10月1日(土)
三島由紀夫全集第28巻評論集3を読み進む。否。読み進むと言うより偶然開けた頁を読む。「荒唐無稽」というタイトルの1本と出食わす。世の中の何もかもが《理詰め》になってしまって《西部劇ですら『シェーン』のやうな理詰めの傑作が生まれてくると私のような空想好きの映画ファンはどこの映画館に入ったらよいのか困惑する》そして新作(昭和29年当時)の『ターザン』や『キング・コング』の《道具も貧弱ならアイディアも貧弱》なことを嘆き《経費の節約が一ぺんにわかってもうかういふものに大がかりな経費をかける稚気(といはうか商売気といはうか)は廃れたように思われた》と書く。そんな三島が《最近見た映画》で《大へん感動した》のが『乱暴者(あばれもの)』だったというのも面白い《青少年の冒険慾が周囲に冒険慾を満たす環境を見出しえずやむなく平板凡庸な地方の小都市を荒らしまはるにいたる一種の無償の行為が簡潔強烈に描かれてゐた》昔見た記憶がある暴走族の映画。若きマーロン・ブランドのカッコ良さが印象に残った1953年の映画だが三島は感動はしたもののこの《ハリウッドのリアルさ》は《大人には面白いが子供には有害であらう》《もう一度映画で思ふさま荒唐無稽を味はってみたいと思ふ》と書き《ディズニー漫画の『不思議の国のアリス』の気違ひ兎と気違ひ帽子屋のパーティの場面》や《『ダンボ』の酩酊のファンタジー》を絶賛している。彼が最近のハリウッド映画を観れば何と言うだろうか?『ターミネーター』や『ネバー・エンディング・ストーリー』は評価しても『マトリックス』や『アバター』は否定するのでは…?というのは小生の趣味の押しつけかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩したあと近くの小学校へ運動会を見に行く
10月1日(土)つづき
近くの小学校の運動会はコロナ対策で午前中のみ。遠くの柵の後ろから見るのは残念だけど快晴の秋の空の下、子供たちが走るのを見るのは素晴らしい。ただし相変わらずBGMの音楽がダメ。ロック調のJポップだか何だか知らないけどゴダイゴの♪ジンギスカンなんかも鳴り響いてもっと運動会らしく…と思っていたら5年生と6年生の100m走のバックにようやくJ・シュトラウスの『トリッチトラッチ・ポルカ』やカバレフスキーの『道化師のギャロップ』やオッフェンバックの『天国と地獄(地獄のギャロップ)』やハチャトゥリアンの『剣の舞』が流れる。コレぞ運動会!と思うのは年寄りだけ?最後に5・6年生がソーラン節のニューヴァージョンを踊ったが暴走族風長半被によさこいソーランの亜流の踊りはオリジナリティに欠けるなあ…と思うのも小生が歳取った証拠か?しかしマァエエ天気で良かった。帰り道の強烈な坂道をフラフラになって登って帰宅。昼飯&昼寝のあと雑用雑務の一日。TBS『報道特集』やニューズを見ながらビール&晩メシ。アントニオ猪木氏が亡くなりましたね。餓鬼のときからのファンでコブラツイストとカール・ゴッチ出現の衝撃は強烈だったけどスポーツ平和党の誘いは断りました。最近ではゴダールが亡くなったことを書き忘れましたね。正直言って小生にはよくわからない作品ばかりを創った監督でした。部分部分は面白くても作品全体のカタルシスがないですからね。そういう時代だったのかな?世の中はどんなふうに変わっていくのでしょうねぇ…?左翼の時代から右翼の時代へ…という見方は単純すぎるのかな?しかしファシズムが歩み寄っている気配は濃厚に感じますね。
10月2日(日)
東京新聞今朝の朝刊『本音のコラム』欄の前川喜平氏の「ユウエンナルスメラミクニ」と題されたコラムはメッチャ興味深かった。安倍氏の国葬の黙祷の際に自衛隊音楽隊が演奏した楽曲は明治時代に作られた『國の鎮め』と題した軍歌。歌詞は…「國の鎮(しず)めの御社(みやしろ)と斎(いつ)き祀(まつ)らふ神霊(かむみたま)今日の祭りの賑わひを天翔りても御覧(みそなわ)せ治まる御世を護りませ」何ともアナクロだと笑ってはいられない。前川氏はこう書く。《御社とは靖国神社や護国神社のこと。これは明らかに国家神道の歌だ。国の機関が行う行事でこのような曲を演奏することは憲法20条第3項の政教分離に違反している》また天皇の使いの拝礼の際に演奏されたのは「悠遠なる皇御國(すめらみくに)」という2019年初演の新しい楽曲。《悠遠とはアマテラスオオミカミに始まる皇統の古さを表す言葉》で《皇御國》とは《神勅により代々天皇が治める国のこと》だという。《この曲名は天皇を主権の存する国民の総意に基づく日本国憲法に反している》わけだ。おまけに現平和憲法と民主憲法を護られている天皇陛下と上皇様の意志にも反しているだろう。誰がこういう楽曲を選びこういう曲名をつけるのかな?ワン。ベッドから出て秋風のなか黒兵衛と散歩のあと終日請求書書きや領収書の整理。これを雑務と言えば叱られるかな?誰に?ヨメハンに?(笑)晩飯はホークスとバファローズの2球場優勝争いを見ながら。ウワッ。バファローズの大逆転優勝!これを契機に岡本太郎が創った猛牛マークに戻してくれないかな?NHKの旧統一教会の取材番組を見たり(韓国へのカネの流れをもっと追求してほしかったですね)ヴェルディの『レクイエム』を聴いたり最後は凱旋門賞。雨のコンディションで逃げ切れなかったかな?しかしタイトルホルダーという馬名は小生は好きじゃないですね。好きな馬名はローゼンカバリーとかシーズアレイディです。
10月3日(月)
日本のスポーツの歴史を見直すにはプロ野球や大相撲などの「過去の興行スポーツ」についての知識を深めないと…と思って田岡一雄『山口組三代目田岡一雄自伝第一部電撃編』(徳間文庫)を読み始める。誤解を怖れず書けばコレがメッチャ面白い。東映任侠映画以上の迫力(こっちがリアルだから当然ですね)。広沢虎造&柳家金語楼&柳家三亀松&牧野周一&島倉千代子&江利チエミ&美空ひばりなどの芸能人と並んで玉錦&力道山&宝川&川上哲治&王貞治&ピストン堀口などのプロスポーツマンも登場。そういう時代だったのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。秋タケナワ。強い陽射しに冷たい風が心地良い。ワン。春日良一さんとの対談をキッカケにした五輪関係の単行本の企画書を書いたりしていたら某通信社から書評の依頼。『評伝モハメド・アリ』が岩波書店から出たらしい。著者のジョナサン・アイグが200人以上に取材して書いた労作らしい。これは早く読まねば。今日の『ニューズ・オプエド』はゲストがサッカー・ジャーナリストの大住良之氏と後藤健生氏。バファローズ逆転優勝&アントニオ猪木氏死去&大谷翔平1年45億円で再契約&パララグビー世界選手権&インドネシアのサッカーで大暴動&横浜マリノス優勝目前…等に触れたあと日本代表のドイツでのアメリカ戦エクアドル戦を大総括。W杯に向けてドイツには勝てそう!今日(10月)から番組の構成が少々変わって40分でいったん終わり明日の30分番組『ノーボーダー・スポーツ・プラス』を同じゲストで収録。W杯のメンバーを大住&後藤両氏に選んでもらう。二人の意見が分かれたのはGK川島と谷。そして旗手と板倉。柴崎・南野・浅野・長友は選ばれたでしょうか?興味ある方は今日6時からの『ニューズ・オプエド/ノーボーダー・スポーツ・プラス』を御覧ください。番組のあとTVKで吉本新喜劇を見ながら晩メシ&ニュースでスワローズ村上の56号ホーマー&三冠王を見る。素晴らしい!オプエドはこちらへ→https://op-ed.jp/
10月4日(火)
