4月1日(水)
朝の文化放送のレギュラーで吉田照美サンに鎌倉の桜の穴場を訊かれたので「頼朝桜」と「実朝桜」を紹介する。洞窟の天井から下に向かって生えてる大木の桜が「頼朝の逆さ桜」。その洞窟の奥の地下道に並んでる桜並木が「実朝の地下桜」…というと照美サンが「凄い!それは見に行かなきゃ」というので慌てて「4月1日でんがな…」。これネタは創作ですけど構成作家の人に「照美サンをひっかけてください」といわれたからやったんですから御容赦。けどうまいこといったなぁ。俺は詐欺師になれるかな。あかんな。阿呆な話だけでカネがらみはアカンもんな。マンハッタン島が沈みかけてるので真ん中から半分切って南側を沖合に出して反転させてくっつける事業に何万ドルも集めたような詐欺師にはなれんな(コレ出典は『詐欺とペテンの大百科』平凡社です)そういう本は大好きです。調子に乗ってRKBのラジオでも繰り返す。中西一清さんスンマセン。その後阿呆な話は忘れて仕事の虫。深夜まで。やったで。あとはブラームス25頁で『ロマン派の交響曲』完成や!しかし疲れた。爆死…やなかった爆睡。おんなしようなもんやけど。
4月2日(木)
朝佐吉と散歩。体調を整えて資料を確認して午後から青山のNHK文化センターへ。『JALシニアーズ・アカデミー』でオペラ講座。全7回の第1回目。「オペラって何?」というテーマでソレは難解でも高級でもなく「クサイもん」「アホクサイもん」「快感を刺激されるもん」という話をする。受講生は40名ほど。平均年齢は俺より高いで。でも熱心に笑いながら聞いてくださりビデオも楽しんでくださったようでまずは成功かな。来週からもがんばろ。帰りにタワーレコードへ寄ってオペラと日本映画のDVD購入。ファビオ・ルイージ指揮シュターツカペレ・ドレスデンのR・シュトラウス『英雄の生涯』も。この指揮者とこのオケの『アルプス交響曲』と『ドン・ファン』の見本盤が送られてきて大感激したので購入。しかしDVDやCDだけでカネなくなってしまうで。ほかのことがでけへんで。遊べへんで。ガキどもも覚悟せいよ。遺産は本とDVDとCDだけやぞ。晩飯映画劇場で早速『太陽を盗んだ男』を見る。長谷川和彦監督ジュリー主演。菅原文太もよかった。なるほど。イイ映画でした。こういう漫画的オモシロサが中島哲也のまでつながったんやろね。しかしテーマは70年代のほうが深いかな。そう思うのは俺が歳とった証拠かな。
4月3日(金)
新幹線で大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。いつもと様子が違う…と思たら今日から首都圏・岩手・石川・広島にもネットされることになったとか。東京でテレビに出てるときは比較的標準語に近いけどコッチでやるときはベタベタの関西弁。どないしょと思う間もなく本番で「ちゃうちゃうちゃう」と口走ってしまいハイヒールのリンゴさんに突っ込まれる。まぁエエか。これが地なんやから。新幹線で『幕末史』読了。反薩長史観はメチャメチャ面白く読み応えもありました。
4月4日(土)
終日机の虫。『ロマン派の交響曲』最後の追い込み。愛用の椅子が完全に壊れて別の椅子は肩が凝る。頭も痛い。歯も痛い。血圧高い。煙草やめられん。チクショー。こんなことでは負けないぞとガンバル。晩飯はNHKの『プロジェクト・ジャパン』見ながら。ハーグ国際裁判所の安達さんなんて全然知らなんだ。戦前の日本にもヤマガタ・トージョーとは正反対でイシハラ・イタガキとも異種の真の傑物がいたんやで。うれしなった。
4月5日(日)
終日机にヘバリツキ虫。『ロマン派の交響曲』も大詰め。さぁ第4コーナーを回りました。ゴール!とともにほとんどぶっ倒れる。推敲は明朝にまわして酒や酒や酒もってこ〜い!晩飯映画劇場は『真夜中の弥次さん喜多さん』クドカン(宮藤官九郎)初メガホンらしいけどサイコー!のぶっ飛び!次の場面の予想がすべて外れる素晴らしさ。予測不能のやりたい放題。エエときにエエ映画見たモンやで。お伊勢参りへ行こうぜベイベー!イエーイ!
