ナンヤラカンヤラ
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3月1日(火)
母親の七七忌と納骨で珍皇寺へ。そのあと姉の家族や両親の電器屋を支えてくれた番頭さん夫妻などと精進落としのため建仁寺祇園丸山へ。美味しかった。これで一区切り。

3月2日(水)
夕方、京都に事務所を持つ建築家の竹山聖さん夫妻が祇園の家を見に来る。豊橋のオープンカレッジで懇意にさせていただいたとき、祇園の「我が家」周辺の再開発が可能か・・・と話したら、さっそく現地視察をしてくださった。けど、つぶれかかってる祇園の長屋を数々の建築賞に輝いてる建築家の設計する家に立て直したりしたら、近所の人は目ぇ剥いて腰抜かすやろなぁ(笑)。オモロイとも思うけど、カネないしなぁ・・・。そのあと竹山夫妻を誘って祇園の酒肆「G」へ。昭和初期から続いてるバーをこういう人に紹介できるのは本当にうれしい。

PEOPLE

亀治郎・菊之助・松緑による『児雷也』

亀治郎・菊之助・松緑による『児雷也』

3月3日(木)
祇園の御近所さんに忌明けの挨拶回り。南座で今日が初日の『児雷也豪傑譚話』に出演する市川亀治郎さんに花を届けたりしたあと鎌倉へ。仕事をしてへんのに疲れる(笑)。これが京都の生活なんやろな(爆)。

3月3日(木)つづき
堤義明氏逮捕。独裁者はいつかは倒れる。そういえば所沢球場のオープンのとき、関係者入り口付近で自動販売機のジュースを飲んでいたら「オーナーのお着き!オーナーのお着き!オーナーのお着き!」と叫びながら二人の男が走ってきたことがあった。すると、あっという間に関係者入り口の前に赤絨毯が敷かれ、その左右に深々と最敬礼した男たちが列をつくった。オレは何のことかわからず、その横でジュースの紙コップを持ってボケーッと突っ立てると、ある男に「馬鹿者ー!消えろ!」といわれ、紙コップをたたき落とされ、背中を押されて最敬礼している行列から遠くのほうへ連行された。振り返ると堤義明氏が赤絨毯を踏んで球場内に入っていくのが見えた。それから西武ライオンズを取材するたびに「上に弱く下に強い」社員にウンザリさせられ続けた。まぁ、そんな人ばっかりとは違うんやろけど、オレには絶対に働けない職場。それが変わるんやろか?

3月3日(木)つづき
最近はどうか知らないけれど、西武球場(まだドームになる前)でプロ野球の試合を取材した記者たちは、原稿を鉛筆で書いて(まだワープロを使ってなかったとき)電話やFAXで送稿したあと、その原稿をゴミ箱に捨てず持ち帰った。捨てるときはミニシュレッダーで粉々にした。なぜかはわかりますよね。

3月3日(木)つづき
西武球場は建設されたときから人工芝の球場だったけれど、たった一カ所だけ小さな天然芝のスペースがあった。それは関係者駐車場の1台分の大型車が停まれるスペース。そこは堤義明氏のクルマが停まる場所だった。野球場のフィールドは人工芝でも、自分のクルマは天然芝の上に停めたかったらしい(笑)。その天然芝の駐車場に堤氏以外に堂々とクルマを停める男がたった一人だけいた。それは清原和博。さすがやで。そのスペースも、もうなくなったんかなぁ。

3月4日(金)
関テレ『ムハハnoたかじん』生出演のため大阪へ日帰り。昨日まで京都にいたのに色々事情があってうまいこといかん。やしきたかじんさんとは初共演。京都祇園の出身やと聞いていたけど、なんと200メートルも離れてへん距離の隣町。そんな御近所さんと堤義明氏のことやら阪神タイガースのことやらゴチャゴチャ喋ったのは楽しかったけど毎日新幹線はさすがに疲れる。おまけに新幹線で読むことに決めてる橋本治の『双調平家物語』が7巻まで進んで鳥羽・崇徳の対立になってメチャメチャ面白うて寝られへん。『保元の乱とは、この美福門院と藤原頼長の戦いなのである』と書き切るところが凄い!この凄い一文を書くために大化の改新の中臣(藤原)鎌足から書き起こしたところがまた凄い!天皇家と摂関家の男色女色入り乱れて圧倒されて感服するほかなし。堤康二郎の家系図とか日枝vs堀江とか、ちゃっちいこっちゃなぁ・・・といいたくなる(笑)。

