ナンヤラカンヤラ
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10月1日(金)
大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』でイチローの記録について喋る。シーズン最多安打の上位記録が1920年代に集中しているのには理由がある。それは1919年にベーブルースがシーズン29ホーマーというとてつもない記録を作ったのがきっかけだった。それまでのホームランというのはせいぜいシーズン10本前後で、新聞に記録も載らないような偶発的な出来事だった。そんなホームランをルースが次々とかっ飛ばしたため、古い野球ファンは「野手が捕れないような打球を打つのは卑怯であり、バントや盗塁という野球の醍醐味を失わしめる最悪の打法」と非難した。そこで、そのような古い野球ファンの期待に応えて、古い野球選手がヒットを量産したのである。その後、ルースの打法(ホームラン)のほうが人気が出て「古い打法」は忘れられたのだが、イチローがそれを復活させた、というわけだ。こういう話は、スポーツ番組よりも、バラエティ番組のほうが好まれるようである。

10月1日(金)つづき
夜、久しぶりに北新地の『パパ・ヘミングウェイ』へ。Y興業のT氏やA放送のY嬢らと酔談。最近手紙をいただいた(『日本式サッカー革命』をほめていただいた)澁澤龍子さん(澁澤龍彦氏未亡人=パパヘミのママさんとも懇意とか)の話題になり、第2回鎌倉澁澤龍彦邸訪問ツアーの計画実行を画策。それにしてもTBS『サンデーモーニング』から電話がない・・・。

10月2日(土)
関西テレビ『ぶっちゃけ生タマゴン』初出演。太平サブローさん、桂きん枝さん、金村義明さんらのこてこての関西パワーに圧倒されながらも「ライブドア楽天問題」を語る。京都に寄って退院した母親を見舞い、御近所さんに挨拶回り。建仁寺の興雲庵(珍皇寺)のおっさん(和尚さん=この人、衣笠祥雄さんと中学校の同級生なんです・笑)と親父の七回忌の打合せ。こういうことをこのホームページに書くことに何の意味があるの?と訝る人もいるかもしれないけど、プロ野球の問題も、こういう極私的重要問題と同レベルの「自分の問題」と考えていることを示したいのです(放っておいてもいい問題をわざわざ取りあげてるわけではないのです)。夜、帰鎌。TBS『サンデーモーニング』からついに連絡なし。ほんまにTVのディレクターってエエカゲンな奴が多いで。エエ奴もおるけど・・・。

10月3日(日)
静かな日曜日(笑)。そうか、大沢親分は四国にドーム球場が必要と思ってるのか。なんで、そんな不健康なものを求めるのやろ?坊ちゃん球場なんか最高やのに。夕方から札幌へ。

10月3日(日)つづき
羽田空港での待合所でライオンズVSファイターズ5対3、9回裏ファイターズの攻撃1死一塁まで見ていたところで「最終搭乗、あと8人の方お急ぎください」のアナウンス。仕方なく機内へ。札幌で降りると、ファイターズ木元の同点ホーマーのあとライオンズのサヨナラ勝ち。だから野球は面白い!これで企業名を消して、観客動員数を正直に発表するだけでも、日本のプロ野球は支持者がグンと増えると思うのに・・・。夜、なぜか札幌におられた川勝平太先生とシャンパンを飲みながら歓談。「土木」って英語ではCivil Engineeringというらしい。アニミズムで自然環境を守ったうえでのシヴィル・エンジニアリングの思想を拝聴。プラス、京都洛星高校の先輩の思い出話も拝聴。悪いことばっかりした高校時代を久しぶりに思い出す。札幌泊はススキノで温泉のあるホテル。けど、おれ、温泉きらいやねん。本が読めへんし。部屋のバスタブに浸かって梅原猛『聖徳太子』を読む。喧嘩してるときはなぜか梅原猛の本に手が伸びる(笑)。ジャパン・ユース、カタールにPK勝ち、世界大会出場!日本の高校野球も甲子園なんかで騒いでんと、世界ユースに出ればいいのに・・・。野球にもあるんですよ。

10月4日(月)
北海道みちとみらいと暮らしのネットワーク委員会に出席。「小樽グランプリ」(日本で初の公道自動車レース)をどう動かせばいいのか・・・。しかし「プロ野球問題」(既成球団の権益を守ろうとする悪共)の話題を離れると、世の中には建設的で楽しいことがいっぱいあるもんやなあ(笑)。夕方の飛行機で帰宅。

