ナンヤラカンヤラ
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4月1日(木)
エイプリル・フール。去年文化放送で吉田照美サン相手に鎌倉の義経桜(洞窟の天井から下に向けて生えている桜の木で満開になると美しい)について話したのが懐かしい。そんな阿呆なこと言うとったさかい2週間後に倒れたんかな(笑)。今年も桜満開。綺麗。これを書いてるのは2日後の土曜の朝。近頃まるでマーラーの交響曲第7番の最終楽章のようにポリフォニックに仕事を進めてるもんで何やってるのかわすれてしまいそう。あ。そうそう。来週から始まるJALシニアーズ・アカデミーの準備をしてたんや。オペラ→オペラブッファ→オペレッタ→ミュージカルの歴史を駆け足で辿る予定。あ。他のことも思い出した。近所での高圧線鉄塔の建て替え工事に伴い高圧電線の撤去が行われたけど電線の端が他の電線にくっつけられて巻き取られるのはわかったけど最後の一本はどのようにして撤去するのかという問題について回答がわかったと書きながらその回答を公開しなかったことについて問い合わせが来ましたのでお教えします。じつは最後の電線の端に新たにビニール線をつけて電線を巻き取るのです。そのビニール線は鉄塔と鉄塔のあいだに高いクレーンを伸ばして電線を巻き取るあいだ民家の屋根などに垂れ下がりますが太く強くてもナイロン製なので屋根を傷つけたり大きな音を発することはないそうです。なーんだといわないでください。コロンブスの卵ですなぁ。

DVD
リムスキー=コルサコフ『金鶏』
リムスキー=コルサコフ『金鶏』
R・シュトラウス『影のない女』
R・シュトラウス『影のない女』
BOOK
光森忠勝『市川猿之助 傾き一代』(新潮社)
光森忠勝『市川猿之助 傾き一代』(新潮社)
BOOK
アルマ・マーラー『グスタフ・マーラー愛と苦悩の回想』(中公文庫)
アルマ・マーラー『グスタフ・マーラー愛と苦悩の回想』(中公文庫)
テオドール・W.アドルノ『マーラー音楽観相学』(法政大学出版会)
テオドール・W.アドルノ『マーラー音楽観相学』(法政大学出版局)
いしいしんじ『熊にみえて熊じゃない』(マガジンハウス)
いしいしんじ『熊にみえて熊じゃない』(マガジンハウス)

4月2日(金)
朝。物凄い春の嵐のなか駅まで歩く。怖いぐらいの突風と暴風。満開の桜は散る気配なし。ヤッパリ桜は風で散るんではなく花の命を終えたと悟ったときに自分から散るんですね。納得。藤沢に出て小田急で新百合ヶ丘の一つ手前の柿生へ。横浜桐蔭大学スポーツ健康政策学部の集会に客員教授として参加。今年3年目を迎える同学部は最新の教室を備えた学部の新棟も完成。小生も研究室を与えていただいたので見学したがコンピュータ・プリンタ・大きな本棚もある10坪ほどの広さ。さて。この大学でどんなオモロイことをしたろかなぁ。あとのパーティで母校先輩OBの教授とも出逢う。ウワッ。某銀行の某頭取と同期やとか。世の中狭いなぁ。いろいろオモロそうな先生が仰山いてソモソモ俺は大学ほとんど行ったことがのうて卒業もしとらんのやから俺が学生やりなおしたいくらいやで。ウワッ。英語しか使たらあかんスペースもあるんか。どないしょ(笑)。3冊も翻訳書出してるんやから何とかなるか(爆)。

4月2日(金)つづき
勤務先の(こういう言葉いっぺん使てみたかった・笑)大学から帰宅前に島森書店へ。アドルノの『マーラー音楽観相学』法政大学出版会/アンリ=ルイ・ド・グランジュ『グスタフ・マーラー失われた無限を求めて』草思社/アルマ・マーラー『グスタフ・マーラー愛と苦悩の回想』中公文庫/大森実『激動の現代史五十年 国際事件記者が抉る世界の内幕』小学館購入。文具屋の上州屋サンが恒例春の30%引きセールをやってたのでプリンター・コピー用紙と便箋と封筒を大量購入。コンピュータを使うようになって紙の使用量も増えたのは実感やな。帰宅したら新潮社から光森忠勝『市川猿之助 傾き一代』が送られてきていた。パリ・シャトレ座のリムスキー=コルサコフ『コックドール(金鶏)』やバイエルン歌劇場のR・シュトラウス『影のない女』なんかの澤瀉屋のオペラ演出の舞台裏が面白そう。いしいしんじさんからもマガジンハウスの雑誌『クロワッサン』に連載されてたエッセイをまとめた『熊にみえて熊じゃない』が送られてきていて思わずニンマリ。晩飯映画劇場は『エデンの東』。自分でも今頃なんでやねんと思いながら何故かDVDを手にしたのでプレイヤーにセットしてしまうが晩飯食べ終わると疲れてたのかコックリコックリ。映画のせいではないと思うけどジェームズ・ディーンとエリア・カザンに申し訳ない。これは仕切り直ししなければ。ヤッパリ最近疲れてたのかな。

4月3日(土)
うわぁ。まいったなぁ。ポリフォニックに仕事を進めてると一つの仕事に支障が出るとすべての仕事に影響が出る。マーラーの交響曲を指揮する指揮者は大変ナンヤなぁ…と妙なところで感心。しかし仕事はなんとか処理せにゃ…あっという間に晩飯映画劇場も映画はカットしてNHK特別ドラマ『大仏開眼』。う〜ん。何か物足りん。何が足りひんのやろ?リズムもイマイチ。仕事が上手いこと進まへん俺の見る側の精神事情のせいかなぁ。来週も後編あるからゆっくり考えよ。

4月4日(日)
本日も終日ポリフォニックに仕事。あれやってこれやってそれ処理してどれやらなあかんのかいなぁこれやったかいなぁ…。ホンマはモノフォニックに集中するはずの週末がドタバタ。まいった。ふうっと息ついてテレビのスイッチ入れたらNHK-hiで『大仏開眼』の後半やってる。そうか。恵美押勝の乱で終わりか。この琵琶湖湖畔のシーンにデジャヴを感じたのは橋本治の『双調平家物語』を読んでたしやろな。その瞬間このドラマの不安定さがわかった。まだ日本的でない(唐の物真似的な)日本の時代は映像ではリアリティが出ぇへんのやな。本読んで想像する方がマシなんやな。役者さんも人物造形が難しいやろな。以前大阪NHK新社屋完成のときの『聖徳太子』でも感じたことやな。おまけにCGやもん…。ドラマのあとポリフォニックな仕事の中声部に残った残務処理。メインのメロディの仕事が全然進まんがな。トホホ。と思いながらも晩飯オペラ劇場は市川猿之助演出パリ・シャトレ座2002年公演のリムスキー=コルサコフ『金鶏』。前にも見たけどコレはオモロイ歌舞伎演出。同じ猿之助のバイエルン歌劇場の『影のない女』より成功してる。毛利臣男の衣裳も豪華で朝倉摂の装置もシンプルで見事。隈取りと手の動き足の動きだけで外国人のオペラ歌手と合唱団とバレエ団が全員日本人に見える。高砂親方や相撲協会は朝青龍や外国人力士にこういう所作を教えられへんのやな。

