1月1日(日)元旦
まだ亡母の喪中のためおめでとうございますとはいえませんが皆さん今年もよろしく!
1月1日(日)つづき
ヤンソンス指揮のウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサートはなかなか楽しかった。正月大興行のイロモノとしての楽しさもあったしウィーン・フィルの魅力も十分引き出していたし。しかしもう十年前の話になるけどバーンスタインがニューイヤーを振る予定でいた直前に死んでしまったのは返す返すも惜しい。なにしろバーンスタインがラヴェルの『ラ・ヴァルス』をやるといってウィーン側と大もめにもめていたとか。やってほしかったなぁ。
1月2日(月)
我が家に餓鬼ども全員が相方同伴で集結。CGアーティスト、DJ、看護師、フランス料理人、ベーシスト、ヴォーカリストにスポーツライターと挿絵画家で一家8人大騒動。藤十郎の『曾根崎』とネトレプコの『椿姫』はビデ録で後日見ることにして、オマール海老とウズラ料理がメインのフルコースを楽しみながらジャズ・ヴォーカルとトランスの生演奏。美味と音楽。こんな正月は初めて。しっかしシャンパンやワインを開けてもグラス1杯しかまわってこんちゅうのはなんちゅうこっちゃ。あっという間に7本がカラに。満腹のあとは朝まで大麻雀大会。遊ぶのは疲れる。仕事してるほうがラクやで。
1月3日(火)
昼まで爆睡。徹夜大パーティのあとの倦怠。カギ十字の制服を着た連中がやってきて機関銃を乱射する妄想が頭に浮かぶ。ヴィスコンティの映画『地獄に堕ちた勇者ども』にそんなシーンがありましたわな。さ、明日から仕事や。
1月4日(水)
仕事始めに今年最初に書いた原稿のテーマはミラノで食べたトリュフについて。最初からこないなテーマでは今年1年の仕事はどないなるねん・・・。歳を取ったのか・・・。
1月5日(木)
ひたすら原稿書き。こんなことなら去年のうちにやっておけば・・・とは思わない。そんなこと思ったところでしゃーないから。ひたすら書いて書きまくって夜は鮨処「もり山」へ。カワハギが旨い!鯖も旨い!鮪も旨い!原稿をお待ちの編集者の皆さん、カンニンして!
1月6日(金)
今日も原稿書き。こういうときに限って本を読んでしまう。河合光『はじめての〈超ひも理論〉』(講談社現代新書)はやっぱりオモシロイ。以前読んだ『マンガ超ひも理論』(講談社)の姉妹編。より詳しくておもしろかった。マンガも前者の本の図解もイラストは高橋繁行。彼は中高時代のバドミントン部の後輩(あだ名は「ネソ」。意味不明)。オレがキャプテンのときにはしごきまくったヤツ。昔はしごいてゴメン(笑)。けど強うならなんだなぁ。ま、指導者が悪かったんやろなm(_ _)m。ブライアン・グリーンの『エレガントな宇宙』(草思社)を読んで以来「超ひも」(Superstring)という文字を見ただけで本を買ってしまう。「超ジゴロ」「超男妾」「超情夫」というのは存在せえへんのかな(笑)。
1月7日(土)
NHKの『生活小百科』を塾生に見せないためにスポーツジャーナリスト実践塾の新春第1回目講義(笑)。スポーツライターを目指す人間は「スポーツ」よりも「言葉」のほうが大事!スポーツのプロに対して言葉のプロとして対峙しなければならないことを実例を挙げながら講義。終了後『スポーツ・ヤァ!』編集長と軽く一杯やりながら情報交換。世の中のデジタル化ヴァーチャル化に対してスポーツ雑誌はどうあるべきか・・・。難しい問題やけどレベルの高い相手との会話は勉強になる。大船へ帰って“213”でさらに女房と一杯。正月以来ちょっと飲み過ぎかな。
1月8日(日)
今日も終日原稿書き。こんなことなら去年のうちに・・・とは絶対に思わへんぞ!
