1月4日(火)
新年あけましておめでとうございます。毎年手作りの年賀状をつくっているのですが、今年は諸般の事情からつくることができず、賀状をくださった方々にはこの場でとりあえずお詫びを申しあげたいと思います。スポーツやら音楽やら非日常的な営みを日常の仕事としている小生ですが、やはり日常生活がきちんと存在して初めて成立するのが非日常の文化で、この年末年始は極私的な日常に時間を奪われてしまいました。いずれ改めて寒中見舞いでご挨拶させていただきますが、皆様、今年もよろしく。
1月4日(火)つづき
大晦日から三が日は京都の病院に入院中の母親の病室で過ごしたため、ようやくちょっと正月気分。病室では本を読むかテレビを見る以外にすることがないので、テレビをつけると勘九郎のニューヨーク公演(夏祭り浪花のナントカという歌舞伎。串田和美・演出)の再放送をやっていたので見ていると、「親殺しいい!」と叫ぶ場面でナースが病室に入ってきて目を白黒(笑)。三が日で最高のTV番組はNHK教育テレビが元旦と二日の午前中に放送した(タイトルは忘れた)恐竜時代にレポーターがタイムスリップする架空ドキュメンタリー。イギリスBBCの製作。恐竜の動きもリアルで、海獣や翼竜も生きているようで、レポーターが小さな恐竜を捕まえたり、古代の亀の背中に乗って泳いだり、巨大鮫に襲われたり・・・と、遊び心も十分。全編をゆっくり見られなかったので是非とも再放送を。
1月5日(水)
何気なく本屋で手に取った新書(三代史研究会『明治・大正・昭和史 話のたね100』文春新書)を立ち読みしてニンマリ。現在のプロ野球が誕生したときの記述に『日本のプロ野球界の癌であり続けた「読売支配」の始まりを如実に物語る挿話である』という一文があった。それがどんな『挿話』であるのかは引用が長くなるので本書をお読みいただきたいが、いまや「読売支配」が「日本プロ野球の癌であり続けた」ことは周知の事実として書かれるようになったのだ。「朝日支配」の「高校野球」も「日本野球の癌」と認知される時代も近い?
1月6日(木)
締め切り間近の原稿が書けないときはクダラナイコトが気になるもので、年末年始のTVのお笑い番組に何度も登場していた「ヒロシです」というモノローグを語る元ホストのバックに流れていたカンツォーネの題名と歌手を思い出せなかったことが気になって原稿がますます進まなくなったので、CD棚のカンツォーネのコーナーからCDを引っ張り出して次々とラジカセにかけてみたが見つからない。ボビー・ソロでもない、トニー・ダララでもない。ドメニコ・ドモーニョでもランド・フィオリーニでもない。女性が歌っているかも・・・と思ってさらに探しまくったが、ミルバもイヴァ・ザニッキもミーナもウイルマ・ゴイクもジリオラ・チンクエッティも歌ってない。あきらめかけたとき、見つけたのですよ。キング・レコード『決定版2CDカンツォーネ』のなかから。歌手はペッピーノ・ガリアルディ(こんな名前やったかな?)。歌の題名は『CHE VUOLE QUESTA MUSICA STASERA(今宵この音楽は何を望む?)』日本語の題名は『ガラスの部屋』メロディは憶えてたけど題名は記憶にない。むかし長谷川きよしが歌てたかなあ・・・?いや、伊東ゆかりやったか弘田三枝子やったか・・・?けど、まあ、とにかく謎が解けてホッと一息。しかし原稿はさらに進まず。トホホ。
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レイモンド・ラブロック映画『ガラスの部屋』より |
1月7日(金)
