ナンヤラカンヤラ
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2003年 11月12月
DVD
『曽根崎心中』
『曽根崎心中』

12月1日(月)
今年もいよいよ師走や。早いなぁと感じるのに11か月前を振り返ると10年前くらいにも思える。時の流れちゅうのはそういうもんなんやな。原稿2本仕上げて晩飯映画劇場は『曽根崎心中』。増村保造の力作。現代語版歌舞伎のリズムが鮮やか。近松の原作にはない場面を付け加えたうえ近松の凄さを感じさせる脚本も秀逸。エレキベースを多用した宇崎竜童とブギウギバンドの音楽も抜群。演技も悪くない。けどそれ以上に梶芽衣子の演技が見事。現代美女の顔であらゆる時代に通じる女の情念を表現。やっぱり監督の力かな。満足。あ。今日締め切りの原稿マダ1本あったのを忘れてた。とほほ。待ってもらうほかないな。

DVD
『雨月物語』
『雨月物語』

12月2日(火)
朝佐吉と散歩&朝湯のあと東京へ。湯冷めするな。気ぃつけよ。三枝成彰さんの事務所で『忠臣蔵』打合せ。あと1年ちょっとに迫ってようやく具体的な話。日比野さんの舞台装置を中心に想像を絶する舞台になる気配。おもろいで。打合せのあと本屋へ。探してる本が見つからず六本木と銀座の書店を6軒もハシゴ。目的と違う本ばっかり買ってしもたあと6軒目にようやく探してる本を見つける。しかし書店の店員がこんなに自分の扱ってる商品に無知でエエのんかな。政治経済に無知な首相とおんなしではアカンで。晩飯映画劇場は溝口健二『雨月物語』。文句なしの傑作ですね。上田秋成を読み直しとなった。『癇癖談(くせものがたり)』もオモロイもんなぁ。

12月3日(水)
朝佐吉と散歩&朝湯のあと大阪へ。新横浜の駅で新幹線を見た瞬間0系の車両が3日前に消えたニュースを思い出す。0系には俺も想い出があるな。拙作を原作にしたNHKの銀河ドラマの最終回で大学に合格した主人公が京都から東京へ出る。そのとき乗るのが0系新幹線。ドラマの撮影時(1996年)にも既に0系は本数が少なくてそのシーンを撮るのに1回失敗したら40分待たなアカンかった。おまけにそのシーンに原作者(俺)が数秒出演(台詞も一言アリ!)。新幹線に乗ろうとしてる主人公(茂山宗彦クン)にぶつかって謝ったあと列車に乗り込む。主人公も乗り込んでカット。慌てて列車を降りてカメラアングルから消えて扉の閉まるシーンと0系の発車のシーンを撮影。マァ1回で上手いこといって良かったけどその時の俺の5秒間の出演ギャラは時給にすると1440万円やった!(笑)そんなこと思い出しながら大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。ゲスト歌手の清水翔太クンと久しぶりに再会。終了後帰鎌。『213』へ寄ってクラシック音楽ファンのバーテンさんから『のだめカンタービレ』の漫画20巻ほど借りる。仕事で使いたいので読んでみるか。

BOOK
保阪正康『幻の終戦〜もしミッドウェー海戦で戦争をやめていたら』(中公文庫)
保阪正康『幻の終戦〜もしミッドウェー海戦で戦争をやめていたら』(中公文庫)
DVD
『女経』
『女経』

12月4日(木)
朝佐吉の散歩。朝湯のときに保阪正康『幻の終戦』読了。これは凄い本ですよ。たしかにミッドウェー海戦のあとの終戦は想像のうえでは可能やったかもしれん。世界情勢の現実のうえでは無理でも好戦的で暴力的な陸軍に対抗する勇気を再確認するうえで本書に感激。終日原稿書き。アカン。はかどらん。来週11日までに締切6本。書けるのんかいなぁ…とほほ。いつも年末はこんなんやな。書けんもんは書けんと諦めて晩飯映画劇場は『女経』。増村保造と市川崑と吉村公三郎のオムニバス。若尾文子(耳を噛む女)と山本富士子(物を高く売る女)と京マチ子(恋を忘れた女)が女の強さ弱さ怖さ儚さを熱演。オモロカッタ!とくに京マチ子が見事に「京女」を描ききってた。1本30分の脚本も秀逸。古い京都の町など映像も美事。昔の日本映画はレベル高かったなぁ。こういう時代に餓鬼やった俺の世代はこういう大人の映画を見逃した。コレは大きなマイナスやで。もっと見なアカンな。

BOOK
筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』(新潮社)
筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』(新潮社)
DVD
『獣の戯れ』
『獣の戯れ』

12月5日(金)
朝佐吉の散歩。朝湯のとき久しぶりに筒井康隆大先生の小説『ダンシング・ヴァニティ』を読む。時間の巻き戻しと幻想と現実の交錯に痛快な異次元の狂気を感じる。『虚人たち』『虚構船団』を読んで以来の感動。読むことを止められず仕事にならず活字に没頭してたら一天俄に掻き曇り大雨大風大嵐。竜巻かと思える突風。これも筒井大先生の小説を読んだせいに違いないと確信。晩飯映画劇場は比する作品なしでやめようかとも思ったけれど三島由紀夫原作『獣の戯れ』。遊び人の夫が不具になったあとの妻(若尾文子)の美しい顔が怖い。夫を不具にした犯人と一緒に平然と3人で暮らす妻の美しい心も怖い。女は怖い。小説も映画もメディアにあんまり騒がれんもんはレベルが高いなぁ。

