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4月1日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。峰竜太さんや大谷昭宏さんにオーケストラの指揮をやったんやでぇと自慢(アホやで)。ゲストの二木啓孝さんに「次はオペラ?」といわれたので「もちろん!」と即座に答えてしまう(徹底的にアホやで)。新年度で峰さんのアシスタントの女子アナが吉井和歌子さんから清水美紀さんに交代。ミス着物のミキティ。紹介されても頭の中は行進曲(エエカゲンにせい!)。書き忘れてましたがこの前のコンサートは小生の指揮なんかどうでもエエことで聖響さんの指揮した『ローマの松』が大評判の素晴らしい演奏会でした。

4月2日(日)
満開の桜が早くも花片を散らしはじめる。おまけに夕方から春の嵐。散ればこそいとど桜は愛しけれ憂き世に何の久しかるべき。

4月3日(月)
昨日の春の嵐のおかげか桜の枝越しに青空をバックにして巨大な富士山が裾野までくっきり。美しい!ほんまに美しかった。次女が就職で初出社。看護師でも入社式というらしい。まあ入院式はオカシイですな(笑)。我が家で初の本格的社会人誕生!(爆)長男はベースギターを持って家を出て下宿開始。長女は宇宙人と一緒になってM27惑星へ(笑)。ついに家には老夫婦(笑)のみになったか・・・と思ったら次女の勤める病院が自宅から近いらしくアパートを引き払って戻ってきた。一番騒々しい奴が・・・。まあ勝手にせい。悲喜こもごも。桜とともに新年度やなぁ・・・。

4月3日(月)つづき
近隣の無謀な開発にストップがかかった!4月から鎌倉市の新条例施行に伴い新たに開発される宅地の前の道路幅がこれまでの6m以上から6.5m以上に変更。その結果我が家近くの開発計画(道幅6m)はボツ!開発業者と市役所の一部職員は3月以内の滑り込み工事認可を画策したようだったが期限切れ。これも「御近所の底力」のおかげ(市長も最後はこの杜撰な工事計画の認可申し込みを受理しなかったようだ)。しかし宅地にかわる新たなマンション計画もあるようで油断はならない。早く鎌倉市の新たな総合的緑地保全計画が打ち出されないと・・・。

BOOK
小林英夫『満州と自民党』(新潮新書)
小林英夫『満州と自民党』(新潮新書)

4月4日(火)
昨日仕事をやる気の失せる事件が発生。集中力ゼロ。こういうときは頭を別方向に向けるしかない(原稿をお待ちの編集者の皆さんスイマセン)。『ヒトラー最後の12日間』をDVDで見る。なかなかの作品。日本にも『日本のいちばん長い日』という岡本喜八監督の名作があるが今頃『大和』を映画化するくらいなら誰か旧満州時代の「二キ三スケ」(東条英機、星野直樹、松岡洋右、鮎川義介、岸信介)と石原莞爾の物語でも映画化してくれないものか・・・。夕方から通夜に参列。小生にとっては少々ショッキングな葬儀。合掌。

CD
『禁じられたオペラ』

『禁じられたオペラ』

『ダニエル・ハーディング/モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』全曲ライブ・イン・エクサンプロヴァンス』
『ダニエル・ハーディング/モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』全曲ライブ・イン・エクサンプロヴァンス』

4月5日(水)
どうせ原稿書けんし(編集者の皆さんスイマセン)指揮者のダニエル・ハーディングのリハをオペラシティへ見に行く。いや聴きに行く。マーラーの交響曲2番『復活』。細部への徹底したこだわりが全体の豊かさにつながるところがスゴイ!休憩時間に金聖響さんが「この人スポーツライターやけどこないだ指揮もしよった人ですねん」と英語で紹介してくれたら(どないな英語やねん・笑)ハーディングが「グレイト!」といったので「オンリー・スリー・ミニッツ」というと「イナフ!」。そう。十分です。バックステージでタケミツホールの出口がわからず迷ってると東フィルの人に「客席で顔を見つけたのでオリンピック・マーチをもう一度振ってもらおうかとみんなで言ってたんですよ」と冷やかされる。冷やかしでもうれしいことです。落ち込んでた気分が少しは回復。帰りに渋谷のタワーレコードに寄ってバルトリの新譜(『禁じられたオペラ』と題されたバロック・オペラ・アリア集)やスティーブ・キューン・トリオの新譜(ジャズ版『亡き王女のためのパヴァーヌ』や『白鳥の湖』の入ったCD)やカラヤン指揮のヴェルディのオペラ『トロヴァトーレ』(コレッリ、プライス、シミオナート、バスティアニーニ、ウィーンフィル)を買う。かなり気分が回復。ストレス解消は音楽に限りますな。

