9月1日(月)
大阪へ。新幹線乗り飽きたで。マイレッジもないし。『ちちんぷいぷい』生出演。錦織選手とテニスについて話す。掛布さんとWBCヒソヒソ話。昨日のTVを見ておられたようで「監督ルール化」で意見一致。ざこば師匠は佐渡裕さんと逢ったとか。「今度『ピーターと狼』やってくださいよ」。いつもより1時間早く番組を終えて帰鎌。往復新幹線で小田島雄志『シェイクスピアの戦争・平和学』(新日本出版社)読了。沙翁の複眼視点にも満州引揚者の体験談にも感服。帰宅してサァ晩飯映画劇場と思たら臨時ニュース福田辞任。マタか。アホか。根性ナシか。日本人は柔で小粒になって大政治家も大官僚もおらんようなった。イヤそういう人物が出世でけん世の中になったんかな。情けない話やで。情勢の変化でメールいろいろ。そうか解散か。とはいえ紅旗征戎非吾事。メディア人間は常時在野が本分やで。
9月2日(火)
日常取り戻し週間開始。佐吉の散歩のあとゴミ出し。新聞読んだあと山のように積まれた手紙とPCの動きを遅くするほどのメールの整理。昼飯は稲庭素麺。午後から9月のスケジュールと原稿締切チェック。資料調べで一日終わり。久しぶりにTVで巨人広島戦。広島強いやん。ヤクルトも強い。中日3位危ないで。クライマックスシリーズで阪神勝てんで。晩飯映画劇場は『マリア・カラス最後の恋』(原題“CALLAS ONASSIS”)映画として面白かったけどオナシスが良う描かれすぎかな。カネ出てるんかな。それともコレがホンマかな?オナシスもチャーチルもジャッキーの妹もそっくりさんオンパレード。プレートルは似てんかったな。ゼッフィレッリの『永遠のマリア・カラス』と一緒でスーパートップは死後も伝説が創作されるんやろな。パゾリーニとの出逢いまで含むカラスの伝記映画はでけんもんかな?福田のあとは麻生・小池・石原やて?オイオイちょっとちょっとエエカゲンにしてえな。
9月3日(水)
朝ラジオ2本のあと佐吉の散歩。外出のため服着替えながらテレビつけたら『ピタゴラスイッチ』の「アルゴリズム行進」でなんとウィーン少年合唱団が出演してた。歌まで日本語で歌てる。豪華やなぁ。もったいないなぁ。何故か感動。東海道線で東京へ。新橋駅で音楽PのS社長夫妻とバッタリ。メシ食おと言いながら約束延ばし続けを詫びて帝国ホテルへ。サッカー協会新会長新指導部のお披露目会。めちゃ人多い。入口に並んでるときにテレビカメラのライトとストロボがブワッと光ったので何でかと思たら森喜朗元首相。サッサと来てサッサと帰る。忙しいんやろな。入口で川淵前会長と犬飼新会長に挨拶。人だらけのなかで三枝成彰夫妻と日比野克彦さんを見つけたので『忠臣蔵』打合せ確認。川淵夫人と話してたら傍に貴乃花親方夫妻。生臭い話は抜きに挨拶。その近くにエモやん(江本孟紀氏)。ちょっと生臭い話のあとヨッサン(吉田義男氏)と京都の高校野球について雑談。傍に何故かサッチー。逢いたかった平尾誠二さんがおらんかったんでサッカー協会の田嶋幸三さんと岡田監督のことをちょっと話して退散。ロビーにいた某代議士とちょっと焦臭い話をしたあと(笑)銀座山野楽器に寄ってDVD買い込んで帰宅。晩飯映画劇場は山本薩雄監督『金環蝕』。民政党総裁選がらみのどろどろ政治裏舞台映画。終わってテレビを見ると麻生がどうの小池がどうの石原がどうの。権力争いも小粒になったなぁ。どうせ選挙管理内閣やわな。
9月4日(木)
アッツウ〜。糞アッツウ〜。9月やのにナンヤネン。仕事にならんで。と思てたら坂井保之さんから電話。新刊『深層「空白の一日」』(ベースボールマガジン社新書)の礼状も書かず恐縮。しかしグッドタイミング!善は急げ仕事は休め。『鮨処もり山』で食事の約束。「昨晩映画『金環蝕』を見ましてね」「おっ。石川達三原作山本薩男監督ですね」こういう会話をできる野球人との話題は北京五輪野球の惨状から星野論からWBCの意義さらにプロ野球の未来から岸信介と長州人気質と近々迫った総選挙まで。メッチャ参考になる話ばっかり。よっしゃ。自分のスタンスを再確認でけた。
9月5日(金)
