2月1日(火)
プロ野球キャンプイン。懐かしいなぁ(笑)。昔は2月の1か月間沖縄九州四国を文字通り飛行機に乗って飛びまわったもの。アリゾナ・フロリダが加わる年も4回くらいあった。そんな生活が25〜40歳頃まで続いたかな。今はデスクワーク中心…ちゅうことはフリーランサーも新聞記者も似たような人生を歩むもんやな。違いは定収入があるかないかだけ(苦笑)。それにしても雨季の沖縄のキャンプが増えたな。気候が変わった?雨で練習休みたいから?それにしても口蹄疫・鳥インフルのあとは火山か。宮崎はキャンプ球団も減って…がんばってほしいな。キャンプに一番エエと思た気候は高知と静岡。静岡は近すぎて嫌われたんかな。長友凄いなインテルか。岡崎はシュトゥットゥガルトか。昔はジャパンマネーがバックにあったもんやけど時代は変わったな。音楽の世界も似てるな…。終日マーラーと格闘。こういう日々が1年続いて本を1年に1冊出して食うていけたらエエねんけど無理やわな。朝夕2度の佐吉と散歩以外は部屋に隠る。佐吉がどうも体調不良。メシを食わん。瘠せた。もう16歳やしなぁ…。元気取り戻してほしいなぁ。
2月2日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』でプロ野球キャンプを見物することの素晴らしさ(ボールがグラヴやミットやバットと奏でる音やスパイクが土を蹴る音で本当の野球の愉しさを味わえる)を喋ったあとちょいと元気のない老犬佐吉と散歩してマーラー原稿と格闘し始めたら某新聞社の記者から電話。ふ〜ん。大相撲の星の貸し借りの証拠が出たのか。午後になって別の新聞社や通信社や某TV番組の記者からもTEL。ネタの出所は警視庁。野球賭博の証拠押収品の携帯メール。被害者がおらんから刑事事件にはならんとのこと。当たり前や。相撲界に「出来山」「盆中」「気負け」「人情相撲(情け相撲)」といった「美徳」が存在するのは相撲界と相撲ファンの常識(ということが理解できない人は拙著『続スポーツ解体新書』財界展望社をお読みください。そこで詳しく書きました)。歌舞伎の『双蝶々曲輪日記』にも落語の『佐野山』にも描かれてる角界の常識を「八百長」と騒ぐのは相撲ファンでない野暮な連中。そのことは「朝青龍事件」のときにさんざんメディアに出て喋ったが小生は少数派。相撲記者の大御所たちは口を濁した。そのツケが回ってきたか。しかし今回携帯メールという野暮なメディアでしかも隠語も使わずイージーに星を動かした二流の力士たちはかつての朝青龍と同じく相撲文化を曲解した大相撲の風上に置けない馬鹿力士。どうせなら墨痕鮮やかに血判付で半紙に借星書を書かんかい!というのは冗談で「出来山」は阿吽の呼吸でやるもの。そんなこともできない三下力士はクビにして当然。TVのキャスターやコメンテイターたちも自分が聞いたことも見たこともない三下力士の下手な相撲を「八百長」だの「裏切り」だのと騒ぐ前にきちんと相撲を見る目を養いなさい。あ。マーラー原稿が進まへんがな。とほほ。
2月3日(木)
あ。昨日本欄に書いたメディアの「大相撲八百長騒ぎ」に関する記述で馬鹿な二流力士のことを三下(さんした)と呼んだことに別に他意はないですからね (笑)。意味のわからなかった方のために註釈を入れておくと「三下」とは賽子の目で三以下のことです。「三下奴」の略で博徒のチンピラを「三下」と呼んだのです。そこからドーショーもない下っ端のことを指す言葉になったので使うただけで博徒と力士の関係を示唆するモノではありませんので御注意下さい(苦笑)。それにしても現理事長の名前が放駒とはナカナカ意味深い。昨日本欄に書いた歌舞伎『双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)』の『角力場
(すもうば)』の場面で濡髪長五郎(ぬれがみちょうごろう)に星を譲られる力士が放駒長吉(はなれごまちょうきち)。別に関係はないことですが歌舞伎に描かれた自分と同名の言わば先祖の力士が「出来山」の勝負に関わってることを理事長が知らないわけはないでしょう。もっともこの場面で濡髪はわざと星を譲るが放駒はそのことを知らないので「片八百長」いや「盆中」と呼ぶ方が正確です(註:その盆中を仲介手配する者が中盆(ちゅうぼん・なかぼん)と呼ばれます)。どれもこれもドーデモイイコトかもしれませんが「八百長はいけない!」と騒ぐ前に日本人なら相撲文化を知っておきましょう(笑)。しっかし無粋な世の中になったもんですねえ。
2月3日(木)つづき
新幹線で大阪へ。『ちちんぷいぷい』生出演。移動中も携帯に新聞社通信社TVラジオ局から次々と電話。毎日放送の控室に入っても電話。コトがコトだけに丁寧に応対して神事と興行とスポーツという三つの側面を絶妙なバランスで維持してきた相撲という特殊な伝統文化についてそのバランスが壊れたのをどう回復するか…という話をする。しかしなかには「玉木さんは基本的に八百長を求めるわけ?」とトンチンカンな応答をする記者もいる。嗚呼。『ぷいぷい』でも当然この話題。関西の番組というか『ぷいぷい』は喋りやすい。ゲストのきたろうさんも「八百長は不倫みたいなモノでね。やってはいけないことだけどやっててもやってないと言い続けないとダメ」と見事な意見(笑)。しかし今回は物証が出たわけで証拠を暴かれた力士は女房(ファン)の前から去ってもらいましょう。夫(力士)の不倫現場となった会社(相撲協会)にも責任とってもらいましょう。春場所休止。公益法人返上もやむなし…かな。日本書紀以来続く日本の伝統のゼロから再出発も粋なことかもしれません。「八百長はいけない!」「裏切られた!」と見てもいない三下力士の下手糞な出来山に目くじら立てる連中の意見が通る無粋な社会もどうかと思うけど相撲関係者もズに乗ってヤリスギましたからね。おおーっと。『ぷいぷい』のあとで受けた記者からの電話では相撲賭博の話まで…。これはまた賭博を国家が独占してる日本の…という別の話やで。あ。小生の相撲に対する意見を手っ取り早く知りたい方は。本HPの「蔵出しコラム・スポーツ編」の『八百長vs出来山の大一番〜大相撲に八百長は存在するのか?』をお読みください。
http://www.tamakimasayuki.com/sport_bn_93.htm帰宅後住みにくくなった無粋な世の中が少しでも住みやすくなることを願って「恵方巻」食って「豆まき」して…漱石の『草枕』でも読み直すか…。
2月4日(金)
朝文化放送『吉田照美のソコダイジナトコ』電話出演。三下力士の下手な出来山とシステム化した互助会的土俵を大いに非難。しかしTVのモーニングショウ等で「大相撲の八百長」を鬼の首を取ったように話すレポーターやコメンテイターを見ると虫唾が走る。相撲好きの照美サンは今回の野暮な騒ぎの野暮さ加減がわかってくれる。魁皇大ファンの唐橋サンのためにも相撲界が持ち直してほしいと思うがそのためには…財団法人日本相撲協会が文科省と警察庁の天下りを受け入れる以外ないのか?まさにそれが警察庁のネライだったのか…マサカ!?
