ナンヤラカンヤラ
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4月1日(土)
昨日の本欄には『ニューズ・オプエド』のことを何も書かずに失礼しました。『真夏の甲子園はいらない』出版記念として小林信也さんと佐野慎輔さんと一緒に高校野球のこと日本の野球のことWBCのことマスメディアの大騒ぎ(空騒ぎ)のこと野球の本当の素晴らしさのことをいっぱい話してますのでオプエドのサイトに立ち寄ってみてください。よろしく!https://op-ed.jp/

4月2日(日)
ベッドのなかの朝の読書は荒俣宏さんの『奇想の20世紀』(NHK出版)。出版された直後(20世紀の終わり=2000年10月)に買って読んで大興奮した記憶があったけど再読。21世紀の現在を創る土台となった20世紀の試行錯誤(ブッ飛んだ発想)を挿絵とともに解説した怪著。いや名著ですね。「スポーツ」も20世紀を読み解くキイワードの一つとして紹介されていて近代スポーツは《祭礼性や神々への誠実(古代スポーツ=古代オリンピックなどの宗教的習俗)といった本質的問題をことごとく消去し》その結果《戦争と同じ勝利至上主義》が生まれ《娯楽と社交すなわち単なる友好行事》というアマチュアリズムを生み出したわけですね。そして《オリンピックにおける金銀銅のメダルの授与》は1900年のパリ万博などで《生産品の優劣が競われ優秀品にはメダルが授与されたことが影響して始まった》という。万博とオリンピックの密接な関係ですね。そのうえ《移民の国アメリカ》では《大衆スポーツが発展普及するためには(単なる社交や娯楽ではなく勝つこと=勝利至上主義で経済的効力が得られる)スポーツを職業とするプロフェッショナリズム》が生まれる必要があったわけですね。ナルホド。ワン。昨日(土曜)よるにやってきた長女と一緒に黒兵衛と散歩。午後イチには小学校を卒業した新中学生の孫もやってきてワイワイガヤガヤ。夕方から本屋に寄って中学入学祝いに歴史の本を買ってやってみんなで久し振りに『鮨処もり山』へ。大将に『真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球』(岩波ブックレット)を贈呈して家族と一緒にWBCや高校野球や佐渡さんの音楽の話をしていると隣にいた長年の関西出張を終えて帰ってきたお客さん夫婦も加わって音楽絵画スポーツなどなどイロイロな話を山ほど。高校野球のあり方・甲子園大会のやり方をオカシイと思ってる人・反対している人は山ほどいるんですね。美味しい鮨と酒と面白い会話に楽しいひとときでした。

CD
『NHK映像の世紀バタフライエフェクト「戦争の中の芸術家」』で話題!フルトヴェングラー「ヒトラーの第九」
『NHK映像の世紀バタフライエフェクト「戦争の中の芸術家」』で話題!フルトヴェングラー「ヒトラーの第九」
トスカニーニはフルトヴェングラーをナチ協力者と非難したけど、そうは言い切れないフルトヴェングラーの行動の素晴らしさがありますね
BOOK
荒俣宏『奇想の20世紀』NHK出版
荒俣宏『奇想の20世紀』NHK出版
これはもの凄く素晴らしい本です。20年以上前に出た本ですが、「未来のなくなった今」こそ「未来のあった」時の夢を読むべし!

4月3日(月)
『奇想の20世紀』面白い。機関車が生まれ自転車が生まれても馬車が幅を効かせてなかなか自動車が生まれなかった歴史や万国博覧会から観光旅行が生まれ世界一周が流行。実際に222日間かけて世界一周ツアーが行われているときにジューヌ・ヴェルヌが小説『80日間世界一周』を連載したのですね。未来社会というフロンティアが広々と広がっていた20世紀を見直せばいま万国博覧会をやる意味などないことに気付くはずですが…ワン。ベッドを出て孫と一緒に黒兵衛と散歩。桜はそろそろ最後かな。でもまだ美しい。おまけに鶯が澄んだ綺麗な声を張り上げてホーホケケキョとシンコペーションで啼く。植物は温暖化のせいで満開が早くなっても動物はマイペース?最近は梅に鶯ではなく桜に鶯になったのかな?ワン。終日デスクワーク。新刊本『真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球』(岩波)の贈呈や宣伝先の発送をチェックし直していると共著者の小林信也さんからメール。『真夏の甲子園はいらない』を土日で改めて読み直したら《これはやはりきちんと広く読んでもらうべき本だという意を強くしました》とのこと。小生もまったく同感。一人でも多くの人に読んでもらうよう努力しましょうと返事。孫がダラダラ過ごしてるみたいだったのでコンナ面白い本もあるよと言って木之下晃さんとユーサフ・カーシュの写真集を見せる。中1の孫は小さな石を手にしていろんなポーズをとってる音楽家を不思議そうに見たりチャーチルやケネディやマザー・テレサやエリザベス女王の顔の表情の深さに驚いたり…。若いときはイイモノを観てイイモノを聴かないといけませんね。晩飯は神奈川テレビで吉本新喜劇を見ながら。これもイイモノですね。プライムニュースや報道ステーションを見たあとNHK『映像の世紀バタフライエフェクト』は戦争と芸術家。第二次大戦中アメリカに亡命して反戦を発信したトスカニーニやナチスの支配するドイツに残ってドイツ音楽を守り続けたフルトヴェングラー。そしてナチス・ドイツともスターリンの独裁体制とも闘ったショスタコーヴィチや従軍作家として戦争を一定賛美する文章を書きながら戦後に自己批判という以上の自己否定の作品を書いて自死した火野葦平やナチスの音楽と言われたワーグナーを戦後イスラエルで演奏したユダヤ人のバレンボイムなど。ナチスの党員だったカラヤンのことは出てこなかったですね。ナンデかな?

4月4日(火)
荒俣宏『奇想の20世紀』は飛行機からロケットへ。熱気球を開発したモンゴルフィエ兄弟も鳥の羽根の羽ばたきを利用して空を飛ぼうとしたリリエンタール兄弟もそしてライト兄弟も…空を飛ぼうとした開発者はみんな兄弟だったんですね。偶然かな?何か理由があるのかな?考えてみましょう。兄弟とは関係ないけど自転車工として自転車屋をやっていたライト兄弟は空飛ぶ自転車すなわちスピルバーグのE.T.につながるわけですね。面白い!!ヒトラーはジェットエンジンやミサイルには興味を示してもロケットによる宇宙旅行には全然興味を示さなかったようですね。世界制覇を夢見ても宇宙への夢を抱かなかったヒトラーの夢想は小さいものだったのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。近所の桜もそろそろ終わりですね。ワン。坂本龍一さんが亡くなりましたね。この世界的作曲家や他の多くの世界的クリエーターの日本人がが東京五輪2020のスタッフに招かれなかったのは反原発だったから(?)ということは記憶に残しいぇおきたいですね。小生のこのホームページにある『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)の表紙をクリックするとAmazonにジャンプします。皆さん!買って下さい。読んで下さい。よろしく!!

4月4日(火)つづき
晩飯の時に見たNHK-BS1スペシャル『スイーツ頂上決戦2023 チームJAPAN 世界一への挑戦』はメッチャ面白かった。そして素晴らしかった。今年1月にフランスで行われたクープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・パティスリー2023。訳せば「洋菓子作りのワールドカップ」。2年に1度フランスで開かれて今年は17か国が予選を勝ち抜いて参加。そして10時間かけていろんな種類のお菓子を作り見た目と味を競う大会。それに参加した長い若い3人(男2女1)の日本チームが苦労の末8大会ぶり3度目の優勝を果たした1年近い努力の記録はナカナカ感動的でした。まず日本代表に選ばれる国内予選があって選ばれた3人が先輩パティシエの注意や薫陶を受けて今年の大会のテーマ「気候変動」を表したお菓子を何種類か作り上げる。そしていくつものアクシデント(飴細工が壊れたり冷凍庫が冷えなかったり!)を乗り越えて優勝候補のフランスや前回優勝のイタリアを抑えて日本チームが優勝。飴菓子で創った大きな鯨も小さな風車のケーキも素晴らしかったですね。

BOOK
坂上康博『権力装置としてのスポーツ―帝国日本の国家戦略』講談社選書メチエ
坂上康博『権力装置としてのスポーツ―帝国日本の国家戦略』講談社選書メチエ
コレは素晴らしい名著です!スポーツ関係者必読!

