4月1日(日)
朝起きて東京新聞の『こちら特報部』を読んで大笑い。2020年にもうひとつのオリンピックが催される話。題して「おともだち五輪」。擁護と忖度が勝利の鍵となり徹底的に馴れ合う力で金メダルを目指し「ただ乗り」「ゴネ得」を競うイベントの紹介。その横には口が滑る人だらけの老人ホーム「失言楽園」のルポ。来年は1200年に1度の「うるう干支」だとかで十二支のズレを調整するために動物を1匹新たに差し挟む必要があるらしく猫年がイイかイタチ年がイイかと議論が沸騰しているらしい。山口二郎氏のコラムもオモシロイ。政府が愛国心を涵養するために愛国心マイレージプランを実施することを決めたとか。もちろん。すべてはエイプリルフールの記事。いやはや今日だけでなく笑いは毎日必要ですよね…と思いながら桜吹雪のなか黒兵衛と散歩。何年か前の4月1日に文化放送で鎌倉の義経桜の話をしたことがある。鎌倉には大きな洞窟がいくつかありそのなかに天井から逆さに幹を伸ばしている桜がある。それは頼朝を恨んだ義経の怨念が伸ばした逆さ桜で義経桜と呼ばれている見事に美しい桜…と話したら吉田照美さんに場所は何処ですか?と真剣に訊かれたので…今日は何の日でしょう?ということに…。笑っている人は癌になりにくいという話もありますからね。ホンマかウソかは知らんけど…。終日いろいろ仕事。長男がやってきて部屋の棚を作ったり古い犬小屋を壊したり力仕事の雑用をしてくれる。夕方彼彼の持参した『猿の惑星』シリーズを晩飯を挟んで3本連続してみる。『創世記ジェネシス』『新世紀ライジング』『聖戦記グレート・ウォー』と続けて見ると流石に疲れる。前の2本はまずまずオモロカッタけど最後の1本はダメですね。風呂入ってから録画していたN響のモーツァルトP協やリヒャルト・シュトラウス『薔薇の騎士組曲』を聴いてから寝る。指揮者の名前は忘れたけど薔薇の騎士はチョット演奏が固かったなぁ。
4月2日(月)
朝起きて朝飯にパン食ってコーヒー飲んで黒兵衛と散歩。桜が美しく散っている。桜吹雪とまではいかないかな。風が弱い。桜の絨毯も未完成。黒兵衛はそんなこと関知せずひたすら歩く。そのように歩くのがいいのかな。最近体力がなくなったからひたすら歩くべきだろう。そう言えば昔吉岡隆徳さんにインタヴューしたとき(御存知ですよね。暁の超特急と呼ばれた100mランナーです)桜を綺麗だなあとか思っているようでは練習できない。ああ花か。それだけで走ることを考えにゃ。オモシロイ人だった。散歩のあと少し仕事して湘南新宿ラインで恵比寿へ。タクシーでNHKへ。ラジオ第一放送『ごごラジ』にスタジオ出演。高校野球を中心にバドミントンから相撲までいろんなスポーツの話。歌舞伎の話までやって2時から3時半頃まで話す。ウン。ラジオは面白いなぁ…と思いながらチョットぺらちょっと喋りすぎたかなぁとちょっぴり反省。また呼んでください。NHKのタクシー・チケットで芝公園AVATTA
STUDIOへ。今日のゲストはパラスポーツ・ライターの星野恭子さんとサッカー・ジャーナリストの大住良之さん。平昌帰りの星野さんとベルギー帰りの大住さんにそれぞれの分野でいろいろ話していただく。サッカー日本代表はホントにダメですねえ。チャレンジ精神がゼロですねえ…と(もっとキツイ言葉で)大住さんが大批判。今日の番組から発するFMの「聴くオプエド」でラジオ放送も開始されたとか。番組前にラジオ(画像なしに聴いているだけの聴衆がいること)をチョイと意識するよう注意されるがすぐに忘れてしまう。すいません。来週から注意。http://fm840.com/番組あとスタジオ向かいの蕎麦屋『昌平』へ。フジテレビの某プロデューサーとスポーツ番組企画の話。途中から長田渚左さんも加わっていろいろ話す。そうか。長田さんが昔キャスターをやっていたときのプロデューサーさんだったのですね。はてさて何が生まれるか…。長い一日。帰宅してサケ抜きで(もう呑みましたからね)フロ。ネル。
4月3日(火)
朝起きて朝飯のあと桜吹雪と桜の絨毯のなか黒兵衛と散歩。そのとき大発見!!桜の絨毯が風で乱れてるのだ。イヤ乱れてるのではない。桜の絨毯に大きな穴がいくつもできて花弁が輪っか状につながっているのだ。コレはどこかで見たことがあると思ったら宇宙関係の本で見た星雲の分布状態ではないか!星雲は沢山集まっている場所と存在しない場所ができるのだ。その星雲の分布と風で飛ばされた桜の花弁が集まる分布がそっくりなのだ。139億9千9百万年±2千1百万年前に誕生した宇宙に星が生まれ星雲を形成した形と我が家の周辺の風で飛ばされた桜の絨毯の形が同じなのだ!まさに自然の妙味。黒兵衛はそんな凄いことに気づかず雑草を囓っている。ま。ええか。終日あれやこれやと仕事。なんやらかんやらという言葉も好きですがあれやこれやもイイですね。あれやこれや。それやどれや?そう言えば島田雅彦氏の短編小説集『ドンナ・アンナ』の書評を書いたときのタイトルは「どんな?あんな。こんな。そんな!]でした。関係ないか。晩飯映画劇場は『雨の日は会えない
晴れた日は君を思う』。女房を自動車事故で亡くした男の物語。ドライな悲しみ。フランス映画タッチでナカナカオモシロイ!女房と住んでいた家を破壊するところなんかはサイコー…と思ったのに最後がよーわからん。寝よ。
4月4日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・アラカルト』電話出演。大谷選手のメジャーでの活躍をベーブルースと比較した話を少しして日本体育協会が日本スポーツ協会と名前を変えた話。体育からスポーツへ。これが2020年東京オリパラ開催の意義ですからね。ちなみに体協を創ったのは嘉納治五郎で1911年のこと。彼はアジアで初のIOC委員として1912年ストックホルム五輪に日本選手団を率いて参加。そのために創ったのが体協でしたがそれをスポ協に変えたのは大きいことですね。スポーツには体育だけでなく知育も徳育も含まれてますからね。あとは体育の日と国民体育大会の名称変更を待つばかりですね。ラジオのあと黒兵衛と散歩して『アサヒ芸能』の連載コラムに日本スポーツ協会の話を書き終えたところに大谷翔平3ランホーマーのニュース。凄い選手ですねえ。おまけに3本目のセンター前ヒットも見事でしたねえ。午後からいろいろ仕事して晩飯映画劇場はウッディ・アレン監督主演『地球は女でまわっている』。小説家が実人生と自分の作りだした作品の登場人物が一緒くたになった人生を歩む話。まるで筒井康隆先生が脚本を書いたみたい。赤子のションベンのような(ヤヤコシイ)話だったけどまぁまぁ面白かった。原題は「Deconstructing
Harry」。ハリー(主人公の小説家)の「脱構築」。ポストモダンの映画なのか…。よーワカラン。それにしても大谷は凄いなぁ。
4月5日(木)
