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11月1日(日)
朝ベッドのなかで『オブ・ザ・ベースボール』読了。最後の最後でレスキューとして空から降ってくる人間をバットで打ち返そうとして一度も成功しなかった主人公が初めて打ち返すことに成功すると打ち返した空から降ってきた人間はどうやら自分自身だったらしい。だから《俺はどうもこれからまだ行き続けるらしい。俺が自分で自分をたばかることに喜びを見出す性質の人間ではない限りにおいて》慌ててベッドから出て仕事机の横にある本棚から新明解国語辞典を引っ張り出し「たばかる」を引く。【謀る】「た」は接辞。?だまそうとして策略を練る。?策略で相手をだます。そうか。この小説は破天荒で難解だけど真面目な小説なんですね。だからワケわからなくても読後感は爽やかなのかな。この小説の舞台の都市名が「ファウルズ」というのも面白い。人間は人生で失敗ばかりしてますからね。ワン。ベッドを出て朝食のあと長女と孫とチョット早足で黒兵衛と散歩。井上尚弥のボクシングを見なければ。ワン。井上の見事なカウンター。右ストレートがマロニーのテンプル近くの頭にヒット。7ラウンド2分59秒ノックアウト。VTRを見直して夜のフジテレビの再放送と村田諒太との対談でわかったけど井上は何度もこのカウンターのタイミングを計っていたのですね。それで「カウンターパンチを当てるタイミングがわかった」のですね。極めて知性的なボクシング。かつて具志堅用高がアルフォンソ・ロペスを8R一発KOしたときも相手の右フックよりも一瞬早く決まったカウンターの右フックでしたね。どっちも美しい試合でした。こーゆーボクシングの試合を見るとロッキー・マルシアーノが「予言」したボクシングという野蛮で危険な競技はいずれ死滅するという言葉も信じられなくなりますね。午後は天皇杯。アーモンドアイの走りっぷりも見事でしたね。次女が孫たちを迎えに来て長女も自分のねぐらに帰って行って賑やかな週末は幕。

BOOK
小林哲夫『学校制服とは何か その歴史と思想』朝日新書
小林哲夫『学校制服とは何か その歴史と思想』朝日新書
まだ読んでませんが早く読みたいなあ。プロシア陸軍や水兵の制服がどう変わったのでしょう?
円城塔『オブ・ザ・ベースボール』文春文庫
円城塔『オブ・ザ・ベースボール』文春文庫
難解小説。表題作はまだ楽しめたけど『つぎの著者につづく』はサッパリわからんパープリンです

11月2日(月)
朝ベッドのなかで円城塔『つぎの著者につづく』読み出す。うむむむむ。難解。言語論小説論のようで図書館が出てくるから中島敦の『文字禍』なんかと関係あるのかと思うけど兎に角難解。はっきり言ってワケワカラン。ところが突然気になる文章が目に飛び込む。《無限大の価値を持つものにはそれが得られる確率が零だとしても挑んでみる価値があることも確かである》ってパスカルが「パンセ第三章賭けの必然性について」に書いてるらしい。これって来年の東京五輪開幕の可能性のことかもね。ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワークで午後から『weeklyスポーツ批評』ZOOM収録。野球の親会社はかつては「御三家」と呼ばれる公益企業(新聞・鉄道・映画)しか許されず「私企業」は自分勝手な金儲けをするから参加できなかった。だから1969年に東京オリオンズがロッテ・オリオンズになるのも大問題で大揉めに揉めた。しかし今では公益企業であるはずの新聞(メディア)のほうが勝手なことばかりしているというお話を解説。夕方からは『ニューズ・オプエド』アンカーZOOM出演。今日のゲストは教育ジャーナリストの小林哲夫さん&作家でスポーツライターの小林信也さん。そしてスタジオのナビゲーターは小林厚妃と小林さんが3人も揃うハプニング。そう言えば昔『プロ野球大事典』という本を創ったとき小林や山本という名前だけでプロ野球チームを作る名前遊びをしたことがあったなぁ。小林哲夫さんの最新刊『大学とオリンピック』を中心に1940年1964年2021年の大学とオリンピックの関係をいろいろ教えていただく。64年の大学生はほとんどのボランティアが有給でアルバイト。来年のボランティアは40年の「学徒動員」とほぼ同じらしい。64年東京五輪の素晴らしい大学と五輪組織委の関係が来年に生かされていると思えないところが残念。小林哲夫さんは最近『学校制服とは何か その歴史と思想』(朝日新書)という本も出されていて我々の中高時代は「制服制帽廃止運動」なんかをやったけど最近の中高生はカッコイイ制服を求めているという。時代は変わりましたね。哲夫さんを信也さんに紹介できたのも良かったけどスポーツ以外のジャンルの専門家にもゲストに招きたいですね。さて来年のオリンピックはどーなるか?

BOOK
円城塔『オブ・ザ・ベースボール』文春文庫
円城塔『オブ・ザ・ベースボール』文春文庫
難解小説。表題作はまだ楽しめたけど『つぎの著者につづく』はサッパリわからんパープリンです
ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』
ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』
持ってます。もちろん最後まで読み通してはいません(^^;)

11月3日(火)
『つぎの著者につづく』読了。読み終わっても何が書いてあったのかサッパリわからない小説だった。なのに読み切ったのは文章のリズムが心地良かったことと所々面白い表現興味深い指摘にぶつかったこと。そして短かったこと。最後はジョイスの『フィネガンズウェイク』でそれもまたワケがワカランけど悪い読後感でないところが不思議ですね。ワン。黒兵衛と散歩。住宅街が静かなことで祝日だと気付く。文化の日。旧明治節ですね。文化の日とスポーツの日は文化部と運動部のように別個のものではないですね。スポーツマンも文化の日に勲章をもらったりしますしオリンピックにも文化プログラムがありますからね。ワン。今日は終日原稿書き。春陽堂のWeb新小説に連載中の『スポーツは文芸をいかに彩ってきたか第6回』は山際淳司さんの『江夏の21球』を取りあげる。それが「スポーツ雑誌」でなく「人間雑誌」を標榜しれ創刊された『NUMBER』のノンフィクション第1作だけあって「人間江夏」が書かれていることに注目。江夏はカーヴの握りのままスクイズを外したという結論は「江夏は凄い!」となるけれどその時相手ベンチにいた西本幸雄近鉄監督や江本孟紀氏の言うように投球のとき指が滑って万事が上手くいったとするなら江夏ほど凄い投手でも制御不能の「野球は凄いスポーツ!」となる。どっちが面白い「捉え方」かは読者の判断に任せましょう。西本幸雄氏は「野球とは怖いモンや」とおっしゃってました…といったようなことをイロイロ書く。ふうううう。夕方完成して送稿。結局野球もワケのワカラン競技でワケがワカランから面白いのでしょうねえ。そう言えば岡田武史氏はサッカーを「複雑系の競技」といってましたね。制御できないもの(ワケのわからないもの)を制御しようとし続けるからサッカーの監督も面白くてなかなか辞められないのかな?晩飯を食ったあとNHK-BS映画劇場を録画しておいた『スターリンの葬送行進曲』。英語版のスラップスティック映画だけどモンティパイソン張りのスピーディなギャグの連続がよく理解できない。わかったのはスターリンの死後マレンコフはアホで利用されベリヤは調子に乗りすぎて粛正されワルのフルシチョフが権力を握る話。そのフルシチョフもブレジネフに刺されるわけで共産党の権力興亡史はワカリヤスイですね。民主主義(アメリカ大統領選)のほうがワカリニクイですねぇ。

Blu-ray
『イージーライダー』
『イージーライダー』
もう半世紀も経った映画なんですね。「アメリカは怖い国ですねぇ」淀川長治さんの解説をまだ憶えてます
BOOK
フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』新潮文庫
フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』新潮文庫
面白い!中野好夫&常盤新平の翻訳が素晴らしい!井上ひさしの解説も村上春樹&柴田元幸の対談も楽しい!
【ナンカン11/4,5,6,7,8,9,10,11】

