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BOOK
『ZAITEN』2024年9月号財界展望新社
『ZAITEN』2024年9月号財界展望新社
メディアが商業主義(事業)に走るとジャーナリズムが消えるのですね。スポーツ事業からも撤退せよ!

8月1日(木)
昨日に続いてベッドのなかで雑誌『ZAITEN』読む。佐高信氏の対談『賛否両論』今回のゲストは『生き地獄天国』(ちくま文庫)などのオモシロい(読み応えのある)本で貧困問題と取り組んでる作家の雨宮処凜さん。タイトルは『自民政治の無策が貧困問題の元凶だ』。ナルホドこの国の支配者連中(自民党など)が貧困を創り出しているわけですね。一方でアジアの人々(人民)と連帯しようとする雨宮氏の姿勢はオモシロい。北朝鮮のよど号関係者と関係を持って警察のガサ入れを受けたところが「ガサ入れもまた楽し」と言う雨宮さんは力強い女性ですね。ワン。今日も殺人的災害級熱暑のなか黒兵衛と散歩。少しでも太陽が雲で陰ったり風が吹いたりすると涼しく幸せな気持ちになる。イソップの『北風と太陽』とは逆の物語が創れそう。ワン。デスクワークを始めると本間龍さんからメールで昨日YuTubeに出演した『一月万冊』がアップされたと連絡があった。https://youtu.be/mwlois3N-Ck ココで見ることができるので興味ある人はご覧ください。パリ五輪のことやスポーツの本質論などイロイロ楽しく話しています。明日の『オプエド』のゲストは尚美学園大学教授の佐野慎輔さんとパリで取材中のスポーツライターの小崎仁久さん。『一月万冊』でも『オプエド』でも「感動ポルノ」でないスポーツの話を楽しく喋りますのでヨロシク。体操の団体&個人総合金メダルは素晴らしかったけどコレほどオモシロいスポーツ競技がオリンピックでなければ騒がれないというのも考え物ですね。

BOOK
いしいしんじ『息のかたち』講談社
いしいしんじ『息のかたち』講談社
このホンワカとした雰囲気の小説を書きたいために著者は京都(京都弁の社会)に移住したのでしょうね

8月2日(金)
ベッドのなかの読書はいしいしんじさんから送られてきた最新小説集『息のかたち』(講談社)を読む。表題作のほかに『桃息吐息』『息してますえ』の2編を加えた短編集。ほんわかムードの京都弁の息づかいの小説が並ぶ。「生き」ている証拠の「息」に注目したところがオモシロい。他人の「息」が見えるようになった少女の話を読んでいると本当に人々が吐く「息」が様々に色付いて見えてくるようでオカシイ。ベッドで眠って起きたら別世界に生まれ変わった気になったがそれは気になっただけだった(笑)。小説家というのは不思議な発想をしてくれますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。数日前からやっと蝉が鳴き出した。今年の蝉はあまりウルサくないのは蝉もあまりの暑さに地中から出るのを躊躇っているからかな。ワン。イロイロ準備して夕方から佐野慎輔さんと小崎仁久さんをゲストに迎えて『ニューズ・オプエド』。小崎さんは綺麗な青空と美しいエッフェル塔を背景にしてパリからの出演。ビーチバレーの会場からの美しすぎる中継は美事。しかし相当に暑く湿度も高い日々が続いてるらしい。佐野さんも五輪を8月開催に固執するのを考え直さなければ…と提案。そうですね。アメリカNBCの放送権料の呪縛から解放されてネット中心になれば1964年の東京大会のように「スポーツの秋」に開催することも可能ですよね。他に五輪でのジェンダー問題や『イマジン』を開会式で歌う意味などを3人で話し合って内容の濃い番組は終了。サッカーはスペインに0-3か…。録画をキチンと見直さなければ…。

CD
『IMAGINE』
『IMAGINE』
この歌をオリンピックで大合唱するところからオリンピック本来の目的=世界平和へ向けての「行進」が始まるのでは…?

8月3日(土)
ベッドのなかの読書は丸谷才一『文章論的憲法論』。現日本国憲法の文章は文章論的に酷いものだがそれでもまだ言わんとすることが伝わる文章になっている。が大日本帝国憲法は言わんとしていることもワケがわからず意味不明だという。ナルホド。その通りですね。大日本帝国憲法の文章が格調高いなどと言う人は文章というものの意味がわかってないわけですね。ワン。

8月3日(土)つづき
ベッドを出て熱波のなか黒兵衛と散歩。暑さのせいで歩く距離が短くなって運動不足になるのは仕方ないか。ワン。散歩のあとデスクワークいろいろ読書もイロイロしているところへ『週刊新潮』記者から電話。パリ五輪について。ボクシングのジェンダー問題や開会式でのキリスト教(最後の晩餐)批判や審判の誤審問題について意見を聞かれる。ジェンダー問題や審判(誤審)を突き詰めるとオリンピックという平和運動で勝敗を(しかも国別に)争う必要があるのか?という問題に突き当たることを指摘。世界選手権やワールドカップとは異なる平運動スポーツ大会を考えるべきだし開会式はキリスト教の問題よりも『イマジン』が歌われることがルール化されたことの方がオリンピック(平和運動)には重要な問題だと答える。何処まで誌面化してくれるかな…と思いながらも『新潮』記者とは五輪について有意義な会話ができたことに満足。晩飯時から長女が来宅。酒呑みながら女子サッカー日本vsアメリカを楽しむ。延長前半アディッショナルタイムに1点取られて負けはしたけど日本の選手たちもよく頑張りましたね。イイ試合でした。時刻を見ると午前1時近く。ビデオを活用せず深夜まで生で楽しんだ初めてのパリ五輪でした。

Kindle
水木しげる『コミック昭和史(2)満州事変〜日中全面戦争』講談社文庫
水木しげる『コミック昭和史(2)満州事変〜日中全面戦争』講談社文庫
自分史と重ね合わせるところから昭和の日本史を描くところがリアルです

8月4日(日)
ベッドのなかで水木しげる『コミック昭和史全8巻』(講談社文庫)読み始める。終戦の日が近づいてきましたからね。それに良いと思った歴史の本は何度も読み直すべきですからね。水木氏の昭和史第1〜2巻は関東大震災から満州事変を経て日中全面戦争まで。俺の親父の青春時代。3度の応召で武漢三鎮の最前線へ渡り3度の負傷を負った時代の話です。水木氏の戦争に対する厳しい目と兵士に対する優しい目は「昭和」を振り返るときに最も必要な視点でしょうね。ワン。ベッドを出て相変わらずの殺人的猛暑のなかを昨晩から家にいる長女と一緒に黒兵衛と散歩。朝の明けない夜はない。秋の来ない夏はない…と言うけれどホンマカイナ?と疑りたくなるような気候変動の猛暑ですね。ワン。最近猛暑のせいか(?)ネット環境がオカシイので長女にプロバイダーとの交渉は任せて俺はDVDで映画『激動の昭和史沖縄決戦』を見る。監督は岡本喜八。沖縄での悲惨な住民の闘いと軍部のエゴを見事に描ききった映画だと思います。戦争を体験している世代の人々の戦争に対するナチュラルな嫌悪感や軍という存在に対する批判的な視線は大事にすべきですね。戦争を体験していない人の軍隊&戦争肯定論には注意すべきでしょう。晩メシはオリンピックの水泳やゴルフを見ながら。ハマス高官の殺害によってイランとイスラエルの関係が危機的状況に陥ったようだけど…平和運動であるはずのオリンピックは何もできなものか…オリンピックの報道はソコに触れなくてイイのかな?

8月4日(日)つづき
オリンピックでフェンシング日本チームが大活躍。柔道団体でフランスチームが大活躍。スポーツの国際化とはこういうことですね。日本人(日本のメディア)は柔道でフランスに負けたことよりもフランスの柔道界が練習中に死者を一人も出していない(日本は毎年のように練習中に死者が出る)コトに注目し反省すべきでしょうね。

Kindle
水木しげる『コミック昭和史(5)太平洋戦争後半』講談社文庫
水木しげる『コミック昭和史(5)太平洋戦争後半』講談社文庫
戦争の悲惨さが如実に描かれてます。右翼の人・大東亜戦争を肯定している人にも読んでほしいですね

8月5日(月)
水木しげる『コミック昭和史3〜5巻』読む。日中全面戦争〜太平洋戦争前半〜後半まで。よく壊れる軽機関銃やモーターボートを少し大きくした程度の輸送船。それでいて大和や武蔵の巨大戦艦は立派。なんだか現在進行中の大阪関西万博の大屋根(リング)が連想されました。日本人の発想はこんなもんじゃなくもっと素晴らしいと思うけど日本国(大日本帝国)の発想となるとこうなってしまうのかなあ。ワン。ベッドを出て熱波のなか黒兵衛と散歩。たっぷり汗をかいて毎朝シャワーを浴びるのは気持ちイイ。日中戦争や太平洋戦争で行軍した兵隊のことを思うと熱波や猛暑など軽いもの…と思いたいけど…国や行政のやることが間違っていれば糺すことのできるのが民主主義者かいんはずだが…戦後社会も何故か戦前と変わらない面がありますね。ワン。実はココ数日テレビのアンテナに不具合が出てテレビを見ることができずパリ五輪はネット関連のTVerその他で見ていた。それが今朝部品の交換でテレビを見ることができるようになったけど…五輪はスポーツのゲームさえ見ることができればテレビのメイクドラマやコメンテイターの情緒的感想は不要なことがよくわかりますね。テレビがつながって素晴らしかったのは晩飯時の吉本新喜劇を見ることができたことですね(笑)。男子バレーはイタリアに惜敗。しかし2セット連取しながら逆転され最後に勝ちきれなかったことこそ実力差と言うのでしょうね。

