治氏も《いま人知れず大変な事態が進行している。第一人者による驚愕のレポート》と。読まねば!他に山本謙三『異次元緩和の罪と罰』帯には《私たちはこれからどんなツケを払うのか》アベノミクスいやアホノミクスの日銀版総括かな?これも読まねば。久坂部羊『人はどう悩むのか?』コレもオモシロそうだけど時間が許せば…。夕方大相撲はビデオ録画してチョイと散歩。黒兵衛を連れずに歩くといろんなことを考える。日本の自衛隊が米軍の先兵なら現在行われている自民総裁選は米大統領秘書官選びなのかな?ワン。大相撲の録画を見ながら晩メシ。元大関霧島が注文相撲の立会いをしちゃイケマセンよ。あとは大の里の全勝優勝に期待かな?でも尊富士が負けたこともあるし…何が起こるかはわかりませんね。高安頑張れ!

DVD
『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』
『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』
文句なしにスゴイ映画!!ジョージ・C・スコットもピーター・セラーズもスゴイ!

9月18日(水)
夏目漱石『門』読了。漱石の文章はリズミカルで面白いく読めるけど女性を奪い合って「勝利」した男が悩んで仏門に入って心の平穏を願うというのは如何にも時代錯誤の展開。今後はポルノ版に書き換えられない限り文芸評論家か余ほどの文学少女以外に読まれることはないだろうというのが小生の感想。そう言えば学生時代に高橋和巳の『邪宗門』を読んだときも文中にあった《所詮世の中男と女》という言葉以外に記憶に残らなかったことを思い出した。やはり漱石は「非人情メタ小説」の『草枕』にトドメを射しますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマは先週に続いて秋の運動会の第2弾。最近小中学校の運動会にクラシック音楽が使われなくなったことを嘆く。ヘルマン・ネッケの『クシコス・ポスト』カヴァレフスキーの『道化師のギャロップ』オッフェンバックの『天国と地獄』ヨハン・シュトラウスの『トゥリッチトゥラッチ・ポルカ』等々子供がクラシック音楽に接する機会を捨ててJポップなどのポップ音楽を流すべきでないという話。ついでに紀元前のオリンポスの祭典でも上演されたギリシア悲劇をルネサンス後期に再現しようとしたところからオペラが生まれた話も。スポーツとカルチャー(文化)は一体化してるのですよね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。涼しいのか暑いのかわからない曇り空なのに汗びっしょり。黒兵衛もハアハア。体感温度は気温よりも湿度のほうが暑苦しく感じるのでしょうね。そういえばラスベガスの野球場で昼間で45度を経験したことがあったけど湿度が低くて全然暑さは感じなかったですからね。しかしマァこの湿度が多くの緑を育んでくれていることを思えばそうそう文句は言えないかな。終日デスクワーク。コツコツと新書き下ろし本の原稿書き。散歩の後の晩メシは録画した大相撲を見ながら。宇良も大栄翔も素晴らしかったけど横綱相撲を取り切れない琴櫻とヒールに成り切れない豊昇龍は情けないですね。危ない相撲を2度乗り切った大の里が全勝優勝…か?

9月18日(水)つづき
書き忘れましたけどこの日の昼間NHK-BSで『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』をやってましたね。もう10回以上見て隅々まで知ってるので見直さなかったけどこのキューブリックのハチャメチャ核戦争ブラックユーモア映画は大名作ですね。ピーター・セラーズもジョージ・C・スコットも最高の役者です。ラストシーンでシナトラの歌をバックに水爆が次々と大きく「美しい」キノコ雲を爆発させるシーンは圧巻ですね。美しく感じられるだけに恐ろしさは増しますね。しかし何故いまNHKはこの映画を放送したのかな…?世界に同様の危機が…?

BOOK
布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』講談社現代新書
布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』講談社現代新書
アメリカの戦争に引き込まれそうな日本の現状がよくわかります。アジア版NATOは危険?

