ナンヤラカンヤラ
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CD
『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&カプースチン:8つの演奏会用練習曲』
『ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番&カプースチン:8つの演奏会用練習曲』
辻井伸行クンのピアノ。オケはペトレンコの指揮。カプースチンなんて作曲家の作品も面白い

12月1日(木)
ベッドの読書は三島由紀夫の対談集に戻って一橋大学での学生との討論…というより学生が三島に質問を繰り返すティーチイン『国家革新の原理』。昭和43年6月16日に一橋大学で行われた記録で約1年後の『討論三島由紀夫vs東大全共闘』より学生がグッと温和しいが三島の考えを知るには面白い。ケネディ兄弟の暗殺を取りあげ《民主過ぎに暗殺は付き物》と言い《強制収容所と言論封殺が付き物の全体主義専制主義よりマシ》と断じているのはオモシロイ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークはスポーツライター小林信也さんとの追加対談の原稿化。ふうう…完成には3日かかるかな。BGMはavex classicから送られてきた辻井伸行クンのピアノによるラフマニノフのP協2番。リヴァプールのオケがバックで指揮はペトレンコ。見事な演奏。超一流の指揮者との共演が次々と進んでますね。晩飯食ってソソクサと早くベッドへ入って目を閉じる。明朝は4時前起床ですからね。

12月2日(金)
わーい。と餓鬼みたいに喜んでも仕方ないけどAM4:00前に目が覚めてベッドを出たぞー。さあ日本vsスペインのサッカーを楽しみましょう!

12月2日(金)つづき
スペインは強い。上手い。凄い。日本を子供扱いに見えますね。しかしまだ1点のビハインド。後半三笘&堂安&南野&冨安が出てきて何とかせい!!としか言い様がないですね(>_<)

12月2日(金)つづきのつづき
いやあ素晴らしい日本の勝利でした。ドイツ戦に続いてコレしかないという勝ち方!!2-1の逆転勝利。最後の相手の猛攻を凌いでの勝利!!見事な勝利でした!!前半は死んだふり?もうどーでもいいや。ドイツとスペインに勝ったのですからね。選手の皆さんおめでとう!!森保監督おめでとう!!日本代表チームありがとう!!次のクロアチア戦も頑張りましょう!!

12月2日(金)つづきのつづきのつづき
生前のミスター・ラグビー平尾誠二さんに「弱いチームが強チームに勝つ方法」を訊いたことことがある。答えは…「まず強いチームに先制点を取らせること。それで強いチームは当然勝てると思ってスキができる。その後弱いチームは強いチームの攻撃を必死になって守って後半のワンチャンスで同点にして相手が混乱しているスキに逆転する。そして必死になって守り切って逃げ切る…」これは平尾さんが神戸製鋼のキャプテンになってまだ優勝経験のなかったときの言葉。今回のW杯日本代表のドイツ戦後半もスペイン戦後半もこの言葉を思い出してました。ヤッタゼ・ベイビー!!古いなぁ(^^;)

12月3日(土)
パソコンが不調に陥ってしまいました。仕事の方は電話をください。校正等はファックスでお願いします。m(_ _)m

CD
ワーグナー:舞台神聖祝祭劇:『パルジファル』
ワーグナー:舞台神聖祝祭劇:『パルジファル』
この楽曲は舞台映像は不要に思えますね。この演奏だけで心が洗われます
Blu-ray
『パヴァロッティ 太陽のテノール』
『パヴァロッティ 太陽のテノール』
最近コノ歌手は史上最高のテノールだと本当に思うようになりました

12月4日(日)
ネットとつながらなくなってしまったパソコンが何故か急にネットとつながるようになった。BGMをワーグナーの『パルジファル』のシンミリした音楽からヴェルディの『アッティラ』の元気な音楽に変えたのが良かったのかな?しかし未だキイボードは不調で上手く打てない。この文章は古いパソコンのキイボードで打ってUSB経由コピペしてます。そこで書きたかったことを一つ。日本代表のドイツ&スペイン撃破は素晴らしい!長友選手の「ブラボー!!」も素晴らしかったけど出来れば「ブラーヴォ!!」と言ってほしかったなあ…ってそんなこと書くためにパソコン使ってもシャーナイか。仕事をせねば。

12月4日(日)つづき
それにしてもパソコンが故障…だとかネットがつながらない…というだけで仕事に支障を来すというのは情けない話ですね(>_<)昔はペンと原稿用紙さえあれば良かったのに…というようなことはもういまさら言っても始まらないのでしょうね。書き忘れたことをひとつ思い出しました。11月30日付東京新聞の斎藤美奈子さんの「本音のコラム」《ドイツ10位コスタリカ12位スペイン17位さてこれは何のランキング?》ちなみに日本は116位で《男女の平等度を測る2022年ジェンダーギャップ指数(GGI)の世界ランキング》だとか。コスタリカの《国会議員の女性比率は45・6%でスペインの41・4%ドイツの34・8%も上回り20年に世界で29番目に同性婚を合法化している》そうです。「女はいくらでも嘘をつける」と嘯く女性国会議員の存在する国とは大違い。日本はサッカー以外にランキング上位を目指すものがあることを忘れてはならないですね。

12月4日(日)つづきのつづき
焦りまくったパソコンの故障の間もベッドのなかでの読書は続けていて『国家革新の原理』と題された三島由紀夫の大学生とのティーチインは昭和43年6月の一橋大学から同年10月の早稲田大学に移りました。これがなかなか面白く学生の素直な質問で三島の本音が出ている部分もあるようです。《私はどうしても行動するうえで敵が欲しいから共産主義というものを拵えたのです》《民主主義に意見の違いからテロが起こるのが必然なら共産主義などの専制主義は意見の違いを生じさせないために言論統制と秘密警察と強制収容所が必然的に生まれる》《アメリカ政府で評価できるのはヴェトナム戦争の最中に一度も言論統制を行わず言論の自由を保障したこと》ナルホド。都立大の宮台真司氏への暴行はテロだったのか?単なる事件か?まだわからない。三島は《テロは自分の命との引き替えが条件》と言って浅沼社会党書記長を刺した山口二矢を「評価」していますが他の逃げ隠れした犯人やテロ対象人物の家族を狙った殺人などを否定してます。ラグビー早明戦を見ながら故宿澤広朗さんの言葉を思い出す。「オックスフォード対ケンブリッジの試合を見るのは両大学のOBだけですね」NHKには早明のOBが多いのかな?W杯ベスト8に進むチームは今のところグループリーグ1位の国(チーム)だけですね。

12月4日(日)つづきのつづきのつづき
ネット環境は戻ってもパソコンのキイボードの「不調」は治らず。マトモに打ってもヘンな文字になったり特定の文字が出なかったり…トホホ。こりゃ買い換えないとあきまへんナァ。WOWOWで3大テナーのコンサートをいろいろやっていたのはW杯に引っ掛けてのことかな?3大テナーの第1回コンサートはイタリアW杯の決勝戦前夜カラカラ浴場でしたからね。ロンドンのウェンブレー・スタジアムで行われた記者会見には小生も出たけどシンガポールの記者が「あなたたちのやってることはクラシック音楽とは関係ないコマーシャリズム(商業主義)だ」と非難したことに対するパヴァロッティの答えは見事だった。「オペラ座に入ってオペラを見聴きできる人からの非難は聞きたくない。私たちはオペラ座に入れない人…入ったことのない多くの人にオペラを聴いてもらいたいからこの活動をしている。それを商業主義というなら商業主義は良いことです」。晩飯&風呂のあと録画しておいたWOWOWのジョン・ウイリアムス指揮ベルリン・フィルの演奏を楽しむ。『スター・ウォーズ』の音楽はやっぱり圧巻ですね。小生は『スター・ウォーズ』と『スーパーマン』と『インディ・ジョーンズ』と『E.T.』音楽の冒頭部分を歌い分けられることが自慢です。ははははは…(^^;)

12月5日(月)
パソコンの不具合は突然改善されたり…またダメになったり…。まるでパソコンが意地悪な人格を持っていて小生を馬鹿にしているようです。そんな意地悪なヤツに腹を立てたりせず淡々と日常の仕事をこなしてクロアチアとの決戦を迎えることにしましょう。あ。連絡&宣伝不足でしたが『ニューズ・オプエド』の「ノーボーダー・スポーツ」のコーナーは毎週金曜日に移動しました。次は9日金曜の午後6時から。ゲストはサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと後藤健生さんが先週月曜につづきカタールW杯現地からのレポート出演です。乞御期待!

