ナンヤラカンヤラ
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タマキのナンヤラカンヤラ バックナンバー 2011年5月
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2003年 11月12月

CD
『オリジナル・サウンドトラックによる武満徹映画音楽』
『オリジナル・サウンドトラックによる武満徹映画音楽』
『翼・武満徹ポップ・ソングス』
『翼・武満徹ポップ・ソングス』
『地球はマルイぜ〜武満徹:SONGS〜』
『地球はマルイぜ〜武満徹:SONGS〜』
DVD
『真田幸村の謀略』
『真田幸村の謀略』

5月1日(日)
朝『題名のない音楽会』震災応援コンサートを見る。戦後復興期の服部良一メドレーは素晴らしい選曲。神戸震災時のさだまさしさんの歌もバーンスタインの『キャンディード』も最後の『ふるさと』も。震災と音楽・震災とスポーツということでいくつかコラムを書いたけどそれらは鎮魂と復興から生まれるものかも。いやそこからしか生まれ得ないものかもしれない。オリンピック(古代オリンポスの祭典)も元々は英雄たちを鎮魂する葬祭競技でしたからね。午後から東京紀尾井町ホールへ。テノール佐野成宏さんのコンサート。佐渡さんとBBCフィルのツアーが震災で途中中止になったりハーディングと新日フィルや聖響さんと神奈フィルのマーラーはJRが止まって行けなかったり…で久しぶりのコンサート。トスカニーニ作曲の珍しい歌曲やプッチーニの歌曲やアンコールのトスティとナポリターナも素晴らしかったけど武満徹の歌の数々は本当に見事でした。『明日ハ晴カナ曇りカナ』『死んだ男の残したものは』…などなど見事な鎮魂でした。晩飯映画劇場はなぜか『真田幸村の謀略』。中島貞雄監督やったしモウチョット面白いかと思たけどこの時代のオールスターキャスト日本映画はアカンなぁ。

5月2日(月)
新幹線で新大阪へ。GWとはいえ車内は空いている。『ちちんぷいぷい』司会の角さんにバース・掛布・岡田バックスクリーン3連発レトロ・スコアボードTシャツをプレゼント。うん。やっぱり喜ばれる。このアイデアはとくに阪神ファンにはたまらん魅力を感じるもんなぁ。江夏の奪三振日本新記録のときのスコアボードもええけどノーヒットノーラン&サヨナラホーマーも再現してほしいもの。桂ざこば師匠とは久しぶり。今夏のヨハン・シュトラウスのオペレッタ『こうもり』(佐渡裕指揮・兵庫芸文センター)について訊くと筋書で少々わかりにくい「こうもりの復讐」を冒頭でコント的に解説するかも…とか。面白そうやなぁ。『ぷいぷい』で楽しく話して帰宅。さぁ明日からは大相撲八百長に関する単行本が大変やでぇ…。今日は早よ寝よ。

5月3日(火)
これほど憲法が騒がれない憲法記念日も珍しいのでは…。やはり震災原発がニュースを占拠してるからか?今週末日曜からの大相撲技量審査場所はどうなる?初日前日の土俵祭りはやるんやろなぁ。やっぱり戸隠大神・鹿島大神・野見宿禰命を迎えんと大相撲は始まらへんはずやけど技量審査場所は略式でエエのかな。野見宿禰神社での奉納土俵入りはどうすんのか?そういえば戦前は國常立之命・イザナギイザナミ・天照大神・邇々岐之命など「天神(あまつかみ)七代」と「地神(くにつかみ)五代」を土俵に招いていたのが戦後は前記三神に減ったとか。その理由はGHQの命令…などではなく「多すぎたから」と高橋秀実の秀逸な相撲ノンフィクション『おすもうさん』(草思社)に書かれている。天照大神を入れているとGHQから超国家主義団体だと睨まれるから…というのではなく」「神様を入れすぎたから」から減らしたのであり「こんなたくさんの神様。GHQだってわからない」意味なんて「誰にもわからない」から「減らした」という第28代立行司木村庄之助の証言を紹介している。相撲の世界のこういう愛すべきアバウトさやファジーさは悪くないが「八百長」を含むそういったノホホンさを現代社会は許さなくなった。おれも(昔の)「おすもうさん」のように暢気(のんき)に過ごすわけにはいかず終日校正の仕事。ふうううー。

DVD
『プレシャス』
『プレシャス』

5月4日(水)
今日はみどりの日。かつては4月29日。それを昭和の日にしてみどりの日を移動。記念日ではなく無理矢理「休め」と作った日。昔は「働く」ことが美徳やったのに今は「休む」ことが奨励される。どこかオカシイ。そう言えば昔は「貯める」ことが美徳だったが今は「使う」ことが称賛される。國立経済之神は徒費浪費空費乱費散財蕩尽を奨励する。なんかオカシイ。そのくせ節電。電気は使わずカネ使え。これが国是。俺は仕事。終日机齧付虫。ふううーっ。校正がうまく進んだので晩飯映画劇場はアメリカ映画『プレシャス』。これはイイ映画でした。舞台は1980年代のNYハーレム。貧困層黒人少女の家庭内暴力や性的虐待など悲惨な現実を描いた小説の映画化。最近アメリカ映画はろくなモノを見なかったがこの映画は素晴らしかった。やはり「事実は小説より奇なり」なのか重い現実と真摯に向かい合うことでしか作品は生まれないのだ。アメリカでは早くもビン・ラディンの映画化が動き始めたとか。昨今の騒ぎからは期待は覚束ない。東北関東大震災と原発の人災は誰がどう「作品化」する?誰かがしなければ!!「日本」を考え直すために。あ。『プレシャス』を見て気付きましたが映画は2時間を超える必要などないんですね。主人公の黒人少女の非道い母親役でアカデミー助演女優賞に輝いたモニークの演技は凄かった。とくにラストの長い独白。彼女はコメディアンなんですね。これも納得。マライア・キャリーも好演。これが監督2作目のリー・ダニエルズには注目。夜寝る前久々深夜1時までさらに校正の仕事。イイ映画を見るとやる気も出るのかな。

DVD
『シャッターアイランド』
『シャッターアイランド』
『カッコーの巣の上で』
『カッコーの巣の上で』
『コンタクト』
『コンタクト』
『タクシードライバー』
『タクシードライバー』
『ドグラマグラ』
『ドグラマグラ』
CD
『チャイコフスキー・オン・ブラス』
『チャイコフスキー・オン・ブラス』

5月5日(木)
アルゼンチン・タンゴの日…というのは嘘で端午の節句。朝からイタリア語の調べ物があったのでDIZIONARIO GIAPPONESE-ITALIANO(日伊辞典)を開けたついでに「端午」を調べてみると「Festa dei bambini」とあった。それは違うやろ。それは「子供の祭(子供の日)」のことやんけえ。それで「端午」の意味を調べようと『広辞苑』を開くとナント《「端」は初めの意。もと中国で月の初めの午(うま)の日》のことだったらしいが「午」は「五」と音が一緒でいつの間にか「午月午日」が「五月五日」のことになったらしい。そんないい加減な…とも思うが伝統と文化とはこんなもんだろう。大相撲もそんなものでいいのだ(一昨日の本欄参照)。思い切って新しい単行本のタイトルは『大相撲を殺すな!』から『大相撲八百長肯定論』にしようかな。少なくとも『大相撲八百長騒動を嗤う』よりはエエと思うけど…。朝のうちにその校正をまとめて宅急便で出すと一仕事区切り…の気になって昼飯映画劇場はマーティン・スコセッシ監督デカプリオ主演『シャッターアイランド』。最初は滅茶苦茶面白かった。けど途中からエエエーッとなって最後はナンヤこんなんかいなぁ…。精神病院を舞台にこの流れは最悪。すべては夢の世界の出来事でした…ハイ・オ・シ・マ・イ…といわれてもねえ…。『カッコーの巣の上で』の足元にも及ばぬ精神病院映画。マーラーの『ピアノ四重奏曲』なんかがバックに使われたときはオオッ…ヤルネエ…と思たけど最後は不愉快な気分。それを消すために最近届いたCD佐渡裕指揮シエナ・ウインド・オケの『チャイコフスキー・オン・ブラス』を聴きながら仕事。ウン気分よし。チャイコフスキーってやっぱり凄いなぁ。チャック・ベリーが『ロール・オーヴァー・ベートーヴェン』のなかで歌詞に入れてる価値はあるなぁ。

