3月1日(金)
ベッドの読書は『9条誕生』読み続ける。戦後は官民含めて多数の憲法改正案が生まれたのですね。そのうちほとんどが「平和国家建設」「文化国家建設」を謳い「文化国家」とはもちろん「文治国家」のことで明治以来の「武化(武断)国家」を否定した反対語ですね。時の皇太子(現上皇)も終戦の翌年正月の学習院小学校6年の書き初めで「平和國家建設」と書いたのですね。それら平和の声が渦巻くなかで幣原喜重郎が「非武装」「恒久平和」をマッカーサーに提案したわけですが異論もあるらしい。読み進まねば。現国会のダラダラした意味のない裏金議論を聞いても仕方ないですからね。現政治家ってホンマに情けないけどソレは有権者の責任?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと『世界思想』や『Up and Coming』の最終校正をやって夕方からは『ニューズ・オプエド』リモートMC出演。今日のゲストはスポーツライターの小林信也さんと成城大学の山本敦久教授。山本さんが台湾へ行ってこられて高雄大学の教授方と台湾と日本の野球文化について話し合ってこられた報告が素晴らしかった。1931年嘉義農林学校が台湾代表として夏の甲子園大会に出場。決勝まで進む大活躍をしたところから台湾の野球文化は始まったという。最近映画にもなったが嘉義市にはエース呉投手の大きな銅像が繁華街の中央にあり誰もが嘉義農林の活躍は知っているが日本の植民地統治時代の日本人監督に率いられた出来事で台湾でも否定的に捉える人もいるとか。イングランド発祥のスポーツが世界に広がったのもイギリスの植民地市は日の広がりと密接な関係があるわけで小林信也さんはコレも映画になったバンクーバー朝日の例を引き合いに出し非常に質の高い討論ができました。大谷のメジャーでの活躍がアメリカの文化帝国主義の支配下にあるのは日本のプロ野球組織の情けなさに尽きるようですね。『オプエド』の後『チコちゃん』見ながら晩飯。醍醐味の醍醐って最高の乳製品のことなんですね。
3月2日(土)
『9条誕生』読み続ける。マッカーサー3原則のなかの「戦争放棄」は《突然出てマッカーサーが中心になってとんでもないものを作ったというイメージが強かったと思います。けれどもよく調べてみますと日本側にも陸軍を中心に軍条項を残しておくと天皇制そのものが危うくなる。連合国は認めない。だったらそれをはずしてしまおうという案があり松本委員会とよばれる憲法問題調査委員会の中にもその意見があり閣議でも軍条項は削ってもいいと言っている。マッカーサーはこうした事実を知った上で陸海空軍その他の戦力はこれを保持しないという今でいう憲法九条第二項を考えたのではないか》という獨協大古関教授の推理に加えて著者の塩田純は《「戦争の放棄」は(略)幣原がマッカーサーに提案しておりこれが戦争放棄条項とつながったことは間違いない》と書く。なるほど。現憲法をアメリカ(GHQ・マッカーサー元帥)の「押し付け」と断じるのは違うのですね。また天皇制を守るための「平和憲法」なら天皇(皇室)が平和を唱えるのは理に合ってるわけですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。人間年齢90歳近くで髭の白さが目立つ黒兵衛は相変わらず元気ですね。ワン。チョイと仕事部屋の整理等をして午後からは湘南鎌倉病院へ。そこでお隣さんのフランス人ご夫妻がフルートとピアノのコンサート。100人以上の入院患者の方や外来患者の方や看護師さんなどとともにプーランクやラヴェルのフルート・ソナタを40分以上に渡って聴かせてもらう。病院のロビーに補びくフルートとピアノのの響きは実に良いものですね。ラムルー管弦楽団のピッコロ&フルートの首席奏者とパリの音楽院でピアノの教師をしている夫人の演奏ですからね。演奏会を終えてお隣さん夫妻とウチのヨメハンと4人で『鮨処もり山』へ。美味しいお寿司で打ち上げ足洗い。いい終末の一日でした。平和憲法を創るために格闘した終戦直後の政治家に較べて裏金保身意味不明の弁明を繰り返す政治家はホンマに情けない阿呆な限りですね。
3月3日(日)
ベッドのなかの読書『9条誕生』読み続ける。《日本国憲法より前に不戦条約の規定を取り入れていたのが1931年のスペイン憲法と1935年のフィリピン憲法である。フィリピン憲法第2章第3条には次のように記されていた。「フィリピンは国策遂行の手段としての戦争を放棄し一般に確立された国際法の諸原則を国家の法の一部として採用する」。日本駐留以前マッカーサーが駐留していたのがフィリピンである。1935年にフィリピン国民軍創設のためにマニラに赴き軍事顧問となったマッカーサーがパリ不戦条約とともにフィリピン憲法を目にしていた可能性は高い》ナルホド。《国民軍》の保有と《戦争の放棄》は両立するのですね。しかしマァ日本の「自衛隊(国軍)」はアメリカと共同作戦を強いられるのでしょうし平和憲法の下でもそれが可能とわかった時点で自民党右派は憲法改定などという邪魔臭いことはやらなくても良いと判断したのでしょうね。「平和憲法9条」の下でも兵力保持も海外派兵も集団的自衛権の行使も集団軍事作戦も武器輸出も…済し崩しに可能に…すべて哲理なくナシクズシのニッポン…嗚呼。ワン。ベッドを出てイロイロ準備してRKB毎日放送『サンデーウォッチ』ZOOM出演のためのリハーサル。そのあと黒兵衛と散歩をして本番ZOOM出演。大谷選手の結婚をネタにしてプロ野球選手の結婚と成績の相関関係についていろいろ選手の例を挙げて話す。「成績が落ちる」というのは言わば都市伝説なんですよね。番組の後チョイと仕事して午後からヨメハンの買い物に付き合う。小生もコピー用紙やらいろいろ買って帰宅するとNHK『探検ファクトリー』をやっていたので見てしまう。昨日の造幣局の紙幣の印刷工場も面白かったけど今日の伊賀焼の土鍋工場も面白かったですね。晩飯はワーグナーの『さまよえるオランダ人』のオランダでの舞台を見ながら酒&ヨメハンが桃の節句で作ってくれたくれたバラ寿司を食う。『さまよえるオランダ人』の新演出ゼンタの恋人(エリック)が最後にゼンタとオランダ人をライフルで撃ち殺すというのはナカナカ面白かったですね
3月4日(月)
ベッドで頭の中にスピルバーグの映画を思い浮かべながら『9条誕生』読み続ける。と言うのは昨年暮れに他界した同い年の朋友であり音楽プロデューサーのSさんに突然「日本国憲法誕生の映画化をスピルバーグに依頼しようと思うのだけどどう思う?」と聞かれたことがあったからだ。あまりの突然の電話での提案ですぐには返答できなかったけれど常にいろんなアイデアを思いつき過去には突然アメリカへレナード・バーンスタインを訪ねていってヴァイオリニストの五島みどりさんのデビューを彼に任せ彼から佐渡裕のプロデュースを依頼されたような人物であるS氏はマッカーサーとGHQと日本の政治家が憲法9条と天皇をどう考えていたのかハリウッド映画に残させるべきだから…と滔滔と語った。私はスピルバーグよりもオリヴァー・ストーンやマーティン・スコセッシのほうが…とも思ったがソレは口にせず「スピルバーグが創る日本国憲法の映画ができるなら大賛成」と答えた。すると何日か後にスピルバーグへの映画製作依頼の手紙の草稿が送られてきた…がその作業を進めるウチにS氏にいろんな出来事が起こってこの動きを進めることが不可能になってしまったのは残念だった。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと原稿書き等の仕事の合間に雑誌『ZAITEN』をパラパラめくるとITビジネスアナリストという肩書きの深田萌絵という人物の衝撃的な記事に遭遇。タイトルは『台湾で隠蔽される健康被害TSMC誘致は第二の水俣病問題になりうる』半導体を製造するには大量の水が必要で使った後は汚染水となりTSMCは汚染水を垂れ流して安価な半導体を大量に作り世界一のシェアとなったが《台湾は人口密度あたりの人工透析患者数が世界一です。そのこととTSMCが台湾で最大の半導体工場を持っていることは関係していると私は考えます》と筆者は書く。おまけに熊本で《年間400万トン》もの地下水を使うとなると《菊陽町の水は干上がっていまいます》と水不足も懸念。さらに政治家とTSMCの癒着や日本の半導体政策の誤りに対する指摘…等知らなかったことのオンパレード。深田萌絵さんには『光と影のTSMC誘致』(かや書房)という著作もある。読まねば。
