8月1日(火)
『ミセス』編集部のO氏にロケバスで迎えられて一路箱根へ。箱根神社に伝わる稚児による『延年の舞』の復活を指導している大倉正之助と久しぶりに再会。芦ノ湖の龍をやっつけて龍神として奉るという40分近い大作の古典舞踊劇を子供たちに指導する熱意は見事。二輪のハードライダーでもある彼は鈴鹿8耐でも大鼓を打ってきたとか。話もメチャ面白かった。子供たちによるリハーサル上演も楽しかった(本番は箱根神社鎮座1250周年となる来年らしい)。ロケバスで御殿場まで送ってもらって御殿場線と東海道で帰鎌。よう考えたら(考えんでも)これが初めての箱根詣で。函谷関もものならず・・・という天下の険も芦ノ湖も初めて。要するにこれまで箱根で仕事がなかったわけですな。仕事以外の遠出や旅行ってほとんどしたことないもんな。
8月1日(火)つづき
昨日買うたDVD『神々の黄昏』は(長いので飛ばして見ただけやけど)なかなか良かった。ハーゲン役のクルト・リドルが迫力満点。オケ・ピット前のエプロンステージを使った舞台装置も照明も悪くない。衝動買いはアヤリやった。
8月2日(水)
一昨日買うたDVDロッシーニのオペラ『新聞』を見て腰を抜かす。めちゃめちゃオモロイ!衝動買いは大大大アタリ!色鮮やかな舞台でファッションショーが始まったかと思うとタンゴを踊りながらのコロラチューラのアリアも見事。人形などの小道具を使ったウィットと適度なエロチシズム。演出家は誰やと思たらなんとダリオ・フォーではないか!イタリアの劇作家でギャグがメチャおもろいのに日本で最も名の知られていないノーベル文学賞受賞者という人もいる(笑)。そういえば去年受賞したハロルド・ピンターも騒がれへなんだなぁ。『料理昇降機』おもろいのになぁ。日本では劇作家はウケへんのかなぁ。三谷幸喜は頑張ってるみたいやけどオレも最近は芝居見てへんなぁ・・・。
8月2日(水)つづき
亀田長男判定で世界王座に。試合直後に某新聞から電話。「判定をどう思いますか?」「ノーコメント。コメントを個人に求めるのではなくメディア自身の問題として自ら記事にしてください」あの巧い相手に対して亀田は強かった。よく頑張った・・・。再挑戦になってたら心から応援したのに・・・。
8月2日(水)つづき
続けて別の新聞社から電話。「判定が不当だと我が社にまで抗議の電話が何本も入ってるのですが・・・」「ノーコメント。メディア自身の問題として自ら記事にしてください」「それはメディアがスポーツを動かしてるということですか?」「自分で考えてください」「・・・・・・今の言葉重く受け止めます・・・・・・」
8月3日(木)
亀田・・・勝てば官軍やな。しかし何を言うても虚しい。「闘拳の集めるカネに触れもせで淋しからずや道を説く君」なんてパロディが浮かんだ。よっしゃ。このセンで次回の『直言』に書いたろ。『直言』おもろいですよ。田原牧さんの『聖戦の風景』も高橋玄さんの『通称、映画監督』も平野貞夫さんの『日本国漂流』もどれもこれもバツグンの内容。もちろんオレも『国連S保理北朝鮮非難決議』なんて文章を書いてます。http://moura.jp/scoop-e/chokugen/
8月3日(木)つづき
『ちちんぷいぷい』出演のため大阪へ。新大阪のホームに降りたとたん熱風。東京の倍くらい暑い。番組では当然亀田の話題。疑惑採点については話さず。タイミングを図ってたけど難しかった。奥が深すぎて・・・。今回の判定はボクシングが「政治」から「経済」に移行した結果とはいうたけど・・・。最初から「経済」の格闘技であるK1の判定なんて社会的問題にならんもんな。しかし資本主義にも倫理は必要やとインドの経済学者もいうとるし。亀田は「経済的」にも実は失敗したのかも。夏のスポーツの話題で、徳島商業時代の板東英治さんが昭和33年に甲子園で対決して18回延長0対0で引き分けた魚津高校の村椿輝夫投手と対面。2人で48年ぶりにストラック・アウト対決。ベルリン五輪で1位2位になった前畑秀子さんがゲネンゲルと70歳を過ぎて一緒に泳いだことを思い出す。神話伝説時代の思い出は美しい。今もおんなじことやってる高校野球は認められへんけど・・・。
8月3日(木)つづき