11月4日(水)
アメリカ大統領選挙にミリシアと呼ばれる武装集団が現れたことで映画『イージー・ライダー』がテレビで放送されたときの淀川長治さんの解説を思い出した。「2人の若者は最後に銃で撃ち殺されますねえ。アメリカという国は怖い国ですねえ」……今も「アメリカは怖い国」のままのようだ。もう一つ思い出した。確か『イージー・ライダー』のなかのジャック・ニコルソンの台詞だった。「自由を叫び主張する奴は喝采されるが自由に振る舞う奴は嫌がられる」これはアメリカだけのことではないだろう。ベッドのなかでフィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』再読を始める。メッチャ面白い。原題は『Great American Novel』だから『白鯨』や『緋文字』など「偉大なアメリカ小説」が次々に登場。槍玉に挙げられる。ヘミングウェイは本人が登場。なぜ「野球」とタイトルを変えたのか?主人公の語り部が引退した野球記者だから?野球の話が次々と出てくるから?とにかくパロディとギャグと悪巫山戯の連発で「ワルハラ」なんてワーグナーの『ニーベルンクの指環』の神々の天空の城塞の名前の図書館や学校まで登場。野球好きオペラ好きの読者にはタマラン!おまけに誤訳(?)まで発見。ゲリンガーという名前の野球選手が出てくるがコレはゲリンジャーだろう。ただし普通(日本では)ゴスリンと呼ばれている野球選手Goslinをゴズリンと米語の発音に近いように訳されてるからGehlingerを訳者はゲリンガーと呼んでしまったのかもしれない…なんて重箱の箱の隅っこを突っつきたくなるような細かいギャグの連発!ワン。しかしゲリンジャーはベーブ・ルースやルー・ゲーリッグと一緒に大リーグチームの一員として来日もした選手ですからね…とはいえゲリンガーと訳すほうが原作者は喜ぶかな?フィリップ・ロスが「ないす・ぼけ!」と言ったりして。ワンワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。フィリップ・ロスの小説にはパトリオット・リーグなんて架空の大リーグがでっち上げられているけれど日本でも同様の小説が書かれて国民リーグが登場したら読者に嘘っぱちのギャグと思われるかもしれませんね。本当は存在してたのに。ワン。午前中にヨメハンが通院している病院へ同行。インフルエンザの予防接種を受ける。昼飯に中華料理店で蟹玉定食食って帰宅。午後は大統領選開票を気にしながら雑務。晩飯&風呂のあとも開票速報。トランプは大統領を続けないと破産する(?)から必死のようですねぇ。寝よ。『素晴らしいアメリカ野球(小説)』読みながら。

BOOK
フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』新潮文庫
フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』新潮文庫
面白い!中野好夫&常盤新平の翻訳が素晴らしい!井上ひさしの解説も村上春樹&柴田元幸の対談も楽しい!

11月5日(木)
ベッドのなかで『素晴らしい(偉大なる)アメリカ野球(小説)』読み進む。メッチャ面白いんだけどフト巻末の井上ひさしの解説と村上春樹×柴田元幸の対談を読み出したらこれまたメッチャ面白くて読み切ってしまった。柴田《アメリカの偉大さグレートネス神話性そういったものを解体するのに野球を素材にするのが最適だったのではないでしょうか》村上《アメリカという国家の「神話」とメジャーリーグ・ベースボールの「神話」が重ねられている》柴田《アメリカについて考えたら野球にたどり着いた(略)野球について考えるとそれはアメリカについて考えることになりそうだと》日本について考えるなら大相撲かな?その大相撲に天皇杯そっくりで一回り大きいアメリカ大統領杯をトランプが贈った(安倍は喜んで受け取り拒否しなかった)のはやはり象徴的ですね。村上《音楽の話で言えばビートルズが出てきた時点で「偉大なるアメリカ音楽」というのはありえなくなってしまったんだと思います。70年代の初めというのはアメリカン・ドリームであるとか「偉大なるアメリカの何とか」が生まれる可能性が死んでしまったんじゃないかと思う。ある種その幕引きとしてこういう作品をロスが書いたという意味は大きいですよね》にもかかわらず半世紀近くを経てMake America Great Againと唱える大統領が登場したのは一種のパロディだったんでしょうね。歴史は2度繰り返す。2度目は喜劇として。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。小林哲夫さんの『大学とオリンピック』を紹介しながら1964年のヴォランティアはいかに高額の給料で働いていたかを話す。来年の五輪ヴォランティアは確かに1940年の「学徒動員」に戻ってしまいましたね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。ふ〜ん。バイデン有利か。アメリカにも良識が働くのか?日本にとってどっちの大統領が…などと言う前に人種差別者的な言動を弄して暴力を容認し脱税の疑いがあるような人物がアメリカの大統領に相応しいかどうかが問題のはずですよね。ワンワン。終日雑務。机の上が片付かん。晩飯も晩飯後も大統領選のニュース。さてアメリカはどうなる?日本は「属国」の立場から抜け出せないのか?せめて大相撲のアメリカ大統領杯だけでもホワイトハウスに返してほしいなぁ。

11月6日(金)
朝ベッドのなかで『素晴らしいアメリカ野球』読み進む。ギル・ガメシュなんて野球選手が登場。昔ギルガメシュ・ナイトという深夜お色気TV番組がありましたね。関係ないけど。いや。あるのかな。どっちも古代メソポタミアの叙事詩からパクったという意味では同じか。ベッドから出て朝飯食べながらテレビを見るとトランプ大統領が背中を丸くして原稿をぼそぼそと読んでいる。気分がすぐに表に出る人ですね。ナチスの軍隊がスターリングラードの攻防戦に負けたあとのヒトラーの演説も背中が丸まって原稿を読むだけでしたね。トランプの原稿の中味は選挙の不正があったという根拠なき主張。日本の選挙でも負けたあと選挙の不正を声高に主張した人がいましたね。松本智津夫。別名麻原彰晃。真理党党首でしたね。支持者の数では圧倒的にトランプのほうが多いでしょうがこんな人物が4年間もアメリカ大統領をやっていたかと思うと何やら情けないですね。いやこんな人物を支持するアメリカ人の多いことこそ情けない…いや怖ろしいですね。ワン。黒兵衛と散歩。昨日の夕方朝日新聞社会部記者から求められた「田沢ルールが独禁法違反」という公取委の判断に対する小生のコメントが今朝の朝刊に出でていた。もちろん小生の最も言いたいことは掲載されず。米大リーグに選手が流出するのを止めるルールを作るよりリーグを魅力的にするべきですがソレができない。なぜならプロ野球も高校野球もマスメディアが支配している限りマトモなスポーツ団体にはなれないから。スポーツジャーナリズム(野球界に対する批判)も働かない。朝日の記者はもちろん小生の主張を聞いて理解して納得してくれたけど書けない。他の新聞記者も同じ。わかっちゃいるけど書けないの…スイスイスーダラダッタスラスラスイスイス〜イ…。新聞記者もテレビ局員も会社員ならシャーナイですよね。YuTubeの『ニューズ・オプエド』や『今週のスポーツ批評』で喋ることにしましょ。終日デスクワーク。晩飯オペラ劇場はポンキエッリ『ラ・ジョコンダ』。時の踊りのバレエ音楽は有名ですけどやっぱりヴェルディやプッチーニと較べると音楽的に弱いですねえ。途中で明日にまわして「チコちゃん」を楽しんで風呂入ってアメリカ大統領選のニュースを見てベッドへ。トランプと支持者の主張もある意味でアメリカン・デモクラシーの現れと言えるのかもしれないけどコレをどう収めるかというのもアメリカ民主主義の「力」の見せ所と言えそうですね。ナチス・ヒトラーも選挙で選ばれたわけですからね。

11月7日(土)
ロスの『素晴らしいアメリカ野球』は本当に素晴らしい!《初めてに言葉ありき。その言葉は「プレイ!」》イイ言葉ですね。何年か前に…イヤ何十年か前に後楽園球場で開幕戦を見たとき当時かなり高齢の鈴木セ・リーグ会長が現れボソボソ挨拶されたが最後に大声で右腕を挙げて「プレエエエエエイイボオオオオオール!」と叫ばれたときには大感激したのを憶えている。鈴木会長には何度かインタヴューさせていただいたが本当に野球の好きな人だった。「いつまでも読売ジャイアンツ中心では限界があるのでは?」と言うと「あんたの言う意味はわかるけど日本のプロ野球の歩んできた歴史というものもあるからねえ」とおっしゃった。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。藤沢で行われている市民ジャズ・フェスティバルにヨメハンに誘われて近所の子供たちが参加しているビッグバンドを聴きに行こうかとも思ったがホームページの原稿作りに専念。意外と時間がかかるんですよね。夕方ジョン・フォード監督ヘンリー・フォンダ主演『荒野の決闘』を少し見る。ワイアット・アープのOK牧場の決闘を描いたこの映画は酒場で荒くれ男に銃で脅された旅役者たちが『ハムレット』の有名な台詞を言えなくなったときドク・ホリデイがTo be or not to be…と助けてやるシーンが好きですね。晩飯は『ブラタモリ』で北海道サロマ湖のホタテの養殖を見ながら。風呂のあとはアメリカ大統領選挙の開票。トランプ大統領はどこまでどのような諍い方をするのでしょうか?誰もがいろんな主張をできるという民主主義の悪い面を民主党の新大統領が共和主義的に修正して纏めることになるのでしょうねぇ…?

