3月1日(木)
朝から机の虫。せっせせっせと原稿書き……おおーっと午後からは夕方に取材で逢う人物の資料調べ。うんうんそうか。なるほど。読んでる人はナンノコッチャわからんやろけどこーゆー仕事もあるのだ。まさかフリーメーソンやイルミナティについて調べてるわけではない。けどマァ似たようなモンか(笑)。スポーツの世界を調べていったらいつかはぶつかるこっちゃわな…などと思ってると小野俊太郎さんから新刊『明治百年もうひとつの1968』青草書房が届く。そうなんや。1964年の東京オリンピックで実は戦前からの流れ(満州開拓の影響)と戦後復興に一区切りをつけた日本はメキシコ五輪までの4年間に態勢を整えて明治百年にあたる1968年に新しい出発をしたんですね。読まねば。晩飯食いに『鮨処もり山』へ。某人物Q氏と待ち合わせ。秘密の話山ほど(笑)。なるほど人生色々あるのんやねえ。ナンノコッチャ。
3月2日(金)
朝から机の虫。せっせせっせと原稿書き……おおーっと昨日とおんなしやんけえ。いやいやこーゆー日常が一番大切なのです。灰色の日常が確固として存在しないとタマの金銀紅碧の非日常が際立ちませんからね。せっせせっせ……。しかし同じ日常でも額に汗する日常のほうが健康的ですね。俺のように額に冷や汗する日常は不健康です。しかも書いてる原稿のテーマはスポーツ。スポーツをテーマに原稿書いてる人物は一番不健康…というエッセイが書けるなぁ…などと思いながら筑摩書房新書の『スポーツジャーナリズム論』と大格闘…しかし…あっ!!…新聞の締め切り忘れてた!!ヤバイヤバイと午後から毎日新聞コラム『時評点描』書く。テーマ(東京マラソン)は既に決めていてノートにメモもまとめてたからラクチン…と油断したら意外と格闘。油断はいけません。ザック・ジャパンのようになってしまいます…と思いながら夕方完成。送稿して今日もまた酒食の巷へ(笑)。焼き鳥とタン焼きの『との山』で某音楽事務所のS社長と飲んで食って話して…とはいってもクルマのS氏はウーロン茶でしたけどね。話の中味は連日極めて充実。まだ公表できませんが(笑)気心の知り合った同世代の人物と新しい仕事一緒にできそうなのは嬉しい。俺一人ホンワカと酔ってS社長に運転手させて帰宅(笑)。なでしこはキチンと試合するなぁ。
3月3日(土)
朝迎えのクルマに乗ってNHKへ。『週刊ニュース深読み』生出演。テーマは2020年の東京五輪招致について。一緒に出たのは早稲田の友添秀則先生。故・中村敏雄先生との関係で以前からよく知ってる教授。スポーツ・アカデミズムの人々もジャーナリズムの世界にどんどん出てジャーナリストたちの「無知」を糺してほしい(笑)。とはいえ番組中に司会の小野文恵アナウンサーが「スポーツと体育ってどう違うの?」と訊いたので俺が「自分からやるのがスポーツ。やらされるのが体育」と答えると友添先生「そんなに簡単に言われると困りますが…」ってソコはそのくらいでいいんですよテレビでは…(笑)。他に松尾貴史さんとRICAKOさん相手に東京五輪招致賛成論を展開。松尾さんもRICAKOさんも五輪招致懐疑派ながら呼べればイイという考え。次は五輪招致大反対派の人と討論してみたいなぁ…いや…是非ともしなければイケナイでしょうね。番組のホームページにいろいろ意見が掲載されてます。興味のある方はどうぞ…というより多くの人に東京五輪招致について考えてほしいから是非とも見て下さい。NHKの宣伝をするわけではありませんが…(笑)。
http://www.nhk.or.jp/fukayomi/backnumber/120303.html(以前出演した「ダルビッシュ大リーグ入りと日本のプロ野球問題」もバックナンバーあり。http://www.nhk.or.jp/fukayomi/backnumber/120121.html)
3月3日(土)つづき
帰宅して黒兵衛と散歩。デッカなったなぁ。もう佐吉より大きいで。外にいた隣のオバアサンに「あらテレビに出ていらっしゃったのはビデオなんですか?」と言われたので「いえ。あれは双子の弟なんです」と答える。「あらマアもうオホホホホ」天気のいい土曜日はイイ気分。昼飯映画(TVドラマ?)劇場はWOWOW脚本大賞を受賞したとかの『ゴー・エイプ』。昨日前半10分ほど見て面白そうと録画しておいた作品。全部見ると…ちょっと劇画チックに過ぎたかな。GO
Ape(猿になる)は「狂う」という文学的表現。拙著『マーラーの交響曲』の『大地の歌』の章で元歌の李白の詩の『孤猿坐啼墳上月』という部分で解説した。脚本家と映画監督のネライは痛いほど理解できたがモウ少し大人の表現が出来たのでは…と残念。ちょいと読書と仕事のあとの晩飯映画劇場はフランス製アニメ映画『ベルヴィル・ランデブー』。いやあ素晴らしくハイセンスなアニメ表現!これが大人の表現か…と少々フランスかぶれになって絶賛したくなる。親のいない孫に三輪車を与えて育てたお婆ちゃん。やがて大きくなってツール・ド・フランスに出場した孫はマフィアに誘拐されて暗黒街でのギャンブル競輪へ。彼を救い出すために往年の大歌手で今は婆さんとなったベルヴィル・シスターズ(アンドリュース・シスターズ?)と一緒に婆さん大活躍…。いやあ面白かった。台詞がほとんどなく絵が凄い!この絵には何?コレ?と顔をしかめて嫌う人もいるだろうけど小生は大好きです。船の描き方なんか上手いモンですねえ。
3月4日(日)
朝戸塚の男女共同参画センター横浜へ。そこで開催されていた第23回アディクション・セミナーに参加傍聴。「アディクションaddiction」とは「耽溺・常用癖・依存症」のこと。ギャンブル依存症から抜け出た友人の報告を聞きに行く。それだけでなく他にアルコール依存症・強迫的買い物依存症・浪費依存症・摂食障害(甘い物依存症)・情緒感情障害・薬物依存症・性的強迫症(セックス依存症・性依存症)…等々いろんな精神的障害や依存症から脱出した人たちの体験談を聞けてよかった。人間が生きていくのって大変なことです。そこで少々失敗した人が自分のミスと向き合いやり直す姿勢は尊いものです。ただギャンブル依存に関しては日本ではまだギャンブルが刑法で禁止されていて(国の管轄下だけ許可され)それでいながらアンダーグラウンドで違法賭博が893の手によって営まれている現実が事態をより悪化させている。この状況は依存症に対する手当と同時に何とかしなければ…。午後帰宅。せっせせっせと机の虫になってキイボードを叩いたあと孫と入浴。体洗ってやるのもアタマ洗ってやるのもすっかり慣れる。まぁ自分の子供で慣れてますからね。「うそばっかり。そんなにしてヘンくせに…」というヨメハンの声が耳に響く。けどマァ長い人生しっかり生きろよ…なんてマジメな気持ちになったのは午前中の貴重な体験のせいかも。晩飯食って明日早朝のラジオに備えて東京へ。小野俊太郎『明治百年』読み進む。めっちゃオモロイ。なるほど「時代」はそんなふうに流れるのか…。東京泊。
3月5日(月)=速報!ナデシコ!!アメリカに堂々の勝利!!