4月6日(木)
誕生日。54歳になる。特に感慨はナシ。昨日のリハに大感激したので本番にも行く。素晴らしいマーラー!頭の中に残ってるワルターやバーンスタイン(2度目の録音)の演奏がぶっ飛ぶ。時代は変わるのだ。そういえばパリ在住のピアニストとフルーティストであるお隣さんが昨夏帰国した折にエクサン・プロヴァンス音楽祭でのハーディング指揮パトリス・シェロー演出のモーツァルト『コジ・ファントゥッテ』が素晴らしかったといってパンフレットをくださったことを思い出す。『ドン・ジョヴァンニ』はCDを持っていて愛聴盤になってる。ハーディングは本物ですな。次はオペラを見てみたい。帰りに『213』でちょっと誕生パーティ。マスターがハッピー・バースデー・ケーキを作ってくれる。最近ドルチェを旨いと感じるようになった。それが54歳ということか?

4月7日(金)
久しぶりにかかりつけの医者へ。血圧が少々高いこと以外はノープロブレム。「最近体重も減りましてね。105キロが95キロになりました」というと「そんなの誤差の範囲」といわれた。「運動してる?」と訊かれたので「犬の散歩をしてます」と答えると「それは犬の散歩」といわれる。オモロイお医者さんや。民主党党首選の最後の演説で小沢・菅両氏ともWBCで優勝した王ジャパンを引き合いに出していた。そうか。民主党は戦略も戦術もなくても個々人の力で勝ちさえすればエエということ?まあ、それがホンネかもしれませんが・・・。

4月7日(金)つづき
娘の読んでる雑誌をパラパラと見ていて「高血圧」を英語で「ハイパーテンション(hypertension)」ということを発見。初めて知ったけど納得(笑)。

4月8日(土)
モーツァルト・イヤーにちなむCDを・・・というアンケートが来たのでグルダのピアノ演奏を推薦。最近小生がはまっているのはグルダの『ファースト・レコーディング』でモーツァルトの他にバッハやショパンやドビュッシーも入ってるもの。ただし輸入盤で手に入れにくいはず(タワーレコードならあるかな)。ジャケット写真のふさふさの髪の毛の美男子顔にも驚くが演奏は晩年と同じ優しさ満点。栴檀は双葉より・・・なんやな。いろいろ雑務を処理して夜は鮨処もり山へ。小生のHPを見て足を運んだという若夫婦のお客さんがいた。なんか嬉しいな。

4月9日(日)
一週間の勤めを終えた娘のストレスを聞かされる。女房は家が片づかへんと嘆く。フィガロ(猫)はそこらじゅう走りまわる。佐吉(犬)は散歩へ連れて行けとウルサイ。今日は日曜日やぞ!誰が主人やねん!アタマに来て仕事を放棄(笑)。すると『トゥーランドット』のLD(レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場)を見ていて大発見!タモリ倶楽部の空耳アワーに投書するぞぉ!(中味は内緒です・笑)

4月10日(月)
大阪へ。毎日放送『ちちんぷいぷい』生出演。今日から2時開始の4時間番組。長い。久しぶりに掛布さんに会えて良かったし太平サブローさんや桂ざこば師匠とも話せたので面白かったけどこれまでの3時間に較べて4時間は長い。番組終了後ディレクターから「人間の体って不思議なもんですぐに慣れまっせ」といわれて苦笑。舞台裏のオモロイ番組はオモロなるはずやな。帰宅したら仕事から帰って晩飯を食い終えた娘がソファで寝とる。誰がこの家の主人やねん!?

4月11日(火)
さぁ!原稿書くぞ!と思ったら女房が「佐吉(犬)のワクチン注射について来て」。これが大変。何しろ注射嫌いの犬で大暴れする。いつぞやは押さえつけたら抵抗されて噛まれこともあった。が、仕方ない。1年に1回はしておかねば。ところが今回は意外と温和しかった。これまでは狂ったような目をして暴れ出した野良犬が哀れみを浮かべた目できゅいーんとないた。歳を取るとはこういうことか。飼い主くらい噛んでもエエから暴れんかい!と思いながらもヨシヨシとお腹を撫でてやる。原稿をちょっとしか書けへんかった言い訳(に、なってへんかなあ・・・)。

4月11日(火)つづき
書き忘れていたことですが拙著『スポーツとは何か』がまたまた増刷決定で10刷となりました。目指せ!ロングセラー!

