4月1日(土)
朝起きて雨のなか黒兵衛と散歩のあと昨日に続いて部屋の掃除。久しぶりに仕事部屋の隅々にまで掃除機をかける。気持ちイイ。掃除とは部屋を綺麗にするのではなく心を綺麗にするものか…などと殊勝なことを頭に浮かべる。ルンバではこんな考えに至らないだろう。それが文明の進歩か?と考えはあらぬ方向へ走り出しゴゴイチで横浜へ。来月と再来月神奈川大学横浜キャンパスでのエクステンション講座でお世話になる大竹弘和先生宅へ。広瀬一郎夫妻&長田渚左さん&大竹先生の友人の会社社長氏と飲み食い打ち合わせ。残念ながら雨模様だったのでバーベキューはできなかったが美味しいワインとコロナビールで絶品お肉料理をいただきながらイロイロお話。夕方に辞去して帰宅すると長女とBF&次女と孫が来ていてパーティ第2ラウンド。孫の小学1年生祝い。途中羽生結弦の見事なフリーの演技に全員大興奮。スポーツニュースで巨人阿部の2日連続東京ドーム特別ホームランを見る。あの打ち方でホームランになるのは反則ですね。
4月2日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩。昨夜遅くまで酒呑んだガキどもは朝寝。朝寝する力があるのは若者の特権ですな。朝のテレビで中日を引退した川上憲伸が昨日と一昨日の巨人阿部のホームランを「東京ドームでのホームランの打ち方を知ってる」と表現。風まで吹いてるというのは本当か?昨日飲み過ぎたせいでもないけど終日静かに読書。安田武&多田道太郎<『「いき」の構造』を読む>を読む。おもしろい。九鬼周造の『「いき」の構造』を読んだだけではわからないことがよくわかる。次女の旦那もやってきて昼飯は家族総勢8人で近所の蕎麦屋へ。昼間から天ぷらで腹がふくれて昼寝&読書。晩飯はほとんどなしで酒のみ。NHK-Eテレ『日曜美術館』の楽焼きが面白かった。450年続く不連続の連続。素晴らしい。1個ずつ茶碗を焼く窯がスゴイですね。つづけてインバル指揮ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団でワーグナー『トリスタンとイゾルデ前奏曲と愛の死』&マーラー『交響曲第5番』。インバルは年を重ねてますます丁寧な素晴らしい指揮者になってますね。しかしマーラー5番の最終5楽章はヨーワカラン(>_<)4楽章のアダージェットの素晴らしいメロディがブツ切りになってしまうのはアルマとの愛の破綻の予感?花二嵐ノタトヘモアルサ。サヨナラダケガ人生ダ。すべての愛は破綻で終わる?バーバーの『弦楽のためのアダージョ』を聴いて寝る。マーラーのアダージェットはヴィスコンティ『ヴェニスに死す』。バーバーのアダージョは『プラトーン』。ま。そーゆー違いですね。イタリア絵師がとハリウッド映画の違い。どっちもいい映画ですけどね。あ。今日は終日読書の他に映画も見たのだった。『M.A.S.H.』マッシュ。何日か前にメイキングを見たら全編を見直したくなって…。確かに面白い戦闘シーンのない戦争映画。野戦病院折あるな手術とそこでの悪巫山戯と本音が戦争の悲惨さを浮き彫りにする。とはいえ古くなったかな。
4月3日(月)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと雑用。本HPで紹介するための講演会やチラシをスキャナーでスキャンしたりパワーポイントで講演会資料を作ったり。昔に較べれば吾輩のような不器用な男でもいろいろパソコンを使えるようになりましたなあ…というところで今は亡き大正生まれの親父の言葉を思い出す。「百姓も昔は牛の尻を追ってれば一家で食って行けた。それが今では耕耘機田植機稲刈り機脱穀機。そしてローン。おまえもコンピュータにFAXか。たいへんやのう…」そういえば万年筆で400字詰め原稿用紙に字を書いていた時代が懐かしい。編集者が原稿取りに来て出来上がるのを待って台所で酒呑んでたもんなあ。たかが30年前。時間はゆるゆると流れてましたね。夕方から東京AVATTA
STUDIOへ。『ニューズ・オプエド』MC出演。ゲストは相撲ジャーナリストの荒井太郎さんとサッカー・ジャーナリストの大住良之さん。稀勢の里と日本代表の詳しい話をしてもらう。一般ニュースでは中学生の武道に銃剣道が入ったことを大批判。第二次大戦中の人殺しの技術を何故中学生に教える必要がある!?中国戦線で戦った帝国陸軍軍曹だった俺の親父は「着剣!」と命令を出すときはいつも震えたと言ってた。来週月曜の日本スポーツ学会での講演会(第106回スポーツを語り合う会19時から@渋谷区富ヶ谷白寿本社ビル2F大研修室)の宣伝をさせてもらって番組のあと浜松町駅に向かおうとするとゲリラ豪雨。慌ててコンビニへ入って傘を買ってホッとして山手線で東京駅へ。東海道線で帰宅途中スポーツ庁からメール。明朝『「体育の日」を「スポーツの日」にするためのプロジェクトチーム』の会合があるとか。朝8時から参議院議員会館はチョイと朝が早すぎるけど頑張って行くことにするか。俺のライフワークみたいなものですからね。
4月4日(火)