4月5日(水)
朝のベッドで改めて詳しく読み直す『奇想の20世紀』は本当に面白い。百貨店が万国博覧会と水族館(ショウケース)と関係のあるところから生まれたブルジョワ文化だと知れば今の百貨店は内容を一新しないと潰れるのも理解できますね。1900年のパリ万博で一世を風靡した川上貞奴の「死のベリーダンス」と呼ばれた『芸者と武士』という演し物には若いピカソも感激してデッサンを描いたですね。その絵を見れば貞奴に対する評価が一変しますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ準備して昼飯?き込んで東海道線で東京へ。東西線に乗り換えて竹橋へ。財界展望新社の会議室で雑誌『ZAAITEN』6月号用の「スポーツ対談」お相手は一橋大大学院名誉教授の坂上康博さん。日本のスポーツのあり方がJリーグの生まれた頃=野茂がメジャーに渡った頃には大きく変わってきつつあった(たとえば高校野球で丸刈り頭が減った)がその後また元に戻ったという指摘は非常に興味深かった。根性主義という言葉も元々はスポーツではなくビジネス界(サラリーマン)から生まれた言葉だという。なるほど。言葉は重要ですね。2時間近い対談を終えて某出版社の編集者と久しぶりに逢って打ち合わせのあと帰宅。メシ&サケ&ネル。

4月6日(木)
『奇想の20世紀』は本当に凄い。現在世の中(世界)を席巻しているコトやモノのすべての「出発点」が書かれている。「ロボット」という言葉はチェコ語でチェコの作家の書いた戯曲から広まったのですね。他にキイワードとして登場するのが「若さ」「健康」「美食」「ファッション」…もちろん既に本欄に取りあげた「進歩」「万博」「エンターテインメント」「戦争」「スポーツ」「観光」「大量消費」なども20世紀からスタートして今日の世界をも支配しているキイワードと言える。ナルホド20世紀という社会から《騒音と暴力と速度とセックス》に《エクスタシー》を感じる《若者社会》が始まったのですね。ということは若者が少なくなって老人社会になった日本は「20世紀的ヤカマシイ若者社会」ではない落ち着いた成熟した価値観を尊ぶ滋味深い豊かな社会を創れるはずですが…アンチエイジングなんて言葉が流行ってCHATgptなんてのに右往左往するようでは豊かな社会など訪れないでしょうねぇ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ほとんどの桜が散ったなかで7〜8輪の満開の花を咲かせている短い枝があったので思わずガンバレと声をかけてしまう。ワン。終日原稿書き。『ZAITEN』の対談と連載の内容が重複することに注意を払ってナカナカ纏まらず。困り切って明日に持ち越し。まぁシャーナイ。晩飯の席にヨメハンが買い物ついでに買ってきてくれた久保田のスパークリング日本酒なんてのが出てきた。今日は小生の71歳の誕生日。若い頃はこんなに長く生きるとは思わなかったし今も長く生きてるという実感はない。でも71年目の誕生日に『真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球』(岩波ブックレット)を出版できたのは嬉しいですね。皆さん!!是非とも読んでください!!ココから日本のスポーツを豊かに変革する必要があるはずですから!!

4月7日(金)
『奇想の20世紀』は最後にアートも登場。19世紀までの既成の芸術が否定されるなかでガラクタと思われたものが20世紀には高く評価されギリシア・ローマ以前のプリミティヴな文化も高く評価。印象派もゴッホもゴーギャンやマチスもピカソも新境地を開く。しかしソレらは過去に戻ったのではなく過去のやり方を利用して20世紀の現代社会と現代人を描いたのですね。だからピカソのキュービズムもアブストラクトもアフリカやアジアを席巻したヨーロッパの植民地主義の上に成り立ったとも言えるのですね。ナルホド。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークで『ZAITEN』の連載を書かなきゃ…と焦ったところが月日を1週間間違えていたことに気付く。締め切りは来週でホッとして『ニューズ・オプエド』の準備。今日のゲストは一昨日対談した一橋大名誉教授坂上康博さんと小林信也さん。坂上さんも『真夏の甲子園』を完読してくださり「(大人のためではなく)高校生のための高校野球」という立脚点を高く評価してくださった。高校野球だけでなく日本のスポーツ界全般の問題点(もちろん日本の野球とWBCとメディアの問題点)にも触れた一冊ですから是非とも一人でも多くの人に読んでいただきたいですね。

WEB
『お笑い米軍基地』
『お笑い米軍基地』
お笑いにはパワーがあります。素晴らしい!応援します

4月8日(土)
朝のベッドでの読書は自著の『岩波ブックレット 真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球』(岩波書店)を読み直し。いつものことですが自著が出版されると(今回は小林信也さんとの共編著ですが)20回は読み返します。そして満足したり反省したりするのですが今回の本は反省点は少なく(もっとメディア批判を書き足したかったとの希望はありますが)一人でも多くの人に読んでほしいという強い気持ちが再度沸き上がりましたね。ヨシ!頑張って宣伝するかと思ってベッドから出て黒兵衛と散歩のあと東京新聞朝刊を開けてみると岩波書店今月の新刊の宣伝コーナーのズラリと並んだ新刊のなかににナント『真夏の甲子園はいらない』が入っていない。ナンデヤネン!?と思って岩波の担当編集者に問い合わせると今日は朝日新聞に出ているとのことで(確かに出ていました!)東京新聞への宣伝と日本経済新聞への宣伝は五月上旬に予定。少しずらせて売り上げを伸ばすことを考えているとのこと。ヨッシャー!今年も疑問を持たずに開催されるであろう夏の甲子園大会に向けて『真夏の甲子園はいらない』とのメッセージがたくさん届くことに期待しましょう(朝日新聞が『真夏の甲子園はいらない』の宣伝をのせてくれたことは一つの成果か前進か?)チョイとイロイロ仕事したあと大船駅から総武線直通の横須賀線に乗って錦糸町へ。トリフォニーホールでの佐渡裕さん指揮新日本フィルハーモニーのコンサート!!演目はラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』とリヒャルト・シュトラウス『アルプス交響曲』。ピアノは辻井伸行さん。10年以上前に河口湖の音楽フェスティバルでノブ君とトークショーをやって浅田真央ちゃんを応援してるとか競泳でパラリンピックに出たいとか話したことを彼は覚えてくれてるかな…佐渡さんとも久し振りやなあ…などと思いながら錦糸町駅からトリフォニーホールへ歩こうとしたら突然の雨。最近の天気予報はよく当たるなあ…と思いながら走り出す(>_<)。

4月8日(土)つづき
いやあ…佐渡裕さんが音楽監督のポストに就いた新日フィルのコンサートは凄かったですねぇ。辻井伸行さんのピアノのラフマニノフはもう大家の演奏ですね。佐渡さんの指揮もたっぷりとカンタービレを超ロマンチックに(関西風に?笑)奏であげて満員の聴衆は大満足ですね。『アルプス交響曲』は100人を超えるオケの大迫力で暴風雨(ウィンドマシーン)も雷鳴も稲光(サンダーマシン)も大活躍。リヒャルト・シュトラウスならではの高音の弦の響きも美しく大満足でありました。演奏後は長女とその女友達と一緒に舞台裏へ。辻井ノブクンもいたので挨拶すると2人でやった河口湖でのトークショウを10年以上前のことなのに覚えてくれていた。佐渡さんにも挨拶して長女の友人は辻井さん佐渡さんにチョコレートをプレゼントして大満足のコンサートは終了。総武横須賀線で帰宅したらヨメハンがTBSの『報道特集』を録画しておいてくれたので見ながら晩飯。先日亡くなった坂本龍一さんのドキュメンタリーに加えて『お笑い米軍基地』という沖縄の若者たちのコントが素晴らしかった。ジャパネットのTV販売をもじって沖縄の米軍基地を本土に売り込むコントには大笑いしながら沖縄の基地問題の酷さに思いを馳せました。「笑い」の力は大きいですね。吉本の芸人さんも頑張ってほしいですね。かつては人生幸朗師匠という素晴らしい反権力ネタのお笑い芸人もいらっしゃったのですから!