3月5日(土)
愚息の卒業式に出席したあと、澁澤龍子さん(澁澤達彦氏未亡人)に招待券をいただいていた北鎌倉古陶美術館で開催中の『檜家の雛人形展』に足を運ぶ。元禄以降の見事な雛人形に感服。以前、鮨処『もり山』で澁澤さんと御一緒させていただいた檜さんに案内までしていただいて恐縮。

3月5日(土)つづき
経営コンサルタントでHBS出身者で中学以来の朋友Sと『もり山』で飲む。そこへ高野孟さんが現れてトークバトル(笑)。ホリエモンvsフジ、アメリカ・ファンダメンタル資本主義vs日本社会について侃々諤々。何がどうなるのかわからんけれども結局は「若い者の世の中になる」ということで意見が一致(笑)。そうやねん。それだけのこっちゃねん。英語が喋れいでも、HBSの出身者やのうても、かまへんねん。HBS(ハーバード・ビジネス・スクール)出てても阿呆もおるもん。みんなで『ジンガロ』を見に行きましょう!ナンノコッチャ(笑)

3月5日(土)つづき
スポーツライターらしいことも書いておこう(笑)。Jリーグ開幕戦浦和レッズvs鹿島アントラーズの一戦は面白かった。TBSのカメラワークも、Jリーグ優秀放送賞の元選考委員としては努力賞に推薦できる素晴らしさ。けど、アップの映像に力が入りすぎて、引きの映像はイマイチ。このあたりが大きな課題。スポーツをどうとらえるか?ベイスターズの中継で牛島監督ばかり映さないように!

3月6日(日)
角川書店でスポーツジャーナリスト実践塾講座。もうとくに話すことはなくなった。あとは仕事をするだけ。学ぶよりも仕事をする。そのほうがよっぽど学ぶことにもなるんやから。

3月6日(日)つづき
実践塾のあと『スポーツ・ヤァ!』の企画その他について編集長のH氏と打ち合わせ。少々長引いてしまって本HPの更新作業が月曜にずれ込む。火曜にはなんとか更新してもらいますので、読者の皆様ごめんなさい。

3月7日(月)
山積みになってる仕事の処理や手紙FAXの整理は音楽を聴きながら・・・と思って平林直哉さんが送ってきてくれたCDをラジカセにかけたところが・・・あかん。事務処理の手も止まるほどの名演・怪演の連続にすっかり興奮してしまった。クナッパーツブッシュのすごさは知ってるつもりやったけど、ベルリン・フィルとの『こうもり序曲』や『バーデン娘』なんてもうハチャメチャのすごさ。何種類もある『英雄』のライヴなんかどれもテンポが違う。シェルヘン(フランス国立管)の『マーラー5番』もアーベントロート(バイエルン国立響)の『ブラームス1番』も腰が抜ける強烈な演奏。クレンペラー(ハンガリー国立歌劇場)は『ロ−エングリン』の生演奏中の大拍手に(それが湧き起こるほどの名演奏なのに)怒って演奏を停めて怒鳴り出すし、フルトヴェングラーはバッハをブルックナーのように演奏してるし、そしてゴロワノフ!(モスクワ放送響)この強烈なロシア人指揮者の『展覧会の絵』のすごさは知っていたが、ワーグナーを聴いてぶっ飛んでしまった。『リエンツィ』も『タンホイザー』も荒れまくってるけど『オランダ人』なんかほんまもんの嵐が吹き荒れてる。おそるべし、平林コレクション!しっかし、なんで最近はこういう「狂気」が廃れたのか・・・。それがエントロピーの必然というものなのか・・・。そんなこんなで更新が遅れてスイマセン。

CD

クナッパーツブッシュ
クナッパーツブッシュ

クナッパーツブッシュ。この人はやっぱり怪物やで

CD

ゴロワノフ

ゴロワノフ。この人は化け物やで

3月8日(火)
オリックス・グループの社長室から小生が雑誌『BOSS』に書いた原稿(昨年のプロ野球の1リーグ化騒動とストライキの動き等の総括)に関して「事実関係に相違があるので説明したい」との連絡があったので、東京芝のオリックス本社へ足を運ぶ。オリックス宮内会長の「意向」を丁寧に説明していただいたが、内容は「事実関係の相違」というよりもむしろ「見解の相違」。たとえばプロ野球の放送権について、宮内会長は基本的には「12球団平等に分配すべき」という意見をお持ちだが「巨人さんがこれまで築いてきた商権・営業権をすぐさま否定することはできない」との考え。しかし私にいわせれば、スポーツ(プロ野球)界のあり方として全体の発展を考えるなら「宮内会長は巨人に遠慮すべきではなく、巨人にとってもプラスになるはずということを説得すべき」だと思える。そのような意見を社長室広報の方と互いに述べ合ったうえで、なぜ昨年宮内会長の「縮小案」が国民に受け入れられなかったか、オリックス球団は今後どうすべきか、ということについて私見を述べさせていただく。今年からオーナー会議の議長になる宮内氏ははっきりと構造改革を打ち出すべきだろう。