朝6時過ぎ起床。準備して7時前に家を出て東海道線で新橋へ。タクシーで参議院議員会館へ。「体育の日をスポーツの日とするためのプロジェクトチーム(PT)第7回会合」に出席。馳浩元文科相やスポーツ産業促進議員連盟の菅原一秀さんや民進党の笠浩史議員など大勢の顔見知りの議員の他スポーツ庁の高橋次長他JOC体協関係者などが出席日本体育協会を日本スポーツ協会に…国民体育大会を国民スポーツ大会等に変更することを話し合う。意見を求められたのでスポーツを体育と訳したのではスポーツに備わった知育徳育の側面が捨象されることを話す。さらに前回第6回PTで話し合われたスポーツの日の定義「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかい、互いに尊重し活力ある社会を希求する」との文章に対して様々な意見が出る。「スポーツにしたしみ」は初心者排除につながらないか?「健康な心身」はパラスポーツ排除にならないか?文章が長すぎる…等々。そこで意見を求められたので「スポーツを楽しみ、互いに尊重し、健康で活力ある社会を希求する」という改定案を提案させていただく。その他いろいろ朝早くから会議に出席した甲斐があった。帰宅後終日ホームページの更新原稿作り。晩飯映画劇場は共産党時代に弾圧を受けて解散させられたボリショイ歌劇場オケのメンバーと指揮者がパリ公演を成功させるというフランス映画『オーケストラ』。う〜んんんんん…面白くはあったのだけど…少々中途半端かなあ。チャイコフスキーのVn協の演奏は良かったですね。
4月5日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』電話出演。文科省の発表した新学習指導要領で銃剣道が中学生の体育武道の選択科目に加えられたことを話す。フランキー堺や中居正広がBC級戦犯として死刑を言い渡されて「私は貝になりたい」と涙したのが銃剣で米軍人捕虜を刺せと命令された結果。それが「日本の心」として学校で教えられる世の中になるのでしょうか?競技人口3万人の9割が自衛隊員という「武道」を中学校で教える必要があるのか?映画『私は貝になりたい』を見直そう…イロイロ喋って黒兵衛と散歩のあと『アサ芸』にも同じ趣旨の原稿を書く。晩飯映画劇場は『パガニーニ愛と狂気のヴァイオリニスト』音楽のシーンは面白かったけどドラマがイマイチなのは監督のせい?脚本のせい?イマイチ狂気を演じきれなかった役者=ヴァイオリニスト=デヴィッド・ギャレットのせい?しかし音楽の力は強いですねえ。音楽だけはパガニーニの狂気を伝えている。早くベッドに入って読書。『人々の精神史第4巻東京オリンピック1960年代』(岩波書店)新刊の資料のつもりで東洋の魔女・河西昌枝の話を読み直したが手塚治虫の話が面白かった。そうか。我々は鉄腕アトムが差別問題民族問題ディスコミ(ディスコミュニケーション)問題をテーマにしていたことを何も知らないのだ。「科学の子」「正義の味方」はどーでもいいのだ。『鉄腕アトム』(特に最初と最後)を読み直さねば。夜ウトウト寝ながら昨日の「体育の日をスポーツの日に」の会議のなかで「国民体育大会=国体」に変わる愛称が問題になっていたことを考える。国民体育大会が国民スポーツ大会になったら「国体」は「国スポ」になるのか?それではちょっと…と話題になったが国体の英語はNational
Sports Festivalだから国民スポーツ大会ではなく「国民スポーツ祭」。略して「スポ祭」でいいのでは?
4月6日(木)
誕生日。65回目。ということは俺が生まれてすぐの長女と次女を連れて大正7年生まれの京都の親父のもとへ行ったときの親父の年齢になったということか。俺のほうが若いかなとも思うが歳を取ったもんですね。年を重ねたと言えるかどうか…。ま。あと2冊の書き下ろし。頑張りましょう。いろいろ仕事したあと夕方から東海道線で新橋へ。駅近くの中華料理店で遠藤前五輪大臣や馳前文科大臣や鈴木スポーツ庁長官やスポーツ議員連盟の議員の方々やスポーツ庁の役人さんたちと酒&食事。体育の日をスポーツの日に変えることや学生スポーツ(日本版NCAA)などについて忌憚なく腹蔵なくいろいろ話し合う。なるほど。何か政治的関わりのある物事を進めようとすれば良くも悪くも自民党系の皆さんと交流しなければ仕方ないということがよくわかりました。遠藤さんが閉会直前に退席されたこともあって飲み会の最後に長幼の序で挨拶を…と言われてビックリ。そんな歳になったのか。小生がスポーツライターを始めた頃はスポーツ馬鹿と散々非難されたものだが最近ようやくスポーツの真の価値が認められて嬉しく思う中で頑張りましょう…と挨拶して一本締め。しかし体育の日のスポーツの日への変更は武道系の方々が結構強う反対しているとか。上手くいくかなあ…いや…いかせないと。
4月7日(金)
誕生日の翌日。別に意味はない(笑)。ただ仕事をするのみ。こーゆー日記の日があってもイイでしょう。
4月8日(土)
誕生日の翌々日。今年の誕生日はけっこう大きな意味があったので昨日は「別に意味はない」などと斜に構えたことを書いたけれども新たな出発をしているとも言える…かもしれない。終日仕事関係の読書。『ひとびとの精神史
東京オリンピック1960年代』(岩波書店)『TOKYOオリンピック物語』(小学館)…。
4月9日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩。桜満開。曇天には満開の桜は似合わないですね。今日も終日読書。オリンピック関係書物を読み漁る。夜はビデオに録画している東京五輪関係の映像を見ながら酒&晩飯。N響コンサートはレスピーギ。同時にTBSの平成のニュースを見ながら…。テレビは過去のものをやってくれる方が面白いですなあ…と思うのは歳取った証拠かな。
4月10日(月)
