9月1日(木)
大阪から帰ったところへサッカー協会の川淵三郎キャプテンから電話。何かいな・・・と思ったら「1週間ほど休みをとってね。その間に前にいただいたオペラのDVDを見まくったよ。面白かった。ドミンゴの指揮した『椿姫』はいいねえ。演出(ゼッフィレッリ)もいいし、主役(ボンファデッリ)も綺麗だし。クライバーの『カルメン』も面白かった。『ばらの騎士』の日本公演は見たけど若いときの指揮ぶりもいいねえ。これも演出(ゼッフィレッリ)がよかったなあ。いや、ありがとう・・・」川淵氏はフランスW杯のときにバスチーユのパリ・オペラ座で『椿姫』を見たほどのオペラ・ファンです。
9月1日(木)つづき
阪神勝利。ゲーム差は再び1.5。けど中日のほうが5試合多く残してるから2.5ゲーム以上の差をつけんと阪神有利とはいえへんでぇ。それにどっちのチームも地元メディアが盛りあがらへんのは問題やで。
9月2日(金)
毎日放送『ちちんぷいぷい』出演のため大阪日帰り。今日は鎌倉も暑かったけど大阪は暑すぎる。蒸し暑いばっかりで阪神で熱うなってへんのはなんでやねん?名古屋も似たようなもんか?
9月2日(金)つづき
ハリケーン「カトリーナ」はハンパやなかったようやけどアメリカという国は先進国には見えへんで。まるで発展途上国の惨状やで。あの貧富の差はなんやねん?あの治安の悪さはなんやねん?アメリカ資本と仲のええ人たちは日本もあんな国にしようと思とるんやろか?
9月3日(土)
甥っ子の結婚式に出席するため千葉へ。久しぶりの結婚式。以前(25年ほど前)は毎月のように友人の結婚式が連続したもんやけど最近は葬式ばっかりやったのに再び結婚式ラッシュかも・・・。歳とったんやな・・・。C'est la vie.(これが人生というもんなんかいなぁ・・・)。三次会まで出席して酔いつぶれて千葉泊。
9月4日(日)
結婚式のあと女房の親族とともにわが家へ。久々にわが家が9人もの大家族に大変身して大騒動。原稿を待ち焦がれてる編集者の皆さんスンマヘン。本HPの更新も遅れてスンマセン。
9月4日(日)つづき
仕事つながりのない男どもが集まってやることといえば麻雀しかない。何年ぶりかで牌を握る。純チャン三色イーペーコードラ1のダマテンをリー即ツモドラ2裏ドラ3なんてアホな手で潰されてアタマに来る。最近のガキどもは長幼の序という言葉も知りよらへんうえ家長に対する遠慮もない。鍛え直したらなあかんな。
9月5日(月)
世の中は台風。わが家は親族が京都へ去って台風一過。編集者の皆さん!モーレツに原稿書きした一日でしたでぇ!まだギョーサンたまっとるけど・・・。
9月6日(火)
「星野監督になって巨人人気は復活するでしょうか?」「一時的な話題は盛りあがるでしょうけどそんなことどうでもいいでしょう。野球は新聞を売るためやテレビの視聴率をとるためにやるものじゃないですからね。星野監督にはそういう巨人の誤った組織をぶっ潰すことを期待したいですね」某雑誌記者との会話。スポーツ組織はどうあるべきかということをまだ理解していないマスコミ人が大勢いることにはウンザリさせられる。
9月6日(火)つづき
書き忘れていたことを一つ。先週の土曜から日曜月曜と三日続けて東海道線か横須賀線のダイヤが乱れる。原因は人身事故。最近・・・というかここ数年ものすごく多い。たぶん自殺だろうがニュースにもならない。
9月7日(水)
鎌倉市芸術文化振興財団理事会に出席。コイズミ「改革」の一端かナンカ知らんけど「指定管理者制度」なるものの実施のために鎌倉文学館も鎌倉芸術館も誰でも運営に携われるようになった。アホか。文化政策はどこに行ったんや?何のために財団をつくったんや?経営の効率化ばっかりいうてたら文化は消えまっせ。民にも官にもでけへんのが公の仕事やないけぇ。役所の役人どもは書類ばっかりいっぱい書かせてホンマにアホばっかりやで。日本がホンジュラスに乱戦勝利。虎が龍に粘り勝ち。落合監督の淡泊さが命取りに?
