10月1日(日)
『ギリシア人の物語』読み進む。宣戦布告なき古代のペロポネソス戦争が現代のウクライナ戦争にそっくりと言うよりも戦争とはどれもこれも似たような展開になるものなのかもしれない。そして有能な指導者がいる時は停戦から休戦→終戦→不可侵条約→平和条約へと進むモノですが有能な指導者がいない時は戦争はずるずるとウンザリするほど長引くのですね。著者の塩野七生さんの創った古代ギリシアの政治家の採点表の項目がオモシロかった。ペリクレス&クレオン&ニキアス&アルキピアデスを各項目100点満点で採点しているのだがソノ項目というのが「知性」「説得力」「肉体の持久力」「自己制御能力」「持続する意志」「運」そして「容姿」というもの。《真・善・美を言い出した民族なのでギリシア人にとっての容姿の美は神々の授けてくれた贈物なのである。つまり神々から愛されている証拠なのである》という理屈は古代ギリシア人だけに当てはまる理屈だろうが現代の政治家にもある程度プラス評価になると言えるだろう。この7項目の採点表で誰か日本の現代の政治家も採点してほしいものですね。ちなみに古代ギリシアの政治家の著者による採点のトップは言わずと知れたペリクレスの580点でした。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。相変わらず残暑厳しい秋(これを書いてる月曜日はかなり涼しくなりましたけどね)ワン。何日か前にNHKでマーティン・スコセッシ監督の映画『沈黙』をやっていたのを思い出しDVDを持っていたので少し見直してみる。カトリック系の中高に通っていたせいもあるのか中2で読んで激しく感動した遠藤周作の原作だったが映画はイマイチ。映画の出来が悪いわけではない。想像力に訴える素晴らしい小説は映像化が困難なのですね。やっぱり。晩飯はアジア大会を見ながら。女子卓球は頑張りましたね。男子サッカーは北朝鮮のラフプレイ相手に勝って良かったけどアノ国は困ったモノですね。スポーツを通じて改善…はできないモノでしょうかねえ。
10月2日(月)
『ギリシア人の物語』は泥沼のペロポネソス戦争が延々と続く。優秀な指導者を欠くアテネはマンティネアの会戦でまったく馬鹿馬鹿しい作戦の失敗からスパルタ中心のペロポネソス連合軍に大敗。その失敗を取り返そうとして保守派の指導者ニキアス(53歳)はデロス島にあるアポロン神殿への参拝ツアーに市民を招待。豪華壮麗な儀式で市民のショックを慰めようとするが効果なし。一方改革派の指導者アルキピアデス(33歳)はオリンピア競技大会で最も人気のある四頭立て馬車による戦車競走に7組もの戦車チームを引き連れて参加。表彰台を独占する大活躍でアテネ市民を熱狂させて喜びの渦に巻き込んだ。とはいえ《オリンピアの競技会で表彰台を独占しそれによって沸きあがった熱狂もアテネが直面している状況が打開されるとは誰も思っていなかった》。「スポーツ・ウォッシング」とは昔も今もこの程度のものなのでしょうね。今年の夏の甲子園で慶応高校が優勝したからといっても「高校野球の問題点」は何も改善されてませんからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。ようやく秋の空気が肌に快く感じる季節になった。ワン。いろいろデスクワークをしているところ『日刊ゲンダイ』のI記者から先日行ってくれたインタヴューの掲載紙が(9月28日発行)が送られてくる。タイガースの優勝を「ただ強いだけのタイガースなんてオモロない」とのタイトルで完全試合続行中の村上投手の降板やまるで維新(第2自民党)のようになったタイガースを批判。ただ単に単なるタイガース批判だけでなくメディア主導で将来の展望のない日本の野球界をも批判。「責任者出てこーい!」という人生幸朗師匠のギャグは今や通じないかな?晩飯はアジア大会を見ながら。途中TVKの吉本新喜劇へ。スチコさんと千葉ちゃんが出るとオモシロイ。一度台本を見てみたいですね。何%くらいがアドリブなのかな?台本がなかったりして(笑)。日本の女子ソフトボールは中国を破って優勝してアジア大会6連覇。アジア大会はNHKが9時のニューズで取りあげない程度の出来事なんですね?
10月2日(月)つづき
重要なことの書き忘れ。ジャニーズ事務所の2度目の記者会見を見た。内容はともかく「各社1問だけ」などという縛りを主催者側が主張するのはオカシイ!首相記者会見もそうしているが「各社1問」などというダイアローグ(対話)を拒否する会見など記者会見と呼べないはず。そのような縛りを設定する権利など会見の主宰者にはないはずでこの言論の自由を封殺するような会見の一般化はジャーナリストたちは断固阻止するべきですね。
10月3日(火)
『ギリシア人の物語U』の長引く泥沼のペロポネソス戦役の記述で興味深い表現があった。基本的には宣戦布告なきアテネ(デロス同盟)vsスパルタ(ペロポネソス同盟)の戦いなのだが戦戦が広がってアテネがイタリア半島の南にあるシラクサ(シチリア)を攻めるようになった時にスパルタはコリントに対アテネ戦戦への参加を求める。シラクサはペロポネソス同盟に参加していないが元々シラクサを植民した都市国家であると同時にスパルタと同じ「ドーリア系ギリシア人」でアテネの「イオニア系ギリシア人」とは異なるから「ドーリア民族」として「イオニア民族」との戦いに参加せよというのだ《民族の別を持ち出してくるのもまた戦争が長期化した場合に生ずる一つの特徴である。戦争が長期化すると起こる悪弊のもう一つは宗教を持ちだしてくることだが多神教の世界であった古代ではそれは起こらなかった。ドーリア系であれイオニア系であれゼウス以下の神々を信仰していることでは変わりなかったからである》しかし現代の長期化したウクライナ戦争ではウクライナ系スラブ人はウクライナ正教会を信仰しロシア系スラブ人はロシア正教を信仰し一方は民族と宗教の違いを強調し他方は民族と宗教の同一性を主張している。覇権主義(帝国主義)は差異よりも同一性を強調するものなのですね。それをfascismoと言うのでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。流石に神無月も3日になると涼しくなる。散歩のあとのシャワーも温水でなければ風邪をひきそう。ワン。終日ナンヤラカンヤラ雑務。締め切りがなくてもデスクワークの雑用がイロイロあるのはちょっとウンザリですね。晩飯はアジア大会を見ながら。テレビ局はオリンピックと同じように数多くの競技が…と強調しアジア大会の価値を高めようとしているけどよーワカラン。負けても笑顔で平気に敗因を分析する選手もいてそれもオモシロイかな。必死さを強調しないスポーツとして…。マスメディアは不満だろうけど…。
10月4日(水)
塩野七生『ギリシア人の物語U民主政の成熟と崩壊』(新潮社)読了。アテネはペルシア戦争に大勝し《繁栄の道が開かれた年からは75年後。その繁栄を維持するだけでなくさらに強大化するのに成功したペリクレスの死から数えればわずか25年後》にペロポネソス戦役に敗れて全てを失って没落する。かつて"○○ as No.1"と言われた国が外人観光客のインバウンドや先行き見通しの立たない万博やIRに頼らねばならなくなるほど没落したのも25年くらいのものでしたね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。そう言えば昨日『日刊ゲンダイ』の記者から小生がインタヴューを受けた記事「ただ強いだけのタイガースなんてオモロない」がネットの『日刊ゲンダイDIGITAL』にも掲載されたと連絡があった。皆さん!かつてのタイガース・ファンの"嘆き"を読んでみてください。ワン。https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/sports/329789
イロイロ仕事して晩飯はアジア大会サッカー日本vs香港を見ながら。4-0の勝利。オーバーエイジの選手も使ってる韓国との決勝の試合がミモノですね。月曜日のジャニーズ事務所の記者会見で「質問させない記者」のブラックリストのようなものが作られていたことが発覚。それには「積極的に質問させる記者」もリストアップされていたとか。そもそも「一社一人一質問のみ」なんて記者会見とは思えないルールを押し付けられてジャーナリストたちがそれを抗議もせずに受け入れている方がオカシイですよね。首相会見も今や記者会見とは言えない「一問一答」に成り下がってしまった。記者会見はモノローグを聴く場ではなくダイアローグを交わす場のはず。かつて佐藤栄作首相が気に入らない新聞記者を追い出してテレビ相手にモノローグを行ったことがあったけどその時は「質問させないなら出て行こう!」と新聞記者全員が自ら退場したものだった。そんなジャーナリストの気概は今やなくなったのか?