相変わらずの暑さやなぁ。いろんな雑用ばっかで仕事が進まん。相撲の大麻疑惑で取材の電話何本か。昨日は室伏の繰り上げ銅メダルで電話が続いたけどソノなかに「オリンピックのようなアマチュアスポーツでドーピングが蔓延していいのでしょうか?」という質問を口にしたTV記者がいた。もうちょっと勉強してくださいよ。「アマチュア」なんて何年前に消えたのよ。WBCの話題でテレビからのお呼びが途切れてるんは『週刊文春』によるとナベツネ批判のせいかな(笑)。晩飯映画劇場はドイツ映画『善き人のためのソナタ』。最近見たベスト映画。センチメンタルに堕すことない厳しい大人の映画。つい最近まで東欧は秘密警察の世界やったんやな。講演会で資本主義(新自由主義ではない!)を批判して東独を評価した演出家のコンヴィチュニーはどんな人生を生きてたんやろ?とフト考えてしもた。
9月6日(土)
佐吉の散歩のあとナカナカ調子が出ないなりにも相撲協会大麻問題の電話数本の間に音楽の短い原稿1本仕上げる。しっかし北の湖理事長の対応は相変わらず最低やな。こういうときの音楽の原稿は精神的にホッとする。夜はパラリンピック開会式見ながら晩飯。同じチャン・イーモウの演出でもオリンピックの開会式と違って中国色が希薄でシンプルで好感。しっかしナンデNHK教育テレビやねん。ナンデ総合でやらへんねん。福田首相もパラリンピックを待たずに五輪メダリストの表彰をサッサとやってしもたしメディアもコレでは世界の常識から遅れるで。
9月7日(日)
パラリンピック開会式のあと仮眠。午前3時半ジャストに起きてW杯アジア最終予選バーレーン戦。よっしゃ!俊輔のFK見事!遠藤のPKも相変わらず見事!前半2−0。後半は10人の相手にオタオタ。中村憲剛の3点目のゴールで助かった。2失点はエエ薬や。しっかし日本人は余裕を持った強い闘い方ちゅうもんがでけんもんなんかなぁ。寝直そ。
9月7日(日)つづき
昼前起床。眠い。仕事にならんのでオペラを見る。『アラベラ』。ルネ・フレミング主演。チューリヒ歌劇場。エエ舞台やなぁ。ウェルザー=メストの指揮もR・シュトラウスの煌びやかなサウンドを見事に響かせてエエ。ルネ・フレミングは『ばらの騎士』のメトの舞台を見たけどこっちのほうがエエな。田舎者のマンドリカが恰好よすぎるけど大満足。夕方読書&資料調べ。北の湖親方と大嶽親方と弁護士がJADAの尿検査に異論を唱えたそうやけどソレはあかんで。オリンピックの全検査に異論を唱えるようなもんやから。晩飯映画劇場は『アリゾナ・ドリーム』。面白かったけど微妙な映画。アメリカン・ドリームが消えたというテーマの処理が難しい。フェイ・ダナウェイが名演。ディーン・マーチンとの「底抜けシリーズ」の名喜劇役者ジェリー・ルイスが好演。若き日の素面のジョニー・デップもよかった。けどヴィム・ヴェンダースの『パリ・テキサス』には及ばんな。
9月8日(月)
北の湖理事長が辞任するとかで朝から電話ガンガン。相撲協会は町内会のようなもの。あるいは商店街の連合会みたいなもの。親方衆にはそういう認識しかない。だから商店のどら息子に不祥事が勃発しても町内会長や連合会の幹部は責任をとらん。今回は町内会長の息子が不祥事をやらかしたから会長が責任をとっただけ。まぁプロ野球も同じような組織でプロ野球商店街は外資の大型店舗の進出で潰れる可能性が高いけど大相撲商店街は潰れる怖れがない。いずれ組織改革とかいうて文科省役人の天下り先になって落ち着くのかな?阿呆クサ。TV生出演は断らせてもろたけど夕方から夜に2局のTVクルーが来宅。晩飯作れんかったとかで「213」へ。仕事にならん一日。パラリンピックも見れん。いやコレも仕事か。
9月9日(火)
夜長月・穂長月・菊見月・竹酔月。やっと秋の涼風が吹き始める。佐吉の散歩も爽快。なのに仕事は捗らず。暑けりゃ暑いで文句を言い涼しけりゃ涼しいで仕事以外のことを思う。まぁ人間そんなもんやろ。相変わらず相撲界に関する取材。プラス星野監督について。WBCは指揮を執らないとか。しかし「火中の栗」という表現はちょっと違うな。火をつけた人が言う言葉やないな。火まみれになっても飛び込むならワカランでもないけど。それにしてもWBCってそんなに大事な大会なんかな。MLBの戦略にハマルだけやのに。それでも出るなら優勝してアメリカの言いなりにはならんことを示す必要はあるけど…。そうですよね。元駐米大使の加藤コミッショナーもソウ思いますよね。アメリカ野球の二軍になるのは反対ですよね。晩飯映画劇場は『おろしや国酔夢譚』。緒方拳・西田敏行熱演。もうちょっとシナリオに工夫がほしかったけど大黒屋光太夫の人生の映像化は面白かった。誰かジョン万次郎も映画化してくれんかな。アメリカで野球やっとるはずやし。