Kindle
水木しげる『コミック昭和史(7)講和から復興』講談社文庫
水木しげる『コミック昭和史(7)講和から復興』講談社文庫
小生のガキの時代。日本人はまだみんな貧しく一所懸命頑張っていたんですよ

8月6日(火)
水木しげる『コミック昭和史6〜7巻』読む。終戦から朝鮮戦争〜講和から復興まで。水木先生の言葉は単純素直だが本質をズバリ突いている表現が多い。《軍人とか右翼の元気な国はどういうわけか国民生活が暗い。それは世界中見ても今もそうだ》確かに。ベッドから出て黒兵衛との散歩の前に広島原爆投下の日の「平和記念式典」を見る。相変わらずのコピペのような岸田首相のありきたりの挨拶と違い湯崎広島県知事の挨拶は見事だった。弥生時代からの闘いの歴史に触れながら現代の銃弾やミサイルによる戦争が止まないことに触れ今尚世界では核兵器の開発に年間14兆円もの費用と多くの人材が注ぎ込まれていることを指摘。その1割でも核兵器廃絶に割かれれば核廃絶も絵空事ではなくなると訴える。この演説は原爆被害の悲惨なリアルさにも触れて本当に見事でした。オリンピックも平和運動なのだからメダル獲得の話だけでなくワイドショウは広島の平和式典にも少しは触れるべきですね。ワン。今日も殺人的猛暑のなか黒兵衛と散歩。NHK-BSで昨日はゴダールの『勝手にしやがれ』をやっていて今日は『エディット・ピアフ愛の賛歌』。パリ五輪からの連想ゲーム的試みらしいけどどっちもよく知っている映画なので見所だけをツマミ見る。ジーン・セバークはいつ見ても可愛いですね。ピアフのラストシーンの「水に流して Je ne regrette rien」を聴くだけで涙が出そうになりますね。そう言えば書き忘れてますけど長女が来たときにはドイツの戦後のフルトヴェングラーを戦犯有罪にしようとするアメリカ士官と無罪を訴えるフルトヴェングラーの葛藤を描いた『Taking Sides』見ました。なかなかオモシロイ映画でしたがカラヤンがナチ党員だったという指摘が何故ないのか少々疑問でした。夜見るパリ五輪のスポーツの面白さで昼に見た映画を描き忘れるのはイケマセンねえ(>_<)

Kindle
水木しげる『コミック昭和史(8)高度成長以降』講談社文庫
水木しげる『コミック昭和史(8)高度成長以降』講談社文庫
戦争反対のメッセージは素晴らしいけど日本社会の堕落は高度成長の絶頂期から始まっていたのですね

8月7日(水)
ベッドのなかで水木しげる『コミック昭和史8巻』読む。高度成長以降。最終巻(全巻)再読了。最初に読了したときは最後のイラスト=大日本帝国の三八式歩兵銃(と思しき銃)の銃身が捻れて結ばれて反戦のメッセージが大きく印象に残った。《昭和の歴史は大きな犠牲を払って得た「もう戦争はしてはいけない」という大きな教訓の歴史だった》2度目の読了は自分の知ってる事件の数々を懐かしく読んだ。ロッキード事件…成田空港過激派破壊事件…MANNZAIブーム…千石イエスの方舟…金属バット殺人事件…佐川パリ人肉事件…戸塚ヨットスクール事件…ロス疑惑の銃弾事件…怪人21面相とグリコ森永事件…リクルート事件…それらの事件が現れる「章」に水木氏のつけたタイトルは「安定成長の中での頽廃」「奇妙な豊かさ」など…やはり現在日本の没落は昭和後半から始まっていたのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマはパリ五輪の話題。日本がフランス生まれのフェンシングで活躍しフランスが日本生まれの柔道で活躍。フランスの柔道は日本の川石酒造之助が育て日本のフェンシングもフランス人コーチが育てたという話。こうして世界に広がるスポーツ(柔道&フェンシング)文化は喜ぶべきなのに日本人は柔道で外国人に負けることを否定しすぎてますね。1964年東京五輪柔道無差別級で日本の神永を破ったへーシンクも育てたのは道上伯という日本人だったのに「反講道館」は否定されるのかな?そう言えば2010年9月にNHKで川石酒造之助や道上伯やブラジルでグレーシー柔術につながる柔道を教えた前田光世などにスポットを当てた番組を作ったところが講道館に抗議されました。もちろん小生は講義を受け入れませんでした(台本を書き直さなかったです)けどね。ワン。雨のまったく降らない熱波のなか黒兵衛と散歩。埼玉や東京ではゲリラ豪雨がよく降るのに横浜以南は何故降らないのか?ワン?終日ゴチャゴチャと部屋の整理。夕方からレスリングや男子スケボーを見ながら晩メシ。長崎の原爆忌にイスラエルを招待しなかったことに関してイギリス大使館などが抗議しているらしい。ロシアもベラルーシもイスラエルも…みんな原爆忌に招待して核爆弾は使わないと約束させればイイのに…。オリンピックにも参加させて参加者全員に停戦を宣言させれば良いのに…。五輪参加者全員で♪イマジンを歌えば良いのに…。

BOOK
飯島裕一『老化と寿命の謎』講談社現代新書
飯島裕一『老化と寿命の謎』講談社現代新書
新聞記者(科学記者)の文章はわかりやすいけど「老い」の原因がわかったところで意味ないかな?

8月8日(木)
自宅にある水木しげる氏の本は完読したので先月講談社から送られてきた現代新書『老化と寿命の謎』をベッドに持ち込み読み始めるとコレがオモシロい!著者(飯島裕一)が信濃毎日新聞記者なのでわかりやすい文章でオモシロく老化や寿命の話を説明してくれる。北極海に棲む体長6メートル体重1トンくらいのニシオンデンザメの寿命は平均400年(!)くらいだという。体温は水温と同じ0度。体温が下がるほど代謝量(エネルギー消費量)も下がるので長生きできるらしい。戦国時代に生まれたニシオンデンザメが現在も生きてるのだ!また人間の創り出す環境も長寿につながり家猫の寿命は10年を超えるが野良猫の平均寿命は5年だという。ナルホド。ウチの虎太郎はモウ10歳以上だから小生に感謝すべきですね。いや世話してるのはヨメハンでした。ニャン。ベッドを出て殺人的酷暑のなか黒兵衛と散歩。ワン。人間換算年齢90歳以上の黒兵衛もヨメハンと小生に感謝すべきですね。ワン。終日いろいろデスクワーク。共同通信社からパリ五輪の誤審の多さでネットが喧(かまびす)しいことについて電話で感想を求められるので審判はIF(国際競技連盟)の問題だが五輪は国対抗の競技ではないことをIOCがもっと強調すべきと答える。しばらくすると東京新聞特報部からも電話。外資のレッドブルが大宮アルティージャの株を取得したことについて意見を求められる。「外資が参入するのは世界的な流れだがチームやサポーターがビッグスポンサーに振り回されないように。レッドブルの方針や判断に地域(地方公共団体)やサポーターも当事者の自覚を持って意見を言ってチームにかかわることが必要」等々の意見を言う。夕方宮崎中心に大地震。自衛隊は三島由紀夫が主張したように半分を災害救助隊に再編すべきですね。パリ五輪見て400mリレーに期待。明日の長崎の原爆平和記念式典のときでも高校野球はやるのですね。

