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『シービスケット』 小さな馬が大活躍する1920年代アメリカに実在した競走馬とジョッキーの映画。涙が出そうになるほど感動的で爽やかな作品でした
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6月1日(土)
熊楠『十二支考』でまたまた吹き出してしまう文章に遭遇。《拙者本来八岐大蛇の転生(うまれがわり)でとかく四五升呑まぬと好い考えが浮かぬが妻がかれこれ言うから珍しく禁酒中》この文章もまたホンマカイナの一種だが(笑)龍(竜)の面白話の連続のなかで「辰」の項目読了。なるほど「竜巻」は竜が天に昇っていく様を表した「天象(天然現象)」なんですね。小学低学年の時に読んだ松谷みよ子さんの『竜の子太郎』は小生が一番最初に感激した本ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。色々な色が色鮮やか色取っている紫陽花が綺麗な季節ですね。ワン。昨日のNHKの『フロンティア』という番組で人間が着る「服」と「ファッション」の話題を取りあげていたのは面白かったです。ファッションの大量生産で売れずに破棄された服がチリやアフリカの砂漠に大量に捨てられ自然発火もしているという。オマケに化学繊維は燃えずに残る。フードロスと並ぶファッションロスによる人類の危機。それに対して蛋白質と微生物で作る自然素材の繊維で作る服とファッションを紹介。20年がかりでようやく大量生産に漕ぎ着けた蛋白質素材の服は捨てると土に戻るという。はたしてそれが「救い」になるか?結構大量の電気を消費するのですようですが…。終日デスクワークは請求書を書いたりホームページの更新変更をメールで送ったり。あ。返信がないのは今日は土曜日で世の中は休日なんですね(>_<)フリーランサーは時折曜日の感覚を失います。毎週土曜と日曜はヨメハンが大酒許可の日とでもしてくれると曜日の感覚が生まれるのですけど…ねえ熊楠先生。晩飯前にNHKーBSを録画しておいた映画『シービスケット』を見る。大恐慌時代にアメリカで大活躍した図体(がたい)が小さくポニー(子馬)と呼ばれもした競走馬が大活躍して三冠馬にも挑戦して勝ち大不況に喘(あえ)いでいた労働者たちの大人気を得た話。本当に存在した人気馬でレース中に骨折。しかし落馬して足を骨折したジョッキーとともに大復活するという信じられない実話。映画の美しい風景や迫力あるレースシーンに思わず涙ぐむほどイイ映画でした。
6月2日(日)
南方熊楠『十二支考』は小生の干支の辰の項目を読了したことでいったん小休止。強烈に面白がっている本ばかり読んでいるより少しは自分の勉強になる本を…と考えるうちに昨晩は眠ってしまった。たまにはこーゆー活字抜きの睡眠も健康的でイイかもしれない。ワン。朝早く5時に目覚めて寝直しができず(活字抜きのベッドインのためか)仕方なく机に座ってコンピュータで新しい書き下ろしの資料の整理。ワン。朝の散歩の定時になると黒兵衛が吠える。彼はどんな時計を持っているのか?腹時計か雲古時計か?どちらにしろかなり正確なことは確かだ。ワン。紫陽花の色んな色の花々がが綺麗に映える小雨のなか黒兵衛と散歩。梅雨はまだなのだろうが芭蕉が五月雨を集めて速し最上川と詠った旧暦五月と最近の気象変動による季節の結果は似てきたか?ワン。日曜日だが庭仕事もできずベッドで次に読むべき本を本棚で渉猟。オリンピックの年だからホメロスの『イーリアス』にするか『オデュッセイア』にするか…と思って岩波文庫をパラパラ見たりコンピュータのファイルを整理しているうちに夕方になって晩メシ前にテレビをつけるとNHKで『完全なる問題作キャッチャー・イン・ザ・ライ』をやっていた。『ライ麦畑でつかまえて』の中味と作者サリンジャーを紹介するドキュメント。オモシロかった。『キャッチャー……』が長くアメリカで禁書扱いになり若者の間で大人気になった理由がよくわかった。短い大学時代に訳書を読んでサッパリオモシロくなかったので小田島雄志先生の研究室で「ベケットやイヨネスコやピンターは凄いと思うのですがサリンジャーは何が面白いのかサッパリわかりません」と言うと先生が「原文を読まなきゃダメだよ」と言われたけれどそのまま放っておいて今日まで来てしまった。今更英語を読むのもシンドイから村上春樹氏の新訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』を買って読み直すことにします。2006年の発売だから「新」でもないか…。
6月3日(月)
村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』がまだ手に入らず読む本に困っていたら京都の世界思想社の編集者から椹木野衣(さわらぎのい)という美術批評家の『感性は感動しない 美術の見方・批評の作法』という一冊が送られてきた。グッドタイミング!という以上に中味の素晴らしさに感激。《芸術作品は自分で見るしかない。それは誰にもも肩代わりできないあなただけの体験だ。言い換えれば個が全責任を負って見ることができるのが芸術だ》こんなにも素直に芸術との接し方をストレートに文字化した文章に初めて出逢った!《感性など磨こうとしないことだ》そうだ!そうだ!そうだ!とベッドのなかで叫びながら若い頃に見たルオー展やゴッホ展がまるでつまらなかったことや最近見た若冲展の見物人と作品の多さに辟易としたことを思い出したり若い頃に見たミケランジェロに彫刻のレプリカ展に大感激した自分はまがい物が好きなのかと落ち込んだことやNYのMoMAでモネの横幅10mくらいのドデカイ睡蓮を見て1時間以上立ち尽くしたことが思い出された。この一冊は今まで読んだ美術関係書のなかでイチオシかな。まだ途中ですが。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。美術だけでなく音楽を聴くことやスポーツを観ることもすべて個人的体験ですよね。黒兵衛と散歩に出ることも桜を観るより紫陽花を観ることのほうが素晴らしいと思うことも…あ。最近家庭菜園の春菊が綺麗な小さな花を咲かせることに驚きました。汚く咲く花ってあるのかな?ワン?終日いろいろデスクワークのあと晩メシは吉本新喜劇を見ながら。今日の演し物はメッチャ面白かった。旅館の若旦那が父親の余命が短いというので慌てて3人の女性と見合いをするだけの話。その女性に色んな男がいっぱい付いてきて…筋書はどうでも良いけど役者がすべて自分の売りギャグを全て見せて悪人が人質を取るいつものパターンもこなしながらの笑いの連続は見事でした。『映像の世紀』は録画して『感性は感動しない』を早く読むためベッドへ。
6月4日(火)
椹木野衣氏の『感性は感動しない』(世界思想社)を大興奮のなかで読み進む。なかでもダリの紹介のなかでウォルト・ディズニーとの関係が出てきたことに大喝采。小生の持っている『ダリ全集全3巻』(講談社)のなかにダリがディズニーのアニメのために描いた野球のデッサン(漫画?)がいくつかあってそれを日本経済新聞の連載『スポーツする身体全10回』(拙著『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう!』春陽堂書店に収録)に入れようとしたら使用料がめっちゃ高額なのか条件が合わなかったのか…でダメになったことがあった。その7年後の日経の連載『絵画10選』の「ベースボールとアート」にもダリの描いたバッターの空振りの絵を入れようとしたが残念ながらダメでした。そう言えば一度税務署のメチャメチャ上から目線の係官が確定申告の調査にやって来て小生の仕事場の本棚を見ながら『ダリ全集』を見つけて「こんな本をあなたの仕事の経費に入れちゃダメですよ」と言ったので「何を言っうんですか!ダリも野球に関係があるんですよ!」と言って彼の野球の絵を見せたことがあった。もう30年以上前の話ですけどね。ワン。しかし椹木氏の『感性は感動しない』には興奮の連続です。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。沢山の紫陽花のなかでも薄緑色の紫陽花の清楚な美しさに感激。ワン。終日いろいろデスクワーク&雑務&明日のラジオの準備。世界陸連が五輪に賞金を出すうえ新たに最高賞金額のアルティメット大会を開くことを取りあげることにする。いつまでも低額のスポーツ予算しか出せない日本のスポーツ界は気をつけないと世界の落伍者となるかも。いたスポーツ界だけでなく政界も経済界もジャーナリズム界も日本は危うい状態で奈落へ転げ落ちそうな断崖絶壁に立ってますよね。さらに拙いのはそのことを多くの人が自覚してないことですね。夕方から月刊誌『サイゾー』のライターからパリ五輪についてZOOMで取材を受ける。五輪は確かに多くの問題を抱えてますけど日本のほうが問題は多いですね。ダリがヒッチコックに協力した映画『白い恐怖』を見直さなきゃ…。
6月5日(水)
