6月2日(水)
日本代表、アウェーでイングランド代表に1対1の引き分け!何も速報を書く必要はないのんやけど(笑)好ゲームでした。俊輔、サントス、小野、良かった!柳沢と鈴木はいらん(爆)。イングランドのファンの方は「過去のナンヤラカンヤラ」の昨年の12月4日の欄を是非とも見てみてください。
6月某日
6月1日に札幌日帰りをした翌朝、早朝4時からイングランド戦のテレビ画面にかじりついたため、ドーッと疲れがたまる。おまけにもうすぐロシア(サンクトペテルブルク)に旅立つため、原稿の書き溜めなんかでテンヤワンヤ。以下、数日のあいだは、泥棒サンや空き巣狙いサンに旅行中と思われたくないので、日付をすべて「某日」とさせていただきます。御了承を。
6月某日
サッカー協会キャプテンの川淵三郎氏から7月26日に発売予定の『日本式サッカー革命』(S・モフェット著・拙訳・集英社インターナショナル刊)への推薦文が届く。<日本社会と日本サッカーの過去・現在・未来を見事に書き記した一冊として、サッカーファンだけでなく多くの日本人に読んでほしい。これほど広範囲に、多種多様な立場の人びとを取材し、様々な視点から日本サッカーについて書かれた本は、おそらくほかにないだろう。サッカー先進国の専門家やジャーナリストは、ともすれば日本サッカーを見下す傾向があるものだが、モフェット氏は、実に正当にそして冷静に日本サッカーを見極め、我々に多くの示唆を与えてくれている>いやあ、おっしゃるとおり、とはいえ、ありがたいことです。皆さん、読みたくなったでしょう?
6月某日
世界最高のバス歌手ニコライ・ギャウロフ逝去。享年72。何年か前、ボローニャ歌劇場の来日公演で『ドン・カルロ』を見たとき、彼のフィリッポU世のすばらしい歌(「一人淋しく眠ろう」)に涙を流しながら「ブラヴォー!」を百回くらい叫んだ。が、それ以上に私の記憶に残っているのは30年以上前、来日してテレビの「オーケストラがやってきた」に出演し、『黒田節』を歌った。あんなに見事な『黒田節』を聴いたのは、後にも先にもギャウロフの歌だけ。凄い歌手だった。合掌。
6月某日
ふと思い出したことだけれど、映画の『ザッツ・エンターテインメントT・U・V』はどうしてDVDにならない? そういえば、レイ・チャールズとクレオ・レーンによるジャズ・オペラ『ポーギーとベス』もCD化されてない。クレオ・レーンが歌ったシェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』も。名作は消えてゆく?
6月某日
当HPの読者から素晴らしい情報がもたらされた。というのは、大の野球好き(で、オペラ好きでもある)女優の富士真奈美さんが、「笑っていいとも」に出演して次のような話をされたというのだ。
- 大昔から野球が大好きで刈り入れの済んだ田んぼで男の子たちに混じって野球をしていた。
- 今は松井が好きでテレビのメジャー中継観戦は欠かさず、そのときは母に線香をあげて一緒に応援してと頼み正座して見る。
- 東京ドームでのヤンキースvsデビルレイズ戦を見に行き、松井のホームランに涙した。
- 松井の打ち終わった後の右足の裏がひっくり返って見えるのと野茂が振りかぶる時の腕の裏のラインが美しい。なんと、素晴らしい目の持ち主!。
- 松井のバッティングの師匠である長嶋さんに言及した時は「長嶋様」と言っていた!
