ナンヤラカンヤラ
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6月1日(水)
朝少し早く起きて黒兵衛と早めにさっさと散歩。RKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』ZOOMで音声出演は昨日に録音で日本代表サッカーの強化試合の話とSOCCERという言葉の意味(ASSOCIATINの略なんですよね)などを話しておいたのでイロイロ準備して大船駅へ。東海道線で東京駅へ。秋田新幹線に乗って講演会とシンポジウムで秋田へ。秋田は3度目かな?

6月1日(水)つづき
秋田新幹線は盛岡を過ぎて在来線に入ると大曲駅でスイッチバックして先頭と最後尾が逆になるんですよね。オオーットと驚きながらすぐにそうだったそうだったと以前訪れた時のことを思い出して秋田駅着。出迎えの人に案内されて秋田やまどり会の講演会とシンポジウム『スポーツのチカラが秋田を変える』の会場ANAクラウンプラザホテル秋田へ。まずはBリーグのバスケチーム秋田ノーザンハピネッツ社長の水野勇気さん&J2サッカーチーム秋田ブラウブリッツ社長の岩瀬浩介さん&シンポでコーディネーターを務める日本政策投資銀行地域地域調査部課長の桂田隆行さんらと名刺交換&シンポの打ち合わせ。そして最初に50分程度小生が『スポーツと地域活性化』というタイトルで講演。そしてシンポ。ここで詳細は省かしてもらいますがホントに素晴らしいシンポジウムで秋田ノーザンハビネッツとブラウブリッツ秋田を心から応援したくなりました。ホント!秋田はメッチャ頑張ってますよ。講演とシンポを終えて懇親会に出ていると秋田でラグビーのリーグワン入りを目指している秋田ノーザンフレッツラグビークラブの人に挨拶されて「平尾誠二さんは御存知ですか?」と訊かれる。「御存知どころか大友達でしたよ」と答えると彼は生前の平尾氏を講師に招いて講演会をしたがその時彼は「スポーツは体育と違う(もっと深い文化)」「(文化とはカルチャーの訳語で)カルチャーとはみんなで作ること」といったことを話して「これは自分の意見ではなく尊敬する人に教えられた」と言われたうえ「今日同じ内容を話されたのでひょっとして…」と言われて心の底から嬉しかったけど出そうになる涙を堪えるのがしんどかった。美味しい日本酒と稲庭うどんに舌鼓打ちながらいろいろな人と楽しく懇親会を過ごして二次会は遠慮させていただいて部屋に帰ってベッドでバタングー(-_-)zzzZZZZZZZZZZZ

BOOK
ジョージ・オーウェル『動物農場』ハヤカワepi文庫
ジョージ・オーウェル『動物農場』ハヤカワepi文庫
大学受験時代には英語で読みました。意味がわかるようになったのは10年後くらいかな

6月2日(木)
秋田のホテルで爆睡後目覚める。気持ちのイイ朝。シャワーを浴びて身体洗って久し振りにホテルのバイキング朝食を味わったあと徒歩1分少々のJR秋田駅へ。4時間の長旅は秋田への往路から読み始めたオルダス・ハクスリーのディストピア小説『すばらしい新世界』(光文社古典心開く文庫)があるのでまったく飽きない。この小説は再読で感想は改めて書くがジョージ・オーウェルの『1984年』や『動物農場』よりはこっちのほうが面白いと私は確信してますね。帰路の途中で新白河あたりや大宮あたりで豪雨と雷。しかも空の半分は青空で半分は真っ黒。その真っ黒の世界に稲光が矢のように4〜5本突き刺さった。自然界が物凄い絵巻物を見せてくれましたね。東京に到着して八重洲の喫茶店へ。スポーツライターの小林信也さんと合流して某出版社の編集者と『高校野球甲子園大会を廃止せよ!』(仮題)の出版打ち合わせ。またイロイロ纏まったら報告させていただきますがまずは雑誌での対談から開始かな。打ち合わせのあと東海道線で帰鎌。メールをイロイロチェックして晩飯食ってウクライナのニューズ見ておやすみなさい。長旅は結構疲れますね。

BOOK
オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』光文社新訳文庫
オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』光文社新訳文庫
デストピア(反理想郷=暗黒郷)未来小説としてなかなかスゴイ本でした。解説も面白い
DVD
『ローマの休日』
『ローマの休日』
グラディエーターとライオンの闘いを見て楽しむように他人に迷惑をかけて自分は遊ぶことを「Roman Holiday」と言うそうです

6月3日(金)
ハクスリーのディストピア未来小説『すばらしい新世界』を読んでたら「ソーマの休日」という言葉が出てきた。「ソーマ」というのは誰でも半グラムか1グラム飲むだけで幸福に浸れるという未来社会の支配者が人々に勧めるクスリだが訳者の註釈としてこんな記述があった。《原語は soma holiday=Romn Holiday(ローマの休日)という英語の表現のもじりかどうかは訳者には不明。オードリー・ヘップバーン主演の映画『ローマの休日』も『すばらしい新世界』より後年の映画なので関係ないが言葉の面白さが捨てがたいのでこの訳語(ソーマの休日)を選んだ》さらに「ローマの休日」の説明として《ローマの休日=「奴隷同士を戦わせる古代ローマの娯楽」転じて「他人を苦しめて楽しむこと」》と書いてあった。うわあああああ!!「ローマの休日」にそんな意味があったとは知らなんだ!!もちろんウィリアム・ワイラー監督もグレゴリー・ペックもヘプバーンもソノ意味は知っていて映画にこんなタイトルをつけたんですよね。王女様は結果的にだけど新聞記者やカメラマンを苦しめてローマの休日を楽しんだのか…Roman Holidayはホントはイケナイことなんですね。70歳にもなって初めて知ることもある。まだまだ知らないことも多いのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは滞っている本ホームページの更新原稿作りやら月曜の『ニューズ・オプエド』のゲスト(野球で青島健太さんと福島良一さん)への連絡やら雑誌対談のスケジュール調整やら秋田シンポジウムの御礼やらナンヤラカンヤラ。晩飯は『チコちゃん』とともに。そうか。小さい子供がすぐに走り回るのは成長したいからなんですね。大人になったら走り回る代わりに本を読むのだと小生は思いますね。

6月4日(土)
ハクスリー『すばらしい新世界』にはいろんな未来のスポーツが登場。「障害物ゴルフ」「電磁波ゴルフ」「エスカレーター・スカッシュ」…しかし最も面白そうなのは「リーマン面テニス」だろう。どんなんかな?昔宇宙空間でやる「宇宙三次元空間立方体ベースボール」を考えたことがあった。立方体の一つの頂点がホームプレートで立方体の残りの7つの頂点が一塁から七塁ベース投手は立方体の真ん中からホームに向かって投げ打者はその投球をxyz軸に囲まれた空間内に打ち返す。打った打者は走者となって宇宙遊泳しながら7つのベースを任意の順に回ってホームへ。この宇宙空間ゲームの欠陥は投手も打者も作用反作用の法則でボールの放たれた方向と逆方向に吹っ飛ばされることだが馬鞍形のリーマン面でのテニスはどうなるのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。役に立たないことを考えるのは楽しいですね。ワン。終日雑務の一日。請求書書いたりスケジュール表を作り直したり。役に立つ作業ほど面白くないですね。晩飯は『報道特集』を見ながら。性同一性障害の人のレポートは興味深かった。スポーツの男女ルールはいつまで有効なのかな?ルールの変わる日は近い?それにしても女子野球を無視した男子のみの野球組織(高野連)って日本の野球界は何十年前の感覚で動いてるんでしょうねえ?その差別的な運営に関わっているマスメディアがジャーナリズムを語れるのかな?