9月19日(木)
ベッドでの漱石の小説連続読破はチョット中断。布施祐仁『従属の代償』(講談社現代新書)読み始める。日本はアメリカの対中国&北朝鮮相手の最前線ミサイル基地になってしまったわけですね。それがどんどん進んでいることが本書を読むとよくわかりますが他にどのような選択肢があるのか?それが出てくるのかな?読み続けましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。夏の太陽が最後の輝きを増してますね。と天気予報は言ってますがホントにこれが最後かな?ワン?デスクワークはコツコツと書き下ろし。夕方大相撲を録画して散歩に出ようとしたら突然の雷&稲光&大粒の雨。ドッカーンと間近に落雷した音も。これで猛暑の夏も終わり…というのが異常気象前の日常でしたが今年はどうなる?録画した大相撲を見ながら晩メシ。ウワッと声を出してしまった若隆景の見事な取り口。大の里に土。いやぁ素晴らしい一番でした。『従属の代償』を手にベッドへ。

9月20日(金)Breaking New。。
イヤァ…大谷スゴイですねぇ。6打数6安打10打点2盗塁で「51-51」達成!この日本人の「喜び」も「従属の代償」と言えるのかな?という見方は皮肉が過ぎますかねぇ?

9月20日(金)
ベッドで『従属の代償』読み続ける。尖閣諸島を守るためだけだったはずの南西諸島の防衛がいつの間にか台湾有事で米軍の指揮下に入る展開になってしまったのですね。中国に行ったときに通訳を務めてくれた菅さんという人の良い人物の言葉が思い出されます。「歴史的に見てアメリカも中国も戦争の好きな国ですね。だからいつかアメリカと中国は戦います。日本はどっちにつきますか?」その答えはもう既に出ているようだけど「戦わない選択」もあるはず…しかし自民総裁候補の9人の誰もそのことを口にしないですね。やっぱりアメリカの言うことを聞かないと総理になれないからでしょうか?ワン。ベッドを出て猛暑のなか黒兵衛と散歩。今日が最後の猛暑にしてほしいですね。ワン。いろいろデスクワークのあと夕方から『ニューズ・オプエド』はタケ小山さんがMCで小生とゴルフ・ジャーナリスト協会長の小川朗さんがゲスト。公取委がプロ野球の選手代理人を弁護士に限っているのは独禁法違反と指導。これは小生が代理人制度が生まれたときから避難し続けた問題。オマケに代理人制度の生まれた当初は代理人(弁護士)一人が一人の選手しか担当できないなんて馬鹿げたルールもあった。こんな被雇用者に対して超差別的なルールをジャーナリズムを担うべきメディアが所有する球団が率先して採用していたのですからね。メディアとスポーツの関係を根本的に改善しないと日本のスポーツ界は世界から相手にされなくなるでしょう…といった話やゴルフ(スポーツ)とオリンピック&パラリンピックの関係などをいろいろ話し合う。『オプエド』を終えて録画しておいた大相撲見ながら晩メシ。大の里の優勝が濃厚になってきた?その後『チコちゃん』見ながら晩酌。近頃のTV番組はバラエティと教養番組とクイズ番組とトーク番組と報道番組と番宣が全部ごっちゃになってしまいましたね。NHKはもう視聴料を集めるのをやめてCMで運営したほうがイイのかな?そのほうが「公共の電波」を使ってる放送局は全て公共放送だと言うことがはっきりしますよね。エミー賞もMLBも…全てアメリカで成功することがゴールなんでしょうか?『(アメリカに)従属の代償』を読み続けましょう。

