4月1日(金)
冗談も言う気になれない四月馬鹿。桐蔭横浜大学へ。非常勤講師の方々と懇談。そうか。新入生のなかにも被災者がいたのか。家が流された被災者で学費免除でも首都圏での生活費を考えて入学を辞退したとか。そーゆー学生こそ大学で学んでほしいと思う反面…自分で勉強すりゃ大学なんてどーでもええとも大学に行かなかった俺は思う…。しかし入学を諦めた「学生」には俺の講義だけは出ろよ…マイケル・サンデルなんかよりもずっとオモロウてタメになるから…と本気で言いたくなる。俺が関わってる立教大や静岡文化芸術大でも同様のケースがあるのかな…ないわけはないわな。帰りの夕方大船の喫茶店『珈琲館』でダーツ競技の普及に努めている人たちと歓談。大船にもダーツ・バーが一軒あるらしい。今度行ってみよ。何しろオリンピックの公式競技にも立候補してるスポーツなんやから。いろんな新しいスポーツ=日本ではスポーツと考えられることの少ないスポーツ…ライフセービング・コントラクトブリッジ・麻雀・百人一首・ビアポンetc…の話をして別れる。ダーツか。6月のビッグイベントに行ってみるかな。《「大丈夫?」ってきくと「大丈夫」っていう。「つくろう」っていわれて「つくろう」っていった。「こわれない?」ってきくと「こわれない」っていってた。「安全?」ってきくと「ただちに影響はない」という。こだまじゃないですね。政治家は誰でも》寂しく悲しいエイプリルフール。
4月1日(金)つづき
夜某新聞社より電話。大相撲の八百長認定力士角界追放について…。どう考えても相撲が好きだとも相撲を愛してるとも相撲の将来を憂えてるとも思えないワケのわからない特任教授を座長とする委員会なるものと過去に「出来山」や「盆中」や「人情相撲」といった「拵え相撲(こしらえずもう)」を実際にとったことのある親方衆たちによって「処分」を下された相撲取りたちは本当に悔しいと思う…という小生のコメントは何処にも載らんやろなあ…。しかし相撲人たちは相撲を愛してもいない人たちの言うことを聞いて本気で大相撲をスポーツ化するつもりなのか!?今に雷電為右衛門のような関取が出てきて相撲は甦る…という考え方は出きんのか!?内側から腐ったものは内側から直さねば…。それが古い歴史を持つ共同体の鉄則でありそこに民主主義や近代スポーツのような近代合理主義を持ち込むと角を矯めて牛を殺すことになるのがわからんのか!?震災前までギャアギャア吠え立ててた相撲を愛してないマスコミや馬鹿近代主義者や阿呆スポーツジャーナリストたちはどう思ってるのか!?自分たちも日本の相撲を殺すことに手を貸したことだけは自覚してほしい!!
4月2日(土)
東日本大震災+原発事故がどのように収束するのか?それが何年を要して旧に復するのか?あるいは何年を要して旧を凌駕する新社会になるのか?ちはみに第二次大戦後東京オリンピックまでは約20年。しかしその「新・旧」の間は良くも悪くも一定の連続線上にあったと思う。人間も「努力・向上」という一直線上にありテクノロジーも「発展」という一直線上にあったと思う。そして右肩上がりに社会も新しくなった。しかし次の20年は断絶の上に成り立つ新社会のような気がする。コンピュータ社会はその前のエレクトリック社会とは連続線上にないような気がする。しかし人間は変わらない。変わらない人間の素晴らしさを伝える「メディア」はいくつかある。「古典」「クラシック」と呼ばれる「文化」がそれだ。古典文学。古典演劇。古典音楽。古典芸能…。大相撲は最早人間の素晴らしさを伝える不易の文化でなくなったように思える。《見物した後までもずっと心に残るのはその群を抜いた体や技や力、それよりも、ああして何の妥協もなく、一心に全力をふり絞り相撲(すま)う、その怒りの激しさだった。まだ前髪を落としていない二十三、四だと伝えられる若い衆が、強大なものにたった一人で立ち向かっているように見える。何も持たず、何もまとわず、裸同然で、おそらく相手の東方力士ではなく、その背後にあるものに…》飯島和一『雷電本紀』より。出でよ!雷電!午後懸命に原稿と取り組む。それがどういう価値を持つかはともかく…。フウウー。夜『213』へ。朋友のSと飲む。いろいろ話す。さあ。どこでネジを巻き直すか。
4月3日(日)
朝。以前犬の佐吉とよく散歩した道の途中に新規オープンしたコンビニへ。品揃え豊富。水はペットボトル大が一人2本の制限。途中坂道に桜。三分にもなってない二分咲き。終日原稿と格闘。途中のブレイクに西村賢太『苦役列車』(新潮社)読む。以前グリコ森永事件をビール会社に置き換えて女流作家が書いたミステリー小説(ウワッ。題名が思い出せへん!!)を読んだときと同様の「古い匂い」を感じる。古く湿った畳の饐えた臭いとか汲み取り式雪隠の臭いとか。とにかく21世紀の現代とは思えない昭和の匂い。匂いは心象風景によって創り出されるのもののようだ。つまり匂いは「嗅ぎ手」によってまったく異なるもの。いや。見るもの聞くもの経験するもの…全体験が匂いに集約されるのだろう。ジュースキントの『香水〜ある人殺しの物語』は幻想(の香り)に生きた男の物語だったのか…と改めて180度異なる香りを思い出す。原稿書けん。晩飯映画劇場を復活させようとするがニュースを見てしまう。テレビ見ながら食事という日々が続く。これじゃいかんですね。フクシマゲンパツとは関係なく晩飯映画劇場を復活させねば!あ。女流作家の名前だけ思い出した。高村薫さんです。
4月4日(月)
昨日の夜寝る前ベッドで『苦役列車』読了。高村薫の羽田近辺の町工場の描写よりも日雇い派遣の日常のほうが「現代的」とは思うものの気分が落ち込み「小説」という人間の営みの意味がわからなくなる。ナンデこの作品に手ェ出したんやろなぁ。澁澤龍彦が「見事な低空飛行」と称した川崎長太郎の私小説は面白かったけどコレはどうぞ御勝手という気分にしかナラン…俺が歳取って若い人の私小説についていけへんのかな…と思てたところへPHP出版から佐渡裕サンの新刊文庫5月に発売予定の『僕のヨーロッパ武者修行』のゲラが届く。巻末の解説を依頼されたものでさっそくパラパラと読み始めるとオモロすぎて止まらへん。これも一種の私小説か。しかし理屈が何処にもない。もちろん屁理屈もない。具体的事実のみ。具象のみ。音楽を語るにも抽象なし。夢を語るのも具体的。見事。イカンイカン仕事をしなければ。いや。これも仕事やないけえ。そういや昨日の『題名のない音楽会』でフルーティストでベルリン・フィルの一員でもあるエマニュエル・パユが指揮者選びでオモロイ話をしてたなあ。いつもは眠る会議でサドの名前がでたとたん目を覚まして賛成の手をあげたとか。そうか。来月か。よっしゃ。行こ。NYフィルの指揮者になれんかった俺としては悔しいけど(笑)きちんと聴きに行こ。それにしても大相撲の原稿がなかなか処理できん。大相撲。マーラー。スポーツジャーナリズム。新オペラ講座。大学。etc。仕事は何故か溜まりっぱなし。さあ。やらねば…と思いながらあっという間に晩飯映画劇場。今日から復活!で復活第1回は沢田研二主演深作欣二監督山田風太郎原作『魔界転生』。マイッタ。1980年代のTVCMでさんざん予告を見せられたけどこんなクダラン映画やったのか。オールスター・キャストのサイテーカドカワ映画。せっかく晩飯映画劇場を復活させたのにコリャ最低のスタートやな。ということは未来は明るいというこっちゃ。トホホ。
4月5日(火)
昨日某大相撲関係者とTELで話す。「大相撲は滅亡への道を歩み始めた」との意見で一致。それは処分が甘かったせいではない。処分が厳しかったせいでもない。大量処分をしたせいでもない。蜥蜴の尻尾切りをしたせいでもない。謝罪と赦免の余地なく処分に走ったせいである。さらに現代日本社会に於いて大相撲はどうあるべきか?未来の日本社会に於いて大相撲はどうあるべきか?その根本を話し合わずに処分を下したせいである。今後はじっくりと「大相撲の黄昏」とでも名付けるべき「大相撲崩壊のドラマ」を見ることにするか。いや。死に体となった角界に雷電為右衛門のような救世主が現れるかも…!?