朝黒兵衛と宇宙誕生星雲生成過程を示す桜吹雪のなか散歩(ワケのワカラン人は一昨日の本欄参照)。よーやく今日から翻訳作業に復帰…と思ったら正午頃毎日放送より電話。続けて産経新聞&東京新聞特報部からも電話。舞鶴市で行われた大相撲巡業で市長が倒れて看護師さんが土俵に上がって応急手当をしたとき「女性は土俵から降りて」とのアナウンスがあったことについて感想を求められる。土俵の上は女人禁制というのが大相撲の伝統だとしてもそれは横綱制度生まれて大相撲が神道と結びつけられるようになってからの江戸時代の谷風小野川以降のこと。そもそも平安時代の節会相撲では土俵なんてなかったし戦国時代の大名相撲でも土俵はハッキリとは存在してしませんでしたからね。神道(五穀豊穣の祈り)と結びついた土俵は女人禁制ではなく血を穢れとして忌み嫌った。だから生理中の女性は土俵に上げることができなくなった。それだけでなくケガをして血を出した力士も即座に土俵を降りるようになった。また国技館が明治40年に完成して特別な人間(力人やその世話人)しか土俵に上がれなくなったと同時に女人禁制というタブーが一般化。意味を知らないまま教条主義的に女人禁制が大相撲のルールとなり当時は砂かぶりも土俵の一部として女人禁制だった。が横綱玉錦が自分の妾を砂かぶりに座らせたのをきっかけに砂かぶりは女人禁制でなくなる(という話を宮本徳蔵さんと一緒に横綱審議委員会の稲葉修委員長から生前聞かされた)。こんな歴史のなかで土俵は女人禁制などと今も思い込んでるのは間違い(女神が嫉妬するなんてツマラナイ大嘘)。土俵が神聖なのは男であれ女であれ資格のある人物以外は土俵上に上がれないということ。だから優勝力士を表彰する官房長官や知事は男であれ女であれ土俵に上がれるはず(卑弥呼の時代に大相撲があったら卑弥呼は優勝力士を讃えるために土俵に上がったでしょう)。生物学上のセックスや社会的ジェンダーで土俵に上がれる人が決められているわけではないのだ。今でも女人禁制となっているのは修験道の大峰山と祇園祭の長刀鉾くらいか?かつては陶器を焼く窯も女人禁制だったが加藤唐九郎さんに何故?と訊いたことがある。唐九郎さんは「気が散るから」と答えられた。そして「女は女で勝手にやってくれ」とも。見事な答えですね。ちなみに小生が高砂部屋で現役時代の高見山関に土俵の上でぶつからせていただいたときは(すぐに目から花火が出てひっくり返った)そのあと若い衆に塩を撒かれました。当然ですね。許可を得たとはいえ資格のない者が土俵を汚したのですから。
4月5日(木)つづき
大相撲の土俵の女人禁制の電話問い合わせが一段落したと思ったら今度は大谷の2試合連続ホーマーでベーブルース以来の投打に刀流として二桁勝利と二桁ホーマーは可能か?との話題。ところが電話をかけてきた記者やディレクターの誰もがルースがレッドソックス時代にその記録を打ち立てた1918年当時はアメリカでホームランの記録を騒ぐ人など誰もいなかったという事実を知らなかった。メジャーでホームラン記録が騒がれるようになったのは翌1919年ルースが29ホーマーという当時としては驚異的な数のホームランを放ってからのこと。それまでは誰もホームランの数など数えず新聞も報道しなかった。タイ・カッブの時代に騒がれたのは野手の間を抜くプレイスメント・ヒット(プレス・ヒット=狙い打ち)でありルースがホームランを量産し始めると多くのファンは驚き喜んだが玄人筋の評論家などは「野手が手を伸ばしても捕れない打球を打つのは卑怯だ」と非難した(ロバート・クリーマー著『英雄ベーブ・ルースの内幕』)。ところがルースは翌20年54ホーマーとさらに驚嘆すべき数のホームランを放ちホームランの価値が見直され過去に渡ってホームランの記録の見直しが行われたのだった(通算24シーズンで4191安打を放ったタイ・カッブのシーズン最多ホーマーは12本。通算118本塁打だった)。日本のホームラン記録が騒がれたのも第二次大戦後になってからのことで戦前の打者表彰は打撃王(首位打者=リーディング・ヒッター)のみ。1965(昭和40)年に野村克也が三冠王を獲得しそうになったときに戦前のホームラン記録と打点記録も改めて見直され中島治康が1938年秋のシーズンで三冠王(3割6分1厘10本塁打38打点)になっていたことがわかった。2004年にイチローがアメリカ人の誰もが忘れていた1920年ジョージ・シスラーのシーズン最多257安打を84年ぶりに更新したように大谷も誰もが忘れていた(本人も知らなかった)ベーブ・ルースの二桁勝利二桁ホーマーを99年ぶりに更新するかもしれませんね。
4月5日(木)つづきのつづき
翻訳は10章再チェックが半分止まり。晩飯映画劇場は昨日に続いてウッディ・アレン監督出演『僕のニューヨーク・ライフ』。2組の男女のうち一目惚れした男女が新しいカップルとなって別れるまでのドライなコメディ。原題は『Anything
Else』他に何か…何もないか…。イマイチでした。
4月6日(金)
66歳の誕生日。6度目のぞろ目。ぞろ目とは揃い目の略。そんなことはどーでもええか。ま。7度目はないだろうと思いながら黒兵衛と散歩。夕方翻訳10章完成。あとはボブさんに質問するだけ。某編集部から土俵が女人禁制になったのはいつからか?との問い合わせ。多分江戸時代に横綱制度が取り入れられて神道との結びつきが強調されるようになってからだろう…と答える。雄略天皇は采女に裸の褌姿で相撲をとらせたとの記述が日本書紀にあるけど極悪非道の天皇やったことですからね。今の相撲とはかなり違うでしょうね。しかしマア女相撲は江戸時代も明治以降もかなり行われていましたね。宝塚市長が女性ということで土俵にあがれなかったとか。土俵の女人禁制を誰がいつ決めたのか?よーわからん。どなたかソレを記した文献を御存知ないか?そんなもの存在しないのかな?晩飯は誕生祝いでヨメハンと『鮨処もり山』へ。お祝いにシャンパンをいただく。ありがとうございます。「誕生日冥土の旅の一里塚嬉しくもあり嬉しくもなし」。昔は「正月や」でしたけどね。年を配った年神様は今は暇になったのかな?そー言えば京都上賀茂神社には烏相撲があったなあ。9月9日重陽の節句を祝う儀式。上賀茂神社は別雷命(ワケイカヅチノカミ)を祀っているから大国主命(オオクニヌシノミコト)の息子である建御名方神(タケミナカタノカミ)と「相撲」を取った(国譲り神話)とも言われてますね。それが相撲の元祖となったのは最近のこと?それまでは垂仁天皇の前で野見宿禰と当麻蹶速が組み合った一番が相撲の元祖と言われていたが今ではソレは節会相撲の元祖と言われているらしい。伝統とは起源の忘却であると言ったのはフッサールだが伝統とは新しく作り直されるモノとも言える。だったら土俵にあがれる人はセックスやジェンダーに関係なく力士と世話人と社会的立場のある人とすればいいのに。でないといずれ女性問題だけでなくオスギさんやピーコさんやマツコさんやミッツさんやIKKOさんやはるなさんやピーターさん…などなどは土俵にあがれるのか?という問題まで出てきかねませんよね。おおーっと。チョイと調べ直して見ると上賀茂神社に祀られているのは賀茂別雷大神(カモワケイカヅチノオオカミ)で大国主命の息子の建御名方神をぶん投げた建御雷神(タケミカヅチノカミ)とは違っていました。生半可な知識で失礼しました。