往復の新幹線で郡司ペギオ-幸夫『生きてることの科学 生命・意識のマテリアル』(講談社現代新書)を読み出すけど難しすぎてサッパリワカランので佐々木俊尚『グーグルGoogle既存ビジネスを破壊する』(文春新書)に変えて読了。そうか。そうか。世の中こんなふうに変わってるのか。つまらん世の中になってきたもんや。帰宅してGoogleのEARTHを開いてみる。なるほど。沖縄嘉手納基地の上は雲だらけや。
8月4日
コラム2本書いて千葉マリン・スタジアムへ行く予定(金聖響とシエナ・ウィンド・オーケストラがマリーンズの試合前に観客と合奏をするというので)だったが亀田の一件でいろいろ電話なんかがあって断念。夜から名古屋へ。家を出る前に読んだ夕刊でエリザベート・シュワルツコップ逝去を知る。『ばらの騎士』での元帥夫人はLDで何度見なおしたかわからんけど絶品やった。それにR・シュトラウスの『四つの最後の歌』も。若い歌手を教える姿もLDで見たけど厳しい人やったみたい(一流なら当たり前やけど)。小生の秘蔵お宝はシュワルツコップが『トゥーランドット』のリュウのアリアを歌ったSPレコード。イタリア語がちょっとドイツ語的に響くけど蓄音機で聴くと見事な息づかいに息を呑む。年齢的に(90歳)仕方ないけど大物が次々といなくなるなあ。
8月5日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。司会の峰竜太さんに亀田の試合の「判定をどう思いました?」と訊かれたので「明らかに負けてました」と答える。そのあとかつては力道山の判定や世界タイトル奪取が「社会問題」になっていたという話をして「スポーツに手を加えたらそのスポーツは死ぬ」という話をする。ジャイアンツが最適の例やもんな。しかし話は違うけど筑紫哲也さんはエエ時に夏休みとったもんやなぁ(苦笑)。テレビ出演のあと中日新聞事業局の方と打ち合わせ。9月1日に愛知県芸術劇場で荒川静香さんらと行う「音楽&トークの夕べ」で司会をする。二期会合唱団が『トゥーランドット』を歌ってくれる予定。帰宅後ロッシーニのオペラ『新聞』のDVDを見ながら遅い夕食。このオペラに完全にハマッテしもた。オモロイ!フォーの演出最高!(3日前の本欄参照)
8月6日(日)
クソ暑い。嫌いなエアコンのスイッチをoffにできひん。仕事する気にならんのでテレビを見る。NHK教育でやってた「わんぱく相撲」のドキュメンタリーが面白かった。続けて久しぶりに高校野球を見る。横浜vs大阪桐蔭。やっぱり高校生はこの程度のレベル。騒いだらアカン。しかも大人(監督)の命令で動く高校生を見るのは不愉快。あの強打線に一死満塁でスクイズさせるか?イライラが募って鮨処もり山へ。フランスから帰国したお隣さんがいたので「フランスでのジダンの評判はどうです?」と訊く。「ますます高まりましたよ。そもそもジダンがいなければあそこまで勝てなかった。そのうえサッカーよりも人間として大切なものがあることを示したわけですから」なるほど。そのとおりやな。
8月6日(日)つづき
もり山から帰ってNHKの原爆関連ドキュメンタリー・アーカイヴを見る。そうか。アメリカ兵も広島で被爆してたんや。アメリカ政府もそれを隠しとったんや。長崎で被爆した人も被爆手帳をもらうのはタイヘンやったんや。そんな苦労が終戦からオレの大学入学時まで続いてたんや。亀田三兄弟のドキュメンタリーを作ってるディレクターはこういうドキュメンタリーを見てるんやろか?スポーツも同じような「立ち位置」と「視点」を持つべきやということをわかってほしいなぁ。
8月7日(月)
暑い。とにかく暑い。「大人はどうして暑いとか寒いとか言ってばかりいるのだろう」といったことを確か谷崎潤一郎が何かの小説の子供の台詞として書いてたな。そうや。暑いなんていうのは歳とった証拠や。これからは言わんとこ。とはいえ昔はこんなに暑かったとは思えんけど・・・。
8月7日(月)つづき
反町U-21日本2-0中国。中国の精度の悪さや決定力の欠如に救われた面もあるけどよう走った。1対1も弱くなかった。W杯でのジーコ・ジャパンを「他山の石」としたようにも思える。
8月8日(火)
『鮨処もり山』さんのホームページができました。左のバナーをクリックしてジャンプすることができます。あんまり客が増えてほしないけど旨い店やからシャアナイかなあ(苦笑)。