『田岡一雄自伝第一部電撃編』読了。『第二部迅雷編』読み進む。懐かしい昭和の芸能人が続々登場。高田浩吉・美空ひばり・三橋美智也・江利チエミ・雪村いづみ・春日八郎・近江俊郎・田端義夫それに水ノ江滝子と清川虹子と鶴田浩二が食事をしているところへ組員が鶴田浩二を襲撃する話…等々。神戸の港湾労働者の待遇改善と取り組む話も面白い。阿波踊りの描写もナカナカで男が日本手拭いで頭を覆う姿は《泥棒被り》。女は《鳥追い姿も艶やかにピンクの蹴出しを覗かせ小粋に踏まえた白足袋と黒の利休下駄とが心憎いコントラストの妙》となる。もちろん政治家代議士地方議員も続々登場し兵庫県警は山口組に《協力》を求めるシーンもある。このあたり確か宮崎学氏の『近代ヤクザ肯定論』(徳間書房)にも詳しく書かれていましたね。ワン。黒兵衛と散歩。人間の年齢なら既に80オーバーだけど毛並みの色艶も良いし元気ですね。ワン。いろいろ仕事の合間にNHK-BSが『トラ!トラ!トラ!』をやっていたので録画して昼飯時と晩飯時に観る。DVDがあったはずだが息子か娘が持っていったまま返って来ない。久し振りに山村聡の山本五十六を観るが当時の日本人は頑張っていましたね。日本の政治家は当時からダメだったみたいですね。しかしコノ映画は良くできていますね。日本側の脚本に菊島隆三や黒澤明/監督に深作欣二らが参加してましたからね。ハリウッド映画の『7イヤーズ・イン・チベット』に腹を立てたケ小平の要望に添って創られた(と某プロダクションの幹部社員が教えてくれた)ディズニー映画の『パール・ハーバー』とは大違いですね。
10月5日(水)
『田岡一雄自伝第二部迅雷編』ベッドのなかで読み続ける。ナルホド山口組三代目田岡一雄は土建業山口組や芸能プロダクション神戸芸能社の事業で社員の生活を保障したのか…そして山口組は《親睦団体》との位置づけだったという。だから上納金等は存在しなかったらしい。ふ〜ん。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。中味は大谷の18試合連続安打について。メジャー記録のジョー・デイマジオの56試合。日本記録は高橋慶彦の33試合。連続安打記録が如何に難しいかということを話す。ディマジオ3兄弟の弟ドミニクがジョーの記録に迫る34試合連続安打を続けていたとき35試合目の痛烈なセンターオーバーのライナーをキャッチして記録を阻止したのは兄のジョーだったんですね。このドラマチック満載の記録は「運」も必要ですね。イチローの記録はメジャーで27試合連続安打。しかし20試合以上を5回も記録しているのは見事で日本の二軍記録として46試合連続があると広尾晃さんがNumber webに書いてる面白い記事も紹介。黒兵衛と散歩のあと仕事をしていると共同通信社からの書評依頼で送られてきたジョナサン・アイグ『評伝モハメド・アリ アメリカでもっとも憎まれたチャンピオン』(岩波書店)が届く。ずっしりと重い一冊は600頁近い大部で各頁2段組。400字詰め原稿用紙で約1600枚。量的にも圧倒される凄さだがチョイと読み始めてすぐにコノ本の魅力に引き込まれた。『まえがき−一九六四年マイアミ』に書かれていたソニー・リストンへのヘビー級王者に初挑戦したときのアリに対するマルコムXのコメント。「彼は人を欺く。道化は賢者を真似できないが賢者は道化を演じることができる。それを人々は忘れてしまう」読み出して5頁目にこんな凄いアリに対する言葉が出てきたらモウあきまへん。読むのを止めることができなくなった。コレまでアリに関する本は10冊前後読んだけどコレは凄い。面白すぎます。一気に飛行機恐怖症を乗り越えてローマ五輪で金メダルを取るところまで読む。仕事にならん。いやコレが仕事か。軽い夕食を摂ったあと隣家へ。パリから帰国している御夫婦と一緒に御婆様の100歳誕生日を祝う。フランスやノルウェーからもお孫さんがスマホの映像でお祝いの言葉。100歳!お元気で素晴らしい!シャンパンで乾杯!
10月6日(木)
『田岡一雄自伝』の読書はいったん休止。『評伝モハメド・アリ』の大部を片時も手放さず読み続ける。面白いなんてもんじゃない凄い本。シェイクスピアは諺と格言だけで戯曲を書いたと言われたがモハメド・アリは言葉と行動だけで現代アメリカのすべてを表現している。彼は強烈な様々なメッセージ数多く発したけどメッセージ・メイカーではなく彼自身が巨大なメディアだったんですね。それをすべて描こうとしているコノ本は凄い。ワン。雨のなか黒兵衛と散歩。雲古をさせて早々に帰宅してアリの本を読み続ける。夕方から行きつけの根岸のヘアサロンへ。久し振りの散髪。長髪も悪くなかったけど来週のNHK『ザ・プロファイラー』の収録に備えてやっぱりサッパリさせたくなる。帰りに久し振りに本屋に寄るが孫が読みたいと言っていた『徒然草』と『枕草子』の子供用の本はナシ。以前は小学生用の古典が置いてあったのになくなっていた。まぁ6年生にもなれば新潮の古典集成でOKかな。水木しげるやバロン吉元の漫画もあるから…あ。水木しげるは『方丈記』だったか?晩飯映画劇場は以前長女が置いていったDVD『暗い日曜日』。この歌を聴いて自殺者が数多く出たという音楽の誕生秘話。魅力的な女性の存在&男女の興味深い三角関係&ナチスドイツのユダヤ人虐殺&それを救おうと動いたナチスの友人。ブダペストを舞台にした美しい映画で史実に基づいた作品だが少々リアリティが薄いかな?同様に少々リアリティに欠けるナチスのユダヤ人問題を扱った映画としては『ライフ・イズ・ビューティフル』のほうが好きですね。
10月7日(金)
『評伝モハメド・アリ』読み進む。ベッドのなかでも仕事場の机の上でも面白すぎて黒兵衛と散歩するときと飯を食うとき以外手放せない。これはマズイ。仕事にならない。いや。これが仕事なのだ。ふ〜ん。アリは《失読症》だったのですね。ゆっくり相当時間をかけないと文字が理解できない。そのかわり周囲の状況は視覚で一瞬に判断できる。そして反射神経は抜群。そんなアリの姿と歩みと周囲の状況がすべて書いてあるメッチャ分厚い本の曾祖父以前の家系からあっと言う間に1964年2月ソニー・リストンから世界王座を奪い取り徴兵を拒否するシーンまで読んでしまった。世界王者になるずっと前にアリは既にマルコムXやイライジャ・ムハマッドと深い交流があり我々日本人スポーツ記者がブラック・モスレムと呼んでいたネイション・オヴ・イスラムと深く関わっていたのですね。アリの周囲には様々な人が蝟集し様々な事件が起こる。そしてアリはいろんな言葉を発する。しかし矛盾だらけ。でも多くの人々が注目して耳を傾ける。要するに彼は《メッセージ・メーカー》ではなく《メデイア》だったのですね。アリ自身がアメリカ社会の表も裏もすべてを映し出す《メディア》だった。そう言えばまだカシアス・クレイと呼ばれていたアリが初めてソニー・リストンの世界王者に挑戦したマイアミでの一戦を野球評論家の佐々木信也さんがリングサイドで見たという話を御本人から聞いたことがありました。巨人のドジャータウンでのキャンプを取材する合間に足を運ばれたそうですけどサスガですね。しかし…この素晴らしいアリの評伝の『アメリカでもっとも憎まれたチャンピオン』というサブタイトルはちょっと違う気がしますね。原題も『ALI: A LIFE』ですから奇妙な煽りの服代は不要ですよ。
10月8日(土)
『評伝モハメド・アリ』猛烈な速さで(アリ・シャッフルと呼ばれた彼のステップワークのような速さで)読み進む。あっという間に3分の2。約600ページのうち376ページまで…良心的兵役拒否での裁判も無罪となり復帰の大試合ジョー・フレージャーとの死闘による敗北を経てケン・ノートンに顎を骨折させられる敗北まで。アリの人生の歩みもボクシング論もアメリカ社会の描写もメッチャ面白い本で手放すのは黒兵衛との散歩とメシと世界卓球を見たときだけ。昨日の女子のドイツ戦(と言っても相手は3人のうち2人は中国人ですが)との試合は凄かったですね。見事な勝利で次の相手は決勝で中国代表の中国人ですね。頑張ってほしいけど卓球は見るのは疲れますね。何故かな?注目する場所が狭くて球が小さいからかな?実際の会場で見たときは16台くらいの卓球台が並んでカンコンカンコンカンコンカンコン…と音が響く喧しさに少々辟易としたことがありました。卓球はビッグイベントの少ない試合を見るべきですね。ワン。今日も黒兵衛との散歩をサッサと済ませて『アリ』の読書。途中孫が長女と待ち合わせてやって来たので新潮古典集成の『徒然草』と『方丈記』を貸してやる。バロン吉元&水木しげるの漫画版も添えて。夕食は家族4人で世界卓球日中戦を見ながら。準決の男子は張本が2勝したものの2−3で敗北。女子は0−3で完敗。しかし若い選手が育っていて近い将来期待ですね。サア『評伝アリ』はいよいよアフリカでのフォアマン戦!ただ疑問が一点。文中スポーツジャーナリストという言葉が出てきたけど原文にもあったのかな?小生はsport writer と sport analyst は英語の雑誌で見たことがあるけどsport journalist は見たことがない。最近はアメリカでも使うようになったのかな?