4月7日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩。近所の桜はどこもかしこももう葉桜。青葉茂れる新緑も美しけど町内の恒例明日のお花見はお葉っぱ見になってしまいそう…ドーでもエエことは自分で頭のなかから追い払って終日翻訳作業。もうぼちぼち真剣に専念しないと編集者に叱られそう。自分の本を書くのも遅れる。ボブさんに電話したら不在だったので第11章に取りかかる。ところが…ナニイ!?大谷が3試合連続ホームランとか。こんな凄いことがあるもんか!でテレビを見てしまう。満塁押しだし四球もまずまずだが最後のチャンスでの一塁への打球も惜しかった。本人も悔しがっていましたね。というわけでせっせせっせと翻訳に専念の一日。大谷の二刀流はベーブルースと較べられるけどそもそも野球でホームランが騒がれるようになったのは一昨日の本欄に書いたように1919年にルースが29本塁打を放ってから。その頃の野球場は外野フェンスのないところも多く(そこには馬車や自動車が停められて野球見物が行われてた)ホームランと言ってもランニングホーマーが多かった。おまけにボールもあまり飛ばないボールで1919年にはワールドシリーズの八百長事件で8選手が永久追放されたブラックボックス事件も起こって1920年はその処理でてんやわんや。ベースボール人気が低迷したところへルースがでっかいホームランを次々とかっ飛ばし始めて人気回復につながったのだった。のちにMLBが人気回復のためにボールを“飛ぶボール”に変更したという説が唱えられたが今では否定されている。実際ルース以外のホームランはあまり増えていませんからね。しかしこの年以降それまで否定的だったホームラン(一昨日の本欄参照)が評価されるようになりどのバッターもホームランを狙うようになりその後のベースボールがモダン・ベースボール(近代野球)と呼ばれるようになったのだった(という歴史を昔セ・リーグ企画部長だった八木一郎さんの本で学んだなあ)。いかんいかん。翻訳をやらねば。6時間連続机の虫。すっかり疲れて10時にはベッドへ。体力が落ちたなあ。
4月8日(日)
朝起きて新聞を広げると死亡欄にセシル・テイラーさん死去の報。89歳。死因は不明とか。山下洋輔さんとのデュオの演奏会で2台のピアノの掛け合いがフリージャズの先行きわからない驚きの魅力に溢れていたことを思い出す。しかしそれ以上にピアノの音色がメチャメチャ美しかったなぁ…と驚嘆したことを思い出しながら黒兵衛と散歩。たしか今日は山下洋輔さんのソロ・コンサートの日。翻訳が忙しいので行かない予定だったけど朝ぶわーっと仕事してコンサートに行くことを決める…が調べてみるとコンサートは昨日。ということは洋輔さんがコンサートしているときにセシルさんは…と思うと仕事どころではなくなって近所の公園でのお花見会へ。隣家の次女と同年齢くらいのお嬢さんがパリから帰国している最中でそのボーイフレンドと昼間っからビール。花見は葉っぱ見に変わったけど楽しく酔って帰宅後昼寝。起きても身体が動かずウッディ・アレンの映画『教授のおかしな妄想殺人』を見る。まぁまぁかな。最後にすべては夢だった…妄想だった…とすれば良かったのに…と思いながら仕事場へ。モーレツに翻訳作業を始めて…ふうう。疲れて晩飯のあと明日のテレビの打ち合わせ…でフロ&ネル。明日は大谷の先発か…。
4月9日(月)
6時前に目覚めて…ナニイ!大谷が完全試合?!まだ3回だったが初回の3者三振以来三振の山!これは凄い!と手に汗握ってみていたら7回1死からとうとう左前ヒットを打たれてしまった。けど凄いですねえ…。なんとも声が出ないほど素晴らしいピッチングでしたねえ。これはもう…ベーブ・ルース以上ですねえ。大谷!凄い!凄すぎますよ!
4月9日(月)つづき
大谷の驚異的投球を見たあと黒兵衛と散歩。ナンカこっちの身体まで興奮で火照ってくる。散歩から帰るとTBSから電話。「大谷の投球は見られましたか?」「見ましたよ」「だったら今日の『ひるおび!』のレスリング特集の前で取りあげますので…」というので慌てて用意して東海道線で新橋へ。タクシーで赤坂へ。メジャー評論家の福島良一さんとTBS野球解説者の槙原さんと一緒に大谷について話す。異次元の肉体と精神が異次元の活躍を促したうえに端正なルックスと素直な心が誰からも愛されるキャラを作ってますねえ。まさに別の惑星からやって来たようですけどファイターズの指導法とエンゼルスへの引き継ぎも成功の要因ですね。コレからどれだけ活躍するのか…楽しく話して(スポーツは楽しく話すのが一番ですね)テーマを入れ替えて女子レスリング問題。柔道の北田典子さんラグビーの堀越正巳さんと話す。佐川が佐川が…と押しつけた政治家と同様に栄が栄が…でレスリング界は逃げ切るつもりか?第三者委員会もレスリング界幹部と報告書を摺り合わせたのか?はたして内閣府の報告は?北田さんが柔道の世界でも「師離れ」という言葉があり弟子を育てたあと師匠は離れなければならないという。離れてゆく弟子を非難するのは最悪の師匠。なるほど。武道の伝統もしっかりしてますね。レスリングは武道にもなりきれずスポーツ(アスリート・ファースト)にもなりきれていませんね。しかし「伊調さんは選手ですか?」と言った怖〜い学長は謝罪しないのでしょうか?最近は傲慢なトップが誰も責任をとらない?ジャーナリズムの追及が甘いのか?日本国のトップが罪を認めないから社会全体がワルの天下になったのか?TBSのあと隣のビルでMBS『ちちんぷいぷい』東京スタジオから出演。レスリング問題を話したあとタクシーで歌舞伎座に寄ってグッズ売り場で買い物のあと芝公園のAVATTA
STUDIOへ。『ニューズ・オプエド』MC出演。ゲストは相撲ジャーナリストの荒井太郎さんと初登場相撲リポーターの横野レイコさん。土俵上の女性問題等チョイと話したあと(伝統を守り例外を認めるというのが我々の共通認識ですからね)思い切り相撲の話。若島津から大の相撲ファンになった横野さんとまわしも締めて相当に実力がある荒井さんと小生とで相撲談義。内掛け・うっちゃり・内無双の話から湘南の海・高安まで。いろいろ相撲について喋るのは楽しいですねえ。途中サッカー協会田島会長の記者会見に出ていたサッカー・ジャーナリストの大住良之さんがスタジオに到着。ハリル解任と西野新監督就任について緊急評論をしてもらう。ひとことで言うと選手の甘えが出たようですね。横野さんは西野監督のファンで大喜び。森保支持の大住さんと手倉森支持の小生は少々しかめっ面。でも楽しくスポーツの話をイッパイ楽しんで(横野さんも荒井さんも大谷は角界にほしい逸材だとか。大住さんはサッカーにほしい…と大谷はどんな競技でもでも評価が高いですナァ…で)番組終了。次の打ち合わせに行こうとしたところが相手が行けなくなったとか(>_<)マイッタナ。仕方なく帰宅して歌舞伎座で買ったDVD見ながら晩飯。宮藤官九郎の作った『大江戸りびんぐでっど』。死んだ人間がくさやのクサイ汁でゾンビになる話。う〜ん。途中まで面白かったけど…まぁ歌舞伎の楽しさ満載だからヨシとするか。
4月10日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩。加計学園の問題はミエミエの首相案件の備忘録が出てきましたねえ。日本のスーパートップが責任を取らないから責任を取らないことが当たり前になってきましたね。これをモラルハザードと言うのでしょうね。なぁクロベエ…と話しかけるとワンと答えが返ってきた。犬でもわかる日本の道徳崩壊か。終日机の虫になって翻訳作業。R・ホワイティングの『Two
Olympics』第11章をほとんど仕上げる。ふううう。あとは12章だけか。晩飯歌舞伎劇場は歌舞伎座さよなら公演から『野田版鼠小僧』。いやあ…コレは面白かった。勘三郎は芸達者でしたなあ。最高ですね。福助の女形もなかなかのしたたかさでたいしたもの。最高でした。野田秀樹さんのほうが昨日見た宮藤官九郎さんよりも一枚上手。歌舞伎の面白さに精通されてましたね。引き戸の扉をたくさん使ったニール・サイモンばりのギャグなんか最高でしたね。勘三郎が見たくなったので『仮名手本忠臣蔵』の松の廊下を見る。塩冶判官もさすがでしたね(高師直は富十郎)。イヤア生前に生の舞台をもっと見ておきたかったなあ。ニューヨーク公演のDVDは出てないのかな?