・・・以上、Sサン、素晴らしい情報をありがとうございました。富士真奈美さんとは20年近く前に一緒にテレビ出演したとき、「あなた、デル・モナコを見てないの?それでオペラを語るのは、長嶋さんを抜きに野球を語るようなものよ」といわれ、あわててデル・モナコのビデオを買いに走ったことがありました(そのことはCDのデル・モナコ全集の解説にも書きました)。最近はオペラや山下洋輔さんのコンサートで何度かお会いし、「いつもいいところで出逢うわねえ」などといわれてます。富士真奈美さん、素敵な方です。
6月某日
今、ロシア(サンクトペテルブルク)にいる。書きたいこと山ほどあるんやけど、インターネットが繋がらないっ!どうしょうもないわー。
6月13日(日)
ロシアから急遽帰国。サンクトペテルブルクの『白夜の星国際音楽祭』でゲルギエフの指揮するマリンスキー劇場の『ニーベルンクの指環』全曲(4夜)を見る予定だったが、野村万之丞死去のショックが大きすぎて(5月27日付本欄参照)オペラ見物できる精神状態ではなくなり、帰国しました。ここからちょっと日付をさかのぼり、<サンクトペテルブルク通信>を書きます。
6月9日(水)<サンクトペテルブルク通信1>
成田発アエロフロート機でモスクワへ。13年ぶりのロシア。この前は崩壊直前のソビエト連邦だった。モスクワの空港でサンクトペテルブルク行きに乗り換え。荷物をテイクアウトしてタクシーでターミナルを移動し、再びチェックイン。荷物くらい、自動的に航空会社で乗り継ぎしてくださいよ〜。おまけに土砂降りの雨のなか、乗客はびしょぬれになてタラップを登ってるのに、アエロフロートの係員は傘をさしている。ソビエト時代となんにも変わってへん!
6月9日(水)<サンクトペテルブルク通信2>
飛行機が3時間近く遅れて、深夜11時過ぎ、白夜のサンクトペテルブルクに到着。真夜中の夕焼けが美しい。13年前よりも町中に広告看板が増えた。それだけ街が汚く騒々しくなったが、それが資本主義というものだろう。
6月10日(木)<サンクトペテルブルク通信3>
快晴。昼間、いろんな種類の噴水で有名な郊外にあるピョートル大帝の夏の宮殿見学。昨年の建都200年を契機に広大な庭園がすべて改装されたらしいが、噴水は改装直後の金閣寺のようにキンキラキン。デザインもダサイ(笑)。売店で、ビン・ラディンのマトリョーシュカ(入れ子になってるこけし)を発見。ビン・ラディンの中からアラファト、その中からフセイン、カダフィが次々と出てくる。13年前は、エリツィン、ゴルバチョフ、ブレジネフ、スターリン、レーニン・・・が入れ子の人形になってるマトリョーシュカを買ったが、それに較べて、ちょっと歴史的思想的流れとして不自然なので(笑)買うのを控える。
6月10日(木)<サンクトペテルブルク通信4>
夕方、「血の教会」の近くにあるレストラン「サンクトペテルブルク」で、ボルシチ、ピロシキ、ビーフ・ストロガノフのロシア料理フルコースを食べる。めっちゃ美味い!当地を訪れる人には絶対オススメ!ところが、食事の最中に野村万之丞逝去のほうが女房より入り、茫然自失。5月27日に彼を日赤に見舞ったときは元気になってたのに・・・。おまけに、劇団さくやの公演『千夜一夜』の演出協力を依頼され、ロシアに来なかったら引き受けていたのに・・・。アイデアをメモにしたものだけは渡したんやけど・・・。
6月10日(木)<サンクトペテルブルク通信5>
夜、気を取り直してマリンスキー劇場での『ニーベルンクの指環』第1回(序夜)『ラインの黄金』を見る。ゲルギエフの指揮はダイナミック!ツィーピンの美術(巨大な人間の形をしたオブジェ)も面白い。照明も見事・・・なのに、演出が荒削りだったのが残念。公演終了後、舞台裏に行くと、指揮者のゲルギエフが「まだまだ、これから、これから!」と叫んでいた。ジャパンアーツのスタッフやNHKプロデューサーのK氏、来日オペラ公演のパンフレット制作を数多く手がける(それに拙著『スポーツ解体新書』や『天職人』の装丁をしてくれた)水谷さんらと一緒に、ゲルギエフの控え室を訪れる。彼のエネルギッシュな話し口調から、再来年の日本公演までにはもっと舞台が進化することを確信。
