8月1日(月)
ベッドのなかでの読書は久し振りに週刊誌新潮&文春。旧統一教会と自民党等政治家の癒着はどうしようもないですね。所詮はすべてはカネで動いてるのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。殺人的猛暑という表現が比喩でも冗談でもなくなるところが怖いですね。ワン。夕方の『ニューズ・オプエド』の準備をしていると週刊誌某記者から電話。高校野球についてコメントを求められる。大阪桐蔭が強すぎて高校野球が面白くなくなったことについてコメントを求められたのでそんなつまらないことを話題にせず甲子園大会は中止したほうがよいと話す。雑誌『ZAITEN』に小林信也さんとの『甲子園大会を廃止せよ!』との対談が出ているので読んで下さいと話す。雑誌が手に入らない場合は小生のホームページに冒頭のダイジェストが載ってます御一読を!夕方からの『ニューズ・オプエド』はゲストが小林信也さんと柔道家の溝口紀子さん。「酷暑のなかでの甲子園大会は即刻廃止!」を強く訴えるが溝口さんの柔道の小学生全国大会の中止の話も興味深かった。頑強はやはり勝利至上主義で小学生が受け身を取れない高度な技まで飛び出して健康被害や死亡事故につながる危険があったという。高校野球でも勝利至上主義の結果の走塁妨害や併殺阻止で身体に危険な行為が「強い」チームに横行しているという。そんな甲子園大会を美化して語るマスメディアは許せないですな。嗚呼。『オプエド』のあと吉本新喜劇を見ながら晩メシ。今日の演し物はイマイチでしたね。
8月2日(火)
昨日につづき読書inベッドは週刊誌。サンデー毎日&週刊現代。毎日は羽生結弦の記事に小生の「ゆとり教育の結果」とのコメントが出ているが成城大教授(元毎日新聞皇室担当)の「社会学的皇室ウォッチング!」という連載の第41回「吉田茂国葬の前例を考える ナショナリズム台頭が共通」との記事が面白かった。吉田茂のときも反対論(大宅壮一氏など)はあったのですね。現代は佐藤優氏の連載「名著再び」でエマニエル・トッド著『第三次世界大戦はもう始まってる』(文春新書)を知る。ウクライナはロシアとの戦争後《3つに分解するかもしれないのですね》両誌とも安倍元首相亡き後の政局記事や政治家と旧統一教会の関係記事は面白かった。今でも新聞より週刊誌のほうが面白いと思うのは小生が週刊誌記者として育ったからかな。ワン。ベッドを出て熱暑のなか黒兵衛と散歩。黒犬はこの暑さが相当に堪えてるみたいだな。ワン。エアコンつけてゆっくり仕事して夕方からは2日連続して解説委員として『ニューズ・オプエド』リモート出演。ゲストのスポーツライター小林信也さんも2日連続。もう一人のゲストは五輪アナリストの春日良一さんで3人で元東京五輪組織委理事高橋治之氏の「五輪賄賂疑惑」について語る。春日氏によるとスポーツをビジネスにしてスポーツを育てたのは電通の前任者であり高橋氏はそのやり方で私腹を肥やしただけと言えそうです。この番組は今も前半は視聴可能です。https://op-ed.jp/
8月3日(水)
毎週週刊誌は何冊か送られてくるが今週号の『週刊プレイボーイ』の『AIに意志は宿るのか?』という記事は面白かった。《立教大学特任教授でゲームにおけるAIを研究する三宅陽一郎氏》へのインタヴュー。AIは「リンゴは何色?」と訊かれれば「赤色」と答えられる。「味は?」に対して「甘酸っぱい」とか《それっぽいことも答えられるでしょう。でもAIはリンゴを見たことも食べたこともありませんし赤の「赤さ」を感じたこともない。彼らには世界を経験することができないからです》《私たち人間が何かを意識するときには必ず「リンゴの赤さを感じている自分」と(略)自分自身のことも認識してい(略)がAIにはその"自分"がないのです。AIには自分が成り立つだけの構造がないから大量のデータを処理しているだけなんですよ》しかし最近は人間のほうがAIに近付いたのか「自分」が存在せずに「データを処理しているだけ」のヒトが多くなったようにも思いますね。『週刊プレイボーイ』はコロナのときには必ず岩田健太郎医師が登場したし結構タメになりますね。ベッドから出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOMで音声出演。スワローズ村上の5打席連続本塁打について喋りモット凄い記録としてサイクル・ホーマーがあることを紹介。それは同じくスワローズのスコットが1979のダブルヘッダーで記録。ソロ・2ラン・3ラン・満塁の4ホーマーをかっ飛ばしたのだ!そのあと東京五輪の賄賂疑惑を取りあげ五輪の「商業化」自体は悪くないという話をする。1984年のロス五輪は税金を1セントも使わず巨額の黒字でアメリカの福祉団体やスポーツ団体が潤ったのですからね。その金儲けの方法で私腹を肥やす奴が現れたのがマズイのですよね。ラジオのあと殺人的猛暑のなか黒兵衛と散歩してシャワーを浴びてチョイと仕事して昼飯のあとチョイと昼寝して鎌倉市のタクシーチケットでヨメハンと一緒に鎌倉芸術館へ行って4度目のコロナ・ワクチン接種。最初の連絡はモデルナだったけどファイザーに変更してもらう。看護師さんが「今日はお酒を避けてください」と言ったので「マァ少しくらいはね」と言うと「ハイ。今日だけは我慢しましょうね」と子供を諭すように言われてしまった。まぁ小生は大人ですから晩飯時は自己責任でビール&日本酒。副反応ナシ。寝まひょ。
8月4日(木)
朝ベッドで目を覚ますと昨日4度目のコロナ・ワクチン接種の注射をした左腕が少々痛む。が後遺症と言うほどのものでもない。毎晩ベッドで左腕を下にして読書しているのでそのせいだろう。西山厚『仏教発見!』(講談社現代新書)が面白い。昨日ワクチンの待ち時間が退屈だからと何気なく本棚から引っ張り出して持って行き読み出したら止まらなくなった。華厳経の《「厳」は飾るということ。「華厳」とは「世界」を華(花)で飾るという意味になる。そして「華」は菩薩の実践であるという。さとりを求めて実践される行為が「華」となり世界を飾ってゆく》ナルホド。こういう細かな説明は納得ですね。唐招提寺にある釈迦如来像には《一切衆生皆々仏と成せたまえ》とあり多数の人命が書かれているのと一緒に《クモ・ノミ・シラミ・ムカデ・ミミズ・カエル・トンボ・カなどの名前も書かれている。自分たちと同じくノミやシラミも仏になることを願った人がいたのである》ナルホドこれは《仏教によらなければけっして生まれてこない》発想ですね。山川草木悉皆成仏ですね。ナンマンダブナンマンダブ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。曇天は散歩が終わる頃に雨粒を落とし始めた。仏はんのおかげかな。ナンマンダブ。終日デスクワーク。ナンマンダブ。晩飯を食い始めた頃フランスから帰国した隣人がお土産を持ってきてくれた。シャンパンやイロイロ。これもまた仏はんのおかげ。三千世界は華厳で満たされるわけですなあ。ナンマンダブナンマンダブ。
8月5日(金)
『仏教発見!』読み進みたかったけど統一教会や国葬問題で政治が揺れているので孫崎享『アメリカに潰された政治家たち』(小学館)を急遽ベッドに持ち込む。日本の戦後政治の再学習。対米追従だった吉田茂が国葬ですから安倍晋三も自主独立路線ではなかった(岸信介のような妖怪的魔力は発揮できなかった)と言うことですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。涼しさも今日を限りのおらが夏かな。字余り。ワン。終日イロイロ仕事して晩飯はフランス帰りのお隣さん家族と一緒に久し振りに『鮨処もり山』へ。美味の魚とともに音楽談義演劇談義政治談義イロイロ。たまにはこーゆー一日も必要ですね。
