3月1日(火)
雨の湿り気は気持ちいい。昨日来の雨がみぞれに。世の中寒いみたい。俺は朝5時から終日「大相撲の八百長」関連の原稿書き。次女の友人の看護師仲間で02年W杯日韓大会決勝を一緒に見に行った女の子(というより今は大人の女)が赤ん坊を見に遊び来たが俺は机にへばりついてウンウン呻吟。書けたぁ!と思たら深夜0時。今月20日発売の『新潮45』を御期待ください。ZZZZZZZZZZZ。
3月2日(水)
朝RKB毎日放送電話出演。大相撲八百長の話。毎日新聞が竹縄親方の話として八百長力士は40人に及ぶと一面トップでスクープしたらしい。せやからどないやちゅーねん…といいたくなる。大相撲が面白くないなら見る人がいなくなるだけ。ただそれだけではないか!?税金が優遇されてる?歌舞伎も能も文楽も国からの補助は小さくないと聞いている。こうなりゃ松竹に運営を委ねるか?昔は大横綱が山菱と田岡の刺繍の入った化粧まわしを締めて土俵入りしたこともあった。要はそういう関係&資金源を断てという警察庁の思惑でこの騒ぎは始まったので八百長は行きがかりの駄賃程度の問題とも思う。なのにメディアはここぞとばかりに八百長を騒ぐ。何か他に意図が?ワカラン。けど大相撲再出発はやっぱり宗教法人しかないで…と思たら某週刊誌に某スポーツライターが野見宿禰が当麻蹴速を蹴殺した相撲起源は神話とは無縁の格闘技…などというコメントを寄せている。そんな阿呆な。この『日本書紀』垂仁期の記述は『古事記』の天津神建御雷神が葦原中国平定の際に出雲の建御名方神の腕をへし折ったことを逆転したマレビト神話にほかならない。宿禰は出雲出身なのだ。懸賞金を受け取るときに左右中と手刀を切るのは高御産巣日神・神産巣日神・天之御中主神への尊崇の念を表す…なんてのは大嘘だろうが(嘘でもその考えは悪くないと思うが)記紀に描かれた神話性(神道の教義)は尊重すべきです。などと思いながら雑務に明け暮れる一日の晩飯映画劇場は『アンタッチャブル』。エエエーッナンデーと驚くほどチープな映画。
火曜サスペンス劇場並みか。デニーロ・コネリー・コスナーの名優たちが可哀想。モリコーネの音楽もサイテー。この人はやはりロータに較べると落ちますねぇ。チョイト仮眠したあと夜11時から『新潮45』の大相撲八百長原稿を校了。気がつきゃ午前3時。バタンぐーZZZZZZ。
3月3日(木)
桃の節句。寒い。やっぱり季節を示す日は旧暦でやるべきか。大学受験ハイテクカンニングはそれほど問題にすべき事件か?偽計業務妨害で訴えるなら試験監督者は当然処分すべし。しかしカンニングして合格した学生でも(おそらく)大学の授業について行けるのは面白い。誰もが(特に大学内部の人間=過去の合格者は)試験などさほど重要視してないのだ。そういえば森毅さんは試験なんてアバウトでいいと言っていた。だから落ちた人間も救われ合格した人間も表面的な評価しか受けない(まあ多くの人が表面的な評価を求めるのですけどね)。しかし試験は徹底的に厳正にやらなければならない。それが建前。なにやら大相撲と似てますな。どんなに出来山を組もうが強い力士しか番付の上位には行けないわけですな。午前中床屋…じゃなかったヘアサロンへ。午後からちょいと長い新聞原稿書き…やけど書けん。俺は編集者に尻を叩かれんと仕事がでけんのか…。中途で放り出して井沢元彦『逆説の日本史17』(小学館)読み出すと面白うて止まらんようなる。宣長と篤胤の神道の話。大いに勉強させられる。今読むべき本を自然に読んでしまうところが俺の凄いところや…大学は出てへんけど…などと独り自画自賛。御雛さん(雛祭りの京都弁的言い方)でばら寿司食いながらの晩飯映画劇場は久々に邦画『パンドラの匣』。太宰やから最後まで見たけどこーゆー映画を作ろうとする監督と製作者のパッションがワカラン。あ。太宰やしか。2日連続映画選択ミス?
