タマキのナンヤラカンヤラ バックナンバー 2004年1月 |
1月1日(木)
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タマキの2004年賀状
made by Kyoko Tamaki |
明けましておめでとうございます。
今年の小生のモットーは「見るモン 聞くモン 言うモンキー」。意味は「見ざる 聞かざる 言わざる」の反対です。今年もいっそう努力いたしますので、ご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
1月4日(日)
『草野満代の朝なま報道局』(TBS)で、シダックス監督の野村克也氏と共演。打ち合わせ、打ち合わせ中におもしろい話が続出。今シーズンより日本ハムに移籍した新庄選手に関して。「足と肩だけなら超メジャー級」という野村氏。しかし、「(守備なんて)フリスビーを投げられたら犬だって本能的に飛びつくんだから」、「それに対して、バッティングは頭を使うから難しい」と。さらに「もしシダックスがプロに入ったら?」の質問には、自信ありげにニヤリ(現実的には60億円の加盟料がネックで不可能だが)。「アマチュア野球」はまったくビジネス感覚が遅れている(ない?)ため、都市対抗野球に出場すると、運営費がわりに、1試合につきチケットを約3千万円分も購入しなければならないとか。決勝まで進むと1億5千万円の出費。何というナンセンス!日本の野球は、プロ組織もサイテーだが、アマもひどい!放送ではアテネオリンピックの長嶋ジャパンの話題で展開。「お義理で選ぶくらいなら、ノーサンキュー」と、野村氏が言うように、シダックスのエース野間口投手を代表にする動きは、「アマチュア」野球のメンツに配慮したお義理であることは確か。こんなナンセンスなことを、日本の野球界はいつまで続けるのか。プロ・アマ統合組織は、いつできる?
1月5日(月)
BOOK |
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岩合光昭
『ホッキョクグマ』 |
年末年始はおもしろいテレビ番組が多かった。なかでも再放送された動物カメラマン岩合光昭氏の番組がすばらしかった。マイナス40度のブリザードに耐え、シロクマを1年間撮り続けた映像は最高。特に、ほんの一瞬だけ訪れる北極の夏、シロクマがお花畑で戯れるシーンには心を動かされた。小生は「セレンゲッティ国立公園」の写真集を買って以来の岩合ファン。一度、インタヴューをしてみたい。
1月8日(木)
BSジャパン「ミッドライフテレビ〜なりたい50代になる」(毎週土曜20時放送)の収録。メインゲストは、以前シンポジウムで同席させていただいた養老孟司さん。そのシンポジウムが少々クダラナイ内容だったので、気分転換に大船の行きつけの『鮨處もり山』で飲んで以来の再会。収録では、司会の近藤サトさんが、養老氏に「なぜ解剖学などというものを専攻したのか?」と質問。養老氏の回答は、「敗戦によって、鬼畜米英が民主主義に一変するなかで、(人体という)変わらないものを本能的に求めた」とのこと。「ソニー、松下、ホンダなども同じ。どこでもきちんと走るクルマ、動く機械という普遍的なものを追究して成功した」といわれたので、小生が「でも、クルマや電器製品は儲かるけど、解剖学では儲からないですよ」と茶々をいれると、「いま本が売れて儲かってるよ」との答えで大爆笑。
1月9日(金)
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福島明也
『ラジオの時代』 |
CD |
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ANIMETAL CD
『アニメタル・マラソンV』 |