朝起きてテレビを付けるとちょうどゴルフのマスターズがプレイオフ。セベ・バレステロスの誕生日にガルシアがメジャー初優勝。マスターズは毎年見応えがありますね。そんなに見てませんが(汗)。黒兵衛と散歩。春爛漫桜満開。昨晩睡眠時間少ないままオリンピック関係の書籍を片っ端から読破。岡邦行『大島鎌吉の東京オリンピック』(東海教育研究所)沢木耕太郎『オリンピア』(集英社文庫)野地秩嘉『TOKYOオリンピック物語』(小学館)どれも再読。横線の引いてあるところを中心に読み直す。眠い。昼頃東海道線で東京へ。渋谷から地下テルで半蔵門へ。グランドアーク半蔵門で行われた『大学スポーツ(日本版NCAA)シンポジウムと講演』を聴講。基調講演は帝京大ラグビー部監督岩出雅之氏。パネル・ディスカッションは自民党の二之湯武史参院議員の司会で馳浩前文科大臣&常磐豊文科省高等教育局長&小林至江戸川大教授&花内誠電通部長安西祐一郎大学体育連合会長。途中スポーツと体育の違いが話し合われたときに馳氏が小生の名前を挙げられたのは光栄でしたが非常に中味のあるシンポジウムで勉強になりました。しかし大学間の「社会的優劣」が「平等」であるべきスポーツに「差別」を生んでいる大学スポーツの特徴が話し合われなかったのは少々残念。時間の関係で最後あと数分というところで会場を出て芝公園へ。AVATTA
STUDIOで『ニューズ・オプエド』MC出演。ゲストはゴルフ・ティーチング・プロの山中茂冶さんと弁護士でゴルフ・ジャーナリストの西村國彦さん。マスターズの結果や大谷のケガや内村航平の10連覇などを話し合ったあとゴルフ・スタジアムという会社がティーチング・プロを狙った詐欺もどきの事件について解説してもらう。無料でホームページを開設してもらうという話でお金を数百万取られて合計数千人の人が数億円の被害に遭ってる話。ネット社会ではいろいろあくどい金儲けを考える奴らがいるんですねえ。番組を終えて飛び出し。千代田線で代々木公園へ。白寿ホールのあるビルの会議室で日本スポーツ学会主催第106回スポーツを語り合う会。『2020東京オリパラで何が変わるのか?』という演題で講演。体育からスポーツへの変化を話す。もと日テレの坂田さんやNHKアナの刈谷さんやワールドゲームズの師岡さんなど多士済々の方々約40人を前に話して打ち上げでビールをワインを少しいただいて帰宅。長い一日でした。
4月11日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩。昨晩から浅田真央さんの現役選手生活引退がらみで電話。今日も引き続き電話が相次いで昨日の共同毎日次いで読売朝日の電話取材を受ける。一番印象的だったのはトリノ五輪に出場不可となったあと山田コーチと一緒に名古屋のテレビ局に出演したとき。小生がコメンテイターとして出演。山田コーチに日本のスケート連盟がもっと頑張ってルールを変えないと…と言うと山田コーチがそういう声が高まるようあなたたちが書いてくださいよと反論。その言い合いを真央さんは間に座ってニコニコ笑いながら聞いていた。あの笑顔は忘れられない。彼女はいつも笑顔だった…とか電話で話していると何故か突然奥歯が痛み出したので慌てて近所の歯医者さんへ。去年の暮れに奥歯の詰め物が取れたのは自覚していたが何事もなかったので放っておいた箇所がうずき出した。仕事にコンを詰めすぎたのかなあ。午後少し静養して夕方仕事。酒はワインだけにして早く寝る。
4月12日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』電話出演。浅田真央さんの引退について。彼女の功績は@スポーツに勝敗や順位や得点よりも重要なものがあることを体現してくれたこと(ソチ五輪のフリーの演技は世界一でしたね)Aトリプルアクセルへの挑戦を通してフィギュアの技術的見方を教えてくれたこと(今のフィギュア・ファンの高度な知識はあるゆるスポーツの中でトップでしょう)Bフィギュアスケートの採点基準を明確にしてくれたこと(きっかけはタラソワ・コーチも指摘したキム・ヨナ選手との点差の大きさでしたからね)C多くの人が聴き慣れない名曲(現代音楽)で見事な表現力を発揮したこと(ハチャトゥリアン『仮面舞踏会』ラフマニノフ『鐘』シュニトケ『オペラ愚者との生活からタンゴ』…こういった音楽で見事に踊ることのできたスケーターは真央さんだけでしょう)Dいつも笑顔が見事…てなことを話したあと『アサ芸』連載コラムも同じテーマで書く。一時停止して浅田真央さんの引退会見を見る。平安美人の笑顔が最後だけ涙になりましたね。長い間ご苦労様でした。そしてありがとうございました。あなたは世界最高のアスリートです。
4月12日(水)つづき
夕方から東京へ。永田町の自民党本部会議室でスポーツ議員連盟のスポーツ産業化促進議員連盟の第7回会議に出席。コーユー会議が自民党本部で開かれてスポーツ庁の役人たちも出席している…というのが日本の政治の問題点でもあるのだろうけど物事を進めるためには仕方ないのかなあ…と思いながらアドヴァイザリー・ボードの一員として発言。スポーツ産業化法案の立法化にあたって理念法としての原則は理解できるが例えば女性のスポーツ参加の促進を唱えるときには高校野球や箱根駅伝に女子種目のないこと…柔道の日本選手権も男女が別に行われていること(男子は武道館・女子は横浜文化体育館)などが男女平等の大原則に従って是正されるような法案にしてほしいと要望。帰り大船ルミネの書店「アニール」で注文していた本2冊購入。新雅史『東洋の魔女論』(イースト新書)岩見良太郎・遠藤哲人『豊洲新市場・オリンピック村開発の不都合な真実』(自治体研究者)レジの横にDVD『シン・ゴジラ』が3千円程度で売ってたのでコレも買う。晩飯食いながら評判の映画を見たが…う〜んんんんん…面白いシーンも会話もあるにはあったけど高評価が過ぎるかな。政治家や官僚の会話が現実をよく反映しているとはいえ鋭い批判にはなってないし最終的には自衛隊の宣伝映像でまとまりましたね。ま。これが日本の現状でしょうな。中村眞一カ&福永武彦&堀田善衛によって創られた反核反米軍映画『モスラ』とは誕生ルーツが違うのかな。