6月5日(日)
ハクスリー『すばらしい新世界』は絶望的な未来社会を描いた「反理想郷(ディストピア)小説」で子供は瓶の中から生まれ(生産され)産まれながらにαβγε…等の階級(支配者・公務員・頭脳労働者・肉体労働者…等)に分けられ人々はヘリコプターを自由に使って移動する。がパソコンもメールもインターネットも携帯電話もドローンも出て来ない。1932年に書かれた当時ではそーゆー発想は小説家には無理だったようですね。だから作品の価値が下がるわけではないですが…。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日ちょいとデスクワーク。テレビでイギリスのエリザベス女王在位70年の式典やパーティやコンサートをイロイロ見るが祝ってる群衆はほとんどが白人でしたね。オリンピックのイギリス代表選手や日頃ロンドンの街を歩いてる人々とはパーセンテージが全然違いましたね。どう解釈すれば良いのでしょうか?そこを解説してくれたコメンテイターは(小生は)見ませんでしたね。「鎌倉殿の13人」は次々と人が死んでいきますねえ。そろそろ頼朝の番ですね。風呂のあとエッシェンバッハ指揮NHK響を聴く。ベートーヴェン『7番』は素晴らしい見事な演奏でしたねえ。札幌のPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)でエッシェンバッハさんにインタヴューしたことを思い出しました。野外コンサートの後で「鳥の啼き声や赤ん坊の泣き声や子供遊ぶ声が聞こえるなかでのコンサートも良いですねえ。それらも自然の音楽ですから」という言葉も見事でした。

6月6日(月)
『すばらしい新世界』にはシェイクスピアの引用が山ほど出てくる。未来社会の未開社会で昔の未発達文化の取り残された本がシェイクスピアだったらしい。著者のハクスリーはイギリス人作家だから当然の選択ですね。格言の連続だけで芝居を作ったシェイクスピアにはエロスも満載ですからね。日本列島の未来社会で発見されて未来人が驚く文芸は…近松ではないだろうし漱石でもなさそうだし紫式部は未来人には難解だし…万葉集かな。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。イロイロ準備して夕方から『ニューズ・オプエド』はゲストに青島健太さんと福島良一さんを迎えて思いっ切り野球(NPB)とベースボール(MLB)の話。福島さんは近々渡米して何とネブラスカ州オマハで行われる全米学生野球選手権を見に行くとか。最近アメリカでは大学生の野球が大人気で全米から観客が集まりオマハではホテルの予約が取りにくく宿泊費も大高騰とか。知らなんだ(>_<)なかでも今年の目玉選手はテネシー大学の学生で時速170キロの超豪球を投げるベン・ジョイス投手だとか。ほかにスワローズ快進撃の話題や(青島さんに言わせると「スパートが早すぎる」とか)エンゼルスの11連敗は当たる相手(ヤンキースやレッドソックスやメッツなど)が絶好調のチームばかりでスケジュールで損をしたとか…ウクライナのサッカーチームがW杯を逃してウェールズの64年ぶりの出場が決まった話もしまししたが山ほど楽しく野球とベースボールの話をしたあとは日本代表対ブラジル。ブラジルもネイマールもさすがでしたけど日本も頑張りましたね。長友イイですねえ。権田もヨカッタ。森保監督は久保を何で使わないのかな?

BOOK
マイク・スタントン『無敗の王者 ロッキー・マルシアーノ伝』早川書房
マイク・スタントン『無敗の王者 ロッキー・マルシアーノ伝』早川書房
ボクシングを深く知ろうとする人は是非とも御一読を。見事な評伝です

6月7日(火)
『すばらしい新世界』では新しい時代が自動車王の「フォード」から始まりBC/ADの年代はBF/AFとなりOh! my God!と言う代わりにOh! Ford! と言うことになっている。近代工業文明の行き着く先がフリーセックス&階級社会というわけか。そういえば映画『モダンタイムス』はチャップリンがフォードの工場の生産ラインを見学したのをきっかけにつくられた作品でしたね。そしてフォードはヒトラー・ナチスの支持者で支援者でしたね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。そう言えば『すばらしい新世界』にはペットが出て来ない。ROBOTもAIBOも出て来ない。αβγ…以下のεやδの人々がいる階級社会ではROBOTは不要というわけか?ワン。仕事をしている最中に今夜の井上尚弥vsノニト・ドネア戦の有料TV申し込みをどうしようか悩んでいると某人物から助け船。オンタイムでなくて良ければ映像を送ってくれるという。それで十分ですね。しかしクローズドサーキットでの映像が続くとボクシングは今にマイナースポーツになってしまうでしょうね。49勝0敗で引退したヘビー級最強王者と言われてモハメド・アリとも交流のあったロッキー・マルシアーノはボクシングのような暴力的なスポーツは文明が発達するといずれ禁止されて「ローマ帝国時代のグラディエーターのような存在になる」と予言していましたね。晩飯は昨日のNHKを録画した『映像の世紀バタフライ・エフェクト/ヒトラーvsチャップリン終わりなき闘い』を見ながら。この顔が似たもの同士の2人は誕生日がたった4日違いなんですね。「映画はすべてプロパガンダ」と言ったチャップリンは映画『独裁者』で「民主主義のプロパガンダ」を行ったのですね。そのチャップリンを「赤狩り」で追い出したアメリカも酷いけど晩年にハリウッド(アカデミー賞)に呼び戻して名誉回復したアメリカはキチンとしてますね。[ナチズムは100年後に復活」と言ったヒトラーの言葉に続いてプーチン・ロシアのウクライナ侵攻の映像。NHKもなかなかやりますね。ネオナチを倒しにウクライナへ侵攻…なんてプーチンは言ってたなあ…ヒトラーの後継者はどっちやねん!?夜になって井上vsドネア戦2RTKOを見る。井上(29歳)ぼドネアの年齢(39歳)に対する勝利かな?この一戦にどれくらいの人が「参加」したのかな?ボクシングは今も「ラウンドガール」なんてLookismを取り入れてるのですね。やっぱりいずれは消滅するスポーツかな?

6月8日(水)
『すばらしい新世界』は佳境へ。シェイクスピアの《昔話》を読んで《今の世界》は自由を抑圧されてると感じた《非文明世界》からやってきたアメリカインディアン出身の《ミスター原始人》が《下層のε労働者を解放》しようとして「ソーマ(麻薬)を捨てろ!」と暴動を起こして失敗。逮捕されて「シェイクスピアは禁書」という支配者に対して「何故?」と訊くと「古いからだよ。それに美しいものはとりわけ必要がない。美は人を惹き付ける。我々は古いモノに惹き付けられるのを望まない。新しいモノを好きになってほしい」シェイクスピアの悲劇は「鉄ナシで自動車がつくれないように社会的不安ナシには悲劇は創れない。今の世の中は安定している。みんなは幸福だ。安定性には不安定性のような派手なところがない。現状への満足には不運との果敢な闘いの持つ壮大さがなく誘惑との苦闘や情熱や疑いへの致命的な敗北の傷が持つ華麗さがない。幸福とは偉大なものではないのだ」だから美しい悲劇は不要だ。「問題がある時はソーマ(麻薬)がある。わかったかねミスター野蛮人!何が自由だ!」ナルホド。北朝鮮や中国やロシアで「幸福に暮らせる人」の心境はコレか!?はたして日本は?ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』ZOOMで音声出演。井上vsドネアの試合を取りあげボクシングのボックスってどういう意味?四角い場所で戦うのに何故リング(輪)というの?イギリスで生まれたボクシングは何故ナックルパート(拳の先端)でしか相手を打って(殴って)はいけないルールを作ったのか?ボクシングは政治的スポーツ!?…といった話をしました。知りたい人は『田畑竜介GroooonUp』のHPを開いてください。終日デスクワークのあと晩飯後に録画してあったNHK『バタフライエフェクト/モハメド・アリ勇気の連鎖』を見直す。アリ→キング→スミス→カーロス→ノーマン→オバマの連鎖ですね。そこへトランプが入り込んでくるのもアメリカの現実ですね。