4月11日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・アラカルト』電話出演。大谷翔平選手の活躍について。ベーブ・ルースと較べるのは1964年の東京オリンピックの選手を明治維新の志士たちと較べるほど(100年も)懸け離れたものという話。話しながらアメリカという国はあまり変化がないのかな?とも腹の中で思う。黒兵衛と散歩のあと終日机の虫。翻訳作業に集中。途中ボブさんに電話して英語の表現でわからないところを教えてもらい午後に誤りを直して文章をシェイプアップして第10章完全完成。途中中日新聞から電話。大相撲静岡巡業でちびっ子相撲の女子力士が土俵に上げてもらえなかったことの感想を求められる。こーゆーのを羮に懲りて膾を吹くとでも言うのでしょうかねえ。すべては無知のなせるワザ。土俵の上は女人禁制とは聞かされていてもその理由は知らない連中の教条主義。神道は血を嫌うから女性の生理を嫌う。男性でも血を流した力士は即刻土俵から下りなければならない。ならばまだ生理を迎えていない女の子は土俵に上がっていいのですよ。それに土俵は神聖な場所ですから男性と言えど我々普通人は上がれません。力人と関係者だけ。府知事や官房長官や市長は関係者ですから性別に関係なく上がれるはず。卑弥呼は上がれるはずですからね。こんな単純な論理も相撲協会は組み立てることができないとは情けない。もと勉強しろ!晩飯歌舞伎劇場は旧歌舞伎座さよなら公演のDVDから仮名手本忠臣蔵四段目・判官切腹の段・評定の段・城明け渡しの段』。幸四郎(現白鴎)の由良之助はイイですなあ。石堂馬之丞は仁左衛門。勘三郎の塩冶判官もいいですなあ。満足満足。
4月12日(木)
朝起きて黒兵衛と散歩。ちびっ子相撲の女子が土俵にあがれなかった問題で女子は危険だからという判断が出たらしい。バカもいい加減にしてほしい。男の子は危険でないのか?1928年のアムステルダム五輪で女子800mが終わったあと(人見絹枝が銀メダルを取ったときだ)選手が次々と倒れたので女子には800mは無理といわれ1960年のローマ大会で復活するまで行われなかった。マラソンはボストンマラソンで女子選手が木の陰に隠れてスタートして完走するまで…ええーっと何年だったかな…つい最近の1980年代ですよ。マラソン女子は不可能と言われ…あっ。甲子園の高校野球女子は危険だからグラウンドに出られないそうですね。朝日と毎日は相撲の男女差別を取りあげる前に自分たちも足下を考えろ!女性は土俵にあがれない?そんな規則を誰が決めたのか日本相撲協会はその質問に答えるべきですね。小生の答えは昨日の本欄に記しています。今日は終日翻訳作業。ボブさんにも電話でいろいろ質問して11章もほぼ完成。あとは最後の12章だけ。晩飯歌舞伎劇場は仮名手本忠臣蔵兜改めの段。さらにお軽勘平の道行き。いやはや歌舞伎はホントに面白すぎますね。菊五郎と時蔵のお軽勘平はもうちょっと若く…まあエエカ。風呂入って寝よ。
4月13日(金)
朝黒兵衛と散歩のあと「TWO OLYMPICS」翻訳第11章をチェックしてホワイティングさんにTEL。この章はわからないところが少なかった。野茂・イチロー・松井と野球に関する章は英語も理解しやすくなるのかな?と思いながら第11章完成。午後から文章を再チェックして角川書店編集部へ送稿。これであとは最後の第12章とエピローグだけ。予定よりひと月遅れ…は仕方ないか。原稿の遅れを女子レスリングと大相撲と大谷のせいにして夕方東海道線で品川へ。タクシーでお台場フジテレビへ。大相撲巡業でちびっ子相撲の女児が土俵に上がるのを禁止されたことについて話す。羮に懲りて膾を吹くとはこのことか。土俵の女人禁制は明治時代後期国技館が生まれたころにデッチあげられた「制度」。要は西洋から野蛮に思われる女相撲やいろいろな見世物相撲を禁止するための方便。伝統は守るモノではなく時代に合わせて作り変えるモノ。大相撲も四本柱を取り除いて釣り天井に変えたし花幸四郎と呼ばれた歌舞伎役者は鼻の高さを見せるために横を向いて見得を切りましたからね。土俵の上にはセックスやジェンダーと関係なく「資格のある人」は上ることができるとすべきでしょうね。表彰や挨拶をする肩書きのある人物=首相・官房長官・知事・市長・大使等は上がることができる。男性や女性が土俵に上がるのではなく役職の持ち主が上がると考えればいい。ちびっこ相撲は力士が「女性」とはやりにくいというなら小学三年以下とか今より年齢を下げればいい。そんなところが「改革案」としてはいいのでは?女性はダメ!なんて規則は神道を利用しただけですからね。帰宅して晩飯歌舞伎劇場は『仮名手本忠臣蔵五段目山崎街道&六段目勘平切腹』。いやはや物語は上手くできていますなあ。菊五郎の勘平はちょっと歳を取り過ぎにも思えたのが切腹の場面ではサスガでした。旧歌舞伎座さよなら公演のDVDでは山科閑居が入ってない。これはどこかで見つけねば。
4月14日(土)
朝黒兵衛と散歩のあと横浜駅前のレストランへ。高校時代の朋友4人と食事会。そのうちの一人が再婚相手をみんなに紹介する会というので馳せ参じる。昼間から酒呑んで大いに盛りあがって次の仕事関係の会に足を運ぶのを中止。酒の臭いをぷんぷんさせて仕事関係の人に会うのも失礼ですからね。さんざん呑んで食って…していたらその店の個室で給仕してくれた女性がなんと神大での小生の教え子だった。横浜ではそーゆーこともありますなぁ。ま。恥ずかしくない授業をやっていたので焦らなかったけど朋友全員が教授級の人物どころかノーベル賞級の人物ばかりなのでさんざん冷やかされる。河岸を変えて飲み直して夕方までに出来上がって今日は仕事ナシ。こーゆー日もタマにはあっても良いでしょう。
