9月1日(水)
『オリバー・ストーンの語るもうひとつのアメリカ史』再読開始。全3巻のうち第3巻『帝国の緩やかな黄昏』から読み直し始める。カーター大統領というのはほんとに「良い人」だったのでしょうけど外交音痴でタカ派の台頭を赦し反共反ソ連強攻策の結果イスラム原理主義過激派を育ててしまうのですね。嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。最近の気象予報はよく当たる。秋風が吹き始めて水風呂は止めて散歩のあとはお湯のシャワーにする。仕事中もエアコン要らず。某雑誌記者から電話。まだパラリンピックの最中だというのに来年の北京冬季五輪の下調べをしているという。要はボイコットはどこまで広がるか…がテーマだとか。いろいろ話したあと井沢元彦さんの『汚れた平和の祭典 2022年北京五輪をボイコットせよ』(ビジネス社)を推薦しておく。もう20年以上前のことになるが中国上海にF1サーキットが完成して取材に訪れたとき手伝ってくれた中国人通訳の菅(カン)さんが言った言葉を思い出す。「中国とアメリカは近いうちに絶対に戦争します。そのとき日本はどうします?」小生の答えは理想論としては「米中の間に立って戦争回避の交渉の中心になる」だが予想としては「アメリカ側に立って自衛隊海軍を台湾海峡防衛に投入するだろう」と答えたと記憶している。前提は自民党清家に有能な政治家亜出て来なければ…だが…もう戦争はサイバー空間などで始まってるのかな?北京五輪はボイコットするよりIOCの改革を進めるべきですね。バッハがまず変わらないとダメですが…てな話を長時間電話で…疲れた。夕方からボッチャ。杉本選手凄いですねえ。すばらしい優勝。しかしボッチャという競技をい相手の邪魔をしたり弾き飛ばしたりしても嫌味を感じない競技ですね。パラスポーツの特徴かな?マルクス・レームの見事なジャンプを見て井岡一翔のスーパーフライ級チョット危ないタイトル防衛を見て…ベッドへ。あ。車椅子バスケ見忘れた(>_<)大谷のホームスチールも見落とした(>_<)スポーツはやはりそんなにたくさん一気にやるべきものじゃないですね。
9月2日(木)
オリバー・ストーンの『アメリカ史』を改めて読んで驚き直すことが少なくない。レーガンもブッシュ・ジュニアもラテン・アメリカの国々の名前を知らなかったとかネオコンの主戦論者の多くは戦争経験が無いとか。戦争を語ってくれる相手がいなかったとか…。しかしアメリカを笑っていられない。日本の政治家も五十歩百歩か?いやさらに…?ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。大谷翔平のホームスチールを取りあげる。打者の平均打率が2割5分以下と低い時代にはホームスチールも結構多かったのですね。個人の通算日本記録は与那嶺要さんの11個。野村克也さんが7個も決めているのシブイ。おまけに走者満塁でのトリプルスチールを三塁走者として2度も決めている。大谷の足は見事だったけど盗塁は足の速さじゃないのですね。ちなみにベーブ・ルースのホームスチールは8回!ゲーリッグは15回!ワン。黒兵衛と散歩。夏の暑さが恋しくなるほどの涼しさ。おまけにミストも冷たい。気を付けないと風邪をひく。コロナ禍で風邪もおちおち引ひないですね。ワン。仕事をしていると文藝春秋から後藤逸郎さんの新刊『亡国の東京オリンピック』が届く。さっそく読み出す。日本が何故東京五輪を緊急事態宣言下でも中止できなかったかがよくわかる。IOCの傲慢さもよくわかる。要するに日本政府がIOCにナメラレていたのですね。来週月曜の『ニューズ・オプエド』のゲストは福島良一さんと青島健太さんでメジャーと大谷の話題を取りあげるが後藤さんにはその次の週くらいに出ていただいて東京五輪の検証をキチンとしたいですね。ボッチャは団体戦も面白い。ボッチャってイタリア語でボールのことらしいけど酒瓶という意味もあるんですね。ますます気に入った。晩飯後は焼酎呑みながらサッカーW杯予選。あ〜あ。吉田キャプテンの言ったとおり負けるべくして負けた試合でしたね。必死の走ってプレイしていたオマーン相手にチンタラと横綱相撲してたら勝てないですね。これがクスリになればイイけど…。
9月3日(金)
朝ベッドで後藤逸郎『亡国の東京オリンピック』(文藝春秋)読了。東京2020の非公式記録として貴重だが坂上康博さん(一橋大教授)や來田享子さん(中京大教授)との対談を読むだけでも価値ある一冊。「(今回は大手新聞社が大会スポンサーに)これで日本も終わりだなと思いました」「(菅総理の言葉は)自分の気概や信念の表明に過ぎずコロナ禍の開催について国民が納得するような説明はまったくなされていない」「コロナ対策で)オリンピック関係者だけ普通はありえない特別扱い」(坂上)「(組織委は)不思議なことですが巨悪があるわけではないんです。それなのに誰も責任を負わない体制と市民に伝える言葉の不足のせいで最終的には集合体としての巨悪になっていく」「(IOCという)組織を(経済的に)潤しながら活動するとなるとどうしても(五輪の)理念を削らざるを得なくなる」「欲望と力という時として社会を破壊する二つの存在を人間はいかにしてコントロールしながら社会を作っていくけるのかそのトレーニングの場として(クーベルタンは)スポーツを想定したのだと私は思います」「人間は欲望や力をコントロールしなくてはならずそれによってのみ民主主義社会が作られていくという文脈がクーベルタンの周囲の人たちには理解されなかった。一緒にオリンピックを始めた貴族仲間たちはみんな欲望と力のほうへ走っていってしまった。そこにクーベルタンの絶望があったのです」(來田)オリンピックやパラリンピックについて語ったり書いたりする人は全員読むべき一冊ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。朝の仕事が一段落して昼飯を食いに1階へ降りたら菅総理が自民総裁選へ出ないとのニュース。テレビは「政局ジャーナリスト」の語る政局のニュースばかり。政治ジャーナリストが語る日本の政治はどうすれば良いのか…という話題にはならんのか!?夜は車椅子バスケの日本代表のすばらし試合を見て昨夜のサッカーの不様な敗戦とクダラナイ政局ニュースを忘れる。小泉環境省が涙を見せて菅総理の功績が理解されなかったことを嘆いたけどホンキかいな?確かにどんな仕事も何かをしたら「やった感」は生じるもの。しかし「やった感」というのは「やってない」と同義語で菅総理がよく使った「スピード感をもって」という言葉も「スピードが出ている(速くやってる)ように見せかけて」というだけのことだった。そんなコロナ対策を誰も認めませんよね。総裁選に出ないことでも「コロナ対策にセンニンして」と何度も繰り返した。選任?メディアは「専念」という文字に直していたけど言葉をキチンと使えない政治家が多いのは困ったことですね
9月4日(土)
ベッドのなかの朝の読書はオリバー・ストーンの『もうひとつのアメリカ史3帝国の緩やかな黄昏』に戻る。アメリカのアフガニスタンとの関わり(武力介入)は9・11よりずっと以前の冷戦時代からなんですね。カーター大統領時代の反ソ反共のブレジンスキー大統領補佐官が主導してソ連のアフガン&イランへの進出を止めるためイスラム原理主義ゲリラ達を支援育成したわけですから因果は巡るですね。カーター自身は平和主義者だったけど外交に無知でブレジンスキーの動きを止められなかったわけですね。やはりリーダーは補佐官(専門家会議など)に丸投げではダメなんですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と冷たいミストと秋風のなか散歩。短パンTシャツでは寒い。霧雨に残暑懐かし秋の雲。お粗末。ワン。終日デスクワーク。五輪期間中に共同通信に書いたリレー・エッセイ『解読オリンピック第7回』の掲載新聞(地方紙)13紙が送られてきたので目を通す。小生の原稿はオリンピックに平和運動などの理屈は要らない。オリンピックが素晴らしのではない。スポーツ自体が素晴らしい…というものだったが五輪開催反対の姿勢を貫いている信濃毎日新聞は小生の原稿を五輪開催賛成派と見なしたのか他の何人かの書き手と同様掲載しなかったらしい。これでは議論にならないですよね。五輪開催に社説で反対を唱えながら五輪のスポンサーは降りず甲子園の高校野球は堂々と開催した朝日も含めてジャーナリズムがこの程度の認識でこんな言行不一致では辞めてゆく総理大臣の無内容な酷い言葉も批判できませんね、いや…そもそもあんな無内容の記者会見を許容している日本のメディアに問題があるのでしょう。パラ・スポーツは面白いですねえ。昨日の車椅子バスケ日本vs英国戦にも興奮したけど今日のパラバドミントンもボッチャ団体戦にも感激。おまけにブラインド・サッカーのブラジルvsアルゼンチン戦は見応えがありましたねぇ。オリンピックを今後も継続したいなら健常者を身障者の障害のランク分けの一部に組み入れてオリンピックもパラリンピックに合体するべきですね。そうすればあらゆる金メダリストも絶対的な王者でなくなり相対化したなかで見られるようになるので「欲望と力」(昨日の本欄参照)も相対化されて世の中は平和になるのでは?