4月13日(木)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと終日読書。新渡戸稲造『武士道』。武道関係者が「体育の日」の「スポーツの日」への変更に反対していると聞いたので今一度理論武装のため読み直す。たしか『武士道』のなかにも「スポーツ」とい言葉が出てきたと記憶しているので再読。あった。第4章「勇・敢為堅忍の精神」に《勇気にはスポーツ的の要素さえある》と書かれ次のように続く。《常人には深刻な事柄も勇者には遊戯に過ぎない。それ故昔の戦においては相戦う者同士戯言のやりとりをしたり歌合戦を始めたことも決して稀ではない。合戦は蛮力の争いだけではなく同時に知的の競技であった》つまり新渡戸稲造はスポーツを「遊戯」と捉えると同時に「知的競技」とも捉えていたと(この文脈では)解釈できる。ならば武士(武士道)の武術から生じた武道も「スポーツ」の一種と考えて何も問題はないはずだ。小生の読んでる『武士道』は矢内原忠雄の翻訳した岩波文庫版。他の翻訳(特に奈良本辰也・訳や原文の英文)も読まねば…と思ううちに巨人広島戦見ながら晩飯。うわっ。9回表広島大逆転。カープ強いなあ。巨人のスタートダッシュが完全に水を注されましたね。しかし野球は守備が大事と改めて思いますねえ。
4月14日(金)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと歯医者へ。歩いて行ける近所に歯医者さんがあるのは有難いけど治療には参ったな。痛みはほとんどないけれどゴリゴリやられて疲れる。仕事にならないのでゴゴイチで根岸の美容室『LAWRENCE』へ。髪の毛切ってもらいながらマスターと『シン・ゴジラ』の話。シン・ゴジラの再上陸で鎌倉や横浜の知ってる場所が次々と出てきて『LAWRENCE』の磯子店の入ってるビルは踏みつぶされたとか。そういう場面は面白かったけど映画としては過大評価…で意見は一致。帰宅して来週のオペラ講座の勉強。全6回『フィガロの結婚』を取りあげる最初は前段の『セヴィリャの理髪師』。ノーベル賞作家のダリオ・フォーが演出した見事なロッシーニの作品の舞台もあるが今回はモーツァルトにも影響を与えたパイジェッロの『セヴィリャの理髪師』を取りあげるつもり。筋書きはロッシーニとまったく同じ。というかパイジェッロのオペラの台本にロッシーニが新たに勝手に音楽を付けたらしい。ロッシーニの音楽ほど派手ではないがパイジェッロの音楽もナカナカ面白い。
4月15日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと仕事。のどけき春の陽射しを無視して部屋にこもる。しかしそれには限界があるので午後から東京へ。大船で『鮨処もり山』さん御夫婦と一緒になって恵比寿の日仏会館へ。お隣さんのPierre
Mnty夫妻のフルートとピアノ+小山清さんのバソン(フランス版ファゴット)のミニ・コンサート『フランスの香・日本の雅』へ。1週間前くらいに小山さんかに見せていただいた三陸地方陸前高田の松で作られたバソンが素晴らしい音を奏でる。ドニゼッティ&ドビュッシー&ラヴェルも面白かったけど田中雅明『秋の月』『鹿の遠音』吉松隆『3つの白い風景』など日本の小品が面白かった。とくにMonty夫人の武満徹は武満のピアノ曲をナマで初めて聴いたので面白かったですねえ。こんな美しい響き方をするんですねえ。帰宅してビール。BS-TBSでやっていたザ・ピーナッツのドキュメンタリーを興味深く見る。この2人は凄いプロだったんですねえ。そう言えば生前の宮川泰さんとNHKの特番で御一緒させてもらったときザ・ピーナッツの話を聞かされた(そのときは玉置宏さんも一緒だった。ザ・ピーナッツの二人は「歌うことに凄く熱心だったからこっちも曲作りに熱が入っていろんな音楽をぱくってきてね。恋のバカンスなんかヨハン・シュトラウスのコウモリが入ってるんだから…」60年代は一流の人達が思いきり才能を伸ばした時代だったんですね。途中NHK『ブラタモリ』で祇園町の様子も見ながら…しかし「万亭(一力茶屋)」は昔は山科にあったのではなかったのかなあ…。
4月16日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩。枝垂れ桜満開。染井吉野は半分近くが葉桜とは言え今年の桜は長持ちですね。雑用しながら昨日avexから送られてきた佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団のシベリウスをかける。最初の出だしの一音からして優しいなぁ。優しさに満ちた暖かいシベリウス。バーンスタインの油絵のようなシベリウスでもなく寒く凍てつくシベリウスでもなく暖かいシベリウス。演奏後の大拍手も納得。夜は『鮨処もり山』へ。お隣さんのMnty夫妻の御主人Pierreさんがフランスへ帰るので昨日のコンサートのお礼を兼ねてシャンパンで乾杯。もちろんシャンパンはMontyさんがフランスから持参したもの。鮨に合って美味しい。家に帰ってN響のブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴くが心に響かず。ソリストの名前は忘れたけど上手いだけだったなあ。クレーメルトかヒラリー・ハーンの演奏が好きですね。
