ナンヤラカンヤラ
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2003年 11月12月

1月1日(木)元旦
あけました。おめでとうございます。朝佐吉と散歩。青空を背景に富士山が綺麗。その姿だけで正月を主張しとる。足腰が痛い。とほほ。まだ年賀状が書けん。どぼぼ。

1月1日(木)元旦つづき
年賀状が間に合わんかったので仕方なく仕事。『ロマン派の交響曲』の年表作り。元旦から仕事をするのも悪くない。その後『草枕』一行一行熟読して読了。年始にこういうのも悪くない。十何回目かの読破でも山ほどの新しい発見に満足。そうか。天皇杯もガンバか。レイソル応援してたけど実力の差が出たな。大晦日から仕事仲間と初詣に行っていた長女が夕方帰宅。続けて長男もやってくる。ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートを見てると長男がコッチャのほうがオモロイでと言ってベラ・フレックのニューアルバムを聴かせる。なんとクリスマス・ソング・アルバム。それがモンゴル歌手のホーミーによる『ジングルベル』があったりバッハの『クリスマス・オラトリオ』をフレックのバンジョーとヴィクター・ウッテンのエレベでやったり…のもうハチャメチャにオモロイ一枚。クリスマス・ソングでこれまでに聴いた中で最高。おかげでウィーン・フィルは録画再生。バレンボイムの指揮はまぁ堂々たる演奏ではありましたが面白味には欠けましたな。その後酒飲みながらNHK-hiで『闘う三味線』。太棹の鶴沢清治と義太夫の竹本住太夫の会話に感激。「音曲は合わせようとしたらあきまへん。合わすんやなく掛け合うんでもなくどっちゃもが立たんとアキマヘン」「まだ60ですがな。これからですがな」見事な闘いの演奏に長男と二人で感激。エエ正月ですな。

1月2日(金)
正月やな。ボケーッとしょう。朝から箱根駅伝か。単なる東日本の大学選手権。有名大学の権威主義と中央集権を助長して有望な長距離ランナーを潰しTVの視聴率稼ぐだけのイベント。しかし他の番組もオモロないな。映画でも見るかと思たら次女がBF連れて来宅。これで一家勢揃い。パリから帰宅中の隣家のお嬢さんも加わって大パーティ。その後は年に一度の麻雀大会。満貫とハネ満で軽くトップ。わっはっはっは。遊ぶのは疲れる。早よ仕事したい。

1月3日(土)
朝NHKでやってたイギリス女性の「奇蹟のガーデニング」の番組が秀逸。なるほど庭作りも奥が深い。ベス・チャトーという婆さんの名前は憶えとこ。午後から次女とBFと鎌倉鶴岡八幡宮へ。鬼の反吐。人だらけ。お札を返すだけなんで裏側から入ろうとするとガードマンに止められる。周囲にも何人か同様の人がいて目の前のお札返却所まで入れてくれと主張したけど堅物のガードマンは頑として聞く耳なし。仕方ないのでホナ返しといてくれるかと言うとハイと頷く。ガードマンにお札預けて鳥居の外から拝んで初詣終了。鎌倉彫の耳かき1本(980円)買うてワイン買いこんで帰宅すると長男のGFが来宅。2日連続大パーティ。麻雀半荘で疲れて寝る。早よ仕事がしたい。アカン。年賀状がでけへん。来年からは印刷屋に頼まなあかんかな。

1月4日(日)
アカン。年賀状がでけん。でけても仕事始めで宛名を書く暇がなくなった。この場を借りて賀状を送るべき皆々様方にお詫びを申しあげるとともに新年の御挨拶をさせていただきます。明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申しあげます。

BOOK
いしいしんじ『四とそれ以上の国』(文藝春秋)
いしいしんじ『四とそれ以上の国』(文藝春秋)
筒井康隆『敵』(新潮文庫)
筒井康隆『敵』(新潮文庫)

1月4日(日)つづき
新年の日曜日から仕事。『ロマン派の交響曲』の年表作りをしてたらベートーヴェンとコーヒーの関係について筒井康隆大先生が書いていたことを思い出し本をひっくり返すと『敵』のなかに出てた。貧乏したベートーヴェンはコーヒー豆を43粒数えて碾いたとか。ホンマかいな。しかしこの小説も面白いんやね。と思いながら再読し始める。アカンアカン。仕事にならへん。それに小説はいしいしんじさんの『四とそれ以上の国』を読んでるところやし。この本もまた面白いんやね。子供の幻想はリアリズムなんやね。アカンアカン。仕事にならん。集中集中。ふううっ。疲れた。夜BS日テレで『落語家の勧進帳』見る。林家正蔵は弁慶顔。芝居はイマイチ。シャーナイわな。役者と違うねんから。しかし桂米團治の富樫は見事。役者になったほうがエエのん違うか。続けてNHKスペシャルで『桂離宮』。凄い!月明かりの離宮の魅力を堪能。行ってみとなった。

