8月1日(木)
ベッドのなかで『殴り合いの文化史』読み進む。ふ〜ん。ゴリラやオランウータンは「殴り合い」をするのか。猫族の猫パンチは「殴り合い」にはならない?カンガルーは?あれはキック・ボクシングか?いろいろ考えるだけで面白い。昔ボクシング評論家の郡司信夫さんから剣術の天然離心流は鍔迫り合いの最中に片手を竹刀から離して正拳突きのようなパンチを出す技があったと教えてもらったことがある。パンチにもいろいろ意味があるんですね。その意味で『平凡パンチ』という命名は凄かったわけですね。「平凡」な「パンチ」ってそもそも言葉の矛盾ですから。ベッドから起き出してRKB毎日放送『インサイト・コラム』電話出演。大船渡高校佐々木投手の起用法について話す。そもそも高校野球の日程がオカシイ。試験中に試合をしてイイのか?炎天下の猛暑のなかで試合をしてイイのか?高校生を見世物にしてイイのか?要は球速160キロを出す投手の身体(肩や肘)の問題ではなく高校生の健康の問題なのですよね。ラジオのあと黒兵衛と散歩。暑い。当たり前か。夏ですからね。影を求めて歩く。オシッコをしたあとのために持ち歩いてる水を黒兵衛の身体にもかけてやりながら散歩終了。ワン。俺は水風呂へ。出たところへ当ホームページの作成をしてくれている(株)bitのYさんが京都から来宅。午後から大船で仕事があるとかでソノついでにコンピューターのメール送信がスムーズに行かないことのチェックをしてくれる。1時間かかって原因はわかったけどメンテナンスまでは手を付けられず後日の修理を約束してくれる。パソコンはヤヤコシイですナァ。万年筆で400字詰め原稿用紙に原稿を書き編集担当者が取りに来てくれていた時代がナツカシイ。それで何の問題もなかったのに…。夕方から大船に出ていろいろ買い物。本屋で『犬から見た人類史』(勉誠出版)竹宮恵子『マンガ吾妻鏡』花村えい子『マンガ落窪物語』(中公文庫)購入したあと焼き鳥の『との山』へ。春陽堂の編集者3人と出版について打ち合わせ。久しぶりにバー『kurocks』にも寄って美味しいスコッチを2杯いただき駅の階段で転ばないよう細心の注意を払って帰宅。もう若いときのようには呑めなくなりましたね。当たり前か。天才バカボンの親父の台詞を思い出す。これでいいのだ!
8月2日(金)
読書inベッドに新たにマンガが加わったので『殴り合いの文化史』は少々おやすみ。メッチャ面白い本なのだけどサッサとマンガを読破しておきたい。とはいえ『マンガ吾妻鏡』はあまり面白くない。これはもちろん竹宮恵子さんの責任ではなく原作者の責任。まだ上巻だけど『平家物語』の人情とか『太平記』の心情のようなものが響いてこない。これが関東武士の無骨さか。ベッドから出て朝飯のあと黒兵衛と散歩。メッチャ暑い。酷暑。猛暑。狂暑。「暑さのせいで神も気違いになる」とは漱石の言葉(趣味の遺伝より)。ナルホド寒さで気が狂うことはないか。ワン。終日デスクワーク。あれやこれやいろいろナンヤラカンヤラで晩飯映画劇場はロバート・デニーロ主演『ミッド・ナイト・ラン』評判は聞いていたけど観る機会もなくこんなに面白いとは思わなかった。被告人を裁判の公判までに連れ戻して賞金を稼ぐ元刑事とマフィアからカネをすくねて被告になった会計士の2人がニュヨークからロスまで期限までに移動するロードムーヴィ。デニーロいいですねえ。しかしキャスティングとか編集とかも見事。ビヴァリーヒルズ・コップで成功した監督がさらに見事な手腕を発揮した作品ですね。腹一杯満足の映画でした。アメリカのイイ面を描いたイイ映画ですね。1988年製作。そう言えば携帯電話が出てきませんね。
8月3日(土)
ベッドのなかで『マンガ吾妻鏡』上巻読了。中巻読み進む。昨日の「あまり面白くない」という感想は撤回。竹宮恵子さんが『吾妻鏡』だけでなく『平家』や『愚管抄』からもエピソードを拾って物語を膨らませているから頼朝の政治だけでなく義経の兵法も描かれて政治と兄弟の人間ドラマがよくわかる。しかし義経は男前すぎるかな(笑)。ベッドから抜け出て黒兵衛と散歩。猛暑。酷暑。夏だから仕方ないですね。言うまいと思えど今日の暑さかな。ワン。散歩から帰ってシャワー&水風呂のあと準備して品川へ。東海道新幹線で新大阪へ。途中爆睡。特急くろしおに乗り換えて和歌山へ。愛知県の「体育とスポーツの図書館」で出逢った体育の先生が迎えに来てくれて学校体育研究同志会全国研究大会の会場へ。午後4時半からタップリ2時間約300人の体育の先生方&先生の卵の学生を相手に『東京2020とこれからの体育・スポーツと平和』というタイトルで講演。eスポーツやドーピングやスポーツの歴史や民主主義とスポーツの関係などを話したあと小生も体育方の意見を聞いてみたかったので約40分を質疑応答に当てたところがさすがに先生方から次々と質問が飛びだし小生も自分の考え方を整理し直すことができた。講演のあと「体育とスポーツの図書館」の関係者の方々と夕食。いろいろスポーツと教育の話題で話が弾んで楽しい一時のあとホテルの部屋へ。NHKで『この世界の片隅に』をやっていたので観てしまう。戦争映画。広島・呉の街に暮らした庶民の生活から描いた反戦映画。八月は六日九日十五日。和歌山泊。夕食のとき「もっとお話を聞きたいのでスコッチを持って部屋に伺ってもイイですか?」といっていた体育の若い先生は結局来なかったな。遠慮したかな。
8月4日(日)
朝起きてシャワーのあと和歌山のホテルで朝食。昨夜お世話になった体育同志会のスタッフの皆さんに挨拶して南海電鉄和歌山駅まで送っていただき特急サザンで堺へ。堺市にできた新しい劇場フェニーチェ堺のエグゼクティヴ・プロデューサーのSさんがスタッフのクルマで迎えに来てくれて10月にオープンする劇場の舞台裏や4階席や小劇場やホワイエなどいろいろ見学案内していただく。オープンニングは広上淳一指揮京都市交響楽団だが落語や文楽さまざまな興味深い公演がならんでる。佐渡裕指揮でホセ・カレーラスの演奏会もある。ロビイには『かいけつゾロリ』の看板も。ミュージカル公演らしい。懐かしいなあ。孫と10冊近くは読んだなぁ。フェニーチェ(不死鳥)はヴェニスにあるオペラ・ハウスと同名。何度も焼けて復活したオペラハウスと同じ名を戦災で焼き尽くされた堺の街を不死鳥のように甦らせようという意味で名づけられたとか。会場の隅々まで見せてもらってJRの駅まで送っていただいて大阪駅へ。新快速に乗り換えて京都へ。タクシーで六道珍皇寺へ。幸い和尚さんがおられたので御挨拶。お墓に水をかけてお経を詠んでもらう。炎天下。猛暑。酷暑。京都の暑さはまた格別。太陽の熱も凄いけど湿気が酷い。汗が噴き出す。言うまいと思えど京の暑さかな。暑いけどお盆のお参りとはこんなものか。経を詠んでくれた和尚に礼を言ってタクシーで京都駅へ。新幹線で爆睡のなか帰鎌。晩飯食っていたら緊急地震速報。石巻で震度5。ここらは震度3。おかげでテレビで見ようと思っていたNHK『ダーウィンが来た』の道走り(ロードランナー)の特集が飛ばされる。道路を超スピードで走り抜ける鳥のロードランナーは子供のときにウッドペッカーのマンガで観て以来の大ファンですからね。残念。風呂に入ろうと思ったらNスペで京都の『百味會』の特集をしていて面白かった。老舗の伝統を守るなかで新しいコトをするのもタイヘンですね。百味会は1業種1店舗らしい。ということは八つ橋は聖護院だけ。柴漬けは土井の志ば漬だから美味しい村上重の柴漬けは『百味會』には加われないのか。まぁ百味會も生まれたのは1950年代と新しいモノですから加われなくてもいいけど「京都の伝統」とは「今もアンダー・コンストラクション(建設中)」で決して古いままではないのですね。この言葉に興味のある人は「蔵出しノンフィクション」の原稿のなかから「いまも京都はアンダー・コンストラクション」という原稿を見つけてお読みください。