3月9日(水)
本日休業。一回これを書きたかった(笑)。あっ、朝のRKB毎日放送のラジオに電話出演してるんや。休むのって難しいなあ。

3月10日(木)
鎌倉市芸術文化振興財団の懇親会に出席。指定管理者制度(許可を得れば誰でも公共施設の運営をできる制度)の実施に伴い、こういう財団はもう不要になるんやろな・・・と思いながらジイサンバアサンの会に出席。あらゆる組織にホリエモンみたいな奴が必要なんやで。もちろんオレも追い出される側の筆頭かもしれんけど、そうなったら最高やで。

BOOK

渡辺京二『逝くきし世の面影』葦書房4200円

渡辺京二『逝くきし世の面影』葦書房4200円

3月10日(木)つづき
鎌倉芸術館での会に出席したあと、久しぶりに大船の島森書店へ顔を出す。すると「青い目の見た日本」という企画展示があって、ビゴーやモース、ライシャワーやドナルド・キーン、小泉八雲やホワイティングの本を並べていた。が、残念ながら渡辺京二の大名著『逝きし世の面影』(葦書房)はなかった。訊けば、この最高の名著が絶版とか。そら、あかんで。最近の若い連中の御多分に漏れず、オレの3人の子供もあんまり本を読まんけど、これだけは読め!といいたい一冊なんやから。葦書房さん、増刷してください。

3月11日(金)
『ちちんぷいぷい』生出演のため大阪へ。間寛平師匠の「さきっちょマン」にぶったまげる。こういうシュールな芸がお昼の奥様向け番組に平気で登場させる大阪はホンマに恐ろしいとこやで。なんのこっちゃワカラン・・・という人は気にしないでください。まったく意味のないことですから。夜、名古屋泊。

3月12日(土)
東海テレビ『スーパーサタデーー』生出演。女子フィギュアの世界ジュニアで優勝した浅田真央ちゃん(ちゃんといたくなる)と山田コーチも生出演。現在中3の彼女は年齢制限があって来年のトリノ五輪には出場できない。が、格段の技術力と表現力を持つ彼女の出場を期待する声は日本以外からも高いらしい。日本のスポーツ界(フィギュア界)はいつも「世界(欧米)の作ったルール」を受け入れるだけのことが多いが、こういうときは自らルール改正を主張すべきだろう。番組終了後、京都に寄ったあと大阪へ。ラグビーの平尾誠二さんの主宰するSCIXで講演。「コーチとは何か、コーチングとは何か、スポーツ文化とは何か」という「原論」をはなしたあと、平尾さんと二人で漫才(笑)。平尾さんが語ったコーチとってに最も重要なのは「立ち位置」という話が面白かった。大阪泊。

3月13日(日)
早朝の飛行機で伊丹から札幌へ。『北海道みちとくらしと未来のネットワーク』の第3回シンポジウムで司会。このシンポは(というか、この会は)本当に面白い内容で、逢坂ニセコ町長や土木学会の森地先生等々の話を聞くだけで勉強になる。シンポが終わったあとの打ち上げパーティで逢坂町長に「西武(堤氏逮捕)の影響」を伺う。「これまでヤル気があっても抑えられていた人の活躍に期待してプラスに考えるべき」とのプラス志向はサスガ。

3月13日(日)つづき
シンポの打ち上げが終わってから月尾嘉男氏(東大名誉教授・・・というより、知る人ぞ知るプロデューサー兼フィクサー?)とワインバーで歓談。小樽グランプリの問題点も語る。楽しい話にほろ酔い気分で深夜タクシーでホテルに戻ったところで夕食をきちんととってないこと(腹が鳴ったこと)に気づき、ちょうどホテルの向かいに美味しそうなラーメン屋があったのでタクシーを降りて道路を渡ろうとしたところが、氷結したツルツルの道路でスッテンコロリン。背中からドスンと地面に叩きつけられたうえ、立ちあがろうとしたら今度は前向きに滑って膝をイヤと言うほどぶつける。その拍子に眼鏡がぶっとび、そこへ自動車が通過してアワレ眼鏡はボロボロ。真っ暗な路上で北の国の道路の恐ろしさを思い知らされる。<教訓1>冬の北海道で深夜にラーメン屋へ行くのはやめましょう。<教訓2>眼鏡は命を救ってくれる。