3月5日(火)
『9条誕生』読み進む。天皇制を守りたい日本政府とGHQ。それに反対するソ連・オーストラリアらを含む極東委員会の活動がワシントンで始まる。東京裁判の開廷も間近。そんななかでGHQ案を日本的な案(文章)に修正する作業が徹夜で始まる。そして政府案としてメディアで発表。その経緯を辿ると日本国憲法は決して「押し付け」とばかりは言えない事情がわかります。白洲次郎は《コノ敗戦最露出ノ憲法案ハ生ル。「今に見ていろ」ト云フ気持抑ヘ切レス。ヒソカニ涙ス》と手記に記したそうだが「敗戦最露出」でない憲法ならどんな憲法を作るつもりだったのかチョット想像がつかないので聞いてみたい気がしますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあとデスクワーク。昨日本欄に書いた台湾企業TSMCの熊本進出について少々調べる。台湾で大量の水を確保しにくくなった結果の日本進出のようですね。廃液にどのような危険物質が含まれるのか調査と結果の公表と規制が必要でしょうね。それ以上にメディアの正確な報道が必要でしょうね。ITビジネスアナリストで『光と影のTSMC誘致』(かや書房)の著者である深田萌絵さんも《政治的な圧力がかかっているようです。私も過去にある雑誌でTSMCに批判的な記事を削除されたことがある》と雑誌『ZAIEN』に書いている。日本の新聞・テレビ・雑誌は世界報道自由度ランキングで68位と下位に低迷していることを恥じてジャーナリスト精神を取り戻すべきですね。世界思想社から『世界思想』の『スポーツ特集』最終校正を処理する。小生の原稿『スポーツとな何か?-「スポーツそのもの」の魅力を求めて』の末尾に書いた結論は読売が巨人や箱根駅伝の運営から手を引き朝日毎日が高校野球から手を引いてスポーツにおけるジャーナリズム精神を取り戻せば日本のスポーツはさらに豊かに楽しく有意義な形になるというもの。もちろん本文ではもっと詳しく丁寧に書いてます。今月末発行予定だそうです乞御期待。
3月6日(水)
『9条誕生』読了間近。新憲法に対するマッカーサーとGHQの独断関与を嫌うFEC(極東委員会)がGHQ案に対する帝国議会による改訂を指示。このときの帝国議会での論争は見事。また「帝国憲法改正案特別委員小委員会」での論争も見事。とくにワイマール憲法から学んだ生存権の記述を採用した人権条項を加えたことは素晴らしかった。また閣僚は「文民でなければならない」との文民条項(シビリアンコントロール)が加えたことも評価できる。最後に済し崩し的に自衛の軍隊を保有できるよう文言の細かい修正を誰にも気付かれないように処理したのは時代背景から仕方なかったのかもしれないがこのときの議会での論争はもっと多くの人に知られるべきだろう。そうすれば「押し付け憲法」とか「みっともない憲法」などと言う人も出ないはずだ。しかし自衛隊員出身の国会議員は大臣になれるのか(文民なのか)な?元帝国軍人も国会議員になった人がいるから「元」ならイイのかな?ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。テーマは「佐々木麟太郎さんのスタンフォード大学入学の意味するところ」について。そう言えば1972年の日米学生野球でもアメリカ代表の一塁手がスタンフォード大で友達と神宮球場へ見に行って「やるなぁ」と唸ったことを思い出しました。アメリカではルー・ゲーリッグというコロンビア大学出身のメジャーリーガーがいましたから文武両道が浸透したのかな?日本では六大学野球出身の戦前の職業野球(プロ野球)選手は三田倶楽部や駿台倶楽部や稲門会の大学OB組織から排除されましたから学問(大学)とスポーツは切り離されたようですね。日本の大学もアスリートも佐々木麟太郎さんの行動をきっかけにスポーツ推薦で大学に入ることができて勉強しなくても卒業できるようなシステムを廃止しなければダメですね。ラジオのあと黒兵衛と散歩。仕事部屋の整理の合間にNHK-BSで映画『フィラデルフィア』。トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンが若いですね。イイ映画だけどエイズは過去のものになったかな。ブルース・スプリングスティーンやニール・ヤングの歌と並んでマリア・カラスの歌うジョルダーノのオペラ『アンドレア・シェニエ』のアリア『母が死んだ』は見事な迫力で映画を引き立ててますね。
3月7日(木)
塩田純『9条誕生 平和国家はこうして生まれた』(岩波書店)読了。素晴らし一冊でした。《日本国憲法は敗戦後の数年間で制定されたがそれ以前の多くの人々の思想的格闘の上に成立しいたことが分かる》とりわけ《吉野作造の軍部批判がアメリカの対日政策にい影響を及ぼした》ことは銘記すべきですね。《吉野は「官制改革による統帥権独立の禁止・軍備縮小・軍制改革による平和的日本の建設」を主張》していたわけでそれは大正デモクラシーから昭和初期に支持されたが軍部の台頭と幣原外交が軟弱外交と非難され満州事変へと突き進みなかで忘れられたことが戦後民主主義aromeのなかで復活したわけでうからね。憲法9条のGHQ草案のなかには「平和」の文字がなかったのを日本の議会の討論の結果付け加えられたことも頭に入れておくべきですね。2018年4月に出版された本ですが多くの人に読んでほしいですねと恥ずかしながら今頃言います。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと仕事部屋の整理。サテいろいろため込んだ蔵書をどう処分するか?子供も孫も読みそうにないなあ…と思いながらリストを作るのは「終活」の一種?晩飯のあとDVDで映画『フィラデルフィア』をきちんと見直す。と言うのは昨日NHK-BSでちらっと見てキチンと見直したくなったから。エイズは過去のものなったかな…と昨日書いたけどそーゆー時代の問題と関係なくこの映画はアメリカのけっこう奥深い正義感を考えるうえで改めてイイ映画だと思いました。こーゆーアメリカ社会の現状を正しく描いてあらゆる差別を真正面から否定する映画を作るアメリカのパワーは凄いですね。ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』も見直そうかな。トランプはこ−ゆーハリウッド映画をどう評価しているのかな?明日の『ニューズ・オプエド』は大リーグ評論家の福島良一さんと大谷翔平&佐々木麟太郎と日米の野球について思いっきり語り合います。乞御期待。
3月8日(金)
虫明亜呂無『肉体への憎しみ』(ちくま文庫)をベッドに持ち込む。小生自身が企画編集した3巻本の選集『L'arome d'aromu』の第1巻で虫明氏のスポーツ小説6編とスポーツ論2編そして井上ひさしさんとの対談「スポーツ・人間・風土」を収めている。他に解説として虫明氏と交流のあった石川喬司さんの解説「消えてゆくものだけを求めて」も。そして編者として小生が「"スポーツそのもの"と"人間ドラマ"」と題したあとがきを書いている。本書は1991年7月に筑摩書房から発行された単行本が1996年10月に文庫化されたもの。何故今自分が編集した本を引っ張り出したかというと3日前に校了した『世界思想』に寄稿した小生の文章「スポーツとは何か?スポーツそのものの魅力を求めて」がやはり虫明氏の影響を色濃く受けたものであると再認識したからだ。『世界思想』の「スポーツ特集号」(今月末発行)の末尾に書いた小生推薦のスポーツ・ブックリストにも先に選んでいたロジェ・カイヨワの『遊びと人間』(講談社学術文庫)に代わって本書を加えてもらった。他に第2巻の『野を駈ける光』と第3巻の『時さえ忘れて』も入れてほしかったけれど冊数が多くなりすぎるので諦めた。しかし改めて35年ほど前に書いた自分の文章を読み直して自分がチョットしか成長してないことに苦笑い。以前から「人間ドラマ」より「スポーツそのものの魅力」を…と唱えてたのですね。誰の言葉かは忘れたけど(フィリップ・ロスだったかな?)人間は40歳で成長を止めて後は過去に書いたものの註釈作業をするだけ…という言葉を覚えてるけど註釈作業も大切なんですよね。ワン。ベッドを出て相変わらず元気な黒兵衛と散歩。大リーグ評論家の福島良一さんを迎えての『ニューズ・オプエド』は大谷・佐々木・ドジャース・スタンフォードの話題でメッチャ楽しかった( ^o^)ノ今も少しは見れますから覗いてみてください。https://op-ed.jp/