8月8日(火)つづき
漫画家のやく・みつるさんが亀田のオヤジに対して示したパフォーマンスが話題になってるらしい。やくさんの気持ちは100%理解できるけど100%賛成とは言えない。というのはボクシングのリングに上がるためには彼にとって必要かつ有効な儀式なのかもしれんから。かつてジョイナーという女子陸上選手が派手な化粧をしたのと同じかも。それに亀田のチンピラヤクザのようなパフォーマンスはサイテーやと思うものの高校球児が直立不動で監督の話を聞く姿も気持ち悪い・・・というような話(亀田の“疑惑の判定”から考えた小生の意見のすべて)を高野孟氏の主宰する『ざ・こもんず』に書きました。興味ある方はどうぞ。http://www.the-commons.jp/
8月9日(水)
オシム日本2-0トリニダードトバゴ。ジーコ日本の悪い面ばっかり思い浮かべる。なかでも最も感じたのは人間ちょっとでも鼻が高なったらアカンということやな。
8月10日(木)
パワーチェアーフットボール(電動車椅子サッカー)の集会に参加するため参議院の議員会館へ。マリノスの岡田監督や車椅子スポーツライターの羽中田昌さんも参加。来年のW杯日本開催を目指して意見交換。アトランタで行われたプレ大会(9か国参加で日本は準優勝!しかし優勝したフランスが強い!)の報告もあったがルールが世界的に統一されてスピード(時速10キロ)とパワー(車椅子の回転)が増した。よりサッカーらしくなったが国内ルールの統一問題が発生。しかしみんなやる気満々。是非ともW杯成功に向けて応援したい。これからもこのHPで書くことが多くなると思いますが読者の皆さんも応援してください。http://www.jewfa.jp/
8月10日(木)つづき
世田谷のレストランへ。野村万之丞が亡くなって2年「あしたのマンノジョーの会」に出席。西原春夫氏や川勝平太氏から格闘家・落語家・声楽家・舞踏家・・・まで様々な人が参加。京都の健都1200年を記念して「相撲節会」を万之丞と一緒に2年がかりでつくりあげたNHKのプロデューサーさんからそれを記事にしたことで感謝される。そういやあの頃は「NUMBER」にそんな記事も書いてたなあ。イタリアでの三枝成彰氏のオペラ『Jr.バタフライ』公演を見てきた「ぴあ」の矢内社長と歓談。スタンディング・オベーションだったらしい。それはさておき暗礁に乗りあげてる小生演出予定の『忠臣蔵』への協力を要請。そんな話の最中に前へ出て挨拶をしろといわれたので万之丞とは一緒にやろうといいながらボツになった企画がいっぱいあって・・・と話してそのなかからプッチーニのオペラ『ジャンニ・スキッキ京都弁ヴァージョン』の「好きやねんお父ちゃん」(私のお父さん)を歌う(蔵出しコラム音楽編「神野宗吉(ジャンニ・スキッキ)の娘・涼子(ラウレッタ)のアリア参照)。琵琶の語りや本職のオペラ歌手の歌なども披露されたなかで少々ビビッタがウケた。川勝先生に「なんでこれがボツなんだ」といわれて喜ぶ。ま。調子に乗るのもほどほどに。
8月11日(金)
うわっ。もうすぐ「2」がいっぱい並ぶ瞬間が来る!せやからなんやねん(笑)
8月11日(金)つづき
うわっ。あっという間に「2並び」が終わってた。まぁ人生こんなもんやな。ナンノコッチャ(笑)。
8月12日(土)
明日からのスポーツジャーナリスト塾の資料整理と話す内容の整理。夜は夕食を食べながらDVDで映画『力道山』を見る。相撲部屋にいた若き力道山が泥棒の嫌疑をかけられて逃げ出したところで『荒鷲の歌』を歌うシーンが面白かった。しかし韓国映画やな。『冬ソナ』は見てへんけどこういうベタな感じがウケることに納得。わかりやすいモンな。
8月13日(日)
塾生40名弱を相手にスポーツジャーナリスト塾1日目。「スポーツジャーナリストの仕事」「スポーツに見方」「スポーツジャーナリズムの歴史」「インタヴューの仕方」「スポーツジャーナリストの収入と生活」について朝から夕方まで延々講義。疲れた。東京泊。
8月14日(月)