2月4日(金)つづき
終日大相撲関連の電話への対応に追われる。執筆&出演依頼。『マーラーの交響曲』の原稿は第六番の途中で止まったまま。仕方ないか。2千年の伝統とともに「国技」と呼ばれてきたモンゴル生まれ中国朝鮮半島経由の日本独自の格闘技が史上最大の危機を迎えてるのだから…。いまこそ「改革派」と呼ばれる貴乃花親方が放駒理事長を助ける時ではないか?「従来の相撲にはいろいろの情実があってどうも実力通りの本当の相撲が行われていなかった。(略)相撲がスポーツであるか情実や因襲だらけの見世物顔見世興行であるか我々が初めてその厳正な試験台に立つのである」というのは昭和7年相撲界の改革を唱えて当時の大日本相撲協会を脱退し「大日本新興力士団」として新たに協会とは別の興行「公開新式相撲」を開催したときの天龍の言葉(和久田三郎(天龍三郎)『相撲風雲録』)。相撲はこんなふうにスポーツ(アスリート)と興行(芸能人)の間を揺れ動きながら歴史を重ねてきたのだ。だから興行色が強くなりすぎた現協会でスポーツ色の強い貴乃花親方がもっと指導力を…とも思うが主流の大相撲(協会)が存続してきた根幹には「神事」があったからとも言える(昭和初期の天龍はプロスポーツに徹しすぎた)。ということは相撲協会は宗教法人として生き延びるべきかもしれない。うむ。これは深く考えてみる意義あり。警察OBや文科省OBの天下りを受け入れる公益法人存続延命策と例えば明治神宮の運営下に入る改革案のどっちがいいか…。夜まで様々な電話。そうか。石原都知事は八百長は当たり前と断言したか。昭和38年の柏鵬全勝対決を八百長と噛み付いた人やからな。そうか。日曜までの調査委の中間報告は無理か。そらアノ教授が座長ではなぁ…。しかも立脚点がスポーツなのか興行なのか神事なのかワカラン。それで審理はそもそも無理。音楽の原稿進まんまま一日が終わり疲れる。マイッタ。♪
相撲負けても怪我さえなけりゃ夜はあたしが負けてやる…。今回の八百長騒ぎの中心人物が相撲甚句の名手というのは象徴的な出来事ではある。
2月5日(土)
今日もまた大相撲関連の電話の山。別にカマヘンけど「ちょっと御意見を聞かせて…」というだけでオシマイは止めてください。コメント依頼か原稿執筆依頼か出演依頼でお願いします。それにしても相撲協会は大阪場所開催中止を覚悟した様子。シャーナイかな…。しかし今頃になって相撲担当記者が恵那司は本場所中に東西の控室を行ったり来たり…と言い出すのもどうかと…。調査委のなかにも実状をよく御存知の人がいるんやから…。綺麗事を並べるのではなく…。いろいろ電話とったり取材受けたりしてたら一日が過ぎる。とほほ。仕事が進まん。水曜からの桐蔭横浜大学での集中講義のテーマもコレにするか。タイトルは『これからの「相撲の正義」の話をしようJUSTICE
on DOHYO What's the Right Thing to Do in the Kakukai?』サンデル教授よりオモロイ有意義な講義をする自信はあるな。マジで。
2月5日(土)つづき
誰も知らない相撲取りの誰も見てない一番を「八百長はいかん!」と頭から湯気を立てて怒っている人物があまりに多いことを不思議に思い考え続ける。昭和38年の柏鵬全勝対決を新進気鋭31歳の芥川賞作家は八百長だと非難したが当時の薄い記憶をたどれば大人たちが「出来山だ」と笑っていたのを思い出す。先場所休場上がりで復活した柏戸に大鵬が勝ち星を譲ったとの見立てだ。当時小学5年の少年は頭の中がこんがらがったが立ち合いぶつかってがっぷり四つに組んだあと互いに引き付けて寄り合って正面に移動し裏上面へ平行移動したあと大鵬が足を出した一番(との記憶は別の花相撲の一番だったかも知れないが)は確かに子供心に不可解なものだったが大人たちの笑顔に何となく世の中そんなものかと納得はしなかったが子供心は深くは傷つかなかった(下手くそな文章やな・笑)。31歳の新進気鋭の作家は当時の時津風理事長(69連勝の元大横綱双葉山)に抗議され謝罪したがその席にどんな仲介者が登場したのか時を経て老作家となり都知事となった人物にはその経緯こそ語ってほしいと思わないでもない。現代がそういう時代ではなくなり新しい「相撲の正義」の規範が求められるとするなら…。やはり昨日少々書いた宗教法人としての道を歩む方法もあるのではないか。丁髷・横綱・土俵入り・奉納相撲・五穀豊穣の願いを込めて大地を踏み固める……四股は神道の一派としての資格ありそう。あらゆる世界のスポーツが宗教から生まれたとするならその結びつきを濃厚に残す大相撲はスポーツの原型
(プロトタイプ)とも言えそう。晩飯映画劇場はコッポラの『ドラキュラ』。アカデミー賞を獲得した石岡瑛子の衣裳が綺麗。しかし頭の中に宗教法人大相撲が蠢く。
2月6日(日)
朝迎えのハイヤーに乗ってテレビ朝日へ。『サンデー・フロントライン』生出演。テーマはもちろん大相撲の「八百長」。三下力士の下手糞な出来山に騒いだ結果シカゴ大学の阿吽の呼吸も理解しないリバタリアン(自由至上主義者)などの声まで拾って大相撲が完全スポーツ化して日本の文化でなくなりかねない現状を憂えた上に公の席で初めて大相撲の宗教法人化を口にする。コメンテイターの姜尚中氏は宗教法人化まで含めてのことか否かは微妙ながら概ね小生の意見に賛成してくれる。ゲストの竜虎さんは宗教法人化に「絶対考えてみる価値はある。関係者にも話してみよう」と大喜び。もちろん「考えてみる」なかで「相撲とは何か?」に多くの人が気付けばいいのですが…。帰宅して電話ががんがん鳴って新聞コメントを口にする。そうか。春場所中止か。しゃーないな。しかし力士のために無観客本割は実施してほしいなぁ…というコメントを4本くらい喋りながら共同通信に原稿送る。ふううー。マイッタ。疲れた。晩飯はBBCのアフリカ・ネイチャー・ドキュメンタリーを見ながら。すごいなぁアフリカの大自然は…。相撲の八百長なんぞ小さい小さい…。しかしそこに暮らす人間は小さいことくらいチャントせなアカン。あの早大特任教授サンはチャンとできるんやろか?しかしATOKでもMicrosoftでも漢字変換でけんトクニン教授って何?オレは客員教授やけどオレよりエライの?(笑)
2月7日(月)