10月4日(月)つづき
とうとう「大沢暴言問題」についてTBSのディレクターから連絡がなかったなあ・・・大沢さんが謝るか、「出てこい!」といわれたおれが番組に出るか、どっちか決めてくれというと、必ず連絡しますから、と返事したくせに・・・と思いながら風呂に入って『老子』を読むと「善戦者不怒 善勝戦者不争」という言葉があった。「善く戦う者は怒らず。善く戦いに勝つ者は争わず」なるほど。昔の人はエエこというてはるわ。

10月5日(火)
朝、日刊スポーツの『楽天、マーティ・キーナート氏にGM就任打診』の記事を読んでると、本人から電話。「起きましておめでとうございます」「つまらんギャグやなあ。それに、もっと大きなギャグが新聞に出てるで」「もう、出てるの?ギャグじゃなくて本気だから。今日、記者会見やるからよかったら来てよ」「三木谷さんとは話したの?」「もちろん」「ナベツネとミヤウチにライブドアを潰せとお尻を叩かれたことも?」「またまた、玉木さんらしいイヤミですね。でも、がんばるから応援してよ」・・・・・・ということで、ちょっと書けないことも話しましたけど、どっちかというとライブドアを応援したい気持ちの強い小生にとっては、困ったな・・・というのが正直なところ。でも、選手会の主張を支持してる人物が球団フロント入りするのは悪くないことだし・・・。ま、今週は静観して身体を休めることにしましょう。誤解されたくないし、記者会見は欠席。

10月5日(火)つづき
一日がかりで溜まりに溜まった郵便物の処理。名編集者のOさんから浅草オペラの資料が届いていた。昔の金竜館ではオペラ『勧進帳』なんてのもやっていた。弁慶=柳田貞一、富樫=田谷力三、義経=木村時子。なんとか復活させたいなあ・・・。夜、NHKーBSのレイ・チャールズ特番に感激。小学5年生以来感激し続けた・・・ということはプロ野球以上といえる。プロ野球は途中で何度もイヤになったもんな。

10月6日(水)
楽天かライブドアか・・・バカバカしい審査の始まり。本当なら「ブレーブスの名前を残す」と断言していたオリックスを審査するべきでは?あるいは「メディア(ジャーナリズム)はスポーツ・チームを持つにふさわしいか?イベントを主催するにふさわしいか?」ということを審査すべきだろう。そして本来ならば東北仙台野球株式会社がプロ野球への参入を申し込み、楽天とライブドアをスポンサーにすべきだろう。しかし、審査してるのは誰?今の野球機構(NPB)って、誰がトップなの?

10月6日(水)つづき深夜
アジア・ユース準決勝日韓戦。せっかく後半ロスタイムと延長ロスタイムで2度も奇蹟的に追いついたのに、残念無念のPK負け。けど、こういう国際戦の興奮を早く野球でも味わいたいなあ・・・。まあ、親会社主導であるかぎり無理やろけど・・・。

10月7日(木)
楽天三木谷社長が小生のインタビュー申し込みを断ってきた。秘書氏の話によると「雑誌の取材は受けない」とか。アホか。『週刊ポスト』は受けたやないか。田原総一郎はOKやけど、おれはアカンのか?情けない・・・。

10月7日(木)つづき
ソプラノ歌手の大岩千穂さんとコンサートの打合せ。プッチーニの愛した女性たち・・・をドラマに、というコンセプトは最高に面白い。ドラマの朗読は大岩さんとも親しい八塩圭子さんにお願いしたいなあ。金子達仁クン、嫁さん貸してや(笑)。オペラのビデオ送るというてたん、もうちょっと待ってや。

10月7日(木)つづき
楽天の監督が掛布やって?もしもホンマやったら、なんでGMのマーティのコメントが新聞に出てへんのや?スポーツ新聞も、もう茶番を追いかけるのはやめにして、ホンマに日本の野球をどないしたらエエのんかという記事を書いたらどないや?