スポジャー塾2日目。「原稿の書き方」について話したあと午後からゲストに日本で初のプロ・ストリート・バスケットボーラーであるAJさんを招いて「模擬記者会見」。AJさんの話(大学時代に体育会系のバスケ部に反発したこととかアメリカのストリートでプレイ中に銃の乱射を浴びたことなど)がメチャメチャ面白かった。自画自賛になるけど我が塾のこれまでのゲストはかなりレベルが高い。日本で初のプロ・ストリート・バスケットボール・リーグ「LEGEND」http://www.streetlegend.jp/を応援したくなった。ただしちょっとショックだったのは26歳のAJさんに「父が玉木さんの大ファンなんですよ」といわれたこと。「玉木さんの本も何冊か読んでます。きっと気が合うからいろいろ教わってこいといわれました」というのは嬉しいことやけどモウそんな歳になったんかいなあ・・・。
8月14日(月)つづき
模擬記者会見のあと延々と塾生の書いた原稿を添削。さらに延々と質疑応答。6時終了のあと塾生と打ち上げの飲み会。若い人といろいろ話すのは楽しい。そんななかで一人の塾生が「玉木さんはスポーツライターとして最初から収入がかなりあったんですね」といわれて仰天。「うそ。全然食えなかったよ」「でも最初の確定申告が500万円だったんでしょ?」でさらに仰天。「500万円?そういった?」「ええ」「うわあああっ」というわけで全員に向かって訂正。「最初の確定申告は50万円でした。訂正します。スンマセン」に大笑い。夜9時半頃まで塾生と付き合って解散。声はがらがら。身体はくたくた。頭は空っぽ。我ながら2日間朝から晩までよう喋った。まだまだスタミナあるな。けど疲れた。
8月15日(火)
この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし。昭和天皇の昭和61年の御製。「みたま」ではなく「みやしろ」と詠うてはるところが意味深い。
8月15日(火)つづき
いろいろ考えて『スポーツ・ヤァ!』編集長ともメールを交換し合った結果今年も『スポーツジャーナリスト実践塾』を開講することに決定。10〜15人の選考面接は9月下旬を予定。それまでに今年の養成塾参加者には申し込み方法等の連絡が届くはずです。
8月15日(火)つづき
べつに8.15やからというわけやないけど小西豊治『憲法「押しつけ」論の幻』(講談社現代新書)中山治『誇りを持って戦争から逃げろ!』(ちくま新書)推薦しときます。ついでに加藤博『「イスラムvs.西欧」の近代』(講談社現代新書)も面白かった。
8月15日(火)つづき
夕方新宿へ。9/1『女性メダリストと語る夕べ』に関して中日新聞Y氏・ステージ・プロデューサーのO氏・二期会のT氏と打ち合わせ。オペラの話でいろいろ盛りあがる。スポジャー塾の疲れがとれへんなあ(苦笑)。
8月16日(水)
オシム日本2-0イエメン。アホかと思うほどくだらん試合。『スポーツ・ヤァ!』でのW杯総括として島田雅彦と対談したときに彼が「(優勝できるチームとできないチームの違いは)自信を持って他人をコケにできる大人であるか否か」であると看破したけど日本の若者はホンマに真面目すぎるというかガキすぎるで。まぁチームはオシムが変えていくやろけどそれ以上に問題は実況かな。同じ放送局ばっかりが中継をするのはアカンで。毎試合同じ言葉の繰り返し。競争のないところに成長はないで。おまけにオシムのインタヴューの最中にカットとは・・・。
8月17日(木)
コラム2本執筆。昨日まで3日間の夜はいずれも爆睡。暑くても寝返りの記憶もない。疲れてたからやけど人生もこんなもんやな。思い切り働いたら夜はぐっすり眠れる。人生も同じ。違いは目覚めへんだけ(笑)。いや目覚めるのかな?いつかどこかで(爆)
8月18日(金)
川淵キャプテン直撃インタヴューのためサッカー協会へ。「オシムと言っちゃったなあという言葉はオーストラリア戦に逆転された頃から考えておられたんでしょ?」という質問にはキャプテンもさすがに色めいた。けど「あれは意図的ですか?」なんて訊いてもしゃあないし人事その他の問題にも激問を連発。キャプテン怒りの反撃。詳細は次々号の『スポーツ・ヤァ!』を読んでください。激しいやりとりはしたけど小生は川淵支持です。インタヴューが終わると平静に戻って雑談。小生の指揮した『東京オリンピック行進曲』のCDをプレゼントしながら「川淵さんは開会式のときどのへんを歩いたんですか?」の問いに「前から9列目。左から4番目」と即答。やっぱり素晴らしい青春の思い出なんや。