1月5日(月)
朝久しぶりに佐吉と散歩。これまではゴロゴロ朝寝しとるガキどもを起こして行かしたもんな。朝風呂入って『四とそれ以上の国』読んでたら知らんうちに1時間経過。体にエエのんか悪いのんかわからん。昼前から文化放送『ソコ大事ナトコ』のスタッフが来宅。レポーターの唐橋ユミさんのインタヴューを受ける。なんでこないなベッピンさんが魁皇のファンやねん。と思いながらも相撲好きのユミさんと相撲談議。美人レポーターばかり相手にする昨今のスポーツ選手の気持ちがチョットわかる。午後からサァ仕事。部屋が片付いてると集中力を欠くなぁ。何?新年早々『213』が開いてる?ホナ生ビール飲みに行こ。美人レポーターも誘たげたらよかったなぁ。

DVD
『あなただけ今晩は』
『あなただけ今晩は』

1月6日(火)
俺は一点集中主義やな。『ロマン派の交響曲』(講談社現代新書で近々発売予定)の仕事しだしたら他のことが何も出来んようなる。他の仕事どころか風呂も入りとない歯磨きもしとない佐吉の散歩も行きとない。シューベルトとベルリオーズとメンデルスゾーンとシューマンとショパンとブラームスとチャイコフスキーのことで頭がいっぱい。せっかく年末に部屋を片付けたのにアッというまに資料の山でグチャグチャになる。シャーナイな。ふう。疲れた。久しぶりにバンメシ映画劇場。『アパートの鍵貸します』のトリオでビリー・ワイルダー監督シャーリー・マクレーンとジャック・レモンの『あなただけ今晩は』。脚本も色彩もセンスがエエなぁ。ハリウッドでもパリのエスプリが出せるのは見事やな。楽しかった。

1月7日(水)
朝新幹線で大阪へ。MBSで高校ラグビーの決勝を観戦。今週土曜の『知っとこ!』VTR撮りのあと『ちちんぷいぷい』生出演。若い女性が犬と暮らしたいやって?ほなウチの佐吉をプレゼントするで。番組終了後「関東煮」ならぬ「関西煮」の店でおでんをつついて新幹線で帰鎌。そのとき新大阪駅で岡ちゃんとバッタリ。うわあ。久しぶりやなあ。御無沙汰やねえ。カタール戦サイコーやったやん。もう決まりやん。いやいや。まだまだわからんで。2位でもええやん。本番の準備したらエエ。いやいや。バーレーンを侮れへん。足下掬われんようにしな…等々ホームでいろいろ話す。帰宅したら義母が義姉夫妻に連れられて来宅。二人目の孫が出産寸前とかで我が家でしばらく要介護の義母をあずかることになる。経験としては悪くなくウチのガキどもにとっても素晴らしいことやけど俺はナンニモでけんなぁ。理屈ばっかり言うだけの自分に少々自己嫌悪。まぁオモロイ話でもして笑わしたげよ。

1月8日(木)
朝から晩まで『ロマン派の交響曲』の年表作り。ようやく完成。気づけば午前0時をまわる。婆さんが家にいると仕事に集中して捗るのは俺が逃げてるだけのことかな…と複雑な思い。この「思い」という言葉を他の言葉に置き換えなアカンのやけど言葉が浮かばん。「思い」という言葉はそういうコンプレックスの絡まった心理の糸が解けへんときだけに初めて使われるべきで易々と使うべきではないのだ。さんざん七転八倒したうえで「これでいいのだ!」と言うほかないときのみ「これでいいのだ!」という赤塚語も「思い」も使っていいのだ!なのに最近のメディアでは「思い」の乱発で…。ねぇヨースケさん。

BOOK
福井憲彦『興亡の世界史13近代ヨーロッパの覇権』(講談社)
福井憲彦『興亡の世界史13近代ヨーロッパの覇権』(講談社)

1月9日(金)
朝佐吉と散歩。モクモクと仕事。仕事をすると健康に良くないのは煙草の本数が増えるからではない。座りっぱなしが良くない。しかし小説を書くよりはマシ。資料をあちこちから引っ張り出しテーマを組み立てるのはマダ簡単。そのうえ人間や社会や人生について考えるとなると体が痛む。いしいしんじさんも「小説創作は身体に良くない」というてはった。福井憲彦『興亡の世界史13近代ヨーロッパの覇権』手に入れる。パラパラ読み出すとオモロウて止まらへん。ちょうど今テーマにしてるローマン派の作曲家の時代と重なる。そうか。男は武器を手に覇権を争い女も強なって芸術家は自殺未遂を繰り返すという構図か。世の中給付金でもめてるとか。所詮カネの話や。くだらん。