6月9日(木)
オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(光文社古典新訳文庫)読了。この未来のディストピア(反ユートピア=反理想郷)小説は瓶から産まれる人間による階級社会などの未来SF小説なのに《(電話の)受話器をガチャリと置いた》などの表現に1932年作の古さを感じた。が高度の文明化による抑圧社会の描き方には今日の全体主義国家につながる恐ろしさを感じた。著者のハクスリー自身がそのことを巻末の『著者による新版への前書き』で詳しく書いている。この「前書き」を読むだけでもこの文庫を読む価値はある!《真に効率的な全体主義国家というのは強大な権力を持つ政治的ボスの小集団とそれに奉仕する事務方の軍団が隷属を愛する故に強制されなくても働く奴隷の大集団を管理する国家だ。現代の全体主義国家において大集団に隷属を好むよう仕向ける役目はプロパガンダを担当する官僚と新聞社の編集主幹と学校教師に与えられている》《プロパガンダというものは何かをすることによってではなく何かを隠すことによって大成功をおさめてきた》もっとっもっと引用したい文章があるがまたの機会に。それらの文章による指摘はプーチン&習近平&金正恩の戦略を知ることに役立つが日本のメディアのあり方も考えさせられるナァ。ワン。黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。某雑誌記者から経産省の「スポーツ賭博」計画について電話で訊かれる。小生はギャンブルをまったくやらない人間でIR(一部のギャンブル産業が利益を得る賭場)には大反対だがイギリスや北欧のような「ギャンブル解禁」には賛成で今の日本が刑法でギャンブルを犯罪として禁止しながら官営ギャンブルだけを認めている状態は胴元(国)と裏社会だけが利益を得る悪法だと考えている。イギリスがギャンブルを解禁した瞬間数百のブックメーカーが地下から表世界に現れたあと現在は5〜6だけのブックメーカーになったのはギャンブル健全化の現れといえる。またギャンブルは公平な環境でないと成立しないから「企業スポーツ」には成立しない。スーパーマーケットの所有するチームが食料品メーカーの所有チームに試合で勝ったら商品を置かないぞと言えるような環境ではギャンブルは成立しないのだ。だから小生はスポーツ界の健全化(非企業スポーツか)を唱えてTOTO法案のときも衆院文教員会でTOTO賛成の意見陳述をした。が企業スポーツ賛成で自らもプロ野球球団を持つ読売新聞社は今回の経産省の「スポーツ賭博」計画にも反対(企業スポーツ推進)のような記事を載せた。経産省の「理念なき金集め的スポーツ賭博推進」にも諸手で賛成するわけではないがスポーツをメディアの支配から解放してギャンブル(スポーツ・ベッティング)についてキチンと討論できる環境をメディアは作るべきですね。それには読売朝日毎日がプロアマすべての日本球界の所有や主催から去るべきですね。来週月曜の『ニューズ・オプエド』のゲストが平尾剛さんと内田良さんに決まったのでこの問題も取りあげましょう。

6月10日(金)
光文社古典新訳文庫版の『すばらしい新世界』は解説by植松庸夫(東北学院大教授)も訳者あとがき(by黒原敏行)も読み応えがあり面白かった。著者のハクスリーはハリウッドに住んでいた頃に《仏教やヒンドゥー教の関係者と交流し1950年代になると自らを被験者にして幻覚剤(LSDとメスカリン)による実験を行いその体験を記録(略「サイケデリック」(psyche精神+delos出現)という言葉はこの立ち会いをした精神科医オズモンド博士がハクスリーと手紙のやりとりの中で使った造語》だという。また未来社会で衣服の修繕より新たな衣服の購入を奨める"The more stiches,the less riches"(縫えば縫うほど富が減る)は「縫い針1本恥のもと」と訳したという。その他イロイロの訳と原文の照らし合わせも面白いし上手い!それはともかくウクライナ戦争をきっかけに読み直した未来ディストピア小説。オーウェルの『1984年』も読み直すか…イヤ筒井康隆『美藝公』を引っ張り出すか…ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。読売新聞が批判した経産省の「スポーツ賭博(ベッティング)企画」について調べ直す。経産大臣が実施を否定していることもあってやっぱりコレは読売のプロ野球(企業スポーツ)利権保護の為のキャンペーンかな?夕方から大船駅ルミネの書店に久し振りに足を運んだあと鎌倉芸術館へ。浅尾慶一郎氏が参院選に立候補する決起集会に招待されたがサッカー日本vsガーナの試合があるので欠席の挨拶だけを…と思ったところが浅尾さんは到着が遅くそれ以前に河野太郎さんの講演があるというので支援者と記念撮影をしていた河野さんに挨拶して失礼。その前に毎日新聞から東京五輪組織委解散に対するコメントを携帯で求められたので「何のためのオリンピックだったのかもはっきりしないまま税金大量投入の開示も不十分で札幌冬季五輪招致に動くのはオカシイ…etc」を話す。帰宅して晩飯食いながら日本vsガーナ戦。コンディションが不十分なガーナ相手につまらないパスミスもあり動きの悪い選手もいたけど久保と前田の初ゴールはマァヨカッタのかな。さぁ選手選考をどう固めるのか…これが嬉しい悲鳴と言えるのかどうか…?

BOOK
筒井康隆『美藝公』文春文庫
筒井康隆『美藝公』文春文庫
これこそ実は革命の書だと気付くのに小生は20年もかかりました

6月11日(土)
昨晩筒井康隆『美藝公』を読み直そうと思って本棚から新潮社の筒井康隆全集第22巻を持ち出してページを開いた途端仰天。活字が小さい!1ページに26文字×23行×2段組で写植Q数なら8級くらいか?最近の書類の文字の小ささにもウンザリする時があるが昔(昭和60年刊行)の文芸書も字は小さかったのですね。小生はベッドで近眼の眼鏡を外せば読むのに苦労せずすぐに慣れましたがそう言えば新聞も文庫本も字は大きくなってますよね。それだけ内容は水増しされて薄くなったかな?(笑)それはともかく『美藝公』は小生が雑誌『GORO』で記者をやっていた時に横尾忠則氏のイラストともに連載された作品で担当のOデスクが小生の担当だったこともあり毎回読んでナンジャコレハ?と思っていた。映画文化が日本社会の政治経済の中心になる架空SFユートピア小説を当時はなかなか理解できなかったのだ。今は過激な現世批判に大笑いできる。この作品をきっかけに筒井大先生は大変身して『虚人たち』→『虚構船団』→『文学部唯野教授』→『ダンシングヴァニティ』→『モナドの領域』へとメタ文学の世界へ突っ走られるわけですね。ワン。黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。小林信也氏との共同単行本企画の前哨戦としての雑誌対談企画『今すぐ高校野球甲子園大会を廃止せよ!』のレジュメを考える。他のスポーツライター連中も巻き込みたいけどマスメディアを敵に回すことになりかねないから迷惑かな(苦笑)。晩飯は『博士ちゃん』を見ながら。食後酒は『ブラタモリ』を見ながら。金ピカの江戸城の話も町田市が神奈川県だと間違われる理由も(本当は東京都)面白かった。俺は自宅が電器屋でNHKのテレビ放送が始まった時から自宅でテレビを見続けた日本最古のテレビっ子ですからね(笑)。

CD
マーラー『交響曲第3番』
マーラー『交響曲第3番』
バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの大名演。クリスタ・ルートヴィヒのニーチェの歌詞の独唱もう凄い深さです

6月12日(日)
『美藝公』読み続ける。映画を中心に据えての未来社会(パラレル社会?)から見た現代社会のメディア批判&政治批判。見事ですね。という以上に面白いですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。黒兵衛も12歳になって老境のはずなのに元気。小生も一緒に歩けているのはE.T.とエリオット少年のような関係が生まれてるのかな?ワン。終日デスクワーク。スポーツ・ベッティングについての資料を集めていると某編集部記者から電話。そのテーマの問題点を教えてほしいという。教えることは吝かじゃないけど自分で調べたら?と言いたくなる。別の雑誌社の記者からも電話(日曜なのによくかかってくる・笑)で河瀬直美監督の『東京2020オリンピックsideA』を見た感想を求められる。思わず「もう封切られてるの?」と言ってしまい笑われるのは当然だろうけど全然話題になっていませんね。慌ててネットでイロイロ調べるけど…感想は見てからにします。けどちょっと見る気が削がれたなぁ…。晩飯はNHK『ダーウィンが来た!』で面白いアマガエルの生態を見ながら。アマガエルは自販機が好きなのですね(笑)。『鎌倉殿の13人』は曾我兄弟の敵討ちデッチあげ。本当は倒幕事件だったわけですね。でも曾我兄弟にとっては歌舞伎にまでなって良かったのかな?『クラシック音楽館』はエッシェンバッハ指揮N今日によるマーラー5番。ヴィスコンティの映画『ヴェニスに死す』にも使われたひたすら美しいアダージェットに続くハチャメチャのフィナーレのワケがわからなかったのが15年前くらいに氷解。これは音楽による異化効果を狙ったのですね。アダージェットの美しさに感激してで同化した聴衆を突き放す異化作用の音楽。マーラーはヤッパリ凄いですね。