8月5日(月)
朝ベッドのなかで『マンガ吾妻鏡』読了。これは竹宮恵子の作品として面白かった。けど原文の『吾妻鏡』を読みたいとは思わないですね。実朝の青春期や後鳥羽上皇と実朝と北条家の対立などは小説になってるだろうからそれは読みたいと思いましたけどね。しかし実朝の三十一文字は見事なモノですね。以前鎌倉文学館で実朝の生誕820年を記念して特別展が行われたときに初めて実朝の作った歌と出逢ってその面白さその迫力その見事さに驚嘆した。〈神といひ仏といふも世の中の人の心のほかのものかは〉蹴鞠と歌詠みに明け暮れたロマンチストも合理的な透徹した眼で世の中を見ていたのですね。〈大海の磯もとどろに寄する波われて砕けて裂けて散るかも〉これはモウ見事と言うほかありません。〈あだ人のあだにある身のあだごとをけふ水無月の祓へ捨てつといふ〉はっはっは。選挙が終わって禊ぎが済んだなどと言ってる代議士に聴かせたいですね。ベッドから出てテレビをつけると20歳のプロゴルファー渋野日向子が全英女子オープンに優勝とのニュース。なるほどこれは凄いことですね。樋口以来の42年ぶりというのも確かに見事だけど日本の若いスポーツ選手たちが次々と「世界への挑戦」ではなく「世界の一員」としてプレイしていることを実感。要するに桃太郎が鬼ヶ島(別世界)へ鬼退治に行く(挑戦する)ような感覚が無くなったということですね。黒兵衛と散歩。暑い。シャワーと水風呂のあと今日の『オプエド』と『スポーツを語る会』の準備。近づくラグビーW杯について。午後から東海道線とゆりかもめで日の出駅近くのノーボーダー海岸スタジオへ。『ニューズ・オプエド』今日のゲストはラグビー・ジャーナリストの村上晃一さん。日本代表チームがフィジーとトンガに圧勝した理由などいろいろ話していただく。番組を終えてスタッフと村上さんと一緒にタクシーで八丁堀の『From
One Sports Base』で日本スポーツ学会主催の『スポーツを語り合う会』にパネラーとして登場。生島淳・大友信彦・永田洋光・村上晃一の各氏とともにラグビーの話をアレコレ2時間。司会は長田渚左さん。日本の強さは本物?注目選手は?日本はどこまで勝ち進む?などなどいろいろ楽しくワイワイガヤガヤ。中味についてはW杯開幕直前に発行される『スポーツゴジラ44号』に掲載されるのでそれを読んでください。昨日のNHKで五郎丸さんが日本が優勝と言っていましたが我々も「優勝」と期待を込めて「予想」しました。賭けるとなると別の国に賭けるかもしれませんけどね(^^;)。あっと敵に楽しい討論会を終えて近くの焼き鳥屋さんで軽く打ち上げ。軽くビールで乾杯してお先に失礼。ラグビーの話題三昧の楽しい一日でした。
8月6日(火)
朝ベッドのなかで花村えい子『マンガ落窪物語』読み始める。完全に少女漫画タッチ。まぁ物語がわかればイイのだから読み続けるか。ベッドから抜け出して朝食のあと黒兵衛と散歩。猛暑。激暑。酷暑。影を探しながら歩き黒兵衛の身体にも何度か水をかけてやる。数日前は蝉の抜け殻をたくさん発見したが今日は蝉の死骸がチラホラ。あっという間に夏も終わりに近づくのか?ワン?テレビで広島の原爆忌。アメリカ・トランプべったりの安倍首相はどんな気持ちで参列しているのか?終日デスクワーク。エアコン効かせて上半身裸。土日月の疲れを取るためメールの整理や本棚の整理やチョットゆるめの仕事。夏ですからね。春陽堂書店から『茂山逸平風姿和伝』送られてくる。京のお豆腐狂言はボチボチしっかりやったはりますなぁ。晩飯映画劇場はジョン・ウェイン主演『オレゴン魂』。若いときは武闘派だった保安官が年老いても頑張る話。共演はキャサリン・ヘップバーン。聖書を説く老女と一緒に老保安官がニトログリセリンを奪って列車強盗を謀る悪漢たちからニトロを奪い返し山野を駆け巡り筏で激流を踏破する年寄り万歳西部劇。なかなか面白かった。ジョンとキャサリンの二大俳優の噛み合わない会話劇がサイコー!老名優2人がイイ味出してますなぁ。ジョン・ウェインは共和党全米ライフル協会の重鎮だったけどトランプにはない可愛さがありますね。そういえばUCLAだかどこかの大学で講演したときに学生から「貴方の髪の毛はニセモノだろう」と言われて「本物の髪の毛の鬘だからホンモノでもある」と答えたことがあった。トランプの鬘のような髪の毛はホンモノのホンモノだからたちが悪いとも言える。キャサリン・ヘップバーンに言い負かされる可愛さはトランプにはないですね。高校野球が開幕したらしい。ダルビッシュの言葉に耳を傾けず球数制限の規則作りに何ヶ月もかかり(過去の高校生の故障の記録もなく)猛暑のなか人柱が立つまで行うのか?まるで太平洋戦争末期と同じ。犠牲者が出れば誰が責任を取る?せめてメディアならジャーナリズムを担うモノとして様々な意見や改革案を取りあげるべきでしょう。小生の原稿を没になどせずに!
8月7日(水)
朝ベッドのなかで花村えい子の『落窪物語』読了。シンデレラ(灰被り姫)とは異なり幸福を掴んでからの復讐譚も結構長いのですね。ベッドから抜け出て朝食のあと猛暑のなか黒兵衛と散歩。最近猛暑にも影のコース取りも慣れてきたかな。人生すべては慣れですね。ワン。渋野日向子に関するコメントを求める電話や五輪関連の電話取材などを受けながら終日デスクワーク。avexから佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団のハイドン『天地創造』2枚組CDが届く。美しい音色ですねえ。歌手もイイですねえ。『天地創造』は佐渡さんが西宮でやる前にバーンスタイン指揮の映像を持っていたら貸してと言われたのでLDをDVDにダビングしてプレゼント。その甲斐あってこんな素晴らしい演奏が実を結んだかと思うとチョイと嬉しいですね。晩飯映画劇場は『ミッドウェー』。チャールトン・ヘストン&ヘンリー・フォンダ&ロバート・ミッチャム&三船敏郎などの豪華キャスト。日本の軍人が映画を喋る違和感はあるものの日本に対するリスペクトもあり『パール・ハーバー』などとは較べ物にならないくらい面白かった。しかしまぁ過去の軍国主義日本の出来事とはいえ負け戦を見るのはあまり面白くないですね。アメリカ人が『トラ・トラ・トラ』を嫌ったのも同じかな。よくできた戦争映画だったんですけどね。続けてルイス・ブニュエル『皆殺しの天使』を見る。ブニュエルは何と言っても高校時代に隠れて見に行ったカトリーヌ・ドヌーヴの『昼顔』が衝撃だったけどチョイと理解が難解な映像を作るので高名な監督。『皆殺しの天使』もオペラを観た帰りに集まったセレブたちが家から一歩も出られなくなる不条理物語。J.P.サルトルの『出口なし』やベケットの『ゴドーを待ちながら』やハロルド・ピンターの『料理昇降機』やウェスカーの『調理場』などと関連があるかな。ただ舞台となったメキシコの政治(革命)情勢は他の作家の作品よりも物語をわかりやすくしてるかな?いや逆かな?『皆殺しの天使』はザルツブルク音楽祭の依嘱を受けて現代音楽作曲家のトマス・アデスがオペラ化。そのメトロポリタン歌劇場での舞台もWOWOWの放送を録画したので少し最初を見るとこの不条理劇が現代音楽の無調整と合ってるようでナカナカ面白そう。明日見よ。今日は寝よ。小泉ナニガシが滝川ナニガシと結婚とか妊娠で世の中大騒ぎ。そんなことよりこの子はどうして父親を見習って反原発に動かないのかな。自民党に籍を置いていると無理なのかな。
8月8日(木)