8月6日(土)
ベッドで西山厚『仏教発見!』これは素晴らしい一冊です。ゴータマ・シッタールダがブッダ(ブッダ=お釈迦様)になる「さとり」の意味も「発心」や「縁起」という言葉の意味もよくわかる。そう言えば小生が餓鬼の頃の2年間を「光保育園」という建仁寺系列の保育園で過ごしたとき4月8日の「花祭り」(仏生会=釈迦の誕生日)で小さなお釈迦様の像(誕生仏像)に甘茶をかけてお祝いしたことを思い出した。その「光保育園」では夜になると算盤塾が開かれて小生は小6で1級になったのでした。昔は4桁×3桁の暗算もできたのに今ではすっかりその能力が消えてしまいました。トホホ。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。今日もまだ少々涼しい空気。しかし歩くうちに暑さが増してきた。夏だから仕方ないですね。散歩を終えて録画しておいた夏の甲子園大会の開会式を見る。コロナのため地方大会の優勝旗を手にしたキャプテンだけの行進となったため手足を揃えた閲兵式のような選手の行進が戦前の帝国陸軍式なのか現在の自衛隊式なのか…どちらが多くなったのかがわからなかったのは残念。しかし主催者の朝日新聞社はいつまでこんな軍隊式の式典を続けるつもりなんだろうと思いながら見ているとヘリコプターが甲子園上空に飛来して始球式のボールを落としたかと思うとナント朝日新聞社の大きな社旗がボールに続いて落ちてきて見事に広がった。凧の足のようなヒラヒラを社旗の上部につけたのがヨカッタのかなあ…朝日新聞社は何回くらい実験をしたのかなあ…などと思いながらこの大会が朝日新聞社の宣伝イベントであることも再確認。宣伝にかりだされた人々はギャラを要求する権利があると思いますが朝日新聞社はどう答えるのだろう?終日雑務をこなして夕方からTBS「報道特集」。旧統一教会と代議士たちの関係は今後絶ち切れのかな?旧統一教会は宗教団体などではなく「詐欺師集団だ」と元信者の人が言ってた言葉に納得。
8月7日(日)
ベッドで『仏教発見!』読み進む。なるほどこの一冊は仏教の本質を優しく解説してくれますね。《お釈迦様は「私の説は真理である」と主張しない。「貴方の説は虚妄である」と論難もしない。ひとつの立場を固守して他の人と争うことをしない。お釈迦様は気付いただけであって何か新しいものを創造したわけではない。先に気づいた人がまだ気付いていない(目覚めていない)人達に教えてくれているのである》なかなかそういう「さとり」の心境にはなれませんがこの本で「心想事成」という日本では知られていない(中国では知られているらしい)四字熟語を知っただけでも良かったですね。甲子園大会はやめたほうがイイという我々(小生&小林氏&etc氏)の「想い」が「成る」のはいつかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。今日も暑さは少しはマシかな…と思っていたら午後から結構な暑さが甦って襲ってきた。しかし高校野球中継のテレビには何故か「熱中症危険」の文字が今年は出ない。野外で運動を続ける高校野球と熱中症の矛盾に気付いたNHKのスタッフが熱中症の文字のほうを消したなんて阿呆なことはないでしょうね。イロイロ仕事のあと晩飯は『ダーウィンが来た!』で海星(ヒトデ)の面白い生態を見ながら。日曜美術館は高校野球中継のためにトンダのかな?風呂のあとビール呑みながらベーンスタイン指揮ロンドン響のマーラー『交響曲第2番復活』を見聴き。DVDも持ってるけど久し振りに見始めると止まらなくなった。レニーには珍しく譜面ナシの暗譜での指揮。気合い十分の若き演奏に感激でした。ベーム指揮のモーツァルトもそのあとの口直し(耳直し?)に最高の音楽でしたね。
8月8日(月)
『仏教発見!』読み進む。《慈悲。生きとし生けるものを限りなく愛おしむ心。これが仏教の本質である》《廻向(えこう)とはふりむけること。自分の行った善根功徳を自分の幸せではなく他者の幸せにふりむけることをいう》ナルホド。以前スポーツライター養成塾を開塾していたときに「何のためにスポーツを取りあげて書くのか?」と塾生に問われたことがある。小生は「スポーツとは公共の財産。皆で創るカルチャーだから世のため人のための仕事と言える。間違っても主催新聞社や主催団体の利益のための仕事にしてはならない」と答えた。ちょっとエエカッコしすぎかな。けど本心です。仏教の心と同じですね。ワン。黒兵衛と散歩のあとチョット仕事してイロイロ準備して今日の『ニューズ・オプエド』は先週に続いて「高校野球甲子園大会廃止論」。ゲストは先週に続いて小林信也さんと元ラグビー日本代表で神戸親和女子大教授の平尾剛さん。平尾さんは我々とは関係なく『プレジデント・オンライン』に高校野球甲子園大会を「発達途上の高校生を犠牲にした上でのグロテスクな感動」と批判。単なる「マスメディアの優良コンテンツの」ために「一番(高校日本一)を決める必要などない」と断言。小林信也さんも「こんな当たり前のことを我々が声を大にして話し合わなければならないことのほうがオカシイことに高野連の人々は気付いてほしい」今もオプエドで一部視聴できますので覗いてみて下さい。番組のあと神奈川テレビで吉本新喜劇を見ながら晩メシ。ベテラン役者が大勢活躍するときの吉本新喜劇は面白いですね。風呂のあとはNHKスペシャル『学徒動員』を見てベッドへ。戦時中の最大の不幸は自由な言論を抑圧されたことですね。現在ははたして自由な言論が補償されていると言えますかね?オプエドは→
8月9日(火)
『仏教発見!』読み進む。《仏法の興廃は人による》と題して著者の西山厚氏が選んで紹介する《人》は鑑真和上&最澄(伝教大師)&法然上人&明恵上人&叡尊(興正菩薩)&高田好胤の6人。人気抜群の空海(弘法大師)でなく最澄というところがシブイ。高田好胤さんは小生もテレビでよく見たなぁ。なるほどエライ人だったんですね。最近はそういうお坊様はテレビに出なくなりましたね。招かれなくなったと言うべきか。ワン。黒兵衛と猛暑のなかを散歩のあと長崎での原爆忌の中継を見る。6日広島での県知事の挨拶も素晴らしかったけど長崎市長の挨拶も素晴らしかったです。日本はアメリカの核の傘の下にいるからといって核兵器禁止条約に賛成できない&批准できないなんてことはないはずですよね。それに「核抑止力」という言葉も意味を持たなくなってきましたからね。来週の『ニューズ・オプエド』のゲストに神奈川大学の大竹弘和教授を招くことにしたので最新刊『学校という「ハコモノ」が日本を救う!』(白秋社)を読破しておく。大竹先生は小生の母校で廃校のときに宮川町の歌舞練場で廃校式があったときに講演した京都市立新道小学校の跡地の開発にも関わっておられるんですね。五輪施設の跡地利用の方法論や「チーム」ではなく「クラブ」としてスポーツのあり方などもお聞きしたいですね。《日本には(ドイツのような)クラブの文化が育っていません。特にスポーツ界ではほとんどが「チーム」として存在しているように見えます。チームは試合に勝つための集団組織。試合を目指して日々練習します。勝利を目的とすることで仲間意識や向上心は育ちますが逆にこのチームでは選手・補欠・応援者などその組織内で序列が生じます。そしてともすれば排他的な集団と化してしまうのです》今甲子園では排他的集団同士が勝利を目指して戦い大人の監督やメディアがその戦いを煽っていますね。それが高校教育と言えるのかな?