9月5日(日)
『もうひとつのアメリカ史3』はイランのイスラム革命から。アメリカは拘束された大使館員らの救出作戦に失敗。イランに対抗するためサダム・フセイン大統領独裁体制のイラクを軍事支援。一方で大使館員の救出交渉を継続してイランにも武器輸出。その結果イラ・イラ戦争は長期化して大量の死者。イラクのクウェート侵攻を容認するフリをしながらイラクを攻撃。挙げ句の果てに9・11。アフガン侵攻タリバン掃討&イラク・フセイン体制撲滅…そうして今日のタリバン復活と改めてアメリカと中東の歴史を振り返ってみるとアメリカの独り相撲?ヴェトナム戦争敗北の教訓は生かされなかった?すべては軍産複合体による経済(武器の消費)のための戦争だった?次は中国相手に何をどーする?中東よりもグッと近い場所で日本の「新政権」はどーするのかな?政局(次期自民党総裁は誰?)ばかり語ってるメディアや政治ジャーナリストとは言えない政局ジャーナリストは政治(外交)には興味なし?ならばせめてコロナ対策だけでもキチンとしてほしいものですなぁ…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。?小さい秋見〜つけた…どころではない涼しさ。涼風心地好ク足取軽シ。ワン。午後から車椅子バスケットボール決勝アメリカvs日本。決勝に進んだだけでも凄いのに見事な内容!出足でリード。逆転されてヤッパリ駄目かと思ったら再逆転。勝てるかと思ったら連続インターセプトされて惜しくも敗退。嗚呼。最後はミス?実力?いずれにしろ最高のゲームでした!やっぱりアメリカで鍛えた選手が複数いるくらいの強化をしないとこうは強くならないのですね。晩飯後はパラリンピック閉会式。日本はここまで無国籍化したのですね…というのが印象。ま。エエか。さてオリパラ終了後の「決算」はどうなる?肥大化した運営費は?サブトラックのない国立競技場は?遠くて海水のボート競技場は?神宮外苑の再開発は?選手の強化費(の大幅減額)は?……etc
9月6日(月)
アメリカは中南米で国民が選んだ政府を数多く転覆させて人権無視の拷問等を肯定している独裁政権を次々と支持していたのですね。『オリバー・ストーンのアメリカ史』にはそのあたりがキチンと書かれています。挙げ句の果ては中南米の国の数の多いことに驚きながらブラジルを訪問したレーガン大統領がブラジル国民に向かってボリビア国民と呼びかけたり。日本の政治家の劣化もアメリカの影響かな?しかし日本人は寛容なのか日本を中国と間違えたバッハIOC会長をあまり非難しませんでしたね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。もう夏の暑さは戻らないようですね。昨日から書き始めたフォーラム・エイトの機関誌『Up & Comming』の連載コラム「スポーツは教えてくれる」を完成させて送稿。中味はパラリンピックについて。弱肉強食のダーウィニズムに傾斜するスポーツと違って障害の質によって区別されて勝者が多数存在するパラスポーツの素晴らしさ(絶対王者がいなくなり全てが相対化しますからね)を書いたあと夕方からは『ニューズ・オプエド』MCリモート出演。今日のゲストは大リーグ評論家の福島良一さんとスポーツライターの青島健太さん。パラリンピックやサッカー日本代表のオマーン戦敗退に触れたあと(サッカージャーナリストの大住良之さんが見事な敗因分析レポートを寄せてくださいました=まだ見ることが来ますよhttps://op-ed.jp/)福島さんがアメリカ・ベースボール紀行で映画『フィールド・オブ・ドリームズ』に使われた玉蜀黍畑のなかの野球場の隣に造られた野球場のオープン試合ホワイトソックスvsヤンキースを見てこられたレポート(ケヴィン・コスナーにも会われた!)や大谷の活躍の分析などいろいろ話していただいてまだまだ土産話は尽きないので(アメリカの女子野球発祥の地も訪れられたとか)近いうちに再度出演していただくことにして番組終了。しかしアイオワの『フィールド・オブ・ドリームズ』の球場の傍には映画やメジャーの博物館までできて写真を見せられてその素晴らしさに驚嘆。小生が訪れたときは映画に使った野球場があるだけだったけど(それも素晴らしかったが)再度行きたくなったなぁ。アメリカという国ではやはりベースボールだけは特別な存在ですね。
9月7日(火)
アフガニスタンのタリバンがやっぱり女性差別政策を取り始めミャンマーでは民主化勢力が軍事政権に必死の抵抗を開始して日本は自民党のコップの中の嵐とも言うべき総裁選。そうか。岸田氏はモリカケ再調査をしないのですね。河野&石破はどうする?野党に期待できないなら自民の党内野党の力を増さねば…オリバー・ストーンの『アメリカ史』は嘘で固められたグレナダ侵攻。それによってヴェトナム後遺症が一掃されたって…どこかの政府高官がコロナはシューソクしたと言うのと同じですね。なるほどオリバー・ストーンの本を読んでると日本の政治がアメリカの「スモール化コピー」だとよくわかる。ワン。黒兵衛と散歩。夏の暑さは完全終息。コロナは未終息。コロナはシューソクしたと宣った人物にソレは収束ですか?それとも終息ですか?と訊いてほしかったなぁ。そうしたらミソーユーのキキではなくなったとでも答えるのかしら?ワン。原稿の校正をやったり…ホームページの原稿を作る間にNHK-BSでやっていた映画『ファンシーダンス』を見る。若い坊さんの修行の話。原作はコミックらしいけど現代の禅寺の様子がよく描かれている。周防監督の映画は面白いですね。ところで皆さんは日本一修行の難しい禅寺を御存知ですか?永平寺?妙心寺?いえいえ大本山建仁寺です。なぜなら祇園町のど真ん中にあるから…と祇園町の住人は昔から言っておりました。そう言えば托鉢で宮川町や花見小路を歩く雲水を小学生の時によく見かけましたが…その先の話はまたいずれまたの機会に…。
9月8日(水)
オリバー・ストーンの『アメリカ史』はレーガン大統領時代のイスラエル&イラン経由の・コントラ武器援助ほかハチャメチャな人権無視の中南米政策。こんな過去があるようでは中国のウイグル弾圧に対する態度もどうなるのかな?それにしてもレーガンがゴルバチョフの提案した核兵器全廃をいわゆるスターウォーズ計画推進のために拒否したのは現代社会にとって大きな失策でしたね。日本もゴルバチョフ時代にこそ北方四島の交渉を進めるべきだったはずだが…次の総理にはレーガンのようにメモばかり読むのではない人物の登場を期待したいけど…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。涼しくなると犬の散歩に出る人が急増。コチトラ猛暑酷暑の時も土砂降りの時も休まず散歩してたのですよ…てなことを言っても個人の「やった感」を示すだけですよね小泉。菅総理ほど仕事をした総理はいないってソレも「やった感」=「偽充実感」では?(3日の本欄参照)「スピード感」を持って黒兵衛との散歩を終える(ホンマは犬の散歩の渋滞で時間はかかりましたけどね)。ナンヤラカンヤラ仕事してNHK-BSで『羊たちの沈黙』をやっていたのでこの機会にしっかりと見直す。過去に何度も見たけどアカデミー賞5部門受賞が信じられないので自分がよく理解できなかったと判断。しっかり見直してみたけどヤッパリこの映画のどこが素晴らしいのかわからなかった。タダのハリウッド超過激ホラー・ミステリーではないか。ジョディ・フォスターは美人だしアンソニー・ホプキンスの存在感は認めるけど…。大画面の映画館で見なけりゃ…と言う人がいるかもしれないけどソレって所詮は虚仮威しを拡大するだけでは?結局は小生がミステリーとウマが合わないから?ただ監督のジョナサン・デミが同性愛の描き方が差別的であるとゲイ団体から強い抗議を受けて次回作として『フィラデルフィア』を撮ったというのは素晴らしいことですね。東京五輪関連で女性蔑視発言等から要職を退いた人々はその後どうしたのかな?退いてオシマイ?
