ナンヤラカンヤラ
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CD
『ニューイヤー・コンサート2021』
『ニューイヤー・コンサート2021』
ムーティも歳取って巨匠になると遅いテンポ で堂々たるワルツを奏でますね

1月1日(金)元旦
あけましておめでとうございます。今年も年賀状は失礼させていただきます。賀状は抜きですが今年も仕事に頑張ります。皆様方のご健勝をお祈りします。コロナよなくなれ!と言いたいですけど日本の政治の堕落よなくなれ!オリンピックよマトモになれ!(IOCと日本政府と東京都と組織委は無理はするな!)のほうが小生の本音ですね。4519人という数字も脅威ですが真夏の南アフリカで感染者が増えてるのは衝撃ですね。

1月1日(金)元旦つづき
大晦日のベランダ掃除で腰が痛い。とほほ。身体の衰えは顕著ですね。しゃーないな。頭は衰えてませんけどね。(^o^)黒兵衛と散歩。静かな元日。変わらぬ日常。これでいいのだ。午後から『鮨処もり山』さんがお節を持ってきて下さる。新年の挨拶。毎年の恒例。午後からチビチビと酒を呑む。正月の日常。夕方になって長女と長男が来訪。夕方から酒盛り。次女と孫たちはリモートで新年の挨拶。ビール呑んでワイン飲んで酒呑んでお節食って寿司食って鯛の塩焼き食ってテレビで無観客のニューイヤー・コンサート。リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー。イタリア人指揮者も歳を取ると軽快なワルツやポルカも遅いテンポで堂々たる音楽になりますね。去年東京五輪の取材で日本を訪れていて長女と仲良くなったオーストリアのTVクルーの男の家族にリモートで新年の挨拶。Prosit Neujahr!(新年に乾杯!)呑みまくり食べまくり新年初日は終了。

1月2日(土)
朝ベッドのなかで『ピンチランナー調書』読破。結局冒頭に出てきた「ピンチランナー(代走)体験」が「幻の書き手(ゴーストライター)」と重なって「神話が紡がれる」というわけか…しかしこんな難解でカタルシス(浄化作用)のない小説を現代の誰が読むのかな?と思ってしまいますね。ワン。ベッドから出て長女と長男とヨメハンと一緒に黒兵衛の散歩のあと京風白味噌のお雑煮wth酒。コロナ禍は酒雑煮のみ正月気分。字余り。箱根駅伝の沿道はけっこう密ですね。五輪までにコロナはどうなるのかな?スポーツライターの小林信也さんからメールで新春の挨拶と明後日の『ニューズ・オプエド』用の「2020年スポーツ界五大ニューズ」が送られてくる。ま。正月とはいえ仕事するのがいちばんですね。中味は月曜6〜7時の『ニューズ・オプエド』を見てください。夕方からはオペラや映画のDVDを見ながら長女や長男の仕事の話で盛りあがって酒盛り。酒も仕事も家族も疲れるもんですねぇ。

BOOK
大江健三郎『万延元年のフットボール』
大江健三郎『万延元年のフットボール』
講談社学芸文庫/ノーベル賞作家の代表作。フットボール=暴動=一揆=念仏踊り…なんですね
DVD
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
『ナチュラル・ボーン・キラーズ』
オリヴァ・ストーン監督の「問題作」マスコミ利用犯罪は一つの時代を銀幕に遺しましたね

1月3日(日)
朝ベッドのなかで『万延元年のフットボール』読み始める。昔読んだのは高校生の時。半世紀前か…こんな難しい本をよく読んでましたね。「時代」の影響かな。もっとも『個人的体験』には感激した記憶があるけど『万延…』はサッパリ理解できなかった。フットボールに「暴動」の意味があることも知らなかったですからね。今読むとどんな気持ちになるのかな?それにしても読みづらい小説じゃ。トホホ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。まだ世の中は静かま正月気分。まだ三が日ですからね。仕事始めは明日からにして長男が持ってきたDD『ジョーカー』を見る。3年前にアカデミー賞やイロイロな映画賞を騒がせた作品。確かに主演男優賞を受賞したホアキン・フェニックスの演技は面白いものがあったけど所詮はアメコミAmerican Comicかな。マーティン・スコセッシの『タクシー・ドライバー』やオリヴァ・ストーンの『ナチュラル・ボーン・キラーズ』とは較べられない娯楽サスペンス・ホラー映画ですね。メイキングを見たら監督のトッド・フィリップスもはっきりと「社会問題を扱った映画ではない。一人の人間を描いた」と言ってますからね。「本当の悪は笑顔のなかにある」という惹句もいかにも広告コピーでハンナ・アーレントがユダヤ人大虐殺の首謀者アイヒマンやナチズムについて語った「世界最大の悪は凡庸な人間が行う悪です」とか「ナチは私たち自身と同じ人間である」といった言葉と広告コピーを一緒に考えてはいけないのでしょうけど…最近は広告屋さんの言葉のほうが幅を効かせてますから注意!注意!これもまた「時代」ですかね。メシ&サケ&フロのあとサケ呑みながらNHK-BSの縄文・弥生・古墳時代のイロイロ討論会を見る。オモシロかった。縄文土器は火炎ではなく春の息吹…弥生は米作りだけでなくインターナショナルな交流や貿易も…前方後円墳は権力交代の見える化構造…ナルホド。寝よ。

BOOK
筒井康隆『最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1』新潮文庫
筒井康隆『最後の喫煙者 自選ドタバタ傑作集1』新潮文庫
「万延元年のラグビー]はやっぱりフットボールよりオモシロイですねオオエさん!

1月4日(月)
『万延元年のフットボール』が何故読み辛いかというと風景が浮かびにくいのですね。四国の森に囲まれた谷間の村を小生は昔訪れた両親の田舎の剣山の麓を思い浮かべてますが…筒井康隆『万延元年のラグビー』のほうが読みやすいしオモロイ。当たり前か。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと仕事始め。午前中にアメリカのスポーツとヨーロッパの球戯の違い(ゲーム中に休みが多い=人間ドラマを楽しむのがアメリカの型の球戯で純粋にスポーツを楽しむのがヨーロッパ型の球戯)をまとめ直して(だから星飛雄馬の目が燃えたりするのですね)午後から「Weeklyスポーティ批評』のYuTube収録。少し休んで夕方から『ニューズ・オプエド』リモート・アンカー出演。今日のゲストは小林信也さん。2020年のスポーツ界五大事件を選んでいただいたらナカナカ面白い選び方をしてくださったので紹介します。「起こらなかったことの五大ニューズD田澤・新庄のNPB復帰C大相撲・部屋制度見直しなどの抜本的改革論議BJOCおよびアスリート委員会が呼びかける「東京五輪国民会議」A「春夏の甲子園中止」「交流戦実施」で今年からの全国大会見直し議論@プロ野球・Jリーグ・体操国際大会等・有観客実施で大クラスター発生…あくまでも「起こらなかったこと」(起きてほしかったこと&起こらなくて良かったこと)ですね。&「裏があまり語られなかった五大ニューズ」Dプロ野球・セパ実力格差問題Cマラソン・シューズ「厚底」旋風B大坂なおみ・全米オープン2度目の優勝・BLMへのメッセージが波紋AJOC山下泰裕会長がIOC委員に・事前に謎の怪文書が出回る@東京五輪「突如」延期発表・直後に「1年後」開催決める…これらの問題をイロイロ語りました。ちなみに小生の選んだ「五大ニューズ」は12月21日付の本欄に書いてあります。『オプエド』のあとメシ&フロ&大江健三郎のつづきを読むためにベッドへ…。

1月5日(火)
60年安保も知らずフットボールがかつて暴動(mob football,mad football)と呼ばれていたことも知らない人が『万延元年のフットボール』を読んでもオモシロイのかな?ワカルのかな?…と首を傾げながら読み進む。フットボール=一揆=念仏踊り=戦後の混乱=60年安保…ワン。頭のなかがボンヤリしてベッドから出て黒兵衛と散歩。出発点は「スポーツと文芸」…チョット深入りしすぎたかな?ワン。終日デスクワーク。二階自民党幹事長が東京五輪について「自民党として開催促進の決議をしても良いぐらいに思っている」コロナが「どのような感染状況」になれば「どのような東京大会」を「どのように開催できる」のか?それを語らずコノ発言は甚だ無責任。GoToTravelやGoToEatと同じようにGoToOlympicを考えてるのでしょうか?「開催できるように努力するのは当然のこと」というのはいいとしても「国民の健康にもつながり」というのはわからない。五輪を開催するとことが何故&どのように「国民の健康」につながるのか聞きたいですね。「開催しないお考え聞いてみたい」とも言ったらしいが小生がアンカーをしている『ニューズ・オプエド』でも「開催しない考え」は何度も報じている(室内競技を半年延期して冬季五輪と同時開催にする等・開催する方法論も報じています)。マスコミも世論調査等で「開催しない考え」は報じている。無知・無論理・無責任。これほど無茶苦茶な発言を平気で口にする政治家が権力を握っている日本という国はどうなってしまうのでしょうか?おまけに記者会見に出てきた自民党員はマスクをしているとは言えメッチャ「密」!!記者たちもせめて開催可能は無観客が前提か?予選やテスト大会は行わなくてもいいのか?くらいの質問をしてほしかったですね。二階氏も自民党の先生方も記者さんも現在本HPにアップしている『蔵出しスポーツ・今こそ直視を!オリンピックの抱える根本問題』を読んでください。