11月8日(日)
朝起きてアメリカ大統領選はバイデン氏に当確が出たことを知る。黒兵衛と散歩のあとテレビで勝利演説を聞く。アジア系黒人女性の副大統領カマラ・ハリス氏の演説は爽やかでしたね。バイデン氏の演説は(意外と)実に若々しくてアメリカ的な未来志向が再現されてましたね。さてどんな政治が行われるのか?とりあえずはトランプが大統領時代に相撲協会に寄贈した天皇賜杯にソックリでそれより大きいアメリカ大統領杯を引き取ってもらいましょう。

11月8日(日)つづき
朝ベッドで『素晴らしいアメリカ野球』読むなかで2個目の誤訳を発見。この翻訳は本当に素晴らしい日本語なのでそのなかで誤訳を見つけると飛び上がりたくなるほど嬉しい(^^;)それは内野手が「一塁に暴投する」という訳語。暴投wild pitchをするのは投手pitcherだけで内野手infielderは送球throwはしても投球pitchはしない。だから原文ではwild throwと書かれていたはずでソレを暴投と訳すのは明らかな誤訳。しかしこの間違いは野球関係の本で見ることが多い。創刊直後の『NUMBER』でも何度か見たし最近も女流作家の書いた野球小説と野球ノンフィクションで読んだ。その野球小説には《サウスポー投手が投球のときに指を滑らせて右打者の臀部にデッドボール》という表現もあった。サウスポーが指を滑らせたなら投球は右打者の尻には絶対に当たらないでよね。とはいえマァ小生も30歳の頃までは内野手のバックアップと(ベース)カヴァーの違いがはっきりわからなかったしクロスプレイはcross playでclose playとは思わなかったですからね。皆さん勉強しましょう。ベースボールを知ることはアメリカを知ることですから。野球を知ることは日本を知ることかな?ワン。終日ホームページの原稿作り。晩飯映画劇場は『荒野の決闘』(原題はMy Darling Clementine)を全部見てしまう。昨日の本欄に一番印象に残ったのはドク・ホリデイのシェイクスピアのto be or not to beの朗誦と書いたけど再度見てもそうだった。最後のOK牧場の決闘が少々迫力不足でドク・ホリデイもアッサリ死んでしまいますからね。こういうリアリズム(西部の英雄をスーパーマンのようには描かない手法)もジョン・フォード監督の狙いかな。風呂のあと録画しておいたNHKスペシャル『黒澤明映画はこう作られた〜証言秘蔵資料からよみがえる』を見る。2時間たっぷり面白かった。なかでも『天国と地獄』の犯人を26歳で演じた山崎努のインタヴュー「下手糞だったけど若くないとできない演技」などの全発言が面白かった。『天国と地獄』を見直さねば、

DVD
『パラサイト 半地下の家族』
『パラサイト 半地下の家族』
面白い前半が終盤には一転。悲惨な結末。一点だけ光明が…。初めて観た韓国映画。イイ映画ですが韓国格差社会は強烈!

11月9日(月)
ベッドで読む『素晴らしいアメリカ野球』は本当に面白い。時代設定が戦前から戦中なので日米開戦&ヒロヒトまでがアメリカ野球のなかに登場する。もちろんトランプ大統領(当時)が日本の大相撲に贈ったアメリカ大統領杯のような「悪意」は含まれていない。しかし大統領が替わってあの大統領杯はどうなるのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。トランプは大統領の座を降りる気はないようだ。誰が首に鈴をつけるのか? Bell the Catほど難しい問題ではないように思えるが…ワン。午後から『玉木正之の今週のスポーツ批評』ZOOM→YuTube収録。先週金曜の本欄に書いた「プロ野球界の田沢ルールは法律違反」という話題を詳しく話す。タイトルは「わかっちゃいるけど(新聞記者は)書けないの!」プロもアマも野球界は新聞社が牛耳ってますから球界の批判はできないのですね。時々読売が高校野球批判をして朝日がプロ野球批判をしたりしますが新聞社が球界を支配していることの批判はしませんからね。いつになったらこのナンセンスが終わるのか?新聞社の記者もみんな元凶はわかってるのでしょうがワカッチャイルケド書けないの音楽ソレスーイスーイスーダララッタスラスラスイスイスーイ。夕方から『ニューズ・オプエド』アンカー出演。今日のゲストはミネソタ州立大学特別功労教授でオリンピックにイロイロと裏で(笑)関わってこられた諸星裕さん&準レギュラーの春日良一さん。日本で行われた国際体操での内村選手の発言「国民の8割が開催できないと思うのもわかるがどうやったら東京五輪を開催できるかを考えてほしい」について考える。ナルホド五輪の主催はIOCだけど大会の主催権は東京に委託されているのですから組織委は参加人数を減らすこともマラソンの「東京開催」ももっと強い意見を出すべきなんですね。ただしそれには各IF(国際競技団体)ともさらに強いパイプを築いておく必要がありソレは招致段階からやっておくべきことだったんですね。さぁ今からどーするか?PCR検査に一人1万円かかるとして選手1万2千人の毎日のPCR検査を20日間やるには24億円。関係者全員を選手村に入れて毎日4万人の検査体制を作っても80億円。GoTravelが1兆円以上なら日本政府にとってできないことじゃないはずですね…とか「アフタートーク」までイロイロ話して番組終了。晩飯のあとWOWOWを録画しておいた『パラサイト』を見始める。テンポの良い展開にカメラワークもナチュラルで喜劇として非常に面白い。けど眠くなったので風呂&ベッドへ。後半はどーなるのかな?

Blu-ray
『天国と地獄』
『天国と地獄』
日本の格差社会を描いた黒澤の名作。とはいえ「上」も「下」も苦しんでいるの日本社会(を描くのが日本映画)かな

11月10日(火)
あらゆる意味で過剰な表現に埋め尽くされている『素晴らしいアメリカ野球』なのに《彼も道徳感覚さえ持っていなければ名選手になれたかもしれない》なんて文章を朝の寝起きにベッドのなかで平気で読んでゲラゲラ笑ってられるのは小生が野球好きだからか?それとも高血圧気味のせいか?《野球は球場では席を一つ変っても違って見えてくるゲームである。従って球場の観客一人一人が午後のあいだ試合の一齣一齣を同時に見ていて全観衆が眼にしたものを一つに纏めなければ正確に復元できないゲームである》その通りで素晴らしい表現ですけどまったく同じ表現がジョージ・プリンプトンの『遠くから来た大リーガー シド・フィンチの奇妙な事件』にも確か書かれていましたよね。どっちが先かな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。小春日和。日向は暖かい。けど日陰は寒い。空は雲一つない真っ青。富士山がでかく見える。これでコロナがなければ良いのですが…ワン。終日デスクワーク。HP原稿作り。夕方に警察官の情報誌『BAN』の取材をZOOMで受ける。コロナ禍のなかでのスポーツ界や来年の五輪について警備に当たる警察官の皆さんも「スポーツとは何か?」「スポーツ文化とはどういうことか?」ということを少し意識して知ってもらうと警備やマラソン駅伝の先導にも身が入るというような話をする。晩飯後映画劇場は昨日の続きで『パラサイト 半地下の家族』。初めて韓国映画をキチンと観る。前半のテンポの良いスラップスティック的面白さが後半では一転。韓国社会の厳しい歪みを浮き彫りに。ネタバレは書きませんが一点の小さな光明を残した描き方は良かったですね。イイ映画です。風呂のあと『パラサイト』を観たことと日曜の黒澤明のドキュメンタリーと山崎努のインタヴューを観たせいで黒沢の『天国と地獄』を観たくなりビール呑みながらDVD。やっぱりこれも面白い。後半は明日にしてベッドへ。

11月11日(水)
愛国リーグの「婦人の日」に女性ならば無料で野球を観られるというので女装した男性が入ってきてファウルボールを片手で捕って男であることがバレてドタバタ。『素晴らしいアメリカ野球』は面白い!けど辛辣な箴言も加わる。「婦人の日」だけでなく今に「ホモの日」もできるだろうと言う選手が「昔みたいに野球だけじゃやっていけないからだ!」そうですね。野球だけじゃなく歌って踊って応援グッズを振り回して…でないと球団経営が成り立たなくなりましたからね。ワン。いや。みんながそれで満足なら良しとしなければ。ワンワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。途中東京新聞特報部から電話取材。五輪延期による払戻が始まったけど約3週間という短期間で終了。延期によって行けなくなって人への配慮かもしれないけど入場者削減の準備?東京五輪の雰囲気を「盛り下げる」話題ではありますね。それより「通常開催/観客削減/やむを得ず中止」の最終決定はいつになるのか知りたいですね。晩飯前ゆっくりと大相撲。朝乃山も休場のうえ正代の左足はアウトですね。こっちも少々「盛り下がり」かな。コロナ禍のなか「盛りあがる」話題はないのかな?晩飯後映画劇場は黒澤明『天国と地獄』後半。やはり素晴らしく面白い映画ではあるけれど麻薬中毒者の存在と誘拐犯の関係がイマイチよくわからないかな。1963年はまだヒロポンの影響も小さくなかったのかな?久し振りにTBS『ひるおび』スタッフから電話があったけど夜遅くになって明日のコロナ関連のスポーツの話題は中止。やっぱりいろいろ動きがあるのは来週のバッハー菅会談のあとでしょうね。