椹木野衣氏の『感性は感動しない』もう少しで読了。ここまで意見の合う人物のエッセイ集を読むのは初めて。音楽と絵画の比較芸術論も素晴らしい。エリック・ドルフィの言ったことと同じこと(音楽は瞬時に消えてゆく)を絵画との違いで書かれているが『百年の孤独』(ガルシア・マルケスの小説から名付けられた焼酎)の瓶に書かれた言葉『When you hear music,after it's over.it's gone in the air.You can never capture it again.(今耳にした音楽は空中に消えて再びそれを聴くことはできない)が紹介されていなかったのは少々残念。日本酒党で焼酎は呑まれないからかな?ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマは世界陸連がパリ五輪委賞金を出すこと(金=750万円)と最高賞金総額(15億円)の国際大会=アルティメット大会を始めること。サッカーWハイの賞金総額(616億円)と較べるとまだまだヤスイですがアマチュアの総本山をかつて自認していた国際陸連の完全プロ化は注目ですね。日本のスポーツ界は世界から遅れる?スポーツ界だけでなく…とは昨日書きましたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨日録画で見た『映像の世紀バタフライエフェクト安保闘争』は面白かったですね。団塊の世代のイヤらしさと永六輔の素晴らしさがよくわかりました。団塊ではない唐牛健太郎という人物についてはもっと深く知りたいと思いました。ワン。終日デスクワーク。明日の『オプエド』のゲストは小林信也さんと山本敦久教授に決定。小林さんにはスポーツ賭博につて…山本さんにはIOCオリンピックの「植民地経済支配」について…それぞれ話していただきましょう。晩メシはNHK『解体キングダム』を見ながら。山をトンネルで貫く高速道路の真上の巨大な岩石の解体作業に感激。クレーンや重機を扱う人は素晴らしい。
6月6日(木)
椹木野衣『感性は感動しない 美術の見方、批評の作法』(世界思想社)読了。読みながらワクワクする本はベッドのなかでは困ったものでワクワクのあと興奮して眠れなくなる。確かに「感性は感動しない」。「興奮する」のですね。何故興奮したのか?どんなふうに興奮したのか?それを考えれば批評ができ評論が生まれるのですね。ワン。ベッドを出て色とりどりの紫陽花に和ませられながら黒兵衛と散歩。何日か前にNHKで見た七代目尾上菊五郎の素晴らしいインタヴューが頭の中に蘇る。歌舞伎の幕が開き(落とされ)客席のざわつきが静まるまでの舞台鵺の意味のない会話を「塵落とし」と言うのですね。幕が動いて舞いあがった塵が塵が静まるまでの間のことですね。粋ですね。次の若い世代に何を言いたいですか?と訊かれた七代目が「そんなこたぁ知っちゃいねぇ」と答えたのは見事でしたね。「次の人たちが考えること」ですからね。「訊かれれば答えるだけ」なんですね。中味がないくせに偉そぶってる年寄りに限っていろいろ口出し(容喙)したり「喝」とか「天晴れ」と言って喜んでるのですよね。ワン。政治資金規正法の改正と政治改革に火の玉で取り組んだはずの首相はあっという間に燃え尽きましたね。維新も10年後の領収書開示なんてバカも休み休み言えですよね。最近の日本の政治はあまりにも情けないので(政治ジャーナリストと自称している政局解説者も酷すぎるので)政治批判は阿呆臭くて直接的は書かないようにしていましたが書いてしまいました。嗚呼。火の玉と言うてたトップがこれかいな…と書いても虚しいので早よ選挙に行きたいですね。しかし田作(ゴマメ)の歯ぎしりの一票か……。
6月6日(木)つづき
サッカーW杯予選対ミャンマーの試合見ました。実力差のある相手に大量得点で勝っても喜んでしまう自分は情けないですね。それよりミャンマー軍事政権の横暴に対して抵抗している民主派勢力を応援しましょう!
6月7日(金)
ベッドのなかでちょうど20年前の2004年1月に上梓した自著『天職人』(講談社)を読むことになって我ながら驚いた。と言うのは綾戸智恵・市川亀治郎・岡田武史・林英哲・ジーコ・佐渡裕・五嶋龍・井筒和幸…等々スポーツ芸術芸能関係者19人を取材して纏めた一冊なのだが初っ端の山下洋輔さんの項目の冒頭を読み始めてすぐに自分の文章に愕然としてしまった。《いま日本人は自信を失っている。日本という国も混乱している。経済低迷。政治不信。官僚傲慢。親の子殺し。子の親殺し。コンビニ強盗。教師の破廉恥。プロ野球よりメジャーリーグ。そしてテロは…?不安だらけで誇りうるものが何もない。そう思える昨今である》日本は20年間酷い「低迷と混乱」の状態からから何も脱していないのだ。20年前の自著はそれでも《山下洋輔の演奏は凄い!》と世界に誇れる19人を紹介したのだが…「低迷と混乱」のなかに「マスメディアの商業主義」「ジャーナリズムの不在」を入れてないのは20年前の小生の分析が甘かったせいでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。突然昔の自著を開いたりしたのは改めてそれを読んでほしい人物が現れたからなのだが如何せん本が古くて臭いや手触りなどが失礼にならないかチェックしようと思ったからだった。1996年発行の初のエッセイ集『わたしが京都を捨てた(好きな)理由(わけ)』(アリアドネ企画)とともに少し汚れていてもマァ大丈夫かと判断。しかし若書きを読んでもらうのは少々躊躇いもありますね。ワン。終日デスクワークのあと『ニューズ・オプエド』。今日のゲストは作家・スポーツライターの小林信也さんと成城大の山本敦久教授。小生の隣人のフランス人と日本人のご夫妻がパリの自宅から五輪騒動の始まったパリの様子をメールで送ってくれたので番組冒頭で紹介。交通規制が始まってどの道路も大渋滞。地下鉄は停まらない駅があって混乱。早く日本に戻りたいとのこと。山本さんがその状態を五輪による「社会的災害」と評されたのは鋭いですね。五輪のようなビッグイベントは自然災害並みの社会的災害をもたらすわけで東京五輪の選手村が投機の対象として本来の目的である子連れ家族のための安価なマンション提供という目的が果たせず東京都の土地(東京都民の財産)が失われたのも社会的災害と言うべきなのですね。その他オリンピックやスポーツベッティングのことを3人で話し合う。凄く勉強になりました。オプエドのあとにNHK『ネタドリ』で選手村後の住宅が投機の対象になっていることを取りあげていた。社会的災害という言葉は出なかったけど…使ってほしかったな。続けて『チコちゃん』見ながら食事&酒…&寝る。あ。日経新聞からパリ五輪企画のスポーツ本の書評に山本さんの本も選ぶことを伝え忘れた…まぁイイか。引用でなく書評だから。
6月8日(土)
昨日日本経済新聞社の文化部書評欄の記者からパリ五輪を期してスポーツ本の紹介を依頼される。『今を読み解く』というコーナーで以前も2度書かせていただいたコーナー。以前は川島浩平『人種とスポーツ』(中公新書)小川勝『オリンピックと商業主義』(集英社新書)石坂友司・松林秀樹『一九六四年東京オリンピックは何を生んだか』(青弓社)島沢優子『世界を獲るノート』(カンゼン)…などを選んだが今回は何を選ぶか…と思って最近発行されたスポーツ本を10冊ばかりベッドへ持ち込むみアレかコレか…と楽しく悩む。あ。「あれかこれか」というのはヴェルディのオペラ『リゴレット』の冒頭で好色家のマントーヴァ伯爵がパーティに集まった女性たちを「あれかこれか」と選ぶアリアですね。本は女性名詞かな?心の動き方は全然関係ないようですね(^0^;)ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。紫陽花が本当に綺麗。アナベルという種類の白か薄緑色の花も綺麗けど玉縄紫陽花という小生の住む地名の付いた花も小さく可愛い。そう言えば春の玉縄桜も染井吉野よりも謙虚にで奥床しく咲いていましたね。控えめなのはイイことです。ワン。終日デスクワーク。テーマのある書評で本を何冊か選ぶときは謙虚に自著を選ばないほうがイイのですかね?それがもどかしくて30年前くらいに某新聞社の書評委員を務めたときは1年で辞退させてもらったのでしたが…もう少し続けていたほうが良かったのかな?夕方久し振りに庭いじりをしたあとTBS『報道特集』を見ながら晩メシ。埼玉県に多く住んでいるクルド人にヘイト・スピーチを浴びせる輩がいるらしい。関東大震災の時の朝鮮人虐殺事件を東京大空襲の被害と同列に語って平気な小池都知事と同様どこかオカシイですね。いやオカシイのではなく意図的政治的な発言と行動なのかな?もちろんクルド人を援助&応援したり朝鮮人虐殺を記憶に残す活動をしている日本人が存在するのは救いですね。スウェーデンのサッカーリーグにはクルド人のチーム「ダルクルドFF」が最下位リーグから5年連続昇格して今や1部リーグの上位に定着しているそうです(金井真紀「愛すべき地べたのスポーツ民たち」世界思想51号スポーツ特集より)この情報を《東京都北区のクルド料理店でゲットした》筆者は《世界はぜんぶつながっている》と書いている。That's it!