6月13日(月)
『美藝公』再読進む。映画の内容をまったく書かずに素晴らしい映画でることを読者に納得させる筒井康隆大先生の文章術は凄いですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ準備して夕方は『ニューズ・オプエド』ZOOM出演。今日のゲストは名古屋大学教授の内田良さんと神戸親和女子大教授の平尾剛さん。初対面のお二人といろいろスポーツの話。これほど有意義な時間はないと思えるほど内容の濃い時間。とりわけ学校の部活動を外部のクラブにアウトソーシングすることをスポーツ庁に答申した話題は深い内容の話になりました。二人とも(そして小生も)アウトソーシングには賛成。しかし費用や指導者(コーチの人材)や場所の確保など問題は山ほどあり内田先生は日本のスポーツ界全般の根本的改革が必要でまずは何よりスポーツ活動(対抗戦など)のダウンサイジング(試合数の削減など)が必要と提言。平尾先生は勝利至上主義を排除するために大人(指導者)の意識改革が必要だと強調。小生が近々スポーツライターの小林信也さんと『高校野球甲子園大会を廃止せよ!』という対談を雑誌で発表し単行本の準備も始めたことを話すと平尾さんがまったく同じ主旨でネットの『プレジデント・オン・ライン』に原稿を書いたばかりとのこと。皆さん!読みましょう! https://president.jp/articles/-/58434 『オプエド』も覗いてみてください。https://op-ed.jp/

6月14日(火)
『美藝公』読了。『すばらしい新世界』を読んで筒井康隆氏の別小説を読みたくなって本棚から引っ張り出したのだがこの別世界(パラレルワールド)小説はハクスリーのディストピア小説(反理想郷未来小説)ではなく戦後日本のパラレルワールド(別世界)小説になっている。何しろ筒井氏の創りあげた「別世界」は《お役者独裁ひらたく言えば河原乞食独裁。その起点は第二次大戦での日本の敗戦にあって日本は産業立国に進むか文芸立国に進むかの岐路に立ち映画を頂点とする文芸立国にすすんだ》世界なのだ(平岡正明氏の解説による)。その別世界から現実の「産業貿易経済立国=カネだけが持て囃される日本の戦後社会」に対する痛烈な批判が展開する。凄いとしか言いようのない見事な作品です。ロシアのウクライナ侵略をキッカケにして読み直すべき国家論の本を選択。白井聡『永続敗戦論』『国体論 菊と星条旗』ダイヤモンド『危機と人類』ハクスリー『すばらしい新世界』筒井康隆『美藝公』と読み進み次は赤坂真理『箱の中の天皇』の再読かな。いや三島由紀夫『文化防衛論』かな。ワン。それにしても『美藝公』の凄さに圧倒されて黒兵衛との雨中の散歩も全然平気。そう言えば筒井先生と一緒にNHK-BSの読書番組の公開収録で香川県に行ったとき会場から「筒井先生はどんな小説を読むことを推奨されますか?」という質問が飛び「最も新しい小説」と答えられたのが印象的だった。理由は「そこには過去の作品のエキスがすべて結晶として存在しているはずだから」控え室に帰ってこられて「しかし最近の作品はどこかで断絶を感じるものが多いんだよなあ」と呟かれたのも耳に残った。そして「おい!讃岐饂飩食いに行こう」と誘われたのに早く帰京しなければならなかったのが今も悔やまれる。ワン。終日デスクワークいろいろで晩飯サッカーは日本代表がナイジェリアに0-3で惨敗。しかしマァいいですよね。本番(W杯)で勝つためのイイ薬ですよ。岡田ジャパンが南ア大会でベスト16に入った時も大会前はさんざんの悪評でしたからね。

BOOK
望月雅士『枢密院 近代日本の「奥の院」』講談社現代新書
望月雅士『枢密院 近代日本の「奥の院」』講談社現代新書
大衆の意見と民主主義を信じ切れない人が創りたがるのかも…?
小林雅一『ゼロからわかる量子コンピュータ』講談社現代新書
小林雅一『ゼロからわかる量子コンピュータ』講談社現代新書
富岳で1億年かかる計算を量子CPは数時間でやるらしい。ホンマかな…読破しても?
大石あきこ『維新ぎらい』講談社現代新書
大石あきこ『維新ぎらい』講談社現代新書
面白い一冊。橋下さんの反論を期待したら名誉毀損で訴訟とか。言論で対決してほしいですね
NHKミャンマープロジェクト『NHKスペシャル取材班「デジタルハンター」になる』講談社現代新書
NHKミャンマープロジェクト『NHKスペシャル取材班「デジタルハンター」になる』講談社現代新書
OSINT=オープン・ソース・インテリジェンス=これからのジャーナリズムに欠かせない手法を学びました

6月15日(水)
次は三島由紀夫の『文化防衛論』を読もうと思ってベッドへ行こうとしたら講談社から今月刊行の現代新書が興味深いものばかり4冊届いていた。NHKミャンマープロジェクト『NHKスペシャル取材班「デジタルハンター」になる』は現場に行かない報道取材=デジタルハンターに関するレポート。望月雅士『枢密院 近代日本の「奥の院」』も日本の政治を「裏で操った(?)機関」を知るうえで絶対に読みたい一冊。大石あき子『維新ぎらい』は元大阪府庁職員として大阪府庁で橋下徹知事の下で働き現在はれいわ新撰組から衆議院議員になった人物の「橋本維新政治批判」の書。政治的立場はともかく内部にいた人物の声は聴いてみたいですね…と送られてきた本をざあっと眺め回したうえで小林雅一『ゼロからわかる量子コンピュータ』の前書き(はじめに)を読んで愕然。量子コンピュータというモノが何やら物凄いモノだとは思っていたが《グーグルは2019年当時の世界最速に認定されたIBM製スパコンなら1万年かかる計算を量子コンピュータを使って3分20秒で終えたとする「量子超越性(quantum supremacy)の実験結果を発表した》というのだ!!ナニイ!!1万年が3分チョイになるだと!!おまけに実験機の写真を見るとまるで手塚治虫の『火の鳥未来編』に出てきたような《シリンダー(円筒)形装置の周囲に電線などのワイヤーが幾重にも張り巡らされ(略)極超低温状態を維持するために大型の希釈冷凍庫に保管されている》という。手塚治虫の漫画では巨大コンピュータが「神」と呼ばれていたなあと思ってると量子力学で有名な話の「シュレディンガーの猫」(生きていると同時に死んでいる)の話が出てきて普通のコンピューターは「0」と「1」で計算されるが量子コンピュータは「0」でもあり「1」でもあるなかで動くらしい。それは《一種の「宗教教義」に近いような印象を受けるはず》で《「それを理解できるかどうか」というより「それを受け入れることができるかどうか」という問題なのである》らしい。とにかく凄そうだ!何しろ「1万年が3分20秒」になるのだから…ワケがわからんけど読まねば!ワン!

6月15日(水)つづき
『ゼロからわかる量子コンピュータ』の猫が生きていると同時に死んでいて「0」であると同時に「1」である話にぼやーっとしてしまった頭をシャキッと切り換えてベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOMで音声出演。世界陸上が7月16日からアメリカ・オレゴン州ユージーンで始まるのを受けて「走る」話。産業革命で蒸気機関車が走るのを見る以前の人間は「速さ」にあまり価値を見出さなかったという話。目的地まで行くには「速さ」以上に敵や狼に勝つ「強さ」が必要でしたからね。しかし産業革命で「速さ」に目覚めた人類は「速さ」をナンバーワンの価値にする。江戸時代まではあまりは知らなかった(腕を振らなかった)日本人も明治の文明開化で西洋人のように走るようになる…という話をする。サテ「速さ」の次に人類はどんな価値を見出すのかな?美しさ…かな?ワン。ラジオを終えて黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。量子コンピュータのことはいったん忘れないとスポーツや音楽の原稿とは取り組めませんね。とほほ。手塚治虫『火の鳥未来編』の「神=コンピュータ」は最後にどうなったのだったかなあ……?たしかに1万年かかる仕事を数分でやってのける量子コンピュータが完全に完成したら「神」と呼ばれるようになるのかなあ?それはもちろん日本的な八百万神々(やおよろずのかみがみ)でなくヤーヴェとかエホバとかアッラーと呼ばれている唯一絶対神のことですね。あ。筒井康隆『モナドの領域』を再読せねば!