DVD
『マッシュ』
『マッシュ』
上の映画を観たあとでは、そう気安くこの映画で笑えなくなりました

11月12日(木)
フィリップ・ロスの『素晴らしいアメリカ野球』には案の定と言うべきか小人症選手が登場。身長40インチ(約1m1.6p)で15打席連続四球の新記録を達成(過去の記録は8打席連続四球だったとか)。現実にメジャーに存在して1951年に1打席だけ出場して四球出塁したセントルイス・ブラウンズ(後のボルチモア・オリオールズ)のエディ・ゲーデルは身長43インチ(約109p)だったという。背番号は1/8(8分の1)のれっきとした登録選手。ジェームズ・サーバーの傑作スラップスティック野球小説『消えたピンチヒッター(原題はYou can Look It Up)』に走者満塁で代打に登場する(そして大爆笑モノの大騒動を巻き起こす)パール・デュ・モンヴィル選手は34インチか35インチ(約86.4〜88.9p)。この作品は1945年に書かれているからゲーデルのほうが(あるいはブラウンズの監督が)小説を真似たのかな。ロスの作品は1973年だから実際の小人メジャー選手も選考作品もあったわけですね。その割には表現が温和しくなったのは愛国リーグを(ある程度)リアルに描きたかったからかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。馬が野球選手として大活躍する小説はあるけど(1945年ウィルバー・L・シュラム『馬が野球をやらない理由』)犬はあるのかな?アメリカにはありそうですね。ワン。井上ひさしさんには狸が集まって野球をする面白い小説『腹鼓記』を書かれてますね。あ。『野球盲導犬チビの告白』という作品もありましたね。しかし犬(チビ)自身が野球をするわけじゃないですよね.ワン。終日デスクワーク。2日連続して東京新聞から取材の電話。今日はオンライン・マラソンについて。よく知らないしスポーツのオンラインゲーム化に小生は反対ですのでコメントはボツかな。大相撲は正代も休場。2横綱はいなくてもイイけどチョット淋しいと思ったら宇良が居反りを成功させた。大相撲はやっぱり面白い!角界のエディ・ゲーデル頑張れ!なんて書くと失礼かな(^^;)晩飯後映画劇場は韓国映画第2弾『ブラザーフッド』。オペラ好きの人間はベタな筋書とベタな演出は嫌いじゃないです。しかし少々ベタベタ過剰かな。戦闘シーンも過剰かな。しかし朝鮮戦争の悲惨なことがよくわかりました。2度と『マッシュ』は見る気にならないかな?

11月13日(金)
『素晴らしいアメリカ野球』は一休みしてJ・サーバー『消えたピンチヒッター』読み直す。著者は漫画家でもあり絵本作家でもあり(『たくさんのお月さま』シリーズは宇野亜喜良さんの絵で日本でも発売されているらしい)発想の破天荒さはサスガで何度読み直してみても爆笑してしまう短編だが身長1mと少しの主人公は今では描けないでしょうね。現実に大リーグに代打として登場したゲーデルは1打席1四球という生涯記録を残したが直後に野球選手は野球に相応しい体格を持つ選手に限るという規則が生まれた。その規則は何年か前に女子選手の排除規定とともに撤廃されているけど四球を選ぶだけが目的の選手が現実に登場することは二度とあり得ないでしょうね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。近くで水道管の交換工事が行われている。その立て看板に東京オリパラのロゴマークが使われているのを発見。神奈川から東京オリンピック・パラリンピックを盛りあげようとの文字も。ひょっとしてコレも五輪予算を使ってるの?本来の予定なら東京五輪は既に終了しているはずだけど…どうなってるのかな?ワン?終日デスクワーク。電話が数本。五輪関係のことについて週刊誌&テレビ局。そろそろ仕事がまともに戻ってくるのか?いや。来週IOCバッハ会長が来日するからだけのことか?五輪中止の発表はないみたいですが欧米印度の感染状況を見る限り中止or大胆縮小案も考えておくべきですね…と言わなくても考えていることでしょう。でないとオカシイですよね。晩飯後映画劇場はマイケル・ムーア監督『ボウリング・フォー・コロンバイン』再見。世界の近代史は銃による犯罪(戦争)の歴史。アメリカだけが普通の平穏な社会のなかでも銃犯罪が起きるのは何故か?これはムーアだけでなく世界中の人々が考えるべきテーマのようですね。

ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』新書館
ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』新書館
走れ!走れ!まわれ!まわれ!そんな動物たちを我々人間は笑えないですね

11月14日(土)
盗癖のある打者が投手の超スローボールを見事に空振りしてそのボールを盗み尻のポケットに入れて走り出す。守備陣はボールがどこに消えたかわからずに空を見上げたり周囲の地面を見回したり。ピンチランナーでベース上にいた走者は後ろから来た打者に尻をつつかれて走り出す。ボールがどこにあるのか自分が何をしているのかわからずとにかく走る。そしてホームインして嬉し泣き。『素晴らしいアメリカ野球』はここまで無茶を書いてますね。まるで『不思議の国アリス』でドードー鳥やいろんな動物がワケわからず棒の廻りを走り回るように。コレってアメリカ社会のパロディか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。水道管取り替え工事の看板の東京オリンピック・パラリンピックのロゴマークの横に「公認事業」と書いてあった。これも五輪予算?そー言えば国立競技場の建て替え工事の建設費も五輪予算に入ってますね。五輪がなくても国立競技場の建て替えはやる必要があったのでは?国や自治体の予算とはこーゆーふーにあるところに付け替えるのが当たり前なんでしょうね。本当の五輪経費とはいくらなのでしょうねぇ?ワン?終日仕事部屋の出入りと掃除&いろいろ五輪情報を収拾整理。五輪はどんなことがあっても開催するようですね…今のところ。「令和のインパール作戦」にならないようにするには「どうやったらいいのか」組織委と政府は示すべきでしょうね。「ワクチンなしでも開催可能」というIOCバッハ会長はその根拠を示し大会会場で働く医療従事者には無償ボランティアでなく日当を出すべきでしょうね。GoToに兆単位の予算を組んだのですから数億円の人件費くらい当然でしょうね。大相撲は貴景勝が走りそう。炎鵬頑張れ。晩飯後映画劇場は韓国映画第3弾『オールド・ボーイ』う〜んんんんんん。1970年代の新宿文化アートシアターでATGの前衛映画を観ているような雰囲気。耐えきれず20分で風呂。出てきて続きを観るが再び耐えきれずベッドへ。体調の良いときに見直します。

BOOK
斎藤美奈子『文章読本さん江』ちくま文庫
斎藤美奈子『文章読本さん江』ちくま文庫
コレは読むだけで面白い本です

11月15日(日)
フィリップ・ロスの『素晴らしいアメリカ野球』の日本語訳の素晴らしさは新潮文庫の解説で井上ひさしさんも書いているとおりだが内野手が一塁へ「暴投」という誤訳(9日付本欄参照)を2個目と書いて1個目を書き忘れていた。それは「汚名挽回」という言葉。正確に言えば「誤訳」でなく日本語の「誤用」。この言葉には思い出があって小生が雑誌「GORO」の記者時代に同じ言葉を使って編集長に叱られたことがあった。「バカヤロー!汚名は返上するもの。挽回するのは名誉だ!汚名返上。名誉挽回。汚名を挽回してどーするんだ!日本語の勉強をしろ!」と叱られたのをきっかけに谷崎潤一郎・丸谷才一・井上ひさし・本多勝一らの「文章読本」を次々と読み漁ったものだった(若い頃は結構真面目でしたからね)。だから「汚名挽回」という文字を発見したときは中野好夫&常盤新平のような両氏(訳者)でもこんな間違いをするのだと喜んだ(失礼)ものだが改めて調べ直してみると「挽回」には「元に戻す」という意味があり「汚名挽回」は「汚名のなかった元の状態に戻す」という意味で間違いとは言えないらしい。なるほど。まぁ勉強になったからイイですけど昔の編集者や編集長は今ではみんなパワハラと言われるでしょうね。ワン。黒兵衛と散歩のあと財界展望社『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』を書く。IOCバッハ会長も菅首相も森組織会長も五輪中止は考えていない…というのは現在の世界の新型コロナの状況を考えるとオカシイですよね…という話。夕方までに完成して送稿。明日のバッハ森記者会見で書き直しが出るかな?出ないだろうな?大相撲炎鵬は勝てないなぁ。照ノ富士を破った大栄翔の取り口は良かったですね。晩飯後は風呂のあと山形交響楽団のベートーヴェン『運命』の端正な熱演を聴いてベッドへ。