4月5日(月)
入稿したコラムの校正でちょいとドタバタ。おかげで佐吉と散歩はパス。慌てることは何もないはずやのに何故か仕事に慌ててしまう。尻に火がついてる仕事があるのは確かやけど無理なもんは無理やのにナンデこないなってしまうねん…と一人でボヤキながら(ナンノコッチャ)午後から世田谷パブリックシアターへ。「踊る人」の森山開次さんにインタヴュー。いやはや話して楽しい人っていいですねぇ。こっちの喋ること理解してくれてきちんと返答してくれて。ナチュラルな表現者は素敵ですねぇ。取材後丸の内の三菱一号館美術館の会館記念展「マネとモダン・パリ展」へ。俺が見たいと思てたマネの絵がなかったのはおもろなかったけどゾラの肖像があったしエエか。近くでいつまでも筆遣い見てるだけで飽きひんなぁ。こんな近くでマネを見られるのは幸せ。しっかしちょいとニュー・バブリーな美術館やな。この建物と係員の気取りがバブル後の二極化社会の象徴かな。帰宅後晩飯食うとすぐ寝入ってしまう。帰りの電車でゑびすのシルク・ロング缶飲んだせいもあるのかな。とはいえ最近疲れを感じやすいのも確か。一番の薬は眠るこっちゃで。そうですよねぇ。

DVD
『カムイ外伝』
『カムイ外伝』

4月6日(火)
誕生日冥土の旅への一里塚目出度くもあり目出度くもなし。終日原稿と格闘。そうですよね。こういう日常は悪いことではないのですよね。晩飯はヨメハンと次女が「誕生日でない日おめでとう」と祝ってくれる。これが『不思議の国のアリス』の原作にもあった台詞かディズニーのミュージカル・アニメのオリジナルかは知らんけどナカナカ含蓄のある台詞であることは確か。しかしあのアニメはディズニーの最高傑作です。あ。ティム・バートンの3Dアリスだけは映画館へ見に行かねば…と思いながら晩飯映画劇場は森山開次さんが出ているから崔洋一監督の『カムイ外伝』。……。マイッタナァ。CGというのはリアリティをなくすんやね。崔監督の頭のなかにはどこかに今村昌平監督の『神々の深き欲望』があったのかもしれんけど足元にも及ばんで。ただカネ使ただけの映像の綺麗なアクション忍者映画。なんでこの程度の映画を崔監督がつくってしもたんかなぁ。

4月7日(水)
朝ラジオ1本。2本でなくなったのはちょいと寂しい。けどRKBだけは36歳のときから途中1年ほど休んだとはいえ20年以上続いてる。番組スタッフの誰よりも俺のほうが長い(笑)。若いときは連載も番組も長く続くのはマンネリで嫌やったけど歳とるとそうでもないなぁ。イヤそう思うのが歳とった証拠かな(爆)。番組開始直前にクモ膜下出血で倒れてた巨人の木村拓哉コーチ逝去の報。直接話したことはないけど同様の脳卒中の経験者として幸運にも復活できた者としては他人事とは思えない。37歳か。合掌。佐吉と散歩パスして原稿と格闘。フリーライターというのは寂しいものです。一生懸命原稿書いてメールで送っても編集者は何の返事も書いて寄こさない。最近こういうケース増えたなぁ。電話・FAX・PC・メールのせいかな。テノールの佐野成宏さんのコンサートもヨメハンと次女に譲って仕事&晩飯サッカー劇場。セルビアに0-3。岡田監督が…云々の話の前にサッカー協会もメディアもファンもマダ20年も経ってないサッカー後進国の長期計画をひとことも言わへんのんはアカンで。かつては2050年W杯招致と日本優勝…そのためには…というてたんが最近は2018/22年招致とか言い出した。阿呆か。サッカーに限らず結局今のニッポンは目先のことばっかりやな。なんやて?立ち枯れニッポン?立ち倒れニッポン?ふ〜ん。たちあがれニッポン… か。ヨッコラショッと立ちあがらなアカン人は引退したほうがエエで。ご隠居さんにはご隠居さんならではの仕事があるんやから。俺もそろそろ考えよかな…。佐野さんの『忘れな草』よかったらしい。歌の力は尊いなぁ。グラッパより上かな。

4月8〜12日(木〜月)
コレを書いてるのは13日(火)早朝。ここまで書く暇を見つけられなかったのにはもちろん事情があったから。とはいえ月曜夜には「また何かあったんですか?」というようなメールが3通。そうそう脳出血しててもシャーナイやろ(笑)。今度やった御陀仏やで(汗)。事情は忙しかっただけ。では夏休みの絵日記をマトメ書きする餓鬼の心境でイザ。

4月8日(木)
この日は朝ぐわぁーっと仕事して昼から青山へ。JAL-NHK文化講座でビデオを見ながらオペラ・オペレッタからミュージカルへの変遷の概要に軽く触れる。使用ビデオはロッシーニ『セビリャの理髪師』(ノーベル賞作家のダリオ・フォーの演出)J・シュトラウス『こうもり』そして『雨に唄えば』のなかから『ブロードウェイ・メロディ』のミニドラマ。自分で見直してもこの推移は面白かった。ついでに最後の最後にチラッと『雨に唄えば』の脚本を書いたアドルフ・グリーンとベティ・コムデンが爺さんと婆さんになってこれまた自分たちで脚本を書いたレナード・バーンスタインの『オン・ザ・タウン』の「いつかまた逢える」を歌ってるシーン。コレから毎週楽しくやってこ。講座を終えて同じビルの1階にあるブティックへ。小生がこーゆーお店に入るのは珍しいが以前ある紳士ブランド・ショップにいた人が始めた店で小生が世話になってた人。奥さんのデザインしたタオルやらも面白くて『忠臣蔵外伝』のときの歌手の皆さんや文化放送の最後の放送のときの吉田照美サンと唐橋ユミさんへのプレゼントに使わせてもらったりした店。うわっ。名前が思い出せへん。痩せたのでジャケットやズボンの寸法をソートー直してもらわなアカンのできっと来週も来るやろし名前はそのときに。帰宅後ナニしたか思い出せへん。まぁエエやろ。