8月9日(金)
『老化と寿命の謎』オモシロい。細胞の老化と死が個体の老化と死につながるのなら細胞の老化と死を止めれば個体の老化と死も伸ばせる(防げる?)という理屈で研究は進んでいるらしいけどそこまでして寿命を延ばす必要があるのかな?と首を捻ってしまいますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。あまりの暑さのせいか今年は蝉もなく力を失っているのかと思ってしまう。ミンミンゼミがアッチの木コッチの木で1匹ずつ孤独に鳴いているように聞こえる。蝉時雨とは程遠い熱波ですね。ワン。帰宅して長崎原爆忌平和式典をテレビで見る。ロシアもベラルーシもウクライナもイスラエルもパレスチナも全部の国を招いて隣同士に座らせて原爆廃絶の祈りを捧げられなかったものですかね。。イロイロ準備して今日の『ニューズ・オプエド』は「パリ五輪特集題7弾!パリから見えたオリンピックの未来」。ゲストは五輪アナリストの春日良一さん&パリで五輪ボランティアをしている原実季さん&パリで五輪見物をしている東京五輪のボランティア日比麻起子さん。女性二人の現地レポートは素晴らしかった。確かにパリ五輪は盛り上がって街中にスポーツが溢れているのは素晴らしいけどパリ在住の富裕層はパリを離れて貧しい人たちは五輪のチケットを買えず多くの観光客と一部のパリ市民が楽しんでいるのが現実とも言えるとのこと。また20か国くらいがナショナル・ハウスを設けてウクライナもロシアの爆撃で破壊されたスタジアムの椅子などを展示していたとのこと。誤審の問題についてサッカーでに細野選手のオフサイドはオフサイドの本来の規定(待ち伏せはダメ)から考えるとオフサイドではない(ビデオ判定は間違ってる)という春日さんの指摘は貴重だった。イロイロ問題のあるパリ五輪ではあっても開会式のイマジン(による平和の主張)や街中のスポーツ等未来のオリンピックの素晴らしいあり方を示したことは評価できますね。それに対してコロナがあったとは言え何も新しい試みを提示できなかった東京はしょぼかったですね。また今もメダルしか騒げない日本のメディアもしょぼいですね。フジタハウス(藤田継治のアトリエ兼住居)の五輪文化プログラムくらいどこかの局が紹介してほしいですね。嗚呼。

BOOK
『まんがで読破 平家物語』イースト・プレス
『まんがで読破 平家物語』イースト・プレス
孫(中1)の入門書にはイイかな?このあと原書を読んでくれればイイけど…

8月10日(土)
ベッドでの読書『老化と寿命の謎』をいったん休止して『まんがで読破 平家物語』(イーストプレス)を読む。夏休みで孫がやってくる前に彼に推薦できるかどうかをチェック。『平家』は横山光輝の漫画本を既に孫に渡しているが歴史本は同じテーマを複数の角度から読むのがイイですからね。ハイ。この漫画本は中学生相手に合格ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。熱中症を避けて風を求めて影を辿って歩くと殺人的猛暑でも歩けますね。ワン。シャワーのあとデスクワークはオリンピックと平和運動についてチェック。さらに民主主義がスポーツを生んだというノルベルト・エリアスの「文明論」もチェック。そして日本のメディアとオリンピック&スポーツに対する報道の問題点の整理を始める。日本のメディアが日本の国と国民を「戦争に導いた」という半藤一利氏と保坂正康氏の主張もチェック。日本のメディアのスポーツ報道が日本の国と国民をどーゆー方向に導いているのか…をキチンと分析しなければイケマセンからね。午後からパリ五輪のマラソンを見る。なるほどパリの町の美しさが際立ってますね。確か五輪の第2回パリ大会のマラソンでは近道を知っていたパリジャンが何人か失格したけど今回の大会ではそんなことはないですね(笑)。夕方から長女と長男が来宅。みんなでパリ五輪見ながらシャンパンで乾杯。ビールとワインでついつい夜更かし。女子卓球は頑張ったけど中国は強かったですね。ボクシングや柔道やレスリングに体重制があるならスポーツクライミングは身長のクラス分けが必要かな…とも思ってしま。。

DVD
『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』
『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』
黒人差別に猛反発しアメリカ政府と戦ったビリーをナントカ逮捕しようとしたFBI麻薬捜査官はケネディ大統領に表彰されたのか…嗚呼

8月11日(日)
ベッドで『まんがで読破 平家物語』(イーストプレス)読破。横山光輝版の『平家』には詳しく書かれていなかった木曽義仲の藤原基房の娘略奪(関白志望)や壇ノ浦を生き延びたあとの建礼門院徳子のエピソードなど異なる点もいろいろあるのでこの漫画も孫に推薦することを決める。ワン。ベッドを出て影を求めて長女&長男と黒兵衛の散歩。この異常気象の暑さのなか午前9時を過ぎて犬の散歩をする人など皆無ですね。常に少数派の道を歩くのが我が家の家訓かな(^0^;)ワン。シャワーを浴びたあと映画鑑賞は『ビリー・ホリデイvsザ・ユナイテッド・ステーツ』。黒人奴隷への虐待を非難する歌『奇妙な果実』を歌わせなくするため麻薬の使用でナントカ逮捕しようとする合衆国麻薬取締官の長官とビリー・ホリデイの闘いを描いたなかなか素晴らしい映画でした。黒人に裏切り者と非難された黒人の麻薬取締官は最後にビリーと恋仲になり不幸のどん底を生き抜いたビリーも束の間の幸福を味わうのだが麻薬取り締まりで終始政治的に動いてビリーを逮捕しようとした長官はビリーの死後J・F・ケネディ大統領に表彰されるのですからアメリカという国は複雑ですね。ジャズ歌手のビリーもシャンソン歌手のピアフもオペラ歌手のカラスも最高の女性歌手が全員不幸な生涯を生き抜いたのは何故かな?日本の社会には美空ひばりと神戸芸能社の映画を作るパワーと善意が残されてるかな?午後イロイロ仕事したり長男と酒呑みながらパリ五輪を見たり。北口選手の金メダルは見事。他の選手の活躍も見事。レノンの『イマジン』は開会式だけでなくいくつかの競技場でも流されたようだけど素晴らしいことですね。♪国境もなく国もなく宗教もないことを想像してみて……。この歌詞が今後の全ての五輪で歌われることだけが五輪の救いですね。国際体操連盟の渡辺守成会長が来年3月のIOC会長選挙に立候補するらしい。オモシロい…かもしれない…。明日午前4時からの閉会式を見るため早寝。しかしオリンピック期間中日本のテレビではオリンピックの文化プログラムにまったく触れなかったですね。誰か文化プログラムを報じたメディアを知ってますか?

BOOK
半藤一利&保坂正康『そして、メディアは日本を戦争に導いた』文春文庫
半藤一利&保坂正康『そして、メディアは日本を戦争に導いた』文春文庫
マスコミ関係者全員の必読書です

8月12日(月)
ベッドでの読書は終戦記念日が近づいたこともあって半藤一利&保阪正康『そしてメディアは日本を戦争に導いた』(東洋経済新報社)。2013年10月に発刊された直後すぐに買って読んだので10年経っての再読になるが「戦争の語り部」として貴重な御両人の現在の日本に対する「危機感」を再確認。なるほど10年前に既にメディア(ジャーナリスト)の堕落は度しがたい状態だったのですね。保阪氏はジャーナリスト養成の専門学校を批判したあと「いくら専門学校を出たら仕事をもらえるからといってもこれじゃ詐欺だ。もっと基礎的な知識を蓄えてからジャーナリストになるべきですよ」と言う。その通り!半藤氏に昭和史の取材に来た記者は石原莞爾を知らなかったという。「活字メディアの質も心配ですけれど放送というか映像メディアのジャーナリストのほうがもっとひどいかもしれない。(略)石原莞爾のことさえ知らないんじゃ(略)こちらもまともな話はできない」そう言えば昔R・ホワイティングさんと一緒に夏の甲子園に取材に行ったとき4〜5人の記者が集まってきてインタヴューが始まったのでホワイティングさんが「飛田穂洲の精神がまだ生きてるかどうかを見に来た」と言ったら高校野球を取材している記者の誰一人として飛田穂洲のことを知らなかった。スポーツ・ジャーナリストの堕落も30年前から始まってましたね。今年のパリ五輪のテレビ放送で「国の威信を賭けた戦い」と口にしたアナウンサーを2度耳にしたけどIOC憲章に「オリンピックは国の闘いではなく個人とチームによる闘い」と書かれていることを知らないのかな?朝4時に起きてパリ五輪の閉会式を見る。長い。時間が長すぎる。それに選手がぞろぞろ出てきたとき概ね国ごとに分かれていたのは残念でしたね。1964年の東京五輪では国別の感じはなくゴチャゴチャでしたからね。そのときは国立競技場に入る選手たちに四斗樽で樽酒を振る舞ったけどパリはワインを出さなかったのかな?少し寝直してから黒兵衛と熱波のなか散歩。南関東は颱風も逸れて雨がまったく降らないですね。ワン。午後から明後日水曜の夜のBSフジ『プライムニュース』に出演することが決まったので番組のスタッフとZOOMで打ち合わせ。オリンピックと平和(戦争)について。レノンの『イマジン』が今後どう使われるかで五輪の価値が決まりますね。晩メシはTVKで吉本新喜劇を見ながら。五輪という非日常よりヨシモトの日常のほうが平和的かな?吉本興業が政府に近づいたりしなければ…ですけどね。

CD
『ベスト・オブ・ベルベット・アンダーグラウンド』
『ベスト・オブ・ベルベット・アンダーグラウンド』
ルー・リードと彼のバンドがチェコのヴェルヴェット革命にインスパイアしたのですね

