ナンヤラカンヤラ
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6月1日(金)
久しぶりに主治医の元へ。相変わらず血圧だけは高い。まぁ身体も大きいししゃあないわな。「煙草は死亡率を高める」なんて言う人もいるけど「死亡率は誰でも100パーセント」と養老孟司さんも言うてはるしな。主治医の先生ともワイン談義をしただけ。横で看護師さんが笑たはった。そのあと久しぶりにジャケットを作るため横浜SOGOのZegniaへ寄ってから新幹線で名古屋へ。これで3週連続名古屋入り。名古屋は元気やで。ホテルで日本代表vsモンテネグロ戦観戦。相手が強いのか弱いのかわからん。後半はダレたな。

6月2日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。現職大臣が自殺しても揺るがない安倍内閣!5000万人もの年金の積み立てが行方不明というのに倒れない安倍内閣!いまや政治家の質は与野党とも最低やな。それに官僚も公務員も。二木啓孝さんが提示した資料によると年金台帳をコンピュータに打ち込むときに社保庁の総務部長と労働組合の間で「一日にキイボードを5000回以上は打たないこと」などという協定が結ばれたという。ローマ字入力なら約2500字。400字原稿用紙で6枚ちょっと。しかも書き写すだけの仕事。官公労は仕事をしとない月給泥棒の集まりやで。そういやはっきり言うて同級生でお役所勤めを目指した奴にロクな奴はおらんかった。親方日の丸で「自分の時間が欲しい」なんて言うてた奴ばっかり。これで団塊の世代がドカッと年金を手にしたあとの我々には何も出えへんのやろな。いままでずっと払わされてた(いまも払うてる)年金のための支出は所場代かみかじめ料みたいなもんやったんかいな。大船まで帰って本屋へ。島森書店もルミネも『天才の育て方』は売り切れ。早よ大量増刷してください。

DVD
モーツァルト歌劇『ドン・ジョヴァンニ』

モーツァルト歌劇『ドン・ジョヴァンニ』

6月2日(土)つづき
次女とBFが夜遅く来るというので昨年のザルツブルク音楽祭の『ドン・ジョヴァンニ』のDVDを見ながら待つ。見事な舞台。白を基調にした舞台の色調が美しい。現代演出でドン・ジョヴァンニと関係を持った(と思われる)女性がすべて純白のブラとパンティ(Tバック)姿で現れる。騎士長の亡霊が現れるシーンではその下着モデルと見まがう女性陣がブラパンティ姿のまま老婆に変貌。オーラルセックスまで見せたビエイトの演出ほど過激ではないがこっちのマルティン・クシェイの演出のほうがはるかにスマートでリーズナブルで美しい。回転扉の使い方はブッセートでのゼッフィレッリ演出の『椿姫』をダイナミックにパクッたのかもしれんけどさらに見事な舞台転換は大いに参考になった。ハンプソン以下歌手陣も充実。ハーディングの指揮もメリハリが効いて見事。深夜になって娘たちと食事。

6月3日(日)
朝少し仕事をして午後から神奈川県立音楽堂へ。金聖響指揮山下洋輔ピアノで『ラプソディ・イン・ブルー』。いやはや最高に見事な演奏。スイングありブルースありフリージャズありで聴衆はハッピーハッピー。娘とBFは初の「洋輔体験」に唖然。「213」のバーテンのクロちゃんも飲み客の美女と聴きに来て「洋輔初体験」に呆然。終わって全員で楽屋へ。聖響とのコンビはバッチリでコレは是非とも録音に残してほしい。神奈川フィルも大熱演。アンコールはラフマニノフのピアノコンチェルト入りのメチャメチャ有名なジャズのスタンダードナンバー(名前が思い出せへん・トホホ歳やで)でサービス満点。三枝成彰さんは金聖響が『忠臣蔵』を指揮することに「プッチーニ的要素がなくなる」かとちょいと懸念してたけど今日のたっぷりブルースを聴いたらそれが杞憂だとわかるはず。いやぁしかし最高レベルの素晴らしいコンサートでありました。もしもアメリカやヨーロッパの音楽評論家がこのコンサートを聴きに来てたら「市民のための日曜午後の安価なコンサートでこれほど凄い演奏をしてる日本の音楽界恐るべし!」と驚嘆したに違いない。日常的に躁状態の次女が演奏に興奮しきって西麻布に美味しいフランス料理店があるというので小生も勢いに乗って「KEIZO」という店まで足を伸ばしてしまう。いやぁこれにもまいった。しじみのプリンも馬刺しもイベリコ豚も最高。おまけにフィニッシュがフランス料理風博多ラーメン。これがまた傑作の美味!音楽も料理も贅沢しすぎの一日。ほんまに罰が当たるで…。