4月5日(火)つづき
某新聞の某スポーツ関係記者から電話。高木文部科学大臣が相撲協会の「大量処分」に対して「八百長根絶の姿勢を示したものと受け止めている」と発言したとか。それに対して「なるほど。今回の処分がファンや大相撲のためではなく文科省のために行われたことがよくわかりますね」と言うと「そうですね。やっぱり蜥蜴の尻尾切り。まだまだきちんとした処分とは言えませんよね」と返されたので「いやいや。そうでなく…」と慌てて反論。お相撲さんたちは「世間を騒がせてすいませんでした」と全員で頭を下げて謝って東北地方へ行って四股を踏んで邪霊を退治して赤ん坊を抱っこして厄払いをしてあげて相撲協会は相撲部屋の改革(数の半減化・近代化=核家族化の阻止)にこそ手をつけるべきだった…という話をする。核家族と無縁社会という現在の日本社会と同じ方向を歩んだことの誤りを是正しない限り大相撲は浪花節や新国劇と同じ滅亡の道筋を辿る…そもそも相撲のスポーツ化など不可能ですからね…という話をするが記者には話の内容が通じなかったよう…。小生のコメントはボツやな。大相撲は雷電が出てくるのを待つほかないな…。晩飯映画劇場は昨日に続いて『魔界転生』の近年リメイク版。やっぱりつまらん。山田風太郎のハチャメチャSF的時代活劇は映像化すれば陳腐になるだけやな。人間の想像力でのみ感じられる傑作を近代科学で可視化具象化しようとしても再現不可能。無理やで。大相撲のスポーツ化(「八百長」の否定と排除)もおんなじようなナンセンスやのに…。
4月6日(水)
吾輩の誕生日であ〜る。別にど〜ってことない…と思いながらRKB毎日放送で大相撲「八百長」力士の「不当処分」について話したあと新幹線で大阪へ。誕生日に近い日に毎日放送『ちちんぷいぷい』に生出演するといつも必ず美味しくてでっかいバースデーケーキで祝ってくれる。昨年も桜の香りのめっちゃ美味しいケーキをいただき家族全員大喜びしたのだがソノでっかさから考えてソレはオレが持って帰るべきものではなくスタッフの皆さんがオレの誕生日にかこつけて美味いケーキを食べようと企んでいたものではないかと大いに反省したものだった。しかしアノ美味いケーキは家に持って帰りたい。去年のことを憶えていた次女も「持って〜くるぞ〜と勇ま〜しく〜」などと今日は高級極大美味ケーキがあるものと期待している。そこで新横浜駅で『横浜ベイブリッジクーヘン』などというワケのワカラン典型的土産物を買いスタッフへの手土産とする。要するに今年もケーキは持って帰らせていただく。申し訳ないが諸君は『横浜ベイブリッジクーヘン』で我慢してくれ…というわけだ。ここまで気を遣って今年はケーキが出てこなかったら一人でトホホ…やで…と思いながら番組本番前にスタジオ横のケイタリング・ルームに『横浜ベイブリッジクーヘン』を持参。すると本番直前のスタジオに去年と同じでっかくて美味い桜のケーキ登場!皆さんありがとうございます!海老で鯛を釣ったったぁ…と思いながら「皆さ〜ん!横浜ベイブリッジクーヘン食べてくださ〜い」ナンノコッチャ。
4月6日(水)つづき
『ちちんぷいぷい』放送中に大相撲五月場所は入場料を取らない技量認定場所になるとの一報が入る。ナンデヤネン!!ナンデ大震災支援救援場所にせえへんねん!!相撲界は完全にネジが狂てるで。そもそも「八百長力士の処分」自体が茶番。過去の「拵え相撲」を一切頬被りしたまま現役力士の処分などそもそも不公平。しかも今回は蒙古力士と日大力士がターゲットにされた。将来の大相撲はどうあるべきか?などと考えられないのなら一切を観客の目に委ねて一所懸命相撲を取ればいいのに「出来山=八百長=悪」の論理に従って文科省官僚にいい顔をして公益財団法人(税金対策)の認可を受けようとしたことがすべての失敗の根源。親方連中も相撲記者も誰もが知ってる「出来山拵え相撲(世間で言う八百長相撲)」を誰も知らなかった振りして驚いてみせて批判して非難して…早い話がそんな「嘘つき民主主義者」たちによる「相撲のスポーツ化」の結果…大相撲は死んだ!!殺したのは誰だ!?自分の収入のことしか考えず大相撲全体のヴィジョンを描けない情けない親方衆!!相撲のことなど愛してもいない外部理事たち!!そして相撲を好きでもないのに偉そうに「大相撲=近代スポーツ論」に基づき「八百長批判」を繰り返したマスコミ人!!くそっ!!俺の大好きな大相撲は死んだ!日本の文化と日本人的美徳の終焉!!雷電よ!!出でよ!!出でて相撲を甦らせろ!!番組終了後某通信社と某新聞社から電話。新大阪駅と新幹線の車中で「大相撲は死んだ」という話をする。あ〜あ…。震災から復興するときの日本に古き良き大相撲は存在しないのか!?そーいえば東京武道館へ避難者を見舞った力士たちは外国人ばっかりや。いや。外国人でもええねん。日本の相撲文化を体現してくれているのであれば…。帰宅して娘どもが誕生祝いをくれる。今は亡き犬の佐吉と猫のフィガロのビデオ・クリップ。泣けるで。
4月7日(木)
朝の早よから某新聞社より電話。大相撲五月場所について。技量認定ばかり騒がれてるが本場所と同時に巡業での初っ切りや甚句も大切な大相撲の文化…という話をすると受話器から響く記者の声が「ショッキリ?ジンクッテナンデスカ?」と言った。その声の主は日本人で外国人とは思えなかったが大相撲が死んでしまうのも必然か…。残念無念で悔しいことやけど…。大相撲に八百長など存在しない。存在するのは「良い相撲」と「悪い相撲」だけ!そして「ガチンコ相撲」が必ずしも「良い相撲」とは限らず「出来山」「盆中」「人情相撲」などの「拵え相撲」が必ずしも「悪い相撲」とは限らない。たったこれだけのことで済んだはずが…。すべては裁判に持ち込んだ相撲協会の愚?あるいは「拵え相撲」をやりすぎた横綱の愚?震災からの復興の何の役にも立たない大相撲の愚?あ〜あ。
4月7日(木)つづき
夜晩飯映画劇場を常時復活させる気になかなかならずリビングの椅子でウトウトしたところへグラグラグ〜ラグ〜ラグ〜ラ…と余震。コリャ大きいで。とはいえ南関東は震度3。日本の地震に対する恐怖は明治初期に来日して東大で教鞭を執ったエドワード・モースも『モースの日記』に「おお揺れた。また揺れた。本当に怖い」などと書いている。それをもじって『バースの日記』というパロディを『ビッグコミック』に昔書いたなぁ。『不思議の国の野球』(文春文庫)に収録した。自分でもどんな内容か忘れたけどパロディの書きにくい時代は不幸やな。昔は良かった。古い話や。
