5月1日(日)
NHKの海外ニュースでロシアが占領したウクライナの都市にレーニン像が復活したことを知る。ソ連共産主義は独裁者にとって運営しやすい政体なのか。嗚呼。しかし…ソ連は《人々が自らの属する人間集団・国家の歴史について「薄々感づいていたが公には認めることができなかったこと」を(ペレストロイカとグラスノスチによって)正面から認めざるを得なくなったとき社会の全機能は巨大な犯罪にほかならぬものとして現れた。このことがソ連という体制が最終的にほぼすべての成員から身捨てられ瓦解するに至る重要な伏線となる》(白井聡『永続敗戦論』より)。ところが「身捨てられ瓦解するに至る」はずのソ連独裁制がプーチンによって復活した。ならば日本はどう進む?プーチン・ロシアの核の脅しに安倍は「核共有」という言葉を持ち出したが…《愛国主義を標榜する右派が「親米右翼」や「親米保守」を名乗るという言い換えれば外国の力によってナショナリズムの根幹的アイデンティティを支えるというきわめてグロテスクな構造が定着》(同)した日本もプーチン・ロシア(ソ連)と同様「戦後」から「戦前」に戻るのか?『永続敗戦論』が出版されたのが2013年。たった9年間で世界は大きく変わった。白井聡氏の第2弾が待たれる。ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワークは新オペラ講座(9月)の企画書作成。「ロシア・オペラから読み解くプーチン・ロシアの行方」にタイトル決定。しかしヴェルディの「椿姫」でも選んでおいた方が人気は出るかな?と悩む。晩飯のあとに酒を飲みながら見たNHK-Eテレの「今こそ平和の響きを〜ウクライナ侵攻と芸術家たちの闘い」が素晴らしかった!キーウからベルリンに何日もかけて避難したウクライナの作曲家シルヴェストロフ一行が車中から撮っていた映像はウクライナ内の道路の脇に並んでヒッチハイクのように車に乗せてくれることを願う大勢の避難民の群れが映っていた。それはニュースでは見なかった映像。またモスクワの小さなホールでシルヴェストロフの音楽を演奏しているピアニストに対してウクライナの音楽はやめるようにと詰め寄る2人の警官がいるのを観客が撮影。ピアニストは圧力をはねのけて最後まで演奏して観客は大拍手!!そんなモスクワでの光景に感激した。さらにキーウ交響楽団のメンバーが特別に出国してワルシャワなど9都市でウクライナの作曲家の交響曲を演奏する様子も素晴らしかった。ミュンヘンでは3つのオケが合同でウクライナ支援のコンサートでベートーヴェンの『運命交響曲』を演奏。音楽の力は頑張っている。スポーツの力ももっと発揮できるはずだが…。
5月2日(月)
ウクライナ侵略によるロシアの戦争は今年中にも終わらず来年末まで続くとの見通しをイギリスの国防大臣が口にしたとか。その言の成否はともかく「終戦後」の国境はどうなるのか?《結局のところ国家の領土を決する最終審は暴力である。すなわち歴史上の直近の暴力(=戦争)の帰趨が領土的支配の境界線を原則的に規定する》『永続敗戦論』より。ナルホド。2つ以上の国が各々自国の「正論」を主張しても埒が明かないということですね。困ったものだが仕方ないか…解決方法はただ一つジョン・レノンが歌った『イマジン』のように国境をなくし国家をなくすことか…ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークで『スポーツゴジラ』のプーチン・ロシアのスポーツ政策の原稿について札幌大岩本教授の講義をまとめ始める。途中今夜の『ニューズ・オプエド』の打ち合わせ。オシムの支局については木村元彦さんからコメントをもらう。特集はスポーツと戦争の第8弾として「ゴルフと戦争」。ゲストはホルファーのタケ小山さんとオプエド(ノーボーダー)社主の上杉隆。上杉さんは『ゴルフ3分間教養』のなかでアフガニスタンのカブール・ゴルフクラブを取りあげ「ゴルフ・コースの発展・増加は民主主義の成熟度に寄与」と題した原稿を書いてるのでそのセンで話を進めることにする。米大統領ではオバマとトランプのゴルフ好きが有名だが最もゴルフ倶楽部に通ったのはアイゼンハワーで彼がいつもボール当てていたアイクの樹と呼ばれた樹木まであったとか。またカストロとゲバラも大のゴルフ好きでキューバ革命後に2人でマッチプレイをした話は面白かった。ゲバラの一方的勝利。革命家もゴルフをするのだ。GWで小6になった孫が遊びに来たので水木しげるの『出雲神話』の本をプレゼントして一緒に晩飯は彼の大好物の炒飯。コロナはそろそろ下火か?
5月3日(火)憲法記念日
『永続敗戦論』の「国境論」を読むと北方4島も尖閣諸島も竹島もなかなかに困難な事態であることがよくわかる。「(日本)固有の領土」という表現がそもそも国際的に通じない言葉なのですね。シベリウスが美しい音楽にしたカレリア地方はフィンランド固有の領土と主張してもロシアは返しませんからね。戦争後のウクライナはどうなるのかな?国後&択捉を千島列島から切り離して考えるのも無理筋らしく千島列島は樺太千島交換条約で手に入れたといってもそれは日本がシベリア出兵で建国直後のソ連から手に入れたという背景もあるんですね。加えて歯舞色丹2島返還でソ連と平和条約を結ぼうとすればアメリカにそんなことをすれば沖縄を返さないぞと脅されたり…。さあどうすればイイのか?『永続敗戦論』を読み通して考えましょ。ワン。ベッドから出て昨晩我が家に泊まった孫と一緒に黒兵衛の散歩。小6になってもでっかい黒兵衛のリードを引かせるのは心配。力がないなあ…というと苦笑いする孫の顔を見て岡本かの子の三十一文字を思い出す。《力など望まで弱く美しく生まれしままの男にてあれ》勉強しろよと孫を送り出して終日原稿書きは「ロシアのスポーツ」のまとめ。ふうううう。原稿用紙15枚は明日までかかるな。帝政ロシア&ロシア革命後のスポーツからプーチン体制まで書いてあとは明日。晩御飯はNHKのドキュメンタリー『プロフェッショナル』の小栗旬を見ながら。『鎌倉殿の13人』の番宣であることはわかるがディレクターは自分を出さずに対象の人間を描けよと思いながら見てしまった。対象が知人の息子さんだから見れたのかな。私小説的ノンフィクションはスポーツ・ノンフィクションで流行した手法ですね。今後はソーシャルな(社会との関係での)人間を描く方向に代わるでしょうが…。
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『DAU,ナターシャ』 札幌大の岩本教授に教えていただいたプーチン・ロシア批判映画。です。機会があれば見てみたい
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5月4日(水)
ベッドで読んだ雑誌『ZAITEN』の新連載(だと思う)『佐高信の賛否両論』での寺島実郎氏との対談『プーチンと安倍晋三の"危険な共通点"』がオモシロかった。なるほどプーチンは「皇帝になったスパイ」ですね。ロシアのウクライナ侵略は大日本帝国の満洲建国とそっくりというのは小生も本欄に書きましたが所謂マッカーサーの憲法草案で女性の権利をキチンと記した女性はウクライナ人女性で父親はリストの再来と言われて東京音楽大学の教授もやったキーウ出身のレオ・シロタというウクライナ人ピアニストだったのですね。「日本国憲法とウクライナの不思議な縁を感じざるをえません。日本がシロタ父娘の恩に報いるにはやはり憲法を護り続けることしかないのではないか」(佐高)ほかにも「核兵器禁止条約にしても日本は米国の核の傘に入ってるから署名できないなどと言う話はまったくナンセンス」(寺島)「筋肉を使って頭を使ってない安倍晋三の典型ですよ」(佐高)「米国と連携していれば安心ではない。(略)重要なのはレジティマシ−(正当性)です岸田政権は腹を括らねば」(寺島)ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。GWは道路工事もなく住宅街では人とも会わず静かですね。みんなどこかに行ってるのかな?小生は「机の虫」になって終日机にへばりついて仕事。昨日に続いて一気に札幌大岩本教授の講演「ロシアのスポーツとナショナリズム〜トルストイからプーチンまで」を夕方までかかって原稿にまとめあげる。ふうううう。ロシアのスポーツの未来はどうなるのでしょうねえ?ウクライナの戦争の先行きと同じでしょうが…ロシアのアスリートたちからプーチンの軍国主義国家的スポーツのあり方を否定する声が出て来ないものか?ロシアには『ラヴレス』や『DAU.退行』というプーチン批判・反プーチンにつながる映画も生まれてるんですからね。この二つの映画はもちろん岩本教授に教わったものですがYahooで検索してYuTubeの予告編を見るだけでも驚きますよ。ロシアにもまだまだ良心は残っているです!!