6月4日(月)
原稿1本仕上げてからオペラシティへ。2日連続のコンサート。今夜はテノール佐野成宏とバリトン堀内康雄のデュオ。前半のビゼーやマスネーやドニゼッティもよかったけど後半の連続ヴェルディが圧巻。堀内さんのジェルモンやロドリーゴ佐野さんのドン・カルロやリッカルドにブラヴォー連発。おまけにアンコールが『禁じられた音楽』『カタリカタリ』『ボエームのロドルフォとマルチェッロの二重唱』『オーソレミオ』『グラナダ』とサービス満点盛りだくさん。ピアノのヴィンチェンツォ・スカレーラもイタリアの匂いぷんぷんで魅力満点の演奏。満員の観客(オバサマ方)も立ちあがって大興奮。いやぁメッチャメチャ美味しいペペロンチーノのパスタを腹一杯食った感じ。さぁ仕事をせねば…

6月5日(火)
MSSクラブ(Management Systems Seminars Club)総会での特別講演に呼ばれたので大手町の経団連ビルへ。小生がスポーツライターを称して以来30年の間にスポーツの採りあげ方がどう変化したか(裏話⇒ドラマ⇒文化⇒ビジネス)といった流れを1時間半かけて話させていただく。近年講演会はお断りすることが多かったのですが少々おカネも必要な事情があって方針変更。どんどん引き受けることにしましたので企業の皆さんよろしく(オペラはカネにならんのですよ・笑・とほほ)。小生のスポーツ論は面白うてタメになりまっせ!

6月5日(火)つづき
帰宅してTVで対コロンビア戦観戦。オシムが試合後に「サッカーが素晴らしいゲームだという宣伝材料になるような試合」と言うたように攻防の展開が素早い面白い試合やった。おまけに動きの悪い選手(稲本・中田浩)はきちんと後半に下げるし代わって入った選手(羽生)は走りまくるし。なるほどオシムはきちんとやりまんな。夜のニュース番組を見ていて唖然。ハニカミ王子とかいう人物に女子アナからの手紙を渡そうとして渡せなかったことを「報道」してる。アホか。そういえば今日出かける前に「ハンカチ王子が優勝投手になったことについてコメントを…」などという電話をかけてきた記者もいた。「俺は早稲田とナンの関係もないのでコメントなんてありません」と答える。こんなバカ騒ぎをするからオシムから「日本にはスポーツジャーナリズムが存在しない」と言われるんや。

BOOK
橋本治・岡田嘉夫『仮名手本忠臣蔵』(ポプラ社)

橋本治・岡田嘉夫『仮名手本忠臣蔵』(ポプラ社)

橋本治・岡田嘉夫『義経千本桜』(ポプラ社)

橋本治・岡田嘉夫『義経千本桜』(ポプラ社)

6月6日(水)
TBSの「ハニカミ王子」に対する取材に非難が集まってるけどはっきり言うてそれは「取材方法」の問題やない。スポーツ・ジャーナリストとしての哲学と意思との問題のはず。一度優勝しただけの高校生を追っかけ回す意味がどこにあるのかを考えてほしい。ジャーナリストならば時に法律に違反するほどの取材をしなければならないこともある。逮捕されても非難されても世のため人のためにやらなければならないことがある。発言しなければならないことがある。取材方法ばかり問題にするからジャーナリズムの本質がわからんようになるんや。そんな暇があるならTBSがベイスターズを所有してる意味を考え直してほしい。メディアとスポーツの関係を考え直してほしい。

6月6日(水)つづき
原稿が書けんので「213」へ(関係ないか)。そこでマスターから一冊の絵本を見せられる。橋本治(文)岡田嘉夫(絵)の『歌舞伎絵巻@仮名手本忠臣蔵』。ガ〜ンとショック!イメージがバ〜ンと広がる。岡田嘉夫の絵が凄い!これはオペラに使える。序曲のときの舞台処理に悩んでいたことがすべて解決。マスターは小生が『忠臣蔵』の演出をするというので「勉強しておこう」と思ったらしいがその本を強奪するように持ち去る。よっしゃ!ええもん見せてもろた。おかげで酒に酔えへんかった。まぁエエか。

DVD
モーツァルト歌劇『バスティアンとバスティエンヌ』『劇場支配人』

モーツァルト歌劇『バスティアンとバスティエンヌ』『劇場支配人』

6月7日(木)
昨日原稿が書けへんかったので今日コラム2本。2本はしんどい。歳やな。晩飯オペラ劇場は昨年のザルツブルク音楽祭モーツァルト・チクルスから『劇場支配人』と『バスティアンとバスティエンヌ』。二つのオペラを一つにまとめたことはかつてザルツブルク市民オペラの来日で見てたので驚かへんかったけど人形劇が素晴らしかった。ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』でも有名なザルツブルク名物の人形劇とオペラ歌手のコラボレーション。ライヒャートの演出がじつに見事。美しく爽やか。鮮やか。若い歌手の歌声も(顔も)綺麗。女流指揮者のエリザベート・フックスの歯切れの良い音楽の流れも見事。小さな人形劇場を巧みに使った素晴らしい舞台。人形を扱う舞台裏のメイキングも面白かった。文楽オペラもやってみたいなぁ…。