9月8日(木)
日本ライフセービング協会理事長の小峯力さんとその活動を応援している三共製薬広報部副部長の吉田雄三さんとの対談を司会。ライフセービングは未来のスポーツとして小生も勉強の真っ最中。過去のあらゆるスポーツが「闘争」の原理(弱肉強食)をゲーム化したのに対してライフセービングは「人命尊重」「人命救助」という人道主義から生まれた画期的なスポーツ。めっちゃ有意義な話を聞かせていただいた。この中味は近々朝日新聞に掲載される予定です。
9月9日(金)
終日原稿書き。明日の星野仙一氏の記者会見に関して情報が乱れ飛ぶ。星野氏が巨人の監督になって選手の契約金とかFA選手に対するタンパリングとかの裏事情をすべて知られるのも巨人としてはイヤやろなぁ。将来コミッショナーになる星野氏にとってはプラスやろけど・・・。夜、名古屋へ。阪神中日4ゲーム差。MVPは金本やな。
9月10日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。愛知万博終幕まであと2週間余・・・がローカルな話題で、星野氏巨人監督就任は・・・が全国ニュース・・・というのは矛盾?帰宅後次々とマスコミから電話。星野氏の記者会見の様子をニュースでチェックする。何やら不思議な記者会見・・・。ホントにアレで巨人監督はなくなったの?2か月後に「ペナントレースの重要な場面のあの時期にはああ言う以外なかった・・・」なんて言葉が出てこない保証は・・・ない・・・?
9月10日(土)つづき
星野氏の記者会見を理解するための参考資料として過去の発言を少々記しておく。
- 中日監督に初就任直後の発言「1年目から優勝を狙う。おれは本気だ」
- 翌年キャンプでの発言「去年優勝を狙うと言ったのはハッタリだったけど今年は本気だ」
- 去年も本気だといわれましたが・・・との問いに対しては「本気でハッタリを言ったから本気だった」
- タイガース監督就任直後の言葉「ユニフォームは縦縞で最後。タイガースに骨を埋めるつもりだ」
- 星野氏の盟友である田淵幸一氏の言葉「仙一の凄いところは三枚舌が使えることですよ。俺たちはせいぜい二枚舌しか使えないのに・・・」断っておきますがこの言葉は誉め言葉として使われたものです。
- 阪神中日5ゲーム差。落合ドラゴンズには絶対につくれないムードが岡田タイガースには出てきたような・・・。
9月11日(日)
選挙へ。ヴェルサイユ条約に賛成か反対か・・・。いや違った。郵政民営化法案に賛成か反対か・・・というのはわかりやすい。わかりやすいことをいう人が勝つ。わかりやすい党派が勝つ。財務省と外資は大喜びなんやろなあ。何年かあとにタイフーンの襲来でニューオリンズのような事態が起こらないことを祈るのみ。久米宏はやっぱりインタヴューが上手いなあ・・・と思いながらチャンネルをまわすとNHK教育でベルティーニがマーラーの3番をやってた。最終楽章だけを聴く。まるで日本のレクイエムのように響く。まあ2年後にはまた変わるのかも・・・。
9月11日(日)つづき
阪神中日6ゲーム差。タイガースがこれほど世の中に騒がれずに優勝するのは1964年の東京五輪以来のこと。そういえば64年も62年に続く隔年の優勝やった。おまけにどっちも日本一にはなれず(今年はまだわからんけど)。ならば来年から自民長期安定政権のもとで高度経済成長が・・・というわけ?歴史は繰り返す?一度目は喜劇として。二度目は悲劇として。高度成長→バブル経済→そして・・・。
9月12日(月)
原稿書きと読書という静謐な一日を送ったと思ったところが夜になって突然わが家を台風が襲う。看護婦見習いの次女がアメリカから帰国。「ハッロウ!面白い話が山ほどあるよ!」体重200キロを超す患者にダイエットの指導をしている看護婦の体重が100キロを超えてた・・・とか、確かに話は面白い。けど、早く眠らせてくれぇ。
9月12日(月)つづき