4月15日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩。日経の書評原稿を書かねばならないのでその本を読み切る。鈴木透・著『スポーツ国家アメリカ 民主主義と巨大ビジネスのはざまで』中公新書。うん。面白かった。世界的にマイナーな存在でしかないメジャーリーグに世界中から選手が集まるのはナルホド多国籍軍というわけですね。トランプはWWEのプロレスラーの遠吠えなんですね。原稿書くのはしばし中断して御近所のお婆さんが亡くなったお葬式へ。否応なく時は進みますね。合掌。帰りに大船のラーメン屋『和丸』へ。東海大学柔道部の連中が始めた店で開店前に周辺の家を調査で散歩していた連中と出会い近々行くといいながらナカナカ行けなかったお店。隣のフランス帰りのお嬢さんとBFに教えてあげたら美味しかったと行っていたので足を運ぶ。ベースは喜多方ラーメン。うむ。ナカナカ美味かった。また来よう。帰宅後昼寝のあと日経の書評原稿を書いて晩飯歌舞伎劇場は『仮名手本忠臣蔵七段目一力茶屋』。仁左衛門の由良之助も見事なら幸四郎(現・白鴎)の寺岡平右衛門&福助のお軽も見事。すっかり名演技に見入ってしまう。2月高麗屋襲名披露の幸四郎の由良之助&染五郎の力弥&海老蔵の平右衛門&菊之助のお軽も良かったけどやっぱり貫禄は旧歌舞伎座公演の方が上ですね。まあ若手も今に良くなるでしょうが。風呂入ってヤルヴィ指揮N響のマーラー交響曲第7番「夜の歌」。イイ演奏ですね。N響は上手いですね。NHK交響楽団という世界的にマイナーな名前を早く変えなきゃいけませんね…と思っていたら村田の世界タイトルマッチをスッカリ忘れていたことに気づく。いかんいかん。スポーツニュースで見事な左ジャブと力強い右ストレートを確認。どっかでビデオをもらお。比嘉の体重オーバーは何かあったのでしょうね。900グラムは多すぎますよね。次は上の階級かな。具志堅さん見守ってあげて。
4月16日(月)
朝起きて黒兵衞と散歩のあと東海道線で東京へ。東西線で早稲田へ。早稲田は久しぶりやなあ…昔は演劇博物館で河竹先生のハムレット論を盗講したなあ…と思いながら歩いて大隈タワーの教室へ。スポーツ・ジャーナリズム研究会で講義。いろいろ喋ったあと東西線で飯田橋経由有楽町線で永田町へ。衆院議員会館でのスポーツ立国人材ネットワーク・キックオフセッションに参加。馳浩事務局長の司会で遠藤利明代表笠浩史幹事長橋本聖子顧問鈴木寛代表補佐などが参加。筑波大山口香さんや早大友添秀則さんなどに挨拶。鈴木大地スポーツ庁長官が第2期スポーツ基本計画について講演。途中に冗談で口にされた夜の営みはスポーツか?という問いかけに対して会合が終わってからスポーツは基本的に身体的エネルギーの非生産的浪費と言えるからプロダクトを伴いかねない行為はスポーツとは言いませんよと教えてあげる。質疑応答で出た「eスポーツは」スポーツと言えるのか?との質問に馳さんが小生を指名したので答える。チェスや以後と同様広義のスポーツと言えるもののスポーツの定義は我々が新たに考えるもの。遠藤さんと明日の打ち合わせの打ち合わせをして退散。東京駅で一つ打ち合わせをこなしたあと大船へ。京都から孫のお食い初めのために出てきた義兄と義姉夫妻と一緒に大船のイタリア料理店で楽しく食事のあと帰宅。自宅で呑み直しながらオペラ『トロヴァトーレ』&『仮名手本忠臣蔵討ち入り』を楽しんだあとフロ&ネル。
4月17日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩。なぁ財務省のエリートって本当に情けない連中なんだなあ。ワン。最低の会話を口にした男を守ろうとする感覚もワカランよな。ワン。はっきり言って東大出て財務省入ったヤツって阿呆だな。ワン。受験勉強しかしてないヤツってサイテーだな。ワン。最近のテレビのクイズ番組と同じだな。ワン。男はエロだけは達者だな。ワン。ノーパンしゃぶしゃぶ以来の伝統だな。ワンワン。犬でもわかる財務省の「うましか」さかげん。ヒヒ〜ン。ブイブイ。帰宅後ZAITEN(財界展望)連載執筆。タイトルは『おおずもう「土俵は女人禁制」の伝統はウソ』。まぁ伝統というのは起源の忘却(フッサール)ですからね。伝統の巨人も伝統のラグビー早稲田も京都の伝統もすべて起源を忘却しただけの虚構ですね。午後から東海道線で東京へ。丸ノ内線で国会議事堂前へ。衆院第一議員会館で遠藤元五輪相と秘書さんも交えて懇談。2020年以降のスポーツのあり方とtotoの拡張についていろいろ話す。30分の予定が1時間20分になる。スポーツとギャンブルスポーツに関する持論を展開。お土産に山形の銘酒をいただく。帰りに一つ東京駅で某出版社と打ち合わせをこなして大船へ。久しぶりにFLATでヨメハンとアジアン・テイストの晩飯。黒カレーがメッチャ美味しかった。
4月18日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・アラカルト』電話出演。土俵女人禁制について。大相撲の土俵の女人禁制の「伝統」が生まれたのは明治時代に入ってからのこと。神道との結びつきは大相撲以外の相撲でも京都上賀茂神社の烏相撲とか愛媛県大三島町大山祇神社の独り相撲とかイロイロあって神道が血を穢れとしているのは事実だが天照大神も卑弥呼も土俵に上がれないわけがない。もちろん神聖な土俵には誰もが上がって良いわけではなく資格のある人だけがセックスやジェンダーに関わりなく肩書きで上がれるようにすれば良いという話しをしたあと黒兵衛と散歩。終日翻訳作業。翻訳とは英文読解40パーセント日本語表現60パーセントかな…イヤ3割7割かな…などと思いながらせっせせっせで…あっという間に晩飯映画劇場はマーチン・スコセッシ監督ロバート・デ・ニーロ&シャロン・ストーン&ジョー・ベシ出演『カジノ』。昨日遠藤議員とtotoの拡大やIRについていろいろ話し合ったので見ておく。ラスベガスがマフィアの手にあったときの話。そうか。こういう裏話があって騒がれたあとラスベガスはディズニーランドのようになったワケか。戻る可能性もある?小生はIR法案に断固反対(ギャンブル解禁には賛成)ですが日本のIRは誰が運営するのかな?財務省の事務次官がワケのワカラン言い訳辞任をしたと思ったら深夜にテレ朝が記者会見。セクハラ被害を受けたことを発表。これでもまだセクハラを否定するか?往生際が悪いと言うよりこれが日本の男社会の現状か?しかしおっぱい触ってイイ?なんて会話を還暦前後の大の大人がするもんかね?阿呆か。