BOOK
大森実『激動の現代史五十年 国際事件記者が抉る世界の内幕』(小学館)
大森実『激動の現代史五十年 国際事件記者が抉る世界の内幕』(小学館)

4月9日(金)
日帰りで大阪へ。よみうりテレビ『たかじんのそこまで言って委員会』VTR収録。超久しぶりに有田芳生さんに逢う。たまに小生のこのコーナーを読んでくださってるようで去年の病気のことを聞かれる。モーマンタイ(無問題)。小生からは参院選のことを訊く。去年の衆院選は田中康夫のとこから出て今年の参院選は民主党から。タイミングが悪い…と思てたら番組本番でもたかじんがツッコミ入れよった。番組の中味は18日の放送を見てください。俺はキム・ヨナの高得点と日本のスポーツについて喋りました。最近マーラーのことで頭のなかがイッパイになるほど本読んだので気分転換に往復新幹線のなかでは大森実『激動の現代史五十年』小学館。コレは凄い本ですよ。そうかヴェトナム戦争時のハノイ一番乗り取材はデヴィ夫人―スカルノのルートやったんか。ダレスの話も藤山愛一郎の話もオモロイ。04年6月発売のコノ本を書店に注文購入したところが初版本が届いた。う〜む日本は…。

4月10日(土)
朝から晩まで机の虫。他の書くことありまへん。疲れた。当たり前やわな。金聖響さんと神奈川フィルのロマン派の交響曲シリーズのコンサートも断念して14時間くらい椅子に座って机にへばりついてたんやもんな。変わりに足を運んだヨメハンと次女が『未完成』やら『宗教改革』に感激して帰って来よった。mimulaによると聖響さんもマーラーで頭のなかがくるくる回ってるとか。そうや。やっぱり取り組みだしたら毒気に中るような凄い作曲家なんやで。再来週の『交響曲3番』に期待!本作りはそこからボチボチ…やな。

4月11日(日)
昨晩11時前にベッドに入ったら朝の4時頃目が覚めたのでそのままぐわーっと机の虫。ふうっと息ついたらヒルの12時。ブワンザーイ。いろいろ懸案になってたスポーツの単行本が一応まとまる。昼過ぎに少々仮眠をとって夕方にまえがきとあとがき執筆。俺が最近書いたスポーツ原稿を某編集者がマトメ直してくれたのに俺が手を入れたんやけど…疲れた。さぁ次はスポーツジャーナリズムとマーラーとプロ野球史か…。バタン。グウー。zzzzzzz……。

4月12日(月)
朝早よ起きて大阪へ。兵庫芸術文化センターの今年の夏のオペラ公演レナード・バーンスタイン『キャンディード』についての記者発表に出席。指揮者の佐渡裕さんはもちろんバーンスタインの長女のジェイミー・バーンスタインも出席。なるほど佐渡さんもいうてたけどバーンスタインによう似てるらしい。喩えとしては最悪やと思うけど田中角栄を知らん人が田中真紀子から生身の父親の姿を想像してソウ間違えてへんと考えるなら…と思いながらジェイミーさんを見てると楽しかった。あ。田中云々はあくまでも喩えでバーンスタインのエネルギッシュぶりはあんな下品じゃないですよ。記者発表ではもうひとつ演出のロバート・カーセンが来日することも。講演かシンポジウムかトークショウか何かやってほしいなぁ。コンヴィチュニーの話もある意味でオモロカッタもんなぁ。旧左翼系の話の中味は最悪やったけど(笑)。ちょいと近所の梅田タワーレコードに寄ったあと午後からMBS『ちちんぷいぷい』生出演。スポーツ関係のスタッフと楽屋でW杯について少々語ったあとスタジオへ。先週誕生日やったいうことで番組の始まる直前にスタッフ・キャストの皆さんに祝ってもらってケーキのプレゼント。ありがとさんです。民主党のことやらサウジアラビアのことやら(ナンノコッチャ)2時間いろいろ話して「キッチンぷいぷい」のコーナーで鳥の照り焼き梅卵ソースをいただいて小生の出番は終了。久しぶりに楽しかったです。ハイ。新幹線で大森実の読了。こーゆージャーナリストも出ん時代になったんやなぁ。

4月12日(月)つづき
帰宅後晩飯映画劇場はティム・バートン監督ジョニー・デップとのコンビで唯一見逃してた『スリーピー・ホロウ』。首が飛んでも血が噴き出しても醜く汚くならない怖くないオカルト・ホラー映画。流石です。『ぷいぷい』でいただいた桜のケーキを(ベースマンを除く)家族4人でいただく。美味かった。スタッフからどうぞどうぞと大きなケーキを持ち帰るようすすめられたときはびびってみんなで食べてと言いかけたけど娘どもが今日は居ること思い出して持ち帰ったのは正解やったけどコノ大きさはスタッフが自分らで食べるつもりと違たんかいな。そう思うと申し訳ない。改めてありがとさんです。というわけで先週木曜からの怒濤の5日間でした。ちくしょー!4444444のカウントを見損のうてシモタ!

4月8〜12日(木〜月)
と、まとめて書かせてもろたけどいちばん大きな出来事は井上ひさしさんの死去やったな。合掌。

4月13日(火)
ふうううっと長〜い溜息をつく一日。昨日で一つの流れの仕事を終えてサァ次の仕事と思てたら某編集者からソノ仕事チョット待った!とのメール。いろいろ連載が終わらず新連載が始められん状態らしい。エエーッと驚くきナンデェー?と訝る反面ホッと胸を撫で下ろす気持ちも。エエ機会や。一日だけちょっと休も。というわけでGWから5月いっぱいの仕事の計画立てて夕方からは坂井保之さんと『鮨処もり山』へ。仕事の話を抜きにして歓談談笑。こういう機会も必要やな。