10月8日(金)
一日中、原稿書き。ショスタコーヴィチの弦楽四重奏を聴きながら。ブロドスキー・クァルテットは面白い。栄華の巷に跳梁跋扈する寵児たち(ホリエ、ミキタニ)も遠い存在に思えてしまう。が、ナンヤラカンヤラと情報は入ってくる。ライブドアはいろいろいじめられてるみたいだ。いまは書けないけど、いずれ書きます。

10月8日(金)つづき
イチロー、国民栄誉賞を再度辞退。まあ、日本での7年連続首位打者のときはまったく無視して、アメリカでの活躍を表彰しようとする姿勢が、日本のプロ野球の現状を表しているというか、小泉首相の政治姿勢を表しているというか・・・。「あの米国を想い、この属国を創る」というマッド・アマノ氏の秀逸なパロディが思い出される。プロ野球界を動かしている人達(1リーグ化推進派)も同じ考えのようだ。

10月9日(土)
台風。あっという間に過ぎ去ったけれど、けっこう強かった。久しぶりに停電を体験。約30分で復旧。昼間風雨声 知花落多少。夜来消防車声 不知何事起。

10月10日(日)
朝から断水。鎌倉市の広報車が給水車の出動を告げる声で目覚める。近所でけっして小さくない崖崩れがあったらしく、大船駅への道路が閉鎖。迂回すれば駅へは行けるので陸の孤島というわけではないが、かなり不便。事故現場付近まで犬を連れて散歩するが、機動隊が道路を封鎖していて近づけず。幅10メートル以上の道路が土砂で埋まったそうで、クルマ2台が巻き込まれているとの情報も。空にはヘリコプター。外出仕事を入れてなくて(サラリーマンの方も休日で)よかったが、完全復旧に2〜3日かかるとの声も。これも乱開発が原因?ケーブルTV、光ファイバーは使用不能だそうな。ウチは違うので問題ないけど、最新の施設からダメになるのはなんで?

10月10日(日)つづき
残念無念・・・。鈴鹿F1グランプリ、佐藤琢磨、惜しくも4位。しかしF1で表彰台に登るのはしんどいことやなあ。それだけにやりがいがあるのんやろけど・・・。パ・リーグのプレイオフも大盛りあがり。人気低迷はGのことで、それをあたかもプロ野球全体のことのようにいうたらアカン。おまけにGの人気低迷の原因もわかってるんやから。

10月11日(月)
『スーパーモーニング』出演のためテレビ朝日へ。一緒に出演した広岡達朗さんに「忙しそうだけど、いまこそテレビに出て正論を喋ってよ」といわれる。そういえば数年前(たしかJリーグの開幕でプロ野球の危機が叫ばれたとき)星野仙一さん司会のNHK-BSの討論番組に、広岡さんと一緒に出演したことがあった。他の出演者はコミッショナー事務局長(*)、川島廣守セ・リーグ会長(当時)、巨人球団代表(*)、重光ロッテ・オーナー代理・・・等々ソウソウたるメンバー(*印は名前を失念)。そのとき巨人代表が「やっぱり巨人が強くないとプロ野球の人気があがらない」といったので、小生が「だったら八百長をやればいいじゃないですか」といったら、広岡さんが隣の席でプッと吹き出したのを憶えている。また「巨人だけが大儲けしているシステムが問題」というと、巨人代表が「赤字がずっと長かったんだから」といったことも憶えている。そのときの番組は、「危機意識」を抱いた星野さんの尽力で実現したもので「玉木も出ろ」といわれて出たものだったが、星野さん、広岡さん、それに重光さん以外には「危機意識」はなく、長嶋監督の巨人監督復帰とともに、このような番組を行ったことも忘れられ、メディアも取りあげなくなった。「プロ野球問題」は何も今年に始まった問題ではないのだ。

10月11日(月)つづき
インターネットのソフトをアップグレードしたところが、これまでメール交換していた人のアドレス帳がすべて消去されてしまった!パソコンは常に正しい。操作を誤ったおれのミスだろうが、アッタマきたぜ。というより友人をすべてなくしたような寂しい気分。これまでメール交換していた人!再登録のためにメールをちょうだい!(笑)

10月11日(月)つづき
ライオンズ対ホークスのパリーグのプレイオフ、面白かった!こんな素晴らしい試合をしているのに巨人と試合をしなければ黒字にならない、などという発想しかできないオーナーどもには退陣していただいて、パ・リーグも独立リーグにしよう!