12月6日(土)
「ねえ。誰かが家の前で野良犬と散歩してるよ」娘がそう言ったので窓を開けるとそれはおれの姿だった。「ねえ。誰かが朝から家のお風呂に浸かってますよ」妻がそう言ったので何たる阿呆がおるもんかと思って風呂のドアを開けるとおれが湯船で寝そべっているではないか。いかんいかん。昨日読んだ『ダンシング・ヴァニティ』の毒がまだ頭に残ってるではないか。ぶるるるるるる。野良犬佐吉の身体を震わせる動作の真似をして毒を追い出し原稿書きまくり。最近は土日のほうが仕事が多い気がする。疲れたので久しぶりに『との山』で焼き鳥と「はなたれ」の焼酎でもと思い本屋に寄ったあと店を覗くが満員。忘年会シーズンが始まったんやな。シャーナイな。そのまま帰るのもシャクなので『213』へ。「ウチで忘年会する人はいないけどお流れとお零れでけっこうは年末は商売になるんです」とマスター。なるほど。隣に座った常連客のSさんとその隣の美人に向かって「早よ結婚せい」と唆す。まったく。筒井大先生の傑作に触れると人間がオカシなるで。

DVD
『哀愁のトロイメライ/クララ・シューマン物語』
『哀愁のトロイメライ/クララ・シューマン物語』

12月7日(日)
「ねえ。誰かが家の前で…」もうやめとこ。今日も原稿書きまくり。今週中にあと5本。読まなアカン本3冊。師走やなあ。ということは俺も師匠になったいうこっちゃな。いつの間にか教授の肩書きも講師の肩書きも付けられるようになったしな(使てへんけど・笑)。来年からはスポーツジャーナリスト塾も金子達仁さんと一緒に強力な協力布陣でやることにしたしな(近々詳細を大々的かどうかはともかく発表しますので乞御期待)。師匠は走る季節やな。京都南座の招きを見んとその気分にならんけど…。などと思いながらコラム2本。晩飯映画劇場は『哀愁のトロイメライ』。クララがシューマンと結ばれるまでの半生。ナターシャ・キンスキーがシューマンをピアノで弾いてる…ように見える。シューマンの狂気がもうちょっと表に出てもよかったかな。

BOOK
石原莞爾『最終戦争論』(中公文庫)
石原莞爾『最終戦争論』(中公文庫)
DVD
『愛の調べ』
『愛の調べ』
『バーンスタイン最後のメッセージ』
『バーンスタイン最後のメッセージ』

12月8日(月)
土日で気合い入れて仕事したのに何処まで続く泥濘ぞ。泥濘は「ぬかるみ」と読みます。この日記にはルビをふれへんのがイカンな。などと思いながらウンウン唸って原稿書きまくり。どうです。編集者の皆さん!仕事してまっしゃろ。サボってまへんやろ。などと言いながら隠れて(別に隠れんでもエエのやろけど)石原莞爾『最終戦争論』(中公文庫)読み出すとオモロウて止まらへん。世界史を軍事戦略と戦争戦術だけで俯瞰するとこうなるんか。時代の限界はあるけど過去を分析して未来を見ようとする姿勢は面白い。そこに日蓮まで出てくる。頭が良すぎた人なのかもしれん。それだけに走りすぎて誤解曲解されたんやろな。第二次大戦の原爆までは石原の見通しが正しかったようにも読めるけどイスラム過激派と米帝が新たな局面を作ってるな。この戦争はまだまだ続くな。最終戦争のないことが逆にこの本でわかった。イカンイカン。仕事にならん。晩飯映画劇場は昨日に続いてクララ・シューマンの物語。『愛の調べ』主演はキャサリン・ヘプバーン。クララがシューマンと結婚するところから始まるので昨日見た『哀愁のトロイメライ』の続編みたいなもんやけど中味は全然異質。こっちはハリウッド・ホームドラマ。英語の台詞や物腰仕種でみんなアメリカ人に見えてちょっとウンザリ。ブラームスも西部劇の伊達男やで。しかしキャサリン・ヘプバーンは流石。ピアノもホンマに弾いてるかと思える。ホンマかな?音はルービンシュタインを使たらしいけど。最後の「トロイメライ」は良かった。ハリウッド映画は騙しが巧い。

DVD
『未完成交響楽』
『未完成交響楽』
『東京オペラシティ・ニューイヤージャズコンサート2009』
『東京オペラシティ・ニューイヤージャズコンサート2009』

12月9日(火)
わっはっはっはははははは。今年も書いたぞ『オペラシティ・ニューイヤー・ジャズ・コンサート』のパンフレットの原稿を(右下写真参照)。タイトルは『のだめのためのだめな虚無舞踏序曲(ダンシング・ヴァニティ・オヴァチュア)』。思いっきり集中して書いたのでメッチャ疲れたけどオレはパロディの天才やないかと思うほどの出来!けどまぁアイデアも文体も全て筒井大先生のパクリやしなぁ。去年も「くだらんことを書いて!」と最高のお褒めの言葉をいただいたけど今回は「阿呆か!」と一喝されて叱られるかな。最後に「ツツイ先生すいません」という一文を加えとこ。晩飯映画劇場は『未完成交響楽』。1933年の映画やけど美事な映像に感激。オレの親父が丁稚時代に大阪の新世界で見たと自慢してた映画。ストーリーはシューベルトの生涯とは無関係なデッチアゲやけど(せやから丁稚が見たわけやないやろけど)昔の若者はエエ映画を見てたな。

DVD
ヤナーチェク『死者の家から』
ヤナーチェク『死者の家から』
ヴェルディ『マクベス』
ヴェルディ『マクベス』
プッチーニ『ラ・ボエーム』
プッチーニ『ラ・ボエーム』

