3月1日(木)
朝4時半起き。眠い。ハイヤーで六本木ヒルズ森タワーのJ-WAVEスタジオへ。7〜9時のGood Morning TOKYOに生出演。手島理華さんと楽しくトーク。ラジオはやっぱり面白いなあ。昔文化放送で1年間パーソナリティやったことを思い出した。よう喋れるし何よりも髪の毛や髭の乱れとか服装を気にせんでエエ。しかし眠い。そういや文化放送のときも毎週土曜朝5時起きやたなあ。昼間の番組に呼んでくれえ(笑)。それにしても眠い。ちょっと昼寝というのをでけんタチやからつらい。頭がまわらん。仕事にならん。いいわけができた(爆)。
3月2日(金)
大阪へ。新幹線で読む本を鞄に入れるのを忘れる。仕方ないので鞄に入れっぱなしになってた相倉久人の『ジャズの歴史』をぱらぱらと読み直す。いやはやこの本はすべての音楽ファンが2度も3度も読み返すべき名著ですよ。おまけに“ナビスコ”が“National Biskuit Company”の略やということもこの本で初めて知った。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。ゲストにヨンア・東方神起・手越祐也。ナンノコッチャと思った人は歳ですな(笑)。いや勉強になりました。帰りの新幹線で読む本がないので『WEDGE』なんて雑誌をパラパラめくってたら白隠禅師について書かれたコラムのなかに素晴らしい道歌(仏教の精神を詠んだ歌)を発見。「妙法は若き女のほつれ髪ゆいたくゆえずときたくとけず」仏の道も色っぽいところがエエなあ。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。
3月2日(金)つづき
南無阿弥陀仏…と呟いたからというわけやないけど新幹線の車中でふと電光ニュースを見たら「池田晶子さん死去。腎臓癌」思わずエエエエーッと声を出してしまう。お会いしたことはないが愛読者の一人として少々ショック。合掌。
3月3日(土)
仕事に疲れて大船まで足を伸ばし島森書店で定期購読の『興亡の世界史』(講談社)購入。今回は第5巻森安孝夫『シルクロードと唐帝国』。ついでに手当たり次第に新書を5冊。氏家幹人『不義密通 禁じられた江戸の恋』(洋泉社新書)宮塚俊雄・寿美子『北朝鮮・驚愕の教科書』(文春新書)島田裕巳『創価学会』(新潮新書)中村桂子『ゲノムが語る生命 新しい知の創出』(集英社新書)瀧音能之『出雲からたどる古代日本の謎』(青春新書)。2階のレジに行くとすぐ横の棚にウンベルト・エーコの『美の歴史』(東洋書林)が置いてあった。何年か前に買いたいなぁと思って高いなぁ(8000円+税!)とあきらめた憧れの一冊。買ってしまう。仕事が思うようにはかどらないときはヤケになるもんですな。ヤケもなかなか悪くないもんですな。憧れの本を手に入れてウキウキしてヤケついでに久しぶりに『鮨処もり山』へ。美味しい魚にヤケもおさまる。
3月4日(日)
《日本の平和憲法は確かにアメリカの都合で作られた。しかしそこには人類の理想がある。私とてアメリカ・ロシアの軍事力や中国・朝鮮の核武装を含む軍備増強には脅威を覚えている。しかしだからといって防衛という名で「戦争のできる普通の国」を目指すというのでは、人類史を後ろ向きに歩むだけである。沖縄や広島・長崎を思い、平和憲法に共感を抱く人々を「平和ボケ」と揶揄しているのは、もはや自分や家族が徴兵制にひっかかる恐れがない地位を築いたか、軍需産業によって大きな儲けが期待できる人々である。防衛だろうが侵略だろうが戦争は経済行為なのであり、結局は「お金儲けのどこが悪いんですか」とうそぶく資本主義の申し子的連中が戦争をしたがるのである。そういう輩が口にする「国益」「国際貢献」とか「国家の品格」などと言う言葉ほどいかがわしいものはない》以上・森安孝夫『シルクロードと唐帝国』の序章より。この『興亡の世界史』はどの巻も(まだ全20巻中4巻しか出てないが)素晴らしい。ひょっとして戦前の大日本雄弁会講談社の反省の上に立った企画か?そういえば『日本の歴史』全26巻も(とりわけ第00巻の網野善彦『「日本」とは何か』は)素晴らしかった。文藝春秋社の社員(編集者)こそ読むべきやな。
3月5日(月)