9月10日(水)
HP更新の日ですが「オススメ」の写真を更新するだけで『蔵出しコラム』は継続します。それは今の原稿を多くの人に読んでほしいからでもありますがサボったからでもあります。最近机の前でのサボり癖がついて困ってます。原因は多分テレビに出すぎたからでしょう。
9月10日(水)つづき
朝ラジオ2本電話出演。佐吉の散歩。原稿書き。キツイなあ。書けんなあ。調子悪いなあ。それなりに1本仕上げて夕方から渋谷オーチャードホールへ。東京フィルのコンサート。『シンフォニック・ニューヨーク』バーンスタイン&ガーシュウィン・オン・パレード。指揮は沼尻竜典さん。客席に座ってたら東フィルのスタッフの人がやってきて「練習してますか?」何のことかと思ったら「指揮ですよ」「いえいえとんでもない。もう二度と…」しかし嬉しかった。練習再開しょうかな(笑)。コンサートは楽しかったけどジャズとクラシック・ミュージカルとオペラを分けて考える人がいることに小さなショック。バーンスタインの音楽をクラシックでないと思っている人がいることにもショック。主流とはそういうもんか。おれの仕事場所はまだまだあるな(笑)。19歳のヴォーカル清水翔太クンもがんばってた。しかし山下洋輔さんの『ラプソディ・イン・ブルー』はいつ聴いても大大衝撃的。終演後楽屋へ。「イヤハヤアノソノいろいろお世話になってありがとうございました」と馬鹿息子の親として挨拶。「あっちはあっちでやりますからこっちはこっちでやりましょう」という笑顔の返事にホッ。会場で久しぶりに逢った編集者と渋谷の焼鳥屋へ。ひょいと入った店やったけど焼き鳥が旨かった。「明るい農村」という名前の芋焼酎も美味。満足。
9月11日(木)
原稿書けんなあ。頭の中どないしたんやろ。まぁこういうときもある。スランプ克服は「待つ以外にない」と豊田泰光さんが小林秀雄との対談で語ってたもんな。待たなしゃあないな。午後から毎日放送の『知っとこ!』自宅でVTR撮り。関西のスタッフはカメラマンから音声さんまでオモロイ。夕方大船珈琲館で北京五輪の結果と日本のスポーツについて共同通信の取材を受けて続いてフジテレビのスタッフと来週収録の『フジテレビ批評』について打合せ。終わって本屋に寄って近くやったので『213』でビール飲んでたら阿呆娘と嫁はんまでやってきて晩飯。なんでやねん。しかし『213』のビールは旨い。
9月12日(金)
原稿書けんなぁ。相見英咲『倭国の謎〜知られざる古代日本』(講談社選書メチエ)なんて本をパラパラめくったらオモロウてアタマが原稿に戻らん。おまけにBGMが悪いのやと思てワーグナーをプッチーニに変えたら『つばめ』(パッパーノ指揮ゲオルギウ/アラーニャ)がこんなに面白い音楽やと気づいてまた原稿にアタマが向かん。締切待ってくれてる編集者には悪いけどアカンもんはアカン。デケンもんはデケン。書けんもんは書けん。晩飯映画劇場は思い切って『戦争と平和』。ヘップバーンの演技と綺麗さ以外はどうでもええハリウッド映画。『風と共に去りぬ』と一緒やな。あ。『風と共に去りぬ』がトルストイのエピゴーネンやったんや。それだけのこっちゃで。けど一日ゆっくりでけた。明日から出直しや。編集者の皆さんスンマセン。
9月13日(土)
佐吉の散歩のあとパラリンピック見て車椅子ラグビーとかピストリウスの走り方とかいろいろ感激しながら原稿1本書きあげる。ほんまは2本書かなアカンのやけど体力がない。歳とったな。スタミナがない。というよりマダ締切大丈夫っちゅうヨミがあるからやな。どーしてもアカンちゅうなら書きまっせ…と思いながらサボって(編集者さんスンマセン)晩飯映画劇場はグレタ・ガルボの『アンナ・カレニナ』。メチャクチャ端折ってるけど昨日の『戦争と平和』よりも映画としてまとまってる。この競馬のシーンはスポーツライター必読文献にあげたことがあるけどソーユー指摘は年寄りの戯言になったかな。しかしガルボは『椿姫』もよかったけどアンナもエエな。映画世界文学全集制覇しょうかな(笑)。