6月8日(金)
朝の8時からNHK-hiで「ミュージカルの歴史」(国際共同製作『華麗なるミュージカル ブロードウェイの100年』)をやっているのを偶然見る。コレが抜群に面白かった。シリーズ3回目らしいけどジョージ・ガーシュインやコール・ポーターやアーヴィン・バーリンやリチャード・ロジャースの生映像がたっぷり。ガーシュインのピアノは凄い!『ポーギーとベス』の初演の舞台も主役を歌った歌手のインタヴューも面白かった。デビュー直後のフレッド・アステアやジーン・ケリーも登場。三文役者時代のロナルド・レーガンまで登場。今回は大不況から第二次大戦まで。月曜日の4回目も見なければ。

6月8日(金)つづき
雑用が片付かへん。大学関係出版関係の皆さんご迷惑をかけてるかもしれません。御容赦。週末には片づけます。なんて書きながら晩飯オペラ劇場は三枝成彰『Jr.バタフライ』。昨年イタリアのプッチーニ音楽祭野外劇場で上演された非売品DVD。島田雅彦の演出は初演(東京)再演(神戸)よりもすっきりまとまってたけどはっきり言って……いや言うのはここではやめとこ。最大の問題は台本かな。見終わったあとテレビにしたらNHK総合で団十郎と海老蔵パリ・オペラ座公演のドキュメンタリーをやってた。熱演やったけど『勧進帳』を見るといつも尾上松緑のダイナミックな舞と迫力ある台詞を思い出してしまう。弁慶は辰之助にやってほしいなぁ。いやもう松緑を襲名したんやったなぁ。成田屋は富樫に向いてると思うのは私だけでっしゃろか?

6月9日(土)
雑用というわけではないけど手紙を8本メールを4本書いてクタクタ。不義理ばっかりしてきた罰やな。晩飯映画劇場は久しぶりに勉強抜きで娯楽に徹して『フレンチ・コネクション』。中味の面白さは封切りで見たときの印象通りの面白さ。それ以上にボーナストラックのBBC製作のドキュメンタリーが面白かった。フリードキン監督は相当にイヤミな奴やで。監督としては凄いのんやろけど。そうか。あのカーチェイスは違法行為でホンマにニューヨークをクルマでぶっ飛ばしたんか。大事故を起こしてたら犯罪者。起こさなかったからアカデミー賞。まぁ創造行為とはそういうもんやろな。取材もおんなじ。要は志の高さと覚悟。「王子」を相手にしてるようではあかんで。「王様」を狙うか「大衆」を掬いあげるか…しかないはずやで。

6月10日(日)
「なんで早慶戦だけをいつも最後にやるんだ」朝の番組で「親分」がそんな言葉を口にした。正しい指摘ですね。いかに伝統や歴史があろうと参加資格の平等が近代スポーツの大原則。学閥や門閥で違いが出るものはスポーツとはいえない。スポーツといえないものは内輪だけで楽しむべきで報道に値しない。もっとも「なんで早慶戦だけを…」という言葉が「なんで東京六大学だけを…」に発展しないところが立教出身の「親分」の限界やな。

6月10日(日)つづき
雑用を処理したあと午後から夜にかけて晩飯オペラ劇場も兼ねてハンブルク歌劇場の『魔笛』とグラインドボーン音楽祭の『フィガロの結婚』で演出の勉強。古いオーソドックスな演出を見るほうがイメージはふくらむ。唐十郎の赤テントもサルトルの『汚れた手』から出発したんやもんな。それにしてもフィッシャー・ディースカウの弁者は見事。伯爵夫人の若きルネ・フレミングの太り方に驚き。男も女も歳を重ねるほうが美しくなるもんなんやな。いやそうなるべきなんやな。

6月11日(月)
コラム1本仕上げて銀座へ。山野楽器でオペラと映画のDVD約10枚大量購入。カネもないのに勉強のため(と自分に言い訳)。出口でジャズのバーゲンをしていて『コール・ポーター・ソングブック』を発見。サラ・ヴォーン、ダイナ・ワシントン、アニタ・オデイ、ビリイ・ホリデイ、ヘレン・メリル、エラ・フィッツジェラルド、フレッド・アステア、マル・トーメからルイ・アームストロング、オスカー・ピーターソン、スタン・ゲッツ、ジェリー・マリガン、コールマン・ホーキンス、ビル・エヴァンスまで全18曲。こんなんありか。と思いながら買おうとしたら1枚1470円。3枚なら3990円と言われて昔LPで持ってた『サラ・ヴォーン・ウィズ・クインシー・ジョーンズ』と『スタン・ゲッツ&ビル・エヴァンス』も買ってしまう。TVショッピングにはまった主婦の心境。損したのか得したのかワカラン。エライ散財。