8月10日(水)
『仏教発見!』読了。素晴らしい一冊でした。仏陀の教えを優しくかみ砕いて常に仏陀の言葉(教え)に帰っての解説が素晴らしかったですね。仏陀は「悟った」のであってその「悟り」を他の人にも解って貰おうとしただけで決して「真理」を主張したわけでもなければ自分の従えと言ったわけでもないのですね。仏法は若き女子のほつれ髪ゆう(言う/結う)にゆわれずとく(説く/解く)にとかれず…なんて面白い狂歌(?)がありますが、そんなに難しいモノじゃないのですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあとエンゼルス大谷のピッチングとホームランを堪能。ベーブルースの2桁勝利&2桁ホーマーを達成したのは本当に素晴らしいけどNHKのニュースやテレ朝の報道ステーションなど日本のメディアがベーブ・ルースのことを「野球の神様」と紹介してたけどそんな表現をいったい誰がしたのでしょう? god of the baseball? 小生は聞いたことがありませんし八百万の神々の存在しないアメリカではそんな表現はしないでしょうね。ルースに関する野球関連の諺らしきものはロジャー・エンジェルが確か『シーズン・チケット』のなかで「ベーブ・ルースと言えどベースボールより偉大ではない」との表現を書いてますがこの言葉は明らかにベーブ・ルースを「野球の神様」と呼ぶことを否定しベースボールというナショナル・パスタイム(国民的娯楽)を生んだアメリカ人のプライドを示すものと言えるでしょうね。しかし野球は面白いですね。高校野球は別物ですが…何故殺人的な猛暑酷暑のなかで高校生たちが太鼓腹の突き出た大人の命令に従って朝日新聞の旗の下で走り回らなければならないのでしょうか?事故があったときの責任は誰がとるんでしょう?
8月10日(水)つづき
この日のRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』は2028年のロサンジェルス五輪にモータースポーツが選ばれるかもしれないという話題をZOOM音声出演で話す。過去には1908年のロンドン五輪でモーターボートが正式競技として採用されたことがあったし1900年パリ大会と04年セントルイス大会では自動車やオートバイのレースが公開競技として行われたこともあったとか。環境問題にセンシティヴなIOCとしてはガソリン車のレースではなくソーラーカーレースといったものを採用するのかな?それともやっぱりネイティヴ・アメリカンが競技を創ったラクロスが採用されるのかな?野球&ソフトボールも候補に挙がってるらしいけど男は野球で女はソフトというのはどう考えてもオカシイですよね。高校野球で女子が記録員としてベンチ入りが認められ練習の手伝いもグラウンドでできるようになったらしいけどソレもオカシイですよね。女子は男子を助けるわけ?開会式の行進で先頭を歩いたのが女子というのもオカシイ。そもそも高校野球の試合に「閲兵式」のような軍隊行進が必要なの?入場行進のプラカードを持つのが女子というのもオカシイ!ソレも時代錯誤的制服制帽姿の女子高生の背丈が揃っていて気持ちが悪かった。背の低い人は排除されるの?オーディションをやってるらしいけどソレを誰もオカシイと思わないところが不気味でオカシイすね。そもそも高野連など男女が別組織の日本の野球団体はスポーツ組織と言えませんよね。あ。これは来週のラジオで話しましょう。
8月11日(木)
山の日。お盆休みを前倒しして長期にするための祝日…てな感じですかね?三島由紀夫のエッセイ集を読んでいたら『自衛隊二分論』というのがあった。後半に書かれている国内での共産革命を阻止するための国土防衛軍と将来の海外派兵を見越しての国連警察予備軍に自衛隊を「二分」するとの意見は少々時代に合わなくなっているが前半の「国防は誰のためか」と題された冒頭に書かれた文章はロシアのウクライナ侵略を考えるうえでも基本認識として興味深い。《自衛の見地は軍事学上あらゆる転嫁が許されるのであり日支事変も自衛の戦争として始められベトナム戦争もアメリカは自衛のための代理戦争として規定するであらう。すなはち攻撃に優る防御なしといふ観点からは国防の第一線は遠方にあればあるだけよく国境をもつて最後の阻止線と考へる考へ方はパッシブな敗北主義と見なされてゐる。しかしながら国境を越えた防衛戦を設定すればそれは国家の勢力範囲を無限に拡大することになりこの無限の拡大は防衛費の無限の増大をもたらして少なくとも現下の世界情勢では膨大な核装備なしにはこのような自衛論は成り立たない。日本の自主防衛論はかうした自衛論をいっさい遮断し平和憲法下のまた安保条約下の特殊な制限下に於ける自衛の問題を考へてゐるわけである》そこで三島は「自衛隊二分論」に行き着くのだが憲法に書かれた「絶対平和主義」の有効性に対する考察に向かわないのは残念ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ワン。終日デスクワーク。締め切り前に原稿を書き始めるのにはエネルギーが入りますね。こういうときは読書に逃げる。三島のエッセイはやっぱり政治軍事よりも文学論が最高ですね。《能楽では幽玄と花はほとんど同義語です。もつとも暗いものともつとも花やかなものが同義語なのです。少女のいかにも仕合わせさうな清らかなほほゑみと死体の冷たい美しさが同じ源に出てゐます。「冷艶」といふ言葉が川端文学を形容するに一番だと思はれますがゆくりなくも氏の代表作は「雪国」であります》(川端文学の美−冷艶)それにしてもパソコンで旧字体の文章を書き写すのは手間がかかるなあ(^^;)
8月12日(金)
三島由紀夫のエッセイを読み進む。戯曲『サド侯爵夫人』と『わが友ヒットラー』を読み直したくなった。これは女だけの戯曲&男だけの戯曲として一対なんですね。ジェンダーがそんなにはっきり峻別できるものかという視点から読み直したいですね。そう言えば生前の野村万之丞さんが女装してサド侯爵夫人に出演してましたね。見に来いと言われて何かの都合で行けなかったのは今でも残念ですね。ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩。終日デスクワークのBGMはモーツァルトの後期交響曲。これは何と言ってもパブロ・カザルス指揮マールボロ音楽祭管弦楽団&プエルト・リコカザルス音楽祭管弦楽団の演奏が凄いですね。カザルスの指揮ということで集まってきた演奏家たちがメッチャ気合いの入った演奏をしています。同じ指揮者とオケによるハイドンの交響曲『驚愕』『告別』もイイですね。耳を奪われて原稿が書けないくらいです。最近はBGMにヴェルディの序曲集や『トロヴァトーレ』を流していたのでモーツァルトyハイドンがメッチャ新鮮に響きますね。モーツァルトの交響曲といえばもちろん25番29番35番『ハフナー』36番『リンツ』38番『プラハ』39番40番41番『ジュピター』が定番ですがアバド指揮ベルリン・フィルが23番28番31番の録音を残していてこれもナカナカ良いですね。モーツァルトに駄作はないのかな?佐渡裕指揮トーンキュンストラー・オケのハイドン6番『朝』7番『昼』8番『晩』もいいですね。古典(クラシック)の良さは過去の音楽・過去の演奏でも音楽そのものが立ち上がって響くことですね。過去のポピュラー音楽は音楽そのものよりも想い出が甦ることが多いですからね。ウワッ。今晩は何故か「チコちゃん」がない。仕方ないのでヴェルディ『ドン・カルロ』を見ながら晩飯。パヴァロッティ&パオロ・コーニの二重唱はイイですね。ムーティの指揮もゼッフィレッリの演出も凄い。レンブラントかドラクロアの絵画をそのまま立体舞台にしたようなスカラ座の名舞台と豪華歌手陣の名唱。こんな贅沢はもう不可能?