8月13日(火)
半藤一利&保坂正康『そしてメディアは日本を戦争に導いた』読み続ける。政府や官憲のジャーナリズムに対する弾圧は確かにあったがそれ以上に《商売が先立つと言論は守れない》ということなんですね。日露戦争の報道で《戦争報道は儲かる》と《歴史から学んだ》メディアは国家と一体になって戦争を推進していったわけですね。「平和や文化というのは本来は商売にならないんだね(半藤)》なるほど。だから平和運動のはずのオリンピックも報道機関は国別対抗メダル獲得合戦にしてしまうわけですね。パリ五輪の放送でも「国家の威信を賭けた戦い」というアナウンサーの言葉を2度聞きましたがそのアナウンサーは「国家の威信」という言葉の意味を本当にわかってるのかな?ワン。ベッドを出て猛烈な殺人的熱暑のなか黒兵衛と散歩のあと明日の『プライムニュース』でオリンピックの開会式が『イマジン』を「採用」したことへの評価を固めるためベルリンの壁崩壊に力を発揮したニナ・ハーゲンの「♪カラーフィルムを忘れたのね」やデビッド・ボウイの西ベルリンでのコンサートやソ連崩壊の力になったビートルズとエストニアの歌手イヴォ・リンナの「♪ヘイジュード」やチェコのビロード革命を導いたルー・リードとヴェルヴェット・アンダーグラウンドや天安門事件&香港民主化に影響を与えたテレサ・テンの「♪月が私の心を映してる」などを調べ直す。バッハIOC会長の閉会式での言葉。「五輪は平和を作ることができないのは分かっている。しかし五輪は平和の文化を創り世界をインスパイアすることができる」この言葉はエクスキューズではなくポジティヴな言葉と理解したいですね。

8月14日(水)
臨時ニュースです(笑)。本日テレビで「オリンピックと平和」について話す予定だったBSフジ『プライムニュース』は「岸田首相の総裁選不出馬」のニュースに差し替えとなり延期となりました。オリンピックが政治に負けた?(苦笑)

8月14日(水)少し戻って…
ベッドのなかで『そしてメディアは日本を戦争に導いた』読み進む。戦前や戦中に一つの新聞(メディア)が軍部や政府から発禁処分を受けると他の新聞が喜んだのですね。発行部数を横取りできるから。そこにメディア全体のジャーナリズム精神など微塵も存在しなかったわけですね。小生にもそういう経験がいくつかありました。巨人が選手の交通事故を隠蔽したことをある雑誌(月刊誌)で追究したところが巨人が急に様々な取材許可を同じ出版社の週刊誌に出して月刊誌の編集長は社内で孤立してしまったんですね。そんなことを仕組んだ球団の親会社が新聞社だったことに小生は唖然としましたが日本のメディアはそうしてあらゆる権力に(第四の権力にも)切り崩されていくんですね。最近も権力に切り崩されたスポーツジャーナリストがいましたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマはパリ五輪や最近のスポーツに見られた大きな特徴について。それは暴力行為の減少。パリ五輪では「疑わしい判定」が続出しましたがソレに抗議して暴力沙汰になるなんてコトは(小生の知ってる限り)皆無でしたね。昔は五輪でも選手やコーチの暴力沙汰がよくあったのに…最近のメジャーの野球でもかつては名物でもあった乱闘が消滅したようですね。審判の権限(選手に暴力行為があれば退場させる権限)が強くなったなどのルール変更もあるけどそもそもスポーツは古代ギリシアや近代イギリスのように暴力による権力奪取を否定する民主主義社会にしか生まれない文化。最近のスポーツ界の暴力完全否定の風潮はやがて最悪の暴力(戦争)も否定する力になるかな?という話をする。ラジオのあと激暑のなか黒兵衛と散歩。雨が全然降らないけど颱風で纏めて降るのかな?と思いながら帰宅すると岸田首相総裁選不出馬のニュース。間もなく今夜のBSフジ『プライムニュース』の「オリンピックと戦争と平和」の企画を延期との電話がプロデューサーから入る。まぁ次の自民党総裁に誰が…なんて政局予想の話はできないのでシャーナイかもしれないけど広島出身の総理が核軍縮なんて口先だけだったという話やオリンピックを日本のメダルでしか捉えられない総理の限界くらいは話せるので政局評論家と入れ替えなくても良いのになあ(笑)…なんて思いながら夜晩飯食いながらTBSの『報道730』を見ていると保阪正康さんが「戦争で何百万人も亡くなった人々を追悼する日の前日に発表することか!?」と怒って(嘆いて)おられた。そう言えば岸田首相は会見で総裁選不出馬のあとは「一兵卒として」と何故か兵隊用語を何度も使っていた。「一党員として」と言えばイイのに戦争を知らない人(身近な人から聞いていない人)こそ兵隊用語を安易に平気で口にするんですね。小生は親父から「一兵卒」の辛さ悲しさ侘しさをよく聞かされたので「一兵卒」という言葉を軽々しく口にすることなどできませんね。嗚呼。

8月15日(木)
終戦記念日。武道館での式典をNHKしか中継しないというのは何故?1964年の東京オリンピック開会式はテレビの全放送局が中継したけど…。A級戦犯を「勝手に」合祀した靖国神社に多くの政治家が参拝するのは何故?日本国は東京裁判の結果を受け入れたのじゃないの?などと思いながら式典はネットで見る。甲子園では黙祷をしたのかなぁ?ベッドでの読書は半藤一利&保坂正康『そしてメディアは日本を戦争に導いた』(東洋経済新報社・文春文庫)読了。全ジャーナリスト必読の一冊ですね。半藤氏の最後の言葉=「歴史を知れば道がわかる。方向はわかる。道を誤らないために歴史を勉強するのは本当に大切なんだよ(略)いまの若い「自称ジャーナリスト」たちは不勉強だね」。半藤さんは亡くなってしまったけど保阪さんには一度戦前の政府とスポーツの関係について聞いてみたいですね。本書ではスポーツやオリンピックにまったく触れられていないけど戦前「日本を戦争に導いたメディア」がどのようにスポーツを利用したか…今もどのように利用して日本を「誤った道」に導いてるのか…あ…それを書くのは小生の仕事ですね…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。嵐の前の熱帯日。南関東は颱風も逸れそうだけど…どうかな?久し振りに雨は降るのかな?ワン。終日原稿書きは『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』。パリ五輪でレノンの『イマジン』が歌われたことの重要な意味(「蔵出し音楽」参照)とソレに気付かないメディアの情けなさについて書く。ドイツのメルケル元首相とニナ・ハーゲンの「?カラーフィルムを忘れたのね」との関係やルー・リードとチェコのベルベット革命の関係についても触れる。「スポーツ(アスリート)の力」+「歌(イマジン)の力」=「平和への力」とならないか?

8月16日(金)
ベッドでの読書は中央公論社が1999年に発行した『日本の近代全16巻』のなかから『第14巻メディアと権力』の再々熟読を始める。そう言えば最近の日本のメディアを批判したオモシロそうな本に出逢わないですね。そもそも本を読む人が減ったからかな?メディアがSNSなど多様化して論争がなくなったからかな?メディアと言っても活字は誰も読まないしテレビはヴァラエティとエンタメばかりだしSNSは自分の主張(友言えない独断の意見)の言いっ放しだし…まぁこんなときこそ半藤&保阪両氏の意見に従って歴史書を読みましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩&雲古をサッサと済ませて「非常に強い颱風」が関東に迫っているというので庭の片付けをしたり滅多に閉めない雨戸を閉めたり。故・枝雀師匠の川柳に(と言っても彼らしく五七五など全然守ってないのですが)「傘」という御題で「持って出たからにゃあ降ってもらわな」という名句があった。ソレに習って颱風も「準備したからにゃあ来てもらわな」なんて思ってしまうがどうやらこの「(不埒な)期待」は外れて雨も風も南関東はちょっぴりでしたね。

8月16日(金)つづき
夕方から『ニューズ・オプエド』はプロゴルファーのタケ小山さんがMCで小生とゴルフ・ジャーナリスト協会会長の小川朗さんがゲスト。オリンピックと『イマジン』のことや真夏の高校野球のナンセンスなことなどをイロイロ喋らせてもらったあと日本のゴルフ事情についてイロイロ教わる。ゴルフ界は野球界とよく似ていて組織がバラバラ。みんなスポーツ(ゴルフと野球)のことを考えずにスポーツを利用して自分が儲けることばかり考えてるんですね。嗚呼。2024年6月4日の東京新聞「筆洗」に芝目の複雑なラインを『ユリシーズ』や『フィネガンズウェイク』などで有名なアイルランドの作家の名前を使って「ジェームズ・ジョイス」と言う(芝目もジョイスも「読みにくい」から)というコラムがあったので小山&小川両氏にこの話を振ると両氏とも「聞いたことがない」との返事。小山氏は「アメリカで10年以上生活したが聞いたことがない」小川氏も「自分はジョイスと誕生日が一緒だが(笑)聞いたことがない」とのこと。この「高尚なギャグ」は何処で使われているんでしょうねぇ?「筆洗」氏は「ゴルフのスラング(俗語)として使われているそうだ」と書いているのだが…。