12月10日(水)
朝ラジオ2本と佐吉の散歩。朝湯から昼飯までの間に『恋のかけら』(幻冬舎)読了。今週末のNHK『週刊ブックレビュー』VTR撮りのために読んだ(読まされた)アンソロジー。唯川恵・山崎ナオコーラ・朝倉かすみ・山崎マキコ・南綾子・小手鞠るい・豊島ミホ・井上荒野といった女流作家の作品を初めて読んだけどチョットこれは…。マイッタナ。なかにはチョットましな作品もあったけど…。これが小説?まぁ売れてるからエエのんやろね。気分直しに昼飯オペラ劇場『死者の家から』。ヤナーチェクの音楽とブーレーズの指揮とシェローの演出が素晴らしい。けどこういう重いドストエフスキー原作のオペラを誰が見るのかな?人気があればエエちゅうもんやないけどやっぱり人気が出んとアカンで。商品と作品。商作皮膜之間は難しいなぁ。ツツイパロディ推敲書き直したあとNHK『私の一冊日本の百冊』のスタッフが来宅。『けんかえれじい』について思う存分語る。ディレクターの方がほぼ同い年の同世代で映画音楽文学アングラについて語り合えて面白かった。晩飯もオペラ劇場。メトロポリタン歌劇場のプッチーニ『ラ・ボエーム』。一昨年現地で見たゼッフィレッリ演出の舞台。舞台裏の幕間転換の映像はメチャ面白かったけどルイゾッティの少々間延びした指揮にウンザリ。3幕で4幕見る気にならず同じメトのヴェルデイ『マクベス』に変更。レヴァインの指揮は締まってる。ノーブルの現代的新演出も面白い。タイトルロールを歌ったルチッチの声もシブイ。やっと満足して寝る。

BOOK
フィリップ・フォレスト『さりながら』(白水社)
フィリップ・フォレスト『さりながら』(白水社)

12月11日(木)
佐吉と散歩&朝湯のあと主治医訪問。血圧高いなぁ。ツツイパロディに集中熱中興奮したのがまだ尾を引いてるのかな。NHK『週刊ブックレビュー』のためにフィリップ・フォレスト『さりながら』(白水社)読み出す。凄い!「露の世は露の世ながらさりながら」この一茶の十七文字に世界のすべてがある。『おらが春』の作者がこれほどの虚無感Vanityに貫かれてたとは知らなんだ。「みな言われ考えられた遅すぎた」から始まって「死支度致せ致せと桜哉」「世の中は地獄の上の花見哉」やもんな。あれ?これってフォレストの句かな?まぁエエわ。とはいえ一茶の世界は俳諧(俳句ではない)。そこがエエ。外国の著者に日本文学の凄さを教わったのはドナルド・キーンの『日本文学の歴史全18巻』(中央公論社)を読破して以来のことかな。夕方から次女長男が訪れ長女が会社から帰宅してBFGF抜きで我が家の家族5人が集結。こういう状況は3年ぶりくらいと違うかな。いったい何事ヤネン。と思たら風邪ひいたから休ませろやと?カネが入り用やからちょっとよこせやと?真央ちゃんとキム・ヨナの闘いを大きな画面で見たいやと?アホか。勝手にせい。久しぶりの喧しい晩飯に映画も見られず屁ぇこいて寝る。

12月12日(金)
朝ちょいと仕事して新幹線で姫路へ。白鷺城はホンマに綺麗な。いっぺんゆっくり歩いて見たいな。日本商工経済研究所・商工中金姫路支店主催の講演会。久しぶりの講演会でちょいと疲れる。体力はあるつもりでも佐吉と散歩の体力ではアカンな。1時間半喋る体力が落ち始めてる。あんまり好きやないから断ること多いけどコレからは講演依頼を受けて体力付けよかな。往復の新幹線でフォレスト『さりながら』読了。漱石の話も山端庸介の話も神戸の震災の話も見事でした。庶民の強さを持ち合わせてへんインテリの弱さは感じたけど実存主義以来の考察という作業に打ち込むフランス哲学の太い流れに感服。日本人も「考え」なアカンな。若い女流作家は「考える」ことと「悩む」ことは違うちゅうことに気づかんとアカンな。帰宅して娘どもに真央ちゃんとキム・ヨナのショートプログラムのビデオを見せられる。なるほど。キム・ヨナの滑りは綺麗。しかし浅田真央の挑戦する姿勢のほうに感動。勝敗なんてどーでもええで。男子は小塚がトップか。まぁ勝敗なんかドーデモエエけどプルシェンコが引退したとはいえ見事。日本人はスポーツマンのほうが作家よりも新しい挑戦に挑んどるな。

12月13日(土)
朝ちょいと仕事して午後から羽田空港へ。久しぶりの飛行機で宮崎へ。NHK『週刊ブックレビュー』のスタッフの方々や作家のいしいしんじさん司会の中江有里さんらと晩飯。その後若いときのプロ野球キャンプ取材でひょんな事情から入った最高のバーを探して繁華街へ。今もありました!『オーセンティック・バー続人間』。25年くらいぶりにひょいと入ると大歓迎してくれて嬉しかった。マスターも奥さんもまったく変わらずお元気で京都祇園の『酒肆G』と並ぶ日本一素晴らしい雰囲気で美味しいカクテルを堪能。俺はマンハッタン。いしいさんはマテニー。2杯目に「何かオススメを」と言うとこれまた美味しいカクテルが出てきて「名前は?」と訊くと「ジャーナリスト」。いやマイッタ。3杯目に口直しをもらってさらに1杯。いしいさんもゴキゲンで深夜1時過ぎまで宮崎の夜を堪能。そういえば昔雨の夜にこのバーを教えてくれた長い黒髪の美しいT・Kさんはどうしてるんやろな?宮崎泊。

BOOK
重松清『スポーツを「読む」〜記憶に残るノンフィクション文章讀本』(集英社新書)
重松清『スポーツを「読む」〜記憶に残るノンフィクション文章讀本』(集英社新書)