4月6日(月)
朝から原稿推敲して送稿。イエーイ!脱稿だぜぃ!ヒヤッホー!ふうううう。そうか。テポドン撃ちよったか。ドーショーもない国やな。目的は金王朝を守るためだけやん。ハリボテ撃つのもプロパガンダなら迎撃ミサイル並べるのも宣伝か?あほらし。昼飯TV劇場で昨日ビデオに入れたNHK『プロジェクト・ジャパン』見る。やっぱり憲法九条は死守する必要があるで。いや世界に広める必要があるで。あ。今日は誕生日や。『213』行こ。マスターがロウソク立てたケーキを出してくれる。とにかく眠ろう。休もう。日常の仕事と新書書き下ろしとWBCでメチャメチャの1か月やったもんな。屁ぇこいて寝よ。夢見よ。ロマンチックな夢を。『ロマン派』を書きあげたんやもんな。聖響さ〜ん!いろいろ迷惑かけましたけどデケましたでぇ〜。バタン。グー。ZZZZZZZZZZ。
4月7日(火)
とにかく休もう……と思たのにメールと手紙の整理だけで午前中が潰れる。午後からオペラ講座の準備と資料調べ。もう晩飯やで。俺にとっては今日がプロ野球開幕!タイガース何やっとんねん…と思たらブワンザーイ!劇的逆転サヨナラ!さすが金本。新装甲子園行きたいなぁ。NHKーBSはなんで六甲おろしカットするねん。
4月8日(水)
朝ラジオ2本のあと主治医の先生へ。血圧はいつもと同じ高め。ただし世界新記録にはならずホッ。午後から名古屋へ。愛知県文化振興事業団主催のオペラ講座『知ってるようで知らないカルメン』の司会役。第1回は音楽評論家の山之内英明さんと楽しくトーク。「カルメンとミカエラのどっちが好きですか?」「ミカエラは結婚したらウルサイ女房になりまっせ」などと茶々入れながらも俺自身も勉強になった。テノールの神田豊壽さんがビゼーのアリアを2曲。楽しく1時間半ぴったり。まぁ司会役としては合格かな。すべては7月の佐渡裕さんの『カルメン』公演へ向けての盛りあげ。こういうのはエエこっちゃな。楽しいな。もっとほかでもやりたいな。
4月9日(木)
一昨日から桜満開。綺麗。願わくは花の下にて春死なんその如月の望月の頃…やったかな。仏には桜の花をたてまつれわが後の世の人とぶらはば。西行もけっこう派手好きな人やったんやね。桜見ながら佐吉と散歩のあと東京へ。サッカー協会で岡ちゃんに…いや日本代表岡田監督にインタヴュー。理路整然とW杯ベスト4への挑戦の話。メチャメチャ面白かった。ここに書くわけにはいきませんが近々発売の『論スポ!』をお読みください。そのあと青山のNHK文化センターへ。先週に引き続きオペラ講座第2弾「オペラのツボ」。合唱・重唱・演出の妙味・歌手の演技力などを『ナブッコ』『オランダ人』『ボリス』『サロメ』『トゥーランドット』などの名場面を見ながら楽しむ。受講生の皆さんより俺のほうが楽しんでるかな。大船新星堂で『嫌われ松子の一生』が50%オフやったので買う。ほかにも『白鯨』と『昼下がりの情事』。仕事が一段落すると散財癖が首をもたげる。晩飯映画劇場は『松子』。テレビでカット版を見て感激した以上の感激を新たに。この映画は大傑作ですよ。アホ娘も感動。「こんな一生でもいいよ」「アホ。一生懸命生きんとこうはなれんぞ」
4月10日(金)
桜吹雪のなかをピンクの絨毯踏みしめながら佐吉と散歩。エエ天気や。今日は仕事せんと自分に宣言。昼から鎌倉芸術館小劇場へ。中国人女流劇作家の『臨時病棟』を東演の舞台で見る。こういういわゆる新劇の舞台を見るのは何十年ぶりやろ。いや野田秀樹を見てるか。いや野田は新劇やないな。それはともかく現代中国の老人の哀切を感じる。日本も一緒やけど同じテーマが『嫌われ松子』の描き方に至るまで中国はあと何年かかる?帰りに島森書店で本棚渉猟。中野京子『怖い絵』『怖い絵2』(朝日出版社)購入。絵は苦手やけどオモロイもんやな。またNYへ行ってモネの『睡蓮』見たいな。