8月16日(金)つづきのつづき
『オプエド』のあとNHKで「パリの日本語漫画喫茶」のルポを見ながら晩メシ。パリ(フランス)では『ワンピース』も『ドラゴンボール』も『ナルト』も大人気。大学生や社会人や子供やインテリの人などいろいろインタヴューしていてオモシロかったしパリで日本の漫画をフランス語に翻訳出版している日本語が堪能なフランス人のプロデューサーは一番好きな漫画を手塚治虫の『火の鳥』と言ってたけど彼と彼女らにサルトルやカミュやレヴィ=ストロースは読んでないのか?と訊いてほしかったですね。ちなみに我が家の隣人のフランス人のモンティさんは開高健の『ロマネ・コンティ1935年』などの短編を愛読していますね。

8月17日(土)
ベッドのなかで『メディアと権力』読み進む。「政府系新聞」と「政府を支持する新聞」の違いは頭に入れておかねばならないけど現在のどの新聞も何らかのカタチで政府の世話になっている(記者クラブのスペースを無料で借りていること等)を考えればドレもコレも「政府系新聞」と言えなくもないわけですね。嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。颱風は見ない関東にとっては空振りに終わりました。雨もショボっとしか降らず風もそれほど吹かず洪水や暴風雨に見舞われた地方の方に較べれば幸いだったと喜ぶべきでしょうが暑さばかりが増して雨の降らない異常気象の地域も不穏な雰囲気ではありますね。暑さのなか相似や部屋の整理もする気にならずデスクワークいろいろ。昨日の『オプエド』でゴルフの芝目の読みにくいグリーンを「ジェームズ・ジョイス」と呼ぶ話は五輪ではなく全米女子オープンで優勝した笹生優花選手を話題にしたときの6月4日付東京新聞のコラムだと気付いたのでタケ小山さんと小川朗氏に記事を添付してメールで訂正。しかし誰が「ジェームズ・ジョイス」なんて「高度な比喩」を使ったのでしょうねえ(>_<)高校野球で早実高が内野を6人にして投手の横を守らせるシフトを敷いたとか。これはショートストップ(遊撃手)が昔は2人いたときの守備位置で新しいことではないですね(^_^)。最近のあまりの暑さに暑気払いとして久し振りに『鮨処もり山』へ。美味しいお寿司に舌鼓。鰯の刺身も美味しかったけど土瓶蒸しが登場。もうすぐ秋ですねえ。

BOOK
ブルンヒルデ・ボムゼル+トーレ・D.ハンゼン『ゲッペルスと私 ナチ宣伝相秘書の告白』紀伊國屋書店
ブルンヒルデ・ボムゼル+トーレ・D.ハンゼン『ゲッペルスと私 ナチ宣伝相秘書の告白』紀伊國屋書店
ナチスが支配するベルリンで生きた女性の告白録は嘘も含めて痛々しいリアリティがあります。今も似たような時代かな?

8月18日(日)
『メディアと権力』はやはりベッドのなかで読む本ではない(机の上で勉強する本である)と判断してベッドでの読書は以前から読みたい読みたいと思っていた本にチェンジ。ブルンヒルデ・ボムゼル+トーレ・D.ハンゼン『ゲッペルスと私 ナチ宣伝相秘書の独白』(紀伊國屋書店)を読み始める。103歳のなったナチ宣伝賞元秘書が「昔話」を語り出した興味深い一冊。1933年ナチスが政権を奪うまではユダヤ人とも普通に暮らしていた子供時代から語り始める話は極めてオモシロい。政治とまったく無縁だった若い女性が新しい動き(ナチス)に無意識に喝采してしまう様子がまず描かれている。現代でも十分起こり得る話…否起こっている話ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。チョイと雲が多く太陽が隠れてるので久し振りに散歩の距離をチョイと伸ばす。帰宅の頃にポツポツと狐の嫁入り。しかしソレだけ。隣町の藤沢市はゲリラ豪雨になったらしいが鎌倉にはほんの少しの慈雨もナシ。嗚呼。ワン。

8月18日(日)つづき
イロイロ仕事したあと晩メシは昨日のTBS『報道特集』を録画で見ながら。総裁選など自民党の話題は候補者が多くても金太郎飴で代わり映えしない。キングメーカーは麻生某?冗談じゃないですよね。メーカーは麻生某でもドライバーはアメリカですからね。嗚呼。それより金平茂紀さんが澤地久枝さんにインタヴューしているのが凄かった。90歳を過ぎた今も「9条の会」の集会に参加しておられて矍鑠とした口調でこの国が戦争へ進もうとするのを阻止しようとされている。頭が下がります。もで上野の東京文化会館上野の東京文化会館で確か三枝成彰さん作曲のオペラ『特攻』を見に行ったときロビーでバリトン歌手の岡村喬生さんに澤地さんを紹介されたことがあった。澤地さんの戦争の本も読み直さねば。久し振りにNHK『ダーウィンが来た!』で恐竜の話を楽しんだあとEテレで『日曜美術館』は大原美術館で日本の近代絵画の勉強。森村泰昌さんの解説がオモシロかった。過激なパフォーマンスをされるアーティストなのに物凄く普通のオジサンの身なりだったのが凄いですね。続けて酒呑みながらNHKスペシャル『最後の1人を殺すまで?サイパン戦発掘・米軍録音記録』を見る。酒呑みながら見られない凄絶な戦い。「生きて虜囚の辱めを受けず」という「戦陣訓」が軍人のみならず民間人の心にも染みこんでいて米兵は「皆殺し」しなければならなくなったのですね…嗚呼。

8月19日(月)
『ゲッペルスと私』読み進む。1936年のベルリン五輪の頃までは多くのドイツ国民は新生ドイツ(ナチスドイツ)に新しさとエネルギーを感じ五輪も思い切り楽しみ誇りに思っていたようですね。その空気に変化が現れるののは38年の水晶の夜事件からなんですね。それまで仲良くしていたユダヤ人家族にも変化が表れ重苦しい空気のなかで戦争が始まる。しかしナチスドイツがパリを占領する頃まではまだまだドイツ国民は裕福な面もあったのですね。このようにナチスドイツ社会の日常を内側から詳細に描いた本を読むのは初めてで驚きの連続です。ワン。ベッドを出て相変わらずの猛暑のなか黒兵衛と散歩。帰宅してシャワーのあと仕事を始めると光回線に不具合が生じたらしく『ZAITEN』の校正がFAXで送れなくなった。それはスキャンしてパソコンに取り込んだポケットWi-Fiを使って送ることができたがヨメハンのスマホがつながらないと言う。そこでNTTに電話するとソフトバンクに電話しろと言う。ソフトバンクに電話してコードを抜いたり挿したりしてもダメで結局NTTの問題だという。そしてNTTの別の部署から今日か明日に電話させるという。このやりとりに2時間以上かかってくっそーと思って仕事をしていると急にNTT光回線がつながった。つくづく不便な世の中になったもんだと呆れるほかないですね。くっそーと思った苛立ちは晩飯食いながら吉本新喜劇のすち子さんの笑いで癒やす。嗚呼。

Blu-ray
『舞妓はレディ』
『舞妓はレディ』
周防正行監督の『マイフェアレディ』をパロった大好きな映画です。ある出演者から「見ておくれやす」と言われた京都のバーもなくなりましたね。嗚呼

8月20日(火)
非常に興味深く『ゲッペルスと私』読み進む。著者が初めてゲッペルスの演説を聴いたときのことを「彼は卓越した役者だった。それけよ」と回想している。「小さな身体で怒鳴っているのを私たちは目の当たりにした。ふだんのエレガントな彼との落差は信じられないほどだった」そして体育館のような広いスペースを埋めた大勢の聴衆は「我々は総力戦を望む」と叫んでいた。「人々は叫ばずにはいられなかった。たった一人の人間に魔法をかけられてしまったかのように」呆然とする若い女性(著者)にナチスの軍人が囁きかける「拍手くらいしたら?」ナチズム(ファシズム)の集団催眠は怖いですね。今も変わらない風景があるかな?ありますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。深夜から朝方にかけて少し雨が降ったようで水冷式の冷房が機能するのか木陰を吹く風が少々爽やか。しかし太陽が照るとアッという間に蒸し暑くなる。ワン。仕事をいろいろしながらやっぱり我が家の光回線に不備があるようでNTTに電話。ナンヤラカンヤラと会話をする打ちにアッという間に2時間くらい経つ。デジタル社会はまったく不便としか言い様がない。回線の故障らしくそれを修理に来てくれる作業員の手配にマタ時間がかかる。デジタル社会への「進化」は我慢を伴うものですね。BS-NHKで『舞妓はレディ』をやっていた。周防監督が『マイ・フェア・レディ』を京都の舞妓でパロった楽しい映画。The rain in spain steys minly in the plain.は?京都の雨はたいがい盆地に降る…となる。封切りのときは祇園町の近所に住んでた田畑智子さんが古くからあった『酒肆G』に宣伝に来てたけど『G』ももうなくなりましたね。光陰如矢。嗚呼。