6月11日(金)<サンクトペテルブルク通信6>
どれだけ酒を飲んでも、万之丞のことを思うと眠れなくてつらい。新宿で深夜まで、伎楽、雅楽、能、狂言、歌舞伎、オペラから、ベケット、イヨネスコ、ピンターまで語り明かした夜が思い出される。素晴らしい男だった!見事な才能の持ち主だった!凄い知識の持ち主だった!あふれるエネルギーの持ち主だった。一緒にきちんと仕事をしたかった。それができはじめたところだったのに・・・。彼に「玉木サンはオレみたいにワケのわからない男のことをよく理解してくれるからうれしい」と言われたこともうれしかったが、それ以上に、ワケのわからないオレのことを彼が十分に理解してくれているのがうれしかった。まだ44歳の若さで・・・。ニセモノばかりがもてはやされる世の中で・・・。悔しい!涙が止まらない。とても『ニーベルンクの指環』を最後まで見つづける自信がないので、早期の帰国を決意。
6月11日(金)<サンクトペテルブルク通信7>
朝、気を取り直して、サンクトペテルブルク・フィルハーモニーのリハーサルを見に行く。ストラヴィンスキー作曲『エディプス王』。アイスランド人の若い指揮者が素晴らしかった。ラテン語の歌詞が万之丞に対する鎮魂歌のように響いた。
6月11日(金)<サンクトペテルブルク通信8>
昼、フィルハーモニー協会の図書館でロシアにおけるワーグナー演奏の歴史を調べる。ナチス・ドイツとの戦争中(1943年)にもワーグナーの音楽が演奏されていたことを発見。館長の婆さんが「政治と音楽は違いますから」と胸を張ったのが美しかった。ほかに、資料のなかからPUCCИНИという文字を見つけたので、「あ、プッチーニも演奏してる!」というと、通訳をしてくれたイリーナさんが、「それはロッシーニと読みます」と。露西亜語は難しい。
6月11日(金)<サンクトペテルブルク通信9>
夜、『ニーベルンクの指環』第2回(第1夜)『ワルキューレ』素晴らしかった!とくに第1幕のジークムントとジークリンデの二重唱からフィナーレにかけては、涙が出るほど素晴らしかった!ゲルギエフも本領を発揮!マリンスキー劇場のオーケストラの音も最高!歌手陣も見事!ただし第3幕の演出には少々疑問も。とはいえ、この『ニーベルンクの指環』で、劇場所属歌手だけでトリプル・キャストを組めるマリンスキー劇場の力はソウトウのものと舌を巻くほかない。『ジークフリート』『神々の黄昏』と続けて見てみたい気にもなったが、同行スタッフと離れて一人になると万之丞のことが思い出されて、夜も眠れず、体力に自信がない。ここは潔くあきらめよう。小生と『ニーベルンクの指環』の「付き合い」はこういう運命なのだ(音楽蔵出しコラム「極私的ワーグナー体験の告白」参照)。
6月12日(土)<サンクトペテルブルク通信10>
ジャパンアーツのスタッフや水谷さんには本当に申し訳なく思ったが、昨夜ジークリンデを歌った素晴らしいソプラノ歌手フドレイ(彼女は音楽院の教育を受けずに個人教授で育った素晴らしい歌手!)にインタヴューしたあと、一人で荷物をまとめて帰国の途に。モスクワの空港で数組の日本人団体旅行の100人近い大集団(主にオバサマ方)と遭遇。旅慣れているせいだろうが、全員がスニーカーにTシャツ姿でリュックを背負い、ぺちゃくちゃとウルサイうえ、免税店は大混乱。「年寄りならきちんとしろ!」と怒鳴りたくなる。そういえば、マリンスキー劇場に取材に来ていた東京の某テレビ局のスタッフにも少々腹が立った。カメラマンも音声スタッフもディレクターもジーパン姿。オペラ劇場の取材は、雰囲気を壊さないようスーツを着用すべきだろう。演奏者にも歌手にも指揮者にも劇場関係者にも観客にも失礼だ。おまけに取材が終わったからといって、演奏中に客席からぞろぞろと引きあげるとは、何たる了見!同じ日本人として恥ずかしかった。