1月6日(水)
『万延元年のフットボール』読了。激しい暴動と無惨な自殺者のあとに大団円?これでいいのかなぁ?60年安保の総括?蔵屋敷の持ち主の子孫にして可能な結末?一種の救いではあるけど今の若い人が読むかなぁ?ノーベル文学賞か…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。コロナ感染者6千人を超えて…いったい何人に下がったらオリンピックが開けると思ってるのでしょうか?ニカイさんに訊いてみたいですね。ナンカイ訊いても答えてくれないかな?いや答えられないかな?ワン。終日『Forbes Japan』ネット原稿書き。東京オリンピックを開催するなら…がテーマ。今さらIOCの権限を国連のユネスコに移せ!とも言えないし…せめてIOCのバッハ会長や役員なども全員選手村に入って日本の組織委関係者や世界のアスリートたちとスポーツを通じた世界平和について語り合ってほしいですね。少なくとも高級ホテルのスイートルームに泊まるのは止めて選手村で寝起きしてほしいですね。各国首脳も選手村に泊まればオリンピックの理念が初めて実現するかも…。そこまでは書かなかったけどIOCの過去の「失敗」(人種差別主義者やナチズム・ファシズムの支持者がIOCの会長を務めたこと)を反省してせめてIOCと組織関係者は選手村には言ってほしいですね。夕方までに原稿を仕上げて送稿。サケ&メシ&フロ&ネル。『万延元年のフットボール』をベッドでパラパラと要所要所を読み返す。半世紀前のノーベル賞作家の作品は今では古典?しかし漱石鴎外康成潤一郎のほうが読みやすい判りやすいというのはどーゆーこっちゃ?

BOOK
岩田義一『偉大な数学者たち』ちくま学芸文庫
岩田義一『偉大な数学者たち』ちくま学芸文庫
アルキメデス、ピタゴラスからニュートン、ガロアまで,数学の面白さを教えてくれます
DVD
『八十日間世界一周』
『八十日間世界一周』
昔見たなあ…最初の月旅行は面白いけどリズムがちょっとかったるい。80日間で世界一周ですからね。ゆっくりですね

1月7日(木)
七草粥の日。ベッドのなかでの読書は年末年始大江健三郎に疲れたので『世界の数学者』を楽しむ。アルキメデスやピュタゴラスからガリレオ&ケプラー&デカルトなど…趣味としての数学は楽しいですね(^^;)ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと今日もデスクワーク。緊急事態宣言だか何だか知らないけどオリンピックという言葉がコロナ終息作戦と同時に出て来ないのは何故?コロナを終息できずにオリンピックは可能と考えてるのかな?と思ったら『みやねや』に出演されていた感染医の岩田健太郎さんが「今終息を目指さないとオリンピックができませんよ」といったメッセージを口にされた。当然ですよね。しかし菅総理は記者会見で五輪に積極的には触れず。開催できる根拠も示さず。3月からの聖火リレーはどうなるのでしょう?しかしそれ以上に記者の皆さんもっと厳しく質問してください。遠慮しすぎですよ。この大事な記者会見中にニヤニヤ笑う総理には唖然。記者は怒りをぶつけてもいいはず。こんな宣言で…こんな会見で…オリンピックができると思ってるのですか?くらい訊いてほしいですね。しかしさらに唖然といたのはワシントンの議会に雪崩れ込んだトランプ支持の白人の群衆。死者まで出た暴動を煽った可能性がある大統領があと2週間弱のあいだ「核のボタン」を握っているというのは恐ろしいですね。トランプ大統領は何をしたいのか?ただ堕ちるところまで堕ちたアメリカはいずれ復活するかもしれないけど堕ちるところまで落ちてるのに堕ちたと自覚していない日本の政治はどうなるのでしょうねえ?昼間NHK-BSでやっていた『八十日間世界一周』を久し振りに見たけど(半世紀ぶりかな?)アメリカのニューズが気になって冒頭を少し見ただけでBSフジのプライム・ニューズへ。トランプはあと2週間で何をするのか?日本の政府と組織委員会は本当にこのまま五輪を開催できると思っているのか?未来を創ろうとする「言葉」がどこにもない世界は虚しいですね。

1月7日(木)つづき
このブログというのか日記というのか…は翌朝書いてるモンだからしばしば書き忘れたりする。昨日(木)は朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』にZOOM出演していたのだった。テーマはカナダのIOC委員ディック・パウンド氏の東京五輪開催危機発言について。いつでもIOCはこの古参委員に観測気球を上げさせるんですね。あんたに言われいでも五輪開催が危ういことくらい誰にでもわかることですよ。問題はどのように中止するのか?どんな形なら開催できるのか?を考えることですよね。しかしとにかく開催する方向しか口にしない森組織委会長にも困ったものですけど何時までに結論を出すかを明言しないIOCにも困ったものですね。いっそのこと貴族集団のIOCを解体して国連ユネスコの管理下に置くことを真剣に話し合い始めるべきでは…?

1月8日(金)
ベッドの中で読む『偉大な数学者たち』(ちくま学芸文庫)がメッチャ面白い。こんなに面白いとは思わなかった。円を転がしたときに円周の1点が描く軌跡(サイクロイド)はパスカルが虫歯の痛さに眠られぬ夜に転がって痛みを堪えたときに考えついた…って笑いますね。リンゴが木から落ちたことからニュートンが万有引力の存在を発見したというのはヴォルテールがニュートンの姪や親友から訊いて世界に広めた…らしい。マジな数学の話のなかにそんな話題が満載。《フリードリヒ2世はフリードリヒ(平和)という名前お持ちながら戦争の名人》で《笛を吹き詩を作ることを愛した文化人でありながら外国に対してはどんな卑劣なこともできる人》とう記述やフランス革命の《人権宣言とメートル法の決定が同じ頃になされたのは印象深い》といった記述にはドキッとさせられる。筆者の岩田義一氏は1916年生まれで2000年に亡くなっているが本書は著者34歳のときの執筆と紹介されているから1950年に書かれたものか。前々古くなってませんねえ。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと今日のデスクワークは日経新連載の「ベースボール十選」の構成を固める。よしっ!戦前の大阪タイガースのダイナミックなバッターのポスターも現役時代の長嶋茂雄さんがヘルメットを飛ばしてる空振り写真も使うぞー。来週執筆で掲載は2月。まぁボチボチやりまひょ。金曜の夜の『チコちゃん』と逢えないとさびしいなぁ。欧州の各国首脳はトランプ大統領を非難する声明を出したりしてるのにいちばん仲の良かった安倍元首相は何も言わないのかな?所詮は金儲けだけの付き合いだったから?…というのも淋しいですね。今の日本は全部ソレですね。コロナ対応も五輪開催もすべてカネのため…経済のため…とは言っても経世済民のためではないのですよね。

1月9日(土)
『偉大な数学者たち』でガウスが如何に大天才であったかよくわかったが彼の整数論は小生には意味不明。理解不能。文化系の限界ですね。とほほ。しかしこの本は面白い。「守り神」のことをギリシア語では「ダイモンδα?μων」ラテン語では「ゲニウスgenus」。なるほど「天才genius」とはソクラテスも導いた「守り神」に守られて偉大な仕事に導かれる人のことなんですね。ナルホド。ベッドから出て黒兵衛と散歩。コロナで緊急事態宣言発出ならそろそろフリーランスにも2度目の持続化給付金を配ってくれないものですかねえ。でないと…そろそろ…小生も含めて…限界だと言う人も多いですね。ワン。国会も開かずに高額給料を濡れ手で粟にしている議員さん連中の頭には浮かばない発想なんでしょうかねえ。ワン。終日デスクワーク。某週刊誌から東京オリパラ開催の可能性を尋ねる電話。現状では無観客開催以外に手はないでしょうけど東京都首都圏での新規感染者が何人以下になれば東京の医療従事者(予定では熱中症対策だけで5千人以上必要)をオリンピック会場や選手村にどれくらい割けるのか?そのことをガースー総理やリーモー組織委会長はミーオー分科会会長に訊いてるのでしょうか?コロナとトランプのニューズばかり見てしまって映画を観る気になれず。最近メディアは東京オリンピックを開催すべきか否かという世論調査をしてないのは何故かな?一昨日ZOOM出演したRKB毎日放送『インサイト』では開催中止と再延期の声が6割を超えていたそうです。