4月8日(金)
近々飛鳥新社から出版する大相撲関連の単行本(『大相撲は死んだ〜日本的文化と日本的美徳の崩壊』=仮題)の原稿整理を開始。宮崎学さんや荒井太郎さんや鵜飼克郎さんなどとの対談も収録。もっとサッサと仕事が進むはずやったのに地震は想定外。おかげで『マーラーの交響曲』も作業が止まったまま…おまけに相撲協会は相変わらず頼りなく情けない行動ばかり…下手すりゃ日本の大相撲が消滅してしまう…それも必然か…などと悲しい気持ちになりながら夜『鮨処もり山』へ。飛鳥新社の編集者を交えて朝日新聞元相撲担当記者の根岸敦生さんと相撲協会の「八百長処分」を受けて単行本収録用の最終大相撲対談。「処分する側とされる側に別れた角界の茶番劇」をするくらいなら全員で土下座して被災地で炊き出しやって出直して評価は見物人に委ねよというのが俺の意見。根岸氏の意見はさらに見事。「処分は茶番」という認識では一致したうえで土俵の内でも外でも角界で一番大切な存在である「番付」を汚した「八百長力士」は「別番付」にして出直させろというもの。なるほど。あの情けなくもくだらなくもレベルの低い自己保身の「八百長(番付を汚した)力士」は疑惑力士も含めて「別番付」にすれば観客の冷たく厳しい視線の前でキチンと反省した相撲(面白い相撲・一所懸命の素晴らしい取口)をとらざるを得ない。いずれにしろ文科省に「許し」を乞うようなアリバイ作りのための「処分」ではなく自浄能力を示す解決策をとらねば!(「別番付」の詳細については近々出版する単行本を読んでください。「春秋園事件」で協会を脱退した力士たちが帰参したときも番付の「別席」として四股名を連ねました)。とはいえ力士の堕落と角界の頽廃も甚だしく桟敷の見巧者も消えて「相撲近代スポーツ論者」たちが大相撲を「殺し」かねない意見を声高に叫び文科省も相撲協会もその近代スポーツ的「明瞭性」に従って公益財団法人としての利権にしがみつこうとしている昨今…日本の大相撲は本当に「死んでしまう」かもしれない。嗚呼…と思いながら『213』へ。久々に痛飲。しかし相撲協会の「処分」を「蜥蜴の尻尾切り」と断じてる「大相撲=近代スポーツ論者」たちは何処まで「調査」と「処分」を徹底すれば満足するのだろう?現役力士の三役横綱や親方衆の「八百長疑惑」まで「徹底究明」して「処分」を下せ…というのか?それでどんな幸せな社会が生まれる?それより今回の一連の事件の「八百長のレベルの低さ」をきちんと語るべきだろう。そうか。長谷川穂積は負けたか。あのパンチ(ボディ・ブロウに見えたパンチが顔面に正確にヒット)を狙ってキチンと打った挑戦者のゴンサレスは相当なもんやで。
4月9日(土)
朝から机にへばりついて大相撲単行本の対談原稿マトメ。昼飯食って再び机の虫。フウーッ。久しぶりにこーゆー日があってもエエやろ。気がつけば夜の9時。晩飯食いながら次女が息子(俺の孫やで)のためにDVDに編集し直したというLDのディズニー・アニメを久しぶりに見る。LD(レーザー・ディスクのことです)のアニメは20年以上前に子供たちのために買ったもの。『ピーターと狼』『鯨のオペラ歌手ウィリー』『帽子のラヴストーリー』『ケーシー・アット・バット』なんかが入ってる(御存知?)。演奏はベニー・グッドマンやアンドリュース・シスターズやダイナ・ショアなど超一流。ディズニーのアニメもこの頃(60年前くらい)の作品はセンスがよくて温かみがあってブラックユーモアもあって見事。CGははっきり言って堕落やね。原発関連の新たなニュースなし。土日は原子力も活動を休むのか?阿呆な。
4月10日(日)
朝『題名のない音楽会』の『歌ってみまshow』を見て素人オペラ歌手の皆さんのあまりのレベルの高さに仰天。そういえば昔はNHKの『のど自慢』にもオペラやドイツ・リートを歌う人が登場してたな。俺の高校の世界史の教師はシューベルトの『菩提樹』を歌てカネ鳴らしたもんな。クラシック歌手の潜在人口は少なくないはず。俺はもうリタイヤやけど(笑)。野球文化學會のU氏からメールで日米の古い野球場のスコアボードの写真の缶バッジやTシャツをつくって販売するとか。利益はすべて東日本大震災の被災地に送るとか。昔の甲子園のスコアボードやヤンキースのドン・ラーセンがWシリーズで完全試合をしたときのスコアボードの図柄なんかもあるらしい。これは買わなきゃ。日本電動車椅子サッカー協会(JPFA)会長の高橋さんからも素敵なメール。今年の11月にパリで行われる第2回FIPFAワールドカップに対してFIFA(世界サッカー連盟)が全面支援を約束したとか。日本の高橋さんらが努力して世界に広め第1回W杯を日本で開催した電動車椅子サッカーも大きく発展する道筋が見えてきた。JFA(日本サッカー協会)も応援をよろしく!終日机にへばりついて大相撲単行本の原稿マトメ。ふううう。映画が見たい…。おもしろい映画が…。おもしろい相撲も見たい…。ZZZZZZZZZ。
4月11日(月)
春。桜満開。何故か寂しい。というか侘びしい。騒がれない桜ほど寂しく侘びしいものはない。世界で一番寂しいのは年老いた女だ。と確かチェーホフが言ったが現代では絶対にそんなことはない!娘どもが朝から何を騒いでるのかと思たらネットでダース・ベイダーの五月人形を見つけたとか。ナニィ!?馬鹿モン!日本文化のメルトダウンではないか!しかしっ!欲しい!スピルバーグが「黒澤映画→侍→スターウォーズのキャラ」と連想したのは確かだからこれも日本文化の端くれか。European
Smou Wrestlerよりマシだとは思える。孫に買ってやるか…。うわっ。高!?やめとこ(笑)。終日机の虫。よく揺れる。地球ごと揺れる。揺れてなくても揺れを感じる。そんなときは運動不足らしい。しかしそうもいってられない。「ハムレット様何をお読みで?」「言葉言葉言葉」という台詞があったけど俺は「仕事仕事仕事…」。
4月12日(火)