BOOK
黒鉄ヒロシ『葉隠―マンガ日本の古典(26)』
黒鉄ヒロシ『葉隠―マンガ日本の古典(26)』
中公文庫/こっちのほうが江戸武士の戦わなくなった本質が描かれているようです

12月6日(火)
クロアチア戦!前半終了間際の素晴らしい時間帯に素晴らしい先制ゴール!!前田見事なシュート&日本チームの見事なセットプレイでした。数パターンあるのも当たりましたね。見事な戦術!しかも平均年齢で上回っているクロアチアに切れがなくなってきたか?いやいやココは気を引き締めて前半0-0のつもりで後半に望みましょう。三笘が入って追加点期待!

12月6日(火)つづき
後半同点に追いつかれてフジテレビ解説の岡田さんも言ってるとおり想定内の延長戦。しかし「新しい景色」とか「歴史を創る」と言うのではなく「勝てる相手」なんですから勝たなければイケマセンね。ガンバレニッポン!!

12月6日(火)つづきのつづき
クロアチアに延長0-0。PK戦で敗退。スペインに1ミリの粘りで勝ってもベスト8にはあと1ミリの何かが足りなかった?それは何?1993年のJリーグ発足以来約30年かけてここまで来た。世界に互して闘えるまでになった。あとは勝つための1ミリを得るために次の4年間があるのかな。日本代表のプレイヤー&スタッフの皆さん!お疲れさまでした。ご苦労様でした。ありがとうございました。美しかったです!

12月6日(火)つづきのつづきのつづき
試合が済んで夜が明けて…あと日本のサッカー(スポーツ)に求められるモノは「サッカー(スポーツ)文化」の構築ですね。小生が何度か書いたことですが「武化(武断政治)」の反対語としての「文化(文治政治)」という意味ではなく「カルチャーcalture=みんなで作りあげ実らせるモノ」の翻訳語としての「文化」。日本のサッカー界にはJリーグを中心にそれがかなり健全に存在し成長しています(メディアの支配下にある野球界・電通や政治家の支配下にある五輪競技にはカルチャー意識がまだまだ組織として希薄ですが…)だから日本のサッカーをさらに強固に育てるためには今回W杯で日本代表チームを応援したのと同等のパワーで誰もがJリーグの地元チームをを応援しましょう!(他のスポーツはメディアや電通や政治の支配からの脱却を画策しましょう!)。それが日本のサッカー(スポーツ)を強く豊かにする道だと小生は信じてま。。

12月6日(火)つづきのつづきのつづきのつづき
午後から東海道線で新橋へ。JBpress(日本ビジネスプレス)の取材を受けるため新橋のレンタルルームへ。W杯での日本代表の活躍についていろいろ訊かれたので1993年のJリーグ誕生以来の「サッカー文化(カルチャー)」の積み重ねの結果であり「(親会社の宣伝等のためでなく)サッカーを行うための組織(JFA)」が機能した結果と答える。さらにメソポタミア文明以来の「太陽(丸いモノ)」の奪い合い(世界支配の疑似ゲーム)としてフットボールが世界的文化として広がった歴史も語る。日本のサッカーは今回のW杯で世界に伍して勝負できるようになったけれど将来は(ドイツ代表のように)グループリーグで敗退することもあれば(イタリア代表のように)地域予選で敗退しW杯に出場できないことも起こるだろうけど2050年W杯の日本単独開催&優勝を目指して頑張ってほしい…というような話をしたあとタクシーで衆議院第一議員会館へ。第3回スポーツ立国推進塾に参加、日本スポーツ政策推進機構会長の河村健夫衆院議員&スポーツ立国推進塾遠藤利明塾長の挨拶のあと鈴木寛元文科副大臣から2019年ラグビーW杯のレガシーとしてイングランドのラグビー校が来年千葉に開校するという報告と友添秀則氏から中学校運動部の地域移行に関する検討会議の座長としての報告発表があった。どちらもきわめて興味深い日本のスポーツにとって重要な出来事。終わりに司会の河野一郎JOC理事から発言を求められたので友添先生にいくつか質問をすると同時に来春『甲子園大会を即刻廃止せよ!』という書籍を発売することを50人以上の参加者の前で発表。驚きの反応と共に会議が終わってから何人かの参加者から賛同の声と励ましの声をいただく。高野連と甲子園大会のやってることに異議を抱いている人は多いようですね。会議に参加していた『オプエド』に協力していただいている佐野慎輔さんから『ベースボールマガジン12月号西鉄ライオンズ大特集』をいただく(ヤッホー!)佐野さんは三原監督について執筆。帰りの電車の中で面白く読む。帰宅して晩飯&酒&ネル。

12月7日(水)
三島由紀夫が1968年に行った学生相手のティーチイン「国家革新の原理」は一橋大・早稲田大のあと茨城大で終了。読了。面白かった。三島の『文化防衛論』の文学者的理想主義が理解できました。彼の共産主義(専制主義)否定論は正しいと思う。思想としての存在は認めるが共産主義に権力を与えてはいけない。何故なら言論統制・秘密警察・強制収容所を必然的に生むから…という意見は現在の習近平体制の中国を見てもそう思いますね。日本共産党はどう反論するのかな?ただ三島が手塚治虫(の多分『火の鳥』で描かれた古代日本史の歴史観)を「唯物史観の子供教育」として批判していることは頷けないですね。あれは唯物史観じゃないと思うけど…神武が朝鮮半島から渡ってくるのがアカンのかなあ?『火の鳥』は最高に素晴らしい作品ですよ。あ。このあたりが長谷川町子に与えられた国民栄誉賞が手塚治虫には与えられなかった原因かなあ?ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。昨日の本欄にいろいろ書いたサッカーのことを喋る。日本のサッカーが完全に世界レベルと肩を並べるのはPK戦になったことに批判が集まるときでしょうね。ワン。黒兵衛と散歩のあと雑誌『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」の原稿を書く。日本サッカーW杯躍進の最大の要因は「Jリーグがスポーツをやる組織だったから」という原稿を書く。えっ?っと思う人がいるかもしれませんがプロ野球は「親会社の宣伝をやる組織」だし箱根駅伝は日本テレビ放送網(株)の「視聴率を上げるための興行」だし…。我が国でスポーツと思われてるものはスポーツ以外に目的があるものが多いのですよね。晩飯&酒&テレビの『プライムニュース』で中国にスパイ容疑で逮捕され酷い裁判で有罪となり6年間も収監された日中青年交流協会もと理事長の鈴木英司さんの話を聞く。やっぱり専制主義になってしまう共産主義国家はコワイですね。いや中国は秦漢隋唐…以来の王朝が続いているのですね。

12月8日(木)
ベッドで三島由紀夫の文芸評論家・佐伯彰一・山本健吉両氏との鼎談『原型と現代小説』を読む。めっちゃオモシロイ!「日本のエロス」「色好みと肉体」「生と死」から「詩と政治」へと進む。外国人は西鶴の『好色一代男』や谷崎の『鍵』といった「ポルノグラフィ」が日本文学史の主流に位置することが理解できないらしい。そう言えば世之介は最後に颯爽と腰巻きの帆を上げて女護が島へと突き進むのに西洋の好色家ドン・ファンは最後に地獄に堕ちますからね。あ。モーツァルトがオペラ『ドン・ジャヴァンニ』を「ドラマ・ジョコーゾ(滑稽なドラマ)」と名付けたのは女遊びばかりした好色家が最後に地獄に堕ちて阿呆だね滑稽だね…という意味なのか…。もちろんモーツァルトはその好色家を自分のことだと自虐的に嗤ったのでしょうが…音楽があまりにも素晴らしいのでなかなかジョコーゾ(滑稽)とは思えませんね。まぁドン・ファンは人殺しもするけど世之介は女殺しでも人殺しはしませんからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとデスクワークは連合通信の連載『スポーツ博物館』を執筆。締切はマダだけど年内は岩波ブックレット『甲子園大会を即刻廃止せよ!』の追加原稿に取り組まねばなりませんからね。あ。そのタイトルが『甲子園大会はいらない−高校生のための高校野球へ』に変わりそうです。うん。こっちのほうが優しい言葉だけど強い意味は変わらないからイイかな。晩飯映画劇場は『ブレードランナー』…しかしダメだ…ハリウッドの理屈捏ね回し映画は小生には見てられません。テレビでニュース見て三島鼎談の続きを読みたいので早々にベッドへ。