6月11日(月)つづき
銀座から乃木坂へ。久しぶりに『うまいぞお』で日比野克彦さんと『三枝オペラ忠臣蔵・討ち入り心中』の舞台装置・照明色彩等々の打合せ。やっぱり絵的人間の発想は違う。メチャメチャ面白い刺激をいっぱい受けてほろ酔い。家に帰って大量購入したDVDのなかからバーンスタイン指揮ピアノ&ウィーンフィルの『モーツァルトP協17番』を見て聴きながら飲み直し。凄い!『15番』やベートーヴェンの『1番』やラヴェルのP協の弾き振り大名演は何度も見たり聴いたりして知ってたけどコレも凄い!素晴らしい遊び心。優しい音色。いやぁまいった。バーンスタインというのはホンマに大天才ピアニストでもあったんや

6月12日(火)
モネの『睡蓮』の話まで出た昨日の日比野さんとの話の余韻に浸って仕事進まず。オランダ国立歌劇場の『ラインの黄金』のDVDを見る。凄い舞台装置!八百屋(舞台の上に傾斜させて敷く板のこと)をこんなにまでダイナミックにできるんや。本物の火の燃やし方もスゴイ。石岡瑛子さんの衣装も面白い。演奏のレベルも高い。原稿の校正を何本か処理して晩飯映画劇場は『カポーティ』。美事な映像。筋書きは予想通り。「ノンフィクション」という「創作」に手をつけると絶対こうなるもんな…。他人の褌で相撲はとれんというこっちゃな。いい映画でした。

6月13日(水)
コラム1本校正3本のあと久しぶりに大船の美容院「D'an」へ。髪に(も服装に)もまったく関心がない小生の髪をいつも整えてくれるのは申し訳ないので『天才の育て方』と『指揮者列伝』をプレゼント。そのあと大船まで足を伸ばしてくれたB出版のO編集者と『213』へ。暑い一日はビールがひときわ旨い。単行本企画の打合せは楽しい。書くのは辛い。

6月14日(木)
大阪へ。『ちちんぷいぷい』生出演。元公安調査庁長官と朝鮮総連の話はワケがワカラン。NOVAというのは「新星」という意味らしい。けど「新星」とか「超新星」というのは恒星の一生の最後のほうに輝きを放つ星のことやったんとちゃうかな。どんなこともあんまり強く輝かんほうがええのんかもしれん。何事もほどほどに。「ほどほどに愛しなさい。長続きする愛とはそういうもんだよ」(『ロミオとジュリエット』より)関東も梅雨入り。

6月15日(金)
昨日の雨のおかげで黄砂が消えたのか空が真っ青。その青いキャンパスに白い絵の具を刷毛でさっと一塗りしたような筋雲が何本も。まるで秋の空かボリビアの空のよう。青葉と紫陽花がきれいななかで富士山がくっきり。見とれてたら佐吉が山ほどのウンコ。うちの駄犬は美的感覚ゼロやで。

6月15日(金)つづき
去年のザルツブルク音楽祭モーツァルト歌劇連続上演のDVDから『ルーチョ・シッラ』を見る。演出(ユルゲン・フリム)も舞台装置も照明も衣装も最高。歌手陣も素晴らしい。ネトピルの指揮もフェニーチェ歌劇場管弦楽団の演奏も活力に充ちて鮮やか。その結果永竹由幸さんが『ロココのスカートをまくった男モーツァルト』(タマキのオススメ参照)で絶賛した16歳のモーツァルトの才能が美事に再現された。世界のオペラ界はレベルが高うなったなぁ…と思うと同時にコノ程度の演出でもレイプ有り女性歌手の太股丸出し有りで凄いなぁ…と思てるところへ超ビッグニュースのメールが届く。まだちょっと詳しくは書けへんけど超大物若手歌舞伎役者が小生演出の『忠臣蔵』での所作や振付を手伝うてくれることになった。ヤッホー!百万力を得た喜び!夜名古屋へ。新横浜の人身事故で品川駅は大混雑。まぁゆっくり行こ…と思えたのは頭の中にまだモーツァルトの舞台が映ってたかビッグニュースを喜んでたからやな。新幹線車中でクシティ・モーハン・セーンの『ヒンドゥー教』(講談社現代新書)読了。そうか。ヒンドゥー教は基本的に一神教なんや。仏教はヒンドゥー教の一派なんや。名古屋のホテルでNHK教育TVでメトのガラコンサートの再放送を見ながらZZZZ…