BOOK
筒井康隆『モナドの領域』
筒井康隆『モナドの領域』
神はサイコロを振らないといったアインシュタインは間違っていたのですね。ワケワカランときはパンを食べましょう

6月16日(木)
『ゼロからわかる量子コンピュータ』は本分201ページという厚さ(薄さ)ですぐに読了と思ったところがかなりの苦戦。何しろ《0と1の重ね合わせ状態にある量子ビットは全知全能の神(宇宙)ですらその状態がどちらに転ぶかわからない「真の不確実性(true randomness)」と呼ばれる状態に置かれる。これを私たちの日常的な言葉で表せば「量子ビットは0であると同時に1でもある」という矛盾した表現になる》なんて表現が随所に頻出するのだ。思わずアインシュタインは「神はサイコロを振らない」と言ったではないかと突っ込みたくなる。しかし大天才アインシュタインものちに量子力学に対する自分のその発言を撤回したのですよね。神もギャンブルをするのか?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。犬はギャンブルをしてるのかなぁ?ワン?終日デスクワークは経産省が「スポーツ賭博」の検討を始めたとの読売新聞の報道を検証。読売ジャイアンツを所有する読売新聞社はサッカーくじ(toto)に反対した時と同じように「スポーツ・ベッティング」にも大反対するでしょうね。賭博・ベッティング・ギャンブルといった文化は完全な公平性が保たれるなかでしか行えないわけで新聞社・通信事業者・飲料水メーカー・ゲームメーカー・鉄道会社…等の企業がスポーツ団体(球団)を所有して闘う場合強い立場に立てる企業が有利になることも考えられるというような状態では「賭け」は正しくできなくなるわけで逆にスポーツを「賭け」の対象にするならスポーツを公平に正しく運営する必要が出てくる(企業スポーツをやめる)わけですね。小生がtoto法案の審議で衆院の文教委員会に呼ばれた時はそのような立場から(スポーツを正しく運営してほしい考えから)totoに賛成したわけです。婦人団体や教育団体の皆さんには驚かれましたがアル・カポネの活躍したアメリカの禁酒法時代でわかるように賭博も刑法で賭博罪として禁止されるほうが裏社会は喜ぶのですね。ギャングは道徳団体を支援すると言う人もいるほどです。小生はIR(限られた場所で一部の団体が利益を独占する)には大反対ですがギャンブル解禁には大賛成です。あ。アインシュタインの反省(神もサイコロ振った!)とは関係ないですよ。昨晩NHK-BS『奇蹟のレッスン』で見た岩隈投手の少年野球の指導は面白かったですね。子供たちに自分で考えさせるのはいいことですね。

DVD
『ジャズ大名』
『ジャズ大名』
筒井康隆&岡本喜八&山下洋輔&古谷一行&財津一郎…の大ケッサクです

6月17日(金)
『ゼロからわかる量子コンピュータ』読み続けるが徐々に「わからなく」なってきた。「わかる」と題された表題は看板に偽りあり…か…俺に理解する能力がないだけなのか?とにかく《中国科学技術大学などの研究チームは「光量子コンピュータで量子超越性(quantum advantage)を達成した》らしく《中国のスパコン「神威・大湖之光」で行うと25億年(!)日本の「富岳」で行うと6億年(!)かかる》という計算を《200秒(3分20秒)》でやってのけたらしい。ふ〜ん…ワケワカランけど中国のスパコンの名前「神威・大湖之光」は凄いですね。日本の「富岳」も第二次大戦中に日本軍が設計した6発のエンジンを備えたB29よりもはるかにデカイ長距離爆撃機の名前ですよね。関係ないか。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。そー言えば昨晩は寝る前にBS日テレでやっていた映画『ジャズ大名』を見てしまう。DVDで何回も見て隅々まで知ってる筒井康隆原作岡本喜八監督のスラップスティック大喜劇ジャズ音楽明治維新歴史映画の大名作。山下洋輔が赤ちゃん用のピアノでフリージャズ。タモリがラーメン屋台を引いてチャルメラ演奏。久し振りに見てヤッパリ笑い転けてしまった。そのあとニュース番組でウクライナ情勢を見ると人間の愚かさが倍加。筒井康隆のラジカリズムは凄い!ワン。終日デスクワークは雑誌『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』を執筆。かなり苦労して学校部活のアウトソーシングとスポーツ?ベッティング(賭博)とマスメディアの支配する日本のスポーツ界のナンセンスについて書く。ふううう。晩飯は『チコちゃん』見ながら。チコちゃんも結構ラジカルですね。寝よ。うわあ『量子コンピュータ』の本はついにベクトルの行列計算が出てきた。俺が高3で理系をあきらめて文系に走ったのは行列とテーラー展開がパープリンだったから。2つの行列の積(掛け算)について本は《ここには「何故そうなるのか」という理由はない。そおような数学の規則として受け入れていただきたい》と書かれていた。そこに山があるから登れというのか?そういうの小生はいちばん嫌いなんですよね。困ったなぁ。

6月18日(土)
小林雅一『ゼロからわかる量子コンピュータ』読了。第2章の行列などの数式が出てくる量子コンピュータの話に少々ウンザリしながら(それは小生の数学に対する理解能力不足でもあるのですが)最終章「量子コンピュータは世界をどう変えるのか」に突入してさらにうんざり。交通渋滞が解消?(そんなん我慢したら済むヤン)電気自動車のバッテリーや新薬の開発?(これ以上の科学の進歩がはたして人間にとって良いことなのか?)金融投資ビジネスの優位性?(所詮は金儲けの話かいな)などと思っていたら最後に量子科学技術と軍需産業の関係がロシアのウクライナ侵略とともに書かれていた。《ひとたび今回のような戦争が起きるとそれを外部から食い止める力や仕組みが機能しないことのほうにむしろ世界の人々は恐怖を感じたのではないだろうか。もちろん量子技術は核兵器や生物兵器あるいはミサイルのような軍事技術ではないが使い方次第ではそれに勝るとも劣らない破壊的な結果をもたらすデュアル・ユース(民生・軍事両用)技術であろう》《量子技術に先行するAI技術ではこれを軍事転用することで(略)自律的なミサイルや攻撃用ドローンあるいは無人で動く戦闘機や装甲車潜水艦などなどが開発されその一部は実戦配備されている》それは《その活用方法をあらかじめ慎重に検討規制しなかったときの危険性を如実に物語っている。いまのままでは量子コンピュータをはじめ量子技術も同じ道を辿る可能性が高い。その実現を急ぐよりも(略)次世代の超先端技術を適切に管理し平和利用へと導く制度的な枠組みを構築することの方が先決ではなかろうか》ナルホド。その通りで最後の最後にこの手の話が登場するだけでも量子コンピュータの本を読んだ価値はあったと思う。けどアインシュタインがE=mc?を発見して以来その軍事利用を止めようとしても止まらなかったわけで…さぁどうしましょうか?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは今月末に行う小林信也さんとの対談『甲子園大会を今すぐ廃止せよ!』のレジュメ作り。結構チカラが入って時間がかかる。午後はラグビーの日本vsウルグアイ戦。少々相手のレベルが下かな。タタフのトライがフランス戦にも通じるかな?見終わって朝から少々全身に疲れを感じていたので体温を測ると37.3℃。ナンデヤネン?さっさと晩飯。クスリ服んでソソクサとベッドへ。

6月19日(日)
大石あきこ『維新ぎらい』(講談社現代新書)読み始める。選挙ポスターの写真のような表紙で露骨な特定政党批判(否定?)をタイトルにした一冊ををれいわ新撰組の衆院議員が参院選直前に出すとはイイのかなあ…とちょいと引っかかりながら読み始めたけどナカナカ面白い。まだ途中だが橋下維新の「力の政治」批判が見事。これは是非とも橋下徹氏にも是非とも反論の一冊を上梓してキチンとした政治的論戦を闘わせてほしいものだ。最近の政治家はそういう論戦を全然やらなくなりましたからねえ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。穏やかに心安らぐ日曜日それにつけてもカネの欲しさよ…ワン。この「それにつけても……」の付け句を小生はドナルド・キーン氏の『日本文学史』から学びました。なるほど。どんな十七文字にもくっつきますねえ。デスクワークは『高校野球甲子園大会廃止論』の小林信也さんとの対談レジュメ(構成案)を完成。ちょっと不思議な話ですけど全国高等学校野球選手権大会(いわゆる夏の甲子園大会)は日本高等学校野球連盟(高野連)と朝日新聞社の主催ですが地方大会は各都道府県の高等学校野球連盟と朝日新聞社の主催になってるんですね。ナンデカナ?どんな意味があるのかな?小林さんなら理由を知ってるかな?レジュメを小林さんの送るのは明日にして(日曜は休日ですからね)テレビで野球を見たりニュースを見たり。中日の根尾は二刀流になれるのかな?晩飯は『ダーウィンが来た!』でニホンザルのオスのガンバリを見ながら。風呂のあとファビオ・ルイージ指揮N響の沖縄公演。メンデルスゾーン&ラヴェル&リムスキー=コルサコフを聴きながら『維新ぎらい』読み進む。そうか。れいわ新撰組には議員の党議拘束がないのですね。それが真っ当な大人の正統というモノですよね。おおっとコノ音楽はナンダ?と思ったらアンコールで池辺慎一郎さん作曲の『琉球幻想』。ヨナ抜き琉球音階の面白い音楽でした。