6月9日(日)
ちょっとピカソについて調べたくなったので池上英洋『官能美術史 ヌードが語る名画の謎』(ちくま学芸文庫)を引っ張り出したら《「90歳になったからそろそろセックスと煙草は控えるつもりだ」と亡くなる前年にピカソは友人に語っている。まさに彼は「英雄色を好む」を地でいくタイプの人間である》なんて文章が出てきた。嫉妬しても仕方ないけど羨ましい人間ですね。ワン。ベッドを出て今日も綺麗に咲いてる大小色とりどりの紫陽花を眺めながら黒兵衛と散歩。犬は花をどんなふうに見てるのかな。以前動物カメラマンの岩合光昭さんが花と戯れる北極熊の風景を映像に収めたことがあったけど黒兵衛は紫陽花に反応しないですなぁ。ワン。デスクワークはまだまだ締め切りは遠いけど日経のスポーツ本選びを始める。8冊くらい読み直さねばならないのでボチボチ楽しみながら始める。楽しい時間はあっという間に過ぎますね。それが仕事というのは喜ぶべきでしょうね。そう言えば朝の散歩で町内の掲示板に月末の日曜に町内の自治会館で小生が行う「オペラ講座」のチラシが張り出されてるのを見るようになった。『ほっとcafeカルチャーみんなで♪オペラを楽しみましょう!オペラは難解?オペラは難しい?オペラは高級?…そんなことはありません!オペラのテーマは男と女の恋物語。オペラは庶民の人気を集めた大衆芸能なんです』お見せするオペラぼちぼちぼちぼち選ばねば。コレも楽しい仕事ですね(^_^)。世の中糞面白くもない政治が横行しているから楽しいことは自分で創らねばシャーナイですね。
6月10日(月)
池上英洋『官能美術史』本格的にベッドのなかで再読開始。神話の宝庫。ということは物語の原型(プロトタイプ)の宝庫でもありオペラの原作の宝庫でもある。もちろん西洋絵画のテーマの宝庫でもあるわけでアダムとイヴもプロメテウスもサロメもパンドラもピグマリオンも…続々登場。プロメテウスは「先に考える」という意味で人間を創り文明(火)を与えるが弟のエピメテウス(後で考える)は兄の忠告を無視してゼウスの美女の贈り物に喜んで失敗する。その美女こそ好奇心から災いの箱の蓋を開けてしまうパンドラだったのですね。オルフェオとエウリディーチェの神話と伊弉諾伊弉冉の神話はそっくりなのも四季の存在する温帯地域の世界的広がりのなかでは何も珍しいことではないのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。紫陽花が見事に其処ら中で咲き誇ってる。蝶蝶はまだのようですね。我眉鳥が綺麗な声でコロラチューラを披露。沢山の蟻と団子虫と蚯蚓はよく出てタマに狸や白鼻芯も出るらしいけど熊や猿は出ない。この程度の自然が良いのかな。ワン。終日デスクワークは日経書評「今を読み解く」のスポーツ本5冊を選択。纏め方を考えながら読み始める。どんな本を選んだかは紙面化されるまで発表しないことにしましょう。晩メシはTVKで吉本新喜劇を見ながら。今日のメインはアキさん。最近の吉本新喜劇はかなりレベルが高いですね。意味のないナンセンスな笑いをとことん繰り返すパワーはマルクス・ブラザースに似てきましたね。大満足。
6月11日(火)
ベッドのなかでの読書『官能の美術史 ヌードが語る名画の謎』再読を続ける。オモシロい。様々な美しいヌード絵画よりも神話や聖書のエピソードを圧倒的に面白く感じるのは歳のせいかな(^0^;)歳を取るのも悪くはないですな(^_^)。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。紫陽花が一段と多彩な美しさを増してきた。この綺麗な紫陽花以上に桜の花見を愛でたがり注目して大騒ぎするのはどこかで多様性を嫌っている日本人の悪癖かもしれないですね。ワン。終日デスクワーク。椅子に座ってばかりいると足の衰えが気になるがコレが仕事だから仕方ない。今更正座して和机で原稿書くわけにもいかず夕方の庭での黒兵衛との交流時にスクワットを加えるくらいしか手がないかな?歳を取るのはやっぱり困ったもんです。晩メシはサッカーW杯予選シリア戦を見ながら。アンダー23の試合を見慣れていたせいかフル代表の選手の動きはやはり見事ですね。五輪のオーバーエイジにはやはり富安&板倉を加えるべきかな?いや。メダルより育成を重視するなら長友でいいかな?試合結果は5-0で快勝。ま。この程度で喜ぶのはやめましょう。
6月12日(水)
『官能の美術史』読み進む。ナルホド。キスの起源と歴史を考えるだけでも文化人類学的に非常に興味深い研究になるのですね。クリムトの『接吻』もロダンの『キス』もルーツはアイエスの1859年の作品『接吻』の影響を受けて生まれたものでその影響はハリウッドのクラーク・ゲーブルのキスの仕方にまで永久を与えているのですね。オモシロイ。イタリアン・ロカビリーの『2万4千回のキッス』(日本では藤木孝がヒットさせましたね)も古代ローマ帝国時代の「主体的恋愛詩(自分の愛についての詩)」の流れで生まれたものなんですね。何かの本でキスのことを「口周輪状筋の緊張状態を伴う並列的結合」という「定義」を読んだことがあるけどちょっと違いますよね。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマはプロ野球のペナントレースについて。5試合で3勝2敗を続けた勝率6割のチームは優勝。2勝3敗のチームは最下位。長丁場のペナントレースもマラソンではなく5試合程度の短距離ダッシュの繰り返しなんですね。そして1ゲーム差を縮めるのには約1週間かかり4ゲーム差は1か月かかるというのが監督の常識。その他メジャーのGM(ゼネラル・マネジャー)と日本の球団代表&総監督の違いなどを話して番組を終えて黒兵衛と散歩。暑い季節が始まりましたね。小生は夏が嫌いでなく毎年炎天下の建仁寺の境内で草野球をやっていた小学生時代を思い出します。そこへ托鉢の修行僧が現れ一発打たせろと言ってバットを取りあげられて思い切りボールを遠くへ飛ばされたので今も雲水には好感が持てません(笑)。ワン。終日いろいろデスクワーク。晩メシは天皇杯サッカー筑波大vs町田ゼルビアの試合を見ながら。1点リードされた筑波大が後半ロスタイムに追いつき延長でPKの危機をキーパーが見事にセーヴ。PK戦で勝利のジャイアントキリング。メッチャ面白かった。Jリーグが誕生してサッカーが注目された時ナベツネと呼ばれた人物が野球にも天皇杯をと言ったのには笑いましたね。硬式野球には天皇杯は既にあるんですよね。東京六大学野球が天皇杯なんですね。それでイイかどうかは話し合われるべきですけど…話し合いを始めると日本の野球界の不都合な真実が露わになるので野球関係者はみんな口を噤んでいるのでしょうね。
6月13日(木)
