12月1日(水)
最新刊の『スポーツ・ヤァ!』(角川書店)にライブドア堀江社長に対するインタヴュー記事を書いた。2〜3年のうちにプロ球界に参画すると断言する彼は「城攻めは堀を埋めて石垣をのぼるだけではない。空から爆弾を落とすこともできる」と語った。皆さんは、この言葉の意味をどうとらえます?
12月2日(木)
山下洋輔ニューヨーク・トリオのコンサートを横浜関内ホールへ聴きに行く。完全にまいった。スゴかった。セシル・マクビーのベースとフェローン・アクラフのドラムスの強烈な面白さはわかっているので原稿をほっぽり出して駆けつけたら期待以上のヴォルeージ超アップ。おまけに藤舎名生さんの笛と仙波清彦さんの和太鼓をはじめとするパーカッションの見事さに感服。和物の古典と洋輔さんの絡みでは軽〜くシェーンベルクやベルクの世界を超越し、マクビー、アクラフを加えた和洋セッションではバド・パウエル、ジョン・コルトレーンを遙か後ろに見る奥行きに加えて、ルイ・アームストロングを跳び越す愉しさまで・・・。東海岸から西海岸まで数カ所でのアメリカ・ツアーを終えての「パシフィック・クロッシング・コンサート」だが、こんな凄いモンを聴かされたアメリカ人は腰を抜かすほかなかっただろう。CDも出てるけど、やっぱりナマやでぇ。純生のインプロヴィゼーションとはこういうもんやでぇ・・・と圧倒されてしまった。
12月2日(木)つづき
洋輔さんのコンサートにマリノスの岡田監督がぶらりと現れるかと思っていたけど、やっぱり姿は見えず。そら、レッズとの大決戦直前やし、しゃあないわな。けど、去年の同じ頃はセカンドステージ最終戦目前に鎌倉芸術館にふらりと現れて林英哲さんのコンサートを奥さんと一緒に愉しみ、見事に前後期完全優勝を果たした。ということは今年は余裕がない?やっぱりレッズ有利?
12月3日(金)
うわああああ・・・・・・原稿が書けへん。昨日の強烈なコンサートで頭のねじがおかしなってしもた・・・。
12月4日(土)
朝5時半に起きて東海テレビ『スーパーサタデー』緊急出演のため名古屋へ。ドラゴンズ立浪選手も生出演。「清原選手は中日にくるものだと思ってたし、監督もそういってましたから、ちょっと驚きましたけど、これでよかったのかも・・・」という「衝撃発言」に、峰竜太さんも大谷昭宏さんも二木啓孝さんも、そしてオレもびっくり。「これでよかった・・・というのは、中日にとって?それとも清原にとって?」と訊くと「もちろん彼にとってですよ」とホ顔で。やっぱり自分の言葉で話せる人物が選手会も牽引したのだ。番組終了後テレビ朝日の『サンデープロジェクト』野球特集の取材を大谷さんから受ける。その後帰宅。山下洋輔ニューイヤー・コンサートの原稿、今年も書いたぞおおおお!「討ち入りやゑひもせすまでジャズに酔ひ」ナンノコッチャ?と思った人は1月16日オペラシティでの『ジャズマン忠臣蔵』にお越しください。
12月5日(日)
佐渡裕指揮の『一万人の第九』を聴くため大阪へ。クラシック・ファンはこういうイベントを「マガイモノ視」するが、そういう人は一度大阪城ホールのアリーナに座ってみるといい。周囲270度くらいの広がりのサラウンドで響く混声4部合唱のモノスゴサは一聴の価値がある。おまけに『第九』はフランス革命の音楽。オバサンもオバハンもオッシャンもオッチャンもガキも歌えるような簡単なメロディが軸になっている。つまり、こういうイベントこそ『第九』の趣旨に叶うのだ。さらに佐渡の指揮が見事。おまけにほとんどナマ音に近く響くミキシングも見事。さらに今回のゲストはミッシャ・マイスキー。このチェロは、カザルス、ロストロポーヴィチに続く世界ナンバーワンやでぇ。さらにさらにゲストにアテネ五輪の金メダリストが二人(柔道の野村とマラソンの野口)。スポーツ&音楽ライターの小生としては『こういう世の中になったんや・・・』と少々感慨にふけってしまった(笑)。マイスキーとも、ソプラノの大岩千穂さんとも、佐渡さんとも、もうちょっといろいろ話したかったけれど、とつぜん携帯に祇園の婆さんの容態がおかしいという連絡が入ったので、打ち上げパーティはシャンパンを3杯飲んだだけで京都の日赤へ急行。さいわい今のところ命に別状なしとのことで大阪のホテルへ舞い戻る。マリノス、勝ったないか・・・。岡ちゃんは、やっぱりオモロイでぇ。