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『限りなき追跡』 ツマラナイ映画もタマには見るべきですね。何が足りないかがわかればイイ映画がより理解できます
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3月9日(土)
虫明亜呂無『肉体への憎しみ』読み続ける。と言うかベッドに持ち込んで読み直したら止まらなくなった。スポーツという人間の営みについてここまで細かく深く知的に分析しきった文章は他にあり得ないだろう。彼のスポーツ論を知らずにスポーツを語る人は不幸としか言い様がないですね。いやシアワセなのかな?ノーテンキでいられるから。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。静かな終末。小生が暮らす住宅地も高齢化が進み空き家も空き地も目立ち始めた。全国がこうなのかな?おまけに能登に続いて千葉でも不穏な群発地震。裏金と万博で騒いでる政治家はシアワセですね。ワン。終活と言うつもりはないけど仕事部屋と本棚の整理。こりゃタイヘンだ。昼飯のあと昨日途中まで見た西部劇の続きを見る。『限りなき追跡』ロック・ハドソン主演。南北戦争(敗戦)後の西部のマッチョマンの南部(南軍)への思い入れはわかりました(以前ラスベガスで南軍の旗を振り回すショウを見たこともありました)。しかし映画としてはC級でしたね。午後も部屋の整理のあとTBS『報道特集』で3.11のその後や能登半島の珠洲市に原発を作ろうとしていたレポートを見る。地震のあと珠洲に原発ができなくて本当に良かった…という声があるがが原発に賛成していた人はどう思っているのだろう?一部取材させない場所の残る志賀原発は本当に大丈夫なのかな?晩飯のあと映画『羊たちの沈黙』を見直す。評判の高かった映画でアカデミー賞・作品賞・監督賞・主演男優賞・主演女優賞・脚色賞他多くの賞を受賞したけどDVDで見て面白くないので途中で見るのを辞めた映画。同じ監督(ジョナサン・デミ)の『フィラデルフィア』が秀逸だったので見直さねばと思って見たけどヤッパリ面白くなかった。単なるハリウッド・ホラー・ミステリー・サスペンス映画でしたね。ジョディ・フォスターが続編に出なかったのも納得。アンソニー・ホプキンスは『ニクソン』などもっと他に素晴らしい映画と演技が沢山ありますよね。今日は酷い映画を2本も見て『ブラタモリ』最終回を見落とした。アジャパー(>_<)
3月10日(日)
田口善弘『学び直し高校物理 挫折者のための超入門』(講談社現代新書)読み始める。自分の仕事にまったく関係のない本は完璧な娯楽書ですから100%気楽で楽しいですね。「飛行機は何故飛ぶのか」「実はよくわかっていない摩擦の仕組み」「テスラ(交流)とエジソン(直流)の電流戦争の死闘」などチコちゃんを少々上回るレベルにふ〜んと感心しながら夜はさっさと眠りにつけ朝はトイレのあとも二度寝がスムースです。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。真っ青な冬空に雪を熱分厚く被った富士山がくっきりと輪郭を表しているのが綺麗ですね。近くでホーホケ・ケキョと今年もシンコペイテッド鶯が現れて啼き始めた。静かな日曜ですね。ワン。部屋の整理をしているとミュージシャンのお隣さんからメールが届く。以前お寿司屋さんで話を聞いたフルートの楽譜付き絵本『LUNA'S MAGIC FLUTE』が添付されている。可愛いイラスト付きの11のfairytale物語。そのうち「The Sad Siberian Tiger」を訳して…とのことだが全訳したいくらいオモシロソウ。早速「寂しい眼をしたデッカいシベリア虎のオッサンとルナの出逢い」なんて訳文が頭に浮かぶ。仕事はやはり面白くなければ行けませんよね。夕方から大相撲大阪場所。荒れる春場所。豊昇龍に勝った宇良も寄り切った錦木も素晴らしかったですね。晩飯は『日曜美術館』で倉俣史朗氏のデザインを堪能しながら。小生はデザインというのをあまりオモシロイとは思っていなかったけど倉俣氏の作品は凄いですね。「ミス・ブランチ」でデザインというジャンルの奥深さを初めて知りました。ヴィヴィアン・リーがブランチを演じたエリア・カザン監督のテネシー・ウィリアムス『欲望という名の電車』を見直さねば。
DVD |
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『犬神家の一族』 市川崑監督のカメラワークも台詞回しも見事だと思いますが、私はミステリーをオモシロイと思ったことがないですね
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3月11日(月)
田口善弘『学び直し高校物理』読了。高校の授業のオモシロ再現とは言えもう少し原子素粒子量子力学の話がほしかったかな。でも夜と朝にベッドのなかで楽しめました。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。13年目の3・11。あの日以来石巻で10年連続「武道の街石巻」の仕事をさせてもらったけど石巻専修大学や石巻スポーツ協会の皆さんはどうされてるかな?いろいろお話を聞かせていただいてありがとうございました。原発のことを考えると戦後の経済優先社会の行き過ぎとアメリカとの関係の行き過ぎと政治家の堕落しすぎを頭に思い浮かべざるを得ませんね。熊本地震・能登北陸地震と続いて千葉群発地震はどうなる?と思うなかで自民党の政治家たちがまたもや阿呆なことをやってるのに政権交代もできない日本はどうなるのでしょう?ワン。スポーツネットワークジャパンから『スポーツゴジラ62号』が送られてくる。小生の連載『走』は第9回『「走る」とは悪いことを意味する言葉か?』と題したコラムを書きました。「悪に走る」「虫唾が走る」「利に走る」なんて「走る」の善い表現はないですからね。しかしソクラテスは「速く動く」ことの美しさを讃えてるのですよね…というコラムです。他にも国枝慎吾vs村田諒太の対談や日本人最初のメジャー投手村上雅則氏の講演や山口香さんの講演収録などオモシロ記事満載。100号までガンバレ。季刊ペースだからあと9年半ですね。イケルヤレル!荒れる春場所はホンマに荒れますね。霧島連敗。貴景勝も琴乃若も土。この先どーなるか楽しみ。昼間NHK-BSで『犬神家の一族』をやっていたので前半見ると市川崑監督の映画作りの面白さに改めて感激。台詞回しもカット割りもオモシロイ。そこで大相撲のあと後半をDVDで見直したけどヤッパリ小生にはミステリーは小説も映画もダメですね。犯罪にリアリティが感じられない。趣味の問題かな。感覚に合わない。戦争も戦後の日本社会の描き方もイマイチ。その後TVKで見た吉本新喜劇のほうがよほどオモシロからったすね。較べるモンじゃないでしょうけどね。
4K Ultra HD |
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『ゴジラ』 1954年の第1作。『ゴジラ−1』を観てこっちを観てない人はいけませんよ。小生は、これから『−1』を観ます
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3月12日(火)