3月14日(月)
朝起きると膝とクビの周囲が少々痛い。が、背筋はまっすぐになったような気がする。眼鏡がないので周囲が何も見えないまま北海道朝日新聞の方と4月8日におこなうシンポジウム(フォーラム・北海道とスポーツ文化)の打ち合わせ。そのあと新千歳空港から羽田へ帰って眼鏡屋へ直行。レンズが少々特殊なので一週間ほどかかるとか。テレビなどの仕事が入ってなくてよかった。イラン戦は海外組か・・・。ライブドアとフジの戦いはまだ続くのか・・・とニュースを聞いても、視点がぼやけてると別のことを考える。あのとき自動車にはねられてたらどうなってたんやろ・・・?やり残してることがまだあるし、マジメに仕事をしよう・・・。けど、まあ、眼鏡が壊れただけで誰にも迷惑をかけなくて本当にヨカッタ。

3月15日(火)
膝とクビの痛みは和らぐ方向でよかったが、古い眼鏡(度の合ってない眼鏡)で仕事をするとやたら疲れる。眼鏡がないと生活できないということは、オレはサイボーグか?(笑)本を読むのも疲れる。映画も字幕が読みにくいので、久しぶりに携帯電話についているテトリスをすると、99ライン・アタックでなんと28万7千878点の自己新記録!これは世界記録とちゃうか!と一瞬大喜びするものの疲れは倍増。アホやで(涙)。

3月16日(水)
札幌で転んだ後遺症ではなく、眼鏡の度があってないせいだと思うけれど、ナニヤラやる気が出ないので、本を読む。小泉八雲の『怪談奇談』やライシャワーの『日本史』。ライシャワーという人はやはり頭がよかったなぁとつくづく感心。「頭がいい」というのは要するに「相対的」な視点に立てるということ。ところが世の中には「相対的」な視点に立てない人がいて(「絶対的」な視点に立つ人がいて)、そういう人を批判すると相対的でない(絶対的な)人から糞味噌な反批判を受けてしまう。まぁ、世の中にはいろんな人がいるから仕方ないんやろけど・・・、オレはミキタニよりもホリエモンのほうが「相対的」やと思うなぁ。「野球界を改革したい」という人よりも「自分の会社を大きくするために野球ファンと『WIN/WIN』の関係を作れると思う」というほうが、オーナーとしては正直な言葉やと思う。

3月17日(木)
佐渡裕指揮スイスロマンド管のプロコフィエフ『ロメオとジュリエット』のCDが送られてくる。最高!迫力以上に美しさに感動!明日にならないと新しい眼鏡ができないからまだ視線はボケてるけど、音楽を聴くのには関係なし。そういえば、乙武君と交際を始めた頃、どこまでの身体障害者にスポーツライターになることが可能か、ということを考え抜いたことがあった。小生の結論はすべての身体障害者(視覚障害者を含む)にスポーツライターになることは可能というもの。それを詳しく書くには本欄では紙幅が足りないので、いつか改めて書きたいけれど、聴覚障害者に音楽評論家は可能か?視覚障害者に映画評論家や絵画評論家は可能か?ということも、改めて考え抜いてみたいと思う。ひょっとして可能のような気もするけど・・・。こんなことばっかり考えてるから「スポーツライターのくせに現場に足を運ばない」などと批判されるんやろなぁ。現場通算時間(パイロットの滞空時間のようなもの)を計算したら、誰にも負けへんつもりなんやけどなぁ。それは、歳をとったということだけか(涙)。

3月18日(金)
コラム2本書いたあと、大友人のクラシック音楽事業者協会のS氏と打ち合わせ。話題は、愛知万博からトリノ冬季五輪まで、村上ファンドやホリエモンからアルビレックス新潟や小樽グランプリまで。さらにハリウッドの超有名映画監督からブロードウェイまで。いろんな計画が進んでるけど、同年齢のオレたちの最終目標は「団塊の世代よりも年上のジジイどもを引き連れて一日も早く引退し、若い世代に仕事を譲ること」で一致。けど、ねばるジジイどもが多いからなぁ・・・。