8月12日(金)書き忘れ
黒兵衛と散歩のあとでNHK-BSでやっていたフィールド・オブ・ドリームス球場でのシカゴ・カブスvsシンシナティ・レッズの試合は玉蜀黍畑のなかの美しい夢の球場を見るだけでも素晴らしかったですね。映画の跡地を訪ねて2日間野球を楽しんだのはもう30年以上前のことかな?また行きたいな…シカゴからバスで8時間かかったのにはマイッタけどそれだけかけていく価値のある場所ですね。近くのヴェトナム人がやっていた日本料理店の味には少々閉口したけどシカゴのコミスキーパークでメジャーの試合も楽しんでメチャ楽しいバブリーな時代の旅でした。
8月13日(土)
三島由紀夫の戯曲『わが友ヒットラー』を読み出す。まだ全3幕の2幕途中のため感想は控えるが面白い。ヒットラーが政治家としての独裁者になっていく過程で突撃隊を組織した軍人レームとの齟齬が露わになってゆく。ヴィスコンティの映画『地獄に堕ちた勇者ども』を見直したくなりましたね。人間ヒットラーを描いたものとしては水木しげるさんの漫画『ヒットラー』も一読の価値アリですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。重く暗く垂れた颱風の雲の下を歩き出すと一天俄に真っ黒になって大粒の水滴が大量に落ちてきて風も強く吹いて横殴りの矢のような雨。あっと言う間に全身ビショ濡れで笑うほかナシ。黒兵衛もさっさと雲古を済ませてソソクサと帰宅。良い経験でしたワン(笑)。そう言えば数日前のNHK-BSで映画『ヒトラー最後の12日間』をやっていてこれもブルーノ・ガンツの名演もあってイイ映画だったけど何故タイトルでは「ヒットラー」でなく「ヒトラー」なのかな?最近は小さな「ッ」を入れなくなったけど何故?映画『帰ってきたヒトラー』も面白かった(良くできた風刺パロディ映画だった)けどやっぱり「ッ」はナシ。「ヒットラー」のほうが「Adolf Hitler的」と思うけどドイツ語の発音にも「ッ」は入らないようですね。「ッ」を入れたのは誰かな?元駐独大使の大島浩かな?東条英機かな?小生は「ヒットラー」のほうがどこか馴染みがあるなぁ。どこで刷り込まれたのかなぁ。若い人はどー思ってるのかな?NHK-BSスペシャル『ヒトラーに傾倒した男?A級戦犯・大島浩の告白』は面白かったですねえ…このタイトルも「ヒトラー」か…なんて思いながら颱風の一日を過ごす。
8月14日(日)
三島由紀夫『わが友ヒットラー』読了。面白かった。右派軍人のレームと左派革命家のシュトラッサーというを左右両派の「友」を斬り捨て(銃殺刑に処し)ヒットラーが財閥のクルップと組んで政治家(独裁者)の立場を確立する政治劇。《政治は中道を貫かねばなりません》というヒットラーの最後の台詞は何とも意味深ですね。昭和44年劇団浪漫劇場での初演時に三島がプログラムに書いた解説がさらに面白い。《国家総動員体制の確立には極左のみならず極右も斬らねばならぬといふのは政治的鉄則であるやうに思はれる。そして一時的に中道政治を装って国民を安心させて一気にベルト・コンベアに載せてしまふのである。何事にも無計画的行きあたりばつたりな日本は左翼弾圧から始めて昭和十一年の二・二六事件の処刑にいたるまで極左極右を斬るのに十年を要した。それをヒットラーは一夜でやってのけたのである。是非善悪はともかくヒットラーの政治的天才をこの事件はよく証明している》またこうも書く。《私はヒットラーといふ人物には怖ろしい興味は感ずるが好きかきらひかときかれればきらひと答へる他はない。ヒットラーは政治的天才であったが英雄ではなかつた。英雄といふものに必要な爽やかさ晴れやかさが彼には徹底的に欠けてゐた。ヒットラーは二十世紀そのもののやうに暗い》そうして《ヒットラーを疑はなかった》レームのセンチメンタルなまでの直情さに三島は寄り添う。三島はどこまでも文学者だったのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。颱風はあっと言う間に通り抜け酷暑ふたたび涼秋遠し。ワン。イロイロ仕事。週刊新潮記者から新しくできるラグビー博物館に森喜朗氏の胸像が創られる感想を求められる。国葬やら宗教やら胸像やら「政治」はワケのワカラン話ばかりで「ベルト・コンベア」が動き始めてるのかな?仕事のあと晩飯時に見た『ダーウインが来た!』が面白かった。鎌倉の動物特集で魔女か幽霊と思われたギャアアーという不気味な啼き声(吠え声?)は梟の雌だったのですね。三島の戯曲『サド侯爵夫人』を読みたかったのでウィーン・フィルとベルリン・フィルの夏恒例の野外コンサートは録画してベッドへ。
8月15日(月)
終戦記念日。八月(はちがつ)は六日(むいか)九日(ここのか)十五日(じゅうごにち)。昨日も一昨日も仏壇に手を合わせたけど今日は久し振りに親父の勲章と頭蓋骨の顔面にめり込んでいた手榴弾の破片にも手を合わせます。親父もお袋も東京に出てきた正月には昭和天皇に会いたいと言って元旦の皇居に出かけたけど靖国神社へ行きたいとは言わなかったですね。昭和天皇の顔を見た途端中国戦線で3度の銃創を負った元帝国陸軍軍曹の分隊長は「見た。もういい。帰ろ。あいつのおかげで青春がなかったなあ」と言って万歳は唱和せず皇居をあとにしました。嗚呼。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。今日は黒兵衛11歳の誕生日でもある。もう犬齢としては老齢だけど俺より元気ですね。ワン。昼間雑誌『ZAITEN』の連載「今月のスポーツ批評」を書く。今年も高校野球の開会式でオーディションに通った背丈の揃った女子高生がプラカードを手に帝国陸軍閲兵式のような行進を先導していたことの気持ち悪さを書いて送稿。夕方からは『ニューズ・オプエド』リモートMC出演。今日のゲストは神奈川大学の大竹弘和教授。最新刊『学校という「ハコモノ」が日本を救う!』(白秋社)を特集で取りあげ学校の社会利用について思う存分語っていただく。年間170日も休日でほったらかしにされている学校のグラウンドや図書館や音楽室や行動や教室などを利用しない手はないですよね。もう一人のゲストはノンフィクション作家の小松成美さん。彼女はイチローや中田英寿にインタヴューしたノンフィクションも書いているけど勘三郎や仁左衛門のことも書いている。そんな彼女と『フィールド・オブ・ドリームズ』の映画やメジャーの試合やサウジアラビアの女子サッカーなどについて話せたのは良かったですね。番組のあとは吉本新喜劇見ながら晩メシ。今日の演し物は脚本がイマイチだったかな。そのあとNHKスペシャル『ビルマ絶望の戦場』は見事なドキュメンタリーでした。帝国陸軍のビルマの司令官や参謀は自分の命は守っても日本兵や日本国民の命は守ろうとはしなかったのですね。嗚呼。
8月16日(火)