ナニイ!?小生が昨年上梓した拙著『続スポーツ解体新書』がamazon.comで中古品5983円の値をつけてる!コレクター商品としても2730 円!!昨今の「八百長騒動」で読みたい人が出るのはわかるけどマダ新品もあるはず。力士の不幸で本が売れるのも複雑な心境。けどこの機会に中味を読んでくれる人が増えるのは嬉しい。財界展望社サンは増刷してくれヘンかなぁ(笑)。今日も朝から大相撲のことで電話。音楽の原稿にアタマが向かんので相撲関連新聞原稿を書く。しかしテレビのモーニングショウやアフタヌーンショウでは(最近もこういう言い方するのかな?)司会者やコメンテイターはなんで自分で見たこともない力士の勝負の「八百長」をあれほど騒ぐのかなぁ?あ。相撲賭博やってて八百長で損したのか!というのは冗談にしても元相撲記者やスポーツジャーナリストを名乗る人々はそのくらいのことは知ってたはず!体重150キロの裸の男が仕切り線間隔70センチの距離で頭から全力でぶつかり合ったらどういうことになるか…も知ってるはず。出来山のヤリスギは諫めるべし。隠語も使わない出来山が表に出る愚は非難されるべし。そのための改革を…という大相撲の本質論を夜BSフジの『プライム・ニュース』で話す。一緒に出たゲストの東大教授の松原隆一郎さんも同意見。相撲の見方を磨かなければいけません。相撲協会ガバナンス委員の中島隆信さんは立場上言えないこともあったが考え方は同じ。日本の相撲文化を潰してはいけません。往復のタクシーの中も電話の連続。ひょっとして小生の仕事の仕方は金儲けが下手なのかな(笑)。
2月8日(火)
一昨年春WBCに関する執筆やTV出演と『ロマン派の交響曲』執筆が重なってどっちもの仕事を完成させたあと4日続けて呑みまくったら脳出血で倒れた(苦笑)。幸い1か月程度の入院と猛烈なリハビリで後遺症もほとんどないほどに回復したが今回は大相撲八百長事件と『マーラーの交響曲』と桐蔭横浜大学での集中講義が重なった。気をつけねば…と思いながら大学へ。明日からの講義やいろいろ打合せしたあと六本木ヒルズへ。森タワーにある会議室で堀江貴文さんにインタヴュー対談。あのときの球団買収の真相と深層について聞いた。が。その前に。大相撲の話で盛りあがる。今のメディアのヒステリックな反八百長論では大相撲という素晴らしい文化を殺す…という認識で一致……。コレを書いてるのは9日朝で集中講座出勤時刻となりました。ホリエモンとの対談内容についてはのちほど。
2月8日(火)つづき
波瀾万丈毀誉褒貶いろいろあって見事に謙虚になられた(ように思える)堀江氏と野球チーム買収2004年の出来事をぶっちゃけトーク。非常に有意義面白かったです。ふ〜ん。ライブドア球団になってたらロジャー・クレメンスが入ってたんか。堀江氏はドーム球場反対天然芝球場派なんや。スポーツの経営ということを純粋に追求する経営者はスポーツ愛好家と同じ立場に立つんや。帰宅と同時に電話の山。出演依頼はテレビもラジオも嬉しいんですが明日から桐蔭横浜大学で集中講義があるもんで…。
2月9日(水)
朝6時起き。九州RKB毎日放送のレギュラーを録音したあと7時に家を出て桐蔭横浜大学へ。うわっ。出勤ラッシュに驚いたらアカンとは思うもののヤッパリ驚く。いい経験。藤沢へ出て小田急町田経由で柿生。そこからバス。上鉄鴨志田口なんて停留所があることに感激。カミクロガネカモシダグチと読みます。朝9時から50人近い学生相手にみっちりジャーナリズム論。偏差値の高くない大学の学生はナマジ高い大学の学生よりも反応が素直で面白い。我ながら面白い授業。最後に市川昆さんの話して『東京オリンピック』の映画をダイジェスト見せる。レポート提出の仕方や出欠は点数に影響しないことを話したから明日は出席者半減かな?(笑)。授業終わった後自分の研究室で某出版社の某編集者や某ライターやらと打ち合わせ。おまけに自宅と携帯には山のような電話。大相撲存亡の秋。一生懸命仕事しなければ。帰りにありゃりゃ電車乗り間違えて小田原方面へ。いっそ小田急で逃げましょか…という歌があったけど冗談やないで。相模大野に戻って藤沢行きに乗り換えてふうううー。自宅で電話の山と格闘してバタンぐううう。
2月10日(木)
今日も朝6時起きで桐蔭横浜大学へ。昨日は朝9時からやったけど今日の授業は10時半からということを学生に伝え忘れてトホホ。ま。歳とると朝早く目覚めるのは苦やないですからね。自分の学生時代は朝9時の授業なんてたった1度しか出席したことない。蓮見重彦のフランス語(笑)。オモロイかなと思たけど徹夜した時以外瞼が開かんかった。そんな学生がエラソウに朝から授業。出欠とらずレポートの書き方も昨日説明したので予想通り学生は半減。ま。半分残ったのは上出来かな。インタヴューの仕方やジャーナリズムの歴史を喋って『ザッツ・エンターテインメント』の映画見せてエスター・ウィリアムズの水泳ミュージカルやフレッド・アステアのタップダンスがスポーツか否かを考えさせる。最後に山下洋輔さんと林英哲さんの『ボレロ』を見せてコレもスポーツ?と考える勉強。楽しく終わって自室で週刊誌の取材を受けてTVディレクターと明日の番組の打合せ。途中電話山ほど。学生も部屋に遊びに来て取材を受ける様子やTVの打合せを見学。テーマはもちろんすべて大相撲。大学では来週月曜に丸一日かけて「大相撲八百長肯定論」の講義をします。最後に電話インタビューを受けて真っ暗な中帰宅。ふうううーっ。電話5本のあとメシ食って風呂入ってZZZZZZ…明日も早いか…基本的に忙しいことの好きな自分が…キライかな…ZZZZZZZZZZ。
2月11日(金)
朝4時半起き。いくら歳取ると早起きとはいえ眠い。5時15分に迎えのハイヤーに乗ってテレ朝へ。『やじ丸(やじうまテレビ!マルごと生活情報局)』生出演。本番前に元毎日の中澤潔氏と久しぶりに会ったのでイロイロ情報をもらう。そうか。放駒は来年早々定年か。次の出羽の海も再来年定年。貴乃花はその次?小生の持論「大相撲宗教法人化」の可能性を訊くと「凄い発想ですねえ」と言われながらも「明治神宮の下部組織が面白いかな。今も大会を開いてるから」とのこと。本番では持論を思い切り展開。白鵬の「(八百長について)ないとしか言えないじゃないですか」という言葉がいかに素晴らしい回答かを力説。花田憲子さん…いや藤田憲子さん…いや藤田紀子さんは初対面やったけどナカナカに利発な女性でサスガ相撲部屋の切り盛りをこなした女将さんと納得。三反園訓氏は意外とアタマが堅いなぁ…。番組終わってハイヤーでフジテレビへ。