10月9日(日)
昨日の東京新聞朝刊一面に岩波書店の今月の出版案内の宣伝が出ていて『評伝モハメド・アリ』が『最強の鈍器本 遂に日本上陸!』と紹介してあったので「ええっ!?」っと驚嘆(>_<)「鈍器本」って何!?ナンノコッチャ!?「鈍器本」という言葉をまったく知らなかった。完全に初耳の言葉。と言うか初めて目にする言葉。誤植か?と思ったがパソコンで調べると意味が出ていた。「殴って相手を怪我させることができる鈍器のように部厚く思い本」のことで「内容も詰まってる本のこと」を言うらしい。ちなみに俺の本棚にいある『岩波広辞苑第四版』にも『三省堂新明解国語辞典』にも『集英社国語辞典』にも載っていなかった。ヨメハンも知らなんだ。漢字変換はdpnkibonと打てば『鈍器本』と出ますね。しかし奇妙で珍妙な言葉にふ〜んと驚くばかり。確かに『アリ』の本はメッチャ分厚くて中味も詰まってますけどね…。いよいよフォアマンとのアフリカ決戦へ…。
10月9日(日)つづき
ベッドで『アリ』の鈍器本を読み進んだあと長女と孫と一緒に黒兵衛と散歩。そのあと隣家のお婆さんの百寿を祝う会に参加。向こう三軒両隣。町内会の人々&お婆さんの昔のお友達など約20人が参加して素晴らしい会でした。主催はフランス帰りのお嬢さん夫妻。フルーティストのフランス人の御主人(佐渡裕さんの指揮するフランスのオケにいた方)も挨拶して美味しいシャンパンで乾杯して皆さん和気藹々。途中にフランスとノルウェーからお婆さんのお孫さんも映像参加。ウチの長女次女と孫どもも挨拶させてもらって素晴らしい会でした。なにしろお婆さんは元帝国陸軍大臣阿南大将の秘書をされていた方ですからね。スゴイ一日。今もメッチャお元気で百寿は文句なしにスゴイです。
10月10日(月)
スポーツの日。昔は体育の日。1964年10月10日東京五輪の開会式の日を記念して翌年に制定された国民の祝日「体育の日」は名称をそのまま残したほうが良かった…というのは五輪アナリストの春日良一さんの主張です。ナルホドそうかもしれません。「体育」から「スポーツ」に名称が変わったからといってその意味を理解している人(スポーツは体育とは違って強制的でなく自発的に取り組むもので知育も徳育も含まれたカルチャーだと理解している人)は少ないですからね。2020東京五輪をキッカケにその意味の変化が理解され広まることを小生は期待していたけど広まったのは贈収賄事件だけだったとは何とも情けないですねえ。鈍器本『アリ』読み進む。絶対負けると誰もが思っていたフォアマンに勝ったアリはロッキーのモデルとなったチャック・ウェップナー等の弱い相手ばかりと闘って辛勝。《脳と身体へのダメージが蓄積されてないわけがない》というわけですね。ベッドを出て長女と孫と一緒に黒兵衛と散歩のあと湘南新宿ラインで渋谷へ。久し振りの渋谷。その変わりようにたじろいだあとタクシーに乗って世田谷にある東京メディアシティの砧K2スタジオへ。岡田准一さんが司会するNHK『プロファイラー』の録画撮り。前園真聖さんや弟さんがフロンターレの選手の女優松井愛莉さんとマラドーナについて語り合う。超天才サッカー選手のマラドーナも夜遊び&女遊び&マフィアとの付き合い&コカイン&試合での暴力&神の手の反則&メディアとの喧嘩…等々矛盾だらけの人物。でも憎めない。可愛い。モハメド・アリは酒と薬物には手を出さなかったけどよく似てますね。二人のスーパースターは時代と社会を映し出すメディアだったのですね(放送は11月10日です)。2時間の収録を終えてNHKのクルマで缶ビール飲みながら帰宅。ニュース見ながら晩飯。ウクライナはプーチンの自宅にミサイルを撃ち込んではいけないのかな…?などと思いながら『アリ』の本を持ってベッドへ。鈍器本もあと3分の1ですね。
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『マルコムX』 200分の映画を一気に見せるスパイク・リー監督の映画作りは見事です。最後にはマンデラ大統領も登場!