6月16日(土)
東海TV『スーパーサタデー』生出演。そうか参院選の季節か…。有田さんはどないなんやろな?打合せをこなしたあと帰宅。新幹線車中で西部ススム(漢字があらへん)『核武装論』(講談社現代新書)読む。ここに書かれてることを最低限の知識として日本国憲法の理想を推進する方法論を考えなければ…。家へ帰って『ルーチョ・シッラ』を見直す。考え抜かれた舞台に再度感激。いやじっくり勉強。夜の晩飯映画劇場は『核武装論』を読んだこととは無関係やけど『渚にて』。冷戦時代の恐怖と極限状態の人間を描いた作品としてはスタンリー・クレイマー監督のリズムはちょっとたるいけど見ておくべき作品ではありますな。テレビをつけるとNHK-hiでニューヨーク特集。メトロポリタン歌劇場の『エウゲニー・オネーギン』。タイトルロールはもちろんホロストフスキー。当たり役ですな。ルネ・フレミングのタチヤーナも声も容姿もはまり役。メトの舞台にしては簡素やったけど落ち葉と雪の使い方は流石。あんなに降らしたのは蜷川幸雄演出で都はるみさんが『北の宿から』を歌うた舞台を見て以来かな。オペラ歌手も大量の落ち葉や雪の中でも歌えるのんや。よっしゃ!

6月17日(日)
昨晩以来のNHK-hiニューヨーク特集のつづきで朝9時からメトの新作舞台タン・ドゥン作曲指揮『始皇帝』を見る。ブラヴォー!素晴らしい音楽と舞台!去年NYへ行ったときにめちゃめちゃ宣伝してた理由がわかった。現代音楽とはいえサーヴィス精神満載。美しいメロディ。エキゾチックな音楽。迫力あるパーカッション。物語(台本)もわかりやすい。超豪華でビッグな舞台。照明効果も考え抜かれてワダエミさんの衣装も極色彩で美しく京劇風の歌や語りから雑伎団もどきのバレエまで。チャン・イーモウの演出も抜群。主役のドミンゴの歌も素晴らしい。完璧に圧倒されました。舞台裏のメイキングも面白かった。いっぱい勉強になりました。オペラにはまだまだできることが山ほどあるんや。そうかこの舞台を創るのに10年か…。玉木版『忠臣蔵 討ち入り心中』も構想台本作成から4年経ってるもんな…。負けへんでえ(笑)。

6月17日(日)つづき
午後からのNYメトはベッリーニ『清教徒』。オーソドックスな演出で勉強にはあんまりならんかったけどオペラファンにとっては最高の舞台。サマーズの指揮も引き締まりネトレプコのタイトルロールもなかなか。これだけ声が出るんならザルツブルクの『椿姫』での「花から花へ」でも3点Esを出してくれたらよかったのに…。舞台途中のインタヴューも舞台裏のレポート(レポーターはなんとルネ・フレミング!)も面白かった。オペラ三昧の今日この頃。これも仕事やもんな。見とかんとあかんしな…と言える喜び(笑)。スポーツライターなりたてのころに後楽園のネット裏記者席に座った感激みたいなもんかな。

6月17日(日)つづき
今日はオペラ三昧で仕事にならんから…なんて理由にならんけど「鮨処もり山」へ。旨い刺身と鮨をさんざんつまんだあと帰宅してモーツァルトのオペラ『みてくれのばか娘』を見る。これまた去年のザルツブルクの演出優先の美事な舞台。モーツァルト12歳の作品も演出次第で甦る。という以上に12歳のモーツァルトの作品に脱帽。とはいえ当時流行の音楽の美事な「サル真似」。何事もまず「サル真似のススメ」から始まる…とは五嶋節さんの『天才の育て方』の第2章のタイトル。天才は美事な「サル真似」から生まれるのですよ。

6月18日(月)
『図説指揮者列伝』の共著者である平林直哉さんから京豆腐を送った御礼に『ニーベルンクの指環』のCDが届く。もちろん去年話題になった1955年のバイロイト音楽祭録音再発見ライヴ盤。指揮はカイルベルト。さっそく『ラインの黄金』と『ワルキューレ』を聴く。歌手も演奏も極上のワーグナー。昔はホンマにレベルが高かった…という以上にこのDEMONISHなまでのDIGNITYに充ちた響きを再現するのは現代では無理なんやろな。時代の問題やな。「重厚長大」を否定し『存在の耐えられない軽さ』を耐えて「軽薄短小」に生きる現代には再現不可能な音。「重厚長大」もエエもんやなぁ…と聴き惚れながら高校3年の時にショルティの『指輪』全曲盤LPが発売されて毎日それを聴き続けて大学受験に失敗したことを思い出す。以来37年。カイルベルトの『リング』を聴きながらコラムの締め切りを守った自分をほめてあげたい(笑)。ちょっとは成長してるで(爆)。