3月19日(土)
スポーツ・ジャーナリスト実践塾第2期最終講義。『スポーツ・ヤァ!』を角川書店で最初に立ちあげたK氏に、「雑誌の創られ方・作られ方」を講義していただく。第1期実践塾生のときも講義していただいたが、そのとき欠席した小生にとってはメチャメチャ面白い授業。その面白さ・・・たとえば「新雑誌が創られるときは、必ず元になる雑誌がある」といった言葉が、塾生にどこまで理解されたか・・・。まぁ、ともかく第2期の養成塾、実践塾とも終了。あとは我が家での『卒塾筍御飯パーティ』を残すのみ(笑)。誰か一人でもスポーツライターとして巣立ってほしい。

3月19日(土)つづき
ジャーナリスト塾のあと、憲法9条を守ろう!という意図のインターネット・マガジン『9条マガジン』の取材を受ける。自国を守る自衛隊が海外に出るのはオカシイ。ならば自衛隊を軍隊にして海外に出られるようにしよう、というのはもっとオカシイ。災害救助復興支援のための派遣なら災害救助隊とか復興支援隊に自衛隊の一部を再編すればいいだけ。軍備が必要な地域への派遣は国連の指揮下に自衛隊の一部を別組織に再編すればいいだけ。「とにかく平和を守るために現行憲法のすべてを守ろう」というのではなく「50年後100年後の世界平和のために憲法前文と9条の精神を守り世界に広めるべし」という話をする。だったら9条の「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」という条文は残し、「自衛権を行使する自衛隊は、これを保有する」でもかまへんのやから。けど(アメリカにいわれるから)「海外派兵もできる軍隊にする」というのはアカンで。北朝鮮のテポドンも竹島や尖閣諸島問題も自衛隊を軍隊にしたら解決するわけやないんやから。

3月19日(土)つづき
『9条マガジン』の取材を受けたあと『世界の指揮者列伝100人』(仮題)の打ち合わせ。音楽評論家の平林さん、デザイナーで音楽通で昨年ゲルギエフ取材でサンクト・ペテルブルクへ一緒に行った水谷さん、編集者のK氏と話が弾む。世界的に有名な指揮者のS・OやC・AやR・Mのどこがオモロイねん?サイテーやで!ということで意見が一致。けど、本は売りたいから有名人は入れよう、ということでも意見が一致(爆)。けど、ウソは書きたくないから、ベスト80人とワースト20人という選択にし、文章を読めば「有名やけど、この指揮者はアカン」ということがわかることにしよう・・・といったことを話し合う。原稿を書く前の企画会議はほんまに面白い。原稿を書くのは地獄の苦しみやけど(涙)。

3月20日(日)
『サンデージャポン』生出演のためTBSへ。デーブ・スペクターがなぜあそこまでホリエモンをボロクソに言うのか理解不能。「カネを儲けるだけでメディア運営の意志がない」というのはムラカミに対する批判ならわかるけど、ホリエモンはやる気満々のはず。人格攻撃は論外だが「プロ野球界参入のときにライブドアは稚拙なプレゼンしかできず、楽天のほうがプレゼン内容がよかった」というのは明らかに事実認識の誤り。楽天の参入決定は選手会がストをしている時点で決まっていた。審査は茶番だったのだ。もちろんホリエモンに対する「疑問」は小生にもあって、彼の「美意識」には首を傾げたくもなる。けど、デーブの非難は無茶苦茶。スタッフの間からも「一緒に仕事をしようとして断られたんじゃないの?」「フジの現体制と大きな仕事をしてるんじゃないの?」「あの非難がウケてると思ってるのかな?」といった声が。テリー伊藤さんも「あいつ最近ちょっとオカシイ」と苦笑。番組は九州北部の地震のため途中で打ち切り。そういえば阪神淡路大震災のときも小生はTVの生番組(生島ヒロシさんが司会していたときのフジのモーニングショウ)に出演していて、そのときはヘリからの中継を見ながら関西人として場所の解説をした。地震と縁があるのかな。長年お世話になっているRKB毎日の皆さんは大丈夫かな?