『官能の美術史』によれば中世から近世のヨーロッパでは結婚時に女性の家から多額の持参金を渡す慣習が続き(裕福な家で高級車1台分・普通の家でも軽自動車1台分くらいの金額)結婚できない若い男女が多かったという(男性は4人に1人が一生独身)。また女性の死因はペストに次いで産褥熱(出産時の感染症)で金持ちの男は妻が亡くなるたびに新たに若い嫁をもらって子供を産ませたという。だから《レオナルド・ダ・ヴィンチには実母と継母合わせて5人の母がいて最後の継母は実父より40歳年下レオナルドよりも10歳以上若かったという》せやからどないやねん?とも思うが昨今の少子化社会の解決のヒントは…なさそうですかね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。真夏の太陽にも負けず梅雨の気配も関東地方では窺えないなか紫陽花が一段と咲き誇ってる。アナベルはギネス級の大きさに膨らんだ。それも綺麗けどやっぱり洋物よりおしとやかな和物がいいかな。ワン。終日いろいろデスクワーク。晩メシは女子バレーボール日本vsカナダ戦を見ながら。2セットを取ったので大丈夫と思って阪神西投手の快投を見たりしてたらいつの間にかフルセットになって逆転負け。和風の額紫陽花が巨大なアナベルの負けたようで残念。寝ようと思ったら桑田佳祐が昭和の唄ばかりを集めた神戸の月世界(キャバレー?)でのコンサートをやっていたので見て聴いてしまう。桑田は本当に歌がうまくて芸人根性を持った歌手で観客を魅了して喜ばせてくれますねえ。三輪明宏の『ヨイトマケの唄』がよかったですねえ。♪お母ちゃんのためならエンヤコーラ…の部分を歌わないのは見事でしたねえ。この歌は昭和の高度経済成長の歌だったのですね。
6月14日(金)
『官能の美術史』は「第5章秘めごとーポルノグラフィー・不倫と売春」へと進む。人間の暗部は人間の本質でもあるわけであらゆる画家がポルノグラフィーをものにしている。レンブラント・ルーベンス・アングル・ゴーギャン・シーレ…なかでも凄いのはやはりレオナルド・ダ・ヴィンチで男女の交合が完全な解剖図絵として描かれている。ここまでいけばポルノでも官能性ゼロ。そう言えば大阪のTV番組に出たとき胃カメラの映像を公開して「究極のストリップでしょ」と豪語した女子アナがいた。レオナルドの交合図は知らなかっただろうけど関西以外の女子アナには口にできない言葉でしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。桂ざこば師匠が亡くなった。毎日放送の『ちちんぷいぷい』で何度もご一緒させてもらった。一度楽屋で雑談をしたときに「六代目笑福亭松鶴師匠の跡を継ぐ話が出たときに米朝師匠に止められたという話を聞きましたがやっぱり松鶴師匠の跡を…」と話しかけたら「いやいやいや。それはもう済んだ話。二代目ざこば(雑魚場)で最高でんがな」と言われた。兵庫文化芸術会館の佐渡裕さん指揮のオペレッタ『メリー・ウィドウ』や『こうもり』に出演されたときは公演後にツアーの引率をしていた小生を呼び止めてツアーに参加したおばさま方に話しかけて大サーヴィスをして下さった。京都南座の枝雀師匠の追善興行でも…と書き出したらきりがありません。素晴らしくナチュラルな関西人の上方落語家でした。合掌。ワン。いろいろデスクワークのあと『ニューズ・オプエド』はパリ五輪直前企画第2弾。フランスのリヨンから原実季さんが2度目の出演。それに彼女とNPO法人『おりがみ(オリンピックを学生とみんなで)』の副理事長として活動しパラスポーツを支援している都築政憲さんが初登場。若いオリパラ・スポーツ活動家2人に一橋大学大学院の坂上康博名誉教授が加わってスポーツのジェンダー問題や国歌国旗問題やオリパラの未来等について話し合う。私自身がメチャメチャ勉強になりました。坂上先生に日本の歴代IOC委員の調査を依頼しているフランスの教授は原さんが近々参加するギリシアでの五輪研究会の担当教授だとか。批判も含めて若い人たちがオリンピック・ムーヴメントの勉強をするのは良いことですね。日本のジャーナリストはスポーツの勉強をしないからダメですね。『オプエド』のあと『チコちゃん』見ながら晩メシ&酒&寝るwith読書。
6月15日(土)
池上英洋『官能美術史ヌードで語る名画の謎』(ちくま文庫)熟読完読。ヴィーナスやキューピットで始まった名画とエロス(愛)の物語は最後に「不倫・売春」へと進んで「同性愛・近親相姦」へエスカレートして「心変わりと嫉妬」で「愛の冷めるとき&愛の終わり」を迎える。そして最後の最後に「永遠の愛・愛の昇華」を迎える。そこで紹介されているのがベルリーニの名作彫刻「聖テレジアの法悦」でありムンクの絵画「マドンナ」の受胎告知を受けた法悦の表情ですからね。天上(神)からの「至上の愛」による法悦は最上のエクスタシー。この素晴らしい一冊に「あとがき」がないのは見事ですね。法悦(エクスタシー)のあとには付け加える言葉などないでしょうからね。小さな文庫本なのにまるでマーラーの『千人の交響曲』を聴き終えたような読後感でした。いやスクリャーピンの『交響曲第4番法悦の詩』かな…いやいやジョン・コルトレーンの『至上の愛』か。それはともかくポルノグラフィー(ヌード絵画)に対する助平心から手に取った一冊がメッチャオモシロく勉強になったのは嬉しいですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。途中で犬や生きものが大好きという小3の少年が話しかけてきたのでリードを持たせてやると喜んで黒兵衛を引っ張って(引っ張られて?)一緒に散歩。うちには虎太郎という猫もいるよと言うと遠慮なくうちの家まで入ってきて猫を撫でようとする。しかし虎太郎は野良出身で人見知りが激しいから易々とは触らせなかったから少年は少し残念そう。そう言えば小生の子供の頃は近所の家に毎日のようにずけずけと入っていったことを思いだした。キャッチボールをしていたボールが庭先に入ったり…紙飛行機が飛び込んだり…すると化粧中の舞妓さんがいたり…というのは生まれ育った祇園町ならではだったでしょうが子供が家に来るのは悪くないですな。ワン。昼飯時にNHK『探検ファクトリー』を楽しんだほかは終日デスクワークのあとTBS『報道特集』見ながらビール&晩メシ。鹿児島県警「事件」は酷い話ですね。学歴だけで経験(キャリア)のない人物を「キャリア」と呼び現場で経験を積んだ叩き上げの人物をノンキャリと呼ぶ。それは間違った呼称で即刻改めるかやめるべきですね。諫早湾の干拓事業の失敗も漁業や農業のない経験がないくせに「キャリア」と呼ばれる人物たちが犯した間違いですよね。
6月16日(日)
ベッドのなかの読書は一昨日京都在住の作家いしいしんじさんから贈られてきた彼の現代語訳『義経千本桜』(河出文庫)。中味は既に『池澤夏樹=個人編集日本文学全集10』で読んでいたけど改めて「渡海屋の段」を読む。歌舞伎では知盛が最後に巨大な碇(いかり)の太い綱を身体に巻き付けて高い崖から海へ後ろ向きに飛び降りる派手なシーン。そんな歌舞伎の派手さを綺麗なイラストと解説文で紹介したのが橋本治(文)+岡田嘉夫(絵)の絵本『義経千本桜』(ポプラ社)。いしいしんじさんの現代語訳は人形浄瑠璃の浄瑠璃節のリズムをそのまま関西弁に置き換えたヴァージョンで面白い。関西弁をそのまま喋ると浄瑠璃になりますからね。文庫本には児玉竜一氏の「解題」も付いていて壇ノ浦で死んだはずの知盛や安徳天皇(千本桜では屋島で亡くなったことになっている)が生きていて知盛が義経に天皇の行く末を預けることを半村良の『戦国自衛隊』を例に出して「歴史の書き換え」を解説しているのが面白かった。町田康の『宇治拾遺物語』やいとうせいこうの『曽根崎心中』などの現代語訳も全集から文庫版になって出ているらしいので読みたいけど…全集で既に読んでるから「解題」希望で買うのは無駄かな。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩と思ったら昨日我が家に遊びに来た小3の少年が今日もやって来て一緒に散歩。黒兵衛のリードは彼に任す。少年はぐるりと住宅街を一緒に散歩して回って我が家で猫の虎太郎と遊んで帰っていった。ちょっと不思議な少年は面白い存在ですね。ワン。終日デスクワークのあと夕方からチョイと庭仕事。雑草取り。植物が繁茂する力は強烈ですね。我が家のほんのちょっと横の緑地から富士山が見えていたのが今ではすっかり巨木と蔓に隠されてしまった。私有地なので市も手を付けられないらしいけど崖の下は大丈夫かな?シャワーのあとニュースや『ダーウィンが来た』や『日曜美術館』を見ながら酒&晩メシ。エッシェンバッハ指揮N響のシューマンは楽譜通りの演奏でした。