5月5日(木)端午の節句/子供の日
昨日の本欄に日本国憲法とウクライナの関係を佐高信氏の言葉で紹介したが昨晩ベッドに持ち込んだ『週刊新潮』の連載コラム片山杜秀氏の『夏裘冬扇』にも興味深いウクライナと日本の関係が書かれていた。日露戦争で乃木将軍と闘った敵の将軍はステッセルだが彼はお飾りで実際に指揮して乃木を苦しめたのはコンドラチェンコ少将でウクライナ人だったそうな。旅順郊外で戦死したロシア海軍太平洋艦隊の司令長官マカロフ提督もウクライナ人で東郷平八郎提督が崇拝するほどの名称だったらしい。司馬遼太郎の『坂の上の雲』で知った騎兵隊の秋山好古将軍と闘ったミシチェンコ将軍もウクライナ人のコサック。多民族国家ロシア帝国の優秀な人物にはウクライナ人が多かったのかな?わん。黒兵衛と散歩のあと昨日完成させた『ロシアのスポーツとナショナリズム〜トルストイからプーチンまで』の原稿を読み直して少々ブラッシュアップして『スポーツゴジラ』編集部へ送稿。午後になって編集長からオモシロイと返事。こーゆーのって嬉しいものです。最近は原稿の感想を言ってくれる編集者が減った。俺が歳取ったから若い編集者は遠慮してるのかな?しなくてイイのに…。今月の名古屋でのオペラ講座『ボエーム』の宣伝文や秋のオペラ講座の企画書を書いて送稿。ふうううう。晩飯はウクライナのニュースを見ながら。いつまで続く泥濘ぞ。大日本帝国の満州事変→上海事変→日支事変→日中戦争とそっくりの戦争拡大?ならば次は真珠湾攻撃&シンガポール攻略?そしてプーチン帝国が廃墟になるまで戦争は続くのでしょうか?
5月6日(金)
来週月曜の『ニューズ・オプエド』のゲストは相撲ジャーナリストの荒井太郎さんと十枝慶二さん。五月場所も開幕することで久し振りに大相撲の話をいっぱいやろうと思っていたら十枝さんからメールの返事が入って世界アマチュア相撲選手権の直近2019年の団体戦は男子が1位日本2位ロシア3位ウクライナ&エジプト。女子が1位ロシア2位日本3位ウクライナ&タイだったとか。ロシア&ウクライナ&日本はこんなところでもつながってますね。そう言えばショスタコーヴィチがオペラ化したニコライ・C・レスコフの小説『ムツェンスク郡のマクベス夫人』には農村の女性たちが力比べの話題から「男にも勝ったことがある」と強さ自慢の話になり「組み討ち(相撲)」を始めるシーンがある。冬の終わり(春分)には農村の男たちが全員で2組に分かれて向かい合い殴り合いをする「ステンカ・ナ・ステンク(壁対壁)」という行事があると札幌大の岩本和久教授にい教わった。カレリンを生んだロシアの格闘文化は根深く広がってますね。朝ベッドで集英社版世界の文学ロシア編で『マクベス夫人』を拾い読み。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。晩飯は『チコちゃん』見ながらと思ったら何とドラゴンズの大野投手がタイガース相手に完全試合!と思ったら青柳投手も2安打ピッチング完封で延長戦へ。10回表に佐藤輝に二塁打を打たれて完全は消えたけど中日のサヨナラ勝ち。最近の野球は打高投低と言われるなかで投手の変化球の球種が増えて球速も増し(フォームが良くなったのかな?)エースの活躍が際立ちますね。大谷もベーブルースが投手としても活躍したボストンのフェンウェイ・パークで投打ともに大活躍。彼の左足の踏み出し幅の大きさは驚異的ですよね。しかしNHKのニュースでベーブ・ルースが「野球の神様」と紹介されたのには驚いた。そんな言葉はアメリカにはないですよね。「ベーブ・ルースと言えどベースボールより偉大ではない」という言葉なら知ってますが…。ビデオで『チコちゃん』。子供が「秘密基地」を作る理由がわかって面白かった。
5月7日(土)
『永続敗戦論』ベッドで2度目の読了。ナルホドね。沖縄に米軍が大量に駐留するようになったのは「国体を(共産主義革命から)護る」ために天皇が望んだからなのですね。従って《国体護持を実現したかたちでの敗戦は敗北という外見に反してその実革命に対する華々しい勝利にほかならなかった》と言えるのですね。そこで第二次大の「敗戦」を「曖昧」なものにし何もかもが(特に政治が)曖昧な(無責任な)戦後社会が続いたわけですね。経済だけが一流の時代はそれでも良かったけど長期の経済低迷のなかで3.11が起きてしまい原発事故の処理でも曖昧さが露呈。著者(白井聡)は《まずはA級戦犯の(靖国)合祀を取りやめることから始めなければならない》と書く。確かに。一つ一つキチンと筋を通してゆくことにしないとキチンとした社会(国家)は創れませんからね。続けて同じ著者による『国体論』(集英社新書)も読み直さねば。ワン。黒兵衛と散歩。終日デスクワーク。昼飯のあと辻井伸行クンと琉球交響楽団のドキュメンタリーをやっていたので見てしまう。琉球交響楽団にとっては初めて沖縄を離れてのサントリーホールでの東京公演。ラフマニノフのP今日2番は辻井クン自家薬籠中の楽曲だが彼が同オケのために作曲した『沖縄の風』という楽曲が沖縄のヨナ抜き音階も取り入れて面白く素晴らしかった。沖縄へ行きたくなったですね。基地を減らすことor無くすことを誰も考えなくなったのはヒドイ話ですね。晩飯はTBS『報道特集』を見ながら。ガーナの野生生物を売るマーケットやウィルス研究所の取材レポートは素晴らしかった。貧困な社会がある限り感染症は世界から消えないようですね。夜になって長女が遊びに来たのでヴェルディのオペラ『リゴレット』のいろいろなDVDを楽しみながらワイン。ささやかなGW。
5月8日(日)
白井聡『国体論 菊と星条旗』再読開始。ロシアのウクライナ侵攻以来安易な国土防衛論(武装強化論)が蔓延し始めたので対米追従日本の曖昧な立場をもう一度確認。昭和天皇が共産革命を恐れて日米安保体制を戦後の「国体」としたわけですね。象徴天皇制と国民に寄り添う行動する天皇=戦後民主主義の意味を改めて問い直そうとしたのが天皇の退位だったけど支配者(保守自民党)は上皇の意思を無視して対米追従に邁進。どこまで続く泥濘ぞ。嗚呼。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。昨晩泊まった長女は黒兵衛のリードを持つので俺は雲古処理がかり。坂道を登るのは犬に引かれる方が楽ですね。ワン。何日か前に送られてきたオカモト"MOBY"タクヤという人物が上梓した『ベースボール・イズ・ミュージック!音楽からはじまるメジャーリーグ入門』(左右社)を読み出すと面白くて止まらなくなった。Take me out to the BallgameはもちろんMLBに関係のある音楽が次々と出てくる。大谷が打席に立つときと登板のときの音楽や休場の寄って違うチャンスのときの音楽…などなど…ルー・ゲーリッグがかつてメトロポリタン歌劇場へワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』を聴きに行った話は出てこないけど(当然ですよね・汗)楽しい本ですね。しかしMLBの楽しい話題に接すれば接するほど日本のプロ野球がもっと良くならないかなあ…素晴らしい選手はアメリカを目指すだけでイイのか…としか思えないのは小生が歳を取ったからでしょうか?夕方長女取れ変わりで長男が来宅。昨晩はオペラだったけど今夜は『ブルース・ブラザース』を長男の解説で見直したりWOWOWでやっていた『キングコング』の最後のシーンを見たり…GWはこれでオシマイですね。
5月9日(月)