ひょいと見に行くような旅がしたいな。晩飯映画劇場は『昼下がりの情事』。大昔に見て『トリスタンとイゾルデ』が出てくることだけは憶えてたけどこんなオモロイ喜劇やとは忘れてた。タイトルのせいかな。さすがはビリー・ワイルダー。モーリス・シュヴァリエも名演。ゲーリー・クーパーは相変わらずイモ。そのイモが生きてるのはワイルダーのおかげ。ヘップバーンはホンマに可愛い。BGMのハンガリアン演奏家が50年代にこんな使われ方するなら21世紀に『嫌われ松子』や『真夜中の弥次さん喜多さん』の歌の使い方まで到達するのも当然やな。
4月11日(土)
うわっ。『ロマン派の交響曲』の校正がドカッと届く。まぁシャーナイな。佐吉と散歩のあとコツコツやるか。夕方から『鮨処もり山』へ。坂井保之さんとの会食。今日はR・ホワイティング氏がゲスト。がはははは。やっぱり気が合うたな。めちゃめちゃオモロイ話の山。朝日新聞のN氏も大喜び。そのあと1年ぶりのN氏と『213』へ。若いお客さんをちょっといじりすぎたかな。しかしヨウ飲んだ。
4月12日(日)
朝佐吉と散歩。校正と格闘。背中が痛い。うわっ。連載の原稿忘れてた。2本慌てて書きまくる。晩飯映画劇場は『レッド・クリフ』30分で飽きる。こんな虚仮威しだけの映画に騒いだらアキマヘンで。『白鯨』に切り替え。こっちのほうがマシやったけど最後のシーンがなぁ…。これが『ジョーズ』に変化するわけか。『ジョーズ』のほうがエエな。もちろん「1」のことやけど。
4月13日(月)
机の虫復活。終日校正作業。キイボードを叩くのとは姿勢が違うのか肩凝りの場所が違う。歳はとりとないもんやで。晩飯映画劇場は『エリザベス』。ハリウッド映画もだんだんこういう歴史モノの似合う俳優が少のなってきたな。けど主演のケイト・ブランシェットはよかったです。
4月14日(火)
終日机の虫。肩凝りの虫。虫というのは生き物のことで人間は「裸虫」というらしい。などと思いながら校正ほぼ完了。夕方から『湘南よみうり』の取材を受ける。どんなものであれ「よみうり」と名の付くものからの取材や原稿依頼はすべて受けることにしています(笑)。なんやらかんやら喋って島森書店へ。武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか3』洋泉社購入。「温暖化」はどうも怪しいもんな。あとブルーノ・タウトを2冊と小学館の『日本の歴史』江戸時代を2冊。『213』でビール。さぁイロイロ仕事は済みましたでぇ。
4月15日(水)
朝佐吉と散歩。青葉が燃えはじめた。少々資料の整理をして午後から講談社へ。校正ドカッと届けたあと校閲部からの指摘をチェック。3時間くらいかかったで。けどコレでオシマイ。何ぃ!発売は5月か。当たり前やわな。いまから4月25日発売は無理やわな。しかし事前に知らせてくれてもよかったのに…まぁ知らされたらサボるわな。悪いのは俺でございます。4月の聖響さん神奈フィル常任就任に間に合わんかったのは申し訳ない。校正チェック終わってから近所の居酒屋へ。そうか。最近の女性はカジノで遊ぶか。俺は人生に賭けてるもんな。カジノは昔ラスベガスで朝一番の飛行機に乗るために一晩徹夜してブラック・ジャックで60ドルくらい負けてPlaying Feeを置いてけといわれたことがあったな。俺はギャンブルはアカンで。しかし仕事は終えた。
4月16日(木)
朝佐吉と散歩。雑用こなすだけで時間が過ぎる。遊びたいのに遊べへん。何して遊ぼかな。温泉でも行きたいな。けど温泉嫌いやしな。湯船で本読めへんもんな。晩飯映画劇場はビリー・ワイルダー&オードリー・ヘップバーン第2弾『麗しのサブリナ』。見事な脚本。会話の妙。Except at nightという言葉は昔小田島雄志先生が和田誠さんの本とともに授業で紹介してたな。あの本何やったかな?しかし良い映画でした。ハンフリー・ボガートを地のまま茶化すのはワイルダーしかでけへんやろな。けどヘップバーンの細さと可愛さは見事でした。考えてみたらどの映画もおんなしパターンですけどね。