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10月11日(火)
ジョナサン・アイグ『評伝モハメド・アリ アメリカで最も憎まれたチャンピオン』(岩波書店)読了。素晴らしいノンフィクション作品でした。1960年代-2015年まで。黒人の隔離が法律で定められ暴力的差別が常態化していた時代から黒人初のアメリカ大統領が誕生する時代まで−−自転車を盗まれた少年が警官にボクシングを教えてもらい五輪金メダリストから世界王者に3度輝いたのちパンチドランカーとなって亡くなるまでの波瀾万丈の一生『ALI:A LIFE(原題)』を見事に描いた作品。緻密な取材で驚くことがイッパイ(特に女性問題)だったが2段組600頁でも書き切れてないことがある(たとえばフォアマン戦でトレーナーのアンジェロ・ダンディがロープを緩ませていたこと等)。著者も《今後新たにアリの伝記作家が現れる》ことを当然のように註釈に書いている。それだけアリが凄いってことですね。彼はまさに彼の生きた時代と世の中をすべて映し出したメディアだったのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。終日デスクワークは『アリ』の書評のメモ作りetc.一昨日ベースボールマガジン社から佐野慎輔さんの新著『西武ライオンズ創世記1979年~1983年』が送られてきたので次に読む本はこれかな?『田岡一雄自伝 山口組三代目』が『第二部迅雷編』の力道山の話(田岡氏が日本プロレス協会の副会長に就任したところ)で止まってるのも早く読みたい(アリの舞台裏との話と共通点もありますからね)けどとりあえず西武ライオンズの一冊から。飛鳥田一雄横浜市長の話から始まるところはサスガですね。晩飯映画劇場はアリとの関連でスパイク・リー監督『マルコムX』1993年の作品でデンゼル・ワシントンが若い。3時間20分の大作なのでリトル(マルコムX)がネイション・オヴ・イスラム(ブラック・モスレム)で頭角を現しイライジャ・ムハマッドに煙たがられ始めるところまで。残りは明日。岸田政権はNHKの世論調査でも不支持が支持を上回ったか…統一教会問題&国葬…政治家も酷いけどさらに憂うべきは野党とジャーナリズムの無力でしょうね…。
10月12日(水)
佐野慎輔『西武ライオンズ創世記』読み始める。西武グループの堤義明総帥が飛鳥田一雄横浜市長の計画を受け入れて横浜平和球場の改築に乗り出し野球に興味を持ち所沢に自前の球場を造る一方で福岡の西鉄ライオンズが日本一3連覇のあと黒い霧事件で凋落…そこで西武が西鉄を…。懐かしい話題ですね。小生がスポーツライターを名乗り始めた20代前半に戦前戦後の職業野球史を片っ端から読んだように今の若いスポーツ記者にも是非とも読んでほしい一冊ですね。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。中味は一昨日のスポーツの日について。1964年の体育の日がスポーツの日に変わったことについて話す。体育の英訳はSportsではなくPhysical Education。スポーツには体育だけでなく知育も徳育も含まれているという話。スポーツの日の趣旨は《スポーツを楽しみ他者を尊重する精神を培うとともに健康で活力ある社会の実現を願う》と定義されてますが元々の文科省とスポーツ著運文言では冒頭が《スポーツと親しみ…》となってました。それをスポーツ議員連盟の会議で《スポーツを楽しみ…》と変えるよう提案したのは小生です。エッヘン。しかし東京2020五輪をキッカケにせっかく体育からスポーツへの転換を企図した誰も「スポーツと体育の違い」を考えないようではドーショーモナイですね。ちなみにスポーツ議員連盟の会議で「セックスはスポーツか?」と疑問を呈した方がいたので「セックスは基本的にプロダクティヴだからスポーツではない」と教えてあげました。また「国民の祝日に外来語はダメでは?」と言われた議員さんもいたので「カタカナで書いたスポーツは日本語です」と答えました。そんな議論を今も続けたほうがイイのですよね…特に勉強不足のマスメデイアの人は…。ラジオのあと黒兵衛と散歩。終日デスクワークのあと晩飯映画劇場は昨日に続いて『マルコムX』の後半。ウワッ。最後に南アのマンデラ大統領が登場。なかなか部厚い映画でしたがネイション・オヴ・イスラムとアメリカの黒人問題に疎い人には少々わかりにくいかな?続けてクライマックスシリーズ。バファローズもスワローズも強いですね。
10月13日(木)
佐野慎輔『西武ライオンズ創世記1979年~1983年』(ベースボールマガジン社)読了。西鉄ライオンズの崩壊から西武ライオンズの誕生と広岡監督による巨人を破っての日本シリーズ制覇まで。次の記述には注目すべきですね。西鉄ライオンズを引き継いだ福岡野球株式会社が太平洋クラブとクラウンライターのネイミングライツによる存続も不可能となって西武に買収されて福岡の地を去るときの著者の感想。《博多の町のそこかしこで「ライオンズを返せ!」の主張が繰り返された。失って初めてわかる存在感である。もっと地元の支援があったならば…との思いとプロ野球がいまだ親会社を抜きに経営の安定は図れない現実とが頭の中で渦を巻いた》さらに埼玉所沢に移ったチームが日本一に輝いたときは《この頃の西武ライオンズが過去の歴史を切り捨てていたことは大いに疑問である。西武球団が発表する優勝も日本一につく形容もすべて「球団初」であり新聞は様々な場面で前身の西鉄以来と書いたが球団がそこに言及することはなかった。(略)1978年以前の歴史は顧みられることはなかった。(略)ライオンズが突然所沢に出現したかのような「演出」は堤(義明=西武グループ総帥=当時)の指示であったかそれとも堤へのおもねりであったのか。私には"歴史の冒涜"のように映った》その通りだったですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日いろいろデスクワーク。電話やらメールやらで落ち着いて原稿が書けない…なんて甘っチョロけたこと言っていてはダメと自戒しながら仕事。晩飯はセパのクライマックスシリーズを見ながら。バファローズは俄然強さを発揮。村上のホームランは驚くべき一打でしたね。
10月14日(金)
『田岡一雄自伝山口組三代目第二部迅雷編』(徳間文庫)読了。モハメド・アリと西武ライオンズの本を読むため中断していたが続きを読んで『第三部仁義編』に突入。しかし……スポーツや芸能とヤクザの関係を知るために読み始めたが第二部の真ん中以降は抗争に次ぐ抗争。組同士の覇権争い「仁義なき戦い」の連続に少々辟易。《喧嘩というものは引き時が大切である》とか《面目を失うということがこの渡世ではどれだけ恥であるか。渡世に生きた者でなければわかるまい》といった興味深い表現もあってウクライナ戦争も同じかなあ…などと思う。それにしても組関係の登場人物と関係者には韓国名と政治家が続々と登場しますね。これが昭和という時代の裏社会だった?ワン。ベッドから出てしょぼ降る雨のなかを黒兵衛と散歩。終日デスクワーク。イロイロ仕事のあと晩飯はクライマックスシリーズ見ながら。ホークス千賀投手はサスガですね。スワローズ村上のボテボテ内野ゴロ一塁ヘッドスライディング決勝打には大笑いしたけど三冠王打者ならではの貫禄と若さから生まれた見事な一打と言えるでしょうね。途中ビール飲みながら『チコちゃん』の「スウェットと汗&寿司とお茶&蜂蜜」の話題も楽しめたのは野球という競技だけでにできることでしょうね。
10月15日(土)
『田岡一雄自伝山口組三代目第三部仁義編』(徳間文庫)読了。《来る者は拒まず。去る者は追わず。これが三代目を継いで以来わたし自身に厳しく課してきた処世訓である。それが良かったかどうか》と悩んだ組長の書き残したことは考えさせられることも多かったがヤッパリ抗争(暴力)の多さには辟易とさせられた。そのような昭和の《抗争の世の中》にあって東京五輪のあった昭和39年には《傘下526団体。構成員は準構成員を合わせると18万人余が山口組の代紋の下に集まっていた》という。第一部の冒頭に書かれていたことが思い出される。《現代の都市過密社会も新たな諸々の矛盾を生み出しております。その矛盾の軋み合いの中からはみ出さざるを得なかった人間たちの心情などにももう少し理解の目を開いていただけないものか》という意見はわかりますが…現代日本では似非宗教が取って代わったのか?。第三部では「姐さん」と呼ばれ続けた田岡フミ子さんの手記が素晴らしかったですね。それと年表が面白かった。小生も橋本治さんの「長嶋茂雄年表」に触発されて一時期年表に凝り「ベートーヴェン年表」「マーラー年表」「オペラ年表」「三大テナー年表」などを作ったことがあったけど山口組年表の昭和6年には「中央卸売市場の利権を巡り大島組と対立/経済恐慌/農村の娘身売り/エログロナンセンス時代/浜口雄幸首相襲撃される」と並び翌年の「満州事変勃発」へとつながるのですね。現代日本の簡単な年表を作るなら何がどんなふうに並ぶのかな?[モリカケサクラ/安倍元首相襲撃/旧統一教会/東京五輪汚職/円安/ウクライナ戦争/国連機能せず/日本の国会も機能せず/ジャーナリズムも機能せず…」ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。秋深し鐘は鳴らない寺もなし。お粗末。ワン。終日デスクワークは『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」執筆。誰も注目しなかった今週月曜の「スポーツの日」誕生の意義を書く。文科相とスポーツ庁が「スポーツと親しむ日」と書いた文章を「スポーツを楽しむ日」に変更するよう求めたのは小生ですからね。晩飯はクライマックスシリーズを見ながら。バファローズのサヨナラ勝ち。早く帽子のマークを岡本太郎の作ったマークに戻してほしいですね。岡本太郎は横向きのバファローのマークも作ったらしいけど残ってないのかな?