10月5日(木)
塩野七生『ギリシア人の物語』は最終巻の『V新しき力』に突入。いよいよマケドニアからアレキサンドロス大王が現れてギリシア世界を一変させるのだろうがその前にアテネとスパルタという古代ギリシアで覇権(ヘゲモニア)を競った2大都市国家が自らの重なる失敗で力をなくしてゆく様子が詳細に描かれる。哲人ソクラテスが若者たち(アルキビアテスやクリティアス)を誑(たぶら)かした罪で有罪として毒杯を呑ませたのもアテネの混乱した姿ならギリシア随一の海軍力を支えた兵士たちがペルシアの傭兵となってギリシアを去り(外国でカネを稼ぎ)エウリピデスやアガトンやクセノフォンといった文化人もアテネを出て行った。何やら最近の我が国の姿を見るようだが…一方で軍事国家として経済政策が上手くいかなかったスパルタも自滅する。これは現代中国の姿…かな?ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。短パンがGパンに変わりスッカリ秋。やっぱりスポーツの季節は秋ですね。オリンピックも高校野球も夏にやるものじゃないですな。ワン。ジャニーズ事務所の記者会見の「NG記者リスト」がテレビでも話題に。問題の根本に「1社1人一問一答」という「主宰者の強権的自分勝手なルール」があることを指摘する人が少ないうえにいつの間にか首相や官房長官の記者会見もその馬鹿げたルールに支配されるようになったことを指摘する人はいない?要するに日本のメディアにはジャーナリズムもジャーナリストも存在しなくなったということか?これでは報道の自由度ランキングが世界で下から数えた方が早い位置まで落ちるのも当然ですね。テレビで唯一「芸能ジャーナリズム」でないジャーナリズム番組の土曜のTBS『報道特集』ははこの問題をどう取りあげるのかな?晩飯はアジア大会を見ながら。バスケ女子は頑張りましたね。平均身長が10p低いとは思えませんでした。TBSはアジア大会を「アジアのオリンピック」とPRしているけど文化プログラムも休戦協定もなくアラブはイスラエルを追い出し中国とインドは対立し北朝鮮のサッカーのやり方や報道の仕方を見ているとすべて「五輪憲章違反」でとても「アジアのオリンピック」とは呼べないですよね。
10月6日(金)
『ギリシア人の物語V』読み続ける。アテネ・スパルタ・テーベなどの先進都市国家が相継いで自滅没落してマケドニアが勢力を伸ばす。《ギリシアのポリス(都市国家)にしてみれば王政を続けるマケドニアは野蛮な国であった。政治的・軍事的・経済的のすべてで長年に渡って後進国と見られてきたのだ》その立場はやがて逆転する。コレはいつの時代にも(現代にも)当てはまる歴史的必然なのか?もう少し読み進めて考えねば。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋空に一瞬の風の心地よさ。少し待てばスポーツに相応しい季節になるのに運動会を早めて熱中症児童を出したりするのは夏にオリンピックを開催する悪影響か?蝉の声が消えたのに蜻蛉が少ないのは寂しいなぁ。ワン。『オプエド』の準備をしていると隣家のフランス人夫妻の娘さん夫婦が生まれて7か月の子供を連れて里帰りの挨拶に来てくれた。ウチの娘たちの友達もモウすっかりお母さんですね。旦那はノルウェー人のイケメン。我が家の周囲は結構インテルナチオナルですなぁ。お土産にノルウェー産のリキュールをいただく。very good!今日の『オプエド』のゲストはフランスのW杯取材から一時帰国しているラグビー・ジャーナリストの村上晃一さんと先週中国杭州からアジア大会をレポートしてくれた小崎仁久さんが今週はビーチバレーの取材でメキシコから。こちらもinternationalですなぁ。番組の冒頭でスタジオ・アナの舟橋明慧さんが丸の内にあるラグビー神社の写真を撮ってきてくれた話をすると京都在住の村上さんがすかさずソレは下鴨神社にあるラグビー神社から宮司さんが来てキチンと分祀した由緒ある神社であることを説明。下鴨のラグビー神社は昔慶応大学が三高(現京大教養部)に関西初のラグビーを伝えた地にあるコレまた由緒ある神社で村上さんなどもその設立に関わり前回の日本開催のラグビーW杯では世界のラグビー関係者が参拝したとか。そこまでキチンとした神社とはしらなんだ。その他アルゼンチン戦との予想や優勝予想など。最近ラグビー関係の本を出した小崎さんも加わってメッチャ面白く楽しいラグビーの話題を1時間。日本がアルゼンチンに勝つ確率は19%くらいだそうです。『オプエド』のあと『チコちゃん』見ながら晩飯&酒。そしてアジア大会女子サッカーvs北朝鮮。日本の見事な先制点&後半のゴールラッシュ。「なでしこ」を名乗れない急造チームなのに日本にとっての素晴らしい試合でした。『オプエド』のラグビー面白話は今も聞けますhttps://op-ed.jp/
DVD |
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『マーズ・アタック!』 ティム・バートン監督のケッサク・ドタバタ喜劇。ジャック・ニコルソンが米大統領です
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10月7日(土)
『ギリシア人の物語V』読み進む。著者の先行作品に『ローマ人の物語』があるため所々に「ローマ」が顔を出す。《ギリシア人が創り出した「デモクラツィア(民主政)」と「オリガルキア(寡頭政)」に対し貴族と平民の間で抗争が絶えなかったローマは「レス・プブリカ(共和政)」と名付けた新しい新しい概念を創り出した。「パブリック」を考えれば「対立」よりも「融合」でいくべきだと》ナルホド。《「師の業績は弟子しだい」と私は思っているがローマはギリシアの弟子になったのだ。師をことによっては反面教師にするのも優秀な弟子である証しなのだから》日本は民主政をアメリカから学んだかもしれないがも共和政は学ばなかったようですね。いやジャニーズ事務所の記者会見や首相の記者会見を見ていると日本人は民主政(デモクラシー)も共和政(リパブリック)も学んでない(身に付いてない)ように見えますね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋風が吹き始めるとTシャツ&短パンでの散歩は少々寒いですね。いや歩いている時は良いけれど散歩が終わってシャワーを浴びたあとはトレーナーはまだ早いけどGパン出ないと風邪をひきそうですね。ワン。少々デスクワーク&雑務処理で夕方から鹿児島国体の開会式のTV中継を見る。小旗を振ったり足並みを揃えなくても軍隊式分列行進の臭いが消えない各県の入場行進。オリンピック(平和の行進)よりもスパルタキアード(軍隊行進)に近いかな?来年からは国民スポーツ大会と名称を変えるけど日本人はスポーツの「意味」と「実践の仕方」も学びきってない(理解できてない)のかも…。そこへ3連休で孫が遊びに来たので一緒に映画を見る。ティム・バートン監督の『マーズ・アタック(火星人襲来)』。ジャック・ニコルソン&ナタリー・ポートマン&ロッド・スタイガ−&トム・ジョーンズ…らの豪華キャストによるハチャメチャ・ギャグ満載スラップスティックSFは中1の孫には少々難解だったかな?バレーボール見たりアジア大会見たりしながら晩飯のあとサッカーアジア大会決勝日韓戦。急増若手チームが勝てば兵役免除の恩恵付きほぼA代表に負けるのは仕方ないかな。もう少し頑張れれば良かったけど…そのあとブレイキン(ブレイク・ダンス)の男女決勝を見る。このダンスがフレッド・アステア&ジーン・ケリー→マイケル・ジャクソンからどうつながってるのか?つながってないのか?誰か説明してほしいな。。
10月8日(日)
『ギリシア人の物語V』はついにマケドニア国王の座にフィリッポスが就く。軍隊の大改革や領土の拡大などアレクサンドロス登場前の下地作りに手腕を発揮。そのうえオリンピア競技会の戦車競走でマケドニアの選手が優勝。《フィリッポス自身は馬と戦車を提供しただけでそれを御して勝ったのは別のマケドニア人だがオリンピアの四頭立て戦車競走では御者だけでなく馬と戦車の提供者も表彰される。現代の競走車レースでドライバーと共にフェラーリやメルセデスが優勝杯を手にするのに似ている》おまけにマケドニアは300年もの間オリンピア競技会に《招かれることがなく参加が認められるようになってからも120年が過ぎている。その間マケドニア人の頭上に月桂冠が輝いたことはなかった》それだけに辺境の地マケドニアの人々はフィリッポス国王を中心に気分も高揚し結束も強まったというわけだ。現代行われている近代五輪ではこれほどの「国家の盛りあがり」はないだろう。ワン。ベッドを出て孫と一緒に寒さを感じる空気のなか黒兵衛の散歩。季節の進むのは早いですね。ワン。散歩のあと孫と一緒に映画鑑賞は滝田洋二郎監督『僕らはみんな生きている』。「Japan as No.1」と言われた時代。発展途上の軍事独裁国家の予算で建設事業を奪い合う競争をしていた日本の商社マンたちが革命軍クーデターに遭遇。生死の谷間を右往左往しながら自分たちの非人間的だった人生に目覚めるという見事なブラックコメディ。革命軍に捕まったベテラン商社マンを助けに向かう3人の商社マンのなかで真田広之が革命軍の隊長に向かって行う最後の演説がナカナカ見事。ほかに山崎努・岸部一徳らも名演技でかつての日本のモーレツ商社マンたちの仕事一途の真情あふるる悲哀を演じている。中1の孫もこのブラックユーモアは理解できたようだ。1993年製作の映画。日本経済の没落の早かったことも感じますね。午後はサッカー天皇杯準決勝。J2ロアッソ熊本は残念ながら柏レイソルに敗退。決勝はアビスパ福岡に勝った川崎フロンターレと。夜はラグビーW杯アルゼンチン戦。良く善戦したけれど実力の差が出たかな。残念。冬季五輪のウクライナ開催を主張している五輪アナリストの春日良一さんが札幌市の冬季五輪の「意味のない招致」からの「意味のない撤退」を表明したことに憤ってます。小生もその意見を支持。スポーツ文化&五輪文化のことをまったく無視した行動はまるでバブル期の商社マンのように経済オンリーでオリンピックを招こうとして断念した日本人は映画『僕らはみんな生きている』と春日さんのYutubeを見るべきですね。https://youtu.be/FOsGNmIiN6Y