BOOK
ジョアン・シェフ・バーンスタイン『芸術の売り方〜劇場を満員にするマーケティング』(英治出版)
ジョアン・シェフ・バーンスタイン『芸術の売り方〜劇場を満員にするマーケティング』(英治出版)
DVD
『祇園の姉妹』
『祇園の姉妹』

1月10日(土)
朝甥っ子のヨメハンが第2子出産。女の子。我が家の義姉が飛んで行く。義母にとっては3人目の曾孫。義母をピラミッドの頂点に家族の数を数えてみると合計14人。少子化も考えようによっては悪ないけど家族の数を数えられるのも悪くない。嫁方で付き合いはあんまりないけど。医者の定期検診受けて無駄話して薬もろて本屋へ。山田真一『エル・システマ〜南米で貧困を救うベネズエラの社会政策』(教育評論社)とジョアン・シェフ・バーンスタイン『芸術の売り方』購入。読み出したらどっちもオモロイ。しかしナルホド芸術(主に音楽)にもマーケティングの導入は必要やろけどベネズエラの音楽教育のほうが俺は好きやな。本は何冊でも並行して読めるのにナンデ仕事は並行してでけんのやろ。義母が在宅なので晩飯映画劇場はしばらく閉館。久しぶりに晩飯前映画劇場。『祇園の姉妹』1936年の社会派作品やのにサスガは溝口健二。ジェットコースター・ムービーの意味をご存じ。モノクロの映像も構図も脚本も祇園言葉も見事。映画はタイムマシンでもあるんやな。これが二・二六と満州事変の時の作品なんや。マイッタ。

CD
『熊本マリ・モンポウ・ベスト』
『熊本マリ・モンポウ・ベスト』
『マツケンサンバ』
『マツケンサンバ』

1月11日(日)
朝綺麗な富士山見ながら佐吉と散歩のあと今度一緒に仕事をさせてもらうかもしれんピアニストの熊本マリさんの本『人生を幸福にしてくれるピアノの話』(講談社)読了。1時間足らずで読めるタレント本仕様やけど中味はケッコウ濃い。ショパンのピアノ弾いたりグールド直撃したり。凄いで。近々始まる首都圏巡回コンサート『熊本マリShall We Dance?』の音源聴いてたら突然『マツケンサンバ』が響いてビックリ。彼女がピアノでやるらしいけどまだ音源がないのでオリジナルが入ってた。俺この曲のバカバカしさが大好きやねんけど阿呆みたいに天気のエエ日曜の朝から♪叩けボ〜ンゴ響けサ〜ンバお〜れ〜お〜れ〜はマイッタ。踊り出しそうな自分が怖い(笑)。

1月11日(日)つづき
仕事が進まん。やらなアカンことがいっぱいあって収拾がつかん感じやな。こういうときは休むに限る。朝青龍は最期まで横綱の意味がワカットランみたいやな。勝てばエエのんやろとしか思とらん横綱が形振りかまわず勝って勝ったから文句ないやろという顔は見とうない。悲しいこっちゃで。夜晩飯のときに義母に服部良一全集のCDを聴かせると『青い山脈』『湖畔の宿』『銀座カンカン娘』などをソラで歌う。さすがやね。義母が寝たあと義姉や馬鹿娘と酒。阿呆娘はチョット飲みすぎやな。誰の子や?(笑)

1月12日(月)
天下の悪法で成人の日は移動しても小正月は15日でええのんかな。朝佐吉と散歩。夕方も佐吉と散歩。その間原稿書き&読書。こういう平穏な日常が1か月くらい続かへんもんかいな。日馬富士はがんばってほしいな。朝青龍強いやん。

1月13日(火)
朝佐吉と散歩。昼いろいろ仕事。夕方大相撲TV観戦。日馬富士可哀想やで。がんばってほしいな。昨日こういう繰り返しが…と言うた舌の根も乾かんうちにちょいと日常の繰り返しに飽きたので本屋に寄って『鮨処もり山』へ。正月料理の出前の飯台を返すだけのつもりがちょっと座ってビールとツマミもろたら隣席のC病院のU病院長さんが一緒にいやはったニューオリンズ帰りの外科の大先生を紹介してくれてボートの話からシュガーボウルの話からNBAやMLBの話からさらにテバルディやフィッシャー=ディースカウやハンス・ホッターの歌やらミケランジェリのピアノやらをナマで聴いたちゅう話やら大盛りあがりになってしもて家で義母が寿司の土産を待ってるのに帰りが遅なってしまう。しっかしオモロイ話の連続でした。そうか。ニューオリンズはいっぺん行かなアカンなぁ。

