ナンヤラカンヤラ
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タマキのナンヤラカンヤラ バックナンバー 2021年04月
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BOOK
木田元・著/マイケル・エメリック訳『技術の正体』デコ
木田元・著/マイケル・エメリック訳『技術の正体』デコ
あらゆる人に読んでほしい名著です

4月1日(木)
冗談でコロナを飛ばせ4月馬鹿。エイプリル・フールという言葉はまだ残ってるけど四月馬鹿とは言わなくなりましたね。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。武道とはスポーツのことであるという自説を話す。柔道という言葉が生まれたのは江戸末期で日本人の間に定着したのは嘉納治五郎が使い始めた1882(明治15)年以来。撃剣とか剣術と呼ばれていた武術が剣道と呼ばれるようになったのは大正時代。空手(術)が空手道と呼ばれるようになったのは昭和初期。武士の人殺しの技である武術が武道という「道」になったのは明治天皇が「万機公論に決すべし」と宣言して立憲民主制が始まってから。これはノルベルト・エリアスが唱えた非暴力社会としての民主主義社会のなかで暴力が非暴力化されてスポーツが生まれたという説とイコールですね。武術が武道(スポーツ)に成長したわけです。ところが日本の武道家の多くが武道はスポーツは異なると思っているから間違いが起きるのですね。武道が武士道に通ずると言っても武士道も騎士道Chivalryやスポーツマンシップに通じると新渡戸稲造も書いてますからね。ワン。黒兵衛と散歩。宴なく見る人もなき桜でも誇りて咲き散る美しきかな。お粗末。ワン。終日改めてスポーツジャーナリズムについての勉強。日本にジャーナリズムが根付かないのは政治ジャーナリスト・経済ジャーナリスト・スポーツジャーナリスト…など本来「ジャーナリスト」という肩書きで活動すべき人物が分化し各分野のスポークスマンと化してその本質がわからなくなったからかな?大分湯布院の素晴らしい蓄音機屋さん梅屋の主人梅田英喜さんから新刊『今日からはじめる蓄音機生活』が送られてくる。美しい蓄音機の写真が満載。瑞々しい生の音が響くようで出版社はどこかと思えば高橋団吉さんのデコ出版ではないか!デコさんは100回以上読み返す価値のある哲学者木田元氏の『技術の正体 The True Nature of Technology』を英語の対訳付きで出版した会社。小生のスポーツジャーナリズムの本も出してくれないかな…?大手は避けたがるだろうから…。晩飯はプロ野球を見ながら。野球はやっぱり一投一打が面白いですね。どこが勝とうがイイですね。コロナ感染者を出したスワローズは大丈夫かな?

4月1日(木)つづき
風呂に入ってベッドへ行く前に焼酎を1杯ひっかけてるとBS日テレで『四十七人の刺客』をやっていたので後半から見てしまう。池宮彰一カ原作&市川崑監督のリアリズム忠臣蔵。赤穂浪士はやっぱりオーソドックスにという意見にも首肯するがそれなりに面白い。でなければ何回も見ない。このリアリズム忠臣蔵を見る度に脳裏に浮かべるのはのは市川崑監督が2度目の東京オリンピックを撮ったらどんなリアリズムの撮り方をするだろう…ということ。故・橋本治氏は1964年東京オリンピックの映画の最後が「この創られた平和を夢で終わらせていいのであろうか」と結んだことについて《オリンピックをどう位置づけしていいかわかんなくて棚上げにした結果》と言ったあとこう書いている。《今市川崑があの映画を作ったら「オリンピックは人類最大の嘘である」くらいのことを言うと思う。そうなってこそ市川崑の『東京オリンピック』になるんじゃないか》(拙著『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう』のなかの引用より)7月に東京オリンピックが開催されたとしたらその記録映画にはエンブレムの盗作疑惑騒動や新国立競技場の設計やり直しや都知事の交代から組織委会長の女性差別発言や開閉会式演出家の交代やコロナ禍でのゴリ押し開催の事情が描かれるのでしょうか?まさかぁ!寝よ。

Blu-ray
『東京オリンピック<4KリマスターBlue-Ray>』
『東京オリンピック<4KリマスターBlue-Ray>』
市川崑がこれを撮り直したら「オリンピックは人類最大の嘘」で結ぶ…と故・橋本治氏は言いました

4月2日(金)
朝ベッドのなかで週刊文春『菅「ワクチン敗戦」徹底検証』という記事を読んでいたら思わずエエエエェ!?と声を出したくなる文章に出逢った。《最近菅首相は周囲に「五輪は止められないんだ」と漏らしている》昨年来日したバッハ会長から《IOCと合計1兆3千億円に及ぶ放映権料の契約を結んでいる米テレビ局NBCやその他の五輪スポンサーの意向が伝えられた》だから《日本だけの判断では止められないと初めて悟ったんです》そして《菅首相は「どんな形になろうがやる。バッハとも約束した」と返したという》のだ。そんなことを去年の11月にやっと知ったの?というのはさておきコロナがどういう状況になっても…国民の健康がどういう状況におかれても…NBCやスポンサーとの契約のために五輪は開催する…ってまったくオカシナ話で本末転倒どころか無茶苦茶な話じゃないですか。バッハ会長がカネの話を持ち出したなら「コロナ禍のなかでそれは無茶な話だ!」と反論すべきですよね。ワン。朝ベッドから出て黒兵衛と散歩。染井吉野は早くも葉桜。次は青葉繁れるの季節。そのころコロナは?ワン?終日『スポーツ・ジャーナリズム』の単行本についてああでもないこうでもないと悩む。これはけっこう面白い作業ですね。昼飯映画劇場で録画しておいたNHK『映像の世紀』第1回を観る。うむ。20世紀は「映像の世紀」だということを再認識。こういう番組を観るとNHKの価値を見直す…というか私は別にNHKが好きというわけではないけど殆どNHKしか見ませんけどね。何故か。晩飯は『チコちゃん』を見ながら。風呂のあとは焼酎呑みながらスティーヴ・マックィーン主演『ネバダ・スミス』。ネイティヴ・アメリカン差別の問題を下敷きにしたハードボイルド復讐劇。けっこう面白かった。監督のヘンリー・ハサウェイがフィルム・ノワール系だからということもあるのかな?スザンヌ・プレシェットも出演。懐かしかったですねぇ。

DVD
『映像の世紀第1集20世紀の幕開け カメラは歴史の断片をとらえ始めた 』
『映像の世紀第1集20世紀の幕開け カメラは歴史の断片をとらえ始めた 』
このシリーズは素晴らしい映像資料満載で日本ではNHKにしかできない仕事でしょうね

4月3日(土)
『文字世界で読む文明論』読了。特に新しい知識や考え方を得た驚きはなく既知の事柄を整理できたのは悪くなかったけど過去の日本が中国や西洋に《追いつき追い越せ》と《行け行けドンドン》で頑張ってきたことはキチンと再認識する必要がありますね。《これまでの日本の「人材」観はやはり主として「受容」と「模倣」と「改善」とその結果の維持運営の能力を持つか否かに限られがちであった》ナルホド。スポーツの世界もそうでしたね。「アメリカ大リーグに追いつき追い越せ」「欧州南米サッカーに追いつき追い越せ」この感覚から脱皮できるか否かですね。若い人たちはもう脱皮してるのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。家の前の坂道は桜吹雪とピンクの絨毯。桜の花というのは風で散るのではなく自ら寿命を察して花を落とすらしいですね。だから風の強さはあまり関係がないらしい。花ニ嵐ノ喩エモアルゾ サヨナラダケガ人生ダ。五言絶句『勧酒』の井伏鱒二・訳を愛したのは映画監督の川島雄三でしたね。ワン。今週締め切りのバスケットボールの原稿のために中村敏雄著作集のなかから『オフサイドはなぜ反則か』『メンバーチェンジの思想』を読み直す。バスケットボールはオフサイドでプレイするのが攻撃の基本なんですね。TBS『報道特集』見る。第二次大戦での日本の植民地韓国台湾出身の「BC級戦犯」のレポート。戦後は国籍が違うということで軍人恩給も何の補償もなかったのですね。野球を楽しみながら晩飯食ってチャンネルを回すと『ジョーズ』をやっていた。懐かしいなぁ。LDで何回見直したかなぁ。1975年の映画かぁ…俺がまだ大学に籍を置いていた頃ですね。籍だけですが(笑)。このあたりから現在までは現在という時代とつながっているのかな。『ウェストサイド物語』(1961年)や『ティファニーで朝食を』(同)や川島雄三の『幕末太陽傳』(1957年)は「クラシック(古典)」になってしまうのかなぁ。「蔓延防止等重点措置」を「マンボウ」と呼ぶことはヤメルらしい。ヨカッタヨカッタ。魚のマンボウを連想してかったるいって…そんなことじゃなく小生は野坂昭如さんが歌ってた『ヨコスカ・マンボ』(作詞:能吉利人,作曲:桜井順)を連想してしまいましたから…。?マンボ・ヨコスカ・ヨコサヌカ…寝よ。

CD
『マーラー:交響曲10版(クック版)』
『マーラー:交響曲10版(クック版)』
この1楽章の最後にE.T.が宇宙に帰るときに流れるメロディがありますね。ウィリアムスもパクリが巧みですね

4月4日(日)
オリンピック最大の問題点は…と言うよりIOCの最大の問題点は「蝙蝠体質」ということですね。あるときはオリンピックを公共の財産であり国際的公共イベントのように振る舞う一方で私企業としてビッグ・ビジネスとしてのワールドワイド・スポーツ巨大イベントを運営するイベント会社として利益追求に走る。ある意味巧いですね。東京大会の組織委が週刊文春に抗議して掲載誌の回収等を求めた理由が「極めて機密性の高い営業秘密」である開会式の演出内容を暴露したことが「業務妨害」というのもオモシロイですね。IOCの「営業行為」に多額の税金を出す必要があるのか?と首を捻ってしまいますね。そう言えばスポンサーがディスコ音楽を大音量で流す街宣車を走らせて大騒ぎしている聖火リレーのスポンサー料は公道を警備して聖火リレーに協力している地方自治体には回ってこないのでしょうかねえ?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。葉桜の緑がだんだん濃くなってきましたね。ワン。終日アメリカン・ボールゲームとヨーロピアン・ボールゲームの比較を勉強し直す。中村敏雄先生の著作はやはり素晴らしいですね。何度も読み直さねば。ウワッ。池江璃花子さんが五輪予選100mバタで優勝。凄い精神力と努力ですね。頭が下がります。IOCや組織委の皆さんも頭を下げてください。晩飯のあと風呂入ってテレビをつけると『E.T.』をやっていた。これがスピルバーグの最高傑作だと私は思いますね。ジョン・ウイリアムスの音楽も最高。ETが故郷の星へ帰るために宇宙船に乗り込むシーンでマーラーの交響曲第10番1楽章の最後を見事にパクっているのも凄いですね。この物語を「愛犬物語」の犬を宇宙人にしただけと看破したのは澁澤龍彦さんでしたね。寝よ。あ。IOCの聖火リレーに対する「報道規制」の不可解さについてはジャーナリストの江川紹子さんがキチンとしたレポートを纏めておられますね。東京五輪…このコロナ禍第4波ででどこまで引き摺るのか…?https://news.yahoo.co.jp/byline/egawashoko/20210403-00230643/