DVD
『猿の惑星』
『猿の惑星』
『猿の惑星』
『猿の惑星』

4月14日(水)
朝のラジオで亀田親父とスポーツ認識(ボクシングと喧嘩の違い)について話したたあと佐吉と散歩。そのとき以前から噂に聞いていた啄木鳥の穴を観察。啄木鳥はキツツキと読みます。近所の桜並木のなかにあるチョイト堅そうな木(何の木かなぁ気になる木やなぁ)の上のほうの幹に真ん丸の穴が空いている。まるでケージで測ったように真ん丸で穴の周囲はまるでヤスリで磨いたようにキレイ。たいしたもんやなぁとじっと見ていると小さな鳥が穴から顔を出した。啄木鳥にしては嘴が短いようにも思うがコンナモンか。仕事場に帰って『ヤマケイポケットガイドF野鳥』(山と渓谷社)で調べてみるとアカゲラやオオアカゲラの雌か。ただし体長24〜28pとある。そんなに大きくはなかったはず。啄木鳥とは違う鳥が巣を横取り占拠したかな。まぁ散歩の喜びが増えた。帰宅後コラム原稿1本完成。計画は2本。しっかし無理やなぁ。晩飯映画劇場は『猿の惑星』。チャールトン・ヘストン主演の第1作へのオマージュに満ちたティム・バートン監督版。面白かった。ヘストン版は最後のシーンが壊れた自由の女神やったけどコレは…。まぁこの程度で気楽でエエやろ。そういや李鳳宇さんと以前『猿の惑星』を語り合ったことあるけどシネ・カノン倒産のあとどないしてはるんやろ?

DVD
『あゝ結婚』
『あゝ結婚』

4月15日(木)
朝啄木鳥の穴は気になるけど佐吉と散歩はパスしてコラム原稿必死に書く。書きあげたところでアッ!毎日新聞の『金曜カフェ』は終了して4月から土曜朝刊掲載の『時評・点描』に変わったんやった。ということは明日の送稿でエエわけや。ちょっとがっくりして佐吉と遅めの朝の散歩。穴はあるけど啄木鳥はおらんかった。木の幹を拳でコツコツと叩くが無反応。残念やな。どうしたんかな。何かpersonal agendaがあったんかなぁ。しっかし最近この言葉が流行ってるなぁ。発信元はみんなの党の渡辺党首やろけど小生が初めて使たんは20年くらい前にカナダへ行ったとき。テレビの仕事でちょいとカナダの田舎町で上院議員や市会議員や市長に英語で挨拶せんとアカンときに俺の日本語原稿を英語に堪能な朋友のSが訳してくれてソノ時personal agendaという使い方がカナダのエライさんにウケた。ほかにもおもろい英語表現をSが散りばめてくれたおかげで俺はかなりの英語の使い手やと完全に誤解されてパーティで次から次へと話しかけられて冷や汗モンやった。日本に帰ってきてからもCNNから電話かかってきて追加取材されたくらいやったもんなぁ。そういや有楽町の外国人特派員協会の昼食会でのスピーチもSの英訳でめちゃめちゃウケた。一緒に出席したホワイティングに「Sサンはサスガですねぇ」といわれたもんな。何の話やったっけ?アッagendaやね。もう日本の政治は無茶苦茶ですね。鳩山のボンボンはサイテー。民主も自民もサイテー。地方の首長も…という話はいずれじっくり。晩飯映画劇場はヴィットリオ・デ・シーカ監督『あゝ結婚』。主演はソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ。面白かった。一昔前の映画のほうが落ち着いて見られるのは歳取った証拠?うちの2人の馬鹿娘どもはソフィア・ローレンが安藤美姫にソックリとキャッキャッとはしゃいでた。ほなマストロヤンニはN・Mか?しっかしソフィア美姫は顔の造作がマイッタナァ…と思うくらい似てる。とはいえ終戦後のイタリアで貧困から抜けて娼婦に堕しても力強い女の一生を17歳から50歳まで演じ分けてダメ男(マストロヤンニ)を圧倒したソフィア・ローレンの演技力にはかなわんやろけど…。

BOOK
吉野俊幸『野鳥』(山と渓谷社)
吉野俊幸『野鳥』(山と渓谷社)
DVD
『昨日・今日・明日』
『昨日・今日・明日』

4月16日(金)
朝佐吉と散歩。雨模様だったので手にしていた傘でかっらぽと思しき木(胡桃の木と判明)をつつく。反応なし。そこで茂爺(しげじい)がドアフォンを押すように(吉本に親しんでいる関西人にはすぐわかるギャグです)何回もコンコンコンコンコン…と傘の先で胡桃の幹を突くとナント!ナント!丸い穴から小さな鳥(雀くらいの大きさ)が飛び出てきたのでありまっす!俺は大興奮。一緒に散歩に出た次女も大興奮。さらに近所を一回りして帰ってくると丸い巣穴から顔を出していた。そしてジッと見てると突然飛び出した!その飛び方が波長の長いサインカーヴのように上下しながら飛翔。それを波状飛行というらしい。そして林に消えて啼き声が「ギイ!」と聞こえた。鳥の正体がわかった!昨日ヤマケイポケットガイド『野鳥』の啄木鳥の欄を熟読していたのだ。これは間違いなく小啄木鳥(コゲラと読みます)である!感激!バードウォッチングの醍醐味とまではいかないが面白さの入口を味わう。「ケッ」と一声啼く赤啄木鳥(アカゲラ)にも出逢いたいなぁ。しかし我が家の近くは野鳥が多いで。ホウ・ホケキョとハッキリ啼く鶯もおる。法・法華経ときちんと聞こえる。我が家から少し離れた林のなかの鶯はフウ・フケッキョキョと啼き方が下手。栗鼠ウォッチングもオモロイけど野鳥も注目すればオモロイもんや。

4月16日(金)つづき
コゲラ・ウォッチングに大満足したあとブワーッと仕事。うわっ。5月下旬に財界展望社から発売予定の『続スポーツ解体新書』(タイトル決定!)の表紙案が送られてきた。なかなか面白い。単行本が出版されるというのは常に嬉しいもんやけど新書以外の単行本は音楽書と翻訳書とオムニバスを除くスポーツ書としては久しぶり。あっ。ホンマに03年の『スポーツ解体新書』(日本放送出版・06年に文庫化=朝日文庫)以来や。ということは『続スポーツ解体新書』で間違いないんやな。ホナ『新スポーツ解体新書』とか『またスポーツ解体新書』とか團伊久磨さんの『パイプのけむり』みたいに続けてみとうもなるけど新書全盛で電子出版に以降する時代には無理やな。『続スポーツ解体新書』の区切りがついたら『スポーツジャーナリズム入門』と『グスタフ・マーラーの交響曲』にとりかかろ。午後から渋谷へ。NHKで関東甲信越地方放送番組審議会出席。関東独自の番組に方言の力がないという問題提起のあと『パッチ・アダムス』のモデルのハンター・アダムスのドキュメンタリーを誉め『大仏開眼』の感想言うて『スポーツ大陸』の松井秀喜のドキュメンタリーのナレーションの声が暗く重すぎたことに少々苦言を呈して会議後の懇談。いろんな話題を楽しめて満足。会議後サントリーホールへ。東フィルのアメリカ音楽コンサートを聴くつもりやったのが突然仕事が入ったことを詫びて隣の全日空ホテルの一室へ。ちょっと秘密の打合せ(笑)を終えたあとサントリーホールへ戻れば広上淳一の指揮でバーンスタインの『交響曲1番エレミア』を聴けるかとも思たけど疲れたので帰宅。軽い晩飯での映画劇場は昨晩に続いてヴィットリオ・デ・シーカ監督。安藤美姫とニコライ…じゃなかったソフィア・ローレンとマストロヤンニの『昨日・今日・明日』。デ・シーカにイタリアの庶民を描かせたらサイコーやな。