仕事仕事仕事…。「俺は北北西の風が吹くとき仕事をする」…なんてパロディは最近の若い人には通じないんやろなぁ。そういや昔生まれたばかりの西武ライオンズが連戦連敗を続けたときのパロディ原稿の最後に根本監督の台詞として「これでも獅子か!?」と書いても誰も何のことやら気付かなかった。根本監督がイヤーゴでわざと獅子(オセロー=旧ライオンズ)を負けさせていると言いたかったんですけどね。ハムレットの「北北西の風が…」と同様通じませんよね。昔はこの手のギャグがけっこう通じたのですが…。よっしゃ。今日の晩飯映画劇場は『北北西に進路をとれ』でも見るか。あ。あかん。打合せや。というわけでプロ野球の開幕を日テレでしばらくチェック。やっぱり野球はエエなあ…と再確認してたら娘どもが「ちょっとダサすぎるよね」…。たしかに芝生のない黒土の外野も狭い観客席も侘びしく響くトランペットもダサイかも…。しかしコレが日本のヤキューかも…と思いながら『鮨処もり山』へ。元西武代表の坂井保之さんと会食。歴代コミッショナーの話を聞く。おもしろい。それとは別に最近亡くなった氏家日テレ会長の話も。そうか。郭泰源に金額の書かれてない真っ白のヨミウリの小切手を2枚も渡したんはその人やったのか…。
4月13日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』電話出演。プロ野球開幕について。杉本厚夫先生によると最近の若者は(メールでなく)電話で話すことを「ナマで話す」と言うらしい(蔵出しノンジャンル参照)。そういや「生電話」なんてテレビ番組のコーナーもあった。ちゅうことは電話出演もナマ出演か?ギャラ的には違うな(笑)。終日仕事仕事仕事…でようやく大相撲関係単行本の仕事が一区切り。あとは「まえがき」と「あとがき」と校正か。本の題名はやっぱり『大相撲は死んだ』よりも『大相撲を殺すな!』のほうがエエなあ。晩飯映画劇場はロバート・デ・ニーロとアル・パチーノのNYPD(ニューヨーク警察)刑事物語『ボーダー』。2大スターの共演で期待したけど…ストーリーのなかで嘘やホントが入り組んでいて登場人物も騙され見る人も騙されるというなら面白い作品として理解できるけど監督が映画作りの技法的に見る人を騙すというのはいかがなものか?トシをとったゴッドファーザーたちはそれなりに魅力的ですけどね。しかしよく揺れるなあ。えっ!?今は揺れてへんのん?俺が揺れただけ?ホンマカイナ。あ。ほな。これは…?こんな連続…。
4月14日(木)
昨日まで大相撲の原稿に集中していて一段落したので音楽の原稿を…と思たらナカナカ頭が切り替わらん。昔からこの悩みばっかりやったけど若いときよりキリカエが下手になったかな。このキリカエの効かないときが結局一息ついてることになってるのかもしれんけど焦る。ちょっと難しい音楽関係400字10枚原稿をあきらめて来週土曜の「オペラ講座」の準備。ヴェルディ特集第1弾。レジュメを書く。楽しい。まぁ仕事はこんなふうに進めなしゃーないのんやろね。というわけで大切な原稿は少々持ち越し。編集者サン悪いけどちょっと待ってんか。晩飯野球劇場は阪神vs広島。岩田投手の復活に拍手。敗戦はどーってことない。しかし3連戦甲子園はよう入ったなぁ。プロ野球観客動員の基本は地域密着とすばらしいスタジアム。それだけやね。巨人はわかってへんからセパ逆転現象が起こりつつあるのんやね。野球が早く終わったので久しぶりに焼酎傾けながら黒人ハーレム・マフィア映画『奴らに深き眠りを』。よくできたB級映画。面白かった。エルマー・バーンスタインの音楽もベタならカメラ・ワークも台詞もベタ。でも妙に気取った展開を作為的に見せる(昨日のような)映画よりよっぽど好感度が高く悪くなかった。歳取るとこういう単純な映画を喜ぶようになるのんかな…。今日はあんまり揺れんかったなぁ…。
4月15日(金)
オペラ大評論家という以上に日本一オペラに精通されてる永竹由幸氏と昼食食いながら打合せのため東京へ。最初は松濤あたりの鰻屋を指定されたがお店が改装中とかで麻布十番の寿司屋に変更。さすがイタリア政府から叙勲を受けた人物はグルメです。そういえばその叙勲パーティの席で『三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)』の台詞を披露されたときはサスガと思った。「月も朧(おぼろ)に白魚の篝(かがり)も霞む春の空/冷てえ風もほろ酔いに心持ちよくうかうかと/浮かれ烏のただ一羽ねぐらへ帰える川端で/竿の雫(しずく)が濡れ手に泡/思いがけなく手に入る百両/ほんに今宵は節分か/西の海より川の中/落ちた夜鷹は厄落とし/豆沢山に一文の銭と違って金包み/こいつぁ春から縁起が良いわい…」パーティの席でこの台詞を口にした主賓はほかに川淵三郎さんがいる。どちらも歌舞伎好きオペラ好きの通人。そして今日は永竹さんとの打合せはサッカーの話。ナンデヤネン。デキスギやで。そういや小生の高校時代の英語の教師でカトリックの神父だったジャック・プリューダムという禿親父は大晦日に京都南座の『素人顔見世』に出演してポーランド系アメリカ人訛の日本語で『白波五人男』の南郷力丸をやってのけた。「さてどん尻に控えしは/磯風荒れえ小ゆるぎの/磯馴の松の曲がりなり/人となったる浜育ち/仁義の道も白川の/夜舟に乗り込む舟盗人/波にきらめく稲妻の/白刃で脅す人殺し/背負って立たれぬ罪科は/その身に重き虎ヶ石/悪事千里というからは/どうで終めえは木の空と/覚悟はかねて鴫立沢/しかし哀れは身に知らぬ/念仏嫌えな南郷力丸…」映画『ゴッドファーザーPARTV』のラストシーンを初めて見たときはこの神父のこの台詞を思い出してしまった(笑)。永竹さんからさんざんオペラのオモシロイ話を聞いて美味い寿司を昼から食ってイタリア・セリエAツアーの打合せのあと渋谷へ。
4月15日(金)つづき