ちょっと長い原稿を書いてフーッと息をついたところへ長男がエッシャーの画集(『エッシャーの宇宙』)とDVD『ギター弾きの恋』を取りに来る。そういや俺がジャンゴ・ラインハルトのギターを騒いだのもそのぐらいの歳の時やったな。そこへ次女がBFを連れてきて一緒に夕食。静かな日常が突如大喧噪に包まれる。晩飯のBGMにナンデ『サウンド・オブ・ミュージック』やらディズニーのアニメ音楽を聴かなあかんねん。おかげで酒が進むわ。
3月6日(火)
ちょいと酒が残る。娘のせいやで。一日中部屋に籠もって原稿書き。
3月7日(水)
昔DJをやらせてもらった文化放送のディレクターから電話。4月から吉田照美さんの司会の新番組で定期的に電話出演の依頼。また朝やで…。けど仕事に文句言うたらあかん。引き受ける。一日中原稿書き。くたびれた。
3月8日(木)
原稿書きの毎日に疲れてウンベルト・エーコの『美の世界』の絵をながめる。絵はエエなあ。やっと絵の良さがわかる歳になったんかいなぁ。なぜかマリリン・モンローに関する仕事が入ったので晩飯は『ナイアガラ』を見ながら。微妙やなぁ。ヒッチコックが監督やったらもっとオモロなったやろな。
3月9日(金)
医者へ行って相変わらず血圧が高いと叱られて野球の話で盛りあがって(なんのこっちゃ)夕方から名古屋へ。名古屋テレビの伊集院光さんの『光る!スポーツ研究所』のVTR撮り。今年もセは中日が優勝やろな。日本シリーズに出られるかどうかはわからんけど。
3月10日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。米朝会談の金桂冠代表がブロードウェイで『プロデューサーズ』を見たことについて報道はただ「ミュージカルを見た」というだけやったけどアノ独裁者ヒットラーを思いきり茶化したミュージカルを見てどう思ったんか是非とも知りたいと発言。ついでに大谷明宏さんに是非とも『プロデューサーズ』を見てくださいと宣伝。名古屋から帰東京へ。国立競技場でなでしこジャパンvsメキシコ戦の前半だけ観戦。綺麗な形で攻めまくってるの点が入らんでちょっと苛々したけど沢が決めてくれた。ビューティフルゴールに気分を良くして国立競技場にあるスポーツ博物館へ。このスポーツ博物館は最高に面白いところです。土日は閉館の図書館をわざわざ開いていただきスポーツジャーナリスト塾を引き継いだ玉木塾の最後の講義…といても喋ることはもう特になし。プロとしての心構えだけ。というわけで早々に切り上げて乃木坂の『うまいぞお』で飲み会。一人がスポーツ専門誌に就職決定!がんばれ。もう一人も大手酒造メーカーに就職。宣伝部に行きたいらしいけどどこへ行ってもがんばれ。自分に合うた仕事なて自分ではわからんもんやと養老孟司先生も書いてはる。話が弾んでちょいと酒が進みすぎたかも…。しかし『うまいぞお』はいつも美味いぞお。
3月11日(日)
名古屋マラソンの後半を見る。日本のマラソンは女子もレベルが落ちてきたのか…。それよりもメディア主導(主催)のエリートマラソン大会の「改革」をしないと…。
3月11日(日)つづき
うわっ。朝青龍が負けた。これは盛りあがるで。小生の「大相撲八百長疑惑」に対する考え方は「ざ・こもんず」を読んでください。(「最近のしごと雑誌・新聞など」参照)。
3月11日(日)つづき
金曜の夜からずっとメディアからコメントを求める電話が相次ぐ。もちろんテーマは西武の裏金問題。問題はドラフト制度の希望枠?そんな簡単なこっちゃないで。なんでドラフト制度がまともにならん?どの球団も野球界全体の利益より自球団の親会社の利益を考えてるから。ほなナンデ自球団の親会社の利益ばっかり考える?それはプロ野球やなくて企業野球やから。そこを改めんかぎり問題は根絶できんはず。西武ホールディングスの社長が奇しくも「西武ライオンズは西武グループのシンボル…」と発言したけどそんな考えがまかり通るんやからイヤになる。スポーツチームは企業のシンボルやなくて国民の文化財(地域社会のシンボル)のはずやで。コミッショナーは何をしとるねん(言うてもしゃあないけど・笑)。社会人野球も大学野球も野球の利益より会社や大学の利益を考えてるわけでスカウト活動に裏金は使うてへんのやろな…。国税は動くのかいな。というわけで小生のコメントはボツやな(笑)。
3月11日(日)つづき
晩飯を食べながらのDVDはモンロー・シリーズ第2弾『荒馬と女(The Misfits)』。さすがはアーサー・ミラーがマリリンのために書いた脚本でジョン・ヒューストン監督の映像とともにモンロー・ストーリーを堪能。しかし最後はあれでいいのかなぁ…。
3月12日(月)