4月9日(日)
ChatGPTに2つの質問をしてみると素晴らし回答が返ってきました。「高校野球を高校生にとって素晴らしいものにするにはどうすれば良いですか?」→「まず朝日新聞社や毎日新聞社といったマスメディアが甲子園大会の主催者から手を引き高等学校の教師と生徒で相談して新しい高校野球大会を自分たちで創るべきでしょうね」タシカニ!「日本のプロ野球をアメリカ・メジャーのような素晴らしいものに発展させるにはどうすれば良いでしょう?」→「それには読売新聞社がジャイアンツの経営を辞めて他球団も親会社の支配から離れて親会社をスポンサーとする球団会社として運営するようになるべきでしょうね」……なんてことを頭の良い(はずの)AIは答えてくれるのかな?なんてことをベッドのなかで頭の中で考えてからベッドを出て黒兵衛と散歩。チョイとイロイロ仕事をしたあと神奈川県知事選挙に赴く。県議の選挙はわが選挙区では定員と立候補者が同数で選挙なし。いわゆる無風選挙。以前ある自治体の長からロサンゼルス市の市議会議員は8人程度で行政のやることをボランティアでチェックするのが仕事だと聞かされたことがある。地方選挙が国会議員と同様の政党選挙になる必要はないのですね。知事選はスキャンダルに少々お灸を据えるつもりですがこちらも無風なんでしょうね。投票所は俺とヨメハンだけでガラ〜ンとしてました。嗚呼。荒俣宏『奇想の20世紀』(NHK出版)完読。山ほどの図表やその解説も丁寧に読んで非常に面白かった。荒俣さんが書いているとおり《「未来」という名の夢は20世紀にしか存在しなかった》のでしょうね。ChatGPTなんて屁の突っ張りにもならないのに何を騒いでるんでしょうねえ?ChatGPTの書いた漱石『こころ』の感想文をテレビで紹介していたけど最低の文章でしたからね。ニュースを見ながら晩飯。テレビの戦争解説もChatGPTと同レベルか。嗚呼。

BOOK
櫻井歓『今を生きる思想 西田幾多郎分断された世界を乗り越える』講談社現代新書
櫻井歓『今を生きる思想 西田幾多郎分断された世界を乗り越える』講談社現代新書
全集を持ってるくせに全然読んでない哲学者のせめて解説書を読みます
『教育勅語と御真影近代天皇制と教育』
『教育勅語と御真影近代天皇制と教育』
明治の勅語成立から森友事件までが書かれた一冊は教育の右傾化が進む今こそ多くの人に読んでほしいと思います。

4月10日(月)
朝の読書は先週金曜に講談社から届いた現代新書2冊をベッドの持ち込んで読み始める。櫻井歓『今を生きる思想 西田幾多郎 分断された世界を乗り越える』。実は小生は岩波書店の西田幾多郎全集全19巻を持っている。義父が所有していたものを譲り受けたのだが典型的な「積ん読」でまったく読んでいない。『善の研究』くらい読んでおこうと何度も思いながら挑戦したが書き出しの《経験するというのは事実其儘に知る意である》しか頭に入っていない。そんな阿呆な男にとってこの本は嬉しい手助けになりそう。もう一冊は小野雅章『教育勅語と御真影 近代天皇制と教育』。帯に《敗戦によりいったん無効と公的に宣言された「教育勅語」がそれにもかかわらず既成事実の積み重ねにより復権を果たしてゆく戦後の課程を客観的に叙述。教育への国家介入の危険性に警鐘を鳴らす力作》とあった。最近の自民党政治の情勢を鑑みてコチラから読み始めることにする。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。春の良い天気。青葉茂れる季節の到来ですね。ワン。デスクワークの最中に最新刊『真夏の甲子園はいらない』を贈呈した何人かの方々からメールや電話。「刺激的なタイトルで早速読み始めています」「このタイトルに大賛成」とのメールもあった。嬉しいけれど本当に知りたい意見は「夏の甲子園大会大賛成」の人の声なんですよね。そして小生や小林信也さんの「甲子園大会廃止論」や「改革論」に賛成してくれる人に求めたいのは一緒に「甲子園大会大改革の必要性」の声をあげてくださることですね。よろしく!晩飯は神奈川テレビで吉本新喜劇を見ながら。面白かったけれど一昨日「お笑い米軍基地」を見たあとは吉本に少々物足りなさを感じたかな…まぁええけど。

4月11日(火)
小野雅章『教育勅語と御真影』(講談社現代新書)読み進む。昌平黌学問所が学神として孔子を祀り国学派が八意思兼命(やこころおもいかねのみこと)を祀ったり大日本帝国憲法が宗教(信仰)の自由を保障するなかで明治天皇の神格化も結構たいへんな作業だったのですね。そこで教育勅語と御真影それに戦争が役割を果たすわけですね。なるほど。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ仕事。午後から「FMやまと」に電話出演。パーソナリティは以前『ニューズ・オプエド』でアシスタントを務めてくれた川島ノリコさん。「スマイル高校生」というテーマのなかで拙著『真夏の甲子園はいらない』を取りあげてくれる。東京朝日新聞が野球害毒論のキャンペーンを一か月以上も展開して子供たちの野球をやらせてはダメだと言いながら大阪朝日新聞が夏の甲子園対を始めたので戦前の教育野球(開会式の軍隊的行進や連帯責任など)が広まった…という話や女子高生がプラカードを持って男子高校生が入場する(野球をする)という差別的構造など夏の甲子園大会の矛盾点を思い切り話させていただく。川島さん!拙著を中毒してくれていてありがとう!夕方から東海道線に乗って新橋へ。銀座のステーキ店でフォーラム8の社長さんと副社長さんと『スポーツゴジラ』編集長の長田渚左さんと食事会。フォーラム8の季刊誌『Up & Coming』の連載も足かけ6年『ゴジラ』への支援も2年目に突入ですね。フォーラム8がスポンサードしているラリー・ジャパンやVR(ヴァーチャル・リアリティ)を使った道路造りや街作りの話を聞かせてもらったのは面白かった。フォーラム8は鳥取県境港市の水木しげるロードもVRでプロデュースしたのですね。美味しく美味しく楽しい一夜でした。

4月12日(水)
朝ベッドでの読書は『ZAITEN』坂上康博氏との対談速記録。何度も読んで頭に入れて構成を考えないといけませんからね。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは『真夏の甲子園はいらない 問題だらけの高校野球』(岩波ブックレット)について思い切り紹介させていただく。RKB毎日サン!宣伝させていただいて感謝です。一人でも多くの人に読んでほしいと思う一冊ですから今後もあらゆる機会を利用して宣伝させていただきます( ^o^)ノラジオのあと黒兵衛と散歩。終日デスクワークは『ZAITEN』の対談をまとめるための資料の確認整理…等々。2026年に開催される愛知名古屋アジア大会組織委員会には名誉会長&会長&会長代行&副会長が合計11名。理事が35人。名誉顧問&特別顧問&顧問が合計47名。参与が27名。評議員が6名。合計役員が126名もいるんですね。そのうち衆議院議員が26名。参議院銀が13名。皆さん誰がどんな仕事をするのでしょうかねえ?皆さんが集まって会議することなんてあるのでしょうかねえ?何か「事件」が起こったときは誰が責任をとるのでしょうかねえ?コンナ組織を作らなければ国際的なスポーツ大会を開くことはできないのでしょうか!?晩飯はビデオに入れておいたNHK『サイエンス・ゼロ』の木星の惑星探査のドキュメンタリーを見ながら。13日にヨーロッパのロケット「アリアン5」で打ち上げられる「ジュース=JUpiter ICy moons Explorer=木星氷衛星探査機」と名付けられた探査機が「ガニメデ&カリスト&エウロパ」という3つの木星の衛星の探査に向かうという。表面温度は氷点下170度という極寒だが内部に深さ10q程度の海が広がっていて木星の巨大な重力による岩石の摩擦で一定の温度が保たれ潮汐運動が行われて地球外生命の存在する可能性が高いらしい。こーゆー夢のある話は大好きです。ただし木星付近への到着は8年後だとか。こーゆーデッカい話大好きです。アジア大会もWBCも小さく感じられますからね。どうせ小さいならJリーにような地域密着が良いですよね。

BOOK
NHK取材班・編『その時歴史が動いたD』
NHK取材班・編『その時歴史が動いたD』
KTC中央出版/1936年ベルリン五輪の前畑がんばれの記録。40年後に再会したライバルが静かに泳いだ時はスタジオにいた誰もが涙しました。

4月13日(木)
昨晩は早く寝て今朝6時にベッドから出て『ZAITEN』の対談原稿執筆を始める。校正の目途の付いたところで朝食&黒兵衛と散歩。午前中に雑務をこなして午後から対談原稿をシコシコ書き進める。ふううう。若い頃は2晩連続徹夜してでも原稿を書きあげたものだが歳をとると馬力が減衰するのか結構疲れが来てしまう。そんなときは一休み。小林信也さんから1936年ベルリン五輪で水泳金メダルを取った前畑秀子さんについてメールで問い合わせがあったことを思い出し昔NHKのテレビ番組『その時歴史が動いた』に出演した番組を本にした一冊(KTC中央出版)を引っ張り出して読み直す。2001年9月に放送された番組は『その時歴史が動いた』の『前畑がんばれ ベルリンオリンピックの光と影』と題したもので司会(キャスター)は松平定知さん(懐かしい!)。軍国主義とヒトラー政権に押し潰されそうになった前畑さんとゲネンゲルさんが200m平泳ぎで競ったもの。前畑さんは32年のロス五輪で銀メダルを取って大喜びして引退しようと思ったのに4年後の金メダルを期待されてもしもゲネンゲルさんに負けたら帰りの船からインド洋に飛び込んで自殺を決意してのベルリン五輪。それが優勝という結果で良かったものの同様にヒトラーから金メダルを期待されたゲネンゲルさんは2位になってナチスドイツが戦争に敗れるまで姿を消す。そんな二人が40年後に再会して仲良く同じベルリンのプールで泳ぐシーンが最後に流れたときは松平さんの小生も泣いてしまって最後のスタジオのVTRは撮り直しとなったことを思い出した。昔のテレビは良い番組がありましたね。この本には関東大震災後に大援助を敢行して日米友好に寄与したアメリカ大使(ウッズ)の話や南蛮甲冑を手に入れて関ヶ原の戦いに勝った徳川家康の話なども載っていて読んでしまううちに晩飯。原稿完成は明朝ですね。