9月21日(土)
『従属の代償』読み続ける。そう言えば三島由紀夫が書いていた。日本は右翼がアメリカの旗を振り左翼がアメリカの基地は出て行けと叫ぶ。右と左が逆転している…と。まるで赤子の小便ですね。ややこしい。ワン。黒兵衛と散歩のあとコツコツ原稿書きは来週の中日文化センターでのオペラ講座のレジュメ作り。マリア・カラスやデル・モナコなど20世紀の大歌手を取り上げるつもり。もちろんパヴァロッティも入ります。彼の名古屋ドームでの柿落としコンサートを手伝ったところからこのオペラ講座は始まったのですからね。もう27年間も続いてるのですなあ…とチョイと感慨に耽ってたら長女がワインを以てやって来て夕方から飲み始める。大の里が豊昇龍を圧倒して優勝決定。大関昇進も決定ですね。ポリーニのピアノやアレサ・フランクリンやレディ・ガガの歌を危機ながら呑み続ける。ワインやシャンパンはのんっでも酔わないですね。

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『SHOGUN 将軍』
『SHOGUN 将軍』
第1話見ました。私はTV連続ドラマはどうしてもカッタルく感じられてダメでした

9月22日(日)
『従属の代償』読み続けていたら徐々に不愉快になってきた。アメリカに従属せずに毅然とした道を歩む方法はないものなのか?今こそ石橋湛山の目指した道を再学習すべきなのかな?しかし自衛隊がここまで米軍の指揮下に入ってしまえば選択の道はないのかなぁ?ジャーナリズムには「政局」ばかりを追いかけるのではなく「政治」を討論してほしいですね。ワン。長女とヨメハンと3人で黒兵衛と散歩。そう言えば黒兵衛の前に飼っていた雑種の佐吉は(最近はミックス犬と呼ぶらしいけど)石田三成の幼名をいただいたもので真田広之が大河ドラマで名乗っていた役柄でした。ワン。その真田広之に敬意を表してエミー賞を受賞した『SHOGUN』第1話を見る。が…TVドラマのテンポはやっぱり小生にはかったるく間延びしているようでリズム感が合わないですね。ハリウッドの舞台装置と衣裳は確かに凄いけど…ウムムムム…でした。昼前から久し振りに中2の孫が来宅。背が伸びて小生を追い抜きそう。小生は若い頃に親父からよく「総身に知恵が回りかね」と嗤われる長身だったけど180pでは最近は高くないですね。しかも歳取ってかなり縮みましたからね。長女と孫はDAZNでフロンターレのの応援。それを横目で見ながら我が輩とヨメハンは大相撲千穐楽。今場所もオモシロイ15日間でした。大の里はいつ横綱になるのかな?今日の晩飯は長女のオゴリでジビエの出前。相変わらず大船の『アジト』の鹿肉や猪肉は美味。しかもキョンのカレーの味にみんな感激。キョンがこんなに美味ならば片っ端から食用にすれば良いのに…。

9月23日(月)秋分の日
『従属の代償』はもうすぐ読了。アメリカ離れの方法論が出てくるのかどうか…感想は読み切ってから。ワン。長女と孫とヨメハンと4人で黒兵衛と散歩。暑さ寒さも彼岸までとはよく言ったモノですね。秋風が吹き涼しい散歩です。散歩のあと庭の草木の剪定。若者達が頑張って俺は切った枝葉のゴミ袋詰め。まぁ歳相応の役割はありますからね。それでも明日の名古屋でのオペラ講座や明後日のラジオの準備をしたあとの昼飯後の昼寝は爆睡。その間に長女と孫は帰って行ったか…セ・リーグの首位争い阪神巨人戦は阪神の2連勝はやっぱり無理やろなぁと思って見ているとやっぱり無理でした。しかし連日の投手戦1−0ゲーム。とはいえ能登半島の豪雨被害のニュースを見るとスポーツなんてドーデモよくなりますね。元旦に続くあの被害状況はそんなことで騒いでる事態ではないです。立憲と自民の党首選も同じ。党首選も投手戦も天災の被害者にとってもキチンと有意義なものとして価値ある存在となるべきですよね。大谷の活躍も…。