10月16日(日)
昨日講談社から届いた現代新書の今月の新刊のなかに近藤大介さんの『ふしぎな中国』があったのでさっそく読み出す。面白い!習近平中心の政治報道だけではわからない現代中国の若者や社会の実像が34の中国語の新語・流行語・隠語で解説されている。「社恐」は「社交恐怖症」で「引き籠もり」の中国の若者のこと。某新聞社のアンケートでは62%もの中国の若者が「社恐がある・少しある」と答えたとか。天安門事件を起こした中国の若者(当時)を「鬼系」と呼ぶならその子供たちは「仏系」で日本で言う「さとり世代」。彼らが習近平独裁を無言で支えてる?中国の若者たちもスマホで略語を使っていてxswlは「笑死我了xiao si wo le シアオスーウォーラ」で「超笑える!」の意味だとか。そんなアルファベットが15も並んでいたり習近平の「エロ一掃大作戦=掃黄打非」で中国のピンク街が紹介されていたり…中国人は耳掻きが好きということがわかったり…止まらなくなった誘惑を絶ってベッドから出て黒兵衛と散歩。ワン。午前中チョイと仕事したあと午後からは庭掃除。伸びすぎた枝を伐採。久し振りの肉体労働は気持ちイイ。適当に片付けてサッカー天皇杯。これまたメッチャ面白かった。ヴァンフォーレ甲府で20年頑張った途中出場のベテラン山本が1−1の延長後半にペナルティ・エリア内でハンドの反則。サンフレッチェ広島に与えられた絶好の勝ち越しPKを甲府のキーパー河田が見事なセーヴで試合は同点のままPK戦へ。そこで河田がまた一人のPKを止めて最後は山本がPKを決めてJ2の甲府がジャイアント・キリングで初優勝!見事にドラマチックなゲームでした。甲府おめでとう!晩飯と風呂のあとBS日テレで『ゴッドファーザー』をやっていたので見てしまう。半世紀前の封切り以来DVDも含めてもう10回以上見た映画だけど何度見ても見事な映画ですね。マーロン・ブランドの演技は最高ですね。昨日読了した『田岡一雄自伝』とシンクロしますね。現在の「裏世界(宗教団体?外国勢力?)」は今も「表世界(政治)」と密接につながって存在しているようですね。
10月17日(月)
『ふしぎな中国』読み進む。メッチャ面白い。習近平は毛沢東と同様権力闘争に長けて運の強い男なのですね。「学習」とは現在「習近平を学ぶこと」を意味するのですね。「西朝鮮」とはまるで金正恩の北朝鮮のような独裁政権になってしまった習近平中国を揶揄して自虐的に呼ぶ言葉なんですね。そういう言葉を使う中国人は6月4日の天安門事件のことをそのまま文字にすると官憲に睨まれるので「五月三十五日西朝鮮 大大很厳」と書くそうです。5月35日とは6月4日のこと。「大大(ダーダー)」とは「習大大(習おじさん)と呼ばれるよう求めた習近平のことで「6月4日の中国独裁国家では習近平が厳しくなる」という意味だそうです。言論の自由のない国は大変ですね。日本も言論の自由が十分にあるとは言えませんが…ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとZOOMで打ち合わせや準備を経て夕方から『ニューズ・オプエド』ゲストは五輪アナリストの春日良一さんと尚美学園大教授の佐野慎輔さん。クライマックスシリーズやJ2甲府の天皇杯制覇や中村俊輔の引退やラグビーで日本がオーストラリアに勝ったことやパラバドミントンとスポーツのルールで盛りあがったあと東京五輪贈収賄事件の話題。マスメディアはIOCやオリンピックの商業主義を批判してますが日本のスポーツ組織のあり方のほうが大問題という話。続けて明日放送の『ノーボーダー・スポーツ・プラス』の録画収。『週刊SPA!』で『東京地検特捜部が狙う「スポーツ利権の首領」逮捕の可能性/五輪汚職「森ルート」を暴く!』と題した連載を開始したジャーナリストの上杉隆ノーボーダー社主を迎えて最新情報を分析。いろいろな事件(安倍元首相の死亡や検察庁の人事など)が重なって東京地検はヤル気満々。事情聴取した関係者は3桁。D社内部関係者からの反T関係の情報提供も山ほどあり次のステップは別のT氏の逮捕からM氏の逮捕へと進むかどうか…火曜日のオプエドでは全部実名で話してますので御覧ください。https://op-ed.jp/
10月18日(火)
近藤大介『ふしぎな中国』読み進む。メッチャ面白く考えさせられることも多い快著。香港返還でサッチャーと会談に臨んだケ小平は《痰唾を吐き散らしながら「香港島と九龍半島もきっちり中国に返還してもらう。もしイギリスが拒否するなら(略)人民解放軍を派遣し武力によって返還を実現する」と凄んだ》らしい。改革開放派のケ小平にしてこの迫力なんですね。中国の痰唾の汚さは香港と台湾のレストランで体験したことがあります。庶民的な店で味は美味しかったけど客が床にぺっぺっと唾を吐くのにはドン引きでした。中国のメデイアはすべて《「(中国共産)党の宣伝機関となれ」と言い渡された》さらに凄いのは《中国の憲法第35条に明記されていること》ですね。《中華人民共和国の公民は言論・出版・集会・結社・デモ・示威の自由を有する》ホンマカイナと首を捻って高橋和之・編『[新版]世界憲法集第2版』(岩波文庫)の中華人員共和国憲法を開けてみると確かに第35条[表現の自由]が明記されていた(ただし「公民」は「人民」・「デモ」は「行進」と訳されてましたが)。他にも憲法の「序言」で《台湾は中華人民共和国の領土の一部である。祖国を統一することは台湾同胞を含む全中国人民の神聖な職責である》とかイロイロ興味深い指摘もある。2千年の付き合いがある同じ漢字文化の隣国のことをもっと知らねば。近藤さんも《胡春華氏(という習近平の次世代の政治家)が要職に就けば日中関係に燭光が見えてくる》と書かれてますからね。ワン。ベッドから出て曇天のもと黒兵衛と散歩。スカッとした秋晴れはまだか?終日デスクワーク。小林信也さんとの『高校野球甲子園廃止論』の対談の単行本用拡充と取り組む。晩飯は録画しておいたNHK『映像の世紀バタフライエフェクト』の『ジェノサイド』を見ながら。ナチスのユダヤ人虐殺もウガンダの80万人虐殺も酷いけど問題は量ではないはずですよね。ベッドに入る前に気になっていたことを調べる。プーチンの私兵とも言われる民間戦争団体のワグネルはやっぱりヒトラーが好んだ作曲家の名前から取ったのですね。大作曲家のリヒャルト・ワーグナーも迷惑でしょうが「プーチン軍」の体質&本質も透けて見えますね。
10月19日(水)
近藤大介『ふしぎな中国』(講談社現代新書)読了。面白かった。全ページ目からウロコの連続で現代中国の実情がよくわかった。中国人は日本への旅行を《20世紀を懐かしむ旅》と呼んでいるのですね。買い物には紙幣を使いホテルではドアを開けるキイを渡されタクシーを拾うには路上で手をあげコンビニには紙の新聞や雑誌がたくさん並び…。ナルホド。しかし《21世紀の中国》はジョージ・オーウェルの『1984』年の『動物農場』じゃないの?とチョイと言い返したくなりますが…。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。話題は今週日曜のヴァンフォーレ甲府の見事な天皇杯優勝。ヴァン・フォーレはフランス語で風と林。甲斐武田信玄の風林火山をもじったチーム名なんですね…といったことを話したあとヴァンフォーレで20年以上活躍した山本選手がハンドの反則を犯し…という試合展開から「スポーツは筋書のないドラマ」という言い方は正しいか?という話をする。スポーツの試合をする場合チーム(監督)は戦略を立て戦術戦法を駆使しそこから選手の活躍が生まれる。それはドラマ(演劇)の原作台本(筋書)・演出・役者の演技に当たる。筋書(戦略)をキチンと書かない(作らない)チームは勝てないという話。だから「スポーツは筋書のない…」という表現はあくまでも見る人の感想なんですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。『甲子園廃止論』の対談改訂作業。途中昼飯時に映画『ワルキューレ』をやっていたので半分録画して昼飯時と晩飯時に見る。史実に基づくヒトラー暗殺計画と反ナチのクーデター作戦。なかなか良くできた映画とは言え英語ではなくドイツ語でやってほしかったなぁ。ヒトラーやゲッペルスが英語を話すのはチョット…あっコレはトム・クルーズ主演のハリウッド映画なんですね。とは言えナチスの独裁政権時代にもあった暗殺ウーでター計画。今のモスクワ北京平壌では…?