ちちんぷいぷい出演のため大阪へ。ダチョウのステーキやユッケがなかなか美味だった。その前に母を見舞いに京都の病院に寄ると姉がいて「ヒロシ」のバックのカンツォーネ『ガラスの部屋』の話をすると「同じ題名の映画があった」という。深夜帰宅すると本欄の読者から同じ指摘のメールが届いていて調べてみるとレイモンド・ラブロック(懐かしい!)主演の映画の主題歌だった。それにしてもカンツォーネは素晴らしい。ヴェルディ、プッチーニの伝統を受け継いだドラマチックな歌の数々。かつてはグラミー賞なんかよりもサンレモ音楽祭のほうが日本でも有名で、伊東ゆかりが振袖姿で「ブラッチャミ〜!」とサンレモで歌ったことは大ニュースにもなった。イタリア語の発音は日本語とも合致し、筒美京平などもカンツォーネ的な歌謡曲を数多くヒットさせた。なかでも、なかにし礼作詞・宮川泰作曲の『愛のフィナーレ』は絶品で、ミルバも歌った。が、ロック・ミュージックの文化帝国主義的拡大にイタリア語の発音がついていけず、リトル・トニー(なんというアメリカに迎合した名前!)の『2万4千回のキッス』あたりからカンツォーネは衰退。以前グッチ裕三さんにインタビューしたとき、同行した30歳の美人編集者がカンツォーネを「知らない」と言ったので二人で仰天し、「こんな素晴らしい歌の数々を知らないのは許せない」と本気で怒ったことがあった。そういえば飯星恵子さんと話したときも、カンツォーネのヒット曲を「知らない」といっていた。歴史は断絶するものなのか?だから「ヒロシ」が新鮮に響くのか?「世の中に新しきものなし。新しきものは忘却されしものなり」とはユダヤの王ソロモンの言葉だが、青木さやかあたりが「女性版ヒロシ」をやるときはイヴァ・ザニッキの『心遙かに(TESTARDA IO)』なんかを使ってほしいなぁ。
1月8日(土)
昔話はあまり好きではない。なのに書いてしまったのはカンツォーネは昔も今も素晴らしいから。現在のカンツォーネのお奨めはルチオ・ダルラの『カルーソー』。この曲はミルバやパヴァロッティも歌ってるが、フランスW杯パリ・エッフェル塔前広場での三大テナー・コンサートでパヴァロッティがこの曲を歌ったときの映像には客席にいるタキシード姿の小生が映っています(笑)。隣のイヴニング・ドレスの美女は女優の賀来千賀子さん。美女と野獣です(爆)。
1月8日(土)つづき
今年初めて鮨処「もり山」へ。これも原稿が書けないから(笑)。ひょんなことから禁煙の話に。「もり山」の主人は禁煙して20日とか。おれは「人前禁煙」3日。ロングピースをピースライトに変えたので、こんなヤワでカッコワルイ煙草は人前で吸えないから(笑)。家へ帰ってピースライトを一服。美味い!(爆)
1月9日(日)
第2期スポーツジャーナリスト実践塾講座。エトスとパトスとタナトスとエロス、そしてロゴスの話をしてから原稿のチェックと企画会議。難しいことやってまっしゃろ(笑)。帰宅してテレビで大鼓の大倉正之助のドキュメンタリーを見る。相変わらずエネルギッシュな活躍ぶり。能管の一噌幸弘も出ていた。ご両人ともご無沙汰。万之丞のことを思い出すのはつらいけど、また足を運ぶことにしよう。
1月9日(日)つづき
本HPを製作してくださってるYさんの努力の結果「Faq-ing FAQ」と題したQ&Aコーナーを新設することができました。これまで多くの読者の皆さんからの質問や問い合わせに答えることができず心苦しかったのですが(なかには阿呆かとほったらかしたくなる質問もありましたが・笑)これでようやく双方向交流が可能になりました。とりあえずは昨年10月頃から気になっていた「過去の質問」に対する小生の「回答」や「返事」を可能な限り掲載し、ナントカ早くアップ・トゥ・デートに持ち込みたいと思います。今後とも御贔屓に(但し、クダラン質問やメールは容赦なくボツですので悪しからず)。