6月13日(日)
成田到着と同時に女房から電話があり、フジテレビの『特ダネ』から出演依頼とか。タクシーでお台場のフジテレビに直行し、「近鉄とオリックスの合併問題」について語ったあと、帰宅。疲れた。野村万之丞の「悔しさ」を思うと、疲れが倍増する。万之丞が最後に手がけた(途中で手放さざるを得なかった)女性だけの狂言『千夜一夜』に出演する城之内ミサさんからメール。女優陣はがんばって舞台を完成させるという。十分に手伝えなかったのが残念。
PEOPLE |
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春風ひとみさん |
6月14日(月)
野村万之丞の最後となった仕事である女性楽劇集団「さくや」公演「千夜一夜物語」の稽古を見に行く。万之丞は死んでしまったけど(アホンダラ!)女優陣が素晴らしいガンバリで、メチャクチャ面白い舞台になりそうな気配。リーダー格の春風ひとみさんも、田中利花さんも見事に若い女優陣を引っぱり(御両人がお歳を召されているという意味ではないですよ・笑)、多田恵子さんも、菅原香織さんも、いい味、出してます。吉本新喜劇の末成由美さんもグッド・キャラ!城之内ミサさんをはじめとする音楽集団も最高!皆さん!万之丞の遺志を継いだ「女ならではの狂言」を見に来てください!6月18〜20日東京青山のスパイラル・ホールです!その間、「近鉄・オリックス合併問題」について、日経、毎日、TBSラジオ(『ストリーム』)、TBSテレビ(『NEWS23』)の取材を受ける。おれは万之丞が死んだので急遽帰国したんで、プロ野球のことで帰国したのと違うぞ!ナベツネの支配してるプロ野球なんか、潰れてしまえ!
6月15日(火)
今日は休ませてもらおう・・・と思ったら「近鉄・オリックス合併問題」で数え切れないほどの電話。取材は可能な限り受けているが、どこまで小生の意見を載せてもらえることやら・・・。今回の問題でも「悪い」のは「誰」か、みんな、わかってるはずやないか!メディアは、なんで、それをいわんのや!なんで、それをいわせてくれへんのや!XXとXXXの社員は、恥ずかしくないのか!ついでにXX野球を主催してるXXの社員も!みんなで日本の野球文化を潰して、平気なのか!一昨年のプロ野球選手会主催のシンポジウムの冒頭で発言したことを、ここに、もう一度書いておく。「我々(野球ファン)の敵はXXXXです!」
6月15日(火)つづき
前の本欄に書いた文章の一部を伏せ字(XX)に変更させていただきました。これは、当局より圧力があったためではなく(笑)、「いまはメディアを騙してでも、表にいっぱい出て、ちょっとでも『反XXXX』の意見を口にしたほうがエエでぇ」という友人のアドバイスに従ったものです。XXには何という文字が入るのか、皆さん、考えてみてください(爆)
6月16日(水)
前回と前々回の本欄の文字を“伏せ字”にしたら、効果テキメン!日テレの『ザ・ワイド』から取材申し込みの電話がかかってきた!と思ったら、野村万之丞に関するコメントだった(爆)。とはいえ今日も、近鉄・オリックス合併問題について、テレビ(東海テレビ、フジテレビ)、ラジオ(NHK、TBS)、新聞、雑誌等からの電話が相次ぐ。読売テレビの『ウェイク・アップ』からも、VTR取材申し込みが!やっぱり“伏せ字”のおかげ?(笑)いや、関西文化独自の自由な自立性のおかげでしょう、きっと。
6月17日(木)
万之丞に関してVTR取材を受けた日テレの『ザ・ワイド』を見て驚いた。万之丞の文化的功績について必死になってさんざん話したのに、企画は「皇太子の御学友としての万之丞」だった。30分以上も話した万之丞の業績に関するコメントが数十秒に短く編集されるのはテレビの事情だろうが、企画が違うのは許せない!最初からそういう企画だといってくれればまだしも、おれは「急逝した万之丞をとりあげる」としか聞かなかったぞ!