少々時間があったのでタワーレコードへ。棚を見て回るだけのつもりがオペラのDVDコーナーでジーナ・ロロブリジータとティト・ゴッビ主演のレオンカヴァッロ『道化師』を見つけるので買ってしまう。以前NYメトの土産物屋でVHSビデオを買ったもの。DVDで買い直したくなる逸品。ひとつ買うと止まらない。近くにあったR・シュトラウス『エレクトラ』(ザルツブルク音楽祭ガッティ指揮レーンホフ演出)もジャケットの女の顔(イレーネ・テオリン)の怖さに惹かれて買うてしまう。おれはマゾか?(笑)あとフランス語版モーツァルトの『魔笛』を900円で見つけ往年の美人歌手アンナ・モッフォのアリア集を800円で見つけたので買ってNHKへ。で関東甲信越地方番組審議委員会出席。震災報道が主。福島原発の水素ガス爆発映像は日テレが独占。あれは出典日テレを明記してテレビ界で共有すべきでは?(なかなか難しいそうです)東日本大震災より東北関東大震災のほうがネーミングとして正しいのでは?(閣議で決まったので従ったそうです)…いろいろ意見を言わせていただく。委員会の後すぐにNHKエデュケーショナルで海外向け番組(BS1でも放送されている)『Begin
Japanology(ビギン・ジャパノロジー)』のVTR収録。日本水泳の猛練習と前畑秀子とナチ・オリンピックについて喋る。いつ放送されるんかなぁ?その後青山のレストランへ。新潮社編集者とメシ食いながら大相撲原稿・野球原稿・音楽原稿について打合せ。こういうときは仕事の間口の広いことに我ながら満足。しかし執筆のときはウンザリして苦悶煩悶(苦笑)。帰宅して風呂入ってバタングーZZZZZZZZZZ。さすがに疲れた一日。
4月16日(土)
ううううむむむむ。朝から揺れる。そうとう強い。震度は…それでも3か。少々めげるなぁ。この恐怖心に見合う数字を出してほしいという気になる。こんなとこでインフレしてもシャーナイけど。郵便物の整理。沢山の本が送られてきて山積みのママ。吉沢譲治『血のジレンマ〜サンデーサイレンスの憂鬱』NHK出版。そうか種馬の一人勝ちは様々な問題を孕むんやな。面白そう。熊田忠雄『拙者は食えん!サムライ洋食事始』新潮社。ええタイトルやなぁ。タイトル見ただけで読みとなる。『響きあう感動50年音楽の殿堂〜東京文化会館ものがたり』東京新聞。そうか。昭和33年から3年がかりで総工費16億3千万円か。物価の違いがあるとはいえ安いもんやな。桑田真澄『野球の神様がくれたもの』ポプラ社。俺の拙著が3冊も参考文献に入ってる。これは読まねば。うん?なんで『スポーツとは何か』が入ってへんねん。野球を語るのに野球だけに偏ったらアキマヘンで。まぁ読んでみよか。
4月16日(土)つづき
せっせせっせと日常(仕事)に励んで晩飯映画劇場は『わが教え子、ヒトラー』。ナンジャコリャ。えっ!?ヒトラーがユダヤ人教授と抱き合ってる!?史実!?阿呆な!!けどオモロイ。じつはコレ昼間仕事の合間に珈琲淹れに来たついでにBS日テレで見たのを慌てて録画したもの。従ってアタマの約30分弱がナイ。コレ見直さなければ!!ひょっとしてヒトラーを茶化した秀逸な映画?あるいは史実を完全に無視した失敗映画?最後の声が出なくなったヒトラーに変わって演説台下に隠れたユダヤ人教授が口パクで演説する(そしてヒトラー自身の性的コンプレックスまで「自らの口」で告白させるなかで殺される)という『雨に唄えば』と『チャップリンの独裁者』を合わせたような結末とヒトラーを知らない若者が多いドイツ国民へのインタビューで終わるエピローグは頭を捻るほかなかったけどソレは冒頭を見てないからかな?主演は『善き人のためのソナタ』のウルリッヒ・ミューデ。そうか…今年のパは楽天の優勝か…。横浜はがんばってるけど3時間半引き分けルールを「悪用」して逃げ込んだな。コレがアカンという理由で「時間切れ引き分けルール」はなくなったはずやのにプロ野球の運営者たちは何考えとるねん!?電気節約と全然関係ないやないか。
4月17日(日)
くそっ。原稿書けん。しゃーないなぁ…といつものこと。朝から悪戦苦闘して書けんから昼飯のときファイターズ斎藤佑樹投手のデビュー戦見る。ストレートにもっとスピードが欲しいなぁ。変化球に鋭く落ちる球も欲しい。フォームに力感も欲しい。踏み出す足の歩幅が短いのかなぁ。審判に助けられんと辛いなぁ。味方の打線の援護も常に欲しい。神宮で見たときから思てたことやけど何かを「持ってる」だけでは続かん…のでは?フォーム直したほうがエエと思うのは俺だけ?今更遅いか。BS-TBSで見た早大時代の同窓の広島福井投手のほうが投手らしい。まぁ「タレント性」というのは本職以外の魅力のことを指すわけで斎藤投手に人気が集まるのは納得。けど野球での評価がきほんやからねぇ。しかし「軟投型のへなちょこボールで不安定なしっかりせん弱々しい投手」(言い過ぎかなぁ・汗)というのは女性ファンの母性本能をくすぐるんやろなぁ。原稿書けん。今日は下書きで仕上げは明日に。晩飯映画劇場はアンジェイ・ワイダ監督『カティンの森』。重すぎるテーマを堂々と見事に描いた作品。見事な映像の力(カメラワークと色彩)で全体主義大国(国家社会主義国と共産主義国)のエゴを描き出す。いい映画を見ました。考えさせられました。ワイダ渾身の作品。
4月18日(月)
朝から昨日下書きした原稿(来月発売の佐渡裕さんのPHP文庫『僕が大人になったら』の解説文なのだ)を仕上げる。なぜかサラサラサラと上手く書ける。調子の出るときとはこんなもんやねえ。編集者からも「オモロイ!!」と電話が入る。気分よし。仕事(原稿等)に対する評価で「オモロイ!!」と言われるのが一番嬉しいのは関西人である証拠と言えるかもしれん。午後からは調子に乗って連載コラムも書く。そうか。朝早くから仕事をするのが調子の出る秘訣かな。そういや昔受験勉強のときも夜型から朝型に変えて良かった憶えがある。俺はディオニソス型やなくてアポロン型かも(何をオーバーに!汗)。まあ4月生A型牡羊座桜ダイヤモンドやから本質的には明るいほうが好きなんやろね。それが恥ずかしすぎるから裏返しで『陰翳礼讃』が好きというのが自己分析です…な〜んちゃって(笑)。晩飯映画劇場はサッカー映画『くたばれ!ユナイテッド』。イングランドのフットボール・リーグがまだプレミア・リーグを名乗る前の70年代リーズ・ユナイテッドが強かったときの名監督ブライアン・クラフ監督の物語。前任の名将レヴィー監督との確執や苦労を共にした友人の副監督との反発と友情。そして下部リーグのチームを1部チームに押し上げる経緯が描かれている…が本質的にサッカーは映画に向かない。アメリカ生まれの球戯(野球・アメフト・バスケ・アイスホッケー)は試合の中断が多くドラマ(監督や選手の心理描写)が生まれるがヨーロッパ生まれの球戯(サッカー・ラグビー)は中断が少なくドラマを生みにくい。この映画もサッカーシーンは少ない。要するに野球はドラマ…サッカーはスポーツ…ということですね。