4月17日(土)
朝朋友のSが自邸の梅をでつくった5年ものの梅酒を届けてくれる。まさか一昨日本欄にネイティヴ並みの英語力を誉めたお返しでもあるまいに(笑)ありがたいこっちゃ。夜久しぶりにイッパイの席を約束。その夜めざしてブワアーッと仕事整理。校正各種。来週の音楽講座準備etc。夕方6時から『213』へ。久しぶりの生ビール旨い!ワイン1本Sと分け合い野菜ステーキや肉のタタキで盛りあがる。話題は遺産相続不動産整理親族交渉感情処理税金問題血圧問題健康管理…お互いに歳とると話題が変わってくるなぁ(笑)。しかしお互い真面目やなぁ。外見的にはそうは見えんけど(爆)。若いときは朝まで飲んだもんやけど今は2時間少々で十二分に満足して帰宅。Sが返してくれたDVDのなかに『マーズ・アタック』を発見。次女が見てないというので見る。ひょっとしてコレはティム・バートンの最高傑作かと一瞬思ってしまうほどオモロイ。ジャック・ニコルソン米大統領怪名演。けどまぁ最高傑作は『ビッグ・フィッシュ』ですよね。あ。『アリス』見に行かねば。

4月18日(日)
朝コゲラ・ウォッチングを兼ねて佐吉と散歩。残念ながら穴から鳥は顔を出さず。すると4本ほど隣の木の幹に虫の大群というか半径15pくらいの場所に変な虫がウジョウジョかたまっている。羽根が丸く甲羅のようで周囲に白黒の斑点。おそらく亀虫の一種(椿象とも書くらしい)。しかし真ん中にひときわ鮮やかな真っ赤な一匹が女王亀虫のように鎮座してる。意味不明。50匹ぐらいの亀虫と思しき虫が固まってピクリとも動かないので小枝で突いてやるとノソノソと動く。女王亀虫ものそっと動いた。気色悪い。けど亀虫ウォッチングもなかなかオモロイもんです。日曜やというのに仕事。東京と名古屋でのミュージカル講座の準備。夜は鎌倉芸術館で行われた松尾たかし鎌倉市長の市政報告会へ。平井竜一逗子市長も来ててなかなか面白かった。為政者(政治家)として選ぶべき人物像が明確にわかった。1)政治家を目指していないこと。2)経済に通じていること。3)過去の政治と断絶していること(断絶できること)。地方政治も国政もこの3点やね。その意味で鳩山―小沢は…?山田― 中田は…?

4月19日(月)
新幹線で大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。先週出演のときメチャメチャ美味い桜のケーキを誕生日祝いにもらったのでお返しに豊島屋の鳩サブレーを持って行く。とケイタリングの女の子が最近鎌倉に来たとかで鳩サブレーの携帯ストラップを持っとった。なかなかチャーミングで何でもショーバイになるもんやなぁと感心。そういや江ノ電ストラップもあるなぁ。そうか。大阪府知事も新党か。府と市の利権争いか。どっちがエエかは火を見るよりも明らか…で将来はヤッパリ道州制やと思うけどなぁ。往復の新幹線で村上春樹の『1Q84 BOOK3』読み始めると《老人はそう言うと、口を開けずにコゲラのように笑った》という表現があった。俺は最近コゲラとの付き合いがあるから知ってるけどコゲラが「ギィ」と一声啼くことをどれだけの人が知ってるかな?こういう表現は文学的にどういう意味を持ってるのかなぁ?ちなみにコゲラは漢字で小啄木鳥と書くけど(ちなみに小啄木鳥はATOKでは変換できますがMicrosoftではできません)3文字3母音の発音に漢字4文字というのは珍しい。ほかにあるかな?帰宅後ヨメハンと脳出血卒倒一周年記念パーティ。そうです。脳卒中で倒れたのは去年の今日の穏やかな日曜日の朝のことでした。早いもんやね。まだチョット右手と右脚がひっかかるけど誰にも気づかれんくらいに回復してビールもワインも飲んどるんやからヨシとしょう。皆さん御心配をかけて申し訳ありませんでした。また数々の御支援ありがとうございました。感謝。

BOOK
村上春樹『1Q84』(新潮社)
村上春樹『1Q84』(新潮社)
岡本和明『昭和の爆笑王 三遊亭歌笑』(新潮社)
岡本和明『昭和の爆笑王 三遊亭歌笑』(新潮社)
広瀬一郎『「尊重」と「覚悟」を育むスポーツマンシップ立国論 日本に求められる人材育成戦略』(小学館)
広瀬一郎『「尊重」と「覚悟」を育むスポーツマンシップ立国論 日本に求められる人材育成戦略』(小学館)

4月20日(火)
短い原稿1本書いて送って木曜のオペレッタ講座と土曜のミュージカル講座の準備。今日予定していた仕事の打合せが飛んだからゆっくりできるかと思てたけど甘かったな。仕事はウジャウジャ湧いてくる。近所の桜の木にいる変な亀虫の集団のように。小学館から広瀬一郎さんの本が送られてくる。『尊重と覚悟を育むスポーツマンシップ立国論〜日本に求められる人材育成戦略』。気持ちはわかるけど長いタイトルやなぁ。まぁまだスポーツもスポーツマンシップも根を下ろしてへんからシャーナイか。広瀬さんはスポーツマンシップ論一筋で頑張ってほしい。もう一冊新潮社から送られてきたのは『昭和の爆笑王 三遊亭歌笑』。本を手に取って歌笑?帯に「珍顔で戦中〜戦後の落語界を席捲。33歳で進駐軍の車に轢かれて即死。初めて描かれるその全生涯!」とある。著者の岡本和明氏は桃中軒雲右衛門の孫とあり志ん生や志ん朝の本を仰山出してる人物。これは絶対読まねば。しかし読む本仰山あるしなぁ…。『1Q84』なんて娯楽本を読んでる場合やないで…。夜NHK-hiの時空ナンタラちゅう番組で映画『大脱走』の元ネタになった史実をやってた。おもろかったのでそのまま晩飯TV劇場。そうか。大脱走は文明国同士の戦争の捕虜取扱から生まれたかいきょちゅうわけか。しかしコノ番組はスタジオ・トークはいらんな。以前見たときも思たけど再現ドキュメンタリーだけで十分やで。