朝文化放送『吉田照美ソコダイジナトコ』生出演。口先プチマキャの野田首相批判は俺より照美さんのほうがキツイなぁ(笑・註:「プチマキャ」は「プチマキャベリスト」の略です)。しかしホンマにアノ首相は口先だけの人物に見えるなぁ。それにしても谷垣もヒドイ。政治家の堕落防止は少子化防止より喫緊のテーマかもしれんで。何とかナランかぁ。ほかに女系天皇反対論やら北方四島問題(有能な外交官もおらんようやからからウォッカに強い佐藤優にやらせろ)などと話して帰宅。ふ〜ん。孫がキチンとした言葉を話すようになったのか。ただヒトコト「イイヨウ」だけど世の中を肯定する言辞を最初に口にしたことは評価できる(って爺馬鹿の屁理屈もエエとこやなぁ・笑)。少し休んで机の虫。仕事進まんなぁ…とほほ…てな毎日がこれから続くのかなぁ…などと思いながら昼飯はNHKーBSが昨晩やってた金正日の韓国制作TVドキュメンタリーを見ながら。あんまり驚きはないなぁ…で午後は再びせっせせっせと机の虫。晩飯は…と思ったところで長女のBF来宅。全員で昨晩のNHKスペシャル「3・11」を見て改めて地震と津波の怖ろしさと人間の運命の儚さを肝に銘じる。そして飯の後はナデシコ・ジャパン。凄いですねぇ。1−0!!宮間のコーナーから高瀬の見事なヘディング!!アメリカと堂々と四つに組んで勝っちゃいました。パス上手いです。試合運び巧みです。選手全員落ち着いてます。澤抜きでコノ快挙です。男子も見習え!チームスポーツは勝てば勝つほどどんどん強くなるもんですね。
3月6日(火)
朝から眠いなぁ。歳のせいか最近夜更かしをしなくなった(苦手になった)のに昨晩はなでしこvsアメリカ戦で午前1時過ぎまでプチ夜更かし。たったそれだけで体調が狂うた感じ。眠い。要は熟睡が下手になったからか。朝からチョイトぼーっとしてたらヨメハンが「インフルエンザも気合で治せと言うてた人が何言うてはりまんねん」続けて娘たちも「そうだそうだ」ま。そーゆーもんでしょうと納得して机の虫。せっせせっせとキイボード打ち…じゃなくて原稿書き。書類をパソコンで作ってるワケじゃないですからね。読者の皆さんに読んでいただく原稿を書いて印税や原稿料をもらって生活してるんですからね…などと思いながらせっせせっせせっせ…。昼前黒兵衛と散歩に行って昼飯食って午後から再びせっせせっせ…。ふううーっ。晩飯ドキュメンタリー劇場はNHK-BSを録画した『日本サッカー50年』の1〜2回。メキシコ五輪からドーハの悲劇。全関係者の貴重な証言の記録。プロ野球はこーゆー歴史の積み重ねができない。ナベツネが出てきませんしホントのことも語りませんからね。よって進歩がない。最近誰もがいつでも「進化」という言葉を使うようになり「進歩」という言葉が死語になりつつある。オーガニックでない場合は「進歩」を使うべし。「進歩」を復活させましょう!!ついでにドキュメンタリーの「熱いコーヒー訴訟」(前半)も見てアメリカ訴訟社会に対する単純批判がナンセンスであることを勉強。ブッシュ大統領ちゅうのはホンマに阿呆やった…のではなく大企業の利益優先(消費者無視・人間無視)を実践してたのですね。後半が楽しみ。こーゆーマトモなドキュメンタリーを作ることの出来るアメリカ人とアメリカのメディアはやはり馬鹿にできない素晴らしい面がありますね。それに較べて日本のメディアは……。
3月7日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』電話出演。なでしこジャパンの活躍をとりあげアルガルベ杯のアラビア語の意味(アルアンダルシア・アルゲルベでヴァンダル人の土地の西の地方の意)をとりあげ「テニス」という言葉の意味(フランス語のtenez=打て)や「ラケット」という言葉の意味(アラビア語のラハト=手の平)やダルビッシュ有という名前の言葉の意味を紹介してスポーツの言葉がいかに面白くその意味を知ることがいかに重要か…という話。ちなみに「玉木」という意味はball&batです(これはコジツケ・笑)。その後横須賀線と江ノ電に乗って鎌倉高校付近の病院で定期検診。薬局でジェネリックの降圧剤をもらって大船へ。江ノ電から綺麗な海を眺める。この海が怒り荒れるときも近々来るのか?大船で元プロ野球関係者のK氏と濃密な新しい仕事の打合せ。うん。新しいスポーツ新聞をネットで作りましょう!でないと既存のスポーツ・メディア(利害関係のある主催新聞社やテレビ局)の報道だけでは面白くないですからね。うん。面白い仕事になりそうな気配!その後根岸のヘアサロンでヘアカット。サッカー好きのヘアカッターいやヘアデザイナーとなでしこは強いなぁと話しながら少なくなりはじめた髪の毛にはさみを入れていただく。帰宅して仕事。マラソン選手の選考問題で週刊誌から電話。そんなことより選手を潰す大学駅伝&実業団駅伝批判のほうが大事と話す。晩飯のあとアルガルベ杯決勝。いやぁナデシコは強いわ。0−2から追いついて2−2。試合終了間近にPKで点とられてリードされても追いついて3−3。その後一瞬のスキを衝かれてミスも重なって4−3でドイツに負けたけど満足。五輪もガンバレ。しっかし宮間っちゅう選手は凄い選手やなぁ。
3月8日(木)
朝からぶわーっと原稿書きをしなければならない時期に来ているのに雑用に追いまくられる。C書房のTサン。スンマセン。今回は必ずやりまっさかい!!それにしても「なでしこジャパン」はオモシロイ。プレイも面白いけど名前も面白い。「世界」と闘ったり肩を並べたりすると「世界のオーシマ」「世界のNINAGAWA」「デューク東郷(ゴルゴ13)」「ICHIRO」のように無国籍化するのに「なでしこ」は日本を主張したまま世界レベルになった。まるで鮫島選手のプレイ(走り方)のように。それが日本女性の強さかな。「SAMURAIジャパン」は違うなぁ…などと考えるヒントは小野俊太郎さんの『明治百年』(青草書房)というメッチャ面白い本からいただいた。もう一冊薄い小さな本が送られてきたので封筒を開けて読み出すと止まらない。いつもなら「止まらへん」と関西弁で書くところが居住まいを正して「読み出したら止まらない」と書きたくなる本でした。タイトルは『この海に』(デコ出版)。アイルランドのシェイクスピアと称されたジョン・ミリントン・シング(1871-1909)の戯曲(Riders
to the Sea『海へ騎(の)りゆく人々』)を詩人の高橋順子さんが翻訳小説化したもの。荒涼たる断崖に囲まれた小さな島(アラン島)の海辺の村に2人の娘と暮らす母親が夫と6人の息子を次々と海に奪われる物語。当然東日本大震災を連想。解説でもそれに触れられている。故郷の九十九里で家族が被災した詩人の体験記も。この物語は百年前の虚構だが『海の実質は変わっていない』いろいろ考えさせられる「海が主人公」の一編。原作戯曲の英語原文も付けられていて学生の英語の勉強にもいいかも。しかしアレから1年か…。息子たちを失った母親の最後の台詞『No
man at all can be living for ever,and we must be satisfied.(みんな、いつかは死ぬんだよ。これで、いいんだよ)』そして家財をすべて流された郷里の家族が笑顔で詩人(高橋さん)を迎える。詩人は書く。「天災ゆえに誰も恨まぬ』『放射能禍だったら、こうはいくまい』晩飯ドキュメンタリー劇場は『熱いコーヒー訴訟』の後半。うわああ。民間会社のチェイニー副大統領がCEOを務めたこともあるアメリカの戦争協力会社ハリバートンに就職して戦後のイラクへ赴いた女性が社員や上司からレイプされて監禁されてそれでも契約条項に一切訴訟はしないとあることから訴訟が出来ず議員を頼って議会の委員会に訴えるところまで発展。マクドナルドの熱すぎるコーヒーの火傷訴訟を逆キャンペーン(過剰訴訟への批判)に使った大企業のやり方を批判する素晴らしいドキュメンタリーでした。続けて『日本サッカー50年』も。ジョホールバルの勝利。新生日本サッカー創世記の素晴らしい挑戦でしたね。岡ちゃん若い。
3月9日(金)
朝からぶわあーっと原稿書き…という具合にはなかなかいかんなぁ…。『スポーツ・ジャーナリズム』は長年温めていたテーマでもあるしすぐにでも書き出せてすぐにでも完成…出来るはずが各章の書き出し原稿ばかりがパソコンにたまってメモばっかりがノートに溜まって一向にまとまる方向へと進まん。これは失敗を恐れず力業でねじ伏せないとイカン…と思いつつまずはBGMがイカンと反省。最近チャイコフスキーの『マンフレッド交響曲』なんてヤワな音楽にはまってましたからね。そこで何故か久しぶりにシューベルト『冬の旅』に手が伸びる。昨日読んだシング原作の小説版『この海に』の影響か。フィッシャー=ディースカウはエエなぁ。いや最近はゲルネの歌が気に入ってる…テノールやったらシュライヤー…けどやっぱりハンス・ホッターか…とイロイロ聴きながらキイボードをカチャカチャ打ちながらなかなか単行本書きという仕事が日常化せんなぁなどと思いながらカチャカチャカチャ。うんホッターはエエ。しかしこの歌は『この海に』とも3・11にもマッチしすぎて怖いなぁ…で『マンフレッド交響曲』の虚構物語音楽の美しさに戻して…ナカナカ原稿が進まんなぁ…BGMは関係ないか…スランプか…こういうときはスランプが明けるのを待つほかないと豊田泰光が小林秀雄との対談で語ってたなぁ。あ。確か小林秀雄は都市対抗野球鎌倉軍の選手やったはず…などと考えてたら晩飯。『日本サッカー50年』第4回フランス&日韓&ドイツのW杯を見る。中田英寿のトルシエ論ジーコ論トルシエからジーコへのバトンタッチの理論的肯定論と実践的失敗論が秀逸で面白かった。食後『トロン:レガシー』見る。嗚呼。父と息子の古いテーマと一見「最新」に見えるCG映像(大昔に手塚治虫が描いた未来都市?)。不易と流行の挟間で流行が勝ってすぐに古臭くなる映画ですね。いま既に『トロン』をフッルウーと思いますからね。アメリカ人として新しい神話を模索して『スター・ウォーズ』を作ったジョージ・ルーカスとディズニー商業映画の違いですね。ビートルズとモンキーズの違いかな。