10月12日(火)
大船駅への道の崖崩れ復旧せず。迂回して駅へ出て東京へ。四国独立リーグを立ち上げる石毛宏典さんにインタヴュー。彼の企画は抜群に面白いし、計画も足が地についてるし、おれの両親も徳島の出身やし(笑)、全面的に応援したい!このインタヴューの中身は『スポーツヤァ!』(角川書店)の次号に掲載されます。石毛さんと話したあとNHKへ。教育テレビの『福祉ネットワーク』パラリンピック番組のVTR撮り。車椅子マラソンと5000mと400mで金メダルを獲得した福井市福祉事務所に勤める高田稔浩さんと一緒に「パラリンピックはスポーツである(障害者のリハビリではない)」ということについて語る。高田さんが司会の中山エミリさんに握手をしてもらったので、小生もついでに握手をしてもらう(笑)。

10月13日(水)
TBSへ。ラジオ番組『中野浩一のフリートーク』の録音どり。プロ野球再編問題について語るが、中野さんも十分に事情がわかっている人なので、話は弾んで「日本のスポーツ界はスポーツ省か文化省の設立まで考えないとダメ」というところへ到達。夕刊紙の記事で、ライブドアのGM就任が公表されたことを知る。楽天のGMはマーティ・キーナートさん。ライブドアは(暫定とはいえ)小島克典さん。ちょっと困った・・・ということもないけど、2人とも活躍してほしい!(事情のわからない人は『過去のナンヤラカンヤラ』8月25日をお読みください)

BOOK
『スポーツとは何か』
『スポーツとは何か』
出版社:講談社現代新書
堂々8刷増刷!

10月13日(水)つづき
うわっ。あっという間に40万ヒット達成!1週間に3万ヒットのペースやで。おまけに拙著『スポーツとは何か』(講談社現代新書)も8刷目の増刷が決定。うれしいけれど、テレビへの露出のおかげとは思いたくない!ちょっと口幅ったい言い方になりますが、やっぱり中味の勝負やで!と思いたい。

10月13日(水)つづき
以下の文章は現在発売中の『スポーツ・ヤァ!』(角川書店)に掲載されているプロ野球選手会事務局長の松原徹氏との対談の一部です。

玉木
まだ予断を許さないというか、ダイエー本社が産業再生機構に送られて、新球団が準備不足で来季は無理といいだしたら、パは突如4球団になる。それでは可哀想だからと、某球団の前オーナーが再度登場して1リーグ化をいいだせば・・・。

松原
いや、それは無理でしょう。そういうことがないとは断定できませんが、そんなことをやれば、それこそ現在のプロ野球は完全に国民の支持を失い、崩壊してしまいますよ。じっさい労使交渉の席で、清武さん(巨人代表)が「1リーグには最初から誰もしようとしていない」

と発言されて、まあ、その発言には僕達も唖然としたんですが(苦笑)、それなら1リーグ化は絶対にないんですね、と念を押したら、「あれは、もう、亡霊だよ」といわれた(笑)>「亡霊」が動き出さないよう、監視しなければ・・・。

10月13日(水)つづき
サッカー日本代表1−0でオマーンを破り、W杯アジア1次予選突破!よかった!

10月14日(木)
伊勢新聞主催の政経懇話会で講演するため三重県の津へ日帰り。「政経懇話会」でスポーツの話をさせていただけることが素晴らしく的を射た行為であるということを枕に、現代のスポーツが政治的にも経済的もいかに重要かということを話し、現在のプロ野球再編問題がいかにナンセンスで、日本の社会にも経済にも大きなマイナスを与えているか、という話を続け、地域密着のスポーツを振興するために全国規模のメディアがいかに亡国的愚挙を行っているか、ということで締めくく驕B地方紙2千5百万部!全国紙なんかなくてもいいのだ。だからナベツネは共同通信を支配下におきたかったのだろうけど・・・。

10月14日(木)つづき
楽天のアダルトサイトは問題なく、ライブドアのアダルトサイトは問題あり、だとか。こんな茶番を繰り返しているようでは現在のプロ野球に未来はない。早く潰れろ!テレ朝が西武を買収するときも聴聞会を開くの?そういえばTBSは何も聴聞されなかったな・・・。もちろん既存球団の親会社も・・・。

10月15日(金)
『ちちんぷいぷい』出演で大阪へ日帰り。特別ゲストが藤井フミヤさん。20数年前に『平凡パンチ』の仕事でチェッカーズの武道館ライヴを取材したことを思い出す。若い頃は、いろんな仕事をしたなあ(笑)。帰りの新大阪駅で浅井慎平さんとばったり。大沢親分とのコモゴモは御存知なかった。のぞみに乗ると今度は青島健太さんとバッタリ。みなさん、飛び回っていらっしゃるなあ。おれもやけど(笑)。