6月17日(月)
昨日に続いていしいしんじ訳『義経千本桜』の「河連法眼館の段(かわづらほうげんやかたのだん)」読む。全集に続いて文庫では2度目の読書。いしいしんじさんの「関西弁訳」のリズムが読んでいて気持ちよく読み進む。源九郎狐が化けた偽の佐藤忠信と静御前&義経の対決。歌舞伎では先代の市川猿之助が狐の宙乗りで評判を取った演目ですね。いしいさんの関西弁訳は浄瑠璃のリズムだから関西人には読みやすい。浄瑠璃は河内弁が基本で京都弁や大阪弁と微妙に違うと言ってもリズムはどの関西弁もほぼ同じですからね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。昨日の散歩は近所の少年に犬のリードを持たせて歩くだけの「本物の人間の散歩」だったけど今日は自分で犬のリードを持つ「犬の散歩」。こっちのほうが犬に引っ張られて楽ですね。ということは運動になってないのかな?ワン。終日デスクワークは『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」を書く。一昨日の土曜日の昼に何気なく見たテレビ番組でコメンテイターの堤伸輔氏がロスでドジャースのユニフォームを着てはしゃいでいたことを批判。「娯楽番組の報道番組化」と「報道番組の娯楽番組化」が進むなかでスポーツは娯楽の王者としてジャーナリズムで批判的に捉える視点が完全に消え失せましたね。メディアがスポーツ・チームを所有したりスポーツ・イベントを主催したりすることを批判する声がメディア(ジャーナリズム)から完全に出なくなった結果日本のスポーツビジネスは発展の余地が全くなくなったわけですね。これではアメリカ(メジャー)が儲けるばかりですね。嗚呼。晩メシは吉本新喜劇を見ながら。すち子さんが中心になって病院での家族ドラマ。ちょっとアーノル・・ウェスカーの人物の動かし方やハロルド・ピンターのやイオネスコの味わいもあるナンセンス劇(褒めすぎかな・笑)。もちろん関西人情路線は残しつつの新しい試みは面白い。
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『スカラ座 魅惑の神殿』 カラスやヴィスコンティやゼッフィレッリの映像がないのは残念だけどナカナカ面白いドキュメンタリーです
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6月18日(火)
ベッドのなかで夜と朝にかけて結局『義経千本桜』(いしいしんじ訳/河出文庫)完読してしまう。関西弁のリズムが関西人に人にとってメッチャ心地好いし楽しいので通読してしまった。関東系の人は本書を楽しめるのかな?少々疑問。「赤とんぼ」と口にするとき冒頭の「あ」にアクセントを置くのが関東人。関西人のアクセントは「と」にアクセントが付く。だから♪ゆうや〜けこやけえの〜あかと〜ん〜ぼ〜…の童謡は関東人のアクセントによる歌で関西人が話し言葉のまま歌おうとすると浄瑠璃(義太夫節)になる。子供の頃から♪べんべんべんべん…と「べんべん節」の浄瑠璃ごっこをやっていた関西の子供たちには「赤とんぼ」の童謡が話し言葉を見事にメロディーにした歌だと言われても全然ピンとこないのだ。小生が小学生の時に東京出身の音楽の先生にそう言われてちんぷんかんぷんだった。その先生は「べんべん節」を知らなかったのだろう。えっ!?あなたも知らない?♪べんべんべんべん…パンツのようでパンツでない…ベンベン…ズボンのようでズボンでない…ベンベン…それは何かときかれたら…そりゃステテコステテコステテコステテコ…というような浄瑠璃の歌詞を作る遊びです。昔は笑福亭仁鶴さんが関西のテレビで子供を集めてやってました。ワン。ベッドを出て土砂降りの雨のなかのチョットした小降りを狙って黒兵衛と散歩。すぐに雲古をさせて早々と帰還。警報級の雨かどうかは知らないが最近は線状降水帯を騒ぐ一方で夕立がなくなりましたね。コレも地球温暖化の結果か?ワン。終日デスクワーク。晩メシは『ミラノスカラ座魅惑の神殿』というドキュメンタリーを見ながら。スカラ座の舞台に立った歌手やダンサーや指揮者が次々に出てきて話すのは面白かったけどカラス&ヴィスコンティ&ゼッフィレッリの映像がなかったのが残念。
6月19日(水)
昨晩はベッドに宮下規久朗の『しぐさで読む美術史』『モチーフで読む美術史@A』(ちくま文庫)を持ち込む。どこかにスポーツに関する記述がいくつかあったはず…と思ってページをめくるとありました。「走る」「踊る」「体育座り」などイロイロ。「走る」はやはりピカソの「海辺を走る二人の女」が圧巻ですね。何かを捕まえるためや何かから逃げるために「走る」のではなくただ「思い切り走る」。こんな「走る」ことの素晴らしさを絵にしたのはピカソだけなんですね。スゴイ!!右腕を斜め上に真っ直ぐ伸ばすローマ式敬礼がスポーツの「宣誓」やファシズム式敬礼やナチス式敬礼に転じたのはナポレオンのお抱え絵師だったダヴィッドが「(古代ローマの)ホラティウス兄弟の誓い」や「(フランス革命の)球戯場の誓い」を絵にしたことがキッカケだったのか。ナルホド。今も1972年の札幌冬季五輪の記録映画(篠田正浩監督)を見ると開会式で日本選手団が右腕を斜め上に伸ばしてナチス式の…いやスポーツ式の敬礼をして行進していたことがわかります。今では絶対に許されませんよね。高校野球(甲子園大会等)で旧帝国陸軍式や自衛隊式の行進が許されているのは何故でしょうね?ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマはバレーボールの日本男女パリ五輪出場を祝ってバレーボールの歴史。1895年にマサチューセッツのYMCAの体育教師ウィリアム・モーガンがバレー・ボールというゲームを創作したときは男性のスポーツとして創られたバスケットボールに対抗して女性や子供や高齢者向けに創られたのですよね。さらにアメリカのトランスジェンダーの水泳選手が女子の国際大会への出場をスポーツ仲裁裁判所によって拒否されたことを取りあげ現代スポーツでは男女の区別が難しくなった話題を話す。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩して今日のデスクワークは連合通信の連載執筆。晩メシ&酒はいしいしんじさんの『関西弁訳義経千本桜』に触発されて吉右衛門が知盛を演じた『渡海屋・大物浦』と菊五郎が源九郎狐と忠信を演じた『河連法眼館之段』をDVDで楽しみながら。知事選や党首討論の不毛と政治改革法案の茶番のニュースなど見ても仕方ないですからね。吉右衛門と菊五郎はどちらも素晴らしいですね。