2月11日(金)つづき
フジテレビの控室でテレ朝『スーパーモーニング』見てると昨日小生が電話取材に答えた意見「大相撲宗教法人化論」を紹介してたけど週刊朝日の編集長が完全に曲解。司会者とコメンテイターのくだらん意見の中に埋没。やっぱりTVではコメント提供するだけではアカンな。欠席裁判やな。『知りたがり』生出演。スタジオ入りすると美女が小生に向かって手を振るので誰や?と思たら加藤紀子さん。『ちちんぷいぷい』で何度も御一緒。彼女と杉田かおるさんとロンブーのアツシを前に相撲の歴史を解説して相撲が神事であり格闘技(スポーツ)であり興行であることを説明。さらに「出来山」「盆中」「阿吽の呼吸」も説明したあと宗教法人化もありうることを解説。聞き手のタレントさんたちも昨今の八百長騒ぎが如何に無粋なことかを納得してくれた様子。杉田かおるさんが(相撲から日本人の美徳=神事や人情相撲=をなくしたら)「ただのデブの喧嘩じゃん」と言ったのは秀逸。終わってタクシーで帰宅。昼飯食って仮眠のつもりが熟睡。起きて原稿の校正2本のあと『鮨処もり山』で元西武球団代表坂井保之さんとインタヴューというか対談というか雑談というか…コレがまたオモシロイ話の連続。そうか。角界の大騒動は1か月もすれば収束するか。しかしその先が怖いか…。球界も含めて…。詳しい話は『新潮45』で。濃い1日。クタクタになってグ〜バタンZZZZZZZZZZZZZ……。
2月12日(土)
久々に朝寝。昨晩11時頃床に就いて夜中午前2時頃トイレに行って朝9時前まで爆睡。こういう寝方は久しぶり。睡眠が浅いのは歳のせいと思てたが仕事山ほどしたら熟睡できるのだと反省(笑)。じつは最近佐吉の調子がずっとおかしかった。2月に入って急に食が細くなりガリガリに瘠せた。散歩も行きたがらない。便は出るが量は少ない。尿も少し。少々心配。と言っても手の下しようもなく掛かり付けの獣医さんに連絡して栄養たっぷり缶詰を持ってきてもらう。長女は必死にそれを食べさせる一方長男にTEL。まだ早いやろと思いながら久しぶりに相撲以外の仕事。『かくれんぼのできない子どもたち』の書評を書き明後日の大学での講義『これからの「相撲の正義」の話をしよう』の準備。夜長男現れる。一緒にNHK-hiの『秋吉敏子in上海』を楽しもうと思ったが佐吉の少々苦しそうな様子に気もそぞろ。シャーナイな。ジャズは一人で楽しむ。旦那のルー・タバキンはやっぱり巧いなぁ。いつまでも佐吉を見ててもシャーナイので久々に全員揃てビールと食事。しかし佐吉は苦しそう。玄関に入れて石油ストーヴがんがん燃やしても座らず立ったまま震えてる。ようやくタオルの上に横になったのでオヤスミ……。ヤバイ。明日は13日。オヤジもおふくろも長姉も……。
2月13日(日)
早朝なぜか午前5時に目覚める。昨晩小生は熟睡したが家族は順番に佐吉に付いて看病したらしい。ところが午前4時頃玄関のタオルの上で寝ていたはずが目を離したスキにいなくなったとか。探すと2階の我が仕事部屋に向かって階段登るのに必死。上がり切れずに立ち往生。それを助けてリヴィングでしばらく休ませたとか。俺が痩せ細った身体を思いっきり撫でてやると無表情のまま垂れてた尻尾を左右に何度も振った。よしよしまだ大丈夫と思って朝食のパンを食べてると長女が叫んだのでみんな駆けつけると口から喀血して倒れてた。エライ!よう頑張った!誰にも迷惑かけずにポックリ逝った。野良犬の鑑(かがみ)や!拾われて我が家に来たことの幸福を鮮やかに礼儀で返してくれた。おまえは素晴らしい犬や!あとのことは家族に任せて迎えのハイヤーに乗ってテレビ朝日へ。『サンデー・スクランブル』生出演。大相撲八百長問題について。小生の持論に黒鉄ヒロシ氏が援護射撃して下さる。スタジオを出るとき久しぶりに須田慎一郎サンとバッタリ。入れ替わりの出番だったので笑顔で握手しただけで別れて送りのハイヤーで帰宅。佐吉は綺麗に白いタオルにくるまれて寝てた。耳もピンと立って素晴らしい寝顔や。若い頃は注射が嫌で俺の腕にも噛み付いた。小屋から脱走して近所の人にも噛み付くほどの最悪の暴れん坊で飼い主に迷惑のかけっぱなしやった。けど雑種独特のどんな犬とも見間違えない可愛さがあった。尻尾の毛と尻が貧弱で生まれてすぐに怖い体験でもしたのかオドオドと小心で情けない性格でもあったが調子に乗ると明るく快活。家族を元気にしてくれた。見方によっては鼻筋が通ってシェパードや狼にも似た美犬でもあった(歩き方はハイエナかな・笑)。何犬ですか?と訊かれるとミニ・シェパードとか甲斐犬崩れとか神奈川犬と答えてた。戒名をつけてやる。犬狼院野良尻漂風居士。静かに心おきなく休め。わしゃ仕事じゃ。午後3時半。動物葬儀の人が火葬のために受け取りに来てくれる。骨は夕飯前には届けてもらえるとか。庭にでも埋めてやるか…。それとも俺の仕事部屋で一緒に暮らすか?午後6時頃佐吉の遺骨が帰ってくる。隣のフランス人のピエールさんからいただいていたシャンパンをあけて家族全員で陽気に乾杯!佐吉を送ってやる。長女は泣きすぎ。俺の愛犬やぞ(笑)。長女のBFも線香をあげに寄ってくれる。シャンパンは終わってた。タイミング悪い奴っちゃなぁ(笑)。明日の講義の準備してZZZZZZZZZZZ。そら眠れんわなぁ(笑)。しかしヤッパリ13日やったか。まぁ猫のフィガロ(美猫院我儘勝手居士)の最期は7月8日やったし偶然やわなぁ。
2月14日(月)