3月20日(日)つづき
TBSのあと高校生のトップクラス・バンドの大会『ミュージック・パワー・ステーション』を見る(聴く)ため渋谷の「オー・ウエスト」へ。グランプリはタテイシミキトが中心の『HEY YA BOSH ROOSTARS』ミキトの歌は独創性はあるが音程が不安。けど、ヴォイストレーニングと腹式呼吸で基本を身につければ3年後くらいにはスターになる可能性あり。準グランプリは『熱金魚』。リズムの安定したドラムも、一音一音が際だったギターも、鮮やかなピアノも、6弦ベースでマーカス・ミラーばりのテクを見せたベースも、技術的には『熱金魚』がトップだろうけど、フュージョン系ジャズ・バンドは売り出しにくいだろう。ま、久しぶりにチョー若い連中の音楽を聴いて面白かった。父兄も多かったけど(爆)。

3月21日(月)
この連休、予定では京都へ帰って南座で『児雷也』を見たあと墓参りのはずだったが、仕事や締め切りが重なって結局帰れず。京都に墓があるというのはやっぱり遠いな・・・。昨日のTBSで小生のホームページが紹介されたので訪れる人(ヒット数)が増えるかと思ったけれど変化なし。日常的にテレビを見る人とインターネットに熱中する人はあまりクロスしないのかもしれない。だったらラジオを聴く人とはもっとクロスしないだろう。要は「限られた時間の奪い合い」なのだろうが、このあたりをホリエモンはどう考えてるのやろ?

3月22日(火)
今年もスポーツジャーナリスト養成塾(第3期)の塾生募集を行うことにしました(右の募集要項の写真をクリックしてください)。

3月22日(火)つづき
昨日の本欄に「TBSで小生のホームページが紹介されたのに変化なし」と書きましたが、本HPの制作を手伝ってくれている若い連中から「若干変化があった」との報告があり、データが示されました。それによるとTBS『サンデージャポン』が始まる前の9時台1時間のヒット数は129。始まったあとの10時台のヒット数は605。なるほど5倍近く増えてる。でも、こんなもんか。まぁ、サンプル数が少ないのでようワカラン(笑)。テレビで見て初めて訪れた人がリピーターになった様子もない。ホリエモンを絶賛してるわけでもなければ、ライブドアとフジテレビの戦いに過激な意見をいってるわけでもなく、(21日までの)市川亀治郎やクナッパーツブッシュの写真や熱金魚の記事を見てガッカリしたのかもしれん(笑)。まぁ、歳取ると丸くなるので御容赦(爆)。

3月23日(水)
新進気鋭のフュージョン・ジャズバンド「熱金魚」が高円寺の次郎吉に出演することになったらしい。サキソフォンの臼庭潤氏のジャズ・ルーツの前座で4月8日に出るとか。これ以上書いたら親バカになるから、もう「熱金魚」について書くことはやめます(笑)。次に書くのはホンマにエエCDでも出したとき。まぁ10年後かな(爆)。

3月23日(水)つづき
ライブドアがニッポン放送に「勝った」とか。けど、いまからホンマの技量が問われるわけで、ライブドアにとってタイヘンなのはこれからやで。もちろんニッポン放送の社員にとってもタイヘンやろけど、ノンベンダラリよりもタイヘンのほうがオモロイのんとちゃうかなぁと思うんやけど・・・。「ホリエモンがもう少し人格者だったらよかったのですが、まだ若くて信用できなくて・・・」というメールをいただいた。気持ちはわかるが、いま熱読中の橋本治『双調平家物語第8巻乱の巻・平治の巻』に次のような一文があった。「人格者とは大勢に従って異を唱えぬ者の別称でもある」人格者の反対語ってなんやろ?人格破綻者?人格未形成者?若者?チンピラ?まぁ、人格者が世の中を変えるなどありえないことだけは確かだろう。

3月24日(木)
今朝の日刊スポーツに「ライブドアがニッポン放送経営なら」タモリ、倉本聡、市川森一、中島みゆき、江本孟紀らの各氏が番組降板を申し入れたり出演交渉を断る、との記事が出ていた。それを読んで、法隆寺の金堂が全焼したときの岡本太郎氏のコメントが思い出された。「法隆寺の金堂なんぞ焼けてけっこう。みんなで、もっといいものを創ればいいんだ」このコメントは相当に物議を醸したが、さすがは「ブヮクハツ芸術家」の凄いコメントですなあ。おれには絶対にいえへんコメントやで(当たり前やで・笑)。