DVD
『祇園囃子』
『祇園囃子』

1月14日(水)
これまで『タマキのオススメ』というタイトルで続けてきた右欄のDVDやCDや本の紹介を本日の更新から『ナンデモカンデモ』という名前に変えました。そこで『タマキのオススメごちゃまぜ総集編』も『タマキのナンデモカンデモごちゃまぜ総集編』と変わってます。別にたいした意味はないのですがこれまで以上にさらにケッタイナオモロイもんを紹介できる気がしてます。

1月14日(水)つづき
朝佐吉と散歩。昼いろいろ仕事。夕方大相撲TV観戦。要介護の義母と暮らし始めて1週間。右半身も言葉も不自由ながらしっかりしてます。日馬富士完敗の場面を一緒に見て「思たようにはならんもんやな」娘の帰宅が遅いのを俺が注意すると「あんたらも若いときはヨウ遊んではったやん」味がある…と言うのは失礼ながら老人はやはり素晴らしい存在でシュニトケのオペラ「愚者との生活」を思い出す。「愚者」とはもちろん「聖人」のことです。ちょいと早い晩飯のあと義母も一緒に映画鑑賞。溝口健二の『祇園囃子』。浪速千栄子が完璧の演技。デビューしたての若尾文子も素晴らしい。もちろん宮川一夫の映像も完璧。ちょっと昔の御近所の話に納得。誰もが知ってる人のようで俺にはリアルすぎる映画。さすが溝口やな。

DVD
『DVD決定盤オペラ名作鑑賞シリーズ8蝶々夫人』
『DVD決定盤オペラ名作鑑賞シリーズ8蝶々夫人』

1月15日(木)
朝佐吉と散歩。昼あれこれ仕事。昼飯時に世界文化社のオペラシリーズDVD本でプッチーニの『蝶々夫人』をチョイト見る。映画版。主演は八千草薫。素晴らしい!田中路子がスズキの役で寿美花代さん淀かほるさん鳳八千代さんなんかが芸者ガールで当時(昭和30年)の宝塚スター総出演。昔NHKの放送をビデオにとって何度も見たけどホンマに素晴らしいオペラ映画。日伊合作で日本の描き方も完璧。この素晴らしい映画がDVD化されたのはブワンザーイ!と叫びたくなるほどの快挙。このシリーズの第1巻のソフィア・ローレン主演のオペラ映画『アイーダ』もオモロかったけどコッチのほうが上。ただコノ映画のことを元宝塚の大女優さんに訊いてちょっと気を悪くされ驚いたことがあった。そのときの強烈な会話はマダチョットここに書くわけにはいきませんが(昔の?)宝塚の女優さんたちの間の嫉妬心はモノ凄いなぁ怖いなぁとつくづく思ったものでありました。夕方から東京へ。恵比寿の『うまいぞお』で酒呑み飯食いしながら金聖響さんと『ロマン派の交響曲』最終打合せ。4月から聖響さんが常任指揮者に就任する神奈川フィルの話も。楽しく美味しい酒でした。「聖響+神奈フィル」に大暴れしてほしいなぁ。大船まで帰って『213』のバーテンのクロちゃんから借りてた『のだめカンタービレ』の漫画本を返却。20巻くらい持って歩くのは重かったでぇ。人のカクテル1杯飲んで帰宅。

1月16日(金)
朝佐吉と散歩。昼まで仕事。こういう短い時間の使い方が下手で郵便物や資料の整理をしてるとすぐ時間が経って原稿が書けん。単行本の仕事をするときの課題やな。午後から渋谷へ。NHK関東甲信越地方番組審議委員会出席。いつもいろんな意見を聞けて面白いけど時間に余裕があってフリートークのほうがさらにオモロイもんやな。そうか。ETVは誕生50年か。ETVで通じるかな?教育テレビというよりはETVのほうがカッコエエ。昔放送されたものをリクエストで再放送してくれるらしいけどイタリア・オペラのバスティアニーニのルーナ伯爵(トロヴァトーレ)とか先代尾上松緑の『勧進帳』とかやってくれへんかな。ハイヤーで東京へ。エキナカ中華屋でジャージャー麺と餃子食うて新幹線で名古屋へ。名古屋泊。名古屋で誰か誘てメシ食うたほうがよかったな。