BOOK
吉田文久・編『中村敏雄著作集8』創文企画
吉田文久・編『中村敏雄著作集8』創文企画
スポーツ関係の仕事をしている人は中村先生の本をすべて読む必要がありますね

4月5日(月)
ベッドのなかで『中村敏雄著作集』のなかのフットボールバスケットボールに関する著作を読み直して勉強していたら1960年ローマ五輪終了後に『体育の科学』誌11月号に書かれた「オリンピックと体育」という小論文を再発見。中高校の先生方への五輪に関するアンケートをもとに論を展開されていたのだが4年後に迫った1964年の東京五輪の開催に反対している先生方が多いのにちょっと驚いた。中学の保健体育科教師では開催の賛成と反対が同じ割合で46.1%。他教科の先生方もほぼ同じ賛否同数の割合。高校の体育の先生となると開催賛成が71,4%に増える(反対は23.8%)が体育以外の他教科の先生方で運動部の顧問をしている先生方では反対が48.1%(賛成は40.7%)。運動部の顧問をしていない先生方は開催賛成が48.9%(反対は40.0%)で何故か運動部の顧問の先生のほうが東京五輪開催に反対している人が多いのにはチョット驚いた。生徒は高校生で約20%中学生で約10%が反対で反対理由は先生も生徒も《大会費用の膨大さに対する不満》で《校舎建築などの内政の面での不十分な点に予算を回すべきだ》とする声が多かったという。具体的な声としては「これだけの大きな催しが世界平和に何ら資するところがないというのは問題ではないか》とか《莫大な費用が子を持つ人たちの住宅に変わらないものか》といった意見が紹介され中村敏雄氏は《国民の誰もが東京大会を歓迎しているのではないということを真剣に考えてみる必要があると思う》と結んでいる。最高に成功したと思える1964年の東京大会でも反対派(少数派)の意見を尊重しようという考えが打ち出されていたのだ。今年の東京五輪は開催中止と再延期が国民の7割を占める多数派。多数派でも意見が汲まれないとはどういうことか?要はIOCと組織委が「五輪を勝手に開催する」と言うことか?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。

4月5日(月)つづき
黒兵衛との散歩から戻って「リアル二刀流」のエンゼルス大谷のピッチングとバッティングを堪能。凄いホームランでしたね。三振取る投球も悪くなかったけどテンポが少々悪かったかな。最後の投球をキャッチャーがパスボールさえしなければ…まぁ野球とはこーゆーもんでしょう。昔近鉄時代の西本幸雄監督にインタヴューしたことを思い出す。首位独走のときに「優勝は決まりですね?」と言うと「野球はそんなもんやない」との答え。「ほなどんなもんですか?」と訊くと「怖いもんや」と言われた。好事魔多し。朝のうちに今日の『ニューズ・オプエド』の準備を済ませて午後から久し振りにヘアサロンの『Lawrence』へ。肩まで掛かるほど伸びた髪の毛を切ってスッとする。コロナ・ヘアと訣別。夕方から『ニューズ・オプエド』アンカー出演。ゲストはジャーナリストの木村元彦さんと島沢優子さん。IOCとオリンピックの問題点を御両人にズバリと斬ってもらう。1984年のロス五輪から始まった「オリンピックの商業主義」はその結果ロサンゼルスの税金を1セントも使わないことに成功。逆にスポーツ団体等に多額の寄付ができた。そのやり方をIOCが奪った結果…ナンデこんなに税金使わなアカンネン…スポンサーから得た金はどこへいったんヤァ!二人のジャーナリストとメッチャ有意義な話を聞かせていただいて番組終了。前半の無料配信部分でも聞いてみてください。オリンピックについてマスメディアが触れないことを喋ってますから。https://op-ed.jp/

DVD
『カラヤン/R.シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」』
『カラヤン/R.シュトラウス:楽劇「ばらの騎士」』
カラヤンの指揮はR・シュトラウスの豊饒な音色に向いてますね

4月6日(火)
69回目の誕生日。札幌冬季五輪銅メダルのジャネット・リンと同じ。関係ないか。アンドレ・プレヴィンとも同じ。クラシックの指揮者でテネシー・ウイリアムス原作のオペラ『欲望という名の電車』などの作曲家ですね。チョット嬉しいかな。誕生日が1日前でなくて良かった。5日だったらヘルベルト・フォン・カラヤンと同じですからね。あの演奏だけは(R・シュトラウスの演奏を除いて)好きになれませんからね。ただ綺麗なだけですからね。名古屋のオペラ講座で特別に佐渡裕さんと一緒に講演したとき聴講者の女性から「バーンスタインは何故カラヤンと仲良くなれなかったんでしょう?」という質問が寄せられた。「バーンスタインが初めてベルリン・フィルの指揮台に立ってマーラーの9番の凄い演奏をした直後にカラヤンがベルリン・フィルと同じ曲の録音を発売したんですね。それでバーンスタインは俺を練習台にしやがったと…」加えて「やっぱりナチ党員はゆるせなかったんじゃないかな」とは佐渡さんの回答でした。ワン。黒兵衛と散歩。そー言えばナマのコンサートにどれくらい足を運んでないかなぁ。チョット生演奏を聴きたくもなってきた今日この頃かな。ワン。終日デスクワーク。スポーツジャーナリズムの原稿をまとめ始める。マスメディア批判の書になるのは仕方ないなぁ…なんて思っていたら某マスメディアの某氏から電話。情報交換の雑談。アメリカが中国の北京冬季五輪ボイコットに動くため同盟国に働きかけるとか。日本はもちろん尻尾を振って賛成して中国は東京五輪をボイコット。中国からワクチンもらった国も東京五輪をボイコット。ロシアもアメリカのスポーツの政治利用を批判して(口実に)東京五輪をボイコット。参加国が減って東京五輪は無事開催orコロナで中止?なんて筋書が某所で語られているらしい。夕方から『ニューズ・オプエド』プロゴルファーのタケ小山さんと一緒にゲスト出演。アンカーは上杉隆さん。東京五輪についてイロイロ語る。島根県知事の聖火リレーでのスポンサー車両を減らせという主張は真っ当ですね。カネ払えば何をしてもイイのか?と言いたいくらいの大音量で「密」を無視して騒ぎまくってるらしいですからね。しかし聖火リレーでカネを集めた84年のロス五輪はその結果税金を1セントも使わず福祉団体に多額の寄付までしたのに今回のスポンサーの出すカネはどこに消えてるの?タケさんと一緒にオリンピック大改革を提案。4年に1回あらゆるW杯を全部オリンピックにして世界各地でいろんな競技を開催。こうしましょうよバッハさん!

DVD
『映像の世紀第2集 大量殺戮の完成 塹壕の兵士たちはすさまじい兵器の出現を見た』
『映像の世紀第2集 大量殺戮の完成 塹壕の兵士たちはすさまじい兵器の出現を見た』
第一次大戦で戦争はこりごりと思わず第二次もやった人類は馬鹿?

4月7日(水)
昨日の『ニューズ・オプエド』にゲスト出演したときは元IOC副会長でIOC名誉委員の猪谷千春氏が書いた『IOCオリンピックを動かす巨大組織』(新潮社)の一節を紹介したときがいちばんウケた。《IOCというのは不思議な組織で内部ではさまざまな葛藤があってもイザ外部から非難が向けられると結束を固める。誤解を恐れずに言えばIOC自体がマフィアみたいなものだ》聖火リレーのコースややり方も開閉会式の演出も五輪の開催か中止かの判断もすべて「マフィア」の胸先三寸?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。桜はすっかり終わってしまった。コロナは終わらない。それどころかこれからが本番?ワン。終日デスクワークのなかで午後から『ジュニアエラ』(ジュニア・アエラ)の五輪特集の取材をZOOMで受ける。今こそ「オリンピックとは何か?」ということをジュニア(子供たち)にもわかるように説明。素晴らしい感動を呼ぶことも事実なら政治に利用されたり金儲けに利用されたりしていることも事実。そこをわかりやすく1時間半以上かかって説明。コンピュータに向かって話すのは少々疲れる。終わった頃に大阪読売TV『す・またん』から電話。悪性リンパ腫という難病が明らかになった室伏広治さんについて訊かれたのでインタヴューさせてもらったことも含めてZOOMでイロイロ話す。最高のアスリートであり大学教授であり組織委のスタッフである誠実な人物。こういう人が最初から組織委の会長を務めるべきでしたね。スポーツを政治家が動かしたりアスリートが政治家になったりしてはイケマセンね。晩飯ドキュメンタリー劇場は録画しておいたNHK『映像の世紀』第2回「第一次世界大戦と大量殺戮兵器」。このシリーズの再放送は大歓迎ですね…と興味深く見ていたら中日新聞から電話。愛知県での聖火リレーが終わるので総括原稿にコメントを求められる。スポンサーのためにコロナの感染拡大の危険性を無視して行ったイベント…と答える。その結果(感染状況の変化)をキチンと発表してほしいですね。しかし東京では変異ウイルスがキチンと調べられていないというし…まさかオリンピックのために感染者数を低く発表するなんてコトはないでしょうねえ…。何しろマスメディアがスポンサーになってしまってジャーナリズムが機能していないから…大本営発表では最悪ですよね。