3月10日(土)
え〜い今日は仕事休んでやれ…と思うと肩の力が抜けて気楽にTV三昧。ただしTVは震災1周年特集が目白押し。そーか。1周年か。去年の今頃俺は『マーラーの交響曲』の執筆を一旦休止して大相撲八百長問題の単行本『「大相撲八百長批判」を嗤う』の緊急出版ででいろんな人(相撲記者・元ヤクザ・八百長告発者etc)に会って話を聞く一方明治2年開校創立142年の母校新道小学校の閉校式に出て宮川町歌舞練場で記念講演して名古屋で佐渡裕さんとトークショウやって鎌倉の自宅に帰ってホッとしたところでグラグラッに遭遇した。その夜はハーディング指揮新日フィルの『マーラー5番』のコンサートへ行く予定だったけど電車が動かず行けず。京都に帰ってた女房はこちらに来れず。福島原発の爆発をTV画面で見て次女と孫をとりあえず京都へ避難させたんやったなぁ。あれから1年か…。いろいろあったなぁ…。午後から長女と久しぶりに帰宅した長男を誘って鎌倉芸術館へ。ベルリン・フィル・コンサートマスターの樫本大進さんヴァイオリン・オール・ベートーヴェン・コンサート。Vnソナタの2・6・7・8番。今まで『春(5番)』『クロイツェル(10番)』以外オモロイと思たことのなかった曲のドレモコレモが面白かった。見事な演奏。ちょいとグールドチックなコンスタンチン・リフシッツというピアニストのピアノの音にも感激。アンコールのクライスラー『シンコペ』を聞いたあと楽屋へ。ベルリンで佐渡サンのコンサートのあと御挨拶できなかったことなどを話して素晴らしいコンサートの御礼に『マーラーの交響曲』を贈呈。すると「うわあ勉強させていただきます」「いえいえ。お暇潰しに」のあと餓鬼どもと『213』へ。ビールとサラダのあと家に帰って久しぶりに一家揃ってカレーで晩飯ミュージカル劇場。ジュリー・アンドリュース主演の『モダン・ミリー』はミュージカルにはまって我が家のミュージカルDVDを次々とパクっていった長男のお返し。まぁどんな仕事してもエエけどベイシストがミュージカルで儲かるんかいな。まぁ。勝手にせい。夜NHKがハーディング指揮新日フィルの被災の日のコンサートをドキュメンタリーにして放送。非日常の音楽が非日常の災害と交錯する一瞬。その場にいた人全員は「生」を確認したのか。間近に存在する「死」を感じたのか。確かなことは1年経ってもまだ誰も平和を取り戻せていない…ということだろう。私も…貴方も…みんな…きっと…。
3月11日(日)
3・11か…。TVは朝から東日本大震災の特番だらけ。当たり前ですね。あ。唐橋ユミさんが出身地の福島から出演してる。がんばって!!名古屋レディースマラソンをチェック。うわっ。野口みずきの激走も赤羽有紀子の粘りも中里麗美の新鮮さも尾崎好美の失敗を2度は繰り返さない見事な走りも全て良かった。サッカーのなでしこと同じ。男子マラソンも女子マラソンを見習え!!昨晩録画したNHKのドキュメンタリー「3・11のマーラー」を見る。俺も行く予定にしてた演奏会。墨田トリフォニーホールでダニエル・ハーディング指揮新日フィルが100人前後の聴衆相手にマーラーの交響曲第5番を演奏したドキュメンタリー。小生も行く予定にしてたコンサートだったがJR全面不通で…という以上に強度の揺れと停電で断念。徒歩で行ける人しか集まらなかったけど演奏したハーディングと新日フィルの面々の決意と態度は素晴らしかった。なかなか見事な一期一会。午後天皇陛下御臨席の追悼儀式を見ながら黙祷。大相撲見て…うわっ。白鵬って3・11が誕生日なんや。孫と風呂入って晩メシ食って東京のホテルへ。明日のロンドン五輪マラソン代表選手発表に関して携帯に『朝ズバッ!!』『知りたがり』『ひるおび』など次々と電話。女子は重友・木崎・尾崎で決まりやろけど陸連は川内を選ぶ優輝(勇気と引っ掛けてます・笑)はないやろなぁ。とりあえずZZZZZZZZZZZZZZZ。
3月12日(月)
朝文化放送『吉田照美ソコダイジナトコ』生出演。大震災1周年で復興について(都市=消費の拠点でなく田舎=農漁村=生産の拠点)が被災したから都市計画でなく国土復興の観点が必要という話や本欄8日にも書いた素晴らしい一冊『この海に』の話をする。番組終了後ホテルで仮眠。そのあとTBSへ。有森裕子サンと一緒に『ひるおび』生出演。マラソン選手選考について。途中有森さんが選ばれた(松野明美さんが落とされた)ときの話で有森さん落涙。以前我が大学で教壇に立ってもらった時の話でこのときの有森さんの複雑な気持ちがドンナモノであったかソノ苛酷さを知っていたので必死にフォロー。「選手選考についての話題もいいけど日本のマラソンが何故レベルダウンしてしまったのかも喋りたいですね」と小生の日頃の持論をやんわり口にすると「この時間じゃ言い尽くせませんけどね」と今度は有森さんがフォロー。陸連の選手選考の過去の問題について話して送りのタクシーで帰宅…と思たらフジテレビの『スーパーニュース』やテレ朝『やじうまテレビ』など携帯に次々と電話…で応対してたらそんな電話に混じって女房から「講談社の編集者Aさんが昨日早朝に亡くなったという知らせが…」で驚いて藤沢のAさん宅へ。仰天して藤沢のAさん宅へ。最近複雑な骨髄の病気で入院と聞いていたが月刊『現代』時代からの深い付き合いでプロ野球のキャンプ取材も何度か一緒に行きケンカもした。『スポーツとは何か』『ベースボールと野球道』『ベートーヴェンの交響曲』などの講談社現代新書の編集も担当してくれて『ロマン派』『マーラー』と道筋を付けてくれた人物。そんな人物が目の前で静かに眠っている。その姿を見てI
will cry tomorrow.(今日は泣くまい)という言葉を思い出す。残された奥さんやまだ若いAクン自慢の息子さんや娘さんと少し話して合掌辞去。大学時代以来何人もの大親友との別れを繰り返したけど鬼籍に入る順番を狂わせられた人物の死は辛い。帰宅後電話取材の仕事をこなして孫を風呂に入れて晩飯はビールとウィスキー。いつもは俺の酒を止めようとする看護師の次女も今夜は何も言わず。悲来乎悲来弥。主人有酒且莫斟。聽我一曲悲來吟……南無。合掌。
3月13日(火)
昨日I will cry tomorrow.と書いたtomorrowがtodayになってもcryしてる暇はないので新幹線に乗って大阪へ。毎日放送で4月1日に行う春休みトークスペシャル『親子で楽しむロンドン五輪(仮題)』の打合せ。去年大阪マラソンの前にマラソンについてのオモシロ話をしたので今度はオリンピックについて。テニスの沢松奈生子さんやトランポリンの廣田遥さんらと楽しく喋る予定。その打合せのあと『ちちんぷいぷい』生出演。ロザンやケンちゃんに沢松さんも加えて楽しく喋ってハヤシライス食って京都の白味噌おかきも食ってわいわいがやがや。しかし毎日放送の女子アナが世界の桜を求めてアフリカまで行ってるのは羨ましいなぁ。俺はとうとうアフリカとオーストラリアだけは行かず終いになりそうやなぁ。オーストラリアはドーデモエエけどアフリカは今も行ってみたいという思いは…もうエエか。往復の新幹線で大橋良介『日本的なもの、ヨーロッパ的なもの』(講談社学術文庫)熟読。芭蕉と利休と西周…昨日別れたAクンの永眠した顔を思い出す。こーゆー本について語り合える相手を亡くしたことは大きい。ちくしょー。家に帰ってフテ寝じゃ。
3月14日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』電話出演。ロンドン五輪マラソン選手選考について。それ以上に日本のマラソンが(特に男子)何故弱くなってしまったのかを考えるべし。新聞社主催のエリート・マラソン大会や人気駅伝大会のあり方を見直すべし。それをテレビやラジオで自由に喋れて新聞に自由に書ける環境を作るべし。『スタミナラジオ』は喋れます…というお話。せやから俺が25年近くレギュラー電話出演を続けられてるんでしょうね。午後から映画試写会@六本木シネマート。ソクーロフ監督『ファウスト』。いやぁヴェネチア映画祭グランプリだけあって…というか昭和天皇をイッセー尾形主演で描いた監督だけあって(邦題は『太陽』)…というか物凄い映画でした。ゲーテの時代の社会の映像描写も凄いしゲーテの戯曲の台詞を散りばめながら原作から離れて行くぶっ飛び方も凄いし…しかし最後のメフィストフェレスとの会話はイマイチ理解に苦しんだ。もう一回じっくり見たい映画です。いや何回でも。試写会が始まる前に狭いトイレで立花隆さんとバッタリ。「こんにちは」と挨拶すると誰だお前は…といった驚いた顔をされた。ソラそうやわなぁ。40年近く前にミニコミでインタヴューさせてもろて20年近く前にTBSで偶然出逢うたときに筑紫哲也さんにちょいと紹介されただけやもんな。試写会が終わったあとのエレベーターでは内舘牧子さんとバッタリ。初対面で自己紹介しようとすると「存じてます。試写会にはよく…?」と訊かれたので「ええ。大相撲よりは頻繁に」と答える(笑)。六本木の試写会場から徒歩でアークヒルズへ。笹川スポーツ財団20周年記念パーティに出席。これを書いてるのは15日朝。外出時間が迫ったのでつづきは後ほど……。しかし既に『夕刊フジ』の記者から電話もらったけど今朝(15日)の朝日の一面の巨人叩きはナンデ今頃…?