9月8日(水)つづき
サッカー日本代表は中国に勝ちましたね。しかしオーストラリアが3-0で勝った相手に1-0。う〜ん…ですね。先週『オプエド』に出場してもらい今週もオーマーン戦の敗因分析をしてもらったったサッカー・ジャーナリストの大住良之さんからメール。先週は1位通過と予想しましたが2位を目指しましょう!とのこと。とにかくW杯に出なければ!長田渚左さんが編集長を務める『スポーツゴジラ』の最新号第52号が送られてくる。特集は「理想のオリンピックとは?」で小生も「オリンピック根本問題を解決して素晴らしさを残す方法」と題した文章を寄稿。ほかに友添秀則、木村元彦、溝口紀子、具志堅幸司の各氏他多彩な顔ぶれがそれぞれの五輪論を展開。引退したばかりの体操の白井健三さんもインタヴューに登場。ナカナカ面白いですよ。
9月9日(木)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。パラリンピックについて語る。小生は以前からオリンピックとパラリンピックの合体を唱えていましたがそれは間違いでしたね。オリンピックがパラリンピックの一部門(健常者部門)として吸収されるべきでしょう。健常者は義足や義手を装着できず車椅子の使用も不可という意味においてはハンディキャッパーとも言えますからね。そうすればいろんな身体障害のランクで世界一がたくさん生まれてスポーツの相対化が進んで「より速く・より高く・より強く」という優勝劣敗のダーウィニズム的思想から新しい人類の共生しそうに転換できそうですからね…てな話をしてラジオを終えて冷たい雨のなか合羽を着て黒兵衛と散歩。いろんな季候があるから日本は良いのですよね。砂漠の民の生んだ一神教よりも高温多湿の多神教のほうが平和的ですよね。ワン。昼間いろいろ仕事のあと夕方から『ニューズ・オプエド』に解説委員として出演。ゲストは本間龍さん。もう一人の解説委員は政治外交ジャーナリストの原野城冶さん。オリパラの検証を話し合う。決算の赤字はどう処理するのか?国立競技場はじめ建設されたスポーツ施設の後利用は?など山ほどある問題点を語り合う・やはり一番の問題点はジャーネリズムを担うべきメディアがスポンサーになってしまったことでしょうね…といろいろ話し合う。今も視聴可能ですから見てみてください。番組終了後原野さんに総裁選と政局の話をいろいろ訊く。自民は相当の危機だが野党の政権運営能力のも疑問。ただし衆院選の1年弱後には参院選もありソノどちらかで自民に厳しい評価が下されるのは確か。自民AAA(安倍・麻生・甘利)の支配は弱まるらしい?ま。そうならなきゃオカシイですよね。AAAって所詮はメジャーの二軍ですからね。https://op-ed.jp/
9月10日(金)
明日は9・11から20周年。早いものですね。あの日は『久米宏のニュース・ステーション』を見ていました。臨時ニュースでNYのワールドトレードセンタービルの一つの上の方の階から濛濛と煙が吹き出て燃えていて呆然と画面を見ているとどこからかジェット機が飛んできてもう一本のビルに突っ込んで爆発。唖然とするほかなかったですね。その後この歴史的大事件の現場を見てみたいと思っていたら若きヴァイオリニストの(まだ小学生だったかな)五嶋龍クンを取材レポートする仕事が入ってNYへ。事件から1か月くらい後にまだ煙が燻っている現場に立つことができました。一緒に行ったカメラマンは写真を撮っていたけど私は呆然とするばかりで文明の残骸とはこのようなものかと巨大な瓦礫の山を目の前にして一言も声が出なかったですね。周辺ではアジア人がありし日のトレードセンタービルのバッジや写真集を売ってたなぁ。オリバー・ストーンの『アメリカ史』を読み直すとレーガンやブッシュの暗愚の大統領がソ連を恐れてCIAや軍産複合体の利益代表の誤った情報に乗ってイスラム原理主義者たちの戦力向上を図った結果がこれだったんですね。嗚呼。ゴルバチョフの提案を受け入れていれば…嗚呼。ベッドから出て黒兵衛はチョイとトレーナーさんに昨日一晩あずけたので散歩はナシ。いろいろ準備してテレビ局の迎えのクルマに乗って東京へ。道路はさほど混んでない。経済のコロナからの回復はマダマダかな?汐留の日本テレビ内にある讀賣テレビの東京支社から『そこまで言って委員会』リモート出演。東京オリパラを終えて今後のオリンピックはどうすればいいか?という話。オリンピックのW杯&世界選手権合体案やパラリンピックに吸収される案やIOCの下部組織(多くの株式会社)の情報公開案やメディアがスポンサーになったのが最悪だった…等を話す。どこがカットされるのかな?(>_<)他にアフガニスタン情勢問題やコロナ問題など多くの話題があって小生の収録は最後だったため時間が押したのか予定していた台本の3分の1くらいであっと言う間に収録終了。ま。テレビというメディアではシャーナイですね。帰りのタクシーで『オプエド』のスタジオに寄ってもらっていつもリモート出演の小生やゲストを助けてスタジオで進行役をしてくれている小林厚妃さんへのプレゼントを預ける。野球大好き人間の彼女にはメジャーリーグの公式球や直筆サインボール。しかしトム・シーバーなんて投手は若い彼女は知らないだろうな。帰宅後いろいろ仕事したあと晩飯はNHK『ネタドリ』のコロナ禍でのオリパラ特集を見ながら。NHKだけに(?)抜本的な五輪の問題もメディアの問題も(もちろん)取りあげられなかったけど真山仁さんや大阪市大の先生の話や外国人選手の受け入れおもてなしの話などけっこう面白かった。風呂の後はやはりNHKのドキュメンタリー『72時間』オリンピックのマラソンコースに予定されていた東京を歩いて出逢った人のドキュメンタリー。これも結構面白く見てしまった。今年の東京オリパラはスポーツ大会に終わってオリンピックの目的や価値(世界の人々との交流や日本文化の発信)はほとんど実現できなかったわけですね。それでも開催した結果はどうなったのか?昨日の『オプエド』に続いて月曜日の『オプエド』では『亡国のオリンピック』を出版されたばかりの後藤逸郎さんと数多くの素晴らしいスポーツ本を出版されている一橋大学教授の坂上康博さんをゲストに迎えて徹底的に話し合う予定です。乞御期待。
9月11日(土)
『アメリカ史』を読み続けていたため読まずに放っておいた『ZAITEN』10月号を読み出したら面白くて止まらなくなった。特集は『総裁選候補は安倍の手下だらけ「虚妄の安倍待望論を撃つ」安倍晋三を「永久追放」せよ』というもの。白井聡&適菜収&古谷経衡などの論客が鋭い安倍批判を激烈な文章で展開してるのは当然としても自民党の元大臣で衆院当選11回の村上誠一郎議員が『平気で嘘をつく「総理の孫」の神経は理解不能/安倍晋三の「再復活」は言語道断』と題した真っ当な文章を書かれていたのには少々驚かされた。小生が知らなかっただけなのだろうが村上氏は自民党員でありながら特定秘密保護法案や安全保障関連法に賛成票を投じなかった硬骨漢。安倍政治の最悪の点を《政治から「道議と正義」を失わせたこと》と書き「森友・加計・桜」問題だけでも《議員辞職に値する》と断言。さらに《官邸による霞が関の人事掌握によって日本が誇る官僚組織を崩壊させたこと》と《内閣人事局の創設》を非難。そして安倍の政治家人事も「お友達」「ライトウィング思想」「側近イエスマン」だけと断罪。菅の日本学術会議会員候補任命拒否も拒否された6名がいずれも「特定秘密保護法」「集団的自衛権」「共謀罪」に反対した人物であることを指摘し《安倍氏や菅氏がその6名の学者の論文を精読したかと言えば読んだこともないと思います》と斬り捨たうえ《憲法を軽視する総理による「学問の自由」と「表現の自由」の侵害》と断定。さらにアベノミクスも《金融緩和によって官製相場を作った結果株価は上がり一見経済は順調》に見えるが《金融緩和の出口戦略や財政再建がますます遠ざかってしまいました》と批判。《間違ったことを認めるわけにはいきません》と書くこういう人がマスコミに出てきてほしいものですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。晩飯はテレ朝の『博士ちゃん』で工事用重機にメッチャ詳しい小3の博士ちゃんの「意見」を楽しみながら。NHK『ブラタモリ』で松本城を案内してもらって風呂の後はエリザベス・テイラーとモンゴメリークリフト主演の映画『陽の当たる場所』。貧しい家に育った青年が富豪の親戚に助けられ出世。貧しい初恋の女性と良家の美人という2人の女性との間に挟まれて殺人事件に。監督は『シェーン』や『ジャイアンツ』のジョージ・スティーヴンス。1951年の作品。日本映画の『狂った果実』なんかもこの映画の系譜かな?今日は9・11。20年前の1か月後にグラウンド・ゼロに立ったときの凄まじい光景と靴の底に感じた熱は今も忘れられない。