10月9日(月)
スポーツの日。最初文科省やスポーツ省の官僚が提示したスポーツの日の定義は「スポーツと親しみ…」という文言でしたがそれをスポーツ議員連盟やスポーツ協会などに提示されたときの会議で「スポーツを楽しみ…」に変えましょうと提案したのはオブザーバーとして参加していた小生でした。その提案が受け入れられてスポーツの日の定義になったのですが(当然ですよね。スポーツと親しみ…なんて意味不明ですよね)この一件は小生の数少ない日本のスポーツへの貢献の一つとして自負しています。エッヘン。『ギリシア人の物語V』読み続ける。マケドニアのフィリッポス国王は後に「大王」と呼ばれるようになる息子アレキサンドロスに対して《奥さんには野蛮だ下品だと軽蔑されながらも息子の教育に適切な配慮で臨んでいた》という。《体育面はスパルタ式に教養となればアテネ式を採用。そのやり方で一貫していた》らしい。ナルホド。この両立は今でもナカナカ難しいですからね。アレキサンドロスの家庭教師がアリストテレスというレベルの高さもスゴイですよね。ワン。土砂降りの雨のなか長女と孫と3人で黒兵衛の散歩。雲古をすると慌てて引き返す。濡れること以上に風邪が心配になる季節になりましたね。ワン。3連休3日目らしいけど1964年の東京オリンピックの開会式の日を記念して10月10日と定められたスポーツの日(旧・体育の日)を移動祝日(ハッピーマンデー)にしたのはオリンピックやスポーツ文化に対する無知と敬意の無さをさらけ出してスポーツを馬鹿にしている最低の処置ですね。1964年10月10日のアノ素晴らしかった最高の青空を思い出してこそ価値ある祝日のはずですからね。何故か急に腰が痛くなって少々身体を休ませるがビール&ワイン呑みながら晩飯食って吉本新喜劇観てると治った。酒と笑いは百薬の長。万病に効くのかな?
10月10日(火)
今日が本当のスポーツの日ですね。『ギリシア人の物語V』読み進む。ギリシア全土を掌握したフィリッポス国王が46歳で暗殺されて20歳になったばかりのアレキサンドロスが王座に就く。父と子は相当に不仲でアレクサンドロスも暗殺犯に疑われたらしいが事実は恋人の奪い合いから生じた逆恨みという国王暗殺にしてはツマラナイ理由で行われた凶行だったらしい。《殺意には客観的な基準は存在しないのである》という著者の指摘は最近起こった寺の住職練炭殺人事件にも当てはまりそうですね。早速アジア(ペルシア)征服の旅に出ようとするアレクサンドロスに対して師匠のアリストテレスは「数年にしろ先に延ばすのも悪い選択ではない」と忠告する。「その間に経験も積めるし慎重に対処する利点も学ぶであろう」それに対して若きアレクサンドロスは「おっしゃるとおりでしょう。しかし若いからこそ充分にある瞬時に対応する能力は衰えてきます」20歳にして「衰え」という未来を思い浮かべる音のできたアレクサンドロスはヤッパリ只者じゃないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。あっという間にスッカリ秋。もうすぐ「冬よりも夏がマシじゃと皆が言い」という季節になるのですね。アフガンでは激しい地震。伊豆諸島近辺では原因不明の津波。しかしそれらは天災。ハマスとイスラエルの戦争は人災。ウクライナ戦争もアルメニア&アゼルバイジャンによるナゴルノ=カラバフ紛争ももちろん人災。人災(戦争)の絶え間のないことは現代も古代ギリシアも変わらないですね。オリンピアの祭典は戦争阻止の力を持てないのでしょうか?2030年の冬季オリンピック招致を札幌市は諦めたようですが東京五輪の汚職事件だけでなく地域振興や経済効果ばかりを語りスポーツによる世界平和を語らないような都市や国はそもそもオリンピックを開催する資格があるとは思えませんね。そういう批判を小生がインタヴュアーとなって春日良一氏に語っていただいた記事が『JBプレス』というネットメディアに掲載されました。御一読ください。https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/77331
晩飯はウィーン国立歌劇場によるヴェルディ『ドン・カルロ』を見ながら。歌劇場の入り口も通路も客席も使ったコンヴィチュニーの現代演出はメッチャ面白いですね。
10月11日(水)
『ギリシア人の物語V』読み進む。アレクサンドロスはペルシア(アジア)への遠征を始める。その父フィリッポス国王に関する見逃せない記述があった。マケドニアというギリシアから田舎扱いされていた国の王はオリンピアの競技会に招かれ戦車競争で優勝して「ギリシア化」を達成するがさらに四大競技会の一つであるデルフォイでのアポロンに捧げる競技会の主宰者にも選ばれる。これでマケドニアの「ギリシア化」は完璧に完成と思われたがマケドニアに叛旗を翻したアテネとスパルタがこのフィリッポス主催の競技会をボイコットする。《ギリシアの休戦協定を含む競技会が政治上の理由でボイコットされた最初の例になった》という。《民主制を創り出せば衆愚政も創り出す。市民全員の投票を実現すれば不正投票も実現してしまう。オリンピックを発明すればボイコットも発明してくれる。(略)われわれは良いことも悪いこともその多くを古代に生きたギリシア人に負っているのである》ナルホド。「正」も「反」も創り出したのに「合」は創り出せなかったのかな?ワン?ベッドを出てRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはスポーツの秋。ラグビーW杯でアルゼンチンに勝てなかったこと(高齢化が原因?)や体操世界選手権橋本選手の活躍やマラソンで2時間を切る直前の世界最高記録2時間35秒が出たことや札幌市が冬季五輪招致を断念したこと(経済や地元の活性化ばかり言ってスポーツやオリンピックの理念を話さないのだから当然ですよね)やロス五輪で野球が復活すること(同時にクリケットがえら張られたのはヨーロッパへの配慮?)…などなど「スポーツの秋」で話題満載。やっぱりスポーツは夏ではなく秋ですね。ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。いろいろデスクワークするなかで共同通信から札幌冬季五輪30年開催辞退の感想を聞かれる。経済や地元のことばかり話してスポーツの価値やオリンピックの本義を語らない札幌市長にオリンピックを開催する資格はないといったことを答える。金曜の『オプエド』ゲストはフランスでラグビーW杯取材中の生島淳さんとメキシコでビーチバレー取材中の小崎仁久さんの決定。ワールドワイドですね(笑)。晩飯食いながらTBS-BSでハマスとイスラエルに関する報道を見ているとコメンテイターの堤伸輔氏が「いつの日かエルサレムでオリンピックが開かれるようになれば…」といったことを口にされた。それこそ真のオリンピックのはずですが…。
10月12日(木)
『ギリシア人の物語V』に書かれているアレクサンドロスの「東征」(ペルシアへの侵攻)は流石に興味深い。兵力3万5千はペルシアの10万単位の兵力移動に較べてチッポケで「愛すべき向こう見ずの20歳の若者」をペルシア王ダリウスは対応を地方の部下に任せたがアレキサンドロス軍の中味がオモシロイ。兵士の他に記録係・通訳・建築等の技術者・医師の部隊…それに地理・歴史・動植物等の専門家や哲学者(アリストテレスの甥のカリステネス)なども帯同させているのだ。そして黒海の南のマルマラ海の狭い海峡を渡ってアジアに入ったアレキサンドロスは愛読していたホメロスの『イーリアス』に書かれていたトロイの木馬で有名な古戦場の《観光》にも向かっているのだ。このような「教養」がその後の連戦連勝にどのようにつながったのは(まだ)わからないが酷い戦争の始まったパレスチナの地で戦いを開始した人々はそこがパレスチナという「肥沃な三日月地帯」と呼ばれた土地であることを知っているのだろうか?今「イスラエル交響楽団」と呼ばれてる音楽団体もかつては「パレスチナ交響楽団」と名乗っていたのですからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。老犬は元気そうに見えても相当視力が衰えたようですな。そう言えば「ブッシュの戦争」と言われたイラク戦争に派遣されたイギリス兵はチグリス・ユーフラテスの大河を見て人類文明発祥の地に思いを馳せたというレポートがあったと記憶している。アメリカ兵は無反応だったらしい。それがアメリカの戦争の結果(大量破壊兵器の発見もなくイラクの占領統治に失敗したこと)と関係があるのかな?ワン。終日デスクワーク。昨日のBS-TBS『報道730』での堤伸輔氏の「エルサレムでオリンピック」という発言を春日良一さんに伝えると「パレスチナとイスラエルのスポーツ交流はオリンピックの究極の目標」だとか。明日の『オプエド』はフランス(ラグビーW杯)から生島淳さん。メキシコ(ビーチバレー世界選手権)から小崎仁久さん。ワールドワイドですなぁ(笑)。晩飯はオリバー・スト-ン監督の『アレキサンダー』を見ながら。180分の超大作の3分の1を見る。塩野七生さんの『ギリシア人の物語V』を読んでるからメッチャよくわかる。オモシロイ!しかし戦争ばかりしている人間の「性」というか「業」というか…今こそオリンピックの出番かもしれない…!?