9月14日(日)
佐吉の散歩で新発見。細い脇道から少々広い2車線の道路に出るところにミラーがある。そこに映るクルマは右車線の遠い場所を右手から走ってくる。ところが現実には左車線を走ってるクルマが突然右手から目の前に現れる。鏡に映ったクルマを見続けてると少々驚く。なるほど。鏡面対象というのは左右が逆になるのではなく前後が逆になるんやね。鏡を見て右手を上げれば鏡の俺は左手を上げるけど方向は同じ。左右は逆にはなってない。前を指さすと後ろを指す。つまり前後が逆。佐吉の散歩も勉強になる。帰宅して久しぶりに『題名のない音楽会』を見たら兵庫県立オケと6月に上演した『メリーウィドウ』のダイジェスト版をやってる。桂ざこば師匠の狂言まわしも最高やったけど神田山陽さんの語りも面白かった。
9月14日(日)つづき
午前中に原稿1本仕上げて桂三枝さんの『新婚さんいらっしゃい』見て(コレはいつ見てもオモロイ)マスネーのオペラ『マノン』。フレミング(パリ・オペラ座)のDVDもよかったけどネトレプコは絶好調。舞台装置も衣裳も綺麗。モンローみたいな雰囲気もエエ。けどバレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場の演奏はさすがにドイツだけあってカタイかな。相撲が始まる頃にNHK『おはようニッポン』のスタッフが来宅。武蔵川理事長の挨拶を聞いたあとVTR取材。「すべての責任は相撲協会にある」と明言したのは(当然とはいえ)評価できる。晩飯映画劇場は何を…と思いながらWOWOWの『トランスフォーマー』なんちゅう大ボケ漫画チック映画(ガンダムもどきが暴れまくる。ジョン・ボイトが歳とった)を見てたら阿呆息子が帰ってきてブラジリアン・クラブ系ジャズたらちゅうワケのワカラン下手糞な音楽のビデオを見せられる。まぁ出雲の酒と蕎麦と『SMV』のCDを土産に持ってきたから許したろ。それにしてもS(スタンレー・クラーク)とM(マーカス・ミラー)とV(ヴィクター・ウッテン)の「三強ベース」の演奏は最高やな。
9月15日(月)
リーマン兄弟がコケたとかで世の中騒いでる。リーマン幾何学が崩壊したのでないことはめでたい。前者は金で済む話。後者は宇宙が壊れかねん。世界経済が阿呆になるのもわかる。ポルノ女優(ファニーメイ)やら殺人鬼(フレディマック)が政府に助けられるんやからね。もうちょっとまともな名前つけんかい。俺の親父は正しかったな。判子はつくな。金の貸し借りはするな。鮨屋には入るな…やもんな。最後だけは守ってへんけど…なんてこと考えるばっかりで原稿書けん。世の中連休か。あっという間に夜になってテレビつけたらNHK-BSで『ベン・ハー』をやっとる。何遍か見た映画やのにコレがめちゃめちゃオモロイ。ローマ帝国=アメリカ。ユダヤ=アフガンorイラク。そう考えて見たらこんなUp-to-dateにオモロイ映画はない。アメリカ人もその程度の相対化はできるやろ。全米ライフル協会幹部のチャールトン・ヘストンには無理やろけど。それにしても戦車競争のシーンはやっぱり迫力あるなあ。
9月16日(火)
今月から始まってる近所の造成工事でダンプが家の前をよう通るようになった。時速20qの住民とのアグリーメントは守られてるみたいやけど谷を赤土で埋めてその上に10戸近く家建てて将来土地は沈まへんのんかいな?コパチンスカヤのヴァイオリンとファジル・サイのピアノによるベートーヴェンのソナタ『クロイツェル』がめちゃんこオモロイ。男と女が見事に喧嘩してます。トルストイに聴かせてやりたい逸品。この強烈にオモロイ演奏では小説『クロイツェル・ソナタ』の大名作も生まれへんかったやろな。などと思いながら書いた原稿が気に入らん。送ろうか書き直そうか…と思いながら晩飯映画劇場はモーパッサン『女の一生』。岩下志麻主演の翻案ヴァージョン。男のドーショーもなさと女の切なさを描いたなかなかの作品。野村芳太郎監督。脚本に山田洋次が加わってる。
9月17日(水)