『国体論』再読。ベッドで読み進む。《われわれが何によって支配されているか意識せず支配されていることを否認し続けるならば永久に知恵は始まらない。今日日本人の政治意識社会意識が総じてますます幼稚化していること(=知的劣化)の根源はここにあるだろう》《アメリカにとって都合のよいように民主主義モドキの体制をつくるためには天皇が必要だったので天皇は無罪であるということにした(略)実際にあまりに多くの日本人が「天皇の命令」で唯唯諾諾と玉砕し「天皇の命令」でこれまた唯唯諾諾と戦争を止めた。これを見たマッカーサーは日本への民主主義の導入は「天皇の命令」によるほかないと結論したわけである。この「民主主義」の茶番性は今日でもたとえば「主権者教育」−「主権者たれ」と上から号令をかける教育−において反復されている》みんなでつくるCULTUREを上からの政治用語である文化と訳してしまったことも問題かな…ワン。黒兵衛と散歩のあと終日原稿書きや『ニューズ・オプエド』の準備。午後4時からはロシアのナチス・ドイツに対する戦勝記念日のプーチン大統領の演説やパレードをニュースで見る。プーチンは相当疲れているようですね。ロシアの民主主義はモドキでもイイから誰の命令で成立するのかな?リベラルなラスプーチンでも現れ出ないとダメかな?夕方『ニューズ・オプエド』はゲストに2人の相撲ジャーナリスト荒井太郎氏と十枝慶二氏を迎えて久し振りに相撲がテーマ。ウクライナ出身力士幕下の獅司が今日1勝目を挙げる。世界アマチュア相撲選手権ではロシアが強く男女とも団体優勝。2位日本3位ウクライナという順序。特集の戦争と相撲というテーマでは東京大空襲で国技館の天井に穴が空いたあとでも本場所が行われたとか戦後は土俵を広くして勝負が長引いて招待したGHQのアメリカ人を喜ばせようとした…とかいろんな話題が飛び出す。世界中から力士が集まっている大相撲はインターナショナルな平和推進の力を持っているかも…。『オプエド』のあと晩飯は映画『ひまわり』を見ながら。ソフィア・ローレン&マルチェロ・マストロヤンニ主演ヴィットリオ・デ・シーカ監督の名作。DVDを長男が持ち去っていたのを昨日返してもらって早速見直すとかなり記憶と違っていたことに自分でも驚く。第二次大戦のロシア戦線で戦った恋人が戦後になっても帰ってこないので女性がソ連へ探しに行くと現地で雪のなかで助けてくれたロシア女性(ウクライナ女性?)と結婚していて…というストーリー。悪い映画ではないけれどもっと感激するかと思ったらそうでもなかった。昔若いときに見たときは戦争で引き裂かれた男女の悲劇という印象が残ったけど歳取った今見ると仕方ないですね…と思ってしまう。歳は取らないほうがイイですね。風呂のあとに見たNHK『映像の世紀バタフライ・エフェクト/ヴェルヴェットの奇蹟 革命家とロックシンガー』が興味深かった。チェコの民主化にルー・リードも大きく貢献。しかしソ連(ロシア)は昔も今も変わらない…イヤ…さらに暴力的弾圧(戦争)をエスカレートさせてるようですね。
5月10日(火)
『国体論』読み進む。日本(われわれ)は《国際的地位が向上し影響力が増大した時期に進むべき方向性を主体的にまた創造的に選びとることに失敗したからこそこの後の「国体崩壊期」が非常に困難に》なったわけですね。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」といわれた時期にただ喜んでただけでしたからね。《われわれは最も大きな力を持った時にその力をどう用いるべきかに関して構想力を欠き従って無力だったのである。われらは富める時にあまりに貧しくこの貧しさこそ国体による国民統合の限界が表れている》戦前の天皇制の限界&戦後のアメリカ支配の限界…サアこれからどうする?ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワークは秀岳館高校サッカー部の暴力事件と事件隠蔽事件についてイロイロ調べる。最も大きな問題は「事件」を犯した人物に対して「処分」を課すだけで「更生プログラム」が存在しないことでしょうね。女性差別発言をした元総理にも「更生プログラム」の声は出なかったから「処分」された人はみんな何が悪かったのか今もわかってないのでしょうね。せめてスポーツが民主主義の暴力の否定の論理から生まれたということくらいスポーツに関与する人物は誰もが学ぶべきでしょうね。昼食のあと昼寝を少しして目覚めたら大谷が2打席連続ホームラン!しかも2本目はグランドスラム(満塁ホーマー)。そう言えば昔記録神様宇佐美哲也さんに「一番凄い(形容詞の多い)ホームラン」を教わったことがありました。それは「延長回代打満塁サヨナラ釣り銭なしホームラン」だそうです。「釣り銭ナシ」というのは3点差を満塁ホーマーの4点で逆転した時の宇佐美さんの造語でした。夕方はビール飲みながら大相撲。大関3人アカンねえ。
5月11日(水)
『週刊現代』をベッドに持ち込んだら五木寛之氏が連載『生きるヒント!』のなかでモハメド・アリと対談した時のことを書かれていた。アリ曰く。「差別の問題は言葉の問題です。普段使っている言葉が差別的である以上差別はなくならない。(略)ブラック・マーケット。ブラック・リスト。ブラック・メール。ブラック・マジック。(略)それに対してホワイトはすべて善と美の形容詞です。(略)ホワイトハウスは民主主義の象徴…」その通りですね。しかし最後に五木氏は黒い犬と出逢った時に《足がすくんだ。すれちがうときも少なからず緊張した。むずかしいものである》と結ばれている。確かに難しいかも知れないけど黒兵衛は真っ黒だけどお茶目でっせ。ワン。黒兵衛と散歩の前にRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOMで音声出演。昨日の本欄に書いた秀岳館高校サッカー部の暴力事件と事件隠蔽事件について話す。高校教育の問題なのに教育委員会も何も言わなければ日本サッカー協会も何も言わないのはオカシイですね。高野連も含めてメディア主導の運営は教育(文科省)主導に変えるべきですね。ラジオのあと黒兵衛と散歩。帰宅して『週刊現代』をパラパラ眺めていたら《これじゃプロ野球並み 夏の甲子園チケットが大幅値上げ》と題した記事が出ていた。外野席が500円から1000円に。一塁三塁の内野席が2000円から3700円に。バックネット裏は2800円から4200円に。実は数日前に某新聞社の某新聞記者から同じ話題についてコメントを求められたので「人気があるんだから値上げしてもかまわないしグッズのロイヤリティや放送権料も高額で売って高野連は収支決算をキチンと公表して黒字を高校スポーツや高校教育に役立ててほしい」と語ったが記事にするかしないかはわからないと言われた。ライバルとは言え同業者には遠慮かな?日本のスポーツジャーナリズムは機能しませんねえ(>_<)。大相撲は3大関と横綱が強さを発揮。BSフジの『プライムニュース』の出演者(スイマセン名前を失念)が「プーチンの病気に注目」と言ったのは興味深かった。実りのない戦争から撤退するのも反対勢力がプーチンを失脚させるのもおそらく「プーチンの病気」を理由にするはずだから…と。なるほど…。
5月12日(木)
今週号の『週刊現代』『週刊文春』『週刊新潮』のクイズはどれも数独。こんな日があってもイイかとベッドの持ち込む。『現代』と『文春』はクリヤー。『新潮』は難しくて失敗。クソッ。そー言えば最近逝去されたオシム氏は暇な時に数独ばかりされていたとか。サッカー協会会長時代の川淵氏からその話を聞かされて以来一度数独にハマってパソコンで難問を見つけては解いていたことがあったが今は新聞や週刊誌で出逢えばやる程度。数独等のクイズを解くのとPCゲームやeスポーツに興じるのはどこが違うのか?もう一度考え直してみましょう。eスポーツで身体を壊した人の話は聞いたことがあるけど数独ではありませんね。何故かな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。終日デスクワークいろいろ。『スポーツゴジラ』の連載『走』の第2回をブラッシュアップして送稿。テーマは「ナンバ走法」。江戸時代までの日本人がやっていた走り方ですが「ナンバ」とうのは「南蛮渡来の滑車」の綱を引く時の身体の姿勢(右手右足&左手左足が揃って前へ出る)の「ナンバン」から生まれた言葉のようですね。夕方から大相撲。玉鷲スゴイですね。50歳までやれるという安美錦親方の言葉も現実味を持つくらいですね。NHK-BSの地方を取りあげた番組(タイトルは忘れた)で人口減少と空き家対策を考えた横須賀市がeスポーツのグループに空き家をリフォームして貸して横須賀をホームタウンとして地域住民とも交流してもらおうとする試みを紹介していた。今のところeスポーツ否定論者の小生としては危うさを感じますが今後の展開に注目したいですね。成功するかな…?