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『三大テノール伝説のコンサート・イン・ローマ 1990』
『三大テノール伝説のコンサート・イン・ローマ 1990』
パヴァロッティ&ドミンゴ&カレーラスをヴィンテージで語るならこのカラカラ浴場での公演ですね

9月24日(火)
『従属の代償』読み続ける。アメリカは日本に警察予備隊(後の保安隊→自衛隊)の誕生を促した(許可した?)時から米軍を補完する軍隊として指揮権を米軍に統一することを要求していたのですね。《戦後米国が日本を再武装させたのも自らの戦争に日本の戦力を活用するため》だったのですね。《自衛隊は巨大な米軍のパーツ(部品)》だというのが《米軍幹部の率直な感想》というワケなのか。それほど米軍に協力するより災害救助隊を常備隊として再編してほしいですね。ワン。黒兵衛との散歩は雲古をするとサッサと引き上げてイロイロ準備して大船駅へ。東海道線で品川乗り換え。新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターでオペラ講座。新しくオープンした中日ビルの新しい教室で50人弱のおば様おじ様方相手に「もっとオペラを楽しみましょう!20世紀の大歌手達」としてマリア・カラス&レナータ・テバルディ&マリオ・デルモナコ&ティト・ゴッビ&ルチアーノ・パヴァロッティなどの舞台と歌声をいろいろ解説。このオペラ講座もナゴヤ・ドームがオープンした1997年のパヴァロッティのコンサートを手伝ったのをきっかけに始まったのでモウ27年にも及ぶのですね。永く続いてるものです。次は12月にワーグナーの『ニーベルンクの指環』についての講義です。行きの新幹線のなかでは爆睡。帰りは読書と思っていたのが再爆睡。歳取ると疲れやすくなるものですね。帰宅して昨日のTVKの吉本新喜劇の録画を見てスッチーさんや千葉チャンに大笑いしながら晩メシ。ヨシモトをワザワザ録画して楽しんでる人間ってそうそういないでしょうね。いや。いるかな?寝る前にメール・チェックしたら本ホームページ経由で今日のオペラ講座に参加して下さった方から面白かったので次回も参加しますとのメール。嬉しいですね。疲れと喜びでまた爆睡。本読めず。

DVD
『御金蔵破り』
『御金蔵破り』
上の映画を翻案して作られた痛快時代劇。ギャバンが片岡知恵蔵。ドロンが大川橋蔵です

9月25日(水)
『従属の代償』熟読を続ける。日本の「非核三原則(核を持たず・作らず・持ち込ませず)」というのはやっぱり嘘っぱちだったのですね。そりゃそうですよね。核搭載が可能なアメリカの艦船や軍用機が日本(沖縄や佐世保や横須賀)の港や空港に立ち寄るときにいちいち核武装を解いていたなんて考えられませんからね。だから日本(自民党)政府は国会で詭弁(嘘)弄していたわけですね。いよいよ最終章「米中避戦の道」に突入です。「避戦」という単語は広辞苑にもAtokにも存在しませんが言葉が存在しないことを実行することは可能なんでしょうかねえ?ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマは大谷の50&50達成を記念してホームランと盗塁はどちらも野球が生まれて長い間「卑怯なプレイ」と言われていたことを説明。ホームランは野手が手を伸ばしても捕れない打球を打つのは卑怯だとNYタイムスがベーブ・ルースを非難しましたからね。盗塁(スチール)はそもそも「盗む行為」として新渡戸稲造が野球害毒論で大非難。1866年にスライディング(滑り込み)が発明されて日本に伝わったときは「横着なプレイ」と非難されました。かつては「悪いこと」とされたことも時代とともに価値観が変わると「よいこと」に変化するのですね。ワン。ラジオを終えて爽やかな秋の空気のなか黒兵衛と散歩。朝の明けない夜はない。秋の来ない夏はない。スポーツの秋・芸術の秋・読書の秋+執筆の秋。小生も最後の書き下ろし執筆のネジを巻かねば。晩メシは昼間NHK-BSを録画したジャン・ギャバン&アラン・ドロンの『地下室のメロディ』を見ながら。久し振りに何度目かの鑑賞だけどやっぱりオモシロイですね。南仏ニースの高級ホテルのカジノの金庫の大金を奪うギャング達の話。ラストシーンで大金を2つの鞄に入れてプールの底に隠したところが鞄の蓋が緩んで札束が次々とプールいっぱいに流れ出すシーンはいつ見てもオモシロイですね。この物語を完全にパクって大川橋蔵と片岡知恵蔵で時代劇として映画化した『御金蔵破り』も見直したいなぁ。DVD持ってないからNHKさんやって下さい。