5月5日(木)つづき
角界が八百長防止策を打ち出したことについて通信社から電話。コメントは難しいけど一所懸命答える。八百長はみんな知ってたこと。なくならないことも知ってること。要は面白い相撲を見せることが大事…とはいえ中途半端に貸したまま(借りたまま)になってる「星」はどうするのかな。チャラにしろと徳政令でも出すのかな。晩飯前に風呂に入ろうとすると今日は菖蒲湯で孫と一緒に入れと母親の次女が言う。まあタマにはエエか。そう言えば最高に有能な相撲文化記者として朝日の紙面にも「相撲人国記」を書いてた根岸敦生氏が「文化の継承には祖父−孫の関係がベスト」それは「父−子のような対立がない」からでそう言えば狂言の茂山家も野村家も「爺−孫」で文化が引き継がれている…「その関係が角界には存在しないのが勝負の世界としては良くても文化継承としては難しい」という話を思い出す。孫と風呂に入るようでは何かを生み出す仕事の意欲が萎えるなぁ…そろそろ俺も闘う日々は幕を下ろして他人にすべてを与える年齢かなぁ…などと思いながら晩飯映画劇場は昼飯映画劇場のスコセッシ監督に裏切られた悔しさをぶつけて…などという気は起こさず気楽にメシ食いながら見てやれ…という気でジョディ・フォスター主演の『コンタクト』。これがナカナカ面白かった。所詮はハリウッドの娯楽映画で『2001年宇宙の旅』と『未知との遭遇』のエピゴーネン…とはいえ父と娘の関係を軸にした科学娯楽映画というのは端午の節句にぴったり(映画とは関係ないことですが)。しかも権力との確執も陰湿にならず宗教と科学の対立もサラリと流して爽やかに物語を進める。これはこれでヨロシおすなぁ…と思うのはジョディ・フォスター主演だから?それとも俺が歳とったせい?まぁタイガースも勝ったことで…。

5月6日(金)
朝から昼から夕方までぶわあああーっと仕事して夕方から『との山』へ。朋友のSと焼き鳥で生ビール。さらに〆張り鶴と花垂れ。S氏にゲーム理論を教わる。なるほど大相撲は繰り返し同じ相手と闘ううちに協調の世界に入り込むのやな。それを世間では八百長と呼ぶわけか。うん。ノーマン・メイラーの言った言葉に似てる。『人生は安定か成功かのどちらかを目指すもの。どちらもは目指せない』そら安定を目指したほうがラクやわなあ。『213』でおクスリ(と我等が呼んでいるお酒)を一杯飲んで帰るつもりが原発関係のオモシロイ人と出逢い話が弾む。その人が大船で酒呑んでるということは福島原発もまだ大丈夫とか。ふ〜ん。理科系と文化系の話がぶつかってもけっこう建設的に面白い話になるのは最先端科学の特徴か。原発も最先端科学から生まれた技術には違いない。しかし科学を語っているのか技術を語っているのかは要注意。菅総理の浜岡原発ストップの話は技術の話。中電がすぐに踏み切れないのは経済の話。科学の話はどこにもありません。酔った酔った。

BOOK
ピーター・ブルック『なにもない空間』(晶文選書)
ピーター・ブルック『なにもない空間』(晶文選書)
DVD
『グリーン・ゾーン』
『グリーン・ゾーン』

5月7日(土)
ハーディングとMCO(マーラー室内オケ)の来日コンサートパンフ用原稿1本仕上げるのに力が入って朝から夕方までかかる。まぁしゃーないな。彼がデビューしたときのピーター・ブルック演出のモーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』の話から佐渡裕とPAC(兵庫芸術文化センター・オケ)と合同でやるマーラー3番のことまで書いたんやもんな。時間がかかるのんは当然やで。しかもピーター・ブルック『何もない空間』と書いて今の40歳代以下の何%が反応してくれるのか?俺が日生劇場で見た彼とRSC(ロイヤル・シェークスピア・カンパニー)の『夏の夜の夢』は凄かった。ハンマーで脳天を叩かれたような衝撃。エロチックな肉体とサーカスのようなアクロバチックな動き!その1972年の舞台をNHKは舞台中継したけど再放送してくれへんかなあ…。とはいうてもNHKはエロチックな部分をすべてトリミングして映さへんかったんやけど。そのブルックにイタリアのテアトロ・アントロポロジーで野村耕介は演出の指導を受けたけど…死んでしもたしなぁ。今の日本の演劇のどこにブルックや状況劇場&黒テントの影響を見つけられるか?…あ。勘三郎のコクーン歌舞伎か…串田和美やもんな。しかしその「系譜」はあんまり語られてへんなぁ…。やめとこ。最近の演劇はようワカランから。晩飯映画劇場は『グリーン・ゾーン』。イラクの大量破壊兵器と偽情報を巡るアメリカ軍部とCIAの葛藤…まぁハリウッド映画です。こういう映画に拍手を送るアメリカ大衆がビン・ラーディン殺害にも拍手を送ってるのかと思うと凄く納得できる。心は重く暗くなるけど。

DVD
『CANDIES FOREVER』
『CANDIES FOREVER』
BOOK
岡村正史・編著『力道山と日本人』(青弓社)
岡村正史・編著『力道山と日本人』(青弓社)

5月8日(日)
昨夜長女のBFやら長男とGFやらが大挙押し寄せてきて晩飯食うたけどあんまり夜が強くなくなったのでサッサと寝る。今朝起きて仕事。餓鬼どもは深夜までカラオケバーで騒いだらしい。昔はそーゆーのにも付き合うてたけどモウ歳でアカンな(笑)。昼過ぎから日本相撲協会のHPでの技量審査場所実況中継を見る。混雑して見れんかも…と思てたらスンナリ綺麗な映像で映る。某新聞社の某相撲担当記者に電話すると「そりゃマダ三段目だからですよ」といわれる。いろいろ電話で話すると「チョットここで携帯使いたくないのでマタあとで…」と言われる。「まだ幕下に入ったばかりやんか」「それでも…」まあ。そうかもしれん。あとで聞いたところでは微妙な緊張感に包まれていたとか。マア最近は緊張感なくモンゴル語が飛び交ってたそうだから緊張感は悪いことではない。しかしアンコ型の力士が増えたなぁ。ソップ型は少ななったなぁ。短い原稿仕上げてベーシストの長男やシンガーのGFと作詞の話。窓を開ければ港が見えるメリケン波止場に灯がともる…の七七七五調の都々逸はブルース。折れた煙草の吸い殻で貴方の嘘がわかるのよ…は具象表現(吸い殻)で抽象表現(嘘)を表す詩の基本…てな話。