1月10日(日)
アーベルなんて数学者がいたことを知らなかった。『偉大な数学者たち』の著者の岩田義一氏はハウスやガロアよりもページ数を大きく割いてこの天才を紹介してますね。ノルウェー出身でフランスやドイツの出身者から差別されて不遇だったこともあって情が移ったのかな。ちなみにネットでアーベルの楕円関数の加法定理を調べてみたけどサッパリパーのパープリンでした。世の中にここまでワケのわからないものをスゴイ!と評価する人がいるのは凄いことですね。同級生だったMクンはわかったのでしょうね。我が家を訪れた30年ほど前に風呂に入ってると思ったら真っ裸で洗面所の鏡に向かって石鹸で積分記号や微分記号を書いていた人物でビックリして「何やってんねん?」と声をかけたら「あ。チョット思いついたことが止まらなくなって」と言われた。2年ほど前に数学者の秋山仁先生がスポーツの話をされるというので講義を聞いたあとのパーティでMクンを御存知ですか?と訊いたら「えっ!あのMさんと同級生ですか?それはスゴイですねえ」と言われてしまった。そう言えばMクンは中学生の時にメッチャ部厚い英語の本を読んでたので「スゴイ英語の本やねえ」と話しかけると「あ。これは英語の本じゃなくて数学の本です」と言われた。その後京大理学部に数学満点で入学してアメリカの大学に出たあと友達5人で新宿のバーで帰国歓迎パーティを開いたら目の前にルービックキューブがあって「これが今流行のゲームか」とかナントカ言ってあっという間に6面を揃えてしまった。天才は違いますね。フォールズ賞はとれなかったけど日本の数学の賞はみんなとったらしい。去年の飲み会は急用で参加できなかったけど今年はコロナでできそうにないし…アーベルのこと訊きたかったなあ…。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと近所の諏訪神社まで歩いて門松を処理。この神社は久し振りで鄙びた感じだけどけっこう雰囲気があります。チョイ仕事して午後からは大相撲。16人もコロナで休場。こういうときこそ応援したいですね。うわっ。貴景勝は初日から土か。

1月11日(月)
岩田義一『偉大な数学者たち』(ちくま学芸文庫)読了。これは凄い本でした。《数学上のすぐれた発見は知恵ある人類が存在する限り存続する(略)形を持つ芸術品は形あるために亡びよう。一つの言葉を美しく結晶させた詩とて外の国に移ればそれほど美しくはあり得ないだろう。数学の真理はいかなる言葉で書かれていようとけっして美しさを減じない。数学は無限なるものへの人間の憧れであるという人もいる。もしそうなら無限の生命を持ってもそんなに不思議ではないかもしれない》アルキメデスからガロアまでの講義。堪能しました。ひょっとして数学と比肩できるのは音楽かな?ベッドから出て黒兵衛と散歩。終日デスクワークは日経新連載の構成を考えたりしているところへ東京五輪の情報の電話がかかる。チョイ怪しいので内容は書きませんがイロイロ動きはあるようですね。アヒルの水かき?しかし前へは進んでないようです。悪い情報ばかり入ってくるけど裏がとれませんからねえ。しかし信憑性の高い情報もあって現場は疲れてるようですね。まぁコロナの実情でやれるかどうかわからないものには力は出ませんよね。この「現場の疲弊」の責任はIOCと日本政府と組織委トップでしょうね。うわっ。貴景勝2敗目かあ。チョット勢いがないなあ。

BOOK
木田元、須田朗『基礎講座哲学』ちくま学芸文庫
木田元、須田朗『基礎講座哲学』ちくま学芸文庫
これは本当に勉強になるいい本です

1月12日(火)
木田元/須田朗『基礎講座哲学』(ちくま学芸文庫)読み始める。なるほど。ソクラテスはソフィスト(知識人)に対して「無知の知」を唱えて「愛知者」=「無知者」として「フィロソフィー=知識を愛すること」を提唱したのですね。プラトンのイデア論の説明もよくわかる。近代オリンピックにはそもそもイデア(理想型・完璧型)が存在しないから各大会ごとにイデアを示さねばならないのに東京2020にはそれを打ち出せていないからいくら首相や組織委会長が「ヤル」と言っても「何をヤル」のかよくわからないのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。「犬のイデア」を従順とするなら黒兵衛は犬のイデアから程遠いなぁ…しかし程遠いほうが犬にとっては幸せかな。ワン。散歩のあと久し振りに大船駅へ。横須賀線と江ノ電を乗り継いで行きつけの病院へ。今年最初の血液検査&尿検査をして特に異常なし。担当医の先生とコロナ談義。日本人は既に集団免疫を得たとする意見も京大の先生を中心にあるらしい。首相や組織委はどの「専門家」のどんな意見に従って政策や五輪を考えているのかな?薬局に寄って薬を買って帰宅。昼間の江ノ電も横須賀線もガラガラ。当たり前か。大船駅で昼飯は立ち食い蕎麦。アクリルのパーティションで区切られたスペースで掻き揚げ蕎麦を掻き込んで帰宅。東京新聞特報部から電話。五輪開催の可能性について。記者におそらくコメントにはならない本質論を話して『現代スポーツ評論』の人種問題特集号を読むことを薦める。ブランデージ第五代IOC会長の人種差別主義者・女性差別主義者・ナチス支持の記事を読んでもらうほうがオリンピックのことがよくわかりますからね。晩飯映画劇場は…と思いながらもコロナのニューズが気になって落ち着いて映画を観る気になれず。シャーナイですね。

1月13日(水)
『基礎哲学講座』面白いけど脳味噌が掻き回される。「コギト・エルゴ・スム=私は考える・ゆえに・私は存在する」のデカルトの主観がカントにつながって客観がニュートンへと続くのか。あ。註釈に目を通したらデカルトというのはDescartesと綴るのか。知らなんだ。知らずにパスしてることが多いですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと東京新聞で斎藤美奈子さんの名文「撃ちてし止まん」を発見。東京五輪を絶対にヤルと断じ宣言してる首相や都知事や組織委会長やJOC会長らの言葉を並べて(それに自民党幹事長の言葉を加えてもいいですね)《先の戦争末期を連想させる。(略)特攻精神で五輪に突入する気だろうか。ワクチンというカミカゼ頼みの五輪大本営。原爆が落ちる前に中止を決定すべきだろう》その通りですね。あ。来週月曜の《ニューズ・オプエド》にには神戸大学病院感染症内科の岩田健太郎教授にゲスト出演していただくことが決まりました。ノンフィクション作家の木村元彦さんやスポーツライターの小林信也さんにも参加していただき東京五輪開催の条件と可能性について徹底的に話していただく予定です。興味ある人は是非とも御覧ください。終日机にへばりついて雑誌『ZAITEN』の連載原稿を書きあげる。中味は「東京五輪中止への道程はどうすればいいのか?」去年の延期が決まった最初のきっかけは1月22日武漢での五輪ボクシング・アジア・オセアニア予選が中止になったこと。その後IOCと組織委は何度も五輪開催を唱えギリシアでの採火式まで行ったけど聖火の日本への到着式をワシントンポスト紙が大批判。世界はパンデミックなのにオリンピックどころじゃないという意見が世界に渦巻き3月24日にIOCが安倍首相の1年延期要請に賛成(1年延期を言てもらった?)。この「政治介入」のおかげでIOCは憲章改訂の総会を開かずに理事会の承認だけで済ませることができたんですよね。春日良一さんに言わせると「IOCが政治を利用した」ということになるけど政治介入を認めないスポーツ平和団体がそんなことやってイイのですかねえ?そのあと安倍首相にIOCから贈呈されたオリンピック勲章金賞は御礼の印?さて今年の「中止発表」はどんな手順で誰が発することになるのか?あ。来週月曜のニューズ・オプエドは6時〜7時右のアドレスからアクセスしてください。https://op-ed.jp/

BOOK
半藤一利『昭和史残日録戦後篇』ちくま文庫
半藤一利『昭和史残日録戦後篇』ちくま文庫
戦前篇も合わせて仕事場のすぐに手に取れるところに。資料として活用してます