9月12日(日)
オリバー・ストーンの『アメリカ史』はいよいよブッシュが僅差でゴアに勝って大統領に。チェイニー副大統領とのネオコン体制のもとで9・11を経て「テロとの戦い」へ。すべてはアメリカの独善的傲慢さが生んだ一人芝居と言えなくもない。嗚呼。クリントン時代のオルブライト国務長官も《我々が武力行使をするとすればそれは我々がアメリカだからだ》と言ったらしい。凄い傲慢さですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ブッシュがゴアに選挙で勝った頃に新庄選手が大リーグでチョイと活躍。オールスター戦に出られるかと騒がれた。そのときTV局で出逢ったデーブ・スペクターさんに「日本からもオールスター投票ができるのに何で日本人はやらないの?」と訊かれたので「大統領選挙の票すらキチンと数えられない国の選挙に投票しても数えてもらえないでしょう」と答えると彼も笑って「そうだね」と言っていた。ワン。終日デスクワーク。東京新聞日曜版の数独が2種類とも解けて嬉しい。人間の気分はこの程度で明るくもなるのですね。今日から大相撲。白鵬はコロナ相撲協会公認の公休で延命?照ノ富士の土俵入り。良いですね。相撲はオモシロイ。『ダーウィンが来た!』で秋の虫の鳴き声を聞きながら晩飯。『日曜美術館』で人形作家のナカナカ素晴らしい女性の人形を見せてもらう。人形は異界と現世を結ぶのですね。その素晴らしい人形を富士山の麓で燃やしてしまう。そう言えばジャズ・ピアニストの山下洋輔さんはピアノを燃やして火まみれのなか防火服を着てそのピアノを弾きまくりましたね。それらの火に較べるとオリンピックの聖火にはさほどの威力や魔力は感じられませんでしたね。『クラシック音楽館』のブルックナーはパスしてベッドへ。オリバー・ストーンの『アメリカ史』読み続ける。いよいよアメリカの育てたビンラディンとイスラム原理主義者が9・11を決行。嗚呼因果は巡る。そう言えばNHKで9・11の遺族が事件を起こした犯人とサウジアラビアの関係の調査記録の開示を求める裁判のドキュメンタリーをやってましたね。どの国も権力者は自分たちの都合で動くのですね。アメリカにも「海苔弁」があるんや。
9月13日(月)
9・11の《同時多発テロは本来防げたはずのものであり防がなければならなった》とオリバー・ストーンの『アメリカ史』にははっきりと書かれてますね。《とんでもないことが起きるというアルカイダ内部の通信文が傍受され(略)FBIの調査官からは旅客機の操縦を学びたがるにもかかわらず着陸の方法にはまるで関心を示さない不審な人物が何人かいることが報告された。CIA長官のテネットは8月に「飛び方を学ぶイスラム過激派たち」と題された報告資料を受け取っている(略・テネットは)半狂乱になってワシントン中を走り回って(略)何とかそのことにブッシュ大統領の関心を向けさせようとした》そして《「ビンラディンが大きな攻撃を計画中」「同時多発的な作戦を計画中のビンラディン」(略)といった見出しのつけられた報告書が諜報機関から出され脅威の存在を知らせてい》たのだ。《ブッシュが8月6日にテキサス州クロフォードにある自身の牧場で受け取った日例報告書には「ビンラディンがアメリカ攻撃を決意」と見出しが付いていた》が《この時もブッシュは興味を持たず(略)「わかったよ。これで万一何かあっても君たちは言い訳が立つってことだな」と言った》という。そしてブッシュもチェイニーもラムズフェルドもウォルフォッツもライスも誰もが報告を受けていたのに《知らなかった》と言って《二つのイスラム教国(アフガンとイラク)を相手に戦争を始めるのだ。この戦争はオサマ・ビンラディンをはるかに超える損害をアメリカに与えることになる。そして彼らはアメリカ合衆国憲法や戦争捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約をも蔑ろにし始めるのである》嗚呼。《アルカイダに攻撃されたからといってイラクを爆撃するのは日本が真珠湾を攻撃したからといってメキシコに侵攻するようなものですよ》と箴言するパウウェルやクラークのような人物もホワイトハウスにはいたのだが…ブッシュと石油利権を目指すネオコンたちはイラク攻撃へと走ったわけですね…嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと夕方までデスクワーク。コンピュータの「掃除」は部屋の掃除よりもハードですね(>_<)
9月13日(月)つづき
夕方から『ニューズ・オプエド』アンカー出演。今日のゲストは新刊『亡国のオリンピック』を上梓された後藤逸郎さんと一橋大学大学院社会学研究科教授の坂上康博さん。坂上さんは後藤さんの著書にも対談で登場されて「今回の東京五輪は大手新聞社が大会スポンサーになりました」と言う後藤さんに対して「これで日本も終わりだなと思いました」と至極真っ当なことを口にされている人物。小生は『権力装置としてのスポーツ 帝国日本の国家戦略』(講談社叢書メチエ)『スポーツの世界史』(一色出版)『海を渡った柔術と柔道 日本武道のダイナミズム』(青弓社)などの坂上氏の著書で勉強させてもらった立場。後藤さんの著書での対談でも凄いことをいっぱい発言されていて例えば…《1952年(戦後日本がサンフランシスコ条約で独立した年)以降で計算して58年4か月実に84%にあたる期間を(日本は)オリンピックの誘致運動あるいは開催に向けての準備に費やしています》これは驚くべきことで坂上さんに言わせるとスポーツが日本では「大切なもの」「文化」として捉えられていない証拠と言える。だからオリンピックという「外圧」や国民体育大会というイベントがないとスポーツ施設などが造られないわけですね。その他東京五輪の予算の驚異的肥大化などについて後藤さんも交えていろいろ話し合う。勉強になったけ東京オリンピックの総費用はおよそ4兆円。無観客開催でチケットの売り上げも見込めなくなり膨大な赤字のツケの1人あたりの税負担は東京都民が「10万3929円」4人家族なら1世帯およそ42万円(週刊ポストより)という試算もある。「全てを隠さず公開してこそレガシー」と後藤さんの言うとおり長野五輪の時のように隠すことだけはやめてほしいですね。『オプエド』は14日(火)の5時頃まで見ることができます。https://op-ed.jp/
9月14日(火)
ブッシュ大統領周辺の石油会社関係のネオコンがイラクに狙いを定めたのは1970年代以来のこととオリバー・ストーンは『もうひとつのアメリカ史』に書いている。そして《防げたはずの》情報があった9・11同時テロの後待ってましたとばかりにイラクに侵攻。大量破壊兵器が存在し《銃口からの煙が(略)いつキノコ雲になるかも知れない》と言うブッシュの《真っ赤な嘘》で《大統領は何千人ものアメリカ人と数えきれないほどの無辜のイラク人を死に追いやった》という。嗚呼。そもそも9・11でイラクへ侵攻したのは《真珠湾攻撃のあとメキシコへ攻め込むようなもの》と言った人までいる。嗚呼。権力者の政治は恐ろしい。サダム・フセインにも《ダークサイド(暗黒面)》はあっただろうけどホワイトハウスの《ダークサイド》も相当なものですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。終日デスクワーク。石破氏は河野支持のようですね。野党に政権運営能力が欠けているなら自民党のなかからはっきりと「敵は本能寺にあり!」とはっきりと叫ぶ人が出てきてほしいものですね。久し振りに大相撲を見る。長野県飯山出身の山本敦久さんから奥信濃の銘酒『水尾』が届く。お米の味が美味しいお酒は大相撲にピッタリですね。貴景勝はチョット辛いですねえ。照ノ富士は強いなぁ。あ。国技館は飲食禁止か。それは辛いですねぇ。酒なくて何の己が大相撲。野球場もビール禁止。球場の観客はけっこう密に見えますけどね。だからビールは駄目なのかな?感染者数は理由わからず減少。コロナ対策に専念するため総裁選を諦めた総理は何をしてるのかな?