ANIMAL
ヨコヅナサシガメ
『ヨコヅナサシガメ』
BOOK
今森光彦『野山の昆虫』(山と渓谷社)
今森光彦『野山の昆虫』(山と渓谷社)
テッド・Y・フルモト『バンクーバー朝日軍』(東峰書房)
テッド・Y・フルモト『バンクーバー朝日軍』(東峰書房)
後藤紀夫『バンクーバー朝日物語』(岩波書店)
後藤紀夫『バンクーバー朝日物語』(岩波書店)
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)
加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(朝日出版社)
DVD
『大脱走』
『大脱走』

4月21日(水)
朝佐吉と散歩のあと七里ヶ浜近くの去年入院した病院へ。脳卒中一周年記念の検診。回復が100%ではないことを主治医の先生に訴える。少し歩くと右脚太腿がすぐ重くなる。右手中指も少し重たく字を早く書けない。以前は2晩くらい平気だった徹夜ができなくなりすぐ眠くなる。集中力が2時間くらいしか保てず一日一冊読めてた本に3〜4日かかる…等々訴えると主治医の先生は「漢方でいう身体の実と虚」の話をして下さる。かなり「実」の強かった人間が血圧低下や年齢的な要素も働いて「虚」の要素を持つようになった。回復を目指すのもいいけど「虚」にも慣れなければ…という話。なるほど。「虚」という言葉は嫌いやないですからね。まぁゆっくりいきまひょ。あとは明後日の金聖響指揮神奈フィルのマーラー交響曲3番の演奏会についての話。聖響さんのマーラーは期待してる人多いで。帰りに島森書店。註文してた本が入ってた。加藤陽子『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』朝日出版社。この前朋友のSから薦められた本。なるほどオモロそうな日本の近現代史や。テッド・Y・フルモト『バンクーバー朝日軍』東峰書房/後藤紀夫『バンクーバー朝日物語』岩波書店。『日系カナダ人の誇りといわれた野球チームの誕生・栄光・消滅そして「復活」まで』と後者の帯にある。チョット仕事の関係で読まねば。時間がなんぼあっても足りんなぁ。あ。 『ヤマケイポケットガイドI今森光彦・野山の昆虫』も来てたので早速近所の桜の木にうじゃうじゃ群れていた少々気色悪い虫を調べる。あったあ!

4月21日(水)つづき
近所の桜の木の幹にうじゃうじゃと湧き出すように蝟集していた昆虫はヨコヅナサシガメ(横綱刺亀)でした。半翅目(亀虫目)サシガメ科。真っ黒の背羽根の周囲に白い斑点の虫に混じってた鮮やかな真っ赤の虫は羽化したばかりの成虫らしい。インド中国東南アジアに棲む帰化種だとか。木の幹の窪みなどに集団で越冬とある。たしかに幹の穴から湧き出すように群れてる。暖こなって啓蟄で出てきたんやろ。いろいろ調べてみたら昭和初期に貨物に紛れて九州に入ってきて京都奈良へと生息域を広げたものが 1990年代に入って関東でも見られるようにようになったという。ウチの近所のヨコヅナサシガメは新しく生息域を開拓してきた種族なのだ。サシガメ(刺椿象・刺亀虫)という言葉は広辞苑にも載ってる。昆虫ちゅうのは単に当節流行の「クイズ的牛のケツ的頭の良さ」でなくホンマモンの「知識と教養」に発展しそうな面白さがありそうやな。あ。「牛のケツ」とはモウの尻で「物知り」のことです。午後はぶわああーっと仕事。晩飯映画劇場は昨晩NHKに刺激されたので『大脱走』。隅から隅まで知ってるつもりの映画やったけど何度見ても面白い。どんな深刻な状況でもSporting Elementsは大切ですね。

CD
パトリシア・プティボン『ロッソ〜イタリア・バロック・アリア集』
パトリシア・プティボン『ロッソ〜イタリア・バロック・アリア集』
『主よ、人の望みの喜びよ〜マイヤー・プレイズ・バッハ』
『主よ、人の望みの喜びよ〜マイヤー・プレイズ・バッハ』
『モーツァルト:フルート協奏曲集/高木綾子』
『モーツァルト:フルート協奏曲集/高木綾子』

4月22日(木)
朝佐吉と散歩のあと少々ゆとりを持って仕事。昨日の主治医の先生の忠告早速実践。原稿書いてるバックの音楽もベートーヴェンとかマーラーは避けてアルブレヒト・マイヤーのオーボエ独奏と指揮によるバッハなんかかけちゃって。とはいえコノ『マイヤー・プレイズ・バッハ』はかなりの鮮やかバロックで気持ちいい。もっと素晴らしいバロックはパトリシア・プティボンの『イタリア・バロック・アリア集』。これまた古き良きではない斬新鮮烈なバロック音楽。ヴィヴァルディに『オリンピア競技会』なんてオペラがあったのは知らなんだ。何度も音楽事典で調べた作曲家だから知らないわけがないのに…と思いながら調べ直してみると作品欄に『オリンピアス1734初演』とあった。これがオリンピックとは気付かんでぇ。けど全曲盤あったら聴いてみたいなぁ。高木綾子のフルート独奏によるモーツァルトの協奏曲集もエエなぁ。バックは金聖響とOEK(オーケストラ・アンサンブル金沢)。こういうの聴きながら仕事は…原稿書けんかったけど締切まだやしマァええわぁ。午後から東京青山へ。NHK-JAL文化講座。オッフェンバックのオペレッタ『盗賊』『パリの生活』『美しきエレーヌ』『天国と地獄』を聴きまくり見まくり。帰りの東海道グリーン車に乗ってビール飲みながら『1Q84』読んでたら通路を挟んで横の席に座ってた 40歳前後のサラリーマンも明らかに同じ本を読んでたので「わても一応読みかけたし読み続けてまっけどコノ本ほんまにオモロイと思わはりまっか?」と話しかけとなったけど止めとく。あと半分。早よ読み切らんと仕事にならんで。帰宅後晩飯映画劇場はジョン・ウェインの『グリーン・ベレー』。高校時代に公開されたときから国防省に後押しされたヴェトナム戦争礼賛のヒドイ映画やと勝手に思い込んでいたのでイッペン見とかなと思て見始めたけどあまりのひどさに途中で止める。どう見てもヴェトナムとは思えん土地だけでもペケやで。