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12月6日(月)
関西テレビ『痛快エブリデイ!』に初出演。月曜日は『男がしゃべりでどこが悪いねん』桂南光さんの司会で桂ざこば、桂きん枝、中田ボタン、太平サブローの各師匠がレギュラー。ゲストがオレとホンコンウん。なんちゅう濃い濃いメンバーやねん!「玉木さん、ようきてくれはったけど、何でこんな番組に出てくれはりましてん?」と初っ端からざこば師匠にきつい一言を浴び、「いや、まあ、いろいろ御縁で」と答えると、サブロー師匠から「けど、この番組に出たら、どんな番組に出ても怖いことありまへんで」といわれる。番組の最後に南光さんから「また出てもらえますよね」といわれたので「いや、まあ、ちょっと考えてから」というとバカ受け。しっかし、公団の天下り問題からベンツ強盗の話題まで話の中身は面白く、ざこば師匠の嫁はんとの喧嘩話なんぞサイコーのケッサクで、はっきりいって東京の気取った政治評論家が司会をする深夜討論番組なんぞより、よっぽど面白い。昨日アノ人の番組にオリックスの宮内会長が出演したそうやけど、きちんとつっこんだんやろか?なめられてるしインタビューに応じてくれるんと違うやろなあ・・・。番組終了後、大急ぎで京都日赤へ。婆さんの容態は変わらず。ちょっと焦って病院へ急いだもので、大阪で関西の雑誌の取材を受ける約束をコロッと失念。すんません。必ず埋め合わせします。
12月7日(火)
祝!ザスパ草津!徳島ヴォルティス!それにしても岡ちゃんは凄い!・・・と思いつつ博多へ飛ぶ。残念。羽田は第1ターミナルや。
12月7日(火)つづき
福岡シーホーク・ホテルで講演会のあと、電話でレギュラー出演しているRKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』のスタッフ・キャストの皆さんと食事。中西一清さんにメチャメチャ旨い下関産の牡蠣を御馳走になる。牡蠣はナマはもちろん焼いた方が甘みが増して美味しい。そのあと屋台の『馬っつら』へ。去年、乙武さんと一緒に訪れたのに閉まっていて涙をのんだ美味屋台。お燗した赤ワインで食べる餃子が最高。博多文化人との出逢いも面白い店で、この日は日本のセクハラ裁判第1号の訴訟を起こした女性に興味深い話を聞くことができた。博多はおいしいところや。
12月8日(水)
RKB毎日放送『中西一清のスタミナラジオ』に生出演したあとJAL羽田経由で帰宅。原稿締め切り一本忘れていたことに気づき(スイマセン)慌てる。明日から札幌。食い物の旨い場所しか仕事に選んでないことを自覚(笑)。
12月9日(木)
「北海道みちとくらしと未来のネットワーク」の委員会に出席するため札幌へ。この委員会は北海道の「道路建設」について考える会だが、逢坂ニセコ町長や山本強北大教授などの話を聞けるだけでも本当に勉強になる。会議のあと、明日の「第38回道路講演会 北海道みちロマン」の打ち合わせのため、日本土木学会会長の森地茂東大名誉教授とともに北海道の土建屋さんたちの待つ会場へ。森地先生も(川勝平太先生と同様)なぜか京都の中高校の先輩で、この先生の話も抜群に面白く勉強になる。「土木」というと田中角栄の顔を思い浮かべてしまうのは間違いなのだ(笑)。蟹料理(毛ガニやタラバ)を御馳走になったが、申し訳ないが間人蟹(たいざがに)を知ってしまった小生にはさほど美味に感じられなかった。人間、贅沢するとアホになりますなあ・・・。
12月10日(金)