DVD
『杉原千畝 スギハラチウネ』
『杉原千畝 スギハラチウネ』
映画の完成度としてはいろいろ批判もできますが杉原千畝という人物の懸命な生き方には思い切り拍手を送りたいですね
BOOK
タケ小山『日本のゴルフ、ここまで書いたら○される』財界展望新社
タケ小山『日本のゴルフ、ここまで書いたら○される』財界展望新社
著者の笑顔以上に骨太の本。日本のゴルフ界や野球界をを見事に斬って批判してます

8月21日(水)
『ゲッペルスと私』はついに終戦。家族に会うため爆撃で破壊された自宅に帰っていた著者は仲間のいる宣伝省の防空壕に戻る。そこでソ連兵に逮捕されてゲッペルスとの仕事内容等を尋問され5年間も監禁状態に。もしも宣伝省の防空壕に戻らなければ逮捕されなかったはず。《あんな激動の時代に運命の手綱を自分で操れる人なんていやしない/ナチスに対抗して何かできることがあったのではないかと現代の人が考えるのは当然かもしれない。でもそれは不可能だった。命がけでなければそんなことはできなかった/あれは全て巨大な犯罪だった。時を置いて振り返ればそれはよくわかる。でもあの時は…》今も「巨大な犯罪」はないとは言えないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマはパリ五輪でパリの地下鉄や宿泊費がべらぼうに値上がりした話。地下鉄一区間が340円から650円に値上げなんて尋常じゃないですね。小生の知ってるフランス人の友人は五輪特別料金なんて嘘で五輪後も値上げは維持されるだろうと訝ってます。嗚呼。ワン。ラジオのあと黒兵衛と相変わらず猛暑のなかを散歩。シャワーのあとイロイロ仕事してるとタケ小山さんからゴルフの新刊が届く。『日本のゴルフここまで書いたら○される』(財界展望新社)。「○される」とは「どうされる」のかわからないが読み出したらオモシロくて止まらない。アメリカは安価でゴルフができるパブリックコースがほとんどなのに日本ではほとんどが高価な会費が必要なパブリックコース。その他日本のゴルフ界のオカシナことがワンサカ書き連ねてある。多くが日本のスポーツ界にも当てはまることですね。日本にはスポーツをカルチャー(みんなで育てる文化)と捉える考え方が生まれてないのですね。スポーツ(野球やゴルフ等)を利用して金儲けしてるヤツは誰だ!?晩メシは昼間NHK-BSを録画した映画『杉原千畝スギハラチウネ』を見ながら。彼の正義感や頑張った生涯はよくわかりましたけど映画としてはイマイチ纏まりがほしかったですね。

8月22日(木)
『ゲッペルスと私』は終戦を迎えて著者の反省悔恨の弁が続く。《私たちは従順であることを強いられた。子供を従順にするには教育を厳しくし時には罰を与えるほうがいい。そのほうが簡単なのよ。そのほうがすべてうまく機能するし秩序も保てるわ。そうする価値があるかどうかはまた別の問題だけれどね。テレビでまだ小中学生のような若い人たちが議論をしているのを見ると私はよくこう思ってしまうの(略)昔の私たちは愚かだった》今も子供たちを「従順に」育てようとする人は少なくないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。相変わらず暑い。とはいえ昨晩深夜から朝方にかけて雨。それだけに少しは気温も低めか。但し太陽がでればオジャン。気候変動と猛暑の時代のイソップは「北風」を善人に「太陽」を悪人に書くのかな。ワン。終日デスクワーク。高野連は夏の甲子園の猛暑対策として9回制を7回制に短縮することを考え始めたらしい。ルール変更はイイことだが日本一の野球高校を決める必要があるのかどうかも討論してほしいですね。晩メシ時と晩メシ後に久し振りにバーンスタインの自作自演オペレッタ『キャンディード』をDVDで観る。これはレニーの『ウエスト・サイド・ストーリー』以上の大傑作と言える名作ですね。クリスタ・ルートヴィヒの名唱名演技も最高ですね。

8月23日(金)
『ゲッペルスと私』はゲッペルスと宣伝省の秘書をしていたブルンヒルデ・ボムゼルの独白部分を読了。政治学者トーレ・D.ハンゼンの鋭い解説に突入。《ボムゼルの語りは独裁の成立を黙認しその後も独裁体制の下で肉体的にも精神的にも生きる(生き残る)とはどういうことなのかを私たちに示している。しかもまた彼女は西欧民主主義がないがしろにする昨今のポピュリストたちをただ傍観することが何を意味するのかも示唆している。現在106歳のポムゼルが私たちの関心を引くのは包み隠さず語られた彼女の「臆病さ」と非政治的な態度の中にかなり前から勢いを盛り返してきたある傾向が垣間見られるからである。それは難民の運命や民主主義のエリートに対する激しい憎悪や民主主義とヨーロッパ統合に宣戦布告した右翼ポピュリストたちの新たな台頭を眼前にして示される底知れぬ無関心と政治意識の低さと無力感である》現代の多くの若者たちも《ポムゼルと彼女の周囲の人間がそうだったように受動的で無知で無関心な態度で目下の情勢を眺めているのではないだろうか?現代の若者もやはり非政治的なのではあるまいか?現代の社会を担う中道派の市民や各世代が政治不信に陥っていること自体が民主主義の本質的危機ではないだろうか?私たちは受動的な態度と無気力によってまたあの暗黒の1930年代に戻ろうとしているのではないか?》そして解説はトルコのエルドアン大統領の独裁を一例として取りあげアメリカ&ヨーロッパに蔓延ってきた「右翼ポピュリスト政治家」たちと「黙って受け入れる受動的市民」を批判する。日本も大差はないようですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。

8月23日(金)つづき
イロイロ仕事して夕方から『ニューズ・オプエド』。ゲストは小林信也さんと山本敦久さん。高校野球の解説では小林さんの根源的批判が大爆発。メディアは美化して語ってるけどプレイの多くは勝利至上主義の汚いプレイが多く「高校野球を見ると腹が立ってテレビをぶん殴りたくなるほど精神衛生上悪い」。なるほど。パリ五輪については小生は五輪がレノンの『イマジン』を選んだことを評価(蔵出し音楽参照)が山本さんはIOCの「汚い延命策」と非難。確かにその通りですが「歌の力の大きさ」に期待したいですね。小林さんは「歌の力とスポーツの力の融合に期待」…等々イロイロ有意義な会話を積み上げることができました。こういうネット番組をやっていると日本の選手のメダル獲得の話題しか取り上げないマスメディアを批判したくなりますが小生は9月4日(水)にBSフジの『プライムニュース』に出演してオリンピックと平和について話します…と『オプエド』の最後にマスメディアの番宣(笑)。この企画は一度岸田首相の総裁選不出馬でポシャりましたけど2度も政治に負けることはないでしょうね(爆)。『オプエド』のあと『チコちゃん』見ながら晩メシ。チコちゃんも最近はNHKの番宣がらみのゲストが多くなりましたねえ。あ。小林信也さんに教えてもらいましたがパリでは五輪のマラソンと同じコースで2万人参加の市民マラソンも行ったそうです。山本敦久さんも言ってましたが五輪は「見るスポーツ」として発展したけど「やるスポーツ」をどう取り入れるかが今後の課題でオリンピックを改革できるかも…と。なるほど。大きなポイントですね。

8月24日(土)
『ゲッペルスと私』読み進む。政治学者ハンゼンの解説はトランプの出現に代表される最近の欧米の右翼ポピュリズムの台頭が1930年代にヒトラー&ムッソリーニが出現した時代に酷似していることの詳しい検証へと進む。右翼ポピュリストの政治家に取り込まれる大衆と政治に絶望する大衆&無関心派の大衆の三極分離という構図も確かに1930年代とソックリなのですね。怖ろしいことです。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。暑さに慣れることはあっても酷暑に慣れることはないですね。ワン。今日は近所の公園で夏祭り。ヨメハンは昼間から子供たちの神輿の練り歩きにも付き合ったらしいけど小生は夕方から隣家のピエールさんを誘ってビールやワインやタコ焼きを楽しみに公園へ。櫓も組まれていて和太鼓演奏や盆踊りを見ながら酒三昧。子供たちや御近所の人もいっぱい集まって楽しくワイワイガヤガヤ。最後の籤引きで大盛りあがり。小生の番号は1番違いの前後賞で外れ。しかし思い切り呑んで話して楽しいひとときでした。オリンピックなんかよりもこういう地元のイベントこそ大事にすべきですね。

BOOK
村上隆『もののけ京都』
村上隆『もののけ京都』
展覧会に行けそうにないのでプログラムだけでもほしい。うわっ!21×29p厚さ3p以上272頁6600円の大型本か…益々ほしくなったけど…