3月4日(金)
朝から某コラム原稿をウンウン唸りながら書いてたけど書けんので中断して昼飯食って次の日曜の母校小学校閉校式記念講演の資料整理と話す内容(何しろ創立明治2年の学校ですからね)を考えてたら毎日新聞からTEL。あっ!!今日の締め切り忘れてた!!というので急遽大急ぎで原稿仕上げて東京神田飛鳥新社へ。『週刊ポスト』で長年大相撲八百長の記事を書きつづけてきた鵜飼さんと対談。小生の出来山容認とはスタンスは180度違うがさすがに状況証拠だけでなく元大鳴門親方・板井それに大鵬親方などの証言を直接取っている人の証言は面白いし重い。しかし「格闘技・スポーツ」派と「神事・興行」派とでも分類できる対立が健全に引き合っていた時期は良かったが物証と共に見苦しくも下手糞の出来山が暴露された今となっては何処に大相撲再興の出発点を見出すべきなのか?我々も大相撲ファンとして悩むが詳細は近々飛鳥新社から出版される本に御期待ください…と宣伝してる場合やなくて解決策はホンマに困ったな…と我々がこんなに真剣に困ってるのに協会とアノ座長はコノヤロー。帰宅して飯食いながらニュース見てると入試ネット漏洩「犯」の「犯行」が明らかになったとか。ははははは。独りで机の下の股の間で携帯使たってか?京大の監督体制はダラダラやったんやな。ははははは。まるで物証でバレた下手な出来山みたいなもんや。しかしそーゆー京大の(試験なんかに)だらしない体質が小生は嫌いじゃありませんな。怒る気にもなれまへん。これで試験に落ちた学生も「あんなカンニングやり放題のひどい試験やから落ちたんや。誰があんな阿呆大学になんか行ったるか!」と堂々と胸が張れます。こーゆー京大の(試験に対する)だらしなさとノーベル賞の多さは正比例するのかもしれません。少なくとも官僚政治家養成専門大学の東の大学よりマシやと吾輩は思てますけどね。ただし(昔は?)試験問題の回答に論述の多い東の大学のほうが採点者を騙しやすいと判断して(それに京都を離れたかったから)俺は実行しましたけどね。ハイ。チョットええかっこさしてもらいました(汗)。
3月5日(土)
朝キラリーンとGood Ideaをヒラメく!今度の俺の大学の授業はYahoo!知恵袋の使用可の試験で採点することにしよう!どーゆー問いかけをしてどのアンサーを選択したか。ウン。これは学生の思考力判断力頭の回転の速さを判定するのにエエ方法かもしれん!そもそも俺の作る試験問題は俺自身も答えにウンウン呻吟するほど正解がワカラン問題やしな。ベストアンサーなんてありえへんからYahoo!知恵袋にどんなアンサーが出るかも興味あるなぁ(笑)。
3月5日(土)つづき
午後から東京都内某所某ホテルのアジトへ(笑)。作家宮崎学氏と対談。かつて「狐目の男」とも呼ばれた「京都のヤクザ組織寺村組初代組長二男」のこの人物(故田岡一雄氏の長女田岡由伎さんとの対談本『ラスト・ファミリー』に書かれた略歴より)は小生の出身中学校の先輩らしい(真偽不明・笑)。ただし中3のとき酒と女で退学処分になったとか(これまた真偽不明・笑)。小生が尊敬すべき先輩と思てる人物と久々の対面。最近は沖縄に関する著作と取り組んでるとか。なるほど。尖閣列島は中国のモンでもなければ日本のモンでもなく琉球のモンか。もちろん今日の対談テーマは「大相撲八百長」問題の深層について。なるほど。「相撲道」というのは「武士道」などと肩を並べるモノではなく「任侠道」と並ぶモノか。任侠道が廃れ相撲道も廃れたことも含めて納得。話は当然江戸寛政期勧進相撲の異形の怪物「雲州雷電」に及ぶ。面白い話ありがとうございました。
3月6日(日)
朝5時起き。我が誇るべき母校の京都市立新道小学校が創立141年(明治2年創立)の文科省より長い歴史に幕を閉じる閉校式に出席して記念講演をするため新幹線で京都へ。会場は京都ゑびす神社隣の学校ではなく校庭裏の宮川町歌舞練場。さすが東に祇園甲部。北に祇園乙部(新橋)と先斗町。西に宮川町を控えた小学校ならではの会場。何やら青龍白虎玄武朱雀の女性版に囲まれたようなロケーション。舞台を隠す何羽もの鶴が織り込まれた緞帳が重々しく上がると京おどりの稽古真っ最中の歌舞練場の舞台にこの日だけは校長先生や教育長やPTA会長や同窓会会長や京都市役所関係者や府市会議員や建仁寺管長さんやゑびす神社宮司さんやエトセトラの方々が並ぶ。浪花節が似合いそうな大きな演題の横には立派な松の盆栽。まいったなぁ。こんな凄い舞台に立って講演するのんかいな…
と客席で儀式を見ながらかなりビビル。
3月6日(日)つづき
宮川町歌舞練場での新道小学校閉校記念式典は午前の儀式が無事完了。京都出身の政治家の挨拶の代読や祝電なんかドーデモエエけど90歳を超した同窓会長氏の狭い校舎の敷地にプールを作った話には感銘。昼食時に校舎を見学。懐かしさを通りこした同級生とも何人か45年ぶりに再会。校舎も昔のまま。女性の皆さんも昔のまま。マイッタナア。おまけに3年生だかが『浦島太郎リターンズ』という演劇をやったらしくその写真が貼ってあったのには仰天。1年生のときに浦島太郎をやった俺が今年閉校記念講演で帰ってきて「リターンズ」か。デキスギやで(笑)。午後からの講演会で早速そのネタを使うが直前に恩師の先生や別の同窓生たちと逢ってシドロモドロ。まいったなあ。それでもなんとか皇太子御成婚の昭和34年から「安保」や『ローハイド』を経て東京五輪までの俺が通ってた小学校時代を喋る。建仁寺餓鬼と呼ばれて草野球ばっかやってたなぁ…。俺の講演の前は在校生71人による「思い出発表」や小学校5校(新道・六原・清水・白川・東山)と中学校2校(弥栄・洛東)が合併して新しくなる東山開睛館(小中9年制学校)の新校歌発表など。俺が在校生から花束もらって講演を終えたあとは「141年の思い出」のスライド上映や今年「大文字駅伝」に出場した6年制の表彰。そして卒業生の宮川町綺麗処による長唄と舞『梅の栄』。いやあ芸妓さんと同じ舞台に立てたのは光栄の限りでした。
3月6日(日)つづきのつづき