「北海道みちロマン」の講演会。HTB(北海道テレビ)の真砂のり子アナウンサーから、スポーツ&音楽ライターがどうして「道」と関係あるのか?と訊かれたので、待ってましたとばかり、ストリート・フットボール、ストリート・ファイター、ストリート・ミュージシャンがスポーツと音楽の基本であると答える。我ながら名回答(笑)。札幌の「寒さ」に触れて今年はじめて冬を意識する。新千歳空港でお土産にラーメン(すみれ、てつや)や六花亭のレーズンウィッチを買って羽田へ。
12月11日(土)
岡田マリノスはやっぱり凄いよ。戦略、戦術、敵の分析・・・。それを選手に徹底できるんやから。レッズの選手もがんばったけど、岡ちゃんとマリノスの選手に脱帽。MVPは中澤になったけど、松山千春にもあげたい。いや、違う。松田や。それにしても似てるで(笑)。
12月11日(土)つづき
旅が一段落。サッカーも一段落。で、カルロス・クライバーの新譜DVD(ベートーヴェン『コリオラン序曲』モーツァルト『交響曲33番』ブラームス『交響曲4番』)を見る。そして聴く。やっぱりカルロスは凄い。が、解説を読んでさらに仰天。「(ベートーヴェンの序曲についてクライバーは)的確な力強さと勢いをもって始めるのがきわめて難しい作品だと指摘している。そして彼はその解決法を、ジャズの巨匠デューク・エリントンの演奏を見て思いついたという」なんと!やっぱりなあ・・・。クライバーはカラヤンなんかよりもバーンスタインと仲がよかったんやもんなぁ・・・。
12月12日(日)
忙中閑。仕事場の掃除と片づけを・・・と思ったら息子から電話。来年某音大ジャズ科への入学が決まったので、バイトの金でケン・スミスの6弦ベースを買うつもりだったが、未成年はローンを組んでくれないという。仕方ないので渋谷まで出て息子に代わってローンの手続き。頭金は合格祝で出してやる約束をしていたが、けっこう高価な買い物。しかし、まあ、6弦ベースを手に喜んでいる息子の顔を見ると、こういうことのために一生懸命働いてるのだなあ・・・と思う。これで3人の子供も片づいた。あとは自力でがんばるだけ。わしゃ、知らん(笑)。
12月12日(日)つづき
夜、某新聞記者からトヨタ・カップについて意見を求める電話。「日本の地域社会に無縁の大会で、金のある日本がスポーツを消費して愉しむ典型的イベント。世界のレベルの高さは、もうわかったので幕を閉じるのはうれしいこと」とコメントするが、ボツやろな(笑)。
12月13日(月)
W杯アジア最終予選で北朝鮮と同グループになったが、横田めぐみさんの遺骨が偽物だったことから経済制裁を発動すればどうなるか・・・ということを某TV局が取りあげていた。日本のサポーターは平壌へ応援に行けなくなるだろうが、そんなことは関係ない。政治がスポーツに気を使うことはない(そんなことをされたら利用される道が開かれるだけだ)。スポーツ界(FIFAと日本サッカー界)は独自に独裁国家のスポーツマンの人権が守られているかどうか、正しいスポーツ運営がなされているかどうかを問題にすべきだろう。
12月13日(月)つづき
サポーターに入国ビザを発給しない国、試合のチケットを公に売り出さない国は、国際試合を(W杯も、その予選も)開催する権利と資格がない、という主張も検討されるべきだろう。
12月14日(火)
民主主義国家とは「スポーツ」があらゆる国家権力から独立して自主的に運営されている国家のことである。仕事場の大掃除をしながらこんな「真理」に至りました。もちろん「スポーツ」は「芸術」「芸能」その他いろんな言葉に変換可能です。
12月14日(火)つづき
オリックス・バファローズの仰木監督が岩隈投手を慰留するには次のように説得するほかないだろう。「誰もこんなチームでやりたい選手なんかいない。誰もあんな社長のもとでやりたい選手なんかいない。みんな我慢してるんだ。だから、おまえも・・・」
12月15日(水)
ヤッタァ!ザスパ草津!9人でJチャンピオン岡田マリノスを粉砕!見事な闘志!元旦はコンサドーレと決勝や!