10月20日(木)
石原慎太郎『あるヤクザの生涯 安藤昇伝』(幻冬舎)読み始める。小生がスポーツとヤクザの関係を調べていることを知った長田渚左さんが「2冊持ってるから」と送ってくれた1冊。特攻隊員からヤクザを経て最後は映画俳優となった安藤昇のモノローグで綴った実録小説(ノンフィクションノベル)。文字量が少なくあっと言う間に3分の2ほど読み進んで渋谷のバーで暴れまくる力道山の後始末に東富士が出てくる下りなどどこかで読んだ覚えがありながらも興味深い記述もあったけど何冊かの安藤昇モノを合わせれば1冊できる感じの少々イージーな作りかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。久し振りの秋晴れ。気持ちイイ。終日デスクワークは『甲子園大会廃止論』の小林信也さんとの対談の改訂拡充。註釈作りと新たな書き下ろし部分のバランスが難しい。結構時間がかかる。完成は明後日かな。ふううう…と息をついたら今日はヨメハンと久し振りに『鮨処もり山』へ。43年目の結婚記念日を伝えるとシャンパンのハーフボトルをプレゼントされた。これまた久し振りに先客の澁沢龍子さんとバッタリ。マガジンハウスのかつての編集長夫人と一緒に食事されていて4人で〆張り鶴とお鮨でワイワイガヤガヤ。久し振りに楽しい一夜でありました。
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大下英治『激闘!闇の帝王安藤昇』さくら社 こちらで十分でしょうが…暴力というモノの捉え方が昭和と現代では隔世の感がありますね
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DVD |
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『婦系図』 市川雷蔵主演。半世紀ほど前に明大前駅前にあった名画座で見た記憶が…三隅研次監督の凝ったカメラの使い方が記憶に…
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10月21日(金)
石原慎太郎『あるヤクザの生涯 安藤昇伝』(幻冬舎)読了。大下英治『激闘!闇の帝王安藤昇』(さくら社)や安藤昇の自著をモノローグ・ドラマに書き直したモノというだけだったかな。収穫は「長い後書き」を読んで安藤昇の出演したヤクザ映画を観たくなったことかな。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。二日続けての秋晴れ。空は晴れても心は闇よ…と言うのは確か泉鏡花『婦系図』のなかの台詞でしたね。国会の「不毛な論戦」と政治家の「非力と虚偽」を見るにつけそんな気持ちになりますね。ワン。終日デスクワークで来年春発売予定の『甲子園大会廃止論(仮)』の小林信也さんとの対談部分の書き直し完成。ふううう。明日朝読み直して小林さんに送ることにする。しかしコロナで中止になった甲子園大会を3年越しに開催しようという試みのHPに《あの夏を取り戻せ/あの夏 全国の高校球児は「生きる希望を失った」》と書かれているのは大問題ですね。「全国の高校球児」を代表して断言しているような言い方も問題ですが高校生が《生きる》ってことは野球をすることではないはずですよね?小林さんは何と言うかな?晩飯は「チコちゃん」を見ながら。「おやつ」の意味は知ってました。大相撲の東西は中国の陰陽五行説の青龍白虎だと思っていたけどもっと面白い卑近な出来事(東さんと西さん)があったのですね。読む本がなくなったので週刊新潮と文春を手にベッドへ。あ。昨日はプロ野球のドラフト会議でしたね。某週刊誌からコメントを求められたけど早く企業野球を脱して企業の宣伝ではなくメジャーのようにベースボールを行う組織にしてほしいですねとだけ言っておきました。没コメントでしょうが(苦笑)。
10月22日(土)
昨晩ベッドに入る前に本棚の奥の奥を漁ってベッドで読む本を探したら田中聡『なぜ太鼓腹は嫌われるようになったのか?〈気〉と健康法の図像学』(河出書房新社)と熊谷真菜『たこやき』(リブロポート)が出てきた。前者は「今この日本で最もマイナーなテーマに取り組み図像学者」との荒俣宏氏の推薦文。後者は「広辞苑に改訂を迫る。たこやきのルーツを探りたこやきの未来を思い描く初のたこやき大研究」との帯キャッチとともに鶴見俊輔「付録のような文章付」とある。どちらも1993年発行。本屋で目にとまって買ったけど他の本を読まねばならなくなって忘れてしまった本のようだ。メッチャメチャ嬉しい得した気分になってまずは前者から頁を開く。面白い!中味についてはいずれまた。ワン。黒兵衛と散歩のあとヨメハンと一緒に行きつけの病院へ。先月の血液検査の結果を聞く。γーgtpも尿酸値もコレステロールの善玉も悪玉も白赤血球の数値も…すべて正常値。口の悪い娘どもはいつも検体取り違えと言うが常に血液検査の数値だけは合格で「外見から伺える所見なし」なのだ。。ハッハッハ。帰宅後サッカーJリーグ・ルヴァンカップの決勝。先週の天皇杯での手痛い敗戦を乗り越えてサンフレッチェ広島がセレッソ大阪相手に後半ロスタイムい見事な逆転勝利。イロイロ仕事したあとTBS『報道特集』の旧統一教委会報道を見て日本シリーズ。どっちも強いチームだとよくわかった試合だけど山本投手での敗戦はバファローズ痛いですね。村上の一打もオスナの3打点も凄かったけど第1戦スワローズのMVPは塩見かな。
10月23日(日)
『なぜ太鼓腹は嫌われるようになったのか?』読み進む。メッチャオモロイ。メッチャ楽しい。明治時代の文明開化でPhysical Education(体育)による健康と体力の増進が叫ばれるようになったうえに日本人の低い身長を欧米人並みに伸ばそうとしたりマッチョな筋肉に鍛えようとしたり…。その一方で日本的な(とも言える)太鼓腹を推奨する人物も現れる。《胸厚い肉体は戦う身体である。戦場へ出るために身体は教育される。(略)学校と軍隊の身体。となればそれは主流派の身体。公的な身体でもあった。それに対して腹の丸い身体は個別な自己充足的な身体という感じがする。公と私。さしあたりこれが二つの「健康体」の違いであると考えてみることができそうだ》ナルホド。現代でもこの考えが基本になりそうですね。右傾化の世の中では芸能人たちも自然に「公的肉体」を誇示するようになるのかな?ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは本HPの更新原稿の整理。一昨日ソニー・ミュージック・クラシカルから『グレン・グールド・プレイズ・バッハ』のブルーレイDVDが届く。没後40年記念発売。もう40年も経ったのですね。小生がLDの解説書に書いたエッセイ『ガラス=音楽=グールド』が再々収録されたので次回のHP更新でも再アップすることにしましょう。しかしブルーレイで見聴きするグールドの「繊細さに満ちた迫力」(特に死の直前の2度目の録音となったゴールトベルク変奏曲)は強烈ですね。晩飯は日本シリーズを見ながら。時々BS日テレでやっていた『ゴッドファーザーPARTU』にチャンネルを回したけどナント強烈に長いゴッドファーザー・シリーズの傑作映画よりも尚長い日本シリーズとなった。ロバート・デニーロもアル・パチーノも見事ですけどバファローズの山崎もスワローズの内山も見事でしたねえ。長くても内容が濃いと映画も野球も素晴らしいですね。山田はいつ調子を戻すのかな?