3月24日(木)つづき
都内でヴァイオリニストの五嶋龍君にインタヴュー。7歳でのデヴュー(8歳だったっけ?)以来、何度もインタヴューさせてもらったが、それから約10年。好青年になった。ヘビメタ、パンク、ジャズ・・・、イングヴェイやヴァイやドリーム・シアター、チャック・ベリーやデイヴ・ブルーベック・・・といった、クラシック以外の話で盛りあがる。演奏するうえで好きな作曲家は、バルトーク、ストラヴィンスキー、プロコフィエフ、ショスタコ・・・など「ジャズ・ロックが生まれ始めたときの音楽。時代の変化が感じられるから」とか。[ストラヴィンスキーをやるときは、スモークをたいて、照明もビシャビシャにパンクっぽくやりたい」母親の節さんとも歓談。「もう、好きなようにせいっていう感じですわ」相変わらず節さんは頼もしい。「時代を変える」のはやはり「メディア」ではなく「メッセージ」に違いない。

3月25日(金)
鎌倉芸術館で鎌倉市芸術文化振興財団の理事会に出席したあと『週刊フジテレビ批評』のVTR撮りのため、いま話題のフジテレビへ。向坂、武田両アナウンサーとプロ野球について語り終えて収録を終えると、「私を憶えてますか?」という人物が出現。失礼ながら思い出せないでいると15年くらい前の『モーニングコール』という早朝ワイド番組のプロデューサーだったという。「うわあああ!」と思わず声を張りあげてしまったのは、小生が最初にレギュラー出演した番組だったから。いまは亡き山川千秋さんがキャスターで、朝の5〜7時くらいに放送されていた番組で、川端健嗣アナや山中秀樹アナと一緒にスポーツコーナーを担当。長嶋一茂が新人のときはアリゾナ・キャンプレポートを福井アナと送ったこともある。そのときフロリダで中日の星野監督や落合がまったく取材に応じてくれないという情報を聞いたので、髭をきれいに剃り落としたところ、向こうから「どうかしたの?」と話しかけられて取材に成功したことも。ただし、雑誌記者のパッションとしては成功だったが、テレビを忘れていて「突然顔が変わって誰かわからない!」と叱られたことも。懐かしい人は定年退職して子会社へ。年取りましたなぁ(笑)。いやぁ、そんなこんなでお世話になり、若かった小生を育ててくれたのはフジテレビだったのであります(苦笑)。

3月25日(金)つづき
残念!無念!けど、まぁ、1敗もせずホーム&アウェーの最終予選リーグを終えられるとも思えないし、焦ることはないやろ(と、自分を慰める)。とはいえ、ジーコの選手交代と中田のポジション(小笠原が入ったあと)は、あれでよかったの?

3月26日(土)
昨日のイラン戦の試合後の俊輔のコメントが興味深かった。「同点になったあと、攻めるのか守るのか意志統一ができなかった。ジーコに直接聞いたら『攻めろ』と言ったので、攻めたけど・・・」しかし僕たちは(なんて主語の使い方をしてしまいますけど)まだまだジーコに学ばなければならないのかもしれない。自分たちのサッカーをやり続けさえすればいいのだ・・・ということを。ブラジル・チームのやっているように・・・。中日栄文化センターでの『オペラ講座』のため名古屋へ。万博とかぶって新幹線混んでるのかな?それと一言。本欄の読者からのメールで知ったけれど、中島みゆきがニッポン放送との出演交渉を断ったのはライブドアとは何の関係もないようです。

3月26日(土)つづき
中日栄文化センターで、ダニー・ケイの指揮するNYフィルの演奏やバーンスタインの『ヤング・ピープルズ・コンサート』のビデオを見ながら『オペラ&クラシック講座』テーマはアメリカの音楽。それにしても小学生を相手にコープランドやウイリアム・シューマンの楽曲を解説し演奏し愉しませるバーンスタインは、やっぱり音楽の天才やで。第6期の講座はこれで終了。4月からの第7期は「ミュージカルとオペラ」「演歌とオペラ」「歌舞伎文楽とオペラ」「映画とオペラ」といったテーマで講義します(というより一緒に愉しみます)。名古屋近辺の方はふるってご参加ください。関係ない話やけど、講座に参加している40人くらいの人に「万博へ行く人は?」と訊いたら全員が手を挙げられました。まあ、近いさかいなあ。講座のあと京都泊。