10月13日(金)
『ギリシア人の物語V』読み進む。小アジアで進軍を続けるアレクサンドロスはゴルディオンという都市で「ゴルディオンの結び目」という現在でもヨーロッパの子供なら誰でも知ってる一種のナゾナゾに出逢う。一人用戦車と馬を繋いだ革紐が何重にもぐるぐる巻きになっていて誰にも解けない。そこでゴルディンの長老たちがこの結び目を解いた者だけがオリエントの支配者になれるという言い伝えを伝える。するとしばらく結び目を見つめていたアレクサンドロスは剣を一気に振り下ろしてその結び目を切ってしまう。要は「コロンブスの卵」と同じですね。剣を用いるか卵を割るかがアレクサンドロスとコロンブスの違いですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。スフィンクスがオイディプスに問うた謎かけやトゥーランドット姫の謎かけのように謎は英雄が誕生するために解かれて終わるのですね。その英雄の「解」は暴力的だったりルール違反に思えるものだったり簡単なものだったり…。クイズがオモシロイのは英雄を生むからで英雄を生まないクイズはただ知識の量を較べてるだけだからツマラナイのですね。ワン。終日デスクワーク。『ニューズ・オプエド』はフランス&メキシコ&日本を結ぶ初の地球上三元中継に成功。生島淳さんと小崎仁久さんによる日本ラグビーも未来はラグビー協会の運営手腕にかかっているという結論は正鵠を射てましたね。今も見ることができますのでよろしく。https://op-ed.jp/
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『アレキサンダー』 オリバー・ストーン監督のオモシロイ映画ではありますが、この凄い英雄を3時間で描くことなど到底無理ですね
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10月14日(土)
昨夜のサッカー日本代表vsカナダ戦は4対1の勝利。マァマァ見事な試合でしたね。選手の誰が出てもまずまずの試合ができる層の厚さは感じましたね。『ギリシア人の物語V』はいよいよアレクサンドロスの一大決戦。イッソスの会戦。ダリウス大王率いる15万のペルシ3万のアレクサンドロス軍が挑む。そして見事な勝利。アレクサンドロスの戦法は宮本武蔵の『五輪之書』でいう常に「先の先」だったのですね。一気に騎兵で仕掛けて敵の本陣まで入り込んで大将を打つ。「後の先」で待ち構えていたダリウスは急襲に驚いて逃げ出したわけですね。《迷いは勝利への足を引っ張るが確信は勝利への後押しをする》というわけで5分の1だった兵力のアレクサンドロス軍の勝利。オリバー・ストーン監督の映画と塩野七生さんのイッソスの戦いの描き方は少々違っていますが(前者ではダリウスは戦車で逃げ出すが後者では戦車も捨てて単身馬に乗って逃げ出す)22歳の若き王と47歳の落ち着いた王の違いは明らかですね。本も映画もどちらも面白い。ワン。ベッド出て黒兵衛と散歩。実は最近隣家の老婦人が死去するという事件があり昨日が通夜。小生はオプエドがあったので失礼したが女房と次女と孫2人が参列。今日の葬儀には黒兵衛との散歩のあと女房と長女と孫とで参列させていただいた。長くお世話になったお婆さんで東京住まいの長男の方やアメリカ住まいの長女の方も帰国して葬儀を行われる。長く生きてるといろんな出来事に遭遇するのは当然ですがコロナ禍のあとの日常が戻ってキチンと葬儀で送ることができたのは良かったですね。葬儀のあと久しぶりに『センプリーチェ』に寄って家族4人でイタメシの昼食のあと帰宅。日常が戻ってきたら自分の歳を感じるようになたのは残念ですうなぁ。
10月15日(日)
『ギリシア人の物語V』読み進む。イッソスの会戦に勝利したアレクサンドロスの軍はメソポタミア(ペルシア帝国)中心部のバビロンやペルセポリスに一気に進むのではなくエジプトへ立ち寄る。その途中ガザが抵抗して立ち塞がる。《ガザと聴くと現代のわれわれにはパレスティーナ人の本拠地としてのガザしか思い浮かばないがイェルサレムは誰も重要視していなかった2300年昔のこの時代ガザのほうが知名度は高かったのである》知らなんだ。ガザはイスラエルやアメリカよりも古い歴史を持っているのですね。ワン。ベッドを出て土砂降りのなか長女と一緒に黒兵衛の散歩。黒兵衛に初めてレインコートを着せるが赤色は還暦のちゃんちゃんこのようで大笑い。ワン。ガザに興味を持ったのでチョイと調べてみると紀元前12世紀頃にペリシテ人によって建設された都市国家らしい。アレクサンドロスが征服したのも建国から8世紀以上経ってからなんですね。凄い歴史のある地域ですね。ちなみにハマス(Hamas)という言葉を『アラブ・イスラム中東用語辞典』(成甲書房)というナカナカ面白い本で調べてみると《正確には「ハマース」で正式名称である「イスラム抵抗運動」の略語。またアラビア語で「情熱」も意味する》とか。ヒズボラ(Hizbolla)は《レバノンのイスラム教シーア派組織》で《本来「ヒズブ・アッラー」で「神の党」を意味するアラビア語》だとか。ふ〜ん。「ガザ」という都市国家の名前の意味は書かれていなかったが《医療用に用いられるガーゼはガザ特産の目の粗い布に由来する名称と言われている》らしい。そんなガザが負傷者の山とは皮肉としか言いようがないですね。午後から雨が小降りになったので東海道線で東京へ。地下鉄東西線に乗り換えて早稲田へ。早稲田大学で開かれた『第126回スポーツを語り合う会:アーバンスポーツの魅力とオリンピックの今後を考える』に出席。ブレイキン(ブレイクダンス)のAYANEさんやサーファーの上山キアヌ久里朱さんや柔道家の山口香さん(筑波大教授)や元レスリング五輪銀メダリストの太田章さん(早大教授)などの話を拝聴。凄く勉強になりました。司会の長田渚左さんに発言を求められたので春日良一さんのウクライナで冬季五輪を!というメッセージを紹介。エルサレムでオリンピックを!という声もあることも紹介。有意義な日曜日を終えてビールを飲みながら帰宅。晩飯食べながら見た『ダーウィンが来た!』の朱鷺のドキュメンタリーも良かったけど『日曜美術館』の棟方志功に感激。デザインが見事な画家と誤解していたことを反省。彼はピカソと肩を並べる画家ですね。棟方志功展に絶対行くことを決める。
10月16日(月)
『ギリシア人の物語V』ではアレクサンドロスがガウガメラの会戦にも兵力5倍のペルシア軍相手に見事に勝利。ペルシア王ダリオスはまたしても戦場から逃走。その態度が最後には味方の離反につながるのだがアレクサンドロスも子供のときからの学友で戦友となった仲間の不満や離反や暗殺計画の噂に悩まされるようになる。要はスタンドプレイが鼻につくということなのだが《長い遠征でアレクサンドロスは大きく成長した。が戦友たちはそうでもなかった。それはアレクサンドロスがますます孤独になるということだった》確かに。21歳で東征を始めて8年。まだみんな20歳代ですからね。大天才の周囲にいる仲間もシンドかったでしょうね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩のあと終日デスクワークいろいろ。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。ナントナントあきさんを中心に人魚や海の底の世界まで現れるかなりブッ飛んだ台本。基本的なギャグは残しながら吉本も成長してますね。パ・リーグのクライマックス・シリーズは延長10回表にホークスが3点入れて勝負ありと思ったところがソノ裏マリーンズが3ラン・ホーマーなどで大逆転。これも場内アナウンすの力かも( ^o^)ノ『映像の世紀バタフライエフェクト』はタイムリーなパレスチナ問題。今日の混乱の原点はイギリスのユダヤ人とアラブ人に対する二枚舌外交が原点なんですよね。録画したので明日にでもゆっくり見直しましょう。日本はイスラエルともアラブ諸国ともキチンと付き合っているので紛争の仲介に入れる立場にあるという人がいるけど立場はあっても人材がいませんね(>_<)
10月17日(火)