ニッポン放送「キャプテン川淵の行こうぜ!オレたちのニッポン」の録音。本郷にある日本サッカー協会のビル内、キャプテン室で収録。川淵キャプテンが小生にインタビュー。いつもとは逆の立場でおもしろかった。小生がインターハイの出場経験があることに、キャプテンは驚嘆。高校時代は、いまより30キロ以上痩せてましたから(笑)。音楽のリクエストで、アニメタル(アニメソングを歌うヘビメタ集団)の『キャプテン翼』をリクエスト(写真参照)。それと、小生が勝手に師匠と呼んでいる二期会のバリトン歌手、福島明也氏のCD『歌は美しかった−ラジオの時代』より「子を頌う」を紹介(写真参照)。これは戦前の歌で、「川淵キャプテンが若いサッカー選手に向かって歌ってほしい」と思ったもの。ちなみに、歌詞を紹介しておく。「太郎よ、おまえはよい息子。丈夫で大きく強くなれ。おまえが大きくなるころはニッポンも大きくなっている。息子よ私を超えて行け。花子よおまえは良い娘。丈夫で優しくしとやかに。おまえがお嫁に行くころはニッポンも大きくなっている。娘よ私を超えて行け。太郎よ花子よニッポンの子。丈夫で大きく強くなれ。おまえが大きくなるころはニッポンも大きくなっている。子供よ大人を超えて行け」ちょいと軍歌調だが、庶民の素直な上昇志向は悪くないと思う。
同9日(金)
川淵キャプテンとのラジオの後、テノールの佐野成宏さんと、ソプラノの大岩千穂さんのデュエット・リサイタルを聴くため紀尾井ホールへ。佐野氏のファンであるスポーツ・ライターの小松成美さんとも再会。(なぜか)旭鷲山も来ていた。それにしても佐野成宏の声には感激。1月3日に放送されたNHK教育テレビのニューイヤー・オペラ・コンサートでは、ヴィンチェンツィオ・スコーラよりも断然すばらしかった。
1月10日(土)
新年最初のスポーツ・ジャーナリスト実践塾を開講。養老孟司さんのベストセラー『バカの壁』を購入した塾生の少なさに驚いた(13人のうち2人。さらに読了していたのは1人)。理由のひとつとして「売れすぎた本は読む気がしない」とか。クソ生意気なことをいいやがる!(爆)おまけに山本義隆の『重力と磁力の発見』は、塾生全員タイトルすら知らない。「ジャーナリストなら、話題になってる本くらい読め」と叱責。今講義より個別指導を始め、究極の塾生いじめが再開(笑)
同10日(土)
東京オペラシティ2004 ニューイヤー・ジャズ・オペレッタ 筒井康隆×山下洋輔『フリン伝習録』を楽しむ。ウインナ・ワルツ、フリー・ジャズ、ジルバにくわえて筒井御大がラップを歌うなど、ぶっとぶほど最高。テナーサックスの平野公崇さんも抜群!茂木大輔さん(N響オーボエ奏者)の指揮も抜群!公演後の打ち上げパーティで、恐縮にも乾杯の音頭を依頼されたので、「ウィーン国立歌劇場の『メリーウィドウ』よりも面白かった!」と発言。客席では、久しぶりに島田雅彦氏と再会。いつも横にいる女性が異なる島田氏がうらやましい(笑)。島田氏も1月3日のNHK教育テレビのニューイヤー・オペラ・コンサートを見ていたようで、佐野成宏がスコーラ以上の歌い手であることで意見が一致。美人ソプラノ歌手の森麻季さんとしゃべれなかったのは残念(笑)。そのあと、女房と一緒に赤坂にあるグッチ裕三さんの店『旨いぞお』へ。偶然にもグッチさん本人と遭遇。沖縄の秘蔵の泡盛と奄美大島のこれまた秘蔵の黒糖焼酎を飲ませていただく。料理も、どれもサイコー!さらに、家族で新年会をしていたDJの赤坂泰彦さんを「彼も好き嫌いをはっきりという骨っぽい人間」と紹介される。そこで小生もひとこと。「類は友を呼ぶと言いますからね(笑)」
1月11日(日)〜13日(火)
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▲メインスタンドの外観
▲ヘアピンカーヴとサブスタンド
▲サブスタンドの外観
▲精華女子大卒のエリート広報美女軍団 |
『上海風景』 |