12月9日(金)
ベッドで三島鼎談『原型と現代小説』読了。勉強になりました。東洋には孔子以来の《述べて作らず》という伝統があるという。一方アリストテレスは《詩はあり得ることを書くが歴史はあったことを書く。だから詩のほうが高級で普遍的》だという。だったら日本は《ものがたり》があり《源氏物語の「蛍」の巻で玉鬘に言って聞かせる。「日本紀などはただかたそばぞかし」=特殊で部分的で物語のほうが普遍的全体的。その点でアリストテレス的》なんですね。オモシロイ。《ノンフィクションも日本では小説=物語の一種》ですからね。確かに。沢木耕太郎さんのノンフィクションはスポーツものも旅行ものも「私小説」ですよね。ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワークは小林信也さんや岩波編集者と『甲子園はいらない』の対談完成原稿のやりとりをしながら月曜から金曜に移動した『ニューズ・オプエド/ノーボーダー・スポーツ』の準備や打合せ。今日のゲストはカタールから大住良之さんとカタールから帰ってこられた後藤健生さん。二人とも日本代表は多くの怪我人やコンディション不調組が出たのにドイツ&スペインに勝ったことを高評価。最後はスタジオの浅野由佳さんを交えて今後の日本サッカーを来年30周年を迎えるJリーグからどう支えるか…という話。メッチャ有意義な話ができたと思ってます。今も見ることができますから是非見て下さい。上杉隆さんによる札幌冬季五輪招致はどーなるかという短い鋭い指摘もあります。札幌以外にできるところがないのでIOCも困ってるのですね。https://op-ed.jp/ 番組のあと『チコちゃん』見ながら晩飯。そう言えば後藤さんが『チコちゃん』の解答者として出演したことを大住さんも小生も羨ましく絶賛しました(笑)。ブラジルvsクロアチア戦は明日見ることにしてベッドへ。えっ!!ブラジル負けた!?

12月10日(土)
三島の対談は続けて澁澤龍彦氏との「泉鏡花の魅力」相楽亨氏との「葉隠の魅力」へと進む。どちらもオモシロイ。泉鏡花の『日本橋』は確か市川崑監督の映画DVDがあったはず。『天守物語』は歌舞伎仕立ての玉三郎主演でこれもDVDがあったはず。見直さねば。『葉隠』は正直言って「魅力」がよくわからない。が三島の説明はよくわかる。《今の世界を見ていますと大抵のことはフィクションで片付いちゃう。「葉隠」が一番嫌うのはそれだったんじゃないでしょうか。たとえば大国が戦争する代わりに代理戦争をやる。代理戦争をする代わりに国内で思想的な激突をやる。思想的な激突をやる代わりにテレビで討論会をやる。そしてすべてがフィクションの世界に溶け込んでしまってどこに生死を賭けた大事があるのかわからなくなる》確かに…。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとブラジルvsクロアチア見る。クロアチア強い!このチームに同点延長PK戦まで持ち込んだ日本はたいしたものですね。午後から仕事部屋整理&掃除&『甲子園はいらない』の小生執筆分原稿の準備イロイロ。小生はメディアがスポーツチームを所有・スポーツイベントを主催・スポーツ界を支配する日本のスポーツの矛盾を是正すべしという原稿に仕上げる予定。フィクションとして「消費するスポーツ」を実体のある「文化(カルチャー)としてのスポーツ」へと変えるために…うわっ。モロッコがポルトガルに勝ったらしい!

DVD
『三島由紀夫vs東大全共闘50年目の真実』
『三島由紀夫vs東大全共闘50年目の真実』
三島の天皇論はオモシロいけどそれ以外の観念論は暇人の繰り言…とは言い過ぎか?

12月11日(日)
三島由紀夫の学生相手の討論は『三島由紀夫vs東大全共闘−美と共同体と東大闘争』に突入。3年前にコノ討論から半世紀ということで本やDVDが再発売されて話題になったことがあったが全集に収録されているのを読んで予想通りまったく面白くなかった。まだ読了していないけど空疎な観念論や抽象論ばかりで言葉が空回り。東大全共闘の学生たちが尊大にも大教養人の三島と互角に話し合える知識を持ってると自尊心過剰で少々ウンザリ。せっかく「三島先生」が目の前にいるのに質問せずに論争をしようとするのでその場は空回り。解放区は空間か時間か…なんてことに意味があるの?(もちろん全共闘学生の空間論でなく三島の時間論のほうに賛成しますけどね)。そう言えば四半世紀前ほどに国会でtoto法案の審議が始まるとき国会議員の勉強会に参加したとき当時の江本孟紀参院が居並ぶ文科省の職員を順に指差して「アイツは革マル。隣が青解。その横は中核…」と教えてくれた。一般大企業に就職しにくかった全共闘世代は試験だけで就職できる公務員にけっこう多く入ったのですね。もちろん革命も観念論も捨てて…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日『甲子園大会廃止論』いや『甲子園大会はいらない』の原稿と取り組む。未だ構成段階でああしようこうしようとこね回す段階。イイ原稿イイ本にしたいですね。昼飯や晩飯の前後にモロッコvsポルトガルを録画で見る。モロッコのディフェンス見事ですね。応援したくなりますね。旧植民地と旧宗主国の試合はどーなるのか…フランスにもアフリカ系の選手は少なくないのでコレが両国のAdjust(清算&適応)となってスポーツ(サッカー)が平和のシンボルになればいいですね。

WEB
『映像の世紀バタフライエフェクト/ナチハンター「忘却との闘い」』
『映像の世紀バタフライエフェクト/ナチハンター「忘却との闘い」』
このシリーズはいつも見応えがあります。政治家の皆さんは見てるのかな?

12月12日(月)
『三島由紀夫vs東大全共闘』読み進んでやっぱりウンザリ。戦前から大学に残った封建的遺物を清算するために起こった全共闘運動は(政治闘争を展開した民青や全共闘潰しに走った体育会系学生よりも)理解できますが理屈を捏ね過ぎて抽象論に走ってそれは卒業就職と同時にサッサと消し去り忘れ去ることが出来たみたいですね。嗚呼。世の中はホンの少しずつしか変わらない…高校野球は…日本のメディアに支配されたスポーツは…いつどのように変わるのかな?ワン。黒兵衛と散歩のあと終日『甲子園大会はいらない』の資料整理。Jリーグ誕生時の日本テレビ氏家社長(当時)の言葉を探していたのを発見。「プロ野球は強い巨人が中心になってここまで発展できました。Jリーグも同様に一つの強いチームを他のチームが倒そうとする形になることがリーグ全体を発展させる条件と言えます。読売ヴェルディがその強いチームになることによってJリーグも発展し日本テレビの視聴率も上がることを望みたい…」この発言通りにならなくて良かったですね。そう言えばサッカージャーナリストの大住良之さんに先週金曜の『ニューズ・オプエド』で教えられたことがあった。W杯で「ベスト8」という表現をするのは間違いでイングランドの記者等に日本で使われている間違った言葉を以前から指摘されていたらしい。トーナメントに残ったチームがベストのチームとは限らないので残ったチームは「ラスト8」「ラスト4」…と言う。ナルホド。納得!!甲子園の優勝チームもけっして「日本一」ではなく「優勝チーム」なんですね。そう言えば京都清水寺が今年の漢字として「戦」が選ばれことを発表。NHKを始めテレビのニュースや新聞報道は今年はウクライナ戦争と同時にW杯の「戦い」もあったと報じた。がスポーツは「戦い」ではなく「競い合い」なのだ。敵と戦うのではなく友人たちとゲームで競い合うのですね。激戦接戦熱戦混戦敗戦戦犯…なんて言葉をスポーツで使うのはやめましょう…というのは少々難しいかもしれないけれど我々スポーツを表現する人間は注意したほうがイイですね。晩飯のあと寝ようとしたらNHKで『映像の世紀』バタフライエフェクト・ナチハンター』をやっていた。ドイツはネオナチもいるらしいけどナチハンターと呼ばれる人々の長年の努力は見事ですね。

DVD
『日本橋』
『日本橋』
泉鏡花の優しくも凜とした女性の生き様を見事に再現。若尾文子・淡島千景・山本富士子…素晴らしい!火事のシーンも凄い。流石は市川崑ですね