1月17日(土)
朝東海TV『スーパーサタデー』生出演。ハドソン川の奇蹟か。昨日の晩の某ニュース番組でパニクらへんかったアメリカ人をえらく誉めてたけど阪神淡路の大震災でパニクらへんかった日本人も負けてへんと思うけどな。アメリカ人ばっかりがエライわけやないで。ゲストに立浪選手。最後の年らしい。早よ若うて爽やかな人に監督やってほしいな。番組終了後岐阜へ。岐阜の医師会と体協主催の『第18回健康づくりスポーツフォーラム』で講演。スポーツとは何かということについて話す。あ。しもた。メタボの話にちょっと触れたとき俺は血液検査はコレステロール値も血糖値も中性脂肪もGPTもγGTPも全てOKというの話し忘れた。ま。ええか。俺の外見でソレを言うと嫌味に聞こえるもんな。気持ちよく話させて頂いて新幹線で来鎌。義母が「何処行ってはったん?」「チョット名古屋と岐阜まで」「そうか。おきばりやしてんのやな」「きばってまっせえ」「そうか。ほんで何処行ってはったん?」「チョット名古屋まで」「そうか。仕事か?」「エエ」「きばってはりまんなぁ」「ええ」「ほんで何処行ってはったん?」「チョット岐阜まで」「そうか。身体気ぃつけてや」ありがたいお言葉です。映画は見られんようなったけど義母との食事は楽しい。ちょっと疲れて寝る。

1月18日(日)
朝佐吉と散歩後コツコツと仕事。これを書いているのは実は水曜日の夕方で前日(火曜日)に凄いコンサートがあったのでコノ日に何をしたのかさっぱり忘れてしもた。多分コツコツと仕事したのんやろ。それが一番大事なことやから。あっ思い出した。バカ息子が帰ってきて阿呆娘と一緒に飲んでしもたんやった。義母に「よう飲まはりますな」といわれながら(笑)。義母のおかげでガキどもがチョイト礼儀正しく優しくなっているのが悪くない。やっぱり家族というのは爺婆父母子供3世代必要なんやな。

1月19日(月)
義母が家にいるので女房が外出できず午前中に銀行の振り込み。久しぶりに銀行に足を運んで平日の町の老人の多さに改めて仰天。家族と住んではったらエエのんやけど。あかん。それ以外のことが思い出せん。とほほ。と思てたら思い出した!スポーツ博物館の前主幹やった三上孝道さんが亡くなられた連絡をもろたんやった。それでショックでチョットぼうっとしてしもた。ジャーナリスト塾を国立競技場の会議室で開催したときはお世話になったのに…。昨秋見舞いに行ったときはお元気やったのに…。合掌。

CD
『か・れ・は』
『か・れ・は』
『しゅしゅ’sジャズ』
『しゅしゅ’sジャズ』
『ピアニスツ』
『ピアニスツ』
『スーパーライヴ』
『スーパーライヴ』
『山下洋輔組曲』
『山下洋輔組曲』
『ミレニアム』
『ミレニアム』
『クラシカ』
『クラシカ』
赤塚不二雄と全日本満足問題研究会『ライヴ・イン・ハトヤ』
赤塚不二雄と全日本満足問題研究会『ライヴ・イン・ハトヤ』