5月13日(金)
白井聡『国体論』あとチョットで再読了。ウクライナ戦争下で読み直すとかなり新鮮。「核共有」を言い出す前にやることがあるはず…という感想は読了後にさておくとしてこの本には多くの作家が登場。三島由紀夫は当然にしても芥川龍之介・志賀直哉・坂口安吾…。そー言えば最近は作家の政治的発言は減ったなあ…と言うか消えましたね。島田雅彦氏は秋の叙勲で紫綬褒章。テロリストに勲章を与える日本は度量が広いのかな(笑)ワン。ベッドを出て黒兵衛と雨中の行軍。終日デスクワークは『ゴジラ』連載の校正やら来月早々の秋田での講演の打ち合わせや資料作成やら。スポーツによる地域活性がテーマですから「グローカル」「インターローカル」「インターカントリー」といった言葉を説明したいですね。それには「グローバル」「ローカル」「ネイション」「ステイト」「ネイション・ステイト」「インターナショナル」「インターステイト」「カントリー」といった言葉の意味も説明しなければならないし…ややこしくならないように…。IOCは憲章で「カントリー」という言葉を使ってるけど自分の名称はInternational Olympic Committeeなんですよね。夕方からは大相撲。玉鷲が昨日の御嶽海に続いて横綱照ノ富士も撃破!素晴らしいですね!ビールと晩飯と『チコちゃん』。逆上がりを何故やらせるのか?には子供に挑戦心を…と言うのは戦後の答えですね。戦前は三八式歩兵銃を自由に扱うには自分の体重を持ちあげる腕力が必要とのことで懸垂とともに逆上がりが推奨されたとかなり以前に文部官僚から聞いたことがありますね。戦前の逆上がりは脚の振りの勢いは使わず腕力勝負だったのかな?アッ。全然関係ないけど音楽評論家の平林直哉さんから送られてきたブルーノ・ワルター指揮NBC交響楽団のライヴ演奏のCD(ブラームス交響曲第1&2番)には仰天しましたね。クライバーやバーンスタインやラトルも仰天モノの荒々しく烈しく凄まじい演奏で温厚なワルターがこんな演奏をするのかとビックリ。録音年は1939&1940年。故宇野功芳氏が「ワルターの演奏は温和しくなんかないよ」とおっしゃってたのを思い出しました。
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『真夜中のカウボーイ』 ダスティン・ホフマン&ジョン・ボイト。イイ映画だと思いますが小生はまだタイトルの意味がイマイチピンときていません
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5月14日(土)
『国体論 菊と星条旗』再読了。朝鮮戦争&ヴェトナム戦争。戦争でしか経済成長を果たせなかった日本だけどそれはアメリカに従ったからですね。イラク戦争では上手くいかなかったわけで著者は朝鮮半島有事が「積極的平和主義」=「アメリカの軍事戦略と一体化」で仕組まれることを仄めかしそのような政治を批判してますね。確かに日本がアメリカの武器を次々と購入させられる(収奪される)だけですからね。そこへウクライナ戦争が起こりました。アメリカ(バイデン)はウクライナ国境に軍隊を集結させたロシアに対して「軍事介入は行わない」と断言。つまりプーチンに向かって「Come on!」と言ったわけですね。ブッシュがサダム・フセインに言ったのと同じように。あるいはローズベルトが東条英機に仄めかしたのと同じように。そしてプーチンの失敗で戦争が長引きアメリカの軍需産業は発展する?日本はどーする?今こそ有能な政治家が出てくる必要があるのに出て来ないなぁ…何故かなあ…?ワン。黒兵衛と小雨をついて散歩…のあと月刊誌の連載執筆。秀岳館高校サッカー部事件について。イロイロ情報を集めて考えて…あっと言う間に大相撲の時間。間垣親方(白鵬)の解説は面白かったですね。さすがの技術論ですね。相撲はやはり身体をどう使うかの技術の勝負なんですね。晩飯のあと『E.T.』をやってたので見てしまう。物語は昔からある『愛犬物語(子供が犬を拾ってきて親に捨てなさいと言われる話)』を宇宙人にしただけですが(そう言ったのは澁澤龍彦氏です)スピルバーグ監督の最もハートフルな映画には違いないですね。そのあとドキュメンタリーのNHK-BS『世界サブカルチャー史 欲望の系譜60年代』を見てしまう。『博士の異常な愛情』『サウンド・オブ・ミュージック』『俺たちに明日はない』『卒業』『猿の惑星』『真夜中のカウボーイ』…大好きな映画が続々登場+ビートルズ+ケネディ&キューバ危機&ヴェトナム戦争&モハメド・アリ&キング牧師…。アメリカのサブカルの歴史こそ日本は学ぶべきですね。
5月15日(日)
ベッドで昨日届いた今月の講談社現代新書の新刊のなかから長濱利廣『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』を読み始める。ナルホド「低所得・低物価・低金利・低成長」の「4低」はかつての「英国病」に比肩するほどの国の没落を招いてるのですね。大胆な「低金利政策」は大胆な「財政出動」を伴わなければならないのに日本の失われた30年は前者だけで後者がイマイチな上に消費税をアップしたり…。書生のいちばん苦手な経済問題にわかりやすい解説。けどアベノミクスは本当に間違っていなかったの?最後まで読みましょ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと久し振りに大船へ出て『大船祭』の出店を散策。人にぶつからずには歩けないほど物凄い大量の人出。ストリートパフォーマンスもあってマスクは全員着用とは言えコロナが少々心配になる。最近まったく足を運ばなくなったバーのマスターと出逢ったり鎌倉ビールを飲んでいたら創業者という人と知り合いになったり…楽しく過ごして駅ビルの蕎麦屋で昼飯食って帰って昼寝のあと「沖縄日本復帰50周年」の儀式を少々見て連載の原稿書き。うわっ。隆の勝が勝って横綱照ノ富士は3敗目か。琴乃若は若隆景に勝ったけどどちらも黒星が多いですなぁ。ちょっとした出来事がイロイロあって夜は明日の『オプエド』の準備やらなんやらかんやら。NHKスペシャル『沖縄復帰交渉』を見る。佐藤栄作&ダレス…etcしかし昭和天皇の「動き」や北方領土返還との関連は出てきませんでしたね。昨日のTBS『報道特集』で沖縄返還国会の傍聴席で爆竹に火を点けてビラ小間いた人達のその後をやっていたのはなかなか注目すべきドキュメンタリーでした。沖縄へは新婚旅行と講演やプロ野球キャンプで何度も行ったけど…「自分の問題」には成り得てないですね。大船から沖縄に引っ越した大学の同級生はどうしてるかな…?