6月17日(木)つづき
「近鉄オリックス合併問題」について、いろんなメディアからいろんな取材を受けてますが、新聞雑誌のコメントやテレビ・ラジオの取材では、最も大切な「基本的認識」がカットされる場合が多いので、ここに記しておきます。
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現在の日本のプロ野球は「プロスポーツ組織」ではなく「企業スポーツ組織」である。
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「プロスポーツ組織」はプロスポーツ(プロ野球)界全体の発展を目指す自立したプロスポーツ組織が、企業や個人や公的機関の「支援」を得、そこから得る利益をさらにプロスポーツの発展に再投資する。が、「企業スポーツ組織」は個々にスポーツクラブを「所有」する親会社が、スポーツ(野球)を利用して利益をあげるこを第一義の目的とし、そこから得られる利益は個々の親会社のものとなる。
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プロスポーツ界全体の発展を目指さない「企業スポーツ組織」は、必然的に強いクラブ(黒字球団)と、その強いクラブに金魚のフンのようにぶら下がって利益をあげるクラブと、その恩恵にあずかれない多くの弱いクラブ(赤字球団)を生みだし、いずれは必然的に破綻する運命にある。
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今回の「近鉄オリックス合併」は「企業スポーツ組織」が破綻し始めた結果といえる(日本のプロ野球は「終わりの始まり」が始まった)。
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今回の「合併」から「1リーグ制」への移行は、破綻し始めた「企業スポーツ」のなかの一部の強いクラブと、その強いクラブに金魚のフンのようにくっつきたいと思うクラブが、親会社の既得権益を守り、あるいは新たな権益を得るための弥縫策(びほうさく)にすぎない。
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その弥縫策は、フリーエージェント制度(選手年俸の高騰によって弱いクラブを潰すことを目的にして作られた制度)と加盟金制度(球団買収は30億円、新規加盟は60億円の加盟料によって、球団譲渡と新規参入を事実上不可能にした制度)が決定された時点から、「誰か」と「誰か」が企てたものといえる。
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しかし、「企業スポーツ組織」はいずれ必然的に崩壊する。電鉄会社や新聞販売会社や飲食品メーカーや小売流通会社は、そもそもスポーツを行うことを第一義の目的とする会社ではないのだから、スポーツ(野球)の「利用」しか考えず(発展を考えず)、弥縫策は当然のことながら一時的な効果しか生まない。
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従って、日本の現在の「企業スポーツ」によるプロ野球組織は、早晩崩壊する。それ自体は悪いことではない。が、再建されるときは、リーグやクラブが「誰か」に「所有」されるのではなく、あらゆる企業や個人や公的機関から「支援」される(Jリーグのような)自立したスポーツ組織として再出発するべきだろう。
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とりわけジャーナリズムを担うべきメディアは、スポーツ組織やスポーツ団体やスポーツ・イベントを「所有」したり「主催」したりするのではなく、ジャーナリズムとして「支援」する立場にとどまるべきである。
――以上の考えは、あらゆる人々にとっての「常識」であるはずで、この「常識」のうえに立って、今後プロ野球をどうするか、ということが語られるべきだろう。詳しくは、再来週に発売される雑誌『スポーツ・ヤァ!』に書くことにします(このナンヤラカンヤラには、こんな堅苦しいことやのうて、もっとオモロイことを書いたいんやけど、いまは、しゃあないなあ・・・)。
6月18日(金)
フジテレビの『めざまし土曜』と『ワッツ・ニッポン』のVTR取材(もちろんプロ野球の合併問題について)を受けたあと、野村万之丞の「忘れ形見」のひとつである女人狂言「さくや」の公演を青山スパイラルホールへ見に行く。春風ひとみさん、艶っぽい! 田中利花さん、芸風お見事 !城之内ミサさんの音楽も最高!土曜、日曜と公演は続きます。皆さん、この素晴らしい女人狂言を見に来て!