BOOK
J・ネイスミス『バスケットボール その起原と発展』YMCA出版
J・ネイスミス『バスケットボール その起原と発展』YMCA出版
ゴールを桃を集める籠を水平に設置したこと。オフサイドを許したこと。ボールを持って走らせないこと。それがポイントですね

4月8日(木)
朝ベッドのなかでJ・ネイスミス『バスケットボールその起原と発展』再読。再勉強。バスケを創作した人が書いているからといってソノ記述がすべて真実とは言えないところが問題ですね。当事者でも隠したいところはあるはずですからね。前方の選手(オフサイドの選手)にパスしても良いことにしたのはネイスミスがあっさり書いているほど簡単なことではなかったはず。何しろオフサイドの反則はsneak(コソ泥)と呼ばれるほど非難される行為でしたからね。コソ泥(sneak)が音を立てないように履いていた靴がスニーカー(sneaker)ですね。ワン。ネイスミスがオフサイドのルールを無視することに決めたときは《指を鳴らして"I've got it!"と叫んだ》そうですね。中村敏雄先生はソノ英語を「わかった!」と訳されてますが。「ヨッシャー!」くらいのほうが良さそうかな。ワン。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。室伏広治さんについて今年の東京五輪のことよりも未来の日本のスポーツ界を牽引する人として回復を願うという話をしたあと黒兵衛と散歩。ワン。暖かいと思えば寒い風が吹く。春の陽気ですね。ワン。終日デスクワーク。『スポーツゴジラ』のバスケの原稿を下書きメモる。『週刊文春』が送られてきたのですぐ読む。東京五輪はどこか異常に走ってますね。100歳を超す聖火ランナーに雨のなかユニフォームの下に着ていたセーターを色が見えるからと脱がせたのですね。それ以外もウンザリすることがイロイロ。困ったことです。日本の報道機関は第二次大戦末期の状態を繰り返すの?夕方から中日文化センター『オペラ講座』の宣伝原稿書き。久し振りの音楽の原稿に少々疲れたかな。ふうううう。メシ&フロ&ネル。今日の昼間NHK-BSで『マイ・フェア・レディ』やってましたね。チラッと見ただけでもオードリー・ヘップバーン綺麗でしたね。レックス・ハリスンは語るような歌がうまいですねえ。イイ時代でしたねえ。

4月9日(金)
もう10年以上前のことになるが公務員の皆さんの宴会に招かれて何度か出席したことがある。何故かどの宴席も同じような形式が伴っていて最初の挨拶があり中〆の挨拶があり〆の挨拶があって二次会の世話人が二次会を行う店を紹介した。そして二次会でもまた挨拶の連続。我々物書きと編集者の会食ではそんな挨拶など行ったことがない。少なくとも私は挨拶のある宴席とは無縁。酒呑んでメシ食って仕事や新しい企画の話をして…出版記念パーティとかは別だけどタダの宴席で挨拶が次々と行われたのを経験したのは公務員の方の宴席だけ。そー言えば公務員の方々は宴席では仕事の話をしなかったなぁ。あ。公務員の方の葬式に一度だけ出たことがあったけど会葬者の多さに驚いた。役所の人が全員集まったかと思うほど驚いた。公務員の方々は形式を重んじるのかな?だからコロナ禍でも送別会などの宴会をしてしまうのかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。暖かいのか寒いのかよくわからない季候。風邪に気を付けなければ。コロナにも。ワン。終日原稿書き。途中東京新聞特報部から電話。進行中の企画に関する問い合わせだから内容は書かないけど日本のスポーツ界はまだまだ旧い体質が残ってますね。原稿完成せず。明日に持ち越し。ま。シャーナイですね。晩飯は『チコちゃん』と共に。非常事態宣言だか蔓延防止だか知らないけど何時まで同じことを繰り返すのかな?検査の数を増やして…手洗い…三密を避けて…なんて1年前から同じことを繰り返すだけ。嗚呼。

BOOK
ロバート・ホワイティング『Tokyo Junkie』Stone Bridge Press
ロバート・ホワイティング『Tokyo Junkie』Stone Bridge Press
小生の拙訳『ふたつのオリンピック』が日本で先に出版。後からアメリカで出たオリジナルです

4月10日(土)
朝ベッドで昨日手に入れた月刊『文藝春秋』5月号の後藤逸郎さんの記事「東京五輪はバッハIOC会長の食い物にされた」を読む。オリンピック関連の記事や動画を配信するオリンピック・チャンネル日本語版があるのは知っていたけどソコで「メダル数ランキング 多くメダルを取っている国は?」なんて記事が配信されているとは知らなかった。これは明らかにIOC憲章違反。「IOCとOCOG(組織委)は国ごとのランキングを作成してはならない」と第57条に記されているのだ。このチャンネルの親会社である(株)オリンピック・チャンネルの社長はバッハ会長。後藤氏の指摘によってこの記事は削除されたらしいがIOCの子会社がオリンピック憲章を理解していない(読んでない?)とはどーしょーもないですね。それにしてもこんな子会社がIOCにはいっぱいあって商売してるんですね。ワン。いっそのこと「株式会社IOC」にしてしまったほうがわかりやすいですね。ワンワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。桜のあとは黄木香の黄と皐(サツキ)やアゼリア(榴=つつじ)の赤が綺麗。いい季節ですね。ワン。終日原稿書き。『スポーツゴジラ』のバスケットボール特集の原稿「バスケットボールの魅力-それはスピードアップされた現代社会の生き写し(仮題)」を書きあげる。ふうう。それほど長い原稿ではなかったけど時間がかかったのは歳のせい?夕方ロバート・ホワイティングさんから新刊『TOKYO Junkie』(Stone Bridge Press)が届く。これは小生が翻訳出版した『ふたつのオリンピック』(KADOKAWA)の元原稿『TWO OLYMPICS』の縮小補遺版。去年の日本のコロナ(無策)騒動まで加わっている。ゆっくり読み直そうかな。歳取ると英語を読むのがキツく感じるようになったなぁ。話すのはもう全然ダメですね。まぁええか。晩飯前に池江さんの水泳を見て素晴らしいと思い(他の選手が伸びてないのが心配ですが)彼女が東京五輪の推進役に利用されることだけは避けてほしいですね。『ブラタモリ』を楽しんでフロ&サケ&ネル。

BOOK
佐々木隆『シリーズ日本の近代 メディアと権力』中公文庫
佐々木隆『シリーズ日本の近代 メディアと権力』中公文庫
日本のマスメディア(新聞)が何故権力(政府)に弱いかを歴史的に解き明かしてくれる名著
永竹由幸『オペラ名作鑑賞シリーズ6セビリャの理髪師』世界文化社
永竹由幸『オペラ名作鑑賞シリーズ6セビリャの理髪師』世界文化社
このDVDブックに収録されているダリオ・フォー演出の舞台は絶品の面白さです!

4月11日(日)
朝ベッドのなかで佐々木隆『日本の近代4メディアと権力』(中央公論社)読み直して勉強。日本の新聞は成立からして政府の援助を受けているモノがおおいのですね。ベッドから出てチョットだけマスターズ3日目を見る。松山が単独首位ですね。コレがどれだけ凄いことかというのはグリーンに出たことが1回しかない小生にもわかります(しかしソレはハワイ島の波越えのホールのあるコースでしたけどね・笑)。それにゴルフの原稿を2度しか書いたことのない小生にもわかります。明日は少し早めに起きて見ることにしましょう。黒兵衛と散歩は鳥の声を聞きながら。鶯・我眉鳥・雀・啄木鳥…烏はどこに消えたのか?ワン。終日デスクワーク。日本のジャーナリズムの勉強をし直していたら週刊新潮の記者から電話。東京五輪の聖火の最終ランナー(聖火台への点火者)が池江璃花子に決まったとNBCの電子版が報じたとか。明らかにヤリスギ報道ですね。日本の国内の五輪開催の気運が盛りあがらないからIOCとNBCがタッグを組んで池江選手を利用して盛りあげようとしてるのかな?池江選手も迷惑ですよね。久々の晩飯オペラ劇場はロッシーニ『セビリャの理髪師』。イタリア人ノーベル賞作家ダリオ・フォーの素晴らしく楽しい演出のネーデルランド歌劇場の舞台をチョイと楽しんで『ダーウィンが来た!』で大王烏賊に仰天して『日曜美術館』でIT技術で動かす箱とダンスに驚いて…。MIKIKOさんの振付も素晴らしかったですね。この人を五輪開会式の演出から外した組織委はサイテーですね。フロのあとファビオ=ルイージ指揮のベートーヴェン7番とレスピーギ『ローマの噴水』を楽しんでベッドへ。この指揮者は真面目に端正に外連味なく素晴らしいですね。

BOOK
『映像の世紀第3集 それはマンハッタンから始まった 噴き出した大衆社会の欲 望が時代を動かした』
『映像の世紀第3集 それはマンハッタンから始まった 噴き出した大衆社会の欲 望が時代を動かした』
ベーブ・ルースやデューク・エリントンの活躍の後に大恐慌。好事魔多し

4月12日(月)
朝起きてすぐにテレビでマスターズ。とはいえ起きるのが遅かったので松山選手の池ポチャは見られず16番から。しかしよく頑張りましたね。体力(筋力)と精神力とチーム・マツヤマ。解説の中島常幸氏が帰国したらグリーン・ジャケットに袖を通させて…と言ったときは思わず笑ったけど気持ちはわかりますね。