朝ラジオ2本こなして古新聞やら雑誌の整理をしたあと昨日書いた原稿の書き直し。やっぱり編集者も加筆を要求してきた。そらそやわな。書き直して再送。前の原稿よりずっと良うなったけど「オリンピック・スポーツ・政治・ナショナリズム」を15枚で書くのは難しいで。1冊書こかな。大相撲薬物問題でロシアの2力士がごねとる。そもそもドーピング検査とは難しいもんで黒は10%白も10%でグレイが80%。けどJADAの発表の仕方によると真っ黒やで。力士と弁護士はちょっとでも給料と退職金をせしめたいのんやろけどコノ検査結果は否定でけんで。佐渡裕指揮ベルリン・ドイツ交響楽団の新譜チャイコフスキー『交響曲5番』はサイコー!これってムラヴィンスキーやゲルギエフやバーンスタインの演奏よりロマンチックでエエのんとちゃうかな。愛聴盤になりそう。なにッ!?ビールがない?!ビールがなかったらメシ食えんやないか。映画も見れんやないか。しゃーない。『213』行こ。
9月17日(水)つづき
数日前テレビの某キイ局から電話。「大リーグ入りを希望している日石ENEOSの田澤投手をメジャーが獲得しそうなことについて取材してるのですがスタジオ出演していただけませんか?」「いいですよ」「巨人の滝鼻オーナーなどは日米球界の国交断絶とまで言ってますがTさんの御意見は?」「選手が高いレベルを目指すのは当然。だから田澤投手を非難できない。一方日本のプロ野球はメディアに支配されている。そのメディアはメジャーの日本進出と手を組みWBCのアジア予選の主催もする。他のメディアもその中継に力を入れてる。だから国交断絶なんて不可能。日本のプロ野球が早くメディアから自立して多くの選手が日本のプロ野球でプレイしたいと思うような素晴らしい球界を創ってほしい」「わかりました。のちほどお電話します」いくら待っても電話はなかった。
9月18日(木)
原稿締切はいったん小休止やのに校正の山。シャーナイな。数日前に書いた原稿の内容を忘れてる。午後から主治医の先生へ。相変わらず血圧高い。WhiteCoatHypertensionやな。自民党総裁選のばかばかしさを語り合って薬をもらって帰宅。再び校正。なぜか夕方から電話機が不調。送信はできるのに受信がでけんようなった。電柱に取り付けられてる盗聴器のせいかな(笑)。御迷惑をおかけしますが仕事はメールか携帯によろしく…って携帯も送信しか使たことないのんやけど取るようにしますので。晩飯映画劇場はテネシー・ウイリアムズ『欲望という名の電車』。監督はもちろんエリア・カザン。大昔に杉村春子の舞台を見たことあるけど高校生では理解不能。今は理解できた。『風と共に去りぬ』の続編と思うと面白い。ヴィヴィアン・リー大熱演。若々しいマーロン・ブランドの台詞まわしはゴッド・ファーザーまで変わらんなぁ。しかし素晴らしい映画でした。アンドレ・プレヴィン作曲のオペラも聴き直してみようかな。そうか。保険会社は潰されへんのか。アヒルは強いんやなぁ。阿呆クサ。
9月18日(木)つづき
書き忘れてました!金聖響指揮OEK(オーケストラ・アンサンブル金沢)のブラームス第3弾『交響曲3番』発売!コレは素晴らしい!面白い!小編成ならではの響き(特に中声部)がブラームスの新鮮な滋味を引き出してる。おまけに『大学祝典序曲』もオモロイ!ブラームスに洒落っ気を感じる演奏。Every Music has Sportive elementsというミトロプーロスの言葉を思い出したで。
9月19日(金)
朝佐吉の散歩のあと迎えのハイヤーでフジTVへ。『フジテレビ批評』録画撮り。北京五輪のメダル数と国のスポーツ政策について話す。もうちょっと巧く喋れたかなと反省。TV慣れはイカンな。その後NHKへ。関東甲信越地方番組審議委員会出席。『証言記録兵士たちの戦争』や『米軍カメラマンの見たNAGASAKI』や西宮冷蔵の『たった一人の反乱』を大絶賛。『ピタゴラスイッチ』にウィーン少年合唱団が出演して「アルゴリズム行進」を歌い演じたことも。ニュース番組の口調が久米宏の言い回しになってきたことを少々批判。その後NHK-BS『日めくりタイムトラベル昭和49年!』の打合せ。長嶋茂雄さん引退の年。選手時代と浪人時代までの長嶋さんの話題になったら話が尽きん。第U期監督以降はどうでもええけど。少々ハイテンションになったのでトッパライ(当日払い)で得たギャラで『鮨処もり山』へ。と思たらナント満員とか。週末は流行っとるなぁ。シャーナイし家に帰って野球。阪神は阪神らしいなってきよったで。朝に直ってた電話機がまた不調で通じん。なんでやねん。盗聴器つけた人は速やかにはずしてください(笑)。