テレ東の夕方のニュースが西武裏金問題についてVTR取材に訪れる。音楽の原稿を一時休止して頭の中をスポーツに。
3月12日(月)つづき
うわっ。朝青龍がまた負けた。土俵際では粘ったけど雅山の突っ張りに身体が浮いてるで。
3月12日(月)つづき
今日の晩飯映画劇場はモンローとイヴ・モンタンのミュージカルコメディ『恋をしましょう』。評判の悪い映画らしいけど結構面白かった。『マイ・フェア・レディ』や『ガス燈』のジョージ・キューカー監督はこういうゆったりしたリズムなんやから。途中でビング・クロスビーやジーン・ケリーがモンタンに歌やダンスを教えるシーンも面白かった。若い人には退屈な映画やろけどマリリンが可愛いだけでもヨイではないですかと言いたくなる。モンローのプロポーションを見た男の「多産型だな」という台詞には笑った。けどその脚本を許したモンローはエライ。
3月13日(火)
朝青龍勝つ。万全の取り口。普天王はホームページも面白いしファン通信を送ってくれたりしてがんばってるので応援したんやけど…。横綱と当たったタイミングが最悪やったかな。http://futenou.ameblo.jp/
3月13日(火)つづき
西武の裏金問題について《ざ・こもんず》に小生の意見を少々詳しくアップしました。興味のある方は読んでください。これはドラフト制度だけの問題ではなく日本球界(プロアマ)全体の構造的問題で「読売=プロ野球」「毎日=社会人野球」「朝日=高校野球」という構図がある限り真っ当なスポーツジャーナリズムが機能せず近い将来日本の野球は滅んでMLBに吸収される…というお話です。MLBにも問題は多く日本人としては残念なことですけどレッドソックスが松坂に使った61億円は「表金」ですからね。「裏」が「表」に勝ったりしたらこの世は闇ですから(《ざ・こもんず》へは「最近のしごと」参照)。
3月13日(火)つづき
今夜の晩飯映画劇場はモンローとリチャード・ウィドマークの『ノックは無用』。面白かったし脚本も良くできてたけど『荒馬と女』と一緒で最後のシーンが…。モンローの「怖さ」と「哀れさ」は見事。アノ顔とアノ体型でなかったら演技派になれてたかも…。
3月14日(水)
今朝の『日刊スポーツ』によると巨人の渡邊恒雄会長は新人選手獲得の不正防止策について記者に訊かれて「そんな企業秘密をベラベラと喋る気はない」と答えたそうな。そうか「不正防止策」は「企業秘密」なんや。こういう人物に支配されてる日本のプロ野球は不幸の極みというほかない。それにしてもこういうスポーツに対する無知発言がジャイアンツファンや野球ファンをどんどん減らしてることに巨人関係者は誰も気づいてへんのやろか?
3月14日(水)つづき
今夜の晩飯映画劇場はモンローのというよりジンジャー・ロジャースの『モンキー・ビジネス』。面白かった!どたばたスラップスティックのスクリューボール・コメディやけど歳とってみると爆笑しながらも考えさせられる。いやぁお見事!さすがはハワード・ホークス監督やな。ケーリー・グラントも味を出してた。本物の歳とったジンジャーを見た後はフェリーニとマストロヤンンニとジュリエッタ・マシーナの『ジンジャーとフレッド』を見直してみとなった。鈴木ヒロミツさんが亡くなったことをニュースで知る。2〜3度『ちちんぷいぷい』でご一緒させてもろて野球談義に花咲いたけど…。年齢的にも少々ショック。合掌。
3月15日(木)
大阪へ。『ちちんぷいぷい』生出演。木曜出演は久しぶり。西靖アナウンサーとも久しぶり。板東英二さん・きたろうさん・堀ちえみさんらとわいわいがやがや。板東さんの『名古屋論』をもっと聞きたかったな。帰宅して晩飯。モンロー映画劇場第6弾は『百万長者と結婚する方法』。ローレン・バコールやマリリン・モンローの味は出てたけどマァこんなもんというほかない映画。ネグレスコはたしかソフィア・ローレンをデビューさせた監督やったと思うけど(『島の女』やったかな…見たと思うけど忘れた)脚本がイマイチ…。
3月16日(金)
終日原稿と格闘。晩飯モンロー劇場だけは欠かさず第7弾『紳士は金髪がお好き』。ジェーン・ラッセルが魅力的。ハワード・ホークス監督は流石。ネグレスコとはセンスが違う。しかし20thFOXのミュージカルはMGMに較べてチープやなぁ。そのCHEAPさが面白いところもあるのんやけどスターに頼るほかないからモンローも実像と映画とイメージがすべて違うような結果に…?