ベッドのなかで三島由紀夫『サド侯爵夫人』読了。台詞劇の醍醐味。メッチャ面白かった。三島自身が初版本の跋文に書いているけどコノ女性だけの会話劇はフランス革命と貴族の没落という背景のなかで「貞淑」(サド侯爵夫人)&「法と社会道徳」(母親)&「神」(シミアーヌ夫人)&「肉欲」(サン・フォン夫人)&「無邪気さと無節操」(妹)&「民衆の代表」(召使いシャルロット)という構造が《精密な数学的体系》として進行する。会話の中心はもちろんマルキ・ド・サドの女性に対する狂人的行動(サディズム)を巡って進む。最後の最後に革命で監獄から出てきたサド侯爵が(女性たちの会話のうえで)現れるのだがネタバレを書くと彼はぶくぶくに太っていてどんな価値観を持っている女性にも拒否されるところが面白い。これこそ三島の観念と実態を結び付けた単純な美学なんでしょうね…と考えると彼の老人になる前の「最期」も理解できる気がする。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは本HPの原稿作り。月1回の更新になってもボチボチ暇なときやっておかないとエライコトになりますからね。夜はNHK-BSで京都五山の送り火見物。ゲストに知り合いの娘さんの田畑智子さんが出ていたけど転嫁の直前に稲光と雷と豪雨。通り雨で済んで見事に五山が点火されたのは良かったですね。我が家に招いていた御精霊さんの祖父母も佐吉(犬)とフィガロ(猫)もコレで無事に五山のひとつの上賀茂の船に乗って冥土へ帰ったことでしょう。大文字のときは常に都はるみさんの素晴らしかった上賀茂神社コンサートを思い出しますね。
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『打撃王』 ゲーリー・クーパー主演のルー・ゲーリッグ物語。原題は"the Pride of the Yankees"ラストシーンの引退の挨拶は泣けます。ルースも友情出演してます
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8月17日(水)
朝起きてRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはサウジ・アラビアが女子サッカーに力を入れ2026年女子サッカー・アジア大会を招致しようとしている話題。イスラム教国がこのような変化を見せている一方で日本の高校野球は男女別組織で男子は女子にプラカードを持たせて開会式をしているのが現状。嗚呼。ラジオのあと黒兵衛と散歩をしてイロイロ仕事。昼飯のあとNHK-BSでベーブ・ルースの映画『夢を生きた男〜ザ・ベーブ』をやっていたので見る。封切りのときに信頼できる友人から見る必要ないと言われたので見なかった野球映画。なるほど物語を盛りあげるために史実を曲げているのは少々問題かな。ゲーリー・クーパーがルー・ゲーリッグを演じた『打撃王(the Pride of Yankees)』のほうがはるかに良い出来ですね。
8月17日(水)つづき
夕方某週刊誌記者と共同通信記者から東京オリパラ組織委の高橋治之元理事とAOKIの前会長ら3人が逮捕されたとの情報。共同記者にコメントを伝えるとテレビ朝日『報道ステーション』記者からも電話。インタヴューに来るというので仕事場をチョイと片付けてると1時間後にインタヴュアーとカメラマンと音声&照明さんが来たのでコメント。みなし公務員だから東京地検が賄賂扱いにしたという以上にスポーツというカルチャーで私腹を肥やすことこそ問題と語る。仕事のコメントが一段落したところで若いディレクター相手に少々スポーツの話。みんなスポーツの教育は受けていないからスポーツのことを知らないのでこういう機会は貴重ですね。大越健介キャスターに『ZAIEN』の小林信也さんとの対談のコピー『高校野球甲子園大会を廃止せよ』を渡してくれるよう依頼。NHK時代の大越さんがスポーツ議員連盟の集会で講演されたときに「NHKは問題だらけの甲子園大会の全国中継をやめる気はないのか?」と質問(そのとき同席していた馳浩衆院議員=当時は大拍手で応援してくれた)。すると大越さんは「私がNHK会長になってもやめられない」と答えられた。すべての地方局が地方大会を中継したりしてますからね。まぁ小林さんと小生の甲子園廃止論を読んでみて下さい。高橋治之氏の事件もこーゆー日本のスポーツ界の間違ったあり方が根底にあるのですから…。若いディレクターが「僕も読んでも良いですか?」と言ったので「是非読んで下さい!」と答える。メディア関係の人には全員読んでほしいですね。
8月18日(木)
ベッドのなかで『決定版三島由紀夫全集35』読み進む。様々なエッセイ集。自衛隊論&日本文化論&パリの五月革命から映画演劇バレエ歌舞伎論まで面白い。なかでも『東大を動物園にしろ』は面白かった。《青年は人間の本当の恐ろしさを知らない。そもそも市民の自覚といふのは人間性への恐怖から始まるんだ(略)互いの人間性の恐ろしさを悟り法律やらゴチャゴチャした手続きで互いの手を縛り合ふんでね》ところが《青年は際限なく欲しがる。正義を…完璧な自由を…人間性の十全な解放を…。それを認めたら市民社会が成り立ってゆかなくなる》ナルホド。《僕は権威の破壊には賛成だよ。しかし人間の自尊心や誇りを破壊することは絶対に許せない(略)文化防衛とはさういふことなんだ。自尊心を守るといふことなんだ》《人間性の完全な解放区に東大がなったときどうなるか。こはいことになるんだよ。紙くづだらけはまだしも泥棒強盗強姦殺人獣に立ち返る可能性を人間はいつももってゐる》《初めは論理で叩き合ってゐたのが角材に成り鉄パイプになりドスになり…(略)ピストル…ライフル…核兵器だって使うだらうさ。もし手に入ればね。それがイデオロギーの恐ろしさ。人間性の恐ろしさなんだ》三島は東大紛争の時点で連合赤軍まで見据えていたんですね。そしてプーチンまで?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワーク。途中大阪YTV讀賣テレビの『かんさい情報ネットten.』にZOOM録画出演。五輪の商業化肥大化と高橋元組織委理事の逮捕について解説する。他にいくつか電話取材を受け某自民党国会議員ベテラン秘書からも電話。五輪とカネについて解説。「しかし誰も彼もが小さくなって自分のことしか考えない。統一教会も五輪も自分の利益に利用するだけ。与党も野党も小さいセコい人間ばかりだねえ。もっと野党が強くならなければ…」その通りですね。
8月18日(木)書き忘れ
朝NHK-BSでやっていた音楽家カメラマンの木下晃氏のドキュメンタリーを見た。若い頃はミック・ジャガーやサンタナやピンク・フロイドの写真も撮っておられたのですね。晩年の指揮者やピアニストやヴァイオリニストやオペラ歌手などのモノクロ写真はすべて絶品ですね。晩年に訪れられたスウェーデンのドロットニングホルム宮廷歌劇場を夫婦で訪れられたドキュメンタリーは最高でしたね。パヴァロッティが来日したときインタヴューしている小生の2ショットを撮っていただいた1枚は家宝です。もちろん佐渡裕さんや辻井伸行さんとの2ショットも!久し振りに映像で見た晃さんは懐かしかったですねえ。合掌。