10月24日(月)
『なぜ太鼓腹は嫌われる…?』メッチャ興味深い記述の連続。日本人固有の健康体だった「太っ腹(太鼓腹体型)」と明治時代に輸入され公的軍隊的肉体として推奨された「張り胸(胸厚体型)」を一気に比較した記述があった。「太っ腹vs張り胸」「東洋的身体訓練法vs西洋近代的身体訓練法」「呼吸鍛練vs筋肉鍛練」「平和円満な身体vs戦う身体」「自足した身体vs比較した身体」「個の時間性vs種の時間性」「育てる身体vs選ばれる身体」昭和の軍国主義戦争の時代への突入とともに「張り胸」中心の「戦う選ばれた身体」が推奨されるようになり優生学の浸透とともに「選ばれない身体」を排除する断種法まで成立したのですね。ナチス・ドイツと同様に…。現在のマッチョブームはどう捉えるべきなのか?社会の右傾化/妙な宗教との政策協定/身障者施設が襲われた事件…などと無関係とは言えないような気がしますね。読み進みましょう。ワン。清々しい秋の涼しさのなか黒兵衛と散歩。何年か前の颱風の塩害で桜の葉の紅葉が消えたのが復活。いかにも枯葉らしい赤い色が綺麗。ワン。イロイロ調べて準備してスタッフと打ち合わせして『ニューズ・オプエド』はゲストが生島淳さんと村上晃一さん。Aチーム(代表チームのワンランク下)とはいえオーストラリアに初勝利したラグビー日本代表の話から週末のニュージーランド戦や来年のフランスでのW杯の話題へ。生島さんは昨日の日本シリーズを神宮で取材。その話やサッカー・ルヴァン杯とともにもタップリと。明日火曜放送の『ニューズ・オプエド・ノーボーダー・スポーツ・プラス』では来年のW杯で日本はベスト4入りの可能性も…生島さんが諸葛孔明と名付ける名コーチの話もタップリと。番組のあとは神奈川テレビで吉本新喜劇見ながら晩メシ。有名ベテラン役者不在でも面白かった。喜劇はヤッパリ台本の勝負ですね。
10月25日(火)
『なぜ太鼓腹は嫌われる…』読み進めば読み進むほど面白すぎて困るくらい。反軍国主義の「太鼓腹」「太っ腹」は悪くないのだが「腹の魂」に注目するあまり霊能者&霊術士&催眠術へと進んでしまうのですね。《催眠術は18世紀にA・メスメルが創始した治療術》で《新しい「科学」としてフランス革命直前のパリでもてはやされた》それは《磁石》を使う治療法でモーツァルトのオペラ『コジ・ファン・トゥッテ(女はみんなこうしたもの)』にも出てくるヤツではないか!小間使がいかにも怪しげな医者に化けて「メスメルの磁石」を持ち出し砒素を飲んで自殺したと嘘をつく男たちを恋人たちの前で助けるケッサクなシーン。そのいかがわしい治療法の流れを汲むような健康法が軍国主義の進む昭和初期の日本社会で一世を風靡したのですね。二・二六事件の背景にはマッチョや大道芸人もどきのいろんな「身体」があったのですね。そう言えば最近のTVには霊能者や日本刀の刃の上を歩く男や刀で身体を切っても血が出ない不死身の男(芸人?)などは出てこなくなりましたね。マッチョ芸人に押されて消えたかな?ワン。ベッドから出て寒風のなか黒兵衛と散歩。小さな秋は消えて大きな秋になったのかな?ワン。デスクワークは北國新聞の連載原稿執筆。政治(政府)と経済(カネ)に支配されて自立も自律もできない日本のスポーツ界について書く。そんな組織だからオリンピックを利用して私腹を肥やそうとする輩が出るんですよね。晩飯は日本シリーズを見ながら。山田に見事な3ランが出ましたね。村上の長蛇も貫禄でしたね。山本がマウンドに立てなくなったバファローズはピンチかな…。
10月26日(水)
『なぜ太鼓腹は嫌われる…』は最後は高木兼寛海軍軍医まで辿り着くのか…。留学で英国流医学を身に付けた海軍医が禅や浄土宗の東洋的思想に傾倒し玄米食で軍隊に蔓延した脚気を治し森林太郎(鴎外)陸軍軍医と対立するも日露戦争を勝利に導き日本で初の看護学校も建て最後は神道の「禊(みそぎ)」を取り入れた健康法の普及に導く。「禊」を《神事であり体操と見るなら》西洋式に《ラジオ体操》の普及と対を為す《東洋式太っ腹体育》と見なせるわけですね。オモシロい。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。話題はラグビー日本代表がオーストラリアAに勝ったのに話題が大きくならないのはなぜ?という話。かつては(Jリーグのできる前は)サッカーよりもずっと人気のあったラグビーなのに今では宝塚歌劇現象?つまり宝塚歌劇は誰もが知っているけど見に行ってるのは限られた人だけ。そこでフットボール(ラグビーとサッカー)がメソポタミア文明から世界へと発展した話(日本書紀にも記されてますからね)をして今週土曜の対ニュージーランド戦を見ましょうとラグビーの宣伝。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。木枯らしか?と思えるほどの秋の風。ワン。終日デスクワークは明日のフォーラムエイトへの取材(ラリー選手権や女子サッカーについて)や週末の岐阜でのエンジン01オープンカレッジの準備などイロイロ。晩飯は日本シリーズを見ながら。バファローズが1勝しましたね。若くて良いリリーフ投手が揃ってますね。投手が良いと野球が締まりますね。しかし…野球も宝塚歌劇現象になってきたようにも見えますね…。
10月27日(木)
田中聡『なぜ太鼓腹は嫌われるようになったのか?』(河出書房新社)読了。面白かった。という以上に勉強になった。最後は紅茶キノコからルームランナー・ぶら下がり健康器から霊芝・新海鮫エキスまで…《いつだって厳しい不況と政治の腐敗の時代に健康ブームはピークを迎えた》1993年発行の本だが約30年後の現在のDHA・EPA・青魚・腹筋・マッチョ…が騒がれる現在も同じですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。着古したトレーナーでは首筋が寒いかな。いろいろ準備して『スポーツゴジラ』編集長の長田渚左さんと待ち合わせて品川のフォーラムエイト本社へ。次号の特集で企業のスポーツ支援のあり方を特集するので武井千雅子副社長に「WRC(世界ラリー選手権)」の「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」を支援されたり女子サッカーWEリーグの大宮アルティージャVENTUS(風)のトップパートナーとなられたことなどイロイロ聞かせていただく。ナルホド。VRでクルマの運転や都市の道路の構造などの開発をしている企業としてはWRCは参考になることが多いのですね。しかもスポーツは応援して楽しいし面白いと言われるところがイイ。日本のスポーツ界にもカツを入れてほしいですナァ。帰宅して晩飯&日本シリーズ。スワローズはチョイと余裕を持ちすぎたかな?まさかスワローズの伝統で広岡式日本シリーズの捨てゲームの考えがあったわけではないだろうけど…それにしてもバファローズ吉田選手のフルスイング・サヨナラホームランは見事でしたね。
10月28日(金)