3月17日(土)
ごちゃごちゃ雑用と取り組んで夕方から鎌倉芸術館へ。山下洋輔&スペシャル・ビッグ・バンドのライヴ!いやぁ以前オーチャードで訊いたときも凄かったけど今回も凄い!全員凄いメンバーやけどエリック宮城のトランペット・川嶋哲郎のサックスはさらに凄かった!さらにヴォーカルはケイコ・リー!ドラムスの高橋信之介も見事。相倉久人さんと「いいね」で意見が一致。日本のジャズはレベルが高い。『ラプソディ・イン・ブルー』は世界一の演奏やで。凄い個人プレイのできる人はチームプレイもできることを再確認。絶対に凄いからと太鼓判を押して誘った朋友のSや乙武クン夫妻や澁澤龍子さんも大喜び。終わって全員で楽屋へ。洋輔さんと少々歓談。どういう流れで話題になったのか忘れたけど洋輔さんが「森進一の『おふくろさん』のようなことがジャズでも問題になったら何も演奏できなくなるな。デューク・エリントンの遺族が何か言い出したりしたらね。クラシックの世界にはそういう問題あるの?」と言われたのでちょっと考えたらベートーヴェンの『第九交響曲』がまったく『おふくろさん』と同じだと気づいた。シラーの書いた歌詞の前にベートーヴェンが言葉を付け加えたんやから…。シラーは文句いわへんかったんかな?第九初演の20年くらい前に亡くなってたし問題にならんかったんかな…なんて思いながら洋輔さん&ビッグ・バンドの音楽に酔った全員で『鮨処もり山』へ。乙ちゃんの「就職祝い」(笑)。小学校のセンセも大変やろな。奥さんも心配してたな。けどオペラ演出家への50を過ぎての転身よりはマシやろな(爆)。真っ赤なコートがお似合いでハイテンションの龍子さんに引っ張られて痛飲。楽しかった。
3月18日(日)
日曜日やというのに終日原稿と格闘。晩飯モンロー劇場だけが楽しみ。第8弾は『ショウほど素敵な商売はない』。微妙やな。FoxがMGMと張り合うたわけやないやろけど豪華な舞台の割にはやっぱりCHEAP。ドナルド・オコーナーも『雨に唄えば』では名脇役やったけどモンローの相手は荷が重い。エセル・マーマンもちょっとミスキャスト気味。何よりも台本がアカン。映画のリズムも悪い。せっかくの楽しみがガッカリ。まぁクラシック音楽のいろんな演奏と一緒で悪いモンを知らんとええモンがわからんしな。勉強にはなったな。
3月18日(日)つづき
モンロー劇場のあとテレビをつけたらNHK教育でサバティーニ・スコーラ・シコフの3人のテナーのコンサートをやってた。三大テナーの小粒ヴァージョンかと思って聴いたけどアンコールの余興は最高に楽しかった。サバティ−ニのコントラバスも指揮者のフィガロの歌もスコーラのフルートもシコフのトライアングルも。音楽は楽しくなきゃ。面白くなきゃ。
3月19日(月)
月曜日やというのに終日原稿と格闘(当たり前か)。今日からは晩飯モンロー劇場もお休みと思ったけど意外と原稿が進んだので『帰らざる河』を見る。久しぶりにモンローが脇役でない映画を見たけど古いという印象が強かったな。インディアンに襲われたロバート・ミッチャムが「俺たちの土地を守るために戦う」という台詞は今では使えない。最後に「白人は金を漁りインディアンは白人を漁るひどい世の中」という台詞を持ってくるあたりはさすがオットー・プレミンジャー監督やけど…。プレミンジャーならシナトラの『黄金の腕』のほうが上やな。古くならへん…はず。
3月20日(火)
バッチリ原稿書けて今夜もモンロー劇場をと思たら夕方次女が帰宅。夜には長女がBFと帰宅。なんやねんと思たら女房の誕生日。「明日やないけえ」「今日しか休みが取れないの」というわけでプレゼントだのパーティだのワイワイガヤガヤ。まぁこういう日常も大事かな。「お父さんからのプレゼントはないの?」「財布握ってるのはお母さんやからね」
3月20日(火)つづき
パーティの準備が整うまでの間に溜め撮りしておいた世界水泳シンクロのビデオを見る。かつて取材させてもらった奥野さんや小谷さんには悪いけど俺にはシンクロがわからん。あれが美しいといえるのか?まあ身体的にはすごい行為やとは思うけど…。