今年よりF1グランプリを開催する上海へ。建設中のサーキットを視察。空港から車で約2時間の郊外にあるサーキットは、空から見ると「上」の字をかたどったコース。「上」の字の下側の1キロ以上のストレートからヘアピンカーヴに入るところは、まるで地平線からマシンが出現するかのような雰囲気。総額400億円以上を投じたビッグ・プロジェクトは、将来的には都市開発とも直結し、サーキット周辺には世界の自動車メーカーの工場が建ち並び、自動車工学の大学も建設され、人口10万人以上の新都市になるという(既にフォルクス・ワーゲンの工場があった)。「中国のデトロイトになります」とは、北京の超エリート大学精華大学を卒業した美人広報嬢(写真参照)の言葉。上海グランプリは今年の9月。サーキットは、あと80日で完成というけど、周辺は工事中で泥だらけ。ほんまにできるんかいな? まあ、高度成長時代の日本もこんなんやったけど、中国(上海)のパワーはすごい!通訳をしてくれた管さんいわく。「いずれアメリカと肩を並べる大国になるとは思いますけど、戦争になるんでしょうかねえ。そのとき日本は、どっちにつくんでしょうかねえ?」それは、ほんまに、いまから考えておかんとあかん課題やと思うけど、とりあえずいまは、上海ガニに舌鼓。小老包も美味かった。料理の味では、間違いなくアメリカよりも中国が上!この視察旅行は、「日本で初の市街地レース小樽グランプリ」を実現するため、北海道のメディア関係者や、「よさこいソーラン祭」をつくった長谷川岳さんたちと一緒に行ったもの。「小樽グランプリ」については、いずれ詳しく報告します。
1月13日(火)
飛行機の出発は8時半だというのに、搭乗手続きは6時半から。SARS検査の問題もあるので、ホテルより空港までの到着時間を考えると出発は5時半。起床は4時半。ということで、同行した男だらけのむさ苦しいメンバーと、朝まで徹夜(笑)。北海道の友人とコンサドーレ札幌の将来や、よさこいソーラン祭の新展開について語り合う。
1月15日(木)
「古代オリンピックの選手は男子のみで、全員全裸で競技をしていた」これが、『トリビアの泉』(フジテレビ)で「最高へぇ〜」を獲得した。ま、スポーツライターの世界では常識ですけどね。だったら、次のは、10万円獲得できるかも。「野球場は、ホームからセカンド方向が東北東と、ルールで求められている」。だから、左腕投手をサウスポウと呼ぶんですけどね(南の方角から掌が現れるから)。そういえば辞典マニアの小生は、フレッド・L・ワース著の『スーパートリビア辞典』(研究社)を持っている。そのなかにひとつオモロイものがあった。「フランク・シナトラがマリリン・モンローへ贈った犬の名前はマフィア」。へぇ〜×20。
1月16日(金)
毎日放送『ちちんぷいぷい』出演のために大阪へ。司会の角淳一さんが、小生のこのホームページを読んでくださっていた。そこで、「オペラの舞台に裸の男女が出てるってホンマなんですか?」と訊かれたので(音楽蔵出しコラム参照)、小生秘蔵の「ポルノ・オペラ」をダビング編集してプレゼントすることを約束。番組出演を終えた後、京都で、このホームページ作成委員会のメンバーと一緒に新年焼き肉パーティー。
1月17日(土)
平尾誠二主宰のNPO法人SCIXで『文化講座』。「関西のスポーツ文化における阪神タイガースの意義」と題して2時間講演。上海のF1グランプリと都市づくりの話の後、大阪オリンピック招致失敗の理由、タイガースの「優勝経済効果」のナンセンス等を、タイガースの歴史を語るなかで説明。
1月18日(日)
電動車椅子サッカーの選手兼監督である高橋弘さんが、イングランドへ電動車椅子サッカーを教えにいったことの報告会と、横浜Fマリノスの岡田武史監督を励ます会に出席。身障者スポーツによく顔を見せている岡田監督が、マリノスに加入した安 貞桓(アン ジョンファン)について語った。「日本に来てからの安はサッカーがスマートになりすぎた。マリノスではもっと泥臭いサッカーをしてもらう」。今シーズン、安 貞桓の泥臭いプレイに期待したい。それと、電動車椅子サッカーのワールドカップ実現のために、皆さん、ご協力を!