1月9日(月)
高校大学のスポーツについては(高校や大学は勉強や学問を行う場でありスポーツを担う主体となってはいけないと思ってるので)見てもコメントしないことにしているが滋賀県代表の野洲高校のサッカーにはマイッタ。素晴らしい!延長の決勝点のきっかけとなったサイドチェンジなど唖然とするほどの見事さ!トラップやドリブルやキープ力といった技術の高さがピッチ全体を見渡して思考する余裕を生んでいた。この学校の元アマレスラーの監督の指導法はあらゆるスポーツ競技で検討する価値があるはず。それにしても日テレのアナウンサーの高校サッカー賛美は度が過ぎる。そんなにこのコンテンツを守りたいのか?「高校サッカーの原点」「伝統の力」「人格の形成」「クラブには不可能な教育」・・・といった言葉のすべてがメディアの利益追求から生じているかと思うと(そうとしか思えない)ウンザリする。スポーツに教育を持ち込むべきではない。スポーツを正しく追求することが自然に教育になるはず。スポーツを正しく追求するとはひたすら技術を磨くこと(そのために必要な体力を身につけること)以外にないはず(それを野洲高校は素直にやったように思える)。髪の毛を短くさせることも苦しみに打ち克つためにダッシュを繰り返させることもスポーツとは無縁のはず。しかし高校サッカーや高校ラグビー(や高校野球)で髪の毛を短くさせている学校のほとんどが眉毛を抜くこと(や剃り込み)を禁止してないのは何故?応援席の卒業生がド派手な茶髪でも問題ないの?ま、どうでもええことやけど。
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1月10日(火)
一昨日の朝日の夕刊に今季のミラノ・スカラ座のオープニングの記事が出ていた。演し物はモーツァルトの『イドメネオ』指揮はダニエル・ハーディング(イギリス人)。演出は現代前衛的な舞台で有名なリュック・ボンディ(スイス人)。イタリアの各紙は「若きマエストロの大成功」と『スカラ座新時代の到来を歓迎した』そうやけどホンマかいな?泣いてるオペラ・ファンも(たぶん)多いはず。前音楽監督のムーティと一緒に解任されたカルロ・フォンターナ総裁の後任ステファン・リスナー(ハンガリー系フランス人)は「イタリアのスカラ座からヨーロッパのスカラ座へ」と宣言したらしいが、この傾向は(小生の知ってる)イタリアのオペラ・ファンが「ヤツにはイタリア人の赤い血が流れていない」といってた国際派ムーティ以来の流れともいえる。日本がどんどん日本でなくなってきてるようにイタリアもイタリアでなくなってきているのか?世界のエントロピーは限りなく増大の方向にあるようだ。
1月11日(水)
上野文化会館へマリンスキー歌劇場公演ワーグナーの『ニーベルンクの指環』序夜『ラインの黄金』を見に行く。サンクトペテルブルクまでこれを見に行ったのが一昨年6月。そのとき彼の地で野村万之丞の訃報を聞いて飛んで帰ったんやった(過去のナンヤラカンヤラ2004年6月参照)。早いもんやな。音楽は見事。演出は・・・サンクトペテルブルクで見たときよりは良くなってたけど演出は・・・?北欧神話をスキタイ神話に置き換える試みと舞台装置は面白いけど演出家不在は否めない。惜しい。
1月11日(水)つづき
公演後のパ−ティでゲルギエフに挨拶。一昨年サンクトペテルブルクでインタヴューしたことをいうと「憶えてる」と笑顔で答えてくれたけどホンマかな(笑)。ヴォータンを歌った素晴らしいバス歌手ニキーチンは以前六本木ヒルズで一緒にトークショウをしたこともあってよく憶えててくれた(過去のナンヤラカンヤラ2003年12月参照)。その後『ボリスゴドゥノフ』の日本公演のとき、終演直後に楽屋へ行くと「ギヴ・ミー・シガレッツ」といわれて二人でロング・ピースをふかしたこともあった。それほどのヘヴィ・スモーカーなので今度は小生が「ギヴ・ミー・シガレッツ」というと「I stpped smoking」マイッタなぁ・・・。ロシア人も煙草をやめるか・・・。しかしなかなか素晴らしい若々しいヴォータンやった。さらにパーティで山本益博さんや金子達人夫人(八塩圭子さん)や水谷武司さん(拙著の装丁をいくつも手がけてくださってるデザイナーです)と談笑。