4月19日(木)
昨日だか一昨日だか忘れてしまったけど大谷のボストン・デビューは仕事してる打ちに見損なってしまったなあ。しかし低温で試合が中止になった15日の記者会見に出てきた大谷が42番のTシャツを着て出てきたことを誰も指摘しなかったなあ。もしも試合があったら大谷も背番号42のユニフォームを着用したはず。4/15はメジャー初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンのデビューした日ですからね。メジャーの選手全員が背番号42のユニフォームでプレイしたはずですから大谷のその姿が日本でも報道されたらアメリカのスポーツ界の人種差別に対する考え方(過去に対する反省)が伺えたはずですよね。だから大谷の42番のTシャツ姿も誰か指摘してほしかったなあ。それに較べて我が国は録音証拠があってもセクハラでないとまだ言い逃れようとするエリートのいる国ですからね(ハラスメントを認めて懲戒解雇されると5千万円の退職金がもらえなくなるから?)。情けない国になったなあ…と嘆きながら黒兵衛と散歩のあと夕方まで終日翻訳作業。ふううう…と息を吐いて東京へ。久しぶりに乃木坂のグッチ裕三さんの店『うまいぞお』へ。サンケイ新聞S氏と日建設計H氏と会食。スタジアムやスポーツの楽しい話にイッパイ花を咲かせてほろ酔い。店を出ようとするとナントこの店は6月で閉店だとか。こんな美味しい店が…残念ですね。グッチさん!何とか続けられないの?
4月20日(金)
橋本治さんが『ちくま5月号』の連載コラム「遠い地平低い視点」で「忖度」について面白いことを書かれている。〈忖度の卑しさは証拠が残らないことですね〉〈えらい人が小狡いことをやってそれがバレそうになったとき周囲の人間に「僕はなんにも悪いことしてないよな」と言ってそれに対して「はい」という答えが返ってきた時そこにもう「忖度」が生まれている〉〈だからモラルの問題として当然「忖度などという勝手なことをさせてしまって申し訳ない」という一言があってしかるべきでしょうね。そういうお立場なんですから。財務省の理財局に責任をおっかぶせるのなら「そのような不祥事を生んでしまったのは私の不徳のいたすところで」と言って自分も総理大臣を辞職するのがいいんじゃないでしょうかね。「ああ立派ななされようだ」と人は賞賛しましょうね〉そうだよなあ…ワンワン…と黒兵衛と話しながら朝の散歩。終日翻訳と通信社の連載コラム原稿書き。ふうう。晩飯歌舞伎劇場は『俊寛』。主演は幸四郎(現・白?)。平家に対するクーデターの共同謀議で島流しに遭った男の物語。近松門左衛門は芝居作りが上手いなあ。虚実の皮膜か。白?は演技が上手いなあ。最後のシーンは歌舞伎スペクタキュラーの大迫力ですねえ。巨人阪神戦を見ると藤波がまた情けないピッチング。バックの拙守もあるけどナンデこんなにコントロールに自信をなくしたのかなあ?大谷に対する嫉妬?風呂からあがって焼酎を1杯呑みながら短い歌舞伎は玉三郎・染五郎(現・幸四郎)・松緑による『三人吉三巴白波』。月も朧に白魚の篝も霞む春の空…落ちた財務官僚は厄落とし…。違うか(^^;)最近歌舞伎にハマってます。せまじきものは宮仕え…って財務省のセクハラ受験勉強専門エリートたちは知ってるのかな?
4月21日(土)
朝黒兵衛と散歩のあと終日翻訳作業。気分転換に昨日本欄に書いた『ちくま5月号』を再び開くと斎藤美奈子さんの「世の中ラボ」という連載の第97回「『源氏物語』を近代文学として読むと見えてくるもの」というコラムが頗(すこぶ)る面白かった。買っただけでまだ読んでいない角田光代・訳の『源氏物語』(池澤夏樹=個人編集日本文学全集04河出書房新社)をすぐに読み始めたくなったがそれ以上にA・ウェイリーの英訳源氏物語の日本語訳(毬矢まり+森山恵・訳)『紫式部
源氏物語1』(左右社)をすぐにでも読みたくなった。〈いつの時代のことでしたかあるエンペラーの宮廷での物語でございます〉なんて書き出しで〈更衣〉は〈ワードローブのレディ〉〈女御〉は〈ベッドチェンバーのレディ〉〈琵琶〉は〈リュート〉〈裳〉は〈スカート〉〈御簾〉は〈カーテン〉〈数珠〉は〈ロザリオ〉…となっているのだから斎藤美奈子さんも〈まるでベルばら〉〈ヨーロッパの王朝ロマン〉と書かれている。う〜ん。読んでみたい。さらに大塚ひかり『源氏物語の教え―もし紫式部があなたの家庭教師だったら』(ちくまプリマ―新書)も面白そう。光源氏は18歳の時に10歳の紫の上をを引き取り〈添い寝までして蝶よ花よと育て〉るが4年後強引に〈彼女をモノにする。要はレイプ。性的虐待だ〉と斎藤美奈子さんが書く部分を著者の大塚ひかりさんは〈性的虐待というのは相手を人間扱いしないところに原点がある〉と書く。さらに〈パワハラとかセクハラという概念もない千年前『源氏物語』はその原点をしっかり押さえていた〉。これは読みたい一冊。いや財務官僚に読ませたい一冊かな。晩飯歌舞伎劇場は三津五郎主演『蘭平物狂い』。これまた頗る面白かった。三津五郎の舞いも芝居も殺陣もナカナカ見事。その他大勢の捕手(とりて)たちのアクロバットも楽しかった。歌舞伎は赤テントや黒テントや早稲田小劇場のやろうとしたことを400年前からとっくにやっていたんですね。
4月22日(日)