4月12日(月)つづき
松山選手のマスターズ優勝をテレビで見たあと黒兵衛と散歩から帰ると予想通り上杉隆さんから電話。今日の『ニューズ・オプエド』でマスターズのことをタケ小山さんと話したいというので了解。予定していたゲストはジャーナリストの木村元彦さんと神戸大学感染症内科教授の岩田健太郎さんだったので調整を開始。冒頭の10分間でマスターズと松山選手のことを話してもらうことにする。続けて池江璃花子や大谷翔平の話題。そして傍若無人のコマーシャリズム見物人密状態の聖火リレーの話題へと進むことに。毎回レポートを送ってくれている星野恭子さんのパラリンピックの話題はノーボーダー・スポーツ(オプエドのホームページ)に掲載する通知だけに…といった構成の打ち合わせを午後にZOOMで終えて夕方から本番。そうか。マスターズというのは選手だけでなく観客(パトロン)もマスコミも招待された人物だけなんですね。チョイとエリート臭が鼻につくのはIOCと同じですねと言うとタケ小山さんが「その通り。でもオーガスタのほうが筋が通ってますよ」なるほど。IOCは商業主義金儲け国際イベント屋に堕してる感がありますからね。岩田先生はコロナ対策と聖火リレーが並行して行われていることを典型的「ブレーキとアクセルを同時に踏む行為」と批判。五輪とコロナの「開催条件」と「中止条件」がまったく示されてないことを憂慮。このまま開催に突入したらどうなるのか?との問いには「日本の政府や官僚は毛が3本生えただけの養毛剤でも効果があったと言いいますからね」。なるほど。こんなのオリンピックじゃない!という声は池江璃花子選手の聖火最終走者と松山英樹選手の五輪ゴルフ出場で掻き消されるのか?岩田先生はまだ病みあがりの池江選手の五輪出場を危惧。大勢の外国人選手と交わりますからね。タケ小山さんは松山選手がジカ熱を理由にリオ五輪を欠場したことを指摘。アメリカでの賞金王争いの大事なときに五輪出場を無理強いしたくないとも。東京五輪は問題山積み…を木村元彦さんと指摘。マスメディアが取りあげない話題を『オプエド』でどんどん取りあげましょう。それが五輪にとっても良いことのはずですから。オプエドを終えて『映像の世紀第3集それはマンハッタンから始まった 噴き出した大衆社会の欲望が時代を動かした』を見ながら晩飯。第一次大戦後のアメリカの大繁栄から大恐慌へ。好事魔多しですね。フロのあと焼酎呑みながらコレもNHKを録画しておいた『アポロ11ドキュメンタリー』1960年代日本も夢のあった時代ですね。

4月13日(火)
朝ベッドのなかで『日本の近代4メディアと権力』お勉強。確かに日本のメディア(新聞)は権力(政府)と強い関係があったけどスポーツ界ではメディア自身が権力になって支配していることが問題ですよね。スポーツ議員連盟の先生方は民主的な方が多いようで会議でもよく「政治家がスポーツ界に口出しするのは控えるほうがいいのですが…」という言葉を聞いた(M氏からはそんな言葉を聞いたことはないですけどね)。しかしメディアはジャーナリズムに徹すべきでスポーツ・チームを所有したりスポーツ・イベントを主催してはならないという法律くらいは創った方が良いかもしれないですね。BスカイBがマンUを買収しようとしたりプレミアリーグを支配しようとしたときはイギリス議会がそれに反対する声明を出しましたからね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。日本ではメディアのほうから進んで政府と癒着するからスポーツ界の改革は難しいかな。ワン。終日デスクワーク。明日の講演の準備やらスポーツ・ジャーナリズムの原稿の整理やら。スポーツ・ジャーナリストとか政治ジャーナリストとか経済ジャーナリストという個別のジャーナリストの名称はどうやら最近定着してしまいましたね。個別のアナリストならわかりますがジャーナリストはジェネラリストのはずですが…という考えはないようですね。言葉の崩れがモノゴトの本質までも崩す?日本のジャーナリズムは風前の灯火?ナンセンスな聖火リレーやコロナと五輪の開催基準のない東京大会をマトモに批判してるのは中日・東京新聞とネットだけですからね。久し振りの晩飯オペラ劇場は楽しい気分になりたいのでロッシーニの『新聞(La Gazzetta)』。金持ちの爺が娘の結婚相手を新聞で公募するというジャーナリズムとはあまり関係のない筋書だけどオモシロイですね。それにイタリア人ノーベル賞作家ダリオ・フォーの演出や舞台装置や衣裳はセンスが良くて気持ちイイですね。この作家の小説も読みたいな。探してみよ。明日は早いので早く寝る。

4月14日(水)
朝6時起き。いろいろ準備して迎えのクルマに乗って横浜のホテルへ。衆院議員に立候補予定の浅尾慶一郎氏を囲む会で朝食を共にしての第77回目の講演会。小生が招かれるのは何年か前に次いで2度目。今回のテーマは「東京オリンピック・パラリンピックはなぜ開催するのか?」3・11以前に五輪招致を実行していた日本のスポーツ界の真の目的(体育からスポーツへの脱皮とスポーツの産業化)や日本スポーツ界とIOCの問題点を話す。参加者は40名。ディスタンスを取った上でのマスク会合で神奈川県の財界人や名士が集まる。終わってから多くの人と名刺交換。久し振りの講演は喜んでもらったようで小生も満足。浅尾さんはメッチャ真面目な政治家で小生が野党の支持者だとわかっていて講演に招いてくれる。野党のだらしなさを考えると自民党の党内野党を育てるためにも次期選挙は応援しようと思う。しかし自民党の原発政策とか右翼的教育政策とかカジノ誘致は改められないモノか。党議拘束なんて止めればイイのに。あ。そのために人材を送り込むべきか。しかし野党は情けないなぁ。週刊誌の後追いだけでマトモな追求してないからなぁ。

4月14日(水)つづき
講演を終えて帰宅。早めの昼食取って昼寝。今日の東京新聞に斎藤美奈子さんが「瞬間移動の怪」と題して聖火リレーが「ワープ」して(スパイダー方式と言うらしい)リレーになっていないことを批判している。ほんと。最近のIOCのやることは御都合主義ばかりですね。まぁ聖火リレーもナチスのスパイ行為から始まったことですからね。オリンピックのあり方そのものを日本のジャーナリズムにも取りあげてほしいですね…と思っていたらニューヨーク・タイムス電子版が東京オリパラを「最悪のタイミング」「大感染イベント」と批判。日本のメディアはそれを伝えるだけ。自分の意見はないのかな?昨年の1年延期のきっかけはワシントンポストだったかな。今度はニューヨーク。IOCがらみの観測気球だとは思うけど世界の世論が開催中止に傾いてることをIOCと日本政府はどうとらえているのかな?開催or中止の判断基準を示せ!くらいは日本のジャーナリズムにも主張してほしいですね。日本のメディアはスポンサーとしてステークホルダーの一員だとしてもジャーナリズムとしての矜恃は示してほしいですね。晩飯映画劇場は『スパイの妻』。黒沢清監督のヴェネツィア映画祭とかいろいろ受賞したらしいけど…小生にはピンと来なかった。前半はリズムが悪うかったるかった。731舞台と高級な邸宅に暮らす夫妻と妻を裏切る夫と夫に愛されようとする妻がすべてリアリティに欠けていた。たぶんタイトルを『スパイの女房』とか『スパイの嫁はん』に変えるような発想があったら面白くなったようにも思えるけど…。

BOOK
小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』講談社現代新書
小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』講談社現代新書
メッチャ面白くてメチャクチャ勉強になる本です

4月15日(木)
昨晩講談社から送られてきた現代新書のなかから何気なくタイトルに惹かれてベッドに持ち込んだ一冊があまりの面白さに寝るのも忘れて読み耽ってしまった。小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』。結局死ぬことによって生物の進化が進むということらしいけど様々な動物の「死に様=生き様」がオモシロイ。人間以外の生き物はほとんどが元気なまま突然「ピンピンコロリ」と死んでゆく。《多くの昆虫は交尾のあと役割が済んだといわんばかりにバタバタと死んでいきます》《カゲロウの成虫の寿命はわずか24時間。脱皮して交尾産卵の後は急速に老化(略)彼らには口がない。ほんのわずかした生きないのでものを食べる必要すらない。無駄に生きないという意味では積極的な死に方で究極に進化したプログラムされた死》とも言えるのだ。ハツカネズミは《抗癌作用やなるべき長生きできるような抗老化作用に関わる遺伝子の機能を失った》らしい。《どうせ食べられて死ぬので彼らにとって長生きは必要ないのです》なるほど。小さい生き物は《食べられないことが生きること》で大きな生き物は《食べることが生きること》なのですね。象より小さく鼠より大きい人間は《何》が《生きること》なんでしょうねえ?それにしてもアフリカに暮らしてるハダカデバネズミ(裸出歯鼠)の集団生活には驚きました。どんな生き方かって?この面白い本を読んで下さい。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。松山英樹が「日本人には不可能」と言われたマスターズに優勝したことを取りあげて何故「日本人には不可能」と言われたのか?誰が言ったのか?を考える。野球でも日本人は軟投型の下手投げ投手しかメジャーでは通用しないと言われていたなかで野茂が活躍しましたね。打者は無理と言われていたのにイチローが…内野手は無理と言われていたところへ松井稼頭央が…捕手は無理と言われていたのに城島が…。日本人は自虐的にモノゴトを考えすぎですね。世界への挑戦…って日本が世界の一員ではないかのような言い方ですね。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。調べ物や電話取材で『ZAITEN』の連載原稿は明日にまわしてもらう。東京五輪のゆくへは五輪霧中(五里霧中)ですからね。晩飯オペラ劇場はNHK-BSの録画。バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場のR・シュトラウス『ばらの騎士』。素晴らしい舞台。見事な演奏。なかなかの歌手揃い。すごい!と思っていたらナント終幕(3幕)のクライマックスのワルツの前でプッツンと切れてしまった。HDの残量が…嗚呼…畜生…涙。風呂のあと火星のドキュメントを見る。これも面白かった。いずれ中国とアメリカが火星の取り合いをするのかな?