1月12日(木)
『ニーベルンクの指環』第1夜『ワルキューレ』はあきらめて終日原稿書き。とほほ。そやけど『指環』を4夜連続して全部見るなんてイッパシの仕事盛りの男には無理なことやで(詳しくは蔵出しコラム音楽編<極私的ワーグナー体験の告白『私は如何にしてワーグナーの洗脳を解かれたか?』>を読んでください)。
1月13日(金)
山下洋輔さんのニューイヤー・コンサートを聴くためオペラ・シティ・タケミツホールへ。めっちゃめちゃ楽しいコンサート!弦楽四重奏とのコラボレーションでブルースもスイングもブギウギもバッハもレハールもシェーンベルクもジョン・ケージも出現するという物凄いパワー!そんな音楽で人類700万年の歴史を奏でてみせたのだから大笑いするなかで大喜びさせてもらった。以前筒井康隆氏とNHKの『ブックレビュー』に出演したとき筒井氏がオススメの読書として「現代のいい作品」を読むこととおっしゃってた。その理由は「現代のいい作品には過去のすべての歴史が混じり込んでいるから」。まさに今日の山下洋輔さんの音楽はそういう音楽だった。けど、こういう凄い催しに何でクラシックの評論家は足を運ばへんのかな。ま、どうでもええことやけど。こんな凄いコンサートのパンフレットに6年連続原稿を書かせていただいたのはホンマに名誉です。
1月13日(金)つづき
コンサートのあと楽屋へ。筒井康隆氏ご夫妻、村松友視氏ご夫妻、林英哲さんらと談笑。「英哲さんと僕とは同い年なんですよ」というと洋輔さんが「ぎょええええ〜」。すかさず英哲さんが「玉木さんの落ち着きは僕にはありません」と絶妙のフォロー。英哲さんはほんまに若い!コンサートのあとのパーティでタケミツ・ホール関係者に来年のニューイヤー・コンサートに関する秘密の根回し(笑)。じつは洋輔さんに是非ともやってもらいたいことがあるので取材者側からもプッシュを・・・と。それが何なのかはまたいずれ・・・。パーティのあと編集者のO氏と音楽プロデューサーのA氏と一緒に乃木坂のグッチさんのお店『旨いぞお』へ。久しぶりに食べた焼きそばはやっぱり旨かったけど白菜と豚肉の鍋が最高やった。
1月14日(土)
マリンスキー歌劇場『ニーベルンクの指環』第2夜『ジークフリート』を見るため上野文化会館へ。午後3時開演で終演が9時前。45分の休憩2度を入れて6時間近い長丁場。しかしゲルギエフの指揮は一音も緊張が緩むことナシ!素晴らしい名演!オケの音色も最高!美しい!ところが演出が最低。はっきりいって学芸会。ツィーピンの舞台装置も大仰なだけ。スキタイ神話への変換のアイデアは素晴らしいし一つの歌劇場所属のメンバー(歌手)だけでこれだけの演奏をするのは見事だが惜しい!とはいえちょいとジークフリートが弱かった。さすらい人のニキーチンもちょいと若さが邪魔した。圧倒的な演奏が終了したあと数人の「ブラボー」の声に続いて「ブー!」も飛んで両者に納得。けどゲルギエフは凄い。明後日の最終夜『神々の黄昏』が楽しみ!目を閉じてワーグナーの世界に浸ることにするか・・・。
1月14日(土)つづき
どうでもエエことやけどワーグナーの楽劇公演はいつも男性客が多い。イタリア・オペラやモーツァルトのときは客席がオバサマ方で埋まり幕間に女性トイレが大混雑するがワーグナー(とくに『指環』)のときは男性トイレに行列ができる。そうなると少ない女性客が際だつ。際だって見えるからか美女が少なくないように見える。髪の毛をアップにした和服姿の女性やシックなカクテルドレスに黒いショールを羽織った女性など少々オミズ系にも見える。その光景はボクシングの世界タイトルマッチのリングサイドにも似ている。要するにワーグナーの音楽はマッチョ系ということなのか?そういえば若い男性客はひょろひょろっと痩せているかたっぷり太っているかいずれにしても不健康そうな青白い顔をしたオタク系が目立つ。それもまたK1やプライドの観客席の光景に似てる。どうでもエエことやけど。