5月16日(月)
『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』読了。政府と日銀は親会社・子会社の関係。連結決算で考えると1200兆円近い政府の債務残高は600億円程度に半減。しかも2012年以降は800億円から減少している…とか失業率が高い国ほど賃金アップ率が高い(労働力の流動性が反映されるのですね)…とか目からウロコの話題がわかりやすく書かれていて勉強になりました。結局は《景気は気から》というのが《侮れない真実》というのも理解できますが《アベノミクスは成功》という指摘だけは理由が判然とせず理解できませんでしたね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と小雨のなか散歩。もう梅雨か?今日の『ニューズ・オプエド』にリモート・ゲスト出演を予定していた平尾剛さんが突然都合が悪くなっ他とのことで小林信也さんに電話。ちょうどスケジュールが空いているとのことでピンチヒッターをお願いしてあと一人のゲストの佐野慎輔さんにも連絡。今日のテーマは『戦争とスポーツ第10弾』として『暴力とスポーツ』。ちょうど小林さんがネットの『デイリー新潮』に秀岳館高校サッカー部の暴力事件について興味深い記事を書かれていた。何のための高校教育か?サッカーをやるため?大学へ進むため?…そして私学高は人集めのために野球部サッカー部吹奏楽部などを利用…と暴力問題の背景を分析されている。小生も同じテーマを角度を変えて『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』に執筆&送稿。暴力行為を行ったサッカー部のコーチや言い逃れを繰り返してる監督はスポーツが民主主義の非暴力社会から生まれたということを知らないのでしょうね。Footballが何故Soccerと呼ばれてるのかということも知らないのでは?『ニューズ・オプエド』本番は小林さんによる「パワー頼りの大谷批判」も飛び出し面白かったうえ佐野さんも高校野球が朝日新聞の「野球害毒論」から生まれたことを指摘。盛りあがったところで小林さんが「高校野球甲子園大会即刻廃止論」を展開。小生も「メディアのスポーツ支配反対論」を披露。このラジカルな本質論を今後大いに展開しよう!という結論になりました。そりゃ「甲子園大会」を無くせば日本のスポーツ界はガラリとイイ方向に向かいますからね…どーゆー作戦を建てようかなあ……https://op-ed.jp/
5月17日(火)
ベッドのなかでジャレド・ダイアモンド『危機と人類(上)』(日本経済新聞社)の第2章『フィンランドの対ソ戦争』再読始める。1度目に読んだ時はフィンランド国民のソ連(ロシア)との戦争の力強さに感動した記憶があるが2度目の今回はロシアの杜撰さに唖然。ウクライナ侵攻とまったく同じ無計画さではないか!1939年の「冬戦争」ではソ連(ロシア)が森や地形や季候(雪)を熟知しているフィンランド軍の猛烈な反撃にあって死者も多く出して国境の全域で始めた攻撃をカレリア地方のみに縮小。このときは各国のフィンランドへの支援がなく結局はフィンランドがカレリア地方の多くをソ連に奪われて(おまけにヘルシンキでのオリンピック開催も中止となって)終わったが…戦闘の長期化が言われるようになったウクライナはどうなる?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。終日デスクワーク。PR誌の連載に手をつけようとしたら『ZAITEN』の編集者から連絡。昨日送った連載原稿が40行も足りないという。ナニイ!!調べてみるとホンマや!!昨日の『ニューズ・オプエド』の前に原稿長すぎると思ってバッサバッサ短くしたのがせんでもよかったんや!!まいったなあ…しかしこういったミスは時々やることですね。5年に1回くらいかな。慌てて書き足して送稿。ふううう。そのとき昨日の『オプエド』での小林信也さんの発言を思い出し…よっしゃ!!コレを共著の対談本として一冊にまとめることを決意!!小林さんに連絡すると即刻返事が来てヤリマショウ!!ということになった。タイトルは『高校野球甲子園大会を今すぐ廃止せよ!!−日本のスポーツ界の発展のために』サァどの出版社に持って行こうかな…。晩飯は昨日DVDに録画した『映像の世紀バタフライエフェクト「宇宙への挑戦 夢と悪夢 天才たちの頭脳戦」』元ナチスでV2ロケットを創ったフォン・ブラウンが戦後アメリカへ渡ってアポロ11の月面着陸を成功させるのですね。ソ連の科学者コロリョフがガガーリンを人類初の宇宙へ送ったことも見事ですけど「宇宙開発戦争」でもヤッパリ民主主義が専制主義を倒したのですね。もちろん冷戦も。ウクライナはどうなる?
5月18日(水)
『危機と人類』のなかの『フィンランドの対ソ戦争』はウクライナ戦争の今こそ読むべき内容だと再読ながら興奮してます。ソ連との戦争を通いてソ連との交流を絶やさずソ連の信頼を得たうえでEEC(現在のEC)やEFTA(欧州自由貿易連合)への加盟を果たしソ連の息のかかった共産党支配を許さず《ソ連からの国独立を守り経済発展を遂げ》たフィンランドの《予防外交(綱渡り外交)》は見事と言うほかないですね。ソ連からの攻撃を守るためナチスドイツと同盟国ではなく共戦国として組む。しかしレニングラードへの闘いには不参加を決め戦後はソ連に賠償金も支払うが「戦犯」は自国で裁いて戦時中の指導者はキチンと有罪にするが刑務所では自由な暮らしを補償。ソ連(ロシア)にも西欧諸国にも信頼される外交を行ったこの強かさは凄いですね。あ。「したたか」という漢字は「強か」と書くのですね。そのフィンランドがNATOに入る決意をしたのですか…ロシア国民は早くプーチンを引きずり落とさないと大変なことになりまっせ。ワン。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOMで音声出演。MLBニューヨーク・メッツで始球式をやる予定だった在米森公使がそれをやらせてもらえなかった「事件」を取りあげて「始球式は何のために行うのか?」という話をする。何のためだと思います?答えは今でも聞けますよ。https://rkb.jp/radio/gu/
5月18日(水)つづき
『ZAITN』の連載で原稿の文字量が足りないと言われたのを追加作業して小林信也さんとの共著の計画『高校野球"甲子園大会"を今すぐ廃止せよ!!』の作業に取りかかる。あらゆるマスメディアから(それに体制派ゴマすりスポーツジャーナリストからも)無視され反対されるかもしれないけどコレはやらなければならない(最後で最大のと言ってもイイほどの)仕事ですね。晩飯オペラ劇場はチレーア『アドリアーナ・ルクヴルール』の第1&2幕。プッチーニ後のこのオペラは本当に綺麗なメロディの続出ですね。フレーニ&コッソット&ドヴォルスキーの大名演は来日公演でも見ました。これまでにナマで見たオペラのベスト3のひとつですね。
5月19日(木)
『フィンランドの対ソ戦争』再読了。ナチスドイツとソビエト共産ロシアに挟まれて独立を守り通したフィンランド人は《「ろくでもない選択肢のなかから最もひどくないモノ」を選んで交渉する力に秀でている》のですね。しかしそのような力を発揮した軍人や政治家の《指導者の影響力を強調しすぎるべきではない。彼らの目的や戦略はたのフィンランドの指導的立場んいあった将軍たちや政治家たちとそれほど違ってはいなかったのだ》なるほど。そしてそれほどの全体的なレベルの高さを保持したのがフィンランドの教育制度なんですね。《フィンランドの学校制度は全員に良い教育を授けることを目標としている。ほんの一部にだけ良い教育を提供し大多数には低質の教育を授けるというアメリカの教育システムとはまったく異なる。フィンランドでは公立学校で平等に良質の教育を受けることができ私立学校の数はごくわずかだ(略)アメリカでは教員の社会的地位は低く学生時代の成績が下位だった者が就くことが多い。一方フィンランドでは教員採用の競争が非常に激しく最も優秀な学生が教員になる。社会的地位は高く(大学教授より上だ!)給与も高く全員が大学院の学位を持っており教授法についても大きな裁量が認められている》ナルホド。翻って日本の教育は?スポーツや吹奏楽で生徒を集めて…何してる?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。終日デスクワークは原稿の校正。『スポーツゴジラ』は札幌大岩本教授のオンライン講演をまとめた『ロシアのスポーツとナショナリズム〜トルストイからプーチンまで』この長論文は我ながら上手くまとめられました。それに『ZAITEN』連載『今月のスポーツ批評』は『スポーツ界から暴力が消えないのは民主主義が理解できていないから』という素晴らしいタイトルを編集部がつけてくれました。昨日から具体的作業を開始した単行本『高校野球"甲子園大会"を今すぐ廃止せよ!!』も含めてすべては教育の問題と見えますね。夕方から大相撲&ビール。御嶽海vs阿炎&宇良vs貴景勝&若隆景vs照ノ富士…混戦は面白い一番が多いですね。オペラ『アドリアーナ・ルクヴルール』の聴く耳が恥ずかしくなるほど美しいメロディを見聴きしながら晩飯。キイウ歌劇場は閉鎖のようだけどボリショイは何かやってるのかな?