1月14日(木)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。東京五輪開催中止への道筋について話す。確かに「ヤル」といいながら「ヤメル」ことはできるが「ヤメル」と言いながら「ヤル」に転じることは不可能だ。しかしコロナがここまで蔓延して8割以上の人が「ヤレナイ」と思っている現在「ヤル」か「ヤラナイ」かをいつ発表するかくらいは発表するべきだろう。そして「ヤメザルヲ」得なかったあとの東京五輪の開催をどうするのかといことも発表すべきでしょうね。40年に開催予定だった東京五輪が日中戦争によって「返上」となり代わりに開催地となったヘルシンキは第二次大戦のソ連軍の侵攻のため中止となったあと64年に東京五輪が復活したこともそれくらい長い目で物事を考えることの少なくなった日本にとっては過去の参考事例として思い出したほうがイイでしょうね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。半藤一利さんが亡くなられました。多くの本も読ませていただきましたがNHKの『そのとき歴史が動いた』の終了パーティで話させていただいたことが思い出に残っている。小生の父親が日中戦争3度の応召で武昌漢口(今の武漢)から何度も分隊長として最前線へ斥候に出た話をしたら何度もいろいろ訊いてこられたので小生が訊きたかったこと(取材の手順とか原稿の執筆の仕方とか)を訊けなかったのが逆に勉強になったことを憶えてる。64年の東京五輪の翌年の「五輪不況」で日本政府が戦後初の赤字国債を発行したことを最初に知ったのも半藤さんの著作でした。尊敬できる惜しい方が亡くなりました。合掌。終日デスクワークは日経新連載『私の十選』の構成やら原稿の引用箇所のチェックやら。書き出すのは明日からで短いコラムが十本だけど頑張りましょう!と決意してとりあえずは晩飯に『鮨処もり山』へ。元旦にお節を持ってきていただいた器の返却もありますからね…と言い訳しながらヨメハンと舌鼓。

1月15日(金)
『基礎哲学講座』のカントとヘーゲルはやはり少々難解だがニーチェはオモシロイ。所詮は存在を確信できない神やイデアや精神や認識から生ずるニヒリズムを克服するのは肉体を信じて創りあげる芸術というわけですね。しかしデカルトの綴りがDescartesだということにも驚いたけどニーチェがNietzscheというのもビックリですね。カントKant ヘーゲルHegelなど名前の簡単な哲学者のほうが言うことが難解なのか?そんな阿呆な。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと愈々日経連載『美の十選』書き始める。タイトルはとりあえず『アート・オヴ・ベースボールArt of Baseball』十回分の構成のメモを創ったり引用した文章を探したり…で結局夕方までに1本しか書けず。たかが1回500字くらいの原稿なのに何度も書き直してダダ疲れ。大相撲を見てしまう。大栄翔イイですねえ。強い。照ノ富士を弾き飛ばしたからね。貴景勝はどないしたんかな?晩飯に突入して『チコちゃん』で「金縛り」の謎解きを楽しんでかた風呂。小生は幽霊に襲われたことが一度とUFOを見たことが一度ありますが金縛りの経験はありません。夜はベッドで読書に忙しいからかな…と思いながらベッドで『基礎哲学講座』の減少額と構造学。木田元氏と須田朗氏によるこの本は《看護学生を哲学的なものの考え方に導き入れようというねらいでつくられた教科書》らしいけどレベル高いなぁ。

1月16日(土)
『基礎哲学講座』はキルケゴール→ハイデガー→ヤスパース→サルトルの実存主義へ。《人間は自由の刑に処せられている》というサルトルの言葉は《実存主義とはヒューマニズムである》とともにスゴイ言葉ですね。それとは無関係ですがKierkegaardというキルケゴールのスペルも何やらスゴイですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日ウンウン唸って冷や汗を絞りながら日経《美の十選・Art of Baseball》のコラム5本仕上げる。ふううう。短い原稿は短距離走の疲れかな。イヤ何度も書き直すからピッチングマシン相手のバッティング練習の繰り返しのようなものか。心地良い球道を青空に描く打球が打てるまでバットを振る。疲れるはずですね。5時過ぎから大相撲。ちょうど大栄翔vs隆勝の一番。うわっ。大栄翔の立ち会いは怖いくらいの爆発力!スゴイ!これで自分より上の役力士を全力士倒したから全勝優勝も夢じゃない?と思えるほど強いですね。ニューヨーク・タイムズ電子版が東京五輪開催中止に追い込まれる可能性があると報じた。昨年の延期決定直前はワシントン・ポストの報道がIOCや組織委を揺るがせた。やはり感染状況が最悪のアメリカの報道が東京五輪の動向を決めるのかな?

DVD
『汚名』
『汚名』
ヒッチコックはオモシロイ!イングリッド・バーグマンは素晴らしい!

1月17日(日)
『基礎哲学講座』はカール・マルクスへ。貨幣論の解説。わかりやすいと思うのはメッチャワカリニクイ『資本論』の最初だけでも読んだ経験があるからか(^^;)ワン。ベッドから出てサッサと黒兵衛との散歩を済ませて日経《美の十選》10本の残り5本に挑戦。昼飯もカップラーメンでサッサと済ませて机にへばりついて原稿を書ききって最初に戻って10本のコラムの漢字にルビを振ったりブラッシュアップを繰り返したり…で晩飯前の午後5時に完成。最後の一行はフィリップ・ロスの引用。《野球には勝つことよりも大事なものがある》それを受けて《それは○である》サテ○のなかに私が書いた文字はなんでしょうか?…正解は…来月から掲載される日経の連載を読みください…でビールを飲みながら大相撲。大栄翔はスゴイ!輝に負けそうになった土俵際で逆転のとったりを決める。粘りのある相撲ですね。舞の海さんも言ってたけどこのまま全勝優勝に突っ走ってもらいたいしできるんじゃないかな?ニュースと『ダーウィンが来た!』の雪兎の生態を楽しんだあと風呂に入って久し振りの映画劇場はヒッチコック監督イングリッド・バーグマン&ケーリー・グラント主演『汚名 Notoriaous』。ブラジルに逃げたナチの残党の核開発計画をFBIのグラントがバーグマンと恋に落ちるなかでバーグマンをナチの一味のなかに潜り込ませて暴くミステリー。久し振りに楽しめた。ナカナカ面白かった。ヒッチコックでまだ見てない映画を発見したのは嬉しいですね。バーグマンは綺麗ですねえ。

1月18日(月)
『基礎講座哲学』はプラグマティズムから構造主義へ。レヴィ・ストロースを英語読みするとリーヴァイ・シュトラウスになるのですね。リーヴァイスはジーンズの構造を分析して脱構築して作り直したのか(^^;)ワン。黒兵衛と散歩のあと日経連載原稿「美の十選」の手直しを少ししてから送稿。一区切り。午後から『ニューズ・オプエド』の準備。ZOOMでスタッフと打ち合わせをして今日のゲスト神戸大学病院感染症内科教授・診療科長の岩田健太郎さんの著作と資料を再チェック。『サッカーと感染症』『新型コロナウイルスとの戦い方はサッカーが教えてくれる』(エクスナレッジ)も面白い(感染症のゾーニングはサッカーのゾーン・ディフェンスと同じ…等々)けど『感染症は実在しない』(集英社インターナショナル)が鋭い内容。要するにウイルスは見えないのにそれを見つけようとするよりも病気を治して病気を感染させないことが大事という認識と実践が大事だという話。なるほど。ジャーナリストの木村元彦さんとスポーツライターの小林信也さんも迎えて午後6時から本番。岩田先生に新型コロナウイルスの蔓延と東京五輪開催の可能性…などイロイロ話していただく。「With Coronaという考え方はあり得ない」「ウイルスは完全に押さえ込んでゼロの地域を創りそれを広げる以外にない」「新型コロナは風邪みたいなものという甘い考えが感染を広げる」「コロナは風邪みたいなものと思わせる詐欺師のようなウイルス」「とにかく人が集まることが最も危険」「おそらく過去のオリンピックのような巨大な催しは不可能」「オリンピックは小規模分散開催すべし」「総理の周囲には優秀な感染学の先生もいるのにどうして外科医の意見などに動かされるのか」…等々木村さんと小林さんにも訊き手になってもらって五輪の開催方法を考える。開催するなら縮小&分散以外ないですね。岩田先生ありがとうございました。出演を二つ返事で引き受けてくださったのは学生時代に小生の著書を読んでくださっていたからだとか。光栄ですので神官を送らせていただく約束をして番組終了。心地良い疲れにビール&メシ&フロ&ネル。岩田先生が出演した昨日のオプエドは現在も一部の視聴が可能です。興味のある方はどうぞ。https://op-ed.jp/