『ギリシア人の物語V』はアレクサンドロスがインド王ポロスと最後の大会戦に臨んだり敵の槍を胸に受けて瀕死の重傷を負ったり戦友と考えていた兵士に反乱を起こされたり…いよいよ終末に向かう。しかしこの3巻本には傍線を引いて勉強になるオモシロい表現が山ほどある。アレクサンドロスが征服した土地の行政をペルシア人に任せてたら不正と汚職が蔓延ったことについて著者は《所詮は公共心の有無に帰す》と書く。《公共心という考え方自体がギリシア人の発明であってオリエントのものではない。アジア人には欠けていると言っているのではない。がだ一般的に言えばやはり欠けている。民主政も公共心の産物だがこれもギリシアで生まれた政治理念であった》なるほど。だから公共心に欠ける日本人(アジア人)は公共の文化(持ち物)であるスポーツ(野球など)を一企業の私有物にして平気なのですね。政治が自民党の独占(独裁)で平気なのも公共心の欠如から民主政の理解が進んでないからかな?捕虜の尋問に関する記述で《インタヴューが成功するか否かは問われて答える側よりも聴き出す側の能力にかかっている》という指摘もあった。その通りですね。スポーツの試合後のインタヴューで選手に「試合を振り返って下さい」「打った球は何ですか?」なんてバカなことを聞くインタヴュアーがいるけどまさに阿呆ですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。「秋深し隣は何をする人ぞ」という芭蕉の句は本当は「秋深き」らしいですね。でも「秋深し」のほうがイイですよね。ワン。終日デスクワークは雑誌『ZAITEN』の連載『今月のスポーツ批評』の執筆。「ジャニーズ事件」を取りあげて日本のメディアのジャニーズ事務所との「馴れ合い・もたれ合い」はスポーツ界も同じという原稿を書く。これも「公共心の欠如」ですかね?晩飯はもちろん森保ジャパン。チュニジアぼ堅固な5バックを崩しての2-0の勝利は見事。この強さは本物?金曜の『オプエド』のゲストが大住良之&後藤健生の両氏なので詳しく語ってもらいましょう。
10月18日(水)
塩野七生『ギリシア人の物語V新しき力』(新潮社)読了。2度目の完読で部分によっては繰り返し読んでいたにも関わらず通読するとそのオモシロさに感嘆。とりわけアレクサンドロスという人物の天才ぶりは見事ですね。キリストが生まれる300年以上も前の英雄なのに今も西洋ではアレクサンダー(英語)アレッサンドロ(伊語)アレックス(略語)という名前が頻出する理由がよくわかった。著者が随所に書いたアフォリズムも見事。たとえば《脳も筋肉と同じで使わないと衰える》しかり。一神教と多神教の説明も他のどんな本よりわかりやすかった。《それは神の数にはない。本質的な違いは自分が信じる神しか認めないのが一神教で反対に自分は信じなくても他者は信じているのだからその神も認めるのが多神教である。それも嫌々ながら認めるのではなくリスペクトするから認容するのが多神教だ。日本でならば御稲荷さんを自分は信仰していないが御稲荷を信仰している人の想いを尊重してその祠(ほこら)の前に鎮座している石造りのキツネを足蹴にするような真似はしないという態度である。そのうえその稲荷神社が重要文化財になるほど美しい建造物であったりすれば喜んで見学に行くという心の持ち方なのだ》アレクサンドロスのペルシアやエジプトでの態度はまさに多神教世界で育った人物の態度だったのだ。石仏を破壊するイスラム教徒もムハンマドを笑いものにするキリスト教徒もナルホド典型的な一神教徒なのですね。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマはオリンピック。5年後のロス五輪で野球とソフトボールが復活したことは素直に喜べるのか?ブレイキンやサーフィンが五輪競技から外れてクリケットやラクロスが加わったのは時代に逆行?とはいえないかな?だけど来年のパリ五輪のサーフィンを仏領タヒチで行うのは良いことなの?そもそもパレスチナ情勢を見るとオリンピックは開催できるの?IOCはエルサレム開催を唱えたほうがイイのでは?と少々纏まらない話(>_<)世界が纏まってないからオリンピックだけでも常に停戦を実行していた古代ギリシアのオリンピックのように纏まらなければ…。ワン。黒兵衛と散歩のあと校正やら明日の準備やらのあと晩飯はクライマックスシリーズを見ながら。セ・パともに強いチームが勝ちましたね。オモシロないナァ。
10月19日(木)
ひとつの作品(本)を読み終えると本というものは新たに沸いて出てくるものなのか?昨日講談社から今月の現代新書の新刊が3冊送られてくる。久坂部羊『人はどう老いるのか』。帯に《医者はホントは知っている楽な老方苦しむ老方》とある。著者は阪大医学部卒のお医者さんで経済学者でないところがモンダイかな?阿部恭子『高学歴難民』の帯には《学歴があれば「勝ち組」なのか?月10万円の困窮生活/振り込め詐欺や万引きに手を染める/博士課程中退で借金1000万円/ロースクールを経て「ヒモ」に…「こんなはずではなかった」誰にも言えない悲惨な実態》とある。小生は高学歴ではない(高卒)なので無関係無問題ですね。しかし「ヒモ」はある意味スバラシイのでは?もう一冊は鹿毛敏夫『世界史の中の戦国大名』。コレを読み始める。ナルホド世界史的には(ヨーロッパ史的には?)戦国大名は信長や秀吉よりも大友宗麟のほうが有名だったのですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。近くの道路で「地震に強い水道管への交換工事」が行われている。インフラなども50年くらいが寿命なのかな?そう言えば何日か前のNHK『解体キングダム』での巨大球体ガスタンクの解体はオモシロかった。リンゴの皮を剥くようにバーナーで切っていくのですね。見事。リンゴの皮のように剥いた鉄は再利用もできますからね。中国ではEV車が主流らしいけど大量の蓄電池は再利用可能なのかな?ワン。チョイとデスクワークのあと午後から品川のフォーラムエイト本社へ。『ZAITEN』別冊メセナ特集号の企画で伊藤社長と対談。武井副社長にもいろいろ話しを聞く。クルマの安全運転や道路&橋脚等の整備にVRを駆使しているIT企業のWRCラリー・ジャパンへの関わり方の話は非常にオモシロかった。対談&取材を終えて帰宅。晩飯はプロ野球CSを見ながら。虎は強いですね。牛は継投でちょっと油断したかな?しかし同時刻に試合をやられると見るのがたいへんですナァ(>_<)
10月20日(金)
『世界史の中の戦国大名』はボチボチ読むことにして朝のベッドでの読書はずっと以前から読みたい読みたいと熱望していたミルチア・エリアーデ『世界宗教史全3巻』(筑摩書房)への挑戦を開始。まずは第1巻『石器時代からエレウシスの密儀まで』。古人類が直立歩行を始めて高さと縦横という空間を手に入れ空間の拡張としての「宇宙」や「あの世」の創造的想像が始まりヒトは《生きるために殺す》ところから生物と一体化して《神秘的連帯性》が生まれ《宗教的価値世界を生み出し創造的想像力(としての宗教)を呼び起こし育んだ》というわけか。メッチャ面白い。最近クマが町中に出てきて人間を襲うことが騒がれているけどソレは人間がクマを食べなくなった(カミとして祀らなくなった)からでしょうね。そう言えばかなり以前関西のテレビ局の仕事で福井から京都までの鯖街道を踏破したとき途中で泊まった民家で熊鍋を御馳走してくれるというので期待していたが熊が捕れずに猪鍋になったことがあった。残念。最近の熊騒動はクマがカミでなくなった結果なんですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。鎌倉にもクマが出没すれば黒兵衛はどんな反応をするのかな?アイヌの人たちは最近のクマ騒動をどう思ってるのかな?子熊の魂(カムイ)をカミの世界に送るイオマンテ(熊祭)は今はやっていないのかな?そう言えば昔はNHKの『のど自慢』で歌の自信のあるヒトは必ずといって良いほど『イオマンテの夜』を歌ったものでしたけどね…と言っても若い人にはわからないか。だからクマが暴れるのか?ワン。デスクワークのあと夕方の『ニューズ・オプエド』はサッカー特集。ゲストにサッカー・ジャーナリストの大住良之さんと後藤健生さんを迎えて『日本サッカーの「強さ」は本物か?』について存分に語ってもらう。日本で再度サッカーW杯を開催するよりも日本のサッカーがW杯で優勝するほうが「早く」「可能性は高い」そうです。ゴルフの日本でのPGFツアーの試合の話題も取りあげたのでゴルフ・ジャーナリストの小川朗さんにもゴルフの解説で入ってもらいました。地球温暖化による芝の「痛み」の話題でサッカーとゴルフの話題がシンクロできたのはオモシロかったです。今も聞けますのでどーぞ。https://op-ed.jp/『チコちゃん』見ながら晩飯&酒&寝る。『世界宗教史』読まなきゃ。