CD
『マーラー:交響曲第3番』ブーレーズ指揮ウィーン・フィル
『マーラー:交響曲第3番』ブーレーズ指揮ウィーン・フィル

4月23日(金)
朝佐吉と散歩して何かバタバタ仕事して昼飯に饂飩食って午後もバタバタ仕事して一息ついて夕方横浜みなとみらいホールへ。金聖響指揮神奈川フィルのマーラー・チクルス第1回は『交響曲第3番』。このギネス級超大作を最初に持ってきた意気込みはナカナカ。『交響曲第2番復活』がベートーヴェンの9番に続く10番と言われてることを考えると3番は「交響曲の終わりの始まり」の作品。聖響さんの指揮で聴きながら「崩壊の序章」を感じる。19世紀欧州の100年間かけて築かれた音楽を見事に「殺した」マーラーに拍手!いやぁ聖響も神奈フィルもソレに神奈川フィル合唱団も小田原少年少女合唱隊もソプラノの波田野睦美さんも大熱演。それが感動のひとときだったことは終演後の聴衆の拍手や火照った顔でよくわかりました。しっかしコノ交響曲の第1楽章はホンマに夢の世界やな。フロイト分析の夢の音楽やな。ほんで目覚めたらニーチェのツァラトゥストラで深い深い世界の苦悩とそれより深い人間の快楽か。そこで神を愛せよと言われた人間は…。ホンマに凄い音楽やなぁ…と思いながら新幹線の終電に乗り遅れないよう大急ぎで新横浜へ。そして名古屋へ。

4月24日(土)
朝東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。4月から新しいスタジオ&新しいセット。キイワードを多用する一週間のニュースにコメンテイターも協力。小生のキイワードは「必要は発明の後」。テーマは3Dテレビ。峰竜太さんが小生も既に原稿に書いていた女子プロ野球を取材レポート。プロ球界もこういう動きにカネで援助せんとアカンで。ホテルへ戻って一休みしたあと栄中日文化センターへ。講師控室で講座を終えた高野孟さんと久しぶりに歓談。山下洋輔サンの事務所に届いた幻の(詐欺の?)ワールド・カップ開会式1億円出演オファーの話で盛りあがったあと佐渡裕の『キャンディード』鑑賞会の打合せをしてミュージカル講座第1回。モーツァルトやロッシーニのオペラ・ブッファからオペレッタへの流れを解説してビデオと音楽を楽しむ。往復の新幹線で『1Q84』。文学の娯楽以外の価値を計りかねるなかでようやく半分。早よ読み切らんと仕事にならんで。トホホ。一昨日途中で止めた『グリーンベレー』の最後だけでも見ておかねばと思い途中から再生。見いひんかったらよかった。これほど最低の映画も他にない。B級の面白さもC級を批判する愉しさもD級を馬鹿にする気も起こらない。ヴェトナム戦争時のアメリカ国歌体制派の無能さを再認識。それにしてもヒドイ映画。

ANIMAL
小啄木鳥(こげら)の巣
『小啄木鳥(コゲラ)の巣』
DVD
『ワルキューレ』
『ワルキューレ』
『ビートルジュース』
『ビートルジュース』

4月25日(日)
朝佐吉と散歩。小啄木鳥の巣がある胡桃の木の下で「ギィ」と啼き真似をしてみせると丸い穴から小啄木鳥が可愛い顔を覗かせた。何度か幹を叩いたので飛んで逃げていなくなっていたかと思っていたがなかなかウイ奴じゃ。この「ギィ」という啼き声はイタリア語の発音の「gli」に似てる。「アリオAglio(ニンニク)」と言うときの「リィgli」に近いように思う。小啄木鳥は元々イタリア出身の帰化鳥かもしれない(そんな阿呆な!)。娘は「bee」に聞こえるという。蜜蜂を食うのかなぁ?韓国人の名前の「李」を片仮名では「イ」英語では「Lee」と書くようなものか?小啄木鳥自身に発音を訊いてみたいな。しっかし近所隣の木に群れる帰化虫の横綱刺亀は可愛い気がない。朝からCSのスターチャンネルで『ビートルジュース』をやっていたので見てしまう。ティム・バートンは幽霊が好きやな。しっかし画像が綺麗。色が綺麗。1時間半のちょうどいい長さでおもろかった。午後からW杯が近づいたのでいろいろ資料調べと資料整理。明日締切の原稿にも使ううえにこれから2か月必要になると思われる資料をピックアップ。夜もCSスターチャンネルで『ワルキューレ』。ドイツ人には絶対に見えへんトム・クルーズ主演の史実に基づくヒトラー暗殺計画映画。全然期待せんかった割には面白かった。ハリウッド映画教室のノウハウだけでもここまで見るに堪える商品映画は創れるということか。『グリーンベレー』大失敗の理由こそ冗談抜きで分析する価値がありそう。

DVD
『アバター』
『アバター』

4月26日(月)
朝6時に起きると同時に原稿書き。佐吉と散歩パスして本日午前中締切原稿書く。今年最初のW杯関連。人類700万年の故郷アフリカで人類最古の文明メソポタミアに生まれたフットボールのワールドカップという人類の祭典が開催される文化的意義を中心に書く。ちょっとオーバーかな。時計を見ると10時前。マァ短い原稿とはいえこんなもんやね。昼前から仕事休みやという娘二人とヨメハンと一緒に銀行へ。ヨメハンは振り込みやら記帳やらいろいろ仕事。俺は1円玉5円玉が缶に満杯になったので入金…と思たところが銀行は人でいっぱい。なんでやねん。あ。給料日か。行列のATMで1円玉と5円玉を100〜200円ずつ入金してたらサスガに気が引けて中止。また今度にしよ。NHK教育TVからオモロそうな柔道番組の仕事が入ったので勉強しなおすつもりで島森書店に武道の本3冊註文したあとレンタルDVDショップへ。大船にもTSUTAYAがオープンしたので様子見。昔の蔦屋は京伝や歌麿や写楽を育てたけど現代のTSUTAYA は…育てはせんのやな。買い物に付き合ったあと帰宅後仕事の整理。晩飯映画劇場はレンタルしたばかりの『アバター』。もちろん3Dやないけど…サイテーの映画。語るに落ちる無内容。アジャパー。出来損ないのSFに宮崎駿をくっつけただけ。ようもこんな駄作にメディアは騒いだな。ジェームズ・キャメロンは『エイリアン2』やら『ターミネーター』のときはオモロかったけど『タイタニック』からサイテー。原爆の映画なんか創れるんかいな。