4月14日(金)
今朝は4時起き。『ZAITEN』の一橋大学院坂上康博名誉教授との6頁対談原稿をまとめる。ふううう。4時間半くらいかかって完成。朝食とって黒兵衛と散歩のあとチョイと仮眠して原稿の推敲・ブラッシュアップを繰り返して正午前に完成原稿をメール送稿。ふううう。昼飯食ってチョイ昼寝。続けて『ZAITEN』連載原稿に取りかかるが少々馬力不足を感じて(歳ですなぁ(>_<))中断。『ニューズ・オプエド』の準備をして夕方から本番。今日のゲストは3週連続スポーツライターの小林信也さんと元ラグビー日本代表で『真夏の甲子園はいらない』にもエッセイを寄稿してくれた平尾剛さん。阪神岡田監督が完全試合続行中の村上投手を交代させたことを3人で批判。まだ84球でしたからね。小林さん曰く「一種のパワハラ」。しかし監督の権力が全面出でる勝利至上主義の野球はつまらないですね。シャンソン化粧品女子バスケ部の騒動や日本のプロ野球の成績がメジャーに反映してることや香取慎吾のパラスポーツに対する援助などの話をして『真夏の甲子園はいらない』の出版を記念して高校野球の問題をいろいろ語る。おおおおーっとAmazonのレビュウでも五つ星を付けてくれた人がいますねえ。嬉しいですねえ。平尾さんには神宮外苑再開発反対の話も聞かせてもらう。番組あと『チコちゃん』見ながら晩飯。早朝からの疲れが出てベッドへ&爆睡。

CD
ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番/パガニーニの主題による狂詩曲』
ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番/パガニーニの主題による狂詩曲』
反田恭平のピアノ。バッティストーニの指揮はさすがイタリアン・カンタービレですね

4月15日(土)
歳をとると馬力がなくなるのは事実ですね。徹夜でなくチョイと睡眠を削っただけの仕事でも疲れが残る。まぁシャーナイですね。昨晩から今朝にかけては爆睡で本も読めず。ベッドを出れば雨。トホホ。結構強い雨の中を黒兵衛と散歩。青葉は雨濡れて綺麗。ソソクサと雲古を済ませて帰宅。チョイと仕事&小林さんと『真夏の甲子園はいらない』の販売戦略…と言うか普及を目指して電話で打ち合わせ。「高校生の読書感想文&甲子園改革案コンクール」なんてのをやりたいえですね。岩波書店も優秀作には『広辞苑』を賞品に提供してくれるのでやれればイイですねぇ。「甲子園で広辞苑を!」(笑)。昼からヨメハンと大船駅へ。おにぎりの昼食を食べながら総武横須賀線で錦糸町へ。先週に続いてトリフォニーホールでの佐渡裕指揮新日本フィルのコンサート。1曲目のレスピーギ『リュートのための古風な舞曲とアリア』は弦楽合奏の音が綺麗でしたね。先週の『アルプス交響曲』でも感じたけど新日フィルの弦は美しいですね。2曲目はラフマニノフ『パガニーニの主題による狂詩曲』は辻井伸行さんのピアノが絶好調。それに負けじと佐渡さんも新日フィルの音を思い切り響かせてロマン派音楽の粋がカンタービレが大爆発。感動ですね。ノブ君のソロ・アンコールも(曲名はわからなかったけど…ラフマニノフ?)の素晴らしかった!最後はドボルザークの『新世界交響曲』。いやはや見事な演奏で聴衆全員大満足。アンコールのスラヴ舞曲もバッチリ決まって気分もスッキリ。公演後佐渡さんに挨拶して帰ろうとしたら高校の後輩の音楽評論家の山田治生さんとバッタリ。コロナ以前以来かな。それに兵庫県立芸術劇場で佐渡さんのオペラのプロデューサーをしている小栗哲家さん(小栗旬のお父さん)夫妻ともバッタリ。お互い年とったねえ…などと「豊かな話」をして笑い合って『真夏の甲子園はいらない』を一冊プレゼント。総武横須賀線で大船へ帰って『鮨処もり山』で美味しく食事。仕事疲れの身体を癒やしたいちにちでした。おやすみなさい。

CD
『ブラームス:ピアノ協奏曲第2番』
『ブラームス:ピアノ協奏曲第2番』
グレン・グールドがコンサート活動をやめる前にバーンスタイン指揮NYフィルと残した名演。指揮者とピアニストのどっちがボス?というレニーの名演説も記録されてます

4月16日(日)
早朝ベッドでの読書復活。小野雅章『教育勅語と御真影 近代天皇制と教育』(講談社現代新書)これはナカナカ凄い。まだ3分の1くらいしか読んでないけど明治時代に教育勅語が作られ全国の教育機関に配布された直後から国際的開明派と保守守旧派との間で綱引きがあり開明派は教育勅語の改定や廃止を主張していたんですね。その先どうなったのか読まねば。ワンと吠える黒兵衛はトレーナーさんのところへ一泊していていないのでヨメハンと2人で朝のウォーキング。犬の散歩ではなく人間の散歩。エチオピア出身の人の家の前を通ると自動車を洗っておられた横からボーダーコリーが出てきて撫で撫で。犬の話いろいろしたあと結構な距離を歩いて帰宅。終日原稿書きは『ZAIEN』の連載「今月のスポーツ批評」。阪神岡田監督が村上投手の完全試合を「阻止」したことを批判。そう言えばレナード・バーンスタインがNYフィルを指揮しているときにピアニストのグレン・グールドをソリストに迎えてあまりにも自分の望むテンポから懸け離れた弾き方をするので演奏を始める前に"Whitch is the Boss? Conductor or Pianist?”と聴衆に向かって笑って問いかけたことがありましたね。今もCDに録音が残ってますが結果は見事に素晴らしい演奏になっています。野球のボスはどっちでしょうねぇ?監督?それとも選手?選手がボス(主役)のほうが世の中が爽やかになるのはWBCの日本代表チームが証明しましたね。ワン。黒兵衛は夕方我が家に帰還。そう言えば昨日の佐渡裕指揮新日フィルの演奏は本当に素晴らしかったけどサスガは墨田区のトリフォニーホールで客席に元琴欧洲の鳴門親方が部屋の取的(力士)を5〜6人引き連れて来ていましたね。親方は佐渡さんと対談した様子がパンフレットにも掲載されていました。二人とも同じくらいデッカい身長ですね(笑)。鳴門親方に握手してもらってヨメハンは喜んでたけど手もデッカかったですね。そう言えば佐渡さんの楽屋ではこれまでにプロレスラーの藤波辰爾夫妻やサッカーの岡田武史夫妻とも出逢ったことがありました。こーゆークラシック音楽の楽屋も珍しいかもしれないけどイイですね。晩飯はNHKスペシャルで日銀のドキュメンタリーを見ながら。エライ人は自分の間違いを絶対に認めないのかな?