3月14日(水)つづき
これを書いているのは16日の朝。とはいえ昨日(15日)の朝書きかけで外出した笹川スポーツ財団20周年記念パーティのことをちょっと書いておく。というのはこれが最高に面白いパーティで(というのは皮肉でも冗談でもなく本当に有意義だったという意味ですが)理事長の小野清子さんや竹田JOC会長や民主党の友近議員や元NHK放送センター長サンや20歳代からの付き合いの新聞記者や久しぶりに会った青島健太さんたち初めいろんなスポーツ関係者と有意義な会話を持てたことはもちろん財団の設立当初からの理事の方から東京マラソン実施の裏話を聞けたのは大収穫。石原都知事との会談&主導権を握れなかった陸連の反発&陸連の擦り寄り…等々笹川スポーツ財団が日本のスポーツ界の主流や本流ではなく反主流でもなく傍流として存在していることの面白さを感じる。大満足して帰宅。U-23日本代表もバーレーンに完勝して大満足。ビデオは暇な時に見ることにしまひょ。
3月15日(木)
コレを書くのは16日(金)の朝。朝起きて朝日新聞の一面トップ記事に少々ビックリ…って昨日(15日)の朝書いた昨日(14日)の本欄でも触れた…というような南米文学的時間の過去未来上下左右自在運行は大好きやなぁ…ということはさておき…朝日の記事に驚いたのはソノ大きさ。これほど騒ぐことか?多くのスポーツ関係者が薄々知ってたことを(多分)読売首脳と喧嘩した相手から証拠の文書を手に入れたので鬼の首を取ったように騒ぎ立てただけ。つまり本件は朝日vs読売のメディア戦争。その不毛な闘いに少しでも実りを求めるなら公共の財産(野球を初めとするスポーツ)をメディアが支配するべきではない(球団を所有したり主催者になるべきではない)ということをジャーナリズムが主張すること。すなわちメディア(媒体)の運営とメッセージの発信(ジャーナリズム)は分離すること…ですね。それはさておき高額の契約金を秘密裏に受け取ることはソレを出す方も受け取る方もモラル・ハザードを起こす可能性が強い(出す方は「裏金」で選手を縛ろうとする。受け取る方は高額所得者としての責務=諸々の社会団体への寄付等=を忘れる)のでプロスポーツ団体(公益団体)の金銭の授受(プロ野球選手の契約金や年俸)はすべて公表すべきだろう。メディアはスポーツ団体を所有したりスポーツ・イベントを主催運営してはならないという法律を作ることができないものか?と思いながら夕刊紙からの取材電話にイロイロ答えて東京護国寺へ。若くして逝去した講談社編集者の大友人Aクンの告別式に参列。携帯電話は鳴りっぱなし。境内の片隅で某通信社の記者にコメント。慌てて受付へ行くと久しぶりに会う編集者の顔を見るなり落涙。そらそやで。告別式では野間社長が亡くなったAクンの仕事の成果の一つとして拙著の交響曲シリーズを取りあげて下さる。ありがとうございます。さすがAクンはエエ仕事してたなぁ…って別にシャレと違って…と冗談でも書かないとコレを書いてるだけでも目頭が熱くなる。告別式を終えて棺の中に花を手向けて火葬場への出発を見送って友人の編集者3人と火葬場へ。遺骨となって出てくるまでの間に今朝の朝日の記事に関するテレビの電話録音出演と新聞雑誌のコメントをこなす。電話出演とはいえ火葬場から…とは誰も思わんやろなぁ。メディアはスポーツを所有すべきでは…は全てカットやろな。御遺族の待合室に戻って少々昔話。Aクンとの喧嘩の“真相”もお話しさせていただく。喧嘩のあとは仲良くなれたなぁ…。大阪から来られたという御親族の方から「ちちんぷいぷい見てますよ」と言われて心が和む。お骨を拾って壺に入れて御遺族や編集者の友人を見送って帰鎌。どーせ多忙な一日やから…とヨメハンと待ち合わせして大船近くの病院へ。『213』のマスターが階段から転げ落ちて怪我をして入院してるというので見舞う。元気な様子でホッとしたけど駅前の小さなビルの2階にあるバーで飲み慣れない酒を飲んだあと階段を降りようとして頭から落ちて気絶して救急車で運ばれたとか。もう頼んまっせ。帰宅して晩飯のあと週刊誌にコメント。メディアはスポーツを所有すべきではない…という意見に記者は納得してくれたけど新聞系の週刊誌では書けないやろなぁ。夜TBSラジオ『DIG』生電話出演。巨人とカネの問題について…最後にジャーナリズムを仕事とするメディアは球団を持ってはいけないということですよ…と話すとスタジオが少々凍ったのが受話器越しにわかったけど…言うべきことは言わないと…ね。ホンマに長い一日でした。
3月16日(金)
終日自宅で過ごす一日。週末の日本スポーツ社会学会のシンポジウムやそのあとのラジオ出演の準備…に加えて来週の『エンジン01オープンカレッジ』の準備。けど巨人の契約金問題&朝日vs読売メディア戦争に関して電話が3本。根本的な問題はマスメディアがスポーツチーム所有したりスポーツイベントを主催したりしてスポーツ・ジャーナリズム(批判精神)が発揮されないことです。しかも日本のメディアはクロスオーナーシップで新聞とTVが結ばれてますからね。ますますスポーツ界の真実が語れなくなる。それに巨額の契約金が公表されずに裏金のように隠された結果公共の文化財としての野球から得た収入という自覚が選手の意識から薄まり野球や社会に対する選手のノーブリス・オブリージュ(選ばれたものの責任意識と行動)が極めて薄くなる。プロを目指す若者の目標にも憧れにもならない。メジャー(ダルビッシュ)のように公共の文化財であるプロ野球における契約金や年俸はすべて公表されなければなりません。それにメディアはスポーツの所有と支配から手を引くべきです。それが自らできなければ法律で国が規制するべきです…って…書いたり話したりするのをどのメディアがどこまで採用してくれるかなぁ。あ。自分で書こ…と某通信社のコラム原稿仕上げる。ボツにならんこと祈るけど短いなぁ。書きたいことが書き切れへんなぁ。どっか雑誌に電話するか…いやいや今は忙しい時やし…他に原稿も抱えてるし…ふうううーっ。孫を風呂に入れて晩飯映画劇場はショーン・コネリー製作主演『理由』。途中の構成は元弁護士の老教授による殺人事件冤罪捜査サイコ・サスペンス・ミステリーでドキドキわくわくめっちゃ面白かったのに最後が…ちょっと…。ショーン・コネリーならカー・アクションなんかいらんのに…。寝よ。ZZZZZZ…。
3月17日(土)
寸暇を惜しんで『スポーツジャーナリズム(仮題)』の原稿書き。しっかし巨人の契約金騒動でまだいくつか電話が入る。某テレビ局がカメラ担いで伺いたい…というので大船駅前のホテルを指定。自宅リヴィングは孫のミニカーやら電車やらディズニーやら日本昔ばなしの本が散らかってますからね(笑)。夕方ホテルに赴いてV撮り。ついでに晩飯買うて帰る。帰宅して原稿書き…になかなか戻れへんので大橋良介『日本的なもの、ヨーロッパ的なもの』講談社学術文庫読み出すと九鬼周造の話が出てきた。戦前の欧州留学でベルクソン・フッサール・ハイデッガー・若きサルトル…などと交流し50そこそこで亡くなった大金持ちのボン。なおかつ大天才でイロイロ気になってた人物。母親は岡倉天心の不倫相手で自分も女房連れで留学しながら多くの欧州女性と交流する。『ドン・ジュアンの血の幾しずく身のうちに流ることを恥ずかしとせず』と詠んだ人物。ふ〜ん。すごい。とはいえ原稿進まんなぁ。どこかに籠もって腰据えてやらんとアカンなぁ…。
3月18日(日)