12月13日(火)
『三島由紀夫vs東大全共闘』読了。終盤の天皇論になってやっと面白くなりました。三島は卒業式で椅子に座った天皇が《三時間微動だにしないこと》に感服し《そういう天皇から私は時計をもらった。そういう個人的な恩顧があるんだ(略)人間の個人的歴史の中でそんなことがあるんだ。そしてそれがどうしても俺の中で否定できないのだ。それはとてもご立派だった》そんな天皇に三島は《「万葉集時代の陛下のような自由なフリー・セックスの陛下であってほしいと思ってる》と言う。一方全共闘の学生は昭和天皇のことを《醜いじじい》と呼んでるわけです。革命と自衛隊ではリアリズムに立つ三島がここまでぶっ飛んでリアルが逆転すると同じ討論の土俵に立てるわけがないですね。ワン。ベッドから出て黒兵営と散歩。のあと大掃除まではいかない中掃除。明日は新しいパソコンを導入するのでセッティングにbitさんが来てくれるので部屋を片付ける。コンピュータというのは本当に世話の焼けるツールですな。もっと簡単に素人でも使いこなせるようにならないものか。そうならないのはビル・ゲイツとかそーゆー奴らが儲けるためか?嗚呼。晩飯映画劇場は市川崑監督『日本橋』。なるほど明治時代の芸者の世界は金沢から出てきた「田舎者」の泉鏡花には最高の題材だったのでしょうね。男は素敵な女性に完全に翻弄されるわけですからね。しかし淡島千景も山本富士子も若尾文子も素晴らしかったけど市川崑初のカラー映像によるカメラワークと火事のシーンは驚異的素晴らしさですね。

12月14日(水)
ベッドで三島由紀夫対談読み続ける。林房雄との「現代における右翼と左翼」&堤清二との「二・二六将校全学連学生との断絶」。どっちもそれなりにオモシロかった。右翼に足りないもの。それは《ユーモアとウイット》と三島。《儒教の悪影響だけど(略)赤尾敏なんかユーモアがあるな》しかし林は《赤尾さんがアメリカの旗を掲げているのは困る。(略)万国旗掲げて街頭演説するならまだわかる。けど本当は日の丸だけで結構》御両人は公明党に警戒感を持っていて三島が林は《児玉義男さんは民社と公明と自民の連立政権を作れ》と言っていたらしい。日本は「右翼」言うとおりになってきている?ベトナム戦争について《ベトナム人が裸足で天秤棒担いで密林の中を行ったり来たり。そのリアリティみたいなものが保育器の強さに打ち勝っちゃった。あれは共産主義が勝ったんじゃない》と堤。三島は《アメリカという国は偉い。ベトナム戦争の間言論統制をやらなかった(略)ソンミ村の虐殺をまだ戦争中に表に出すのも偉いと思う。南京虐殺を考えたら想像もできませんよ》昔の政治情勢をどのような人がどのように語っていたかを知ることは勉強(参考)になりますね。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。大住良之さんに教わったW杯では「ベスト8」と言わず「ラスト8」というべきという話をする。加えて今年の漢字に「戦」が選ばれてW杯の「戦い」もあったと報じられていることの間違いも指摘。スポーツは「戦い」でなく「競い合い」ですからね。加えてローマ帝国時代に皇帝や貴族が奴隷(グラディエーター)やキリスト教徒と猛獣を戦わせて「休日を楽しんだ」ことから「他人に迷惑をかけて自分は休日を楽しむこと」を「Roman Holiday ローマの休日」という諺が生まれたという話も。小生もそうだったけどヘップバーンの映画のタイトルにそういう意味があることを知らない人は多いですね。スタジオの皆さんにも新しい知識を喜んでいただけました。スポーツ「観戦」を「ローマの休日」にしてはいけないですね。ワン。黒兵営と散歩のあと大船へ。京都から仕事で出てきたbitさんと待ち合わせて駅前のヤマダ電機へ。パソコンを新しく買って昼飯弁当も買って帰宅。このHPを管理してくれているbitさんが我が家で新パソコンを起動させてくれる。OSを最新に調整してもらってウイルスバスターを入れてもらってインターネットをつないでもらってATOKと一太郎をインストールしてもらって今まで使っていたパソコンからThunderbirdを移してもらってでメールの送受信をできるようにしてもらって…小生にはさっぱりわかりませんが新パソコンで仕事ができるようになりました。まるで赤子の小便(ヤヤコシイ)であうね。不便な世の中になったものです。そもそもこれほど消費者に負担と迷惑をかけるものを売り出してもいいものでしょうかねえ…などと愚痴を呟き旧パソコンから連載原稿や資料を移動(このくらいは俺にもできるのだ)しかし疲れて弁飯食って早々にベッドへ。

12月15日(木)
昨晩早く寝て午前4時過ぎに目覚めたのでW杯準決勝フランスvsモロッコを前半15分から見る。フランスの先制点はハーフタムのダイジェストで見てモロッコもいろいろ頑張って得点寸前までいったけど先制点で余裕を持ったフランスの一枚上手のゲーム運びが上回ったですね。しかしモロッコの選手も強かった。ゲーム運びも見事。とはいえエムバペは凄いですね。メッシとの対決は楽しみですね。……「戦」という文字を使わずにスポーツの試合結果は書けるものですね。

12月15日(木)のつづき
サッカー見た後再びベッドへ。しかし眠れないので読書。三島由紀夫対談の相手は武田泰淳「文学は空虚か」。《河上徹太郎さんはうまい事言ってます。スポーツというのは反復だから芸術とは違うんだ。芸術には反復は絶対にない。だけど「武」というのは反復じゃないですからね》《僕は日本刀というものは絶対人斬り包丁だと信じているんです。あんなものを床の間に飾っておく人間の気が知れない。あれは国宝でもなければ芸術品でもない。あれは人を斬るものです》輜重として徴兵された経験を持つ武田泰淳もオモシロい戦争論を展開。《防衛論と防衛する事は違うと思うんだな。防衛論がなくても防衛できるのか一番安全なんであって防衛論だけがあって防衛できないというのは非常に危険なわけだ》今の日本は武田氏に言わせると相当危険ですね。《戦闘感覚というのは誰だって勇ましく進みたいですよね。でも勇ましく進めという事と勇ましく進むという事は全く違った事なんだな》今の日本で「勇ましく進め!」と号令かけてるのは誰?岸田総理?それとも米軍?ワン。ベッドを出て黒兵営と散歩のあと終日デスクワークはパソコンデータの移し替え。まったく不便な世の中になったものですね。そう言えば10数年前までフリーの物書きは請求書なんて書かなくても良かったのが今は少額でも請求書が必要となった。世知辛い世の中になったものです。小林信也さんとの共著『高校野球甲子園大会はいらない!』で対談部分は完成したので小生の追加原稿部分『日本のスポーツを圧殺する新聞社の罪(課題)』に手をつけ始める。そうか。高野連というのは高体連よりも早く生まれた組織なんですね。次のサッカーは土曜夜の3位決定戦ですね。あ。「戦」という字を使ってしまった。決定戦ではなく3位決定試合ですね。

CD
『三島由紀夫 最後の言葉』
『三島由紀夫 最後の言葉』
このCDは全集になかった。文章でいい…けど声を聞きたい気もする。一週間後の自死を「いまにわかります」とどんな声音で言ってるのか?