娘のアメリカ土産は、1.Penis Pasta(小さなマカロニがすべてペニスの形をしたパスタ)2.Politicards(ブッシュやライスやラムズフェルドやクリントン夫妻やジョン・ケリーの漫画が描かれたトランプ。ちなみにジョーカーはマイケル・ムーアだった。けどチョムスキーはなかった)3.Bush Magnet(ブッシュ大統領のカリカチュアライズされた写真の磁石。Bush-PetsがLIEと書かれたお菓子を口から吐き出したりしてる。これは面白いのでいずれ写真で紹介します)4."Making out in Japanese"という本。これは現在我々が使ってる日本語にかなり堪能な人物が書いたようで、I like it.=Suki, I like it a lot.=Daisuki, I love it!=Meccha-Meccha suki!なんて説明が出ている。さらに、You whore!=Yariman!, Home boy!=Dasai! Kono imo!, Softer=Motto yasashiku, Deeper=Motto fukaku, I'm coming!=Iku iku!なんてのも書かれていた。こんな本誰が書いたんや?誰が買うねん?誰が読むねん?「面白いでしょ」「たしかに。Good souvenir.Thanks a lot.」「you're welcome」
9月13日(火)
コラムを1本仕上げて久しぶりに時間が空いたので井筒監督の『パッチギ』をDVDで見る。1968年京都の話。見なくても知ってる世界。だからロードショウで見なかった。という以上に青春時代を思い出すのがイヤだった(笑)。けど、まあ、いい映画だった。続編に期待。夜は、NHK-hivisionで『東京JAZZ』を堪能。やっぱりマーカス・ミラーはオモロイ奴っちゃなあ。ハンコックも相変わらず凄い!三味線の上妻宏光もがんばってたReally cool.=Maji-de saiko!(前日紹介した本より)。息子がナマを聴きに行って悔しい思いをしてたけど大会場でのジャズやフュージョンはテレビで十分・・・というのは負け惜しみやろな、やっぱり。Damn it!=Konchikusho!(同)
9月14日(水)
原稿書きまくりの一日。星野氏の巨人監督就任の可能性はまだあると思っていたけれど、なくなったみたい・・・。団塊世代とアフター団塊世代(俺たち)を早く飛び越えて新しい世代(古田の世代)にバトンタッチするべきかも・・・。野球界だけではなく社会も。
9月15日(木)
15年ぶりの血液検査。CTスキャンも。こんなん大嫌いや。どうせ人間死ぬんやし。知らぬが仏が一番やのに。トホホ・・・。15年前は「外見から伺える所見ナシ」という結果やった。けど、今回は・・・?
9月15日(木)つづき
阪神優勝決定ですな。落合監督の弁明が楽しみ。できればソクラテスの弁明くらいの名長舌を残してほしい。パ・リーグはまさか西武?伊東監督には頑張ってほしいけど、そうなったらプレーオフ制度は終わりやね。阪神電鉄はガンバと一緒に何かしてみては?できれば兵庫県立芸術文化センターとの提携も。そしたらあと5年は盤石で甲子園の改築につながるはずやけど・・・。
9月15日(木)つづき
昨日書き忘れたけど、水曜のNHK-hivision「東京jazz」2日目も凄かった。マーカス、ハンコックは当然として、ビブラフォンがあんなに面白いとは思わなかった。
9月16日(金)
オペラシティで松村禎三のオペラ『沈黙』を見る。原作はもちろん遠藤周作の名作。音楽も演出も指揮も文句はないのんやけど「神の沈黙」というテーマが現代にビビッドな問題として感じられなかった。「神は死んだ」とニーチェが言うてからもう百年経ったんやもん。オペラが男と女の色恋をテーマにしてる理由がよくわかった。そっちのほうが普遍的やもんな。戦国時代から江戸初期に日本に渡って弾圧されたパードレ達の苦悩と転向の決意はパレスチナ問題に悩む9・11以降の現代世界にビビッドに蘇らせることができるはずやけど・・・。おれが演出したら作曲家と喧嘩してでもバックに中東戦争やインティファーダやアラファトやシャロンやブッシュや9・11の映像をバンバン使うやろなぁ。
9月17日(土)
スポーツジャーナリスト実践塾第2期卒塾生のI君からメール。通信社に合格したとか。新聞社や広告会社もふくめてウチの塾生の一流(といわれている)マスコミへの就職率は高いで。けど、なんでフリーで活躍するヤツが出てこんのやろ?それに、せっかくパイプを作ってやったのに多くの卒塾生が企画を持ってきよらへん。字を書いて食うていく気がないのかな?ま、なんでもエエけど本やDVDをおれから借りっぱなしにしてるヤツは早よ返せ!リーフェンシュタールの『美の祭典』を持っていったままのヤツは誰や?