6月20日(月)
大石あきこ『維新ぎらい』読了。弱者に対して非常に優しいトーンの政治のあり方に感銘を受けました。《右対左》の対決ではなく《上対下》の構図に納得。《下》から創りあげるモノこそ「カルチャー(真の文化)」ですからね。橋下徹氏は彼女の夕刊紙インタヴューでの発言に対して名誉毀損で訴えたらしい。テレビに出て発言するなど言論で生きている人間なら訴訟でなく言論で反論すべきですよね。そー言えば明治天皇の玄孫とかいう大学教授も名誉毀損の裁判を起こしましたが敗訴しましたね。カネでの解決を求める(相手を脅す?)訴訟よりも自論が正しいと思うなら裁判に持ち込む前にまず自論を批判する相手に対して貴方の意見はコレコレココが間違えてると説得すべきでしょうね。橋下徹氏の『維新ぎらい』に対する反論の一冊を早く読みたいですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとイロイロ仕事して夕方の『ニューズ・オプエド』は大住良之&後藤健生の両サッカー・ジャーナリスト氏を迎えて日本代表強化4試合の検証とW杯の展望。権田&長友&ヒロキ×2&U-23&U-16の話題…等々で盛りあがって最後はドイツ&コスタリカ&スペインとの戦い方を指南してもらう…とウワッ日本は勝つ点5でグループリーグ突破!決勝トーナメントでベルギーにリベンジ!ベスト8でブラジルと当たってリベンジ・アゲイン!いま語るW杯は楽しいですね。皆さんもどうぞ楽しさを味わって下さい。https://op-ed.jp/ 『オプエド』のあと晩飯は神奈川テレビで吉本新喜劇見ながら笑ってしまった。すち子姉さんはさすがですね。ベッドで『NHKスペシャル取材班「デジタルハンター」になる』読み始める。Bellingcatの話オモシロイ。

6月21日(火)
昨晩NHKミャンマ−プロジェクトによる『NHKスペシャル取材班「デジタルハンター」になる』(講談社現代新書)をベッドで読み始めナンダコレハNHKの宣伝本か?なんて思ったらサにあらず。現場主義の取材方法を根本的に覆す「デジタルハンター」の取材方法がミャンマーでの軍事クーデターの実践的デジタル取材とともに解説してあってナカナカ面白い。要するにパソコンで検索できるあらゆるデジタル情報を駆使して「取材」し「真実」(事件の本質)に迫るのだがその手法をOSINT(Open Source Intelligence)と言う。ナンダソレハ?「おしんのことかぁ?」などと反応するNHKのアナログ集団が徐々にデジタルのエキスパートに成長するのだがそのお手本としてのベリングキャット(Bellingcat=悪い猫に鈴を付けようとする鼠のイソップ童話から命名された集団)の存在が見事。2014年7月オランダ発のマレーシア航空機がウクライナ上空で何者かによって撃ち落とされ乗員乗客298人が全員死亡した事件をSNS上の動画や画像を収拾して解析することでロシア軍の犯行であることを明らかにしたのだ。いまもロシアのウクライナ侵略の実態やロシアのフェイクニュースの解明などをSNSだけでなく人工衛星の画像なども駆使して暴いている。小生はスポーツ記者として現場に行かなくてもOpen Sourceを丹念綿密に調べるだけで本質に迫る方法を報知新聞記録部長の宇佐美哲也氏から学び西武ライオンズの森祇晶元監督からもオフィシャル・ベースボール・ガイドにも情報は山ほどあると言われ安直な現場主義(現場に行った者が正しいという主張)に陥らないようにしていたが何も調べずに現場へ走る人が多いのですよねぇ。しかしデジタル化したOSINTはホンマに凄い!ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。今日は北國新聞の連載原稿で高校野球を見直せ!という原稿を書き晩飯は録画した『映像の世紀バタフライエフェクト砂漠の英雄と百年の悲劇』を見ながら。アラビアのロレンスはアラブとユダヤのどっちにもイイ顔をしたイギリス政府の二枚舌外交に苦しめられたのですね。嗚呼。今ウクライナ国民を苦しめているのは誰と誰と誰……か!?

DVD
『シャレード』
『シャレード』
スタンリー・ドーネン監督オードリー・ヘップバーン主演。面白い映画ですね

6月22日(水)
『NHKスペシャル取材班「デジタルハンター」になる』読了。SNSデジタル時代のジャーナリズムについて考えさせられた。民放テレビでは報道番組がほとんどなくなり「報道番組→情報番組→情報娯楽番組→娯楽情報番組」へと変化するなかでジャーナリズムは死語になってしまうのか?メディアから批評精神(ジャーナリズム精神)が消えていったのはまずスポーツとメディアが癒着して(主催者となり所有者となって)スポーツ・ジャーナリズムが消滅したことがダム崩壊の一穴になったと小生は考えてますが皆さんはどう思われますか?そう言えば朝日新聞社の月刊誌『ジャーナリズム』に書いた小生の「高校野球論」(2014年)は編集長の手によってボツにされましたからね。デジタルハンターのOSINTはスポーツジャーナリズムにも有効なのかな?東京五輪組織委の決算発表は巨額の税金を投入したにもかかわらず詳細不明。発表の義務はないそうです。嗚呼。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと北國新聞(24日金曜夕刊掲載)の高校野球に関するコラムの構成などナンヤラカンヤラ仕事。。

6月22日(水)つづき
晩飯は映画『アラベスク』を見ながら。NHK-BSで昼間に録画。監督が『シャレード』のスタンリードーネンでグレゴリー・ペック&ソフィア・ローレンなので喜んで見たところが途中まではアラビア風(アラベスク)スパイ映画で面白かったけど最後は競馬&カーチェイス&ヘリコプター大爆発でどーでもええアクション映画。まぁソフィア・ローレンに免じて時間の無駄も笑って済ましましょう。『シャレード』のほうが数等面白いですね。あ。ドーネンは『踊る大紐育』『雨に唄えば』『パリの恋人』……などもメガホンを取った名監督なんですよね。なのになんでこんな駄作を創ってしまったのかなぁ?

DVD
『恋に落ちたら』
『恋に落ちたら』
ロバート・デニーロも駄作映画に出演することがあるのですね

6月23日(木)
ベッドでの読書は三島由紀夫『新ファッシズム論』と『文化防衛論』に突入。誤解を恐れずに書くなら三島の文章はやはり面白い。根底に「美」と「芸術」を宿した上での「政治論」だから日本の永田町の政治と意見が合うわけがない。だから「文学」として豊かで面白い。それはさておき普通「ファシズム」と書かれる言葉を「ファッシズム」と書いているのは何故かな? イタリア語 fascismo(英語では fascism に倣ってのことか? しかし子音の連続でもSC では促音(小さな「っ」)は入らないはず。毎日放送の『道浪漫』の仕事で(懐かしいなあ!)イタリアへ行った時コーディネイターの女性に「カラカラ浴場のカラカラってイタリア語でどう発音するの?」と訊いたら辞書を引いて「Caracalla だからエルが2個続いてますからカラカッラですね」と言われたので「だったらローマ字読みと同じですね」と自分で言ってすぐに「あ。こっちが本物のローマ字読みですね」と笑ったことがあった。fascism をファッシズムと書くのは Hitler をヒットラーと書いて何となく威厳(または恐怖)を表現したい気持ちと同じかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。次女が父の日に送ってくれたスニーカーを厚底のウォーキング用散歩靴を履いてみる。ナルホド。確かに足が自然に前へ出て自然に大股になりますね。これで足が鍛えられるかな?ワン。来週行う「甲子園大会を廃止せよ!」の対談レジュメに対談相手の小林信也さんの意見を加えて完成させたり月曜の『オプエド』のゲストに春日良一&佐野慎輔の両氏を決定したり…イロイロ仕事のあと晩飯映画劇場は『恋に落ちたら』。昨日見た映画『アラベスク』がイマイチだったので今日はロバート・デニーロで挽回と思ったらコレは評価できないほどのサイテーの映画でしたね。2日連続の大失敗。ギャングの親分(『ゴーストバスターズ』のビル・マーレイ)が助けてもらった御礼に自分の女(『プロデューサーズ』のユマ・サーマン)を刑事(デニーロ)に期限付きで与えたところが二人が愛し合って…という脚本がまずサイテー。キャスティングもダメ(マーレイはギャングの親分ではないしユマはキャラがワカラン)。スコセッシがプロデューサーに名を連ねてるのに最悪。まぁ素晴らしい作品を評価する(バーンスタインやブーレーズのマーラー演奏に納得)には駄作(カラヤンの演奏)も見て(聴いて)おくべきなのかもしれませんが…。