11月16日(月)
フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』読み進む。もう評価も表現もしようもないほどハチャメチャに進んで野球の聖地クーパーズタウンを讃える言葉としてルルドやカンタベリーと並んで京都まで出てくる。そんなことを喜ぶ読者しかコノ小説は喜べないかもしれませんね。ワン。黒兵衛と散歩のあとイロイロ準備して午後からYuTubeの『今週のスポーツ批評』を収録。テーマは「オリンピックはスポーツか?それとも政治か?」答えはもちろん政治ですよね。では「オリンピックはスポーツ大会と言えるのか?」これはむずかしい命題です。が私の結論は「近代(現在の)オリンピックはスポーツでもなければスポーツ大会でもない。平和運動に名を借りたIOCの商業イベントである」というもの。VTR収録を済ませて『ニューズ・オプエド』の準備をしていると東京新聞特報部から電話。IOCバッハ会長が安倍前首相にオリンピック勲章の金賞を与えたという。安倍氏はオリンピックにどんな貢献をしたというのだろう?福島第一原発の汚染水を「Under Control」と言ったことが評価されたのかな?あとで『オプエド』のゲストで出演した小林信也さんがバッハは習近平にも同じ勲章を与えているから驚かないといったけど確かにそうですね。もし南北朝鮮半島統一五輪大会が開かれたら金正恩にも与えられるのでしょうね。クーベルタン男爵が晩年ナチス・ドイツの年金で暮らしていたことを思うと不思議ではないですね。『オプエド』の今日のもう一人のゲストはラグビー元日本代表で神戸親和女子大教授の平尾剛さん。弱者を踏みにじる五輪開催に反対する平尾さんとIOCの問題点は百も承知しながら選手のために五輪開催を主張する小林信也さん。二人の話は来日中のバッハ会長の話の根拠皆無の開催与太話より数段意義がありましたね。番組終了のあと翔猿が貴景勝を破ったことを知ってTVのニュースで観る。真正面からの闘いは見事でした。炎鵬も足取りで碧山破って初日を出したのは良かったですね。いろんなスポーツ大会があるなかで現在のIOCが主催するオリンピックが本当に必要かどうかはあらゆるジャーナリズムが考え直すべきテーマですよね。

BOOK
辺見じゅん『大下弘 虹の生涯』新潮文庫
辺見じゅん『大下弘 虹の生涯』新潮文庫
この人こそ野球選手としても人間としても最高に素晴らしかった男の中の男ですね

11月17日(火)
ギル・ガメシュは最後に愛国リーグに戻ってくるのですね。ユリシーズ(オデュッセウス)の帰還と同じように。しかしそこに共産主義者が現れて…『素晴らしいアメリカ野球』はそろそろハチャメチャにカタルシスを迎えるのか?朝のベッドのなかで興奮してもショーガナイですね。ワン。黒兵衛と散歩のあとZOOMを使って明日のBSフジ『プライムニュース』の打ち合わせ。バッハIOC会長は観客を入れての五輪の来年開催を宣言したけどできる保証はないですね。まぁ来年絶対にヤルからスポンサーの皆さん!1年延長の費用をよろしく!というのが本音でしょうけどね。JALやANAが年間約20億円と言われるスポンサー料を出してオフィシャルパートナーを続けることができるのでしょうか?選手のワクチンはIOCが費用を持つらしいけど世界の人々に行き渡るべきワクチンを五輪が優先的に使用する権利があるのでしょうかねえ?来年開幕できるならやってほしいけど…来年の感染状況は誰にもワカラナイ。嗚呼。午後から『ZAITEN』『Web新小説』などの連載原稿の校正をしていると『週刊現代』から電話。グラビアで大下弘の特集をやるというので20年以上前に福岡で17回忌だったかの記念シンポジウムで司会をさせていただいた話をしてあげる。ゲストは中西太・豊田泰光・稲尾和彦各氏などの錚々たるメンバー。それこそフィリップ・ロスの面白い小説以上のはちゃめちゃなトーク(遠征の旅館では常に全員で女風呂を覗きに行ったとか)の中味を教えてあげる。しかし皆さんの大下弘への敬愛ぶりは凄いものがありました。大下さんのやった少年野球教室に参加した人々も40人ほど会場に来ていたが全員が四番打者でエースでしたからね。エラーをしたら「人生谷あり大下弘」と書かれた色紙をもらったとか。その少年野球教室で中西さんや豊田さんがライン引きをやってたのですからね。凄い!大相撲は琴勝峰が御嶽海を破る!若手の期待No.1ですからね。しかし御嶽海は相変わらずムラのある取り口ですね。

11月18日(水)
『素晴らしいアメリカ野球』のSexシーンは見事ですね。女は男のbat swingに感動し男は女に君はhomerunより素晴らしい!と囁く。しかし私は三塁打よりも素晴らしい?と訊く女に対して男は答えに詰まる。かつて長嶋茂雄さんにインタヴューして「自分のプロとしての売り物は三塁打」とおっしゃっていたのを思い出しましたね。「一塁に塁をグイイイイーンと駆け抜けまして三塁へスライディングする姿。それが観客の皆さんに一番アッピールしていると…」(拙著『定本長嶋茂雄』より)野球の醍醐味は三塁打ですよね。フィリップ・ロスの描く野球選手は同衾している女に向かって「嘘は言えないよ。(三塁打は)この世に二つとない(貴方以上に素晴らしい)」と呟く。女は球団オーナー。ベーブ・ルースとも同衾して自分の打ったすべてのホームランを合わせたよりも君のほうが素晴らしいと言わしめたのにこの愛国リーグの選手は三塁打のほうが素晴らしいと言ったのだ。そしてトレードに出されて死ぬ。こんな物語を朝のベッドのなかで読んで興奮して幸せを感じている俺は阿呆かと自分ながら思う。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。午後になって週末の朝日放送『正義のミカタ』と明日のBS11『インサイドOUT』の電話打ち合わせなどをこなして夕方フジTVの迎えのクルマに乗ってお台場へ。横浜新道が意外と混んでて時間がかかった。経済が(コロナも)廻ってるようですね。BSフジ『プライム・ニュース』生出演。アンカーの反町さんとも小池百合子東京都知事とも久し振り。番組前に小池都知事に「玉木さんの東京五輪へのスタンスは?」と訊かれたので「コロナをきっかけに五輪とIOCの改革に繋げたいですね」と言うと笑って親指を上にあげられた。本欄に繰り返し書いている小生の東京五輪論(の一部)を話す。JALやANAがオフィシャル・パートナー1年延長の20億円を出せるのか?という話は出来なかったのでそれは明日のBS11で話すこにしましょ。フジTVのスタジオに入る直前小生が初めてTVのレギュラー番組に使ってもらったときのアナウンサーのK氏とバッタリ。余りの懐かしさに嬉しかった。長嶋一茂が新人でアリゾナで取材したあとフロリダに飛んで中日のキャンプで星野監督や落合選手に取材。そのとき2人とも話をしてくれないとの噂を聞いていたのでアリゾナで髭を全部剃り落としてフロリダに入ったら向こうから「どうしたん?」と話しかけてくれて大成功。その時のスタジオアナウンサーがK氏で髭のない小生を別人だと思ったらしかった。懐かしい思い出。局のクルマでコンビニに寄ってもらってビール買って呑みながら帰宅。メシ&フロ&ネル。

Blu-ray
『マネーボール』
『マネーボール』
一時代を画した野球の作戦も今はもう昔話になってしまいましたね

11月19日(木)
『素晴らしいアメリカ野球』には某球団オーナーの息子で7歳の天才数学者少年も登場。「犠牲バントは間違いだ。敬遠の四球間違い」でヒット・エンド・ランを多用すれば年間72得点の損失を取り戻せると複雑な方程式を使って導く。『マネー・ボール』の書かれるより約30年前に「冗談で」同じことを書いていたわけで少々驚きですね。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。IOCバッハ会長来日で来年の東京五輪をフル観客で行うと言ったけど本当にできるの?という話。「やる」と言うばかりじゃ話にならないですよね。しかしバッハ会長は安倍前総理に対して「マリオのつぎは何で登場するの?」と訊いたらしい。冗談にしても五輪精神(政治介入を認めない!)を踏みにじる酷い発言ですね。IOCの言うことに従わなければならない面があるとはいえIOCもバッハもコーツも間違ったことを平気で繰り返してますねえ。困ったものです。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。週末の大学生たちがオンラインで参加するスポーツ政策の発表コンテストSPJ(スポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン)の審査員を今年も務めることになったので資料に目を通す。夕方大相撲。照ノ富士も貴景勝も強いなあ。御嶽海はもっと頑張らないと…と思いながらTV局の迎えのクルマに乗ってお茶の水のBS11へ。岩田公雄さんがアンカーを務める『報道ライブインサイドOUT』に早大の間野義之教授とともに出演。コロナ禍の元で本気でオリンピックを開催しようとするなら参加選手のホテル仕様を禁じてIOC幹部も含めて全員を選手村に入れて隔離せよ…とか…JALやANAがオフィシャル・パートナーとして1年延期で追加の費用20億円を出せるのかという話などイロイロ話したあと局のクルマでビール呑みながら帰宅&メシ&フロ&ネル。しかし…熱中症対策だけで5千人の医療ボランティアが必要と言われるなか東京医師会等には何の連絡もないそうですね。どーなってるんだろ?まだ来年のことだから…なのかな?