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『ミッドナイトラン』 マフィアに職を奪われた警官崩れの賞金稼ぎとマフィアから金を奪った男のメッチャ面白いロード・コメディ。主演はロバート・デニーロ。イイねえ
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6月20日(木)
『しぐさで読む美術史』他宮下規久朗氏の美術の本をベッドのなかでイロイロ楽しんだあとベッドを出て梅雨の合間の晴れ間と思しき曇り空の下黒兵衛と散歩。気象庁による梅雨入り宣言はまだのようだけど既に梅雨の気配ですよね。モーニングショーでコメンテイターが短い春のあと梅雨もなくすぐに夏だと嘆いて(?)いたけれどソレは珍しいことではないですよね。持統天皇も「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山」と詠んでますからね。確かに気候変動は大問題でしょうけど正しく捉える必要がありますね。ワン。都知事選のニュースを見ていてウンザリ。日本人はどこまで幼稚化してしまったの?総理大臣の家族と友人たちが首相官邸で「大臣ごっこ」をしても恥じずに総理を辞任しない世の中ですから都知事に立候補した連中が「選挙で遊ぶ」のも当然なのか?こんな世の中に誰がした?!一問一答の記者会見を問題にしないジャーナリズムも問題なら「娯楽番組が報道化」して「報道番組が娯楽化」していることも問題ですね。マスメディアはスポーツを私物化して発展を阻害してスポーツ産業の拡大を阻み…書き出すと政治家も企業も誰もが自分の利益のことしか考えない昨今の日本の世の中にウンザリするのでそのウンザリを連載原稿に書いたあとはロバート・デニーロ主演の映画『ミッドナイト・ラン』を見ながら晩メシ。これは素晴らしい娯楽映画ですね。娯楽映画でも反社会的勢力に対して抵抗する意欲が感じられて爽やかですね。それに較べて日本のマスメディアは…早くジャーナリストとしての矜持を取り戻してほしいですね。世の中を「上善」に導くきっかけはジャーナリズムが声をあげるしかないのですから。
6月21日(金)
ベッドのなかで宮下規久朗『モチーフで読む美術史@A』読み進む。絵画から西洋史や聖書やギリシア・ローマ神話のエピソードを知ることができるのは楽しいですね。オペラやクラシック音楽も西洋史を楽しく教わることは多いし歌舞伎や能は日本史の宝庫。このような「学び」が学校教育にないのは残念ですね。スポーツもヨーロッパ史やアメリカ史の宝庫なのに身体を鍛えること(体育)と娯楽だけにしか利用していないのはもったいないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と土砂降りのなか散歩。雨が降ろうが槍が降ろうがこの雲古のルーティンだけは外せないのは我ながら不可解。黒兵衛は雨の日くらい雲古を我慢できないのかな?ワン。終日デスクワーク。夕方から『ニューズ・オプエド』。今日のゲストは先週に続いて「おりがみ」理事の都築政憲さんと初登場の日比麻記子さん。日比さんは東京大学大学院に通いながら「おりがみ(オリンピックを・学生と・みんなで」)を通して五輪のヴォランティア活動に参加したり五輪の学習と取り組んでいる。パリ五輪は現地で「おりがみ」の原実季さんと合流してイロイロヴォランティア活動等に携わるという。もう一人のゲストは尚美学園大の佐野慎輔教授。1964年東京五輪の興奮と最近の五輪の問題点を知ってる我々オジサンたちが五輪に関わる若者たちをイジメル構図ですね(笑)。しかし阿呆臭い国会の論戦やマスメディアのスポーツ報道とは異なりパリ五輪の開会式やIOCのeスポーツとの関わりや未来のオリンピック等についてイロイロ討論。オリンピックに真剣に取り組んでいる若者たちに対して我々ジジイどもは過去の出来事をイロイロ伝えるのが義務ですね。1964年東京五輪の閉会式直前には一斗樽がズラリと並べられて国立競技場に入場する選手たちに振る舞われて選手たちは酒を呑んで閉会式に雪崩れ込んだ…とか「正史」に残されてない話は我々ジャーナリストがたくさん知ってますからね。『オプエド』を楽しく終えたあとは『チコちゃん』見ながら晩メシ&酒&寝る。
6月21日(金)つづき
書き忘れたことがひとつ。この日の朝NHK-BSでやっていたアラバマ州バーミンガムのかつてのニグロリーグの聖地リックウッド・フィールドで行われたメジャー初の公式戦サンフランシスコ・ジャイアンツvsセントルイス・カージナルスの中継放送は本当に素晴らしかったですね。ニグロリーグ出身の老人たちも車椅子で大勢登場して亡くなったばかりのウィリー・メイズを讃えて…ベースボールをカルチャー(文化)として発展させているアメリカと野球を親会社が金儲けに利用しようとしているだけの日本のプロ野球の違いをマザマザと見せつけられましたね。福島良一さんも記者席にいてイイ仕事をしてましたね。
6月22日(土)
ベッドのなかで宮下記久朗『モチーフで読む美術史@A』読了。絵画もイロイロと理屈がわかると面白いですね。ただ文庫本の大きさで絵画や彫刻を理屈とともに味わってるというのはパソコンのCD再生でグランドオペラを聴くようなもので別物と考えたほうがイイでしょうね。最近はCDプレイヤーの調子が悪くてパソコンでパヴァロッティのオペラを聴きながら原稿を書いてるのに充分満足しているのはパヴァロッティの声の力が凄いからでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。家の近くの空き地の紫陽花がズラリと並んでいるなかで直径50p以上ある真っ白のアナベルがいくつも咲き誇ってるのはそろそろ限界でしょうね。最後には爆発しそうな迫力です。イソップ童話で腹を膨らませて大きさを競ったヒキガエルが最後に腹を爆発させるようなことをアナベルもやっているのかな?最近の研究では植物も会話をしている(情報を交換している)そうですからね。ワン。終日デスクワークは来週末締め切りの日経読書欄に書く本のまとめ読み&ノートづくり。ラグビーのイングランド戦を見る…けど彼我の大きな実力差を無視した中継(アナウンサー&解説)はつまらないですね。もう少し話し方があるはず…と思いながら夕方から野球雑誌『Slugger』編集部のZOOM取材を受ける。送りバントは戦術的に効果がないとデータが出ているのに日本の野球ではまだ重要視されてるのは何故かという問いに明治末以来の日本人打者の非力から始まったバント戦法がV9巨人のドジャース戦法で誤解され監督の自己保身として今日まで続いている歴史を話す。野球選手の話でなく野球というスポーツそのものの妙味を話すのは楽しいですね。おまけにインタヴュアーが小生の『プロ野球大辞典』以来の愛読者で音楽の本や最新刊の『真夏の甲子園はいらない』(岩波書店)まで読んでくれている編集者だったので嬉しくなってイロイロいっぱい楽しく野球の話ができて満足。取材を受けた後TBS『報道特集』を見ながら晩メシ&ビール。続けて吉右衛門の幡随院長兵衛で『鈴ヶ森』を楽しみながら酒。楽しい会話のあとブラジルに勝って男子がフランスを撃破ブラジルに勝って男子がフランスを撃破!!素晴らしいけどパリ五輪に残しておくべきだったのでは?そこまでの余裕はないのかな?