朝ベッドのなかで『殴り合いの文化史』読む。再スタート。なるほど。『ロッキー』は従来のマフィアや賭博などのボクシングの負のイメージを払拭したかもしれないけどシルヴェスター・スタローンの身体は確かにボクサーの身体じゃないですね。ベッドから抜け出て軽く朝食のあとRKB毎日放送『インサイト・コラム』電話出演。渋野日向子さんの活躍を取りあげる。かつてあがり症で緊張しすぎて大舞台で力を出せないと言われていた日本人アスリートがいつ頃からそーでなくなったか…というお話。桃太郎が鬼ヶ島へ征伐に行くような気持ちで世界大会を闘っていた日本人が平常心になったのは野茂のドジャースでの活躍以来かな?それから体操でも卓球でもバドミントンでも平常心で国際大会に挑めるようになったのかな。要は「慣れ」ですね。ラジオを終えて黒兵衛と散歩。いつもより遅い時間で太陽が一層ギラギラ。黒兵衛もへたりそう。終日デスクワークで夕方東海テレビのスタッフが来宅。仕事場でVTR取材を受けてオリンピックの聖火についていろいろ話す。アムステルダム大会で紀元前のオリンピア祭を真似て聖火が燃やされてベルリン大会でリレーが始まって東京大会では広島原爆の直後に生まれた青年が…などなどいろいろ話す。2時間程度の取材を終えてアイス・コーヒー飲みながら蓄音機でSPレコードの音を聴かせてあげると3人のスタッフ全員が驚嘆。そりゃ最近の綺麗な再生音ばかり聴いてると蓄音機の音は内部に人間が入ってるのかと思えるほどの生の音に聴こえますからね。晩飯オペラ劇場は昨日に続いてメトロポリタン歌劇場の『皆殺しの天使』……と思ったけど現代音楽画やはりヘビーに思えたので映画劇場に切り替えて『パッチ・アダムス』。アメリカ医学界に「笑い」で一石を投じた医学生の実話。部分的に知っていたけど全部を見るのは初めて。笑いだけでなくキチンとした主張のある米医学界の体制批判映画ですね。主演のロビン・ウィリアムスが改革が上入れられず自殺しようかと悩むシーンは本当に自殺した彼のことを思うと胸に迫りました。イイ映画でした。
8月9日(金)
朝ベッドのなかで『殴り合いの文化史』読み続ける。面白い。古代ギリシアのボクシングでは脛(すね)へのキックが認められていたのですね。ベッドから起き出して朝食のあと黒兵衛と散歩。暑い。灼熱地獄はオーバーかもしれないけど暑い。ワン。終日デスクワーク。スポーツ・ジャーナリズムの本の目次づくりと構成に疲れると『殴り合いの文化史』読み続ける。そう。ボクサーの名前は重要ですね。カスアス・クレイ。モハメド・アリ。ジャック・デンプシー。ロッキー・マルシアーノ。カルロス・モンソン。シュガー・レイ・ロビンソン。ファイティング原田。大場政夫。ガッツ石松。具志堅用高…。みんな紛れもないボクサーですね。アスリートの名前も重要ですね。景浦將。川上哲治。藤村富美男。長嶋茂雄。王貞治。掛布雅之…。イチローが鈴木のままではイチローになれなかったでしょうね。昔は野球選手の名前遊びをよくやったなあ。実際にいたプロ野球選手で山本だけでチームを作ったり県名や都市名だけでベストナインを作ったり。(投)徳島(捕)香川(一)伊勢(二)千葉(三)奈良(遊)宮崎(外)長崎・大津・町田…なんてね。面白いバッテリー(投手ー捕手)の組み合わせを見つけたり。林ー森。東―西。大工―棟居。貝塚―大森。青山―赤坂。都―鴨川。三船―黒沢。吉良―浅野。浅野ー大石…なんてね。これはMLB記者がやっていたBaseball
name gameを真似た物。こーゆーオモロイことばっかり集めた『プロ野球大事典』(新潮文庫・1990)が小生のデビュー作でしたなぁ。懐かしいなぁ。それからまだ30年経ってないのか。まだまだ若いのですね。がんばらねば。
8月9日(金)つづき
晩飯映画劇場は昼間BSでやっていたので面白そうだから録画した『アウト・オブ・サイト』ジョージ・クルーニーやジェニファー・ロペスが出ているギャングとFBI捜査官の恋愛とかナントカだが30分見たらあまりの阿呆臭さに飽きて放棄。録画ストックを調べるとクロード・ルルーシュの『男と女』があったのでそれを見る。もちろん前にも見たことはあるが30年以上前のこと。レーサーの男と映画関係の仕事をする女。離婚歴のある二人の大人の愛の物語。映像を見た瞬間A級映画とC級映画の差は歴然。違いは何か…と考えながら見たらソレは映像の緊張感の差ですね。見る者の眼を画面から逸らさせない映像の力。さすがはルルーシュですね。編集も見事。子供のセリフも見事。アヌーク・エーメは存在感のある美女ですね。満足。風呂あがりにオペラ『皆殺しの天使』の第1部を見る。セレブたちのパーティが第一夜を迎えるまで。間奏曲が面白いけど…。感想はすべてを見終わってから。『表現の不自由展その後』が様々な圧力で潰される。不快だから公開を中止せよ…というのはテロですね。白色テロと言うべきか。どんなに反対の意見や表現もそれを発表する権利は守るという姿勢が何故取れないのかな。とりわけ市長や議員など社会のリーダーの立場に立つ人には表現の自由を守る立場を貫いた上で自分の意見を発表してほしいですね。税金で行う公的展示会こそ表現の自由が堅守されるべきであらゆる意見が表に出る社会のほうが風通しの良い住みやすい社会のはずですよね。
8月10日(土)
昨日は長崎原爆忌。長崎市長も国連の核兵器禁止条約への積極参加を安倍総理に訴えた。何だかんだと理屈を付けて安倍総理はそれを拒否。差別主義者のトランプ大統領の側に着くことが日本の国益に叶うと考えてるのですね。まさかソレこそ長く総理でいられるからとは思っていないでしょうから野党はトランプ大統領のやり方が世界の平和にとって危ういもので日本にとっても危険なものだとキチンと反論すべきでしょうね。しかしいつからこうも憎しみの連鎖を煽る社会になってしまったのでしょうねぇ。国家間の対立から個人的恨みのテロ的爆発的主張まで。やはりトップの姿勢が問題でそれを改めるほかないのでしょうね。討論と選挙で。『殴り合いの文化史』は個人的暴力と国家的暴力の違いにナカナカ触れてくれないなあ…と思いながらベッドから抜け出して黒兵衛と散歩。今日も終日デスクワーク。『スポーツとは何か』(講談社現代新書)で書けなかったことを『スポーツ・ジャーナリズムとは何か(仮題)』で書かなければ。スポーツは「何」の役に立つのか?「何」の役に立つべきなのか?をはっきり書かなければ…と思いながら作業。スポーツジャーナリズムと関わる人間はまず現在のスポーツ界の問題点をすべて認識して…スポーツを嫌いにならなければ…そーすればスポーツの本当の価値…嫌いにならなくてもよい理由も見えてくるはず…と昼飯の素麺を挟んでいろいろ考えているとアッという間に一日が過ぎる。夕方は買い物に出たいというヨメハンに付き合って大船へ。駅ビルの本屋さんアニールに寄ると小学館文庫のマンガ古典文学シリーズで水木しげる『方丈記』黒鉄ヒロシ『伊勢物語』があったので衝動買い。買い物のあと豚カツ屋さんで美味しいロースカツと鶏皮餃子と生ビール。満腹で帰宅するとテレ朝が高校野球のバラエティ番組をやっていたのでチョット見てみたけど高校生と教育者(監督)をスター扱いしてこんなバラエティ番組を作ってイイのでしょうかねえ?風呂入ったあとオペラ『皆殺しの天使』を見る。ブニュエルの映画と同様の不条理ドラマはワケのわからないのが人生だ…という意味において納得できしトマス・アデスのオンド・マルトノを使ったり32分の1のヴァイオリンを使ったりした複雑な音楽も美しさもあって悪くないと思うのだがカタルシスを感じられない寂しさは否めない。幕が下りたあとメトの客席でブラーヴォーの声が湧き起こったが…本当に感動したのかなぁ?悪くない作品だとは思うけど…。
8月10日(土)つづき
この日一日がアッという間に過ぎた理由を思い出した。昼飯のあとラグビーのパシフィック・ネイションズ・カップの対アメリカ戦を全部見てしまったのだ。日本強い。このままならベスト4。いや決勝進出も夢じゃないですね。アメリカはチョイと手の内を見せるのを控えたかな?