9月18日(日)
FMの『特集クラシックリクエスト/秋を楽しむクラシック』に生出演するためNHKへ。司会の朝倉聰さんと音楽やスポーツについて2時間歓談。世の中にはクラシック音楽ファンも多いんや。「クラシック音楽の面白い取りあげ方はいくらでもありますよね。スポーツを一緒にした企画を一緒にやりましょうよ」うん。やりたいなぁ。どっかテレビ局かラジオ局が乗ってくれへんかなあ。
9月18日(日)つづき
NHKに出演したあと渋谷のタワーレコードへ。あかん。こういう大きな店に来ると買いたいモンだらけでカネがいくらあっても足りひん。我慢に我慢を重ねてボンファデッリの『ルチア』のDVDとアニタ・オデイのCD・・・等々数枚に絞る。
9月18日(日)つづき
タワーレコードのあとお茶の水のNARUへ。トランペットの原朋直さんのカルテットを楽しむ。原さんとは2年ぶりかな。ピアノのユキアリマサさん、ベースの井上陽介さんもサイコー。レベル高いなあ・・・。めちゃくちゃ楽しいジャズライヴの一夜。「ウチのガキがお世話になってます」なんて挨拶をせんでもよかったらもっと楽しいはずやのに・・・トホホ(苦笑)。
9月19日(月)
朝起きてビックリ。世の中休みや。ほな休まんと損や。というわけでもないけど原稿1本片づけて稲垣浩監督の『忠臣蔵』を見る。さすがは『宮本武蔵』でアカデミー賞(外国映画賞)『無法松の一生』でベネチア映画祭グランプリを獲得した監督だけあって素晴らしい出来。おまけにわかりやすい。市川中車の吉良も松本幸四郎の内蔵助も加山雄三の内匠頭も三船の俵星玄蕃もよかった。討ち入りに参加できなかった「不忠臣義士」もきちんと描かれている。三枝さんのオペラ『忠臣蔵』のネタもとは溝口と稲垣やったんや。けど、ひょっとしてこれは溝口以上であらゆる『忠臣蔵』のなかのベストでは?ひょっとして・・・と書いたのはあまりにオーソドックスな映像と物語の運び方の流暢さのなかに奇を衒った部分がなかったから。けど、こういう映画をエエ映画というんやろな。憶えとこ。一力茶屋のシーンでバニーガールを出したりしてはいけないのだ!(自爆)
9月20日(火)
16日に見たオペラ『沈黙』の場所を「オペラシティ」と書いたら読者から「新国立劇場」(中ホール)の間違いでは?というメールが届いた。なんと!オペラシティと新国立劇場は別物やったんや!知らなんだ。オペラシティというスペースのなかに新国立劇場もあるもんやと思てた・・・。ということはオペラシティにはコンサートホールしかなくてオペラはやってへんのや。けったいな感じやなあ。
9月20日(火)つづき
ジェノヴァのカルロ・フェリーチェ歌劇場の『ルチア』をDVDで見る。ボンファデッリのルチアは素晴らしい!カラスなんかとは全く違うタイプの歌(それに演技)で若い花嫁の狂気に魅せられてしまった。テノール(エドガルド)のアルバレスも最高。フルニリエの指揮も引き締まって見事。しかし何よりヴィックの演出がナカナカのもので勉強させてもらった。いやぁオペラの勉強はカネがかかるなぁ。オモロイけど・・・。
9月20日(火)つづき
阪神2連敗。まあ大勢に影響はないやろけど優勝するチームが2位に3連敗はアカンで。
9月20日(火)つづき
書き忘れたけど来年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に日本も参加することになった。選手組合も強く反対する理由がないからこれでええのんやろけど、出るからには勝たなアカンで。イチロー、松井、田口はアジア予選から出るのかな?ギャラやケガの保証はどうなるのかな?