1月10日(月)
『スーパー・モーニング』出演のためテレビ朝日へ。角さんと一緒に「今季の楽天」と「昨年来のプロ野球騒動の未来」を語る。「読売支配のプロ野球と朝日支配の高校野球といったメディアによる日本野球の支配は去年のストでも何も変わってないわけで・・・」と発言。一瞬スタジオにいた人々の間に緊張の走るのがわかった(笑)。が、コレをはっきり口にするのが小生の今年のテーマ。「スポーツは文化」と言い続けて20年。「スポーツクラブの基本は地域密着」と言い続けて10年余。その言葉を多くの人が口にするようになった現在(まだ実態は遠いが)、次のステップに進まないと・・・。テレビの仕事がなくなったら単行本に専念しよう(爆)。
1月10日(月)つづき
原稿書かなアカンのに鹿実対市船の決勝を見てしまった。アナウンサーが喋りまくるウルサイ声を除けば最高のゲーム。日テレは高校サッカーをなんとか存続させたいらしい。地域ミ会のスポーツクラブの発展を推進する方が社会にとっても教育にとっても素晴らしいのは明々白々やのに・・・。アナウンサーが高校サッカーを賛美するクソ理屈を並べ立てるたびに「せまじきものは宮仕え」という歌舞伎(寺子屋)の台詞を思い出してしまった。
1月11日(火)
スカパーのスポーツチャンネルでWWE(プロレス)の「イラク興行」を少しばかり見る。予想通りの唾棄すべきスポーツ・イベント。いま「スポーツの政治利用」は北朝鮮よりもアメリカのほうがまさっているかもしれない。
1月12日(水)
NHK教育TV朝10時半『ピタゴラスイッチ』を見たぞ!偶然でなく新聞で調べて15分間全部見たぞ!もう最高!犬のTVジョンも、アニメ『フレーミイ』の「スポッティ」(四角いフレームだけで描いた犬のアニメ)も、『お父さんスイッチ おじいさんも可』も、もちろん『アルゴリズムこうしん忍者編』も最高の面白さ!絶対見るべし!わけがわからんという人は一度是非ともご覧になってください。小生はNHKの回し者ではありませんが、『ピタゴラスイッチ』サイコーやで。
1月12日(水)つづき
都内の某ホテルで萩本欽一さんにインタヴュー。欽ちゃんの新球団ゴールデンゴールズについて訊く。メッチャオモシロイ話の連続。何しろ「アマチュア規則」だの「プロのしがらみ」だのといったものとは無縁の人物。野球はみんなで楽しく面白く・・・という基本中の基本をナチュラルに実行すれば「改革」だの「変革」だのと叫ぶ以上の「革命的出来事」になる可能性もある。コント55号がそうだったように・・・。がんばれ!欽ちゃん!
1月13日(木)
母親の容態が限界との電話が入り急遽京都へ。午後11時44分逝去。享年83。親父の命日が6年前の12月13日。1歳半で亡くなった長姉の命日が11月13日。だから・・・と思っていたらその通りになった。穏やかな顔、静かに見とることができてよかった。深夜、遺体とともに祇園の家へ。
1月14日(金)
大椿山六道珍皇寺の和尚に枕経をあげてもらう。様々な想いが脳裏を過ぎるなかで葬儀その他の打ち合わせ。故人の希望通りこぢんまりと。
1月15日(土)
通夜。個人的にはほとんどお付き合いがなかった祇園の町内会の人たちに助けられる。コミュニティとはありがたいものだ。
1月16日(日)
朝から本葬。珍皇寺の和尚のお経はいつも見事。しかも今回はお弟子さん(息子さん)との二重唱。参列者への挨拶で不覚にも落涙。働くのが好きで働いてばかりの母親だった。もっと遊ばせてやりたかった。せめて去年の顔見世を見せてやりたかった。合掌。山下洋輔さんのニューイヤー・コンサート『ジャズマン忠臣蔵』に行けなかった。せっかく力作をパンフレットに寄稿したのに・・・。ま、仕方ない。日常がきちんと存在してこそ非日常の価値もあるのだから。