4月12日(水)
福岡ソフトバンク・ホークス王監督にインタヴューするため千葉マリンスタジアムへ。WBCについていろいろ改めて訊きました(詳細は次号の『スポーツ・ヤァ!』を読んでください)。そのあと千葉ロッテマリーンズのフロント関係者と歓談。「WBC効果」は実態としては感じられないがマリーンズの現在までの入場者数は去年の同期を上まわってるとか。スタジアムの指定管理者にもなって新設された「マジック・バー」(試合に飽きたときはテーブル・マジックを楽しむことのできるバー)や「パーティ・シート」(ガラス張りの部屋で野球を見ながらパーティのできるコーナー)を見学。マリーンズはがんばってはりますな。いやホークスも博多では連日満員で九州地方のテレビ中継ではテレ東系のテレビ局が『お宝鑑定団スペシャル』のネットをはずしてまでホークス戦の中継をしたとか。視聴率が落ちてるのは巨人だけ。その巨人が今年は勝ってるけど・・・。勝てばいいのか・・・。勝たんとアカンちゅうのんはスポーツ・ビジネスとはいえへんで。そもそもスポーツとは勝ったり負けたりするもんなんやから。

4月12日(水)つづき
今日のRKB毎日『中西イッセイのスタミナラジオ』の電話出演は金本選手の話をしたが先週は城島選手の話。そのとき城島健司のことをジョージ・マッケンジーと紹介したら中西イッセイさんが大笑いした。このギャグはまだ意外と広まってないのかな?

4月13日(木)
一日中メールの整理とFAXの整理と原稿の校正に忙殺される。やっぱり秘書が必要なんかな・・・。いや、仕事をこんなに引き受けへんかったらエエだけのことやわな(笑)。いや、仕事の手順が悪いのかな・・・。時間の使い方が下手なんや・・・。なんて書きながら『満鉄調査部 「元祖シンクタンク」の誕生と崩壊』(小林英夫・著/平凡社新書)読了。『満州と自民党』(右下参照)を読んでから「元祖シンクタンク」にちょいとのめりこみそう。そういえばかつてェ仁親王殿下(髭の殿下)から「スポーツ・シンクタンクを創りなさいよ。日本に必要だよ」といわれたことがあった。勉強せんと・・・。

4月14日(金)
ネルソン・フレイレの弾くブラームス『ピアノ協奏曲1,2番』のCD(シャイー指揮ライプチヒ・ゲバントハウス管)を繰り返し聴きながら終日原稿書き。そろそろ今年も我が家でのスポジャー実践塾第3期生の卒塾式(破門式?・笑)のスケジュールを考えるか・・・。嫁はんに筍御飯を作ってもらわねば・・・。

4月15日(土)
講演会のため福島へ。着いてすぐにローカル線の駅舎のなかにある蕎麦屋さんへ。この十割蕎麦がメチャ旨かった。おまけに主催者の方が小生の本をきちんと読んでくださっていて小生のスポーツに対する考えを理解したうえでの打ち合わせ。こういうご招待が一番嬉しい。去年神戸で為末選手らとシンポジウムをしたときの主催者であるNPO法人の福島大学K教授も教え子を連れて駆けつけてくださった。しかも拙著を25冊も買ってくださって聴衆の皆さんに抽選でプレゼント。おみやげに純米大吟醸『舞』とケーキをいただいてハッピー。講演に呼んでくださる方はこういう感じでよろしく(笑)。

BOOK
小川忠『原理主義とは何か アメリカ、中東から日本まで』(講談社現代新書)
小川忠『原理主義とは何か アメリカ、中東から日本まで』(講談社現代新書)

4月15日(土)つづき
新幹線のなかで『原理主義とは何か アメリカ、中東から日本まで』(小川忠・著/講談社現代新書)読了。勉強になった。夜帰宅すると長女が遊びに来ていた。連れ合いに三枝成彰が作曲した“ロック音楽”『グラジェーションミサ』を聴かす。こんなトランスミュージックが20年以上も前に日本で創られていたことにはかなりショックを感じたようやけどクラシック音楽は常に前衛なんですよ。