高橋秀美『素晴らしきラジオ体操』(草思社文庫)読み始める。著者のノンフィクションは以前読んだ『おすもうさん』がメッチャ面白かったので次々と読みたかったところへこんな本があることを知って読み始める。東京で毎朝6時半からこんなに多くの人々がラジオ体操に励んでいるとは知らなかった。上野公園はラジオ体操の「聖地」でラジオ体操普及のためハワイやブラジルへ行った人もいてとにかく毎日ラジオ体操に励む「ラジオ体操人」(ほとんどが老人)は自動車の運転中に朝6時半になると高速道路の上でも自動車を止めてラジオをつけて腕を回し始める。《「だめなんです。毎日やらないと」中毒症状を呈しているのである》ラジオ体操は中毒になるほど凄そうだ。読まねば。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。爽やかな季節。日本はやっぱりイギリス発祥の「サマースポーツ」ではなく「スポーツの秋」ですね。ワン。イロイロ準備したあと午後から大船駅へ。品川経由新幹線で岐阜羽島へ。エンジン01岐阜オープンカレッジに参加。岐阜羽島駅で青いTシャツで待ち受けていた大勢のスタッフに従って東京方面から乗り込んだ大勢の「文化人」がバスで1時間近くかけて岐阜市の長良川都ホテルへ。そこでウェルカムディナー。
10月28日(金)つづき
岐阜の長良川都ホテルで小林信也さんと小崎仁久さんと待ち合わせ得てエンジン01のウエルカム・デイナーへ。3人でワイワイやってると経営コンサルタントの堀紘一さんが一人で淋しいから寄せてくれと我々のテーブルに来られてワイワイガヤガヤ。隣のテーブルは東京芸大学長になった日比野克彦さんや建築家の竹山聖さん。直接逢うのは2年ぶりかな。挨拶してディナー食って会場のエンジン01特設バーへ。日大理事長になられた林真理子さんがいたので「日大事件」を追いかけていた小林信也さんに紹介。「ぴあ」の社長の矢内廣さんやデジタルアーティストの川口洋一郎さんも久し振りに挨拶。コロナで2年間この会がなかったですからね。皆さんのワインを酌み交わし最後は三枝聖彰さんと話をしたりして部屋へ。小林・小崎両君とわが部屋で呑み直し。久々によく呑んだなぁ。ワインばかりでそれほど酔わなかったけど…そうか…三枝聖彰さんは80歳か…俺だけじゃなくみんな歳をとるなあ。当たり前か…。岐阜泊。
10月29日(土)
岐阜のホテルのベッドで目覚めて『素晴らしきラジオ体操』読み進む。ラジオ体操が始まる前に国民体操というのを文部省が流行らせたのですね。ラジオがない時代だからみんなで「ヨイサヨイサ」と掛け声を掛けたらしい。「ヨイサ」とは「与為作(共に作りなす)」「与為佐(共に助ける)」「世弥栄(世はいよいよ栄える」の意味らしい。国のやりそうなことですね。ラジオ体操もその血を引くのかな。ベッドを出てホテルの朝食を軽く食ってバスで皆さんと岐阜大学へ。エンジン01のオープンカレッジ開始。小生の第1時限目は小林信也さん&小崎仁久さん&アルビレックス新潟を創った池田弘さん一緒に「未来のスポーツ」についてイロイロ語り合う。小林さんのスポーツベッティングの話や小崎さんの岐阜SCの話も面白かったけどやっぱり池田さんののアルビレックス創設の話は未来の(日本の)スポーツを語る上で貴重ですね。小生はチョイと東京五輪贈収賄疑惑事件の「未来」に触れて五輪W杯学校クラブのアウトソーシングの未来などを4人で語る。小生の2限目は三枝聖彰さん&サントリーホール。・プロデューサーの真鍋圭子さんと3人でオペラの楽しさについて語り合う。
10月29日(土)つづき
三枝成彰さんと真鍋圭子さんと3人でオペラの話を楽しく終えたあと小生の3時限目は相撲の楽しさ。ゲストは元千代大海の九重親方と脚本家の中園ミホさん。それにスポーツライターの小林信也さんに飛び入りで加わってもらう。中園さんはてっきり相撲女子だからこの席に…と思ったら林眞理子さんに連れられて桟敷席に何度か行った程度とのこと。しかし九重親方の話がメッチェメチャ面白かったので小生も含めて3人が訊き手。中学時代からワルで突っ張りで暴走族だった親方が空手でシカゴに遠征したのをキッカケにアメリカでSPになりたいと母親に言うと出刃包丁を首筋に当てられて「そんな遠くへ行く子に育てた覚えはない」と言われたらしい。「凄いお母さんですね」「レディース番長やれたでしょうね」で九重親方になったばかりの元千代の海の九重部屋へ。気合い入れて剃り込み5pくらい入れて面接。「相撲取りになって何がしたい?」と訊かれたので「親孝行がしたい」と答えて合格。横綱になりたいとかは失格の答えだったとか。土俵の上では嫌いな兄弟子をやっつけることを生き甲斐に稽古でも大暴れ。股割の苦労も空手をやってた柔らかい身体で苦にならずどんどん出世…その相撲の話がまたメッチャ面白かった(幕下から関取になる十両に上がるときはみんな必死で花道で大蒜の塊を1個囓って食べて息を吹きかけてくる力士とかワザとやる気のないフニャフニャの仕切りを見いせる力士とか…で場内大爆笑。中園さんも「ドラマにしたい」と大感激。そんなこんなで3コマのエンジン01オープンカレッジ(市民大学)も授業を終えて皆さんより一足早く(夜楽と呼ばれる酒と夕食の場での授業はパスして)小林信也さんと一緒に岐阜羽島駅へ。新幹線で小田原経由で帰鎌&帰宅。日本シリーズ見ながら晩メシ食って明日のSPJ(Sport Policy for Japan)審査員の準備をやってからベッドへ…。日本シリーズは山本の故障で余裕のはずのスワローズに油断が出たかな?
10月30日(日)
1泊2日のエンジン01岐阜オープンカレッジへの遠征が結構疲れたのか昨夜は爆睡。朝も熟睡で本が読めず。まぁエエか。ベッドから出て朝食のあと早めに黒兵衛との散歩を済ませてスポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン(スポーツ政策学生会議)の審査にリモート参加。2011年の第1回からずっと審査に参加しているが今年は北は東北学院大学から(今年は北海道の参加がなかった)南は九州まで(鹿児島大学&九州産業大学)22大学54ゼミが参加。九州の大学の初参加は嬉しいですね。昨日7組に分かれたグループ予選が行われて各組1位の7ゼミとワイルドカード1ゼミ=中央大・明治大・神奈川大×2・亜細亜大・一橋大×2・立教大が今日の決勝プレゼンを行った。そして最優秀賞は立教大「震災復興×ダンスDリーグ×ファントークン」副題が「岩手miraiさんさプロジェクト」で岩手の「さんさ踊り」とダンスのDリーグをドッキングさせて地域発展に貢献しようというモノ。なかなか面白く企画もしっかりしていた。小生が「ニューズ・オプエド・ダイナミック企画賞」として選んだのは神奈川大学「No事故で良e(イイ)ライフを!高齢運転者事故減少を目指して!」というもの。eスポーツを高齢者の反射神経向上に取り入れ運転シミュレーターとヨガを組み合わせた高齢者対策はナカナカ面白かった。他にも山ほど面白い企画があって様々な賞も与えられて…いずれまたスポーツ産業学会や笹川スポーツのホームページで発表されますのでそのときお知らせします。結構楽しく朝1時から夕方5時までをパソコンの前で過ごしたあと晩飯&日本シリーズ。
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