10月16日(土)
日本シリーズはライオンズの先勝。審判のミスジャッジで50分近い中断。こういうときもコミッショナーや両リーグ会長は何もできない。審判に責任を押しつけるだけ。それで70年。日本のプロ野球のオーナーたちは日本の野球を何も育てなかったのだ。おまけに日本シリーズの裏番組に日本放送協会が『NHKスペシャル/イチロー新記録を語る。262安打の軌跡』をぶつけた。この国の権力者どもはコイズミもナベツネもエビジョンイルも寄ってたかって日本をアメリカの属国にしたがっているようだ。何しろ日本放送協会はMLBの放映権料に200億円も使ってるらしいから。その半分でも日本野球の振興に使えよ!

10月16日(土)つづき
ソプラノ歌手の塩田美奈子さんから手紙。11月11日に東京文化会館小ホールで『おはなしオペラ椿姫』というのをするそうな。大岩千穂さんもプッチーニのコンサートを「おはなし」付きでやりたいというし(10月7日付の本欄参照)、こういう「オペラ教養権威主義」から離れた試みは、どんどん応援したい。そもそも三大テナーとかの大歌手も、オペラやクラシックやいうて「教養」や「権威」を振りかざしたりしてへんもんなあ。そういえば日本のパヴァロッティ・ファンクラブ(チルコロ・パヴァロッティ・ア・トーキョウ)のオバサマ方から原稿依頼が来た。引退記念の特別号の会報を作り、それを持って来年モデナでのパヴァロッティ最後のコンサートに駆けつけるという。プロ野球ファンも熱心だが、オペラ・ファンも気合いが入ってますな。もちろん「非権威主義」の本物のオペラ・ファンはオザワの振るモーツァルトのオペラなど見に行こうとは思いませんよね。

SOPRANO
ソプラノ歌手2人の花
大岩千穂さん
大岩千穂さん
塩田美奈子さん
塩田美奈子さん
PEOPLE
パヴァロッティと小生
パヴァロッティと小生
photo by 木之下晃

10月17日(日)
昨日の日本シリーズで根来コミッショナーは試合前のセレモニーに出ただけで試合を見ずにどこかへ行ってしまったらしい。主催試合にトップが不在。そんなコミッショナーは罰金を払わせてクビにせい!

10月17日(日)つづき
巨人などいなくても面白い日本シリーズ。第1戦の和田のホームラン、今日の立浪の同点ホーマーのあとのヒットにはホレボレとした。去年の五輪予選からファンになた井端も大活躍。しかし井端の応援の音楽は何とかならんものか。あの音楽は最低やで。松坂は、ダブルプレイをとれたと思ってとれなかったあと、打ち取ったと思って内野安打になったあとに、崩れる。このあたりの精神的動揺をコントロールでけんとアメリカではつらいで。

CONCERT
山下洋輔さんコンサート
山下洋輔さんコンサート

10月17日(日)つづき
山下洋輔さんの事務所から連絡。山下洋輔ニューヨーク・トリオが現在ニューヨークからサンフランシスコまでアメリカ横断公演旅行中。そして12月2日には横浜に帰ってきて関内ホールで「パシフィック・クロッシング」コンサート。日米交流150周年記念ということで小生もコンサート実行委員に名前を連ねているが、ほかに岡田武史Fマリノス監督や山下大輔ベイスターズ前監督も実行委員に。日米交流もええけど、こういうスポーツと音楽の交流も、もっともっとやってほしいなあ。ところで洋輔さんはアメリカでも♪シャボン玉とんだ、屋根までとんだ・・・を弾いてるんやろか・・・?アドリブばんばん入れて弾いてるんやろなあ・・・。ええなあ・・・。

10月18日(月)
ソフトバンクもプロ野球球団買収に名乗り。こうなったら「野球をやる人々」がそろそろ立ち上がらねば。それにはまずコミッショナーを「野球人」にすることだ。