3月21日(水)
娘どもや娘どものBFに連れられて女房は買い物。おかげで仕事がはかどる。夜は次女のBFのシェフが料理をつくってくれる。「なんでお母さんの誕生日パーティが2度もあるねん?」「お父さんもやってあげるから」「やっていらんから静かに一人にさせてくれ」世界フィギュアでは織田君が痛恨の失敗。今ちょっと壁にぶつかってるな…。
3月22日(木)
ドラフト改革進まず…。親会社の連中ばっかりで話してもそらあかんがな。フィギュア高橋君銀メダル。素晴らしい!しかし…キャンデロロとかヤグディンとかプルシェンコとかいたときのほうが全体的に迫力があったかな。織田君奮戦するもまたもや回転ルール違反のミス。これも壁かな。フィギュアよりもそのあとチャンネルを回して見たシンクロのデデューに感激。これは凄かった。ロボットかサイボーグのような動きは一切なし。見事な表現力。テーマはマリア・カラスの生涯。使った曲はジョルダーノの『アンドレア・シェニエ』からマッダレーナのアリア「La Mamma morta(亡くなった母を)」(映画『フィラデルフィア』でも使われたもの)。さすがフランス人。フランス革命のオペラ。音楽をよく知ってる。こういうセンスと表現力は競技本位では身につかないし身につけようとしてつくもんでもないのやろな。シンクロもフィギュアも選手(表現者)が理解している音楽を選ぶべきやで。デデューはかつてのカタリナ・ヴィットみたいな存在やな。以前奥野さんに「シンクロのソロって何とシンクロナイズするの?」と訊いたことがある。返ってきた答えは「水と音楽にシンクロナイズします」。シンクロはソロにかぎる。テレビの解説ももうちょっと音楽について話してほしかったな。
3月23日(金)
原稿書きまくってあと一章のみという状態で名古屋へ。ホテルで女子フィギュア・ショートプログラムを見る。一人でテレビを見ていて「うわっ」と初めて叫んでしもた。真央ちゃん明日大丈夫やろか。しかしキム・ヨナは美しかった。夜『報道ステーション』を見たら五嶋節さんがコメンテイターとして出てはった。にもかかわらずシンクロやフィギュアについてはノーコメント。おそらく『カルミナ・ブラーナ』も聴いたことがないイキッテるだけのスポーツキャスターの番組を盛りあげるためだけの言葉なんかよりも節さんの音楽スポーツ論のほうがよっぽど面白いのに…。
3月24日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。女子フィギュアは愛知県出身者3人やからな。名古屋は盛りあがってる。これで今年も中日ドラゴンズ優勝となれば…。ラグビーの豊田も強なってきたし…。しかしある大阪人が言うてはりました。「名古屋は大阪よりも遅れとる。まだ大阪みたいに落ちぶれてへん。名古屋もまだまだこれからやで」このギャグはアート・バックウォルドのエッセイからのパクリです。かつて日本がバブルでアメリカが経済的に落ち込み「ジャパン・アズNo.1」などと言われたときにワシントン・ポストの名コラムニストだったバックウォルドはこう書いた。「日本はアメリカよりも50年後ろを歩んでる。まだアメリカのようには落ちぶれてないから」アメリカと日本の関係は「貧富の二極化」という資本主義の切り札を切り続けるアメリカのせいでバックウォルドの言うとおり日本はアメリカの後塵を拝し続けている。さて大阪(関西)は名古屋(や東京)に対してどうするのか?「こっちのほうが幸せやからええんや」と言えるかどうか。
3月24日(土)つづき