CD
『ヤナーチェク:シンフォニエッタ/タラス・ブーリバ他』
『ヤナーチェク:シンフォニエッタ/タラス・ブーリバ他』
マッケラス指揮ウィーンフィルの素晴らしい演奏!村上春樹の小説にも登場する音楽は面白いですね
BOOK
池松舞『野球短歌さっきまでセ界が全滅したことを私はぜんぜん知らなかった』ナナロク社
池松舞『野球短歌さっきまでセ界が全滅したことを私はぜんぜん知らなかった』ナナロク社
はっはっは。トラキチは昔も今も必ずこんな遊びをするんですね。

4月17日(月)
朝のベッドでの読書は昨日に続いて『教育勅語と御真影』。明治天皇崩御のあと大正天皇が即位して初めて天皇の関係する学校の儀式に国旗(日の丸)が登場するのですね。「伝統」と見られてるものには意外と新しいモノが多いのですよね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。トレーナーさんにシャンプーしてもらった黒兵衛の黒い毛がピッカピカに光ってる。ブラーヴォ!ワン!終日デスクワーク。小林信也さんと『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)の出版を機にどんな動きを始めるか打ち合わせ。とりあえず以前『甲子園という病(やまい)』と題した新潮新書を出版されている氏原英明さんに連絡をして今週金曜『ニューズ・オプエド』リモート出演の了解を得る。氏原さんはサンパウロの生まれなんですね。甲子園と高校野球についていろいろ話のできる人の輪が広がるのは嬉しいですね。原稿を書いてるとナナロク社という出版社から池松舞さんの『野球短歌』という本が送られてきた。《いつまでたっても阪神が勝たないから短歌を作ることにしました》と帯に書いてある。ハハハハハ。トラキチは何でこーゆー自虐的にオモロイ人が多いのかな。《春の夜に067が示すのは大阪の電話と阪神の勝率》《阪神を応援する私のことを呆れた目で猫はもう見ない》《わたくしがピッチャーだったら旅に出る「みんなが打つまでかえりませんよ」》ハハハハハ。最近の虎は勝ってますけどね。バース掛布岡田の時代に「トラキチは奇人変人マゾ集団」という文章を書き21年ぶりの1985年の優勝後の凋落とともに『タイガースへの鎮魂歌(レクイエム)』(河出文庫)という結構売れた本を上梓した人間としては池松舞サンの短歌も応援したいですね。最近仕事の時はヤナーチェクの音楽ばかり聴いてるので晩飯の時にヤナーチェクのオペラ『利口な女狐の物語』を見る。美しい音楽に加えてパリ・シャトレ座の舞台が綺麗。利口な女狐って英語ではCunning Vixenとなるんですね。なるほど。「カンニング」には「巧みな・頭の素早い・ずるがしこい・抜け目ない」といった意味に加えて「可愛らしい」という意味もあるのですね。Cunning Woman 納得。

WEB
『映像の世紀バタフライエフェクト/ベルリン戦後0年』
『映像の世紀バタフライエフェクト/ベルリン戦後0年』
ドイツがウクライナの難民を大量に引き受けた理由がわった。自分たちも悲惨な難民経験があったのだ

4月18日(火)
朝の読書は『教育勅語と御真影』。なるほど学校が火事になったときに御真影を守ろうとして炎の中に飛び込んだ校長先生が何人もいたのか。それに対してタダの写真だからという意見や学校を守る方が大事という意見も出たけど校長は不敬罪に問われることを恐れたのですね。そして軍国主義が憲兵によって強化されるとともに御真影を「助け出した校長」も英雄視されるようになったわけですね。そう言えば戦時中四国の山奥に住んでいた母の親戚に堂々と軍を批判する婆さんがいて「竹槍でB29に勝てるわけがなかろうが。陸軍も海軍も馬鹿ばっかりじゃ」などと平気で言っていたので憲兵がやってきたときには慌てて山奥の炭焼き小屋に閉じ込めて隠したという話を聞いた。父は帝国陸軍軍曹として最前線で3度の負傷。小生はどっちの血も引いているのかな。光栄なことです。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。黄木香・紅躑躅・紫や青や赤の名前を知らない花も美しい。まだ4月だが「六月は一斉に花開く」という歌を思い出す。そう言えば画家の義父が満州の春は一斉に花が開いて美しかったと言っていた。美し地球で戦争をするのは人間ですね。ワン。終日で数ワークは『ZAITEN』の対談や連載を校正して『北國新聞』の連載コラムを書く。ふううう。阪神岡田監督村上投手の完全試合を「阻止」したことについてレナード・バーンスタインがグレン・グールドとブラームスのピアノ協奏曲を演奏したときに"Which is the Boss,soloist or conductor?"と問いかけた話を書きたかったけど文字数の関係で何度挑戦しても書き入れず削除したのは残念。しかしグールドがまだコンサート活動をしていてバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルと共演した1962年の録音は大名演ですね。ライヴ録音で終演と同時に観客が熱狂して拍手しているのもわかりますね。晩飯は昨日録画したNHK『映像の世紀バタフライエフェクト』を見ながら。『ベルリン0年』ヒトラー・ナチスの支配が終わった戦後ベルリンの大混乱から立ち上がったドイツ人の姿は見事でした。だから現在ウクライナ難民を大勢受け入れているという理屈は見事と言うほかありません。現在のウクライナ難民の悲劇ははかつての自分たちの姿だから助けなければ…と多くのドイツ人は立ち上がっているのですね。日本人も日本政府も見習わなければ。

WEB
『映像の世紀バタフライエフェクト満州帝国実験国家の夢と幻』
『映像の世紀バタフライエフェクト満州帝国実験国家の夢と幻』
映画の『ラストエンペラー』には描かれ切れていない満州国最後の皇帝の嘆きがよくわかりました
WEB
『NHK-BSドキュメンタリ−/カラーでよみがえる大英帝国/戦争へのカウントダウン』
『NHK-BSドキュメンタリ−/カラーでよみがえる大英帝国/戦争へのカウントダウン』
このシリーズはイギリスという国の様々な側面が見えて勉強になります。

4月19日(水)
『教育勅語と御真影』読み進む。いよいよ天皇制ファシズムの昭和初期に突入。教育勅語と御真影だけでなく国歌君が代と国旗日の丸が学校に入り込んでくる。学校が軍国主義思想伝播の拠点になったのですね。今はどうかな?ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは監督が主人公の野球よりも選手が主人公の野球を!ということで阪神岡田監督が完全試合ペースの村上投手を降板させたことを批判。ここぞとばかりにレナード・バーンスタイン指揮NYフィルでグレン・グールドがブラームスのP協第2番を弾いたときの"Which is the Boss?Soloist or Conductor?"の話をする。が…原稿を書き難かったのと同様に野球の話題にクラシック音楽の話題を持ち込むのはラジオ(話し言葉)でも解説は難しかったかな?ずーっと以前の長嶋一茂選手がプロ選手デビューした頃に小生は『ダ・カーポ』というマガジンハウスの雑誌の連載で大指揮者のエーリヒ・クライバーとカルロス・クライバー親子の話を書いて2世選手の一茂もカルロスを見習いレパートリーを少なくして(打率は低くてもホームランは素晴らしいとか走塁は見事とか)活躍してほしいという原稿を書いたらソレを読んだ音楽雑誌の編集者から次々と音楽の仕事の依頼が舞い込んだんだけど…時代は変わったかな?ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。その後終日デスクワークはかつて朝日新聞出版の『JOURNALISM』という雑誌の依頼で書きながら没原稿にされた原稿の復活作業。高校野球の甲子園大会を批判したら朝日新聞に没にされた…その経緯を『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)に書いたらソレを読んだ『ニューメディア』という雑誌の編集長から「ウチで掲載したい」という連絡があったので…。捨てる神あれば拾う神あり…ですね。晩飯は先々週にNHKで放送された『映像の世紀バタフライエフェクト』の『満州帝国・実験国家の夢と幻』を見ながら。ラストエンペラー溥儀の数奇な運命と大日本帝国と岸信介商工大臣(後の首相)のソビエトを手本にした社会主義計画経済の手法に改めて驚愕。そう言えばこの日の昼間NHK-BSで『カラーで蘇る大英帝国 戦争へのカウントダウン第1回ナチスの影』を放送していたので見てしまったけどヒトラーがドイツで勢力を伸ばした時代には英国にもファシズム政党が生まれて突撃隊のような黒シャツ隊が威嚇行進などをしたのですね。でも大勢の市民が抵抗して潰したのですね。民主主義の浸透している国は違いますね。はたして日本は…?