6月23日(日)
ベッドのなかの読書は辻惟雄『奇想の江戸挿絵』(集英社新書ヴィジュアル版)。2週間ほど前のNHK『日曜美術館』を見ていてこの人の書いたものは面白そうと思って手に入れた本は期待を裏切らない強烈な面白さ!!現代の漫画や劇画のルーツは曲亭馬琴・山東京伝・柳亭種彦・式亭三馬らの物語と葛飾北斎・歌川豊国・岩佐又兵衛らの挿絵による黄表紙や読本にあるんおですね。血潮が飛びまくり生首も飛びピアズリーのサロメの首と争う迫力はスゴイですね。ワン。ベッドを出て雨が小降りになったところを狙って黒兵衛と散歩。歩きだすと雨が止む。昔は晴れ男とよく言われていた小生は最近は雨に降られることが多かったけど今日は久々の晴れ男復活かな。ワン。日経読書欄「今を読み解く」の執筆準備のため為末大『ぼくたちには「体育」がこう見える』(大修館書店)山本敦久・編『アスリートたちが変えるスポーツの身体と未来』(岩波書店)伊藤守『東京オリンピックはどう観られたか』(ミネルヴァ書房)『世界思想第51号特集スポーツ』(世界思想社)の重要な部分(以前傍線を引いたところ)を再読&再チェック&メモ作りを始める。結構時間がかかりますね。ベッドのなかの『奇想の江戸挿絵』の読書も一時停止かな。晩メシ&酒はニュースや『ダーウィンが来た!』の砂漠のキリンやNHKスペシャル「性欲とヴァーチャルセックス」を見ながら。最近はオナニーのことをセルフ・プレジャーと呼ぶのですね。それがAIとのヴァーチャル・プレジャーになるとリアルな勃起不全になる男性が増加するのですね。コレが未来社会ですかね。「報道番組化した娯楽番組」でNHK党の面々が都知事選のポスターの掲示板をジャックしたことを騒いでる。確かに阿呆かと言いたくなる事件だが総理官邸で大臣就任ごっこをした連中やパーティ収入をアヤフヤのまま政治活動費の領収書を頑なに即刻公開しようとしない代議士たちと較べてどっちが阿呆さ加減が劣悪かの判断は難しいですね。
6月23日(日)つづき
昨日の昼飯時はもちろん沖縄の平和の式典(全戦没者追悼式)を見ましたけど知事の平和宣言や高校生の平和の詩「これから」に較べて岸田首相の字を読むだけの挨拶は虚しかったですね。
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『ターミナル』 スピルバーグの宇宙もの以外では、これが一番好きです
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6月24日(月)
ベッドのなかで山本敦久・編著『アスリートたちが変えるスポーツと身体と未来・セクシュアリティ・技術・社会』(岩波書店)読み直す。今マスメディアでスポーツに対してコメントしている人物やスポーツの原稿を書いている人たちのいったい何%がこの名著を読んでいるのだろうかと一瞬考えてしまう。スポーツの世界の最先端の思考に関する書籍にはジャーナリストは絶対に目を通すべきですね。あ。コメンテイターや記者はジャーナリストじゃないのか。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。梅雨がないのかと疑うとあっという間に猛暑。小生の熱中症対策はヤクルトと72%カカオのチョコレートくらいですがマァ気をつけましょう。ワン。終日日経読書欄関連の仕事。途中昼飯時にテレビで『E.T.』をやっていたので少し見てしまう。もう何度も見て子供に見せて孫に見せて数え切れないくらい見たから最後まで見る必要はないですがこの映画はスピルバーグの作品の中では最優秀作品ですね。他にイイのは『激突!』『未知との遭遇』『ターミナル』かな。あ。『E.T.』を「愛犬物語の犬を宇宙人にしただけ」と看破したのは澁澤龍彦さんでしたね。愛犬物語は両親に内緒で捨て犬を隠れて飼うんですよね。八岐大蛇を宇宙版にしたらキングギドラですね。物語のネタは限られてるんですね。一日中本を読んだあとは吉本新喜劇見ながら晩メシ。TVタレントを別にすれば最近のヨシモトは脇悪までレベルが高いですね。
6月25日(火)
ベッドのなかで為末大『ぼくたちには「体育」がこう見える』(大修館書店)傍線部分再読。1964年の東京五輪から2020東京オリパラへの進化は「体育からスポーツへ」の変化だったというのは小生も唱えていた重要なポイント。それに対して為末さんは「(学校の)体育教育」を考え直そうと「体育の逆襲」を試みる。そのため体育教師たちとの討論だけでなく美学者・数学者・遺伝学者・教育学者・システム工学研究者…たちに「体育=身体から得られる学び(教育)」について訊きまくる。素晴らしくオモシロイ視点ですね。「できないからダメ」ではなく「できないから面白い」への意識改革。こういう考えは本当に素晴らしい。全国の体育の先生に読んでもらいたい一冊ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。蒸し暑い。汗がダラダラ。こーゆー季節の時もあると諦めるほかないですね。我が家の虎太郎は家の床の冷たい箇所を求めて階段に寝そべっている。黒兵衛は散歩から息を切らせて帰ると玄関の小さな土間にへたり込む。俺はシャワーへ一目散。仕事さえなければ何も問題はないのだけれど日経書評の仕事のために猛暑のなかでも仕事をせねば。マァ楽しい仕事だからイイのですけどね。晩飯時は終末の町内でオペラを楽しむ会のためにピーター・セラーズ演出のオペラを楽しみながら。覚醒剤中毒の黒人が腕にヒロポンを打ちながら「シャンパンの歌」を歌うモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』はは初めてオペラを見る人には少々過激すぎるかな?ドナルド・トランプを主役(伯爵)にしたトランプ・タワーが舞台の『フィガロの結婚』の過激さなら大丈夫かな?…なんて思いながらオペラを選ぶ仕事は楽しいですね。暑さも吹っ飛びますね。
6月26日(水)
ベッドのなかで為末大『ぼくたちには「体育」がこう見える』(大修館書店)再完読したあとベッドを出て黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマとして為末大さんの本を推薦。副題にあるように『「体育」は学びの宝庫である』というのは事実ですね。どれだけ「VR(ヴァーチャル・リアリティ)」や「アバター」が進歩しても人間の誰にも備わっている「からだ」だけは「リアル」として残るのですからね。その「からだ」を使った「学び(教育)」は素晴らしいものが考えられて為末さんはそれを様々な分野の専門家の先生方と探っているわけですが…ラジオでは話せなかったけれど過去には帝国陸軍が「体育」を「軍事教練」として利用したことも事実でそーゆー「間違った体育」が存在しやすいことも注意したですね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。「春過ぎて夏来にけらし黒犬の背中の熱ははホカロンの如し」黒兵衛にとってはチョイと可哀想な季節ですね。ワン。シャワーのあと終日デスクワークは日経の読書面「今を読み解く」の執筆に取りかかる。締め切りはまだ2日後という余裕は原稿執筆の敵ですね。晩メシはNHK『解体キングダム』を見ながら。百年近く前に建設された静岡県清水市にある木造カトリック教会の解体移築。この番組で解体作業に取り組む解体建設業の人々の姿を見るといつも自分の仕事が恥ずかしくないよう頑張らねばと思いますね。政治家の皆さんにも見せたい番組ですね。
6月27日(木)
ベッドのなかの読書は筑摩書房の月刊『ちくま』7月号。蓮實重彦氏の不定期連載「些事にこだわり20」の「日本国憲法という醜い日本語のテクストはどうしても好きになれないがそれでも憲法違反は憲法違反としてあくまで追究されねばならぬと思っている」と題したエッセイを読んでニヤニヤ笑ってしまった。この日本国憲法批判と憲法記念日批判はまるでかつての人生幸朗師匠が鋭く世間の「常識」を批判していたのと同様の見事な「芸風」で「9条の会」を支持している小生も布団のなかで快哉を叫んでしまった。なるほど日本国憲法に書かれている《平和を維持し専制と隷従圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会》など《現実に目にしたこともない》ですからね。蓮實氏は《わたくしが知ってる「国際社会」なるものは朝鮮戦争からヴェトナム戦争そして近くはロシアのウクライナ侵攻さらにはガザ地区への攻撃等々血なまぐさいことばかり》その通り!ここで「責任者出てこーい!」と続けば人生幸朗師匠ですね。お見事!ベッドを出て黒兵衛と散歩。『ちくま7月号』に書かれていた『沖縄戦記の「原点」は語る』と題した吉川由紀氏の短文(本の紹介)はショックでした。沖縄戦では赤ん坊の泣き声で米兵に見つかるから《日本刀や銃剣を突き付けて壕の近くにあった池に「子供を抛り込め」と脅され親たちは仕方なく子供たちを池に抛り込んだ。這い上がろうとする子供は頭を押さえつけて溺死させた》これが「沖縄戦」の実相で《軍隊は住民を守らない》のだ。そんな引用文で紹介された沖縄タイムス編『沖縄戦記 鉄の暴風』(ちくま学芸文庫)を買って読まねば。ワン。デスクワークは日経『今を読み解く』の執筆に取りかかる。何とか纏まったかな…。
6月27日(木)つづき
晩メシは『魔改造の夜』を面白く見ながら。小さなワニの水鉄砲3個を「魔改造」して1個に付き10ccの水を飛ばして8m先にある大きなバースデーケーキに立てられた10本の蝋燭を消すというゲーム。3組のエンジニア集団が挑戦。結果はマブチモーターチームが勝ったようだけどコレれは『解体キングダム』『探検ファクトリー』と並ぶ最近のNHKのヒット番組ですね…と思うのは小生だけかな?