9月21日(水)
原稿1本書いてから北千住の○1○1の丸井の上にある1○1○(せんじゅう)シアターへ三木稔のオペラ『じょうるり』(日本語版初演)を見に行く。素晴らしかったです。音楽も舞台も歌手も。すべて素晴らしかった。けどなぁ・・・。詳しくはいずれゆっくり書きます。
9月21日(水)つづき
オペラ『じょうるり』は本当に素晴らしかった。バリトンの木村俊光さんも黒田博さんもソプラノの澤畑恵美さんも尺八も二十絃箏も太棹三味線も朝倉摂さんのさんの舞台装置も見事。けど、盲目の老太夫の若い女房と若い人形遣いが恋仲になって、なんで心中まで行くの?育ててもらった義理?けど、老太夫は若い女房に手をつけてないという。だったら3人でハッピーエンドやないの?台本を書いたコリン・グレアムはブリテンの『カーリュー・リヴァー』(隅田川)も演出したかなりの日本通で、たしかに「近松へのオマージュ」にはなっていたけれど、近松が心中を物を書いた当時の「反社会性」が感じられなかった。要するに近松のデータをすべてインプットしたところからアウトプットされた「近松エキゾチズム・オンパレード」でしかなかったのでは?欧米の観客にはウケルでしょうけどね。そういえばプログラムに書かれていたグレアムの「台本ノート」に「近松自身が書き残した」という次のような文章が引用されていた。『人間が自分の似姿を作る行為は、人間の行為のなかでも教育的なものとなった』こんな文章、近松は残してないですよ。さらに粗筋の説明でも次のような文章があった。『お種は、与助が頭に彼女の魂も入れようとしていると信じますが、それは正しいのです』なに、これ?意味不明!翻訳の拙さかもしれないが、詰まるところ舞台にもそれを感じてしまったのは私だけか?オリジナル英語版初演のあとの日本語に翻訳し直されての日本語版初演。惜しい!じつに惜しい!これだけの音楽と舞台ができるのに・・・。ならば台本を書き直させて(もっと深めて)ほしかった。亡霊の出現もプッチーニの『トゥーランドット』のピンポンパンのような狂言回しも、あるいは演出での『暫』のような六方も、見事に整理された「近松エキゾチズム・オンパレード」・・・。それにしても二人のバリトンは見事だったのに・・・。
9月21日(水)つづき
『じょうるり』の音楽を聴きながら今年のバイロイトで日本人として初の指揮台にのぼった大植英次が『トリスタンとイゾルデ』を振って残酷なまでの酷評を浴びたことを思い浮かべた。その主な理由が「ドイツ語の流れをまったく無視した演奏」だったからという。『じょうるり』の指揮者アンドレアス・ミセティクにそんな酷評は浴びせられない。西洋音楽と西洋発声のなかで日本語の流れは既に解体されてるのやから。けど、日本人の指揮者やったら、もうちょっと違ったはずでは・・・?「フウウウウルユウキニイイイイ」と歌われるなら「降る雪に」だなとわかるけど、「フルウウウユウウウキニイイイイ」と歌われると「揮う勇気に」かなと思ってしまう・・・。日本語のオペラは難しい。いや、簡単なこととも思えるんやけど・・・。
9月21日(水)つづき
『じょうるり』のロビーで脚本家の市川森一さんに会って挨拶。何年か前の都はるみさんの誕生パーティ以来。なんでかなと思たらシアター1○1○の館長さんで『じょうるり』上演実行委員会の委員だとか。エエ仕事してはる。いろいろ文句を書きましたけどエエ舞台でした。がんばってください。
9月21日(水)つづき
『じょうるり』についてもう一言(これだけ書くのはエエ舞台やったということです)。純音楽的には文句ないのやけど最後の心中の熊野への道行きの場面で鳴ったリン(鈴)の音には興ざめした。浄土への旅の誘いを示すその音が高音すぎて貧弱でまるで安ホテルのフロントの呼び鈴のように響いた。これはイケマセン。次回公演の時はウチの仏壇の前に置いてある豊かにエエ音の響くリン(鈴)を貸してあげます!