4月16日(日)
近隣の自治会総会に出席。昨年度(3月まで)の無謀な乱開発計画は阻止できたもののまだ開発業者はあきらめてないらしい。

4月17日(月)
原稿が書けへんでアタマがポワ〜ンとしてるところへポン友から電話。「飲みに行こ言うてたスケジュールやけどな。おれが空いてるのは今日と明後日と・・・」「今日にしよ。今日に」「ヨッシャ」持つべきものは友ですな。この電話のあとコラム1本サッサと書いて鮨処『もり山』へ。互いのガキの話から国際情勢まで。そういう広範な話のできる相手を友というに違いない。ビール中瓶5本。焼酎ロック4杯。ま、月曜やし。その程度で。

4月18日(火)
家の周りの木々の青葉が目に浸みはじめる。きれいやな。毎年この時期桜よりも若葉のほうが綺麗と思う。桜のあとに青葉・・・。ロビエス・ピエールのあとにナポレオンか?違うな。メンシェビキのあとにボルシェビキか?これも違うな。明治維新のあとに・・・ようわからん。とにかく自然のほうが偉大やということやろな・・・(笑)。あ。モーツァルトのあとにベートーヴェンということかな・・・。

4月19日(水)
大急ぎで短い原稿を仕上げて東京へ。打ち合わせ3本とテレ朝『サンデープロジェクト』のVTR取材に応じたあと野球文化学会の総会に少しだけ顔を出す。鳥井守幸さんなどの設立当初の幹部が顧問に退いて上田龍君などの新しい幹部が就任。おもしろそうやし今後は応援していきます。さらに夜にも4本目の打ち合わせの仕事が入ってしまったので『プロ野球は崩壊する』の著者大坪教授や豊田泰光さんや田村大五さんらに挨拶して早々に失礼。東京での仕事をイッペンに入れるのもほどほどにせんとあかんなぁ。くたびれた。

4月20日(木)
頭を切り換えて土曜日の『オペラ講座』の準備。今期のテーマはオペレッタ(蔵出しコラム音楽編参照)。モーツァルト、ロッシーニからJ・シュトラウス、オッフェンバックまでのオペラ・ブッファとオペレッタを改めて見なおし編集していたら喜歌劇と軽歌劇の違いに気づいた。どっちもオペレッタの訳語とされてるけどモーツァルトのオペラ・ブッファは喜劇(喜歌劇)やけど軽くはない(軽歌劇ではない)。ヴェルディの『ファルスタッフ』やプッチーニの『ジャンニ・スキッキ』も喜歌劇だが軽歌劇ではない。オッフェンバックの『ホフマン物語』は喜歌劇。『天国と地獄』や『美しきエレーヌ』は軽歌劇。バーンスタインの『キャンディード』は喜歌劇。『オン・ザ・タウン』や『ワンダフル・タウン』は軽歌劇。こう考えるとわかりやすい。なるほど・・・と自分で納得。

4月21日(金)
大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。角さん休み。それよりメンバーが千堂あきほさんから未知やすえさんに変更になったほうが・・・いえ。なんでもありません(笑)。定食コーナーも変わってこの場かぎりでしか食えへん旨いモンのコーナーに変更(タイトル忘れた)。これが最高!東京広尾のフランス料理店のブーダン・ノワールとかなんとかいう豚の血の腸詰めの真っ黒に焼いたのをいただく。赤ワインとバッチリでメッチャ美味い。エエ番組や(笑)。終了後totoの「破綻」に関する取材を受けたあと名古屋泊。

4月22日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。殺伐とした事件の多さに唖然。家庭の問題やと思うけどもちろん社会問題でもある。唖然とばかりはしてられへん(なにかやらなアカン)歳になってきたことを自覚。野球の話題で峰竜太さんが「今年は巨人が突っ走って・・・」といったので「いまにプレイオフ導入はやめようなんていいだすのでは・・・」と答える。大谷昭宏さんが喜んでるけどいつまで巨人ファンを続けるつもりなんやろ?(笑)午後から栄中日文化センターでオペラ講座。バーンスタインの『キャンディード』からオッフェンバック、ヨハン・シュトラウス、ロッシーニ、モーツァルトを遡ってヴェルディ(ファルスタッフ)とプッチーニ(ジャンニ・スキッキ)に寄り道して再びバーンスタイン(ワンダフルタウン)までもどって喜歌劇の歴史を概観。こういう講座は自分も楽しい。

4月22日(土)つづき
名古屋から京都へ。久しぶりに祇園の『金星』で女房と食事。旨い!そのあと酒肆『G』へ。カルバドスとフェルネ・ブランカと胡桃のリキュールで気持ちよく酔っぱらう。