Blu-ray
『デジャヴ』
『デジャヴ』
録画ハードの残量不足で最後まで見れなかったけど見なくてもエエか

1月19日(火)
『基礎講座哲学』が実存主義→構造主義→ポスト構造主義→分析哲学へと進んだところでオモシロイ表現に出逢った。《建物が巨大化し複雑化するとその土台をしっかりしたものにする必要が生じます。そこで数学者たちはそもそも〈数〉とは何か?〈無限〉とは何か?という基本的な概念の基礎づけに論理学的方法を適用して大きな成果を収めました》ということは《巨大化し複雑化》したIOCとオリンピックは何をしなければならないかというと財政の基盤を固めるとか政治と仲良くする…なんてことではなくそもそも「スポーツとは何か?」「オリンピックとは何か?」「IOCは何をする団体なのか?」「オリンピックは世界平和に貢献してきたのか?」「スポーツは世界平和に貢献できるのか?」…といった《基本的概念》を問い直すことだろう。そこからわかるのはきっと「世界平和のためにはとにかくオリンピック競技大会を開催する必要はどこにもない」という事実だろう。GoToキャンペーンと同様「経済を回す」ためには開催したいでしょうけど世界選手権やワールドカップをすべてオリンピックに結び付けてスポーツ大会をすべて平和運動にするほうがスポーツの価値も高まってイイのでは?IOCと周辺の広告代理店は「経済が回らなくなって(権威と儲け消えてなくなり)」不満でしょうけどね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク…といっても雑務。出版社やテレビ局や編集プロダクションやTVプロダクションへマイナンバーを通知する作業や支払い通知書や支払い調書の整理など…そしてWiFiの変更届や書類の書き直しなどなど…。正直言ってウンザリする作業。機械文明の進化はフリーランスの物書きを少しもラクにはしてくれてませんね。アタマに来ながらも一日がかりで書類と格闘。ふうううう。ビールじゃビールじゃと叫びながら大相撲。大栄翔は連敗せずヨカッタですね。正代も危うい取り組みを落とさず2敗で追いかけてますね。貴景勝は休場か。琴勝峰頑張れ!久し振りに晩飯映画劇場はデンゼル・ワシントン主演『デジャヴ』。なんじゃいこのタイムスリップは…科学の進歩に見せた単なる御都合主義ではないか…とウンザリしていたらDVDのハードが満杯だったのか途中でぷっつんと切れてしまった。別に結末を観たいとも思わないのでそのままフロ&ネル。トニー・スコット監督は他に『トップガン』や『ビバリーヒルズ・コップ』の監督だというからマァ納得。

BOOK
近藤大介『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』講談社現代新書
近藤大介『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』講談社現代新書
30年ほど前に上海で中国人男性から「中米は必ず戦争します。日本はどうします?」と訊かれて答えられなかった

1月20日(水)
昨日アメリカのポンペオ国務長官が発表した「中国は新疆ウイグル自治区でジェノサイドを行っている」という言葉は強烈ですね。ジェノサイドというのは「大量虐殺・民族抹殺」などを示す言葉で中国人はウイグル人を1千人以上も拘束し自由を奪っているという。これは昨年秋にローマ法皇も懸念を示したことでバイデン政権のブリンケン国務長官もポンペオ発言を認めたという。ならば北京冬季五輪の開催は不可能だろう。中国がいくら「スポーツに政治を持ち込むな」といってもことは政治問題でなく人権問題。またIOCは過去にナチスのベルリン五輪(1936年)に対してユダヤ人差別からボイコット運動が生じ始めたときにブランデージ(当時アメリカ五輪委会長で後のIOC会長)が現地調査に入りナチスの大接待を受けて「ユダヤ人差別は存在しない」と報告してナチスの後押しをした事実がある。また最近ではブランデージ自身がヒトラーとナチスの支持者だったことも判明している。IOCもこんな過去まで蒸し返されては堪らないだろうから中国の「ウイグル・ジェノサイド問題」にどんなカタをつけるのか?根本的な問題解決よりもその場しのぎばかりをするIOCはおそらくコロナの蔓延を「利用」して東京大会と北京冬季大会のダブル中止を発表するでしょうね。そんなことを考えながらベッドのなかで今日は『基礎講座哲学』をお休みして講談社から送られてきたばかりの近藤大介『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』(現代新書)を読む。なるほど米中は「貿易戦争」「技術戦争」「人権戦争」「金融戦争」「疫病戦争」「外交戦争」の6つの戦争に突入しているのですね。そして「軍事戦争」に突入するのはいつ?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。日経の《美の十選》でやはり絵の試用の著作権問題が勃発。仕方ないですね。よくあることです。それを選び直したり春陽堂Web新小説の連載の校正をしたり…で大相撲は…うわっ…大栄翔2敗目。立ち会いは良かったんですけどね阿武咲に上手くかわされてしまった。しゃーないですね。正代は取り直しの相撲のあと再度取り直しかと思える相撲を隠岐の海の勇み足で白星を拾う。相撲は大量休場でもオモシロイですね。

1月21日(木)
昨晩と今朝のベッドのなかで『ファクトで読む米中新冷戦とアフター・コロナ』一気に読了。「ウイグル・ジェノサイド問題」と北京冬季五輪の開催の可能性を知りたかったので「米中人権戦争」の記述だけを読もうとしたのだけどあまりの面白さに全部読んでしまった。そうか。中国はアヘン戦争と日清戦争以前の中国の状態(世界の中心に存在していた状態)に戻したいわけですね。そもそも中華・中国という名前ですからね。あ。著者の近藤大介さんはどこかで聞いた名前だと思っていたら『週刊現代』の記者としてホームラン王の大下弘について電話をかけてこられた方で去年11月に朝日放送の『正義のミカタ』で御一緒した方ですね。その時は中国主導のRCEPと中国が参加を希望するTPPについて語っておられたけど「東京五輪は延期になれば2032年になるのですか?」と訊かれたので「いえ。2032年はインドが有力でしょう。ムンバイとか」と答えると「なるほど。そのころはインドの人口が中国を抜きますからね」と言われたのが印象に残っている。「ウイグル・ジェノサイド問題」については直接電話で教えてもらうことにしよう。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。東京五輪の開催は医療従事者を5千人以上集めなければならないことや1万人以上の選手が選手村で一緒に食事をすることなどを考えれば通常通りの開催はどう考えても不可能で続く北京冬季五輪も「ウイグル問題」で世界が反発。オリンピックは根本的問題を再検討する時代に入ったことを話したあと黒兵衛と散歩。明るい朝。Where have all the Coronas gone?と歌いたくもなるけどマダGONEとは言えないのですよね。ワン。終日デスクワーク通信社のコラムを書き始めるが締め切りにマダ余裕があるので本HPの原稿を整える作業などなど。大相撲は大栄翔が危うく星を拾う。昨日の正代と言いサーカス相撲が続きますね。しかしコロナの現状にゆっくり映画を観る気にもなれず。テレビでニューズばっかり追ってる。昨日のBSフジの『プライムニュース』での桝添元厚労相のコロナ対策に対するコメント「船頭多くして船山に…」は面白かった。日本は感染症の専門家が感染症対策のリーダーにならないのですね。そう言えば東京五輪のリーダーもスポーツの経験はあってもスポーツに関する知識のある人はリーダーにいませんねぇ。著作に「オリンピックは体育の祭典」なんて平気で書いて「私は応援団」と言ってる人がリーダーですからね。コロナ対策も経産省あがりの人がやったり…で外国の記者から不思議がられたと近藤大介さんも『米中新冷戦とアフターコロナ』のなかで書いておられますね。日本はASEAN諸国からOld Gold Medalistと呼ばれているらしい。台湾や韓国が日本の数年先を走っているとするなら野党に新鮮なリーダーさえ現れれば政権交代も可能なはず…と近藤氏も書いてるのだが…。