10月19日(火)
某新聞社からコメント依頼の電話。「今年の日本シリーズは全然盛りあがりませんが、やはりプロ野球の危機といえるのでしょうか?」と訊かれたので、「名古屋と所沢では盛りあがってるからいいじゃないですか」と答える。「最近プロ野球に地域密着を求めるマスコミがどうして全国人気を求めるの?ヤンキースとレッドソックスの試合だってニューヨーク市民とボストン市民以外で大騒ぎしてるのは日本人くらいなもので、サンフランシスコ市民はフォーティナイナーズ、ロサンジェルス市民はレイカーズに話題を変えてますよ。日本シリーズが全国人気にならないことを嘆くより、日本の地域密着のスポーツクラブチームの少ないことを嘆くべきですよ」マスコミは全国で新聞を売りたいし、全国で視聴率を稼ぎたいのやなあ・・・。それにしても今日の試合も面白かった。巨人ファンや阪神ファンはしらけてるかもしれないけど、野球ファンは喜んでいるはずだ。

10月20日(水)
昨日、日本シリーズは「名古屋と所沢で盛りあがっているから全国人気はいらない」と書いたら、「名古屋ではともかく、所沢では盛りあがってない」というメールその他の「反論」をいくつかいただいた。たしかにテレビでも空席が目立ったのは残念だが、これは天候の問題とともに、西武球団が地域活動を怠ってきた結果というべきかもしれない。広岡監督時代、観客の少なさを監督が指摘したら、その声が堤オーナーの耳に入り、翌日すぐに(系列企業社員や取引先企業社員の動員によって)満員になるということがあった。堤オーナーはアイスホッケーでも同じことをやった。また、以前の日本シリーズでは内野席で「出欠」を確認している西武鉄道社員の姿も見た。もっとも、近鉄vsヤクルトの日本シリーズも、全試合満員とはいえチケットを親会社が買い占めたとの情報があり、本当のファンが入れないという声が聞かれた。日本のプロ野球は本当はどれくらいの人気があるのか?再編問題からの再出発は、この疑問からスタートすべきだろう。とにかく、企業野球に終止符を打つことだ。

10月20日(水)つづき
一仕事終えて日本シリーズをTVで見ようとしたら台風で中止。仕方ないので晩飯のときに、息子に最近聴いてる面白いCDを聴かせろ、というと『PE’Z』というジャズ(フュージョン?)グループの「スズ虫」というCDを聴かせてくれた。これが抜群に面白い!基本的にはディキシーだが、メロディは服部良一か筒美京平。和音はブルースだが、音のはずし方はプロコフィエフかショスタコーヴィチの影響が絶対にある。あまりの楽しさにショスタコーヴィチの『ジャズ組曲』のCDも聴き、ニューオリンズの消防団のディキシーランド・ジャズも聴き、なぜか今夜は料理も豪華で、ワインがすすみ、スズキのマリネもルッコラのサラダもペペロンチーノもステーキも最高で、あまりに気分がハイになったので、最近発売されたダニエラ・デッシーとフェリシティ・ロット(指揮はパッパーノ)のリヒャルト・シュトラウスのオペラ名場面集「Amor」を聴いてシミジミと気分を落ち着け(このCDは最高です)、外は暴風雨で横殴りの雨が窓ガラスにスクラム組んで叩きつけているのに、今晩はいい夜になったなあ・・・、「晴耕雨読」じゃなく「晴球雨楽」だな・・・、と悦に入ってたら、女房が「料理、おいしかった? 今日は結婚記念日」とか。なんと25周年!銀婚式!若い頃遊びまくった男が、よう、ここまで持ったで(笑)。明日からはわからんけど(爆)。しかし、野球は雨で中止も悪くない。ドームは必要なしだな。

10月21日(木)
レッドソックス、3連敗のあと4連勝でヤンキース撃破!バンザーイ!(ボストン出身、ボストン贔屓のアメリカの友人が多いので・笑)大阪へ。ロイヤルホテルで『椿姫』の講義・・・というよりオペラ好きのオバサマたちと、いろんな『椿姫』のビデオを見て楽しむ会。関西テレビ事業部がスロヴァキア・オペラの『椿姫』(グレギーナ主演)をフェスティバルホールで上演するので、それに先だって見どころ聴きどころを解説。楽しいひとときだったので時間超過してしまい、大急ぎで京都へ。京都経済人クラブで講演と食事会。「プロ野球再編の話はつまらないので」と前置きして「世界のスポーツの政治的経済的文化的意義」について話す。主宰者で元吉本興業常務の木村政雄氏と歓談。公演も歓談も話が弾んだのは京都に帰った気楽さから?しかし、楽しくても一日2本の講演は疲れますな。