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『死刑台のエレベーター』
『死刑台のエレベーター』
ジャンヌ・モローに命じられたら男なら決死の犯罪を犯すかも。ハラハラドキドキの末の結末も見事なサスペンス映画。マイルスの音楽も抜群

9月26日(木)
『従属の代償』読了寸前。沖縄の辺野古は新滑走路ばかりが注目されているけど古くなった弾薬庫の建て替えも進んでいるそうでそこには当然《不気味な「核の影」を感じずにはいられません》そして《政府は有事の有事の際に先島諸島の住民ら約12万人を九州各県に避難させる計画の策定を進めています》一方アメリカは《日本中の米軍基地が中国のミサイル攻撃を受けることを前提に空軍と海軍の主力部隊はいったん日本から待避させます。一方で海兵隊と陸軍は日本にとどまり自衛隊と共に中国に対するミサイル攻撃などを行います。米兵の犠牲を少なくするためこれはなるべく自衛隊にやらせようとする可能性もあります(略)米国は自らの戦争に日本の戦力を活用するというビジョンを描いて再軍備への第一歩となる警察予備隊の創設を日本に命じました。自衛隊もこのビジョンのもと米軍の手足として使う目的で育ててきました》そうか。自衛隊は米軍に育てられたのですね。嗚呼。戦争は政治の延長ですから日本の政治家(新自民党総裁&野田立民党党首)は台湾(日本)有事をどのように避けるかを言わねばならないのに何も聞こえてきませんね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と小さい秋のなか足取り軽く散歩。黒兵衛も小生も日向が苦にならなくなったですね。ワン。終日デスクワークのあと晩メシは『死刑台のエレベーター』を見ながら。昨日『地下室のメロディ』を見て見直したくなったから。ジャンヌ・モロー綺麗ですね。この映画を撮ったときルイ・マル監督は25歳!音楽のマイルス・デイヴィスは32歳。やっぱり新しものを創って時代を切り開くのは若者なんですよね。

9月27日(金)
布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』(講談社現代新書)読了。最後は石橋湛山の《アメリカ一辺倒は危険》という認識で《独立自尊の精神》を取り戻すこと。田中角栄は日中国交回復で中国に渡る直前に湛山を訪問していたのですね。この日中国交回復に対して当時国家安全保障担当大統領補佐官だったキッシンジャーは《米政府内の会議で「あるゆる裏切り者のなかでもジャップが最悪だ」と発言。怒りをぶつけていた事実が記録されています》しかしその後の米中国交正常化時には当時の園田外相が《米中双方から相談を受け(略)日本が仲介の微力を尽くした》わけです。果たしてこういう独自外交を日本が再現できるのか?著者はこう書く。《日本は「専守防衛」と「非核三原則」を貫き保持する軍事力は領土・領空・領海の防衛に必要な最小限のレベルにとどめた上でASEANと連携して米中対立を克服し平和共存の理念に基づく包摂的な国際秩序を形成する外交に全力を尽くす−これが日本の進むべき道だと私は確信しています》まぁホワイトハウス首脳に悪態を突かれるくらいアジア寄りの外交にシフトしないとアメリカだけに寄り添っていると《日本は中国と覇権争いをする米国の駒として使われ最悪の場合中国との戦争の「捨て石」にされてしまう可能性すらあります。従属の代償は取り返しがつかないくらい高くつくでしょう》とうことなんですね。次期石破総理の「アジア版NATO」はかなり危ない選択かも…とは言えアメリカに楯突くと角栄の晩年のようになる?だからと言って政治家がアメリカに「隷属」するように擦り寄い保身に走っていてはアホノミクスや新興宗教との癒着になっちゃいますからね。今後は国会の石破vs野田党首討論がどう展開するのか見守りましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋風は爽やか。しかし日本の現状を表すものとは思いたくないですね。ワン。いろいろデスクワークのあと『ニューズ・オプエド』はゲストに3週間前のBSフジ『プライム・ニュース』でご一緒した大和大学教授の佐々木正明さんが初登場。もうひとりのゲストは佐々木さんの産経新聞時代の上司にあたる尚美学園大教授の佐野慎輔さん。将来の世界のスポーツ界と日本のスポーツ界について重要なことを山ほど話し合えて充実。あまりに沢山の重要な情報でココに紹介しきれませんのでオプエドのホームページでビデオをご覧下さい。https://op-ed.jp/