4月19日(火)
昨晩も一昨晩も深夜や早朝にかなり強い地震があったそうな。どっちも熟睡していて気付かず。知らぬが仏やな。雑誌コラム原稿書き。久々に愛聴CDについて書け…なんて依頼だったので女性ヴォーカルばかり選ぶ。楽しい作業。それもALL
SECOND BEST。すなわちジャズではビリイ・ホリデイでなくミルドレッド・ベイリー。昭和歌謡では美空ひばりでなく雪村いづみ。シャンソンではエディット・ピアフでなくブリジット・フォンテーヌ。オペラではマリア・カラスでなくディアナ・ダムラウ。ディアナだけが最近の歌手。まぁエエ選択やね…と自己満足。一時震災を忘れる。晩飯野球劇場は甲子園阪神巨人戦。開幕投手同士の投げ合い。能見凄い。遠野もエエ投手やね。やっぱり投手は真っ直ぐが走らなきゃ。それには腕が触れなきゃ。それには踏み出す足の歩幅がある程度長くなきゃ(稲尾投手は普通に歩く4歩先に踏み出してた!)。その踏み出した足に全体重がかからなきゃ。わかった?サイトーくん?うわっ。巨神戦は凄い大接戦のオモロイ終盤でTV中継終わり!!なにぃ!!と怒りそうになったけどCSで続きを見ることができた。ウワッ。延長10回新井弟満塁でライト前ヒット!!阪神サヨナラ勝ち。甲子園へ行った人は楽しかったやろな。これでクダラン時間切れ引き分けとかになってたらフラストレーション溜まるとこやったで。電力節減が目的のはずやのにプロ球界はナンデけっして試合時間短縮につながらん時間切れ引き分けなんてルールを導入したのか!?運営者は野球のこと知らなさすぎるで。夜遅く某週刊誌からTel。弟子の八百長問題で2階級降格処分を受けた尾上親方が酒気帯び運転とか。角界は日本文化の象徴。角界のだらしなさは政財界から教育界やマスコミ界に至るまでの堕落の反映…とも言えるけどそれにしても非道すぎるわなぁ。出来山相撲もマトモにとれへんようなったんやから…。さらにボストン・マラソンの結果が入る。ギョエッ!!2時間3分2秒。またまたケニアのランナー。今に1時間台やで。マラソン界に何が起こってるのか…?寝付いた…と思たら揺れた。眼が覚めてると怖いもんやなぁ。早よ寝よ。
4月20日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』電話出演。ボストンマラソンの2時間3分2秒という快記録が世界新にならない理由について。しかし世界歴代ベスト10のタイムがすべてケニア&エチオピアの選手なのはナンデ?正しく確かな理由を誰か教えて。午後からサントリーホールへ。『エンジン01』の東日本大震災バザーに友人の上田龍クンが作ったレトロ・スコアボードTシャツを持ってゆく。甲子園バース・掛布・岡田バックスクリーン3連発ヴァージョンと後楽園天覧試合長嶋サヨナラ本塁打ヴァージョンと平和台西鉄巨人稲尾サヨナラ本塁打日本選手権ヴァージョンの3枚を持って行く。まぁ売れるやろと自信持って出品したところが隣のテーブルに川淵三郎氏提供アジアカップ。これって今年の李忠成が決めたあとの表彰式で選手がもろてたヤツやん!値段は1万円!オレが欲しい!と思いながら隣のホテルのロビーで講談社現代新書編集者と打合せ。終わって編集者2名とバザーに戻るとアジアカップは売れてた。残念。まぁ関係者が手ぇ出したらあかんわなぁ。岩手産ワインも売り切れ。いろんな人に挨拶して舞台裏へ行くと乙武さんがいた。久しぶりぃ!来月桐蔭横浜大学で一緒にやるトーク講座を改めてお願いしておく。そうか。保育園始めたか。俺が手伝えることは何もなさそうで残念やけどがんばって!そのあと音楽事務所のクリスタルアーツへ。来月の佐渡裕さんのベルリン・フィル・デビューを聴きにいくことで打合せ。佐渡さんの文庫本の解説文を佐野社長夫妻もオモロイ言うてくれはってニコニコ(照れると文章が幼稚になります・笑)。帰りの電車で講談社の編集者からいただいた吉岡逸夫『白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由』(講談社+α新書)読み出す。うわっ。写真見るだけでショック。デンマーク・フェロー諸島では海岸の海水が大量の血で真っ赤に染まるほどの鯨漁をしてる。なのに日本だけがバッシングを受けるのは…。早速全部読まねば。
4月21日(木)
朝新聞連載コラムさらさらさら…と書きあげる予定がつっかかって書けん。明日の締切を一日早く仕上げようとすると余裕があるから頭のなかがアッチコッチへ跳んでまとまらんのかなぁ。それとも昨日の阪神が巨人に審判のせいで負けた…という気持ちが集中力を欠いてしまうのかなぁ…などと思いながらよーやく昼飯時の仕上げて午後から久々にマーラーの資料調べ…と思てたら原稿の校正が次々とFAXで送られてくる。ところがFAXの電話回線の調子がおかしくナカナカ上手く受信できない。屋内配線部分で異常があるらしくNTTも手を付けてくれない。トホホ。どないしたらええねん。これも昨日の神巨戦の審判のせいやと大人げなく八つ当たり。校正はpdfでメール草稿にしてもらったところはOKやけどデケンという相手もいる。エッ!?その程度のパソコンも使えへんのけぇ!と言いたいが自分はもっと使えないことを思いだして自重。何とかFAXが機嫌を直してくれてナントカ校正3本完了。ふうううー。晩飯野球劇場は澤村の好投で阪神完敗。シャーナイ。本読んで寝よ。昨日もらった『白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由』読む。ふ〜ん。ほほう。そうか…というカンジ。きちんとした感想はどこかの書評で。
4月22日(金)