読む本のないときいつも草枕。昔「無人島に持って行きたい1冊の本」という企画がよく行われていて西洋人は圧倒的に聖書が多くてつまらないと思った記憶がある。その点日本人の回答は百花繚乱。記紀万葉から漱石ドストエフスキーまで。良いことか悪いことかはわからないけど面白いことは確か。この企画を真似て「無人島に持って行きたい1枚のレコード」というのも『レコード芸術』などで紹介されていた。カザルスのバッハやコルトーのショパンやフルトヴェングラーのベートーヴェンが選ばれるなかでソプラノ歌手のシュワルツコップがライナー指揮シカゴ響のウィンナ・ワルツ集を選んでいたことを何故か今も憶えている。ウィーンの本場のウィンナ・ワルツではなくハンガリー系指揮者のアメリカのオケとの演奏を選んでいることに個性と自由さとインテリジェンスを感じましたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。小雨のなか雲古が澄んだらソソクサと帰宅。テレビでは日本の作品が2本『ゴジラ-1』と『君はどう生きるか』がアメリカのアカデミー賞に選ばれたことが盛んに報じられたけど受賞の喜びばかりが騒がれて作品について-原水爆のことや戦争のことがあまり語られなのは不思議ですね。昼飯後の映画として1954年版『ゴジラ』第1作を見る。水爆実験で放射能怪獣として蘇った恐竜ゴジラが戦争から復興した東京を破壊し尽くす。それを止めることのできる新科学兵器オキシジェン・デストロイヤーを発明した科学者はそれが兵器として使用されることを拒みあらゆる使用を拒否するが最後にはゴジラ退治に乗り出し…という粗筋は明らかに反原水爆・反核反戦映画。『ゴジラ-1』も『君はどう生きるか』もまだ見てないけどアカデミー作品賞が『オッペンハイマー』だったことも含めて「日本人の受賞」のことを喜ぶとともに反戦反核を語りましょうよ…と思っていたらNHK『クローズアップ現代』で『オッペンハイマー』のクリストファー・ノーラン監督へのインタヴューをやっていた。ハッピーエンド・ハリウッド映画ではないロンドン生まれのイギリス人監督の反核映画。見なければ。夜はベッドへ小野俊太郎『ゴジラの精神史』(彩流社)や同じ作者の『モスラの精神史』(講談社現代新書)を持ち込む。たしかゴジラと『七人のサムライ』や『潮騒』との関係が書かれていたはず。読み直しましょう。
3月13日(水)
小野俊太郎『ゴジラの精神史』読み直す。面白い。1954年の第1作についての様々な感想が載っている。《海で死んでいった兵士たちへの鎮魂歌(略)天皇制の「暗い」呪縛力のせいでゴジラはついに皇居だけは破壊できない》(川本三郎『今ひとたびの戦後日本映画』)ゴジラは《太平洋戦争の帰還兵士の亡霊(略)靖国神社を破壊するためにゴジラが進むべきだった》(加藤典洋『さようならゴジラたち』)そして著者が書く。《太平洋戦争の記憶が映画の制作者と当時の観客のあいだに共有されていてゴジラのなかに英霊を読みこむのがはっきりしていたわけだ》だから三島由紀夫がゴジラを評価するのも当然なわけですね。ただの怪獣映画ではないわけですから。『ゴジラ-1』はどうかな?見なければ。そう言えばゴジラがオキシジェン・デストロイヤーで死滅して穏やかな海が戻ったあと山根博士(志村喬)の有名な台詞で第1作目の『ゴジラ』は終わる。「あのゴジラが最後の一匹だとは思えない」この台詞を著者は《平和に見える海の恐怖について語っている》と書く。アカデミー賞で騒いでるすべての人に読んでほしい一冊。そう言えばこの本の表紙になっている能登半島珠洲市の海中から突き出たゴジラ岩は地震の土地隆起で地続きなったらしいけどゴジラの姿は残ったとか。ゴジラは強い。ワン。黒兵衛との散歩は後回しでRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。テーマは大谷・山本で大騒ぎのドジャースについて。チーム名の意味や巨人V9との関係やアイク生原さんの話などイロイロ。しかしスタジオの誰も『ライフルマン』のチャック・コナーズを知らないのはショックでした。彼はプロのバスケ選手や野球選手でドジャースにも所属してたんですよね。『ララミー牧場』『ローハイド』『ボナンザ』と並んで『ライフルマン』も昭和30年代には有名西部劇西部劇だったのに…昭和は遠くなりにけり。昼間仕事を一休みするとNHK-BSで『タクシードライバー』をやっていた。懐かしい!!マーチン・スコセッシ監督ロバート・デニーロ主演。ジョディ・フォスターが12歳の娼婦役。サクスの音楽も含めて20代の時に最高の映画と唸った作品です。今見直すと…時代を感じますね。うわっ。霧島4連敗。大の里は強いなぁ。昨晩も今晩もBSフジ『プライムニュース』でウクライナ戦争や外交についての発言を聞いたけど政治評論はやはりどこか虚しいですね…これも一種のINFOTAINMENT?しかし昨晩の佐藤優氏の外交論は面白かったなぁ。
3月14日(木)
昨晩ベッドに持ち込んだ本は塩野七生『ギリシア人の物語T民主政のはじまり』(新潮社)。スポーツという文化が古代ギリシア(アテネ)と近代イギリスという民主政社会のなかで生まれたというノルベルト・エリアスの説は選挙や議会で暴力を否定する社会で暴力的な力比べがゲーム化されてスポーツになったという論理で理解できるのだがそもそも民主主義でわからないことがあった。それは「多数決」と「少数意見の尊重」。これは両立するのか?自民党(多数派)が共産党や令和新撰組(少数派)の意見を尊重したことがあるのか?確か塩野氏の本に書いてあったはずと思いページの端を折ったり赤線を引いたりした部分を探したらありました。しかし古代ギリシアの資料には「少数意見の尊重」については「棄権」とともにまったく記述がないという。つまり問題にしていない。そこで塩野氏は考える。《市民には投票する権利は与えた。その権利を行使するか否かは市民一人一人の自由である》が《棄権せずに投票した人々が決めたことには従う義務が市民全員にある》だから《アテネ人は棄権という現象を問題視する必要を感じなかったし少数意見も議場内で行われる白熱した討議が認められているのだからそれで充分だと考えていたのではないだろうか》なるほど。日本の国会の問題点は「白熱した討議」の有無にあるのですね。事前に提出された質問に対して官僚の書いた原稿を棒読みするだけの大臣連中も問題ですが「少数派」に短時間の「討議」しか与えていないことも問題ですね。「多数決」は採決の時の手段ではあっても民主主義で重要な「少数意見の尊重」を実行して民主政を正しく実行するには「多数決」を「討議の時間(の割合)」にまで持ち込むのは疑問ですね。アテネと日本では直接民主主義と間接代議制民主主義の違いはあるけど時間無制限の「白熱した討議」を行えば本当に正しい意見(政策)や正しいけど今は実行不可能な意見(政策)や少々おかしいけど選択せざるを得ない意見(政策)などが炙り出されるのではないかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと『ZAITEN』連載『今月のスポーツ批評』執筆。大谷フィーバーとスポーツ・ウォッシングについて書く。大谷に責任はないけど大谷騒ぎで日本のプロ野球界の間違った構造が覆い隠されているという原稿を書く。問題はジャーナリズム不在のメディアですね。晩飯前にネットで大相撲の勝敗確認。尊富士&大の里は強いですね。晩飯はBSフジ『プライム・ニュース』を見ながら。セイリンシンなんて記憶力のないセイジヤのバカッ噺に嗤っちゃいますね。
3月15日(金)
ベッドのなかでBlaz Pucihar作の童話 a farytale for flute and piano『LUNA'S MAGIC FLUTE』を読む。英語を読むのは久し振り。童話だけにメッチャ簡単な英語で辞書はほぼ不要。「魔法の笛(フルート)」を手にした女の子Lunaが汽車で旅に出て子馬や亀やイルカや小鳥などと出会っていろんな冒険をする11のお話。小生が翻訳を頼まれたのは虎(シベリアン・タイガー)と竜(ドラゴン)と出会う2つの話だけど全体を知っておかねばと思って短編全11話を読破。竜にフルートを取りあげられて暗い洞穴に閉じ込められた少女が途中で出会った動物たちみんなの力で助けられるというお話。たまにはこんな童話を読むのもいいですね。ワン。虎は関西弁・竜は名古屋弁で訳そうかな。タイガースとドラゴンズですからね。ヤリスギかな。ワン。英語の不明瞭なところを調べ直したりイロイロ仕事するうちに夕方の『ニューズ・オプエド』はタケ小山さんがMCを務める月に一度の「オプエド・ゴルフ会議」にゲスト出演。日本のゴルフ界も野球界(スポーツ界)と似ていてゴルフ界(野球界やスポーツ界)の発展よりもゴルフ(スポーツ)を利用して金儲けをしようとする人たち(広告代理店やメディア)の力が強くてその結果ゴルフ界(スポーツ)界が発展できずに結局海外のスポーツ界の発展に引き離されてしまっているのですね。嗚呼。晩飯はビデオに録画した大相撲を見ながら。尊富士&大の里は強い。湘南乃海は今場所好調ですね。照しないですよね?しないですよね?