12月14日(日)
宮崎の朝タイガー・ウッズも泊まったというホテル周辺のビーチを散策した後クルマで新富町文化会館へ。NHK-BS『週刊ブックレビュー』公開録画。楽屋でいしいしんじさんとゲスト出演の重松清さんと大雑談大会。重松さんはかつて『Sportiva』で小生のことを見事に分析してくださった。『スポーツを「読む」〜記憶に残るノンフィクション文章讀本』(集英社新書)に収録されてるので興味ある方はどうぞ。午後から本番。司会の児玉清さんはズルイで。「アターック・チャンス!」と言うだけでバカウケやもんな。小生の選んだ『オスマン帝国五百年の平和』斉藤慶子さんの選んだ『恋のかけら』いしいしんじさんの選んだ『さりながら』について次々と合評。『恋のかけら』でも大きく破綻することなく(笑)800人の聴衆を前に無事終了。宮崎空港で薫製地鶏を買ってビール飲んでたらいしいさんが「『百年の孤独』の臨時限定特売をやってたので買いました」と小生の分まで買ってくれたので喜んで2950円を支払う。次は祇園で飲みましょう。有意義な旅を終えて帰鎌。娘どもがDVDに収録した浅田真央とキム・ヨナのスケートを見る。キム・ヨナも悪くなかった。しかし浅田真央の精神力はそれ以上に凄い!感服。

DVD
『ヴェニスの商人』
『ヴェニスの商人』

12月15日(月)
久しぶりにゆっくりする一日…でもない。雑誌の締切は短いものが年内あと2本になったけど新書の校正や書き下ろしや翻訳がある。まいったな。いつもまいってるな。山ほどの校正したらもう夜。どないなっとるねん。一週間に十日来いという演歌が昔あったけどアレはどういう意味やったんかな。まさか原稿書けん男のための歌とは違うわな。晩飯映画劇場はアル・パチーノの『ヴェニスの商人』。面白かった。シェークスピア時代のヴェニスを豪華に再現。衣裳も贅沢。ユダヤ人の生活も再現。「何故そんなことをするんだ?」という問いに対するシャイロックの台詞が秀逸で呵々大笑。「腹の足しにはならんが腹の虫はおさまる」俺の人生も一緒やで。これからは「腹の足し」のほうを考えよかな。

12月16日(火)
朝佐吉と散歩&朝湯。その後ぐわあああああっと仕事。単行本の仕事はしんどいな。夜は『鮨処もり山』へ。元西武とダイエーGMの坂井保之さんと忘年会。ほかに若いプロ野球関係者2名雑誌編集者1名も参加(名前は特に伏す・笑)。いやぁじつに楽しかった!坂井さんの話しはホンマに勉強になる。若いプロ野球関係者も感激。彼らからMLBウィンターミーティングの現地報告やWBCの裏事情の報告もあって楽しくも中味の濃い密談。そうか。シカゴは元気ないんか。こういう会にコミッショナーとか巨人の代表なんかも参加したらメチャメチャ勉強になるのになぁ。新年会もするよってにナベツネさんに招待状送ろかな(爆)。あ。そうか。彼は野球に興味ないから送ってもシャーナイな。

DVD
『楽聖ショパン』
『楽聖ショパン』
『パヴァロッティ奇跡のデュエット』
『パヴァロッティ奇跡のデュエット』

12月17日(水)
朝佐吉と散歩&朝湯&原稿書き。来年1月下旬に出版される金子達仁さんとの対談本の前文を書く。けっこう集中したのでふううっと息をつき昼飯の蕎麦を食いながら『パヴァロッティ奇跡のデュエット』というDVDを見る。セリーヌ・ディオン/マライア・キャリー/シェリル・クロウ/スティング/ボチェッリ/ブライアン・アダムス/エリック・クラプトン/ボン・ジョヴィ/ライオネル・リッチ…らと過去のライヴでのデュエットの寄せ集め。楽しい。クラプトンは凄いな。けどライザ・ミネリとB.B.キングとのデュエットは何でカットされたんかなぁ?契約の関係かな。残念。CDにはフランク・シナトラとの『マイ・ウェイ』のデュエットも入ってたけどパヴァロッティの凄さよりもポップス系歌手の上手さのほうが印象に残ったな。けどパヴァロッティみたいな歌手はもう出て来んやろな。午後は山盛りの校正。ふうう。晩飯映画劇場は『楽聖ショパン』。監督も出てる俳優も知らんハリウッド500円DVDやけどジョルジュ・サンドとの関係の描き方なんかなかなか面白かった。ショパンは男の音楽なんやね。せやから女性に人気があるんやね。ソコ大事ナトコやね。コレ文化放送の宣伝(笑)。

12月18日(木)
朝佐吉と散歩はパス。朝湯&原稿書き。短いコラム書きあげてコレで雑誌の締切は年内クリヤー。けどやらなアカンことが山積み。仕事があるのは嬉しいことです。とほほ。夕方から有楽町の東京国際フォーラムへ。初来日のグスターボ・デュダメル指揮シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ(SBYOV)のコンサート。入口で池辺晋一郎さんとバッタリ。SBYOVの活動に触発されて世田谷で子供たちのオケの活動を始められたらしい。俺が最初にオケの指揮台に立ったのは池辺さんとのコンサート・プレトークやったので「その後は指揮してないの?」と訊かれる。「しましたよ!ワーグナーまで振りましたよ!」「あんまり指揮はしないほうがいいよ。でないとシキマと言われるよ」ぎゃふん。コンサートは…凄かった!いやマイッタ。前半はアルゲリッチとカプソン兄弟をソリストに迎えてのベートーヴェンの三重協奏曲。これはまぁドーデモいいんですけどね(それでもデュダメルの指揮が随所に光った)。俺はアルゲリッチのピアノを好きになれん。巧いけどガサツに響く。しっかし後半のマーラー『巨人』にはマイッタ!打ちのめされました。何しろ広い東京フォーラムAホールの舞台にSBYOVのメンバーがぎっしり。コントラバスだけで12人。ヴィオラを数えたら16人。ヴァイオリンは第1第2各々20人以上。そうか。SBYOVは社会活動やからね。ほぼ全員舞台に出る意味があるんやね。ところがコノ巨大オケがマーラーの音楽にピタリ!しかもデュダメルの棒が抜群。一言でいうなら世紀末ヨーロッパ音楽へのラテンからのアプローチいうことになるのんやろけど1楽章の弦のピアニッシモの響きも美しく木管の体位旋律の響かせ方も面白い。2楽章の低弦の響きなんぞ12本のコントラバスの威力発揮。狂ったような金管の響きもサイコー。3楽章はラテン気質丸出しの泣きまで入ったタンゴ。そして4楽章は大爆発!いやマイッタ!おまけにアンコールが…。あかん。仕事に行かなアカンしここで一旦止めとこ。