5月20日(金)
ベッドで『危機と人類』から『近代日本の起源』再読開始。前半は知ってることばかりでちょっと物足りないかな。ワン。黒兵衛と散歩。今朝は梅雨の間の晴れ間か?紫陽花が少し花咲き始めた。ワン。『スポーツゴジラ』の『戦争とスポーツ特集/ロシアのスポ−ツとナショナリズム〜トルストイからプーチンまで』ようやく校了。何日間も手間かけただけあってイイ原稿に仕上がったと思う。別のページでは一橋大の坂上康博教授が『戦争とスポーツ特集』で『IOCの休戦決議に抑止力を』と題した原稿を書かれたようだ。スポーツから戦争(政治の延長)を考えるのは当然ですからね。アスリートももっと知識を得てどんどん政治的発言をすべきですね。来週月曜の『オプエド』も『戦争とスポーツ第10弾』でゲストは名古屋大の内田良教授と柔道家の溝口紀子さんに決定。暴力とスポーツと戦争と政治の関係…どんどん取りあげましょう。昼飯映画劇場で何日か前に録画していた1952年の映画『地球の静止する日』を見る。宇宙人が空飛ぶ円盤に乗って地球にやって来て危険な兵器(核兵器)を大量に作って闘おうとしている地球人の行為は宇宙の平和を破壊する愚劣な行為として見逃せないと演説。これ以上危険な行為に走ると地球を滅ぼすと宣言する。1951年の冷戦時に作られた映画でSFとしては稚拙でもメッセージ性は高い。監督は『ウェストサイド物語』や『サウンド・オブ・ミュージック』でアカデミー監督賞を得たロバート・ワイズ。こんな映画も撮ってるんですね。
5月21日(土)
『近代日本の起源』読み進む。明治維新の話。知っている歴史だが改めて発見することもある。1870年の普仏戦争に明治政府は観戦武官を派遣していたのですね。また新たな指摘に目を開かれることもある。《革新的な出来事を古来の伝統だとする「伝統の発明」という現象は日本以外の国でもよく利用されてきた。「伝統の発明」は明治政府の指導者による劇的な変革を成功に導いた》天皇親政も国家神道も「伝統の発明」だったわけですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。ジャイアンツは日本で最初のプロ野球チームというのも早稲田ラグビーは日本ラグビーの最初のチームというのも「伝統の発明」ですね。ワン。終日机の虫になっての原稿書きはフォーラムエイトの機関誌『Up & Comming』の連載と取り組む。スポーツが民主主義社会の非暴力の思想から生まれたということは何度も繰り返しいろんなところで書きたいですね。その次は「甲子園大会廃止論」ですね。小生は長年「甲子園大会改革論」を唱えて監督も高校生にやらせて大人の指導者は試合ではネット裏に退けということを言ってきましたが小林信也さんの「廃止論」に賛同することに決めました。夕方から大相撲。佐田の海には3敗で残ってほしかったなあ。コレだけ荒れた5月場所の結果が横綱優勝ではイマイチ面白くないですなあ。照ノ富士には申し訳ないけど隆の勝頑張れ!4力士の決定戦にならないかなあ。
5月22日(日)
『近代日本の起源』再読了。日清日露の戦争までの日本とその後日中戦争から太平洋戦争まで突き進んだ日本の違いがよくわかった。《明治日本の指導者と1930年代40年代の日本の指導者では公正な自国評価を行うための知識や能力に違いがあったのである。明治時代には軍幹部を含む多くの日本の指導者が海外に派遣された経験があった。そうして日本と各国の国力差を公正に評価することができた。(略)対照的だったのは1930年代に中国大陸に展開していた日本陸軍だ》これ以上引用することもない。日本陸軍は敵国に対して無知で自分たちが無知であることにも無知だった。重要なのは《知識》と著者も書いている。今の日本の政治家やマスコミ人に《知識》はあるか?《知識》を発揮している人物はいるか?ワン。続いてナチスドイツの敗戦から立ち直ろうとした『ドイツの再建』を読むことにしよう。すべてはプーチンのウクライナ戦争の行方を考えるために。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは連載原稿のブラッシュアップ&『高校野球甲子園大会廃止論』の企画書づくり。言いたいことが山ほどあって結構悩む。夕方から大相撲。結局は照ノ富士の優勝か。マア仕方ないというか照ノ富士頑張りましたね。隆の勝はイイ人過ぎましたね。『鎌倉殿の13人』はどこまでが史実かなぁ…と首を傾げながらも面白くなってきましたね。ま。ドラマですからイイのか。続くEテレの若い音楽家たちの演奏は面白かったですね。天才は山ほどいるのですね。でもラフマニノフでなくバッハやモーツァルトベートーヴェンやせいぜいブラームスやショパンまでにしてほしいなぁと思うのは小生が歳を取った証拠?しかしグールドもグルダもポリーニもラフマニノフは弾いてませんよね?
5月23日(月)
『危機と人類(下)』の『第6章ドイツの再建』読み進む。ナチス時代の社会のあり方をなかなか全否定できない世代が残るなかで1968年の世界的若者の爆発のなかでナチスの徹底排除が起こる。反体制の若者に「ここが嫌なら東ドイツに行ってしまえ!」と言う上の世代の大人たちもいたがナチス時代にノルウェーやスウェーデンで過ごした社会民主党のブラント首相が現れポーランドを訪問。ワルシャワ・ゲットーの《ポーランド群衆の前で跪きナチスによる犠牲者数百万人を追悼しヒトラーの独裁と第2次大戦に対する赦しを求めた。(略)ブラントの行為は異彩を放っている。ある国の指導者が大きな被害を被った他国の人々に心から謝罪したのである。たとえばアメリカ大統領がベトナムの人々に日本の首相が朝鮮半島や中国の人々にスターリンがポーランドとウクライナの人々にド・ゴールがアルジェリアの人々に同じことをしていない。ひざまずいて謝罪をしない指導者は大勢いるのだ。おまけにかつての領土のポーランドやソ連への放棄も受け入れた。コレには反対の超えも大きかったが結局は東西ドイツの統一につながったのか…学ばねば。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。紫陽花のほか躑躅や様々な花が開き始めた。6月は一斉に花開く…ですね。『フォーラムエイト』の連載原稿を仕上げて送稿。創文企画から『現代スポーツ評論46』が送られてくる。特集は「東京2020オリンピック・パラリンピックを検証する』読まねば。まだパラパラとみただけですが東京2020の大テーマ(と私が確信している)「体育からスポーツへの大転換」には誰も触れていないみたい。なんでかな?夕方から『ニューズ・オプエド』。今日のゲストは名古屋大学の茶髪で有名な(今や真っ赤な髪の毛に染め直した)内田良教授と柔道家で日本女子体育大学教授の溝口紀子さん。「特集スポーツと戦争」の第11弾でスポーツと暴力を取りあげ様々に二人から興味深い話を聞ける。とりわけ内田先生の学校スポーツを教育論として捉えなければならない(高校野球や高校サッカーも!)という視点や少子化や反暴力の視点からジェンダーフリーで男女混淆のスポーツを推進するという溝口さんの提案はメッチャ鋭かったですね。番組のあと晩飯&風呂。NHKの『映像の世紀バタフライ・エフェクト/スターリンとプーチン』を見る。ウクライナに向かって「反ナチ」を主張するプーチンが「反スターリン」でないのはオカシイですね。
5月24日(火)