1月17日(月)
京都祇園の家の掘り炬燵に入りながらもメールやインターネットをつなげられるようになり、葬儀のあとの様々な事務処理をしながら仕事の打ち合わせも可能に。これからは京都住まいも頻繁にになるかも。しかし花街のど真ん中で誘惑に負けずに仕事をするのはたいへんやろなあ(笑)。それに性格が丸くなる恐れも。『スポーツ・ヤァ!』でのおれのインタヴューを断った三木谷社長が『ナンバー』のヤワイ取材は受けた、と聞いても、まぁ、かましまへんやん、その程度のお人なんやから・・・と思ってしまうのも祇園の水のせいかもしれまへんなあ(爆)。
1月18日(火)
忌明けまでの仏事と事務処理、おまけに親父が電器屋を営んでいた頃の大得意先だった料亭『川太郎』が火事。ほんまにテンヤワンヤの一週間。『川太郎』は往年の大スターたちが利用した料亭で、森繁久弥、石原裕次郎、浅岡ルリ子、美空ひばり、勝新太郎、金田正一などが訪れ、いまも石原軍団が利用している老舗。先代の女将は作家の火野葦平と懇意で、店の名前も火野氏が名付けた。代表作『麦と兵隊』の生原稿を見せていただいたこともあり、見舞いに行くと、女将さんはさすがに肩を落としていて、裕次郎さんの遺品が数多く焼けたとか・・・。親父が工事をしたエアコンの配線図が火事の跡に出てきて、部屋の間取りを消防署に説明することができたとか・・・。祇園の自宅に戻ると、ウチの両親とも川太郎さんとも懇意にしていた呉服屋さんが線香をあげに来てくれて、裕次郎などの思い出話。川太郎で裕次郎の採寸をしたとき、脚の長さに驚いたか・・・。東京で仕事をしたり鎌倉で暮らしているときとはまったく異なる御近所付き合いの日々が続く。
1月19日(水)
RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』の電話出演を祇園の家でこなしてから大阪NHKへ。『その時歴史が動いた』のVTR撮り。プロ野球天覧試合での長嶋のサヨナラホーマーについてアナウンサーの松平さんと話す。松平さんは、その試合を後楽園球場で見たという。すごい!京都暮らしでも仕事が軌道に戻りはじめる。3月には南座で、菊五郎、菊之助、松緑、亀治郎によるスーパー歌舞伎『児雷也』もあることやし、もう、こっちで暮らすことにしょうか・・・。その場合、大阪のテレビ局からもらう交通費はどないなるんやろ?(笑)鎌倉からで計算してほしいなぁ(爆)。
1月19日(水)つづき
いまは廃業された料亭『多助』の元女将さんが線香をあげにきてくださる。母の大親友。2人でよく話し込んだり、芝居見物をしたりしたらしい。『多助』は作家の池波正太郎さんや俳優の宇野重吉さん、滝沢修さんがよく利用されていたお店。「なんで先に行ってしまわはりますねん」と写真に向かって話しかける婆さんの姿はつらかった。夜、祇園の酒肆(バー)『G』へ。小学校の同級生のママに「今年のカクテル」をつくってもらう。毎年その年の「干支」と「歌会始」にちなんだ創作カクテルをつくっているママの今年の作品は『ケージド・バード』(籠の鳥)と『ステップ・アップ・トゥ・ユー』(あなたへの歩み)。ジン・ベースでカルバドスの香りが美味しかった。祇園で暮らすと、どこで食べても、どこで飲んでも自宅へ歩いて帰ることができる。鰹出汁が美味しい四条通のそば屋の『尾張屋』、オニオン・グラタン・スープと丹波牛のステーキが絶品の先斗町の京風フランス料理『井田』、おまかせコースで出てくる料理がすべて絶品の創作フランス料理というべき祇園切り通しの『金星』・・・。こんなところで暮らしたらバチが当たりそうやで(笑)。