12月18日(木)つづき
デュダメルの自信に満ちた緩急自在の指揮ぶりとSBYOVの若々しく豪快なサウンドにすっかり陶酔。誰もが立ち上がって「BRAVO!」を叫んでる最中に舞台の照明が消えた。次に灯りがつくとオケのメンバーの着替えが終了。全員ベネズエラ国旗カラーの派手なジャンパーに身を包みバーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』から『マンボ』のアンコール。物凄い迫力でラテンのリズムが打ち鳴らされホルンの連中は額に日の丸の鉢巻きで「マンボ!」のかけ声は全員立ち上がり最後は踊りまくりながらの音楽。マーラーやった後になんちゅうアンコールや!おまけに演奏のあとオケのメンバー全員がジャンパーを丸めて次々と客席に投げ入れた。聴衆は前の席に殺到。なんちゅうクラシック・コンサートや!最高やな。マーラーだけでも十分感激したのに物凄いファン・サービス。このパワーがチャベス政権とどうつながるのかは知らんけどベネズエラの若者たちのパワーは最高やで。完全に圧倒されてビール飲みながら帰鎌。『213』で口直し。そうか。ガンバ大阪の若者たちもけっこうガンバッタか。ルーニーはやっぱり並やないか。あとで見よ。

DVD
市川崑監督『穴』
市川崑監督『穴』

12月19日(金)
朝からトラキチ父子の美容院へ足を運んで髪の毛を切って整えてもらったあと東京へ。赤プリでの筑紫哲也さんのお別れ会で献花。喧嘩したのが懐かしい。入口ですれ違った人を見てホームレスの人も足を運んだのかと思たら小澤征爾さんやった(失礼)。廊下で田中真紀子さんが大声で喋ってる。目が合って互いに会釈したけど俺のことは忘れたはるみたい。衆院文教委員会でtoto法案の審議のときに喧嘩したんやけどな。佐野眞一さんとも擦れ違ったけど目を伏せたはったので声をかけそびれる。しかしこんな場所で「前にも言いましたが正力松太郎を『Jリーグの父』と書いた部分は書き直してください」とも言えへんしな。筑紫さんの写真を見ながら菊の花を添えて一句。木枯らしの身は筑翁に不欲似(プージョクジ)。渋谷へ。タワーレコードでDVDとCDの仕入れ。仕事やもんな。ヨメハンも税務署の人も認めてや。NHKへ。今年最後の関東甲信越地方番組審議会出席。そうか。NHKも有料のインターネット・オン・デマンドを始めたか。バス会社の社長さんや銀行の頭取さんや大学教授さんなんかとの会議の後の軽いパーティが面白かった。「企業が簡単に従業員をクビにするのは解せない」「ほんの少し前に言うてた史上最大の利益はどこに消えたんやろ?」「まだ残ってますよ」「京都の店は100年続かんと認められへんのに四半期決算での評価っておかしいですよね」「そうそう。長い目で見なきゃ。良いときもあれば悪いときもある。ほどほどがいいんです」「しかし何が良くて何が悪いのか。倫理の基準を探るような番組をNHKに期待したいですな」「ブッシュはあの靴爆弾をよく避けたね」「あれは凄いです。手で頭を覆ったりせず相手をしっかり見据えて避けた。キャッチャーをやってたそうですけどアレはボクサーのダッキングですね」いろいろ話して近くのホテルへ。中国少林寺の坊さんたちによる身体パフォーマンスの日本公演を企図している人物と打合せ。確かに身体の動きは凄いけどウケルかな?英哲さんなんかとジョイントするべきかな。帰鎌。晩飯映画劇場は市川崑監督『穴』。オモロカッタ。スピーディな爆笑喜劇。御都合主義も許せる。京マチ子は魅力的やな。石原慎太郎(現都知事)が作家&ジャズシンガーで出演。歌ヘタやな。今度会うとき冷やかしたろかな(笑)。

CD
ツィマーマン指揮&ピアノ『ショパンピアノ協奏曲1/2番』
ツィマーマン指揮&ピアノ『ショパンピアノ協奏曲1/2番』
『山下洋輔Explorer×Sudden Fiction』
『山下洋輔Explorer×Sudden Fiction』
DVD
市川崑監督『野火』
市川崑監督『野火』
R・シュトラウス『サロメ』
R・シュトラウス『サロメ』