1月19日(月)
DVD |
▲ 『美しきエレーヌ』
▲ 『天国と地獄』
▲ 『トゥーランドット』 |
いつだったか、NHK-BSで放送されオッフェンバックのオペレッタ『美しきエレーヌ』(パリ・シャトレ座)と『天国と地獄』(リヨン歌劇場)のDVDを入手。イヤア、水着姿で踊りまくったり、下着姿で跳ね回ったり。ロラン・ベリー(演出)とミンコフスキ(音楽監督・指揮)のコンビは最高。妖艶なフェリシティ・ロットも、コケットリーなナタリー・デッセーも魅力いっぱい。そういえば、最近発売された2002年ザルツブルク音楽祭での『トゥーランドット』(ゲルギエフ指揮ウィーンフィル)のDVDも強烈だった。プッチーニの未完の作品を現代作曲家のベリオが完成させた新版で、旧来のアルフィーノ版とは印象がぜんぜん違う。おまけに中国の役人がターミネーター・・・。いやあ、オペラは面白い!
1月24日(土)
スポーツジャーナリスト講座と、オペラ講座のため名古屋へ。オペラ講座の冒頭で最近お気に入りの新譜DVDを紹介した。オッフェンバック作曲、マルク・ミンコフスキ指揮の『天国と地獄』と『美しきエレーヌ』(両方とも写真参照)。特に後者はスチュワーデスの格好をした女性たちが、スカートをたくしあげ、太股も露わに踊る、歌うの大騒動。「(講座内容のソプラノ特集よりも)冒頭の過激な映像の方が頭のなかから離れません(笑)」と言ったのは受講者の何某。しかしこの程度の過激さはオペラにとってほんの序の口。なんと言ってもモザイク入りのオペラかてあるんやから(笑)
1月29日(木)
小生の最新著書『天職人 玉木正之と輝ける26人』(講談社・1600円)が発売。関係者、読者、知ってるひと、知らんひとから、続々と絶賛の声が届く。同時に拙著『スポーツとは何か』(講談社現代新書・680円)の増刷(7刷)も決定。最新刊ともども宜しくお願いします。
1月30日(金)
公開シンポジウム「夢はF1目指せ小樽グランプリ」(北海道みちとくらしと未来のネットワーク主催)のため小樽へ。元F1レーサーの中嶋悟さんらをゲストに迎え、アナウンサーのおびなた徳子さんと司会を務めた。小樽における公道レースの実現に向けて、市長、観光協会会長なども賛成していることから、モーター・ジャーナリストは「盛り上がりの点では他市より一歩リード」と評価する反面、現実的な問題も浮き彫りに。例えば道路交通法の「道路使用許可」を得たとしても、道路交通法(速度制限)は守るのが原則。それではレースにならない。が、「次世代の燃料電池車をつかったレースをしたり、都市再開発特区に指定されることで一気に規制が外れる可能性も」という意見も。道交法は、面白い法律で、車道は20キロ以上で走らなければいけないという条文まであるらしい。「マラソンは法律守ってるんだ〜」と中嶋氏のひと言に場内は大爆笑。またNPO法人「潮騒の街おたる」の代表は「(公道レースを開催している)モナコ、マカオと一緒で、オタルも三文字。語呂がいい」とも。妙に納得(笑)。夢が現実になるために、とても有意義なシンポジウムだった。
Coordinated by 木造隆矢
スポーツヤァ!スポーツジャーナリスト養成塾一期生 |
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