10月22日(金)
京都から帰って上野の東京文化会館へ。スロヴァキア・オペラの『椿姫』初日を観劇。客席(2階最前列)には紀宮清子様も来られていたが、第1幕は16キロのダイエットに成功してこの舞台に備えたはずのグレギーナのヴィオレッタが「声の出ないブリュンヒルデ」のようで(わかる人にはわかりますよね)、ドヴォルスキーのアルフレードも歳のせいか声量も音程もあやふやで、2幕のジェルモンもイタリア語を知ってるのかいなといいいたくなるほどの楽譜通りの歌い方で、どないなることかいな・・・と思ったら、第3幕は最高! 正直言って、これまで見た(聴いた)なかで最高の『椿姫第3幕』だった。グレギーナはベッドに寝て歌う方がいいですね(失礼)。上野からの帰りの夕刊紙で、読売、横浜(TBS)だけでなく阪神までが明大の一場投手にカネを渡していたことを知る。過去に金をもらった選手も、渡した球団幹部も、この際全部白状して、みんな辞めたらどないやねん? コミッショナーはなんとかせいよ!

10月23日(土)
名古屋へ。中日新聞栄文化センターで『オペラ講座』第7期第1回。ベートーヴェンがなぜオペラで成功できなかったのかということを語り、ビデオで彼の「失敗作」ともいうべき『フィデリオ』を楽しんだあと京都へ。このHPを作ってくれている仲間と焼き肉パーティ。若い連中は、よく食うなあ(笑)。けど、日本シリーズは、なんで「移動日」を忠実に守るんやろ?台風で1日延期したなら移動日なんか無視して6,7戦は土日にやるべきで、それがファンサービスであり、当然のプロスポーツ・ビジネスのやり方やと思うけど・・・。

10月24日(日)
大阪で宮崎学さんの主宰する『関西突破塾』に参加。ナベツネがオーナーを辞任したのは一場投手の問題以上に250億円ともいわれる裏私産を右翼団体から追求されたかららしい。プロ野球という興行社会とアウトロウの裏社会について、こっちのほうが勉強させていただいた。「かつてプロ野球は裏社会と密接に結びついていた、というよりも、そういう連中が野球をやっていた」という過去の構造と完全に決別できるかどうか・・・。今回の再編問題は、そういう側面もあるのだ。

10月24日(日)つづき
プロ野球という興行社会とアウトロウ裏社会について、宮崎学さんの口にした言葉に思わず吹き出した。「両者が結びついているのじゃない。昔はアウトロウの人間が野球をやったんだ」そういえば中学生になったとき、野球名門高校の野球部の選手たちがデッカイ荷物を持って両足を大きく広げて集団で座っているバスに乗って通学するのはメッチャ怖かったもんなあ(笑)。

10月25日(月)
TBSで来月行う『新放送人セミナー』の打ち合わせをしたあと六本木の割烹店へ。そこで三枝成彰氏の主宰する『次代を担うオピニオンリーダーとの意見交換会』なるものに出席。CGアーチスト、宇宙物理学者、ジャーナリスト、建築家、指揮者、作曲家など、いろんな人が参加していて、早い話が飲み会(笑)。初参加の建築家氏の「こんなに他人の話を聞かない会は初めて」という言葉に全員大笑い。そうなのだ。みんな、自分がもっと面白い話をするぞ・・・できるぞ・・・と思ってる人たちばかりなのだ。スポーツライターとしては小生と乙武洋匡さんが参加。「日本シリーズ第7戦に、こんなところきててええのんかいな」「ほんとうですね」と二人で小さくなっていた(笑)。けど、最終戦を月曜日やるとは・・・。台風で延びても移動日をなくすのがファン・サービス。というのは言い訳やないですよ。日本シリーズはライオンズの圧勝。「予想通りやね」「そうですね。パ・リーグ強いですからね」と、乙武氏と意見が一致。

10月26日(火)
終日原稿書き。こういう日もなければ(当たり前か)。遅れている関係者の皆様すいません。順番待ちのカードも渡さず、申し訳ない(笑)。

10月27日(水)
毎日新聞に「日本にアメリカ傘下の独立リーグ 06年開幕6〜8球団で 米のノウハウ直輸入」という記事が掲載されたことを、レギュラー電話出演しているRKB毎日放送の番組で知る。一連の球界再編の動きのなかで、また新たな動きといえるのかもしれないけれど、「独立リーグ」やのに「アメリカ傘下」というのも不思議。日本の選手をアメリカに送り出すパイプになるだけやったら困りまっせ。