12月20日(土)
昨晩の大名演の興奮を引きずって仕事中に聴くCD選びが難航。思わず手にしたのがツィマーマンの弾き振りでショパンのP協。コレは大名演。ショパンのP協を初めて素晴らしいと思ったCD。そこへAVEXから今年のニューイヤー・ジャズ・コンサートのCDが届く。山下洋輔さんのP協第3番「Explorer」と「Sudden Fiction」。指揮は佐渡裕さん。編曲は何かと御縁のある天才女子大生挾間美帆。こりゃ楽しい。デュダメルに負けてまへん。選曲がエエと仕事も捗る。けどキイボードに向かうのでなくゲラの大量校正はいつもと姿勢が違うので疲れる。晩飯映画劇場は市川崑シリーズで『野火』。晩飯の時に見る映画やないけど強烈なテーマとフィリピンという舞台にも関わらず乾いたモノクロの美しい映像と何処か軽く抜けたタッチが見事。こんな凄い映画を見ずにコッポラやオリヴァー・ストーンを語っていた自分が恥ずかしい。足下に傑作があったのに。どうでもエエことやけど『野火』の予告編に使われた音楽はハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』のなかの『ロマンス』。浅田真央が使たのは『ワルツ』。昔からこの音楽の素晴らしさに気づいていた人がいたのは何故か嬉しい。映画の後コヴェントガーデンの『サロメ』のDVD。飛ばしながら見たけど凄い!演奏にも演出にもマイッタ。ヨカナーンの首を切った男が全裸(どうでもいいことですがボカシ無しで一物もはっきり映ってます)の血まみれで登場。抱きついてヨカナーンの首を受け取った下着姿のサロメも血まみれ。それで歌も音楽も最高級。いままでマルフィターノの舞台が最高と思てたけどコレも凄い!マイッタ。ゆっくり見直そ。

BOOK
光田和伸『芭蕉めざめる』(青草書房)
光田和伸『芭蕉めざめる』(青草書房)

12月21日(日)
朝佐吉と散歩&朝湯。湯船に浸かりながら光田和伸『芭蕉めざめる』(青草書房)読了。芭蕉隠密説の見事な証明。そうか。幕府は大名支配のため『土芥寇讎記』なんぞという通信簿を出しとったんか。その調査に芭蕉がイヤ曽良が動いたんか。この著者の本は先の『恋の隠し方=兼好と徒然草』も面白かったけど鋭いで。その後相変わらず仕事。日曜やで。年末やで。大掃除せなあかんのやで。年賀状もまだ作ってへんのやで。と思いながら校正作業。資料調べ。昼飯時は昨日見た『サロメ』をもう一度。フィリップ・ジョルダン指揮コヴェントガーデン王立歌劇場の今年3月の舞台。音楽も演出も見事。タイトルロールのナディア・ミヒャエルの声が少し弱いかとも思うが他の歌手とのバランスを考えるとそうでもない。オケが前に出た録音。ワーグナーやR・シュトラウスはこれでいいのだ。しっかしおもろいオペラの舞台は次々と山ほど出てくるな。午後からまた仕事。とほほ。晩飯食いながらクラブW杯。マンUがやっぱり強いけど胸の「AIG」が気になる。俺はもちろんキトを応援。年間予算8億円で素晴らしいチーム。その後HDに撮った『M1グランプリ』。全体のレベルは高いけどトップの爆発力はイマイチ。オードリーよりも笑い飯の2発目を聞きたかったな。

DVD
『ドグラ・マグラ』
『ドグラ・マグラ』
BOOK
夢野久作『ドグラ・マグラ』
夢野久作『ドグラ・マグラ』

12月22日(月)
朝東京駅へ。新書の校正を手渡し。時間切れで少々不本意やけど金子達仁さんとの対談本が来年1月発売されます。新幹線で大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。掛布さんと久しぶり。世良公則さんとは初めて。そうか。2人とも昭和30年生まれ。みんな歳とったな(笑)。3時間を短く感じる。東京の番組なんか入れんと前の4時間に戻しゃええのに。往復の新幹線で筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』再度熟読。字を読むだけで味わえるこの陶酔感!凄いなぁ。洋輔さんのニューイヤー・コンサートのパンフレットに最初書いた「引っぱり蛸」はやっぱり残すべきやったかな…などと思ってハッと気づく。夢野久作の『ドグラマグラ』を読み直そう!絶対アレはコレの発展形やで。コレが桂枝雀主演で映画化されたんやからアレも映画化されるべきやで。スラップスティック・サイコロジカル・ノヴェル・レアリズモなんやから。

12月23日(火)
朝佐吉と散歩。朝湯の時に筒井康隆『ダンシング・ヴァニティ』最後の部分を読了するか否かチョット迷うが読み切る。一度目読んだときは文章を味わう読み方をせず中味だけを理解したからナルホドと思っただけやったけど二度目はしっかり読んでるのでヤバイと思った。何がヤバイかというと泣くんじゃないかということだ。泣きたい気持ちもあって読んだがやっぱり涙ぐんでしまった。これほどの前衛小説で泣かせるまでする筒井大先生はやっぱり凄い。「死」をこれほど正確に(と思えるほどに)書ききった作品は他にあるまい。頭ボンヤリしながら追い込みの仕事。夕方から鎌倉芸術館へ。林英哲さんに鳩サブレーの差し入れ(他にないのんかい・笑)。英哲さんのコンサートはいつも凄いな。あの和太鼓演奏を日本の伝統と思わせる力が凄い。あれは前衛の極みやで。まぁそういうもんでないと後世の伝統にはナランのんやろけどな。帰りにちょいと『鮨処もり山』に寄って寝る前に『CDジャーナル』ぱらぱらめくったら山下洋輔さんが連載コラムで俺のこの日記の文体を真似たはった。簡単に真似られるとちょっと癪やな。あ。筒井大先生もそないに思わはるやろか。真似切れてへんしそんなことないわな。