4月17日(月)
朝起きて黒兵衛と散歩。週末のオペラ講座のレジュメ作り&チョイと仕事して夕方から東京へ。『ニューズ・オプエド』生出演。ゲストは朋友ロバート(ボブ)・ホワイティング。先週金曜のオプエドにゲスト出演したケン・ジョセフさん(上杉隆と最近『戦争の予感』という対談本を上梓)がボブさんにヴィデオ・メッセージを残していた。ボブさんは大勢の在日アメリカ人ジャーナリストに尊敬されてますねえ。ボブさんもヴィデオで返事をして本番開始。ニューズは女性のスポーツ中心(卓球平野美宇アジア王者・柔道女子日本選手権朝比奈沙羅優勝…や真央さんの引退)などについて語ったあと(ボブさんも真央さんが好きですねえ)WBCや大谷など野球の話題イロイロ喋ってドナルド・トランプについての話も聞いて(ボブさんによるとトランプが失脚するとすればツイッターが原因になるだろう…とのこと)番組終えて向かいの蕎麦屋へ。ボブさんの東京五輪1964に関する新刊(小生が翻訳)やケーリー・グラント主演の映画『Walk
don't run』や浜美枝の出演した『007は二度死ぬ』やザ・ピーナッツなど60年代をいろいろ語り合う。ボブさんは高度経済成長の表も裏も政治も流行歌も力道山事件も草加二郎事件も知ってる日本人以上の日本人ですね。途中からオプエド・アシスタントの川島のり子さんも少し顔を出して日本酒飲んで盛りあがってお開き。
4月18日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩。桜もそろそろ葉桜の割合が7割かな。枝垂れはピンク色に満開。散歩のあと歯医者へ。口を開けて右上の奥歯2本を工事してもらう。何年か前に埋めてもらったのが外れた結果の埋め直し。まるで道路工事と同じか。帰宅して『週刊新潮』の依頼で趣味のページに登場することになったので自分で写真撮影。廊下の壁に吊したアルゼンチンで買ったポンチョに付けたピンバッジと缶バッジを撮影。改めて眺めてみるとパリ・オペラ座のマリア・カラス&モスクワ五輪の熊のミーシャ&仏W杯初出場の日本チーム&ドジャースの野茂&エンゼルスの長谷川&松下電器ナショナルの社員章&美空ひばり…etcなどなど面白いバッジが500個以上ある。とは言っても『お宝鑑定団』に出しても全部で2万円にもならないかな。午後から読書。奥田英朗『オリンピックの身代金』(講談社文庫)。10年くらい前に出た直後はミステリー小説として楽しんだけど今度は1964年の日本社会に注目して熟読。この小説は見事なエンターテインメントでありながら60年代の日本社会のあらゆる側面が活写されている見事なタイムマシンですね。晩飯後ベッドに潜り込んで上巻読破。
4月19日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』電話出演。日本の大学スポーツを変革しようとする日本版NCAA設立準備の話題。東京・関東の大学とそれ以外の地方大学の格差の問題や大学のスポーツ組織の丼勘定の実態を実態をいろいろ話したあと黒兵衛と散歩。昨日に続いて奥田英朗『オリンピックの身代金』(講談社文庫)下巻に挑戦。東北地方の疲弊と出稼ぎ・富の東京への一極集中・五輪特需の影の人柱・下請け工事現場の悲惨・ヒロポン・ヤクザ・朝鮮総連・ホモセクシュアル・警察刑事部と公安部の対立・新左翼誕生直前の学生左翼・テレビ報道の台頭・ビートルズ…この小説には60年代日本社会の弱者の存在を含む全てが描かれていますね。松本清張のニューヴァージョンですね。他の作品も読まねば。晩飯映画劇場は『007は二度死ぬ』。60年代東京を映画で再確認。開業したばかりのホテル・オークラが撮影に全面協力。にもかかわらずジェイムズ・ボンドが「宿泊は?」と訊かれて「ヒルトン」と答えたことにオークラ関係者は激怒したとか。ベッドで一眠り後の深夜目覚めて『オリンピックの身代金』下巻読破。
4月20日(木)
朝起きて黒兵衛と散歩。枝垂れもすっかり葉桜に。染井吉野・山桜・玉縄桜そして枝垂れと今年も十分堪能しました。「世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はおもろうないで」そー言えば昔「世の中に絶えてワグネルなかりせば楽の心はのどけからまし」という原稿を書いたことがあったなあ…などと思いながら帰宅して資料読書。新雅史『「東洋の魔女」論』(イースト新書)冒頭のレクレーションの歴史の説明が興味深かった。知らなんだ。まだまだ知らんことが多いなあ。夕方から60年代五輪関連映画チェック。『雪之丞変化』は『東京オリンピックの』聖火リレーのアテネを出発するときの映像につながるシーンがある。『三丁目の夕日'64』は鈴木オートがカラーテレビを買うシーンを再チェック。段ボールに入ったナショナル人工頭脳カラーテレビを運ぶシーンはウソ。重くて大人二人では運べません。三人必要。それに段ボールの周囲に木枠がないと段ボールが破けてしまいます。そもそも高価すぎて(初任給8千〜1万円の時代に23万円)街の小さな自動車修理工場(鈴木オート)では買えないでしょう。スイッチを入れて『ひょっこりひょうたん島』が映ったのは正解。それしかカラー放送はなかったですからね。続けて晩飯食いながら『日本一のほら吹き男』を見出すと早送りもせず全部見てしまう。古沢憲吾監督のテンポがイイうえ植木等の演技は抜群。60年代にタイムスリップ。映画はタイムマシンですね。
4月21日(金)