朝6時起き。7時に家を出る。佐吉の見送りがないのは寂しく悲しい。けどシャーナイ。バスとJRと小田急とバスを乗り継ぎ桐蔭横浜大学へ。集中講義最終日。出欠をとる。月曜朝9時からの授業でレポート提出の仕方の話しも済み出欠は点数に関係ないなかで48人中16人の出席はまぁ悪くない。スポーツジャーナリズム論は先週の2回で終了してるので今日は相撲と柔道とレスリングとボクシングの違いの説明。格闘技とは何か?を話して相撲の歴史を簡単に解説。そして相撲の八百長といわれる出来山・盆中・気負け・情け相撲が過去にも現在にも実在しているという話をしたあとベースボールマガジン社発行の『映像で見る大相撲』の第1号『昭和49〜50年日本中が熱狂貴乃花初優勝』のビデオに入っている26番の土俵を学生に見せる。そして野暮は百も承知のうえで「八百長」があったかどうかを判定してもらう。今日の授業には新たに相撲の本を緊急出版することが決まった飛鳥新社の編集長とフリーの相撲ライターI氏とかつての小生のスポジャー塾の塾生1名も受講していたので小生も加えて「プロの眼」で「八百長判定」に参加してもらう。その結果は…新たに出版する単行本を読んでほしいが16人中過半数を超える学生が「八百長」と認定した土俵は皆無。最多は7人が「八百長」と断定。ただしその勝負は世間で「八百長」と知られている一番ではなく「プロの眼」の4人はすべて「ガチンコ」と評価したもの。また世間で「八百長」とほぼ認定され「プロの眼」で4人ともそう認定した一番に「八百長」だと思った学生は4人だけだった。そんなものなのだ。それにしてもコノ時代の相撲は面白い。はっきり言って出来山も見事。やっぱり西洋人力士は不必要か…とも思ってしまう。
2月14日(月)つづき
午後1時過ぎに3日間の集中講義終了。俺の講義が少しでも学生の今後の人生に役立つことと出逢いに感謝してオシマイ。もっとやりたい気持ちになった(学生には迷惑かも知れんが・笑)のは過去のどの大学の講義でも経験しなかった気分。こんな書き方したら失礼やろけど偏差値の低い学生はある意味魅力的である。少なくとも中途半端に高い奴らよりは大きな可能性を感じる。小生の研究室で編集者やライターと打合せをしてると何人かの学生がレポート提出に来た。元週刊ポストの副編集長もタイトルの付け方に参加。豪華な個人授業や(笑)。就職の相談に来た学生もいる。ナニイ!芸人になりたい!?授業中にヨシモトの話をしたのでコネはないかということらしい。ウム。才能があるかどうかはわからんけどオモロイ。今度タムケンさんに紹介したろか。相撲の単行本の打合せをして教務担当の先生にレポートのとりまとめをお願いして帰宅。佐吉が迎えてくれんのは寂しいもんやなぁ。自宅での仕事はきっかけつかむのが難しい。そうか。これまでは朝夕の佐吉との散歩がリズムをつくってくれてたんやな。トム・クルーズの『ア・フュー・グッド・メン』という軍事裁判のアメリカ映画をCSで見てたら雪の影響で途中から画面が消えた。軍法会議(軍事裁判)が舞台の複雑なテーマのようでいて少々単純なアメリカン・サクセス・ストーリーをジャック・ニコルソンの存在感だけで支えてる映画かな…という程度やけど気になる。クソッ。屁こいて寝たろ。ZZZZZZ。
2月15日(火)
一面銀世界。少し雪かき。朝から歯が痛い。虫歯が欠けて根っこだけが残っていた左顎上の奥から4番目くらいのところ。昨日までは痛いどころではなかったのが緊張感が途切れたせいか。佐吉が自分との散歩の代わりに歯医者へ行けと言うてくれてるのかな…というのはさておき大相撲は混迷の極み。放駒理事長も特別調査委の伊藤某座長も「膿を出し切る」とか「徹底解明」が本気で本当に可能と思てるのか!?ならば理事の親方衆も調査しなければ!!それは可能!?ある元相撲記者がテレビで「放駒親方は現役時代クリーンでしたから理事長に適任」と言ってた。ならば他の理事はダーティなのか?そんなことより全親方衆が伊勢神宮で沐浴潔斎して大峰山へでも登り地獄を覗きこんで反省しファンの前で土下座して謝り早く再出発した方がいい。やくみつるさんはテレビで「相撲の神事は形だけ」と言ってたけど宗教は形が大事。サン・ピエトロ寺院もカーバ神殿も奈良の大仏も形が大事。かつて大横綱が任侠の大親分のためにハワイでピストルを買って帰ったときに時津風(双葉山)理事長が「土俵に立て。土俵しかない」と言った言葉を思い出せ。終日相撲関連の原稿書き。ふううー。晩飯映画劇場はグラミー賞にちなんで『8Mile』。エミネムは悪くないけどアメリカのビルドゥングス・ロマンは一直線に単純すぎてオモロナイで。あ。グラミー賞のグラミーってグラモフォン(蓄音機)の愛称か…。調べてみよ…。ニューヨークのバーンスタインの事務所でロッカーに詰め込んであった勲章やトロフィのなかからグラミー賞見つけて盗んで帰ったろかと思たけど(笑)我慢したもんな。アカデミー賞のトロフィもあったなぁ。どれも無頓着に埃被ってたし盗んどいたらよかったなぁ(爆)。
2月16日(水)
朝RKB毎日放送電話出演。テーマは大相撲。大学でのビデオ観戦アンケートの結果などを中心に八百長問題について。中西一生さんお休み。若いアナウンサーに変わると反応がチョイ違ってくるなぁ。時代の問題か世代の問題か?どっちもやろなぁ。マーラーに頭を戻そうとして終日資料読み…のつもりが大相撲原稿の校正やら取材電話やらで脳味噌が戻らん。シャーナイなぁ。近頃仕事中に聴いてる音楽もプッチーニの『つばめ』ばっかしやしなぁ。娘もこっちの音楽のほうがエエなんて言いよるしなぁ。まぁボチボチ脳味噌を戻すか…とマーラー『1番巨人』を小澤ボストン響で聴く。うん悪くない。花の章があるのもエエ。しかし久々に仕事にならない1日。まぁタマにはエエか。晩飯映画劇場は気軽に『ジュラシック・パーク3』。ハッハッハ。お手軽ジェットコースター・ムービー。『2』は『ゴジラ』と同じニューヨーク大暴れヴァージョンで笑たけど『3』はさらにお手軽虚仮威し。見ながら次女に「この映画のテーマはナンヤ?」と訊いたら「恐竜は怖い」との返事。ウム。簡潔に一言で答えろという餓鬼の頃からの我が家の教育は身に染みとるなぁ(笑)。答えは間違い。冗談としてはオモロイけど(爆)。正解は「人間の愚かさ。自然の偉大さ」かな。ツマランけど(笑)。まぁスピルバーグの脳味噌の底が浅いからシャーナイ(失礼)。あ。底が浅いから悪いとは言うてませんよ。『ET』も『未知との遭遇』も底が浅くて最高に面白い映画ですよ。しっかし最近WOWOWでやってた『アース』のほうが100倍以上凄いなぁ。現在の哺乳類を撮ったあのタッチで恐竜ドキュメンタリーをCGかなんかで創れんもんかいなぁ。
2月17日(木)