DVD
『エフゲニー・オネーギン』
『エフゲニー・オネーギン』
『ボリス・ゴドゥノフ』
『ボリス・ゴドゥノフ』

12月24日(水)
早朝ラジオ。吉田照美サンに「メリー・クリスマス」と挨拶されて「ウチとこ臨済宗ですねん」。そないにはずさんかってよかったかな。素直に反応したいとは思うけどウチの家の周りにもチカチカとラヴホテルみたいな灯りが増え始めるとチョットはずしとなる。ウチのヨメハンまで犬小屋電飾で飾りよって佐吉が寝不足になるで。あ。御近所さんの中にもこの日記を読んでる人が多いんや。失礼しました。綺麗ですねぇ。クリスマス・デコレーション。どうぞ遠慮なくやってください。泥棒除けにもなりまっさかい。午後から土曜日のオペラ講座の準備。テーマはロシア文学。そうか。『罪と罰』も『カラマーゾフの兄弟』も『白痴』も皆オペラ化されてるんや。有名でない(成功作でない)だけなんや。いっぺん見てみたいけど。晩飯オペラ劇場はショスタコーヴィチ『鼻』原作はゴーゴリ。ポクロフスキーの演出は見事。さらにチャイコフスキー『エウゲニー・オネーギン』原作はプーシキン。ルネ・フレミングは田舎娘が似合うな。演出のカウフマンは木の葉を舞台に散らすのが好きやな。そしてムソルグスキーの『ボリス・ゴドゥノフ』コレも原作はプーシキン。ネステレンコのボリスは最高やな。久しぶりに見ても『成駒屋!』と声をかけとなった。最後は涙が出そうになって。そうか。歳とって涙モロなっただけか。

BOOK
山田眞一『エル・システマ〜音楽で貧困を掬う南米ベネズエラの社会政策』(教育評論社)
山田眞一『エル・システマ〜音楽で貧困を掬う南米ベネズエラの社会政策』(教育評論社)

12月25日(木)
朝佐吉の散歩&朝湯。御近所さんでウチの馬鹿次女が餓鬼の頃に家庭教師をしてくれて今はニュージャージーで暮らしてるお嬢さんが旦那とともに来宅。懐かしい。元気そうで何より。旦那はジャズのウッド・ベーシスト。ニューヨークで仕事してて洋輔さんのニューヨークトリオのドラマーのアクラフさんと懇意やとか。どっかでクロスするもんやなぁ。「ウチの阿呆息子のライバルやから頭をバットで叩いたろか」「初めて会うたのにカンニンしてください」京都の出身とかで気が合う。シーン・ヒギンスというピアニストとトリオを組んで録音したCDをいただく。若いモンがガンバッテルのはエエなぁ。午後からようやく机の上の整理に手をつける。山積みの本がチョットは片付く。山積みのCDはまだ先。晩飯映画劇場はベネズエラの「システマ」(子供の音楽教育システム)のドキュメンタリー映像。先日デュダメル指揮SBYOVの演奏に大感激したけどベネズエラの音楽教育は凄いで。年間予算70億円くらいで25万人の子供に楽器を与えて貧困と犯罪と麻薬から守りソコから超一流の演奏家が育ったんやから日本でもやれるはずやけど…。教え方が違うのかな。楽譜も満足に読めんような餓鬼にチャイコの4番やらバーンスタインのマンボをやらしてるんやもんな。それも楽しげに。エエなぁ。怒ってばっかりいる先生に基本ばっかりやらされたらソラ辞めるわな。

BOOK
夏目漱石『草枕』(岩波文庫)
夏目漱石『草枕』(岩波文庫)

12月26日(金)
朝6時過ぎ起き。8時の新幹線に乗るべく7時に家を出ようとして唖然。読む本がない!こういうときは『草枕』。漱石全集から第三巻を引き抜いて家を飛び出す。京都へ。やっぱり『草枕』は凄い。中2の時に国語の授業で読まされて「霊台方寸のカメラに澆季溷濁の俗界を清くうらゝかに収め得れば足る」という言葉に感激。以来読み返すこと10回以上。グレン・グールドが死の直前まで読んでいたと聞いてさらに読み返したけどまだまだ新しい発見がある。8年ぶりくらいに読み返した今回は芸術論としてでなく幻想小説として読める。『ダンシング・ヴァニティ』も影響受けたはるで。読点の使い方なんか一緒やで。京都六道珍皇寺で墓洗い。和尚っさんには逢えんかったけど祇園の御近所さんに鳩サブレーで年末の挨拶のあと大阪へ。MBS『ちちんぷいぷい』生出演。今年最後の特番で久しぶりの4時間長丁場。与良さんとも久しぶり。チョット疲れて京都へ。本HPを作ってくれてるグループと『ぐりる金星』で食事。忘年会とはいえ話よりも旨いモン食うことに熱中。いつ食うても旨い。『酒肆G』へちょいと顔出す。常連さんがいやはって来年6月の南座のチラシをもらう。そうか。田畑智子ちゃんが井上ひさしさんの『頭痛肩こり樋口一葉』に出るんや。京都駅へ。新幹線で名古屋へ。『草枕』読みながら寝る。はたして女性は…現れんな。草枕と違てベッドやもんな。

12月27日(土)
朝東海TV『スーパーサタデー』生出演。今年最後の特番。久しぶりに浅井慎平さんと一緒。何故かチョット元気ないみたい。緒方拳さんやら市川崑さんやらの話題が出たからかな。緒方さんとは同い年やもんな。ホテルに戻って『草枕』に益々感動のあと中日文化センターでオペラ講座。ロシア文学とオペラについて。これで今年の出張はオシマイ。仕事納めと言えんところがツライ。新幹線で帰鎌。帰宅したら阿呆娘二人がぎゃあぎゃあ騒いどる。日本選手権女子フィギュアの採点がオカシイという。フリーで村主が浅田以上の点数は納得でけんと言う。若い人を世界選手権に送らんと日本のフィギュアの将来に良くないという。見ればわかると言って何度もビデオを見せられる。ナルホド一理あるけどモウチョット静かにせい。織田君の優勝は嬉しいというとレベルが低いと批判されてソルトレイク五輪のときのヤグディンやプルシェンコの演技をビデオで見せられる。ナルホド。昨今の男子は世界的にちょいと不調やな。トリノのビデオも見せようとするので退散して寝る。