宮川町歌舞練場での新道小学校閉校記念式典の午後の部が無事終了したあとはホテル・オークラ(旧京都ホテル)の大宴会場でお別れパーティ。校長先生と京都紫野高校時代に同級生やった女房も出席。高校時代の女房はPPMのM。校長先生はP2やったらしい(註PPMとは汚染物質などを計測する単位のparts
per milionではなくフォーク・グループのPeter Paul & Maryのこと)。懐かしい顔ぶれとの半世紀ぶりの再会が山ほど。そのなかの一人が言うてたけど「東京銀座の泰明小学校が都会のど真ん中にある古い小学校として全国的に有名やけど新道小学校はソレに劣らず肩を並べる上に文化的環境では負けん」というのはホンマやなあ。実際創立は新道のほうが10年近く古い。真隣が花街というロケーションも勝ってる(笑)。檀上で挨拶させられたり記念撮影したり名刺交換したりでアッという間の3時間。これで創立141年の小学校の一つの時代の終わりですね。パーティのあと祇園の『酒肆G』へ。『鳥居本』の大将もおられて娘さんの女優の田畑智子さんも来られて校長先生も合流されてヤハリ小学校の卒業生で俺が浦島太郎やったときの乙姫さんやったママさんに今年の干支の創作カクテル「バニーガール」をいただいて長い長い一日は幕。皆さんお疲れ様でした。素晴らしい最高の一日でした。
3月7日(月)
朝京都六道珍皇寺へ両親の墓参り。宮川町を抜けて帰ろうとすると昨日の記念式典の世話役の人と歌舞練場の前でバッタリ。お世話になった御礼を言って四条通を歩いてると愛用万年筆モンブランのブランド・ショップがあったので昨日の記念に財布を買う。ちょうど買い換えの時期でしたから。烏丸のホテル近くの和紙屋さんで面白いデザインの袋をいくつか買って午後大阪へ。『ちちんぷいぷい』生出演。昨日宮川町の歌舞練場の舞台を踏んだというと桂ざこば師匠が「おおおおーっ」。創立141年の母校の新道小学校が閉校になった話に少し触れさせていただく。いつものように楽しく番組に出させていただいて新幹線で帰鎌。大船駅で閉まりかけていた(というより閉店時間が過ぎていて後片付けの様子がガラスの扉越しに見えていた)豊島屋さんにガードマンの人を通じてごり押しに入れてもらって一番大きい缶の鳩サブレー2缶100枚新道小学校宛に送る。全校生徒と先生方に御礼の気持ちを込めて。豊島屋さん迷惑かけてすいませんでした。ありがとうございました。
3月8日(火)
朝新幹線で名古屋へ。栄中日文化センターで指揮者の佐渡裕サンとトークショウ。この日の夜にちょうど名古屋でBBCフィルハーモニックのコンサートがあるので昼間にお願いして実現。ウィークデイにもかかわらず180人ほどの参加者を前に今年5月ベルリン・フィルを指揮するという小学生のとき以来の夢が叶ったことなどについて話を聞かせていただく。オモシロイ話の連発にアッという間の1時間。最後に感謝の気持ちを込めてリコーダーをプレゼントすると(ネライ通り・笑)参加者のリクエストに応えて『タイガーマスク』のテーマを演奏してくださる。参加されたオバサマオジサマ方も大満足の様子。佐渡サンに大感謝。おおきに。ありがとうございました。
3月8日(火)つづき
佐渡さんとのトークショーのあと世話になった栄中日文化センターの中日新聞社スタッフと一息入れたあと名古屋市美術館のゴッホ展へ。う〜ん。ゴッホはやっぱり青春の画家かな。昔高校生の時に劇団民藝滝沢修主演で見た三好十郎『炎の人』でゴッホが「土を掘るときの足と手の位置が違う」などと熱弁していたシーンを思い出しながらミレーの模写なんかを見て面白かったけど途中にモネの絵があったのを見てホッとした。歳かな(笑)。そのあと愛知県美術館でカンディンスキーをやってたのでそれも見て(カンディンスキーはやっぱり彫刻を見たいかな)同じ建物で佐渡裕サンと辻井伸行クンとBBCフィルがリハやってるなぁと思たけど日曜に川崎で聴くから遠慮してホテルへ帰って一服。うとうとしたあとNHKで長友初ゴールのインテルvsジェノヴァの試合を楽しんだところでコンサートを終えた佐渡さんがホテルに帰ってきたので中日文化センターのスタッフと近所の『貴寿司』へ。そこでまたメッチャメチャオモシロイ話を山ほどして美味しいお寿司食って能管の藤田六郎兵衛さんも偶然途中から加わって大盛りあがり。素晴らしい一日でした。佐渡さん!京都弁のプッチーニ『好きやねんお父ちゃん』をよろしく!(笑)
3月9日(水)
朝名古屋からRKB毎日放送電話出演。5月場所からの大相撲再開は嬉しいけどコレでエエのんかいな…という話。「八百長」を攻撃してる「大相撲=スポーツ論派」の謬論勉強不足マスコミ人たちも指摘しないけど女人禁制の土俵や非民主的な横綱制度のある大相撲を公益法人にしていいの?という話。「八百長肯定派」の小生はそのあたりの解決策を考えたけどソコを無視して大相撲「改革」も「本場所再開」もないのでは?新幹線で帰鎌。日曜からの新幹線で飯島和一『雷電本紀』を読み直したらヤッパリこの小説は凄い!この作家も凄い!正直に書くと昔コノ本を単行本新刊で初めて読んだとき自分は小説家の才能がないことを思い知らされて諦めた。文庫で読み直してソレを再確認。解説で我が師倉本四郎氏の週刊ポスト書評が再録されてる。《相撲をスポーツの一種だとタカをくくっている者は脳天を鉈で一撃される思いだろう。じつに文学とは雷電の鉄砲さながらオアソビではない(読点略)》書評もお見事!井沢元彦『逆説の日本史17江戸成熟編』も読了。井沢さんのこのシリーズはいつどれを読んでもオモシロイ。刺激されて平田篤胤を読まねばと島森書店に何冊か注文。ついでにアニエス・ジアール『エロティック・ジャポン』(河出書房新社)が目に飛び込んできたので買う。フランス人女性ジャーナリストが書いた日本のエロ・カルチャー集。画像見てるだけで面白そう。ハーバート・G・ポンティングの『英国人写真家の見た明治日本』(講談社学術文庫)も立ち読み写真に見せられて買ってしまう。さらにエメェ・アンベール『絵で見る幕末日本』(同)も。どれも面白そう。帰宅後いろいろ雑務処理。心地よい疲れ。晩飯映画劇場で『Dr.パルナサスの鏡』見ながらZZZZZZZZZ。この映画がタルイのか俺が疲れてるのか…。ZZZZZZ。
3月10日(木)