BOOK
三島由紀夫『文化防衛論』ちくま文庫
三島由紀夫『文化防衛論』ちくま文庫
大格闘する価値は大いにありの一冊です
CD
『IKAWU』
『IKAWU』
ネーネーズもホントに素晴らしいですね

6月24日(金)
三島由紀夫『文化防衛論』は流石に読むのに苦労する。《守るとは何か?文化が文化を守ることはできず言論で言論を守ろうといふ企図は必ず失敗するか単に目こぼしてもらふかにすぎない。「守る」とはつねに剣の原理である》う〜ん…そうかな?《守るといふ行為にはかくて必ず危険がつきまとひ自己を守るのにすら自己放棄が必須になる。平和を守るにはつねに暴力の用意が必要であり守る対象と守る行為との間には永遠のパラドックスが存在するのである。文化主義はこのパラドックスを回避して自らの目をおほふ者だといへよう》すなわち《文化主義は守られる対象に重点を置いて守られる対象の特性に従って守る行為を規定しようとしそこに合法性の根拠を求める。平和を守るにはこれを平和的に守り文化を守るにはこれを文化的に守り言論を守るには言論を以て守るほかないとするところに合法性を見出すのであるから暴力を以て守るものは暴力に他ならないことになり暴力の効用を観念的に限定しつひには暴力の無効性を主張することになるのは論理的必然である》なるほど。そして《文化を守るため》に三島は《「守る」といふ行為にも亦文化と同様の再帰性がなければならない》と書く。《すなはち守る側の理想像と守られる側のあるべき姿に同一化の機縁がなければならない。さらに一歩進んで守る側の守られる側に対する同一化が最終的に成就される可能性がなければならない。博物館のダイヤと護衛との間にはこのやうな同一化の可能性はありえずこの種の可能性にこそ守るといふ行為の栄光の根拠があると考へられる(略)すなわち文化はその本質上「守る行為」を文化の主体に要求しているのだ》要するにJリーグはサポーターの行為によって支えられ守られていると言うことですね。ふううう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。厚底ウォーキング用シューズが軽快!ワン。デスクワークは通信社の連載コラム執筆。よし。暑くなってきた今夏は「甲子園大改革論&否定論&廃止論」でブッ飛ばすぞー。BGMはクラシックより櫻川唯丸師匠の江州音頭やネーネーズの琉球の唄が夏祭り的で涼しくてイイですね。晩飯はチコちゃんを見ながら。鼻の下の溝は進化の痕跡で個体発生が系統発生を真似てるわけですね。子供の草野球も勝手に遊ばせておくと三振四球ナシ盗塁ナシとかから始めてベースボールの歴史(系統進化)と同じ歴史(個体発生)を子供たちが辿るものですね。

BOOK
鮫島浩『朝日新聞政治部』講談社
鮫島浩『朝日新聞政治部』講談社
東京五輪のスポンサーへの批判はありますがW杯オフィシャル&高校野球主催に関しての反省はありません。嗚呼
DVD
『あん』
『あん』
川瀬直美監督は『東京2020sideB』見ましたが、こっちのほうがイイですね
『異邦人』
『異邦人』
カミュ原作ヴィスコンティ監督マストロヤンニ主演。若い時に見て感激。やっとDVDに。見直さなければ!

6月25日(土)
三島由紀夫は一休みして様々な雑誌で評判となっていた鮫島浩『朝日新聞政治部』(講談社)が手に入ったので読み始める。まずは最終章最終項の《東京五輪スポンサー》と題されたところから。コロナ感染拡大で五輪中止の世論が高まるなか朝日が社説で《今夏の開催が「理にかなうとはとても思えない」と断言し「開催の中止を決断するよう菅首相の求める」と訴えた》それに対して社内では《五輪報道を担う社会部やスポーツ部を中心に編集局から強い抗議が沸きあがった》という。《取材現場への影響を考えているのか》《スポンサーは降りるのかと読者に聞かれたらどう答えるのか》という社内の抗議の声を聞いて《朝日新聞は極めて深刻な事態に陥っていると痛感した》と書く。《国民の生命が危険にさらされているコロナ禍や国家権力が強引に開催しようとしている東京五輪よりも自分たちの社内的立場に関心があるとしか思えなかった。彼らは読者の立場から権力を監視するジャーナリストというよりも上司から与えられた義務を遂行する会社員だった》確かにその通りなんだけどそれは朝日の酷い経営悪化不振のため東京五輪組織委の《東京五輪批判を封じる「メディア支配」の一環」に乗ってしまった》という事情以前から2002年にはW杯日韓大会のオフィシャルニュースペーパーとなり今も「猛暑のなかの高校野球甲子園大会」を主催してジャーナリズムを放棄していることを指摘しなければならないはずだ。スポーツの世界ではジャーナリズムを放棄するというのは日本のメディアでは当たり前(?)で政治部の人はスポーツとは無縁だから東京五輪まで気付かなかったのかな?(今も高校野球の酷さには気付いてないのかな?)ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。猛暑のなかの少し涼しい風が気持ちいい。このあたりはヤッパリ湘南なのかな?仕事をイロイロ片付けて午後の夕方近くにヨメハンと一緒に東海道線で辻堂へ。109湘南シネマへ河瀬直美監督『2020東京オリンピック』のオフィシャル記録映画を見に行く。saideAを見るつもりが時間を間違えてsideBの時間に行ってしまう。どうせどっちも見なければいけないのだからマァイイカと見てしまったが…マイッタ。これが映画か?知っている事件がただ不十分に並べられただけ。しかもけっして美しいとは言えない政治家や官僚や広告マンなどの男の顔のドアップを長々と見せつけられてうんざり(市川崑監督の『東京オリンピック』のアスリートの顔のドアップは美しかったですねえ)長く無意味な2時間。酷評すら書く気になれない。あ。見たくもない男の顔のドアップの連続は東京五輪の裏舞台がいかに酷かったかを示す異化効果なのでしょうか?嗚呼。映画が終わってトイレに行くと某通信社のデスク氏とバッタリ。互いに「酷い映画でしたね」と言い合ってオシマイ。その足で久し振りに『鮨処もり山』へ。酷い映画の口直しでもしないと…映画が酷いと鮨屋が潤う(笑)。嗚呼。溜息が止まない。

6月26日(日)
『朝日新聞政治部』冒頭から読み始める。まだ半分くらいなので感想は改めて書きますが新聞社の「政治部記者」とは「政治記者」ではなく「政局記者」なんですね。ワン。まだ梅雨明け宣言も出ていないのにギラギラと真夏の太陽が照りつけるなか黒兵衛と散歩。こういう季節は真っ黒い犬は可哀想ですね。太陽が輝くなか《今朝ママンが死んだ》なんて文章を思い出す。そう言えばルキーノ・ヴィスコンティ監督マルチェロ・マストロヤンニ主演アルベール・カミュ原作の映画『異邦人』がデジタル・リマスターで発売されたのですよね。昔名画座で何度か見たからモウいいかとも思うが…最近映画に3本連続裏切られているからDVDがほしくなりますね。ワン。日曜の朝は東京新聞日曜版の数独やクイズをやってから仕事。ホームページの更新原稿を作成。35年くらい前に書いた高校野球甲子園大会批判の原稿を発見。筒井康隆流のパロディ小説にしていて昔のほうが過激だったかな。近々アップしますが昔のほうが過激な原稿を許してくれる時代の空気がありましたね。晩飯は『ダーウィンが来た!』でオーストラリアの大山林火災のあとのコアラのドキュメンタリーを見ながら。そのあと『鎌倉殿』はパスして『日曜美術館』でファン・ミロの世界を楽しむ。ミロは1970年の大阪万博でイロイロ活動や発表をしたんですね。3度も足を運んだのに見なかった自分の若さ(馬鹿さ)加減が悔やまれますね。