4月23日(日)
京都六道『珍皇寺』へ。正月も春のお彼岸もサボった墓参りを久しぶりに・・・。父母の墓前で「忙しかってん。かんにんな」と謝る。午後から西賀茂霊園へ義父の墓参り。墓前で「少々多忙で失礼しました」と謝る。女房の実家に寄ったら「かつての1か月だけの居候弟子」が元気にしてた。そうや。若いうちは自分の目指すことで大勢の人にいっぱい出逢わなアカンのや。夕方『金星』で夜食(カツサンド)を受け取って大阪へ。大阪のホテルで食うたけどコレがまた旨い!野球見ながら食うてタイガースも勝って満足。

4月23日(日)つづき
ホームページの月曜の更新はちょっと無理やな。水曜日くらいにはナントカ。読者の皆さんスイマセン(って別に金取ってるわけとちゃうのんやからあやまらんでもエエのんかな?)。

4月24日(月)
関テレ『痛快エブリデイ 男がしゃべりでどこが悪いねん」生出演。楽屋話(打ち合わせのときの話)と本番の話がどっちも同じレベルで面白い希有な番組。ケント・デリカットさんが格好良く変身していたのには驚いた。けどシモネタ話は彼にはNG。真面目な人や。帰りの新幹線で半藤一利『昭和史戦後編』読了。そうか。こういう世の中のときに子供時代と青春時代を過ごしたのか・・・と納得。やっぱり憲法9条は守らなアカン。いや世界に広めなアカン。

4月25日(火)
4日間パソコン持たずに家を空けたら山のようなメール。パソコンも携帯もない時代はどんな仕事の仕方をしてたのか忘れてしもた。情けない。メールの整理も手紙の整理も部屋の整理もきりがないのでヤケになって読書。堀江珠喜『純愛心中「情死」はなぜ人を魅了するのか』(講談社現代新書)読了。「愛」という「不確かな行為」を「死」という「絶対的に確かな行為」でフィックスするわけですな。虚構(小説・芝居)と事実を織り交ぜた様々な情死の例が面白かった。なるほど『ウエストサイド物語』でマリアが死なないのはアメリカ人好みなのか・・・。

4月25日(火)つづき
隣家のお嬢さんがパリから帰国。フランスの大学院で日韓文化交流の研究をしているとか。いろいろ資料を貸してあげる。

4月26日(水)
メール・手紙・部屋の整理がまだでけへん。仕事にならん。短いコラム1本だけ仕上げて本棚に手を伸ばしたのがウンの尽き。海野弘『秘密結社の世界史』(平凡社新書)読み出したら止まらへん。仕事せなアカンのに・・・。おまけに音楽評論家の平林さんから送られてきたCDポール・パレー指揮デトロイト交響楽団のベートーヴェン『田園』『7番』が最高に素晴らしくて何度も聴き返す。仕事せなアカンのに・・・。

DVD
『憂國』
『憂國』
虫明亜呂無氏が「スポーツ映画」と評した三島由紀夫の「切腹能舞台映画」。

4月27日(木)
ようやく仕事に邁進・・・と思ったら待ち焦がれていた『三島由紀夫全集別巻(最終巻)』(新潮社)が本屋から届く。映画『憂国』のDVD。見てしまう。なるほどよくできた映画。短編映画として大傑作。三島美学の極致。いや極値か。『トリスタンとイゾルデ』の音楽の素晴らしさも再認識。30分弱の短い映画やけど頭のなかの仕事モードが消えてしもて三島由紀夫・澁澤龍彦・虫明亜呂無の本を片っ端から開けはじめたら止まらへん。「日本的蒙昧主義の極致」という(記憶してた)澁澤さんの文章は全集の解説に掲載されてたけど「三島は自ら最も嫌悪しているものを最も美しく描いた」という虫明亜呂無さんの文章を(確かどこかに書かれていたと)記憶してるのに見つからへん・・・。全集の解説で初めて知ったけどレナード・バーンスタインが来日したとき『憂国』を試写室で見たとか。映画を絶賛しながらも「なぜワーグナーを使ったの?」といったとか。仕事が進まへん・・・。