10月21日(土)
昨夜は「晩飯&酒&寝る」と素っ気なく書いてしまったが実は結婚記念日でワインで乾杯もしていた。44年目のことなので書き忘れてもシャーナイですな(>_<)朝のベッドでの読書はエリアーデ『世界宗教史T』読み進む。メッチャ面白いというか勉強になる。旧石器時代から新石器時代へ。農耕の始まりで人類の宗教も男性的野獣狩猟型祈祷から女性的植物採集農耕型祈祷へ大変化。春夏秋冬の季節の移ろいと時間(未来)概念が加わる。さらに鉄器時代に至って鉄の精製から大地が育む鉱物の神秘性と女性の子宮が結びついて様々な宗教が生まれたわけですね。「人類史=宗教史」と言い切っても間違いではないようですね。ワン。午前中いろいろ雑務をこなして午後は大船からモノレールで深沢へ。サッカーチーム鎌桑インテルのホーム・グラウンド「鳩スタ(鳩サブレー・スタジアム)で催されている「オクトーバー・フェスト」を見学。というかライヴ演奏のステージ前に地ビールや食べ物のテントやテーブルがフィードいっぱいにズラリと並んでいるところで昼間からビール。ウインナーやたこ焼きやシュラスコを肴に茅ヶ崎ビールや鎌倉ビールetcのラガーやピルスナーをグイグイ。ビールは昼間に飲むほうが美味いですね。帰りに大船ルミネの本屋さんアニールで渉猟。うわっ。バンクシーの本『バンクシー・ビジュアル・アーカイブ』(グラフィック社)があったので久し振りに本の衝動買い。時代順にバンクシーの作品が並んだB6判程度のハードブックは手頃でなかなかオモシロそう。ついでに内田樹&白井聡『新しい戦前 この国の"いま"を読み解く』(朝日新書)も購入。現在日本は「新たな戦前」と言うより「戦中に入った」という指摘に首肯。世の中が変わる時は「空間革命」が起こるという白井氏の指摘に納得。《少し注意して街を歩いてみるだけでわかると思うのですが入場料なり何か買うなりといったかたちでお金を支払うことなく寛(くつろ)ぐことでのできる空間はこの四半世紀の間に激減しました》《今大問題になっている神宮外苑の再開発に代表される都市の「大規模再開発」はその地に積み重なってきた歴史の地層を洗い流して空間の商品価値を能(あた)う限り高めようとする企てに他なりません》誰がこんな馬鹿げたことを推し進めているのでしょうね。「再開発」はたかが半世紀で古くなって「再々開発」で金儲けをしたい人がやってるんでしょうね。『鏡の国のアリス』に登場する動物たちがみんな理由もわからずグルグル走ってる姿を想起しますね。帰宅して本読みながら再ビール。映画『アラビアのロレンス』の前半を見る。パレスチナのことを知りたいですからね。晩飯に雪崩れ込んでパ・リーグのCS。順当にバファローズが勝って関西は結構な騒ぎでしょうね。
10月22日(日)
エリアーデ『世界宗教史T』読み進む。メソポタミアの宗教。まだ拝火教(ゾロアスター)もまだ生まれないずっと前の神話の誕生。世界初の「洪水神話」や「冥界降り神話」。《洪水神話の大部分は言わば宇宙のリズムの一部を形成していると思われる。堕落した人間が住む「旧世界」は洪水の中に没しやがて「新世界」が混沌の水から出現するのである》こんな「終末観」や「再生願望神話」が紀元前4千年くらいのシュメールに生まれていたのですね。そして世界中の文明がそれを共有したということは文明が誕生した後の人間の世の中が如何に住みにくい世界だったかということの証拠かもしれませんね。今のパレスチナに住むアラブ人もユダヤ人も「洪水願望」を抱いているのかな。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。真っ青な秋晴れ。天高く馬肥ゆる秋。昔戦前の東北地方で新約聖書のマタイ伝が良く売れたという話を読んだことがあった。タイトルが漢字で「馬太伝」と書かれていたからという。ホンマかいな?と思うが小学生のときに読んだ『頭の体操』という本に書かれていたと記憶している。くだらんことは良く記憶に残るもんですね。ワン。終日いろいろ雑務。晩飯はデビッド・リーン監督『アラビアのロレンス』の後半とメイキングをDVDで見ながら。スピルバーグの解説が面白かった。ロレンスが「何故砂漠に惹かれるのか?」という新聞記者の問いに「砂漠はクリーンだから」と答えたのをスピルバーグが評価。アリゾナ州で育った彼は「砂漠のクリーンさ」を知っているという。メソポタミアやパレスチナやアラビアも肥沃な土地にすぐ脇に「クリーンな砂漠」があったからいろんな宗教を生んだのかな?あ。スピルバーグはウクライナ系のユダヤ人なんですね。二重に渦中の人は今の世界をどう思ってるのかな?しかしデビッド・リーン監督はよくもこんな凄い映画を撮ったものですね。駱駝や馬が数え切れないほど出てきてデッカい蒸気機関車は爆破されて客車とともに横倒し。それがすべて広大な砂漠のなかでの撮影ですからね。「今の時代にCGを駆使してリメイクするのはデビッド・リーン監督に対する冒涜」とスピルバーグも言ってましたがその通りですね。しかしアラブ世界の実態やイギリスの2枚舌外交をキチンと描いてのリメイクならあるかな?あ。イスラエル国家の建設は少し後ですが初代大統領にはアインシュタインが依頼されそうです。が彼は断った。理由は「ユダヤ人とアラブ人が一緒に暮らす国でないとダメ」というものだったとはNHK『映像の世紀』で知りました。
10月23日(月)
『世界宗教史T』読み進む。女神ニンスンと人間の間に生まれたギルガメシュの叙事詩は後にアーサー王物語につながる構造を持っているという。様々な困難に打ち克つイニシエーションの物語。人間は古代から現代までさほど成長していないのですね。いや東洋の東端の島国でギルガメシュをテレビのエロ番組のタイトルに使ったことを思うと人類は明らかに退化しているのかもしれませんね(>_<)ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。最近原稿の執筆依頼をしてくれる編集者や仕事の依頼を言ってくるディレクターなどに中高時代に小生の拙著を読んだり大学時代に小生の授業を受けたりした人物が次々と出てきた。それだけ俺が歳を取ったということでもあるのでしょうがマァ嬉しいことではありますね。ワン。Jリーグの創設やBリーグの改革発足に貢献した川淵三郎さんが文化勲章に選ばれた。スポーツ界からは古橋広之進氏と長嶋茂雄氏に続き3人目。とは言え他の2人がスポーツを「やって」スポーツに貢献したのに対して川淵氏はスポーツの「新しい組織を創って」スポーツ界に貢献した。この違いは大きい。かつて三島由紀夫が文化勲章を痛烈に批判した文章を読んだことがある。作家にしろ芸術家にしろ学者にしろ既に各分野で素晴らしい仕事を成し遂げたり作品を残した人物は既に世の中で高い評価が与えられているわけでソノうえに「勲章」を与えるのは屋上屋を重ねるようなものだというのだ。だから「勲章」は世評がよくわからない政治家や軍人に与えて喜ばれるものなのだという。確かに。だから軍人は胸に山ほど勲章を付けて喜んでいるのですね。三島の意見はヘミングウェイの「勝者には何もやるな」という言葉と同じですね。しかし川淵氏の功績は長嶋氏や古橋氏と違って「世評がよくわからない」側にあるものですから価値がありますよね。何しろ当時読売ジャイアンツのオーナーで読売新聞社の社主だった渡邊恒雄氏がJリーグのやり方に大反対。彼と大喧嘩をして創設した「スポーツ(サッカー)を行うリーグ(Jリーグ)」が「マスメディアや親会社の宣伝に利用されているスポーツ(野球)」よりも評価された結果としての文化勲章ですからね。これをきっかけに日本の多くのスポーツがマスメディアや親会社の支配から独立するようになれば逆に文化勲章の価値も(すぐに忘れられてしまうものでなくなり)上昇すると言えますよね。晩飯は吉本新喜劇を見ながら。最近の吉本は新喜劇の芝居のパターンを残しながら新しい要素をふんだんに取り入れてますね。どの役者が出てきても一定の面白さをキープできるのはどの選手が出てきても強い最近の日本サッカーと似てますね。