朝新幹線で大阪へ。新横浜駅でピアニストの熊本マリさんとバッタリ。1か月に渡る関東一円でのツアー・コンサートで協力させていただいたのはいつのことだったか?大阪で毎日放送関係のコンサートとか。だったら今度は関西で御一緒に…と挨拶して小生もMBSで『ちちんぷいぷい』生出演。ピーコさんに「アンタ私よりずっと若いのよね」とかなんとか少々イヤミをいわれながらも(笑)ネクタイを直してくださる。桂南光サンが「最近は着物も畳めん弟子がおって…」という話を本番でされたので「ソレ角界と同じですやん」ソレが今回の大相撲の「情けない事件」の根っこかも。「キッチンぷいぷい」からのゲスト加藤登紀子サンに高野孟さん宅でお逢いした話をして新譜CD『パーマ屋ゆんた』をもらって5時にスタジオ飛び出して新幹線で帰京。CS『日テレニュース24』の『デイリープラネット〜ニュース&解説』生出演。テーマはもちろん大相撲。討論のお相手は日テレの元相撲アナと竜虎サンと久しぶりに鈴木寛文部副大臣。番組終わってからも副大臣といろいろ密談(笑)。そうか。角界が宗教法人になったあと財産継承は難しいけどどこかの神社の外郭団体(一般財団法人)としてなら継承可能か。しかしそれには現大相撲協会が八百長以上にクリーンにしなければならないことがあってソレが今のままではどの神社も組織を引き受けることをイヤがるか。そうやろなぁ。そこが警察も本腰入れてるところやしなぁ。ついでに副大臣にオリンピックとW杯連続招致失敗の裏話を少々聞いて帰宅すれば11時半。ZZZZZZ…。
2月18日(金)
早朝から大急ぎで原稿1本仕上げて渋谷へ。佐吉の散歩の心配をせんでもエエのはラクといえばラクやけど寂しいもんです。渋谷で医療雑誌『からころ』の取材を受ける。テーマは脳出血。もう忘れてしもた話題でっせ(笑)。そのあと笹川スポーツ財団の人から資料もらってスポーツのシンクタンク設立の話を聞く。以前髭の殿下に構想をお伺いしたが実現しなかった話なので是非ともジャーナリズムとアカデミズムを包括する組織目指して頑張ってほしい旨伝えたあとNHKへ。関東甲信越番組審議委員会出席。ピタゴラスイッチのヴァージョンアップが見事だったこととスカラ座のドキュメンタリーでズッコケていたこと(『ワルキューレ』の最もイイ音楽をカットしていたこと)などを話す。何人かの委員の方から地方紙に掲載された小生の大相撲八百長に関するコラムが面白かったとの言葉をいただく。読売1千万部より大きい地方紙共同配信2千万部の力かな。どちらも部数は水増しした数字ですが(笑)。またフジTVの『知りたがり』での小生の大相撲解説も見てくださった方が意外と多かった。建国記念日の休日放送やったせいかな。久々に仕事の合間に『タワーレコード』に寄れたので満足。オペラのDVD2枚(猿之助演出『影のない女』とホセ・クーラの『道化師&カヴァレリア』)と日本映画2枚(『告白』と『アウトレイジ』)と3枚で3千円のアメリカ映画3枚(ナイショ・笑)とCD1枚(プッチーニ『管弦楽曲集』シャイー指揮・コレはレコードで持ってたもの。イイですよ)購入。帰宅すると娘がフィギュア・スケートでチャンネル独占。まぁシャーナイか。高橋大輔見るか…と思いながら睡魔に襲われ…後日ビデオで…ZZZZZZZZ。
2月19日(土)
朝東京へ。東京駅から上越新幹線で長岡へ。『エンジン01文化戦略会議オープンカレッジin長岡』に参加。新幹線車中で日比野克彦さんにバッタリ。ザッケローニについて語り合う。互いに高評価(当然)。積もった雪がイッパイの会場の長岡造形大学へ行くと久しぶりに安倍譲二さんとバッタリ。大相撲と八百長について語り合う。互いにヤクザ論に。有森裕子サンと中井美穂さんとアルビレックスの池田弘社長と小生の4人で3時限目の授業『栄光の架け橋と…スポーツ感動物語』担当。司会進行役は小生だったけどプロ(中井さん)にまかせて長嶋ヒーロー論から大相撲八百長否定出来山肯定論まで思い切り喋らせていただく。プロの司会と有森さんや池田さんの経験談で小生も大いに勉強させていただく。続けて4時限目の授業は脚本家の中園ミホさんの進行でコピーライターの岡田直也さんや元NHKプロデューサーの高橋康夫さん(三田佳子さんの旦那)と「メディア論」で主にテレビドラマやテレビスポーツの舞台裏。これまた話してても聞いてても我ながらオモロイ話の連続だった。授業を終えて日本酒呑みながら雪中花火を楽しんで夜は『夜楽』で作曲家の千住明さん生物学者の中村桂子さん照明家の石井幹子さんなんかと寿司和風料理の『米八』へ。そこで眞河豚や白子の天麩羅や鮟鱇鍋をいただきながら長岡市民の参加者を交えて歓談。当HPの愛読者もいて感激。じつに楽しい一夜でした。そうか石井さんの父上はベルリン五輪のサッカー代表でスウェーデンに勝ったときの奇蹟のイレヴンのキャプテンやったのか。あとホテルに戻ってバーで三枝成彰さんやら竹山聖さんやら奥田瑛二さんやら井沢元彦さんやら山本益博さんやら……に挨拶しまくって喋りまくって早々に部屋に戻って寝る。酒呑む体力がなくなったかな。ドーデモエエコッチャけど(笑)。
2月20日(日)
長岡の朝。ホテルで朝食あと故三波春夫さんの顕彰碑を見に行こうと思って場所を調べてもらったところがJRで4駅15分ほど離れた場所。しかも電車は1時間に1本。タクシーなら片道6千円。うむむむむ…。生前小生のコラム(「最高の日本のオペラ」=蔵出しコラム音楽編参照)に感激されて長文の毛筆巻紙の手紙をいただいた御縁で(ほかにCDやら越乃寒梅もいただいた)返事を書いたがソノ直後に逝去されこの碑の建造にも協力させてもらった。だから(小生の名前も彫られているらしいので)一度見ておきたかったのだが…チョイト時間がかかりすぎる。残念無念。諦めて上越新幹線で帰京&帰鎌。往復の新幹線で三田村鳶魚&柴田宵曲『侠客と角力』(ちくま学芸文庫)や新田一郎『相撲の歴史』(講談社学術文庫)に目を通す。何度読んでも面白い!八百長なんぞぶっ飛ばせ!帰宅してフィギュアスケート四大陸選手権。四大陸って何処のこと?欧州抜き?ならアフリカは入ってるの?まぁエエわ。安藤美姫はいつになったら言い訳がましい怪我や不調のコメントを言わなくなるのかな?浅田真央はトリプルアクセルが決まって良かった。男子は高橋に貫禄がついたし…さて世界選手権は…?