4月17日(金)
朝佐吉と散歩。午後から渋谷TOWER RECORDへ。なんやらかんやら買うたあとNHK番組審議委員会へ。いろいろオモロイ話をしたあと恵比寿へ。Y興業のT君と久しぶりに深夜まで痛飲。仕事が一段落したあとの酒は旨い。
4月18日(土)
朝佐吉と散歩。関谷小学校で一輪車クラブの演技拝見。面白い。究極の地域スポーツ。天気もイイし気分もエエ。午後から田村大五氏のさよなら会。報知のYさん産経のSさん日刊のMさんなど懐かしい顔ぶれ。坂井保之さん上田龍さん衣笠祥雄さんとも会う。佐々木信也さんが挨拶を始めたときP誌の編集者に拉致され2時間インタビュー。あわててパーティに戻るが終わってた。ギャフン。上田龍さんと純パの会の人と会ってビール飲んで帰宅。晩飯映画劇場は深作欣二監督『忠臣蔵外伝 四谷怪談』。前半はワクワク。後半ショーモナ。まあこんなもんやな。娯楽映画やさかいな。
4月19日(日)
朝「題名のない音楽会」見て仕事をして……その後のことは後日報告させていただきます。生きてます。
闘病記(1) 4月19日(日)〜5月12日(火)
1週間の入院と2週間のリハビリを経て帰宅。病名は脳出血。マイッタナァ。19日の午前中トイレへ行こうとしたら足が立たなくなってそのまま救急車で病院へ。意識は大丈夫。喋りもマトモ。問題は右足と右手。とはいえホトンド問題なし。今日(5/12)は自宅の後始末やらナンヤラカンヤラで少々大忙しのうえコンピュータを打つのは疲れるので病院でのオモロイ話は明日以降にご報告させていただきますがとにかく無事に「死地」より帰還。やっぱり原因は飲み過ぎかなぁ。明日からまた真面目に仕事しよ。
闘病記(2) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院最初の2日は絶対安静。食事はなし。とほほ。検査するのみ。出血したのは左脳の視床という場所。病名は視床出血で出血量は5cc。手の出せない場所らしく「ハラへった」などとゴタクを並べることができるのはラッキーだとか。アホ長女は救急車呼ぶのに大活躍。バカ次女もドーショーモナイ長男も駆けつける。おまえらちとオーバーやで…といえるのは意識があったからか。
闘病記(3) 4月19日(日)〜5月12日(火)
3日目から脳損傷箇所のチェックも兼ねてリハビリ開始。右足を引きずるのと右手中指薬指の動きが悪くキイボードが打ちにくい。それと字がまともに書けん。ミミズが這うとるで。けどマァその程度の後遺症で終わったことを喜ぶべしやな。すべてはリハビリ一所懸命やったら治るらしいからあとは血圧を下げることやな。
闘病記(4) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院1週間で救急治療病院からリハビリ病院へ転院。大島渚さんも利用してはったことのある
病院で江ノ島と湘南の海が見えて天気のエエときは富士山まで見える。飯もまずまず。しかし量が少ない。酒抜き。煙草抜き。当たり前か。その結果大便が出にくい。ウンウンとトイレで格闘。これで頭のセンがまた切れたらモトもコもないで。せやからビールを少々…と看護師さんに主張すると座薬を所望してくださりドバーッと1キロほどもウンチが出る。最高の幸福感。ハッハッハッハ。酒を忘れはじめる自分が怖い。煙草は…忘れたな。
闘病記(5) 4月19日(日)〜5月12日(火)