5月8日(日)つづき
仕事部屋に戻るとパソコンは放駒親方の挨拶。「故意による無気力相撲」を詫びる。なるほど。八百長かガチンコか…は関係ない。「気力」さえ溢れていたらそれでいいのだ!八百長がなくなる…なんてどう考えても不可能なんだから。相撲は面白い相撲と面白くない相撲でしか判断できないのだから…という言い方はマスメディアではできなくなったのか?夜のニュースやNHKサンデースポーツでも「八百長はなくなるか?」という視点のみ。そんなことどーでもええやん。面白い相撲素晴らしい相撲さえ見ることができれば…。晩飯食いながら録画しておいたNHK-BSプレミアムで放送された『田中好子さんを偲んで〜我が愛しのキャンディーズ』を見る。いろんな人物の証言が面白かった(とくに作詞家の喜多条忠氏がナベプロの渡辺晋氏に呼ばれて「キャンディーズを大人にして送り出してやりたい」といわれた話など)。後半は後楽園球場サヨナラコンサートの歌がイッパイ。良い編集でした。岡村正史・編著『力道山と日本人』読みながら寝る。面白い。河村卓氏の「演じられた力道山演じられた日本人」はサイコーやな。騎馬民族征服王朝説と力道山か…。ムニャムニャZZZZZ……。

BOOK
乃南アサ『チカラビトの国』(文春文庫)
乃南アサ『チカラビトの国』(文春文庫)
高橋秀実『おすもうさん』(草思社)
高橋秀実『おすもうさん』(草思社)
『どすこい 出雲と相撲―島根県立古代出雲歴史博物館特別展』(ハーベスト出版)
『どすこい 出雲と相撲―島根県立古代出雲歴史博物館特別展』(ハーベスト出版)
DVD
『レインマン』
『レインマン』

5月9日(月)
早朝起きて朝日新聞書評『ニュースの本棚』の原稿執筆。朝のうちに送稿。テーマはもちろん大相撲。選んだ本は高橋秀実『おすもうさん』(草思社)新田一郎『相撲の歴史』(講談社学術文庫)中島隆信『大相撲の経済学』(ちくま文庫)風見明『相撲、国技となる』(大修館書店)三田村鳶魚&柴田宵曲『侠客と角力』(ちくま学芸文庫)飯嶋和一『雷電本紀』それにベースボールマガジン社の『映像で見る国技大相撲全20巻』 。文字数の関係で宮本徳蔵『力士漂泊』(講談社文芸文庫)や半藤一利『大相撲人間おもしろ画鑑』(小学館文庫)双葉山『相撲求道録』(ベーマガ)吉田長孝(吉田司家25世追風)『原点に還れ』(創流出版)小島貞二『本日晴天興行なり』(読売新聞社)乃南アサ『チカラビトの国』(文春文庫)などの本を落とさざるを得なかったのは残念。またの機会に。イヤそれ以上に残念だったのは拙著『大相撲八百長批判を嗤う』(飛鳥新社)が間に合わなかったことか。いや自著は選べないから同じことか。いつもこの問題に悩むなぁ。やっぱり自分が力を入れて作った本が一番面白いと思うもんなぁ。午後から今日も相撲協会のホームページから技量審査場所を見る。相撲はやっぱり面白い。コンピュータの端っこのメディアプレイヤーをONにしたまま音楽関係の原稿の仕事。銅谷史郎さんの相撲入門編解説付きアナウンスも女性記者の声も悪くない。NHKも含めて大相撲中継はもっともっと面白うできるな。これはテレビのスポーツ中継全般に言えることですが…。ウワッ。魁皇スゴイ!と思いながら少々身体が熱っぽいことに気付く、何度もくしゃみ。悪寒。ヤバッ。風邪ひいたかな。晩飯映画劇場は『レインマン』。なぜこの見所あるロードムーヴィの見る機会をこれまで逃し続けたのか…。トム・クルーズまでが「善」に引き込まれるからか?それとも個人的テーマを普遍化する作業がイマイチだからか…。そんな匂いを嗅ぎ取って忌避…などと思いながら我が臭覚は間違っていなかったが悪い映画ではないと思いながらアルコール抜きで晩飯掻き込んで寝る。風邪は気合で一晩で治せ!!と子供に言い続けてきた親として必死になって寝る。善行を積んだ人間なら風邪くらい一晩で治る!ホンマカイナ。

DVD
『ザ・エージェント』
『ザ・エージェント』

5月10日(火)
朝9時半からネットで相撲協会の序の口の土俵を見ながら今月末発売の単行本『大相撲八百長批判を嗤(わら)う−幼稚な正義が伝統を破壊する−』(飛鳥新社)のまえがき・あとがき・参考文献・著者略歴などを入稿。ふうううっ。いろいろあったけどこれで一段落。300頁を軽く超す分厚い本になりましたが面白い相撲論です。発売は今月末。乞う御期待。あっという間に夕方。うわっ。豪栄道の上手投げ。スゴイ!相撲協会のネット配信オモロイ!夜晩飯映画劇場はトム・クルーズ特集第2弾『ザ・エージェント』。軽いタッチの大人の恋愛映画。公開時に某スポーツ・エージェントのKクンに「俺はまだ見てないから見に行かねば」というと「見なくてイイですよ」と言われたのを思い出す。たしかに。スポーツ・エージェントの話ではあるけどソコは背景だけであまり掘り下げてませんからね。

5月10日(火)つづき
晩飯映画劇場の途中某新聞社から電話があって中部地方の某私立高校野球部で特待生の特別待遇(授業料免除等)が高野連の通達を違反していたことが発覚したとか。それに対するコメントを求められる。私学の特待生制度が「悪」かどうかは難しいところ。この問題で「悪い」のは誰か…を「高校生の教育」として考えても特定は難しく敢えて言うなら地域のクラブスポーツの振興と発展を妨げている高校野球(高野連)の存在自体を再考する必要がある…という難しい話を記者と話す。記者は納得してくれたけど新聞のコメントにはでけんやろなぁ。そういえば一昨日やったか某新聞社の某記者から6年後の岩手国体を岩手県知事が返上することにしたのに対して文科省や体協は実行して欲しく思っていることに対するコメントを求められた。120億円の国体予算を復興に回したい岩手県に対して国体開催の予定は今後5年(今年は山口。来年以降は岐阜・東京・長崎・和歌山)の内定に続くさらに5年間の内々定(岩手・愛媛・福井・茨城・鹿児島)も東日本・西日本・中日本の順に決まっており繰りあげ等の計画変更は自治体の予算的にも難しいとか。しかしコレはどんなことがあっても現地の意見を尊重するほかない。いっそ国体を一年休んでスポーツと国体の意義を考えるシンポジウムを文科省主催で岩手県で開催するとか…。基本的に国体なんかゼネコンと1年に1度の旅行を楽しみしてる「関係者」以外は注目してないんやから…。