1月20日(木)
久しぶりに鎌倉の自宅へ。田舎やなぁ・・・とつくづく思う(笑)。
1月20日(木)つづき
郵便物の整理が大変。AVEXの封筒があったので開けると、佐渡裕指揮パリ管によるベルリオーズ『幻想交響曲』のCD。さっそく試聴。Bravo!Bravissimo!ロマンチックに美しく、見事に伸びやかな演奏。最近低迷のパリ管が佐渡の棒によって見事に蘇った。2度も聴き直して郵便物の整理が進まず(笑)。
1月21日(金)
さすがに疲れがたまったのか昼前まで爆睡。昼飯を食いながらTVを見るとNHKの『スタジオ・パーク』のゲストにジャズ・ヴァイオリニストの寺井尚子が出演。ステファン・グラッペリの大ファンで、ジャズ・ヴァイオリン大好き人間だから、一度聴いてみたいと思ってた注目のミュージシャン。まだクラシック臭が抜けきらないかな・・・。でも、素敵な演奏。ところが、途中からデュオの演奏者として出てきた中西俊博というジャズ・ヴァイオリニストに仰天。この人、凄い!ジャズに関する無知は自覚してるけど、こんな凄いジャズ・ヴァイオリニストがいるとは知らなんだ。いっぺんにファンになってしもた。
1月21日(金)つづき
コラム原稿1本書いて、郵便物の整理もそこそこに、マーティ・キーナート楽天イーグルスGM就任パーティの開かれる赤プリへ。入り口でラモスさんに会って歓談しているところへ江本孟紀さんが。そこへデーブ・スペクターが現れ、ヨネスケさんとダンカンさんと話しているところへフォークの神様杉下茂さんが。メッツでトレーナーをやっていた立花さんや長田渚さんややくみつるさんとも歓談。ほかに古葉竹識さんや江藤省三さんや中村稔さんや日ハムGMの高田さん、篠塚さんや槙原さんらとも・・・歓談&密談(笑)。それを中断してマーティに挨拶し、隣にいた楽天の三木谷社長を直撃。マーティが「信頼できるスポーツライター」と紹介してくれたあと、三木谷社長に向かって「何度もインタヴューを申し込んだのに断られてしまいました」というと、名刺を渡されながら「広報担当者も忙しかったですから、これからはこのアドレスに直接メールしてください」との返事。その言葉、シカと聞きましたからね。
1月22日(土)
横浜国際競技場のレストランcocoloへ。電動車椅子サッカーやCP(脳性麻痺)サッカーでがんばっている連中によるF・マリノス岡田監督を励ます会に出席。去年も一昨年も、この会があったからマリノスは日本一になれたのですよ。そのことを自覚している岡ちゃんはマリノス・グッズを山ほど持参して登場。ビンゴ・ゲームで小生もマリノス・カレンダーをゲット。しかし岡ちゃんだけでなく、Jリーグの監督や選手は身障者スポーツとナチュラルに仲がいい。プロ野球選手も、わざわざ「お見舞い」をするのでなく、こういう当たり前のお付き合いを大切にしてほしい。
1月22日(土)つづき
横浜から銀座へ。YAMAHAでシュトゥットガルト歌劇場の『ラインの黄金』『ジークフリート』『神々の黄昏』のDVDを買う。『ワルキューレ』は既に買っているので、これで『ニーベルングの指環』の「現代版新演出」を楽しめる。『指環』の新演出には興味が尽きない。猿之助にもやってほしいなぁ。ついでに息子の大学入学祝いにジャコ・パストリアスの『モントリオール・ライヴ』とマーカス・ミラーの『ドイツ・ライヴ』のDVDも買う。息子がエレキ・ベースに手を染めなかったら、彼らの音楽に手を出さなかっただろうけど、これが抜群に面白い。何しろジャコパスがインプロヴィゼーションでフリードリヒ・グルダのウインナ・ワルツの一節を弾いてるのだから!マーカスの遊び心も最高やで!