8月25日(日)
ブルンヒルデ・ボムゼル+トーレ・D.ハンゼン『ゲッペルスと私 ナチ宣伝相秘書の独白』(紀伊國屋書店)読了。赤と黒のボールペンで傍線引きまくってメッチャ勉強になった一冊でした。現在も存在する独裁政権と民主主義の衰退に何とかストップをかけねば…と思っていたら最後に石田勇治東京大学大学院教授が日本の現状に即したマトメを記されてました。《ヒトラーの時代がまたどこかでかつてとまったく同じように繰り返されることはないだろう。だが民主主義体制の下でも主権者である国民がブルンヒルデ・ボムゼルのように世の中の動きに無頓着で権力の動きに目を向けず自分の仕事や出世など身の回りのことばかりに気を取られていれば為政者は易々と恣意的な政治や自分本位の政治を行うだろう。それに批判的精神を失ったメディアが追随すれば民主主義はチェックとバランスの機能を失い果てしなく劣化していく。これは他でもない現在の日本で起きていることである》そう。自民党の総裁選など《自分本位の政治》丸出しでソレを競馬の予想屋のように誰が勝ちそうかと話してる《批判精神を失ったメディア(政治ジャーナリスト)》の現状がどんな日本の将来を形作るのか…傍観者でいることはやめなければイケマセンね。そういう本線とは別の話になりますが著者である「独白者」の名前について一切触れられていないことはチョット気になりました。ブルンヒルデBrunhildeという名前は北欧神話をもとに創ったワーグナーの楽劇『ニーベルンの指環』の主人公。世界を支配する「指環」の争奪戦のなかで世界を救うことに失敗した英雄ジークフリートの妻がブリュンヒルデ。最後に「指環」を手にして燃え盛る世界の中に飛び込んで死にライン川の大河の水が全てを押し流し世界は無に帰してワーグナーの楽劇は美しい「愛の復活のテーマ」で終焉を迎える。そんな壮大な物語の偉大な最高の女性の名前をつけたこと(つけられたこと)に何も触れていないのは残念…というよりチョット不思議ですね。ヒトラーはワーグナーの音楽が大好きでおそらく『ニーベルンクの指環』の結末を知っていたはずですから。すべては無に帰して……愛が復活する……?

8月25日(日)つづき
ベッドを出て黒兵衛と散歩。そう言えば水木しげるさんの『劇画ヒットラー』に《彼(ヒットラー)はワーグナーのオペラを全曲暗記しており全部それを口笛できかせしかも非常にうまかったという》との記述があったけどコレは明らかに間違いですね。ワーグナーの創ったオペラ(楽劇)は全部で14曲。1曲が約3〜6時間で4曲で1作品となってる『ニーベルンクの指環』だけでも合計約13時間。ヒットラーは白鳥の騎士が活躍する『ローエングリン』が好きだったらしいけどそれも約5時間ですからね。ヒットラーの口笛はサワリ(ライトモチーフ)を部分的に吹いたり有名なアリアや合唱曲を吹いていたのでしょうね。ヒットラーは『指環』の「愛の復活のテーマ」(バーンスタインが見事に『ウェストサイド・ストーリー』にパクった美しいメルディ)も口笛で吹いたのかな?マサカ!ワン。颱風は逸れるのかな…と思いながらデスクワーク。晩メシは『日曜美術館』村上隆氏の「もののけ京都」を楽しみながら。「洛中洛外図」も「風神雷神」も「青龍白虎朱雀玄武」も見事でしたね。続けて神田伯山の講談「阿武松」と「お岩誕生」を楽しむ。コレマタ見事でした。

8月26日(月)
ベッドでの読書はタケ小山さんの『日本のゴルフここまで書いたら○される』(財界展望新社)。先週水曜に送られてきて3分の1くらい一気に読んだが続きを読み出す。オモシロい。そもそも日本のゴルフはスポーツとしても庶民のレジャーとしても中途半端なまま特権階級の富裕層だけで楽しむように考えられてきたワケですね。それも中途半端な富裕層だから自分のことしか考えない。日本のゴルフ界のことなんか考えていない。ゴルフ人口が減ってゴルフ界全体が斜陽になっても自分の問題じゃないから問題にしない。そんな無茶苦茶をタケさんは是正しようとしているが…嗚呼。何やら高校野球や大学野球やプロ野球のように自分の狭い野球界のことしか考えない組織にホント酷似してますね。プロ野球選手にゴルフ好きが多いのはそのためか(苦笑)?ワン。ベッドを出て颱風はなかなか来ないなあと思いながら汗をかきかき黒兵衛と散歩したあとデスクワークはフォーラムエイトの機関誌『Up and Coming』の連載「スポーツは教えてくれる」を書く。テーマはパリ五輪でジョン・レノンの『イマジン』がオリンピックの開会式で毎回歌われるようになったこと。共同通信にも書き『ZAITEN』にも連合通信にも書きましたがこの話題は手を変え品を変えて書き続けたいですね。何しろ「歌の力」でオリンピックを「目的は平和」というマトモな軌道に乗せるかもしれない話題ですからね。晩メシは颱風情報を気にしながら吉本新喜劇を見て『映像の世紀ベタフライエフェクト』は録画してベッドへ。

WEB
『映像の世紀薔薇フラエフェクト太平洋戦争日英プロパガンダ戦』
『映像の世紀薔薇フラエフェクト太平洋戦争日英プロパガンダ戦』
戦争とは「嘘の付き合い」なんですね。東京ローズは被害者ですね

8月27日(火)
タケ小山『日本のゴルフここまで書いたら○される』読み進む。一気に読めると思ったらそーではない骨太の一冊。著者本人から是非読んでほしいと送られてきた理由がわかった。日本のテレビのゴルフ番組が《現在どんな番組を流しているかといえばお笑い芸人やタレントが出てきてわちゃわちゃやってるモノが多い。アメリカではまずプロの試合の中継があってソレから業界のニュースがあって残りにレッスンの要素が入ってくるぐらいですね。一方日本では9割くらいがレッスンでニュースなんてものはまず放送されませんね。これの何がダメかというとゴルフのナレッジ(知識)が広がらないからです。ゴルフメディアというのはゴルフの知識を広めるものでありよいスコアを出すためのものじゃないんですよ》ゴルフをスポーツに置き換えても同様のことが言えるようですね。試合の勝敗や日本人選手の活躍の裏話を報じたところでスポーツに対するナレッジは広がりも深まりもしませんからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。颱風のせいで気温は少し下がったかもしれないが湿度は非常に高いようですね。何日か前からエアコン本体から水がポツポツと漏れ出したのも湿度が高いせい?ワン。午前中にエアコン修理の人が訪れ水漏れを止めてくれる。部品を交換したらしいけど原因はよーワカラン(>_<)午後からはネットの光回線の不具合を調べにNTTの方が来てくれる。若い工事人が非常に丁寧に調査してくれて電柱からの引き込み部分を修理してバッチリ動くようになる。とはいえ故障の実体やっぱりよーワカラン(>_<)現代社会はブラックボックスだらけですね。嗚呼。晩メシは昨日NHKを録画した『映像の世紀バタフライエフェクト』を見ながら。太平洋戦争の「宣伝戦」を見ながら。日映(日本映画社)対ハリウッドの戦い。戦争は「嘘の応酬」でもあるんですね。東京ローズの悲劇も悲しいですね。何も悪いことをしていないと思っていた女性が長年収監されるのですから…最近読んだ『ゲッペルスと私』の著者ブルンヒルデ・ボムゼルの悲劇と重なりました。

8月28日(水)
タケ小山さんの『日本のゴルフここまで書いたら○される』(財界展望新社)読了。《結局ゴルフや野球はテレビ局と広告代理店がガッチリ組んでいて仕組みを崩すのが難しかったけどJリーグを初めとしたや後発のプロスポーツはそれを反面教師に新しいやり方を構築している。バスケットボールのBリーグは全国各地にアリーナを造っているし「箱」を持つ重要性がここにきて周知されたってことだと思います》野球やゴルフは野球やゴルフをやる人=発展させる人の手に…ということですね。親会社はスポンサーに…メディアはジャーナリズムに…ということで全ては発展すると思うのですが読売新聞社は築地の跡地をどーするつもりでしょうねえ?ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。今日のテーマは高野連が考え始めた「野球7回制」について。そもそも野球は回数無制限の21点先取制に始まり12回制になったあと9回制に落ち着いたわけでルールの変更は時代に合わせて積極的に考えるべきですがそれが真夏の高校野球(甲子園)の猛暑対策になるかどうかは疑問ですね。それに新聞やネットに登場する賛否両論の意見が高校野球の監督ばかりで当事者(高校生)の声がまったく出ていないのは不思議ですねえ…という話をする。高校生を無視して(大人だけで)高校野球をやってる現状こそあらゆる高校野球問題の根源でしょうね…と話してラジオを終えたあと黒兵衛と散歩。九州地方はタイヘンだけど南関東は少し暑さが減じて風が爽やか。但し湿気はまだ高く散歩は汗だくになりますね。ワン。今日のデスクワークは連合通信の連載「スポーツ玉手箱」を書く。朝ラジオで喋ったことを短く纏めて送稿。晩メシは颱風のニュースを見ながら。これだけ速度の遅い颱風は知らないですね。この先こちらにも曲がってくるのかな?勢力は落ちるのかな?心配。