BOOK
山我浩『原爆裁判−アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子』
山我浩『原爆裁判−アメリカの大罪を裁いた三淵嘉子』
(毎日ワンズ)コレは取り上げられてなかったけど読んでみたいタイトルです

9月28日(土)
ベッドのなかの読書は筑摩書房のPR誌『ちくま10月号』。愛読している斎藤美奈子さんの連載『世の中ラボ173』はNHK朝ドラ関係の本が取り上げられて『「虎の翼」が希有な「攻めの朝ドラ」になった理由」。何度か書いたことがあるが小生はTVドラマを全然見ることができない体質(どーしてもカッタルイとしか思えないから)なのでこういう紹介はありがたい。《朝ドラは政治的な要素を排し史実をマイルドに改変する癖があると論じてきた。が「虎に翼」はそれらと少しようすがちがう》《ドラマの寅子は差別に敏感な人物として描かれた。それが人気を博したのは司法の歴史のみならず女性差別や少年犯罪からジェンダー規範や家族のあり方まで作中の出来事が今日のアクチュアルな問題と直結してたからだろう》米軍の原爆投下問題まで取り上げた女性裁判官のドラマを「見てみたら?」とヨメハンに何度か勧められて挑戦したがやっぱりダメだった。斎藤美奈子さんが推薦されていた『三淵嘉子と家庭裁判所』(清水聡・編著/日本評論社)でも買ってみるか。冒頭の金井美恵子さんの随筆『重箱のすみから』に前回から『あれやこれや』というタイトルが付けられてます。これは『ナンヤラカンヤラ』の標準語版ですね(笑)関係ないけど(>_<)ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。涼しくなっても散歩のあとのシャワーは欠かせないですね。もうすぐ朝湯がほしくなるのかな?その次は朝酒か?(笑)朝寝をせずに本を読んでるだけに身上を潰すことはないでしょう…という意味が若い人にはわからないでしょうね。小原庄助さんですよ…と言ったら余計にわからないかな。ワン。シャワーの後ヨメハンと一緒に掛かり付けのお医者さんへ。そのあと買い物に付き合って遅い昼飯に天津麺を食って帰宅後爆睡の午睡。デスクワークは請求書づくりだけ。TBS『報道特集』見ながらビール&晩メシ。巨人の優勝か。ふ〜ん。買い物疲れか早々とベッドへ。

BOOK
田中正人・斎藤哲也『哲学用語図鑑』プレジデント社
田中正人・斎藤哲也『哲学用語図鑑』プレジデント社
ソクラテスやピタゴラスからデリダやレヴィストロースまでを漫画で。オモシロい本です。