1月22日(土)つづき
銀座から東京駅へ。ステーションホテルでダカーポの取材(日本プロ野球を叱る!)を受けたあと、同ホテルの宴会場へ。坂井保之さん(元・西武・ダイエー代表)が上梓された『激動!ニッポンプロ野球』(生活情報センター刊)の出版記念パーティに出席。スピーチを求められたので、アウトサイダーである小生とインサイダーである坂井さんのような人物が、昨年のプロ野球再編騒動の時に「反ナベツネ」「選手会支持」で同一歩調をとれたことは本当にうれしかった、と挨拶させていただく。漫画家の水島新司さんと久しぶりに歓談。ソフトバンク・ホークスが「第2のジャイアンツ」になりそうなことを嘆いておられた。ライオンズの伊東監督とも初対面で意気投合。去年の日本シリーズは「第5戦が終わった時点で勝ったと思った。中日は山本昌とドミンゴしかいませんでしたから」といった彼は最高!やっぱり若くても、キャッチャーはスゴイ!「谷繁には満塁ホームラン打たれると思ってましたよ」なんて平然というんやから。後日、ゆっくり話を聞くことを約束してもらう。
1月22日(土)つづき
坂井さんのパーティを途中で失礼して銀座の寿司屋へ。作家の島田雅彦さんと対談。サッカーの日本代表がW杯アジア最終予選で北朝鮮と同一グループになったこと、メディアがそのことでいろいろと「報道」していることを受けて「スポーツと政治」について語り合う。詳しくは『スポーツ・ヤァ!』(2月3日発売)をお読みください。それにしても長い一日。くたびれたでぇ。
1月23日(日)
第2期スポーツ・ジャーナリスト実践塾特別講義。元中日ドラゴンズの本格派速球リリーバー与田剛さん(NHK野球評論家)を特別ゲストに迎えてスポーツ・ジャーナリストとスポーツ選手の関係について講義を聞き、質疑応答。話は、選手と監督との関係、女子野球のコーチング、身体(ケガと故障)と精神・・・等々に広がる。塾生が、こんな素晴らしい話を間近に聞けたことをどれほど喜んでくれるか・・・。
1月23日(日)つづき
家に帰ったら山下洋輔さんから『ニューイヤーコンサート・ジャズマン忠臣蔵』の記録映像が届いていた。さっそく家族全員で(といっても3人だけど)鑑賞会。スゴイ!とにかく楽しい!川嶋哲郎、梅津和時サイコー! YUKARIEのお軽も色っぽい。ワインを飲みながら大騒ぎ。
1月24日(月)
手紙の整理がまだできないまま横浜ロイヤルパーク・zテルへ。毎日新聞社主催の『神奈川21世紀の会』で講演。それを始めようとした直前、セーラー服の制服姿の女子高生が10数人どっと入場して客席の最前列を占拠。何事かと一瞬驚いたが厚木高校ダンスドリル部の女の子たちで、昨年アメリカNBAのチアリーディング・コンテストで見事優勝して『神奈川イメージアップ大賞』を受賞したのだ。おれの講演はその授賞式前のイベントでもあったのだが、まさか目の前に女子高生が並ぶとは思っていなかったので、急遽話の内容を変更。楽天とライブドアの内幕をオッサンたち相手に話すつもりだったが、スポーツの歴史に基づく現代におけるスポーツの重要性といった中味に変える。これが成功したようで、女子高生も眠らなかったし、オッサン連中も納得してくれた様子。きわどい裏話よりもオーソドックスな話のほうが面白いのだ。講演会のあと表彰式と懇親会に少し顔を出し、横浜ベイシェラトン・ホテルへ。スカイパーフェクTVの機関誌『CLUBスカパー!!』の取材を受けて帰宅。女子高生相手にサービスしたせいか、ちょいと疲れた(笑)。
1月25日(火)
プロ野球改革提言委員会へ。乙武君が超多忙で欠席。エビジョンイルの辞任でジャーナリズム関係者が欠席と、少々寂しかったが、坂井保之さんや鈴木寛さんとホームページの立ち上げ、会員の拡大、セミナー・シンポジウム開催等について有意義な話し合いができる。スポーツライター上田龍君の参加は大歓迎。もっとスポーツライターに呼びかけることにしよう。喧嘩してる場合やないし(笑)。