9月15日(水)
9・11以後アメリカはすぐにイラクに侵攻したが北朝鮮がいくらミサイルを飛ばして核実験を繰り返してもアメリカが侵攻作戦を展開しなかったのは《北朝鮮には世界2位の石油埋蔵量がないからだった》とオリバー・ストーンの『アメリカ史』は語っている。だったら北朝鮮で大量のレアメタルの鉱脈が発見されればアメリカはどうするんでしょうねぇ?国際政治もすべてはカネで動く?ならばアメリカは9・11以後大失敗をしてしまったのですね。何しろ《アルカイダが9・11テロで50万ドルを使った結果アメリカは1兆ドルを超える「財政赤字」を抱え込むハメになった》わけですあれね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。?(ツクツクボウシ)はまだ鳴いてるけど夏も残暑も消えてなくなったようですね。ワン。終日スポーツジャーナリズムについてキイボードを動かす。午後になってその指が止まったのはかつて一緒にクラシック音楽の指揮者の本を書いた平林直哉さんから新刊が送られてきたから。『クラシックの深淵』(青弓社)読み出したら面白くて止まらなくなった。彼が現在オープンリールのテープに残されたフルトヴェングラーやトスカニーニやクナッパーツブッシュやワルターなどの名演を次々とCD化していることの苦労話も出ている。小生が解説を書いているバーンスタインのショスタコーヴィチの『交響曲第5番』のCDも紹介されている。あ。来週の25日(土)には小生は名古屋の栄中日文化センターで久し振りにオペラ講座を行います。コロナ禍で休み休み行っている単発講座で今回は「ロッシーニの魅力」。モーツァルトが創出したオペラ・ブッファ(喜劇)の人間世界(神々や英雄の世界ではない普通の人間の泣き笑いドラマ)をロッシーニが面白おかしく大発展させたことを解説し珍しい舞台や演奏のビデオも見てもらいます(蔵出しコラム音楽編を見てください)と久し振りに宣伝させていただきました。よろしく!あ!貴景勝やっと勝ちましたね。しかしこの先心配やなぁ(>_<)押し相撲は若さと勢い。彼のような力士が技巧派に変身するのは難しいですからね…。
9月16日(木)
朝起きてRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。後藤逸郎さんの新刊『亡国の東京オリンピック』を紹介してそのなかの対談での坂上康博さんの発言を解説。日本は1952年以降の戦後の84パーセントに及ぶ期間をオリンピックの招致は開催準備や開催に費やしてきたという話。このオリンピック中毒とも五輪依存症とも言える日本のスポーツ政策の無策と貧困さとスポーツがそれ自体「文化」として認知されていない実情はいろんな場所(メディア)で何度も取りあげたいですね。2030年の札幌冬季五輪に向けてもう動き出してるのかな?ラジオのあと黒兵衛と散歩。そして帰宅して京都新聞の東京五輪総括記事に関する取材をZOOMで受ける。
9月16日(木)つづき
この日の大相撲は英乃海が琴恵光に「後ろもたれ」宇良が大栄翔に「送り吊り出し」と珍しい決まり手で勝った。どれも見ていなかったのでネットで拝見。うむ。大相撲面白いですね。霧馬山は照ノ富士に負けたけど期待できる取り口でしたね。夜風呂の後にNHK-BSプレミアムで20世紀最大の魔術師アレイスター・クロウリーの特集をしていた。小生は黒魔術とか錬金術とかサバトとかけっこう好きなんですよね。澁澤龍彦の影響かな?最近は全然その手の本を読んでないけど近代科学を完全に凌駕して天使や悪魔を呼んで会話したというた大天才クロウリーと久し振りに出逢えて楽しかったです(^o^)まぁウソもハッタリもここまでやれば凄いですよね。そう言えば昔ビルをたくさん建てすぎて島の南端から沈下して意味に水没し始めたニューヨークのマンハッタン島を中央で切断して南半分を沖合に引っ張り出して180度回転させ元に戻してくっつけると豪語して多額のカネを集めた詐欺師がいたそうだけど(世界詐欺師列伝とかいう本に書いてありました)魔術師クロウリーもけっこうハッタリで金集めしてるんですよね。最近の詐欺も魔術も投資だの高配当高金利だのちっちゃくなりましたねえ。オモロナイナァ。
9月17日(金)
オリバー・ストーンはブッシュ&チェイニー&ネオコンの最悪のアメリカ政権の後を引き継いだオバマにも厳しい目を向ける。改革派革新派アメリカ史上初のアフリカ系大統領と期待されながら結局はウォール・ストリートから多額の選挙資金を受け取ったブッシュの後継者に過ぎなかったのですね。広島にも来て演説でノーベル平和賞ももらったけどアイゼンハワーが警鐘を鳴らして以来の軍産複合体による軍備拡張路線も継承。結局オバマ・ケア(皆保険制度)も何もできなかった。バイデンはどうする?いや河野岸田野田の行く末(変節)が心配。高市の行く末はわかってますけどね。紅旗西戎不有我事…と言いたくもなりますね。ベッドを出て黒兵衛と散歩。颱風の影響はマダマダの様子。散歩のあと鎌倉へ。江ノ電に乗って3か月に1度の定期検診。特に異常なし。掛かり付けの面白い先生といろいろ話す。コロナ患者の減少と第5派の終息は明らかに「新型コロナの旧型」に対する集団免疫ができたから…カモね?「新型コロナの変異株による新型」お感染の波はまた来るらしい。それを繰り返すうちに治療薬が生まれてインフルエンザ並みの病気に終息して結局大手製薬会社だけが大儲け?そう言えばオリバー・ストーンの『アメリカ史』にも《長年共和党を支持してきた製薬会社(いわゆる「ビッグ・ファーマ」)もオバマの対抗馬の共和党のマケインに提供した額の三倍をオバマに寄付した》と書いてありましたね。病院を出て江ノ電から見える江ノ島近辺の海では颱風の波を歓迎して集まったサーファーが大勢。しかしコロナ前にこのあたりに山ほど集まっていた中国人観光客は皆無のままですね。大船駅で郵便局やヤマダ電機で雑用をこなして帰宅。スポーツジャーナリズム論を纏めるデスクワークのあと晩飯はBS-TBSのちあきなおみと共に。彼女が淡谷のり子の前で淡谷のり子の役柄を演じていたのは知らなかった。ブルースの女王が戦時中に服部良一の作曲した暗く重苦しい見事なブルースを歌い続けていたのは反戦歌としてだったのですね。そう言えば日本のブルースは都々逸であると平岡正明が『大歌謡論』(筑摩書房)に書いていましたね。?窓を開ければ・港が見える・メリケン波止場に・灯が点る…なるほど七七七五ですね。
9月18日(土)
オリバー・ストーンの『アメリカ(の現代)史』を読んでいるとアフガニスタンから撤退したバイデン・アメリカの問題点が見えてくる。早い話がパキスタンとアフガニスタンは中国に渡してもイイけどインド・オーストラリア・日本・イギリスそしてアメリカは台湾を守るぞということですね。そして裏ではタリバン支援を再開して以前ソ連を困らせたように今度は中国を困らせるのか?嗚呼不可解。ワン。黒兵衛と散歩のあとはデスクワーク&いろいろ雑務をこなして夕方からは平尾誠治さんが20年前に始めたSCIX(Sports Community & Intelligence Complex)の「第15回SCIXスポーツ・インテリジェンス講座」の準備。今朝の朝日新聞朝刊に養老孟司さんが書いていた「システムから見た五輪」を読み直したりボイコフ『オリンピックを反対する側の論理』や後藤逸郎『亡国の東京オリンピック』をチェックし直し。養老氏が《義足の走者が通常の走者の記録を超す日をAI(人工知能)でいうシンギュラリティと考え(略)歴史的エポック》と書いておられたのはオリンピック(健常者の競技大会)はパラリンピック(すべての人間が出場できる競技大会の一部門=健常者部門になるべき)と間和え始めた小生にとっては完全に納得ですね。シンギュラリティはAIが人間の能力を超える時点のことでブレードランナー(義足走者)その他の障碍者の記録が健常者を上回るとき健常者は義足等を付けることのできないハンディキャッパーになるのですからね。いろいろメモを整えて午後7時からインテリジェンス講座。司会は元神戸製鋼のラガーマンで元神戸親和女子大教授の平尾剛さん。『オプエド』にも何度も出演してもらった気の合う人物と進行役の立場を変えて『東京2020オリパラの総括』を主題にZOOMで約100人の聴衆を相手に楽しく話すこと約90分。質疑応答にもいろいろ答えてちょっと疲れたけど日本のスポーツ界の最大の問題点(メデイアがジャーナリズムを放棄してスポーツの主催者運営者協力者になっていること)も詳しく話して満足のいく対話集会でした。終わって食事は久し振りに遊びに来ていた長女を交えていろいろオペラを観ながら。ワイン大量消費。たまにはイイでしょ。http://www.scix.org/activity/sportsintelligence/
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『地獄に堕ちた勇者ども』 ユダヤ人大虐殺の水晶の夜と突撃隊粛正の夜には『トリスタンとイゾルデ』が歌われたのでしょうか?