朝黒兵衛と散歩。エエ天気や。暑いくらい。今年初めてTシャツ1枚で散歩。気分良し。ところが帰宅後仕事を始めて原稿を書き始めるとパソコンがフリーズ。ウンともスンとも動かなくなってしまった。おまけに電源スイッチを長押ししても電源が切れない。アッチャー。マイッタ。パソコンに詳しい友人に電話してもダメ。仕方ないのでちょいと別の作業をしてると画面がいつの間にかブラックアウト。コマッタ。仕方ないのでパソコンを買ったヤマダ電機に電話したけど大船店は現在建て替え閉鎖中。横浜店や戸塚店のサポートセンターに電話して事情を話すがラチがあかない。おまけに電源ライトの様子から画面はブラックアウトしても電源の切れてないことがわかる。おまけに小生のパソコンは簡単にバッテリーを取り出せないタイプ。仕方ないので午後からヤマダ電機戸塚店へパソコンを持参。サポートセンターで電池を外してもらって…すべての電源をいったん落としてから再起動。さて動くかどうか…祈る思いでスイッチを入れると…動いた!助かったぁ!万年筆で原稿用紙に原稿を書いていた時代にはこんな事故は起こりえなかった(当たり前ですね)。不便な時代になったもんだ。さんざん気を揉んで疲れて…帰宅して原稿の続き。疲れ切ってしまったので晩飯は『鮨処もり山』で厄落とし。目に青葉山不如帰の初鰹が美味しかった。帰宅後ヤルヴィ指揮N響でワーグナー『ニーベルンクの指環』の管弦楽組曲。ところがお茶漬けサラサラのような粘りのないワーグナーにガッカリ。しかも楽曲の順番が前後が逆になっていて気持ち悪いことおびただしい。ワルキューレの終幕の間の炎の音楽の次にワルキューレの騎行。神々の黄昏のジークフリートの葬送行進曲の次にジークフリートが生き返ってラインへの旅。せめて最後の愛の復活のテーマをバッチリと…と思ったら最後がなんと一番最初の序夜のラインの黄金のフィナーレ。これでは気分よく寝られないのでマゼール指揮ベルリン・フィルのライヴDVDで聴き直し。さらにショルティ指揮ウィーン・フィル&ビルギット・ニルソンのブリュンヒルデの録音風景ライヴDVDで神々の黄昏の大フィナーレを聴き直す。凄い迫力ですねえ。ウィーン・フィルの弦での愛の復活のテーマは美しいですねえ。ワーグナーはこうでなくっちゃ。
4月23日(月)
朝黒兵衛と散歩のあと原稿書き。パソコン調子はイイのに原稿がなかなか書けん。まいったな。パソコンと俺の頭脳のマンマシン系システムはなかなか上手く機能しない…などという屁理屈ばかり頭に浮かぶ。そうか。大谷翔平はメジャーの4番打者か。ちょっとホームランから遠のいてるけど凄いな。昼飯食って東京へ。某ホテル・ロビイでフジテレビ某特番ディレクターと打ち合わせ。スポーツの逆転劇についていろいろ話したあと芝公園AVATTA
STUDIOへ。『ニューズ・オプエド』MC出演。ゲストはメジャーリーグ評論家の福島良一さん。大谷のことも含めてメジャー談義。福島さんはシカゴ・ホワイトソックスの女性オルガニストのサイン入りLPレコードというお宝を持参。小生も負けじと1981年のヤンキース・イヤーブックを持参。ドン・ラーセン投手がワールドシリーズで完全試合を記録して25周年の記念ブック。お互いメジャーで体験した自慢話を披露し合ったけどやっぱり福島さんには負けますね。メジャーだけでなくマイナーも独立リーグも沢山見ておられますからね。再度の出演を約束してもらって乃木坂の『うまいぞお』へ。徳間書店『アサヒ芸能』の担当者と3年間の連載終了で会食。いろいろ楽しく呑んだ話して帰宅。最近少々呑みすぎかな。いやまぁいつものことですね。
4月24日(火)
朝黒兵衛と散歩。なでしこジャパンのアジア大会優勝は見事だったなあ…なのに準決勝の中国戦も決勝のオーストラリア戦も見るの忘れてしまったなあ…メディアもあんまり騒がないなあ…と思いながら帰宅してパソコンのスイッチを入れるとニュースで衣笠祥雄さんの死去を知る。同じ京都の同じ学区出身で洛東中学では小生の家の墓がある六道珍皇寺の和尚っさんと同級生。小生より5歳年上だったがガキのとき建仁寺で野球をやって重要文化財にボールをぶつけたり瓦屋根の上を走った先輩だ。そーゆー悪ガキたちを建仁寺餓鬼(けんねんじガキ)と言うと某和尚に小学生のころ聞かされて小生は建仁寺垣のことを建仁寺餓鬼だと勘違いし続けた(詳細は小生の小説『京都祇園遁走曲』をお読み下さい)。それはともかく衣笠さんとは建仁寺での野球のことを話したり何度か取材させてもらってジャズの話をしたり連続試合出場の話をしたり…。小生が中高6年間皆勤賞でしたと話したら「俺よりあんたのほうがエライよ。俺は好きな野球をやり続けただけだけどあんたは嫌な学校へ行き続けたんだから…」と笑顔で言われた。素晴らしい人でした。合掌。
4月24日(火)つづき
いろいろ仕事のあと晩飯歌舞伎劇場は『妹背山婦女庭訓吉野川』。小学生のころに見て(というか親父に見せられて退屈で退屈で仕方なかったけど歳を取ると面白い。玉三郎と吉右衛門&菊之助と染五郎が演じる日本版ロミオとジュリエット。もっとも親が子を殺すというシチュエーションはシェイクスピアでも理解できねえ。
4月25日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』電話出演。衣笠祥雄さんについて話させていただく。昨日の本欄で書いたことに加えてジャズ好きだったことなど。話し終えてから「江夏の21球」を支えたのは実は衣笠さんだったということを話し忘れたことに気づく。衣笠さんすいません。合掌。外は土砂降りの雨。散歩に行けないので仕事を…と思ったら大谷が先発。見てしまう。そんなにコーナーのコントロールを気にせず160キロでどんどん攻めればいいのに…と思った瞬間ホームランを浴びる。メジャーは下位打線でも凄い。メジャーのレベルが落ちてる…なんて言ったHさんNさんの言葉は嘘ですね。時代と共にレベルは上がってるのですから。雨が小降りになったところで黒兵衛と散歩。昼飯食って原稿書き。もうすぐ発売される宗教学者で朋友の島田裕己さんの『京都がなぜいちばんなのか』(ちくま新書)の紹介文を『ちくま』に書く。橋本治さんや斎藤美奈子さんと並んで掲載されると思うとチョイと力が入って短いコラムに6時間かかる。まぁそんなもんかな。晩飯歌舞伎劇場は三島由紀夫・作『鰯売恋曳網(いわしうりこいのひきあみ)』。いやあ…これがメチャンコ面白かった。勘三郎と玉三郎の達者な演技に喜劇の歌舞伎の王道を踏まえた三島の快作。いやはやジツニィ(チョン!)見事な一作ぅ。初めて見ましたけどほんまに面白かったです。三島由紀夫もこーゆー軽妙洒脱な台本を書くんですね。子供ころに見た三島の『椿説弓張月』が退屈で退屈で仕方なかったのは餓鬼だったからかな?