8月11日(日)
朝ベッドのなかで水木しげる『マンガ方丈記』読了。鴨長明の生涯と方丈記の中味をクロスさせて内容を紹介したのは見事でした。この小学館文庫マンガ古典文学には方丈記の全文もついている。鴨長明の詳しい年譜も。解説は荒俣宏さん。編集も見事ですね。ベッドから抜け出て朝食のあと黒兵衛と散歩。暑いけど雲が出ているだけでけっこう涼しい。太陽の力も強いけど雲の力も強い。自然の力は強い。人間の力は弱い。ワン。今日も終日デスクワーク。椅子に座って机にへばりつき続ける。時々青竹踏みをするとはいえヤッパリ執筆とは不健康な仕事ですね。BGMに書けていたワーグナーの楽劇『トリスタンとイゾルデ』が少々暑苦しく感じられたのでワーグナーの音楽をキューバン・ミュージックにアレンジした『Parsifal
GOES LA HABANA』にチェンジ。そうそう。こういう涼しいワーグナー音楽があるを忘れていた。『タンホイザー』『ジークフリート』神々の黄昏』『パルジファル』…などのメロディをルンバやサンバやボサノバ風のラテン音楽にアレンジしてある。演歌風の『トリスタン』やキャバレー音楽風の『ローエングリン(結婚行進曲)』もあってナカナカ面白い。改めてワーグナーの凄さまで感じられる。音楽も暑さを凌ぐツールにはなりますね。サザンなんかもその一種ですね。
8月11日(日)つづき
昼食や夕食の前後に時折高校野球を見るが球審が下手ですね。ヘルメットの頭に当たってキャッチャーが捕球したボールをバットに当たったファウルチップと勘違いして三振にされたバッターもいましたね。バッターもキャッチャーも自覚しているはずなのにどうして抗議が許されないのでしょうかね?黙って言うことを聞く若者を育てるのが高校野球の目的ならば相当の時代錯誤と言うほかないですね。高校野球なら監督も審判も高校生にするのが改悪の第一歩かも。他にも改革点は山ほどあるけど…まず大人が高校生をダシにして楽しむことを禁止したほうがイイですね。晩飯と共に『ダーウィンが来た!』を見る。小笠原南島の自然。絶海の孤島で動植物の進化の真っ最中。面白いですねえ。つづけて『いだてん』。このドラマは絶叫する以外に静かなセリフは存在しないのか?明治の人達はあんなに絶叫していたのか?とりわけ田畑政治はあんな人だったのか?どんな?あんな?こんな?そんなぁ!このドラマが事実と相違していることには目を瞑るとしてこのスピード感と喧しさを面白いと感じられないのは小生が歳を取ったからか?風呂入って寝よ。
8月12日(月)
朝起きてベッドで黒鉄ヒロシ『伊勢物語』読み始める。平安時代の業平と現代をつなぐギャグ漫画。赤兵衛と同じ手法ですね。面白い。けど根を詰めて読む本ではないので仕事疲れの清涼剤に何編か読むことにしてベッドでの熟読は『殴り合いの文化史』に戻す。ベッドから這い出て朝食のあと黒兵衛と散歩。ミストのような霧雨に心地良く身体を湿らせながら。山の日。お盆に連休にするため創られた休日?ワン?水風呂のあと終日デスクワーク。BGMは櫻川唯丸の江州音頭『URABANA』盂蘭盆会の季節ですからね。しかしネーネーズまで突然登場するこの曲は素晴らしすぎて聴き耳が立ってBGMにならないな…などと思いながらイロイロ仕事。続けてBGMはリスト編曲の『ヴェルディ&ワーグナー名曲集』に。オペラを1台でやってのけるピアノの力は大きいですね。晩飯映画劇場は昼間NHK-BSをDVDに録画した『コクーン』。不老不死の星に住む宇宙人が地球にやって来て1万年前に事故に遭ってやむなく地球に残した仲間のコクーン(繭)を回収にやって来る。海底から回収した繭をプールに入れておくと隣家の老人ホームから泳ぎに来た老人たちが力を甦らせて元気になる。イロイロの騒動の後老人数十人が宇宙人に導かれて宇宙船に乗り込み不老不死の星を目指して出発…というSFファンタジー老人モノ映画。阿弥陀如来に導かれて西方浄土へ…という話を宇宙人と宇宙の星に置き換えただけの話ですね。まずまず面白かったけどスピルバーグの映画『E.T.』が愛犬物語の犬を宇宙人に置き換えたのと同じパターンですね。子供が犬(宇宙人)を拾ってきたけど母親に飼うのは駄目と言われて捨てに行くが遭難。家族が捜索に出て犬(宇宙人)と一緒にいるのを発見して同居を許す。まぁ宇宙人(ET)は同居というわけにはいかないけど友情を残して宇宙に帰るわけですね。愛犬物語もマレビト信仰や貴種流離譚に置き換えられるわけで物語パターンは数種類の神話しかないものなのですね。風呂のあとビールを飲みながらスコセッシ監督デカプリオ主演の『ギャング・オブ・ニューヨーク』を見始める。19世紀南北戦争直後の暴力に溢れたニューヨークの移民たちの物語。興味深いアメリカの世界だけど真ん中で明日に持ち越し。寝る。
8月13日(火)
朝ベッドのなかで黒鉄ヒロシ『伊勢物語』ヤッパリ読み続ける。ヤッパリ面白い。第六十九段伊勢斎宮に送った歌〈君や来し我や行きけむ思ほえず夢かうつつか寝てか覚めてか〉はドナルド・キーンさんの『日本文学の歴史』で知っていたのでこんなところで再会するとは感激。以前カルロス・クライバーがウィーン国立歌劇場と来日してR・シュトラウスの『薔薇の騎士』を演奏した翌朝この歌を思い出したことを思い出した。キーンさんの英訳も憶えているが英語のほうが平易ですね。Did
you come to me? Or Idid go to you? I have no idea.A dream or reality? Was I asleep
or awake? 起きて黒兵衛と散歩。明日が誕生日の黒兵衛は9歳になるらしい。大型犬の寿命は10〜長くて15年。ということはソロソロ温和しくなってもイイ中年から初老。なのにアッチへウロウロこっとちうろうろ。ま。元気なことはイイことかな。我が3人の子供たちと同じか。ま。元気なほうがイイか。終日デスクワーク。世の中はお盆休み。みんなが休んでるときに仕事をすると何か良いことがあるのか?ないに決まってるとわかっているのに仕事をするのは貧乏性ですねえ。莫大な借金など一切関知せず良い仕事をしたのがワーグナーなら多くない借金に悩んでキャバレーなどでピアノを弾くバイトをしたのがショスタコーヴィチ。どっちもイイ仕事をしたから貧乏性が悪いというわけではないですね。
8月13日(火)つづき
晩飯映画劇場は『コクーン2』。阿弥陀如来(宇宙人)に導かれて西方浄土(不病不死の星)へ旅立った老人たちが煩悩の世界(地球)へ故あって帰還。煩悩の世界にとどまる老人夫婦と西方浄土へ再び旅立つ老人と…。日本人がこの映画を作ったら全員煩悩の世界に残ってヤッパリココで自然に死を迎える(ホンモノの浄土に渡る?)ほうがイイ…となるのかな?風呂のあと『ギャング・オブ・ニューヨーク』の後半。続きを見る。南北戦争後のマンハッタン郊外でのアメリカ生まれの「ネイティヴ」を自称するギャングとアイルランド移民のギャングの闘い。血と暴力と略奪に充ち満ちた社会が公権力(ニューヨーク市とUSA)の暴力の独占によって「平和」にいなるまでの歴史。物理的に汚い街が大砲によって破壊されて美しく甦るわけですね。スコセッシが力業で描いたアメリカ(ニューヨーク)の歴史は見事。スコセッシとオリヴァ・ストーンは信じられますね。何やら東京オリンピック1964&2020による東京の街づくりとどこか似てますね。ベッドで『殴り合いの文化史』を読み出すと『ギャング・オブ・ニューヨーク』の「殴り合い」と「アイリッシュ移民」の話が出てきた。偶然とは言えこーゆー符合は嬉しいですね。
8月14日(水)
朝ベッドのなかで『殴り合いの文化史』読み続ける。面白い。起きて朝食。黒兵衛と散歩。暑い。颱風のフェーン現象かな?今朝の東京新聞の朝刊にオペラ歌手のプラシド・ドミンゴを9人のソプラノ歌手やスタッフの女性がセクハラで訴えるという記事が出ていた。思わず苦笑い。さもありなん。大阪公演のときに頬にキスされたと喜んでいた美女を知っている。記事にも書かれていたけど彼のそういう態度は公然の秘密。それで苦痛を受けた女性がいたら問題だろうけど…ラテン系の男性が生き難い世の中になったことは確かですね。現代に業平や平中が生きていたらどーなっただろう?ワン?終日デスクワークいろいろ。夏休みの取れる人生は一生迎えられそうにないですね。何しろフリーランスは仕事をしないと収入が止まりますからね。売れると思って頑張って書いた本が売れなかったときは尚のことですね。晩飯映画劇場はクリント・イーストウッド製作監督主演の『スペース・カウボーイ』。何年か前にも見たけど最近の老人映画つながりでもう一度。しかし改めて見直してこんなに面白いとは思わなかった。昔宇宙飛行士を目指して叶わなかったチームのメンバー4人が老人になって自分たちにしか故障を直せない古い機材の修理のためにスペースシャトルで宇宙へ。映画のテンポもイイし飽きさせない。トミー・リー・ジョーンズやドナルド・サザーランドの演技もナカナカ。宇宙遊泳での船外活動などリアリティ満載。最後は出発前に膵臓癌を宣告された乗組員が核爆弾と共に月へ…とハリウッド的なアメリカ映画だけどフランク・シナトラの『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』の歌声でのエンディングも鮮やか。ハリウッド映画はバカバカしくもこうあってほしいですね。風呂からあがってメイキングを見るとコレもイロイロ面白かった。クリント・イーストウッドはこの映画を作ることにしたときジョージ・ルーカスに会いに行き助言を求めたとか。傑物は傑物を知るというわけですかね。