DVD
『カントリー・ベアーズ』
『カントリー・ベアーズ』
『カクテル』
『カクテル』

5月11日(水)
朝3時半に目覚める。本を読んでも寝付けないのでリヴィングに降りてウィスキーの水割り飲みながらテレビをつけると『カントリー・ベアーズ』なんてシュールな映画をやってて思わず見てしまう。熊たちの音楽もなかなかイケル。『ブルース・ブラザースPARTU』の「熊版」か?登場キャラがもっと「熊であること」を実存的に描いたらさらにシュールに面白くなるのに…と思たけど…あっ。ディズニー映画か。そら無理やな。「可愛い熊」で限界ですな。しかし悪くない拾いモノ映画。続けてNHK空中散歩。空から四国を一周。これはイイ番組。日本の海岸線の複雑さ・山と海に挟まれた狭隘の地・その美しさがよくワカル。それだけに全国的に津波が怖いことも。しかし剣山も石鎚山も綺麗ですなぁ。5時に一旦寝て8時起き。朝RKB毎日『中西一清のスタミナラジオ』電話生出演。相撲協会のネット配信中継が面白いことと岩手県知事が国体開催返上の意向という話。終えて久しぶりに七里ヶ浜近くの病院へ。睡眠の取り方が下手糞になったことを訴えて(ちょっとオーバーかな)血圧降下薬のほかにメラトニンの薬を少々いただく。江ノ電の駅から見える七里ヶ浜は雨の中サーファーたちが遊んでる。けど津波が来たらココもイッパツやな。関東大震災の時は大仏まで津波に呑まれたらしいし…。さぁどーするべきか…。帰りに大船で銀行と本屋に寄って帰宅して二期会オペラの公演パンフレットの原稿ほとんど仕上げて晩飯映画劇場はトム・クルーズ・シリーズ第3弾『カクテル』。トム・クルーズが『レインマン』に出演できたことを大喜びした理由がわかる。

DVD
『天と地HEAVEN & EARTH』
『天と地HEAVEN & EARTH』

5月12日(木)
朝二期会オペラのプログラムへのエッセイを書きあげて送稿。荒川静香と『トゥーランドット』の話からオペラとクラシック音楽とスポーツの話。言わば自家薬籠中のネタ。初めてヤンキースタジアムでドジャースとのWシリーズを見たときメトロポリタン歌劇場で『カルメン』のエスカミーリョを歌ってたロバート・メリルが国歌を歌った話など。そういえば最近音楽評論家の平林直哉さんに昔絶対聴きたいと思ったレコードがあって『週刊新潮』の掲示板にも載せたことがあったけど見つからなかったという相談をしたらアッサリとLPを見つけてCDにして送ってくれた。サスガ!そのLPとはエリック・カンゼル指揮シンシナティ・ポップス・オケによる『ピーターと狼』と『ケーシー・アット・バット組曲』。語り手はシンシナティ・レッズがビッグ・レッド・マシーンと呼ばれて一番強かった時期の大投手と大打者(捕手)のバッテリー。トム・シーバーとジョニー・ベンチ。シーバーは昔『週刊プレイボーイ』で対談した時にサインボールをもらったけど何と片仮名でサインしてくれたので全然価値があるようには見えないシロモノ(笑)。まぁエエけど。コノLPは面白い。どっかでCD化して再発売してくれへんかな。晩飯映画劇場はオリヴァ・ストーン監督の『7月4日に生まれて』『プラトーン』に続くヴェトナム映画3部作最後の『天と地HEAVEN & EARTH』。ヴェトナム人が英語で喋るのには引っ掛かったけどイイ映画でした。ヴェトナムの美しい村の描写と巨大消費肥満国アメリカの描写の対比が秀逸。トミー・リー・ジョーンズも熱演。ただし宇宙人に見えてしまうところが哀しい(笑)。俳優は「キャラCM」に出るべきではないな。ただ何かが不足。複雑な情勢にもかかわらず個々にアメリカ的善悪二分法がクリヤーに随所に現れたからかな?戦争は常に善と善の闘い(シェークスピア)なんやから。でもイイ映画。流石はオリヴァ・ストーン。

5月12日(木)つづき
夜映画見終わって夜遅くに某新聞記者から電話。大相撲八百長事件捜査の全容解明(メール解析)が昨日終わったとか。新事実はナシで特別調査委は18日に最終報告。26日の理事会で相撲協会は一連の事件に幕を引くとか。でコメントを…といわれてもねえ。茶番…と言いたいけど言うてもシャーナイし…次の日曜の朝日の書評欄『ニュースの本棚』に書いた記事を読んでください…今月末に発売される『大相撲八百長批判を嗤う』を買って読んで下さい…としか言いようがないわなぁ。しかし技量審査場所はけっこうオモロイ。けどなんでアルコール禁止やねん?

5月13日(金)
朝から近刊大相撲本『大相撲八百長批判を嗤う』(飛鳥新社)の最終校正。途中からプロ野球の企画を考案。その案を持って夕方『鮨処もり山』へ。元西武代表坂井氏と連載打合せ。あと3回。プロ野球を面白くするための方向は「チームについて」「NPBとセ・パ両リーグについて」「日本の野球について」で合意。震災後の日本はプロ野球も大相撲も未来の青写真を描くべき…ですよね。

DVD
『オーケストラ』
『オーケストラ』
『北京ヴァイオリン』
『北京ヴァイオリン』
CD
『チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲』
『チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲』

5月14日(土)
朝根岸のヘアサロンLorenceへヘアカットに。阪神ファンのマスター父子へ甲子園バックスクリーン3連発と後楽園天覧試合長嶋サヨナラホーマーのTシャツをプレゼント(4/10の本欄参照)。滅茶苦茶喜ばれる。ヤッパリこの企画は野球ファンなら誰でも大喜びするもんです。そういえばスイスのローザンヌのオリンピック博物館へ行ったとき(アトランタ五輪の時やったから1996年か)1964年の東京五輪のTシャツを買ったことを憶えている。そんな頃から記念Tシャツがあったのかと驚いたが第1回アテネ大会以来全大会のTシャツを売ってたので後になって作ったことがすぐに判明。特定のスポーツ事象は商品として長く残ることも判明。阪神も商売考えたらどないでっか?午後から仕事の打合せ一つこなして新宿の旅行代理店へ。今週末ドイツ行きのチケットを受け取る。とはいえ最近は電子チケットで航空券がないらしい。5年前にアメリカ行った時はどうやったかな?忘れた。海外はそれ以来か。チョイト緊張するな(笑)。横浜へ。そごうに寄ってちょいと買い物して帰宅。新宿も横浜も物凄い人混み。景気は回復したのかな?それとも不景気で遠出せんから近場が混むのか。晩飯映画劇場は『オーケストラ』(原題はConcerto)。改革解放直後のモスクワ・ボリショイ・オケがパリに招かれる。がメンバーは音楽どころではない。それでもパリへ…。ハチャメチャドタバタもありのぅ政治背景もありのぅ…で面白かった。最後は感動のチャイコフスキーV協が延々と感動を押し売りする(笑)。ま。エエ音楽やから許す。けど同じ音楽の使い方としては『北京バイオリン』のほうが巧かったかな。

5月15日(日)
朝から近刊『大相撲八百長批判を嗤う』(飛鳥新社)の校正。ふうーっ。昼飯はどうするか…あ。近くの学校の学園祭に行って焼き鳥と焼きそばでも食うか…と女房と娘と孫と一緒に出かけるとエエ天気の日曜日で鬼の反吐(人だらけ)。美術部と鉄道部といくつかの展示を見て生徒のヴァイオリンとピアノの演奏『ツィゴイネルワイゼン』と『チャルダッシュ』聴いてナゲットと菓子パン食うて帰宅。校正夜までかかって完了。本が完成するのはいつも嬉しいもんです。発売は月末。皆さんよろしく。