DVD
『ミッドナイト・イン・パリ』
『ミッドナイト・イン・パリ』
ウッディ・アレンのセンスの良さが光る佳作ですね

4月16日(金)
自民党の二階幹事長が今夏の東京五輪開催とコロナの蔓延の関連を問われて「とても無理だというならスパッとやめなければ」と言ったという。それが「問題」になっているらしい。何故?極めて真っ当な意見ではないか。何が何でも開催する…絶対にヤルというほうが異常だ。二階氏より根拠なく開催を繰り返すバッハIOC会長&コーツ調整委員長のほうが異常ですね。東京五輪を政局(菅総理の「寿命」)と結び付けて報じるメディアも異常ですね。あ。メディアは東京五輪のスポンサーだから真っ当な意見は言えない書けないのですね。よし。今日の締め切り原稿はそれを書こう。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。『ZAITEN』の連載原稿を書きあげて送稿。小生の聖火リレー批判コメントを掲載した9日付の中日新聞が送られてくる。「感染対策限界 スポンサーへの配慮影響? 大音量演出に三重県知事苦言」とのタイトルの横に真っ赤や真っ青にケバケバしく塗られたスポンサーの大型トラック3台の写真。この写真だけでもどん引きするのに朝毎読日経産経や系列のTVはこの事実を報じません(見せません)ねえ。状況は大本営発表時代と同じですね。中日新聞東京新聞は頑張ってますね。

4月16日(金)つづき
晩飯映画劇場はDVDプレイヤーの録画済み一覧を整理していたら出てきた『エディット・ピアフ愛の賛歌』。そー言えば以前WOWOWでやったのを録画したのを思い出して見始めたけど素晴らしい映画でした。カットバックの時間の処理も自然で無理なくピアフを演じたマリオン・コティヤールがアカデミー主演女優賞に輝いたのも納得。娼婦たちのなかで育ったピアフが声の力と厳しい稽古のなかから史上最高のシャンソン歌手に育ちながらボクシング王者との不倫の恋は実らず酒と麻薬に溺れて…でも最後は?Je ne regret rien(私は後悔しない…水に流して)と歌う。14年前の映画に今頃何を言ってるんだと言われるかもしれませんが凄まじいピアフの生涯を描いた素晴らしい映画に泣きましたねえ。大道芸人の父親に促されて子供のときに『ラ・マルセイエーズ』を歌うときから涙ですねぇ。ピアフを演じたコティヤールは小生の大好きなティム・バートンの『ビッグ・フィッシュ』やウッディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』にも出演してるとか。見直さねば。こうしてピアフが描かれたなら美空ひばりも映画にしてほしいですね。キチンと田岡一雄と神戸芸能社のコトも描いて。あ。今年のアカデミー賞にはビリー・ホリディの映画がノミネートされているとか。見なければ。世界の四大女性歌手はビリー・ホリデイ&エディット・ピアフ&美空ひばり&マリア・カラスでしょうね。カラスの映画はゼッフィレッリの作品とかいくつかありますね。素晴らしい映画を観ると気持ちがイイですね。

4月17日(土)
朝ベッドのなかで小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』(講談社現代新書)読了。これは素晴らしい一冊だった。生物(人間)は進化するために死ぬ。ナルホド《生き物が産まれるのは偶然だが死は必然》で《死は生命の連続性を維持する原動力》。死は《優秀で多様性に溢れる次世代へとバトンを渡してゆく》ために《必要なモノ》なんですね。そのことをDNAレベルから語り最後はAI(人工頭脳)まで。そして途中には演劇(喜劇)の話も。《ヒトは試行錯誤つまり間違えることから学ぶことを成長と捉えそれを「楽しんで」きたのです。喜劇のコントの基本は間違えて笑いを誘い最後はその間違えに気付くことが面白いのです(略)AIは人を楽しませる面白い「ゲーム」を提供するかもしれません。しかしリアルな世界ではAIは人を悲劇の方向に導く可能性もあります。そして何より私が問題だと考えるのはAIは死なないということです》引用したい箇所は山ほどある。コノ本はハラリやダイアモンドやサンデルやピケティよりも面白く未来に関する示唆に富んでますね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。コノ本の最後にもう一度ハダカデバネズミ(裸出歯鼠)が出てきたのは嬉しかったなあ。《ヒトはハダカデバネズミになれるか?》という問いかけで《低酸素低体温低代謝などの生理的部分は無理》でも《社会的な変革》や《働き方改革》は可能ですね。子供を社会全体で育てることにしたりシニアがもっと働ける社会にしたり…それに《ハダカデバネズミの多くの個体は昼寝をする》というのはイイですね。ワン。あ。今でもスペインやポルトガルやイタリアや南米のラテン系の人々にはシエスタの時間がありますね。日本も取り入れましょう。ワンワン。終日デスクワーク。昼寝(シエスタ)は30分。スポーツジャーナリズムの勉強&構成&執筆復活。晩飯映画劇場は『ジョーズ3』。見始めて30分でクダラナイ映画だとわかったので『ブラタモリ』に変更。岩石の話。面白かった。ニュースを見ていると大阪では小中高校の部活動を休止させるという。聖火リレーやオリンピックはイイのかな?部活はやめさせても文句を言われないしカネもかからないから?早くオリンピックの「ヤル基準=ヤメル基準」を示すべきですね。もうタイムリミットでしょう…。

TOY
『アノマロカリス』
『アノマロカリス』
コレ、今もほしいなあ。買おうかな…

4月18日(日)
朝ベッドのなかでの勉強(読書)が『メディアと権力』に戻る。日本のメディア(新聞)は明治時代(近代の始まり)から政府と深い関係(内閣機密費による支援)があったのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとも日本のジャーナリズム史の勉強。しかし「スポーツ・ジャーナリズム史」には誰もほとんど触れないのですね。確かに明治時代以来日本のジャーナリズムは政府によって縛られてきたかもしれないけれど自己規制の出発点は営業(新聞の拡販)と一体にいなったメディアのスポーツ興行から始まったと言えるのですからね。ワン。終日デスクワークのBGMはavex classicから送られてきた佐渡裕指揮トーンキュンストラー管弦楽団によるブルックナー交響曲第8番。小生はブルックナーの音楽にいまいちピンと来ないところがあるのですがなかなかスゴイ演奏だと思います。晩飯はNHK-Eテレ『ダーウィンが来た』を見ながら。カンブリア紀の生物大爆発。その王者はアノマロカリス。長男が小学生のときだったか上野の科学博物館に連れて行ってやり土産物売場にアノマロカリスの等身大(50p強かな)の模型が売ってあった。ほしかったけど結構高価だったので諦めた。やっぱりほしいなあ。続けて『日曜美術館』は鳥獣戯画。兎や猿や蛙以外に人間や像などいっぱい描かれているとは知らなんだ。国立博物館で展覧会をやってるらしいけど行きたいなあ。風呂のあとはストラビンスキー特集。アバド指揮ベルリン・フィルの『火の鳥』もサロネン指揮フィルハーモニア管の『春の祭典』も見事でした。そう言えばこのときのアバドの来日公演には小生も短文を寄せて別プログラムの公演に行かせてもらいましたね。たしかムローヴァのヴァイオリンでブラームスの協奏曲&交響曲2番でした。もうアバドも鬼籍の人ですね。

BOOK
後藤逸郎『オリンピック・マネー』文春新書
後藤逸郎『オリンピック・マネー』文春新書
IOCの「ウソ」が以後とに浮き彫りにされた名著です

4月19日(月)
朝ベッドのなかで『メディアと権力』勉強続行。政治家から新聞記者へ。新聞記者から政治家へ。その「交流」は自然なものと言えるのか?官僚→政治家とはどう違うのか?どう同じなのか?政治家⇔新聞記者⇔大学教授の流れはどのような影響を考えるべきなのか?新聞記者⇔スポーツ関係者は?これはベッドのなかで考えたり整理したりできる問題ではないですなぁ。ワン。黒兵衛と散歩のあとZAITEN連載原稿の校正や『ニューズ・オプエド』の準備。今日のゲストは『オリンピック・マネー誰も知らない東京五輪の裏側』(文春新書)の著者で最近も文藝春秋誌でリーズナブルなIOC批判を展開している後藤逸郎氏とIOCとオリンピックの理想を断固支持している春日良一さん。コロナ禍における今夏の東京オリンピックの開催論と中止論について相当の「論戦」が予想されるのでイロイロ準備。

4月19日(月)つづき
夕方6時から『ニューズ・オプエド』本番。サスガに春日良一さんは「オリンピック原理主義者」だけあってオリンピックのあり方のすべてを肯定的に許容する。一緒に出てもらった後藤逸郎さんも「春日さんのような人が組織委にいたらマトモな討論もできる」と評価したくらいだ。がオリンピックはIOCのモノという主張には少々首肯しかねた。オリンピックとは確かにクーベルタンが提唱して設立されたIOCによって運営されてきたがスポーツというものはパブリックなモノではないのか?世界の公的共有財産をIOCが運営しているから税金も投入される。それをIOCが私的財産のように動かしているから問題がイロイロ生じている。つまりIOCは世界平和とかパブリックな団体を装いながら国際スポーツ・イベント興行会社として事業をしている。パブリックとプライベートを使い分けて商売をしている…という後藤氏の主張に小生も賛成。その点をさらに次回話し合いたいですね。春日さんによると東京五輪の開催か中止かの判断が下されるのは5月25日の各国のエントリーと7月5日の最終選手エントリーの日が最終決定日となる見通しだという。そのとき日本のコロナはどうなっているのか?誰が冷静でリーズナブルで非政治的な判断を下すのかな?

BOOK
野村万之丞『マスク・ロード−幻の伎楽再現の旅』日本放送出版
野村万之丞『マスク・ロード−幻の伎楽再現の旅』日本放送出版
一緒にブータンへ行こうと言われたとき行かなかったことを今も後悔しています

4月20日(火)
朝ベッドのなかで昨日の『ニューズ・オプエド』での春日良一さんの発言「オリンピックはIOCのもの」を考え続ける。だったら日本のプロ野球は読売新聞社のモノ…高校野球は朝日新聞社と毎日新聞社のモノ…という「主張」も成り立つことになる。最初に企画したモノの早い者勝ち?「スポーツ文化」とはやはりパブリック(公共)のモノとして監視が必要ですよね。その監視をするのはジャーナリズムの仕事のはずだけど日本のジャーナリズム(メディア)はほとんどがスポンサー(ステークホルダー)として運営側(主催者側)に入ってしまいましたからねえ。あ。この状態は『メディアと権力』に書かれていた明治の文明開化以来の政府と新聞の関係と同じと言えますね。日本のスポーツ界の建て直しは日本のメディア(ジャーナリズム)の建て直しと足並みを揃えなければ…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。日本のメディアの問題提起と改革か…当然諸外国でジャーナリズムを守るために禁止されているクロスオーナーシップ(新聞と放送の一体化)は解体を主張せねばならないし…メディアはそれを取りあげてくれないし…シンドイ領域に入ってきましたね。まぁボチボチやりまひょ。ワンワン。