12月16日(金)
ベッドでの読書は三島由紀夫対談。相手は文芸評論家の古林尚。タイトルは「三島由紀夫最後の言葉」。初出は『図書新聞』昭和45年12月12日。タイトルは「いまにわかります…死の一週間前に最後の言葉」。三島が自衛隊総監室で割腹したのが同年11月25日だから対談したのは同年11月18日か。まだ全部読み切っていないが三島の真情が吐露されていて彼の「武」的行動が「手弱女ぶりのフィクショナリスト(小説家)」を貫くための「益荒男ぶりの演技」だったことが痛々しいほどよくわかる。「あの民兵たち(盾の会)は日本の軍国主義化の地ならし。徴兵制実施のためのチンドン屋ということになりませんか。三島さんにその意思がなくても利用しようとする奴はワンサといるはず」という古林氏に対して「いまにわかります。そうではないということが。ぼくは絶対に利用されませんよ」「天皇制について(の貴方の意見も)同じです。私は盾の会と同じ強い危惧を感じますね」「それはごもっともな心配です。だが僕は易々と敵の手に乗りません。敵とは政府であり自民党であり戦後体制の全部ですよ。社会党も共産党も含まれます。ぼくにとっては共産党も自民党と同じものですからね。どちらも偽善の象徴ですから。いまに見ていてください。ぼくがどういうことをやるか(大笑)」そして(断じて政治家ではない)文学者は1週間後に割腹したわけですね。それから半世紀。ウクライナ戦争と中国北朝鮮脅威論をネタにアメリカから高額兵器を大量購入するために敵基地攻撃能力などという「防衛論」を捏ね上げた広島生まれの反核平和主義者を装う自民党の首相は三島が生きていたらやっぱり偽善者と言われるでしょうね。まぁ田作(ゴマメ)の歯ぎしりならぬ文学者の遠吠えでしょうが…「防衛論だけがあって防衛できないのは非常に危険」と言った文学者(武田泰淳)の言葉を昨日に続いて再録…ワン。黒兵衛と散歩の後デスクワークは『甲子園大会はいらない』の書き下ろし作業。夕方からは『ニューズ・オプエド』。今日のゲストは産経新聞役員論説委員で尚美学園大教授の佐野慎輔さん&サッカー・ジャーナリストの大住良之さん&ジャーナリストの上杉隆さん。井上尚弥の4冠とボクシングというスポーツの危うさ(R・マルシアーノもいまになくなる格闘技と書き五輪種目からも外れそうですからね)や大谷ルールとセ・リーグのDH制はいつ?という話や札幌冬季五輪はIOCが是が非でも実現したいという話やパラ・スポーツでボッチャ選手大活躍という話をした後ワールドカップ決勝予想。大住さんの予想は2-1でフランス。ただし「僕の予想はいつも外れる」そうです。しかしこれからの日本サッカーには「たくましい選手の出現が必要」という言葉は素晴らしいですね。上手い選手や速い選手や器用な選手や巧みな選手もいいけれど確かに「たくましい選手!」が出てきてほしいですね。大住さんにはイスラム文化センター見学の様子も話してもらいオプエドの後は『チコちゃん』見ながら晩飯&風呂&酒&三島の本を持ってベッドへ。オプエドは今も視聴できます(月曜午後まで)https://op-ed.jp/

12月17日(土)
夜中クロアチアvsモロッコの試合を見ている。どっちも少々疲れ気味かもしれないけどいいサッカーをしますね。面白い!前半終わって2-1でクロアチアのリード。さて後半どうなるか…?

12月17日(土)深夜
クロアチア2-1モロッコ。見てしまいました。素晴らしいサッカーでした。日本チームに足りないものは「たくましさ」だと改めて感じましたね。漢字で書くと「逞しさ」。クロアチアもモロッコも逞しいチームでしたがその逞しさで少しクロアチアが上回っていたかもしれないですね。準決勝から中2日での試合はモロッコには可哀想でしたけど…ちょいと審判に詰め寄りすぎかな…気持ちはわかるけど…クロアチアはモドリッチの「逞しさ」の勝利ですね。おやすみなさい・

12月17日(土)ちょいと戻って…
ベッドの読書は三島対談vs古林尚「最後の言葉」。熟読させられる言葉の連続。《絶対者(天皇)に到達することを夢見て夢見て夢見るけれどもそこに到達できない。その到達不可能なものが芸術であり到達可能なものが行動であるというふうに考えるとちゃんと文武両道にまとまるんです。到達可能なものは死ですよね。それしかないんです。だけど芸術の場合は死が最高理念じゃないんですよ。芸術というのはもうとにかく生きて生きて生き延びなければ完成もないし洗練もない。だけど行動となると十八歳で死んだって良いんだからね。そこで完成しちゃう》そして三島は『綾の鼓』の音が鳴らないのを知って一週間後の自衛隊突入という行動に出たわけですね。自分の執筆活動を「芸術」と称したのは小生の知ってる限り谷崎と三島だけですね。ワン。黒兵衛と散歩の後ちょいと仕事してヨメハンの買い物に付き合う。久しぶりにAmazonでDVDを買おうと思いギフトカードを買ったがパソコンをどういじっても暗号番号が入力できない。悪戦苦闘2時間。あっ。買ったカードがAmazonでなくappleだったことに気づく。クソッ。オカシイとは思ったが久しぶりなので新しくなったかと勝手に思い込んで…とほほ。自分のクダランイージーミスに自分で自分に激怒。歳のせいとは思いたくない慌て者の性格のせいだけど…(*_*) マイッタ。娘がきたらクリスマスプレゼントにするほかないか(>_<)晩飯食ってチョイと休んでさっかー位決定試合。良い試合でしたね。先に書いたとおりです。

12月18日(日)
前夜の深夜にW杯3位決定試合の余波かベッドで爆睡。黒兵衛と散歩の後は今週の2本の締め切り『連合通信』&『北國新聞』をやっつけて晩飯の後『鎌倉殿』最終回も『M1グランプリ』も無視して仮眠。準備万端整えてサァW杯決勝アルゼンチンvsフランス。メッシvsエムバペです。大住良之さんの予想は2-1でフランス。しかし大住さんは面白いことを言ってたなぁ。「メッシをほど試合中に長い距離を歩いている選手はいない」と。さてどんな試合になるか?メッシはいつどこで走り出すかな?

12月18日(日)つづき
前半終了。アルゼンチン2点のリード。つまらん反則でPK与えたうえに前掛かりになった一瞬にカウンターを決められた。フランスは何やっとんねん?と言いたくなる試合展開。体調悪いの?エムバペが完全に押さえられてるのは何故?アルゼンチンの個の力?さぁ後半フランスはどんな反撃を企てるのかな…?このまま終わるはずはないと思うのだけど….

12月18日(日)つづきのつづき
このまま終わったら最低の決勝試合と思ってたら…なんとフランスがPKとエムバペの見事なゴールで延長へ…。さすがはワールドカップの決勝試合。どっちのチームにも勝ってほしいですね。

12月18日(日)つづきのつづきのつづき
いやあ凄い試合でした。延長でもメッシがゴールを決めてエムバペがPKで追いつき…猛烈な速攻を両チームが繰り返した末に両キーパーの見事なセーヴで勝負はPK決着へ。終始試合を押していたアルゼンチンが最終的な勝利者となったのは順当なところかもしれません。アルゼンチンはW杯が始まって以来準決&決勝とどんどんチームをまとめて強くしたことが素晴らしかったですね。W杯決勝は本当に素晴らしい試合でしたが…さぁ日本のサッカーはメディアの大騒ぎに乗っかったりするんじゃなくてJリーグを地道に育てましょうね。

12月18日(日)つづきのつづきのつづきのつづき
アルゼンチンの優勝は1986年メキシコ大会以来36年ぶり。それは地上波でのTV中継もありスタジアムの観客席でウェーヴの起こったことが日本に初めて紹介された大会でしたね。前年は満員の国立競技場に韓国チームを迎えて日本サッカーが初めてW杯に出場できるか…と騒がれましたね。残念ながら日本は敗れてW杯初出場はできず。一日だけ騒がれてスポーツの話題は阪神タイガース21年ぶりの優勝で日本列島は猛烈なタイガース・フィーバーに揺れてサッカーのことはあっと言う間に忘れられ去られましたね。そのとき甲子園での取材のついでに阪神デパートで買ったバース・チョコレートの包み紙と掛布オレンジジュースの空き缶は今も本棚に飾られています。次にサッカーが騒がれたのは1990年のイタリアW杯でしたがTVゲストの王貞治さんの「野球は手を使いますがサッカーは足を使うんですね」という珍妙なコメントが話題になりました。そして92年ナビスコ杯でジーコが相手のPKボールに唾吐き事件(小生にとってJSL以来のサッカー取材でした)。93年Jリーグ開幕(開幕戦見に行きました)。同年ドーハの悲劇(NHK-BS解説のスタジオの岡ちゃんが目を真っ赤に腫らしてました)。JリーグのTV中継表彰の審査員を3年間やりました。98年のフランスW杯初出場(0勝3敗/小生は3大テナーの取材で渡仏)。2002年の日韓大会ベスト16(ベルギーに勝った試合をリトバルスキーの隣席で取材。北海道でのイングランドvsアルゼンチンの試合と決勝のドイツvsブラジルを見学)。06年ドイツW杯の準備状況をフランクフルト(HSV)で取材。ついでにイタリアのサッカー(インテル)もミラノとトリノで取材。そして…今年は日本がドイツ&スペインに勝利。いろいろありましたね。ローマは一日にしてならず…ですね。カメッシの大会メッシの大会はいろいろとテレビで見るだけでも見応えのある面白い大会でした。