9月22日(木)
朝から都心で打合せ。駅のキオスクで「優勝おめでとう・・・と書いてしまいます。2年ぶりV記念号」と表紙に書かれた『スポーツ・ヤァ!』を発見。風船の舞う甲子園を背景にした藤川、金本、今岡、赤星、岡田監督の写真もエエ。ベスト・タイミングやな。中味も充実。売れるで、これは・・・。
9月23日(金)
彼岸の阪神。いや彼岸の中日で墓参りのため京都六道珍皇寺へ。
9月23日(金)つづき
墓参りのあと本HPを製作してくれている若い仲間とイタリアン・レストランで飲み会。おごってやるのに遅刻してきた阿呆がいたので「ニートもいつまでももたへんで」と忠告。そのあと祇園の酒肆「G」へ。Gのお母さんが若いモンに説教してくれている間、小生は芸能評論家の大御所N氏と歓談。夜のうちに名古屋へ移動する予定が酒が進みすぎて祇園の自宅泊。ま、しゃあないな。若い連中に京都の奥深さを教えるのも悪ないやろ。20年早いけど・・・。
9月24日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。愛知万博閉幕寸前。ま、それはどうでもエエけど小泉自民300議席の感想を求められたので「ヒトラーのナチスも選挙で多数派になった」という歴史的事実を語る。そのあと中日栄文化センターで『オペラ講座』。服部良一と筒美京平とチャック・ベリーとアニタ・オデイと東京JAZZの上妻宏光の三味線とオペラの関係について語る。この半年はちょっと自分の好き勝手にやりすぎたので10月からはオーソドックスにオペラを『カルメン』から勉強し直すことにします(苦笑)。
9月25日(日)
『スポーツ・ヤァ!玉木正之のスポーツジャーナリスト塾』第3期実践塾進塾生選考のため朝から夕方まで約40名に筆記試験と面接。筆記試験は今回が初めての試み。その中味は次回更新の時に紹介しますが「夏目漱石の作品を知っているだけ書いてください」の「問」に対して「鼻」「トロッコ」の回答はないで。「シェークスピアの作品は?」に対して「鉄仮面」というのもあったな。「来年の冬季五輪の開催都市は?」に対しても「カナダ、モントリオール」とか「オーストラリア、トリノ」なんて回答もあったし・・・。まいったな・・・。そんななかから精鋭10名を選ぶ。鍛えたるでぇ!