BOOK
夏目漱石『草枕』岩波文庫
夏目漱石『草枕』岩波文庫
無人島に持って行く一冊はコレで決まりです

8月29日(木)
ベッドで読む本が途切れたのでベッドの横に手を伸ばすと漱石の『草枕』があったので読み出す。いつ読んでもこの作品は新鮮で新しい発見がありますね。阿蘇の山を歩く間に出会う人を画のように捉えようとする視点が最初に宣言されていたわけですね。人の内面に踏み込まずに絵として描写する。ナルホドこれはメチャクチャオモシロイしてんですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。のろのろ颱風はまだ遠く少し気温の低い風が爽やか。しかし湿度は高く大量の発汗はシャーナイですね。ワン。散歩の後シャワーを浴びて録画しておいたパリ・パラリンピックの開会式を見る。セーヌ川を船で通った五輪の開会式よりもシャンゼリゼ通りを歩いてコンコルド広場まで行進するパラの開会式のほうが圧倒的に素晴らしいですね。身障者の人たちが車椅子や杖で笑顔で歩く姿を見ると五輪出場の健常者たちが巫山戯た笑顔を発散していたのを少々不愉快にも感じられますね。おまけにIPC会長の「パラリンピックの選手たちは楽しみにきたのはない。勝利を目指して闘いに来た」という挨拶は素晴らしかったですね。何と多々藍那認証利するかというと「偏見や差別と闘い勝利してインクルーシヴな社会を創るため」なんですね。IOCのバッハ会長も「五輪が平和を創れないのはわかってる」なんて言わずに「戦争をやってる社会と闘い平和な社会を創るために闘っている」くらいの言葉を言うべきでしたね。嗚呼。晩メシはヴェルディ『ドン・カルロ』を見ながら。スカラ座2008年の舞台。スバラシイ演奏と舞台なんだけどどーしても同じスカラ座のゼッフィレッリの舞台の凄さやパヴァロッティなどの声をを思い出してしまいますねえ。嗚。。

DVD
ヴェルディ:オペラ『ドン・カルロ』
ヴェルディ:オペラ『ドン・カルロ』
1992年ゼッフィレッリ演出の最高の舞台。ギャラ8千万円のパヴァロッティもその値打ちありの歌声で他の歌手陣も最高!

8月30日(金)
『草枕』読み出すと面白くて止まらない。読むのはもう100回目というのはオーバーにしても新潮文庫はボロボロ。しかし漱石の文章が心地好いのに加えて2章に登場する婆さんと馬子の源さんによる「長良の乙女」の話が後に出てくる「那古井の嬢さま」即ち那美さんを暗示するのは改めて凄いと思う。しかも那美さんの住む宿の話で早くも戦争の話が出てくる。つまり漱石は書き出しの時から終わりまでの全体の構成が完全に出来上がっていたのですね。凄い。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。迷走颱風か停滞颱風か知らないが自然の気まぐれは人間の手に負えないですね。雨は降ったり止んだり。平塚以西の神奈川は豪雨らしいが東部はまだ平穏。俺と黒兵衛のどっちが晴れ男か知らないが颱風東遷を今のところ阻止できている。ハハハ。ワン。イロイロ仕事して夕方からは『ニューズ・オプエド』。今日のゲストはパリでの五輪ビーチバレーの取材を終えて帰国したスポーツライターの小崎仁久さんとパラスポーツライターでパリで取材を始めた星野恭子さん。小崎さんにビーチバレーの決勝でネット越しの口論が始まったときにDJが『イマジン』を流して観客も大合唱となり空気が和んだ話などを聞いてるところへパラ陸上の取材を終えた星野さんが登場。パラリンピックの開会式がオリンピックよりも数段素晴らしかったことを話し合ったりIPCのパーソンズ会長や組織委員会のエスタンゲ会長の挨拶が素晴らしかったことなどを話し合う(昨日の本欄参照)。日本の地下鉄には車椅子用のエレベーターがほとんど完備されているが階段の前に車椅子に乗った人がいるとエレベーターの位置を教えてあげるだけで車椅子を運んであげる人は少ない。施設のバリアフリー以上に大切なのは人の心のバリアフリー…といった話の他いろいろ星野さんから大切なこといっぱい教わる。パラスポーツはいろんなことを教えてくれますね。有意義な時間でした。『オプエド』のあと『チコちゃん』見ながら晩メシ。陸上競技場が左回りなのは右利きの人が多いから…というのは違うと思いますね。そもそも右利きの人が90%と言うのは違うでしょう。世界的には右利きはそんなに多いはずはないですよね。筑波大の先生が解説していたけど彼は森田真生氏の『数学する身体』を読んでないのでしょうね。

8月31日(土)
『草枕』はやっぱり凄い。第3章の芸術家論は白眉。《四角な世の中から常識と名のつく一角を磨滅して三角のうちに住むのを芸術家と呼んでもよかろう》ナルホド。「磨滅して」と言うことは散々「常識」と付き合ってぶつかって考え抜いた結果「常識の一角」が擦り切れるほどに磨り減って「三角の世界に住む」と言うことだろう。『草枕』の英訳でも『THE THREE-CORNERED WORLD』となってますね。面白い。同じ章の那美さんの描写は圧巻。《軽侮の裏に何となく人に縋(すが)りたい景色が見える。人を馬鹿にした様子の底に慎み深い分別が仄(ほの)めいている。才に任せ気を負えば百人の男子を物の数とも思わぬ勢いの下から温和しい情けが吾知らず湧いて出る。どうしても表情に一致がない(略)不仕合わせな女に違いない》凄いですねえ。いい女ですねえ。昔陶芸家の大巨匠である加藤唐九郎さんにインタヴューしたとき何を気に入られたのか晩メシに「コロ(冷やし饂飩)を食べに行こう」と誘われてビールや酒を散々呑んだことがあった。そのとき「松本清張は小説で女が書けんもんだから探偵小説やドキュメンタリーに走りおったんじゃ。女の描写は漱石が一番じゃ」と話された。そのとき35歳程度だった小生は意味がわからなかったが72歳になった今やっと意味がわかるようになった。歳はとるものですなぁ。ワン。朝から雨。小止みになった時を狙って黒兵衛と散歩。雲古を済ませるとサッサと帰宅。平塚や二宮あたりは洪水も発生しているとか。東神奈川も時折強い雨が降るようになった。颱風を怖がるようになるのも歳のせいで歳をとるのは良いことばかりではなさそうだ。ワン。終日デスクワーク。原稿コツコツ書き貯める。晩メシは一昨晩見た『ドン・カルロ』の続きを見ながら。フルラネット(フィリッポ2世)の歌う「ひとり寂しく眠ろう」は素晴らしい歌唱だけどヤハリ舞台は抽象的な現代的な演出でなくゼッフィレッリ演出の時代考証に沿った豪華絢爛な具象がイイですね。こう思うのも歳のせいかな?

8月31日(土)つづき
この日は『ドン・カルロ』を見ながら晩飯食べる前にTBS『報道特集』の夏の学生スポーツと熱中症の特集を見た。真夏の高校野球の練習中に強度の熱中症にかかり入院して死線を彷徨ったあげく後遺症に苦しんでいる人物が紹介されていた。今年の真夏の甲子園や地方大会でも選手や応援団や観客に大勢の熱中症患者が出たことも紹介され小学生野球の全国大会ではサッカー協会やスポーツ協会の指針に沿って湿球黒球温度(WBGT)が31を上回った場合は試合開始を延期するような措置が取られたことも紹介されていた(高校野球はWBGTの数値を測ることすらせず完全に無視して高校生にプレイを続けさせているのですね)。そして番組では試合の時期や場所の変更(真夏の昼間を避けること)も提案されていた。テレビで高校野球(学生スポーツ)と熱中症をここまで取り上げているのを見たのは初めてだったのでそれなりに評価はしたい。しかし踏み込みは甘くそもそも小学生に野球の全国大会をする必要があるのか?日本一の野球高校を決める必要があるのか?それらが小学生や高校生にとって本当に教育として必要なのか?教育として相応しいものなのか?…といった問題提起はなされなかった。今年の夏の甲子園が100年記念であることからこの先の100年も…と挨拶したのが誰だったか忘れたが明治維新の時に100年先(東京オリンピックの頃)を語ることのナンセンスさに気付いてほしい。またスポーツ(野球)は1番(トップ)になることだけが目標ではなくもっと多様で有意義な取り組み方が(特に小中高校生のような若い人には)存在するということを教える(教育する)のも大人の役割であり使命ではないだろうか。まさか高校野球を大人の監督が喜んでやっているのではないでしょうね?あ。そう言えばテレビ番組の小学生野球のなかでWBGTが31を超えて試合が中止となりジャンケンで次に進むチームを決めるとき何故か監督同士がジャンケンをしてましたね。なぜ試合の当事者のプレイヤー(小学生)にやらせないのかな?大人が牛耳り大人が必死になって喜んでるのかな?高校野球も…?

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