ARTICLE
日本スポーツ産業学会
日本スポーツ産業学会
今年のSPJ(スポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン)は四国大学が最優秀賞に輝きました

11月20日(金)
アメリカ野球はキリスト教的であるべきなのにユダヤ人のオーナーが存在してイイのかどうか…このあたり結構理解が難しくなる。まぁハチャメチャ物語の一環として楽しみましょう。あ。この物語はアメリカ野球の話ではなくアメリカ社会の話なのですよね。ワン。黒兵衛と散歩のあと仕事。日曜日のSport Policy for Japanの決勝審査に備えて各大学ゼミが考えた企画書を読んだりする。今年は北は北海道教育大学から南は四国大学まで21大学の54チーム(ゼミ)274名の学生が参加。リモートによる発表と審査にもかかわらず盛況。しかし誕生から10年以上経つのに九州以南の大学の参加がマダナイのは少々残念ですね。午後から『昭和40年代男』のZOOM取材を受けてモントリオール五輪について話す。五輪自体は大赤字を出したこと以外に男子体操&女子バレー&コマネチくらいしか印象に残ってないが五輪のあとにメジャーの今はなきエクスポスの取材でオリンピック・スタジアムを訪れた思い出が強く残っている。気温3度のナイターのプレイオフでドジャースのバレンズエラが快投。エクスポスの捕手ゲーリー・カーターが活躍。後に巨人に入ったクロマティはエクスポスへの入団前に「外野にシロクマがいるような球場へ行くのはイヤ」と言ったこともあってかブーイングされてたな。それに野球場でのフランス語の場内アナウンスは少々気持ち悪かった(笑)。いろいろ取材に答えてチョイと大相撲見たあと大船駅へ東海道線品川経由新幹線で新大阪へ。タクシーで朝日放送近くのホテルへ。翌朝のテレビに備えて大阪泊。

11月21日(土)
朝。大坂のホテルで目覚めて中之島を散歩がてらぶらぶら10分くらい歩いて朝日放送へ。『教えて!ニュースライブ正義のミカタ』生出演。番組前に司会の東野幸治さんから「オリンピックはホンマにできるんでっか?」と訊かれ「コロナ次第でっしゃろなぁ」ゲストの木村もりよさんは「冬を乗り切れば春には暖かくなって終息しますから順当に行けば大丈夫ですよ」しかし似たような言葉を今年も聞いたからなあ。番組では「現代のオリンピックとは平和運動に名を借りた金権主義の金儲けイベントである!」という主張を展開。コロナをきっかけにToo Big to failの大会が適正規模に小さくなればイイのに…とイロイロ主張。番組終了後以前毎日放送で交互に『近畿は美しく』のMCをやらせていただいたオール巨人さんと歓談。「お互い歳取りましたなぁ」「ちちんぷいぷいも終わりますなぁ」…で久し振りの大坂出張を終えて新幹線で帰鎌。明日のSport Policy for Japanの準備と分科会での予選の発表をリモートで視聴。慶応大学「パラスポーツのきっかけ作り」大阪経済大「副首都から考えるセレッソ大阪」神奈川大学「公有資産活用によるスケートボードの発展」一橋大学「みんなの水族館社会人運動促進プロジェクト」城西大学「野球存続の危機」…などをチョイと覗かせてもらう。学生の皆さんは頑張ってますね。大相撲はいよいよ貴景勝と照ノ富士の一騎討ちですね。

11月22日(日)
朝起きて少々早めに黒兵衛との散歩を済ませてパソコンの前へ。Sport Policy for Japanの審査員としてリモート参加。決勝進出の大学ゼミは全54チームのなかから四国大・順天堂大×3・立教大×2・明治大・一橋大の合計8チーム。午前と午後に4チームずつの発表を視聴したうえで8人の審査員で討議。イロイロ激論を交わした末に小生も1位に選んだ四国大学大野ゼミの発表『「スポーつながりずむ」が描く未来図〜大学アスリートと農家の共生』が最優秀賞に選ばれた。今年で10年以上つづくSport Policy for Japanの審査員を毎年第1回からやらせていただいてるがコロナの影響もあってか今年は防災や高齢者問題や地域社会や健康…など身近なテーマが多かった。かつて見られた欧州サッカーやメジャー野球とのコラボと言ったブッ飛んだテーマは姿を消してeスポーツやスケボー等新しいスポーツも少なかった。そんななかで農業というテーマを持ち出して地元農家と提携した企画を実現可能な範囲で提案した四国大学チームは新鮮だった。農業をテーマにして決勝まで残るのは初めてのはず。素晴らしかったので今年はリモートで計画しなかった『ニューズ・オプエド』への出演を新たに打診。後日返事をもらえることに。予定より長引いて大相撲の優勝決戦はテレビのニュースで見る。まぁ実力伯仲の2力士が同じ相手に連勝するのはむずかしいでしょうねえ。ということで本割りで敗れた貴景勝が優勝。晩飯は長女と孫二人を連れてやって来た次女と一緒にワイワイガヤガヤ。小生は少々疲れ気味で日本シリーズ見ながらワインをチビチビ。うわっ。ソフトバンク・ホークスが投打ともに破格の強さですね。データの収集と分析でもかなりのリードかな。さぁ。どーする?原巨人!

11月23日(月)
勤労感謝の日。新嘗祭ですね。今日が日本のホントのハロウィン(収穫祭)ですね。朝起きてベッドで『素晴らしいアメリカ野球』読み継ぐ。アフリカへ野球を伝えたらあらゆる場面でスライディングが流行。四球で一塁へ歩いてもスライディング。それを野球を伝えたルパート・マンデーズ球団の監督が禁止したらそれに反発した部族が槍を持って反乱!凄いですねえ。でも気持ちはわかりますね。19世紀の野球では塁上のランナーに「逆走」が許されていて盗塁が得意で大好きだった選手は何度も「逆走と盗塁」を繰り返すことを楽しんだと言いますからね。野球で走ったりスライディングすることの楽しさはわかりますね。小学生のときの寺の境内での草野球でもズボンが破けて母親に叱られてもスライディングしてましたからね。ちなみにベースに滑り込むスライディングという塁上到達法を発明したのはアメリカのロックフォード・クラブに所属していたロバート・アディー選手で1866年のこと。日本に伝わった野球ではスライディングを「横着」と訳されたそうです。ホンマカイナ。ワン。ベッドから出て昨晩我が家に泊まった長女と小4の孫と3人で黒兵衛と散歩。歩きながら孫に読書感想文の書き方を講義。宮沢賢治『どんぐりと山猫』の感想画が上手く描けたので感想文も上手く仕上げたいという。感想文で大切なことは自分の感動した内容が読者に伝わるよう書いたあと読者の気持ちになって何度も読み直し何度も書き直すこと。ワン。散歩のあと午前中は孫の作文を添削。話し合って書き直し。能動的な作業(執筆)で孫は少々疲れたか。受動的作業(ゲーム等)に慣れると創作に必要な本物のスタミナが身につかなくなりますね。受動的作業に慣れると感性も鈍くなる。本を読むスタミナも身につかなくなる。創作には感性(瞬発力)も知性(スタミナ)も必要だからゲームはできるだけやるな。短くしろと爺の説教。ハイとわかったような返事をしたのは200字の原稿の3度ほどの書き直しに疲れたためかな。昼飯は婆の作る大好きなチャーハンに孫は大喜び。苦労したあとには良いことがあるのだよ。午後孫も長女も帰って行ったあとは自分の原稿。『週刊エコノミスト』のコラムを執筆。選集水曜以来TV3本+インタヴュイー+審査員+原稿で疲れたのかメシ&フロ&サケ&早々にネル。