6月19日(土)
このHPの<最近のしごと>欄は、多くの人々に小生の仕事に接していただくことを望んで設置しているコーナーですが、「野村万之丞の急逝」と「近鉄オリックス合併問題」で仕事が殺到し、更新が間に合わない状況に陥ってしまいましたので、<最近1週間の両問題に関する仕事>をここにまとめておきます。
<近鉄オリックス合併問題について>
6月14日 フジテレビ『特ダネ』VTR出演
6月15日 毎日新聞朝刊コメント
6月15日 日本経済新聞朝刊コメント
6月15日 フジテレビ『昼のFNNニュース』VTR出演
6月15日 TBSラジオ『ストリーム』電話出演
6月15日 TBSテレビ『ニュース23』VTR出演
6月16日 RKB毎日放送『中西一清スタミナラジオ』電話出演
6月17日 NHKラジオ『NHKジャーナル』電話出演
6月19日 フジテレビ『めざまし土曜』VTR出演
6月19日 読売テレビ『ウェイク・アップ』VTR出演
6月19日 フジテレビ『ワッツ・ニッポン』VTR出演
6月19日 東海テレビ 『スーパーサタデー』スタジオ生出演
6月23日発売 『週刊プレイボーイ』コメント
6月29日号 『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)コメント
7月号 『月刊アサヒ芸能』コメント
<野村万之丞の急逝に関して>
6月17日 日本テレビ『ザ・ワイド』VTR出演
6月17日発売号 週刊新潮『墓碑銘』
こうしてみると、小生が顔を出しているメディアが片寄っているような、片寄っていないような・・・(笑)。
6月20日(日)
万之丞の「忘れ形見」である女人楽劇集団「さくや」のスパイラルホール最終公演を見る。18日の本欄にも書いたとおり、最高に楽しい舞台!今度は是非とも能舞台でやってほしい!
6月21日(月・午前4時)
ヤッタァ!佐藤琢磨、アメリカ・グランプリで表彰台ゲット!見事な3位!けど、チームの作戦(ピット・ストップ)がもっと上手くいってたら、表彰台の真ん中もあったでぇ。「万之丞の死」と「近鉄オリックス合併」、それに「レイ・チャールズの死」などなど、気分の落ち込むことが続いたなかで最高のニュース!琢磨はシューマッハと実力互角やぁ!琢磨はホンマに凄い奴やで。今度こそ優勝を!眠たかったけど、起きててよかった・・・。
テレビでプロ野球実行委員会に関するニュースを見て誰もが理解したはずだ。もはや、あんなジジイどもにはプロ野球をまかせてられないと! そしてふてぶてしく語るナベツネの姿を見て、誰もがわかったはずだ。プロ野球ファンの敵はナベツネだ、と! では、これから、さあ、どうする? まずは大阪バファローズと神戸ブルーウェーブを選手とヴォランティアの自主運営にして、市民球団にすること。それが認められないなら、ストライキだな。
6月22日(火)
最高の友人だった万之丞が亡くなり、プロ野球の大騒動でテンヤワンヤで・・・。最近、会う人ごとに「身体には気をつけて」といわれる。が、長生きするのは簡単だ。仕事をやめればいいだけだ。けれども、それでは死んだも同然・・・。
6月22日(火)
<近鉄オリックス合併問題>について、テレビで「タレント」や「文化人」や「知識人」が口にしていた「誤り」を、ただしておく。▼「もっとコミッショナーが力を持つべきだ」→月給2百万円の天下りに喜ぶようなアホ元官僚をオーナーたちが選んでいることをお忘れなく。▼「米大リーグが日本で開幕戦をやるんだから、日本のプロ野球も中国やインドで開幕戦を行うよう努力すべし」→読売新聞に中国語版やヒンドゥー語版を出す計画があるのなら、そういう「努力」もするでしょうね。▼「クビになる選手が大量に出るような可哀想なことだけは避けてほしい」→いま、まさにプロ野球が崩壊に向けて突き進み始めたというのに、選手会の会議も開かず、ストライキも打たず、まだ野球の試合をしている選手にも責任があるはず。いや、そのような意見をいわないジャーナリズムのほうが罪は深いかな・・・。