12月19日(月)
W決勝のあとは興奮が少し冷めずベッドでの三島由紀夫は対談を一時中断。いろんな短いエッセイを読む。どれもコレも面白いが「ビートルズ見聞記」には笑ってしまった。彼は武道館の来日公演に足を運んでいたんですね。警備の厳しさ警官の多さ警備のために場内の照明はつけっぱなしで《演出もヘッタクレもなく正味たったの30数分の演奏では馬鹿にされたような気がしただけ。しかも歌ひ出すやいなやキャーキャーといふ騒ぎで歌もろくすつぽきこえない。どうにかきこえたのはイエスタデーがどうしたとかかうしたとかいふ一曲だけ。何の感銘もなければ興奮もなくついこの間同じ武道館で行われた原田・ジョフレ戦のあの全観客の熱狂の百分の一ほどの興奮もなかった》《実は白状すると私は舞台に背を向けて客席を見てゐるほうがよほどおもしろかつた。何のために興奮するのかわからぬものを見てゐるのはちよつとした不思議な感動である。(略)しかし今日の前に見てゐる光景は原因不明でいかにも不気味である(略)何で泣くほどのものがるのかわけがわからない(略)熱狂というものには何か暗い要素がある(略)虚像といふものはおそろしい》三島は帰り道で友人とそんな「感想」を言い合っていたら《後ろから来るティーンエージャーが聞こえよがしに「大人のくせにアラ探しばつかりやつてイヤらしいわ」と怒声を放つた。だが大人といふのはアラさがしをするのが商売なのである。子供は鳴り物に熱狂するのも自然なことだ。しかし隅田川の向こう岸(ほど離れた場所の)鳴り物にあんなに興奮するのはちよつとみつともないしイヤラシすぎるんぢやなからうか》そして三島は安全警戒態勢のなかで《大人たちにガンジがらめ》にされて隔離されて《もはやビートルズでもない》音楽に騒いでいる若者たちを《動物園の檻の中のおサルの騒ぎのやうなものでライオンはそういふときフフンといふ顔をしてゐるのである》と書く。三島由紀夫という人は本当に素直で正直な感性を持った人だったんですね。この文章を何故長く引用したかというと(本当はもっともっと引用したかったのですが)この文章を読んでヘミングウェイの『老人の海』の主人公の老人が漁から帰った後に何故ライオンの夢を見るのかということをより深く理解できたからでした。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは『連合通信』の連載原稿をブラッシュアップして送稿。『北國新聞』の連載も同様に磨いてコレは明日送稿。W杯の素晴らしい試合を見て疲れたうえに三島の面白い文章が頭に残って晩飯のあと早々にベッドへ。

12月20日(火)
三島由紀夫のエッセイは面白い《私は現代においてはあらゆるスポーツいや武道でさえも芸道に属するのではないかと考へてゐる。(略)いかなる危険なスポーツも芸道に属し現実のフィクション化にあづかり仮構の権力社会に属していると言ひたいのである。(略)スポーツにおける勝敗はすべて虚妄でありオリンピック大会は巨大な虚妄である。それはもっとも花々しい行為と英雄性と意志と決断のフィクション化なのだ》(『團蔵・芸道・再軍備』昭和41年9月より)深いなあ…ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワークはすでに書き上げている『北國新聞』連載『スポーツを考える・今年の漢字「戦」とW杯/ネイマールとクロアチアの子供の美しい結末』をチョイと手直しして送稿…と思ったら言葉を選び始めて相当時間がかかってしまった。三島の文章を毎日読んでる(悪)影響かな…(笑)と思いながら時間をかけてブラッシュアップ。おかげで午後からの校正は手直しナシ。そう言えば昨日の東京新聞一面のコラム「筆洗」にアルゼンチンの優勝に関して小生の大好きな作家ホルヘ・ルイス・ボルヘスの文章が引用されていた。《サッカーは人気だ。愚かさというものは人気になる》三島も書いている。《熱狂といふものには何か暗い要素がある》スポーツの真実というものは優勝国の大騒ぎでもなければメッシがマラドーナを凌駕したと言われることでもなく試合後にネイマールがクロアチアのユニフォームを着た子供と抱き合った瞬間にしか存在しないに違いない。W杯が終わって久しぶりの晩飯映画劇場はドイツ映画『ピエロがお前を嘲笑う』。CLAY(Crown Laugh At You)と名乗る若者ハッカー集団がコンピュータを駆使してハッキングしまくる映画。面白い。がかなり集中力を要する映画なので半分で休止。後半は明日。そう言えば『お楽しみはこれからだ』という和田誠さんによる面白い映画の本があったなあ。

BOOK
友添秀則『わが国の体育・スポーツの系譜と課題 嘉納治五郎と近代』
友添秀則『わが国の体育・スポーツの系譜と課題 嘉納治五郎と近代』
大修館書店/これは勉強になります!スポーツライター必読本です!
橋詰め大三郎『言語ゲームの練習問題』
橋詰め大三郎『言語ゲームの練習問題』
講談社現代新書/これは面白そう!!お正月に読ませていただきます

12月21日(水)
朝ベッドの読書は三島由紀夫の短いエッセイ。『平凡パンチDELUXE』昭和42年3月に書いた「男の美学」。通称「デラパン」と呼ばれていた人気男性誌に書かれたものだからサーヴィス精神たっぷりに自分はラテン系で熱帯の色彩美を好むから北欧系の家具は嫌いでネクタイはイタリアのグッチでGパンはニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジで見つけたものが良かった…などと書かれている。が最後に歳をとると《純西洋風の部屋で吉田茂氏のみたいに上等の和服を着て上等の葉巻をくゆらすのも乙である。歳をとったらきつとさふゐうふうになるだろう》と書いている。ふ〜ん。歳とったあとの人生も考えていたんだと思った瞬間《「美しく生き美しく死ぬ」といふのは古代ギリシア人の念願だった。生きるはうはまだしもどうしたら美しく死ねるのか》と続いてプッツリと短いエッセイは終わる。この人はやっぱり「死」が常に頭から離れなかったんですねえ。ワン…と黒兵衛は啼いたけど散歩は後回しでベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日は『北國新聞』に書いたのと同じテーマで今回のW杯で最も感動的だったシーンについて話す。それはもちろんブラジルが負けてネイマールが泣きじゃくっているところへ勝ったクロアチアのユニフォームを着た少年が歩み寄ったこと。ネイマールは握手してその子を抱きしめましたね。それが一番素晴らしいシーンだと小生は思いましたね。昨日の本欄に書いたけど《スポーツの勝敗は所詮はすべて虚妄》ですからね。ワン。

12月21日(水)つづき
黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークで『高校野球甲子園大会廃止論』を書いているとドサッと郵便物が届く。筒井康隆先生が新刊『笑犬楼VS.偽伯爵』(新潮社)という蓮実重彦氏との対談本を送ってくださる。蓮見先生が大学時代の小生のフランス語の先生だったとは筒井先生も誰も知らないでしょうね(笑)。一度しか授業に出なかったので(爆)。その後小生の『定本長嶋茂雄』(文春文庫)に執筆してもらったり蓮見先生の編著『プロ野球批評宣言』(新潮文庫)の解説を書かせてもらったりしましたが蓮見先生も小生がクラスにいたことなど御存知ないですからね。試験も受けてませんから(^_^)友添秀則先生からも新刊『わが国の体育・スポーツの系譜と課題 嘉納治五郎と近代』(大修館書店)が届く。これは勉強のためにも仕事のためにも読まねば。講談社現代新書からは今月の新刊が届く。箱田徹『今を生きる思想ミシェル・フーコー権力の言いなりにならない生き方』橋爪大三郎『言語ゲームの練習問題』河合雅司『未来の年表 業界大変化 背戸際の日本で起きること』…どれも面白そう。これで今年の正月は箱根駅伝などというクダラナイものを見なくて済みそうです。晩飯映画劇場は昨日に続いて『ピエロがお前を嘲笑う』。ドイツ映画の構成力の見事さもあって面白かったけどコンピュータ社会の現実よりも多重人格社の物語になって青春ビルドゥングスロマン(若者成長物語)になったのはそうしないと映画(見る物語)にならなかったからでしょうかねえ?まぁ面白かったですけどね。