BOOK
宮沢賢治『どんぐりと山猫』金の星社
宮沢賢治『どんぐりと山猫』金の星社
老いては孫に教えられて読みました。面白い物語ですなぁ

11月24日(火)
朝のベッドで少しづつ読み継いできた大長編『素晴らしいアメリカ野球』も遂に最終章。ソ連共産党のスターリン秘密組織が米大リーグの愛国リーグにスパイを送り込み野球を潰そうとするのを米国議会下院非米活動調査委員会の公聴会が公開調査を開始する。要するにエリア・カザンに弾圧を加えチャップリンを国外追放しバーンスタインからパスポートを取りあげた反共マッカーシズムのパロディですね。黒幕のウォルト・ディズニーは出て来ないのかな?ワン。黒兵衛と散歩。マッカーシズム時代のアメリカでは黒犬はアナーキスト犬と認定されたかな?ワン?(笑)。散歩のあと午前中に『週刊エコノミスト』の校正をやっつけて午後から『北國新聞』の連載コラムを書きあげる。どっちもテーマはIOCバッハ会長&コロナ&東京五輪。書きあげて送稿したところへ御近所さんが下さった小生の購読していない読売新聞の21日の紙面を読む。池辺晋一郎さんが「耳の渚」という月イチ連載コラムで「異文化とのコラボレーション」と題したコンサート・シリーズを世田谷区で続けられていて小生も何年か前に「スポーツと音楽」というテーマで招かれたことが書かれていた。他にも「落語と音楽」(柳家小三治)「料理と音楽」(田崎真也&山本益博)「クレオパトラと音楽」(吉村作治)《シェイクスピアと音楽」などタイトルを見るだけで胸ワクの企画が並んでいた。「日本の音楽は常に何かと関わってきた。語り・演劇・舞踊…日本人はたぶん俯瞰的に芸術を俯瞰的に感じるのだ》ナルホド。学術会議の《俯瞰的人選》とは大違いですね。晩飯は日本シリーズを見ながら。確かに巨人よりホークスが強いのは明白ですね。選手の地力も違う。けど弱くても勝てるのが野球。しかし巨人は野球が下手ですね。セ・リーグ自体が蛙の王様を生む狭い井戸になってるのかな?井の中の蛙パ・リーグを知らず…と言われないよう第4戦はどう闘うのか?

CD
ワーグナー:楽劇『ニーベルンクの指環』
ワーグナー:楽劇『ニーベルンクの指環』
1960年代世界の食うラシック音楽界の金字塔です

11月25日(水)
朝目覚めたら既に午前8時。昨晩少々デスクワークを続けたせいか?歳取ると疲れやすくなるのかな?夜中にトイレに立ったのも1回のみ。熟睡は気持ちイイ。要は夜遅くまで仕事をすれば疲れて熟睡できて健康になる?ホンマカイナ?ワン。黒兵衛と散歩。熟睡はプチモルトpetite mortとは言わないのかな?「死は眠りに過ぎぬ」はハムレットの台詞。関係ないか。ワン。『北國新聞』連載の校正をして『週刊エコノミスト』の再校をチェックして『連合通信』の連載原稿を書いてSPJ(Sport Policy for Japan)の決勝審査の短い講評を書いて送って終日デスクワーク。コロナとは関係なく毎日机の虫。嫌いじゃないからイイですけどね。BGMはゲオルク・ショルティ指揮ウィーン・フィルのワーグナー『ニーベルンクの指環』を数日前から聴き直している。何日か前にフト録音風景のDVDを見聴きしてやっぱり凄い演奏だと再確認したので全曲をボチボチ聴き直し。歌手の力量が現在とは違いますね。ニルソン&ヴィントガッセンの主役級の歌手の力も凄いけどルチア・ポップ&グィネス・ジョーンズの主役級ソプラノがラインの乙女でプリマドンナのサザーランドが小鳥の声ですからね。レベルが高いはずです。この世界で初の『ニーベルンクの指環』全曲録音は足かけ7年。15分ずつのアナログ録音テープに録音されてつながれたそうですけど1958〜64年の技術力もスタッフの根性も凄いですね。この22枚組4万円のLPレコードを高3のとき10か月分割払いで手に入れたときは京都河原町のレコード屋から感激で抱きしめて涙を流しながら歩いて家に帰ったものでした(その様子は蔵出し音楽原稿のどこかに書いてます)。18歳から68歳まで50年間。同じ音楽を聴き続けて飽きないというのも凄いですね。晩飯はもちろん日本シリーズを見ながら。打線入れ替えの巨人の策が当たって1回表に先制点。しかし無死二塁から1点取っただけで凡退はアカンで…と思った瞬間1回裏に柳田が逆転2ラン。2回裏にも甲斐が狙い打ちの2ランで勝負あり、言いたかないけどホークスの選手と巨人の選手では何故か顔の引き締まり具合が違いますね。表彰式までしっかり見てフロ&ネル。来週月曜の『ニューズ・オプエド』は元サンケイ記者の佐野慎輔さんと野球解説者の青島健太さん。2人とも快諾してくれたので日本シリーズのことをたっぷり話し合います。甲斐が優秀選手に選ばれなかったほどホークスは全体のレベルが高かったですね。

BOOK
アルベール・カミュ『ペスト』新潮文庫
アルベール・カミュ『ペスト』新潮文庫
コロナ禍にあって読むとペストは何かの比喩ではなくリアリズム小説だったことがわかりますね
井上ひさし『腹鼓記』新潮文庫
井上ひさし『腹鼓記』新潮文庫
ハハハ。狸が野球を。それを小説家がスポーツ新聞のスコアテーブルで著して…ケッサクですね

11月26日(木)
フィリップ・ロスの『素晴らしいアメリカ野球The Great American Novel』は本当に凄い小説ですね。名物球審の判定に怒ってそのアンパイアの喉に豪速球をぶつけて声を出なくして愛国リーグから追放された最高の新人投手ギル・ガメシュが放浪の末監督として戻ってくる。そして怒りと憎しみと恨みに燃えるチームに改造した弱小球団マンディーズは予想を覆して強烈に汚い野次と汚いプレイを連発して勝ち進む。相手選手の足をスパイクで切り裂き金玉に思い切りタッチし相手選手の女房や家族の子供への聞くに堪えない悪口雑言の野次の連続。ガメシュ監督は「目的は手段を正当化させる」と嘯き「憎しみは選手たちを勇猛にする!」と叫ぶ。「あんなの野球じゃない」という声も無視。「憎しみと恨みの一貫した作戦で勝ち続けることは無能と失敗で負け続けるよりもなお悪い見下げ果てたゴロツキチーム」となったマンディーズはスターリンと毛沢東の手先となって愛国リーグ(アメリカ社会)を潰そうとする?20年前くらいに読んだときの印象とドナルド・トランプ米大統領が出現したあとに読んだ印象は全然違う。アルベール・カミュの『ペスト』をCOVID19の世の中で読むのと同じであらゆるGreat Novelはどんなにぶっ飛んだ内容でもリアリズムに貫かれていると言えるのかもしれないですなぁ。ワン。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。日本シリーズでのホークスの打者の鋭いスイングと投手の鮮やかな速球は見ていて気持ち良かったですねぇという話のあと土日で行われたSPJ(Sport Policy for Japan)のコンクールで四国大学が最優秀に輝いた話。全体的に少々話題が小振りになったとは言え(以前は大リーグとかマンUとのコラボなんて企画もありました)地元の農業の人材不足や販売ルート開拓と大学スポーツを結びつけたのは良かったですね。ラジオのあと黒兵衛と散歩。そのあと全力集中して終日デスクワーク。「全集中」などという流行言葉は使わないようにしましょうね。それは最初に使った人の最初の作品にのみ効果を有するものですからね。パロディ効果を狙うなら別ですが間違っても政治家が使う言葉じゃないですね。「Forum8」の機関誌の連載原稿を書きあげ晩飯映画劇場はクリント・イーストウッド主演ドン・シーゲル監督『アルカトラズからの脱出』。実話に基づく面白い脱出ドラマとはいえ脱出劇だけでは物足りなさは否めないですね。寝よ。

BOOK
フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』新潮文庫
フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』新潮文庫
原題American GreatAmerican Novel.野球小説としても最高の一冊。野球を知らない人にはチンプンカンプン?
高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』河出書房
高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』河出書房
野球が好きでない人がこれを読んで楽しめるのかな?