12月16日(木)
京都へ。日赤病院に再入院した母親を見舞って京都泊。祇園にも繰り出さずにホテルでドイツ戦を見る。が、なんや、あの試合は・・・?情けない・・・。小笠原の技術は認めるが、ああいうシレーッとしたスマートなプレイでええのかな?中田ヒデのほうがコンジョーがあるで(笑)。高原のにやにや笑いも気に食わん。玉田の懸命に突破しようとしたプレイ以外見るものなし。
12月16日(木)つづき
ホテルでNHK『その時歴史は動いた 大化の改新』を見る。首謀者が中大兄と鎌足ではなく皇極女帝と軽王子が後ろで糸を・・・というのは面白かったけど、中大兄と鎌足が「蹴鞠」で密談という「俗説」をそのまま紹介したのは残念。蹴鞠は平安以降で、当時は「鞠打」(まりうち・ぎっちょう・くゆるまり)と呼ばれる球戯。2組に分かれたチームが互いに足や棒を使ってボールを運び、ゴールを目指し合ったもので、いわば日本フットボールの草分け。こういう球戯が古代日本にあったのに、それを蹴鞠と誤解してしまうから、日本のサッカーは「ゴールを狙う意志」が薄く、蹴鞠のようにパス回しだけに終わってしまうのでは?橋本治氏の『双調平家物語』のなかでは「鞠打」がきちんとホッケーのような球戯として描かれている。が、正月のNHK特番ドラマ『大化の改新』ではどうなんやろ?
12月17日(金)
京都から福岡へ。NHKローカルの『九州・沖縄金曜リポート 船出する新球団』に出演。ソフトバンク孫社長の微妙にスポーツを理解していないと思える発言の数々(例えば「プロ野球は感動を売るビジネス」とか「ベンチにもファンの声を」とか)にはひっかかるが、思い切り「期待」を語る。しかし球場使用料が年間48億円というのは、野球以外の運用権もあるとはいえ高価やでぇ。福岡空港で博多ラーメン食べて羽田へ。帰鎌。
12月18日(土)
横浜ラポール(障害者スポーツセンター)へ。電動車椅子サッカーチーム横浜クラッカーズの選手でもあり、スポーツライターを目指している平野誠樹さんが、今夏アテネ・パラリンピックの取材に行ったので、その報告会に参加(http://www.paraphoto.org)。日本のメディアではほとんど報じられなかったCP(脳性麻痺障害者)のサッカーの写真やビデオ(ウクライナの見事なプレイや、アルゼンチンとブラジルの激闘など)も面白かったが、電動車椅子に乗った目線での「アテネ報告」(段差だらけの道路や飛行機に乗る苦労)も、我々健常者には気づかないところが多く勉強になった。我がスポーツジャーナリスト塾の塾生も希望者が2名参加したが、全員強制的に参加させればよかったと後悔。
12月19日(日)
スポーツジャーナリスト実践塾第2期第2回講座。「言葉の遣い方」(使い方ではない)と「インタヴュー原稿のまとめ方」を講義したあと企画会議。なかなか面白い企画もあったが、まだまだ素人の域。ひねりが足りない。詰めが甘い。そのあと、半年にわたってヨーロッパを旅して(ユーロ2004とアテネ五輪を取材して)帰国した実践塾1期生の小海君と『スポーツヤァ!』編集部でバイトをしている同じく1期生の大八木君もまじえて忘年会(DVDでオレの趣味=オペラを塾生に押しつける・笑)。まだ大学4年(5年か?)の小海君はなかなかいい体験をしてきたようで、身体も一回り大きく見えた。オレの塾で講義を聞かせるより、全員海外に放り出した方が勉強になるのかな(笑)。
12月20日(月)