9月20日(土)
朝になっても電話機不調のまま。昨晩から終夜リンリン勝手に鳴り続けるので電源を切る。NTTに携帯から電話して修理係の人に来てもらったところが電話線につながってるガス漏れ警報装置に雨水が入り込み誤作動を起こしてたとか。お隣さんもお向かいさんも以前同様の事故があったらしい。盗聴器がなかったのは何より(笑)。とにかく直ったけど工事中は落ち着かんのでCD聴きまくり。佐渡指揮の第九なんかでソロを歌てたバリトンのキュウ・ウォン・ハンの初アルバム『この愛を〜イタリアを歌う』がエエ。甘く優しい歌声。珍しいヴェルディの歌曲が入ってるのも嬉しい。バス・バリトンのアーウィン・シュロットの初アルバムも面白い。さすがにフィリッポU世の歌は未熟さが出てるけどフィガロやドン・ジョヴァンニは若さに溢れててエエ。シエピのような歌手になるかな。工事と音楽以外は佐吉の散歩。原稿書き。校正。阪神最悪(トホホ)。つまり日常万全(トホホホホ)。晩飯映画劇場はWOWOWの戦争シリーズ『俺は、君のためにこそ死ににいく』。はっきり言って駄作。思想云々の前に石原慎太郎の脚本が下手。喋らせすぎ。構成も散漫。岸恵子もミスキャスト。演技は巧くても雰囲気が違う。それでも隼に乗って若者が特攻するシーンで涙が出たのは保阪正康さんの本を何冊か読んでいたから。これほど重いテーマを最後のB'zの歌に象徴される程度の軽いドラマにした違和感を感じ続ける。特攻のあった時代を「日本人が最も美しかった時代」と断言できる石原慎太郎の為政者側に立った視点に胆立たしさも感じた。浅い人やね。
9月21日(日)
そうか。アメリカの金融界は無茶苦茶なんやな。CreditDefaultSwapなんちゅうモンの不良債権が3000兆円以上もあるらしい。3000兆ちゅうたら天文学の世界やで。そのそも「信用不履行交換」ってナンヤネン。ヨメハンコーカンみたいなもんか。そんなモンが「商品」といえるのか。いや。それこそ商品なんかもしれん。資本主義では。新たなマルクス出でよ!しっかしコレでタナボタ式に東京オリンピックが現実味を帯びてくるかもしれん。100%ありえない老醜石原の愚考愚策やと思てたけど30%くらいは可能性が出てきた。できるんならやってほしい。日曜やというのに終日原稿書き。そういう日常がイチバン。阪神ワヤやで。特集予定しとる雑誌が困っとるで。人気のない巨人では売れんしなぁ。夜は『鮨処もり山』へ。戻り鰹が旨い。カワハギも美味。息子サンが店で修行始めた。みんなそんな歳になったなぁ。アメリカなんてどうなってもエエ。朝青龍は見苦しいなぁ。
9月22日(月)
世の中3連休もアリとか。コチトラ一所懸命終日原稿書き。北京の後始末。秋やなぁ。エエ雨やなぁ。佐吉の散歩でずぶ濡れや。そうか。総理大臣はアッソウか。最悪やな。totoの法制化の準備で会うたことあるけどエラソウなひとやったなぁ。そのくせtotoに関する間違うた認識を指摘したらスネたもんな。小さいなぁ。マイク持ったら離さへんコイケも野球は巨人とマダ言うとるイシハラもどっこいどっこいやけど。今度の選挙結果は見物やな。朝青龍気合入ってへん。切れたかな。その程度の横綱かいなぁ。モンゴル出世巡業馬鹿騒ぎが最後の華やったんかな。モルガンの株を三菱UFJが買うてGMのトラック部門はいすゞにやって?アメリカはどないなっとるねん?今度Sクンに訊こ。2016東京オリンピック招致の情報集めよ。
9月22日(月)つづき
書き忘れたけど朝の佐吉の散歩のあとTVつけたらヤンキー・スタジアム・ラストゲーム。思い出深いな。アナウンサーはエエことばっかりいうてたけど俺が最初に行ったときは1)トイレには一人で入るな2)2階席から見られる1階席には座るな(スナイパーで狙われるから)なんてアメリカ人の友人に言われたくらい怖かった。ヨーロッパの女性TVレポーターが取材中にレイプされた直後のサウス・ブロンクスやもんね。そこでドジャースとのWシリーズを見てシナトラの歌まで聞いて帰りの地下鉄の乗ったら何人かいた乗客がジャンキーばっかでションベンちびりながら本当に死ぬと思たのも今では懐かしい想い出やな。そういう歴史も残さんとあかんな。