1月15日(日)
一日中事務処理。馬鹿娘がメールを送ってきたので何事かと思ったら「早口言葉」の挑戦状。「女装社長除雪車乗車中」「このお琴男の子お断り」「ラッコらっきょう拒否」「引き抜きにくい挽肉機」・・・。甘いなあ。どこで仕入れたのか知らんけどまだ修行が足らん。小生の取っておきとオリジナルを返してやる。「うちの女房は闘病中。女房の病気は糖尿病。女房の病棟2病棟」「ハバナのバナナババロア。バハマのバナナババロア。パナマのバナナババロア」「志布志市市長室志布志町支部志布志市市長室室長秘書が渋々渋柿を食べた」「カスバの酒場のカサノバ酒三杯でサンバを踊る」最後のは早口言葉としての難易度は低いが小生作のなかで最も綺麗なものと自負しておるのじゃ。せやからなんやねん・・・と思う人もいるやろけど言葉遊びは面白い。
1月16日(月)
マリンスキー歌劇場『ニーベルンクの指環』最終夜『神々の黄昏』を見るため上野文化会館へ。開幕前と幕間に久しぶりに逢った島田雅彦さんと雑談。ジークフリートもブリュンヒルデもよく声が出てまあ満足。グンターをニキーチンがやったけどこれは声質の上でミスキャスト。バスでなくハイ・バリトンでないとハーゲンとの差が際だたない。演出・舞台装置・衣裳については大いに疑問。とくに演出はやっぱり最低。最後にブリュンヒルデが火のなか(舞台奥)に飛び込むのはまるでトスカがサンタンジェロ城の屋上から身投げするようで白けた。おまけに指環を求めてハーゲンまでがまったく同じ大仰な恰好で飛んだのには失笑。おいおいスカルピアまで自殺するのか?けどゲルギエフのつくった音楽は見事!オーケストラも見事!素晴らしい音色と迫力!終幕幕切れの「愛の復活」のテーマはもうちょっとたっぷりやってほしかったけどジークフリートのラインへの旅と葬送行進曲は最高だった。1幕だけで2時間。合計6時間弱の長丁場を聴かせ切ったゲルギエフの体力と精神力には感服。マリンスキー歌劇場の歌手の人材の豊富さにも驚嘆。ブーイングを耳にしながら「ブラヴォー!」を叫んだのはオマケやと自覚してたけど『指環』の完璧な上演というのはそもそも不可能なんやろな・・・と思うとけっこう満足したのも事実。しかしゲルギエフはもうちょっと仕事を減らして質を高めてほしい・・・と思うのはオレだけ?
1月16日(月)つづき
『指環』を見終わったあと知人が横浜にリニューアル・オープンしたシャンソン・カフェにちょっと寄って帰宅。深夜クナッパーツブッシュ(バイロイト)やフルトヴェングラー(イタリア放送響)やショルティ(ウィーン・フィル)のCDを引っ張り出してワインを飲みながら『神々の黄昏』のラストを聴き較べ。そうか!マリンスキー歌劇場の歌手は声は素晴らしいけどイマイチ満足でけんかったんはドイツ語の発音と発声の問題やったんやな。CDで聴く名演の歌手はすべて歌うだけやなくドイツ語の歌詞を語り演技してる。まぁ、シュワルツコップやユリナッチやグィネス・ジョーンズやルチア・ポップがラインの乙女なんかで登場してくるCDと較べるのはマリンスキーの歌手が可哀想やろけど・・・。
1月17日(火)
スポーツ新聞一面を見てちょっとビックリ。ここのところオペラ三昧で社会の出来事に疎くなっていった。「紅旗征戎不有我事」という言葉が浮かぶがたかがIT企業の株価操作。紅旗征戎というほどのものでもない。カネでカネを生もうとするようなヤツらにロクなヤツなどいないのは常識。スポーツや音楽の原稿を書いて食っていこうと思うのも同じ。要は自分がロクなヤツではないという自覚の有無だ。ロクなヤツではないけどそれだけに真面目に世のため人のために頑張る。そんな意識がスポーツライターにはあってもヒルズ族には皆無みたいやな。自分はエライ。金持ちは強い。と思とるから度し難い。