朝起きて黒兵衛と散歩。散歩用のスニーカーがそこに穴が空いてすっかりボロボロに。5年くらい履いてるから仕方ないか。いろいろ仕事してるとスポーツ議連やスポーツ庁の世話人の方からアドバイザリーボードの一員である小生にメール。「体育の日」の「スポーツの日」への変更の賛否を改めて問われる。今頃になって何を…と思ったが質問事項を読んでギョッとする。1)体育の日をスポーツの日にすることに賛成か反対か?2)体育の日を武道・スポーツの日とすることに賛成か反対か?3)他に体育の日の名称を変える意見は?…どうやら武道派の皆さんはスポーツの日への変更に大反対しているらしい。武道はスポーツではないと言いたいらしい。しかし柔道はオリンピックで正式競技(Sports)と認知されている。なのに武道はスポーツではないと言い出すと柔道はオリンピック種目から脱退しなければならなくなる。そうしてスポーツではない武道の独自性を主張して「武道・スポーツの日」という祝日にしたら英語訳はどーする?Martial
Arts and Sports Day(戦闘技とスポーツの日)などとしたらIOCからも世界のスポーツ関係者からも奇異の目で見られることだろう。そもそも武術・武道・武士道の定義を改めて訊きたいものだ。小生は「武道=スポーツ=非暴力が大原則の民主主義社会が生み出した暴力を非暴力化した格闘技」と捉えてますが武道派の皆さん如何でしょうか?夜は『鮨処もり山』へ。新潮社の「新潮45」から「週刊新潮」に部署の移ったO氏と歓談。仕事一つ引き受ける。
4月22日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩…と思ったらトレーナーさんが来てくれるとか。これ幸いと読書。新雅史『「東洋の魔女」論』(イースト新書)読了。バレーボールのレクリエーション論と日本における「女工」との関係が非常に興味深かった。運動不足になってはイカンので大船駅まで歩いて東海道線で品川へ。新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターでオペラ講座。今月からの新講座は『フィガロの結婚のすべて』。夏の兵庫県文化芸術センターのオペラ講座が『フィガロの結婚』ですからね。まず手始めにパイジェッロとロッシーニの『セヴィリャの理髪師』を解説。ボーマルシェの三部作『セヴィリャ』『フィガロ』『ケルビーノ(罪ある母)』ですからね。しかしパイジェッロの『セヴィリャ』もナカナカ面白いけどロッシーニの『セヴィリャ』のダリオ・フォー演出の舞台(ネーデルランド歌劇場)は故永竹由幸さんが絶賛しただけあって本当に見事なコメディア・デラルテのどたばた芝居になってますねえ。受講生の皆さんも圧倒されて感激した様子。このオペラ講座はパヴァロッティがナゴヤ・ドームのオープニングで歌ったときにそのお手伝いをしたのがきっかけで翌年から始めたもの。ということは1998年からだから今年で20年!よくぞ続いたなあ…と我ながら感心。小生のスポーツライター塾の塾生でオペラ講座第1回から手伝ってくれているKクンにアマゾンでのDVD購入を頼んでいた(ケーリー・グラント・ボックス=64年東京五輪が舞台の『歩け走るな!』を見たかった)のを受け取って名古屋エキナカのヱビスビール・スタンドでビール飲んで帰宅。武道だの体育だの銃剣道だの利権だのでごちゃごちゃしてるスポーツよりも音楽の仕事のほうがよっぽど楽しい…と思うのは年取った証拠か?
4月23日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと昨日手に入れたケーリー・グラント・ボックスから映画『歩け走るな!』を見る。うんんんん…なんとも言えないコメディ異文化交錯コメディ映画。確かに1964年東京五輪当時の東京の様子を垣間見ることができたが五輪の競歩のレースが商店街を走るのはアマリニモ…。期待した割には…。午後仕事して夜はボクシング世界戦。井岡はもっといい試合ができたはずだけど…。割り切れないことが連続した日曜日…。
4月24日(月)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと東海道線で新橋へ。衆院議員会館へ向かおうとしたらタクシー乗り場の行列の背後から「おはようございます」の声。振り返れば衆院議員の浅尾慶一郎さん。同じ電車に乗っていたようで行き先も同じ衆院議員会館なのでタクシーに同乗。体育の日のスポーツの日への変更の進捗状況を知っておいてもらうためチョイと報告の上「最近は自民党も党内野党の声が弱いですねえ」とか話して小生はゴルフ改革会議へ。ゴルフ場の「使用料」にはじつに様々な「強制寄付金」も加わっているらしい…という話題や五輪ゴルフ会場はまだまだ霞ヶ関ゴルフ倶楽部から若洲ゴルフリンクスへの変更の可能性あり…といった話題を話し合う。川越に高級ホテルが建設されるって本当?五輪出場の一流ゴルファーたちが宿泊してオープン?そのために霞ヶ関ゴルフ場で五輪をやるの?これはガセネタ?調べてみなければ…。会議終了後松沢成文参院議員と高校野球での投手の投球数制限問題などを個人的に話し合って解散。午後はチョットした取材で歩き回ったあと芝公園のAVATTA