4月20日(火)つづき
午前中に『週刊プレイボーイ』の取材をZOOMで受ける。テーマはもちろん東京五輪。もしも開催できたらどんな改革案を出すべきか?コロナで練習環境に不公平が生じているので国別獲得メダル数の発表は一切のメディアで禁止してそれを今後のレガシーにするとか…弥縫策ではなく今年実現できなくても将来的に改革すべき案も語る。オリンピックを1都市で開催するのではなく4年に一度のオリンピックイヤーに世界選手権やWカップをオリンピックにして様々な場所で1年間かけて開催するとか…イロイロ語る。しかし『週プレ』は頑張ってますね。俺が『GORO』の記者をしていたときは「目指せ週プレ100万部」なんて編集長が檄を飛ばしていたもんな。もう40年くらい前の話。当時は『GORO』も60万部を超えてたかな。『平凡パンチ』も頑張ってた。他にも男性雑誌がイロイロ…しかし残ってるのは週プレだけですからね。頑張れ週プレ。協力しまっせ。昼飯のあと『北國新聞』の連載原稿を書いて『ZAITEN』の校正をやって…晩飯は今朝NHK-BSでやっていたブータンの仮面劇の祭りの録画を見ながら。これを一緒に見に行こうと昔野村万之丞に誘われた。彼がヨーロッパからアジアのユーラシアの仮面劇を追っていて「ブータンは絶対に面白いから行こう!」と誘われたけど都合が付かずに断った。行っときゃ良かったと後悔。確かに日本の雅楽にもつながる仮面劇は衣裳も音楽も舞も素晴らしいですね。その後中国北朝鮮の仮面劇を追いかけて帰国した万之丞は突然発病。亡くなってしまった。惜しい人だった。今でも思い出すと涙が出そうになる。生きていたら今の東京五輪の開会式騒動をどう言うかな?彼がやっていたら…いや…政治家と広告屋が取り仕切ってるかぎり天才万之丞の出番はなかったでしょうね。

BOOK
清水邦夫『狂人なおもて往生をとぐ』中央公論社
清水邦夫『狂人なおもて往生をとぐ』中央公論社
高校大学時代に傾倒しましたねえ。合掌

4月21日(水)
書き忘れていましたが何日か前に劇作家の清水邦夫さんがなくなりましたね。中高時代に俳優座公演で『心情あふるる軽薄さ』『狂人なおもて往生をとぐ』『あなた自身のためのレッスン』などを見て感激。原田芳雄さんや市原悦子さんが出演してましたね。清水戯曲の影響を受けて『受験生のためのレッスン』なんて芝居を書いて文化祭で上演したこともありました。彼と宮本研は小生にとって最高の劇作家でしたね。他に福田善之・井上ひさし・別役実の戯曲も好きでしたね。赤テント(唐十郎)や黒テント(佐藤信)や早稲田小劇場(鈴木忠)や寺山修司は舞台を見れば面白かったけど読む面白さはあまり感じませんでしたね。若い頃はずぶずぶの演劇青年で大学進学で小田島雄志先生にすぐに会いに行ってシェイクスピアの個人授業を何度も受けたり早稲田大学の演劇博物館に通ったり河竹登志夫先生の授業にこっそり入り込んで盗講してましたね。餓鬼の時から京都南座の裏が生活圏でしたから歌舞伎にも連れられて行ったし…子供の頃は退屈でイヤだったけど今思うと良い環境でしたね。以前おふくろが東京へ出てきたときに新橋演舞場へ猿之助のスーパー歌舞伎を見に連れて行ったことがあったけど「芝居見に行くのに電車に乗るのんか?」と言われたのを今も憶えてます。昔を思い出すのは歳とった証拠ですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。北國新聞の校正やらナンヤラカンヤラ仕事して晩飯は録画しておいた『映像の世紀第4集ヒトラーの野望・人々は民族の復興を掲げたナチス・ドイツに未来を託した』を見ながら。なるほどヒトラーの演説は千両役者と言えるほどの外連に満ちていましたね。もう誰も騙されなくなったでしょうが別の雄弁術が現れているようにも思えますね…テレビなんかを見ていると…。

4月22日(木)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。欧州サッカーのスーパーリーグ(強いチームだけで独占的に金儲けしようとする試み)がファンやサポーターやUEFAやFIFAの反対で風前の灯火に。イギリスのジョンソン首相も反対声明。やっぱりサッカーはみんなのものですからね。ならば日本の野球は誰のもの?まさか朝毎読のものじゃないですよね。そしオリンピックは誰のもの?IOCのもの?まさか!スポーツは公共の共有財産のはずですよね…ワン。ラジオ&朝食のあと黒兵衛と散歩。繁れる青葉がどんどん目にも鮮やかになってきた。緑色なのになぜ青葉というのか?日本人の色彩感覚は青赤白黒が中心なんでしょうね。中国の方位の色。大相撲の土俵の四方と同じですね。青龍朱雀白虎玄武ですね。青春朱夏白秋玄冬も同じですね。日本人の緑色は利休鼠になるのかな?ワン?終日デスクワーク、週末のオペラ講座のレジュメ作り。久し振りなので苦労する。いやヴェルディとワーグナーの「二大巨頭特集」なんてバカでかいタイトルにしたのがそもそも間違い?選曲は「椿姫」「オテッロ」「指環」と決めているけど…どの部分をどの舞台と誰の演奏でお見せ&お聴かせするか…サテどーするか…悩むのもオペラの仕事は楽しい…けど捗らず。途中東京新聞特報部から電話。東京の3度目の緊急事態宣言がGW明けまでの短い期間(2週間)で決まるらしい。そりゃIOCのバッハ会長の来日前には緊急事態を解除したいのでしょうね。しかしそんなことやってたら藪蛇ですよね。藪を突いて蛇がでる。五輪を気にしてコロナ蔓延。世界平和を唱えるパブリックな存在のはずのIOCもコロナの影響ですっかりプライベートなスポーツイベント屋という私企業の馬脚を露わにしましたね…とかイロイロ話してオペラ講座のレジュメは明日に延期。オペラを楽しみながらビール&晩飯&風呂&酒。しかし新型コロナ変異ウイルスの感染者は増え続けますね。五輪が開催できるという根拠は奈辺にあるのですかねえ?せめて開催中止か開催突入かを「いつ」「コロナがどういう状態になれば」判断するのかと言うことくらい発表してほしいですね。今週月曜の『ニューズ・オプエド』に出演してくれた春日良一さんによると5月25日(各国のエントリー締め切り)と7月5日(選手のエントリー締め切り)がリミットらしいけど…。それ以前に中止の判断を下したほうがいいのでは…?ねえバッハさん。

BOOK
小林道彦『近代日本と軍部1868−1945』講談社現代新書
小林道彦『近代日本と軍部1868−1945』講談社現代新書
明治政府の幹部は全員が軍人(武士)の軍事政権だったのですね

4月23日(金)
明治時代のメディア(新聞ジャーナリズム)について勉強し直してるうえで同時代の政治を少々詳しく知る必要があると思い手にした小林道彦『近代日本と軍部1868-1945』(講談社現代新書)を読み出したら面白くて止まらない。新書550頁1300円の大部だがナルホド明治維新と明治政府の担い手たちはほとんどが武士でつまりすべて軍人だったわけですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。コロナさえなければ春の清々しい季節。GWなど元々関係ない仕事と酒(家飲み)人間とは言え我が国のコロナ対策は誰がどう考えても失敗しましたね。元凶が五輪かどうかはさておき感染対策チームのメンバー入れ替えが必要なのでは?そもそも感染対策のトップが経済再生担当大臣というのもオカシナ話ですから。今頃言うのも遅いけど。ワン。終日デスクワークは明日のオペラ講座のレジュメ作り。結構時間をかけて文章書いたりコピーをとったり…一日仕事。楽しいオペラの仕事。とは言え東京五輪は瀬戸際ですよね。夜晩飯食いながら菅総理の記者会見を見る。五輪の開催基準を東京新聞の記者が訊ねたが答えはなし。安心安全にやりますと言うけど根拠なし。The answer,my friend,is blowing in the wind.記者は総理に答えになってません!とは言えないのかな?のらりくらりの記者会見に『チコちゃん』は中止。ボーッと生きてんじゃねえよ!とは誰に言うべき台詞かな。風呂の後BS-TBSの三波春夫特集を見る。やっぱりこの人は歌が巧いなあ。生前のインタヴユーに答えた言葉が見事。ステージに上がると無私・無欲で三波春夫など消えて歌が伝わればイイという言葉は見事でした。細川たかしの「大利根無情」も三山ひろしの「赤垣源蔵徳利の別れ」も市川由紀乃の「一本刀土俵入」も良かったけどやっぱり三波春夫さんの「俵星玄蕃」は絶品ですね。「堀部安兵衛高田の馬場の決闘」も聴きたいなぁ。しかし三波春夫さんの長編歌謡浪曲を絶賛する原稿(それは日本のオペラです!)をある雑誌に書いたら三波さんから長さ4メート以上もある和紙に墨痕鮮やかに書かれた手紙をいただいたのは我が家の家宝ですね。その内容が素晴らしくシベリア抑留時代に音楽に造詣の深い朝鮮人捕虜と仲良くなって音楽の未来を語り合ったことなどが書いてあった。近々お会いしましょうという言葉が実現しなかったことが残念。最後の文字は「藝魂 春夫」。都はるみさんの長編「坂田三吉 女房の小春」も聴きたくなったな。まぁ明日はヴェルディとワーグナーの講義を楽しくやりまひょ。

4月24日(土)
ベッドのなかで『近代日本と軍部』読み続ける。安倍総理が首相在任期間で史上1位になるまで1位だった桂太郎は長州閥の軍人だったけど反軍思想=参謀組織の縮小とシビリアンコントロールを唱えていたのですね。同じ長州閥でも安倍総理とは正反対?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと準備をして久しぶりの出張。東海道線で品川へ。新幹線で名古屋へ。中日文化センターでオペラ講座『オペラ界の二大巨頭ヴェルディvsワーグナー』について語る。ヴェルディのオペラは「歌」も素晴らしいけど「語り」が魅力。例として「椿姫」第2幕ヴィオレッタとジェルモンの二重唱(ボンファデッリ&ブルゾン)と「オテッロ」オテッロとイヤーゴの二重唱(モナコ&ゴッビ)を楽しんでいただく。一方の巨頭ワーグナーは一大神話巨編叙事詩「ニーベルンクの指環」のサワリ(ラインの黄金の始まりと神々の黄昏のフィナーレ)を味わっていただく。14時間の大作とはいえコレも所詮は「男と女の愛の物語」なんですよね。25人くらいの受講生の皆さんとオペラを楽しんだあと次回講座のアンケートをとらせていただく。@モーツァルト特集A喜劇(ブッファ)特集Bワーグナーを徹底的にCオペレッタとミュージカル…で挙手を願ったら以外や@のモーツァルトではなくAの喜劇が最も多かった。ナルホド。皆さんオペラは徹底的に楽しむものという小生の主張を理解くださっていますね、では次回はロッシーニを徹底解説…で講座を終えて新幹線で帰鎌。帰宅してメシ&フロ&ネル。移動中は消毒の連続でコロナに気を付けたけど昨日の菅総理の記者会見で五輪について答えた言葉はやはり酷いものでしたね。開催の決定権はIOCにある…ってバッハ会長に東京都民や日本国民の健康状態を任せると行ったのと同じですよね。嗚呼。今日の東京新聞の「こちら特報部」の記事も衝撃的でしたね。東京五輪のボランティア辞退が相次いだからアルバイトを募集しているという。《夏の一大スポーツイベント運営staff募集・経験スキル知識不問。大量募集の今がチャンス》《世界的スポーツイベント》《5000人大募集》《未経験の方でもできる簡単なお仕事》《一生に一度の思い出》で《時給1400〜2000円》だという。無給のボランティアの募集に応じた人との「格差」はどうする気かな?しかし…こんな無茶をしていいのかな?