6月28日(金)
ベッドのなかで辻惟雄『奇想の江戸挿絵』(集英社新書ヴィジュアル版)読了。やっぱり妖怪も幽霊も怪物も大爆発も北斎が大活躍ですね。葛飾北斎*南方熊楠*ピカソに共通の溢れ出る強烈なエネルギーの源泉は何なんでしょうね?ワン。ベッドを出てメッチャ土砂降りのなか黒兵衛と散歩。ルーティンもここまで守れば犬でも恩義を感じるかな?ワン。デスクワークは日経読書面「今を読み解く」を完成させてメール送稿。編集部がどう改めるか知らないけど「五輪で身体とスポーツが示す未来」というタイトルをつけてみました。そのあとイロイロ準備して夕方は『ニューズ・オプエド』今日のゲストは大リーグ評論家の福島良一さんとスポーツライターの小崎仁久さん。アメリカでニグロリーグを讃えるメジャーのイベントを見てきた福島さんから写真をいろいろ見せてもらって解説してもらう。これまで数多くのメジャー野球を見てこられた福島さんにとっても最高に素晴らしい感動的なイベントだったと興奮気味に1週間前のアリゾナ州バーミンガムでの出来事を振り返っていただきました。小生もNHKの実況を見たけど美しいアメリカ最古の球場に集まった元ニグロ(黒人)リーグの選手たちへのオマージュのイベントは本当の素晴らしかったようです。ただ福島さんの解説で驚いたのはニグロリーグのチームが1927年と32年にルー・ゲーリッグやベーブ・ルースなどの来日(31・34年)に先駆けて来日して日本の学生チームなどと試合をしていたこと。池井優氏の名著『白球太平洋を渡る 日米野球交流史』(中公新書)の年表にも記されてない。こういう歴史をキチンと残さない(残せない?)のがアメリカのベースボール文化の奥行きの深さに較べて日本の野球文化の浅薄さと言えるんでしょうね。番組を終えて今日は『チコちゃん』がないので陸上日本選手権を見ながら晩メシ。けっこう日本の陸上競技のレベルも上がってるのにイマイチ観客オ少なく盛り上がらないのは何故かな?金儲け…という言葉が下品なら資金集めが下手なのかな?
6月29日(土)
ベッドのなかの読書は宮下規久朗『美術の力』(光文社新書)。第2章「日本美術の粋」から読み始める。歌麿の春画も月岡芳年もスゴイですね。ワン。ベッドを出て雨が弱まったところで黒兵衛と散歩。線状降水帯の影響はあまりなかったようで昔「晴れ男」と呼ばれた小生のパワーもまだ少し残ってるかな(^0^;)ワン。終日明日の町内会の「オペラの会」の準備。なんだか普通の講演会より近所の寄り合いで話すほうが緊張しますね。これはたぶんイイことですね。ホームページの原稿更新もやって早めの晩メシはTBS『報道特集』を見ながら。関西万博会場がメタンガス爆発を起こさないことを祈りたいですね。
6月30日(日)
ベッドのなかで『美術の力』第2ー3章「日本美術の粋」「知られざる日本近代美術」読了。第二次大戦中の「戦争画」に対する解説が興味深かった。《軍部の圧力で描くのを強制されたとか戦意高揚のプロパガンダであったというイデオロギー的な観点から戦争画を批判するのはたやすいがそれらは日本で美術がはじめて公共性を獲得した記念碑であり日本の近代美術の到達点といってよい》なるほど。また日本の美術教育に対する意見にも納得。《現在の美術教育において模写はほとんどなされないが書道と同じく手本から入らなければ技術も習得できず自分の様式も確立できない》確かに!!創作の基本は模倣ですよね。小生の文章の手本は恐れ多いけど漱石・潤一郎・康隆です。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「日本美術の粋」を読んで河鍋曉斎のファンになりました。美術も音楽も大切なのは技術ですからね。「ハートで歌うという歌手がいる。それは技術がないからだ」と言ったのは誰だったかな?服部良一?違うなぁ。ワン。散歩のあと少し休んでゴゴイチから「ほっとCafe玉縄台」でヨメハンと一緒に近所の自治会館へ行って「みんなでオペラ♪を楽しみましょう」の講師を務める。簡単なオペラの発生や歴史を説明してデル・モナコやティト・ゴッビやマリア・カラスの歌声を紹介。ダリオ・フォーやピーター・セラーズやフランコ・ゼッフィレッリの演出や八千草薫主演のクライバーの指揮クライバーの指揮なども紹介していろいろ解説。予定した半分くらいしか紹介できなかったけど東京から駆けつけてくれた長田渚左さんも約50人の町内の参加者の皆さんも満足してくださったようで「第2回オペラを見る会」をやることも決めていただいた。地元の会は楽しいですね。御礼に町内会から美味しいチリ・ワインを1本いただいて帰宅して呑みながら晩メシは紹介できなかったパヴァロッティを見聴きしながら晩メシ。チョイと疲れたけど非常に楽しく充実した日曜日となりました。
5月31日(金)
熊楠『十二支考』の「辰」読み進む。そうか。龍は蛇と鳥の間で想像された架空の生きものだから足の本数が4本だったり2本だったりなかったりするのですね。熊楠大先生の膨大な知識に引っ張られていろんな龍が山ほど出てくる。オマケに《我が邦で得た二足の蛇の図も全くの嘘蛇(うそじゃ)ないらしい》なんてダジャレも飛び出す。マイッタ。何の役にも立たない知識の山というのは楽しいモノですなぁ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と小止みの間隙を突いて雨のなか散歩。颱風の影響はさほどでもなく雨も風も大したことない。この程度がかつての晴れ男の現在の力量か。トホホ。ワン。『Up and Coming』の校正をしたり請求書を書いたり『ニューズ・オプエド』の準備をしたり。今日のゲストは荒井太郎さんと十枝慶二さんの2人の相撲ジャーナリストを迎えて「大の里の優勝で大相撲の迎える地殻変動と世代交代はどうなるか?」というテーマで大相撲のことをイロイロ話してもらう。テニスの全仏オープンで観客のヤジが酷すぎて観客席での飲酒が禁止となったらしいが大相撲見物での飲酒は常識。でもヤジはそれほど酷くないのは大相撲の長い歴史のおかげ?なんて話もオモシロかった。大の里は年内大関昇進もあるうえ近い将来横綱で琴桜や平戸海や尊富士…それに阿武剋などが群雄割拠の大相撲界のカオスをコスモスに整えてゆく…ということで相撲話の楽しい1時間でした。オプエドのあとは『チコちゃん』見ながら晩メシ。大相撲は新ヒーロー中心に新しい建設的な時代が始まりそうだけど政治の世界は最悪のままですね。税金ばかり沢山獲って自分のことしか考えない政治家ばかりで滅び行く日本を救う政治家は現れなさそうですね。嗚呼。ならばせめて最低の変化としての政権交代はどうなる?
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