5月16日(月)
午前中に短いコラム1本完成。5年後の岩手国体返上問題について。午後から桐蔭横浜大学へ。約300人の受講生相手に『カラダ哲学』の特別講座。ゲストは乙武洋匡さん。受講生に聞かせるという以上に久しぶりに乙武クンの話を聞けて小生が満足。スポーツライターの後の小学校の先生そして現在の保育所経営の話まで。見事な体験的教育論。学生たちも満足してくれたことを確信。大教室の1列目や前方に小生が2月に授業をしたクラスの学生が陣取っていたことにも満足。トークの後の質疑応答の質問も自分のクラブ内での指導法など具体的なモノが多くなかなかレベルが高かった。終わってから学部の先生方と乙武さんと世話係のマネージャーの人と食事。めっちゃ愉しく充実した一日でした。乙ちゃん心からサンキューです。ナニィ!?マネージャーのK氏は京都祇園の宮川町出身やと!?まいったなぁ。道理で俺と話が合いすぎた(笑)。

DVD
『9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形』
『9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形』

5月17日(火)
久しぶりに仕事部屋の片付け。掃除。仕事(相撲の本)が一区切りとはいえ継続中の仕事(マーラーの本)もあって区切りがつかんなぁ。やっぱり人生には節目が肝腎で…なんてオーバーなことはドーデモエエけど区切りは付けたいものです。あ。書き忘れてたけど今年も近所の桜の木にヨコヅナサシガメ(横綱刺亀=亀虫の一種)の集団繁殖を発見。昆虫は力強い。人類が滅びた後の地球の支配者は昆虫やね。放射能にも強いのかな…などと思いながら部屋の掃除。午前中に片付かず午後も。夕方某新聞社から電話。日本サッカー協会が7月に予定してた南米選手権出場をやっぱり辞退とか。最初は日本から参加希望したモノを震災後に辞退したけど放映権料の欲しい南米側に説得されて出場決意したモノの欧州クラブもJ1も協力せず…。問題は日本人の「外交力」のなさ=結局は強い意志を伴った方針の欠如。問題先送りと他人任せ。民主党政府も東電も同じ。新しい世代は旧世代を是非とも反面教師に。晩飯映画劇場はアニメ『9ナイン』。人類滅亡後の人間の心を持ったマシンと邪悪なモンスターマシンの戦い。アニメーションの構図は凄いけどストーリーは単純。ヨコヅナサシガメは出てこなかった。

5月18日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』生電話出演。サッカー南米選手権出場辞退と日本の外交についての話。新幹線で大阪へ。『ちちんぷいぷい』生出演。うわっ。元阪神の平田さんが毎日放送の解説者になってるんや。そういう順番なんやな。うわっ。「八百長」事件で解雇され裁判所に地位保全の仮処分申請をしてる蒼国来を桂ざこば師匠が応援してるんや。相撲協会と特別調査委員会はとにかく「形」を付けたかっただけに調査は杜撰。八百長認定は強要。そして退職金をちらつかせるアメとムチで「解決(魁傑?)」を図っただけ。しかも「八百長」の証拠は「証言」のみ。これは相撲協会が講談社に「八百長はない」として裁判で勝ったのと同じパターン。今回は相撲協会が講談社と同じ立場(証言のみで証拠がない)に立っている。プロ野球の「黒い霧事件」の池永投手のように「誤爆」の可能性は高い。とりわけ日本人力士の場合は引退後の世話の話も聞くけど外国人力士の場合は…。蒼国来の場合は荒汐親方(元小結・大豊)も応援してる。さあ。どういう展開になるか。クロと認定した特調委に一人の若者の人生を大きく左右したという「自覚」と「覚悟」はあるのか?以下は蒼国来の土俵復帰に関連するホームページです。

http://www.arashio.net/
http://d.hatena.ne.jp/soukokurai/

http://d.hatena.ne.jp/team_engke/20110509/1304946374

5月19日(木)
今週の日曜朝日新聞書評欄「ニュースの本棚」に書いた「相撲の本」の原稿が朝日新聞のネットにアップされています。お読みでない方はどうぞ。タイトルは「呑気に融通無碍に考えたい:相撲はスポーツか」です。
http://book.asahi.com/column/news/TKY201105170363.html
うわっ。白鵬!!強いなあ。

BOOK
中村真人『素顔のベルリン』(ダイヤモンド社)
中村真人『素顔のベルリン』(ダイヤモンド社)
中村真人『街歩きのドイツ語』(三修社)
中村真人『街歩きのドイツ語』(三修社)

5月20〜24日・ベルリン旅行
というわけで更新を滞ってしまいましたが実はその間ベルリンへ行ってきました。指揮者の佐渡裕サンのベルリン・フィル・デビュー・コンサートを聴きに行ったわけです。いやぁ。凄かった。素晴らしかった。じつに見事。堂々たる演奏でした。その詳細とベルリン旅行の様子は今日(24日)と明日(25日)くらいに詳しく書きたいと思います。まだ帰ったばかりでバッグの整理の真っ最中。少々お待ちを。その間下のURL(ベルリン・フィルHP)をクリック!佐渡さんデビューの様子を見ることができます。
http://www.digitalconcerthall.com/ja/

5月20日(金)成田→ウィーン→ベルリン
早朝成田エクスプレスで成田空港第1ターミナルへ。オーストリア航空でウィーンへ。うわっ。平均年齢65歳以上と思しきオバサマたちの団体がスゴイ。航空機に乗る前からテンションが上がってる。なんというパワー。航空機の中でも…。震災とは無縁?長女とビール飲んで爆睡するなかウィーン着。オバサマ団体と別れてホッとしてベルリン行きに乗り換え。約1時間で夜7時頃ベルリン着。タクシーでポツダム広場のホテルへ。30ユーロくらい。タクシー代が安い。自転車に乗って現れた長女の友人Annet=若いフラワーデザイナー(ベルリンの花屋さん)とその旦那マイケル・ムーア(MM)にそっくりのコマーシャル・フィルム・ディレクターと出逢ってソーセージなしのドイツ料理店へ。美味い!白アスパラ最高!ビールも赤ワインもメチャ美味い!MMが日本の震災を心配してくれたあと黒澤や小津の映画の話で盛りあがる。小生がヴィム・ヴェンダースの話をすると近くのアパートに住んでるとか。ナニィ!と叫んで食事の後ヴェンダースの済んでるというアパートの前を通って深夜のベルリンを散策。かなり安全な街のよう。若者の集まってるバーに入ってカクテル。ドイツ人はとにかく背が高く大きく若者はタトゥーを入れてる割合が高い。MMと酒飲みながら映画の話をさんざんした(アメリカ映画を馬鹿にした・笑)あと深夜1時過ぎにホテルへ。初日から愉しく有意義なベルリン。

CONCERT
ベルリン・フィルハーモニー・ホール
かつて「カラヤン・サーカス」と呼ばれたベルリン・フィルハーモニー・ホール。佐渡裕サン指揮する武満&ショスタコを聴きに行きました。
終演後は大拍手
下手な写真でスイマセン。終演後は大拍手!ベルリン・デビューは大成功!次は…?