昨日書いた原稿をチェックして朝のうちに送稿したあとちょいとマーラーの調べ物をしてみなとみらいホールへ(ナンデ平仮名やねん!?)。金聖響指揮神奈フィルの明日のコンサート(マーラー7番夜の歌)を聴けへんので久しぶりに楽屋で聖響さんとマーラーの話をしたあとリハで聴かしてもらう。そうか。先月の震災翌日のマーラー6番は「異常な力」が働いたそうな。そらそやろ。副題が『悲劇的』やもんな。俺は残念ながらJRが止まったままで行けへんかったけど700人くらいの駆けつけた聴衆相手に東芝フィルのクラリネット奏者さんから聞いた話でも異常に盛りあがりつつ圧倒的に心を揺さぶられるコンサートやったとか。題名も音楽の内容もタイムリーに意味深かったからかな。音楽終わってぶ「ブラヴォー!」の声がかかるまで何十秒も拍手がなかったらしい。7番もなかなかの熱演。神奈フィルもノッてるな。それにしてもコンマスの石田さんの衣裳(真っ白のロングの特攻服?!)はさらにエスカレートしとるなぁ。本番は燕尾やろけどコレでマーラーやるのも一興やで(笑)。夕方急いで東京へ。品川で某新聞社編集者と打ち合わせしたあと女房の家の法事のため新幹線で京都へ。久々に『金星』で食事。やっぱり京都も観光客が減ったとか。そのあと『酒肆G』へ。ナニィ!ママさんの話によるとキーナートさんが『G』に出入りしてると?あっ。今の奥さん京都の人やもんな。早速マーティに電話。そうかいな。いまや常連かいな。けど俺のほうが古いで。小学生時代からね…と何を競っとるねん(汗)。
4月23日(土)
朝上賀茂の家で法事。義父の十三回忌。禅宗に慣れてる身には真宗の御経はいつも眠なっていかん。昼飯に上賀茂葵鮨さんの美味しい幕の内を掻き込んでついでに神馬堂のヤキモチも食べて新幹線で名古屋へ。中日栄文化センターでオペラ講座新シリーズ『ジュゼッペ・ヴェルディ大特集』。第1回はベルカント・オペラからの「離脱」としてまずドニゼッティの『ルチア』をネトレプコのタイトルロールで見る。有名な六重唱のシーンだけで終わる予定やったけどあまりに面白いので狂乱の場も見てしまう。歌も素晴らしいけどアルミリアートの指揮も秀逸。引き締まった舞台に感激。他にヴェルディの建てた養老院カーサ・ヴェルディのドキュメンタリー映画『トスカの接吻』の一部(かつてスカラ座の舞台に立ち今はカーサ・ヴェルディに入っている往年の歌手たちによる合唱や独唱)も見てもらったり初期ヴェルディ作品の説明をしたりしてたら時間がなくなってヴェルディの『ナブッコ』は一幕で時間切れ。二幕以降は次回に。うん。ひとりの作曲家を取りあげたらこーゆーやり方もアリやな…と思いながらチョイト仕事の打合せをして友人とビールを楽しんでから新幹線で帰鎌。往復の新幹線で『白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由』読む。ホンマにアングロサクソンという連中は自分たちの「正しさ」「優越性」を阿呆みたいに信じてるゴーマンな奴らやで。謙虚さゼロ。困ったもんや。『ザ・コーヴ』も見てみなければ。おっ。DVDが出てるやん。あの上映時の騒動は何やったんやねん!?
4月24日(日)
朝からせっせせっせと仕事。合間に『白人はイルカを食べてもOKで日本人はNGの本当の理由』読了。なるほど。反捕鯨NGOはアメリカのヴェトナム戦争枯葉剤作戦から目を逸らす意味で育てられた面もあるのか。そのくせロケットにマッコウクジラの脳油を使てたんか。そこまでの「陰謀」はないけど反捕鯨運動の実践者の思考と大相撲八百長反対論者の思考はどことなく似てる気もする。晩飯野球劇場はファイターズvsイーグルス。斎藤佑樹投手2度目の登板。明らかに1度目よりフォームが悪いなぁ。速球が投げられへん…という以上に解説の武田一浩氏も言うてたけど早晩肘か肩を壊すで。こういう投手は早くプロの打者が滅多打ちしてあげて「俺はプロで通じないからフォームを必死で直そう」と思わせてあげないと可哀想やで。それでも勝ち投手。これを「持ってる」などと言うのは詭弁。遅めの晩飯映画劇場は『96時間』。なぜか録画ハードディスクに入ってた短い映画やから見てしもたけど酷く非道く最低の映画やね。アメリカ人の最悪の部分が平気で露出した似而非英雄物語。娘どもに言わせると人気ドラマシリーズ『24時間』も同じパターンらしい。まぁアメリカ文化の最悪の面を再確認したという意味で見た価値はあった。父は娘を救ってハッピー?友人はどーなってもええんかいな。最悪のストーリーやで。
4月25日(月)
ナカナカ仕事が捗らんなぁ…と思いながらアアこの漢字が「はかどる」と読むんやったなぁ…ということを思い出して満足。よし。今日は漢字一字をきちんと憶えて満足の一日にしよう。そういう一日があってもエエやないかと思いながらソレを書いてるのは翌日やで…と自分でツッコミを入れる。意味わかります?昼前後に大船駅付近まで外出。振り込みその他銀行関係の処理を…と思たら銀行が満員。あっ。今日は25日。給料日か。こーゆー日にちの感覚に疎くてイカン。シャーナイし行列に並んで処理したあと島森書店に寄って帰宅後再び黙々と仕事。ふううーっ。「mokumoku」はATOK17で「黙々」に変換できるのにナンデ「mokumokuto」は「黙々と」にならんのやねん。ちなみにmicrosoftIMEstandard2003ではどっちも漢字になる。日本のメーカーのほうが負けてるで。古いからかな?晩飯映画劇場は『ザ・コーヴ』。和歌山県大地町に押しかけてきた感情過多理論浅薄売名大好き人間としか思えないアメリカ人たちによる自己陶酔英雄主義映画。ナンデこんなくだらん映画がアカデミー賞とったんかなぁ。あ。日本上映ヴァージョンやからかなぁ。そうも思えへんけど…。
4月26日(火)