2月21日(月)
早朝4時半に起きて5時の迎えのタクシーに乗って文化放送へ。『吉田照美のソコダイジナトコ』生出演。スポーツの話題だけではなく長友・岡崎の素晴らしさからジャスミン革命から菅総理支持率低下まで喋らせてもらう。切り口は近松門左衛門の『虚実の皮膜』。ウソとホントの間にこそ真実が…。菅も鳩山も虚に揺れすぎやけどね。せやから言うて小沢も自民も…大相撲も…それを批判して"正義感"にあふれるメディアも…。それらをひっくるめてファジーで灰色で"YES & NO"と言える曖昧さの大切さを訴える。コーナーだけでなく番組に長く出演させてもらうとMCの照美サン以上にアシスタントの唐橋ユミさんの大変さがわかる。ニュース原稿こんなにイッパイ読むのんかと感心。帰宅してテレ朝スーパーモーニング見てると雷電為右衛門の話。えっ?雷電を見習ってガチンコ相撲を目指せ…ってソレは飯島和一氏の最高に面白い小説『雷電本紀』の話でしょ?もちろん実話に依拠してるとはいえフィクションの"ガチンコ"を持ち出して現在の大相撲の"八百長"を批判するとは…。あっ。そうか。フィクションのように巧くヤレということか。それなら納得(笑)。
2月21日(月)つづき
横浜桐蔭大学から学生のレポートが送られてきたのを整理。「興味あるスポーツマンにインタヴューするとして20の質問を記せ」というのが小生のテーマ。ざっと見たところ香川・本田・中田・モウリーニョなどサッカー優勢かと思えるが松井秀・イチロー・清原など野球も健闘。斎藤佑樹が見当たらんなぁ。ラグビー・水泳・フィギュア…なんかもある。鉛筆やボールペンの手書きが比較的多いのはなぜ?悪いことやないけど…。しかい…う〜ん…ザァーッと見たところでは日本語の書き方の授業もやったほうが良かったかなぁ…。晩飯映画劇場は『告白』。試写会で見たときは松たか子の最後の台詞が引っ掛かったけど今回TV画面で(映像と音響のハッタリ効果が小さい状況で)見直したらコレは凄い映画だと再発見。映画作りテクニックの巧み過ぎる映画監督によって現代日本社会の若者の実状が浮き彫りに。これはアカデミー賞なんぞのヤワなアワードが贈られるほど小さい作品ではないようにも思う。中島哲也は怖い。それにしても映画作りが巧すぎるなぁ。「何を描く(書く)か」と理屈をこねるよりも「どのように描く(書く)か」と技術を身につけるほうが「モノゴトの本質」に迫れるのかな…。
2月22日(火)
朝ちょいと大船まで出てディスクショップで買い物。山下洋輔&NYトリオ&飛鳥ストリングスの『Dilightful Contrast』青江三奈『懐かしの映画音楽を唄う』もういっちょ青江三奈『PASSION
MINA IN N.Y.』。青江三奈のジャズはエエなぁ。『伊勢佐木町ブルース』もエエなぁ。あ。もちろん洋輔サンの新譜も弦とトリオのコラボが絶品です。本屋に寄って井沢元彦『逆説の日本史17江戸成熟編アイヌ民族と幕府崩壊の謎』(小学館)半藤一利『あの戦争と日本人』(文藝春秋)購入。半藤さんは歴史モンで今ノリまくってるけど『大相撲人間おもしろ画鑑』(小学館文庫)なんてのも八百長の騒がれてる今こそオモシロイ。帰宅して横浜桐蔭大学の学生のレポートの採点。ちょいとウンザリする仕事。テストもレポートもなくして点数も単位も関係なく勉強するのが「ホンマ」やと思うけど世の中は「建前」で成り立ってるからシャーナイな。あっという間に晩飯映画劇場…と思たらニュージーランドで大地震。ニュース見てしまう。ふ〜ん。留学生が多いんか…。どうせなら古い歴史のある国に行ったほうがエエと思うけど…マオリ族の文化と接するのやったらエエけど…などと思うのは年寄の繰言?
2月23日(水)
朝RKB毎日放送電話出演。サッカー日本代表のボーナスの話。海外と較べて多寡は容易に語れないが名古屋の河村市長の議会論(地方議員は職業化せずに行政のチェック機能に徹すれば現在の議員定数の大幅削減が可能)はスポーツ組織にも参考になるという話。そのあと終日大学生のレポートの採点。小生の課題は常に同じ。「興味あるスポーツマンにインタヴューするとして質問を20記せ」というもの。それを「タイトル」「インタヴューの狙い」「質問項目の流れ」「日本語の表記」各20点満点で採点。それに「良い質問3点×個数」「悪い質問マイナス1点×個数」「加点要素10点満点」「減点要素最大−10点」の合計点で採点する。2日がかりで正直言って楽しかった。ベッカムに「女とサッカーのどっちが好きですか?」などという質問やイチローに「そんな気取ってカッコイイと思っているのですか?」という質問など爆笑しながらも点数の付け方に困るものが続出。こういう質問は自分がチョットは頭がイイ(偏差値が高い)と思っている大学の学生は絶対に書かない。なかにはつまらない質問もあったが桐蔭横浜大学の学生にはもっと勉強(モノゴトを考えること)の愉しさや考え方のノウハウや文章の書き方を教えてあげたいと心から思った。ウン。君たち。磨けば光るよ。ふううっと溜息ついたときは早くも夜。佐吉の夕方の散歩を気にしなくなっただけ集中力は増したけど不健康になったな。運動しなければ。晩飯オペラ劇場はチューリヒ歌劇場ホセ・クーラ主演の『カヴァレリア・ルスティカーナ』と『道化師』。クーラという歌手は声はエエのに歌いあげてくれんのは何故?モナコはパヴァと違うことをしたいという意図はわかるけど…残念。舞台は綺麗で演奏は上々。週末の中日オペラ講座はコレとアイノア・マルテータの『つばめ』でいくか。あ。『ゴッドファーザーPARTV』も入れよ。最後は『カヴァレリア・ルスティカーナ(田舎の騎士道)』ですからね。
2月24日(木)