8月15日(木)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・コラム』電話出演。再び三たび高校野球について。颱風で試合中止順延なのに猛暑に対処がない、野球には対処するのに高校生の健康に対処しないのはオカシイですね。しかも投手の酷使は今も続いている。かつてV9巨人の名参謀と言われた牧野茂元ヘッドコーチに次のような話を聞いた。プロ野球で名監督や名将と呼ばれた人は投手を使い潰した人。三原監督は稲尾を潰し鶴岡監督は杉浦を潰した。高校野球も同じかも?その意味で東北地方O高校野球の監督は自分の名将と呼ばれる可能性を拒否したわけですね。そこまで考えましたか?ハリモトさんナカハタさんカネムラさん。ラジオのあと朝食とって黒兵衛と散歩。気持ちイイ霧雨(ミスト)状態と思っていたらいつの間にか晴れて陽が射してモワーッと湿気が漂ってきた。颱風の影響?汗だくになった身体を水風呂で冷やしてから終日デスクワーク。雑誌連載にも高校野球についてのコラムを書く。ただしO高校やS投手の名前は出さず。高校野球なのでこーするのが当然…と気づいた。編集者はどーゆー反応をするかな?晩飯映画劇場は昼間NHK-BSを録画した『スティング』…と思ったけど晩飯直前にamazonから『男と女U』が届いたのでそっちに変更。1週間前の9日に『男と女』を見てクロード・ルルーシュ監督の見事な映画創りに感激したのですぐに『2』の中古DVDを購入。amazonの便利さには感激…だけど映画はサイテー。大人の恋から20年後の二人だけど中味は凝り過ぎ。筋書きを書く気にもなれない。マイッタ。『白い恋人たち』やトリュフォー監督の『アメリカの夜』に触発されたわけではないだろうけど妙なドキュメンタリー・タッチで興醒め。おまけに殺人事件も陳腐な解決。老人映画シリーズの面白さもないままサケ&フロ&ネル。八月や六日九日十五日戦後は遠くなるばかりなり。思い出せ今ひとたびの不戦の誓いを。
8月16日(金)
颱風一過。窓の外で強風が唸ってる。朝目を覚ましてベッドで読書『殴り合いの文化史』1時間半。そうですね。人類は暴力を消滅させる方向に歩んできて徐々に「正しい殴り合い」にも近づいてきたと言えそうですね。それでもなくならないホームタウン・ディシジョンなど不正の横行。ロッキー・マルシアーノが断じたやがてボクシングは消滅しボクサーはローマ帝国時代のグラディエーターのような遺物となるという「遺言」はこの本ではどのように扱われるのかな?400ページ余の本もあと100頁ほどになる。ベッドから抜け出して朝食のあと黒兵衛と散歩。少々強い風のおかげで暑さが軽減。ワン。それでも水風呂は爽快。そのあと終日原稿書き。短いコラムを朝のうちに仕上げて午後からは書き下ろし『スポーツ・ジャーナリズム論(仮題)』。暑さを浮き飛ばすBGMはないものかと毎日思うがロッシーニのオペラを忘れていたことに気づく。シャイー指揮ボローニャ歌劇場でバルトリがタイトルロールを歌ってる『チェネレントラ(シンデレラ)』をプレイヤーにかけると暑さがブッ飛ぶ。ホントですよ。こんな涼しい爽快な音楽はない。アバド指揮ベルリン・フィルの『ランスへの旅』とかカラスが歌ってガヴァッツェーニが指揮してる『イタリアのトルコ人』なんかもイイですね。夏の暑さを忘れます。そー言えば村上春樹の小説『世界の終わりとなんやらかんやらワンダーランド』というようなタイトルの小説にはスパゲッティを茹でるシーンでロッシーニの音楽が出てきましたね。熱い湯気を浴びながらも涼しkなるのかな?『1Q84』では高速道路から異界に入る音楽がヤナーチェクの『シンフォニエッタ』でしたね。コレは分厚い近刊の響きが暑苦しい音楽ですね。ビーチ・ボーイズの『サーフィンUSA』なども涼しげですがコレはチャック・ベリーの『Sweet
Little Sixteen』の替え歌ですね。LDで映画『真夏の夜のジャズ』を持ってるけどベリーの演奏もありましたね。でもこの映画はマへリア・ジャクソンが圧倒的でしたね。アニタ・オディもすてきでしたけど。ビートルズの『ホワイト・アルバム』の『Back'n
USSR』はビーチ・ボーイズのパロディですね…などと思ううちに暑さはブッ飛んだけど仕事は進まず。ハッハッハ。
8月16日(金)つづき
晩飯映画劇場は…と思ったところが今夜は大文字の送り火。NHK-BSで実況中継を見る。子供の頃は自宅の長屋の2階奥の物干し場から眺めてましたけどナカナカいいもんですね。物干し場のことを陸軍ではブッカンバと言ってたと親父が大文字でブッカンバに上るたびに口にしてましたね。そんな親父とお袋と義父と義母をお盆のたびに送る大文字はテレビで見てもイイモノですね。解説は不要ですね。そう言えば遷都千二百年記念上賀茂神社大文字コンサートを行った都はるみさんが神社の隣にある舟山に火がつくと観客が大勢それを見に行って…消えたらまた帰ってきて…やりにくかった…と苦笑いされてたなぁ。風呂のあと昼間NHK-BSを録画した映画『スティング』を見る。3度目か4度目だけど良いテンポの面白い映画ですね。この映画でアカデミー賞脚本賞を獲ったデヴィッド・S・ウォードが映画『メジャー・リーグ』を撮ったあと『週刊プレイボーイ』の仕事で彼の自宅のビヴァリーヒルズまでインタヴューに行ったのがナツカシイですね。野球の話や市川崑の映画『東京オリンピック』の話で盛りあがって予定の時間を大幅に超過して奥さんに睨まれたのを今も憶えてます。その日は結婚記念日でディナーに行く予定だったのが1時間以上遅れてしまったとか。夕方のプールサイドでインタヴューを続けていたら奥さんが家から何度か出てきてこちらを睨みつけてましたからね。昔を思い出すようではトシかな?
8月17日(土)
朝ベッドのなかで『殴り合いの文化史』読了。非常に面白くタメになった400頁余でした。〈勝敗のルールが相手の肉体的損傷と分かちがたく結びつ〉き〈とくに頭部への深刻な損傷を意図的に与えることをルールが要求しているスポーツ〉がボクシングだから〈もしかすると私たちはまさに今生身の人間同士のゲームとして合法的に公然と行われている「最後の殴り合い」のシーンに立ち会っているのかもしれない〉という結論はロッキー・マルシアーノの我々はいずれローマ帝国のグラディエイターのように過去の遺物として語られるようになるだろうという意見と同じですね。そう思うと村田諒太のこの前の素晴らしい一戦はさらに感慨深く感じられますね。ベッドから這い出して猛暑熱風太陽ギンギンのなか汗ダラダラで黒兵衛と散歩。そのあとの水風呂が爽快。苦しみは楽しさのためにあるのか?いやボクサーたちは殴り合っているときこそ生き甲斐を感じているわけですね。リングを下りるとそこに人生はないわけでだから矢吹丈はリングから下りずにリング上で真っ白になったわけですね。そんな状態になるアスリートたちはヨットで単独太平洋横断をして波の上にしか人生を見出せなかった人物や世界の高峰を次々と制覇し続けて山の上にしか人生が存在しなかった登山家など決して少なくないですね。ならば「字を書く人間」もたぶん字を書いてる瞬間にこそ生きている実感を感じているのでしょうね…などと思いながら終日デスクワーク。BGMはマリア・カラス歌うロッシーニ『セヴィリャの理髪師』。カラスも凄いけどゴッビのフィガロがまた凄い。オペラ歌手も歌ってる瞬間こそ生きているのでしょうね。晩飯映画劇場は『華麗なるヒコーキ野郎』。石原裕次郎が出演した…と思っていたらソレはケン・アナキン監督の『素晴らしきヒコーキ野郎』でロンドンーパリ間の飛行機レースの話。コチラは第一次大戦で空中戦を闘ったドイツの名パイロットと彼に憧れていながら闘えずに戦後複葉機のアクロバット飛行で食いつないでいたアメリカ人パイロットがハリウッド映画用のスタント飛行で偶然出逢い実際の空中戦のような飛行をする話。監督はジョージ・ロイ・ヒル。R・レッドフォードとのコンビは『明日に向かって撃て』『スティング』に続けて3作目とか。けっこう面白かった。なるほど。彼らの人生は空の上にあったんですね。空の上にしかなかったんですね。女性のように子供を産み出すことができず自分の身体だけでは生き甲斐の感じられない男の映画ですね。
8月18日(日)
朝起きて朝食のあと黒兵衛と散歩。もう暑いのが当たり前になって寒い季節が訪れることなど想像もできなくなった。冬はまた夏がマシじゃと言いにけり…なんてことになるのだろうけど…ワン。午前中にチョイと仕事をしていると次女夫婦と孫3人が来宅。小3男の子の自由研究に江戸東京博物館で行われている特別展『江戸のスポーツと東京オリンピック』に連れて行ってやると言ってたので約束を実行。みんなで東京両国へ。ただしガキどもはJR東日本の販売戦略にダマされて多くの駅のスタンプを集めるとポケモンのグッズがもらえるとかで別行動。途中いくつかの駅で下車してスタンプを押すらしい。両国の江戸広場で待っているあいだ何人かのピアノ演奏。今NHK-BSで流行ってる奴ですね。老いも若きもピアノを弾けると楽しそう。こちとら猫踏んじゃったしか弾けない。とほほ…と思ううちに孫たちもやって来たので博物館へ。小3にはチョット難しい展示だったかもしれないけど雷電為右衛門の手形に驚いたり彼の着ていた大きさの半被を着てみんなで記念写真。ストックホルム五輪出場時のプラカードを持ったりボッチャを体験したり…。結構楽しんだあと江戸東京博物館常設展へ。昔の日本橋を渡ったり籠や水桶を担いだり明治の自転車に乗ったり…『いきものがたり