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8月19日(金)
三島由紀夫の戯曲『アラビアン・ナイト』読み始める。三島の戯曲は演者の動きや台詞の細部まで舞台効果を考えられたうえで書かれていて実際に舞台を見ているようで面白いですね。ただこのアラビアン・ナイトは現代では人種問題や諸事情で上演不可能かな?しかしイスラム文化もササン朝の頃はおおらかでイイですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。油?&蜩&熊蝉&?の4重唱が五月蠅い晩夏ですね。蝉の死骸もそこここに転がっていて秋ももうすぐかな。ワン。終日デスクワーク。『スポーツゴジラ』の連載『走』第3回で自動車レースについて書く。それは安全運転の技術を競う競技と小生に教えてくれたのはF1パイロットの中嶋悟さんでした。北海道の小樽にF1の市街地レースを招こうと考えた連中の企画したシンポジウムの席での話でした。小樽は山も海も鮨屋街もあるので絶好の市街地コースが創れるうえにモナコ・マカオ・オタルで三大市街地レースになると企画者は意気込みましたが警察に交通規則の範囲内でやるならイイですよとつれない返事を返されてオジャンになりましたね。そのとき自動車レースは安全運転の見本です…といえば良かったのに…。晩飯は久し振りに『チコちゃん』を見ながら。小学生の夏休みの自由研究が話題に。小生は鉱石ラジオや電子オルガンや五球スーパーラジオを作って同級生から「反則だ」と言われました。家が電器屋で部品は全部揃っていましたからね(^^;)
8月20日(土)
三島由紀夫『アラビアン・ナイト』読了。何やら狐に抓まれたような…というのが正直な読後感。快楽とそのすぐあとに訪れる虚無感の繰り返しだが商業演劇(北大路欣也が主人公のシンドバッドを演じた日生劇場昭和41年初演)のため最期は大団円のハッピーエンド。そして三島自身が雑誌のエッセイでこう書いている。《この初日が開くと私の前には又灰色の仕事が山積みしてゐるのである》ということは作者自身もこのアラビアン・エロチック・ミュージカル劇を享楽的に楽しんでいたようですね。続けて彼の短いエッセイ『鶴田浩二論』を読む。トイレの匂いが客席まで漂うような昭和の場末の映画館の描写が懐かしかった。『総長賭博』や『飛車角と吉良常』を見直したくなりましたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。早朝は秋の虫の音が響くようになったけど陽が昇るとまだ蝉の声。ワン。終日デスクワークは新しい表彰制度の審査員を引き受けてしまったのでその応募作品の下調べ。意外と時間がかかる。晩飯は少々早くTBS『報道特集』を見ながら。旧統一教会と自民党国会議員&地方議員の癒着は単なる票集めでなく政策の共通性で見るべきですね。キイワードは「家庭」ですね。しかし何故日本を馬鹿にするような言動の韓国発祥の宗教に日本の右翼がくっつくのかな?続けてNHK『ブラタモリ』。桜島は豊かな島なんですね。
8月21日(日)
ベッドのなかで三島由紀夫『朱雀家の滅亡』を初めて読み始める。昨晩1・2幕を読了。今朝3・4幕も一気に読了。実に素晴らしい見事な戯曲でした。そもそもこの夏三島を読み始めたのは戦後77年に今一度戦争を考え直したかったから。そしてエッセイをイロイロはさんで『ヒットラー』『サド』『シンドバッド』と読み継ぎこの『朱雀家』に辿り着いたのは小生にとってこの夏最高の成果と言えそうです。ストーリーテラー(小説家)としての才能を遺憾なく発揮した三島はギリシア悲劇のヘラクレスの逸話を朱雀家当主の物語に翻案。田淵(東条)内閣の退陣・ある島(沖縄)への息子の出征と死亡・息子を助けようとした内縁の妻(母親)の空襲による死亡・生き残った(彼と彼女を殺した)朱雀家当主への息子の許嫁の非難…という具合に置き換えられた物語の背後に天皇の存在を据えて「男性性の忠義」と「女性性の愛」を対立させ「日本人の政治の姿」を見事に美しい日本語の台詞で描いた。三島を右翼などと呼ぶのは間違いで…ならばどう呼べば良いのかと言われると「天才」としか呼べないですね。議員になりたいためカルトとつるむ右寄りの政治家や自分の金儲けのために賄賂に手を出すスポーツ関係者のナント小っちゃいことか!ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。少し涼しいけど歩くと汗ばむのはまだ8月だから?ワン。種実デスクワークは今週別の仕事に専念するため火曜〆切の北國新聞連載を書く。普通〆切前にはナカナカ原稿が書けないモノだけどスラスラ書き切れたのはベッドでイイ作品を読んだからかな?晩飯は『ダーウィンが来た!』を見ながら『日曜美術館』の再放送で三宅一生さんが紹介した陶芸家ルーシー・リーさんの作品も良かった。動物たちの恋愛ドキュメンタリーも面白かった。鳥や鰐や縞馬や麒麟の交尾を人間同様の恋愛劇に置き換えるのは間違いかもしれないけど三島の描いた男性性と女性性の相違は動物的(根源的)と言えるかも?
8月22日(月)
三島由紀夫全集35巻に『若きサムラヒのための精神講話』という雑誌連載エッセイがあったので読み始める。面白い。「人生について」「芸術について」「政治について」「勇者とは」「作法とは」「肉体について」「信義とは」「快楽について」「羞恥心について」…などと題された短いエッセイが10本以上並んでいる。《人生といふものは死に身をすり寄せないとそのほんたうの力も人間の生の粘り強さも示すことができないといふ仕組みになってゐる》《言論の自由の名のもとに人々が自分の未熟な馬鹿らしい言論を大声で主張する世の中は自分の言論に対する慎み深さといふものが忘れられた世の中である》出典を調べたら『PocketパンチOh!』の昭和43~44年の連載だった。小生の高校時代。平凡出版(現マガジンハウス)の『週刊平凡パンチ』兄弟月刊誌で週刊誌の半分くらいの大きさの平綴じの月刊誌。通称「ポケパン」は小生も愛読した覚えがある。懐かしいなあ。20歳過ぎて『パンチ』では原稿も書いたなあ。しかし三島由紀夫の連載は知らなかったなあ。カラーグラビアに目を奪われていたからかな?ワン。ベッドから出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークは某学習塾で成功した人物が新たに設けた表彰援助制度の審査員としてネットで送られてきた応募の企画書の審査に専念。個人やグループの文章を丹念に読むのに時間がかかる。今日は『ニューズ・オプエド』はスタジオ引っ越しのため休み。助かった。晩飯は吉本新喜劇を観ながら。最近の吉本は台本が懲りすぎかな?もう少しギャグの連続にすればいいのに…。
8月23日(火)