1月22日(金)
ベッドのなかで読む本が『基礎講座哲学』に戻る。これもナカナカ面白い。勉強になる。〈言語のシンボル化〉によって〈文化〉を取り入れ人間となった人間が逆に〈言語〉に縛られるという話は面白い。ガソリン爆発の事故のほとんどは〈ガソリン缶〉と書かれたモノが置いてある場所で起こるのでなく〈空のガソリン缶〉と書かれた場所で起こるのですね。〈空〉だから大丈夫と煙草を吸うと揮発性のガソリンに火が付くのですね。ナルホド。〈オリンピック〉と言うだけで他のスポーツ大会よりも素晴らしいものと思ってしまうようなモノですね。オリンピックによる世界平和など一度も実現しなかったのに…中国による「ウイグル族ジェノサイド」と北京冬季五輪の関係はどうなるのかな?ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。昼飯時に『米中新冷戦とアフター・コロナ』の作者近藤大介さんと電話連絡がついて「中国のウイグル族ジェノサイド」についてイロイロ教えていただく。そうか。中国政府は2世代でウイグル族を抹殺するつもりか…アメリカだけでなくローマ法皇も怒るはずですね。通信社の短いコラムを書きあげたあと日経『美の十選』担当者から電話。ノーマン・ロックウェルの絵の使用料が馬鹿高いらしい。マイッタナ。戦前の日本の野球雑誌の面白いイラストに変更するか。絵の質は落ちても野球の夢は大きく描かれてますからね。日本医師会の会長さんが現状では東京五輪に医療スタッフを用意できないと発言。しかしワクチン効果が奇蹟的な威力を発揮し治療薬が神がかり的な効果を発揮すれば医療スタッフを割けるとか。とは言え開催を可能とも不可能とも言わないのは政治家への遠慮?そう言えば太平洋戦争も軍隊に遠慮して特攻までやって敗戦でしたね。神風は吹きませんでした。しかし世界平和のために開催するオリンピックが無観客とか半観客とか選手も観客も全世界から集まらないとか…そんなイベントを開催だけして(IOCは損をせず日本国民の税金だけ使って)オリンピックと呼べるのか?とにかく今は東京大会を「開催できるかできないか」ばかりで「オリンピックの問題点&改革案」が話題にならないのは残念ですね。あと半年か。うわっ。正代がまたサーカス相撲で勝った。北の富士親方もソレを正代の「得意技」と表現。座布団一枚。『チコちゃん』に叱られながら晩飯で鮭とサーモンの違い・厄年とは何?・空気の読み方・を学んでフロ&ネル。

BOOK
J・ネイスミス『バスケットボールその起原と発展』YMCA出版
J・ネイスミス『バスケットボールその起原と発展』YMCA出版
バスケットボールを創った人物の記述。中村敏雄先生の記述と異なるのは何故かな?
DVD
『三人の名付け親』
『三人の名付け親』
3人のカウボーイが投法の3博士となって生まれたばかりの赤ん坊(キリスト)を助ける西部劇。ジョン・フォード監督だけにそれなりに面白い

1月23日(土)
仕事の関係でJ・ネイスミス『バスケットボールその起原と発展』(YMCA出版)を読み直し始める。バスケットボールという球戯を創った人物の創作回顧録。オフサイドの処理などで中村敏雄先生の記述と異なる点があるのはなんでかなあ?とりあえず20年ぶりくらいに読み通さなければと読み進める。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。コロナで住宅地は静まったまま。ワン。終日デスクワークは日経『美の十選』でベーブ・ルースの1枚が油絵から写真に変更になったので原稿書き直し。ロックウェルの絵も使えなくなったし残念無念と思っていたら担当者からメールでケーシー・ステンゲルの塑像が使えることになった!BRAVO!著作権の絡んだ仕事は赤子の小便(ヤヤコシイ)ですね。某雑誌編集部から東京五輪の開催の可能性について取材の電話。IOCや組織委は無観客でもやりたいでしょうけどそれでも選手・関係者・メディア等々合計最低約5万人の海外からの渡航者のコロナ対策を考えると医師会長が言ったようにワクチンと治療薬の神がかり的効果がない限り無理でしょうと答える。そもそも無観客ではオリンピック(平和運動)にならないし誰もが常識的に思っている通り3月末に何らかの発表があるでしょうけどそのポイントは中国政府の「ウイグル・ジェノサイド問題」とシンクロするはず。夕方から大相撲。大栄翔は見事に玉鷲に勝ったけど…うわっ正代は照ノ富士に不覚。こーなれば大栄翔が優勝&殊勲・敢闘・技能総なめでイイのでは?今場所は翠冨士の一番をまだ見てないなぁ。明日は見よ。肩透かし希望。久し振りに晩飯映画劇場はジョン・ウェイン主演『三人の名付け親』。キリスト生誕の時の東方の三博士になぞらえて砂漠で三人のカウボーイが赤ん坊を産んで亡くなった女性の意志を継いで赤ん坊をニュー・エルサレムまで連れて行く話。ジョン・フォード監督だからそれはなりに面白かったけど最後はアメリカン・ハリウッド的すぎてチョイシラケ。終わって「ブラタモリ」で呉の街を楽しんでフロ&ネル。戦艦大和の巨砲は40キロも爆弾を飛ばしたんですね。カッコイイだけで何の役にも立たなかったけど…あ。ホテル・ニューオータニの最上階レストランの回転台としては役立ちましたね。

BOOK
三枝成彰・編著『ベートーヴェンは凄い!交響曲全9曲連続演奏会の記録2003-2020』五月書房新社
三枝成彰・編著『ベートーヴェンは凄い!交響曲全9曲連続演奏会の記録2003-2020』五月書房新社
多くの方々のエッセイやベートーヴェン論と共に小生の『ベートーヴェンの「天の時、地の利、人の和」』と題したコラムも選ばれて掲載されています。「蔵出しコラム音楽編」にもあります

1月24日(日)
昨日五月書房新社から送られてきた新刊/三枝成彰・編著『ベートーヴェンは凄い!『交響曲全9曲連続演奏会の記録2003-20』をベッドのなかでパラパラ読む。やっぱりベートーヴェンって人物は凄いですね。どの文章読んでも驚きと賞賛が溢れてますね。小生の『ベートーヴェンの天の時、地の利、人の和』と題したエッセイも掲載されている。これは2008年大晦日のベートーヴェン交響曲全9曲連続演奏会のプログラムに書いたものだけど我ながらよく書けている(^^;)「蔵出し音楽」にも掲載されているので読んでみてください。しかしスポーツだけでなく音楽や演劇の文化イベントもコロナでめちゃピンチですね。スポーツと文化が融合したオリンピックはさらにピンチのはずだけどマスコミは誰も五輪の文化プログラムのピンチを指摘しませんね。そもそもオリンピックに文化プログラム(芸術イベント)のあることがマダ知られてないのかな?とはいえオリンピックを知らずにオリンピックを語ってはイケマセンね。ワン。ベッドから出て雨模様のなかレインコートを羽織って黒兵衛と散歩。雨脚が強まらずゆっくり全コース制覇。と言っても30分程度の距離ですけどね。ワン。J・ネイスミス『バスケットボールその起原と発展』を読み進み。反則の策定や器具の改良や人数の制限などイロイロ面白いけどバスケットボールでオフサイドがどう処理されたかという話が出て来ないなあ。夕方から大相撲。翠冨士vs翔猿の一選は面白かったですね。最近の小兵力士の頑張りは大注目で特記モノですね。そして大栄翔優勝!またまた平幕優勝で初場所は6場所連続初優勝力士となった。琴奨菊・稀勢の里・栃ノ心・玉鷲・徳勝龍そして大栄翔か。なかなか面白いやん。大相撲のあと大阪読売テレビ『すまたん』のZOOMインタヴューを受ける。テーマはボクシング井岡選手の入れ墨問題。選手の入れ墨をルールで禁止しているスポーツは世界中で(たぶん)JBC(日本ボクシング協会)だけだろうけどかつての反社団体とボクシング界の過去ののつながり&反社団体と入れ墨(牢人としての入れ墨を隠すための彫物)のつながりを考えればそのルールも仕方ない事情があった。けどファッションとしてのタトゥーが広がっている現在いずれ近いうちになくなるルールでしょうね。井岡選手がタトゥーを問題視しない海外に出るか否かは当人の問判断と言うほかない…とかイロイロ話して酒&晩飯&風呂&寝ようと思ったけど明日の『王江戸』の準備を少々。明日のゲストはジャーナリストの島沢優子さん&ラグビー元日本代表の平尾剛さんです。