5月21日(土)@ベルリン
朝ふらりホテル近辺を散歩。すぐ近くのフィルハーモニー・ホールを外から見物。なるほど黄色の大きな屋根ので「カラヤン・サーカス」と呼ばれていた理由がよくわかる。かつてのベルリンの壁の検問所チェックポイント・チャーリーを見てホテルへ帰って朝食。ノソノソと起きてきた長女と一緒に外出。都市のど真ん中にある大量(1200以上!)の棺桶のようなコンクリート製の広大なモニュメント「ユダヤ人ホロコースト記念碑」を抜けてブランデンブルク門へ。ウンター・デン・リンデン(菩提樹の下)通りを散策。東独の旗を持った東独の兵隊(のスタイルをした若者)が記念撮影に応じてる。長女が声をかけられて撮影。2ユーロ。ローマのコロッセオ前のグラディエーターたちより良心的かな。戦勝記念塔までブラブラ歩く(近いと思たらめっちゃ遠かった)。ドイツのカラスは首の周りが灰色で不気味。深い森の一角にワーグナーの大きな石像を発見。日本大使館横を通ってさんざん歩いたあとポツダム広場のレストランで昼食のあとホテルに戻って夜のコンサートに備えてグッスリ仮眠。長女はどこかに消えた。

5月21日(土)つづき@ベルリン
夜8時からのコンサートを聴くため長女とフィルハーモニー・ホールへ。なぜか小生が少々緊張。会場で佐渡さんの事務所の人やavexのN氏や毎日放送のT氏と出会い雑談。日本では小沢征爾以来の…などと言われてるけど小泉和裕もベルリンフィルの定期を指揮したことを忘れてる。堀川音高出身の彼はザルツブルク音楽祭にも参加して評価が高いのに日本での人気と評価が低いのは可哀想…などと話すうちに開演時刻。53ユーロのAブロック指揮者の真正面の席に着くと隣の二人が関西からのツアーできたオバサマ。「うわあ玉木さ〜ん。ちちんぷいぷい見てますよ〜」でマイッタ。ベルリンでまさか「ぷいぷい」の話が出るとは…。関西から20人くらいの小さなツアーで来たとか。さすがは佐渡人気…と思ううちにオケが揃って佐渡さん登場。1曲目は武満徹作曲5人の打楽器奏者とオーケストラのための「From me flows what you call time」。鐘や鈴や銅鑼や和太鼓が響く美しい武満サウンドの世界。始まりも終わりもない東洋的音の風景。言わば天龍寺や苔寺の庭や竜安寺の石庭の音。途中怖ろしく不気味な響きに聴こえたところで竜安寺の石庭の風景が三陸の津波の後に思えたのはベルリンに来る前に大阪へ行く新幹線のなかの文字ニュースで「東日本の被災者の人を元気づけるような演奏を…」という佐渡さんのベルリンフィルを指揮する前のコメントを読んだせいか。それともそもそも石庭は海を表しているのか。しかし冒頭に響いたエマニュエル・パユのフルート・ソロをはじめベルリンフィルの響きは涙が出るほどに美しい。昔佐渡さんから聞いた「武満さんの音楽ってホンマにエエで」という言葉を思い出しながら感激。そして2曲目はショスタコーヴィッチ交響曲第5番。スゴイ!凄い演奏!ベルリンフィル巧い!(当たり前か・笑)しかし佐渡の指揮通りにオケが美事に反応。この迫力!このピアニッシモ!この感激は『新潮45』で報告します。演奏の終わったあと大拍手。そして楽屋へ。ヨカッタ!ほんまにヨカッタ!

5月21日(土)つづきのつづき@ベルリン
コンサートのあと近くのドイツ料理店で40人ほどの仲間内でパーティ。佐渡さんの靴を作ってる職人夫妻や神戸のバーのマスターやパリ時代の仲間そしてマスコミ仲間やカメラマン等々。みんなの顔が上気してる。かなり興奮気味。昨日の演奏も聴いた毎日放送のT氏は「格段に今日の演奏が素晴らしかった」と。やっぱり初日はちょっと硬かったかな。NHKの収録が初日だったのは少々残念。とはいえ昨日は演奏終了後も拍手が鳴りやまずオケが去ったあとも佐渡さんが拍手で呼び出されたとか。今日の拍手はソコまでではなかったけど聴衆は全員満足の顔やった。パーティで乾杯の挨拶をさせられたので「指揮者は最高!ベルリンフィルがこんなに巧かったとは知らなんだ」と話して笑いをとりながら日本から持参した甲子園スコアボードTシャツとベルリンの花屋さん(昨晩酒呑んだアネットさん)に作ってもらった花束を佐渡さんにプレゼント。途中メシ食いながら佐渡さんの「次の夢」の話を聞く。彼がベルリンフィルと次にやりたいと思ってることは…これは雑誌に書きますので乞御期待(まだ他のメディアには話してないはずです)。それにしても…素晴らしい演奏会。佐渡さんが再びベルリンフィルの指揮台に立つことは必ずあるはず!今回のコンサートを聴きに来ていたバーンスタインのかつての個人マネージャーのアークハート氏も「レニーはベルリンフィルを指揮することは1度しかなかったけど君は3度はある」と言ったらしい。が小生が「いや10回はあるで」と言うと佐渡さんは「ナンヤ。10回だけかいなぁ。3回とか10回とかケチくさいなぁ」と言って笑った。そう!それ以上に…!いやはや最高のベルリンの夜でした。

SIGHTSEEING
ブランデンブルク門
ベルリン観光もしてきました。鴎外×舞姫の世界。ブランデンブルク門です。
蚤の市
蚤の市も面白かったです。
ヤーパン・アニメ・コスプレ集団
ベルリンにもヤーパン・アニメ・コスプレ集団がいました。

5月22日(日)@ベルリン
朝長女とベルリンの街を散策。そこいらじゅうに青色のサッカーユニフォームを着た人。背中にはRAULの文字。あ。UCHIDAもある。シャルケがドイツ・カップの決勝をベルリンで闘うとか。すごいなあ。市バスの運転手のなかにも青色のユニフォームを着た人がいる。何年か前に岡田さんとハンブルクへ行ったときにも感じたけどドイツでの「フスバル(サッカー)」の人気は凄いもんやな。今日は日曜で市民自転車レースもあるのか街のそこら中に自転車とヘルメットをかぶったサイクリストたちの群れ。ベルリンの日曜。気持ちエエ。昨日も見た広大なホロコースト記念碑の隣の公園内にナチスの犠牲になった同性愛者の追悼碑を発見。黒く四角いモダンな直方体の一角に窓があって覗きこむと男性同士のキスシーンの写真が見える。ナチス時代に否定されたすべての人々に思いを馳せるベルリンという街に感激。そこから通りを渡ってアパート外の一角にヒトラーが最後に自殺した地下壕跡があった。但し小さな看板があるのみ。これが正しい歴史認識に違いない。ブランデンブルク門まで歩いて今日はウンター・デン・リンデンを東へ。グッゲンハイム美術館やノイエ・ヴァッヘのなかにある戦争で死んだ息子を抱えるコルヴィッツ作のピエタ像などを見てアレキサンダー広場まで歩いてテレビ塔近くの通りに面したレストランで昼食。パスタを食べるがウワッ。不味!昨日一昨日と美味いものばっか食べたから油断した。ビールが美味いのは救い。いろいろ歩いてイッパイいろいろ見て電車にも乗ってドイツの若者コスプレ集団にも出逢って(なぜか我々が日本人とわかると嫌がられた。コスプレの間違いを指摘されるのがいややったのかな)花屋のアネットさんに教えてもらった蚤の市へ。いっぱいの人でお祭り気分。女性ヴォーカルとサックスとベースとピアノの野外ジャズ・コンサートなんかやってた。正直言って下手(笑)。でも愉しそう。カラオケ大会もあるそうな。しかし一旦ホテルへ帰還。