1月20日(火)
朝佐吉と散歩後横浜へ。熊本マリさんのコンサートの打合せ。俺は喋られる内容にアドバイスするだけやけど楽しいもんにしてほしいな。ラテンやもんな。その後新宿の喫茶店へ。『論スポ』対談vs金子達仁。彼と話すのは楽しい。早よスポーツジャーナリスト塾を一緒にやりたいな。けど他の仕事との調整が…。対談の終了間際に友人のK君が現れて一緒にオペラシティへ。11年目の山下洋輔ニューイヤーコンサート!オモロカッタ!凄かった!茂木大輔さんが指揮に作曲にオーボエに大活躍!おまけに終了後のパーティで俺と金聖響さんの『ベートーヴェンの交響曲』(講談社現代新書)を絶賛してくれはった。何しろ最後に演奏されたのが『交響詩ダンシング・ヴァニティ』もちろん筒井康隆大先生の小説の音楽化!おまけに俺がパンフレットに書いた『のだめのためのだめな舞踏虚無序曲(ダンシング・ヴァニティ・オヴァチュア)』を筒井大先生が「俺のパロディ面白かったよ」と言うてくれはった。それ以上に驚いたのがこの小説のS社の担当編集者が大学で同じクラスのS君やったこと。なんとマァ!S君とは以前別冊Sに甲子園の原稿を書かせてくれて以来25年ぶりくらいの再会。エエ仕事してるなぁ。俺の書いたパロディも「小説をよく読み込んでるよね」と相変わらずの落ち着いた口調でほめてくれた。交響詩の挾間美帆の編曲も素晴らしかった。筒井大先生も「天才だな」と言うてはった。パーティで美帆ちゃんから「原稿に書かれた野溜子(のだめこ)はあたしのことでしょ?」と言われてハッハッハッと誤魔化したのは「はい」と即答したら6弦ベース弾いてた路上音楽家がウチの阿呆餓鬼になるかもしれんしな。まぁそんなもんやけど…ナンノコッチャワカラン方は次回更新のとき「蔵出しコラム音楽編」にアップする原稿をお読みください。それにサクソフォンの平野公祟さんもパーカッションの植松透さんもサイコー。久しぶりに会ってさんざんばかっ話。さらにさらに「コロス」で登場した女性アカペラ・グループのXUXU(シュシュ)がまたサイコー!知らんかったけどCDが欲しなった。そして洋輔さん!凄いですねえ。小説の純粋音楽化!おまけに湘南シーレックス時代に始球式に呼んだK君のことを憶えてはってその試合内容(捕手が相川で一塁が二軍落ちしてた駒田やったこと)まで憶えてはった。K君も大喜び。村松友視さんや林英哲さんも来てはって仰山の人とさんざん喋って飲んで全然食わんかったので大船へ帰って『213』で食事。帰宅したらオバマ新大統領が演説しとった。けど明日朝早いので寝る。凄い一日やったでぇ。

1月21日(水)
朝7時前に起きてラジオ2本。さすがにシンドイ。けどガンバって佐吉と散歩。そこいらじゅうでやってるニュースでオバマの演説チェック。そうや。今の経済の混乱はウォール街の「強欲ども」がやったんや。皆が思てることをよう言うてくれはった。イラクはイラク人にまかせるのか。ブッシュとネオコンはどんな気持ちで聞いたのかな。アメリカ人の面に小便なんかな。Next Revolution(次の回転)があると思とるんかな。これからはAn New Era of Responsibilityか。なるほど。演説はサスガに巧いな。昔ケネディの演説は歌になって日本でもLPが発売された。そやからAsk not what your country can do for you. Ask what you can do for your country.なんて言葉をまだ憶えてる。メロディ(3拍子のワルツ)にのせて歌いもできる。そういやWhy do we go to the moon?なんて演説もあった。Not because it is easy,but because it is hard.やもんな。それで通じた昔はエエ時代やったな。オバマの演説を歌にするならラップかな。ワルツではないな。音楽もゆっくりでけん世の中になったもんやな。そうか。朝青龍はトッタリで琴欧洲を振りまわしたか。見苦しい取り口やな。優勝しても両腕を上に上げるような真似だけはせんでほしいな。

1月22日(木)
朝佐吉と散歩のあと六本木の三枝事務所へ。『忠臣蔵』打合せ。上演まで1年ちょっとになって構成が最初の俺のアイデアに戻る。ほらぁ。コレが一番やと前々から言うてましたやん。タイトル決まる。オペラ忠臣蔵『外伝・討ち入り心中』。コンセプトも歌手の動きもほぼ固まった。あとは日比野さんの“カーテン”(舞台装置)に暴れてもらお。打合せのあとディスクショップに寄ってXUXU(しゅしゅ)のCD2枚購入。DVDのコーナーを見たら『靖国』があったのでコレも購入。いつ見られるかな。その後角川編集者のSサンと打合せ。何か知らんけど編集者はSばっかやな(笑)。R・ホワイティングさんの『和を持って日本となす』増補改訂版のための原稿を受け取る。そやねん。この翻訳もやらなあかんねん。仕事イッパイやな。ありがたいこってす。帰りに女房からメール。その「極秘指令」に従ってトイレクイックルとアルコールタオル詰替用とルッコラ3袋買うて帰る。たまにはこういうこともやりまんねん。

BOOK
『ニッポンはどうすれば勝てるのか?』(アスペクト社)
『ニッポンはどうすれば勝てるのか?』(アスペクト社)
CD
『ラヴ・レター・フロム・モーリン・オハラ』
『ラヴ・レター・フロム・モーリン・オハラ』