1月26日(水)
久しぶりに終日自宅で原稿と格闘。やっぱり原稿を書く方がエネルギーが必要で疲れるけれど、満足度と充実度のうえで(講演やテレビ出演で動きまわるよりも)格段に素晴らしいことを再確認。あたりまえのことやけど・・・。
1月26日(水)つづき
『ピタゴラスイッチ』の祇園舞妓さんとの「アルゴリズムたいそう」お見事でした(笑)。
1月27日(木)
鎌倉市芸術文化振興財団の理事会に出席。再来年度から公共施設の民間運営を促すことになり、現在鎌倉芸術館や鎌倉文学館の運営を鎌倉市から委託されている当財団も鎌倉市の公募に応募し、他の財団や民間会社と競って落札しなければならなくなる。これは素晴らしいことで横須賀芸術劇場の活動が素晴らしいのであれば、横須賀の財団に鎌倉芸術館の運営も任せればいいのだ。もちろん吉本興業に仕事を委託することもできる(応募してきたらの話だが・笑)。要するに市のつくった財団が市の職員の安閑たる天下り先ではいられなくなったわけで、だったら、おれは、どうしょうかなあ・・・。この財団の理事でいるよりも、新たな運営会社を設立して公募に応じて財団と競ってみようか・・・(爆)。
1月27日(木)つづき
墨田トリフォニーホールへ。『グルダを楽しく想い出す会』と題してのアルゲリッチのピアノ・コンサート。楽しかった!グルダの息子のパウルとリコと一緒に演奏したモーツァルトの『3台のピアノのための協奏曲』では、カデンツァ(即興)でグルダが作曲した『アリア』や『ゴロウィンの森の物語』や『パウルのために』といったメロディが現れ、思わず頬笑む。グルダの作曲した『チェロ協奏曲』(チェロ演奏はゴーティエ・カプソン)も最高の面白さでブラヴォー!を連発。モーツァルトのヴァイオリンと管弦楽のための楽曲(アダージョとロンド)も美しく(Vnのルノー・カプソンと新日フィルが好演)。アルゲリッチのソロによるモーツァルトのP協20番も見事だった。が、どうしてもグルダを想い出してしまい、ちょっと堅いかな・・・などと贅沢な文句を思い浮かべてしまった。アンコールにベートーヴェンの『トリプル・コンチェルトの終楽章』(だと思う)という贅沢なコンサートは終演が夜10時。『グルダを想い出す・・・』と題しながら結局はアルゲリッチ女王の舞台。まあ、そうでないと世界のクラシック界でピンはとれへんわなぁ(こんな言い方してええのかな・・・笑)。
1月28日(金)
昨日のアルゲリッチのコンサートのことやけど、それは素晴らしいコンサートやったけど、やっぱり、もうちょっとグルダに対するオマージュがあっても良かったんとちゃうかなあ・・・というのは年寄りの戯れ言でしょうか?NHKがVTR撮りをしていたけど、グルダのことよりもアルゲリッチをマークしていたとしたなら、寂しいなあ。過去を讃えてこそ文化でっせ。長嶋一茂が巨人の代表特別補佐とかになることとは全然意味が違うけど(笑)。
1月29日(土)
オペラ講座のため名古屋の中日新聞栄文化センターへ。イタリア音楽とオペラと題してカンツォーネとオペラの関係を語る。すなわちルネサンス期の『ジロメッタ』、モーツァルトの『ドンジョヴァンニのカンツォネッタ』、ロッシーニの『セビリャの理髪師』のリンドーロのカンツォーネ、ヴェルディの『リゴレット』のマントヴァ公爵のカンツォーネ(女心の歌)や『仮面舞踏会』のリッカルドのカンツォーネなどからナポリ民謡を経て、ボビー・ソロ、ジリオラ・チンクエッティ、そして「ヒロシです」に至るまでの歴史を語る(笑)。最後はパヴァロッティとルチオ・ダッラの『カルーソー』。ドイツ音楽を語るより楽しい。なのに、なんで日本人はイタリア・オペラよりもベートーヴェンの『第九』のほうが好きなんやろ?