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9月19日(日)
バイデン大統領はオバマ大統領の副大統領時代の2011年にアフガニスタンでの戦争の無意味さを理解して米軍の撤退を唱えていたのですね。しかし《オバマはキューバ・ミサイル危機のあとにジョン・F・ケネディが示したような勇気も誠実さも持ち合わせていなかった。彼は3万人の兵力増強を決め軍の指導者たちが望んでいたものをほぼすべて与えるという彼らの期待以上の答えを出した》のですね。これは《第二次大戦でヒトラー政権が倒れベルリンが火の海になった後もイタリアがドイツの同盟国だったからというただそれだけの理由でイタリアと戦い続けるようなもの》と言ったTVの解説者がいるような不条理極まる戦いを今年まで続けてようやく大混乱のなか米軍は撤退しタリバン復活となったのですね。嗚呼。オリバー・ストーンとピーター・カズニックの語る『アメリカ史』は納得ずくめですね。ワン。ベッドから出て昨晩我が家に泊まった長女とヨメハンと黒兵衛と朝の散歩。黒兵衛のリードを持たないと引っ張ってくれないから坂道が辛い。トホホ。足腰を鍛え直さねば。ワン。終日デスクワークのあと晩飯映画劇場は長女の持ってきた『手紙は憶えている』。アウシュヴィッツで家族を殺されたと信じていた認知症のユダヤ人の年寄りがナチスのアウシュヴィッツの係官を探し出して殺すための旅を始める。サスペンス仕立てのナカナカ面白い映画。最後に大どんでん返しとなるがその直前に老人がピアノでワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』の最後のアリア「イゾルデの愛の死」を弾くことでこのユダヤ人が実はナチスだったことが判る。ヴィスコンティの映画『地獄に堕ちた勇者ども』でもユダヤ人大虐殺の水晶の夜には突撃隊の一員がこの歌を歌いましたからね。自分をユダヤ人の被害者だと思っていた認知症の老人が実はユダヤ人に化けて生き延びたナチスだった…という2015年のドイツ・カナダ合作映画。ホロコーストの悲劇は何度も繰り返し描かれるのですね。それをギャグにした経験のある演出家を五輪の開会式に起用したのは赦されないことでしょうがIOC内部にも過去にヒトラー・ナチス礼賛者のIOC会長が存在したことをIOCは認めて反省するべきでしょうね。
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『アウトブレイク』 正体不明のアフリカ経由の感染症ウイルスは細菌兵器研究の…それが市中に広まって正義感溢れる医者が…というハリウッド映画
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9月20日(月)
『オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史3帝国の緩やかな黄昏』読了。レーガン・ブッシュ父子・クリントン・オバマによるアメリカ帝国軍国主義拡大の現代史はテロとの戦いの失敗とイラクからの撤退と中国の台頭とインド太平洋へのシフトチェンジ開始の2011年まで。そして最後はゴルバチョフの警鐘で絞められている。彼はアメリカ(オバマ政権)に《世界不況を引き起こし世界の貧富の格差を永続させるような無制限の自由市場政策をやめるよう求めた。そしてアメリカはもはや世界中の国々に指図できる立場にはないと警告した。「アメリカはなすべきことを示してくれる指導者なのだと考えることに誰もが慣れきっている。だがそのような時代は既に終わっているのだ」そしてオリバー・ストーンは『タイム』誌の2011年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に「プロテスター(抗議者)」が選ばれたことを高く評価する。アラブの春・ウォールストリートへのデモと占拠・ウィキリークスの暴露・中国での腐敗役人への抗議・ヨーロッパ諸国の経済政策への民衆の反発…そして日本の福島原発事故後の政府と電力会社への怒り…少々過大評価かとも思うが…それから10年経ったコロナの中の世界を考える出発点としての歴史書としては秀逸な作品ですね。自民党総裁選と衆院選のもっと「奥」にある現代史の流れを忘れないようにしたいですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昼飯のあとNHK-BSでダスティン・ホフマン&ルネ・ロッソ&モーガン・フリーマン&ドナルド・サザーランドなどが出ている映画『アウトブレイク』をやっていたので見てしまう。アフリカの小さな猿から持ち込まれたウイルスがアメリカのある町で広がってそのウイルスが米軍の細菌兵器の開発関係があったこともあり感染拡大と機密保持のため町を破壊して全住民を抹殺しようとする軍とそれを阻止しようとする軍のウイルス研究者の戦い。ハリウッド映画的にヘリコプターによる空中チェイスや軍の命令に刃向かう正義感溢れる研究者が離婚に悩んでいるなどアメリカン・ハリウッド・ムービー的要素満載でコロナ禍のなかで何の参考にもならなかったが面白かった。いや新型コロナも軍や細菌兵器と関係あり?監督のヴォルフガング・ペーターゼンは『Uボート』や『ネバー・エンディング・ストーリー』も撮ってるんですね。大相撲は豊昇竜の一本背負いが見事!大栄翔が照ノ富士を破った一番も見事に理に叶った作戦が奏功して完璧でしたね。
9月21日(火)
『オリバー・ストーンが語るアメリカ史』はやはり全巻読み直すべきと判断。『2つの世界大戦と原爆投下』と題した第1巻の再読開始。アメリカは《イギリスからの最初の入植者がバージニアに到着し西へと移動を始めたときから帝国主義の国家であり他を征服する国だった》とイェール大学の歴史学者が書いている。しかも《大量虐殺を辞さないほどの貪欲さで他者の土地や資源を手に入れようとしながらその行為は断じて私利私欲のためではないとされ自由進歩文明化の推進という崇高な動機によるものとの美名を常にまとってきた》なるほど。オリンピックは世界平和のためであり金儲けのためではないというのと似てますね。また『ウォールストリート・ジャーナル』誌のマックス・ブート編集長は《1803年のルイジアナ購入を皮切りに西へと領土を広げたことも19世紀の終わりに海外へ進出してプエルトリコ・フィリピン・ハワイ・アラスカを獲得したことも(略)近年ではソマリア・ボスニア・コソボ・イラク・アフガニスタンで「国家建設」を試みているがこれも名前を変えた帝国主義にほかならない》と指摘。《ただしブートは左派の批評家とは違ってアメリカの拡張主義的な政策を批判しているのではない。拍手喝采しているのだ。「アメリカ帝国主義は20世紀の世界に善きことをもたらす最大の原動力になった」とブートは記している》ナルホドこれがアメリカの支配層(ウォールストリート)の「常識」かも知れませんね。嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。落ち葉踏み秋風嬉し身は軽し。御粗末。デスクワークは『北國新聞』連載「スポーツを考える」執筆。日本のスポーツ政策が五輪が存在しないと前進しない「惨状」であることを書く。本当ならスポーツは豊かな人間生活に欠かせない文化財として税金を使って育てる価値のある存在のはずですが日本では企業やマスメディアが事業として利用しているので五輪でないと公金を使えないのですね。それを指摘すべきメディアもスポーツを事業として利用してますからね。スポーツ・ジャーナリズムが存在しないのに自称スポーツ・ジャーナリストが存在するのはオカシイですね。晩飯は映画『スターリンの葬送協奏曲』を見ながら。クレムリンの権力闘争をパロってブラックジョークで笑い飛ばした抱腹絶倒映画。フルシチョフがマレンコフなどを利用して権力を…しかしそのフルシチョフも…2度目だけど面白かった。本当は笑えない死と背中合わせの権力闘争なんですけどね。自民党の権力争いはこれほど熾烈でもない?