DVD
ロッシーニ:オペラ『アルジェのたリア女』
ロッシーニ:オペラ『アルジェのたリア女』
パリ・オペラ座の楽しい舞台。こっちの演奏と演出も最高に楽しい!

4月25日(日)
軍人中心の明治政府がメディアを支配。そもそも軍人にはアメリカのジェファーソン大統領のような新聞(ジャーナリズム)に対する畏敬の念など生じようもなかったのでしょうね。メディアの側も根本的に「軍人政権批判」には向かわず承認と援助を求めたというわけですね。『近代日本と軍部』&『メディアと権力』を読み合わせるとそうなるのかな?ワン。ベッドから出てヨメサンと一緒に黒兵衛と散歩。イイ天気の日曜。散歩のあとぶらぶら歩いて散歩の延長。鎌倉市議会選挙へ。市庁舎を新たに移転するか否か…が争点かな。経済優先派は新庁舎を主張するが現在の鎌倉駅傍の市庁舎のほうが交通の便は良いですね。新しさを求めず古さを尊ぶべしと考えるキチンとした主張はなかなか生まれないですね。オリンピックも同じですね。聖火リレーの「酷い新しさ」(スポンサーのトラックがガンガンとディスコミュージックを鳴らす)なんか最低の極みですよね。さて市庁舎をどーするか…市民として悩んで1票を投じたあとコンビニとパン屋で買い物して帰る。往路は転ぶのを注意しなければならないような下り坂。復路は汗だくの激しい上り坂。まぁエエ運動やと思ったもののかなり疲れましたね。昼飯に冷やし中華を食ったあと昼寝。坂道に疲れて爆睡したあと通信社の短い連載コラムを仕上げる。コロナ禍でのオリンピックは開催する必要がないことを書く。オリンピックの本来の狙い=3・11からの復興でもコロナに打ち勝つ証でもなく日本のスポーツを体育中心の教育からスポーツ産業に変換するためスポーツ庁を創設するには五輪招致開催が早道というところからオリンピック招致運動が始まり今やその目的は達成したからコロナ禍で医療を無視してまで無理して開催するのは(ましてや政治的思惑で開催するのは)ナンセンスという主旨の原稿を書く。商業主義に走っているIOCの財政事情を助けてあげる必要もありませんからね。晩飯食いながら『ダーウィンが来た』で北海道のラッコの生態を楽しんだあと『日曜美術館』でデザインの面白さを味わい風呂のあと焼酎呑みながらロッシーニの『アルジェのイタリア女』を笑いながら楽しんでからベッドへ。オリンピック中止はそろそろはっきりと宣言すべきですね。総理と都知事が話し合ってバッハIOC会長を説得して…。無理なものは無理なんですから。

BOOK
浦田盛一&吉田亮太『日本プロ野球犯罪事典 球界刑事事件史』ちんぷー
浦田盛一&吉田亮太『日本プロ野球犯罪事典 球界刑事事件史』ちんぷー
"我が母校の高校の後輩たちがなかなか見事な本を作りました。読み出したら止まりませんよ

4月26日(月)
朝ベッドのなかで『日本プロ野球犯罪事典 球界刑事事件史』(ちんぷー出版)をパラパラと読む。高校時代の15歳くらい後輩と称する2人が新聞や週刊誌の記事を纏めたもので黒い霧事件から最近の覚醒剤事件まで…さらに審判への暴行や選手同士の乱闘から交通事故や脱税まで。100人以上のプロ野球の事件が並んでいる。元々同人誌として作ったものを纏め直したらしいがなかなか面白い。プロのライターの仕事ではないけど資料の価値はありますね。ワン。黒兵衛と散歩。出逢ったオバサマに犬の年齢を訊かれたので「もうすぐ10歳なのに全然落ち着きがなくアッチへうろうろコッチへうろうろ…」と答えると「この犬種は一生成長するのですよ。だから…」と言われる。ナルホド。成長しない阿呆だと思っていたが成長し続けていると思えば愛しくなる。学習し続けてる犬なのですね。飼い主に似て…ワン。散歩から帰って東京新聞に目を落とすと「本音のコラム」欄の毎週月曜担当の看護師で随筆家の宮子あずささんが《本気で感染拡大を止めるなら五輪は速やかに中止。全てをコロナ対策に注ぎ込むしかない》と書かれていた。その通りですね。《緊急事態宣言によって移動が制限され市民の生活は制限される。なのにDJを乗せた大音量のスポンサー車両とともに聖火ランナーがやってくる。この様子を見ていると政府は本気で市民に自粛を促したいのか?それさえ疑わしくなる》《医療は逼迫している。決断が遅れるほど多くの命は失われるだろう》そうなのだ。オリンピックは人の命を無視してまでスポンサーやテレビ放送のためにやるものではない。そんなの当たり前の話だ。既にタイムリミット=決断の時は来ていることを総理も都知事も組織委会長も五輪大臣も認識してIOC会長と話し合うべきなのだ。今すぐに!

4月26日(月)つづき
終日デスクワークのあと夕方からは『ニューズ・オプエド』。今日のゲストは元ラグビー日本代表で親和女子大学教授の平尾剛さんと世界ゆるスポーツ協会代表の澤田智洋さん。この2人の話が本当に素晴らしかった!誰でもできる「ゆるスポーツ」はスポーツの持つ本質(身体性と競技性)を失わないままオリンピックの権威主義&権力主義とは対極にある真のスポーツなんですね。メッチャメチャ面白く楽しい「ゆるスポーツ」=澤田さんの言葉で言えばsmileではなくlaughのスポーツ=平尾さんの言葉で言えば「ゆるスポーツ」は「ぬるいスポーツではない」のいろいろを話すたびにアシスタントの小林厚妃さんも大笑い。「ブラックホール卓球」「ハンドソープボール」「顔借競走」「せんたくテニス」「ハン魚ボール」など詳しいことは「世界ゆるスポーツ協会」のホームページを見てください。ホンマに面白いですから。ひとつ紹介すると「はんこフェンシング」。フェンシングの先にはんこが付いていて選手の防具が書類になっていてはんこを捺し合う。社長欄に捺せば5点/部長欄は3点/課長欄は2点…とかで点数を競い合う。こういう面白い発想がどこから出てくるのか…それも澤田さんに指南してもらいました。みんなをグループ分けして「新しいゆるスポーツ」を競い合って考える。その審査員を車椅子が必要な人や目や耳の不自由な人やスポーツのまるでできない人にする。そして審査員が自分も楽しめるかどうかで判定。なるほど「ゆるスポーツ」はオリパラの対極にあるスポーツですね。正直言って私は澤田さんと平尾さんの話に大感激。みなさん!世界ゆるスポーツ協会のホームページを覗いてみてください!オリパラ組織委の人も!IOCやJOCの人も!https://yurusports.com/

4月26日(月)つづきのつづき
世界ゆるスポーツ協会の澤田智洋さんと神戸親和女子大教授の平尾剛さんの素晴らしい「非五輪スポーツ論」を満喫したあと晩飯&録画しておいた『映像の世紀第5集 世界は地獄を見た 無差別爆撃、ホロコーストそして原爆』少々エグイ死体の山の映像…しかし事実を残したこのシリーズは貴重です。人間は人間(自分)自身の恐ろしさを無自覚的に秘めている。そのことを自覚すべきですね。オリンピックの開催をまだ推進しようと意図している人たちがいるのも「自分自身の恐ろしさに気付かない」からでしょうか?

BOOK
宮本武蔵『五輪書』岩波文庫
宮本武蔵『五輪書』岩波文庫
スポーツライター必読の書です

4月27日(火)
朝ベッドのなかで長田渚左さんから送られてきた『桜色の魂チャスラフスカはなぜ日本人を50年も愛したのか』(集英社文庫)をパラパラ。単行本で読んだけど遠藤幸雄との友情は素晴らしいですね。それに体操というスポーツの凄さも書かれている。キネステーゼ…周辺視…宮本武蔵の『五輪の書』に書かれた観と見…スポーツを考えるうえで必要な知識ですね。あ。昨日の「ゆるスポーツ」の澤田智洋さんがスポーツをの本質を語るときに突然「離見の見」という言葉を使われてそれを世阿弥(花伝書)で知ったと言われたけど小生はその言葉を亀治郎時代の猿之助さんにインタヴューしたときに教えてもらいました。一流のアスリートなら身につけている「自分を客観視する(外側から見る)眼」のことですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークで当ホームページの原稿作り。コツコツと進めることを怠っていたので時間がかかって苛々。途中でアッと気付いてかつての小生のスポーツライター塾の塾生で現在は名古屋でサッカーやビーチバレーを中心にスポーツライティングの仕事をしている小崎仁久さんに電話。先週オペラ講座で名古屋に行った際に彼が撮影した聖火リレーの「コンボイ」の映像を送ってもらうことにする。まったく破廉恥としか言いようのない大音量のディスコ音楽を鳴らしながら真っ赤な巨大街宣車=宣伝トラックが大行進。コレが聖火リレー?コレがオリンピック?絶叫しているDJや周囲で踊っている若者たちはバイトで雇われた人たちでしょうけど何を考えてこんなバイトをしているのでしょうねえ?オマケに見物客は密。嗚呼。そうかと思うと丸山五輪担当相が「五輪の準備」ができていないと小池都知事を非難?ナンジャコレハ?内輪揉めを表に出して都知事に責任押し付けて「中止」の準備?さらにオリパラ組織委武藤事務局長が日本看護協会に500人の看護師確保を依頼したとか…。コロナの現状では500人確保も困難でしょうが当初は熱射病対策中心に1万人の医療従事者が必要と言われていただけにたとえ無観客にしても500人で選手関係者約5万人の毎日のPCR検査などが可能なのか?また菅総理は1日1万人のワクチンを打てる施設を自衛隊中心に創ると言ったけど1日に10時間ワクチンを打ち続けるとして1時間に1000人。自衛隊の医者や看護師で50箇所(!)の行列を相手にしても1列が1時間のうちに20人のワクチン注射をしなければならなくなる。凄いですねえ。1人3分で次々と「処理」するの?そもそも50箇所の行列が可能なのですかねえ?それを五輪期間中もヤルの?そして五輪にも医療従事者が必要…となるとそろそろ「決断」するときですね。