6月18日(月)つづき
晩飯名画劇場はリドリー・スコットがプロデュースした『トリスタンとイゾルデ』。ワーグナーの楽劇とはちょいと思想も筋書きも違うけどコレは掘り出しモンの面白さ。タイトルロールの二人の若い俳優(ジェームズ・フランコとソフィア・マイルズ)も悪くなかったしケヴィン・レイノルズ監督の映像も美事。何よりローマ帝国滅亡直後というヨーロッパ(イングランドとアイルランド)中世を舞台にした「古い」恋愛劇をわかりやすくテンポ良く処理した手腕が美事。義理と人情を秤にかけりゃ…と健さんのように闘うトリスタンの最期も良かった。さすがはリドリー・スコットやね。

6月19日(火)
大阪商工会議所主催の「IAAF世界陸上2007大阪の歓迎イベント」で基調講演をするため大阪へ。東京五輪陸上競技の思い出から世界陸上東京大会で取材したことや大阪大会への期待まで。さらに今後はビッグイベントの招聘だけでなくサーキット大会開催都市の一員となれるように…というところまで気持ちよく話させていただく。朝原選手や「なにわ陸上応援団長」さんとのトークショウにも出席。陸上競技の楽しさについて話すが朝原選手が「ベリーロール」を知らなかったのには驚愕。「高跳びといえば背面跳びだと思ってましたから」。「若いなあ」というと「そんなんいわれたの何年ぶりかな」で大笑い。「大阪大会を最後の花道にしたい」とか。がんばれ35歳!

6月19日(火)
世界陸上イベントのあとナンバから新大阪まで乗ったタクシーのラジオで毎日放送野村アナウンサーと文楽の豊竹咲太夫さんの話を聞く。これがメチャクチャ面白かった。浄瑠璃語りの要諦(息づかいや腹の力の入れ方や会話の作り方など)を野球の話やゴルフの話を交えてのトーク。太夫はピッチャーで三味線はキャッチャー。人形遣いは内野手や外野手らしい。いやマイッタ。最高の話術と見事な語り口。文楽へ足を運びとうなった。

6月20日(水)
文化放送とRKB毎日で世界陸上の話をしたあと原稿書きながら18日に続いて『ニーベルンクの指環』の『ジークフリート』と『神々の黄昏』を聴く。スゴイ!ヴィントガッセンのジークフリートとホッターのさすらい人(ヴォータン)の対決に身震い。ナイトリンガーのアルベリヒとグラインドルのハーゲンの会話にも背筋が震える。そしてヴァルナイのブリュンヒルデの圧倒的な歌唱によるフィナーレ……。なんで昔の歌手はこんなにも「声の力」「歌の力」を発揮できたのか…。仕事にならへんで。

6月21日(木)
原稿書きまくりのあと晩飯音楽劇場でランランの『カーネギーホール・ライヴ』を見る。江川卓さんがピアノを弾いてるようで顔は見たくないけど(失礼)音楽は美しい。若いころにヤカマシイほど暴れる音を出してたピアニストが自制心を身につけると綺麗な音になるもんやで。それ以上に父親の弾く二胡との共演が面白かった。タン・ドゥン作曲のピアノ曲も美しい。日本のピアニストも武満で対抗できるけど三味線や琴との共演は無理やろな…。いや近い将来は出てくるかも…。そういうピアニストが出て来んとイカンはずやで。つづけて去年のザルツブルク音楽祭から『コジ・ファン・トゥッテ』で演出の勉強。初っぱなから女たちが舞台でバドミントン。男たちはフェンシング。ここはスポーツクラブか?ちょっとやりすぎというか…意味がようワカラン。

6月22日(金)
都内某所の会議室で「電動車椅子サッカーW杯」の打合せ。ついに決定しました!FIPFAワールドカップ2007!FIPFAとはFederation de Internationale de Powerchair Football Association(国際電動車椅子サッカー連盟)の略。今年東京で開催される日程は10月8〜13日の6日間。場所は江東区夢の島の「BumB東京スポーツ文化館」。参加はアメリカ・ポルトガル・ベルギー・デンマーク・フランス・イングランド・日本の7か国。日本電動車椅子サッカー協会(JFPA)の高橋さんらの努力でここまで漕ぎ着けたけどこれからが大変。久しぶりに会った岡田武史さんや羽中田昌さんやメディア関係の人と今後の宣伝広報戦略を話し合う。みなさん!協力してください!http://www.web-jpfa.jp/