3月16日(土)
ベッドのなかでの読書は「読む本がなければいつも草枕」なんだけど今日は横山光輝が描いた『マンガ平家物語』をチェック。歴史好きの孫に読ませるのに竹宮恵子の『吾妻鏡』とさいとうたかをの『太平記』などと較べてパラパラ読み直してこの順番にすべて読むべしとの結論。この中公文庫の『マンガ日本の古典全32巻』はナカナカ素晴らしいシリーズですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。暖かい春の陽射しでパーカーは着ずにセーターでOK。しかし再び寒さがやってくるらしい。三寒四温は毎春のことですね。デスクワークは楽しく『LUNA'S MAGIC FLUTE』の翻訳に手を付け始める。久し振りの翻訳。過去に5冊やったけど翻訳というもは日本語をいじる作業ですね。原文の持ってる雰囲気を生かすように如何に読みやすくするか日本語をいじるわけですね。ある意味楽しい作業ですね。オマケに今回は Farytale ですからね。楽しくやりましょう。What's up はナンデヤネン? かな? どないしたっちゅうねん?のほうがいいかな?なんて考えてたら先に進みまへんがな。夕方から平塚でバレーボールの試合の飾り付けの仕事があったという長女がやって来たので一緒に晩飯&酒&音楽。長女のビデオ配信装置をテレビに繋いでグールドやグルダやツィンマーマンのベートーヴェンの『皇帝』の聞き較べを楽しんでいたらケッコウ歳とったマウリツィオ・ポリーニの演奏があっって少々ミスタッチもあるけど音色がやっぱり美しく演奏も堂々と素晴らしくしかもメッチャメチャ気合いが入っていて見事な演奏に聴き惚れてしまった。いったい指揮者は誰だ?と調べたら何とダニエレ・ポリーニで息子だとか。オーケストラはスペインのガルシア交響楽団とかで全員気合いの入ったスバラシイ演奏で参りました。ヤッパリ親子の力とか家族の力は大きいのかな?二世議員だけはカンベンしてほしいけど。
3月17日(日)
ベッドのなかでの夜と朝の読書に小生の翻訳した『LUNA'S MAGIC FLUTE』の第7章「魔法の笛を手にしたルナが悲しい眼をした大きな虎にバッタリ出逢うお話」のプリントアウトと赤ボールペンを持ち込んで読み直す。つまり推敲作業。本を読んだり勉強するには冬は布団のなか。夏はごろ寝。それが一番だと確信したのは中学生の頃からですね。何故か横になったほうが小生の脳細胞は働く。そのうち眠くなって寝るときもあるけど本や勉強が面白いときは脳細胞が激しく活性化する。さすがに原稿は書けないがアーティスティック・スイミング銀メダリストの奥野史子さんは水のなかに入ったほうが脳細胞が活性化するからと言って原稿用紙をプールサイドに置いて原稿を書いたとか。人それぞれですね。ただ布団のなかでの校正作業で問題は掛け布団の上部に赤い落書きがけっこうついてしまってヨメハンに怒られることかな。シャーナイ。ワン。布団を出て黒兵衛と散歩。暖かい日が続くのはイイですね。童話の翻訳は第8章「魔法の笛を手にしたルナがこの世で最も恐ろしい竜(ドラゴン)と出逢うお話」に進む。楽しい仕事ですね。途中サッカー見たり大相撲見たり。昨日の本欄はポリーニ親子に興奮して長友のゴールを見たのを書き忘れました。尊富士は素晴らしいですね。夜はお隣さんのフランス人ご夫妻が静岡で鹿肉を買ってきたからというのでイタリアの赤ワインでジビエ・パーティ。ワイワイガヤガヤ気心の知れ合った年寄りが集まって話をしながら食事をするのは楽しいですね。
3月18日(月)
ベッドのなかでは週刊新潮と週刊文春に目を通す。政治家の裏金の話のあまりの馬鹿馬鹿しさに睡魔が襲ってきて爆睡。ワン。心地よい眠りはもちろん週刊誌や政治家のおかげではなく昨夜の赤ワインとジビエ(鹿肉)のおかげですね。日本の食糧事情も牛や鶏ばかりに頼らず鹿や熊やキョンなどにも広げるべきですね。行きつけのジビエ料理店AGITOではハクビシンも出してましたね。ワン。デスクワークは昨日に続いて『LUNA'S MAGIC FLUTE』の第8章「魔法の笛を手にしたルナがこの世で最も恐ろしい竜(ドラゴン)と出逢うお話」を完成させる。童話の翻訳は楽しい作業ですね。夕方から大相撲。碧富士の肩すかしは実に美事でしたね。敗れた豊昇龍もあまりに綺麗に決められて苦笑いするほかなかったですね。阿炎に勝った尊富士も若元治に勝った大の里も強いですね。明日の直接対決が楽しみ。ドジャースの韓国シリーズを見ながら晩飯。投打の対決も試合運びも応援風景もあまり面白くないので吉本新喜劇へ。こっちは相変わらず面白かった。
3月19日(火)
ベッドのなかで白井聡『国体論 菊と星条旗』(集英社新書)と『永続敗戦論 戦後日本の核心』を持ち込み傍線を引いた部分を読み直して「戦前の天皇」が「戦後のアメリカ」に取って代わった事情を再確認。日本のプロ野球界が「高度成長時代の読売中心」から「低成長時代(現在)のメジャー中心」へと変化した経緯と同定できる要素を確認。さらに白井聡×内田樹の対談『新しい戦前』(朝日新書)を再々読するがここでの白井氏の発言は少々事実認識を間違えてますね。昨年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が《イデオロギー的に物足りなかった(略)日本のレゾン・デートル(存在理由)がかかってるとは言わない》というのは素直で正しい感想と言える。が《2004年に孫正義さんがダイエーホークスを買収したとき(略)初めて出席したオーナー会議で(略)「何がワールドシリーズだ。ただの北米一決定戦じゃないか。アメリカのチャンピオンと日本のチャンピオンが太平洋決戦をやって真のワールドチャンピオンを決めねばならない」と熱弁を振るったところが他の球団オーナーたちは「そんなことできるわけがないだろう」とまったく白けていたそうです》これは白けるのが当たり前で2000年に日本の社会人野球のドンと言われ野球のオリンピック正式競技採用にも尽力した山本英一郎氏がメジャー球界を説き伏せてアジア(日本)のチャンピオンとメジャーのチャンピオンが対戦するスーパー・ワールド・カップの開催に合意した事実があったからだ。ところがその計画がアメリカで起きた9・11同時多発テロで消えてしまい山本英一郎氏も日本球界もまったく知らない(知らされない)うちにメジャーとメジャーの選手会が突然WBCの開催を発表したというわけですね。孫氏も白井氏もスーパー・ワールドシリーズの計画があったことを知らなかったようだが《孫さんの熱弁についてメディアからコメントを求められたナベツネさん(渡邊恒雄氏)は「その意気やよし。我々の世代には思いつかなかったがぜひやってほしい」と答えます。前向きの発言をしたのはナベツネさんだけだったのです》と渡邊恒雄氏を評価しているのもオカシイ。ジャイアンツを創設した正力松太郎は「巨人軍のモットー」として「巨人軍は紳士たれ」と並んで「巨人軍はアメリカ野球に追いつき追い越せ」と唱えていたし現在もプロ野球の憲法とされる野球協約第3条には《世界選手権を争うに資するべくこの組織の構成運営の細則を定める》と書かれている(改訂される前の2008年度までは《わが国におけるプロフェッショナル野球を飛躍的に発展させ世界選手権を争う》と明記されていた)ということはナベツネ氏があまりに日本野球(歴史)に無知だったということだろう。そして孫氏も白井氏も日本野球の動向を知らなかった。まぁ日本のメディア(スポーツ・ジャーナリズム)が日本球界の動向をキチンと報じないからこんな間違った認識が蔓延ったのだろうけど…あっ。ナベツネさんはメデイアのトップで巨人のオーナーだったんですよね。ならば知ってなきゃ!アッ。メジャーと組むほうが儲かると思ったのかな?しかしこんな認識と態度ではこれはアメリカ・メジャーに(試合で勝っても組織で)勝てるわけないですよね。ワン。チョット長く書きすぎたけどこの日は大相撲おもしろかったですね。ワン。
3月20日(水)春分の日
ベッドでこの日も白井聡氏の『国体論』『永続敗戦論』『対談/新しい戦前』自分で傍線を引いた部分を読み直す。たしか宮澤喜一氏をはじめ何人かの古い政治家が言っていたけど「戦争には負けてはいけない」ということですね。けど昔のことを振り返ってばかりはいられないのでこれからどーするか?経済では一度成功してこれからどこまで落ち込むかかわからないけどせめて文化帝国主義には巻き込まれたくないですね。メジャー(MLB)帝国主義にどう対処するべきか…ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと部屋の整理。以前岩波の月刊誌『世界』で2002年頃に山本英一郎氏と対談して野球の真のワールドチャンピオンを決めるサッカーのワールドカップのような大会の開催にMLBも賛同していた話をされたことを思い出し切り抜きを探すが見つからない。どこにやったのかなあ…探し出さねば。夕方から大相撲を楽しむ。ウワッ。尊富士と大の里の強さはホンモノですね。琴ノ若と貴景勝をぶっ飛ばしましたからね。晩飯はMLBのソウルシリーズを見ながら。中継はNHK地上波が7時のニュースも横にやるほどの熱の入れよう。アメリカ野球は面白い。けどソコマデヤルカ?ナンデヤネン?誰も文化(スポーツ)帝国主義について語りませんね。考えませんね。明日の『ニューズ・オプエド』で文化帝国主義とスポーツウォッシングについて神戸親和大の平尾剛教授と成城大の山本敦久教授にいろいろ語っていただきましょう。