8月18日(金)つづき
川淵キャプテン取材のあと朝日文庫の編集者と打ち合わせ。拙著『スポーツ解体新書』(日本放送出版)を文庫化してくださる。うれしい!いろいろ話し合って「増補改訂決定版」として加筆することで合意。文庫やし解説は誰に頼もかなあ・・・?その後銀座の山野楽器へ。レハールの『ジュディッタ』(ストラータス主演)とモーツァルトの『後宮からの逃走』(メータ指揮エヴァ・メイ他)のDVDを買う。ポイントが溜まったので映画も・・・と思ったら買いたいモンが品切れ。残念・・・と思ったら目の前の棚に植木等の『日本一のホラ吹き男』。衝動買いしてしまう。家に帰ってさっそく晩飯食いながら見たけどオモロカッタ。特典映像の古澤憲吾監督のミニ・ドキュメンタリーもなかなか興味深かった。特攻隊生き残りの愛国者がスラップスティック・ミュージカル・コメディ映画を作ってたんや。
8月19日(土)
東芝EMIよりラトル指揮ベルリン・フィルの『惑星』が送られてくる。さすがの名演だがこのCDの面白いのはホルストの時代の海王星までの組曲に加えてマシューズの『冥王星』も入ってること。さらに『カロン』や『UB313』はないが『セレス』はマーク=アントニー・タイネージ作曲の音楽が入ってる。おまけに『小惑星4129-トゥータティス』(サーリアホ作曲)というのも。どれもいわゆる現代音楽でワケがわからんのは『星』もワケがわからんから?ジョン・ウィリアムスが作曲してくれたらエエのに(笑)。コラム1本書いて羽田〜青森空港経由弘前へ。
8月19日(土)つづき
青森はやっぱり涼しい。バスに乗って弘前へ向かう途中のリンゴ畑や田圃の光景ものどかでええもんや。そんななかに『テロ特別警戒中』の立て看板。まぁリンゴも盗まれる昨今やしな(苦笑)。
8月20日(日)
弘前大学で行われた『日本体育学会第57回大会』に参加。「学会」というものに初参加。大学卒業してなくても参加できるんや。体育社会学の専門分科会企画のシンポジウム「体育は学校教育を変えられるか」で「体育教育を変えれば学校教育全体を革命的に変えることができる」と発言。京都教育大の杉本厚夫先生のイギリスの体育教育との比較や東京学芸大学の松田恵示先生の「体育の先生の特殊性」の発表も面白かった。なるほど「体育の先生」というのは他の先生がネクタイ締めててもジャージーで首から笛をぶら下げてることが許されるもんなぁ。http://siva.cc.hirosaki-u.ac.jp/hotai/ntg57/
8月20日(日)つづき
青森空港でテレビを見る早実vs駒大苫小牧6回裏0-0。羽田に着いたら延長11回1-1。空港から出ずにロビーで15回引き分けまで見る。感想は特になし。いや。そうではなくていっぱいありすぎて書ききれないので書かない。両投手とも頭エエな。潰しとないなぁ。
8月21日(月)
早実優勝。駒大苫小牧の投手が1回表厳しい判定でストライクと思えるボールを2個ボールとコールされたのは可哀想やった。某テレビ番組から出演依頼2件。テーマは高校野球。「批判してもいいの?」「いえ。今回は素晴らしい決勝を讃えたいのですが・・・」「だったら出ません」
8月21日(月)つづき
高校野球が終わった直後に乙武さんの紹介でカメラマンの服部貴康さんが来宅。服部さんは『ただの犬』というテーマで飼い主に出逢えず殺される犬や飼い主が見つかって拾われた犬ばかり写真に撮ってる。ウチの佐吉はそのテーマにぴったりの完璧な雑種の拾われ犬。いうことを聞かん犬を相手に服部さん猛暑のなか大奮闘。まぁいうことを素直に聞いてばかりいるのも気持ち悪いし飼い主に免じてカンベン。子供も犬も一緒やしな。
8月22日(火)
この国の野球ではとうとう2週間で4連投69イニング948球もの投球を若者にさせても良いことになってしまった。誰かが犠牲にならんと直らんのやろな。いや犠牲者は過去に大勢いたはずやけど・・・。「ハンカチ王子」と言った口でジョンベネちゃん事件でのアメリカのメディアの報道は過熱しすぎやという。笑うで。高校野球は選手をスター扱いしたらアカンのんとちゃうのん?