1月17日(火)つづき
国会証人喚問をテレビで見て「他人を奴隷あつかいする人間は自分もすぐに奴隷になる」という言葉を思い出す。
1月18日(水)
「近鉄球団買収に名乗りをあげたり仙台フェニックスの計画を発表した頃から粉飾決算の疑いがあったようですが・・・」「そうですか。でも彼の計画は裏取引でプロ野球界に参入した企業のものよりずっと良かったし、彼なら単なる金儲けよりも野球のほうが面白いことに気づいてくれたかもしれない。少なくとも現在のオーナーたちよりはその可能性があったと思いますね。そこに気づかせてあげたかったな・・・」甘いかな・・・。
1月19日(木)
小生がよく引用する漱石『虞美人草』の一節。「問題は無数にある。粟か米か、是は喜劇である。工か商か、是も喜劇である。あの女かこの女か、是も喜劇である。綴織か繻?か、是も喜劇である。英語か独逸語か、是も喜劇である。凡てが喜劇である。最後に一つの問題が残る。――生か死か。是が悲劇である」たかがゼニカネの問題・・・といえなくなってしまった・・・。これもまた「光クラブ事件」の末裔でしかないのか・・・。
1月19日(木)つづき
渋谷オーチャードホールへ。プラハ国立歌劇場来日公演『フィガロの結婚』のプレトーク・ショウでモーツァルトのオペラの面白さについて話す。こういうイベントは4〜5回目。これまでは上演前に自分の席を探す観客などがざわざわしていて話す方も気合いが入らなかった。今回はそんな雰囲気を打破してやろうと思って準備した面白い話を大きめの声で話す。大成功!皆さん静聴してくれたうえ大いに笑ってもいただけた。仕事の関係で舞台は1幕だけ見て退席(涙)。
1月19日(木)つづき
『フィガロ』を1幕で辞めて某放送局の打ち合わせに出席したところが期待したほど重要な中味でなくガックリ。少々腹が立って渋谷のタワーレコードへ。こういうときは危険!ヤケになってガバガバ買ってしまいそう・・・しかし我慢してバーンスタインのハーバード大学講義(タマキのオススメ参照)とミンコフスキ指揮アンネ・ゾフィ・フォン・オッターの歌による『オッフェンバックの夕べ』のDVDだけで我慢。と思ったところが餓鬼から電話。「タワーレコードに寄ってるならリチャード・ボナのDVDとブレッカー・ブラザースのCDを買って来て・・・」やばい!ジャズのコーナーへ足を運ぶと欲しいもの・持ってないものの山積み。案の定DVDのコーナーでマーティン・スコセッシ、ヴィム・ヴェンダース、クリント・イーストウッドなんかが監督したドキュメンタリー『ザ・ブルース』の8枚組ボックスを発見してしまう。レイ・チャールズなんかも生出演。ルイ・アームストロング、ビリー・ホリディ、エラ・フィツジェラルド、シナトラ・・・の貴重な映像も・・・となるとアカン。我慢できひん。2万7千余円の追加散財。
1月20日(金)
中京テレビ『スポーツ・スタジアム』のスタッフが来宅。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)について語る。どうせやるなら盛りあがって欲しいけど不参加をいったん決めた大会がナベツネの力で参加に変わったことを思うと喋るにくい点もある。ナベツネの「小泉靖国参拝批判」には賛成やけど・・・。夜ひさびさにK出版のA編集者とポン友S君と一緒に大船の「213(ニイミ)」で食事。薬酒の「Fernet Branca」で胃がすっきりしたせいか調子に乗って飲み過ぎ・・・。そろそろ歳を考えんとアカンなぁ・・・。
1月21日(土)