10月24日(火)
『世界宗教史』はメソポタミアからエジプトへ進む。いよいよイシス&オシリスの世界でそれはモーツァルトの『魔笛』=フリーメイソンの世界までつながっているわけですね。おまけに古代エジプトの一時期にアモン神からアトン神への変化が起こり多神教から一神教への変化をもたらしそこへモーゼが現れてユダヤ教につながる強固な一神教が生まれるわけか…この本のタイトルは「世界宗教史」だけど「宗教世界史」のほうがイイかもしれないですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と朝の散歩。一神教の神は多くの殺人や戦争を生んだけど多神教の神々が原因で殺人や戦争が起こったことは無いのかな?神話や古代では多神教の神々も戦いを起こしたけど少なくとも近代以降の多神教で起こった戦争は無いのでは?日中戦争や太平洋戦争は八百万の神々の戦いではなく現人神の天皇教の戦いでソレは一神教のようなものでしたからね。ワン。終日デスクワークは北國新聞の連載『スポーツを考える第73回』で川淵三郎氏の文化勲章受章の意味を考えるコラムを執筆。そう言えば40年ほど前に初めてスポーツライターとしてテレビに出演したとき(桂三枝さん=現文枝さんの司会する関西の番組だった)「野球やサッカーなどのスポーツとは文化として育てなければならない」と話したらアシスタントの女子アナが「玉木さんの学校では野球部は運動部ではなく文化部だったんですか?」と言われたのを今も憶えている。それが本気だったのか冗談だったのかは今も判然としないが川淵氏が文化勲章を受章したことでスポーツ(サッカー)も「カルチャー=みんなで(社会で)育てて実らせるるもの」でありそれこそ「文化」(武化の反対語)であると多くの人が…気付いた…かな?スポーツとは暴力(武力)を否定する民主主義社会(立憲民主政の社会)でしか生まれ育たない「カルチャー(文化)」ですからね。この意味がイマイチわからないという人は拙著『今こそ「スポーツとは何か?」を考えてみよう!』を御一読ください。
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『ウェストサイド物語』 この素晴らしい音楽はパクリだらけですね。ワーグナーの『指環』の『愛の復活』のモチーフからもパクってますね。お見事!
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10月25日(水)
『世界宗教史』はエジプトの宗教からヨーロッパの巨石文明へ。古代の宗教は見事に政治や日常生活と密接に繋がって(一致して)いたのですね。いや古代だけでなく現代でもそうかな?イスラム教徒や仏教徒がアメリカ大統領に選出されたら就任式ではやはり聖書の上に手を置いて宣誓するのかな?他の国の-たとばエジプトやイスラエルの大統領はどーしてるのかな?クルアーン(コーラン)やタナハ(旧約聖書)やタルムードを用いてるのかな?調べてみましょう。ワン。黒兵衛との散歩は後回しにしてRKB毎日放送『田畑竜介GrooonUp』の『Catch Up』にZOOM音声出演。テーマは川淵三郎氏の文化勲章受章の意味。要するにJリーグというスポーツ(サッカー)をやることを目的にしたスポーツ組織を日本で初めて創ったということですね。それに対して旧体制の抵抗勢力は親会社の宣伝や新聞を売ることにスポーツを利用したかったのでかなり抵抗したけど川淵氏の文化勲章でどちらが正しいかは勝負は決まったと小生は思いますがマダマダ抵抗勢力は日本のスポーツ界に残っているようですね。ナベツネ氏は心を入れ替えたのかな?ワン。ラジオのあと黒兵衛と散歩。昨日読んだバンクシーの画集の中に面白い言葉が紹介されていた《優れた芸術家は真似る。偉大な芸術家は盗む》ピカソがそう言ったらしい。そりゃベートーヴェンの英雄交響曲や運命交響曲もモーツァルトやバッハのパクリですしバーンスタインの『ウェスト・サイド・ストーリー』はワーグナーからパクってますしドビュッシーもゴッホも北斎や歌麿からパクってますからね。ワン。デスクワークは北國新聞の連載の校正や連合津心の連載の執筆や終末のSPJ(スポーツ・ポリシー・フォー・ジャパン)の参加大学61ゼミの学生たちの労作(企画書)読み。ふう。他人の原稿を読むのはシンドイですね。今年の学生たちはウィキなんてクダランモンを使わずにキチンと良いものをパクってるかな?
10月26日(木)
『世界宗教史』はヨーロッパ古代の巨石文明からいよいよパレスチナの旧約聖書の世界へ。遺跡遺構から想像力を働かせるの時代から聖典や文献を読み取る時代に入る。ナルホド聖典というのは過去の宗教の歴史の集大成でもあるのですね。各地の様々な洪水はノアに集大成され様々な神々(多神教)は創造主YHWHヤハウェ(一神教)に纏められる。あとは解釈の時代に入るわけですね。解釈の違いがどこから戦争まで引き起こすのか?「自分が信じる神しか信じないのが一神教」と塩野七生さんは書いたけど正しくは「自分の信じる神の解釈しか信じないのが一神教」ということのようですね。ナルホド宗教とは政治的なものです。仏教だって禅宗と日蓮宗の仏の解釈は全然違いますからね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。秋空と秋の空気は気持ちよいですなぁ。ワン。デスクワークをしているとスポーツ特集をするというので原稿依頼をしてきた世界思想社から『世界思想』のバックナンバーが2冊送られてくる。民主主義と歴史の特集号。コレは読まねば。と思っていると筑摩書房から『ちくま11月号』も届く。斎藤美奈子さんの連載『世の中ラボ』は「ジャニーズ事件から考えるビジネスと人権」このほかにも興味深いモノ満載。コレも読まねばと思っているとカメラマンの初沢亜利さんから写真集『二千二十年、二千二十一年。』が届く。パラパラと眺めただけでコレはオモシロい!コロナとオリンピックの東京。見えたままの人物やふうけいにみえるものがバンクシーの壁絵のようにオモシロい!いかんいかん仕事しなければ…で昨日の続いてスポーツ・ポリシー・フォー・ジャパンの企画書を読みふける。A4用紙各4枚×61ゼミ=244枚。ふううう。しかし結構面白かった。「宇宙とスポーツ」とか「スポーツで恋活」なんてのもありましたしね。ふううう。晩飯はNHKの大好き番組『魔改造の夜』を見ながら…と思ったら再放送だった。最近のテレビ番組は再放送を事前に断らないのはイケマセンね。仕方がないのでハマス・ヒズボラ・イスラエル問題を見ながら晩飯。ニュース解説は解決の道を教えてくれないですね。嗚呼。
10月27日(金)
『世界宗教史』読み進む。旧約聖書というのはメソポタミアやパレスチナの古文献や伝承を選りすぐって纏めたモノなんですね。ということは稗田阿禮が記憶した諸家の「帝紀」や「本辞」を太安万侶が集成した『古事記』みたいなモノか。旧約聖書はそこで一神教の勝利を謳い上げたわけですけど古事記は八百万神の素晴らしさを列記したわけですね。万物の支配を命じた人間を嫉妬深く虐める一神教のYHWHよりも私は八百万の神々のほうが好きですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。日本海側や東北や北関東のほか東京でもゲリラ豪雨や雹が降る異常気象らしいけど湘南地方は天高く雲一つない真っ青な秋空の毎日。少々恐ろしいくらい。これが凶兆でなければ良いけれど…なんて思ってしまう。SPJの個人的審査結果をメールで送って足を運ぶのは決勝(最終発表)の日曜日だけにさせてもらう。明日は日本シリーズもあればラグビーW杯の準決勝もありますからね。夕方からは『ニューズ・オプエド』。カメラマンの初沢亜利さんと日刊ゲンダイの今泉恵孝さんを迎えて「どうなる?59年ぶり関西シリーズ日本一日決定戦その本当の面白さとは?」と題してイロイロ語る。小生の予想は(と言うか希望は)タイガースvsバファローズは3勝3敗3引き分けで両者日本一。コレが最高ですね。番組のなかで初沢さんの写真集『2020,2021』を絶賛紹介させていただくと以前(東京五輪前)にオプエドに出演されたとき「五輪の取材証が取れなくてどうしようか…」と言っていた初沢さんに対して小生が「取材証なんかなくても周囲に溢れている五輪の風景のほうが面白い」と言ったことからこの素晴らしい写真集が生まれたとか。小生はそんなことを言ったことはスッカリ忘れていたけど我ながらタマにはイイことを言うモノですナァ(゚o゚;) 今泉さんと初沢さんとのオモシロい会話を思い切り楽しんで番組を終えたあと「チコちゃん」&メシ&サケ&ネル。初沢さんと今泉さんと小生のメッチャおもろい会話は今も聞けますのでドーゾ。https://op-ed.jp/