6月22日(金)つづき
「電動車椅子サッカーW杯」の打合せのあと渋谷のタワーレコードへ。映画とオペラのDVDを何本か購入。見たかったけど見てないモンがいっぱいある。カネがいくらあっても足らん。とほほ。クラシックのコーナーでは一枚も買わへんぞ。見るだけやぞ。と心に決めて足を運んだがカザルスのホワイトハウスコンサートのCDが目の前にあったので思わず買ってしまう。ケネディ時代の名盤。LPで何度も聴いたけど『鳥の歌』を聴き直しとうなった。そのあと乃木坂の『うまいぞお』へ。『図説指揮者列伝』の打ち上げ。7人での楽しい話にしこたま飲んでしまった。

6月23日(土)
郵便物の整理をしたあと名古屋へ。中日栄文化センター「オペラ講座」。今回のテーマはグラインドボーン音楽祭。20代後半から30代前半のデビューしたてのフレデリカ・フォン・シュターデやイレーナ・コトルバシュやキリ・テ・カナワによる『フィガロ』を楽しむ。ほかに若いころのバーストウが夫人を演じた『マクベス』やフェリシティ・ロットによるR・シュトラウス『インテルメッツォ』も。グラインドボーンの小さな舞台はええなあ。女性は歳をとるほうが美しくなるもんなんやなぁ。往復の新幹線で『安倍晴明伝説』(ちくま新書)読了。

6月24日(日)
日曜やのに原稿書きまくり。疲れたので晩飯映画劇場は喜劇『ポランスキーの吸血鬼』。ポランスキーのアンダンテのリズムがエエ。ボーナストラックの吸血鬼講座も面白かった。イタリア系の吸血鬼にはニンニクは効かんらしい(笑)。もちろんユダヤ系の吸血鬼に十字架は効かん(爆)。そのあとNHK教育でマイルス・デイヴィスのドキュメンタリーを見る。ジャズをこれだけわかりやすくテレビで説明できるようになったということはジャズがコンテンポラリーでなくなったということかな?

6月25日(月)
コラム1本仕上げて都内某所へ。金聖響さんと協作中の『ベートーヴェンの交響曲』についてインタヴュー。今回はいよいよ大詰め8番と9番。9番の話がメチャクチャ面白かった。そうか。楽譜にはそれだけ深い意味があるのか…。オケの指揮なんて軽々しいやれるもんとちゃうな。やってる人もいるらしいけど(笑)。

6月26日(火)
高野連が特待生問題について新たな見解を表明するとかで某TV局ディレクターから電話。本HP等で書いてる持論を小生に話してほしいとの依頼。そもそも高校は(中学も大学も)スポーツを行う場ではなく体育を行う場で春夏の甲子園大会はプロのスポーツ興行と同質のスポーツで高校生のやることではない…といった内容を話す予定にしてたら再び電話。「我が局も高校野球を放送しており高校野球否定論は困る」とのこと。いや某ディレクター氏の言葉通りに記しておくなら「その部分(現在の高校野球否定論)をカットされたら玉木さんもお困りでしょうから」とのことでTV出演1本消える。まぁ勝手に「特待生のよしあし」なんて不毛の論議を騒いでください。そうでないと高校球児で金儲けしてる人たちが困るんでしょうから。

6月26日(火)つづき
晩飯名画劇場はウンベルト・エーコの『薔薇の名前』。ヨーロッパ中世の世界に引きずり込まれる。原作は読んでないし監督のジャン=ジャック・アノーが独自の視点から創ったらしいけど面白かった。メイキングにはエーコも登場。想像通りのイタリアのオッサン。ナチュラルな人や。たしかエーコはイアン・フレミングの007シリーズの作劇法を分析してたはず…と思い出して篠原資明『現代思想の冒険者たち29・エーコ記号の時空』(講談社)を引っ張り出す。やっぱりそうやった。ということはショーン・コネリーを主人公に据えたのも「テクスト相互性」といえるんやな。

6月27日(水)
文化放送とRKB毎日で『FIPFA(電動車椅子サッカー)W杯』の話をしたあと久しぶりに医者へ。定期検診。「酔っぱらったあとの寝方が悪かったのか昨日の朝から腰が痛い」というと「体重が重いから。暖めればいいよ」との回答。あとは最新刊『指揮者列伝』と五嶋節さんの『天才の育て方』をプレゼントして音楽談義。こういうお医者さんは信用できる。