DVD
『ベニスに死す』
『ベニスに死す』
映画の冒頭のマーラーの交響曲第5番アダージェットが有名ですが3番のニーチェの詩の歌曲も見事に使われてます

4月20日(木)
連日ベッドで読んでる『教育勅語と御真影』はスゴイ!明治大正の頃は校舎が火事で御真影を守ろうと炎に飛び込んだ校長に対して命をかけてまでただの写真を守る必要はないとの意見も多かったのが昭和になると勅語謄本と御真影の「神格化」が進み戦争が激しくなると《「空襲又は非常時の場合の注意」として「万一の場合は身に代えて御真影の警備にあたること」と規定されるようになり》沖縄戦でも《御真影奉護隊》が結成されて米軍上陸の後もリュックに入れた御真影を守って山中を逃げ回って彷徨ったという。そして広島原爆投下の後も大混乱の中で《拝戴した御真影》は無事だったとの報告を文部大臣宛に送った例あったという。《神格化した天皇の肖像写真である御真影は人命よりはるかに重んじられた。「紙切れ一枚」を神として「崇め奉り」生命を差し出すことを厭わないように求める。これが戦時下の天皇制公教育の実態であった》こういう戦争のナマの恐ろしさは政治史を追うだけではわからないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。夏到来でTシャツ1枚。また寒さが戻るらしいけど春とはそんなモノですね。毎年のことを騒がないでいましょう。ワン。終日デスクワークは『ニューメディア』の仕事を一時休止して連合通信の連載『スポーツ玉手箱』のコラムを書く。BGMは昨日AVEX Classicから届いた佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団の演奏。ナント!!マーラーの交響曲第3番という超大作ではないか!ウィーン楽友協会合唱団にウィーン少年合唱団も加わりソプラノ歌手がヴィスコンティの映画『ヴェニスに死す』でも使われたニーチェの詩の一節を歌う演奏時間1時間40分という超々大作!この大作を佐渡さんはまるで器楽曲や室内楽のように一つ一つの楽器の音色を引き立てて演奏。見事ですねえ。いかんいかん。原稿が進まんではないか。夕方ようやく仕上げて晩飯は昨日に続いて『カラーでよみがえる大英帝国戦争へのカウントダウン』の第2回。ナチス・ヒトラーとの戦争を何とか回避しようとしたチェンバレン内閣の対ナチス宥和政策に従ってイギリス対ドイツのサッカーの試合ではドイツの国歌に対してイギリスの選手たちがナチス式の敬礼までしたのですね。プーチンをウラジーミルと呼んで何度も親しく会談していたのは誰だったでしょうねぇ?

BOOK
氏原英明『甲子園は通過点です~勝利至上主義と決別した男たち』新潮新書
氏原英明『甲子園は通過点です~勝利至上主義と決別した男たち』新潮新書
最近は勝利至上主義を否定する指導者(高校野球監督)も少なくないのですね
氏原英明『甲子園という病』新潮新書
氏原英明『甲子園という病』新潮新書
誰もが感じる高校野球の不条理、甲子園大会の矛盾がキチンと整理されて書かれています。野球好きに読んでほしい一冊

4月21日(金)
『教育勅語と御真影』は戦後に突入。天皇の軍装姿の御真影は回収されるのですがすべて「奉焼」されたのです。さすがにこんな熟語はATOKでも漢字変換できませんでした。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと昨日書いた連合通信の連載原稿を読み直して送稿。そして夕方の『ニューズ・オプエド』の準備。イラストレイターのタケ圓山さんが毎回送ってくれるイラストが面白かった。超不振の坂本が3割キープのオコエに代わって代打で登場して凡打に終わった試合は坂本の2000試合出場記録試合だけど完全な負けゲーム。これは週刊誌に騒がれた坂本への罰ゲーム?今日のゲストは小林信也さんと初登場の氏原英明さん。氏原さんは『甲子園という病』(新潮新書)や『甲子園は通過点です 勝利至上主義と決別した男たち』(同)の著書もある骨のある人物。オプエドでは『真夏の甲子園はいらない問題だらけの高校野球』(岩波ブックレット)の発売記念特集大4弾として『どうする?こうする!甲子園!』と題して高校野球甲子園改革案を存分に語り合う。3人で共通した意見は高校野球のスケジュールが1年を通して過密すぎること。野球以外のことは(勉強も?)まったくできないくらいですからね。春のセンバツは廃止。秋の大会は実力別リーグ戦でセンバツを行うならそこで面白い試みをやった高校を選ぶ。題して『センバツ野球博覧会』。イイでしょう!!様々な面白い意見を出し合ったけど高校生にもこういうアイデア大会に参加してほしいですなぁ。高野連さん!!やりましょうよ!『オプエド』の後は『チコちゃん』見ながら晩飯。何故野菜を食べる(噛む)とはシャキシャキしてるのか?は面白かった。細胞膜と浸透圧の問題ですね。風呂のあとワイン飲みながら『カラーで見る大英帝国戦争へのカウントダウン第3回大戦前夜』を見る。ナチスから逃れてイギリスに渡ったユダヤ人の子供たち。こういう過去があってもまだナチスを支持したり讃えたりする人々がいるのは何故でしょうねえ?

DVD
『アポロンの地獄』
『アポロンの地獄』
パゾリーニ監督の名作。映画として原作を超えていると小生は思ってます
WEB
『九大の100冊』
『九大の100冊』
九州大学が選んだ「名著100冊」に「ソクラテスの弁明」「罪と罰」「論語」「徒然草」「金閣j」などと並んで拙著「スポーツとは何か」が選ばれてます。大感激!

4月22日(土)
『教育勅語と御真影』は戦後に入ってもなかなかアンシャン・レジーム(旧体制)が消えないのですね。そう言えば小生も小学低学年の頃にはまだ正月元旦に登校して紅白饅頭をもらったりしたこともありました。それは戦前の四大節(元旦・紀元節・天長節・明治節)の学校行事の名残だったのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ準備して東海道線で東京へ。大手町から地下鉄東西線で早稲田へ。早稲田大学での日本スポーツ学会「スポーツを語り合う会」に出席する前に早稲田スポーツ・ミュージアムを見学。早稲田出身のスポーツマンの展示をいろいろ見たけど…演劇博物館で佐藤信と黒テントの特別展を見た方が良かったかな?文学部の教室へ足を運ぶと今日のシンポジウム「スポーツはもっと面白く味わい深いモノ」の司会役である長田渚左さんとバッタリ。パネラーであるやくみつるさんが来られているというので超久し振りに御挨拶。『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)を贈呈。どうか漫画にしてください(笑)。いろいろ話しているところへパネラーの元NHKの杉山茂さんも来られてコレまた超久し振りに御挨拶。『真夏の…』を渡そうとしたら既に購入して読み始めているとのこと。ありがたいこってす。シンポジウムはスポーツの面白話の連続。次号の『スポーツゴジラ』に抜粋が掲載されるそうですが小生も指名されたので長嶋茂雄さんの超ブッ飛び面白話などを紹介しました。杉山さんの大谷の5打席5三振を見てみたいという話もやくみつるさんの即興漫画も面白かったけどモウひとりのパネラーである元産経記者で産経映画社の佐藤修さんの持ち込まれた若い現役時代の長嶋の映像や昔の日本シリーズの映像に感激。水原・鶴岡両監督による巨人vs南海の頃は日本シリーズは「日本ワールドシリーズ」と呼ばれていたのですね。面白い!シンポジウムの最後に『真夏の甲子園はいらない』の宣伝を1分間させていただいて打ち上げパーティは遠慮して帰宅。早稲田は大船から遠いですからね。早稲田大学には小生の学生時代(と言っても半年もないくらいですが)河竹登志夫先生のシェイクスピア(ハムレット)論を「盗講」に通いましたが昔の面影が全くなくなるほど「綺麗に」なりましたね。今は「盗講」も教室内での喫煙もダメなんでしょうね。昔を懐かしむのは歳取った証拠ですかね。

4月22日(土)つづき
書き忘れましたけど拙著『スポーツとは何か』(講談社現代新書)が九州大学付属図書館の『九大100冊』に選ばれています!!これは《九州大学の先生方の推薦をもとに選ばれた100冊。時を経ても色あせないパワーを持った本ばかりです》とのことで何と!!ソフォクレスの『オディプス王』から始まって『ハムレット』『罪と罰』『若きウェルテルの悩み』『武器よさらば』『変身』『異邦人』から『徒然草』『方丈記』『奥の細道』『こころ』『羅生門』『金閣寺』などが並んでいます!!それに『ビーグル号航海記』『ファーブル昆虫記』『ガロアの生涯』さらに『論語』『ソクラテスの弁明』『方法序説』『野生の思考』『武士道』『夜と霧』『きけわだつみのこえ』『きみたちはどう生きるか』『苦海浄土』など並んで小生が書いた一冊『スポーツは何か』が97番目に紹介されているのです!!どの先生が推薦してくださったのか知りませんがコレほど嬉しいことはありません!!お礼を言うのもオカシイですがありがとうございました。このホームページを教えてくださった小野俊太郎さんにもサンキュー・ベリベリーマッチです!!100番目に選ばれている本がビアスの『悪魔の辞典』というのも嬉しいですね。『九大100冊』のURLです→https://guides.lib.kyushu-u.ac.jp/qu100/qu100_5

BOOK
多木浩二『スポーツを考えるー身体・資本・ナショナリズム』ちくま新書
多木浩二『スポーツを考えるー身体・資本・ナショナリズム』ちくま新書
これは名著です。これはスポーツ関係者全員に読んでほしい一冊です