9月29日(日)
ベッドに持ち込んだ本は田中正人&斎藤徹也『哲学用語図鑑』(プレジデント社)。古代ギリシアのピタゴラスやソクラテスから現代哲学のデリダやボードリヤールまで…「ソフィスト」や「無知の知」から「リゾーム」や「ノマド」まで漫画で解説した哲学面白本。先週孫がやって来たときに哲学の本はないの?と仰天するようなことを言われたのでガキの西洋哲学入門書としてコレがあったはずと探したが見つからなかったのが昨晩寝室のベッドの下から発見。再読し始めると気楽にオモシロイ。今度孫に渡してやろう。ワン。ベッドを出て雨の止んでるときを見計らって黒兵衛と散歩。短パンとTシャツでは秋風が寒い季節になりましたね。ワン。デスクワークは本ホームページの原稿作り。コレが結構時間がかかるのですよね。ふううう。ナンデモカンデモの写真以外の原稿を整えてニュースやを見てダーウィンが来た』で蝉の話を楽しみながら晩メシのあとワイン飲みながら『地下室のメロディ』『死刑台のエレベーター』とフランス映画付いた続きでクロード・ルルーシュ監督アヌーク・エーメ&ジャン=ルイ・トランティニアン主演『男と女』を見ながら。映像の綺麗ななかでの大人の恋の物語ですね。ルルーシュはこの時29歳。フランス人はやはり恋愛について早く歳を取るのですね。少ない台詞のなかの子供達を含めた何気ない日常会話がオモシロイ。映画の最後に海岸を散歩する老人と黒兵衛が出演していた(笑)。前に飼っていた佐吉は『ゴッドファーザーPARTV』でアル・パチーノの死に際に出演(爆)。家族の一匹が活躍するのを見られるのは嬉しいですね(^_^)

9月30日(月)
ベッドに『ZAITEN』11月号(財界展望新社)を持ち込み佐高信氏の連載対談『賛否両論』を読む。今月号の対談相手はジャーナリストの西谷文和氏。両氏は最近『お笑い維新劇場 大阪万博を利用する「半グレ」政党』(平凡社新書)という対談本を上梓され雑誌の対談テーマも「失敗必至の万博を推し進める"半グレ集団"維新」。ナルホド関西万博は《維新が安倍真三元首相と菅義偉元首相が進めたかった政権の憲法改正に協力する見返りで決まりました。橋下と松井は大阪にIRを持ってきたかったのでそれだけではインパクトが足りないので万博をしようという思惑があった》《最近は橋下が自分の保身も考えての発言が目立ち維新も分裂気味ですね》《維新の議員は選挙に通りたいだけで徒党を組んでいるので4年に1回の選挙をごまかせばいいというのが彼らの考えだと思います。3年後に統一地方選がありますがこの時にもう維新はなくなっている可能性があります》万博は《中止という話もありましたがもう手遅れですね》《私は今からでも中止したほうがいいと思います》万博期間中もメタンガス噴出の危険性まであるかもしれないIRの建設工事が行われるのですね…兵庫県の斎藤元彦知事の一件は維新の体質を表す象徴的な出来事だったんですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。Tシャツと短パンは寒い(笑)。それでも歩くと汗ばんでくる。これでいいのだ。ワン。終日書き下ろし原稿書き。晩メシはTVKで吉本新喜劇を見ながら。ヨシモトも自民党や維新とドッキングするのは絶対に止めたほうがいいですね。お笑いは本質的に「責任者出てこーい!」と叫ぶ反権力のはずですから。