1月23日(金)
朝佐吉と散歩のあと部屋にこもって仕事。昨日ディスクショップで買うたモーリン・オハラのCDを聴きながらなんやらかんやら仕事。親父がモーリン・オハラの『ノートルダムのセムシ男』に感激した話を俺が子供のときに さんざんしてた上に近所に小原はんという同業の電器屋はんがあって「モーリン・オハラはあの家の隠し子やで」などという冗談を聞かされてた記憶のあるところにモーリン・オハラのCDを見つけてソノ強烈なオールド・ファッションド・セクシィ・レイディのジャケットに驚いて買ってしまった。けど歌も巧いやん。You'd be so nice to come home toなんて巧いやん。義母が「なんやねんコノ歌」「昔流行った歌ですねん」「そうか。昔流行ったんか」「そうですねん」「ほんでナンヤネンこの歌」「昔流行った歌ですねん」「そうか。ほんで…」筒井大先生のコピペ小説みたいやな。あれはリアリズムやで。

1月24日(土)
朝上大岡の葬儀場へ。国立競技場でのスポーツ・ジャーナリスト塾でお世話になった三上孝道さんの葬儀。送る言葉を話させていただく。粋で鯔背でダンディな人やった。年齢のワカラン人やったんで確認するとエエエッ!?57歳やってぇ!!俺の1歳上だけやん!マイッタ。同席した『論スポ』の編集長も編集者も大仰天。誰もが70近いのか少なくとも60歳以上やと思てたのに…(失礼)。それくらい貫禄あったのに…。猪谷千春さんと同じくらいやと思てたのに…。二重三重にショック。博覧強記の人やった。一つの図書館がなくなった。合掌。新幹線に乗って名古屋へ。中日文化センターでオペラ講座。ドイツ文学とオペラということでトーマス・マンの『ヴェニスに死す』(ブリテン作曲)ブレヒトの『三文オペラ』(ワイル作曲)グリム兄弟の『ヘンゼルとグレーテル』(フンパーディング作曲)をとりあげる。どれも面白い。来年3月オレの演出の『忠臣蔵外伝討ち入り心中』の鑑賞ツアーをやったら来てくれますか?と訊くとほとんど全員の人が手をあげてくれた。ありがたいこってす。

CD
ウテ・レンパー『マック・ザ・ナイフ』
ウテ・レンパー『マック・ザ・ナイフ』
DVD
『ヴェニスに死す』
『ヴェニスに死す』
『ヴェニスに死す』
『ヴェニスに死す』
『ヘンゼルとグレーテル』
『ヘンゼルとグレーテル』

1月25日(日)
日曜やから朝寝。ヨメハンが「あんた『題名のない音楽会』に出てまっせ」と起こしに来てくれて起きたけどまともに見ずに朝風呂。自分の出てるテレビを見るのはテレますもんな。風呂に浸かりながらやっと『興亡の世界史13近代ヨーロッパの覇権』読了。現代の国際社会の問題点は全部19世紀にあったことなんやな。最近本読むスピードが遅い。映画も見とらん。義母がいるせいもあるけど義母の話のほうが濃いもんな。エエ天気やのに部屋にこもって仕事。白鵬が本割りで勝利。けど決定戦では朝青龍。星を買えたない立場なのに見事。しかしプロレスラーのように両腕をあげる仕種を親方衆は注意せなアカンで。君が代歌うときに胸に手を当てるのもオカシイ。ブラジル帰りのカズがやり始めてから真似るサッカー選手が増えましたけどね。何が「日本的」なのかワカランような世の中になってきた。しかしマァ大相撲の表彰式の音楽もヘンデルなんやから「日本的」なるものは消えていくのんかな。それにしてもアソウは不様。「内閣総理大臣朝青龍」はないで。あ。そうか。「賞」か「杯」の漢字が読めんかったんやな。

1月26日(月)
そうか。テレビは掌返して朝青龍賛美か。アカンで。ちょいとガッツポーズを問題にもしてたけどガッツポーズが何故アカンのかは誰も語らん。品格がないだけでは異文化育ちの力士を説得でけんでしょ。ほなガッツポーズは何故アカンのか?1)相撲は日本の文化である。2)ガッツポーズは日本文化の身体所作に存在しない。3)拳を握ることは土俵上(相撲の規則上)いかなるときにも許されない。4)力士は常に掌を広げて手の中に何も(武器を)隠し持ってないことを示さなければならない。5)「手刀を切る」のもそういう意味の行為である。朝青龍が懸賞金を受け取るときの「手刀」の所作も違う。腰がふわふわする土俵入りも最悪。困ったモンや。何で親方は注意せんのや。強けりゃエエのか?こういう下品な横綱の存在は苦々しい。アメリカ人もソニー・リストンがヘビー級王者の時に感じたんやろな。ノーマン・メイラーが『1分間21万語』のなかに書いてたな。

1月26日(月)つづき
NHK『クローズアップ現代』がメトロポリタン歌劇場総裁のピーター・ゲルブにインタヴューしてた。メトの新しいマーケティング戦略の基本はスポーツ・イベントを見習うこと。俺が早よから言うてたことやで。ニューヨークのメトを「新しいクラシック界の動き」としてとらえたならベネズエラにも飛ぶべきですよ。国谷さん!