3月26日(土)つづき
東北楽天ゴールデンイーグルス初勝利。まぁ、岩隈やしな。

3月27日(日)
お彼岸にできなかった墓参りを珍皇寺で済ましたあと南座で『児雷也豪傑譚』を見る。おもしろかった!宙乗りから波田陽区のパクリまでサービス満点。『合邦辻』や『勧進帳』まで盗んで見どころ満載。おまけに菊之助がよかった。亀治郎の女形はもはや貫禄。松緑は若さにあふれ、演出の菊五郎は日本版ブランド・マダムでヨガまで披露してウケまくり。スーパーカブキのわかりやすさに加えて、歌舞伎のあらゆる所作がダイジェストで紹介されているようで、エンターテインメントとしても歌舞伎入門としても相当に上質な演し物となっていた。これなら1か月近く満員というのもわかる。オペラやクラシック業界もこのサービス精神を見習うべし。東京へ向かうのぞみ号の車中で楽天がロッテに0対26で敗れたことを知る。おもろいチームやないか。最高の出足で2日連続スポーツ紙一面獲得間違いなし。ただしジョークは一回限りに。

3月28日(月)
ホワイトナイトかなんか知らんけど愛読書は孔子と韓非子とか。老子と荘子のほうが圧倒的にオモロイのに・・・。こういう人たち(ソン、キタオ、ミキタニ、ホリエモンetc・・・)って、どんな音楽を聴いて、どんな絵が好きなんやろ?そんなん聴いたり見たりする暇もないのかな?昔やったらニシンが儲かるいうて小樽へ駆けつけた連中が、今はITやとかM&Aやとかいうてるだけか?所詮はカネだけ?

3月28日(月)つづき
橋本治の『双調平家物語』の保元の乱の場面で、崇徳院の立て籠もった白河北殿を守る武士の一人に「三町礫(つぶて)の紀平次大夫」という男が出てきた。「腕力で礫を飛ばすその距離三町を誇る」という。広辞苑で調べてみると一町は60間で約109メートル強とある。ナニ!?遠投300メートル以上!?現役時代の山本浩二の全盛期でも120メートル程度やのに・・・と驚いたら、これは太閤検地以降の単位で、平城京平安京では「一坊の十六分の一。約四百尺」だという。だったら一尺は(いろいろ誤差はあるけど)約30センチだから400尺は約120メートル。そうか。どんな礫(石の塊)を投げたのか知らんけど、平安時代から日本人の肩の強さはあんまり変わってへんのやなあ。歌舞伎の『勧進帳』の弁慶の舞のなかにも「石投げの見得」という型がある。このあたりも日本人の「野球好き」の根拠といえるかも・・・。いま思わず「肩の強さ」と書いたけれど、遠投力を表す英語はStrong Arm。橋本治は英語と同様「腕力」と書いてるが、昔はそういう言い方をしたんやろか?「肩が強い」とか「強肩」とかいうのは科学的にはオカシイもんな。

3月29日(火)
開幕以来パ・リーグの試合をBSーNHKで何度か見たが、ちょっとナントカしてほしいと思ったのは小生だけか?走者三塁外野フライ。1点が入ったあと守備側がサードランナーのスタートが早かったのでは・・・とアピール。しかし三塁塁審は両腕を左右に広げてセーフのジェスチャー。そのときのアナウンサーの言葉。「走者の離塁は適正であったということです」ほかにも「この場面では打者は引っ張ってもいいんですね」とか「こういうプレイはいけません」とか・・・。見ていてだんだん気分が暗くなってきた。高校球児のお勉強のために放送してるの?ホークスの川崎の凄い打球がサード・コーチを直撃した、と思ったとき、コーチがそれを見事に一回転して避けたときにはノー・コメント。まったくの無視。これでは野球の面白さが茶の間に伝わらへんで。

3月30日(水)
クラシック音楽事業協会主催のシンポジウムで司会。ゲストはアルビレックス新潟の池田社長と松竹の迫本社長。話の中身はメチャメチャ面白かった。「サッカーほど退屈なスポーツはない」と思っていた宮司が本職の池田社長と、「映画や演劇のことは全くの無知だった」という弁護士の迫本社長。ご両人ともマネジャーに徹し、プロデューサーを育て、自分にとっては素人の現場を大切にしたことで成功。そしていまではサッカーや映画に感激するなかで仕事をする毎日。このあたりの謙虚さを、キタオ、ソン、ミキタニ、ホリエモン・・・あたりも見習ってほしい。シンポのあと、両社長に加えて、ぴあの矢内社長や事業協会の佐野会長と歓談していると、乙武君の母上がいらして挨拶された。「悪い道に引きずり込んでしまってスイマセン」というと「いえいえ、本人も引きずり込まれたかったみたいですから」と笑顔の返事。ええお母さんやなぁ。

3月30日(つづき)
バーレーンのオウン・ゴールで日本代表勝ち点3。まあ、なんでもエエわ。これだけベンチからの指示がないと、選手は成長するやろう。

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