朝からメールと手紙の処理。ちょっと手をつけなかっただけで山のように溜まる。トホホ。昼飯ラーメン掻き込んで大相撲単行本の原稿や対談の進捗状況をチェック。エエ感じで一冊の本にまとまりそう。根岸さん鵜飼さん宮崎さん御協力ありがとうございます…というわけで荒井太郎さんとの最後の対談に臨むため飛鳥新社へ。なるほど大相撲の「八百長」は明治時代からマスコミ(新聞)が問題にしてたけど捉え方が全然違うんやね。それにシカゴ大学の経済学者が調べたという7勝7敗の力士の成績の「オカシサ」の不備を荒井さんが最新の『中央公論』誌で論破しているのは見事。それに較べて『文藝春秋』誌の「八百長記事」はどれも甘い。石原慎太郎氏が再び語ってる八百長疑惑の白鵬戦は試合展開も間違ってる。ビデオくらい見直してから書けばいいのに…。しかし同誌はいつからクダラナイ「大相撲八百長単純批判」に走るようになったのか?それでも大人の雑誌か?俺の「大相撲八百長肯定論」は今月20日発売の『新潮45』に掲載されます。乞御期待。帰宅して晩飯食うてると馬鹿長女が「オモシロイDVDがある」といって見せられたのは『ミクの日感謝祭
39's Giving DayProject DIVA presents初音ミク・ソロコンサート〜こんばんは初音ミクです〜』なんて映像と音楽。ほほう…。ヴァーチャル・アイドルのライヴ・コンサートか。
10年以上前にフルトヴェングラーの映像を3D化してベルリン・フィルの指揮台に「立たせる」とどうなるか…と考えたことがあったけど…「初音ミク」と彼女たちを騒いでる聴衆については山ほど書くことがあるなぁ…。いまは忙しいからちょっとパスしますけど…。
3月11日(金)
鎌倉でも猛烈な揺れ。これまで体験したことのない強烈さ。次女は孫を抱っこしたまま1階廊下で座り込む。俺は仕事部屋で本棚からの本の直撃をケア。本棚から本やCDが少々飛び出すもののギュウギュウ詰め状態だったため少しの被害で済む。家族は全員無事。但し新幹線止まって女房は京都から帰れず。長女は横浜の職場に足止め。しかし無事。夜墨田トリフォニーホールでコンサートの予定が行けず。ハーディングと新日フィルは50人程度の観客相手にマーラーの5番をやったとか。鎌倉では長時間停電。とはいえとりあえず近隣も含めて無事です。
3月12日(土)
長時間の停電は昨晩中に解決。ただしテレビに映し出された光景には唖然。津波の強烈さもさりながら福島の原発事故はヤバイ。あれは天災?人災?東電ではないけど他の電力会社から昨年(代理店を通じて)原発の広報記事への登場を依頼されて「玉木さんの言いたいことを言ってください」といわれたうえにギャラの多さ(インタビュー記事1回500万円)も魅力やったので出てみようかと思たけど「こちらの言いたいこと(原発は基本的に作らない方がいい)」で折り合いがつかずボツになった経緯があった。こちらの言い分を曲げなくて(ギャラの魅力に負けなくて)良かったとつくづく思う。しかし今回の問題は技術者の皆さんに何とか頑張って危機を回避してほしい。さぁこれから日本はどうなる?みんなで頑張らなくては!青森出身の高見盛など大相撲力士衆の慰問は是非とも実現してほしい。今日は金聖響さんと神奈川フィルの横浜でのコンサートの日で「やる」とメールが入ったけど交通機関と家が少々心配やったので足は運ばず。明日の佐渡裕さん辻井伸行さんとBBCフィルのコンサート(川崎ミューザ)は中止とか。名古屋でリハだけでも聴かせてもろときゃ…とも思たけどアトの祭り。えっ!?BBCフィルの連中は横浜ベイブリッジの上で地震に遭遇したの!?。バスの目の前でタンクローリーが横転したとか。事故にならんでよかった。夕方仙台のマーティ・キーナートさんの携帯と20回目くらいのダイヤルでやっとつながる。家の中はグジャグジャでコンピュータも棚から落ちて壊れたそう。でも家族は全員無事とか。マーティさんはいつもの元気な声で「頑張りますよ!」よかった。そう。頼りにならん政治家なんか無視して頑張ろう!
3月13日(日)
終日TVの画面を見ながら友人たちに連絡。首都圏の友人たちはほぼ無事。日曜なので仕事関係は明日連絡。東北地方には知人が少なく昨日キーナートさんと連絡が付いてホッ。しかしいつもお米や野菜を送ってもらってる鈴木農園さん(仙台市宮城野区)と連絡が付かず少々心配。大丈夫かな?被災地の皆さん頑張ってください!
3月14日(月)
テレビ画面を通して東北関東大震災の惨状を見る。皆さん頑張ってる。それに引き替え政治家の言葉のわかりにくさ虚しさ…と思てたら東電記者会見のひどさに唖然。原発についても停電についても責任もって自分が答えるという気構えがないのか!国民のために現状を伝えるという意志はないのか!逃げてばかりじゃないか!政治家のレベルの低さは日本のだらしないエリートたちの象徴。日本の(受験だけの)エリートのレベルの低さは度し難い…などと言っても仕方ないので皆さん!頑張りましょう!
3月15日(火)
福島原発事故のニュースをテレビで見る。頑張ろう!ニッポン!予定されていたあらゆるスポーツ・イベントや音楽イベントはできるだけ開催されるべきだと思う。そしてその場で募金を集めるなり利益を義援金として送るなり支援のメッセージの輪を広げるなり被災者に対してできることをやるべきだと思う。阪神淡路の震災直後に取材したときはセンバツ出場が決まっていた神港と報徳の野球部員たちが復興活動を手伝う合間に短時間練習と取り組む姿を見て感激した。日頃は高校野球のあり方に批判的な小生もセンバツは開催すべきだと思う。そして甲子園で球児たちが募金活動をすべきだと思う。一部参加不可能な高校が出ても代替校は選ばれるべきではないと思う。その空白の重みを感じて支援活動につながる大会にしてほしい。スポーツマンやミュージシャンはただスポーツや音楽をやればいいのではない。自分たちが何故スポーツや音楽をするのか・何故スポーツや音楽ができるのか・何のためにスポーツや音楽をやるのか…その意義を噛みしめて被災者を励まし復興活動を支援するスポーツや音楽と取り組んでほしい。スポーツや音楽にもできることはあるはず!皆さん!頑張りましょう!