朝早よ起きて羽田空港へ。8時5分発のJALで熊本へ。熊本大学で開催されている『日本スポーツ社会学会第21回大会』に参加。生憎の雨。早く着いたのでコンビニで買った500円傘をさして旧制五高のキャンパスを散策。『龍南健児の像』といういかにも旧制高校蛮カラ風学生服にマント高下駄姿の銅像に遭遇。裏に回ると「永遠なれ剛毅木訥の眞精神」とあった。これは論語の「剛毅木訥近仁」からとった言葉だとわかったけど「龍南健児」がわからない。あとで学会会場に案内してくれた何人かの五高生いや熊大生に訊いても首を傾げる。教授に訊くとさすがに五高の寮が龍田山の南にあったので五高生がそう呼ばれたという。なるほど。その龍南健児像から少し離れてラフカディオ・ハーン(小泉八雲)のレリーフ。さらに五高生のサインカーヴと呼ばれた道を外れると「秋はふみ吾に天下の志
漱石句』と彫られた石。フラフラ歩いてると少し離れたところに「夫レ教育ハ建國ノ基礎ニシテ師弟ノ和熟ハ育英ノ大本ナリ」と彫られたい大石がありコレも五高で教鞭を執った漱石の言葉らしい。ならばたしか五高の校長を務めたことがある嘉納治五郎の何かもあるはず…と歩くが時間になったので学会へ。筑波大の菊幸一教授のコーディネイトで成蹊大学教授の中江桂子さん早稲田大学准教授の石井昌幸さんと共にシンポジウム。テーマは「スポーツと教育」。小生はジャーナリズムというフィールドから「体育とスポーツを巡る今日的課題〜いつになれば両者の混同はなくなるか」について話し中江教授は中世騎士道の中からスポーツと教育について語られ石井准教授はスポーツマンシップという言葉の歴史的変遷のなかでの教育的意味を話された。小生にとってはメッチャメチャ有意義で勉強になった内容。ジャーナリズムのフィールドに転化できるネタもゴロゴロ(笑)。しっかしスポーツジャーナリズムとスポーツアカデミズムの距離は遠いなぁ…というのも実感。同時並行で開催された「政治とスポーツ」のシンポにも参加したかったなぁ。終わって熊本日日新聞の取材を受けたあと懇親会に出席。静岡芸文大の溝口先生や京都教育大の杉本先生など旧知の先生方はじめいろんな大学関係者と交流。ひょいと挨拶もさせられたあとお開きで先生方7〜8名とともに熊本の夜の街へ。馬刺しと東京オリンピックの話題で盛りあがる。痛飲。龍南熟児たちは意気軒昂です(笑)。
3月19日(月)
朝6時起きで電話打合せのあと熊本のホテルから文化放送『吉田照美のソコダイジナトコ』電話出演。民主党もボケナスやけど自民党もアホやなぁ…とはラジオでは言いませんがそーゆー話題。そやかて大連立はホントにやる気があったら水面下でキチッと進めるもの。おまけに谷垣総裁が維新の会の台頭はヒトラーの時代に似てるやて?ちゅーことは自分たちの政党政治がダメやと言うたのと同じ事やないですかぁ?おまけに朝日の記事に端を発した巨人軍裏金モドキ騒動に対するジャーナリズムの情けないこと。朝日は高校野球関係者の裏金まで暴露する気があるのかいなぁ?結論はメディアがスポーツ・クラブを所有したりスポーツ・イベントを主催することを法律で禁じること。ついでに正常なジャーナリズムの言論が働かないテレビと新聞が同じ資本のクロスオーナーシップも禁止すること。コレ以外に日本のスポーツ界(プロ球界)が是正される道はないですよ。ねぇナベツネさん清武さん西村さん古舘さん小倉さん…皆さんおわかりのはずですよね。文化放送のあとRKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』の今週だけのコーナー『今週のメインテーマ:何故日本のプロ野球はメジャーになれないのか?』に電話出演。第1回として巨人の巨額契約金問題の真の問題点を解説したうえで昭和11年当時はアメリカ・メジャーリーグの制度(親会社の宣伝臭を排除しフランチャイズ都市に密着したプロ野球球団)を目指していたことを解説。それがどのような経緯で道を誤ったか…を1週間かけて話す予定。そのあと熊本のホテルで朝食をとったあと「さくら」で熊本から博多へ。九州新幹線初乗車。普通車両も1列4席で東海道新幹線グリーン並の快適さ。しかもアッという間もなく久留米を経て博多へ。RKB毎日放送で中西一清さんと久しぶりの再会。ディレクターの実藤さんとも久しぶり。パーソナリティの葉山さつきさんとディレクターの柴田さんは初めて。ワイワイ挨拶のあと『今週のメインテーマ』残り3回分を収録。そのあと25日(日)の番組『林田スマのハートフルトーク』ゲスト出演の録音。スポーツ・ロンドン五輪・クラシック・歌謡曲…などなどイロイロ喋らせていただいたあと昼食に美味しいお鮨をいただいて空港へ。予定より早かったので一旦帰宅。孫に九州新幹線ドクターイエローの玩具と靴下をお土産に渡してメールを処理したあと銀座の欧風洋食店へ。広瀬一郎さんの出版記念パーティ。4か月で3冊の出版…はかつての竹村建一並みやなぁ(笑)。ちょいと挨拶のあと久しぶりに元ロッテ球団の荒木重雄さんに会ったりイロイロ面白いスポーツ関係者やサッカー関係者や大学関係者や広告会社関係者と会って有意義に歓談。赤ワイン痛飲。料理も美味い。しかしチョイト疲れた一日。
3月20日(火)
彼岸の中日。今年は閏年なので1日早い。しかし彼岸という言葉は凄い言葉ですな。善悪の彼岸…なんてね。ニーチェやぞぉ。知っとるかぁ?ウジハラくん(笑)。自宅に落ち着いて手紙とメールのチェック。さらに隣の美人でモダンなオバアサンから最近の読売新聞をもらってきてチェック。ウチは朝日ですからね。来月からは毎日ですけど。学生時代から40年で飽きましたからチョイト気分替えです(笑)。隣家の読売をマトメ読みしていて今書いている本…ナカナカ進まんけど…とほほ…の面白いタイトルが浮かんだ。『スポーツ・ジャーナリズム』という仮のタイトルで書き進んできたけどドーモしっくり来なくて悩んでいた。コノ本を誰に向かって何ために出版するのかがハッキリ自分で確認できてなかった。スポーツ・ジャーナリスト志望の読者にその方法論を教えるだけではツマラナイ。話の内容はそれも含んでもっと広がってるはず。なのに『スポーツ・ジャーナリズム』というタイトルでは読者層も狭まる。売上げに響く…という気持ちが錯綜してイマイチ乗り切れなかったのかもしれない。そこで新たに考えたタイトルはコレ。パンパカパ〜ン(古いなぁ)。『スポーツ・ジャーナリズムを確立すれば日本はかなり良くなると思う』…長いけどこーゆータイトルもアリですよ。どうです?C書房編集担当のTさん!!どーですか?タイトルの後半部分は『日本も少しは良くなると思う』のほうがイイかなぁ…。ユニヴァーサルからCDが送られてくる。チョン・ミュンフン指揮ソウル・フィルのマーラー『復活』とピアニストのクン=ウー・パイクのブラームスP協1番。クラシックも韓流パワー全開やな。スポーツ・ジャーナリズムの確立だけやなくて音楽ジャーナリズムも確立しないと(ジャーナリズムを担うべきメディアが音楽界を牽引するオケを所有してはいけない!)日本のスポーツ界も音楽界もジリ貧の未来しかないのでは…?久しぶりにヨメハンと一緒に黒兵衛の散歩して今日の晩飯は休肝日でロング缶1本のみ。「そんなん休肝日とは言いまへんでぇ」「かあちゃんカンニン」。