STUDIOへ。『ニューズ・オプエド』MC出演。今日のゲストは「世界ゆるスポーツ協会」会長の澤田智洋さん。3月以来2度目の出演。5月14日に東京豊洲で「ゆるスポーツ運動会」が催されるのでその宣伝を兼ねて改めて「ゆるスポーツ」の解説をしていただく。ボコボコ尖った足裏マッサージのようなマットを歩いて椅子取りゲームを行う「イタイッス」には笑ってしまった。他にも赤ん坊の泣き声の出るボールを優しくあやしながらバスケットボールをする「ベイビーバスケット」や石鹸を手に塗ってツルツル滑る手で行う「ソープハンドボール」など誰でもできるスポーツの数々。今日聞いたなかで最高ケッサクは「100p走」つまり1メートルをどれだけ「遅く走る」かを争う。身体は動かし続けなければならず止まると「フリージング」という反則でペナルティとして25p前進しなければならない。今のところ世界最高の優勝タイムは8分30秒だとか。究極の誰でもできる「ゆるスポーツ」…やってみるか。ホームページも面白い!http://yurusports.com/
4月25日(火)
朝起きて黒兵衛と散歩。何日か前から武道について素晴らしい短くまとまった論文があったはずなのにソレが思い出せずに悩んでいたところが散歩の最中に香山リカさんや溝口紀子さんの『オリンピックが生み出す愛国心』(かもがわ出版)のなかにあったことをピーンと思い出す。なるほどソクラテスやプラトンの言ったとおり歩くことは頭を働かせることのようだ。同書でカドー・イブCadot
Yvesというフランス人のトゥールーズ大学日本語日本文化学部准教授が書いた「武道必修化とナショナリズム」というコラム。武道とスポーツの違いの指摘も見事。「スポーツは若者の王国に属し年を取るにつれ成績やパフォーマンスが下がっていくもの」だが「武道は稽古をして年をとればとるほど達人になる経験の王国に属す」。武道を必修にした学習指導要領が盛んに「伝統」という言葉を使っているのに「稽古=いにしえ(古)かんが(稽)える」という言葉を一度も使ってないことを批判。読み直すとナカナカ鋭い指摘に富んでいることを再発見。ついでに昨日浜松町の教文堂書店で買った森喜朗オリパラ組織委会長の新刊『遺書
東京五輪への覚悟』(幻冬舎)一気に読破。激烈な猪瀬批判小池批判マスコミ批判一色の著。さらにJOC批判や慶大閥批判も書かれているがゴルフ場問題に関する記述はなし。オリパラを「成功させたい」と強調してるが「どんなオリパラ」にするか具体像はナシ。まぁ仕方ないか。調整役を自認されていてリーダーシップは発揮されませんからね。長年勤めたラグビー協会会長としても「協会は体質を変えるべし」なんて書いてるくらいですからね(会長として変えようとしなかったの?変えられなかったの?)。まぁ猪瀬元都知事の近著『東京の敵』(角川新書)での「森批判」に対する反論として書かれたもののようだけどドッチもドッチ。批判の応酬はウンザリで「船山に上る」にならないことを祈るほかない。最後に2点指摘しておきます。『遺書』のP.53。JSC(日本スポーツシンクセンター)に関する記述で「河野洋平さんが2015年まで理事長を務めて」いたというのは(政治家一族の河野家とは無関係の)「河野一郎」さんの間違いですね(これは以前ロンドン五輪組織委びセバスチャン・コー会長をジョン・コーツ会長と間違えたのに匹敵するヒドイ間違いですね)。それとP.218。「体育の祭典であるオリンピックで…」というのはキチンと「スポーツの祭典」と書いてほしいですね。組織委員長たる人物が「体育」と「スポーツ」の違いや「スポーツとは何か?」という問題を語れないようでは情けないですよね。
4月25日(火)つづき
読書の一日の最後は晩飯映画劇場。市川崑監督『太平洋ひとりぼっち』。1962年に小さなヨットで太平洋横断に成功した堀江謙一氏の冒険記。主演は石原裕次郎。当時(東京五輪前後)の日本社会の空気を知ることができました。両親(森雅之・田中絹代)も妹(浅丘ルリ子)も友人(ハナ肇)もみ〜んな真面目に一生懸命生きている世の中でしたね。
4月26日(水)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』電話出演。1週間前の19日のプロ野球の2試合で起きた「一塁へのヘッドスライディング“事件”」を取りあげる。19世紀初頭の野球では走者を守備の選手と区別するためバットを持ったまま走った。それがグラヴの普及で必要なくなったあとスライディングが発明される。それは1866年ロックフォード・クラブという野球チームに所属していたロバート・アディー選手の大発明。スライディング技術の進歩の結果走者はベースの前で走るスピードを落とさなくなって良くなった。ただし一塁ベースはファウル方向へ駆け抜けていいことになっているためスライディングするほうがスピードが落ちる。プロならそれくらいのこと知っておいて実践してほしいですね。いやプロでなくても高校野球でもそうですよね。一塁へのヘッドスライディングは無意味…という話題。プラスして短距離走・ハードル・スポ-度スケートのゴールの仕方の違いについても話したあと黒兵衛と散歩。原稿の校正をしたり通信社の原稿を書いたり…夕方になってテレ朝『ワイドスクランブル』から電話。ドーピングで出場亭処分になっていたシャラポワの復帰を取りあげるとか。ドイツのポルシェ・オープン。女子テニス界でヒロインが枯渇しているなか美人はトクですね。
4月27日(木)
朝起きて軽く食事を取って迎えの車に乗ってテレビ朝日へ…と思ったところがハイヤーの運転手さんが「道がものすごく混んでるんですよ」「1時間20分あるけど無理?」「ちょっとわからないすねえ」こーゆー答え方されても困るので「だったら電車で行くよ」と言って大船駅で降りて東海道線で新橋へ。タクシーで六本木ヒルズのテレビ朝日へ。『ワイドスクランブル』生出演。ドーピングで15か月の出場停止だったテニスのシャラポワの復活劇についてコメント。出場停止が切れた翌日に試合出場とか主催スポンサーのポルシェがシャラポワの個人スポンサーであるとか…まぁ美人はトクですなぁ…と話したあとドーピングの蔓延という以上のカジュアル化と東京五輪の調査の大変さについて締めて今度はクルマで帰宅。仕事のあと夕方歯医者へ。いろいろ「口内工事」をしてもらったあと大船駅の本屋「アニール」へ。頼んでいた本を受け取る。新渡戸稲造『まんがで読破