12月22日(木)
ベッドでの読書は友添秀則先生の『わが国の体育・スポーツの系譜と課題 嘉納治五郎と近代』を読み始める。面白いというのは失礼だろうが凄く勉強になる。《漱石に代表されるように明治の文化人やインテリたちが「和洋」の折衷に苦悩したのとは逆にむしろ嘉納にあっては(柔術から柔道の創作で)「合理的」に「和洋」の折衷がなされた》もっとも柔道の当初の規則には「試合場の広さ」も「試合時間]もなく勝敗は《厳格な「一本主義」で行われ判定による決定はなく「引き分け」が認められていた》という。試合時間や判定が取り入れられたのは《1929(昭和4)年と1934(昭和9)年に行われた天覧試合》がキッカケだったというから面白い。《スポーツの「試合観」あるいは「勝敗観」》が天皇のスケジュールの厳守から取り入れられたわけですね。まさに和洋折衷!ワン。ベッドを出て黒兵衛と土砂降りの雨の中を散歩。早く雲古を済ませて帰宅。雨は黒兵衛も嫌いで事情を理解しているようでナカナカ利口な老犬です。ワン。本欄を書こうとして昨日の本欄をチラッと見た瞬間にキイボード打ち間違いの誤植を発見!それも多数!失礼しました。修正済んでますので読み直してください。最近は『甲子園廃止論』の原稿を書くことで頭の中がいっぱいになっているようです。そう言えば昔雑誌『GORO』で記者をやっていたときは「頭の中」などと書くと「頭のなか」と書き直されました。たしかに「中」は「当たる」とか「中心」という意味で「内側」という意味はないですからね…てなことを思いながら終日『甲子園廃止論=メディアの罪』と大格闘。遅い晩飯まで…ふうううう。

DVD
『大菩薩峠』
『大菩薩峠』
市川雷蔵!!このニヒルさは机龍之介そのもの!?ちょっと二枚目過ぎるけど顔が出てるだけで見事です

12月23日(金)
友添先生の『嘉納治五郎と近代』はめっちゃ勉強になります。《武術の究極の目的は具体的な眼前の生死をも超越した絶対的境地の確立という人格の形成にある》ところから《(生死の伴わない)武術の目的は個人の内的倫理観に基づいた人間性の涵養にあり「稽古」や「修行」でさえ人格の完成に至るための重要な方法(道)》ということになりその柔術の技術論と精神論を継承した嘉納の柔道も「精力善用」による「自己完成」で「自他共栄」の実現という社会的普遍的原理に至るわけですね。金メダルを取って喜ぶJUDOとは明らかに異なるものと言えますね。だから嘉納治五郎はIOC委員を務めながらも柔道を五輪競技にしようとはしなかったのですね。JUDOは日本の民族競技から発展して純然たる国際的スポーツになったんですね。善し悪しはとは無縁に…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと延々と『甲子園大会否定論』を書き続ける。途中買い物に出たヨメハン不在で昼飯にサクサク天麩羅後のせカップ蕎麦を食いながらテレビでやってたクリント・イーストウッド監督主演の『荒野のストレンジャー』を見ると以前に見たあんまり面白くないと思った映画。しかし…あ…これはひょっとしてイーストウッドが『大菩薩峠』を見て創った映画かもしれないと気づく。まさか中里介山の原作は読まなかったと思うけど…彼は机龍之介を真似たようですね。原稿書き続けて夕方は今年最後の『ニューズ・オプエド』。ゲストはスポーツライターの小林信也さんと五輪アナリストの春日良一さん。二人のW杯の感想とオリンピックにまつわる予算や事件の話があまりにも面白かったので(オプエドは今も視聴可能です)番組2000回記念週間の話も小林さんが何年か前に大雪でクルマに閉じ込められたときに同級生の長岡市長に電話で知らせて大渋滞が伝わったという話も聞き忘れてしまった。その話はまた来月にでもよろしく。小林さんが一度原稿でW杯を「平和の祭典」と書いたらサッカー関係者から「抗議」されて「W杯は平和の祭典なんかではなくサッカーの世界一を決めるだけの大会です」と言われたとか。素晴らしいですね。そこから「スポーツの力」がいろいろと発揮されるわけですからね。これには春日さんももちろん大賛成。こういう意見で五輪も動いてほしいですね。番組を終えて『チコちゃん』とフィギュア選手権をあっちゃこっちゃチャンネル回して見た後ベッドへ…と思ったら中村座のドキュメンタリーをやっていたので見てしまう。「故勘三郎の面白ハチャメチャBUTシッカリ伝統歌舞伎路線」は守られていて素晴らしいですね。宮藤官九郎の歌舞伎ナマで見たかったな。DVDで我慢するか。

12月24日(土)
『嘉納治五郎と近代』朝のベッドのなかで勉強。ナルホド。灘の生一本菊正宗の酒蔵の御曹司で東京大学2期生というスーパー・エリート・ブルジョアジーは常に体制側の人物だったのですね。その嘉納治五郎の《精力善用国民体育のカノウイズム》は《まったく普及することなく終わった》が《嘉納の薫陶を受けた日本の体育界のオピニオンリーダーたちを通して脈々と受け継がれ現在の日本の学校体育のレーゾンデートルの基底にある「身体活動を通しての人格陶冶」を発現し続けている》のですね。ナルホド。ワン。ベッドから出て朝食&黒兵衛と散歩のあと早速仕事を始めると小6の孫から電話。母親に叱られたのでこっちに来るという。ハッハッハ。叱られているうちが花ですね。日本史が得意でテストで満点をとったというので晩飯時に日本史のなかで最も重大な事件を二つ言え!と質問すると答えられない。西暦千年ちょうどの日本史で有名な出来事は?という問いにもダメ。大化の改新とか細かいことは知っていても大きな流れをつかめていないとダメと話しながら晩飯。コンピュータゲームが如何に頭を悪くするかと説教。能動的な学習の充実感と受動的な反応の快感の根本的な違いを教える。わかったかな?ウルサイ爺の言うことが…?

12月25日(日)
そう言えば昨日はクリスマスイヴ。今日がクリスマスでイエス・キリストの誕生日。ま。我が家は臨済禅ですから忘れていてもバチは当たらない(創造主の怒りには触れない)でしょう(笑)。ベッドのなかでの『嘉納治五郎と近代』の勉強継続。ついに岡部平太の登場となる。そう言えば一昨年の大河ドラマ『いだてん』では岡部平太の「お」の字も出てきませんでしたね。日本のスポーツ史のきわめて重要な一人ですが嘉納治五郎とケンカした反主流派は仕方ないか。著者の友添先生は嘉納へをきちんと批判しているのと同様岡部もきちんと紹介したうえ批判もされている。批判のないところに進歩も成長もないですからね。ワン。黒兵衛と散歩のあと孫と一緒にダンベル体操&スクワット。少々ナヨッテる孫を鍛えなければ…体育系は嫌いですけどね。体操のあとは終日デスクワーク。「甲子園廃止論」で日本スポーツ界におけるマスメディアの罪について書いていると長田渚さんから『スポーツゴジラ57号』が届く。(株)フォーラムエイトの代表取締役副社長武井千雅子さんへのインタヴュー『スポーツに純粋にコミット』と連載『走』第4回『人間は「走る」より「歩く」で進化する?』を書いた。どちらもめっちゃ面白いですから是非読んでください。「甲子園廃止論」のマスメディア批判はまだ完成しない。ふうううう。小林信也さんは「廃止論」をもう書き上げて原稿を送ってきた。俺のは…もうちょい待ってください。ふうううう。

12月26日(月)
ベッドのなかで友添秀則『我が国の体育・スポーツの系譜と課題 嘉納治五郎と近代』(大修館書店)読了。めっちゃ勉強になりました。特に最終章の「岡部平太の葛藤」の章には興奮。もちろんこれまでに岡部平太については山口昌男・高橋航氏・坂上安弘各氏などの著作で知っていたが嘉納の「人格形成主義的スポーツ観」と対峙して解説されたことによって岡部の「プレイ主義スポーツ観」も両者の違いもよく理解できた。体育の日をスポーツの日に変更する以前に元筑波大学副学長の「体育至上主義教授」と小生は「スポーツ主義」の立場から激論を交わしたことがあったが(そのときはスポーツ議員連盟の議員さんや文科省スポーツ庁の役人や体協(現スポ協)の職員などが大勢いた)そういう対立は以前から存在していたのですねえ。そして異端児岡部の意見は主流体制派嘉納によって退けられたのですね。ということは俺のやったことは岡部の復権か?そんなたいしたものではないと思うけど…ワン。黒兵衛と散歩のあと孫とダンベル体操。そのあと終日『甲子園大会廃止論』という以上『スポーツマスメディア批判』の原稿にウンウン唸りながら取り組む。明日には完成するかな?小林君はもう完成したようですね。岩波さん小林さんモウ少々お待ちを(_ _)。あ。昨日渡辺京二さんが92歳で亡くなられましたね。幕末に生きた日本人の素晴らしさを美しく描いた『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)は最高の名著でした。無人島に持って行く一冊を選ぶなら小生は迷わずこの文庫本を選びます。小生も帯に推薦文を書かせていただいたことがありました。何度でも読み直したい一冊です。合掌。