「マイ・ブックストア」である大船の島森書店へ行くと、定期で買っている橋本治の『双調平家物語』の12巻が入っていた。定期といっても11巻目からは約1年のブランク。凄い仕事だ。おまけに4日前にNHKの『その時歴史は動いた』の大化の改新を見て第2巻を読み直し、中大兄や鎌足が入鹿を惨殺するシーンの描写の見事さに改めて感動し、昨日の実践塾で朗読したばかり。因縁というか、不思議なものだ。「叩きつけるほどの水飛沫が大殿の庭を襲う」「濡れた玉砂利を踏む足が、まるで宙を行くように思う」土砂降りの雨の中の暗殺劇。だが、この簡潔にして劇的な見事な描写は、雨中のサッカーやラグビーの描写に拝借できる(笑)。最近の若いスポーツライターは浅薄な屁理屈に大仰な形容詞を並べ立てて悦に入っているが、きちんと描写をしろ、描写を!読者の目に生き生きと浮かぶ描写のなかにこそ思想が表現できるのだ!と、五十路を越えて偉そうにしている男は吠えるのであった(爆)。
12月21日(火)
楽天ゴールデンイーグルスの公式ホームページを開けて仰天した。トップの一番上(田尾監督の上)に三木谷オーナーが写真入りで紹介されてる。いったいナンのつもりやねん?スタインブレナーでもナベツネでもこんなアホなことはせえへんぞ。野球チームがトップに紹介するのはホームランを打つ人、三振を奪る人に決まっとるのに、マーティさん!ナンにも知らんオーナーに教えてやれよ。
12月22日(水)
うわ!映画『ザッツ・エンタテインメント』のDVDが特別BOX5枚組で出てるのを『CDジャーナル』で見て仰天!買わねば!見なけりゃ!もう、原稿の締め切りなど無視しじゃ! 編集者の皆さん、スイマセン! 祝!70万ヒット突破!で、御容赦!
12月23日(木)
DVDで『ザッツ・エンタテインメント』を見まくる。やっぱり「昔」は凄いなと思いながら、いろいろ考える。子供は大人になりたがる。それは過去の(大人たちの創った)文化に敬意を払い、身につけることだ。そうして自分が大人になって新たな文化を創り、文化は継承されるなかで進化する。ビートルズもバッハやベートーヴェンの子供なのだ。その流れ(過去に対する敬意)が断絶するとき、新たに生まれた文化は一見斬新に思えるが、定着しない。やがて捨てられる。楽天イーグルスの応援歌など、いずれ消え去るだけだろう。やっぱり、沢村、景浦、大下、川上、中西、豊田、張本、野村、長嶋、王、江夏・・・に敬意を抱く人が球界を牽引するべきなのだろう。
12月24日(金)
ジーン・ケリー、フレッド・アステア、ジュディ・ガーランド、エスター・ウィリアムス・・・の世界に別れを告げ、溜めてしまった締め切り原稿を書きまくり名古屋へ。世の中はクリスマスらしいが、どうしてキリスト教徒でもない人々がこうもキリスト生誕を讃えるのか? 小生は仏教徒なので無縁です(笑)・・・と、プレゼントをせびる人に答えることにしています(爆)。
12月24日(金)つづき
名古屋東急ホテルにチェックイン。周囲は若いカップルだらけ。カクテルドレスを着た女性をエスコートしている若者も。これから何するねん(笑)。こんなことにカネ使うんやったら漱石全集でも買うて読め・・・。だいたい男ちゅうもんは、若い時には女に食わしてもらうもんで、女にカネを使うのは歳とってからやぞ・・・と心のなかでほざく(爆)。
12月25日(土)
東海テレビ『スーパーサタデー』生出演。浅井慎平さんと久々。けど、もちろん「親分」や「御意見番」についての話題は出ず。彼らこそ「喝!」だというのは、もう話さなくてもわかってますから(笑)。ほかに大谷昭宏さん、二木啓孝さん。男ばかりの濃いゲスト陣だが、峰竜太さんの司会で今年一年を振り返って思う存分喋らせていただく。「プロ野球選手会がストライキをした時点で、新規参入球団として楽天が加入することを某オーナーは選手会に伝えていて・・・。あとの審査は茶番で・・・」こういう話、東京のキイ局でも喋らせてくださいよ・・・。