江戸東京のくらしと動物』という企画展も覗いてスポーツ展よりこっちの方が面白かったかな?錦糸町へ行って孫どもはスタンプを押して総武横須賀線1本で大船へ帰還。みんなで崎陽軒の弁当で『ダーウィンが来た』やら『いだてん』を見ながら晩ご飯。両国駅の横綱の絵やいろんな力士の手形に驚いたり…夏休みらしい一日でしたなぁ。
8月19日(月)
朝起きて朝食のあと昨晩家に帰らず我が家に残った小3の孫と一緒に黒兵衛と散歩。汗だくになって帰って一緒に水風呂のあと俺は鎌倉高校前の病院へ定期検診。孫は婆に連れられて病院のすぐ近くの江ノ電の踏切を写生。スラムダンクで有名になったのか何だか知らないが相変わらず中国人観光客がわんさか。検診を終えて帰宅のあと少し休んで東海道線で新橋へ。駅前の喫茶店で今週木曜のBS11『インサイドOUT』の高校野球特集打ち合わせ。思い切り高校野球批判を話した後ゆりかもめで日の出へ。『ニューズ・オプエド』アンカー出演。今日のゲストはNPO法人スポーツコーチングイニシアチブ代表の小林忠広さん。アメリカ留学での体験談などを踏まえてスポーツをコーチするとはどういうことか…をいろいろ話してもらう。26歳で慶大大学院を卒業したばかりとは言え体罰や暴言などを完全に否定しながらスポーツの勝利を目指し人間的成長を目指すなかでスポーツを楽しむ姿勢はナカナカ見事。高校野球の監督や関係者たちにもコーチしてあげてほしいですナァ。アシスタントの小林厚妃さんの母校が夏の甲子園に出場。その暑さ満載のレポートも。母校は20対1で負けたらしいけどヤッパリ甲子園に出れば嬉しかったでしょうね。でもマスメディアが騒ぐ必要はないですね。お土産のクッキーをみんなで食べたけどざっと計算してお土産だけで何億何十億のカネが動くのですからね。コレはヤッパリ全国高校の環境整備に還元するべきでしょうね。番組のあとノーボーダー代表の上杉隆と歓談。小生も聞きたかったNHKから国民を守る会との関係の説明を受ける。なるほど。立花某という人物は海老ジョンイルの片腕だったんですね。詳しい内容はいずれ書きますが非常に納得。令和新撰組と合体をナントカ実現してほしいものですね。
8月20日(火)
朝起きてベッドのなかで昨日から読み始めた一冊=横田順彌『明治・大正の未来予測 百年前の二十世紀』(筑摩書房)読み続ける。面白すぎるくらい面白い。明治大正の日本人の想像力の豊かさ&柔らかさに驚嘆。〈百年後の日本を考えると(略)すべての女性が食物の進化(主として肉類などから)によって非常に美しく繊細(デリケート)な明るい女が増えるだろう〉(室生犀星)〈日本は強者に跪拝し弱者を陵辱して悦んでいます。ヨーロッパの真似をして威張っています。百年後?その間に一度は崇め奉っているヨーロッパやアメリカから袋だたきに遭います。そこで本当に目を覚ます。覚めなければ叩き殺されて滅亡するばかり。覚めればアジアの解放を完成して東洋の心臓くらいになれるでしょう〉(矢口達)〈普通選挙はもちろん婦人代議士などが出てくるであろう。大学はもちろん男女共学。華族制度はなくなり何々家とという旧家の名前は残る。都会では華族が下宿生活をするもの多く西洋式の共同建築が多くなるであろう〉(大島正徳)〈我が軍閥が国論を無視して侵略主義を行う時は遠からず日米戦争を惹起し勝敗如何によりて日本の百年後の運命が定まる。勝てば英国と相並ぶ大国となりアジアの主人たるを得るけれども負ければ日清戦争前の小国に成り下がる。しからば勝算はありや?残念ながら私は結果を危ぶむ。私が多年侵略主義に反対しつつあるは一にこれがためである〉(桑木厳翼)〈あの恐ろしく虚仮威しなアメリカ風の文明の外観がかなり完全に日本に移されてしまうのではないかと思うと実に嫌な気持ちがします〉(山田邦子)〈百年も経ちましたら私たちが今日まで苦しんできたことで何一つ無駄になったもののなかったことを積極的に明かしてくるような時代も来るだろうと思います〉(島崎藤村)書き写してるだけでも面白いですねえ。山田邦子さんというのは明治時代の文筆家のようです?ベッドから出て朝食の後孫と散歩&水風呂。北國新聞のコラムを書きあげ午後からは孫の夏休みの自由研究の手伝い。一昨日江戸東京博物館へ行ったことのマトメ方を教えてやる。晩飯は久しぶりに『鮨処もり山』。孫が美味そうに鮨を食う横顔を見てるとこっちは何も食わなくても満足な気持ち。とはいえ〆張鶴は進みますなぁ。
8月21日(水)
朝起きてベッドのなかで横田順彌『明治・大正の未来予測 百年前の二十世紀』読了。面白かった。しかし最近のテクノロジーの日進月歩は驚異的を凌駕して怪物的ですね。この本の最後に1994年(本の発行年)から考えた21世紀の未来予測が書かれているがクローンはあてもドローンはない。空飛ぶ自動車にも触れてない。コンピュータは発達してもAIもAGIも人工知能のシンギュラリティ問題も出てこない。たった四半世紀のうちに時間は昭和時代の10倍以上の速さで進んだようだ。嗚呼。目が回りますね。ベッドから這い出して朝飯のあと黒兵衛と散歩。散歩のあと横田順彌さんの本をパラパラ読み直すと〈明らかに現在の人間の能力を超えた人間が生まれる〉との一文があった。これが汎用人工知能のことか。さすがSF作家ですね。終日デスクワークと孫の夏休みの自由研究の手助け。晩飯前にビールを買いに孫とコンビニへ。夕方陽が沈んでも暑くて汗だく。風呂に先に入ってから晩飯映画劇場は孫が喜ぶかと思い『ピンク・パンサー』『ティファニーで朝食を』『暗闇でどっきり』『テン』などの監督ブレイク・エドワーズの『グレートレース』。トニー・カーチス&ジャック・レモン&ナタリー・ウッド&ピーター・フォークのドタバタ・スラップスティック・コメディ。小3には吹き替えナシの字幕2時間40分は少々長かったかな。それでもジャック・レモンのドタバタ迷演技には大笑い。特に最後のヘンリー・マンシーニ作曲のポルカの音楽をバックの史上最大のパイ投げ合戦には大笑い。あらゆる音楽には冗談の要素があるEvery
music has a sportive element.…と言ったのはレナード・バーンスタインの師匠にあたる指揮者のディミトリー・ミトロプーロスだったけどあらゆる映画にも冗談の要素があると言えそうですね。何しろ映画は所詮作り物ですからね。その冗談を含む作り物の極致がドタバタ・スラップスティック・コメディだとするとコメディこそ映画の極致かもしれませんね。Evwry
movie has a sortive element,そう言えば『グレートレース』の冒頭には「ローレル&ハーディに捧げる」という献辞がありましたね。それにしてもジャック・レモンは素晴らしい役者ですね。ナタリー・ウッドも可愛い。
8月22日(木)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・コラム』電話出演。聖火リレーの話。五輪に初めて聖火が登場したのは1928年アムステルダム大会。聖火リレーは36年ベルリン大会から。その道を第二次大戦勃発時にナチス・ドイツ機甲師団が突進したので聖火リレー=スパイ説もある。採火をするギリシアと開催国以外のリレーが禁じられたのは北京大会でチベット問題などから中国人のリレーに対する反対運動が起こったから。日本へ来る聖火はどうして仙台空港でなく自衛隊の基地なんでしょうかねえ?ラジオのあと黒兵衛と散歩。水風呂の後いろいろデスクワークで午後からは高校野球決勝戦。普段ならそんなにしっかり見ないけど今日はテレビの仕事もあるのでしっかり見る。なるほど野球という競技は極めてspectcularなeventですね。こーゆーspectacleを高校生に演じさせて大人が騒いでいてイイのでしょうかねえ?試合後の勝利高校インタヴューなんていつからやるようになったのでしょうねえ?高校生でない大人の監督がシャシャリ出てイイのでしょうかねえ?高野連の会長は野球の細かいことばかり口にして高校生の教育について語らなかったけどそれでいいのでしょうかねえ?主催者の朝日新聞社が優勝旗を手渡すというのはおかしくないですかねえ?朝日新聞はいつまで帝国陸軍式行進や自衛隊式行進を続けるつもりでしょうかねえ?イロイロ首を捻ってからチョイと仕事して東海道線で東京駅へ。中央線でお茶の水へ。衛星テレビBS11で『インサイドOUT』生出演。キャスターは岩田公雄さん。一緒のゲストが京都東山高校出身の岡島秀樹さんだったので番組前京都の話で盛りあがる。番組では高校野球の疑問に思っていることをいろいろ話して最後に高野連が高体連に加盟していないのもおかしな話だし公式試合数が多すぎるので夏の大会の朝日&センバツと社会人野球の毎日&プロ野球の読売が話し合って日本の野球界を統一組織にして高校生のタメになるスケジュールを作るべしという話をする。そもそも試験中に予選をしている現状なんて猛暑の中での試合と同様論外のナンセンスですからね。それに優勝校の凱旋を朝日新聞の小旗を振って迎えるというのも高校生の大会のはずなので見苦しいですよね。いろいろ話して岡島さんにニューズ・オプエドの出演依頼もして局の用意してくれたタクシーで帰宅。あ。日本と韓国の関係はどーなるのでしょーねー?文在寅大統領は任期切れのあとは亡命?