12月28日(日)
暮れも押し詰まりまりましたなぁ。朝佐吉と散歩してもエライ静か。そうか。日曜日か。仕事モードが消えて部屋の掃除。本棚と机の上の整理だけで丸一日かかる。アカン。ホンマはせなアカン仕事が山積みやのに。まぁ年末やしシャーナイな。ヨメハンは横浜へ買い物。ほな晩飯は『213』にするか。とビール飲んでサラダ食うてたらヨメハンに続いて長女が顔を出し何故か次女まで。なんでやねん。そうか。フィギュア日本選手権のエキジビション見るつもりやったんか。ホナ家帰れ。なんで帰らへんねん。ビール飲みたい?ワインも?飲むのはエエけど五月蠅いなぁ。家族の話は家でせんかい。マスターすんまへん。良いお年を。

12月29日(月)
朝佐吉と散歩。ベランダの落ち葉を集めて掃除して仕事部屋に掃除機かけるだけで汗だく。その後CD棚の整理だけで丸一日かかる。けど綺麗に片付いた。片付いたら仕事モードが完全に消える。歳末やしシャーナイな。年末と歳末はどう違うねん?広辞苑を引く。そうか。歳は年と同じなんや。当たり前やないか。歳末は歳暮(さいぼ)とも言うらしい。歳暮(せいぼ)と読むと意味が変わるのは日本人の感覚でホンマは漢音と呉音の違いだけらしい。仕事モードが消えるとくだらんことで時間潰すもんやなぁ。けど掃除より勉強のほうが好きやな。晩飯映画劇場は溝口健二『近松物語』。見事な脚本と映像。原作になってる近松の『大経師昔歴』いうのは知らなんだけど西鶴の『五人女』の要素が入ってるから近松の義理人情だけやない現代的ストーリーになって厚みが出てる。西鶴は凄いで。年賀状でけへんなぁ。

12月30日(火)
朝佐吉と散歩のあと裏庭大掃除。なんでこないに落ち葉が山ほど積もっとるねん。最近バドミントン選手時代の古傷と0.1トンの体を20年以上支え続けたせいか左膝が曲がらなくなったので庭掃除は全て中腰。太腿の裏側と大臀筋と腰がふらふら。体力ないなぁ。午前中だけで体中がバリバリ。口の中は空っから。そうか死に近づくいうのは乾いて固まることなんやな。などと余計なことを考える。しかし最近はエロスよりもタナトス志向が強まったかな。誰かエロスに引き戻してくれぇ(笑)。午後からも痛む体に鞭打って庭掃除&落ち葉集め。乾く。固まる。エロスが消える(爆)。BGMが悪かったかな。R・シュトラウスの『メタモルフォーゼン』『四つの最後の歌』やもんな。夕方から正月準備の最後の買い物に付き合わされる。年の瀬やなぁ。今年は第九を聴いてへんなぁ。聴かんでも年の瀬やなぁ。

DVD
『荒野の決闘』
『荒野の決闘』

12月31日(水)
朝起きたら体がバリバリに固まっとる。体に鞭打って文化放送電話出演。何ィ。吉田照美サンは休みかいな。ゲストは最後まで仕事しとるのにアカンで。今度怒ったろ(笑)。スタジオには局アナの太田さんと上杉隆さん。上杉さん凄く仕事してるな。続けてRKB毎日放送電話出演。MCの中西一生さんは休まず。有馬記念と競馬の話をしたあと佐吉と散歩。大晦にしては暖かい朝。目の前の通りを鶺鴒がロードランナーのように走って横切る。これは吉兆かな。来年はエエ年かな。気合いを入れて昨日に続いて庭掃除。モウ限界。体が動かん。体に鞭打って(俺はマゾか)玄関前と階段と表通りまで掃き清め玄関扉を拭き清める。正月飾りと門松を付けて完成。やったぜベイビー(古いなぁ)。夕方の佐吉と散歩で夕焼けを背にした漆黒の富士山を見る。見事。これも吉兆かな。あ。吉兆というのは「良い兆し」という意味で船場吉兆とは関係ありませんので念のため。疲れた。年賀状まだ完成せず。シャーナイな。ヨメハンがプリントゴッコで作りよるんやもんな。正月のメシ作りのほうが優先やわな。さぁ『紅白歌合戦』でも見るか。NHKの番組審議委員やもんな(笑)。

12月31日(水)つづき
紅白もオモロないなぁ。と思て格闘技にチャンネル回してもオモロない(魔裟斗だけは良かった)ので晩飯食いながら映画。『荒野の決闘』原題『My Darling Clementine』。ジョン・フォードの映像は何遍見ても凄い。ハムレットの台詞を語るドク・ホリデイも何遍見ても凄い。映画見終わってもまだ紅白してる。最近の歌は詩がサッパリワヤやな。悩んだり励ましたり落ち込んだり納得したり迷ったり若いくせに悟ったり。感懐を風景やオブジェに投影してへんから詩になっとらん。比喩がない。暗喩も換喩も提喩もない。「襟裳の春は何もない春です〜」とか「マイナス100度の太陽みたいに」といった凄い歌詞は最近消えた。なんでやろ?『ゆく年くる年』見ながら年越し蕎麦鰊入り。なんで年越しに蕎麦なのか。細く長く?ほな噛み切ったろ(笑)。なぜか「終わりなき世のめでたさを」という詩が浮かぶ。凄い文句やな。人間が瞬間にしか生きてへん証拠やな。『草枕』読みながら寝る。

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