3月21日(木)
大谷翔平選手の通訳だった水原一平氏のギャンブル・アディクション(依存症)に関するニューズには本当に心底驚いた。というのはまったく同じ立場にいた人物がまったく同じ依存症の「病」に陥りそこから抜け出すための告白集会に付き合ったことがあったからだ。その集会にはギャンブルのほか煙草・酒・買い物…等々の依存症に陥った人々が集まりそれぞれに自分の「陥った罠」を告白し合って二度とそのような「罠」に手を出さないということを誓い合う集会だった。それを見届けてほしいとギャンブル依存症に陥った人物に頼まれたので快諾して集会の「告白見届け人」になったのだったが…その人物はそれから半年後くらいに再びギャンブルに手を出してしまい借金を言ってきたのでバカヤロー!自分で始末しろ!と怒鳴り返してそれっきりにになった。水原氏ほど高額ではなかったがそれでも相当の借財だったらしいが…ギャンブルも依存症(アディクション)も怖ろしい「病」だと小生も学ばせてもらった一件だった。
3月21日(木)つづき
小生の出逢ったギャンブル依存症に陥った人物はスポーツ界に一人と他の業種に一人の2人だったがどちらにも共通していたのはすぐ傍に多額のお金を工面できる人物が存在していたことだった。要するにギャンブル依存症に陥る人物はすぐ傍の人物に頼る(依存する)性癖もあるようだ。ギャンブル依存症の「患者」を治療するのはギャンブルが「合法化」されている社会でないとやりづらいというのも難しい問題ですね。ギャンブルが非合法の社会ではギャンブル依存症で失敗した「患者」は「罪」を冒したとして処罰されるだけですからね。またギャンブルが非合法化の社会では反社会的組織が裏社会で賭博を取り仕切りますから…禁酒法の存在したおかげででアル・カポネなどシカゴのギャングが密造酒や密売酒で大儲けしたようなモノですね。詳しくは拙著『スポーツとは何か』(講談社現代新書)の「ギャンブル・スポーツ」の章をお読み下さい。2大関が新鋭2力士を退けましたね。お見事。メジャー野球とサッカー日本vs北朝鮮をあっち観たりこっち観たり。日本代表はもっと点を取らねば…と思ったけどまずは勝って良かったですね。次の対北朝鮮はどこでやるのかな?スポーツは民主政の社会からしか生まれないというノルベルト・エリアスの正論を北朝鮮の人々にも教えたいですね。誰か拙著の朝鮮語訳を作ってくれないかな?
3月22日(金)
もう一つ。小生と関係の浅くなかったギャンブル依存症の人物2人に共通点があったのは英語を話せること。だから外国のカジノでギャンブルをしたりネットで(横文字を理解して)ギャンブルやそれに類する金融商品に手を出していたようです。あ。二人にはまだ共通点があって一人はベンツ。もう一人はアルファロメオに乗っていました。もちろん窮地に陥ったあとに売り払ったようですが…。今日の『ニューズ・オプエド』はゲストに元日本代表ラガーマンで神戸親和大学教授の平尾剛さんと成城大学教授の山本敦久さんを迎えて『メディアの大谷フィーバーで「スポーツウォッシング」を考える』というテーマを話し合いました。スポーツで大騒ぎして「大切なこと」が揉み消される「スポーツウォッシング」はよくあることですが「スポーツの大騒ぎ」も実はスター選手の犬や夫人が騒がれているだけ…といった話やアメリカ・メジャーの「野球帝国主義」について話し合いました。しかし大谷選手と深い関係にあった水原一平通訳の取り返しのつかない酷い不祥事は今後どのような展開になるのか?LAタイムズが疑問を発したように「大谷がピート・ローズ(メジャー通算最多安打記録保持者でシンシナティ・レッズの監督就任後ギャンブルでメジャー永久のようになってしまうのか?」なんてことのないように願いたい。それには同じ立場にあって同じような「罪」を犯してしまった人物の真摯なコメントも聞きたい気もしていますが…それが大谷氏を助けることにはつながらないか…?さぁ若元春も撃破した尊富士が明日優勝を決めるのかな?
3月23日(土)
ベッドのなかで谷岡一郎『ギャンブルフィーヴァー 依存症と合法化論争』(中公新書)を再読しながら水原一平氏の「事件」について考える。ギャンブル・スポーツを解禁(合法化)しているアメリカの州でギャンブル依存症の治療施設が開設されてないことには驚いた。1960年にBetting & Gambling bill(賭博解禁法)が施行されたイギリスではブックメーカーの利益に対して法人税等の税金の他に依存症患者の治療施設の建設と運営のために特別目的税が課せられていると聞いている。それと掛け金や借入金の上限&ブックメーカーの貸金業の禁止等のルールが整って初めてスポーツ・ベッティングの収入がスポーツの運営にプラスに作用する方法論が確立できるはずだ。さらにスポーツ・ベッティングは利害関係の生じる親会社の存在する企業スポーツを対象にするのが不可能なはずで(スポーツの公平な勝負が親会社の利害関係で妨げられる可能性がありますからね)その意味で小生はtotoが法制化されるときに衆院文教委員会でtoto法制化賛成の参考人として発言させていただきました。だからスポーツの「正しいギャンブル化」には今も賛成なです。水原一平さんの悲劇も「ギャンブル非合法社会」のなかで生じた悲劇とも言えますからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。以前文化庁長官時代の河合隼雄先生と対談したときに小生が古代ギリシアに始まったスポーツは神々の美しい肉体の近づこうとする行為。芸術は神々を讃える行為。賭博(ギャンブル)は神々の意向を伺う行為…と3者の近似性を説明したら河合先生が「もう一つあるよ」と言われた。「神々で金儲けするのが宗教や」ナルホド。ワン。終日仕事部屋の整理。本棚の大整理。くそっ。探してる資料が見つからん。晩飯は録画した大相撲を観ながら。尊富士はどうした?アキレス腱に損傷がなければイイけど…夜寝る前に黒兵衛を庭に出してやったら満月に近い月が明るく輝いて小生と黒兵衛の月影が出ているのに気付く。昔ボリビアの4千メートル級の高原に行き深夜の満天の星の下で星影が出ているのを観たことを思い出した。空気が澄むと美しいモノが現れますね。世の中の空気は澄んでないですね…特に永田町周辺は…。
3月24日(日)
谷岡一郎『ギャンブルフィーヴァー』再読。1960年にイギリスでギャンブル解禁法が国会に提出されたときの大臣の説明が冴えている。《ギャンブルはコントロールすべきではあるが禁ずべきではないという結論に達した。国家は社会的に問題とならない限り一般国民の楽しみを阻害してはならない(略)禁止したためにかえって犯罪を生むものである(略)ギャンブルは適正な範囲で行われる限り人の性格や家庭及び社会一般に対して大きな害毒を成すものとは考えられない》しかし日本ではギャンブルは原則禁止されていて公営ギャンブルは存在しパチンコの換金等見逃されているものもあり《一部公認一部黙認》の状態にある。なぜイギリスのように解禁されないのかというと《文化水準が低いから》と言う人もいる。日本人は酒には文化水準が「高く」で賭博には「低い」のか?それとも国が胴元として独占して儲けたいから禁止しているのか?いずれにしろ今回の「水原大谷の一件」はスポーツベッティングが禁止されている州だから起きた「裏社会の事件」と言えそうですね。スポーツベッティングは基本金銭前払いですからね。それだけに大谷の「関わり方」が心配です。著者の谷岡一郎氏は小生と一緒に衆院文教委員会でtoto賛参考参考人発言をした人物で委員会のあと新橋の飲み屋で酒を酌み交わしながら無線で好きな目を出せる東南アジア製のサイコロを見せられたりしながらメッチャ面白い賭博の話を聞かせていただいた。著書は1996年発行で少々古くなった(スポーツベッティングの話はない)が天武持統文武時代の賭博の話や『新猿楽記』に書かれたギャンブラーの心得や家康の賭博禁止令など面白話満載です。ワン。終日仕事部屋の大片付け。ふうううう。捜し物(過去に書いた原稿のある出版物)は見つからず。くそっ。夕方から大相撲。尊富士は本当に素晴らしかったですね。大の里も見事でしたね。
3月25日(月)