4月27日(火)
朝佐吉と散歩。小啄木鳥は姿を見せず横綱刺亀はじっとしてウジャウジャ。『1Q84』読み切ってしまわないと仕事にならんとスピードアップ。《小説自体は面白くはあるし、文章は読みやすく端正であり、部分的には心を惹かれもする。しかし結局のところ罪のないただの幻想小説ではないか、彼はそう思った》なんて記述があった。これは冗談?本音?自虐?批評の先取り?作家の言い訳?馬鹿馬鹿しくなってきたので読了しないまま今夜の仕事の準備。夜『鮨処もり山』へ。ちょっとした手違いがあって編集者は来れなくなったけど坂井保之さんと対談。本題のプロ野球の話もメチャメチャ面白かった。けどソレ以外の話も。「アバター御覧になりました?」「見なくてもわかるよ。昔シネラマという映写機3台で超ワイド画面の映画が騒がれたけど中味ゼロだったから。同じですよ」「私も見ました。西部開拓史。サイテーでした。『1Q84』はbook1と2を読まれましたよね。3は?」「そんな暇人じゃないよ」ギャフン。

4月28日(水)
朝ラジオ1本。女子プロ野球誕生について。プロ野球が知らん顔してたらアカンという話。凄い雨。神奈川県は大雨洪水警報。そのなか佐吉と散歩。帰ってきて風雨が窓を叩きつけるなか『1Q84』読了。最後から2頁目の601頁に誤植発見!《青豆は月を眺めがら下腹部にそっと手を…》というのは明らかに《青豆は月を眺めながら下腹部に…》ですね。それだけ。『アバター』よりはちょっとマシかな。さぁ仕事仕事。

4月28日(水)つづき
いろいろ仕事処理して晩飯映画劇場は『おっぱいバレー』。なんでコノ映画を見る気になったかというとドコかのTV局のダレかが「意外とイイ映画だったねえ」と言うてるのを耳にしたから。そやから見たんやけどマァいいんじゃないですか。中学生が見るのには。教育的な面もありましたしね。しかしスポーツはこんなふうにしか描けへんのかいな。モチベーションがオッパイであれナンデあれみんなスポ根モノに変わりないモンね。

CD
『Beyond Half Century 半世紀を超え』
『Beyond Half Century 半世紀を超え』
『エンカのチカラ SONG IS LOVE80's-90's』
『エンカのチカラ SONG IS LOVE80's-90's』

4月29日(木)
朝佐吉との散歩のとき胡桃の木の巣穴の下で「GLI」と声を出しても小啄木鳥は顔を出さず。ウルサイ奴っちゃなぁとと思われ始めたのか。静かな昭和の日。午後から渋谷のNHKへ。FMの10時間番組!『戦後歌謡三昧』の3〜4時ゲスト出演。歌謡曲のカヴァー・ヴァージョンについて思いっきり喋って大好きなカヴァー曲をリクエスト。ちあきなおみの『東京の花売り娘』雪村いづみの『胸の振り子』ゴスペラーズの『銀座カンカン娘』関ジャニ ∞の『買い物ブギ』五木ひろしの『TSUNAMI』八代亜紀の『リバーサイドホテル』…。時間の関係で前川清の『君の瞳は10000ボルト』と都はるみの『シクラメンのかほり』を流せへんかったんは残念やったけど司会の立川志らくさん選曲のエノケン(榎本健一)の『伊達男』を藤山一郎のカヴァーで聴かせてもらったのはサイコー。「お〜れ〜は村中でいちばん…」という歌を完璧な歌唱で歌う藤山一郎ヴァージョンも見事なモノ。さすがは「ハートで歌うという歌手がいる。それは技術がないからだ」と言い切った人ならではの歌い方。この藤山一郎の言葉はモノカキとしての小生の座右の銘でもあります。ほかに聴取者からのリクエストで宇崎竜童の『夜霧のブルース』もシブかったけど小生がゲストやというのでオープニングに用意してくれた五月みどりのプッチーニ『私のお父さん』にはマイッタ。オール・イタリア語歌唱。こんなCDがあるノン知らんかった。驚嘆。おまけに『トスカ』の『歌に生き恋に生き』や『宵待草』や『アメージンググレイス』も入ってる。「お暇なら来てよね」の五月みどりが凄い!とさんざん自分で番組を楽しんだあと青山の『十二段屋』へ。4月中(つまり明日)で店を閉めるそうで御挨拶。電器屋の親父が京都祇園の『十二段屋』に出入りしてたとき以来のお付き合い。本店の旦那はウチで初めてカラーテレビを買うてくれた人。いろいろ歳取ると幕を閉じることに出逢うなぁ。帰宅後晩飯映画劇場は『20世紀少年』とかなんとか…。渋谷で歩き疲れたのかすぐ寝てしまう。娘どもは「もう少しましな映画見せてよ」と激怒。ムニャムニャzzzzzzz。

4月30日(金)
朝から仕事部屋大整理。明日桐蔭横浜大学研究室への引っ越しのため大学で利用すりゃ面白い資料を片っ端から袋詰め。丸一日かかってフウーッ。こういう研究室を使わせていただけるのなら昔若い(今は若くなくなったけど)スポーツライターに(彼自身はスポーツジャーナリストというとるな)与えた多くの資料を返してほしいくらいやな。何も利用しとらへんのやし…などと思いながら『ナンバー』『スポーツ・ヤァ!』『ヴァーサス』『スポルティーヴァ』なんかのバックナンバーも全部袋詰めしてたら某編集者から電話。ええーっ!そんな阿呆な!今週火曜に坂井氏との対談を録音したはずのICレコーダーにそのファイルが存在しないって?阿呆な。全部チェックしてからレコーダーを送ったのに…。まいったなぁ。マイ・パソコン開いてみたらコーユーときにかぎってバックアップを取ってへん。トホホ。昔(大病前)なら3時間の対談やインタヴューくらい録音なしで全部頭のなかに記憶したけど今は無理。まいったなぁ。どないしょー。最悪やでぇ。トホホ。眠れへんでぇ。

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