8月22日(火)つづき
寝室で毎晩ちょこちょこ読んでた『「大きなかぶ」はなぜ抜けた? 謎とき世界の民話』(小長谷有紀・編/講談社現代新書)ようやく読了。面白かった。そうか。桃太郎は桃を食べて若返った婆さんと爺さんの間に生まれたんか。《超自然的な内容でありながら、時代、とくに場所に言及し、あたかも現実にあったかのように伝える物語、これを民俗学で「伝説」と呼ぶ》なるほど。『現実の出来事にあたかも超自然的な力がくわわったかのように見えたとき・・・それをスポーツ・メディアは「伝説」と呼ぶ』というわけやな。続けて網野善彦『歴史と出会う』(洋泉社新書)を読み出す。粗い作りの本やけど網野史学入門。面白い。
8月22日(火)つづき
昨日書き忘れたことやけど『ただの犬』を撮り続けてる服部さんによると日本では年間約16万匹の犬が処分されている(殺されている)らしい。佐吉!おまえは良かったなあ。
8月23日(水)
日本スポーツマネージメント界の俊英であるα氏β氏それにスポーツインターネットメディアのγ氏と4人で暑気払い at 六本木「tanto」。フォアグラ炒飯が美味しかった。話も面白かった。ここには書けん裏話ばっかりやったけど・・・。
8月24日(木)
そうか・・・岡ちゃんマリノス監督辞めたんか。なんでやろ?まぁわかるような気もするけど・・・。いまからは何年か前の夏みたいに自宅の網戸洗いに精出すのんかなぁ(笑)。
8月24日(木)つづき
銀座「DAZZLE」で乙武洋匡クンと編集者やマネージャーを交えて会食。美味しい仙台牛や賀茂茄子料理なんかを食べながら楽しくスポーツ談義。乙ちゃんの鋭い問題提起で小生の頭のなかもスポーツ文化とスポーツ・カルチャーの違いについていろいろ整理できた。サンキュー。しかし乙ちゃんも三十路になったか。俺みたいに太ったらアカンで(笑)。
8月25日(金)
スポーツライターの生島淳さんから新刊《長谷川滋利『超一流じゃなくても「成功」できる』新潮社》が送られてくる。さっそく読み出す。『高校野球マネージメント論』面白い。そうなのだ。高校野球が最悪なのはあらゆる野球のノウハウが一監督のものとして広がらないことだ。これは(拙著『スポーツ解体新書』にも書いたけど)学校スポーツ・企業スポーツに最悪の欠陥といえる。
8月26日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。冥王星が惑星からはずされたことについて思い切り喋らせてもらう。「冥界の王」(Pluto)なんやから当たり前のことかも・・・。そのあと栄中日文化センターで『オペラ講座』。テーマはオッフェンバックのオペレッタ『天国と地獄』(地獄のオルフェ)。ミンコフスキー指揮ナタリー・デッセー主演のDVDで楽しむ。蝿に化けたジュピテール(ジュピター)とユディス(エウリディケ)のセックスシーンは最高。ここでも冥界の王(Pluton)が大活躍。西洋文化は「星」と切り離せへんのやな。占星術をどこぞのオバハンがでっちあげた占いと一緒にしたらアカンで。帰りの新幹線で井沢元彦『逆説の日本史9鉄砲伝来と和冦の謎』を読む。「非定住民論」は面白い。そうか。鉄砲は台風で流れ着いたポルトガル人が偶然伝えたモノとは違うんや。中国人和冦が日本というマーケットに目ぇつけて商売(貿易)しよったんか。