5月22日(日)つづき@ベルリン
夜11時。長女と一緒に「よしおか」という名前の日本料理店へ。ここは小沢征爾さんや前のベルリンフィルのコンマスの安永さんなんかもよく来た店らしくマスターの日本人の吉岡さんはバーンスタイン指揮ベルリンフィル唯一のコンサートのマーラー9番もナマで聴いたとか。佐渡さんが初めてここに来たときは偶然小沢さんに出逢ったとか。その記念すべき店で佐渡さんのベルリンフィル・デビューの打ち上げパーティ。今夜もやっぱり40人くらいかな。佐渡さんの御両親も来られて挨拶。もうかなりのお歳やけどホンマに喜んでおられて握手した途端もらい泣きしそうになる。佐渡さんも涙。奥さんの公子さんやらとイロイロお話。そうか。お子さんはベルリンでなく日本で育てはるつもりとか。しかしヤッパリ大勢の人に支えられて佐渡さんのベルリンの夢も叶うたんやなぁ…とつくづく思う。いや。これだけ大勢の人に支えてもらえるのも佐渡さんの人徳やろなぁ。ヨカッタヨカッタ。ホンマにヨカッタ。深夜。お客さんも次々と帰られて佐渡さんもフジテレビの『得ダネ』に電話出演のため帰られて事務所のスタッフの皆さんと改めてお疲れさんで乾杯。いや。ホンマにヨカッタ。今夜の最後の演奏会は昨晩にも増して何かに取り憑かれたような迫力やったとか。そしてオケが退場したあとも拍手が続いて佐渡さんも大感激やったとか。ホンマにヨカッタ。次は絶対に○○◯◯◯○ー◯でのコンサートで!!

BOOK
菅原透『叢書20世紀の芸術と文学 ベルリン・フィルハーモニーその歴史秘話』(アルファベータ)
菅原透『叢書20世紀の芸術と文学 ベルリン・フィルハーモニーその歴史秘話』(アルファベータ)

5月23日(月)@ベルリン
朝6時起き。朝食のあとチェックアウトしてテーゲル空港へ。サスガ月曜日。道路はクルマが混んでる。タクシーはベンツ(サスガ!)。バスもトラックもベンツ。ほかにフォルクスワーゲン・アウディ・BMW。フォードを少し発見。日産1台発見。ヒュンダイ1台発見。トヨタは発見できず。テーゲル空港は人混みで大混雑。けど流石はドイツ。混乱はナシ。乗り場のゲートを聞いてもきちんと教えてくれる。飛行機も時刻通り(イタリアと大違い・笑)。ウィーンの空港で土産物を慌てて買う。うわっ。日本人だらけ。それも平均年齢60歳以上のオバサマ。凄いパワーやなぁ。ドイツを去るに当たって最後のビール。あ。既にココはオーストリアか。まあエエ。朝からもう一杯。おかげで機内ではグッスリ+読書。頭の中にベルリンフィルのサウンド。あのオケはホンマに上手いでぇ。往復の機内では往路が菅原透『ベルリン・フィルその歴史秘話』(アルファベータ)と復路がドナルド・キーン『日本人の美意識』(中公文庫)読了。どちらも素晴らしく勉強になる本でした。とくにキーン氏の本は海外旅行で日本を見直すためには最適でしょう。

5月24日(火)帰国
成田空港で機体から出るとテレビ・カメラが2台。えっ?何があったの?と訊くとIAEAの関係者が来日するとか。日本政府がやっと福島原発の査察を認めたとか。ふ〜ん。新聞見ると炉心溶融メルトダウンとか。ナニィ!!と思ってよく読むと前々からわかっていたこと。そういえばドイツのテレビでは日本の震災のニュースを見なかったなぁ。津波の特集番組みたいなのをやっていてユーチューブで見た死体の映った映像をチラッと見たしフィルハーモニー・ホールではピアノのアルゲリッチやチェロのマイスキーらによる新たな支援コンサートの宣伝を見たけどやっぱり遠い国の話題ではあったなぁ。けど再び日常として付き合わねば。そうか。技量審査場所は白鵬が順当に優勝か。ナニィ!日馬富士と魁皇に負けたぁ!う〜む。星取り表をよくよく見ると大関陣が(琴欧州を除き)滅茶滅茶上手く星をまわし…とも思えなくもない…けどじっさいに見てないし(これから見よ)…いやマァどーでもイイことですけどね。成田エクスプレスで直行大船へ。再びグッスリ。帰宅してヨメハンと孫への土産や土産話のあと『鮨処もり山』へ。うむ。やっぱり日本の鮨がうまい!

DVD
『激突!』
『激突!』
『シエナ・ウインド・オーケストラ結成20周年記念コンサートLIVE』
『シエナ・ウインド・オーケストラ結成20周年記念コンサートLIVE』
CD
『ベートーヴェン:交響曲第4番、第8番』
『ベートーヴェン:交響曲第4番、第8番』
『バッハケージ:フランチェスコ・トリスターノ』
『バッハケージ:フランチェスコ・トリスターノ』
『星は光りぬ〜マルテーゼ・テノール』
『星は光りぬ〜マルテーゼ・テノール』

5月25日(水)
サア日本の日常に戻らなければ…と旅行中の新聞を片っ端からチェック。そして溜まっていた郵便物もチェック。CDが沢山送られてきてる。『シエナ・ウィンド・オーケストラ結成20周年記念コンサートLIVE』これは今年1月横浜へ聴きに行った演奏会。会場では淀川工高吹奏部指揮者の丸谷明夫先生と佐渡さんのトークが最高で大阪釜ヶ崎でのコンサートで「演歌やってえな」という酔っぱらいのおっちゃんたちを演奏で泣かした話しが最高やった。そんな雰囲気の伝わってくるCD。そう言えば「そこが原点やと自覚して今年ベルリン・フィルを指揮しに行きます」と佐渡さんは言うてたなあ。おっ。金聖響さん指揮OEK(オーケストラ・アンサンブル金沢)のベートーヴェン4番8番のCDも来てる。うわっ。爽やか演奏やなあ。気持ちエエなあ。4番も8番もフィナーレが素晴らしい!こういう「根無し草」ではない「コスモポリタン・ベートーヴェン」が素晴らしい!これでベートーヴェン全集完成やね。ジョセフ・カレヤという新進テノール歌手のイタリア・オペラ・アリア集もよかった。いろいろ聴きながらベルリン旅行中にたまった事務整理。秘書さん。やっといてね。と言えへんのがつらい(笑)。

5月25日(水)つづき
あっという間に晩飯映画劇場。旅行中に次女が仰山映画をテレビから録画してくれてたなかから『激突!』。巨大トラックに追いかけられて「DUEL(決闘)」するだけの話。何度も見たけどスピルバーグのデビュー作で最高傑作。初めて見る次女は「ジョーズと同じじゃん」などと言ったがそのとおり。人間そうそう違うことはできないのだ。そのあとNHKで放送されたプラシド・ドミンゴのコンサートを見る。いやぁ。お見事。70歳にしては美事に美しい張りのある声でテノール(トスカ)やバリトン(リゴレット)でオペラを堪能したあとミュージカル(マイフェアレディ・南太平洋)も素晴らしい。そして東日本大震災の被災者のために「故郷」。これは泣きますよ。昔ニューヨークやパリや大阪でインタビューしたときのことを思い出す。ドミンゴはスーパースターやのにホンマにエエ人やで。ひょっとしてコレからの時代は「スター」と「エエ人」の両立する時代と言えるのかもしれませんね。