1月25日(月)
ベッドのなかでネイスミス『バスケットボールその起原と発展』読了。バスケ創作者の記述として貴重な文献とはいえオフサイドの処理についての記述はゼロ。オフサイドを認めるところから3歩ルールが生まれたとの中村敏雄先生の著作も読み直さねば。当事者が正しい記述を残すとは限りませんからね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと『ニューズ・オプエド』の準備。午後からスタッフと打ち合わせ。東京五輪が開催できるか否かという話題ばかりが先行しているなかでそもそもIOCが世界平和を唱えて主催開催しているオリンピックが本来の意味を推進しているのか?経済を回すためだけのリンピックになっているのではないか?というテーマをキチンと中心に置かなければ『オプエド』ではないですからね。午後5時半からZOOMに接続して6時から本番。ゲストはジャーナリストの島沢優子さんと元ラグビー日本代表・神戸親和女子大教授の平尾剛さん。数年前からオリンピックはスポーツの素晴らしい本質を歪めているとして五輪そのものの開催に反対している平尾さん。周囲からは反論もなく無視されて触れてくれないのが現状だという。島沢さんも現在の五輪のあり方に反対していて開催に反対しているがそのことを話すといつも「スポーツをテーマにしているならオリンピック賛成のほうが稼げるのに」と言われるという。そこがポイントでオリンピックはみんな「金儲け」で動いてるのですよね。「経済を回す五輪=Go To Olympic」というのは「シャレ=比喩」ではなく「実態」なんですね。平尾さんは「オリンピックはスポーツではない」と断言。「スポーツの喜びがメダルの数に換算されてスポーツの素晴らしさを誰もが見失う」もちろんマスメディアにも責任が。世界には国別獲得メダル数を報じないメディアもあると島沢さん。その理由はIOC憲章で禁止しているからというのではなく「Healthyでないから」。なるほど。そうですね。メダルに騒ぐのは「健康的ではない」ですね。鈴木大地前スポーツ庁長官は重点競技として柔道・体操・水泳・レスリングをあげたけどどの競技でもパワハラ等の問題が噴出。おまけに柔道は40万人も競技人口を減らしている。それでもトップがメダルを獲得それば良しとするのはスポーツとしてオカシイ…等々いろいろ有意義な話をすることができました。興味のある方はまだ部分的に視聴できますのでどうぞ…https://op-ed.jp/

DVD
『ハスラー2』
『ハスラー2』
ポール・ニューマン&トム・クルーズ初顔合わせ。面白いけどスコ セッシ監督にもう一捻りを要求したいなあ

1月26日(火)
ベッドのなかで早く目覚めて読む本を用意するのを忘れたときは頭のなかで今日締め切りの原稿が浮かんだり消えたり…こういうときに浮かんだ原稿の書き出しとか構成というのは何故か使い物にならないのですよね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。何故ベッドのなかで思い浮かべた原稿はボツにしかならないのか?そう言えば筒井康隆大先生が夢で思いついた素晴らしいアイデアを朝起きてしばらくすると忘れてしまうのでベッドの横にすぐメモをとれるノートと筆記具を用意して夢を見て目覚めた瞬間メモを取ることにしたけどそのメモは寝直してキチンと目覚めてから読むと全然つまらないモノばかり…といエッセイがあったようにきもくしている。やっぱり原稿は机に向かってウンウン唸り呻吟しながら書くほかないのですね。ワン。終日デスクワーク。北國新聞の連載「スポーツを考える」第60回目の原稿執筆。月イチだからモウ5年続いたことになるのか…たった5年で世の中はコロナで一変してしまいましたね。原稿のテーマは「中国のウイグル族ジェノサイド(民族抹殺大量大虐殺)」が今年の東京五輪委与える影響。まさかジェノサイドと非難される国で平和の祭典は無理ですよね?それでも中国は「スポーツに政治を持ち込むな」と言いIOCも「政治問題」は取り合わない…と言い続けるのでしょうか?まぁヒトラーのナチ五輪を認めた組織ですからね…。原稿執筆途中に大阪朝日放送の『正義のミカタ』から電話。週末のスタジオ出演の内容打ち合わせ。続いて再来週のBS11出演の打ち合わせ。どっちも東京五輪について。ワクチン接種が五輪期間中にずれ込むのに五輪開催のための医療従事者1万人なんて集められないでしょうとかイロイロ話したりしたあと原稿完成させて晩飯映画劇場はポール・ニューマン&トム・クルーズ主演『ハスラー2』。昔ビリヤードのナインボールにハマッテよくやったときがあったから楽しく面白く見たけど最後の結末はイマイチ。マーティン・スコセッシ監督ならもっとブッ飛んだラストにしてほしかったなあ…と思いながらフロ&ネル。

1月27日(水)
ベストセラーを読むのは常に抵抗がある。知られてないけど素晴らしい本を発見したときの方が嬉しさ倍増ですからね。だから『鬼滅の刃』は読んでません。とはいえ『新しい世界 世界の賢人16人が語る未来』(講談社現代新書)が送られてきたので朝のベッドで読み始めた。ユヴァル・ノア・ハラリは『サピエンス全史』も『ホモ・デウス』も読んで考えさせられましたからね。コレも読んでヨカッタですね。新型コロナで《歴史は加速しています。古い規則が粉々になる一方で新しい規則はマダ書かれている最中です》我々の未来は《「より大きな自主性を市民に与える社会」か「全体主義的な監視社会」のどちらかをグローバルな規模できわめて迅速に選ばなければならない》なるほど。《人類がコロナウイルスに打ち勝つことについて私は疑いを持っていません。その一方で我々が自らの内なる悪魔の誘惑に負けてしまうことを心配しています。民主主義は市民の健康の保護という名の下に簡単に独裁に変わります》なるほど。ことはグローバルな問題ですね。来年の北京冬季五輪で中国は貨幣をデジタル人民元に変えようとしてるらしいけど北京冬季五輪を訪れる外国人はすべてデジタル人民元に「換金」することで中国政府に「監視」されることになるのですかね?これでは「換金」でなく「監禁」ですね。ワン。黒兵衛と散歩。菅総理は「コロナに打ち勝った証として東京五輪を開催」なんて言ってるけどとにかく開催するだけのアナログ大会では開催できたとしても(たぶんできないでしょうが)「ポスト・コロナ」の価値は何もないですね。今年の正月の箱根駅伝を誰も「コロナに打ち勝った大会」と言ってないように…ワン。今日も終日デスクワーク。本ホームページの更新原稿作り。コレが意外と時間がかかる。途中日経の『美の十選』担当者から電話。戦前の少年雑誌に描かれていたジョー・ディマジオ父子のイラストの使用許可が下りたとか。描いた人は玉井力三という上越市柿崎地区出身の洋画家で小学館発行の『小学○年生』など子供雑誌の表紙絵をたくさん描いていた人物らしい。ちょっと調べてみよう。昼飯中に見た国会中継や晩飯中に見たニュースや報道番組のどれにも映っていた菅総理の姿にはまるで力感がないですね。病気なのかな?コロナ禍の現在ノア・ハラリも《これまでになく政治が重要》と言っている。東京五輪をやるというのなら「ポスト・コロナの社会」「それにつながるオリンピックのあり方」を語れる政治家が出て来ないとダメですね。

1月28日(木)
朝起きてベッドで『新しい世界』読み進む。ジャレド・ダイアモンドは『銃・病原菌・鉄』(草思社)も『危機と人類』(日経出版)も読んで納得していたので期待したらインタヴューをしているCOURIER JAPONの記者もなかなかのもので《市民による政治議論の質が低下し中立であるべき機関への信頼が下がるとお互いに歩み寄って国の統治に関するコンセンサスを築くことができなくなってしまいます。そうなってしまうと国全体が崩壊しかねません》というインタヴュアーに対して《今のアメリカにはそうなってしまう可能性があるように思えます。民主主義が少しずつ蝕まれていきある時点でもう元には戻れなくなってしまいそうです》というダイアモンドの発言はトランプ以前からのことでトランプ大統領によって加速されたという。それは日本のことかと思ってしまうのは安倍-菅両首相の国会軽視ですよね。『反脆弱性』(ダイヤモンド社)の著者のナシーム・ニコラス・タレブはトレイダーだというのでそんな金儲けのプロはどーでもエエと思ったらナカナカ興味深い発言に出逢う。《あらゆる組織はストレス要因を通して環境とつながりあっています。ダンベルで鍛えれば(ストレスをかければ)身体は強くなるのです》しかし《50p跳べば体は鍛えられますが5mの高さから飛び降りれば死んでしまいます》だから様々な組織もこの考え方を《「小さいことは美しい」という価値観を通して》取り入れるべきだと言う。《ある水準を超えると大きいものは脆弱になり衝撃に耐えられなくなります。象は鼠よりも脆弱です。象は鼠より長生きしますが絶滅の危機にさらされています》ナルホド。オリンピックは象どころか恐竜にまで肥大化してしまったわけですね。周囲の世界選手権やW杯や各国のリーグ戦等は哺乳類として生き残っても恐竜は…絶滅?ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。昨日の本欄に書いた来年の冬季五輪でデジタル人民元が使われる話題。パリ大会やロス大会ではIOC発行の仮想通貨(暗号資産)が使われるのでしょうかねえ?今夏の東京五輪が開催されたら最後のアナログ五輪大会という名を残すのでしょうか?ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。途中明後日の朝日放送『正義のミカタ』の打ち合わせ。テーマはもちろん東京五輪。中国のジェノサイドと北京冬季五輪のことも話さねば。スタジオ出演なので県を跨ぐ移動も仕方ないですね。組織委の森喜朗会長がIOCバッハ会長と電話会談したらしい。「(開催を)しっかりやりましょう」と話し合い「誰一人としてどこからも(開催)反対の質問は全くなかった」らしい。現状で満場一致の開催というほうが異常では?とほほ。無観客でも「コロナに勝った証」になるのかなあ?今年の箱根駅伝はコロナに勝ったスポーツ大会だった?感染者を多数出したラグビーTOPリーグはコロナに負けたことになるの?そんな阿呆な…晩飯食って風呂入ってサケ呑みながらニュース見てコロナは高止まりか…で『新しい世界』持ってベッドへ。