9月23日(火)
そうか。朝青龍窮状か。いや休場か。スポーツにどっぷりと浸かった2か月を過ごすと改めて日本のスポーツ界の窮状にうんざりする。「巨人のミラクルについてコメントを」なんて電話までかかってくる。奇蹟も安売りされるよういなったもんやで。何処へ行っても住みにくいとわかると「詩が生まれて画ができる」はずやけど能力無し。せめて音楽の素晴らしさを伝えようと夕方から渋谷のPonteVecchioで『ベートーヴェンの交響曲』につづく『未完成から悲愴まで〜ロマン派の交響曲』について金聖響さんと講談社の編集者と打合せ。聖響さんも来年4月から新しい仕事に関わるし面白い本になりそうや。帰りに講談社のAクンと缶ビール飲みながら帰宅。そうやなぁ。月刊『現代』休刊(廃刊)やなぁ。おれが初めて署名原稿書かしてもろた雑誌だけに寂しい。タイトルは忘れもせん『トラキチは奇人変人マゾ集団』やったな。エエ原稿やった。あとで単行本(タイガースへの鎮魂歌)にも収録したもんな。時は流れるな。けど廃刊特集くらい大々的にやってえな。
9月24日(水)
朝ラジオ2本。王さん引退やな。WBCアジア予選の韓国戦のあとの共同記者会見で送りバントの采配を批判して怒られたあと謝られたのが懐かしいな。朝青龍は引退せんな。横綱2場所連続途中休場は即引退ちゅう常識も彼には関係ないわな。アッソウ首相はいつ辞めるんかな。昨日からヨメハンが彼岸の墓参りで帰省中。27年目(ホンマは29年目)の浮気にでも挑戦するか。けどお隣さんはモンローと違うしな(笑)。原稿の締切も毎日あるしな。シャーナイな。夜は『213』へ。阿呆娘の帰りが遅うなって飲み過ぎる。
9月25日(木)
山ほどの資料を読まなアカンのに『世界金融戦争〜謀略うずまくウォール街』(広瀬隆・NHK出版)やら『ドル崩壊!今、世界に何が起こっているのか?』(三橋貴明・彩図社)読み出したらオモロウてとまらへん。世界経済は博徒集団に牛耳られとるんやな。アタマを野球に戻して『楽天が巨人に勝つ日−スポーツビジネス下克上』(田崎健太・学研新書)読み出す。面白くようまとまってるけど「巨人に勝ってもシャーナイで」という視点は?短いコラム1本書いてヨメハンおらんし晩飯ドーショーかな思た瞬間ビールが飲みとうなって足は『213』へ。2日連続は個人史上初の新記録…程度の記録の記事が最近のスポーツ新聞には多なったなぁ。小泉引退か。みんな勝手に辞めていくなぁ。辞めるんなら辞めるでエエけどアメリカ一辺倒のツケは大きいで。そうか。これは自民党潰す言うてた公約の総仕上げか。
9月26日(金)
暑さ寒さも彼岸まで。佐吉の散歩も短パンをGパンに。小さな谷戸を埋める工事は続く。道路にはガードマン。こういう仕事は昔は学生バイトが徹夜でしたもんで俺も学生時代に穴掘り土埋めは何度かやった。四畳半の下宿1万2千円親の仕送り3万円の時代に一晩で4〜5千円のバイト料は大きかったのでツルハシやシャベルを握った。今は某会社社長の朋友もようやっとった。ところが今の道路工事は年寄りが多い。若い体力のある学生はやらんのやろな。原稿進まんまま夕方から名古屋へ。
9月27日(土)
東海TVスーパーサタデー生出演。そうか。小泉家というのは政治が家業なんか。ほんで次男に継がすんか。阿呆クサ。いつぞや須田慎一郎サンがTVで喋ってた6000兆円以上の天文学的CDS不良債権について訊く。なるほど。金融立国に変身したイギリス始めヨーロッパがこれから大変らしい。そういや『ドル崩壊』にもスペインの土地バブルは度し難いと書いてあった。ロンドン五輪は大丈夫なんかいな。ホテルで少し休んで午後から栄文化センター『オペラ講座』。現代オペラとの位置づけでコール・ポーター『キス・ミー、ケイト』とバーンスタイン『ワンダフル・タウン』を解説。先月のオネゲルと較べようがないけどヤッパリ音楽は楽しいほうがエエなぁ。大急ぎで帰鎌。阪神巨人決戦を見よ思たら…何ィ!?…テレビでやっとらへん。BSでもCSでもやっとらへん。なんちゅうこっちゃ!!