3月16日(水)
朝RKB毎日放送「中西一清のスタミナラジオ」電話出演。大震災でスポーツにできることについて話す。タクシーで鎌倉の海辺にある病院へ。サーファーが一人もいない鎌倉の海も珍しい。主治医の先生といろいろ話して血圧の薬をいつもより多い目にもらう。鎌倉高校前の駅まで行くが江ノ電が動いてないようなので病院に戻りタクシーで大船へ。ドラッグストアは長い行列。コンビニは食料品ほぼゼロ状態。駅ビル百貨店のルミネは閉店。輪番停電のなか三井住友は自家発電で営業してたので預金を下ろす。以前から大阪で仕事をしてる旦那のもとへ行く予定だった次女と赤ん坊に女房を付き添わせる。西行き新幹線は赤ん坊と子どもと母親だらけとか。気持ちはわかる。昨日の坂井保之氏との『新潮45』次号打合せは延期。今週金曜のNHK海外放送向け番組VTR収録は1か月延期。同じ日の番組審議委員会も中止。東京渋谷での新たな仕事の打合せも中止の方向。シャーナイな。家で原稿書こ。福島原発の現地で頑張ってる人たちには本当に心からの謝意を表したい気持ちです。頑張ろう!ニッポン!
3月17日(木)
朝の輪番停電は何故か行われず。東電のHPを開けても事情はよくわからず。パソコンは大丈夫とわかっていても突然電気が落ちるかと思うと落ち着かず。福島の原発も心配。仕事手につかず。マイッタナ。午後通信社から電話。プロ野球の開幕パは延期。セは予定通り。セパの足並み揃わず。こんな時に対立してどーする!!セパの会長制度を廃止したのは何のため?コミッショナーは怒れ!!パは被災チームがある。セはそのことを考慮して団結してこそ被災地へのメッセージとなるはず。ナニィ!!おまけにセはナイターのままで開幕戦をやるのか!?冗談もいい加減にしろ!!野球選手は野球をやる。それは巨人の清武代表の言ったとおり。しかし1試合数千世帯(5千世帯?)分の電力消費をする東京ドームでの試合は(今の状況下で)やるべきじゃないだろう!!他の場所でデイゲームでやるべし!!他のチームも同じ。ナイターはやめろ!!それが被災者へのメッセージというものだ!!募金を集めりゃいいってもんじゃない!!自分たちも身を削れ!!ナベツネはわかってるのか?!選手会は抗議しろ!このままでは「がんばろう!ニッポン!」の輪の中にセ・リーグだけ入れないじゃないか!!午後2時過ぎ頃突然停電。まいった。ラジオのニュースをつけっぱなしにして仕事。夜夕方近くのコンビニへ買い出し。偶然サラダ類とパンがあったので野菜と明日の朝食補給。「213」へ行って酒でも補給するかと思たけど帰宅。何が起こるかわからんですからね。
3月18日(金)
午前中に仙台市宮城野区の鈴木農園さんから電話が入る。津波が目の前まで迫ったが無事だったとか。よかった!がんばってください。
3月18日(金)つづき
大船へ出て銀行で税金の処理やら振り込みやら雑務をこなしたあとオニギリがあったので買って帰宅。仕事の整理。何を優先すべきか…。通信社や新聞社からプロ野球(主にセ・リーグ)の開幕戦ナイター決定について意見を求める電話が相次ぐ。ボロクソに非難。ナベツネと腕組んで歩いてる長嶋茂雄氏の姿は見たくなかった…。そう言えば昔巨人監督時代最晩年の長嶋さんにインタヴューしたときナベツネの横暴ぶりをどう思うのかということばかり質問して「今はそんな話をする時じゃないだろ!」と怒鳴られたことがある。ミスター・プロ野球といえど間違っていると思える態度や行動は批判しないといけません。マスコミで仕事する者の鉄則です。夕方突然停電。あ。忘れてた。管理停電。時刻は6時過ぎ。マイッタ。真っ暗。寒い。懐中電灯取りだし何年か前に冬のニューヨークへ行ったとき活躍したズボン下を取り出して履く。懐中電灯の明かりでオニギリ食べたあと暗がりのなかでJ-WAVE電話出演。震災でスポーツにできることとプロ野球セ・リーグの間違った判断について少々怒りを込めて話していると突然電気がつく。灯りはなるほど救いですね。闇を楽しむ余裕が出るのはまだ先。ということはスポーツも芸術芸能も見た目がどんなに明るくても本質的に闇の文化ということやね。本読みながら寝る。原発への放水成功を祈りながら。がんばろう!ニッポン!
3月19日(土)
なかなか日常の仕事に戻れない。もちろん物理的理由ではなく精神的問題ではっきり言えば心が甘いだけだが日常を取り戻すのは難しい。しかし何とか通信社の短いコラム1本仕上げる。テーマはスポーツと災害。非日常の営み(スポーツや音楽)は日常生活が確立していて初めて成立する。非日常(スポーツや音楽)を取り戻すことに焦る前に日常生活を取り戻す支援をすべし。日常が少しでも成立すると非日常は必ず求められてソノ価値を発揮するときが来る。そんな原稿を書いたあとNHKのニュースで甲子園に向かう東北高校ナインの姿を見る。彼らはきっと野球ができることのありがたさや野球をする意味に気付くに違いない。またニュースで仙台(だったかな?)の高校吹奏部と合唱部が全国大会に出られなくなった代わりに被災者向けの演奏会をしている様子が映し出された。涙する聴衆。音楽は力を持っている。夜福島原発への放水に参加した東京消防庁隊員たちのインタヴューを見る。皆さん本当に御苦労様でした。ありがとうございました。心から感謝します。セ・リーグが開幕を29日に延期。ナイター自粛。当たり前や!けど今季全試合9回までで延長ナシというのは如何なものか?どさくさに紛れて経費節減を企図したか?