8月26日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。冥王星が惑星からはずされたことについて思い切り喋らせてもらう。「冥界の王」(Pluto)なんやから当たり前のことかも・・・。そのあと栄中日文化センターで『オペラ講座』。テーマはオッフェンバックのオペレッタ『天国と地獄』(地獄のオルフェ)。ミンコフスキー指揮ナタリー・デッセー主演のDVDで楽しむ。蝿に化けたジュピテール(ジュピター)とユディス(エウリディケ)のセックスシーンは最高。ここでも冥界の王(Pluton)が大活躍。西洋文化は「星」と切り離せへんのやな。占星術をどこぞのオバハンがでっちあげた占いと一緒にしたらアカンで。帰りの新幹線で井沢元彦『逆説の日本史9鉄砲伝来と和冦の謎』を読む。「非定住民論」は面白い。そうか。鉄砲は台風で流れ着いたポルトガル人が偶然伝えたモノとは違うんや。中国人和冦が日本というマーケットに目ぇつけて商売(貿易)しよったんか。
8月26日(土)つづき
名古屋滞在中に『日本のど真ん中祭』(要するに『YOSAKOIソーラン祭り』の亜流)に遭遇するが踊りの一挙手一投足があまりにもぴたりと揃うことに改めて驚嘆。ブロードウェイでもロシア・バレエでもここまで揃うことはない。とはいえどっちが美しいかは別問題。日本人はやっぱり団体行動には優れてるけどチームプレイは下手なんやな。
8月27日(日)
中村浩美さんから『YS-11世界を翔けた日本の翼』(詳伝社新書)が送られてくる。読み出したら止まらへん。こういう本を読むと「理科系」にあこがれるなあ。科学ライターに転職しょうかなぁ・・・。まぁ無理やろなぁ。
8月27日(日)つづき
百日紅も芙蓉も満開。しかし風が優しくなった。湿気もそれほどでもない。秋の匂いがする。それも周囲の緑のおかげだろうがマタマタ裏山の開発計画が持ちあがったらしい。困ったこっちゃで。
8月28日(月)
息子がライヴ・コンサートに出るから聴きに来ないかという。阿呆。誰が行くか。勝手にせい。早よ独立せい。終日原稿書き。高野孟氏の主宰する『ざ・こもんず』に今年の夏の甲子園と「ハンカチ王子」について書く。結論は漱石の短編『趣味の遺伝』の冒頭の一文。《陽気の所為で神も気違になる》というもの。興味のある方は読んでください。行かんでエエのにヨメハンが息子のコンサートに行ったので『213』で待ち合わせして晩飯。豆腐サラダが旨い。野菜ステーキも食いたかったけど今回はパス。「ライヴはどやったんやねん?」「まぁボチボチとちゃうかな」ワケがワカラン(笑)。
8月29日(火)
暑い。夏がぶりかえしてしもた。そんななかで新聞雑誌TVラジオ局から次からつぎへと電話の連続。ほとんどが明日のオリンピック日本代表立候補都市決定について。どうせ東京に決まってるのに・・・。おまけに北京・ロンドンのあと2016年に再び東アジアなんて不可能としか思えへんのに・・・。
8月30日(水)
羽田から福岡RKB毎日放送へ。生出演。モニターで五輪候補地のプレゼンテーションを見たあと『今日感テレビ』生出演。結果は東京33対福岡22。誰が仕組んだのか知らないがわずか6票の僅差(ワカリマスヨネ)。こういう茶番劇にカネを使うのはもうやめたほうがいい。そういえば投票直前になって投票用紙に○印を書き入れる場所を「見えないように」との「意見」が出たのは面白かった。覗かれたら困る人が多かったんやろなぁ。
8月31日(木)
終日原稿書き。次女とBFが夏の最後の休日に『牛角』で焼き肉を食うから出てこいというので出て行く。久々の焼き肉。というても野菜たっぷり。肉をあんまり欲しくなくなった。歳かな。いやいや象も河馬も犀も菜食主義やからかな(笑)。
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