4月27日(木)つづき
なかなか見つからなかった三島の『憂国』に関する虫明亜呂無氏の文章発見。『肉体への憎しみ』(ちくま文庫)収録のエッセイ「青春とスポーツ」のなかにあった(自分の編集した本やないか・苦笑)。少々長いけど改めて凄い文章だと思ったので引用しておきます。<例の『憂国』という作品だが、あの作品は二・二六事件の叛乱将校を主人公にしているので、作品内容が天皇制とか、右翼思想とか、自刃とかを扱ったようにみえるが、作者の考えていたのは、そんなことでは全然なく、昭和にうまれ、育ってゆく者がおのれの肉体にどのようなストイシズムを課して、どのような精神運動(彼の場合には自分のいちばん憎悪するものを作品対象にとりあげることによって作品を書くということ)を継続させてゆくかということに作品の主題をおいているのである。ちょうど『金閣寺』の主人公が金閣寺を焼かねばならなかったように、『憂国』の主人公は自分で腹を切らねばならなかった。別の言葉でいえば、三島氏がいちばん嫌っていたのが『憂国』の世界であり、『金閣寺』のような権威であったのである。(略)僕に言わせてもらえば、『憂国』は一種の愛と死と至福と恍惚の文学であり、みようによっては肉体と記憶のスポーツ映画なのである。だから小説『憂国』も、映画『憂国』も、作者の真意を汲みとった人はほとんどなかったといっても言いすぎではなかった。いちばん憎んでいたものを、いちばん美しく書いてみせるというのが三島氏の特徴なのである>小生の記憶が少々違ってた。「嫌悪」ではなく「憎悪」だった。なるほど「憎しみ」は「愛」と表裏一体。それにしても虫明氏の犀利な分析と文章は・・・凄い。・・・凄すぎる。みなさん!虫明亜呂無を再々々々評価してください。とくにスポーツライター志望の人は全作品必読です。

4月28日(金)
三島の映画『憂国』を見たせいか何故か無性にヘミングウェイが読みたくなり短編『敗れざる者』『一途な雄牛』『善良なライオン』『キリマンジャロの雪』『今日は金曜日』を読む。男の美学。滅びの美学。甘いもんやなぁ・・・。永遠の青春やな。それもエエけど。夜テレ東で世界卓球日本女子代表を応援。息詰まる熱戦。愛ちゃんのほうがヘミングウェイや三島よりもよっぽどしっかりしとるで。三島とヘミングウェイを頭のなかから追い出すためドニゼッティのオペラ『連帯の娘』のDVD(スカラ座)を見る。ゼッフィレッリの装置と衣裳の色づかいが素晴らしい。ディヴィーアをはじめとする歌手陣もなかなか見事。それにしても筋書きは最低にくだらんオペラやなぁ。

4月29日(土)
まだ三島の『憂国』の影響か仕事のBGMにマーラーの『9番』をかける。演奏はもちろんバーンスタイン指揮ベルリン・フィル。ワルター指揮ウィーン・フィルの演奏は最高やけどBGMには不向き。いやバーンスタインの演奏も聴き入ってしもて仕事にならへん。唸り声も指揮台を踏みならす音も・・・凄い演奏やな・・・。しゃあないし仕事はやめてヴェルディのオペラ『二人のフォスカリ』(ナポリ・サンカルロ劇場)のDVDを見る。これがなかなかの迫力。スカラ座のブルゾンもエエけどヌッチの歌と演技もなかなか。サンティの指揮も見事。やっぱりヴェルディはエエなあ。やっと『憂国』が頭のなかから消える。世界卓球女子香港に敗北。けど見事な闘いっぷり。日本女子選手のきりりと締まった顔つきに感激。それにしてもテレ東の盛りあげ方は間違えてる。明らかにやりすぎ。西岡文彦『モナ・リザの罠』(講談社現代新書)を読みながらおやすみ。この本めっちゃ面白い。

BOOK
西岡文彦『モナ・リザの罠 』(講談社現代新書)
西岡文彦『モナ・リザの罠 』(講談社現代新書)

4月30日(日)
西岡文彦『モナ・リザの罠』(講談社現代新書)面白かった!そうか。ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』の背景に描かれてる風景画はキューブリックの『2001年宇宙の旅』の「人類の誕生」で猿たちが暮らす自然の描写と同質なんや・・・。なるほど。

4月30日(日)つづき
3日と4日のスポーツジャーナリスト塾の準備をして『もり山』でちょいと鮨をつまんだあとNHK教育『芸術劇場』で『一谷嫩軍記 熊谷陣屋』を見る。死んだ親父が最も好んでいた演し物。「十六年も一昔。夢かあ・・・」ええなあ。吉右衛門の『雨の五郎』の(史上最高齢での曽我五郎の)踊りも良かった。

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