3月20日(日)
朝『題名のない音楽会』で辻井伸行さんと佐渡裕さんによるチャイコフスキーのピアノ協奏曲の演奏(1楽章のみ)を見る。BBCフィルとの首都圏での演奏会が震災で中止になったため聴けなかったのでテレビで聴けたのは嬉しかった。素晴らしく力強い演奏!音楽には力がある。もちろんスポーツにも。そのことを信じてまずは被災地の日常生活の復旧に何か手伝えることを!
3月20日(日)つづき
『題名のない音楽会』見たあとコンビニへ。パン類を買い出し。ニュース見ながら雑務をいろいろ処理したあと4月から執筆陣の一人として参加することになった共同通信配信原稿と取り組むがなかなか上手く書けない。いつものことながら新連載原稿を書くのはプレッシャーが強い。ふううーっ。仕方ないので一旦中止。週末中日栄文化センターでのオペラ講座のレジュメを仕上げる。夕方から再び共同通信配信原稿。完成は明日かな。夕方ニューヨーク・タイムズのケン・ベルソン記者からのメールに答えて電話取材に応じる。震災下の日本のスポーツ事情とプロ野球セ・リーグの「判断ミス」について話す。何年か前にホワイティング氏の紹介で逢った記者。「ホントハ大相撲ニツイテ訊キタカッタ」「ソレハマタノ機会ニ。イツデモドウゾ」夜メシ食いながら震災関連のニュースを見て何気なくチャンネルを変えるとテレ東系のBSジャパンで『デキビジ』という番組に遭遇。勝間和代が進行役で上杉隆・堀江貴文・森永卓郎が震災と福島原発事故に関する政府・東電・保安院の「情報操作」を批判。なるほど。ネット世代の鋭い意見は大マスコミには出にくいけど傾聴に値する。上杉さん堀江さんガンバレ!!http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20110319/110411/
3月21日(月)
雨。♪ア〜メが降〜る〜降〜る〜ドーンと降〜る……という江州音頭の櫻川唯丸の歌を思い出す。『URAMBAN』(盂蘭盆会とURANがひっかけてあるのかな?)という名作CDに入っている。タイトルは『黒い雨』。♪お空は真っ暗鉛色……母さん怖いよ冷たいよ〜……さ〜さお家へ入りゃんせ〜……などと続く。今日の雨は幸い黒くない。当たり前とはいえ少し気にした。仕事が休みの長女がBF同伴で昼飯晩飯を作ってくれる。終日原稿と格闘。ここ1週間ほど震災報道を見過ぎたせいか気付けば原稿がたまってしまった。おまけになかなか書けん。アッチャー。焦る。日常を取り戻さなければ…。しかしニュースも気になる。仕事で仙台へ行ってきた朋友のSよりTEL。惨状を聞く。新聞記者で朋友のNからもTEL。スポーツ記者は暇だとか。確かに。しかし原稿書けん。大切なのは日常生活。シャーナイ。寝たれ。ZZZZZZZZZZZZ……。♪な〜まえのな〜いアメ〜……く〜ろいア〜メ〜……。
3月22日(火)
それにしてもセ・リーグはなんと頭が悪いのか!いや問題なのは1対5でも自分の意見を通す某球団とその意見に異を唱えない従う他の5球団。おまけにコミッショナーもとにかく東京ドームの損失を最小限に抑えたい某球団に従うだけ。情けないことにセ・リーグがスポーツ(野球)組織ではなく単なる企業体だと言うことは以前から心得ていたがそれにしても商品としてスポーツ(野球)を扱ってるならソノ商品を大切に扱ったらどうか。ナベツネが支配するようになって以降の読売巨人軍はスポーツ企業としても最悪だ。地域スポーツクラブとしてのJリーグや体育組織としての高野連や企業スポーツとしてのパ・リーグにも問題がないとはいえないが巨人の牽引するセ・リーグほど阿呆ではない。読売とセ・リーグとコミッショナーを助けてやる人はいないのか!?そうか。聞く耳を持たないからシャーナイのか。
3月22日(火)つづき
今日は余震がかなり多い。だからというわけではないが福島原発関係のビデオを紹介。NPO法人の科学映像館のホームページに「原子力発電の夜明け」と「福島の原子力」という「感動的(?)」な短編映画が公開されている。今日の事態を迎えて改めて見る価値ありと言うべきだろう。そしてビデオニュース・ドットコムでは『予言されていた“原発震災”』と題して本欄で何度も紹介した広瀬隆氏(『原子炉時限爆弾』ダイヤモンド社の著者)のインタヴューを見ることができる。そうか。初期の福島原発はすべてGEの設計通り見様見真似で造ったのか!なのにナンデ政府は事故直後のアメリカ(GE)の協力を断ったのか!?日本のエリート(?)の考えることはようワカラン!プロ野球界の幹部も含めて日本の高級官僚や一流企業社員などの高学歴エリートとは「阿房」の代名詞か?