一面銀世界。道路も庭も裏山の木立も真っ白け。隣家の黒屋根も真っ白け。屋根のカラスも真っ白けのけ・・・ではないけど綺麗な雪景色。綺麗けどコワイ。去年の冬札幌でスッテンコロリン滑ってクルマに轢かれそうになった恐怖を思い出す。それでもスポーツジャーナリスト実践塾のため東京・角川書店へ。靖国神社横の早稲田通りの下り坂でタクシーがスリップしてハンドルが切れず。あやうくガードレールにぶつかりそうになったところを通りがかりの人が3人ほどで押し戻してくれた。ありがとうございました。雪と氷はコワイ。塾生の欠席者ナシ。それはマァ素晴らしいことやけど出席するよりもエエ原稿を書いてくれ。
1月21日(土)つづき
何日か前に書いた早口言葉が好評だったので「言葉遊び」第2弾!ロンドンの空を飛んでる少年の名前は「ピーター・パン」。ではローマの空を飛んでる少年の名前は?・・・答えは「ピエトロ・パニーニ」では「パリ」「ワルシャワ」「ヘルシンキ」「ベオグラード」「モスクワ」「エジンバラ」「ソウル」「東京」「北京」「バンコク」「キンシャサ」・・・の空を飛んでる少年の名前は?(答えは後日)
1月22日(日)
近隣の宅地開発に関して開発業者の住民に対する説明会に出席。これまではヒューザーのオジマ以下の人間がしどろもどろの説明をしていたのに突然ソーケンのシカショかウチカワみたいな男が出てきてオドシ・スカシ・ナダメ・オダテ・モチアゲ・・・の口八丁を展開。とにかく一日も早く山を崩して工事をしたいらしい。ところが周囲は絶対に大型トラックや重機を積んだトレーラーの入れない狭い道しかない。おまけにそこは小学校と養護学校の通学路。よしんば宅地開発ができたとしても48戸もの家の自家用車が通れる道もない。開発不可能なうえ不適切な場所。そこを緑地保全地区ではないというだけで強引に開発しようとする。鎌倉市は何を考えとるんや!明日の仕事に備えて東京泊。
1月23日(月)
朝からNHK教育テレビ『福祉ネットワーク パラリンピックへの挑戦』のVTR2本撮り。パラリンピックに挑戦する選手は本当に素晴らしい人ばかり。正直いってオリンピックよりも応援したくなる。この番組は皆さん是非とも見てください(最近のしごとテレビ・ラジオ等欄参照)。番組収録中にアシスタントの安めぐみさんから「白い髭が恰好いいですね」といわれてちょいとデレエーとなる。司会の町永アナウンサーが「白い髭のどこが恰好いいと思うの?」と口を挟むと「ちょいワルって感じじゃないですか」と安さん。なるほど。明日からボルサリーノとサングラスでも身につけるか(笑)。
1月23日(月)つづき
教育テレビのあとNHKラジオ第一放送の『朝一番 週末スポーツ情報』の録音収録。テーマはトリノ冬季五輪。スタジオの外でアナウンサーと打ち合わせていると『その時歴史が動いた』の松平さんが顔を覗かせる。「声が聞こえて玉木さんだと思って」「またよろしく」そのあと六本木ヒルズのJ-WAVEへ。モーツァルト250回目の誕生日の1月27日に放送される『Happy Birthday Amadeus』の録音撮り。森タワーにあるスタジオへ入る前にロビーで何か様子に変かがあるのかな・・・と思って周囲を観察。とくに異常なし。新聞記者と思しき男が数人ぶらついているだけ。そのうちの一人にじっと見つめられたので「ライブドアへ行くのんやないで」と心のなかで呟く(笑)。
1月23日(月)つづき
J-WAVEの収録後帰鎌。鮨処『もり山』へ。焼き白子や金目鯛やホウボウに舌鼓を打ったあと帰宅。そのとき乗ったタクシーのラジオのニュースで堀江逮捕を知る。可哀想やけどシャーナイ。はしゃぎすぎたな。いずれはこういう自爆しかない。それだけにどうせならどうしょうもないプロ野球界も巻き込んで爆発してほしかった。いや仙台フェニックスが実現してたら彼のその後の歩みも変わったかも・・・。
1月24日(火)