いろいろと事情を察した友人や仕事仲間が見舞いに駆けつけてくれる。カテーテルやMEDの販売会社の社長をしてる朋友のSにはいろいろ感謝。入院前ギリギリまで原稿を書かせて完成して万歳飲み会したK談社のAクンは申し訳なさそうに2度も。アンタのせいやおまへんがな(笑)。その本『未完成から悲愴まで〜ロマン派の交響曲』の共著者の金聖響さんもmimura夫人と一緒に来院。神奈フィル常任就任のお披露目コンサートに行けずスンマヘン。ロバート・ホワイティング氏もmachiko夫人と一緒に来院。「ボクノ本ノ翻訳ガ影響シマシタカ」「それも一因でっせ」で大笑い。ほかに論スポのH編集長が2度来院。岡ちゃんのインタヴュー原稿はまかせます。夏のスポジャー塾は可能やろ。『ちちんぷいぷい』のプロデューサー。雑誌『ミセス』のO編集長。雑誌『ZAITEN』のK編集者。中日栄文化センターのM親分。元スポーツジャーナリスト塾塾生のKクン。それに『213』のマスター。『鮨処もり山』の大将夫妻。みなさんアリガトウ。あんまり病人らしくなくてスイマセン。それに本欄を読んで電話やメールをくださった方々にも感謝。倒れる直前に一緒にバカ飲みした皆さんも気にせず連絡ください。アンタのせいやおまへんから(笑)。必然的自業自得以外の何物でもおまへんでぇ。
闘病記(6) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院中は1日2度(約1時間×2)のリハビリ以外やることナシ。テレビは金曜の『ちちんぷいぷい』とNHKのニュースと若干の特番以外飽きる。仕方ないので読書。次女が自宅から持参したBOSEのミニコンポで音楽聴きまくり。そして長女のプレゼントしてくれたミニDVDで映画見まくり。ほかに見舞いの客の相手。とはいえ朝5時起床。夜8時就寝では時間がイッパイ。本読みまくり。音楽聴きまくり。映画見まくりの入院生活。
闘病記(7) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院中に読んだ本。武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか3』洋泉社。井上ひさし『京伝店の烟草入れ』講談社文芸文庫。石田忠久『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫。拾い読みで漢詩に感激。水本邦彦『日本の歴史10江戸時代/十七世紀徳川の国家デザイン』倉地克直『日本の歴史11江戸時代/十八世紀徳川社会のゆらぎ』荒川章二『日本の歴史16一九五五年から現在/豊かさへの渇望』以上小学館。勉強になりました。『男道清原和博』幻冬社。ふ〜ん。『興亡の世界史20人類はどこへ行くのか』講談社。いま読んでる途中。歴史はホンマに重要やで。
闘病記(8) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院中に聴いた音楽。ベッリーニ『カプレーティとモンテッキ』ファビオ・ルイージ指揮ネトレプコ他。ドヴォルザーク『交響曲9番新世界より』佐渡裕指揮ベルリン・ドイツ交響楽団。シューマン『交響曲2番/3番ライン』シューリヒト指揮ウィーン・フィル。シューマン交響曲全集。バーンスタイン指揮ウィーン・フィル。チャイコフスキー『くるみ割り人形』全曲。アンセルメ指揮スイス・ロマンド管。マーラー交響曲全集。バーンスタイン指揮ウィーン・フィル/ニューヨーク・フィル/コンセルトヘボウ管。アバド指揮ベルリン・フィルでもマーラーをじっくり聴き直す。それが入院中の最大の成果かな。ほかにヴィクター・ウッテンのEB。Mーunitのライヴ&椎名林檎の『平成風俗』も。音楽はどんなジャンルのものでもいつでもどこでも何をしながらでも楽しめる時代になりましたなぁ。