『原子力発電の夜明け』→http://www.kagakueizo.org/2009/03/post-76.html 『福島の原子力』→http://www.kagakueizo.org/2011/01/post-332.html 『予言されていた“原発震災”広瀬隆氏インタビュー』→http://www.videonews.com/interviews/001999/001771.php
3月23日(水)
朝横浜桐蔭大学の我が研究室へ。共同通信記者と打合せ。写真撮影。4月からの新学年に様々なゲストを迎えて新たな講座を行うことの打合せ。講座の名前を決定。『講座カラダ哲学』。面白そう。いや面白くしなければ。勉強とは面白いものですからね。そのあと渋谷へ。出版社と打合せのあと新宿の旅行代理店へ。ありゃ雨。濡れても気にならず。気にしてもシャーナイですからね。5月のドイツ旅行を相談。大船へ戻って久々に『213』へ。酒も料理も美味い。管理停電でも蝋燭で営業。雰囲気あるやん…と思いながらも映画『渚にて』を思い出す。あるいは『徒然草』の「賀茂のくらべ馬」の一節も。《我等が生死の到来只今にもやあらん。それを忘れて酒飲み暮らす。愚かなる事は尚優りたる…》まぁ人間とはそんなもんか。途中からA新聞N氏も合流。長女も合流。そうか。東京の水道水からも放射能か。まぁ。ありえますな。ふ〜ん。昨日紹介した原発映画『原子力発電の夜明け』の音楽は山本直純か。なるほど。そういえば映像と音楽の「建設的」なドキュメント構成や映画の作り方は市川崑監督『東京オリンピック』に似てる。そういう時代やったんやな。それにしてもセ・リーグの開幕日の決め方はサイテーやな。いや巨人のスポーツ観はサイテーというべきか。大相撲の八百長騒ぎはどこへ消えた!?一方で知事選か!?選挙活動か!?《愚かなる事は尚優りたる…》久しぶりに酔うたで…。
3月24日(木)
新幹線で大阪へ。毎日放送『ちちんぷいぷい』生出演。関東と関西でやはり温度差を感じるのはシャーナイことかもしれん。けど関西でもペットボトルの水は売り切れ続出とか。大学の先生が出てきて東京の水道水から暫定基準値を上まわる放射線が検出された問題について「まったく問題ありません」と鮮やかな解説を聞く。「国の決めた基準値が以上に低いだけ」「念のため…(気をつけましょう)」という国の言い方が買い占めに走らせているとか。なるほど。本番前にスタッフから大阪の報知新聞を読ませてもらって吹き出す。セ・リーグの開幕日問題について『阪神折れた』との見出し。エエーッ!?これではまるで阪神がごねてたみたいやん。おまけにその下段に「新井16打席無安打」まるで選手会活動が悪いみたい。新聞がコレではアカンで。その開幕日問題の裏に2004年に選手会がストライキしたときに民主党がそれを支持した(ナベツネとナカソネの関係に楔を打つため!?)とき以来のナベツネvs民主党の確執があることを番組で指摘。今そんなことを言い合うてる場合やないのにね。番組を終えて京都上賀茂へ。女房の実家泊。
3月25日(金)
朝上賀茂神社を散歩。賀茂別雷命。ここはいつ来ても綺麗な気分になるなぁ。あ。ここには祭礼として烏相撲があったはず。相撲の歴史認識に加えておかねば。個人情報を守るためのシール付絵馬の現物実用例を初めて見ながら風そよぐ楢の小川の脇を通り抜けてタクシー乗り場へ。甥っ子の説明によると最近は子供たちが楢の小川で自由に水浴びができなくなったとか。世界遺産になるとはそーゆーことか。20年前の我が餓鬼どもは幸せやったな。京都駅から大阪読売テレビへ。『タカジンのそこまで言って委員会』VTR収録。震災特集。スポーツの持つ力について喋る。三宅久之氏が「スポーツの力なんか感じた事がない」と発言。「それはスポーツの価値がまったくワカっとらん某球団の権力者と付き合ったりしてるからですよ」と反論。他のセ・リーグ開幕日関係の発言もまとめてカットやろなぁ。マスメディアでは政治よりスポーツのほうが話しにくいなあ。しかしセンバツの選手宣誓は良かったなぁ。センバツの教育(体育)的価値はこーゆーときこそ発揮されるなぁ。控室に置いてあった「なだ万」の弁当とマイセンのカツサンドをバッグに詰め込んで新幹線で帰鎌。新幹線で宮本常一『イザベラ・バードの「日本奥地紀行」を読む』(平凡社ライブラリー)を読む。貧しくも美しく豊かなニッポンに出逢った外国人女性の見出した日本人の素晴らしさ。ガンバレ!!みちのく(陸奥の奥)!がんばろう!!東北!!もともと「日本」と呼んでいたのはこの地方なんやからね(井沢さんの「逆説の日本史」最新刊で知りました)。
3月26日(土)
首都圏(東日本)と関西ではやっぱり空気が違う…と感じながら新横浜から名古屋へ。名古屋駅前も東日本とは別世界やな。栄中日文化センターで『新・世界地図の読み方』という講座を終えた高野孟氏と久しぶりに会う。今日のテーマは「地震津波大国=日本に原発は向かない」。英紙ガーディアンの「地震と原発の世界地図」を見せていただく。なるほど。この危険を承知のうえでの原発行政やったんやな。高野さんがレジュメに紹介されてた米ネーション研究所のジョナサン・シェルの言葉が興味深い《問題はもう一つ非常用発電機が必要だとか安全基準が十分に厳しくなかったとか核廃棄物の置き場が間違っていたとかいったことではない。頼りなくて不完全な創造物である我々人類は核分裂や核融合によって太陽エネルギーを使いこなすのには向いていないということである》(NYタイムズ3/17)なるほど。日本は「5大核被害のうち3つまで引き受けた」のか…。《ヒロシマ、ナガサキ、スリーマイル、チェルノブイリ、そしてフクシマ…。そして「核なき世界」へ!!》(高野氏のレジュメより)小生の講座は『オペラ超入門講座最終回リヒャルト・シュトラウス』。『サロメ』の超過激演出を楽しんだあと市川猿之助演出『影のない女』のフィナーレ。そして『ばらの騎士』をルネ・フレミングの侯爵夫人で楽しむ。最近オペラを自宅でも全然見てなかった(地震のニュースばっかり見てたので)R・シュトラウスの美しいメロディを久しぶりに聴いてあまりの美しさに落涙しそうになる。音楽はやっぱりええなあ。新幹線往復で野地秩嘉『TOKYOオリンピック物語』(小学館)読み始める。スポーツ以外の東京五輪物語。日本人が謙虚で元気で一所懸命だった時代。輝かしい未来とは寿命の短いものかもしれない。ただし一度では終わらず何度も繰り返すはずだ。
3月27日(日)
久しぶりに自宅でゆっくり仕事。とはいえ昼間運動不足解消のためにも歩いて大船へ。そうか。ペットボトルの水はホンマになくなってるな。神奈川県南部の水道の丹沢取水系は問題ないはずやけど…問題の有無の問題ではないのやな。そういえば「自主避難を促す」といわれて自主避難したのは自主避難になるのか?高校野球の監督が「自主的に練習をやらせてる」と言うのと同じ?プロ野球の「自主トレ」と同じ?責任の所在は?自主避難の交通確保避難先確保はもちろん自分で…ということは究極の責任回避やね。怒る気にもなれない「御上の恩情溢るる御取計い」などに関係なく被災地と被災者に我々のできる事をやらねば…。とりあえず大船駅前で義援金集めをしていた大船高校の生徒たちの箱に500円。夜コンビニで買ったメシ食いながら久々の晩飯オペラ劇場はメトロポリタン歌劇場ドニゼッティ『ランメルモールのルチア』。ネトレプコのルチアはサスガやけどクヴィエンチェンなんて名前のバリトンのエンリーコもベチャワなんてテノールのエドガルドもなかなか良いではないか。そして何よりもアルミリアートの指揮が素晴らしく演出(ジマーマン)も悪くない。この作品はボンファデッリやチョーフィなどの素晴らしいDVDが揃ってるけどこれは最高の出来かも。最近のメトはピーター・ゲルブが支配人になって以来レベルが高い。しっかしナンデNHKは『ランメルモールのルチア』のことを『ルチア』と略して呼ぶのかなぁ。そういや他のマスコミが『東日本大震災』と呼んでるのにNHKだけは『東北関東大震災』。なんで????