12月27日(火)
昨晩ベッドに持ち込んだのは筑摩書房のPR誌(?)『ちくま』新年号。蓮實重彦氏が連載巻頭エッセイ『些事にこだわり11』でパソコンが故障しスマホが機能不全に陥った話を書かれていて笑ってしまった。ちょうど小生のパソコンが壊れたのと同時期だったことはどーでもいーがモンブランの万年筆と比べてまったく愛着を抱けない筆記用具であるパソコンが修理に出されて帰ってくると嬉しさ(愛着?)を感じた話とスマホの新機種買い換えに何日もかかったことへの腹立たしさを感じた話。タイトルは「パソコンの故障はこの電子装置への感性的な執着をより強固なものとしてくれたのだろうか」。草野進として野球表を書かれたときと同じ長いタイトルですね(笑)。元東大総長でも電子機器との無意味な格闘は同じなんですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと机にかじりついて連続9時間ほどかかって『甲子園大会廃止論あるいはマスメディア批判-先ず隗より始めよ』を書き上げる。小林信也さんや編集部の人が予想されていた内容とはかなり異なる原稿になったけど…良いかなぁ…少々自信がない。まぁ疲れたし寝よ。蓮実重彦氏と筒井康隆大先生の対談『笑犬楼vs.偽伯爵』読み始めまひょ…と思ったらBSフジテレビで辻井伸行さんプロデュースの河口湖音楽祭ピアノ・フェスティバルのドキュメンタリーをしていたので見てしまう。今年は加古隆さんに加えて山下洋輔さんも参加してピクニックコンサートではなんと辻井さんと二人でボレロの即興演奏。1時間半見事な演奏の連続。素晴らしかった。来年は足を運びたいですね。河口湖音楽祭では10年ほど前に辻井さんにインタヴューもさせてもらいましたし…またよろしく!

12月28日(水)
『笑犬楼vs.偽伯爵』読み始める。あっと言う間に大江健三郎論の対談読了。さすがに面白くて一気に60頁を読み切ってしまいました。《私は《大江さんがよくやる独特の文学の不愉快さ」(略)嫌いじゃないんです。ニガウリみたいな深い味わいの苦さ。(略)けれども読者の中には「文学というのはもっと人を心地よくするものだ。こんな文学を読んだら不愉快になる。これは文学じゃない」なんていって許さない人もいる》(筒井)《「筒井康隆には読者への悪意がある。そこがいいのだ」と書いておられました。その通りだと共感するのですがどうも最近その種の悪意が希薄になっているのではないでしょうか。何かしら甘美で風俗的に身近なものを文学に求め始めるという傾向が村上春樹いらい顕著に認められこれは非常にいかがわしく困ったことだと思っています》(蓮實)ナルホド。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。札幌五輪招致に賛成の意見を言う。いま五輪招致の声を上げるなら「何故やるのか?」{何のためにやるのか?」「お金の使い方は全部オープンにする」といわないとできないはずですからね。それができなきゃサウジアラビアの人工都市で人工の雪と氷出やってもらった方が良いですね(^_^)孫とヨメハンと一緒に黒兵衛と散歩したあと年末大掃除開始。チョイと心がいらいらするのは昨日送った『甲子園廃止論』が自分のなかでシックリこないから。そのうち掃除機をかけていると大きな欠陥に気づく。その部分書き改めなければ…。

12月29日(木)
『筒井康隆笑犬楼vs.蓮實重彦偽伯爵』(新潮社)読了。こんな面白い本をあっという間に読み切ってしまい正月休みの楽しみがなくなってしまった。(>_<)とほほ。圧巻は往復書簡ですね。蓮實先生を「偽伯爵」と呼んだのは淀川長治さんだったのか。凄い。淀川さんはテレビで映画『イージー・ライダー』のあと「アメリカは怖い国ですねえ」と言ったのも凄かった。ご両人の往復書簡は軍歌の替え歌や三島由紀夫の悪口や数々の映画の話題からおまんこという言葉の問題まで。筒井先生は大阪出身神戸在住だからおまんこではなくおめこではないかと少々首を傾げましたが小生の大好きなモニカ・ビッティとダーク・ボガードの映画『唇からナイフ』(監督はジョゼフ・ロージー)をご両人で絶賛されていたのはメッチャ嬉しかったなぁ。正月はDVDを見直します。今年最後の仕事の日と決めて『甲子園大会廃止論マスメディア大批判』の原稿を頭から書き直し。こんな恥ずかしい未完成原稿をよくも送稿したものだと大反省して晩飯前までかかって終日書き直し。新年一番にもう一度書き直さねば。夜はNHKスペシャル『松本清張の帝銀事件』を見ながら晩飯&酒。帝国陸軍の731部隊と米進駐軍のGHQによる昭和史の闇。清張の本はもちろん読んでるけど半世紀近く前のこと。今年の正月はウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートのほかにはモニカ・ビッティと松本清張で過ごすことになりそうな気配。

12月30日(金)
筒井vs.蓮實両大先生の対談や往復書簡を読んだあとに三島由紀夫のエッセイは読んでも全然面白く感じなくなってしまいましたね。少し時間を置くとまた面白く読めるようになるかな?ワン。ベッドから出て孫と一緒に黒兵衛と散歩のあと体操。孫がやってきて以来少々体力に難のある孫を毎日ダンベル体操で鍛えている。体育会系にならないように気をつけて。そのあと孫と一緒にベランダの掃除etc.年末らしくなってきました。午後からヨメハンの迎春用買い物に付き合って孫は夕方から長女が仕事をしているBリーグ川崎ブレーヴサンダースvs京都ハンナリーズの試合を見に行くので東海道線の乗り方を教えて帰宅。買い物は疲れる。ビール&酒&晩飯は昨晩に続いてNHKスペシャル『帝銀事件』。結局731部隊の人体実験の資料をほしかった(ソ連に手渡したくなかった)米軍GHQがストップをかけて731関係の(?)真犯人をやむに葬ったわけですか…って新資料はこれまでも推測できていたことを少し補強しただけにとどまりましたね。番組としては面白かったけど。続けて『映像の世紀バタフライエフェクト』を見ていると長女と孫がBリーグ初体験からユニフォームや応援グッズのお土産を手に帰宅。メッチャ面白かったと興奮。そうかそうか。寝よ。帝銀(帝国銀行)て今は三井住友銀行なんですね。

12月31日(土)
いろいろごちゃごちゃの一日はあとから書くことにして……

12月31日(土)大晦に戻って……
ベッドの読書は三島由紀夫二・二六事件について書いた『「道義的革命」の論理』…う〜ん…立ち上がった兵士たちを少々高く評価しすぎかな…と思いながらも最後の一行には納得。《あらゆる情熱が人に不快を与へるやうな時代にわれわれは生きてきたのである》ナルホド。そして情熱を持った人はいなくなった…いや「表舞台」からいなくなっただけですよね。ワン。ベッドから出て孫と一緒に黒兵衛と散歩。住宅街は静寂そのもの。京都下町の商店街に育った者としては大勢の人々が慌ただしく行き交った大晦日の喧噪が懐かしい。ワン。孫と一緒にベランダの掃除。続けて家の前の落ち葉掃除。少しは大晦日の雰囲気を味わう。午後から次女が幼稚園児のもう一人の孫を連れてやってきて晩飯時には長女も長男も来宅。みんなで紅白歌合戦…は無視して酒盛り晩飯。そう言えばNHK時代の大越健介さんは小生の質問に答えて高校野球と紅白歌合戦は「私がNHK会長になってもやめられません」と断言してたなあ。幼稚園児と小学生の孫2人も含めて年越し蕎麦で年越し。新年の挨拶をしてベッドへ。

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