谷岡一郎『ギャンブルフィーヴァー』(中公新書)再読。読了。《禁酒法時代のアル・カポネなどを見ても判るとおりモラルを前面に打ち出す宗教グループの主張といわゆるギャングの利害とは一致することが多い。人間の本能的とも言える「必要悪」を禁止することは闇ビジネスの隆盛に繋がるからである》確かにそうとも思うがかつてコンラッド・ローレンツなどが唱えていた「人間には攻撃本能がある」という説の「攻撃本能」は今日ではそんなモノは存在しないとされているらしい。と言うことは酒や賭博も「本能的とも言える必要悪」という断定は再考の余地があるかもしれませんね。何人かの言葉として聞いたことのある「常日頃勝負をしてるスポーツ選手はギャンブルに走ることが多い」と言う「説」も納得のいく証拠は聞いたことがないですからね。小生は賭博は×酒は◎ですが「本能で必要悪」として酒を呑んでいるとは思わないですからね。ビールも日本酒も焼酎もワインもウィスキーも…舌と心の底から美味いと感じて呑んでいるわけです。賭博も小生は×(やりません・ラスベガスでやったことはあるけど別に楽しくなかった)ですが楽しんでる人もいるのでしょうね。「禁止するよりコントロールすべき」との結論を出して1960年に賭博解禁法が施行されたイギリスでは暴利を貪るギャング系の闇賭け屋(ブックメーカー)が消えたらしいですから水原一平の一件はやはり賭博が禁止されているカリフォルニア州ならではの事件と言えるのかもしれないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。以前NHKの『ダーウィンが来た!』などで「餌の昆虫を川に入れて魚を捕る鳥や恐竜」や「木の枝を加工した道具を作ってそれで餌の蟻を取るチンパンジー」などを見たことがあるが「ギャンブル(賭博的行為)を行う動物」はいるのかな?聞いたことがないけどこの観察は面白そうですね。「遊び(スポーツ)をする動物」は猫や犬が「遊んでる(じゃれている)」とホイジンガも書いてますがギャンブルは?ワン。京都の世界思想社から『世界思想51号2024春』が送られてくる。「特集スポーツ」のトップの原稿を小生の「スポーツとは何か?「スポーツそのもの」の魅力を求めて」が飾らせていただいてるが他にも為末大さん平尾剛さん町田樹さんなど12人の論客のスポーツ論が並ぶ。パラパラ見て金井真紀さんの「愛すべき地べたのスポーツ民たち」に襲撃。クルド人だけのサッカーチーム「ダルクルドFF」がスウェーデン1部リーグで大活躍しているらしい。知らなんだ。他にも興味深い記事満載。読まねば。
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『ナチュラル』 この映画のどこが素晴らしいのか?どこが面白いのか?どこに見る価値があるのか?サッパリわかりません。誰か教えてください
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『世界思想51号2024春』世界思想社 年刊冊子51年目にして初のスポーツ特集。14人の筆者の先陣を切って小生が巻頭原稿を書かせていただきました
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3月26日(火)
大谷翔平選手の記者発表を見る。アレは会見じゃないですよね。あの席に(若いときの)小生がいたら手を上げて大声で「一つだけ質問!」と叫んで「何故水原氏はあなたの銀行口座に入り込めたのか!?」と大声で訊いたでしょうね。そんな質問ばかりしたから長嶋さんにも王さんにも怒鳴られて怒られたのですが(>_<)歳取った今となっては良い想い出です(^_^)大谷とドジャースはどんな反応をするかな?
3月26日(火)つづき
朝ベッドでの読書は『世界思想51号スポーツ特集』を隅から隅までジックリ読む。為末大さんの「自我の発見」と自分の「肉体の発見」の歴史的考察も面白かったし稲見昌彦東大先端科学技術センター教授の「超人スポーツの実践」もメッチャ興味深かった。平尾剛さんの日本のスポーツが軍隊的志向を離れて全体的に強くなったという考察も町田樹國學院大学准教授のフィギュアスケート実況解説の話も磯野真穂さんの実践的ボクシング論も実に興味深く読んだ。他にも昨日の本欄に少し書いたが小生の日本のマスメディア批判の論考も含めて全14編すべて熟読の価値ありのスポーツ論が並んでいる。全国大手有名出版社で無料配布されるらしいが近々ネットでの公開もあるらしいのでソレが始まったら本欄でも紹介させていただきます。朝起きて大谷翔平選手の記者発表をワイドショウなどの録画で見る。小生の感想は前項に書いたけどジャーナリスト全体が「大谷善人」のバイアスが強すぎるのも気になりますね。もちろん大谷選手は人間的にも素晴らしい野球選手に違いないし活躍してほしいと思うけど事実の追求は別問題のはずですね。それに水原一平氏はどこに行ったのかな?彼の代理人(弁護士)による発表はないのかな?メディアは何故それを問題にしないのかな?ワン。土砂降りの雨のなか黒兵衛と散歩。昨日神奈川テレビの吉本新喜劇を見忘れたのを今頃気付く。仕方ないですねサッカーU23のウクライナ戦を見ていましたからね。終日原稿書きは北國新聞の「スポーツを考える」を書きあげる。スポーツとギャンブルと民主主義の関係について。足掛け7年続いたこの連載は今回は最終回。どこかからヨコヤリが入ったかな(笑)。誰か北國新聞に代わる小生が原稿を書けるメディアを紹介してください(爆)。映画『ナチュラル』を昼間BS-NHKでやっていたので録画を晩飯後に見る。以前映画館での封切りを見て最低の失敗作映画だなと思ったので野球映画なのにDVDを買わなかった。再度見直してもリアリティのない脚本も映像も構成も野球の描写も評価できない映画だと再確認しました。
3月27日(水)
『世界思想51号スポーツ特集』を隅から隅まで読むなかで1967年夏に書かれた「創刊の言葉(抜粋)」に感激。《一つの歴史的事実がある。原爆をおとしたその後原爆はどの国によっても実際使用されていないという実績である。戦争それ自身は現実に行われているという大きい事実はある。ただ一つの事実として原爆だけは用いていないというあまりにも小さな事実をいったのである。この事実は非常に大きな意味をもつ。この20年あまり原爆を使わなかった小さな歴史から戦争を全面否定する大きな歴史へと導く必要があろう……世界思想とはこれを理想としてすすむ考え方をいう》ナルホド。小生の原稿でスポーツが民主主義社会(暴力=戦争の否定)から生まれたというノルベルト・エリアスの説を取りあげたのも本誌がスポーツを特集に取りあげたのも出版編集方針に叶っていたのですね。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にのZOOM音声出演。テーマはギャンブルについて。それが神々の意向を伺うことから生じて…神々の美しい身体に近づこうとするスポーツ&神々を讃える芸術(アート)とはルーツが同じ兄弟文化と言え…禁止せずにコントロールしなければかえって犯罪が増えると断定したイギリスの賭博解禁法の話などをする。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。その前に読んだ今朝の東京新聞に斎藤美奈子さんが「祥平と一平」と題したエッセイを書いていた。《「嘘つき」のレッテルを貼られた水原氏に当面弁明の機会は与えられず再起への道も険しいように思われる。大谷にも賭博の胴元とされるボイヤー氏にも優秀な弁護士がついている。ひとりで放り出された水原氏にこそ弁護人が必要だと思うのは理不尽だろうか》いいえ。それが正論ですね。仕事の合間の昼飯時にテレビを見ると小島克典という元メジャーの通訳の人物が出ていて「水原一平さんがギャンブル依存症から更生して再び大谷との仕事に戻れるように…」といったことを語っていた。これも正論ですね。依存症は一種の病気で水原氏はその病気に付け込まれた被害者とも言えますからね。それに…ギャンブル依存症から抜け出すことのできた人もいますからね。連合通信の連載にギャンブル・スポーツのことを書いてメールで送稿。明後日の『オプエド』でもギャンブル・スポーツとスポーツ・ベッティングのことを取りあげます。
3月28日(木)
再々度ベッドのなかで谷岡一郎『ギャンブルフィーヴァー』読み返す。日本でサイコの賭博禁止令を打ち出したのは持統天皇。それは先帝で夫だった天武が無類のギャンブル(双六)好きでその反動だったらしい。私怨ですね。江戸時代に賭博を厳しく禁じたのが享保の改革で庶民に質素な生活を押し付けた八代将軍徳川吉宗。しかし同時期のライヴァル尾張の徳川宗春は庶民には娯楽が必要だと反発して賭博を取り締まらなかった。賭博解禁論者の著者は「宗春が正しいと思う」と書いているが著者の意見とともに当時の江戸と尾張の庶民の生活がどのように違ったのかを書いてほしかったですね。どっちのほうが犯罪が多かったのでしょうね?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと北國新聞連載最終回の校正をしたり本ホームページの原稿作りをしたり…メディアは誰も一平の直近の動向には触れないまま祥平の話題に終始し始めましたね。これでイイのかな?