三島由紀夫『若きサムラヒのための精神講話』読了。小生が彼のことを「天才」だと思うのは社会の仕組みや世間のあり方や人間の心理や男女の心の機微…等々について小生が還暦を過ぎた頃になってやっと気付いた諸々のことに30歳を過ぎた頃に早くも気付いていたということですね。でないとコンナ小説やアンナ戯曲やドンナ随筆も書けませんからね。やっぱり天才で天才の書いた文章を読むのは楽しいですね。コンナ天才でもソンナ馬鹿なことを書くのか…と思えたときも楽しいですからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークはここのところずっと続いている某表彰援助制度の審査。よーやく全ての応募作品に点数をつけ終わる。疲れたけど世の中多くの人々が一所懸命生きてることに出逢えただけでも良かったかな。仕事に疲れたあとはウクライナ情勢のロシアの横暴とか日本政治のまったく情けない宗教癒着に無駄っ腹を立てたくないので晩飯時にニュースを見るのをやめてオペレッタを楽しむ。レハールの『メリー・ウィドウ』の音楽は本当に楽しいですね(このオペレッタはドイツ人作曲のドイツ語なのに何故タイトルだけは英語なのかな?)。フレンチカンカンも何発もの花火もバッチリ出てくるメルビッシュ湖上音楽祭のライブは本当に面白いですね。ドミンゴ指揮コヴェントガーデン歌劇場のヨハン・シュトラウス『こうもり』はゲストにシャルル・アズナヴールとかイロイロ出てきて楽しいですね。オペレッタの馬鹿騒ぎのほうが妙に理屈のあるミュージカルよりもずっとアタマを空っぽにできますね。
8月24日(水)
三島由紀夫『癩王のテラス』を読もうと思って全集25巻を引っ張り出したらナント『トスカ』があった。三島が『トスカ』を書いているとは知らず解説から読むとプッチーニのオペラとは関係なくオペラの原作ヴィクトリアン・サルドゥの戯曲を文学座文芸部に所属していた三島が是非とも杉村春子に演じてもらいたいと思って安堂信也の日本語訳を潤色したものだという。さっそく読み出したらオペラとほとんど変わらない筋書が三島の流麗な日本語で味わえて面白い。そう言えば戯曲『トスカ』はヴィスコンティが映画化した映像が永竹由幸さん編集のDVDブックにあったはず。見直さねば。それにプッチーニの『トスカ』の最も有名なアリア『歌に生き恋に生き』は美空ひばりが歌った映像もあったはず。見直し聴き直さねば。美空ひばりと杉村春子。どこか似てますね。しかし三島と文学座(杉村)はマッチしないな…と一瞬思ったけど…あっ。三島は右翼じゃないのですよね。ワン。ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはバドミントン世界選手権。バドミントンでインターハイに出た経験からネットスポーツのイヤラシサを面白く語る。何しろすべてフェイントで相手の予想しない一番嫌なところばかりへシャトルを打ち合うのですからね。テニスもバレーもネットプレイの競技は試合が終わるとボクシングのような感動的なハグやフットボールのようなジャージーの交換はしませんよね。ボクシングは敵と仲良くなる競技。バドミントンやテニスは試合前に一緒に練習で打ち合った友達と試合のあと仲が悪くなる競技。ただしコレは個人の見解です(>_<)ラジオのあと黒兵衛と散歩。帰宅後再度ZOOMで大阪朝日放送『正義のミカタ』のスタッフと打ち合わせ。土曜日に東京五輪組織委賄賂疑惑問題で出演するので1984年ロス五輪の「商業主義」は税金を1セントも使わず大黒字を諸団体に寄付して正しかったという話を解説。それを電通高橋某などが自分たちの利益にひん曲げたわけですね。原稿の校正やらイロイロ仕事のあと晩飯はNHKの水族館夏休みスペシャルを観ながら。沼津の幼魚水族館は行ってみたいですね。
8月25日(木)
ベッドで睡魔と戦いながら三島由紀夫の『トスカ』を読み続ける。意外と長い。この少々冗長な5幕モノを3幕の緊張感漲るオペラ台本にまとめあげたL・イリーカとG・ジャコーザの仕事はナカナカ見事ですね。原作を読みながらもトスカ&スカルピアの台詞にはマリア・カラス&ティト・ゴッビの顔が浮かぶ。カヴァラドッシは…パヴァロッティやドミンゴではなくやっぱりステファノかな?あっ。フランコ・コレッリという配役もありますね。彼のトスカの舞台の映像は知らないけど日本公演のDVDは見事ですね。女性の観客が男前のテノールにキャアキャア言ってますねぇ。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。三島は子供のころ歌舞伎を見に行ってイチマク・ニマク・サンマク…と言ってお婆さんに叱られたとか。ひとまく・ふたまく・みまく…と言いなさいと。だったら四幕五幕六幕はどう言うのかな?よまく?よんまく?いつまく?いつつまく?むまく?むつまく?むっつまく?…ワカラン。ナニを調べりゃ良いのかな?ワカラン。ワン。終日デスクワーク。連合通信の短い月イチ連載書く。もう138回目か。11年以上続いてますね。継続は力…と言う人は多いけど「力」が何を意味するのかよくわかりません。そう言えば毎朝黒兵衛の散歩のときに「決断と実行」とか「日本を前へ」と書かれた政治ポスターを見ますが「何を決断」し「何を実行」し「前とはどっち」かよくわかりませんよね。国葬が決まった元総理の「長さ」は事実でしょうが長けりゃ良いのかな?「外交の実績」とはアメリカから多くの武器を買ったこと?プーチンと何度も会ったこと?晩飯食って早よ寝よ。トスカの続きを読まねば。トスカがカンタータを歌うシーンに出てくる指揮者はロッシーニより前に『セヴィリヤの理髪師』を作曲したジョヴァンニ・パイジェッロでハイドンのハ長調の交響曲の演奏も指揮するんですね。フランス革命とナポレオンの時代。何だか凄い。
8月26日(金)
ベッドで三島由紀夫の『トスカ』読み続ける。面白く感じるのはオペラを知ってるからでしょうね。まだアレクサンドル・デュマ・フィスの『椿姫』の小説や戯曲のほうが映画化されたりもしてますからヴェルディの『ラ・トラヴィアータ(道に迷った女/オペラのイタリア語原題)』と並んで高く評価されているでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。イロイロ仕事したあと夕方から大船駅へ。品川経由で新幹線で新大阪へ。車中ビールと黒豚弁当で食事しながら『トスカ』読了。三島の流麗な日本語の台詞だから読めたのかな。しかしトスカが嫉妬する相手のアッタヴァンティ侯爵夫人を「莫連女(ばくれんおんな)」と罵っても今では通じないでしょうね。新大阪駅でビールとツマミを買い込んで朝日放送近くのホテルへ。エキナカのコンビニで支払いのときに「現金ですか?」と訊かれたので思わずTOSCAですと答えてしまう。レジの女性がポッカーンとした顔をしたのでハッと気づき慌ててSUICAですと答え直す。女性はSUICAでもICOCAでもTOICAでもSUGOCAでもないTOSCAなんてナンノコッチャワカランかったでしょうね。失礼。明日の朝日放送『正義のミカタ』生出演のため『チコちゃん』見ながらビール呑んだあと大阪泊。ベッドでの読書は永竹由幸『椿姫とは誰か オペラでたどる高級娼婦の文化史』(丸善ブックス)。面白い!