10月27日(水)つづき
地震も台風も恐ろしい。巨大な崖崩れのなかから奇蹟的に2歳の男児を救出したレスキュー隊の活躍に頭が下がる。それに較べてスポーツライターなど、世の中の何の役に立つのか? わからないけど、少しでも世のため人のためになるよう真面目に真剣にやらねば・・・。そう思うときにいつも思い起こすのは徒然草の第四十一段。「五月五日、賀茂のくらべ馬を見はべりしに」一人の法師が木の上で居眠りをして落ちかけていたので、誰もが大馬鹿者と嗤った。すると兼好法師はいった。「我等が生死の到来、ただ今にもやあらん。それを忘れて物見て日をくらす。愚かなる事はなほまさりたるものを」スポーツライターは、この兼好法師の言葉を胸に刻みましょう。自戒を込めて。

10月28日(木)
昨日の本欄に、メッチャまじめな文章を書いてしまったが、引用した徒然草第四十一段には「落ち」がある。「愚かなる事はなほまさりたるものを」といった兼好法師は、なんと素晴らしい坊さんだろう、と周囲の人々に感心されて、「ここへ入らせ給え」と、賀茂のくらべ馬(競馬)見物の前列の方へ招き入れられるのだ。それこそスポーツライターの「本懐」といえるものに違いない(笑)。

10月28日(木)つづき
終日原稿書き。夕方から大船駅前で朝日新聞湘南版の取材を受ける。久しぶりに「鮨処もり山」(本HPのスポンサー)に寄って帰宅すると、昼間に送った原稿の書き直し要求のメール。おれの書いた原稿が悪いわけではないのは自分でも承知だがAもっと良くなる指摘を受ける。こういう書き直し要請は本当にうれしい。やってやろうじゃないの、と思うが、体力に自信がないのと、脳溢血で倒れた永倉萬治さんに「徹夜だけはするな」といわれたので、書き直しは明朝に。別の原稿の校正ェFAXで送られてきたので、それをやって就寝。こういう日記が、小学校の夏休みの宿題では、なんで書けへんかったんやろ?(笑)

10月29日(金)
終日原稿書き。夜、名古屋へ。11月2日のオーナー会議を前に嵐の前の静けさ?どうせ楽天に決まってるのんやろけど、ライブドアも球団名から企業名を外はずとか、もっとアピールの仕方、新機軸の打ち出し方があったと思うけど・・・。

10月30日
私は誰が何といっても「紳助支持」です。

10月31日(日)
『東洋経済』にオリックス宮内オーナーのインタビューが載っていて、それがオモシロイ・・・と本欄の愛読者からメールをいただいていたが、ようやく全文を読むことができた。なるほどオモシロイ!ケッサクだ!選手獲得の裏金については「怒り心頭だ。おかしいことをやってはいけない」といいながら「(オリックスは)全部調べさせたが、何万円くらいの許していただける範囲」だそうな。阪神の25万円はダメだったが、オリックスの何万円かはOKらしい(笑)。10万円ではどうなんだろう(爆)。また、楽天の三木谷社長とやりとりがあったのでは?との問いには「そのことについて私は申し上げるべきではない」「サッカーの話で冷やかしたとき、ついでに野球の話も出たかもわからないけど、それは雑談程度」だったそうだ。新規参入方法が不透明なのでは?という問いに対しては「不透明でもいいのではないか。誰にも迷惑かけてない」とか。オーナーたちが自分勝手にやってもファンのに迷惑はかけてないらしい。そのうえ「東京六大学に新規参入のルールや透明性などないと思う。七つ目が入りたいと言っても、『六大学だからけっこうです』と言われるに違いない」という。ハハハハハ。もう笑うほかない。プロ野球は大学野球と同じ組織らしい。そして、オリックスが新規参入を阻止しているのでは?との問いに対しては、「まったくおかしい」「参入禁止なんて言ってるわけではなく、われわれのクラブはこれでいいと思っている。なんだったら別の野球リーグをお作りになったらいい。いくらでもできる」という。やっぱりそれしかないんやな。選手の皆さん、こんな阿呆と付き合うのは、もう止めにして、新しいリーグを創りましょうよ。

10月31日(日)つづき
宮内オーナーの発言追加。オリックスは赤字だが・・・?の問いに「だから改革しようとしている。新規参入はその改革をストップさせるという力学になっている」との回答。球団削減と1リーグ化の「亡霊」がまた動き出すの?

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