終日原稿書き。「ホリエモン逮捕はポスト小泉を見据えたうえでのナベツネ−ナカソネ−カメイら守旧派によるコイズミ−タケナカ路線に対する反撃やね」という友人がいる。なるほどそういうことかもしれん。3〜4年前まではイロイロな事件もあってナンダカンダというても世の中は昔よりもいろんな面で良うなってきたと思ってた。けど最近は世の中が悪うなってきたと思うほかなくなってきた。このままでは子供たちが可哀想やで。
1月24日(火)つづき
朝日夕刊で宮崎学さんが堀江事件について「光クラブ」と比較した論を書いておられた。やっぱり歴史は振り返らんとアカン。何年か前に小生が司会をしてたテレビのローカル番組でゲスト出演してもらったとき「日本の借金900兆円」というテーマに対して宮崎さんは「カネで済む話や」と喝破した。ホンマや。世の中にはカネより大事なカネでは済まんことがある。ライブドア事件で東証がパンクしたとき「もっとシステムをきちんと・・・」という声が出た。それってカジノでギャンブラーがルーレットをもっときちんと回せというてるようなもんやで。
1月24日(火)つづき
来週木曜発売の『スポーツ・ヤァ!』の原稿を書く。テーマはもちろん堀江ライブドア問題。一言でいうなら大インチキをしているプロ野球界に仲間入りをしようとする連中よりもインチキ臭くはあってもその大インチキを破壊しようとしたヤツのほうがもぐりこむべきやった・・・という原稿。どうせ自爆するんやったらプロ野球界も巻き込む自爆テロになってほしかった・・・。是非ともお読み下さい。
1月25日(水)
21日に書いた言葉遊びの答え。「パリの空を飛んでる少年=ピエール・パン」「ワルシャワの空を飛んでる少年=ペテル・パンスキー」「ヘルシンキの空を飛んでる少年=ペーター・パンネン」「ベオグラードの空を飛んでる少年=ペーター・パノヴィチ」「モスクワの空を飛んでる少年=ピョートル・パノフ・パノヴィチ・パンスキー」「エジンバラの空を飛んでる少年=ピーター・マックパン」「ソウルの空を飛んでる少年=ピン・パンイル」「東京の空を飛んでる少年=平田凡太郎(ピンタパンタロウ)」「北京の空を飛んでる少年=ピン・パンホウ」「バンコクの空を飛んでる少年=ピイタレック・パンチャンパイ」「キンシャサの空を飛んでる少年=ピンタ・パンテ」・・・もうひとつ「バグダッドの空を飛んでる少年=ピタマハッド・パリ」てなことです。他にもあれば教えてください。
1月25日(水)つづき
「いま拘置所にいるホリエさんに何かいいたいことはありますか?」「・・・ミュージカル映画『ショウボート』を見てほしい・・・」「ショウボート?」「ジェローム・カーンとオスカー・ハマーシュタイン2世の傑作ミュージカルで博打打ちが若い妻と家族の愛によって改心する話です。コイズミとタケナカにも見てほしい。ナベツネにはイマサラですけど・・・」
1月26日(木)
(財)鎌倉市芸術文化振興財団の理事会に出席。指定管理者制度の導入によって鎌倉芸術館の指定管理者がサントリー・パブリシティ・サービス・グループに移行したことに伴う事後処理について。当財団は鎌倉市の言うがままに運営されてきて(だから理事の意見など何も通らなくて)結局はワケのワカラン指定管理者選定委員会によって指定管理者から外された。財団も無力やったけどいったい誰が鎌倉市の(文化)行政を動かしてるのか?!いったい誰が世の中を動かしてるのか?!これって物凄う「フラクタル」やで・・・。
1月26日(木)つづき
京大アメフト部の学生3人がレイプ容疑で逮捕されたことを新聞記者からの電話で知る。「伝統」という言葉は「堕落」と同義語であることを改めて認識。「伝統」と「権威」を重んじる大学(高校)スポーツは解体されてクラブスポーツに移行すべきだろう。東京六大学野球の天皇杯も返上して真の天皇杯にふさわしい野球組織と野球大会が作られるべきだろう。
1月27日(金)
毎日放送『ちちんぷいぷい』生出演のため大阪へ。特別ゲストに市川染五郎さん。CMのときに「富樫と弁慶のどっちがやりたいですか?」と訊く。「それはやっぱり弁慶ですねえ」「富樫もカッコイイですよ」「でも弁慶は特別です。いや勧進帳は特別ですよ」そしてCMが終わってトミーズ健ちゃんと一緒に「ぶるるんぶるるんパフパフ」のギャグ。染五郎さん、やりまんなぁ(笑)。本番終了後名古屋へ。