8月27日(土)
朝起きて大阪のホテルのベッドで永竹由幸『椿姫とは誰か オペラでたどる高級娼婦の文化史』読み続ける。メッチャメチャ面白い。売春と娼婦の発生を古代メソポタミア史やアーリア人の出現から書き起こすなんぞ流石は我が師ナガタケさん!古代ギリシアでは子孫を残すための正妻や弟子としての少年愛の他に教養ある女性の魅力をたっぷり持ち合わせた文化的女性の「連れ合い=ヘタイラ」が存在したのですね。《子作り専用の女房と快楽用のヘタイラ》でソクラテスも悪妻で有名なクサンチッペの他に遊女で美女の「ヘタイラ」テオドーラがいたのですね。最高の政治家ペリクレスの「ヘタイラ」であるアスパシアは《遊女のベスト・オヴ・ベスト》だったそうです。そのアスパシアのことを喜劇作家のアリストファネスは《淫乱で公序良俗を乱す売春宿の女将と非難しソクラテス&クセノフォン&プルタコスらはペリクレスの偉業はアスパシアの愛と知恵によって支えられていたと主張して》いたそうです。小生のまったく知らなかった古代ギリシア史です。ベッドから出てシャワーを浴びて朝の散歩を兼ねて15分間ほど歩いてABC朝日放送へ。『教えて!NEWSライブ正義のミカタ』生出演。東京五輪の賄賂疑惑を元東京地検特捜部検事の郷原信郎さんとともに解説。1984年のロス五輪をモデルにすれば税金を使わず五輪開催が可能なに金儲けをしたい人が…と話す。札幌冬季五輪の招致で内幕を全部出せば良いですよね。五輪で金儲けしたい人は反対するでしょうが…。他に岸田内閣の正念場は国葬までの1か月という時事通信客員解説委員の泉浩さんの解説や久し振りにお会いした中村逸郎先生のポスト・プーチンお家騒動の話題などを聞かせていただいて版食い終了(プーチンのブレインのドゥーギンの娘の暗殺は反プーチンの元KGBロシア共和国軍の犯行らしいですね)。五輪疑惑を捜査している東京地検は相当鋭い人物(カルロス・ゴーン事件を指揮した人物)が担当しているらしいけど…大物逮捕に広がるのは難しそう?番組を終えて新幹線で昼食&爆睡&帰鎌。帰宅すると長女が来ていて晩飯は『鮨処もり山』を強請られる(これで「ねだられる」と読むのですね。ナカナカ面白い漢字ですね。
8月28日(日)
永竹由幸『椿姫とは誰か』読み続ける。メッチャ面白い。古代ローマで乱れた性風俗を正すためにキリスト教登場。そのストイシズムのルーツは古代ギリシア犬儒派の哲学。なるほど。キリストの「精霊による生誕」も「人類の身代わりとしての死」も「死からの復活」もすべてユダヤ教やユダヤ文化とは無関係のヘレニズム(ギリシア文化)の踏襲なんですね。ゼウスはダナエに金の雨を降らせて身籠もらせたし…ソクラテスは遵法者として毒杯を仰いだし…死から甦る神話はユダヤにはなくてもギリシアにはオルフェオを初めヘラクレス&ディオニソスなど山ほどありますからね。そうしてストイックな社会になった古代ローマで娼婦はどう活躍するのかな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。終日仕事部屋の片付け。BGMは『椿姫とは誰か』の影響を受けてグルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』久し振りのバロック音楽は心が落ち着きますね。そしてベルリオーズ『キリストの幼時』オラトリオともオペラとも言えないバロック調の宗教音楽。永竹さんの推薦がなければ聴き直さなかったかもしれない音楽だけどナカナカ良いですね。晩飯は『ダーウィンが来た!』でアフリカ象の生態を楽しみながら。そのあとの『日曜美術館』水木しげる特集が面白かった。日本人はかつて妖怪と共に暮らしていたんですね。ギリシア人がオリンポスの神々と共に生きていたように。日本語の「甦る」は「黄泉帰る」で黄泉国から生き返ることだと永竹さんも書いてましたね。バドミントン山口茜強かったですね。しかしバドミントンは視聴率どれくらい取れるのかな?経験者は見ていて面白いけど…。
8月29日(月)
『椿姫とは誰か』読み続ける。ルネサンスで古代アテネのヘタイラ(高級文化的遊女)の文化が復活。しかしペストの流行で消滅。ブルボン王朝の絶対王政で疑似ヘタイラ(愛妾文化)が生まれるがフランス革命で消える。いやはやこんなに面白いヨーロッパ史の解説は初めて読んだ。面白い世界史で目からウロコを落とした本は岡田英弘『世界史の誕生─モンゴルの発展と伝統』(ちくま文庫)と木村凌二『教養としての世界史の読み方』(PHP)以来かな。《アーリア人は独裁政治形態をとると必ず民族的な大失敗をするという歴史的教訓を持っていました》《アーリア人が絶対王朝をやるとどんなにうまくやっても二百年も持ちません。中国なんて古代から現代に至るまで絶対王朝的な支配体制で五千年もやっています。アメリカがいくら民主化なんて言ったってそりゃ無理なんですよ》ナルホド。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋の到来は颱風のせいかな?いろいろデスクワークの後夕方から『ニューズ・オプエド』。今日のゲストはスポーツライターの小林信也さんと成城大学の山本敦久教授。スワローズ村上の活躍を絶賛したり森元総理の胸像を批判したり1周年を迎えた東京パラリンピックを評価したあと高校野球甲子園大会大批判特集小林さんは「熱い」というキイワードですべてを批判。熱い(暑い)季候/スマホを使わせない監督の熱血指導/メディアの熱狂的な熱い実況と応援…。山本さんは優勝旗が白河ノ関を超えたことを絶賛したメディアを批判。そう言えば二・二六事件の青年将校たちも東北地方の貧困を蹶起の理由の一つにしていましたね。限られた時間では高校野球批判は話しきれず(甲子園での女性差別も話せなかった)来春高校野球批判の単行本を出すことを約束して番組終了。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。スピーディな同じギャグの繰り返しは吉本の魅力ですね。今日の舞台は久し振りに面白かった。やっぱり芝居のキイポイントは台本ですね。
8月30日(火)
永竹由幸『椿姫とは誰か オペラでたどる高級娼婦の文化史』(丸善ブックス)読了。最高に面白い本でしたね。フランスの「裏社交界」である「ドゥミ・モンド」(花柳界に似てる?)で活躍する高級娼婦「クルティザンヌ」の誕生を古代ギリシアからルネサンスそしてフランス革命の歴史のなかで捉えるなんて凄いですね。おまけにヴェルディ・オペラの真髄の解説にも大納得。『椿姫(ラ・トラヴィアータ)』のヴィオレッタは《(アルフレード)との純愛に生きようか(クルティザンヌとして)快楽に生きようかなんてウジウジ迷わない》純愛で心がときめくときはときめき快楽に生きると決めたときは快楽を謳歌する。心理的迷いはオペラに不向きで原作は単純なほど良いのですね。または原作を単純にしてオペラ台本にして音楽をつける。《ヴェルディは「to be or not to be」の音楽は書けないと言って「ハムレット」のオペラ化を断念》したとか。だからこそヴェルディのオペラは《ストレートで音楽に迫力があるのですね》ナルホド。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。小さい秋どころか秋たけなわに思えるほどの涼しさ。まぁこのまま真生の秋に突入することはないでしょうね。残暑復活警。。終日雑務。請求書書いたりHPの原稿をまとめたり…。晩飯はスワローズvsジャイアンツの試合を見ながら。村上は日本記録がならなかったけどバットスイング見るだけで楽しいですね。2000年2月2日生まれの22歳。2が並びますけど今や球界ナンバーワンのスラッガーですね。
8月31日(水)
永竹由幸『オペラと歌舞伎』再読始める。第二次大戦はオペラ(歌舞伎)を持つ国(イタリア&ドイツ&日本)対オペラを持たない国(アメリカ&etc)と半分しか持たない国(イギリス&フランス&ロシア)の戦いだったというのは著者の最高のギャグですね。魅力のありすぎるオペラ(歌舞伎)に熱を上げると植民地支配に熱心になれず遅れて植民地争奪戦に加わってしまったというわけですね。流石は築地生まれで歌舞伎座の託児所で育った江戸っ子でボローニャ大学に留学してイタリア人女性と結婚した著者の言い分ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛との散歩は後回し。RKB毎日放送『田畑竜介GroooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。話題はスワローズ村上選手の三冠王。過去に小差の打率差でルーキー三冠王を逃した長嶋茂雄さんや2度の1打点差と打率4厘差と5毛差で4度も三冠王を逃した中西太さんの話など…。関係ないですが小生は御両人のサインを持っています。エッヘン。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。涼しさも嵐の前の静けさか猛暑復活エエ加減にせい。終日デスクワーク。そう言えば1938年秋のシーズンに日本のプロ野球で最初に三冠王となった中島治康さんが三冠王と認定されたのは1965年。野村克也さんが三冠王を獲得したときだったと記録の神様宇佐美哲也さんに教わりました。戦前は本塁打の記録など残っておらず表彰も打撃王(首位打者)しかなかったのですね。だから野村さんが三冠王になりかかったときに改めて日本で最初の記録なのかどうか戦前の記録を調べ直してわかったそうです。メジャーの1909年のタイ・カッブの三冠王(3割7分7厘9本塁打107打点)も同様らしいですね。昔(ベーブ・ルースが出現するまで)は本塁打なんて評価されてなかったのですね。晩飯は今日もジャイアンツとスワローズの試合を見ながら。今日も延長戦。ニュースにチャンネルを回した隙に放送が終わってしまう。かつての大統領セオドア・ルーズベルトが言ったように野球で一番面白いのは8対7の試合でそれに近い一戦だったけどルーズベルトの言葉はもっと試合時間が短かったと言葉言葉でしょうね。
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