DVD
『続・激突!カージャック』
『続・激突!カージャック』

5月26日(木)
日常生活復帰。週末のオペラ講座のレジュメを作って資料整理。時差ボケなし。メラトニンの入った睡眠導入剤が効き目を表してるよう。メラトニンは以前パヴァロッティにインタヴューしたとき時差ボケに欠かせない薬で諸外国では栄養剤の一種としてスーパーでも買えるとか。日本では医者の処方箋が必要とかで今回は掛かり付けのお医者さんが出してくれたので重宝してる。その割りに仕事が進まないのは自分のサボり癖のせい?トホホ。晩飯映画劇場は昨晩に続いて若きスピルバーグ監督の『続・激突!カージャック』。最低の日本語タイトルに騙されてみてなかったのがいけなかった。素晴らしい映画。原題は『Sugarland Express』少々(否。かなり!)未熟な軽犯罪夫婦の脱獄子供奪還劇。小生の大好きなゴールディ・ホーンも好演。スピルバーグは映画作りのテクニックが巧み過ぎるのですね。けっしてつまらないテーマではないけれどコノ程度の物語でも観客を魅了する。ということでその後の作品のテーマに対する掘り下げが疎かになった?

5月27日(金)
朝チョイト仕事に手を付けたあと昼横浜のみなとみらいホールへ。金聖響指揮神奈フィルのマーラー『交響曲第9番』のリハーサルに少々立ち合う。ベルリン・フィルを聴いたあとにもかかわらずエエ音出してる。日本の音楽家たちはもっと自信持ってもエエはず。明日の本番を聴けないのが残念。しかも打合せのため1楽章のみで退散。東京へ。出版社との打合せ2つこなすが3つめは空振り。小生の最新刊『大相撲八百長批判を嗤う』(飛鳥新社)の見本ができてるかと思たけどまだやった。残念。佐渡裕さんが所属するクリスタル・アーツの事務所へ寄って帰国の挨拶及びイロイロ仕事の打合せ。残念ながらベルリンに行けなかった社長のS氏にコンサート報告。寿司でも食おうということになって帰り道が同じなので『鮨処もり山』へ。日本のクラシック音楽シーンについてイロイロ情報交換。そうなんや。日本のクラシック音楽のレベルは高い。しかしクラシック音楽の将来に対する意識は低い。糺すべきは音楽ジャーナリズムからか…。

5月28日(土)
朝から佐渡さんのベルリン・フィル・デビューとベルリンの資料整理。そうか。ケネディのベルリン演説"Ich bin ein Brliner"はベルリン・フィルにとってもキイワードやな。なんせコンマスがポーランド系ユダヤ人・イスラエル人・日本人で常任指揮者がイギリス人。N響もコンマス中国人・常任指揮者中国人という日が来るかな。午後から新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターでオペラ講座。メインはヴェルディ『マクベス』。男は成功か安定かどちらかを目指すほかなくファム・ファタルは成功を旦那に嗾ける(この漢字は「けしかける」と読みます)。嗚呼女は怖ろしい…という話。映像と音楽はメトロポリタンのレヴァイン指揮で楽しんだけどコノ現代演出はイイですよ。講座のあとベルリンの土産話。ビールの飲み癖がついてしもたな。新幹線でグッスリ。嗚呼ビールはドイツも日本も美味い。

DVD
『どろろ』
『どろろ』
BOOK
『手塚治虫文庫全集どろろ』(講談社)
『手塚治虫文庫全集どろろ』(講談社)
谷崎潤一郎『乱菊物語』(中公文庫)
谷崎潤一郎『乱菊物語』(中公文庫)

5月29日(日)
朝から『新潮45』ベルリン報告原稿書き。途中で同雑誌の野球原稿を入稿。やっぱり野球と音楽の頭のキリカエは難しい。おまけに近々現行の「スポーツ振興法」を改正して「スポーツ基本法」が議員立法で国会に上程されるとかでスポーツ振興法を読み直す。ナンヤラカンヤラアレヤコレヤで原稿書けず晩飯映画劇場に突入。手塚治虫原作『どろろ』。う〜ん。CGの発達でこの手塚漫画の映画化が可能になったとはいえ…う〜ん…。柴咲コウは熱演とはいえ女優が漫画を真似てはいけません。漫画のアニメ化はあっても映画化はないな。どうせなら『パコ』のようにアニメと合体させたらヨカッタのに…。妻夫木も魅力半減。残念。早よ寝よ。おやすみ。ZZZZZ…。

DVD
『パリ20区、僕たちのクラス』
『パリ20区、僕たちのクラス』

5月30日(月)
朝5時起き。せっせと仕事。ぐわあああああ…と原稿書き。完成!ブワンザーイ…と思たら午後5時。まぁこんなもんやろ。共同通信記者から議員立法の「スポーツ基本法」(案)が送られてきたのでチェック。うむむむむ…中途半端やなぁ…。とくにスポーツ庁設置の条文。行政改革(公務員リストラ)と新庁設置は矛盾しないことがわかってないなぁ。それに「国家戦略としてのスポーツのあり方」が全然わからん。言葉だけが遊んでる。そもそもスポーツの定義もわからん。アジア大会種目のダンスや囲碁は入るの?プロを否定してた振興法を改正した基本法ではプロも加えてるけどプロ野球Jリーグ大相撲の位置づけもワカラン。そもそも民主党スポーツ系議員はスポーツの定義がわかってるの?日本のスポーツを発展させる方向がわかってるの?高野連はスポーツ基本法と関係があるの?それとも体育やから教育基本法に従うの?それがわかってないと文部官僚は動けませんぜ。それこそ民主党が官僚の使い方が下手と言われる由縁ではないの?要するに事務方レベルの考えしか頭になくて政治政策に頭が使えんということなんやけど…。まあスポーツに関しては自民党も同じやけど…。晩飯映画劇場はカンヌ映画祭パルムドール受賞作『パリ20区、僕たちのクラス』。面白かった!ドキュメンタリータッチで描かれた多民族地区の学校現場の悲哀。それにしてもフランスの生徒は理屈を言いよるなぁ。日本の大学生よりも教育のし甲斐がありそうやで。

DVD
『ボックス!』
『ボックス!』

5月31日(火)
今日も朝から原稿仕事。そこへ兎が跳んで出て…くることなど絶対にない。ナンノコッチャ。原稿が書けんときは頭がこーゆー方向に走る。トホホ。昼から保土ヶ谷にある神奈川県アートホールの神奈フィルの練習場へ。神奈川県の芸術文化関係の情報誌『神奈川芸術プレスKANAGAWA ARTS PRESS』で金聖響さんと『子供のコンサート』について対談。「子供持ってへんからようわかりませんけど…」「持ってもワカランで…」というだけでなくメッチャおもろい話の連続。聖響さんに大拍手。+子供がおらんうちにイロイロ仕事せいという話(笑)。帰宅して晩飯映画劇場は『ボックス!』。あ。この映画の原作小説はゲラ段階で出版社から送られてきて読んだことに気付く。その後世の中では評判になったらしいけど小生の心には響かなんだ。ドラマの筋書が作為的すぎてボクシング論が浅薄に思えたから。映画は凄いパンチの応酬でアマチュア・ボクシングのルールを大きく逸脱。亀田興毅も出演!それは最後に断り書きもあって試合のシーンは面白く良くできてるけどやっぱりストーリーが…。うむ。文科省推薦映画として学校上映するにはいいかも。しかし2時間以上は長い。ドラマ的には1時間半で十分。

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