9月28日(日)
朝佐吉の散歩。涼しいな。寒いくらいやな。午後から東京へ。新橋の駅前で古本市してたので『RICORDO DI MILANO』と題したミラノの古い写真集をゲット。500円。エッチングみたいで面白い。国立劇場で林英哲さんのコンサート『人智千響』。いろんな和太鼓集団のどれも素晴らしかった。同じリズムの繰り返しがナンデ(プロ野球の応援トランペットのように)五月蠅く感じられず飽きもせず感動的に響くのか。和太鼓は凄いで。野球の応援団も和太鼓にしてみたら?熊野鬼城太鼓もOTAIKO座明神も良かったけど淡路だんじり唄には圧倒された。日本のベルカントやね。しっかし最後の13大の和太鼓・超大太鼓による乱打は魂に響いた。コンサート終了と同時に拍手もせずに飛び出して(英哲さんスイマセン)タクシー飛ばしてNHKへ。『日めくりタイムトラベル!昭和49年』VTR収録。長嶋茂雄さんの現役引退の歳。選手としての長嶋さんについて語る。そうか。選手長嶋の凄さを知らん人も増えたんやなあ。不幸なこっちゃなぁ。俺への聞き手は笑い飯。大ファンの漫才師と共演できて光栄でした。ちょいと疲れてTV局の用意してくれたタクシーで缶ビール飲みながら帰宅。運ちゃんによるとタクシーの水揚げは毎月ガクガクと落ちてるらしい。アメリカが借金を世界にばらまいたせいやで。
9月29日(月)
新幹線で大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。掛布さんによると阪神大丈夫らしい。新井の復帰は大きいと。しっかし投手陣が…と言うと「先発投手の勝ち星に関係なく4人のリリーフ陣フル回転でなんとかなる」とか。いずれにしてもコンだけもつれたら阪神特集を予定してた雑誌は涙やで。慌てて家を飛び出したので本を持つのを忘れて読む本がなかったら新幹線に乗ってる意味があらへんので新横浜駅でひょいと買うたのが太平洋戦争研究会『太平洋戦争の意外なウラ事情』(PHP文庫)。単なる軍事オタク向けかと思たらさにあらず。なかなかバランスのとれた面白い本でした。帰宅して晩飯映画劇場は『アバウト・ア・ボーイ』。女性に人気のヒュー・グラントにうってつけの映画。現代家庭の深い病理を深く掘り下げてはいないけど気づかせる佳作。まぁエエ映画でした。
9月30日(火)
雨やなぁ。肌寒いなぁ。ちょっと前まで暑かったのになぁ。原稿書けんなぁ。ちょっと前には調子戻ったのになぁ。まぁ一生その繰り返しやな。夕方から六本木へ。三枝成彰さんの事務所で久々に『忠臣蔵』打合せ。日比野克彦さんが素晴らしい舞台セットのアイデアを提示してくれる。完璧抽象。時代設定無視。よっしゃ。面白い!三枝氏は渋々同意(笑)。問題は衣裳やな。俺は前から白のジーンズとTシャツの上に和服を羽織る案を出してるけど三枝氏が頷かん。四十七士と浅野上杉徳川の紋を使うことも頷かん。けど日比野さんのブットビ抽象舞台デザインを頷かせたんやからイケルで(と舞台監督のO氏も内緒で囁く)。オモロなってきた。打合せ一段落でテレビ見て缶ビールと焼酎飲みながら『特攻隊』の話題。『悲嘆(二・二六)』の次のオペラのテーマ?テレビではNY株暴落。恐慌ってか?『ドル崩壊』に書いてあったけど全世界のあらゆる債権の総額は6京円になるらしい。6万兆円。6000000000000円!アンドロメダまで札束並べてどないすんねん。そんなに売るモンあらへんのにカネ(数字)だけ動く。そのくせ金融ちゅう虚構が実体経済に影響を与える。6京円のうち6400兆円が不良債権らしい。全世界の上場企業が発行してる全株式の総額とイコールとか。カジノ資本主義も行き着くとこまで行き着いたな。そういや経済には神話がない。神様はカネに困らんからギリシア神話にも古事記にもカネの話は出てこん。ちゅうことは人間には経済の理想像とか目標がわかっとらんちゅうこっちゃな。困ったもんやで。オペラ上演の資金集めできるンかな…。
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