1月28日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。ゲストは小生と田中弁護士と安藤和津さん。特別ゲストはドラゴンズの山本昌投手。山本昌投手はスタジオに入るとき田中弁護士(前髪が一部白髪になっている)を見て星野仙一さんがゲストかと思ってギクッとしたとか。番組終了後その話で盛りあがる。星野仙さんとはいろいろあったらしいけどホンマにエエ師弟関係やなぁ。
1月28日(土)つづき
東海テレビ生出演のあと中日新聞栄文化センターでオペラ講座。テーマはワーグナーの『タンホイザー』。『タンホイザー』と『ピノキオ』の共通点と相違点を解説。さらにエロスの代表ヴェーヌスとアガペーの代表エリザベートの間で葛藤するタンホイザーとカルメンとミカエラと間で葛藤するドン・ホセのどこが違うかを解説。ピノキオもカルメンもストーリーが面白い(現代にも通用する)から作品として残った。ワーグナーは音楽が素晴らしいから作品を残すことができたけど物語としては最低。近代以降に神話の創造(原理主義)は無理なんやで。
1月29日(日)
終日事務処理(誰かやってくれへんかなぁ)。夜、逗子へ斎籐晴彦さんの歌うシューベルトの『冬の旅』を聴きに行く。100人弱で満員のレストランでのコンサート。ピアノは高橋悠治さん。♪菩提樹といえばお釈迦様だよ〜 ♪花も嵐もどんと踏み越えてそれが男の生きる道・・・といったウィルヘルム・ミュラーの訳詞(?)を斎籐晴彦さんが地声で歌う。面白かった。高橋悠治さんのピアノも美しく冴えて素晴らしい。もっと芝居っぽく崩してもらってもよかったけど・・・。コンサートのあと斎籐晴彦さんと歓談。昔吉祥寺に住んでいたころ南仏レストランの『ルボン・ヴィボン』でお遭いしていたらしい。懐かしいなあ。ベイスターズの牛島監督が現役時代一緒にメシ食ったのも『ルボン・ヴィボン』やったなあ・・・。会場の外にPapasのモデルのような粋な老人がいると思ったら元ダカーポ編集長の吉田仁さん。昔は企画や文章を鍛えてもろたなあ。仁さんに紹介されたのが奧成達さん。その横に(たしか)高橋睦郎さん。昔浅川マキのコンサートでお会いした人々。頭のなかが70年代に戻った気分。なるほど『冬の旅』は青春の音楽・・・。次は森進一で聴いてみたいなあ・・・(斎籐晴彦さんと高橋悠治さんによる『冬の旅』はCDが発売されています。http://www.suigyu.com/)
1月30日(月)
原稿書きまくる。コラム4本完成。フォオオオー!
1月31日(火)
月末締め切りの原稿があと2本あったはず。しかし編集者から何の連絡もないのでサボる。最近の編集者は(説くにネットの編集者は)エエカゲンやなぁ。まあ尻を叩かれんとなんにもでけへんオレが情けないのやけど・・・。
1月31日(火)つづき
原稿サボって長野県のHPから「長野冬季五輪帳簿処分問題」に関する調査委員会の報告書をダウンロードして読む。役人の書いた文章ではない見事にわかりやすい報告書。中味もオリンピックを考えるうえできわめて貴重な資料といえる。この報告書をまとめた5人の委員に敬意を表したい。それにしても長野五輪の招致では無茶苦茶やってたことがよくわかる。こういうことをせんとホンマに五輪を招致でけんかったのか?ここまでして招致する価値があったのか?IOCの組織のどこに根本問題があるのか。イロイロ考えさせられた。東京・福岡・札幌はどういう考えで五輪招致に名乗りをあげてるのんやろ?それにしても使途不明の9千万円はどこに消えたのか?みなさん一度読んでみてください。
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