6月23日(水)昨日のつづき
▼「近鉄という伝統ある老舗球団を潰さないでほしい」→伝統だ老舗だっていっても、近鉄って野球をやる会社じゃないんですけど・・・。▼「我々には何もできないですから」(近鉄・梨田監督)→野球選手がいなければ、ナベツネにも何もできないはずだけど・・・。
6月23日(水)
ヤクルト・スワローズの・・・ではなく、プロ野球選手会会長の古田敦也氏と対談。テーマはもちろん「合併問題」に関する現状分析と将来展望・・・。中味については7月1日発売の『スポーツヤァ!』(角川書店・刊)を読んでください。私は、古田氏と選手会を全面的に支持します。ほんのちょっと中味を公開すると・・・。玉木「以前、古田さんがストライキも考えてるといったら、ナベツネは、古田はファンに殺されるぞ、といいましたね」古田「そうですね。今回は少しマシですね。馬鹿だといわれてるだけですから(苦笑)」玉木「アホに馬鹿といわれてもねえ(苦笑)」・・・もちろん、もっと真面目なことも話し合いました。
6月24日(木)
中日が巨人に3連勝。名古屋の某中日ファンが嘆いていた。「これで、あの監督がさらにゴーマンになるかと思うと喜べない。おまけに女房もしゃしゃり出てくるし・・・」とはいえ、合併問題で揺れるこの時期に、平気で野球の試合をやってる選手、それを平気で放送しているメディア、平気で応援している野球ファン・・・。みんな、どこか狂ってますな・・・。
6月25日(金)
ギャハハハハハと大笑い。史上最大のギャグ!「全部の野球はつぶれるよ。つぶれる野球と心中するのは嫌だな。野球をどう考えているんだ。企業の宣伝手段としてだけ考えているのかよ」と発言したのが、ナベツネでっせ。これが笑わずにいられましょうか。イングランド対ポルトガル戦もぶっ飛ぶほどの大ボケ!それで1リーグ制の新リーグを立ちあげるって?やってもらおうじゃないの。カネの亡者のバカ選手は「新リーグ」へ行けばいい。「旧リーグ」はアマチュア球界と組み、Jリーグ式の地域密着クラブにしてオリンピックやアジア大会や世界選手権を目指しましょ。それにしても、読売と日テレの社員は、まだナベツネのもとで、一緒に日本の野球を潰す気か? それでも、おまえら、ジャーナリストか?(もう、伏せ字はやめます・笑)
6月25日(金)つづき
WOWOWでイングランド対ポルトガル戦、きちんと見ました。ナベツネの「ボケ・ギャグ」なんかと較べてスイマセン。もっと凄い試合でした。けど、日本人としては、明日のマリノス、ジュビロの動向のほうに注目したいです。
6月26日(土)
井上ひさしさんが校長を務める「生活者大学校」で「スポーツ講座」を行うため、山形県川西町へ。サクランボで歓待されて、思う存分スポーツについて語らせていただく。井上校長は「毎朝ユーロ2004を見てるので寝不足」とか。米原万里さんから当HPのブッシュの写真に「大爆笑した」と「絶賛」される(フランスの友人から送られてきた写真参照)。「文学系」の「学生」(聴衆)も少なくなかったようだが、「ナベツネという名前だけはしっかり記憶しました」という感想に苦笑い(笑)。懇親会での料理が美味かった。料理は田舎に限る。東京はダメ。六本木ヒルズや汐留のレストランなんか値段が高いだけやで。
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6月27日(日)