1月27日(火)
朝佐吉と散歩。なんやかんや仕事したあと夕方から大船で『東京ビッグトーク石原知事と議論する会』の都庁担当職員と打合せ。http://www.metro.tokyo.jp/INET/BOSHU/2009/01/22j1q100.htmそのあと『鮨処もり山』で「坂井保之氏を囲む会・新年の集い」(勝手に付けた名称です・笑)今回はプロ野球関係者・大リーグ解説者・東京五輪招致関係者・スポーツ関係大学准教授・メディア編集者・スポーツ&音楽ライター(俺)そして坂井さんの7名。WBCから朝青龍から全共闘から団塊の世代論までなんやらかんやら話しまくって聞きまくって仰山教えられて沢山情報仕入れさせてもろてメチェメチャ有意義な会でした。終了後久々に会った某君と『213』で飲み直し。婆さんへのお土産代が消えてしもたで(笑)。

1月28日(水)
朝佐吉と散歩のあとモーレツに仕事。夜義兄姉が来宅。そうか。孫の世話も区切りがついて明日義母を京都へ連れて帰るのか。なんやら寂しいな。仕事を終えて帰宅した長女が婆さん家族にお土産のプレゼントを買ってきた。俺はこれまでナンニモもろたことないぞ!まぁエエか。

DVD
『オーケストラの少女』
『オーケストラの少女』
『仁義なき戦い』
『仁義なき戦い』

1月29日(木)
昨日の義母のお別れパーティ(といっても飲んだのは義母抜き)の影響で朝起きが9時。慌てて佐吉と散歩。義母が動かない脚を懸命に動かして義兄の介添えで玄関の階段を後ろ向きに一段ずつ懸命に降りてゆく。ちょいと寂しい。週2回来宅介護してくれたヘルパーさんもエエ人やったので桜の頃の再会を約束。義母以上の年齢のお隣さんの元気なマダムも出てきて見送ってくれはった。義母を乗せたクルマが去ってチョット放心。雑務をこなして明後日からの原稿漬けの毎日を予測して久々の晩飯映画劇場は豪華2本立て。『仁義なき戦い』(99分)と『オーケストラの少女』(66分)。物凄い組み合わせやけどどっちもエエ映画でした。「正直に生きる個人」というテーマは同じやな。時代と社会が違う(変化する)とこうも違う映画になるんやな。若いときのストコフスキーは恰好エエなぁ。俺の親父が唯一知ってるクラシック音楽家やったな。昔の人はエエ映画見とったな。そうか。あのオケはフィラデルフィア管やったんや。昔はよかったなぁ。

1月30日(金)
朝佐吉と散歩のあと渋谷へ。連載を終えた編集者と会って歓談。最近はメールやFAXが発達すると編集者とまったく会うことなく何年間かの連載を終えることもある。今回も一度逢って話をといわれながら連載が終わってしもた。それでも一度は逢って…といわれて逢ったのは互いに礼儀というものだろう。その後世田谷のスタジオへ。来年3月オーチャードホールで上演する『忠臣蔵外伝・討ち入り心中』の舞台装置打合せ。伸び縮みする大きな布地を広げて日比野さんが切ったり穴を空けたり伸ばしたりいろいろ実験。その布地にプロジェクターで徳川浅野吉良上杉と四十七士の家紋を映して動かす。うむ。なかなか面白そう。日比野さんが色を描く花魁の打ち掛けも宙に飛ばしたくなる。その後新橋へ。K音楽事務所の方と歓談。そば屋とジャズ・バーでベネズエラのシステマの話やいろいろ音楽の話。楽しかった。大船へ帰ってもうひとり打合せのあと『213』へ。ヨメハンとのデートは久しぶり。婆さんがおったからやけどその意味でも婆さんにはおってほしいなぁ(内緒の話ですけど・笑)。

1月31日(土)
肩が凝るほど椅子に座りつづけて翻訳作業。書きまくり月間が始まってしもた。昼飯も15分で済ましてまた机に向かう。けど今日は夕方まで。夕方みなとみらいホールへ。シカゴ交響楽団演奏会へ。指揮はハイティンク。モーツァルト『ジュピター』とR・シュトラウス『英雄の生涯』。たしかに金管は見事。弦の厚みも木管の音色も綺麗。アメリカのオケの見事な演奏でした。もっと書きたいことあるけど止まらんようになるんでやめとこ。世の中の多数派は権威に弱いな。いや権威に弱い人たちが必然的に多数派を占めるんやろな。

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