1月29日(金)
『新しい世界』読み進む。いやあ勉強になります。『経済成長という呪い』(東洋経済新報社)という著書がありトマ・ピケティの先生だった経済学者ダニエル・コーエンの経済史分析は傾聴に値しますね。《経済成長が無駄だと言ってもそれを認めようとしない人がほとんどです。経済成長こそ進歩だと信じ切っているからです。でも進歩の部分はほんの一部分に過ぎず大部分は社会の疲弊やエネルギーの無駄遣いだという可能性もあるのです》生産性が向上しても人口が増えるので一人あたりの所得は増えないのですね。その弟子ピケティに言わせると経済格差を生むのは政治の責任でビリオネア(億万長者)は社会の何の役にも立たないワケですね。だから高い税率の累進課税を…というのは高所得者でない小生など大賛成ですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。今日も終日デスクワーク。オリンピックの歴史(すべて政治史ですね)を調べ直していると某週刊誌から電話。選手村後のマンション購入契約者が五輪の1年延期で蒙った損失補償と契約違反をを訴えて集団訴訟を行うらしい。当然でしょうね。こーゆーことまで考えて五輪1年延期を考えたのかどうかというのも政治の責任ですよね。夕方から久し振りに旅の準備をして(と言うほど大げさなものではないですが)東海道線で品川へ。新幹線で新大阪へ。駅で購入した缶ビールやツマミや厚切りロース豚カツ弁当はすべて除菌ティッシュで消毒してからいただく。楽しみながらやると意外と面白い。コロナ死滅の除菌作戦。車中で『新しい世界』読み進む。マイケル・サンデルはイロイロ読んで納得のいかないことが多かったけどこの本に書かれていることは十分納得。《たしかにトランプは「嘆かわしい人間」です。しかしトランプに投票した人の多くは正当な不満を表明した人たちでした。革新派はトランプとその支持者を分けて考えなければなりません。オバマに2度投票した後トランプに投票した人も多いのです》《能力主義の傲慢》の結果多くの人が《負け組》に分類されてしまったのですね。《民主党も共和党も「上昇のレトリック」を使ってきました。オバマも「トライすればきっとできる」という表現を何度も使い(略)能力主義の闇の部分が見えていませんでした》アメリカン・ドリームというのはかつては《条件の平等が広く行き渡り》市民が《お互いに敬意を示すこと》だったのにそんな《寛大なアメリカン・ドリーム》が《この40年で個人の立身出世だけを語るものに収縮してしまった》ナルホド。しかし希望はある。BLM(ブラック・ライヴズ・マター)で《アメリカの市民社会の回復が始まるかもしれません。本当に久し振りに出現した有望な市民運動です。不確実な状況のなかに差し込んだ一筋の希望の光です》なるほど。それを「政治運動」として排斥しながらプーチンや習近平と手を組んで巨大大会を開催しようとしているオリンピックはヒトラーと手を組んだナチ・オリンピック以来かなり大きな問題のあるイベントと言うべきでしょうか…大阪のホテルに着いて『新しい世界』読みながらネル。

1月30日(土)
朝大阪のホテルのベッドで目覚めてシャワーのあと雲一つない真っ青のイイ天気だったので散歩がてらにぶらぶら10分ほど歩いて朝日放送へ。控え室でサンドイッチとコーヒーの朝食のあと『教えて!NEWSライブ正義のミカタ・オリンピックは開催できる?』についてスタッフと打ち合わせ。小生が提示するパネルに適切なキャッチが思い浮かばず苦労。最初は「絶滅危惧種 超巨大恐竜オリンピックサウルスの絶滅で 哺乳類(W杯・世界選手権・各国リーグ戦)が成長」なんて書こうとしたけど長すぎるので「絶滅危惧種 超巨大恐竜オリンピックは デジタルメカ恐竜に進化?」と変えたけど「デジタルメカ恐竜(中国が北京冬季五輪でデジタル人民元を使って来訪者全員の情報を奪うこと)」がワカリニクイので結局「絶滅寸前 超巨大恐竜オリンピックは生き残れるか!?」として本番。選手のワクチン優先接種のナンセンスや医療従事者1万人招集の困難さや2032年延期説の可能性の低さ(インド・ムンバイの台頭)などを話して東京五輪の無観客開催が可能かどうかは3月末聖火リレーの頃に発表という話をして北京冬季五輪もウイグル族へのジェノサイドでボイコット運動の可能性も…まで話す。中国のデジタル人民元の五輪使用の話は出来なかったけどソレは次回かな。他に「脱炭素社会」の話と「ポスト・プーチンのロシア情勢」。ソチ五輪でのドーピング違反事件で何度もテレビで御一緒した筑波大の中村逸郎教授の話がメッチャ面白かった。ロシアのドーピングの影にはロシアの長い毒殺の歴史があるんですね。そう言えばニコライ・レスコフの小説をショスタコーヴィチがオペラ化した『ムツェンスク群のマクベス夫人』も毒殺の物語ですね。プーチンに逮捕されたナワリヌイという人物もプーチンで金儲けしてる背景があるんですね。番組終了後出演者の皆さんと少々歓談。そうか。菅総理がGo To Olympicに必死なのは五輪中止になれば即菅おろしが始まって辞任となるから?新幹線で帰鎌。車中で『新しい世界 世界の賢人16人が語る未来』読了。スラヴォイ・ジジェクという「文化理論のエルヴィス・プレスリー」と呼ばれているスロベニア人哲学者の意見が面白かった。コロナ禍の世界で《私に言わせれば「経済なんか忘れろ」です。流行のファッションを追い求めたり新車の買い替えを検討したりといったことは的外れです》言い切りますねえ。《私が特に不安に感じているのは少数の人間に権力が集中することです》《ゴーグルとNSA(米国家安全保障局)のような組織が協力して私たちを密かに管理するでしょう》中国はもうそれをやっているのですよね。帰宅して一休みしたらNHKで『山口百恵さよならコンサート』をやってたので最後のほうを見てしまう。改めて聴いてみると山口百恵って歌がうまかったですねえ。1980年10月か…俺の結婚2年目の時ですね。コロナの時代は過去に戻る?晩飯映画劇場はサム・ペキンパー監督の『昼下がりの決闘』。爺になったガンマンの裏切りと友情を描いた西部劇。それなりに面白かったけどペキンパーの長編映画2作目でまだ若いですね。完成度は低いなぁ。寝よ。

1月31日(日)
朝ベッドのなかで『新しい世界』のページをパラパラとめくりながら傍線を引いた部分を読み返す。《今の危機が示しているのは「コロナ以前の日常」に戻る必要はないとうことです》《パンデミックが私たちの生活にもたらした「優しさ」にも気付くべきです》《オンライン上のコミュニケーションは「身体性」が抜け落ちてしまってます》《コロナの危機は人類を待ち受けている地球温暖化や新たな感染症といった将来のさらに大きな課題に向けてのリハーサルだ》さらに大きな課題が生じる時には既にこの世にいない人達がリーダーとしてリハーサルをやってるのはオカシイですね。しかも高額の給料を税金から受け取りながら。無能なリーダーと長年お付き合いしていると有能なリーダーとはどんなことを言ってどんなことをしてくれるのかわからなくなるのが怖いですね。ワン。黒兵衛と散歩のあとチョイとデスクワーク。昼飯のあとに『なんでも鑑定団』を見ていたら梅屋の御主人の梅田英喜さんが蓄音機の鑑定で出演されていた。神保町で蓄音機屋さんをやっていてソコで蓄音機によるSPレコードのコンサートをやらせてもらったり(これがCDなどとは較べ物にならないくらいイイ音なんですよ)河口湖の音楽フェスティヴァルでも何台かの大きな蓄音機を運んでもらってコンサートをしたり…。コロナ以前にも「ゆっくりした日常」はありましたね。梅屋さんはその後湯布院に引っ越し。ゆっくりしててエエナァ。一昨日と昨日の大阪移動で疲れたので早よ寝よ。ベッドに持ち込んだ新しい本は中野信子&熊沢弘『脳から見るミュージアム』(講談社現代新書)博物館や美術館や万博の歴史などオモシロイ話題が連続。『アートは人を耕す』という副題がイイですね。今の日本の政治家たちはどんなアートに接しているのでしょうね?接していれば人間が耕されているはずですが…。

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