8月23日(金)
朝起きて黒兵衛と散歩。まだまだ暑いけど秋の気配もあるかな。そーいえば京都から東京へ引っ越してきたときは夏を少しも暑いとも感じなかった。3年間くらいは東京の夏を涼しいと感じ続けた。その後東京の夏も暑いと感じるようになってしまった。暑さ寒さも慣れの問題ですね。ワン。水風呂のあと終日イロイロ仕事したあと夕方から東京へ。『ニューズ・オプエド』ゲスト出演。アンカーは倉持麟太郎さん。フランス出張の上杉隆さんのG7報告中継を交えて高校野球「批判」や韓国のGSOMIA破棄に呆れ顔コメントなどをしたあと今日の特集クラシック音楽特集。倉持さんとは数ヶ月前にドゥダメル指揮LAフィルの来日公演で出逢ったこともあり自宅から持参した音楽関係の著書やDVDやCDを前に音楽のことを喋りまくる。話題の中に登場したミュージシャンはパヴァロッティ&ドミンゴ&山下洋輔&上海太郎&五嶋龍&佐渡裕&五嶋龍&都はるみ&先々代市川團十郎…etc。音楽の話をし始めると止まらへん。時間を大幅超過して楽しい一時は終了。月イチの連続企画にしましょう…などというスタッフの声に気をよくしながら帰宅。メシ&フロ&ネル。韓国文在寅大統領の2045年南北統一という意見は夢物語で阿呆か…という現時点での批判も可能だが今後の中国の国際的台頭や人口増加(世界人口の4〜5人に一人は中国人)とアメリカの力の減衰を考えれば笑っていられませんね。
8月24日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩。秋はどんどん近づいてきていますね。ワン。それでも散歩のあとは汗だく。ただし水風呂がチョイと冷たすぎると感じてしまう。チョイと仕事したあと新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターでオペラ講座。レナード・バーンスタインの魅力紹介の第5回目はピアニストとしてのレニーの魅力を紹介。モーツァルトのピアノ協奏曲17番やベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番やガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーを楽しんでバーンスタインの天才ぶりを堪能して新幹線で帰鎌。ヨメハンと待ち合わせてイタリア料理の『センプリーチェ』へ。ナポリ生まれのシェフにもかかわらず北方料理のジェノヴェーゼを始めたというので食べに行く。これは正直言って絶品でした。バジリコにチーズを混ぜたソースが口の中に入れると香りと共に味が広がって満足マンゾク。絶品のカルツォーネと共に美味しくいただきました。仕上げはお手製のレモンチェッロとエスプレッソ。美味しいイタリアンはたまりませんね。おまけにこのお店はポイント還元で値段もリーゾナブルですよ。
8月25日(日)
朝起きてベッドのなかで読書。『ウンベルトのエーコの世界文明講義』(河出書房新社)をパラパラ。この本はいつどこを読んでも面白い。好きなのは「パラドックスとアフォリズム」の章。〈野心とは敗北者の最後の逃げ場である〉〈退屈とは真面目さが大人になった姿である〉〈美人でない女性は美人であるかのように振る舞う〉面白いのは引用されているオスカー・ワイルドの言葉か。講談社から送ってきた現代新書のなかに田中雄一『ノモンハン
責任なき戦い』があったので手を伸ばす。やっぱり辻政信が問題児だったのですね。半藤一利さんの本でも書かれていたけど「善きに計らえ型」のトップが多い日本型組織では頭が良くて声が大きくてウルサイ部下の強引な主張が通りやすいのですね。夏の甲子園で犠牲者が出れば誰が責任を取るんでしょうねえ?来年のオリンピックは大丈夫かな?ベッドから抜け出て黒兵衛と散歩。蝉時雨秋の気配に蝉の殻。お粗末。ワン。終日デスクワーク。あっという間に時間が経つ。そう言えば筒井康隆大先生の短編にアレヨと思う間に時の経つ話があってアレヨアレヨアレヨアレヨアレヨ…と山ほど書いてあった作品があった。何でこんなことを憶えているのか?自分でも不思議。晩飯映画劇場は何にしようかと思ったけれど『いだてん』を見なければならないので諦める。TVドラマは人間の行動を縛るから嫌ですね。『ダーウィンが来た』でザトウクジラの話を見たあと『いだてん』。田畑政治という人物は本当にこんなにがさつな人物だったのかなぁ?明日の『オプエド』のゲストが春日良一さんなので訊いてみよう。途中から世界柔道と半々で見る。軽量級も男女も柔道はすべてパワー勝負になってきたのかな?パラリンピック視覚障害者のドキュメンタリーを見てフロ&ベッドへ。『ノモンハン』読みながら寝よ。
8月26日(月)
朝起きてベッドのなかで『ノモンハン 責任なき戦い』読み進む。半藤一利氏が「絶対悪」とまで書いた辻政信も家族や周辺の人々にとっては優しい人物だったらしい。ま。そーゆーものかもしれない。がノモンハンの失敗は追求されねばならないでしょうね。ノモンハンもガダルカナルもインパールも…そして夏の甲子園も…とまで言うのは言い過ぎでしょうか?しかし祭り気分に興じるだけで真の目的を見失い何が起きても誰も責任を取らない体制は戦前と同じですね。起きて黒兵衛と散歩。秋が日に日に深くなる。すぐに猛暑がぶり返すらしいがマァほどほどに…でしょうね。関東では。ワン。イロイロ仕事したあと午後から新橋へ。某喫茶店で毎日新聞の取材を受ける。JOCとは何ぞや?という点について取材と言うよりはレクチャーをしてあげる。IOCの下部組織が選手強化までやるのはオカシイ?JSCやJSPOとの明確な棲み分けが必要ですね。ましてやIOC憲章で公表を禁止している国別メダル獲得数と同様の金メダル獲得目標を口にするのはマチガイですよね?山下さん。新橋からゆりかもめで日の出駅へ。ノーボーダー海岸スタジオで『ニューズ・オプエド』アンカー出演。今日のゲストは元JOC職員でゲンキなアトリエ主宰の春日良一さんとパラスポーツ・ライターの星野恭子さん。東京オリパラまであと1年で東京湾の水質問題や酷暑対策などいろいろ話していただく。そうかパラの視覚障害者レースで伴走者が先にゴールのテープを切ったら失格なんですね。イロイロ楽しく話したあと帰宅。世界柔道が男女ともナカナカ面白かった。
8月27日(火)
朝起きて昨日と同じくベッドのなかで『ノモンハン 責任なき戦い』読み進む。そうか。〈生きて虜囚の辱を受けず〉という「戦陣訓」は日露戦争の頃には存在しなかったのですね。捕虜交換で帰ってきた大日本帝国陸軍の兵士たちも戦争を闘った兵士として手厚く迎えられたのですね。それが捕虜になって帰ってくると恥ずかしいこととして自決を求めるまでになったのは上海事変以降とか。そもそも戦争を事変と呼び始めた頃から陸軍はどんどんオカシクなったようですね。ノモンハンのように多くの兵隊が犠牲になった戦争も「ノモンハン事件」ですからね。原発事故を事象と呼んでることにも注意しなければ。そー言えば福島第一がメルトダウンを超した直接原因は津波ではなく津波の前の地震だったということが発表されたらしい。文藝春秋を読まねば。従来のすべての事故調査委は原因を津波と言っていたけどそれが地震となると日本の原発の危険性ははるかに増しますからね。ベッドから起きて朝飯のあと黒兵衛と散歩。秋の涼しさを感じる。ワン。汗をかいたので水風呂に入るがそろそろ水風呂もオワリかな。終日デスクワーク。晩飯柔道劇場。コウカもユウコウもなくなってワザアリとイッポンだけになった柔道は面白くなりましたね。女子57s級の芳田司は一瞬の油断で銀メダル。金のカナダの出口クリスタもその一瞬を捉えたのは見事でした。男子73s級の大野将平は呆れるほどの強さですね。見事でした。風呂のあとビール飲みながら映画『キネマの天地』。監督は山田洋次。渥美清と倍賞千恵子のやりとりはまるで寅さんですね。昭和の映画スター総出演。中井貴一と有森也実が若い。脚本に井上ひさしさんが加わりナルホドイイ映画ですけど古さを感じてしまいましたねえ。
8月28日(水)