終日単行本『大相撲を殺すな!』(仮題・5月下旬飛鳥新社より出版予定)の原稿チェック。なかなか仕事が捗らんな…と思いながらアアこの漢字は「はかどる」と読むんやたなぁ…コレ昨日と一緒やないか(笑)。しかし大相撲は「八百長問題」で誰が八百長をやった…誰が処分された…誰が処分を免れた…親方の過去は…といった話題ばっかりに終始して大相撲という日本文化が瀕死の状態にあることは話題にしない。なぜ大相撲は死にかけなのか?最大の理由は核家族化。つまり相撲部屋の数が多すぎること。これはガバナンス委員会も指摘してることで部屋数を現在の50から30前後(インフレ前の80年代の数字に)戻すべし。それに公傷制度の廃止と共に増やされた幕内や十両の枚数も減らしたほうがイイ。こういう真の改革が語られずに誰某は八百長力士…などと騒ぐだけでは石原慎太郎都知事のように正真正銘のガチンコの名勝負だった柏戸大鵬戦を八百長と非難するような「誤爆」が起こるだけで大相撲を痩せ細らせるばかり。あ〜あ。大相撲の「八百長」を目くじら立てて非難した人は何を言いたかったのかなぁ…。晩飯映画劇場は『脳内ニューヨーク』。『マルコヴィッチの穴』『エターナル・サンシャイン』のオモロイ脚本を書いたカウフマンの初監督作品。ハロルド・ピンターが死んだ…から始まる男の演劇化された一生の虚実の皮膜を描いた「赤児の小便」のような映画。つまり「ヤヤコシイ」が楽しい。『96時間』のようにサイテーのクダラン映画もアメリカ映画ならこーゆーのもアメリカ映画ですからね。アングロ・サクソンは侮れませんぜ。主演は『カポーティ』やった人。
4月27日(水)
終日大相撲問題新たな原稿と取り組んでいると溝口敦『ヤクザ崩壊 侵食される六代目山口組』(講談社+α文庫)が送られてきたので思わずまえがきを読む。ふ〜ん。そうか。山口組は前近代的組織のヤクザから脱却してマフィア化を企む一方かつてのヤクザ組織とはまったく異なる「半グレ集団」が現代社会に適合した反社会的犯罪集団としてのさばってきているのか…。「角界と任侠界」「相撲道と任侠道」の類似は「義理と人情」が中心になるけど朝青龍暴力事件や海老蔵殴打事件とも関わる「反グレ集団」は「風俗・IT・金融・宗教」そしてヤクザとカタギを区別しない「激しい暴力」か?となるとアジール(聖域・避難所・無縁所・域外域)としての角界はますます重要なはずだが…。晩飯野球劇場は雨のスワローズの独壇場。強いなぁ。投手力が維持できれば本物やなあ。フィギュアはやっぱりパトリック・チャンか。一日中机の虫で疲れた。寝よ。
4月28日(木)
朝から夕方まで途中昼食を挟んで一気に大相撲「八百長処分」のナンセンスさに関する原稿を書き始めて完成する予定があと一歩で夕方時間切れ挫折。そそくさと久しぶりに大船の焼鳥屋『との山』へ。某通信社編集者3人と会食。焼き鳥美味い!焼酎『花垂れ』も久しぶりに美味い!話題は相撲とスポーツ…が調子に乗って大学時代の昔話からイロイロ展開。アカン。久しぶりに酔うた。『213』のトイレに寄って生ビールを1杯追加。酔い覚ましに急坂を20分ブラブラ登って歩いて帰宅。アカン。酔いが覚めん。二女の元看護師に脳出血経験者のくせに飲み過ぎは自殺行為と非難される。かめへんやんけえ。タマのコッチャ。黙っとれ。ウイーッ。寝よ。日本の男子フィギュア陣は少々油断があったかな。高橋のボルトハズレはアカンで。小塚はヨカッタヨカッタ。
4月29日(金)
昨日仕上げきれなかった大相撲原稿を朝のうちに書きあげて編集部へメール送稿。ふうーっ。二日酔い気味ながら一気に書きあげる。ふうーっ。昼飯映画劇場は『人間失格』。主役がジャニーズ系ルックスなのはかまわんけど小説の主人公はもっと自意識過剰でイヤミな男やったはず。それ結末が違うのは何故?ジャニーズ系はボロボロにできない?午後半藤一利『あの戦争と日本人』読了。一日一章寝る前にベッドでお勉強のペースを崩す。岡本喜八監督が映画化した『日本の一番長い日』にも出てくる終戦決定の日に阿南陸相が「米内(海相)ヲ斬レ」と言ったことについて阿南陸相の心を推察した一文は考えさせられた。他に戦艦大和や特攻隊の章も。まだまだアジア太平洋戦争のことは学ぶことが多い。親父のいろいろな言葉も思い出される。そうか。日本の政治家も軍人(自衛隊幹部)も明治から延々と質的下り坂状態なんやな。物書きもそうなんやから他業種人の批判もしづらいけどならば静かに市井人に我が身を置くことにするか。フィギュアスケート女子は…滑走順を決めるくじ引きのときのキム・ヨナの顔つきと態度を見て気分が萎えた。あの態度を見て韓国でファンが減ることはないのやろか?老婆心ながら心配、明日ビデオで見れば十分。朝早かったから寝よ。
4月30日(土)
ショートプログラムはキム・ヨナが1位。まあ順当かな…と思たら長女が騒いでる。彼女がミスしたジャンプをGOEで加点していた審判がいたというのだ。なるほど。バンクーバー冬季五輪以来いやその前年の世界選手権以来の「加点戦略」はまだ生きているのかと思ってしまうから採点競技は正直言ってイヤになる。大相撲の「八百長」のほうがよっぽどマシに思える(多分その通りだろう)。点数や順位などどうでもいいから素晴らしいスケーティングを楽しもうと思たら浅田真央はガチガチ。衣裳も…振付も…音楽も…?コーチの問題か…?村上佳奈子もそろそろ…。朝ビデオ見て仕事するきっかけを失ったので新聞書評で頼まれていた大相撲の本を選ぶ作業。うわっ。いくら考えても5〜7冊と言われてたのに10冊を超える。落とせへん。相撲の本って意外と面白い本が多い。最近は野球より多いのではないか。その理由を考えるほうが面白い。昼飯映画劇場は最近録画してたものを気軽に見始める。『誰がため』。第二次大戦中のデンマークでのパルチザン実話。ぐいぐい引き込まれて止められんようなって見てしまう。上からの命令でナチスとナチ協力者を殺し続けるパルチザン。しかし誰が的で誰が味方かわからなくなる。最後に信じられるのは自分の信念のみ…。スピルバーグの『ミュンヘン』よりはるかに素晴らしい作品。映像も美しい。力がある。考えさせられる。昼からガンバッテ仕事。夜は…まずアイスダンスを楽しむ。点数や勝敗がそれほど気にならない勝負は面白い。ということは気にしなければいいのだ。スポーツとはそういうものだ…と思いながら安藤美姫が勝ったか…。もう少し素直に喜んでほしいな。試合前も言い訳したりせず…。ヨナももう少し悔しがってほしいな。プレッシャーも精神的に苦しいのも辛いのもわかるけどスポーツと真摯に向き合ってほしいな…と思うのは俺だけか?浅田真央は6位か…。タラソワさんのもとへ再び…はアカンのかなァ。
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