4月28日(水)
最近小生と縁のあった方が相次いで亡くなった。神田川俊郎さんは新型コロナに感染された結果らしい。大阪で取材のあとカメラマンと入った店が偶然神田川さんのお店。カウンターに座ると歓迎してくださってすっぽん料理を手ずから作って下さった。その美味しかったことは今も忘れません。合掌。オペラ歌手のクリスタ・ルートヴィヒさんは札幌でのPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティヴァル)で御一緒させてもらいベーム指揮のモーツァルトのオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』のCDにサインをいただいた。とっても気さくな方で札幌の鮨屋にも同行していろいろオペラや歌手としての話を聞かせていただいた。「今は引退したから気楽だけど現役の時は毎朝ベッドから起きると声の調子を調べて発声練習をして…オペラ歌手って大変なのよ」と笑顔で話された。若い歌手に対する指導はメチャメチャ厳しく「あなたのような歌い方をするなら歌手を目指すのはやめて小学校の音楽の先生になりなさい」とか「ピアノの横に立つときの姿勢から勉強しなさい」とか横で聞いていても心臓が止まりそうになって指導を受けた歌手の卵が涙を流すこともあった。すると「涙で歌は巧くならないのよ」しかし指導を離れると笑顔の可愛いお婆さんでした。素晴らしかった指揮者は?と訊くとベームとバーンスタイン。カラヤンの名前は出なかった。合掌。もう一人。歌手のミルバは直接会わなかったけど渋谷シアター・コクーンでのコンサートは今も忘れられない。ピアノ&ベース&パーカッションにアコーディオンとサックス&フルートだったかな?小編成のバンドをバックにピアノの上に寝そべって歌ったシャンソン(ミロール)は忘れられない。思い切り声を張りあげたカンツォーネ(恋の終わり)も見事で全てノーマイクだった。合掌。

4月28日(水)つづき
ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと雑誌やミックスペーパーや段ボールを処理して当ホームページの原稿をまとめて送稿。意外と時間がかかったが(株)bitのスタッフの方が夜までにアップしてくる。ありがとうです。ナンデモカンデモのトップに載せた聖火リレーの破廉恥な街宣車のビデオはIOCの許可では72時間以内に削除しないといけないルールがあるらしい。しかしそれは五輪の取材を申し込むメディアの撮影した映像でフリーランスの人間はそんな「馬鹿げた方のルール」には縛られないとのこと。新聞社やテレビ局は公道で行われたイベントを映したビデオでもIOCの「72時間削除ルール」に従わなければ「違法行為」として五輪の取材などで「制裁」を受けるとか。公道での出来事をIOCが「規制」する権利があるのかと東京新聞(中日新聞)などは「不満」を記事にもしたが泣く子とIOCには勝てないらしい。表現の自由を踏みにじるIOCに対して日本のメディアは何も言わないのか!それに今や東京オリンピック・パラリンピックの開催は残念ながら!!不可能と判断するとき(少なくとも中止も視野に入れるべきとき)になったはず。日本時間の夜に政府&都&組織委&IOC&IPCの5者会談が開かれ無観客も覚悟したらしいが具体的な観客数の判断は6月上旬に持ち越し。税金の無駄遣い…にならないよう…今週月曜の東京新聞のコラムに「五輪はあり得ない」「速やかに中止」「「決断が遅れるほど多くの命が失われる」と宮子あずささんが書いた言葉が頭に浮かぶ。

Video
『聖火リレーの真実』
『聖火リレーの真実』
現在名古屋で活動している小崎仁久クンが呆れながら撮影した画像です。小生もこの聖火リレーには怒りにも近い激しい虚無感を感じました。これはオリンピックでもなければスポーツ大会を盛りあげる行為でもない!

4月29日(木)
20数年前までは(昭和)天皇誕生日でしたね。それがみどりの日になって今ではみどりの日が5月4日に移って今日は昭和の日ですか。上皇(平成天皇)の誕生日12月23日は今は祝日ではないですが将来的には平成の日として祝日になるとか。かつて天長節とか明治節と言われた11月3日を文化の日として残すようなものでしょうか?そう言えばGHQはA級戦犯の絞首刑の日に当時皇太子(後の平成天皇)の誕生日をわざと選んだのですね。今ではもう知らない人が多いけど…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。雨のなかGWの休日で静か。昨夕の東京オリパラ五者協議のあとのバッハIOC会長の発言には笑ってしまいましたねえ。《日本の社会は連帯感をもってしなやかに対応している。大きな称賛をもっている。精神的な粘り強さ。へこたれない精神をもっている。それは歴史が証明している。逆境を乗り越えてきている。五輪も乗り越えることが可能だ。献身的な努力で未曽有のチャレンジをしている》お誉めの言葉は日本人として嬉しいですが日本人の「へこたれない精神」はどの「歴史が証明している」のでしょうか?元寇に打ち勝ったことかな?日清日露の戦争に勝ったことかな?まさかガダルカナルやアッツやインパールで粘り強く奮戦したことではないでしょうねえ。そう言えば初めての海外旅行でスペインを貧乏旅行したときイビサ島で裕福なドイツ人の観光客と出会いビールを奢られながら「今度はイタリア抜きで一緒に何かやろう」と言われたのを思い出しました。ダメですよバッハさん。精神論でコロナに刃向かえるわけないのに…マイッタナァ。なのに《リスクを最小化し日本国民に安心してもらえる五輪になる》なんてどんな根拠があって口にできたのでしょうねえ?あ。ナンデモカンデモの写真映像に聖火リレーの「コンボイ」の様子をアップしましたが撮影したスポーツライターの小崎氏によると聖火を手にしたランナーが目の前に走ってきたのはこの映像が終わったあと10分経ってからだったそうです。日本のメディア(ジャーナリズム)やジャーナリストは全員声を揃えて東京オリパラの現状を批判して一日も早い中止を提言すべき時になりましたね。大阪に続いて東京の感染者数も千人突破か…インドは連日30万人超か…。

Blu-ray
『マリア・カラス伝説の東京コンサート』
『マリア・カラス伝説の東京コンサート』
何度見直しても至福の時に包まれます

4月30日(金)
朝ベッドのなかで『日本プロ野球犯罪事典 球界刑事事件史』のなかの「黒い霧事件」の項目を読む。1969-71にかけて西鉄ライオンズ選手の八百長事件の告発に始まって球界全体&ヤクザ&暴力団&政界&ギャンブル界を巻き込んだ大八百長事件に発展。その全貌は未だ不明の部分もあるというが事件当時の新聞&週刊誌報道を纏めた記述を読み直すと昭和40年代のプロ野球界や日本社会のまだ貧しかった時代が浮かびあがってきて興味深い。小生が子供の頃の関西の某球場では観客席にアロハシャツ姿のあんちゃんが百円札の束を耳に挟んで観客からカネを集めて赤鉛筆でで何かを紙に書き込んでる姿が散見されたものです。そー言えば戦前から戦後にかけて巨人や阪神で監督を務めた藤本定義氏の自伝には自宅にピストルを持ってヤクザが現れたことが書かれてますね。昭和から平成になった頃だったかプロ野球の八百長と反社会勢力が問題となったとき宮崎学さんとシンポジウムに招かれて会場の学生から「ヤクザとプロ野球や芸能界って関係があるんですか?」という質問が飛んだときの宮崎さんの回答がふるっていた。「関係があるとかないとか眠たいこと言うたらアカン。プロ野球も芸能界もヤクザが創ったんやから」今は時代が変わったけど「黒い霧事件」は映画に残す価値がありますね。井筒監督どーですか?ワン。黒兵衛と散歩。帰宅して朝日新聞の「五輪とコロナ」と題した社説を読んでガッカリ。組織委が看護師500人の派遣を求めたことの根拠の説明がないことなどを批判。《国民の生命・健康よりも五輪が優先で動いてる》と書きながら《そう受け止められてもやむを得ない》とエクスキューズを加える。そして結論は《冷静な目で現実に向かい合うときだ》と曖昧あやふやな朝日新聞らしい婉曲的言い回し。どうして「五輪を中止せよ!」と書かないのか!?書けないのかな?朝日新聞もチョイとジャーナリズム的な顔つきを見せながらもやっぱりスポンサーでありステークホルダーとして五輪が開催された場合の「恩恵」を(国民の生命・健康よりも)期待してるのでしょうね。嗚呼!終日スポーツジャーナリズムに関するデスクワークのあと晩飯は『チコちゃん』1時間半特番を見ながら。ゲストは黒柳徹子さん。NHKが開始されたときからテレビに出ている黒柳徹子さんの話は面白いですね。そう言えば何年か前にニューイヤー・オペラ・コンサートの司会をされたときにゲストとして呼んでもらってリハの時も含めてマリオ・デル・モナコやティト・ゴッビなどの話を聞かせていただいたのも面白かった。モナコは出番前に身体が震えて「歌えない」と泣きじゃくっているのを奥さんが彼のお尻を蹴飛ばして舞台に送り出したそうです。そしてその瞬間に見事な声を張りあげて『オテッロ』を…。あ。黒柳さんはマリア・カラスを演じた一人芝居も見事でしたね。チコちゃんの存在を食うゲストって凄いですね。

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