『ドイツの再建』読了。多数の国と陸地で国境を接している国には優秀な指導者が生まれるのか?そして失政や激動の時代があったとしても20年後にはそれを生かす方向に進める我慢強さが生まれるのか?ビスマルクは言った。「神が世界史のどこを歩んでいるか…そしてどこに向かっているかを常に見極めよ。そして神の衣の裾に飛び付き出来る限り遠くまで振り落とされぬようにしろ」《1989年から90年にかけてのコール首相の戦略はまさにこれに尽きる。1969年から74年にかけてのブラント首相の取り組みの後その時期に東ドイツとソ連における政治情勢の変化がついに東西ドイツ再統一の機会をもたらしたのだ。それは(略)相手の隙や敵失をうかがう戦略である。こうした指針は隆盛期の大英帝国でも現在のアメリカでも考えられない。(略)あくまでも自らが主導権を握り自らの意向を相手に押し付けることが大英帝国の姿勢であった師現在のアメリカの姿勢である》たしかに。相手(ソ連)の《隙や敵失》のとき日本は北方領土に何も出来なかったですね。ということはその20年前の動き(沖縄返還)が影響したのか?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。五月晴れ。もうすぐ梅雨?それとも初夏?デスクワークは北國新聞の連載『スポーツを考える』執筆。ヤッパリ今は何故日本のスポーツ界から暴力を排除できないのか?ということを繰り返し考えなければいけませんね。晩飯後久し振りの映画劇場はケヴィン・コスナー&ショーン・コネリー&ロバート・デニーロの『アンタッチャブル』。さすがに3人の演技は秀逸でした。ハリウッド的映画にはもったいない?面白かったですけどね。
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『アンタッチャブル』 ケヴィン・コスナー&ショーン・コネリー&ロバート・デニーロ。これで面白くないハリウッド映画になる方が無理ですよね
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5月25日(水)
ベッドのなかで『危機と人類(下)第8章日本を待ち受けるもの』再読始める。少子高齢化人口減少過剰債務税率引上げ歳出削減老齢年金削減…等々思わず「言われんかってわってるわい」と言い返したくもなるが面白い指摘もあった。《人口が減れば困窮するのではなく非常に裕福になるだろうと私は思う。なぜなら必要とされる国内外の資源が減るからだ。資源の逼迫は近代日本史における呪縛のひとつであったし今もそうだ。また日本人自身も日本は資源に乏しい国だと考えている。したがって日本の人口減少は問題ではなく大きな強みのひとつとなるはずだと私はみている》そうともおもうのですが日本政府は少子化社会の今も資源を沢山輸入して消費しなければならない経済を推進しているのですよね。川島雄三監督の面白い映画『愛のお荷物』を思い出す。戦後のベビーブームの人口爆発で「危機」を迎えた日本は厚生大臣(山村聡)が人口抑制策として否認政策を推進する。がその大臣の妻や子供や母親にまで子供の産まれる兆候が出て「責任問題」に…しかし最後は確か「子供は宝」とみんな笑ってオシマイ。日本人は「銀(しろがね)も金(くがね)も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも」という山上憶良の三十一文字がやっぱり好きなのですね。しかし少子化の問題は子作りの問題ではなく経済の問題ですよね。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOMで音声出演。アメリカのサッカー代表女子チームが男子の代表と同じ「男女同一賃金(賞金)」を勝ち取った話題。W杯男子の優勝賞金は3800万ドル(約48億円)だが女子は400万ドル(約5億1千万円)そこでアメリカの裁判所は2019年のW杯で優勝した米女子チームに2400万ドル(30億8千万円)を支払うことを命じ2028年まで男女同一賃金を守ることを命じたとか。凄いですね。ちなみにテニス界はロランギャロス(全仏)もウィンブルドン(全英)も男女同一賞金です。キング夫人などが権利を主張したのですよね。日本のスポーツ界も女性問題ではなく人間の問題として男子も女子も改革に乗り出さねば。男子だけのスポーツ組織(たとえば高野連)はすぐにでも改めるべきですね。
5月25日(水)つづき
RKB毎日のラジオを終えて黒兵衛と散歩。今日も気持ちのイイ五月晴れ。水道管工事交通整理の人たちとすっかり顔見知りになる。紫陽花がイロイロ綺麗に咲き始めました。北國新聞やフォーラムエイトの連載原稿の校正作業をしていると某出版社の編集者から丁寧なメール。『高校野球甲子園大会を今すぐ廃止せよ!』の企画を実現させてくれそうな気配。よしっ!やるぞー!という気持ちで共著者の小林信也さんにメール。是非実現させましょうね。晩飯後映画劇場はルキーノ・ヴィスコンティが助監督を務めたという1940年の映画『トスカ』。1幕だけを見て残りは明日に。なかなか面白い。トスカ役の女優も歌手も小生の知らない人物だがカヴァラドッシは俳優がロッサノ・ブラッツィ。歌はタリアヴィーニ。凄い!ブラッツィはミュージカル映画の『南太平洋』やシャーリー・マクレーン主演の『女と女と女たち』(監督はヴィットリオ・デ・シーカ/ピーター・セラーズも出てます)やトロイ・ドナヒューとスザンヌ・プレシェットの『恋愛専科』にも出ているイケメン俳優ですよね…て古いなあ(^^;)
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『愛のお荷物』 川崎雄三監督のコメディ。戦後の日本はベビーブームで人口増加に困っていた。今は少子化で…夏はまた冬がマシじゃと言いにけり…ですね
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5月26日(木)
『危機と人類第8章日本を待ち受けるもの』再読了。日本の選択すべき道は三つ。人口減少をプラスにする社会(経済)の構築&移民の受け入れ&隣国(中国・韓国)の信頼を得ることですね。移民についてはモデルはカナダ。対中韓政策についてはモデルはフィンランドの対ロシア政策を参考にまずは白井聡氏が『国体論』で書いたように靖国のA級戦犯合祀の撤回かな。いずれにしろ頭脳明晰で指導力のある政治家の登場を待つ意外ないのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。しかしジャレド・ダイアモンドの指摘は鋭いですね。ウクライナ戦争を考えるうえでも…。終日原稿書きは連合通信社の連載を仕上げて週末のオペラ講座『ラ・ボエーム』のレジュメを完成。ふううううう。晩飯映画劇場はNHK-BSがやっていた『俺たちに明日はない』。かつて興奮したアメリカン・ニューシネマで『イージー・ライダー』『卒業』『明日に向かって撃て』『真夜中のカウボーイ』とともに60〜70年代のアメリカの空気(世界の若者たちの空気)を漂わせている映画ですね。歳取って見直すと「青いな」とも思いますが「時代」でしたね。「時代」とは無関係にフェイ・ダナウェイはイイですね。ジーン・ハックマンも貫禄の演技ですね。ウォーレン・ビイティはシャーリー・マクレーンの弟なんですね。アメリカがニューシネマを創る時代だったんですね。今はどーゆー時代なのか…よーわからん。続けて『危機と人類第9章アメリカを待ち受けるもの−強みと最大の問題』を再読しましょう。
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『俺たちに明日はない』 昔は興奮した映画も70歳で見直すと「青さ」を感じる。フェイ・ダナウェイはイイですね。ウォーレン・ベイティはシャーリー・マクレーンの弟。知らなんだ
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5月27日(金)
昨晩&今朝ベッドのなかで『危機と人類第9章アメリカを待ち受けるもの−強みと最大の問題』再読開始。ナルホド。アメリカ最大の問題は《(共和党と民主党の)政治的妥協の衰退》なんですね。たしかに。《アメリカを破壊できいるのはアメリカ人自身だけ》ですからね。日本も同じですね。《政治的妥協》なんて必要ない「弱い野党」ですからね。「(自民)党内野党」はどこへ消えたのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と台風のような風雨のなかを散歩。レインコートを羽織ってどーでもエエワイと思うと暴風雨の中でも楽しいものですね。しかし《アメリカを破壊できるのはアメリカ人だけ》で「プーチン・ロシアを倒せるのもロシア人だけ」「習近平中国を倒せるのも中国人だけ」なんですね。ロシア人も中国人も「民主派」は国外へ逃避となると…「倒れないまま」どうなる?