9月22日(水)
『オリバー・ストーンが語るアメリカ史@』を読めばアメリカ帝国主義が米西戦争によって獲得したフィリピン独立を妨げた頃から露骨に牙を剥くのですね。《フィリピンの民衆はアメリカに抗う抵抗軍を全面的に支持し食料や隠れ家を提供した。アメリカ人のなかにはアメリカ先住民との戦いで磨きあげた戦法を用いる者もいてアメリカ側の応戦は残忍きわまりないものとなる》ただ…残忍きわまりないアメリカの攻撃を受けたあとフィリピンはアメリカの友好国となる。原子爆弾を落とされた日本も枯葉剤を撒かれたヴェトナムも。その理由を改めて知りたいので読み進んでみましょう。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。季候が良くなったからか(酷暑が消えたからか)犬の散歩をする人が多くなった。もう10歳にもなったのに黒兵衛はよその犬と遊びたがって困る。ワン。ま。社交的な性格は良しとするか。ワン。デスクワークは昨日送稿した連載原稿の校正やらスポーツ・ジャーナリズム論の執筆やら。大相撲は高安が照ノ富士に長い相撲で粘ったけど結局は土俵の外にたたき落とされた。そういえば今場所は一本背負いや送り吊り出しなど珍しい技が出ているけど最近の相撲から「水入り」が消えましたね。「二番後取り直し」も消えたかな?そういえばそもそも「取り直し」が少なくなりましたね。ビデオ判定の結果かな?スポーツのビデオ判定は「スポーツにおける力の差」を「正しく判定する」ように見えながら実際は「力(勝利)に対する欲望」を掻き立てるばかりで「力の制御」や「勝敗に対する鷹揚な態度」を認めなくなるばかりでスポーツから人間性を排除する世界(弱肉強食を肯定する近代合理主義社会)を強調する方向に動いてるようですね。そう言えば昨日一橋大の坂上康博先生から『剣道の未来 人口増加と新たな飛躍のための提案』(左分右武堂)という本が送られてきて江戸時代の剣術は(現在のような)一本勝負や三本勝負でなく七本勝負や十本勝負で戦っていたという。刀で斬られたらオシマイだから一本勝負が本道…というのは近代日本の「理屈」らしい。そもそも戦国時代の戦いは槍や鉄砲が主流でそれ以前も弓や槍。日本刀は戦いの主流ではなかったらしい…といったことの書かれてるこの本は面白いですよ。受動や剣道などの武道の競技人口が文科省の武道必修化(2008年以後・2012年から完全実施)後に激減しているということも書かれている。お国のやることは机上の空論?コロナもウイルスが自壊しているだけ?晩飯はバーンスタインのミュージカル『オン・ザ・タウン』を見ながら。この最高に素晴らしい演奏と映像についてはまた改めて書きましょう。
9月23日(木)
ベッドのなかで再読しているオリバー・ストーンの『アメリカ史』は面白すぎると言えば語弊があるだろうけど興味深い事実が満載。アメリカは中米のニカラグアやパナマで日本が満洲を建国したのと同じような無茶をしてたんですね。だから今中米からメキシコを経てアメリカへの不法入国者が来るのも必然かもしれませんね。それに第一次大戦の時はドイツ憎しの世論を盛りあげるためにハンバーガー(ハンブルガー)をリバティ・サンドイッチ/ザワークラウトをリバティ・キャベツ/ジャーマン・シェパードをポリス・ドッグなどと呼ぶようにしたのですね。最近フランスがアメリカのイラン侵攻に反対したときフレンチ・フライをフリーダム・フライト呼んだことも昔からのアメリカの阿呆臭い「伝統」なのですね。ワン。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。大相撲から「水入り」がなくなった話。「取り直し」も「二番後取り直し」も見てみたいですよね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。夏の暑さがぶり返したかな。ワン。週末のオペラ講座の準備をしながら午後はスポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン(SPJ)のZOOM会議。第1回から審査員をしている学生のスポーツ企画提案イベントも今年で11回目。だからというわけでもないだろうけど明治大・一橋大・神奈川大の諸先生や笹川スポーツ財団の方による企画会議から「玉木正之賞(仮称)」の設置を提案された。いつも審査員会議で実現不可能でももっと大胆でダイナミックな企画の提案がほしいと言い続けたことと毎回最優秀賞の大学ゼミに『ニューズ・オプエド』で再発表の場を与えて出演してもらったことで今年からそのような賞を…と提案された。メッチャ嬉しい名誉なことだけど小生の名前を冠するのは烏滸がましいので名称は変えることにして小生もスポンサーがらみの新たな提案があるのでその企画を進めることを承認してもらって会議終了。SPJは大学生にとっても素晴らしい企画なのでさらに発展する内容にしたいですからね。晩飯は週末のオペラ講座の準備としてロッシーニの『アルジェのイタリア娘』『チェネレントラ(シンデレラ)』『セヴィリャの理髪師』などを楽しみながら。ノーベル賞作家のダリオ・フォーのオペラ演出は素晴らしいですね。
9月24日(金)
昨日書き忘れ…というどのものでもないけど明星が照ノ富士に勝った一番は見事でしたね。大栄翔が照ノ富士を破った一番も見事だったけどどちらも理に叶った取り口で相撲という格闘技の合理性を表して「小よく大を制す」という言葉が絵空事ではないことを証明しましたね。柔道でもこういう取り口を見たいものですが現在の国際ルールでは無理かな?柔術なら可能かな?韓国のポップグループが国連の会議場で歌をうたったらしいけど同じ場所で最初に音楽の講演をしたのがカタロニア出身のチェリストのパブロ・カザルスであることを思い出すと知的レベルの低下は世界的なのかな?などとフト思ってしまうのは単に小生がKポップを知らないだけでしょうか?カザルスはその後ケネディ大統領のホワイトハウスでもコンサートを行いましたね。そういった催しを念頭に置いて国会の議場でもコンサートをやろうと言い出したのは民主党議員時代の江本孟紀さんでした。議長席は取り外せるのでそこを舞台にして大臣席にオーケストラを入れてオペラのガラ・コンサートをやればイイと彼は言ってました。江本さんはワーグナー『タンホイザー』のアリア「夕星の歌」やナポリ民謡をドイツ語やイタリア語で歌える人物でしたからね。「でも日独伊になるからオペラはマズイかな?」と笑って言ってたのが原因ではないでしょうが実現はしませんでしたね。残念ながら。一日書き忘れたのでチョイと雑談でした。
9月25日(土)
朝少々早めに起きてベッドから早めに出て早めに黒兵衛と散歩してイロイロ準備して新幹線で名古屋へ。久し振りの新幹線。たっぷり読書と思ったら朝早かったので爆睡してしまった。栄中日文化センターで久し振りにオペラ講座。テーマはロッシーニのドタバタ喜劇。要するに吉本新喜劇のようなもの。モーツァルトが『フィガロの結婚』などで確立したオペラ・ブッファ(喜歌劇)の世界を極限までエスカレート。『アルジェのイタリア女』『チェネレントラ(シンデレラ)』『セヴィリャの理髪師』などの名演奏と名舞台でオケと歌手に究極の技術と極限の技巧を求めた早口言葉のアリアやロッシーニ・クレッシェンドと呼ばれる音楽を楽しむ。それにしても理屈がなく技術と技巧満載の喜劇ってイイですね。人間が感動するのは結局素晴らしい表現でソレは高度な技術によってもたらされるものですからね。かつて歌手の藤山一郎はこう言いました。「ハート(心)で歌うと言う歌手がいる。それは技術がないからだ」イイ言葉ですね。20名ほどの受講者の皆さんにもロッシーニの魅力を楽しんでもらって新幹線で帰鎌。ビール呑みながらオリバー・ストーン『アメリカ史』読み耽る。そうか。第一次世界大戦の真の勝者はアメリカと日本という見方もできるのですね。そして両者は第二次大戦で激突。その勝者のアメリカとソ連は冷戦で激突してアメリカの勝利。そして次は中国と…?