朝ベッドのなか『ノモンハン 責任なき戦い』読了。NHKでドキュメンタリー番組を製作していたディレクターの著作だが映像以外に活字でも残すのは悪くない。ただNHKの取材費で集めた情報を他の出版社で本にする場合の印税はどーなるのか?などと余計な心配も頭に浮かぶ。あとがきに面白いことが書かれていたので紹介する。〈取材の過程において森友学園の問題で近畿財務局のノンキャリアの職員が自殺するなどノモンハン事件で描こうとしたテーマと現代との類似性を感じさせる出来事も相次いだ。組織の上層部は責任をとることなくそのしわ寄せが下へ下へと向かっていく構図はいまも変わらぬ日本型組織のありように思えてならない〉ベッドから這い出て雑誌やミックスペーパーの処理と朝食のあと雨のなかを黒兵衛と散歩。涼しい。終日デスクワーク。夕方朝日新聞記者から電話。野球U-18大会へ出場するために韓国へ渡った日本代表の高校生たちが通常の日本代表のユニフォームとは異なり日の丸やJapanの文字のついてないポロシャツを着ていたとか。「騒ぎに巻き込まれないため」らしいがこれは最低のナンセンス!高野連の幹部はスポーツが民主主義から生まれた文化で反暴力反戦の思想を基調にしていることを知らないのだろう。関係が悪化している今こそスポーツで友好と平和を示すためには堂々と日本代表を名乗らなければならないはず。そこで騒動になったりすればスポーツの本質に理解のない韓国の恥じ…のはずだがそもそも高野連の幹部が(さらに日本のスポーツ関係者やスポーツ関係のジャーナリストの多くが)スポーツが反暴力と民主主義から生まれた文化であること(©ノルベルト・エリアス)を知らないのだから話にならない。そのことを高野連の幹部こそ恥じよ。高校の試験中に公式戦のスケジュールを組むような阿呆なことをしているから高野連幹部はスポーツの意味など考えたこともないのだろう。晩飯柔道劇場は女子63s級田代未来vsフランスのアグベニューの試合に感激。素晴らしい一戦でした。柔道という明治時代に生まれた武道(スポーツ)の素晴らしさに感服。明治の武道(スポーツ)は明治天皇が五箇条の御誓文で「万機公論に決すべし」と民主主義の基本を宣言された社会のなかで生まれたのですよね。
8月29日(木)
朝ベッドのなかでダニエル・リーバーマン『人体600万年史 科学が明かす進化・健康・疾病〈上〉』(早川書房)読み始める。遺伝子ドーピングについての知識を得たいため。なるほど。進化は必ずしも人間に幸福をもたらすものではないのですね。人間の進化には生物学的進化の他に文化的進化も考えるべきなんですね。面白い。スポーツによって人間の身体的進化も起こり得るのかな?ベッドから抜け出して朝食のあと黒兵衛と散歩。暑さぶり返す。まぁこーゆー繰り返しのなかで小さい秋が大きい秋に変わっていくのでしょうね。TBS『ひるおび!』で高校球児たちが韓国で日の丸を付けなかったことに関する小生の朝日新聞へのコメントが紹介される。「スポーツは究極の反戦平和運動。悪化する日韓関係をスポーツを通じて友好的なものにできる」という小生のコメントに対してレギュラーの八代英輝さんが意見の大筋には賛成だがスポーツが国威発揚などに利用された歴史を考えると「究極の反戦平和運動」というのは疑問と発言。それはねえ八代さん。スポーツという文化は民主主義の反暴力社会を生んだ古代ギリシアと近代イギリスからしか生まれてないという事実を指しているんですよ。だからスポーツの政府(国家)による利用は平和活動であるスポーツにたいする一種の「白色テロ」とも言えるんですよね。明日『ひるおび!』に出ることになったので八代さんにノルベルト・エリアスの説を教えてあげよう…と思いながら東海道線で新橋へ。赤坂で一つ打ち合わせをこなしたあとTBS近くの毎日放送東京支社から久しぶりに『ちちんぷいぷい』生出演。高校球児たちの「japan隠し」について話す。がさらに問題なのは(多くの抗議があったせいか?)高野連が「japan隠し」を撤回したこと。おそらく高野連幹部はスポーツが民主主義から生まれた反暴力の文化だと言うことも御存知ないのだろう。だから雰囲気で(よく解釈すれば高校生を守るため?)「japan隠し」を指示したのだろう。高野連にはスポーツの勉強をしていただいてスポーツに対する確固たる哲学を身に付けてほしいですね。ついでに夏の高校野球のスケジュール改革にも早く手を付けてほしいですね。しかし高校球児たちは韓国の空港で「japan隠し」に従いながら「J」のマークの帽子をかぶっていた選手がいたの素晴らしいことですね。帰宅して少し仕事のあと晩飯柔道劇場。世界のレベルはどんどん上がってますね。一瞬の油断が敗北につながりますね。ルール改革の結果見応えがある試合が増えましたね。素晴らしいことです。しかし日本人選手ばかり放送するのでなくもっと外国人選手同士の試合も見たいですね。あとインタヴューをどうにかしてほしい。インタヴュアーは自分の意見を言うのでなく選手の気持ちを引き出してほしいですね。
8月30日(金)
朝ベッドのなかで『人体600万年史〈上〉』読み進む。おもしろい。なるほど。常時直立二足歩行が人類のすべての始まりなんですナァ。スポーツでは競歩が一番人間的というわけか?ベッドから出て朝食のあと黒兵衛と雨のなかを散歩。ソソクサと切り上げて準備して大船駅へ。東海道線で新橋からタクシーで赤坂TBSへ。久しぶりに『ひるおび!』生出演。日韓関係悪化のなかでスポーツ交流にも悪影響?しかしスピードスケートの小平奈緒選手と李相花選手の友情とかラグビーW杯の日本代表に選ばれた具智元選手…等々スポーツにおける日韓交流は時の政情など無関係に強い絆で結ばれていることを話す。そもそもスポーツは民主主義反暴力反戦の思想から生まれたものですからね。スポーツという文化を生んだのも古代ギリシアと近代イギリス。それに柔術から柔道を生んだ明治の日本。すべて暴力否定の民主制社会の誕生とシンクロするなかでしかスポーツ文化は生まれないというノルベルト・エリアスの説を時間のないなかで特急で喋らせていただいたあとタクシーで爆睡しながら帰宅。ちょこちょこっとデスクワークしたあと晩飯柔道劇場。男子のウルフは慎重になりすぎたかな。女子の濱田は勝負を急いだかな?惜しくも銅メダルと銀メダル。来年のための勉強にはなったでしょうね。風呂のあとビール&映画『ロンメル軍団を叩け』。リチャード・バートン主演だというので見てみたけどB級映画の面白さもイマイチのB?映画でしたね。『人体600万年史』読みながら寝よ。
8月31日(土)
朝ベッドのなかで読む『人体600万年史』は確かに面白いけど熟読が必要なところがベッド向きではないかな。早く生物学的進化から文化的進化に移りたいけどナカナカ進まない。まぁアウストラロピテクスも面白いから我慢。『チコちゃん』を見ながら朝食。ラグビーの得点を何故tryと言うのかというのをやっていた。ラグビーはパブリック・スクールのラグビー校やオックスフォードやケンブリッジの大学で発展したから家庭教師をやっていた人が多かったから…というのは小生の創作ギャグ。正解は皆さん調べてください。チコちゃんが「スポーツとはどーゆー意味?」と聞くのはいつになるのか?どーゆー答えを出すのか興味津々。まぁ5歳のガキには無理か?黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。午後少し野球U18の試合を見る。南アに圧勝。日本はまだ優勝したことがないという話題をテレ朝のアナウンサーは口にするがソモソモ昔は出場しなかったと言うべきだろう。夏の甲子園と重なって甲子園のほうを優先させましたからね。世界大会よりも国内大会を優先させてイイのか…?なんて疑問を呈したのは小生くらいでマスメディアはすべて甲子園を支持してましたからね。晩飯柔道劇場は女子は朝比奈選手が銅。素根が金。イイ試合でしたね。男子の原沢もがんばったけど準決で疲れたかな。決勝では汗をかきすぎ。原因を分析して来年に備えてください。風呂のあと映画はパスして『人体600万年史』読みながら爆睡。
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