12月25日(土)つづき
東海テレビの朝番組を終えて名古屋東急ホテルに戻ると、若いカップルがチェックアウトのために長蛇の列。おまえら昨晩なにやっとってん?(笑)ロビーには、まだクリスマスの音楽。思わず、グローオオオオオーオオオオオーオオオオオーリア、インエクセルシスデ〜オ〜・・・と口ずさんでしまう。カトリック系の中学高校に6年間通って刷り込まれた結果(笑)。三つ子の魂百まで。ホテルで休憩したあと、中日栄文化センターで『オペラ講座』。今回のテーマはバロック・オペラ。前半は、グールドのピアノによるバッハ、グルダのクラヴィコードによるバッハ、ヴィクター・ウッテンのエレキ・ベースによるバッハ、マイスキーのチェロによるバッハ、ストコフスキーのオーケストラによるバッハ等々バッハ三昧。後半は映画『カストラート』やモンテヴェルディ、ヘンデル、グルックのバロック・オペラ三昧。小生にとっては楽しい仕事。けど、これって18歳の高3のときに自主ゼミでやっていたことと同じ。成長してへんなあ(笑)。夜、帰鎌。札幌の壽屋さん(バナー広告参照)から届いたワインを飲みながら、山下洋輔さんから届いた極上の七面鳥の薫製(美味!)を食べていると、エレキベースを抱えた息子が帰ってきて『聴け!』と一言いってCDをラジカセにかける。友人たちとのジャズ・セッション・バンドの初録音だとか。ピアノ、エレキギター、エレキベース、ドラムスに、ヴァイオリン、トランペットを加えた妙ちきりんなジャズ・ファンキー・バンド。名前は『熱金魚』。まぁ、悪くない演奏・・・なかなかオモロイ(親の欲目・笑)。18歳の魂、50歳まで。まぁ、人間ってそんなもんやろ。長女はVJ(ヴィデオ・ジョッキー)、次女は看護婦、末っ子の長男はベーシスト。子育ては終わった。おれは来年から思い切り遊ぶぞ〜!といってもスポーツも音楽も趣味が全部仕事になってしもたので、やっぱり思い切り仕事するぞ〜!トホホ・・・(爆)
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12月26日(日)
7時起床。サンテレビ正月(1月1日)特番『徹底討論!どうなる!?プロ野球』VTR収録のため神戸へ。司会の月亭八方さん、楽天GMマーティ・キーナートさん、阪神タイガース前社長の野崎勝義さん、スポーツ経営学の大坪正則さん、それに真弓明信さん、福本豊さんらとペチャクチャペチャクチャ。「もう巨人中心の時代やない」で全員の意見が一致。12球団を14、16・・・と将来的に増やすべし・・・ということでも一致。けど、楽天は(マーティには悪いけど)ちょっと問題あるなぁ。一番の問題はオーナーの「タニマチ意識」やで。ポケットマネーでイルハンを採ったり、ヴィッセルのユニフォームをくだらんもんに変えたり・・・。おんなじこと野球でもやったらワヤやで。帰りに京都へ寄って日赤病院へ母親を見舞う。寝顔が優しくなったのでほっとする。深夜帰鎌。
12月26日(日)つづき
自宅に帰るとテレビで『M1グランプリ』の決勝ラウンド。何で「笑い飯」が残ってへんねん?!どんなちょんぼをしよったんや!わけのわからないまま見ているとグランプリは「アンタッチャブル」。けど、去年の受験ネタのほうが面白かったで。今年はレベルが低い。「麒麟」もイマイチ。そんななかで、これはナンヤ!とテレビの前で思わず叫んでしまったのが「南海キャンディーズ」この大女のボケはサイコー!けど、「笑い飯」と一緒でグランプリにはなれへんキャラやなぁ。