Blu-ray
『カクテル』
『カクテル』
ドナルドソン監督はこーゆー映画も創ってるんですね。トム・クルーズ主演。ナカナカいい映画ですね。

6月27日(月)
『朝日新聞政治部』読み進む。《与謝野官房長官の記者会見の受け答えは味わいがあった(略)菅義偉官房長官の対応は対照的だった。何を聞いても「問題ない」「批判は当たらない」の一言ではぐらかす。各社政治部の番記者もそれを許容し二の矢三の矢を放たない。そこへ乗り込んだ東京新聞社会部の望月衣塑子記者の厳しい追及に対し菅氏は不快な表情を見せ司会役の官邸広報室長は質問を妨害し質問回数に制限を加えた。醜悪だったのは各社政治部の官房長官番記者が望月記者の質問を妨害することに抗議せずそれを黙殺し官邸側に歩調を合わせたことだった》裏切り者はどの世界にも必ず出るものですね。ワン。糞暑い太陽が輝くなか黒兵衛と散歩。いつも出逢う道路工事の方々も大変ですね。いろいろ準備と打ち合わせのあと夕方から『ニューズ・オプエド』は五輪アナリストの春日良一さんと尚美学園大教授の佐野慎輔さん。3人で河瀬直美監督の『2020東京五輪』映画を批判。佐野さんはsideA市川崑作品と較べてスポーツが描かれてないことに対して監督人選の失敗を指摘。春日さんは映画としてどうのこうのという以前にコレが2020東京五輪だったと指摘。そうですね。sideB は森&バッハ物語ですからね。東京五輪についてイロイロ話したあとオリンピックとは何か?スポーツとは何か?を話し合わないまま札幌冬季五輪の招致に走っている「日本(の政治?社会?経済?)」を批判して番組を終えて晩飯のあとNHK『映像の世紀バタフライエフェクト世界が最も核戦争に近付いた日』を見る。ケネディ大統領の平和への奮戦記。軍人(ルメイ将軍)は戦争をしたがるものですね。同じくキューバ危機を扱ったケヴィン・コスナーの映画『13デイズ』より面白かった。ソ連のスパイの存在は見事。ウクライナ戦争でも同じようなスパイはいるのかな?いないのかな?

6月28日(火)
『朝日新聞政治部』読了。この本を一言でまとめると「大新聞社のサラリーマンは絶対にジャーナリストになれない」と言うことでしょうか。しかし「逆必ずしも真ならず」で大新聞社のサラリーマンでなくても(フリーランスでジャーナリストとかスポーツジャーナリストとかを自称している人でも)ジャーナリストとはとても言えない人もいますよね(苦笑)。ワン。猛暑熱暑のなか黒兵衛と散歩。仕事がなければ暑い夏も悪くないのですがそういうわけにもいかないので散歩のあとシャワーを浴びてイロイロ準備して東海道線で品川へ。新幹線で名古屋へ。久し振りに企業主催の講演会。建築関係の人50人くらいを相手にスポーツの話。東京オリンピックと何だったのか?スポーツとは何なのか?という話。建築関係の人には何の役にもない話に違いないのに皆さん熱心に聴いてくださって最後に中学校の部活動がアウトソーシングになったことや女性のスポーツと性同一性障害者のスポーツに関する質問をされたり…おまけに退場したあとにオモシロかったですと声をかけていただいたり…非常に嬉しい講演会でした。終わって名古屋在住のスポーツライターK君に会って生ビールで乾杯して東京オリンピックの資料などを渡して新幹線で品川へ。ところが東海道線が人身事故とかで動かない。停まってる運転手に1時間はかかるといわれて京浜東北線のホームへ行くとホームから人が落ちそうなくらい満員。仕方ないので横須賀線に回ってようやく電車に乗れてようやう大船に着いたがナント乗る予定だった東海道線特急がとっくの先に大船に到着していた。クソッ。ま。楽しい講演会だったからいいか。酒&晩飯&フロ&ネル。

6月29日(水)
ベッドでの読書は三島に戻るが久し振りに『文化防衛論』はちょっとキツイので全集の他の頁をパラパラ見ていたら『自衛隊二分論』という13頁ほどの文章があったので読む。《国土防衛軍と国連予備軍に分けよ》という主張。災害救助隊も加えて「三分論」の発想は出ないのかな?とか思いながら読む。是非はともかく最近は費用を増やすか増やさないかが中心伝でこーゆー根本的改革論が聞かれなくなりましたね。ワン。ベッドから出て猛暑酷暑熱暑のなか黒兵衛と散歩。日陰を選んでも歩いても黒兵衛の真っ黒の毛皮はは太陽の熱を一身に浴びて集めて吸収して可哀想。この熱をエネルギーに変えられないモノか?黒犬発電。尻にコンセントを刺せばスマホの充電くらい可能では?と阿呆なことを思いつくのも暑さのせい?ワン。シャワー浴びてイロイロ準備して東海道線で東京へ。『ZAITEN』編集部のある財界展望新社で小林信也さんと対談…の前に猛暑のなか道に迷って汗だく。神田駅で北口と南口を間違えたらしい。最悪。気を取り直して小林さんと『甲子園大会を即時廃止せよ!』の対談。内容については雑誌が発行されるのを待っていただきたいですが小林さんの来週月曜『ニューズ・オプエド』への出演の了解を得ましたので興味ある方はそちらを御覧ください。対談を終えて第一京浜をタクシーで南下。浜松町で降りて『ニューズ・オプエド』のスタジオへ。水曜日に東京五輪の決算を取りあげて本間龍さんと大宅映子さんが出演されるというので小生もスタジオの近所にいた関係で出演を依頼されたの喜んで…と思ったところがマタマタ道に迷って何度も行ったことのあるオプエドのスタジオが見つからない。またまた汗だくになって探し回るが…浜松町駅の北口と南口を間違えていたようで(>_<)ようやく見つけて時間に間に合ってホッ。東京五輪のこと…以外にもIOC次期会長にサマランチの息子…とかNHKの受信料のこと…とかイロイロ話して東海道線で帰鎌。沢山働いた一日でした。オプエドではこちらで→https://op-ed.jp/

CD
モーツァルト:オペラ『魔笛』
モーツァルト:オペラ『魔笛』
クレンペラー指揮の名録音。古いけどシュワルツコップ&ルートヴィヒ&ヘフゲンの三重唱に若きポップの夜の女王は最高!

6月30日(木)
ベッドのなかで三島由紀夫の全集のなかから演劇評・映画評・文芸評・エッセイなど短文を次からつぎへと読む。やはり優れた文章を読むのは面白く楽しい。《ディズニィの漫画で「不思議の国のアリス」の気違ひ兎と気違ひ帽子屋のパーティの場面は私を大喜びさせた。「ダンボ」の酩酊のファンタジーもよかった》と書く三島は《映画はますます理詰めになってきて西部劇ですら「シェーン」のやうな理詰めの傑作が生まれてくると私のような空想好きの映画ファンはどの映画館へ入ったらよいのか困惑する》と最近の映画を嘆く。そう言えば『トータルリコール』も『マトリックス』も『アバター』も理詰めですね。三島のエッセイのなかに『私の顔』と題したものが何本かあり《左右不均衡の馬面》で《曲がっており正面から見ると便所の古草履痛いに長刀型になってゐる》と嘆いているが自分の顔について書くこと自体が自意識過剰気味かな。しかし《(こんな顔でも)六十か七十になればいい顔だと云ってくれる人も現はれるであらう》という文章にはちょっとドキッとした。昭和29年(三島29歳)のときは70歳くらいまで生きる気もあったのですね。ワン。激暑のなかを黒兵衛と散歩。そのあと請求書書いたり机の上の整理をしたり本HPの原稿をまとめたり…雑務の一日。昨日一昨日と2日連続外出仕事で草臥れた。モーツァルトの『魔笛』を聴きながらゆっくりした一日。モーツァルトの音楽は清涼感満点で涼しいですからね。クレンペラー指揮の1964年の古い録音だけどシュヴァルツコップとルートヴィヒとヘフゲンが三人の侍女を歌ってる豪華版。25歳のルチア・ポップが見事な夜の女王。昔は凄かった?

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