闘病記(9) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院中に見た映画。『さくらん』これは失敗作やね。蜷川美花は親の七光り?旧ソ連映画『カラマーゾフの兄弟』233分の大作。重い。暗い。シンドイ。ミケランジェロ・アントニオー二監督『情事L'AVVENTURA』。さすがの筋書き。モニカ・ヴィッティが魅力的。吉村公三郎監督・新藤兼人脚本・京マチ子主演『偽れる盛装』。昔の京都祇園町が興味深い。溝口健二監督『雪夫人絵図』。昔の女性はこういう悩み方をするか。同監督・田中絹代主演『武蔵野夫人』。昔の女性の悩み方は美しくもあるなぁ。成瀬巳喜男監督・田中絹代主演『銀座化粧』。半世紀以上経つと女性の悩みも何もかも変わる。『北京の55日』エヴァ・ガードナーがなかなかの魅力。『ヘア・スプレー』ミュージカルです。『魔笛』モーツァルトのオペラを第一次大戦時に置き換えたもの。ジェイムズ・コンロンが音楽監督した英語版。モーツァルトの音楽は最高。しかし矛盾は解決せず。グレゴリー・ペック主演『アラバマ物語To Kill A Mockingbird』なかなか見応えあり。なるほど。アメリカの正義ですな。同じくペック主演『仔鹿物語』。アメリカ人の精神構造を知る。ジュリアン・デュヴィヴィエ監督・ジャン・ギャバン主演『望郷PEPE LE MOKO』。ギャバンの魅力満点。ミレーユ・バランの魅力もたいしたもの。ジャン・ルノワール監督『大いなる幻影』。1937年の素晴らしい映画。見て良かった。関係ないけどリハビリ室に大島渚さんの直筆色紙が掲げてあった。墨痕鮮やかに「監督は映画の著作権者である」。ふ〜ん。
闘病記(10) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院中に考えたこと。太く短い人生と細く長い人生の違い
。結論=違いはない。人生とは所詮短距離走の繰り返し。俺はあと本を3冊。
闘病記(11) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院中に一度だけ佐吉が見舞いに来てくれる。長女と次女が仕組んだもので次女のBFや京都から来てる甥っ子やヨメハンも加担してレンタカーを借りて実現。車椅子に座らされてどこか散歩かと思うと病院の玄関口で思いっきり走ってくる汚い犬に遭遇。佐吉は俺に逢う前に湘南海岸デビューも果たす。海に喜んで走り回る写真を見る。アニマル・セラピーというのは事実やな。長男は山下洋輔さんとの新宿Pitt Innコンサートがあったので後日GFと一緒にオモロイCD仰山持ってその報告も兼ねて来院。みんなThank You。
闘病記(12) 4月19日(日)〜5月12日(火)
リハビリは理学療法士さんと作業療法士さんによる1日に2回。人間の身体構造の不思議さを改めて学ぶ。問題は体幹。身体のコア。それとそのコアを支配する脳。なるほど長嶋茂雄さんは体幹が抜群に強いらしい。キム・ヨナのジャンプの美しさも体幹の強さと使い方の熟知によるものらしい。この指摘はメチャメチャ面白い。退院したらもう一度キネシオロジーを勉強し直そう。療法士の皆さんありがとうございました。ちょうどNHKの『クローズアップ現代』で脳とスポーツの関係をやってた。ゲストの脳学者の話は眉毛に少々唾をつけたけど脳と身体の関係の話は興味深い。俺の脳はどんなふうに回復するのんやろ。
闘病記(13) 4月19日(日)〜5月12日(火)
入院中の最後の日曜日に内緒で病院を脱走。次女に手を引かれて急な坂道の階段をゆっくり降りてキリスト教墓地を抜け江ノ電の鎌倉高校前駅まで歩く。駅は観光客だらけ。目の前にはきらきら光る湘南海岸。しばらく海と観光客を見て過ごす。かなり疲れたけど自信回復。まぁモウチョット人生に挑戦するか。
|