武士道』(イーストプレス)新渡戸稲造『まんがで人生が変わる!武士道』奈良本辰也・訳『英語と日本語で読む武士道』(以上三笠書房)新渡戸の原文の英語がこんなに難しいものとは知らなんだ。おまけに奈良本訳の原文はどうやら初版本らしく岩波文庫の矢内原訳とかなり違っている。チョイ困ったなあ。増補最終版第十版の原文を手に入れなければ。もう一冊奥田英朗『東京物語』(集英社文庫)も買う。そのなかにあった短編『名古屋オリンピック1981/9/30』を帰宅して早速読む。面白かった。けど五輪の資料としては関係なかったですね(^^;)晩飯映画劇場はケーリー・グラント主演『ヒズ・ガール・フライデー』。あまり期待していなかったけどアメリカの新聞社が舞台の映画ということで見る。面白かった。編集長の妻でもあったかつての敏腕記者が再婚の挨拶に訪れ死刑囚の脱獄事件に巻き込まれて記事を書く羽目に陥り元夫の編集長とヨリを戻すというお話。ハワード・ホークス監督が見事なスピーディな展開を演出。ケーリー・グラント相手に丁々発止の演技を見せる美女ロザリンデ・ラッセルの演技もナカナカの見物。満足。
4月28日(金)
朝起きて黒兵衛と散歩のあと仕事…仕事…仕事。新書新刊の構成がなかなか上手く出来上がらない。前書きから書き出すか…と思いながら読書。渡邉陽子『オリンピックと自衛隊』(並木書房)一気に読了。1964年東京五輪での自衛隊の活躍はいろいろ自衛隊の資料が活用されていて興味深い指摘が多かった。しかし当時の2倍以上の規模となった2020年に準備は大丈夫でしょうか?晩飯映画劇場はドリス・デイ&クラーク・ゲーブル主演『先生のお気に入りTeacher's
Pet』テーマソングは私でも歌えます。Tescher's pet,I wanna be teacher's pet…。しかし映画は新聞社のジャーナリズムの話。中卒で新聞社の現場バリバリの叩き上げ社会部長(ゲーブル)が大学でジャーナリズム論を教えるピューリッツァー賞受賞の父を持つ女性教授(ドリス)と対立するラヴコメディ…。見るのは2度目。昨日の『ヒズ・ガール・フライデー』に続いてアメリカでのジャーナリズムのとらえ方がわかってナカナカ面白かった。
4月29日(土)
朝起きて黒兵衛と散歩しながら現行憲法9条が頭に浮かぶ。「国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」ということは米空母カールビンソンに帯同している海上自衛艦2隻の行動は明らかに憲法違反ですね。「武力による威嚇」も「放棄」しているのですからね。北朝鮮がミサイルを放って地下鉄が止まる。どうして原発は止めないのだろう?昨日の毎日新聞朝刊に《「体育」改称
祝日の名も「スポーツの日」に改正案を提出へ》という記事が出ていた。「スポーツを楽しみ互いを尊重し健康で活力ある社会を願う」と小生の文言改正案が紹介されていたのはチョット嬉しい。今秋の臨時国会に提出されるという。しかし武道体育派も賛成に回ってくれたのかな?それとも反対を押し切るためのアドバルーン?「国民体育大会」も「国民スポーツ大会」に改称されると出ていたが「国民スポーツ祭」のほうがイイのでは?略して「スポ祭」。英語ではNational
Sports Festivalですからね。いろいろ仕事して晩飯前映画劇場は『スーパーマン』マーロン・ブランドやジーン・ハックマンという豪華キャストのこの映画には確か新聞社の編集長が面白い演説をするシーンがあったことを思いだし見直すと…あったあった。《ヤツの家族は?住所は?Sの意味は?正体は?名前は?マントの仕組みは?電池か?なぜ現れた?何処から?恋人は?好きな球団は?モーゼが神の声を聞いたことに並ぶインタヴューを取れ!》Daily
Planetもこの程度ですね。あ。これってアメリカのマスコミ批判?NHKの見事なドキュメンタリー『アース・プラネット』を見て巨人vsスワローズ戦でやっと燕が勝利したのを見てフロ&ネル。
4月30日(日)
朝起きて黒兵衛と散歩。快晴。イイ気分。こーゆー天気の時は仕事は何故か進みません。昨晩ベッドの中で『英語と日本語で読む武士道』(三笠書房知的生き方文庫)を読んでいてどーも文章が短いと思ったら表4の「◆対訳編」の文章「『武士道』の英語原文と奈良本辰也の名訳を掲載」と書かれた文章の最後に(抄訳)という文字を発見。抄訳だったのか!ということは英語の原文も抄録?これは表紙のタイトルのところにキチンと示しておいてほしいですね。今日は天皇賞か…でスポーツ新聞を見るとプロレタリアートという馬名を発見。ハハハハハ。応援してやりましょう…という気分になって競馬をやってる次女の旦那に電話。キタサンブラック-プロレタリアートを千円購入してもらう。もちろん箸にも棒にも引っかからず無駄遣い。しかしキタサンブラックは強かったですねぇ。晩飯のあとは日曜美術館。海北友松という画家に感服。梅の枝・滝の流れ・龍の顔に驚愕。建仁寺はこんなスゴイ絵を持ってるのか…今度見せてほしいなあ。風呂のあと歌舞伎役者の「俳優祭」。なよたけのかぐや姫とトゥーランドットを混ぜた芝居「月光姫恋暫(かぐやひめこいのしばらく)」に抱腹絶倒。歌舞伎役者の皆さんはプロでございますなあ。
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