3月28日(月)
東北高校は練習不足やったな。しかし出場しただけで教育には十分。高校野球の勝敗なんか二の次三の次百万の次なんやから。被災して平穏な日常を奪われた人に対して幸い被災しなかった人間がまず心掛けることは堅実な日常を営むことだろう。警察消防自衛隊など救援活動が日常の人はその日常を堅実に。普通の仕事のある我々は各人の仕事を堅実に。その堅実な日常がいずれ広がることを信じて。余力があれば支援活動を。あくまでも堅実に。そうか。大量の放射線量か。そうか。プルトニウムが検出されたか。テレビで建屋外観の壊れ方を見ているとそういうデータのほうが納得できる。俺は終日コツコツと原稿書き。それが俺の日常。家族も各々の日常。今新たな「非日常」は控えるべきか。選挙運動・観客や聴衆に支持されないスポーツやコンサート。いや。非日常的活動は被災時こそ試金石といえるかも。本物か否かを試されてる…。
3月29日(火)
朝から雑務をドバーァッとこなしたあと午後からウンウン唸り続け。原稿が書けん。日常が取り戻せん。こーゆーときはどーすればいーのか。力で押し切り続ける人生を歩み続けてきた男はよーわからん。まあ。足掻く以外にないのんやろなぁ。プルトニウムの検出の新情報をテレビで注目しながらでは無理かな。そうか。ヴォーカロイドの初音ミクちゃんはネンドロイドの売上げで被災者支援か。歌は世につれ世は歌につれ…とは言うもののよーわけのわからん世の中になったもんやで…ともいいとーもなるで。キイボード叩き続けても成果ナシ。日本代表vsJ選抜のサッカーを見る。うわっ。遠藤見事なフリーキック!長友も岡崎も外国で成長したことがほんの少しの動きでも感じる。後半はカズ!サスガやでぇ。さてプロ野球はどんなチャリティマッチを見せてくれるのか。大相撲は4月1日に「八百長力士」の処分決定か。その前に「クロ認定」の力士の名前が漏れるのはなんでやねん。特別調査委はどんな調査をしとるねん。おかしいで。どこでセンビキするつもりやねん?尻尾切りするくらいなら全員でアタマ下げて出直したほうがよっぽどええで。日常を取り戻すのはどこも難しい…。
3月30日(水)
朝RKB毎日放送で昨日のサッカー・チャリティマッチの話をするためスポーツ紙を眺めてたらオオオーッ!!「大川寛氏78歳死去」という記事に目が止まる。元東洋ライト級チャンピオン。俺が大学に合格して東京世田谷明大前の四畳半モルタルアパートで下宿生活を始めたときすぐ近くにあったボクシングジムの会長さんではないか。2か月だけ会費を払って練習を…というより気が向いたときだけサンドバッグを打たせてもらった。もう40年前の話。フォームだけ教わったけどきちんと練習しない奴はダメといわれて辞めた。アレも青春の1ページ?合掌。
3月30日(水)つづき
HP経由のメールで中村敏雄先生の逝去を知る。小生が私淑していたスポーツ学体育学の最高峰。何度か謦咳に接したがスポーツと体育の違いやスポーツ・ジャーナリズムとスポーツ・アカデミズムの違いを明確に教えて下さった人物。『オフサイドはなぜ反則か』『メンバーチェンジの思想』等目から鱗を落としていただいた名著が何冊もある。『中村敏雄著作集全8巻』の別巻には「ジャーナリズムとアカデミズムの挟間で」という一文も寄稿させていただいた(拙著『続スポーツ解体新書』にも収録)。27日と28日に既に通夜も葬儀も内輪だけで終えられて近いうちにお別れの偲ぶ会が開かれるとか。震災がなければいろんなメディアに思い切り追悼文を書かせていただくところだが…。享年83。合掌。訃報が続く。震災とは関係ないわな。コラム1本ようやく仕上げる。しかし多くの編集者との連絡が疎になってる。出版界も震災の影響を受けはじめたか…。
3月31日(木)
仙台の鈴木有機農園さんのホームページのブログを見て仰天。被災されたあと心配してたら「大丈夫」との電話をもらったので安心してたけどやっぱりいろいろ大変だったのだ。本当に美味しい野菜やお米をたくさん作っておられた農園なのでなんとか復活してほしい。またブログにも書かれているけど津波で海水(塩水)に浸かった田畑を復活させた経験のある農家の方や農業の研究者の方は情報を寄せてあげてほしい。http://suzuki-yuukinouen.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/03/
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