10月28日(土)
タイガース強すぎですね。どないなっとるねん。
Back to10月28日(土)
『宗教の世界史』読み進む。一神教の元祖でユダヤ教・キリスト教・イスラム教が信仰するヤハウェYHWHは実は「一柱の神(一神)」だけが存在していたわけでなく多神教のなかから生まれたのですね。それはモーセの《十戒の第一条「あなたはわたしのほかに何ものをも神としてはならない》という一文で明らかなんですね。それは《ヤハウェ主義が厳密な意味での唯一神教ではないことを示している》そしてモーセは《「主(ヤハウェ)よ。神々のなかにあなたのような方が誰かあるでしょうか」と叫ぶ》つまり「自己主張が強く極めて嫉妬深いヤハウェという神」が「自分だけ」を主張して人間(モーセ)がそれを受け入れたところから一神教が生まれたわけですね。神々が人間の生き写しであり「神が人を創った」のではなく「人が神を創った」とするならYHWHは結構自己チューの人々(古代カナンの地に暮らした人々?)が創作したと考えられるのですね。それを「改革」しようとしたのがイエスやムハンマドというワケなのか…読み進みましょう。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。天高く馬太(マタイ)伝売れる秋。22日の本欄をお読みください。いろいいろデスクワークの一日。ラグビーW杯3位決定戦の録画をなかなか見ることができない。トホホ。夜は日本シリーズを見ながら。山本投手が日本シリーズで勝てないのは何故かな?プロ野球七不思議の一つ?「謎は解かれないほうが面白い。説かれないから謎。解かれるような謎は謎ではない」と確か小林秀雄が『モオツアルト』に書いてた。「解かれるような謎」は「謎」ではなくて「なぞなぞ」ですね(笑)。
10月29日(日)
タイガース強すぎの8対0の翌日は0対8の惨敗。さすがは関西ダービー。仲の良い両チームですね。コレがベースボールですね。コレがスポーツですね。憎み合ったり戦ったりするのはスポーツじゃないですね。
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ベッドでの朝の読書はカットして常より1時間早くベッドから出て小雨降るなか黒兵衛と散歩。秋は天高く…だけでなく我が身世にふる長雨せしまに…もあるのですね。イロイロ準備して大船駅から東海道線に乗って東京駅へ。タクシーで明治大学の駿河台キャンパスへ。スポーツ政策学生会議(Sport Policy for Japan;SPJ)に笹川スポーツ財団の審査員として参加。全国から集まった32大学61ゼミから寄せられた学生たちによる「スポーツ政策」のうち昨日の予選グループを勝ち進んだ5大学(明大・立大・東海大・一橋大・亜細亜大)8ゼミの発表を聞く。最優秀賞に選ばれたのは立教大学の「聴者と聴覚障害者の架け橋プロジェクト」で聴覚障害者と聴者が共に手話によるコミュニケーションを行うなかでサッカーを行うためのノウハウを考えたモノ。学生たちが互いに選ぶ賞でも第1位となりスポーツ庁長官賞にも選ばれた。小生が審査した笹川スポーツ賞は決勝には残らなかったけど一橋大学の文化としてのスポーツを推進する企画『「ウォーキング・ツーリズム×物語」で地域活性化』熊野古道を歩いて物語を創る(AIも用いて)プロジェクトというもの。じつは神奈川大学の『宇宙×スポーツ〜宇宙産業の発展に向けて』という企画もナカナカ面白いと思っていたのだがコレはスポンサーの一つであるフォーラム8賞に選ばれたので一橋大のほうを選んだ。少しでも多くの学生の努力が表彰されるほうがイイですからね。他の賞の結果などは近々スポーツ産業学会のホームページで発表されますのでお知らせします。表彰者に賞状を授与して講評を語ったり記念撮影をしたり…お世辞ではなく今年の学生たちの発表内容はレベルが高かったですね。しかし今気付きましたけど毎年何処かのゼミが題材に取りあげるオリンピックとのコラボ企画が皆無だったのはやはり贈収賄事件の影響かな?若い学生たちとの交流を終えて帰宅。タクシーが捕まらないので御茶ノ水駅まで歩いて中央線&東海道線経由で帰宅。晩飯食べながら日本シリーズは昨日の裏返し。関西ダービーは仲良しダービーですね(2項目前を見てください)。
10月30日(月)
『宗教の世界史』読書復活。「ゴータマ・ブッダ以前のインド」なるほどインドの宗教は奥が深いですナァ。《ローマ人は歴史的・国家的に考えるがインド人は寓話的・宇宙的に考える。ローマ人の思考は経験的・相対主義的・政治的・法律的だがインド人の思考は哲学的・絶対的・教条的(ドグマティック)・道徳的・神秘主義的と対照的である》これはデジタル産業先進国の現代インドにも当てはまるのかな?ワン?ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨日ヨメハンが黒兵衛におやつをやったときに小さな乾燥剤を落としてしまったら黒兵衛がソレをすぐに食べたらしく胃の中で水分と混じって熱を発生したらヤバいと心配していたけれど今日の散歩で雲古のなかに混じって出てきた。よしよし。なかなか素早い内蔵の反応で危機脱出。ワン。いろいろデスクワークするなかで最近グレン・グールドのピアノをCDで聴きたいと思わなくなった。モーツァルトは音が激しすぎるしバッハでもグールドやポリーニの優しい音色のほうが好きになってきた。そー言えばカルロス・クライバーのヨハン・シュトラウスのワルツの演奏も強烈すぎてNGと感じるようになった。歳かなぁ(>_<)などと思いながら仕事をしていると講談社から本が送られてくる。毛利眞人『幻のレコード 検閲と発禁の「昭和」』コレはオモシロそう!巻末の「発禁レコード一覧表」を見るだけでもオモシロい!服部良一作曲の「タリナイ・ソング」や「ホット・チャイナ」(歌は笠置シヅ子)なんてのも発禁(1940年)だしストコフスキー指揮ドヴォルザークの『新世界交響曲』も1943年に自主的発売中止になっている。古くは1932年に柳家三亀松の漫談『新婚箱根の一夜』や『吉原の一夜』三遊亭蜴}の萬歳『新婚初夜』なんてレコードも警察によって発禁になっている。聞いてみたいですね(^_^)。柳家三亀松師匠は小生が子供頃はまだテレビで見かけた。そこで「今はもう小便だけの道具かな」「立ててくれオレではなくてムスコのほう」なんて川柳を披露していたのを何故か憶えている。昔のお笑いのほうが今より毒があったようですね。晩飯で録画しておいたラグビーW杯決勝を見る。日本の優勝の日は遠いようですね。サッカーのほうが近いですね。晩飯後はテレビ神奈川で「吉本新喜劇」辻本茂雄さんと間寛平さんのアドリヴの掛け合いに大笑い。サスガですね。
10月31日(火)
朝ベッドでの読書『宗教の世界史』は一時中断。と言うのは昨日筒井康隆先生から最新刊にして帯に「これがわが最後の作品集になるだろう」と書かれた(但し「信じていません!」との担当編集者の註釈あり)『カーテンコール』(新潮社)と題された25本の短編小説(?)集が送られてきたからだ。早速読まないわけには行かない。「深夜便」「花花魁櫛」「白蛇姫」「官邸前」と読み進んでベッドのなかで「痙攣的笑い」に誘われる。サスガですね。ワン。ベッドを出て黒兵衛と散歩。昨日外科手術か?と思われた危機を脱した老犬は老体を引っ張り回して元気に歩きまくる。気遣いのない馬鹿犬じゃ。ワン。終日デスクワークは先々週インタヴューしたフォーラム8の伊藤社長のメセナ論を纏める作業。『ZAITEN』の別冊なので少々長い原稿に悪戦苦闘しつつ完成。晩飯はもちろん日本シリーズの関西ダービーを見ながら。バファローズ強い!タイガースも盛り返したけど結局はミスの差が出ましたね。小生の予想3勝3敗3引き分け2チーム日本一…の結果に近づいてますね(笑)。
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