5月27日(金)つづき
朝の読書のあと黒兵衛と散歩。最近黒兵衛の腹の調子がおかしいのか夜中に排便を訴えたりするらしい。らしいと書いたのはヨメハンの仕事で俺は寝ているからだけど犬も歳を取るとイロイロ身体に支障が出るようだ。こういう世話を厭わず行うヨメハンには頭が下がるがAIBOとかナントカ言うロボ犬ならこんな世話はいらないのですね。ならばロボ犬好きの人は人間の世話をどうするのかなあ?しかし最近はAIBOの話を聞きませんね。どーしてるのかな?ワン。黒兵衛は元気を取り戻したようでヨシヨシ。明日のオペラ講座の準備や来週の秋田での講演の準備。地方がスポーツで活性化するのは全力で応援したいなかでスポーツに対する誤解は取り除きたいですよね。図書館や公民館を作るのに反対の声は出ないけどスポーツに対する公的支援は必ず反対の声が出ますからね。スポーツは企業が宣伝のために行っている方が間違っているのだということを誰もが認識しなければ…。夜は「チコちゃん」見ながら晩飯&酒。明日早いから早よ寝よ。
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『ラ・ボエーム』 湖上の野外劇場でのブレゲンツ音楽祭の映像。日本語字幕はありませんが必見の価値アリ。美女のムゼッタがモンローの下着姿で歌います
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5月28日(土)
『アメリカを待ち受けるもの』再読了。アメリカは《問題について自己の責任を認識するよりむしろ往々にして他者を責めることに力を注ぎ権力を有するアメリカ人のあまりにも多くが国の問題を修正することよりも自己保身に力を注いでいる。そして他国の(優れた)モデルから学ぶことに消極的な態度である》そうですね。しかしかつては日本の野球に文句ばかり言ってた来日アメリカ人プロ野球選手も最近は日本野球を認める選手が増えたようで少しは変わってきてるのかな?しかし《ベトナム戦争の失敗を認めておらず受け入れがたいと感じている》アフガン戦争も…。国家とはそういうものならばロシアの戦後も同じなんでしょうか?ワン。黒兵衛と早めの散歩のあと準備して大船駅へ。東海道線品川経由新幹線で名古屋へ。中日文化センターで「オペラ講座」は7月に兵庫県立芸術文化センターで佐渡裕さんがプロデュース公演するプッチーニの『ラ・ボエーム』を映像を見ながら解説。パヴァロッティとフレーニの第1幕のアリアと二重唱。第2幕はブレゲンツ音楽祭の湖上のライヴでマリリン・モンローのような下着姿のムゼッタを見てもらい第3幕はレナード・バーンスタインのメトロポリタン歌劇場での演劇(台詞)とオペラ(歌)と解説。の公演。最終第4幕はネトレプコとヴィリャソン主演のオペラ映画でたっぷり楽しんでもらう。7月の佐渡さん公演ツアーはまだコロナの関係で不可能のようだが個人的に見に行く人もいて20名くらいの聴講者には満足していただけたようです。新幹線でビール飲みながら帰鎌。コロナも終焉に向かっているのか人出はメッチャ多かったですね。『ブラタモリ』で八王子の街がなぜ大きくなったかを楽しみながら晩飯。久し振りの遠出で少々疲れたのか明日の『ニューズ・オプエド』の準備を少しして(ゲストはサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと後藤健生さん)早々にベッドへ。
5月29日(日)
ジャレド・ダイヤモンドの『危機と人類』上下2巻を初めて読んだのは初版発売直後の2019年11月。確かウクライナとロシアの関係についても書かれていたはず…と再読して下巻の最後の《エピローグ 教訓・疑問そして希望》に出ていました。少々長くなりますが引用します。《大国に脅かされている小国は常に気を配り越の選択肢を考慮し選択肢を現実的に見極めるべきだということだ。この教訓はあまりにも当然すぎて述べる価値がないように思われそうだが悲しいことにしばしば無視される》そしてパラグアイがブラジル・アルゼンチン・ウルグアイ相手に失敗したことやフィンランドがロシア相手に冬戦争で失敗したことや日本が米英蘭中豪露相手に失敗したことを書き《そして近年ではウクライナが(この教訓を)無視してロシアと破滅的な対立に陥った》とある。さらに米露関係については《そのリスクはキューバ危機以来最高レベルに達している。理由は米露関係と両国間のコミュニケーションの悪化である。悪化の原因の一部はロシアの大統領プーチンの最近の政策にあり一部はアメリカの軽率な政策にある。1990年代後半。アメリカ政府はソ連崩壊後のロシアについて弱体化して最早敬意を払うに値しない存在だと片付けてしまうミスを犯した。こうした新しい姿勢と並行してアメリカはNATOを拙速に拡大しかつてのソ連の一部だったバルト三国を傘下に入れシアノ強硬な反対を押し切ってNATO軍がセルビアに介入しイランのミサイルへの防衛策として東欧に弾道ミサイルを配備した。こうしたアメリカの行動にロシア指導部が脅威を感じるのは理解できる。今日のアメリカの対ロシア政策はフィンランドの指導者が1945年以降ソ連の脅威から学んだ教訓を無視している。(略)フィンランドはソ連と腹を割った対話を続け(略)脅威を与える存在ではないと納得させた。(略しかし米露は)継続的かつ率直なコミュニケーションをとってないし計画的な攻撃の可能性はないと相互に納得させることに失敗している》そしてロシアはウクライナへ侵攻しフィンランドとスウェーデンがさらにNATOへ。こんな選択になってしまった最大の要因は…アメリカかロシアかウクライナか…よーく考えてみましょう。ベッドから出て初夏の陽射しのなか黒兵衛と散歩。汗をかいても夏は好きですね。終日デスクワーク。秋田での講演のメモ作りや『高校野球甲子園廃止論』の出版社との打ち合わせのための資料作り。日本ダービーは武豊騎手。見応えありましたね。ラグビーはサンヨー…じゃないパナソニックの優勝。PanasonicというのはSONYの親会社と間違えられることを見込んでつけた社名なんですよね。晩飯のときの『日曜美術館』の黒竹細工は見事でした。寝よ。
5月30日(月)
昨夜はベッドに『ZAITEN』最新号を持ち込む。佐高信の連載対談『賛否両論』はゲストが元毎日新聞記者の西山太吉氏。沖縄返還で当時の佐藤首相が「謳い文句」にした基地の「核抜き本土並み」は大嘘で「緊急時の核兵器の再貯蔵と通過の権利」と「韓国台湾ベトナムに関して通常兵器による最大限の基地自由使用」を認める密約があったわけですね。それをすっぱ抜いた西山氏が冷や飯を食わされる羽目に陥り佐藤元首相はノーベル平和賞に。その結果「沖縄の本土並み」は実現されず「本土も沖縄並み」になったわけですね。このスクープを評価した読売新聞政治部の渡邉恒雄(ナベツネ)と西山氏は親友だとか。別のページに『朝日新聞政治部』(講談社)という興味深い本を出版された著者で元朝日の「スター記者」鮫島洋氏のインタヴューが出ていたけど政治部の話となるとスポーツの話題がスルーされるのは仕方ないのでしょうけど小生は読売がプロ野球を…朝日と毎日が高校野球を…支配していることこそ日本の新聞ジャーナリズムの堕落の一歩だと考えているのですけどね。鮫島氏は「新聞社がオリンピックのスポンサーになったのはジャーナリズム史に残る愚行」と発言されてますけど朝日新聞が夏の甲子園大会を主催するのも同じ愚行ですよね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。真夏の陽気は気持ちがイイですなあ。ワン。講演の準備やら連載の校正やらいろいろ仕事して夕方からは『ニューズ・オプエド』リモートMC出演。今日のゲストはサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと後藤健生さん。今週から始まる日本代表の強化試合のパラグアイ戦ブラジル戦ガーナ戦チリまたはチュニジア戦の戦い方と11月21日から始まるW杯カタール大会の展望を話してもらう。W杯がドイツ・スペインという欧州の強豪相手だけに強化試合が南米中心になったのは少々残念。しかしブラジル戦は注目ですね。後藤さんがW杯のグループリーグは勝ち点2で決勝トーナメントに進めることもあれば勝ち点6でも進めないこともあるといわれたのは面白かった。確かにそうですね。ネットTVを楽しく終わらせたあとは神奈川テレビで吉本新喜劇を見ながら晩飯。最近のヨシモトは少々つまらなかったけど今日のは面白かった。ヨシモトは新しいコトをせずに昔からのワンパターンでイイのですよね…という小生は歳取ったかな?
5月31日(火)
ベッドで『現代スポーツ評論46』読み進む。ちょっとアカデミックすぎる記述にイライラ。誰も「体育からスポーツへ」という変化(パラダイムシフト)に触れないのは何故かなあ?組織委も無視していたテーマだから?しかしこれは大問題ですよ。ワン。黒兵衛と散歩のあと明日の講演の準備。インターナショナルInternationalの社会からインターローカルInterLocal&グローカルGlocalの社会へ。これからのスポーツが担うのはそういう社会ですよね。晩飯は昨夜録画しておいたNHK『映像の世紀バタフライ・エフェクト わが心のテレサ・テン』を見ながら。日本での歌手としての活躍は無視して台湾と中国本土の政治的対立に翻弄されながら天安門事件や香港デモではっきりと「自由な社会」を主張した彼女を再発見しました。彼女の凄さを知らなかった。テレサ・テンを聴き直します。明日早いから早よ寝よ。
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