ホテルへ戻って原稿書き。夕方から栄中日文化センターでオペラ講座。テーマは『ドン・ジョヴァンニ』。採りあげた映像はピーター・セラーズ演出。マッチョ黒人のドン・ジョヴァンニがブリーフ一枚になって地獄に堕ちる。おばさま方には刺激が強すぎたかな。それとも喜んでもらえたかな(笑)。講座のあと事務所のテレビで朝青龍vs白鵬戦。白鵬が勝ったと思たのに…。本人もそう思ったんやろな。朝青龍ってほんまに強いやん。あの態度だけは(亀田三兄弟と同類で)好きになれへんけど。そのあとセントレア空港へ。めちゃめちゃメシがまずかった(入ったレストランが悪かったんやろけど)。おまけに広い出発ロビーをそこらじゅう歩いたけどいくつもあるテレビでどれもサッカーをやってへん。なんでやねん!と予定が狂ったことを怒りながら札幌新千歳空港へ。
3月24日(土)つづき
新千歳空港まで迎えに来てくれたHTBの人のクルマに乗って札幌へ向かってる途中ヨメハンや娘どもから次々とメール。「キム・ヨナ尻餅!」「真央ちゃんすごい根性!」「ミキティ金メダル!」ホンマかいなと思いながら札幌のホテルでフジテレビのスポルトを見て確認。日本の将来的にも最高の結果かな。しかし真央ちゃんの悔しがりようは見事。それが嫌味にならんところがまたエエ。高原はあの程度で喜んでたらアカンがな。
3月25日(日)
5年間続いた「北海道みちとくらしと未来のネットワーク委員会」の最後の会議。土木学会の森地先生やIT専門の山本先生ともこれでお別れかな。つい最近亡くなられた五十嵐委員長も含めて「道」に関するめちゃめちゃ面白い知識をいっぱい教わりました。小樽グランプリはなかなか実現に至らないけどこれからも可能性を模索して継続的にがんばるらしいのでできる限り応援したいと思います。委員会の後の「みち未来倶楽部」のメンバーとの交流会パーティに少しだけ出席。「みち未来」の活動(道路の清掃や花を植えること等)は今後も続けられるそうです。皆さんがんばってください。http://www.michi-mirai.com/index.asp新千歳空港でラーメンと生ハムと白い恋人を買って羽田へ。
3月26日(月)
やっほー!新書200ページ分の原稿完成!自分の本やないけど達成感は抜群。自分のことはさておいて世のため人のためにする仕事というのもエエもんやなと本気で思う。ちょっとハイな気分になって編集者のA君を誘って久しぶりに「213」へ駆け込む。生ビールが旨い。ルッコラのサラダも旨い。生ハムも旨い。ピザも旨い。ハンバーグも旨い。フェルネ・ブランカも旨い。さんざん飲んで食ったところへ指揮者としての小生の音楽アドバイザーである(と勝手に言ってる)クラリネット奏者のSさん登場。1月にタケミツホールでワーグナーを振ったとき以来の再会。フェルネを胃袋に追加。来年はイタリアものを振りたいのでSさんまた御指導をよろしく。
3月27日(火)
朝五嶋龍君出演の『はなまるマーケット』を見る。龍君大きなったな。成長したな。大昔に札幌で佐渡さんの指揮でパガニーニ弾いて『フライデー』に書かせてもろたときを思い出したら隔世の感やな(当たり前か)。しかし立派になった。しっかり自分の言葉で喋ってる。母親の節さんはまだまだアホンダラとか言うてるけど大したもんやで。そういやうちのドラ息子もエレキベース抱えて録音やとか言うとったけどちょっとは成長しよったみたいやな。ヨメハンはまだまだな〜んもアカンとか言うとるけど母親は厳しいな。男親は甘いな。
3月27日(火)つづき
一仕事区切りがついたので部屋の大掃除。これは一日で区切りがつかん。夜は晩飯モンロー映画劇場復活。『お熱いのがお好き』。もちろん以前(かなり昔)見てトニー・カーチスとジャック・レモンのコンビに笑い転げた記憶があった。けどこれほど面白いとは思っていなかった。台本が抜群。ビリー・ワイルダーのリズムが最高。モンローも当時は精神状態最悪やったらしいけど快演。DVDボーナストラックのトニー・カーチスのインタヴューや女性ジャズバンドのメンバーによる回想も面白かった。そうか。ジャック・レモンはハーバード大学出なんや。龍君は先輩のこと知っとるかな?カーチスとレモンのコンビは『グレート・レース』も大好きでナタリー・ウッドとピーター・フォークが加わって音楽がヘンリー・マンシーニ。監督は『暗闇でどっきり』や『ピンクの豹』のブレイク・エドワーズ。映画館で5回以上見たけど…。よし。見直そう。最高の戦争コメディ映画『地上最大の脱出作戦』も見直したいな。