9月26日(月)
病院へ。何日か前(9月15日)に受けた血液検査の結果が出る。肝機能、腎機能、中性脂肪、コレステロール、血糖値、プリン体・・・等々すべて正常値!異常なし!モーマンタイ(無問題)!イヤッホー!(^_^)v血圧が少々高いのは「身体が大きいから」としか考えられず、医者も「信じられない結果ですけど、まあ飲み過ぎ食べ過ぎに注意して煙草は控えめに・・・」と呆れ顔。さっそく中学時代からの悪友に電話してさんざんに飲む!イェーイ!親に感謝。家に帰って看護師見習いの次女に電話すると「うっそー!検体を取り違えたんじゃないのぉ?」ウルサイ!おれは健康なんじゃ!中学高校時代にインターハイに出場するくらい身体を鍛えたおかげじゃ!いや、やっぱり親に感謝かな・・・m(_ _)m
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9月27日(火)
身体のほうは無問題やったけど有大問題が起こる。それは小泉改革路線の一環の指定管理者制度。税金で建てた公共施設はこれまで財団法人等の公益事業体が運営していたが「民」にできることは「民」へということで公募制となって誰でも応募できるようになった。そこでこれまで鎌倉芸術館を運営してきた財団法人鎌倉市芸術文化振興財団も他の「応募事業体」と同様に公募に対して応募せなあかんようになったんやけど、その応募資格として「電気主任技術者(3種)」「建築物環境衛生管理技術者」「電気工事士(2種)」「2級ボイラー技術士」・・・といった資格を有することが義務づけられた。阿呆か!コンサートやイベントの企画をしていた団体にそんなもんおるわけないやろ!これが文化行政か?!そんな「建物管理」は業者を雇えばエエだけのこっちゃないか!鎌倉市は(国は?)文化やスポーツの施設をただ建物(施設)管理としか考えとらへん!財団法人が市役所からの天下りに利用されるのも問題やけど文化施設が建物管理会社の手に落ちて儲かるイベント(宗教団体?)ばっかりやられたら文化も糞もないでぇ。クッソー!財団法人鎌倉市芸術文化振興財団はこれまで建物管理を請け負っていた管理会社と一緒になって運営事業体として公募するというけど、そんなんやったら経費節減にもならん。おまけに文化運営団体が排除されて建物管理会社の文化施設乗っ取りに道を開く。財団の理事の一人として鎌倉市民としてどないしたらええねん!「民」にも「官」にもでけへん「公」の団体の価値がいまこそ問われてるはずやのに・・・。
9月27日(火)つづき
村上ファンドが阪神電鉄の株を買い占めて筆頭株主になったことで電話がジャンジャン。けど、情報が少なすぎて意見なんていえへんで。おれは阪神タイガースが阪神電鉄と阪神デパートの親会社になったらエエと真面目に思てたんやけど・・・。しかし村上という男は今でも日能研のリュックサックが似合いそうな感じやな・・・と思うのは私だけでっしゃろか?
9月28日(水)
これはスポーツ・ビジネスに詳しい広瀬一郎さんが言うてたことやけどプロ野球チームは「誰のものか」ではなく「誰のためのものか」を考えるべきやと・・・。ま、これは基本的にどの会社(企業体や事業体)にも当てはまる「成功の鍵」といえるんやろけど、その意味でナベツネ、ミキタニは失格。ソンはギリギリ・・・。いや、チーム名から企業名をはずそうとしないプロ野球の全オーナーが失格かな。ムラカミは・・・?
9月29日(木)
Avexの新レーベルのお披露目会のため品川プリンス・エグゼクティヴ・タワーでフィリッパ・ジョルダーノを聴く。新アルバムのなかから『アヴェ・マリア』『アイーダ』『誰も寝てはならぬ(トゥーランドット)』等々。相変わらず綺麗な歌声。セヴィリアの理髪師のロジーナのアリア『今の歌声』ではポップ・コロラチューラともいうべき新テクニックも。音楽評論家の黒田恭一さんと久しぶりに挨拶。フィリッパにも「Buon giorno Principessa」と久しぶりに挨拶を・・・と思ってたのに着替えに時間がかかるとかで残念・・・。
9月29日(木)つづき
阪神タイガース優勝の瞬間を紀尾井町のおでん屋さんのテレビで某音楽プロデューサー氏とともに見る。見事に「親離れ」した(野村・星野から自立した)優勝でしたな。選手の笑顔が良かったな。詳しくは現在発売中の『スポーツ・ヤァ!』を読んでください。
9月29日(木)つづき
夜遅く帰宅。阪神優勝についてのコメントは既に予定稿として書いたり語ったりしていたけど、それでも2社から電話取材。そのうちの1社の記者の質問にズッコケ。「阪神はいまや全国人気ですね・・・」アホか。地域に根ざした人気が飛び火してるのと巨人のような全国人気とでは意味が違うで。
9月29日(木)つづき
「阪神ファン」を自称する政治家たちに訊いてみたい。おまえら「六甲おろし」3番まで歌えるんけ?いや、1番だけでもエエわ。1番くらいはチャンと歌えるんやろな?ま、どうでもエエことやけど(笑)。
9月30日(金)
原稿書いて電話取材に応じて部屋の整理していろいろあって夜に名古屋へ。
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