3月29日(金)
ベッドのなかでの読書は久し振りに「水原大谷ギャンブル事件」から離れて富永虔一郎『小説 啄木と牧水 覚えず君が家に到る』(言視舎)を読み出す。昔世話になった編集者が新刊を送ってくれたもの。明治の若い歌人の出逢いと交際と恋…の物語。途中歌が紹介されている《白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ》小生は作為の際立つ石川啄木よりも若山牧水のほうが好きですね。ワン。ベッドを出て春の嵐のなか黒兵衛と散歩。相当の風の強さに「春の嵐」という言葉の持つ浪漫はなかったですね。ワン。終日ホームページの更新原稿作りの仕事をする一方「水原大谷ギャンブル事件その後」を少し調べるが小生の情報網のなかでは「その後の水原氏の動向」を知る人はいなかったですね。どこに消えたのかな?夕方から『ニューズ・オプエド』はゲストに高校野球に関する素晴らしい著書のあるスポーツジャーナリストの氏原英明さんとスポーツライターの小林信也さんを迎えて「高校野球の飛ばないバット」や「水原大谷ギャンブル事件のその日本のスポーツベッティング」日本のスポーツベッティング」などについていろいろ話す。氏原さんの「飛ばないバットという言い方は間違い。これが普通のバット」という指摘は鋭かった。その通りですね。宮城野部屋の力士が全員伊勢浜部屋に移ったことで強い力士の多くが同部屋対決ナシになってしまって「大相撲の魅力が半減。大の里が可哀想」という小林氏の意見にも賛成。ギャンブル疑惑の心理的影響で「大谷の怪我が心配」という小林氏の意見にも納得。頑張り過ぎる影響が出ないかな?ほかにも面白話満載。今も見聞きすることができます。https://op-ed.jp/
3月29日(金)つづき
京都の出版社世界思想社から『世界思想51号2024春』(4月10日発行)が少しまとまって送られてくる。読んでいただきたい人に送らねば。無料配布の冊子(約90頁)で全国の大型書店(紀伊國屋やジュンク堂)や独立系書店・地方のチェーン店(有隣堂や丸善など)や大学生協などで手に入るそうですが冒頭に書かせていただいた小生の原稿『スポーツとは何か?-「スポーツそのもの』の魅力を求めて』は近く世界思想社のホームページにも「スポーツ特集」の総目次とともに読めるようのなるそうです。その時は改めて本欄で発表させていただきます。https://sekaishisosha.jp/book/b644844.html
3月30日(土)
ベッドへ持ち込んだのは『週刊文春』&『ZAITEN』。ロス総力取材12ページのなかの「高額掛け金に合法なし」と記事には納得。でもイギリスの賭博解禁法成立時の声明「賭博は禁止すれば犯罪が増える」まで書いてほしかったな。佐高信氏の連載対談「賛否両論」の相手は映画監督の森達也氏。映画『福田村事件』を見なければ。この連載対談の単行本化はまだなのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨日の春の嵐が嘘のように好転&好天。今日は終日本ホームページの更新原稿を作ってメール送稿。ふうう。返信がないなぁと思っていたら今日は土曜日なんですね。世の中は休日か。ならばと夕方からビールを飲み始めて『報道特集』を見る。自民裏金問題。二階俊博元幹事長はGNPを大事にしているのですね。G(現金)N(人情)P(プレゼント=賄賂?)。嗚呼。古墳時代の蛇行剣の話は面白かったですね。テレビがみんなこういう番組ばかりになればいいのに…。水原ギャンブル問題はいつ取りあげてくれるのかな?
3月30日(土)つづき
NHKスペシャル『下山事件 戦後最大の謎に迫る』第1部第2部ともに見る。全部アメリカのやったことなんですね。トンキン湾事件もロッキード事件もイラクの大量破壊兵器も日本の原発建設も辺野古新基地建設問題も皆同じですね。そしてアメリカの言うとおりにする総理大臣が長期政権となる。白井聡氏の永続敗戦論がよくわかります。嗚呼。
3月31日(日)
昨夜見たNHKスペシャルの『下山事件』が気になってベッドに孫崎享氏の『戦後史の正体』(創元社)や『アメリカに潰された政治家たち』(河出文庫)を持ち込むが再読して虚しさを感じますね。アメリカに護摩擦って長期政権となった元総理の著書でどんな詭弁を弄しているかを知るほうが勉強になるかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。天気が良いと心も晴れる。けど世の中は晴れないですね。日本経済はグジャグジャ国の借金は天井知らず。国会議員は議会で議論モドキの討論ゴッコ。嗚呼。ワン。今日は近くの公園で町内のお花見会。好天につられてヨメハンと一緒に参加。桜はまだ蕾が膨らむ程度。まだ3月程度ですからね。この程度に季節感が正しいのかな。桜の満開は学校の入学式時と昔は決まってましたからね。それがずれてきたと言うことは9月新入学に変更しろいうグローバリズムの圧力でしょうか?これもアメリカの圧力?まさか水原通訳も?…と阿呆な妄想が広がる。花見にお隣さんフランス人夫妻も来て近所の人たちとワイワイガヤガヤ。若いときに外国旅行とかしているお婆さんや海外で働いた経験のあるお爺さんが御近所さんには多いのですね。そこでギャグを一発。2カ国語話せる人はバイリンガル。3カ国語話せる人はトリリンガル。では1カ国語しか話せない人は?…の問いにモノリンガルと答えたお婆さんは流石でしたが正解はアメリカン。このギャグに皆さん笑ってくださったのも嬉しかったですね。昼間っから缶ビール2本あけたので帰宅して昼寝。目を覚ますとタイガースがやっと勝ってくれたのでホッ。チョット仕事して久し振りにダニー・ケイ指揮ニューヨーク・フィルのビデオなんぞを見ながら晩飯。ナルホド。韓国人や日本人のヴァイオリニストが『アリラン』や『証城寺の狸囃子』とともに紹介されていたけどニューヨーク・フィルも世界各国から演奏家が集まってますね。アメリカは奥が深い。いや奥が不可解?
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