4月23日(日)
『教育勅語と御真影』はいよいよ現代に突入。教育勅語の《部分的肯定》を公言した首相は田中角栄/福田赳夫/森喜朗…など大勢いて超国家的部分は否定しても《徳目の内容を肯定する発言が国会でも繰り返された》しかし《教育勅語に関する実証的研究が明らかにしたように教育勅語に示された徳目はそのすべてが国家に万一のことがある場合は一身を投げ出し「天壌無窮の皇運(永遠に続く天皇皇室の運命)」を助けるためにあるという国体論に立脚したものである。しかも教育勅語は全体として一つのものでありそれを部分的に解釈することは不可能であることもすでの明らかにされている》ナルホド。教育勅語を部分的にでも肯定して認めようとするのは政治的意図があるのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨日早稲田大学の構内や地下鉄乗り換えで結構歩き回ったせいか脚がチョイと疲れてる。脚の老化というのは過度な筋トレのあとのように感じられるものかな?とりあえず今日の散歩後のスクワット40回は中止。たまにはよろしおすやろ。ワン。終日仕事部屋の整理と掃除をしながら小生の拙著『スポーツとは何か』が『九大100(九州大学100選)』に選ばれたことを考える。それはメッチャ嬉しいことでスポーツ本としては小生の本一冊だけというのもチョイと寂しいですね。ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』カイヨワ『遊びと人間』ウィンパー『アルプス登攀記』中村敏雄『オフサイドはなぜ反則か』多木浩二『スポーツを考えるー身体・資本・ナショナリズム』ホセ・トレス『カシアス・クレイ』グットマン『スポーツと帝国』坂上康博『権力装置としてのスポーツ』…など選んで欲しいスポーツ関連本はたくさんありますからね。あ。それの本をたくさん引用したから小生の『スポーツとは何か』が選ばれたのかぁ!昼飯時に以前深夜にNHK-BSが放送したハンブルグ歌劇場のヴェルディのオペラ『ファルスタッフ』を見て聴いて…歌手も演奏も素晴らしいのだけど現代演出が少々汚らしいのが残念。でも久し振りに見聴きした『ファルスタッフ』はやっぱり最高に素晴らしいオペラだと再確認しました。晩飯映画劇場はデンゼル・ワシントン&ジュリア・ロバーツ主演の『ペリカン文書』。最高裁判事の暗殺が大統領とホワイトハウスの陰謀であることを突き止めて命を狙われる女子大生がどうなる?という話。最初は政治ネタ硬派映画かと思いきや途中から完全にハリウッド娯楽サスペンス映画。見なくても良かったですね。寝る前にワイン飲みながら見たNHK-Eテレの文晁の仏画とオルガン演奏とドイツのオルガンのドキュメンタリーのほうがずっと素晴らしかったです。

4月24日(月)
小野雅章『教育勅語と御真影 近代天皇制と教育』(講談社現代新書)読了。最後は森友学園。土地問題や安倍昭恵氏との関係がギクシャクして被害者のようなカタチになった籠池夫妻ですが《幼稚園児に教育勅語を毎朝暗誦させ「愛国行進曲」「海ゆかば」「軍艦マーチ」まで歌わせいた》ことも忘れてはならないですね。《第二次安倍内閣による教育勅語の教材化一部容認の閣議決定(2017年3月)菅義偉内閣による日本学術会議会員任命拒否問題(2020年9月)(略)さらに岸田政権が閣議決定で強行突破しようとしている防衛費問題(財源についても曖昧なまま軍備増強だけが独り歩きする状況)(略)この状況はすでに「戦前」ではないかとの議論も今や生じている》そう言えば雑誌『ZAITEN』5月号の対談『佐高信の賛否両論』で元外務審議官の田中均氏がこう言ってます。《国会答弁で岸田首相が防衛費のプライオリティが高いと言ってましたが少子化対策や科学技術振興に比べ圧倒的にプライオリティが高いわけではありません。(略)防衛とはいざというときの備えであって闇雲に防衛費を増やすものではありません。海上自衛隊現場トップの自衛艦隊司令官を務めた香田洋二氏は「身の丈を超えていると」と警鐘を鳴らしています。防衛費が足りないとずっと言ってきた現場の人間でさえ難色を示しています》どうしてこんなことになっちゃったんでしょうねえ?アメリカにゴマ擦って兵器を沢山買って総理を長く続けたいと思うとこうなるのでしょうか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは『ニューメディア』の依頼を受けた原稿に注釈を加える作業。朝日新聞出版の月刊誌『Journalismジャーナリズム』が10年前にボツにした原稿の復活作業ですね。もちろん原稿そのものの手直しはません。朝日『Journalism』の編集長が何故ボツにしたかを読者に考えてほしいですからね。すべて注釈で処理。しかし朝日新聞社はいつまで真夏の甲子園大会を今のままのカタチで続けるつもりなんでしょうねえ?氏原英明さんの『甲子園という病』(新潮新書)の帯にはこう書かれています。《壊れる投手・怒鳴る監督・酷暑の日程・考えない選手》嗚呼!小生と小林信也さんとの共著『真夏の甲子園はいらない』(岩波ブックレット)の帯にもこう書かれています。《(いらない)理由は猛暑だけじゃない!国民的ビッグイベントの犠牲となる球児たち/野球を高校生の手に取り戻すために私たちは何をしなければならないのか?》朝日新聞社の人とも一緒に話し合いたいですね。晩飯は神奈川テレビで吉本新喜劇を見ながら。スッチー一座はめっちゃナンセンスで面白パワー大爆発ですね(^_^)

4月25日(火)
早朝ベッドでの読書で玉置悟『地政学と冷戦で読み解く戦後世界史』(講談社)読み始める。面白い。イギリスとロシアは19世紀初めから20世紀初頭まで100年間に渡ってロシアと"グレート・ゲーム"と呼ばれる対立状態と"戦い"を繰り広げていたのですね。アメリカの南北戦争で南軍を支援したのはイギリスで北軍支援はロシア。日露戦争で日本を支援したのはイギリスで2度にわたるアフガン戦争でイギリスはロシアの南下を阻止。アメリカの日本に対する原爆投下はソ連への脅しでイギリス(チャーチル)はナチス敗戦ベルリン陥落後にモスクワへの進撃まで考えていたのですね。パットン将軍はそのことを知っていたのかな?現在のウクライナ戦争の背景を知るためにもこの本は読まねば。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと昨日書いた『ニューメディア』への原稿を再チェックしてメール送稿のあと『戦後世界史』読み続ける。第二次大戦終息のための会議がイランのテヘランとクリミア半島で開かれた意味を考えなければ…こういう話は現在のウクライナ戦争の「戦争ゲームの解説」を語る有識者たちは教えてくれませんからね。

4月26日(水)
玉置悟『地政学と冷戦で読み解く戦後世界史』意外と(と言うと失礼だが)面白く勉強になる。現在のウクライナ戦争におけるトルコ(かつてのオスマン・トルコ帝国)の微妙な立ち位置がよくわかる。アメリカは覇権大国的あるけどそれが長続きしているのは民主主義を奉じているからですね。イギリスが過去の植民地主義を脱して生きながらえているのもアメリカ民主主義にある足並みを揃えているからですね。それに較べて全体主義国家のソ連は崩壊。さてプーチン・ロシアや習近平中国はどうなるのか。イロイロ考えさせてくれる一冊ですね。オリンピックはパリやロスでやるよりトルコのイスタンブール開催が面白いかも。ワン。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはメジャーで大谷投手も捕手とのサイン交換に用いている無線機「ピッチコム」の話。1980〜90年代の日本のプロ野球では「サイン盗みのスパイ合戦」が盛んで(中心は阪急ブレーブスのスペンサーや上田監督&南海ホークスの野村監督&広島カープの古葉監督&阪神タイガースのSコーチ&近鉄バファローズの某スカウトなどだった)スポーツメーカーのM社が無線装置を備えたグラブとミットをキャンプに持参したところ上田監督が即座に「アカン。ジャミングでオシマイや」と言った話などを披露。ジャミングとは妨害電波のこと。ヘルメットの耳当てに受信機を入れていた打者が妨害電波の強烈なキーンという雑音に思わずヘルメットを脱いだこともあったようです。リーグで試合時間短縮のために開発したメジャーと各チームが「勝つ」ために勝手に開発した日本のプロ野球の違いですね。嗚呼。ワン。ベッドを出て土砂降りの雨のなか黒兵衛と散歩。雲古をさせてそそくさと帰る。ワン。本HPの更新原稿を作っていると小林信也さんから連絡。明後日の『ニューズ・オプエド』のゲストに太田幸司さんの電話出演が決定したとか。太田さんは荒木大輔→ハンカチ王子(斎藤佑樹)につながる初代甲子園アイドル!真夏の甲子園開催大賛成派の意見にも『オプエド=Opposite Editorial』としては耳を傾けるべきですからね。すぐに小林サンに教えてもらった太田さんの携帯に電話。「パソコンの使い勝手に慣れてなくて電話出演ですいません」と言う太田さんに「いえいえ。われわれ真夏の甲子園反対派として少々キツイ質問をするかもしれませんがヨロシク!」「ハイハイ結構ですよ」と言われて電話を切ってから改めて気付いたけど小生は太田さんと同年齢なんですね。明後日の『ニューズ・オプエド』での会話が楽しみです。