1月29日(土)つづき
帰宅後、日本代表の練習試合を観戦。4−0は、まあええし、松田のゴールはうれしかったけど、欧州組はどのくらい入るんやろ?そのあとNHKスペシャルでイラクでの自衛隊の活動を見る。そうか。日本の自衛隊はアメリカの軍隊の一部になってしもたんか・・・。そのあと島田雅彦さんとの対談原稿を校正。日本代表が北朝鮮と闘う「政治的意味」とは?来週発売の『スポーツ・ヤァ!』を買ってください。
1月30日(日)
コラムを1本書いた後、ちょっと思うところあって筒美京平全集のCD8枚を聴きまくる。『ブルーライト・ヨコハマ』(いしだあゆみ)『バラ色の雲』(ヴィレッジ・シンガース)『くれないホテル』(西田佐知子)から、森高千里、裕木奈江、鈴木蘭々、内田有紀まで。通して聴くと(さすがに疲れたけど)「人生」を感じてちょっと涙ぐむ(おれも歳やな・笑)。2600曲あるという筒美京平のベストは伊東ゆかり『誰も知らない』、渚ゆう子『雨の中のブルース』、欧陽菲菲『恋の十字路』、堺正章『さらば恋人』、尾崎紀世彦『愛する人は一人』あたりかな・・・。南沙織『17歳』、麻丘めぐみ『私の彼は左きき』、太田裕美『木綿のハンカチーフ』も面白いけど、まあ、どの曲もスゴイ(『サザエさん』は別格の素晴らしさ・笑)。どの曲も過去の名曲を見事にパクッテルけど『さいはて慕情』(渚ゆう子)はモーツァルトの交響曲41番のフィナーレからのパクリかな?考え過ぎかな?(爆)ここらあたりからイタリア・カンツォーネの系譜よりも面白い日本音楽(武満・三枝も含む)の系譜(歴史)を考えてみようかな・・・。日本の音楽もスポーツと同じで「近代明治の歪み」から出発したんやし・・・。読売ジャイアンツもNHK交響楽団も(メディアの権威主義による全国制覇という意味で)おんなじようなもんやし。けど、ポップス(と和製ジャズ)だけは「歪み」をプラスに転じることができたんや・・・。日本のポップスは運動会みたいなもんかな?(意味のわからない方は拙著『スポーツとは何か』をお読みください)。ほんで、和製ポップスも運動会も、もうすぐ(残念ながら)滅びるかもしれへんのや・・・。イタリアではカンツォーネがまだ生きてるというのに・・・。
1月30日(日)つづき
Gの球団代表特別補佐に就任した長嶋一茂氏は、清武球団代表から「これまではONの遺産を食いつぶしてきた。これから新しい活動を・・・」といわれたらしい。けど、一茂氏もまた「Nの遺産」とちゃうのん?Gが「Nの最後の遺産」まで食いつぶすシーズンが、もうすぐ開幕する・・・。
1月30日(日)つづき
祝!80万ヒット突破!それが多いのか少ないのか、ようワカラン(笑)。つまりインターネットの価値が、ようワカラン(爆)。孫、三木谷、堀江の各氏はわかってるんやろなぁ・・・。
1月31日(月)
うわっ!チック・コリアが太ってる。90年代前半のグルダと共演したビデオばかり見てたので、NHKハイビジョンのモントリオール・ライヴを見て仰天。けど、まあ、もうエエ歳やしなぁ。ピアノはさすがに楽しい。『スペイン』最高。ちょっとオーソドックスすぎて連続して聴くと飽きる・・・というのは贅沢すぎますよね(笑)。
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