午前中に桐蔭横浜大学の採点を再チェック。書類に点数を書き込んで発送するまでけっこう時間を食う。午後から今週土曜の『オペラ講座』のレジュメ書き。今週はプッチーニとヴェリズモ・オペラ。夕方から『鮨処もり山』へ。飛鳥新社で緊急出版する『これからの「相撲の正義」の話をしよう』(仮題)のための対談。出席者は飛鳥出版の編集長とフリーの相撲記者の荒井太郎さんと小生の大尊敬する朝日新聞元相撲担当記者の根岸敦生さん。八百長を「ブラックホール」と位置づけ角界を「アジール」と規定する根岸大相撲論に大いに同感。さてテレビ・メディアを中心とする馬鹿な「大相撲近代スポーツ化論」に一石を投じることが出来るか…。続けて久しぶりに『213』へ。1時頃まで痛飲。脳出血経験者として反省。人間は反省して成長します。角界も真に反省しなければならないところを反省して成長しましょう。反省しないまま「メディアの正義」を振りまわすスポーツ・ジャーナリストや相撲記者会友なんか無視して…。
2月25日(金)
久しぶりに二日酔いか(笑)。いろいろ原稿を校正&雑務。夕方から東京へ。打合せひとつこなしたあと近々名古屋でトークショーをする佐渡裕サンの音楽事務所クリスタルアーツに鎌倉豊島屋の鳩サブレー持って御挨拶。あ。鎌倉豊島屋については三田村鳶魚の『侠客と角力』に《化政度(註・江戸期の文化文政時代)に名高い力持ちとしては、神田明神下の内田屋の金蔵、鎌倉河岸の豊嶋屋の清蔵なんていふのが江戸で両大関と云われるほど強かった》なんて文章がある。また《鎌倉河岸の豊嶋屋に熊吉といふのが居りまして、神田に鬼熊横町といふ里称を残して居ります》なんて文章もあったので昨日店員さんに問い合わせたところが今日答えを用意していてくれて「鳩サブレーの豊島屋は明治以後の店。鎌倉には酒屋の豊嶋屋さんがあるのでそっちではないか」とのこと。ナルホド。近々酒屋の豊嶋屋さんを訪ねてみるか。クリスタルアーツの社長サンと近年の日本の芸術環境についていろいろ面白い話をしたあと東京駅へ。もう一つ打合せをこなしたあと帰宅。メシ食って爆睡。酒に弱なったなぁ。当たり前かなぁ…ZZZZZZZZZZZ…。
2月26日(土)
本HPの「最近のしごと」のコーナーを改めて見て我ながら感心。「雑誌新聞…」も「テレビラジオ…」も「NEW」のついた仕事がめっちゃ多い。2週間に1度の更新としては仰山仕事してるほうやろ。「大相撲八百長特需」ともいえるけどコレだけ大相撲八百長「必然的存在論」「必要悪論」「消極的肯定論」を展開しても世の趨勢というかメディアの方向性=「大相撲八百長巨悪絶対否定論」は変わらない。御近所の人やタクシー運転手や友人や関西九州のメディア関係者と話してもほとんどすべての人が「大相撲八百長必然的存在必要悪肯定論」の立場やのに東京のメディア人間だけは「八百長」を目くじら立てて非難する。なかには「舞台裏」では「必要悪」と肯定しながら「表舞台」では全否定大非難する「ジャーナリスト」も存在する。おまえのこっちゃ!たしかに「ブラックホール・アジール論」をメディアを通じて話すのは難しいがソレをジャーナリストがやってこそ世の中が豊かに暮らしやすくなるのやおまへんか。ねえ根岸先輩(一昨日の本欄参照)。
2月26日(土)つづき
午後から名古屋へ。栄中日文化センターでオペラ講座。テーマはイタリア・ヴェリズモ・オペラ。『つばめ』『カヴァレリア・ルスティカーナ(田舎の騎士道)』『道化師』などのオペラを見ながらヴェリズモ(真実主義・現実主義)といったところであまりにもリアリズムが強くなると余計に「嘘っぽく」なってしまい「真実味」から遠のくわけで近松門左衛門はその「真実味」を「虚実之皮膜」という言葉で表したという話。だから大相撲の出来山も「必然的存在必要悪」といえるのですヨ。往復の新幹線で33代木村庄之助『力士(ちからびと)の世界』(文春新書)読む。第一章「相撲は神事」で始まる。ポイントはそこですね。帰宅して晩飯映画劇場。フレッド・アステアのダンス映画ばかり集めた10枚組DVD1600円というパッチモン的全集からドキュメンタリー『アステアの世界』を見る。うわっ。インタヴューにジンジャー・ロジャースやレスリー・キャロンやジーン・ケリーが出てるのは当たり前やけどボブ・フォッシーからヌレエフやらローラン・プティまで出てきた!凄い!やっぱりアステアのダンスはあらゆる身体表現の世界でダントツやったんや!
2月27日(日)
東京渋谷へ。午前中一つ打合せをこなしてからテレビ朝日で行われた黒鉄ヒロシさんの『千思万考』出版記念展覧会オープニング前即売会へ。黒鉄さんに挨拶して絵を見せていただいてると「大相撲はどうなりますかねえ」と話しかけてきたのは元NHK『その時歴史は動いた』で何度もお世話になった松平定知さん。持論の「相撲協会宗教法人化」の話をするとチョイト驚かれたあと少々考えらてからアイデアには大いに納得された様子。その後昔『ナンバー』で一緒に仕事したN氏や小学館のK氏など懐かしい顔ぶれと再会。朝岡聡さんともバッタリ。スポーツ・アナというよりすっかりクラシック音楽解説者となられた朝岡さんと佐渡裕指揮ベルリン・フィルの話題で盛りあがる。黒鉄さんの絵のなかで1枚買いたいのがあったけどゆっくりしてられないので地下鉄の駅へ。そこで川淵三郎夫妻と久々にバッタリ。アジア杯のお祝いを言って永田町某所へ。マーティ・キーナートさんと対談。彼の新刊『スタンフォード流議論に絶対負けない法』(イーストプレス)の出版記念。旋毛曲がりの小生はアメリカ流黒白判然ディベートを批判して英語教育よりも源氏物語を読むことの重要性とファジーなグレイゾーンの存在の豊かさを説く。マーティさんはそのあたりをわかってくれますからね。帰宅して晩飯前映画劇場として北野武監督『アウトレイジ』。以前1時間近く見て寝てしまったので続きを最後まで。この程度の映画を騒ぐ気にはなれねーぜコノヤロー。短かかったので続けて晩飯食べながら『第九地区』。エイリアンの扱いのアイデアは南アを舞台に人種問題を思わせてB級映画としては秀逸な面白さがあるけど喜劇と悲劇の喜悲皮膜之間の扱いが鈍くてブラックユーモアの毒が薄くて最後は白けた。寝よ。あ。一昨日の本欄に書いた「鎌倉河岸の豊嶋屋」について朝日の根岸先輩からメール。「鎌倉河岸」というのは東京(江戸)の河岸の名前と教えていただく。江戸名所図絵にも出てるらしい。浅学御指摘多謝。
2月28日(月)
午前中大相撲「八百長」関連の資料を整理したあと午後から原稿書き。ウンウン呻吟。書けん。寝よ。
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