4月27日(木)
『地政学と冷戦で読み解く戦後世界史』読み続ける。「第1部第4章朝鮮戦争の謎を解く」で気付いたのは過去に朝鮮戦争に関する詳しい解説を読んだことがなかったということ。映画も『マッシュ』と『ブラザーフッド』くらいしか見てませんからね。マッカーサーが原爆使用を主張して解任されたと思ってたけどそれほど単純ではなくペンタゴン(アメリカ国防省)も原爆使用の具体的作戦は考えていたし大統領選を視野に入れたマッカーサーは台湾を巡って中国との直接開戦も仕掛けていたんですね。こういう現代史の流れの先端に現在の東アジア情勢があることを頭に入れておくべきですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと本HPの更新原稿作り。1か月に1回の作業だけに時間がかかる。夕方までかかってHPをメンテナンスしてくれている(株)ビットさんのスタッフに送稿。ふうううう。晩飯のあとはテレビの録画映像のなかの未視聴番組『NHK-BS世界のドキュメンタリー』を発見したのでソレを見ながら。スペインのテレビ局が制作した『私はナチスを欺いた/女性スパイの知られざる素顔』ソビエトの社会主義革命で滅びたロマノフ朝ロシア貴族の末裔がドイツに亡命。共産主義と闘ったナチスのスパイとしてジブラルタルでイギリス軍艦の破壊工作を手伝うがナチスの反ユダヤ非人道的な行動を知ってイギリスの諜報機関に歩み寄り二重スパイとして命をかける。子供時代にその行動を共にした娘の証言が生々しかったけどスペイン・イベリア半島の先端にあるの英領ジブラルタルも朝鮮半島もクリミア半島も台湾海峡と台湾も…どれも地政学的には「最先端(突端)」の紛争地帯になってしまう運命にあるのか…これこそ国連の出番のはずですが…。

4月28日(金)
玉置悟『戦後世界史』面白い!第二次大戦直後の冷戦から始まった米ソの核開発競争と同じ技術的なことを今の北朝鮮がやってるのですね。キューバのピッグス湾事件の失敗で権威を失墜させたアメリカのCIA長官はアレン・ダレス。そのキューバ上陸作戦やキューバ爆撃に反対してソ連からのミサイルを大西洋上の封鎖で阻止したケネディ大統領が暗殺されたあとのウォーレス委員会に何故かCIA長官を辞任(解雇?)されたダレスが委員のひとりとして参加していたのですね。そして暗殺はオズワルドの単独犯行で一件落着。《国内の捜査はFBIのはず》なのに何故元CIA長官が?謎ですね…。スパイ機U2の詳しい話も面白かった(U2はエンジンを付けたグライダーなんですね)けどU2については空軍職員として追跡任務に従事していたR・ホワイティングの話も面白いですよ。彼の著作『ふたつのオリンピック』(KADOKAWA)に詳しく書かれています。翻訳は小生です(^_^)ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと『ニューズ・オプエド』の準備やらナンヤラカンヤラ。今日のゲストは元祖「甲子園のアイドル」の太田幸司さんとスポーツライター小林信也さん。太田さんは快く電話出演を引き受けてくださったけど1969年の夏の甲子園大会決勝で延長18回0対0引き分けを一人で投げ切って翌日も9回完投。色白ハーフの顔立ちで近鉄バファローズに入団した時は本拠地日生球場に女性用トイレが増設されたくらいでしたね。その太田さんをゲストに迎えて昭和のおっさんの(失礼)「根性論」を拝聴する。いやはや傾聴に値する内容で小林君も小生も感動。延長18回では262球を投げられてプロでは現鋭気生活12年。2桁勝利を3度(通算58勝85敗)甲子園の後遺症は?と訊くと「練習では1日500球くらい投げてましたから全然平気でした」甲子園大会では4千校くらい参加して1回戦で2千校が負ける。1試合しかできない学校が2千校もありますが…。「それが良いんですよ。優勝校以外はみんな負ける。世の中に出たら理不尽なことが多いのですからそういう訓練も身に付けないとダメ」小林さんも言ってたけど結局は「勝者」の論理ではあるけど女子野球も応援されて「昔のやり方をみんな悪いと言っちゃダメ。良いものは良いと残して変えるべきところは変えていかなきゃ」…でこの番組は今も一部視聴可能です。https://op-ed.jp/『オプエド』のあと『チコちゃん』見ながら晩飯&『戦後世界史』ドンドン読みたいので早々とベッドへ。いよいよベトナム戦争です。

4月29日(土)
『戦後世界史』はアメリカが負けるべくして負けたベトナム戦争。ホー・チ・ミンは別に共産主義者ではなく民族主義者としてベトナムの独立を目指したのですね。ニクソン&キッシンジャーはピンポン外交よりもドルと金の交換禁止とオイルダラー政策に注目すべき何ですね。以来世界経済はカジノ資本主義になったわけですね。そして日中国交回復。経済優先で回復させた日中関係に政治を入り込ませて邪魔するのは田中角栄を「ロッキードで葬った(?)」アメリカのパワーか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「目に青葉。山不如帰。初鰹」日本語では緑も青なんですね。ワン。朝のうちにチョイと雑務のあと午後から京浜東北線で磯子へ。行きつけのタイガース・ファンの美容院で4か月ぶりに散髪整髪。WBCの話や再起乳良いベイスターズの話などをしながら長くなった髪の毛を切ってもらう。『真夏の甲子園はいらない』(岩波書店)をプレゼント。表紙のタイトルを見たとたん「そうですよねえ。あの暑さのなかでどうするんですかねえ」。それは誰もが思うことですよね。でも暑さ以外にも問題山積みですから朝日新聞社にも本気で考えてもらわなければいけないですよね。ジャーナリズムを担うべきメディアが主催社から退くことも含めて考えてほしいですね。帰宅後テレビで柔道の日本選手権。面白くない試合が多い。「指導」なんかなくして時間無制限1本勝負にすべきでは?女子は何故一緒に武道館でやらないの?やらせないの?こーゆーところから直さないと日本のスポーツはいつまで経っても発展しませんよね。晩飯は『博士ちゃん』の「怖い動物ベスト20」を見ながら。美しいクラゲやタコに感動。美しいモノほど怖いのですね。時々野球見ながら初鰹。プロ野球も早くピッチクロックを導入するべきですね。

4月30日(日)
玉置悟『地政学で読み解く戦後世界史』(講談社)読了。なるほど冷戦の終了とアメリカ・ネオコンの台頭以来東西ドイツの統一とベイカー国務長官のNATOは1インチも動かさないという嘘発言からプーチン・ロシアの今日の「反撃」まで歴史(現代史)は延々とつながっているのですね。いや大英帝国がロシア封じ込めでアフガン戦争を行った19世紀末の「英露のグレート・ゲーム」が英と米がくっついてまだ続いているのですね。中国の台頭はその際に英が新疆ウイグル地区を中国に譲って以来のことと考えると七つの海を支配した英も陸では失敗したと言えますね。さて「平和」とは歴史的に考えて「大帝国の帝国内での現象」でしかないと思えるのは悲観的に過ぎる考えでしょうか?しかしコノ一冊の本がなぜ小生に贈られてきたのかは未だに謎ですが勉強になりました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。雨模様の黒い雲を恐れながらソソクサと退散…と書いてソソクサの意味をネットで調べたら韓国語で「所属社(所属事務所)」のことと出ていた。へええ。それでKポップのタレントは活躍期間が短い?というのは無関係ですね。ワン。世の中はゴールデン・ウィークらしいですね。別に何処かへ行きたいという歳でもないので『源氏物語』でも読みましょか。それとも『チボー家の人々』?『戦争平和』?なんて思いながら自嘲気味に哄笑しながら仕事部屋の掃除。晩飯は「ダーウィンが来た!」を見ながら。野菜が花を咲かせるのは面白かったですねえ。大根の花は知っていたけど人参の花や2m近い高さの茎に咲くキャベツの花は知らなかったなあ。ジャガイモの花は知っていました。コロンブスのアメリカ発見200周年記念でボリビアへ行かせてもらった時にジャガイモのふるさとの高度3500mのアンデスの高原へ行きましたからね。昔のテレビはバブリーだったですね。テレビだけじゃなかったですね。今は…?バブリーなのは防衛費だけ?どこから泡(バブル)を湧き出させるのかな?

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