12月27日(月)
仕事納め。毎年、年末年始は単行本とか翻訳の仕事に専念したけど、今年はよんどころない事情が起きそうなので、すべての仕事をキャンセル。明日からは犬の散歩と窓拭き、網戸掃除(笑)。これもまた人生(爆)。
12月28日(火)
仕事部屋の片づけをしながら「2004年極私的(オレ的)重大ニュース」を考えてみた。
- 野村万之丞死去。日本文化にとってもオレにとっても痛かった。
- プロ野球界大揺れ。オレ的にはまだまだ揺れが小さいと思うけど、「野球は国民共有の文化」「地域密着」といった、20年前10年前から主張してきた言葉を誰もが使い始めたのはうれしい。
- 日本列島も地球規模でも災害の年。オレの近所も崖崩れで断水停電を体験。
- 上海でF1サーキットを視察。中国パワーを体感。
- サンクトペテルブルクでゲルギエフと面談。凄いパワーを感じた。
- 我が家のガキが音大ジャズ科合格。子育て終了宣言。
- オリンピック関連の仕事も忙しかったが、パラリンピック関連の仕事が激増。選択と売り込みの結果でもあるけど、いい傾向ですな。
- 銀婚式。式は何もしてへんけど(笑)。
- ホームページのヒット数激増。なんとかカネにならんもんか(爆)。
けど、1年は長い。1年前のことを思い出すと、10年前にも思える。歳を取ると月日の経つのが早いという人が多いけど、そうでもないで。今年も沢山のことがあったなぁ・・・。いや、まだ何かありそうな気配も・・・。 12月28日(火)つづき
書き忘れるところやったけど、巨人のヴィジター用ユニフォームの胸から“Yomiuri”の文字がなくなった。付いてるほうが、わかりやすかったんやけどなぁ・・・。
12月29日(水)
年末年始はいつもと違う時間帯にTVのスイッチを入れるため思わぬ発見があるものだが、今日はまいった!朝11時前NHK教育テレビの『ピタゴラスイッチ』という番組にはぶったまげた。NHK教育テレビはグッチ裕三さんの『ハッチ・ポッチ・ステーション』とジロラモさんの『イタリア語教室』以来、見事にブットンダ番組を次々と送り出しているが、こんな凄いバカな子供向け教育番組(?)があるとは思わなかった。掃除の最中に一部を見ただけなのできちんと説明できないが残念だが、お笑いコンビの「いつもここから」が歌って演じた「アルゴリズムこうしん」には腰を抜かした。前の人の単純な動作(前にならえ、とか、タイヤの空気入れを使う動作とか)を真似して数人の行列が進むだけ。それをジェット機の前でパイロット、スチュワーデス、整備士らが「いつもここから」に続いてやっただけで、まさかこれでアル・ファーリズミーのアルゴリズム(演繹法)を子供に教えようというわけではないだろうが、笑い転げてしまった。検索で調べてみると、彼らはCDアルバムを出しているようで「アルゴリズムこうしん」のほかに「アルゴリズムたいそう」もある。絶対に、買お(笑)。ほかにも棒が10本動くだけのアニメ「10本アニメ」も抜群のセンス。タイトルの「ピタゴラスイッチ」と書かれた小さな看板がからくり仕掛けで動くのもサイコー!いやあ、エビジョンイルはサイテーやけど、NHK教育はがんばってまんなぁ(爆)。
12月29日(水)つづき
年末年始ちょいとばかり某所へ行方をくらまします(笑)。パソコンの使えない場所ですので“ナンヤラカンヤラ”も新年の3日か4日頃までお休みします。他のコラムをお楽しみください。では、みなさん、よいお年を。
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