6月27日(水)つづき
晩飯映画劇場はミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』。いやぁ素晴らしい映画。画面のすべてに意味がありながら作為が見えない。クンデラのテーマ「軽さ」を「鏡」で表現したアイデアも見事。あんまり感激したので寝るときに原作(千野栄一・訳)を引っ張り出して昔の自分が引いた赤線部分を読み直す。《重荷が重ければ重いほど、われわれの人生は地面に近くなり、、いっそう現実的なものとなり、より真実味を帯びてくる。それに反して重荷がまったく欠けていると、人間は空気のように軽くなり、空中に舞い上がり、地面や、地上の存在から遠ざかり、半ば現実感を失い、その動きは自由であると同様に無意味になる。そこでわれわれは何を選ぶべきであろうか?重さか、あるいは、軽さか?》《軽さと重さでは、どちらが肯定的なのであろうか?パルメニデースは答えた。軽さが肯定的で、重さが否定的だと。本当かどうか?それが問題だ。確かなことはただ一つ、重さ――軽さという対立はあらゆる対立の中でもっともミステリアスで、もっとも多義的だということである》原作も面白かったけど映画も秀逸。小説も映画化も満足したのは『ブリキの太鼓』以来かな。カウフマン監督の他の作品(『ライトスタッフ』『ヘンリー&ジューン』)も見とうなった。しかし『スポーツ・ヤァ!』が廃刊になって以来自分で「義務」にした「毎日1本映画かオペラを見る」というのもシンドイもんや。

6月27日(水)つづき
車椅子プロレーサーの廣道純さんからメール。《今週末7月1日は大阪・長居競技場で世界陸上1500m車いすエキシビジョンレースの予選があります。ほとんどの人が知らないんですが、実は世界陸上(健常者の陸上競技世界選手権)の中には車いす1500mがエキシビジョンで男女とも設けられています。2001年エドモントン大会で4位に入って以来の出場を狙っています》いかんいかん。俺も知らなんだ。注目しなければ!http://www.jhiromichi.com/

6月28日(木)
一仕事済ませて上野東京文化会館へ。韓国国立オペラ団東京公演イム・ジュンヒ作曲『ソヒャンの結婚〜天生縁分〜』を見る。乱暴に言ってしまえば『フィガロの結婚』と『コジ・ファン・トゥッテ』を合わせたような作品。韓国ならではの綺麗なメロディ(途中コレは宝塚かと思うほど)に乗ってドラマはテンポ良く進行。面白かった。けど現代オペラとしては物足りない。李朝時代の風習は今も韓国社会に残って韓国の人にとっては現代的問題かもしれないけど日本人にとっては切実な問題とはならない。まぁ喜劇やから面白ければいいのかも。フランクフルト公演は好評を博したらしくパンフレットにフランクフルター・アゲマイネ紙に掲載された批評が紹介されてたが「プッチーニを超える」という(新たにつけた?)見出しは明らかにほめすぎ。ただ「韓国国立オペラは長い歴史を持っているとは言えないが、オリジナリティの感じられないありきたりなレパートリー公演が多いアジアにおいては、その独自性においてユニークな方向性をもっているのかもしれない」という一文は日本のオペラ関係者も心に刻むべきだろう。

6月29日(金)
一仕事済ませて大阪へ。打合せを兼ねてMBSのディレクターと上泉アナと一緒に新地へ。うわっと驚いたのは海老蔵とすれ違ったから。一人でぶらぶら歩いてたで。別にかまへんけど(笑)。寿司屋に入って楽しくスポーツ談義。有意義な一時。出版社の編集者とは結構こういう時間を持つけどTV関係者とは意外と少ないけど考えなおさなあかんな。

6月30日(土)
MBS『せやねん』生出演。世界陸上クイズで大盛りあがり。関西ローカル番組だったので本欄をお読みの皆さんもクイズに挑戦してみてください。1)走り幅跳びで跳躍距離が伸びるとされながらも「危険」という理由で禁止されたのはどんな跳び方?2)投擲用具の砲丸・ハンマー・やり・円盤でいちばん値段の高いのは?3)1900年のパリ五輪のマラソンは完走者たったの8人。それほど完走者が少なかった理由は?4)短距離走のクラウチングスタートはある人物がある動物の動きを見て考え出した。その動物とは?……スポーツとはそもそも基本的にそれ自体は「無意味な行為」であり「無駄な行為」であるだけに(それだけに「文化」といえるのだが)スポーツにまつわる「なぞなぞ」は面白いものが山ほどあるのだ。正解は後日本欄で。

6月30日(土)つづき
往復の新幹線で佐藤優『日米開戦の真実/大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』を読む。なるほど。現在のアメリカのイラク侵略も6か国協議も基本的なパワーゲームは変わってへんな。変わったのは日本だけやな。戦争に負けるというのは深いもんやな。いや負けたあとの問題やな…。

6月30日(土)つづき
晩飯映画劇場は『ゲッタウェイ』。ペキンパーで見てへん映画やったのでDVDを買うたけどマァ見んかってよかったかな。とはいえ冒頭タイトルからスティーヴ・マックィーンの刑務所出所までの映像編集と音響効果は流石。ペキンパーはあと『ビリー・ザ・キッド』をまだ見てへん。見なければ。とはいえ『戦争のはらわた』も『ワイルドバンチ』も『ガルシアの首』もナンヤラよう思い出せへん。『わらの犬』ははっきり憶えてるけど。あかんな。ぼけてきたかな。

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