3月21日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』生出演。ヨミウリVSアサヒ&ナベツネVSキヨタケのまったく不毛な詰り合い(「なじりあい」と読みます)に少々触れたあとイチロー3番是非論について。3番ベーブ・ルース4番ルー・ゲーリッグ以来「3番最強打者(ロングヒッター)4番最良打者(クラッチヒッター)説」が球界の常識。3番中西4番大下・3番王4番長嶋・3番衣笠4番山本浩ですからね。さてイチローはどうなる?あとは部屋に籠もってせっせせっせと仕事。昼飯映画劇場はアカデミー賞作品『ノーカントリー』で名を馳せたコーエン兄弟の出世作といわれてる『ファーゴ』。警察活躍モノ殺人サスペンス・ミステリーとしては人間模様も面白くて『ノーカントリー』よりこっちのほうが面白かった。午後からマタせっせせっせと机の虫。ふううー。一息ついたところでヨメハンが50本ほどの薔薇の大きな花束を持って仕事部屋に登場。ななななななんやねん?娘と孫から送られてきた?誕生日のプレゼント?なかなか味なことするやないか。スンマセン。小生は忘れてたわけではありませんが経費節約です。「ま。我が家もそういう御時世でっさかいなぁ」御理解痛み入ります。夕方久しぶりに大相撲TV見物。うわっ。把瑠都が負けた。琴欧洲も気合い入れたらエエ相撲とるのに気力が持続せん力士やなぁ。どの勝負も気合いが入って熱戦の連続。ただし阿覧の立ち合いはいけません。それに栃の心は成長せんなぁ。しかしそれ以上に大阪にも国技館を建設することを考えんといけませんね。体育館がボロすぎます…なんて考えてたら週末の「オープンカレッジin鳥取」で販売予定の『マーラーの交響曲』が売り切れ品切れで手に入らないとの知らせが主催者エンジン01の事務局から入る。うわぁ。近所の本屋からも姿を消したし…講談社さん!!もっと増刷お願いしますぅ。晩飯映画劇場本日2本立ては『ウォール・ストリート』。現代の米金融界マネーゲームの不毛さとそれに関わる人間の殺伐たる心を描いて面白いけどラストはオリヴァ・ストーン監督らしくないアメリカン・ムーヴィ・ハッピーエンド。地下鉄飛び込み自殺した人物は単なる負け組でイロイロあった主人公は勝ち組?そんあアホなぁ。映画としては面白かったですけどね。マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーに全然興味なく前作『ウォール街』で反マネーゲーム的道徳観を口にするチャーリー・シーンの父親の航空会社労組委員長の意見のほうがイイと思う小生はマネーゲームが出来ない人間ですなぁ(苦笑)。
3月22日(木)
終日机の虫。せっせせっせ。あ。昨日書き忘れたけどセンバツの選手宣誓は本当に良い内容でしたね。若い人はどんどん良くなってきています。ダメなのは大人です。いつの時代も同じ事がいえるのかも。せっせせっせ。昨日の見事な選手宣誓の石巻工高が出場する試合を少し見る。うわっ。4点も取られてる。うわっ。凄い。大逆転や。でも相手が強かったなぁ。うむ。良い試合でした。しかし勉学が本意の高校生の野球がいつになったらクラブ・スポーツになるんかなぁ?メディアが主催者を務めてスポーツ・ジャーナリズムを放棄してるからなぁ…だからこそ新しい新書『スポーツ・ジャーナリズム:それが確立されれば日本はかなり良い国になると思う』(昨日考えたタイトルを少し修正しました)を書きあげなければ。せっせせっせ。ふううう。晩飯前にチョイト大相撲。鶴竜は腰が据わってる。技術的にも精神的にも。把瑠都は精神が肉体にモロに出るなぁ。しかし賜杯争いに日本人が噛まんのは淋しいなぁ。晩飯映画劇場はフィンランド映画『ヤコブへの手紙』。誰も足を運ばなくなった過疎の田舎の村に一人で暮らす盲目の牧師と終身刑を恩赦で出獄した女囚の物語。手紙で送られてくる相談に答えている盲目の牧師はその作業の手助けを元女囚に依頼する。ほかに郵便配達夫。主要登場人物は3人。美しいとはいえ寂しく荒涼としたフィンランドの大地で2人の孤独な心が交錯する。見事な映画でした。最近ベッドの中で夜寝る前と朝起きた時にマクルーハンの『メディア論』を読み直してる。しかし前に読んだ時も感じたけどナンデこんなに翻訳が下手糞なのか?《ある保険指導員が今週報告したところによると、小さなネズミがたぶんテレビを見ていたのであろうか、小さな女の子とペットのネコに襲いかかったというのだ。……ネズミも猫も生命に別状はなかったが、この出来事はなにかが変わりつつあることを思い出させるものとしてここに記しておく》って読んで意味わかります?
3月23日(金)
朝からいろいろ仕事したあと夕方大船駅前の羽田空港行きバス停へ。ところがバスが定刻になっても全然来ない。やっと来たと思たら羽田から乗客を運んできた藤沢行きのバス。乗客の荷物をバスの横っ腹から出すために降りてきた運転手に向かってバス停に並んでる一人の男が「羽田行きは?」と訊くと「さあ?道が混んでますからねぇ」と素っ気ない返事。冷たい雨も降り続き金曜の薄暗い夕方はクルマが溢れてる。急遽電車に変更。東海道線で川崎まで乗ってタクシーで羽田へ。鳥取行きANAの出発時刻には間に合って機内に入ると通路を挟んで作家の島田雅彦氏。隣席は政治評論の上杉隆氏。さっそくネットを使ったスポーツ新聞を企画しているKクンの企画を話して協力を仰ぎイロイロ教えてもらう。既存メディアがどーしよーもなく堕落していて新しいジャーナリズムが必要…という認識では完全の一致してますからね。鳥取に着いて『エンジン01オープンカレッジin鳥取』に参加する人でコノ便を使った人たち10人ほどとマイクロバスに乗ってホテルへ。小生の隣席はアナウンサーの西村智江子さん。その隣が漫画家のちばてつやさん。で映画版『あしたのジョー』の話題で盛りあがる。「あれはボクシング好きの香川さんが仕切った映画だなぁ」「ホセ・メンドゥーサとやるところまで映画化してほしいですね」ホテルに着くと公式のウェルカム・パーティが終わったところで特設の「エンジン・バー」で上杉さんらと残り物の蟹や海老をパクつきながら赤ワインを痛飲。久しぶりに建築科の竹山聖さんとも歓談。その他三枝さん矢内さん山本益博さん寛斎さん中井美穂さん……などイロイロな面々でイロイロ盛りあがる。
3月24日(土)
朝鳥取のホテルで上杉隆サン島田政彦サンらと雑談しながら朝食。バスで会場の鳥取環境大学へ。オープン・カレッジ第2限でマラソンの有森裕子サンや新潟アルビレックス社長の池田弘さんや香道志野流家元の蜂谷宗?さんと「スポーツをもっと楽しく!」というタイトルでトーク。スポーツマンの体と心・スポーツと地域密着・スポーツと香り…等のキイワードを巡って小生の司会で話はマラソン予選&ロンドン五輪パラリンピック&ドーピング&日本のスポーツ・ジャーナリズム(のヒドさ)&日本のアマチュア・スポーツの問題点…etcなどなど。教室を埋めた50人以上の聴衆には質疑応答も含めて興味を持ってもらえた…と思う。第3限は「中高生のきみたちへ〜エンジン01ハローワークin鳥取」と題して希望者の中高生約20人を相手に「スポーツライター入門講座」。中高生だからといって遠慮せず大学で話す講義と同じ内容の入門編。喋りまくる途中で「なぜサッカーは足しか使わないのか?」「フットボールはなぜサッカーと呼ばれるのか?」「なぜ陸上のトラックは左回り(競馬は右回り)か?」「テニスの1球目をなぜサーヴィスというのか?」「左利きの投手をなぜサウスポーというのか?」「オフサイドはなぜ反則か?」…などなど生徒に質問をぶつけたり担当の先生やスタッフにも質問をぶつけたりして気が付けば予定の45分を軽くオーバー。事前にオーバーしてもOKと聞いていたので気にせず大リーグのPRビデオを見せて「モノの見方」の話をして授業終了。ふうううー。けっこう疲れる。今執筆中の内容とはいえナンデこんなに力を入れて話すのか自分でも不思議。