8月31日(土)
『草枕』はやっぱり凄い。第3章の芸術家論は白眉。《四角な世の中から常識と名のつく一角を磨滅して三角のうちに住むのを芸術家と呼んでもよかろう》ナルホド。「磨滅して」と言うことは散々「常識」と付き合ってぶつかって考え抜いた結果「常識の一角」が擦り切れるほどに磨り減って「三角の世界に住む」と言うことだろう。『草枕』の英訳でも『THE THREE-CORNERED WORLD』となってますね。面白い。同じ章の那美さんの描写は圧巻。《軽侮の裏に何となく人に縋(すが)りたい景色が見える。人を馬鹿にした様子の底に慎み深い分別が仄(ほの)めいている。才に任せ気を負えば百人の男子を物の数とも思わぬ勢いの下から温和しい情けが吾知らず湧いて出る。どうしても表情に一致がない(略)不仕合わせな女に違いない》凄いですねえ。いい女ですねえ。昔陶芸家の大巨匠である加藤唐九郎さんにインタヴューしたとき何を気に入られたのか晩メシに「コロ(冷やし饂飩)を食べに行こう」と誘われてビールや酒を散々呑んだことがあった。そのとき「松本清張は小説で女が書けんもんだから探偵小説やドキュメンタリーに走りおったんじゃ。女の描写は漱石が一番じゃ」と話された。そのとき35歳程度だった小生は意味がわからなかったが72歳になった今やっと意味がわかるようになった。歳はとるものですなぁ。ワン。朝から雨。小止みになった時を狙って黒兵衛と散歩。雲古を済ませるとサッサと帰宅。平塚や二宮あたりは洪水も発生しているとか。東神奈川も時折強い雨が降るようになった。颱風を怖がるようになるのも歳のせいで歳をとるのは良いことばかりではなさそうだ。ワン。終日デスクワーク。原稿コツコツ書き貯める。晩メシは一昨晩見た『ドン・カルロ』の続きを見ながら。フルラネット(フィリッポ2世)の歌う「ひとり寂しく眠ろう」は素晴らしい歌唱だけどヤハリ舞台は抽象的な現代的な演出でなくゼッフィレッリ演出の時代考証に沿った豪華絢爛な具象がイイですね。こう思うのも歳のせいかな?

8月31日(土)つづき
この日は『ドン・カルロ』を見ながら晩飯食べる前にTBS『報道特集』の夏の学生スポーツと熱中症の特集を見た。真夏の高校野球の練習中に強度の熱中症にかかり入院して死線を彷徨ったあげく後遺症に苦しんでいる人物が紹介されていた。今年の真夏の甲子園や地方大会でも選手や応援団や観客に大勢の熱中症患者が出たことも紹介され小学生野球の全国大会ではサッカー協会やスポーツ協会の指針に沿って湿球黒球温度(WBGT)が31を上回った場合は試合開始を延期するような措置が取られたことも紹介されていた(高校野球はWBGTの数値を測ることすらせず完全に無視して高校生にプレイを続けさせているのですね)。そして番組では試合の時期や場所の変更(真夏の昼間を避けること)も提案されていた。テレビで高校野球(学生スポーツ)と熱中症をここまで取り上げているのを見たのは初めてだったのでそれなりに評価はしたい。しかし踏み込みは甘くそもそも小学生に野球の全国大会をする必要があるのか?日本一の野球高校を決める必要があるのか?それらが小学生や高校生にとって本当に教育として必要なのか?教育として相応しいものなのか?…といった問題提起はなされなかった。今年の夏の甲子園が100年記念であることからこの先の100年も…と挨拶したのが誰だったか忘れたが明治維新の時に100年先(東京オリンピックの頃)を語ることのナンセンスさに気付いてほしい。またスポーツ(野球)は1番(トップ)になることだけが目標ではなくもっと多様で有意義な取り組み方が(特に小中高校生のような若い人には)存在するということを教える(教育する)のも大人の役割であり使命ではないだろうか。まさか高校野球を大人の監督が喜んでやっているのではないでしょうね?あ。そう言えばテレビ番組の小学生野球のなかでWBGTが31を超えて試合が中止となりジャンケンで次に進むチームを決めるとき何故か監督同士がジャンケンをしてましたね。なぜ試合の当事者のプレイヤー(小学生)にやらせないのかな?大人が牛耳り大人が必死になって喜んでるのかな?高校野球も…?

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