9月26日(日)
「現在」を理解するためには絶対に「過去」を知る必要があることをオリバー・ストーンの『アメリカ史』で再認識。第二次大戦前アメリカ企業はナチス・ドイツ相手に飛行機や船を売っていたしマッカーサー将軍は軍装備品のトルコなどへの販売で「やり手のセールスマン」と評価されていたのですね。中国相手に現在のアメリカ軍産複合体企業は何を目論んでいるのかな?ただそーゆーことを議会で暴露するのもアメリカなんですね。日本にそれができるか?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。すっかり秋ですね。日曜ではあるけれど笹川スポーツ財団の担当者とSPJ(スポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン)についての電話打ち合わせやノーボーダーの上杉隆さんと電話打ち合わせ等々。SPJも11年目を迎えてチョイと飛躍を考えたいですね。夕方からは大相撲千秋楽を楽しむ。妙義龍は相手が悪かったですね。7勝7敗新関脇の明星が相手ではチョイと勝てないかな。結局照ノ富士の優勝。大関陣の奮起を期待ですね。晩飯はリセウ歌劇場のロッシーニ『ランスへの旅』を見ながら。昨日のオペラ講座で取りあげなかった演目だけどメッチャ面白いオペラとして取りあげれば良かったと後悔…先に立たず(>_<)風呂のあとNHK-Eテレで京都花街の舞妓さんや芸妓さんたちによる日本舞踊を楽しむ。コロナ禍で活動が狭まるなか祇園甲部・乙部・宮川町・上七軒・先斗町で合同催しを行ったのですね。今は甲部乙部と言わないらしいけど私は乙部という乙な名前が好きですね。吉井勇の「かにかくに祇園は恋し寝るときも枕の下を水が流るる」も乙部の白河の流れを歌ったものですからね。以前祇園の舞妓見習いが集団脱走したときにそれを取りあげたニュースで某ジャーナリストが舞妓よりも街並みを残すことが大事と馬鹿なことを言ったことがあった。ソフトウェアを否定してハーウェアだけ守るのはハコモノ行政で文化とは言えませんよね。きっとそのジャーナリストとは何も知らずに舞妓と酌婦をごっちゃにしていたんでしょうね。吉井勇や谷崎潤一郎のエッセイでも読んで下さい…と祇園町生まれの男の戯れ言です。
9月27日(月)
オリバー・ストーンの『アメリカ史』はいよいよヒトラーの登場。開戦時のナチス・ドイツとアメリカの様々な企業が結びついていたことには驚かないがヒトラーの反ユダヤ主義の多くがヘンリー・フォードの著書から影響を受けていたことはショックですね。最悪の差別的「優生学」に基づくナチスの弱者の「共生断種政策」もロックフェラーやカーネギーが援助したアメリカの「研究」から学んだとヒトラーが「わが闘争」のなかで書いているらしい。国家や政治の世界は「善い人」と「悪い人」に分けるのは不可能なんですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。秋の涼しさという以上に肌寒い朝。歩いてからだが暖まるとそよ風が気持ちイイですね。『オプエド』の準備でちょっとしたトラブル発生。今日のゲストはパラスポーツライターの星野恭子さんとパラリンピック閉会式のコンセプトを組み立てた「ゆるスポーツ」の澤田智洋さんで東京パラリンピックの総括…と思っていたところが小生が早とちりしてしまって7月に誕生した次男の世話のために15分か20分しか出られないという澤田さんを15分か20分抜けると誤解して少々大騒ぎ。大リーグ評論家の福島良一さんに急遽前半の出演をお願いして大谷の死球攻めとホームラン王&MVPの可能性などを話してもらうことにする。相撲ジャーナリストの荒井太郎さんにも白鵬引退について情報をもらってパラリンピック特集は後半に。大谷はやはりトラウトの欠場が一番マイナス要因になったとか。エンゼルスから強打者が次々と消えて大谷一人になったため敬遠が多くなったわけだけどこれからの試合は優勝争いと無関係のチームが相手。大谷も勝負されるはずとか。パラリンピックの閉会式はオリンピック的ユニバーサルな世界(より高くより早くより強くの一つの価値観の世界)でなくマルチヴァース(多元宇宙=価値観の多様な世界)を狙った…という澤田さんの話は勉強になった。オリンピックとパラリンピックは将来的の融合すべきという意見でも星野さんも澤田さんも小生も一致。そのときはパラリンピックの身障者の分類のなかに献上が加わるのが自然でオリンピックがパラリンピックに参加する形がイイと言う小生の意見に澤田さんも賛成してくれて彼の視覚障害がある長男が口にした「パラオリンピック」という表現を教えてくださった。素晴らしい!将来はパラオリンピックとなることを目指しましょう!
9月28日(火)
アメリカの歴史にはウンザリさせられることが多い。しかし救いはある。それはウンザリさせられることを暴露し追求する議会やメディアが存在していることだ。中南米に対する帝国主義の植民地的支配ファシズムとウォール街資本の結びつきなどもアメリカの酷い側面だが議会とメディアが追求したのも(追求しきれなかった側面があるとはいえ)事実。翻って日本は?一社一問で追加質問禁止の総理記者会見を受け入れているようなメディアではジャーナリズムとは言えないでしょう。オリンピックのスポンサーになった新聞もスポーツを主催したり所有したりしている新聞もテレビやラジオと結びついている新聞(クロスオーナーシップ)もジャーナリズムとは言えませんね。《新聞なしの政府と政府なしの新聞。いずれかを選択しろと問われれば私は少しも躊躇せずに後者を望むだろう》といったトーマス・ジェファーソンの言葉を今の日本の新聞人(企業人?)たちはどう聞くのかな?その言葉は《新聞があれば(正しい)政府は生まれるが新聞がなければ(間違った)政府がのさばる》という意味ですよね。自民党の総裁選報道=競馬の着順予想のような当選予想はこれでいいの?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。良い季節のなりましたねえ。ワン。少々準備して一橋大や明治大の先生方や笹川スポーツ財団の担当者とスポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン(SPJ)について朝のZOOM打ち合わせ。内容はまだ発表できませんが今年も多くの学生相手に面白いことをイロイロしたいですね。デスクワークのあと晩飯は相変わらず原稿棒読みの菅総理の記者会見を見ながら…は途中で阿呆臭くなって中止。数日前に録画した原田眞人監督・井上靖原作の映画『わが母の記』を見る。役所広司と樹木希林が熱演。とりわけ認知症で徐々にボケていく樹木希林の演技は凄かったですねえ。演技力というより本物の老婆の姿をキチンと表現。その母と胸に一物を抱えてイロイロ軋轢のあった息子を役所広司が受けとめる。豊かな家庭だから可能なこととは言えイイ映画でした。
9月29日(水)
岸田文雄氏が自民党の総裁になった。自民党総裁の立派な机と立派な椅子の背後にある立派な書棚に並んでいる立派な本はいったい何なんだろう?誰か読んだ人がいるのだろうか?いやアレは箱だけか?何やら自民党の本質を示しているような外側だけ立派な書棚と書籍は見ていて虚しいですね。そう言えば?キャーラメル拾たら箱だけ〜…という歌を歌っていた人がいましたね関係ないけど。しかし何であんな誰も読まない高額百科事典のような本を並べてるのかなぁ?その百科事典を自民党本部に売りつけた詐欺師はけっこうやり手ですね。イヤ選挙に何億円もバラ撒く自民党を騙す百科事典詐欺師などそれほどレベルは高くないかな?しかしあんな飾り物の本を御大層に並べてる自民党は中味が空っぽであることを示しているようなもの?新総裁が「文雄」という名で「武雄」でなのだからまず書棚の中味のない本の始末から手をつけるべきでしょうね。そうかと言って野党に政権運営能力があるとも思えないところが辛いですね。何日か前のテレ朝の『モーニングショー』で玉川氏が日本共産党は名前を変えろと迫っていたがソレに対して志位委員長が「共産とはみんなで産み出すという由緒ある名前だから変えない」と反論していた。しかし日本共産党の英語名はJapanese Communist Party。「コミュニスト」という名前が中国と北朝鮮以外の世界で通じるとマダ思ってるのかな?「みんなで産み出す」のならCulture Prtyとでもしたら?…とか黒兵衛と散歩の時も週末のオンライン講演の内容を考えるときもイロイロ頭のなかを巡った一日でした。
9月30日(木)
「正直で真面目な凡人」「善人かもしれないが仕事はだめ」というのは第二次大戦中に死去したルーズベルト大統領に代わって大統領となったトルーマン副大統領に対するイギリスの駐米大使評だとオリバー・ストーンの『アメリカ史』に書かれている。そう言えば日本の政治家に対する外国政治家の評価は報じられないなぁ。原爆開発もヤルタ協定も何も知らなかったトルーマンは「(大統領と)そう呼ばれることにならなければよかった」と言いながらもテヘラン会議からヤルタ会議までの経緯を学び直す。アメリカの政治家でもその程度かと思ってしますなぁ。ベッドから出てRKB毎日放送『インサイト・カルチャー』ZOOM出演。大谷の活躍とホームラン王への期待を話して日本のプロ野球とMLBの違いを話す。それは日本のプロ野球が日本社会にとって必要な「文化」だと認められてないこと。だからアメリカ(欧米)ではプロ・スポーツの施設に税金が投入されるのに日本ではプロ野球に税金が使われることがない。まぁ日本のプロ野球は親会社の所有物の企業野球ですから仕方ないのでしょうけどソレを「文化=カルチャー=みんなで作り上げる作物」にしたほうが良いと主張すべきメディア(ジャーナリズム)が野球(やその他のスポーツ)を自らの所有物にしているのだからどーしょーもないですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。昨日送られてきた『ZAITEN』11月号で東京・中日新聞の望月衣塑子記者が「総裁選報道ばかりで本質を伝えないマスメディアの堕落」という文章を書かれていました。ホント。テレビの総裁選報道は政治的主張の違いなど一切語られず票読みばかりでまるで競馬の予想屋の説明でしたね。それもけっこうハズレていましたね。ワン。いろいろデスクワークのあと晩飯は『映像の世紀プレミアム(15)東京 夢と幻想の1964年』を見直しながら。水不足の危機や道路の大渋滞やゴミだらけの町。そして道路工事の大混乱から新幹線の開通と東京五輪の開幕や女子バレーの大活躍。終わってみれば物価の高騰で悩む主婦。五輪などなかったかのような日常。ナルホド。「夢と幻想」とはそれ以外に表現のしようがないタイトルですね。しかし2020は「夢と幻想」から「幻想」だけになった?
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