きっと生徒が熱心に聞いてくれたからですね。終わってバスで4月開館予定の「砂の美術館」へ。世界から集まったアーティストたちが鳥取砂丘の一角に誕生した「砂の美術館」で砂のオブジェを製作中。テーマはイギリスでバッキンガム宮殿やエリザベス女王の像などを造ってるらしい。若い美術プロデューサーがいたので「もっとメッセージ性のある展示はやらないの?砂で原発を造るとか…」と訊くと「市民に砂の美術館が定着したあとはそーゆーのもやりたいですね」。砂のオブジェは全て壊すことが前提らしい。面白い。世の中に壊れないモノなんてないですからね。時間が余ったので鳥取砂丘の土産物店内で島田サン上杉サン奥田瑛二さんらとビール飲みながら歓談。徐々に人がワイワイ大勢集まってきてタクシーの分乗して鳥取の夜の街で「夜楽」と称する市民との交流。小生は東大教授の船曳健夫さん新潟県知事の泉田裕彦さんサントリーホール・プロデューサーの眞鍋圭子さん脳学者の茂木健一郎さんとともに『月や』という炭火焼鳥と釜めしの店で歓談。美味しい店でした。鳥取の皆さんと飲み食い話し…たあとホテルへ戻って「エンジン・バー」で飲み直し。浅葉克己さんや服部克久さんなど大先輩の話に耳を傾け飯館村のドキュメンタリーを撮り続けてるロッド・マイヨールさんの話を訊き陸上競技をしてるという南希美子さんの息子さんにスポーツの話をして猪瀬直樹東京都副知事に東京マラソン財団の問題点を指摘し黒岩祐治神奈川県知事に挨拶し…。ま。年に1回こんな日があってもいいでしょう。
3月25日(日)
早朝ホテル発専用マイクロバスで鳥取空港へ。8時40分発羽田行きに乗る。次の便が午後までないのでけっこう多くの人が同じ飛行機。知事クラスの方は機内前方の席。物書き連中は後方の席。官民格差?(笑)昼前自宅に着くと孫が発熱して保育所を休んだとか。昨日の卒園式で張り切ってお遊戯したので疲れたらしい。目立ちたがりは誰の遺伝や?午後から仕事の整理。夕方は大相撲。豪栄道も良かったけど鶴竜vs白鵬は見事な一番。来場所は6大関か。俺が小学生の頃にあった記憶が…。晩飯映画劇場は『フード・インク』。世界の工業化した食糧生産のドキュメンタリー。ブロイラーが工業生産品のように作り出されてるならソレを食たべる消費者の舌と胃袋も大企業によって管理されており糞尿まみれのアメリカ産牛からはO157が…という晩飯時にはまったく不向きな映画ながら興味深かった。明日の文化放送に備えて早寝。
3月26日(月)
早朝迎えのクルマに乗って文化放送へ。『吉田照美のソコダイジナトコ』生出演。原発問題・瓦礫処理・猫ひろしカンボジア代表・維新政治塾・高校野球…について話す。猫ひろしはカンボジア人として今後どんな道を歩むのか?中国人の卓球選手なんて世界中の国に散らばってますからね。「スポーツと国境」「国と個人(スポーツマン)」の関係をスポーツ(オリンピック)が実験してるという見方もできますね。肉体と薬(ドーピング)の「実験」と同じように…。終わって帰宅。ちょいと寝直してから仕事の整理…と思たら病院へ行った次女(母親)から電話で餓鬼(孫)が肺炎気味で2〜3日の入院加療が必要とか。女房と長女が慌ただしく着替えその他を用意して駆けつける。まぁ。たいしたことなさそう。タマにはガキと一緒に休め…。俺は…仕事が手につかん。ビデオを付けてみるとDVDハード・ディスクに『老人と海』が録画されてる。誰が録画したのかわからんけど油絵アニメで有名なアレクサンドル・ペトロフ監督作品。確かアカデミー賞短編アニメ受賞作品。ヘミングウェイのハードボイルドがソフトボイルドになったかな。でもマァ面白かった。で女房と長女が病院から帰ってきて晩飯どうするかということになって久しぶりに「213」でも行くか…となって「213」へ。次女からメールで「自宅の電話に出ないと思たら酒飲みに行ってるンか?」「まぁエエやん。久しぶりやから許せ」「くっそー」ハハハハハ…でマァ早く切りあげて晩飯後映画劇場は昨日に続いて「WOWOW食メンタリー」(食に関するドキュメンタリー)のシリーズから『ありあまるごちそう』。昨晩に続いて現代人の食生活がいかに歪んでいるか…勉強になりました。毎日6ページ読んでるマクルーハン『メディア論』と中野剛志『国力とは何か:経済ナショナリズムの理論と政策』読みながらZZZZZZ。面白い。《経済自由主義者を自称する者の多くが実はナショナリズムに動機付けられているのだ》納得。そのとおり。ZZZZZZZZZZZ。
3月27日(火)
朝からPR誌のコラム原稿と取り組む…が頭がまとまらん。あっち行ったりこっち行ったり…ふううーっ。あっという間に昼御飯。いかんいかん。頭がまとまらん時は方針転換。コラム原稿はいったん中止。このホームページの明日更新原稿をお世話になっている「(有)bit」さんに送ろうと思ったところがナンデモカンデモの写真の原稿が送れない。URLを書いたメールだけがなぜか拒否される。何度挑戦してもダメ。こんなん初めて。ナンデヤネン!?仕方ないのでとりあえずDVDや本のタイトルだけで写真を見つけてもらうことにする。コンピュータは時々ワケがわからんことが起こりよる。不便な世の中になったもんやで。今週末の名古屋でのオペラ講座のレジュメをまとめる。ワーグナー『ニーベルンクの指環』最終回は『神々の黄昏』の最終幕のあとバイロイト(ブーレーズ指揮シェロー演出/バレンボイム指揮クプファー演出)やらメト(レヴァイン指揮シェンク演出)やらバイエルン(サヴァリッシュ指揮レーンホフ演出)をくらべてみる。うむ。レジュメ書いてるだけで楽しそう。おおーっと。某新聞社の取材を受けるのを忘れるとこやった。で大船の喫茶店へ。1時間のインタヴューで500万円という某電力会社の原発の広告に誘われて結局意見で折り合いが付かずに断ったことについて訊かれる。別に反原発とか脱原発を貫いたわけではない。廃棄物処理の問題の解決を…という意見を載せてくれないので500万円が吹っ飛んだだけ。惜しいコトした。帰宅すると女房は入院中の孫と母親(次女)の見舞い。元気らしい。せっせとコラム原稿書いて…と思ても書けんときは書けん。とほほ。メシ食って風呂入って寝る。
3月28日(水)
朝RKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』電話出演。カンボジア代表マラソン選手としてロンドン五輪に出場する猫ひろしさんの話題。スポーツマンは国境を軽々と跳び越えますからね。スポーツが新たな国境を主張する日は訪れるのかな?コソボ・クルド・チベット・グァム・サイパン・ハワイ…は?…てな話。午前中にPR誌のコラム1本書きあげる。昨日はあれほどウンウン唸って書けなかったのが今日はスイスイ。楽勝。しかも内容が我ながら面白い。どーゆー因果関係でこーゆーことが起こるのか?物書き生活40年近くを経てもわからない。書きあげたあと昼飯映画劇場は『ブルー・ゴールド』。WOWOW「食メンタリー・シリーズ」を録画したモノで世界の水戦争つまり水の商品化と水の奪い合いを描いたドキュメンタリー。そう。水道の民営化なんて最悪ですよ。午後から東京へ。某ホテルのラウンジでノンフィクション作家魚住昭さんの取材を受ける。テーマはキヨタケvsナベツネ&ヨミウリvsアサヒの闘いとスポーツ・ジャーナリズムについて。どっちもどれだけヒドイかということについて思いっ切り喋らせていただく。そのあと銀座へ。美味しい静岡料理と美味しい酒の美人女将の店で講談社の編集者と会食&歓談。「女泣かせ」なんて名前の酒が甘くて旨かった。満足マンゾク。クルマで送ってもらってバタングーZZZZZZZZZZZZZZ。そうか。イチローは3番打者で4安打か。ZZZZZZZZZZZ。