3月28日(水)
五輪予選日本3−0シリア。平山2発。どう見てもFWの動きとしては李やカレンのほうが動きも上で理にかなってるように見えるけどああいうワケのわからん鈍感力を持った選手が必要なんかもしれん。ワケのわかる選手は敵の選手にもキーパーにもワケ(考えてること)がわかってしまうしな。FWは1試合で1点取りゃエエんやからな。岡ちゃんが久保を高く評価して他のもそれやしな。それにしてもプロ野球のほうはワケがわからんようになってきた。アマ(選手)側は昔はドラフトで球団を選べへんのはおかしいと言うてたのんと違うの?FAに手をつけずウェーバー制にしてエエの?西武の調査委員会はなんで選手から聞き取りをせんのやろ?そんなことで徹底調査できるの?まぁ公取の元委員長で再販売価格維持制度(再販制度)の維持に尽力した論功行賞としてコミッショナーという名誉職を与えられたような人が球界トップにおるんやからしゃあないな。いつになったら「会社や大学や高校のための野球」が「野球のための野球」になるのか…?
3月28日(水)つづき
植木等さん逝去。大名作『怪盗ジバコ』(原作・北杜夫)DVD化してほしいなぁ。
3月29日(木)
部屋の大掃除が片付かへん。ひとつの仕事に集中したらナンデこんなに机のまわりが汚れ乱れるのか。万年筆と原稿用紙を使てたときはこうまではならんかった。文明は人間をだらしなくするらしい。晩飯モンロー劇場は『七年目の浮気』。この映画はよく憶えてるのでパスしよかと思たけど見てよかった。歳とって見ると全然面白さが違う。歳はとるもんやな。ビリー・ワイルダー流石!メイキングのドキュメンタリーもおもしろかった。モンローの相手役はウォルター・マッソーで見てみたかったな。
3月29日(木)つづき
それにしても『七年目の浮気』の台本(芝居脚本)は凄かった。何しろラフマニノフやオスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』やガーシュインの『ポーギーとベス』の「サマータイム」の歌詞なんかをそのままギャグにしてしまうんやから。モンローが「オオオー、ラッフマニノッフ」と呻いた言葉が耳から離れん。
3月30日(金)
連載原稿が書けなくて困ってたら某音楽事務所の某社長から電話。「久しぶりに寿司でも食おうや」喜んで「鮨処もり山」へ。そこに高野孟さんがいてひとしきりデュダメルのベートーヴェン7番の凄さとヴェネズエラの音楽による青少年非行防止対策と貧困対策について喋っていると某社長登場。酒を飲まなくても飲んでる人間に負けん酔いっぷりで環境問題・憲法問題から教育問題・経済問題まで思いっきり歓談。原稿締め切りをぶっ飛ばしたこともセ・リーグ開幕もを完全に忘れて尚良い気分。こういうこともちょっとはないと…。
3月31日(土)
桜満開。桜の下には死体が埋まってるらしい。そして血を吸いあげてあの花の色と枝振りに……。だったら山桜の下の死体はA型やな。染井吉野はB型。江戸彼岸桜はO型。枝垂れ桜はAB型。そんなアホなこと考えながら佐吉の散歩。富士山が見えたら最高やったのに……。『忠臣蔵』の舞台装置に使える桜がなかなか見つからへん。京都の円山公園か上賀茂神社まで見に行こうかな…。晩飯映画劇場はちょいと趣向を変えてウッディ・アレンの『影と霧』。ミア・ファーローやマルコヴィッチからマドンナまで出演したシャドウ・コメディ。けど微妙やな。モノクロの映像的面白さはわかるけど「ウッディ・アレンの芸術」に走りすぎ。商業主義も悪くないのに。まぁ晩飯食いながら見たほうが悪かったな。
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