4月26日(木)
朝起きて黒兵衛と散歩。エエ天気。帰宅後原稿書き。日本武道館が発行している月刊『武道』の連載「武道の可能性を探る」を書かせていただく。この連載は養老孟司・山折哲夫・秋山仁・童門冬二・井沢元彦・半藤一利・保阪正康など109人の各氏が執筆されているがスポーツ関係といえる執筆者は稲垣正浩氏(スポーツ史家)と坂上康弘氏(スポーツ社会学)くらい。そこで思い切って「武道はスポーツである」という文章を書かせていただく。新渡戸稲造の『BUSHIDO』からThere
is even a sportive element in a courageous nature(of bushi).の部分を引用したけど武道はスポーツでない!と主張する人々から反論が来るかなあ。もちろんそれは大歓迎ですが。晩飯歌舞伎劇場は『十六夜清心』。遊女十六夜(いざよい)が玉三郎。極楽寺の若僧清心が菊五郎。心中しきれない二人が助かって十六夜は俳諧師で実は大盗賊の白蓮(吉右衛門)に助けられ清心は出逢った女から金を奪って悪の権化に。面白かったが最後の盛りあがり(だんまり)がイマイチ。しかし吉右衛門はエエなあ…と思っていたらDVDに入っていた続く舞踊の『鷺娘』に感激。玉三郎の早変わりも舞いも見事だけど三味線+鼓+笛の演奏が見事。日本舞踊で面白いなあとかエエなあと思ったことはあったけどこれほど感激したのは初めてかなあ。
4月27日(金)
朝起きて少し早い目に黒兵衛と散歩。やっぱり今朝はテレビで見るべきモノを見ておかなければなりませんからね。というワケで帰宅してテレビで金正恩が板門店の38度線を笑顔で歩いて越えるシーンを見る。文在寅と握手して何やら話しているのでアッこれは2人で38度線を北へ渡るなと思ったら予想通りいったん北側へ渡って再び握手と記念撮影。2人一緒に38度線を越えて韓国側に入って式典と会談。ハプニングではなく予定通りでしょうね。なかなかの演出を見届けて仕事。明日のオペラ講座のレジュメ作成。久しぶりのモーツァルト『魔笛』。舞台はラトル指揮ベルリン・フィル。演出はロバート・カーセンのNHK放送版を使うけど話の基本は永竹由幸さんの『ロココの裏の欲望
モーツァルトのオペラワールド』に書かれた魔笛論を使わせていただく。18世紀の欧州はマリア・テレジア&ポンパドール夫人など「女の時代」でそこに男の世界フリーメーソンが生まれその秘密をオペラで暴いたモーツァルトは浮気をしていてメイソンの手先となった女房のコンスタンツェに毒を盛られた…というもの。なかなおもしろい。夜のニュースの合間に晩飯歌舞伎劇場は石川五右衛門(吉右衛門)が南禅寺の大門で見得を切る『楼門五三桐』。絶景かな絶景かな…ですね。それと『菅原伝授手習鑑
賀茂堤の段』のちに菅原道真が時平に謀られるきっかけになる事件。まぁ見ておかねばと思って見ました。風呂のあと『筆法伝授の段』も見る。これは浄瑠璃『築地の段』も入ってのちの『寺子屋の段』につながるわけですね。なるほど。「寺子屋」意外は見たことがなかったけど面白いですね。理解しやすかったのは三浦しをんさん訳の『菅原伝授手習鑑』(池澤夏樹=個人編集日本文学全集10巻河出書房新書)を読んでいたからかもしれませんね。しかし漢字変換で一太郎ATOKは「さんもんごさんのきり」も「すがわでんじゅてならいかがみ」すべてきちんと『楼門五三桐』『菅原伝授手習鑑』と変換されますね。凄い。ちなみにMicrosoft
IMEでは「山門誤算の切り」となりました。「菅原伝授手習鑑」はきちんとでましたけどね。
4月28日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩のあとあれやこれや準備して大船駅へ。ぎょっぎょー。ナンデこんなに人が多いねん。あっ。今日から連休か。GWか。と本気で驚きながら品川駅へ。新幹線に乗り換えて名古屋へ。栄中日文化センターでオペラ講座。オペラでロマンチック街道を踏破する企画。第1回目はモーツァルト『魔笛』。昨日の本欄に書いたことを話ながらアマデウスの最高傑作を楽しんだあと新幹線で帰鎌。帰りは混んでないのにナンデ車内販売が来ないねん?おかげでビールが飲めず。くそっ。帰宅後ビール&ウィスキー。しかしTOKIOの事件っていったいなんやねん。四十不惑にもなったなら酒は美味いなあとじっくり呑まんかい。うむ。宮城峡は美味い。まぁ酒の問題だけやのうてどんな世界でも一強体制はロクなことがないわけですね。寄らば大樹に集まる連中にロクなヤツはおらん。せやから一強はいつかは崩壊するんでしょうけどね。ところでロクなこととかロクなヤツのロクというのは陸のことで荒海の反対で「真っ当なこと」を指すそうですね。ロクでなしというのは真っ当でないわけですね。そもそも荒海のような場所で仕事をする人(フリーランサー)はそもそものロクでなしかもしれませんが財務省のような官庁という「ロク(陸)」で真っ当な仕事をする人にロクなヤツがおらんというのは困ったことですね。あらゆる物事や仕事を陸と海に分ければ面白そうですね。暇になったらやってみよ。
4月29日(日)
天皇誕生日…じゃなくてみどりの日…でもなくて昭和の日。まだ慣れてませんね。朝起きて黒兵衛と散歩。エエ天気。静かな街。GWはみんな行楽に出かけたのか?俺は一日中机にへばりついて人間翻訳蒟蒻と化して翻訳作業。ふうううう。12時間座りっぱなし。晩飯歌舞伎劇場は『菅原伝授手習鑑』から「道明寺の段」。いやあ。これが面白かった。菅原道真の木造が本人と入れ替わったりして引田天功も真っ青の一種のイリュージョン。サスガ歌舞伎は楽しませてくれますね。それに仁左衛門の菅丞相が立派なのは当然にしても道真の叔母で苅屋姫の実母である老婆の覚寿を演じた玉三郎がじつに見事。綺麗な舞いだけでなく継娘の立田を殺された仇を討って宿禰太郎を殺すシーンなど壮絶な迫力でした。今頃何言うとんねんと言われそうですが玉三郎は凄いです。イヨッ!大和屋!
4月30日(月)
朝起きて黒兵衛と散歩。エエ天気。鳥の声がいろいろ。ホーホケケキョと一声多い啼き方をするウグイスが今年も近くの雑木林に出現。なかなか可愛い聲で啼く。GW3日目。今日も終日翻訳作業。ふううううう。晩飯歌舞伎劇場は今夜も菅原伝授手習鑑から「賀の祝の段」。白太夫(左団次)の七十の古稀の祝いに松王丸(松緑)梅王丸(菊之助)が女房を伴って訪れるが桜丸(橋之助)は女房だけでなかなか現れない。菅丞相が無実の罪で流された原因となった事件の責任を取って白太夫の前で切腹。なかなか面白かったがコレを見てしまうと寺子屋の段も見ないわけにはいかない。松王丸(幸四郎・現白?)が我が子を菅秀才(金太郎・現染五郎)の身代わりに差し出したあと我が子の死を嘆きながら「桜丸が不憫でならぬ」と号泣するシーンはなかなかの見所。ビデオで見てももらい泣き。武部源蔵が仁左衛門。妻の戸波が勘三郎。松王丸の妻千代が玉三郎。この舞台は最高ですね。しかし歌舞伎という芝居は涙を流すシーンだらけですなあ。それはさておき翻訳もかなり進んで気分良し。そこへ久しぶりにTBSからテレビのお誘い。タイミング良し。
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