11月27日(金)
『素晴らしいアメリカ野球』熟読々了。最後は老人ホームに入ったマンディーズの生き証人から中国共産党毛沢東首席への手紙か。凄すぎですね。ドタバタスラップスティックベースボール小説とアメリカ名作小説のパロディを徹底的に貫く姿勢は凄いとしか言い様がないですね。《処女作に「さようならコロンバス」という清冽で端正な作品を持つ作家が十五年後にこんな小説を書く。ほんとうに自由でいいな。(略)日本の作家はほとんどこれとは逆。だれもかも絶対に成り下がろうとしない。ロスは他山の石だな》と文庫解説で井上ひさしさんも書いてます。いえいえ『野球盲導犬チビの告白』も『腹鼓記』も『下駄の上の卵』も快作です。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。ボールを投げれば犬は捕りに走って咥えて戻ってくる。猫はコロコロ自分で遊ぶ。この違いは何?禅問答にはならないかな?ワン?終日デスクワーク。昨日書いた原稿の校正と読書。春陽堂Web新小説の連載『スポーツは文芸をどう彩ってきたか』のためにフィリップ・ロスに続いて高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』再読開始。American Major Baseball は Greatの一言で済むけど日本のYakyu は Elegant & Sentimentalになるのですね。そのとおりかな。面白い。晩飯映画劇場はアラン・ドロンが最も輝いていたときの『SAMURAI』。1967年のフランス・フィルム・ノワール(虚無的犯罪映画)。一匹狼の殺し屋(侍)が高額の請け負い仕事で暗黒街のボスを完璧な方法で殺す。がソノ裏には別の仕掛けが。面白かったけど冒頭の文章「侍は虎のように孤独」が『武士道』からの引用だという。新渡戸稲造の武士道かな?記憶にないなぁ。寝よ。

BOOK
W. P.キンセラ『シューレス・ジョー』
W. P.キンセラ『シューレス・ジョー』
原作よりも映画がよくでてますね…と言っ てもキンセラは怒らないでしょう
【以上ナンカン11/28】

11月28日(土)
ベッドのなかから読み始めて黒兵衛との散歩を経て終日デスクワークまで高橋源一郎『優雅で感傷的な日本野球』を読み続けて夕方読了。このワケのワカラン第1回三島賞受賞小説を文芸評論家の江藤淳氏は1988年5月25日付東京中日スポーツ紙上で「超一流の野球小説が誕生した」と書いた。このポップ小説を小生はゲラゲラ笑いながら読んだ。何しろランディ・バースが掛布に《野球を知るいちばんいい方法は野球について書かれた文章を読むこと》とジョン・マグローNYジャイアンツ監督の言葉を教えて図書館に籠もってあらゆる野球の書かれた文献を探すのですからね。杉並区図書館だけで7700冊国会図書館には38万冊あるらしい…ということは当然このなかに夢野久作の『ドグラマグラ』も含まれてるはずですよね。何しろ《この脳髄の大作用…ノンセンスの行き止まり…アンポンタンの底抜け…読者の頭をグワーンと一撃…ホームランまで戛っ飛ばさせて》と野球について書かれている部分があるのですからね…などと思いながら読むとメッチャ面白かった。けどコレを野球を好きでもない文学好き老若男女が読んで面白いと感じるのだろうか?また野球場で歌って踊ってチームを応援している「ファン」が読んで面白いと思うだろうか?江藤淳氏は中日ファンで高橋源一郎氏は落合博満ファンらしい(彼らは球場で踊らないだろう)。江藤氏は書く。《中日ドラゴンズと阪神タイガースは小説になるのに巨人軍は絶対に小説にならないのは何故だろう?やはり巨人軍にはそもそも最初から批評的なものが賭けているからではないだろうか?》村上春樹が新潮文庫の解説対談でフィリップ・ロスの作品の中で一番好きと絶賛している『素晴らしいアメリカ野球』をハルキストの女性たちは読んでいるのかな?このハチャメチャ大ケッサク野球小説を読んで自分が崇拝する小説家と同じ《大きな気持ちの昂ぶり》を感じることができるのかな?晩飯はNHK杯フィギュアスケートを見ながら。高橋大輔はこれまで注目されなかったアイスダンスにファンの目を向けさせてエライですね。晩飯後映画劇場は野球小説ばかり読み続けたついでに『フィールド・オブ・ドリームス』。これまで何度か本欄で紹介したから感想は書きませんがアイオワに野球場が生まれただけで号泣してしまいました。野球は父子相伝の文化(ロジャー・カーンの言葉)。イイ映画ですね。昔試写会で見たときは若かったので泣かなかったけど前列で佐瀬稔さんが声をあげて号泣されてました。その後小生はアイオワの野球場へ行くことが出来てホワイトソックスのユニフォームを着た8人の選手たちや観光客と一緒に野球をやって幸せな2日間を過ごしました…と書いても野球を好きでもない人にはナンノコッチャ?でしょうね。

BOOK
ジム・バウトン『ボール・フォア』
ジム・バウトン『ボール・フォア』
野球暴露本の先駆けとなった一冊。でも、この本の内容のレベルは高かったですね
ジム・バウトン&エリオット・アジノフ『ストライク・ゾーン』文藝春秋
ジム・バウトン&エリオット・アジノフ『ストライク・ゾーン』文藝春秋
ナックル投手がど真ん中の直球を!ありえない話。いや、ありえるか。大好きな野球小説

11月29日(日)
ベッドのなかでジム・バウトン&エリオット・アジノフ『ストライク・ゾーン』(文藝春秋)パラパラと再読。ナックル投手が9回裏2死満塁3-2で最後にストレートを投げる話。野球ファンならスレだけを聞いてもワクワクしますよね。80-90年代は面白い野球の本が山ほど出版されましたね。バウトンはWシリーズでも投げた元ヤンキースの20勝投手でベストセラーとなったメジャーリーグの内幕暴露本『ボール・フォア』を書いた男。江本孟紀『プロ野球を10倍楽しむ方法』(ベストセラーズ)や辻佳紀『ヒゲ辻の阪神ファンを5日でやめる方』(ゴマブックス)など日本のプロ野球内幕暴露本がたくさん出るきっかけにもなった本ですね。後者は小生も深く関係した本です。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと今日も終日デスクワーク。しかし原稿が書けん。昼飯食いながらボクシング観戦。マイク・タイソンは好々爺の顔になったけど左フックを打つスピードは見事でしたね。ジョーンズにモウチョットボクシングをしてほしかった。机の虫にい戻る。がアーモンドアイを見るため再びTVの前へ。見事に美しい走りでしたね。仕事にならないので『フィールド・オブ・ドリームス』の少々長い80分もあるメイキングを見る。原作者のキンセラが初めて脚本を読んだとき泣いてしまったという。うむ。映画のほうが原作より素晴らしいかも。そのまま晩飯&TV『日曜美術館』。自動シャッターのカメラで動物や昆虫など自然の生態を撮り続ける宮崎学氏のドキュメンタリーが面白かった。自然の生態系に注目するとそれを破壊したチェルノブイリやフクシマにも足が向くのは当然ですね。風呂のあと最近逝去した坂田藤十郎が戸無瀬を演じた『仮名手本忠臣蔵』九段目『山科閑居』扇雀の小浪。白?の加古川本蔵。幸四郎の由良之助。梅玉の力弥。九段目は小生が小学4年の時親父に南座の顔見世に連れられて見て何も面白くなかったのを憶えている。由良之助は松緑だったけど弁慶を見たかった。しかしイイ体験。大人になって面白さに気付きますからね。ネヨ。原稿は書けんかったなあ。

DVD
『砂漠の鬼将軍』
『砂漠の鬼将軍』
戦車隊を引いてアフリカ戦線で大活躍したロンメル将軍がヒトラーに逆らい殺害される物語。アメリカ映画でもドイツ語で話してほしかった

11月30日(月)
『ストライク・ゾーン』の訳者あとがきに村上博基氏が野球はかつてウォッチング・スポーツでなくプレイングス・ポーツだったと書かれている。そのとお通りで小生も餓鬼の頃は近所の建仁寺の境内で野球をやったし花見小路では割烹料理や仕出屋の板場さんが昼休みに前垂れ姿でキャッチボールなんかしてましたからね。建仁寺で野球して壁を傷つける餓鬼を建仁寺ガキと言うのだと和尚さんに言われて小生は高校生の頃までその言葉を信じてました…という話は『京都祇園遁走曲』に書きました。ワン。黒兵衛と散歩。そー言えば最近はキャッチボールをする親子を見かけませんね。サッカーをしている姿は見かけるけど。ワン。散歩のあと今週のスポーツ批評YuTube録画の準備。午後から本番。プレイングスポーツとしての野球のキモを話す。打者はトップ(打ち出す直前)の姿勢ができればOK。スイングしたあとは蕎麦屋の出前。これは長嶋茂雄さんに教えてもらった打者の極意。投手は打者を内角球で詰まらせ外角球で泳がせる。これは杉下茂さんに教わった投手の極意。走者は必ず左足でベースを踏む。これは福本豊さんに聞いた走者の極意。投打の対決の結果は投手が素晴らしい投球をしたか打者が打ち損じたか。津種が投げ損じたか打者が素晴らしい打撃をしたか。この4種類しかない。これは野村克也さんに教わった勝負の極意。野球って面白いですね。夕方は『ニューズ・オプエド』リモート・アンカー出演。今日のゲストは野球解説者の青島健太さんと産経新聞客員論説委員の佐野慎輔さん。日本シリーズのソフトバンク・ホークスのボロ勝ち&読売ジャイアンツのボロ負けについて山ほど喋る。野球を楽しんでやるかどうか…の話が面白かった。今も見ることができますから。どうぞ。https://op-ed.jp/

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