3月29日(木)
今日は久々に1日中自宅でゆっくりできる日。仕事の整理をして『スポーツジャーナリズム』の原稿を書き進んで…と思てたら朝っぱらからヨメハンの少々引きつった声がインターホンで1階の台所から2階の仕事場に届いた。「あんたの財布がいつもの場所にあらへんえぇ」「そこらへんにあるやろ」と返事しながら下に降りて「そこらへん」を探すが見つからない。エエーッと昨晩は飲んでクルマで帰ってきて…腕時計はずして携帯置いて小銭を出してすべて定位置にあるのに財布だけがない。風呂はいる時ズボン脱いで…いやその前に帰宅して上着を脱いで…その周辺にもない。マイッタナァ…。昨日は東京へ出るときに名刺入れを忘れたので某ホテルで魚住さん担当の編集者と名刺交換した時は財布を出して…うわっ…ほなホテルのラウンジに落としたか…慌ててホテルの電話…う〜ん…ないか…。魚住さんの取材のあとを順番に思い出し…講談社の編集者とメシ食った店を出てクルマに乗せられたときに店の美人女将に見送られて名刺交換したのを思い出す。ほな財布は銀座の路上かハイヤーの中か…(註:「ほな」というのは「そしたら」という程度の意味の京都弁です。そんなん言うてる場合か!!)。慌てて朝っぱらから申し訳ないけど講談社の編集者の携帯に電話して昨夜のハイヤーを捕まえてもろて財布が落ちてないかどうか確認してほしい旨伝える。なんせクレジットカードとかいろいろ入ってるモンで…マイッタナァ…。焦るなぁ…。以前ロサンゼルスのリトルトーキョーの土産物屋で野茂のTシャツを買うたときに財布を忘れて以来やなぁ…。そのときはロスの空港で気付いて東京から土産物屋に電話してもろたら優しい日本人経営者がキチンと日本へ送ってくれて…などとイライラしながら思い出してたら講談社の編集者のW氏から電話。「財布ありましたぁ!ハイヤーのシートの下に…」うわあ。助かったあ!ナンデこんな騒動ばっかり…と思たらヨメハンが「酒飲みすぎるからどっせぇ」カンニン母ちゃん。で一件落着。仕事に戻る気にもなれんので昼飯映画劇場は「食メンタリー・シリーズ」の『キング・コーン』を見て世界はすべて玉蜀黍(トウモロコシ)に支配されてるのかぁ…と自分の財布の心配が消えたので世界の「食」の心配をしたあと講談社の警備室へ。ハイヤーの運転手から財布が届けられていてホッと胸を撫で下ろす。中身も確認。大丈夫。朝からお騒がせした編集者の方々に礼を言って気持ちだけの鳩サブレーを渡して帰宅。特に外での仕事のない日で助かったけど原稿進まず。晩飯映画劇場は軽いタッチのモノを選びたかったので『恋とニュースの作り方』。TVニュース現場を舞台にしたドタバタ・ハートウォーミング・ラヴ・コメ。ハリソン・フォードとダイアン・キートンが脇を固めてイイ味出してなかったら見なかったハリウッド映画。アメリカTVニュースの現場描写は面白かった。レイチェル・マクアダムスは可愛いかった。今日一日の大騒動を忘れさせてくれた。けど疲れた…。ZZZZZZZZZZZZZ。
3月30日(金)
昨日の大騒動で疲れたのか朝はけっこう寝込む…といっても7時半起き。朝の早いのは歳取った証拠ですな。昼前新横浜へ。新幹線で大阪へ。『ちちんぷいぷい』生出演。金曜日は久しぶり。ハイヒールのリンゴさんモモコさん落語の吉弥さん吉本新喜劇の小藪さんらと楽しくワイワイ…とはいえ国民新党のワケワカラン動きの話も。小泉政権のときに郵政民営化法案閣議決定に反対した連中は確か大臣クビになって小泉が兼務して署名したはずでソレはソレでわかりやすかったけど最近の政治は堕落エエカゲンの歯止めナシ。政治家を職業として目指す人を排除して政治を考える人と経済をワカル人で政治をせんと日本はアカンで。私のできることはせいぜいスポーツジャーナリズムの確立を訴えることですが…。それだけでもできれば日本はちょっとはマシな社会になります。「キッチンぷいぷい」はいつも祇園で寄ってる『金星』サンの隣の『おくむら』のピラフ焼きおにぎりコンソメ茶漬け。美味しかった。久しぶりに早めにスタジオ終えて帰宅。往復の新幹線で清武氏の著作『巨魁』半分まで読む。丼勘定商店経営のプロ野球球団の中でチョットでもまともな人物の考えたことと実行したことが書いてある。そらナベツネとは喧嘩になるで。けどそもそも新聞社がスポーツに関わることの是非は…本の後半に出てくるかなあ…。帰宅してフィギュア・スケートと卓球世界選手権チャンネル交互に見る。うわっ。パトリック・チャン見逃す。けど高橋はコンビネーション失敗したけどスケーティング上手いなぁ。気持ちエエなあ。採点競技はオモロナイなあ。卓球日韓戦のほうがオモロイなあ。うわっ。2勝2敗最終戦2対2の大接戦。しかも石川佳純選手の相手は嫌らし過ぎるほどのカットウーマン。結局負けはしたけど五輪を前に良い経験でした。プロ野球開幕戦もいろいろ面白い試合の連続だったようで…しかし横浜がDeNAとだけ呼ばれるようになったのは残念ですね。浅田真央選手の巻き返しはなるかなぁ…。
3月31日(土)
朝起きてビックリ。春の嵐。暴風が吹きまくってる。ヤバイと思って少し早めに家を出たもののやっぱり電車が止まってる。東海道線ダダ遅れ。ようやくホームに入ってきた電車の中で吊革掴んでジッと我慢して本を読んでると戸塚から乗ってきた30代くらいの男性が俺の顔を見てニヤリと笑う。俺は知らんけど相手は俺のことを(おそらくテレビか何かで)知ってるようでソノ俺が清武英利『巨魁』なんて本を読んでるから思わず笑ったのだろう。小生も思わず苦笑い。心のなかで別に読みたくないのですけど仕事ですからね…と言い訳を口にする。しかし清武氏の書いていること(プロ野球のチーム作り)は正解。すべて正しい。なるほどナベツネは野球のことを何も知らずに老醜をさらして権力をふるう独裁者の巨魁(悪人の親玉)にすぎない。しかし清武氏も巨人のチーム作りに関しては正しくても巨人を中心にした日本のプロ野球の間違ったあり方やメディアがスポーツ・チームを持つことの誤りや危険性には触れず「読売巨人軍ファン」のために「読売巨人軍」をまともなチームにしようと努力する。その行為は自ずから限界がありますよ(親会社には潰されますよ)。「この世に存在する数々の問題はその問題が発生した時と同じ考え方では解決できない」というアインシュタインの言葉を思い出す。うむ。この言葉は現在の日本のあらゆる状況に当てはまりますね。ダダ遅れの電車と新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターでオペラ講座。『ニーベルンクの指環』最終回は『神々の黄昏』の最後の場面をバレンシア・オペラで楽しんだあとバイロイト(シェロー&クプファー演出)メトロポリタン・オペラ(シェンク演出)バイエルン歌劇場(レーンホフ演出)カラヤン製作の映画などで演出を較べてみる。我ながら面白い企画で自分でも楽しんだあと新幹線で京都へ。毎日放送Hディレクターと待ち合わせて祇園の酒肆『G』でビール1杯飲んだあと近頃馴染みにさせてもらってる季節料理の割烹『ちとせ』で晩飯。H氏とジャズやフォークやポップスやクラシックの話イロイロしながら筍や煮麺を日本酒で楽しんだあと『G』に戻って薬酒のフェルネで仕上げて大阪へ。大阪泊。
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