山形で編集者と明け方近くまで飲んだ翌朝の新幹線で帰京。そのまま鎌倉芸術館の楽屋に直行して指揮者の佐渡裕さんに、井上ひさしさんからの「回答」を伝える。「ひょっこりひょうたん島、どうぞオペラにしてください。そういう企画を待ってました。とてもうれしいです。新しい脚本を書きましょう」じつは、来年から兵庫県立芸術文化センターの芸術監督に就任する佐渡さんが、子供向けテント巡回オペラとして『ひょっこりひょうたん島』を是非とも「オペラにしたい」といっていたのだ。そこで井上ひさしさんに伝えたところが、上記の回答。佐渡さんもスタッフも私も、「バンザーイ!」を叫ぶ。「テントの上には、デッカイひょうたん島のアドバルーンをあげて目立つようにしたいなあ」と、佐渡さんが夢を膨らます。
そのあと「岡ちゃん、凄いな」と佐渡さんがいったので、その場からマリノス岡田監督に電話。「優勝おめでとうございます。柳の下のドジョウって3匹くらいいるものなんですね」というと、「あと4,5匹いるかもしれんよ」と上機嫌だった(ホンマにそうかも・笑)。佐渡さんと電話を変わると、何やら大笑いの長話。コンサドーレの監督時代に、札幌で二人のトークショウを行って大好評を博したことがあったが、「指揮者」と「監督」はウマが合うようだ。
その日の東京都響とのコンサートは、石井真木さんの『パーカッション協奏曲』も面白かったけど(打楽器の池上英樹さんが素晴らしかった)が、なんといってもショスタココーヴィチの『交響曲第5番』が凄かった。強烈な迫力!佐渡節炸裂!あまりの感動に娘と娘のBFが涙を浮かべていた。プロレスラーの藤波辰爾さんが来るはずだったのに「多忙」とかで、奥さんと女優の山口いずみサンだけ。新日本プロレスがちょいとゴタゴタしてるみたいだけど、藤波さんも来たら気分転換になったはずやのに、残念。
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6月28日(月)
作家で脚本家の野沢尚さんが自殺。お付き合いはなかったが、仕事の関係で一昨年のW杯決勝では隣の席に座った。背後に陣取ったスポーツライターどもが「最近はW杯もレベルダウンしたな」「なんでドイツとブラジルの決勝なんだよぉ」などとウソブイテいるのを聞きながら、二人で「W杯の決勝を見られるなんて、お互い幸せですね」「ほんとにワクワクしますね」などと話したのを思い出す。素敵な人から亡くなってゆく。合掌。こうなったら、おれは憎まれても生き延びるぞ!しかし、野球でもそうだが、くだらんスポーツライターどもは、なんですぐにスポーツを見下したがるのだろう?
6月29日(火)
「1リーグなのか、2リーグなのか、早く決めて」と、ホークスの王監督がいったらしい。ユニフォーム組のこういう“パラサイト的”発言が一番問題だろう。あなたは、どう考えるのか? 球界をどうしたいのか? 野球人は、自立せよ!
6月30日(水)
「ライブドアが近鉄買収」のニュース。それに反発(無視?)するクソジジイどもの見苦しいこと!ライブドアの堀江社長は、「近鉄買収」などとみみっちいことを言わず、プロ野球選手会と組み、ナベツネの常套的脅し文句を逆手にとって「新リーグをつくる」方向で動いてはどうか。アマ球界のドンである山本英一郎氏と組んでもいい。彼は、プロ野球もJリーグのような組織にするべしという意見の持ち主だから、「プロ・チーム」と「アマ(社会人)チーム」の選手をガラガラポンして、地域密着のクラブチームによる「新リーグ」を立ちあげる手はある。ナベツネは札束攻勢で「旧リーグ(企業リーグ)」に選手を引き留めようとするだろうが、「旧リーグ」の選手はオリンピックにも世界選手権にも出られない。もちろんファンの支援も得られない・・・。読売は(Jリーグ発足時と同じように)「新リーグ潰し」に躍起になるだろうが、選手たちが立ちあがれば・・・。堀江社長、やってみまへんか?
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